JPH0558154U - 小腸減圧用バルーンカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 カテーテルチューブ（１）には胃内吸引ルー
メン（３）、腸内吸引ルーメン（４）、バルーン膨張用
ルーメン（５）等が設けられるとともに、基端部から先
端部方向へ順次胃内吸引ルーメン（３）へ連通する複数
の胃内吸引孔（８）及び腸内吸引ルーメン（４）へ連通
する複数の腸内吸引孔（９）を穿設したことを特徴とす
る小腸減圧用バルーンカテーテル。 【効果】 経鼻的又は経口的にバルーンカテーテルを挿
入して腸内吸引を行う場合、同時に胃内吸引をすること
ができるので、従来欠点とされてきた別に胃内吸引のた
めバルーンカテーテルを挿入することによる医療上の障
害を避けることができ、かつ、複数のバルーンカテーテ
ルを用いずにすむため経費の節約ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本考案は、経口又は経鼻的に十二指腸、小腸、大腸 等の腸管に挿入して、薬液の注入或いは体液その他腸管内にある物 の吸引などに用いるバルーンカテーテルの改良に関するもので、特 に小腸の減圧用バルーンカテーテルに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】 例えば、経口又は経鼻的にバルーンカテーテルを挿入して 小腸減圧の治療手技を行う場合、まず該カテーテルを腸管に挿入し て小腸内の目的位置に到達させ、小腸内にある物を吸引するのであ るが、これのみでは口腔や食道からの分泌物などの粘液は胃内に止 まり、該粘液を吸引するため、さらに経口又は経鼻的にカテーテル を挿入しなければならなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は、バルーンカテーテルを経口又 は経鼻的に挿入し、胃内を経由して小腸の目的位置に留置して小腸 の減圧・吸引を行うことにより、併せて胃内にある物を吸引するこ とが可能であるバルーンカテーテルを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための技術手段】 前記課題を解決するため、本考案にお いては、カテーテルチューブに複数のルーメンを設け、従来のもの と異なり腸内吸引のためのルーメンと胃内吸引のためのルーメンと を形成し、胃及び腸に達する距離を考慮して、カテーテルチューブ の基端部方向から先端部方向へ順次前記各ルーメンに連通する胃内 吸引のための孔と腸内吸引のための孔とを穿設するよう構成した。

【０００５】

【実施例】 本考案の実施例を図面により説明する。図１は実施例の概要を 示す側面図、図２は図１のＡーＡ線断面の端面図、図３は図１のＢ ーＢ線断面の端面図、図４は図１のＣーＣ線断面の端面図で、カテ ーテルチューブ（１）は基端部から先端部まで通ずる複数のルーメ ン即ち、胃内吸引ルーメン（３）、腸内吸引ルーメン（４）、バル ーン膨張用流体通路となるルーメン（５）を穿通してある。この他 薬液注入等に用いる通路となるルーメン等例えば（６）、（７）を 設けてよい。詳細を図示しないが、これらのルーメンと連通する分 岐管部（１２）をカテーテルチューブ（１）の基端部に設け、例え ばバルーン膨張用ルーメン（５）に連通する分岐管の端末には逆流 防止弁を付設する。カテーテルチューブ（１）の先端部（１１）は 図示するように封止してあり、その近傍に前記バルーン膨張用ルー メンに連通するバルーン膨張用孔（１０）を穿ち、該孔を封止する ことなく僅かに間隙を存して柔軟で弾力性のある材質で形成した筒 状のバルーン部（２）を被覆し、該バルーン部（２）の前後両端を カテーテルチューブ（１）に固着してある。本考案の特徴は、前記 胃内吸引ルーメン（３）及び腸内吸引ルーメン（４）に連通する、 複数の胃内吸引孔（８）及び複数の腸内吸引孔（９）をカテーテル チューブ（１）の基端部から先端部方向へ順次穿設したことにある 。穿設の位置は、胃内吸引孔（８）にあっては経鼻的にカテーテル を挿入した場合、鼻から胃までの平均的長さと挿入手技の実際を考 慮して基端部から５００ミリメートルから６００ミリメートル辺り にすることが考えられる。また、腸内吸引孔（９）にあっては、先 端部近傍が適当である。

【０００６】

【考案の効果】 本考案に係る小腸減圧用バルーンカテーテルによれば、従 来のバルーンカテーテルを用いたとき、腸内の吸引のみが可能で、 別途胃内吸引のためのカテーテルを挿入しなければならなかったの に比較し、腸内吸引と胃内吸引が同時にできる利点があることは、 既に述べたとおりである。しかし、医療の実際にあっては、このよ うな点にとどまらず、経鼻的にカテーテルを挿入するとき左右の鼻 腔にそれぞれカテーテルを挿入すると、呼吸困難になるおそれがあ ることが重要である。また、経口的に行っても患者の苦痛が考慮さ れなければならない。本考案によれば、これらの欠点が解消される とともに、２本のカテーテルを使用するという経済的負担の軽減に もなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の概要を示す側面図

【図２】 図１のＡーＡ線断面の端面図

【図３】 図１のＢーＢ線断面の端面図

【図４】 図１のＣーＣ線断面の端面図

【符合の説明】

１・・カテーテルチューブ ２・・バルーン部 ３・・胃内吸引ルーメン ４・・腸内吸引ルーメン ５・・バルーン膨張用ルーメン ６・・サブルーメン ７・・サブルーメン ８・・胃内吸引孔 ９・・腸内吸引孔 １０・・バルーン膨張用孔 １１・・先端部 １２・・分岐管部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カテーテルチューブ（１）は、基端部か
   ら先端部まで通ずる胃内吸引ルーメン（３）、腸内吸引
   ルーメン（４）、バルーン膨張用ルーメン（５）及び又
   は複数のサブルーメン（６）、（７）を設けた管状に形
   成し、該カテーテルチューブ（１）の基端部には前記各
   ルーメンに連通する分岐管部（１２）を設け、かつ、先
   端部を封止するとともに、先端部の近傍に前記バルーン
   膨張用ルーメン（５）に連通する孔（１０）を穿ち、該
   孔（１０）を封止することなく僅かに間隙を存して柔軟
   で弾力性のある材質で形成した筒状のバルーン部（２）
   で被覆し、該バルーン部（２）の前後両端をカテーテル
   チューブ（１）に固着してあるバルーンカテーテルにお
   いて、カテーテルチューブ（１）に基端部から先端部方
   向へ順次前記胃内吸引ルーメン（３）ヘ連通する複数の
   胃内吸引孔（８）及び前記腸内吸引ルーメン（４）へ連
   通する複数の腸内吸引孔（９）を穿設したことを特徴と
   する小腸減圧用バルーンカテーテル。