JP2002529101A - ペプチドの酵素的アミド化 - Google Patents

ペプチドの酵素的アミド化

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バイオネブラスカ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、C末端α-カルボキサミド基を有するポリペプチドを製造するための方法に関する。これは特に、基質ポリペプチドの切断によってC末端α-カルボキサミド基を有するC末端アルギニン残基(C末端「Arg-NH」)を有するポリペプチド生成物が形成される、選択された基質ポリペプチドの酵素的修飾に関する。本方法は、(i)アンモニア試薬および(ii)基質ポリペプチドを含む、水を主体とする溶液を、(iii)クロストリパインと接触させる段階を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 インビトロのDNA操作により、外因性遺伝情報を宿主細胞に導入し、微生物宿
主などの多岐にわたる宿主細胞において内因性および外因性蛋白質を効率的に発
現させることが可能になる。組換えDNA技術は、蛋白質およびペプチドの発現の
選択、増幅、および操作を可能にしている。
【0002】 しかし、組換え的に産生された蛋白質またはペプチドに対するいくつかの修飾
を、DNA配列を変更することによって実現することはできない。多くの天然の蛋
白質およびペプチドはα-カルボキサミド基を有するC末端アミノ酸残基を含むが
、アミド基は発現によって直接には生成されない。実際には、遺伝子発現によっ
て前駆体蛋白質が産生され、前駆体蛋白質の酵素的修飾によってアミドがインビ
ボで導入される。インビトロでC末端α-カルボン酸基をα-カルボキサミド基に
変換する方法にはさまざまなものがあるが、用いうる方法には一般に、反応条件
、選択性、用いる試薬の種類、および/または用いうる基質の種類といった数多
くの要因に関して制限がある。
【0003】 さらに、小型の外因性蛋白質およびオリゴペプチドの多くは、宿主がペプチド
を発現後に再同化するため、ほとんどの細胞宿主では過剰産生を行うことができ
ないことがしばしばである。例えば、所望のペプチドのサイズが、長さにして約
60〜80アミノ酸単位以下の場合には、通常、最終生成物の蓄積ではなく分解が起
こる。
【0004】 この問題に対する対策としては、小型ペプチドを、第2のより大きなペプチド
(例えば、β-ガラクトシダーゼまたはクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ)を含む融合蛋白質の一部として、または所望のペプチドの多くのコ
ピーを含む組換え構築物(多コピー構築物)として発現させることが一般的であ
る。いずれの場合にも、所望のペプチドを製造するために、最初に発現された構
築物を切断することが一般的には必要である。非常に多くの場合には、組換え構
築物の切断によって前駆体ペプチドを産生させ、続いてそれに翻訳後修飾を受け
させて所望のペプチドを産生させる。ペプチド前駆体の切断と、切断生成物のC
末端アミノ酸残基へのα-カルボキサミド基の導入を同時に行えるような別の方
法があれば、極めて有益と考えられる。
【0005】発明の概要 本発明は、C末端α-カルボキサミド基を有するポリペプチドを製造するための
方法に関する。これは特に、基質ポリペプチドの切断によってC末端α-カルボキ
サミド基を有するポリペプチドが生成される、選択されたアルギニン含有基質ポ
リペプチドの酵素的修飾に関する。本方法は、(a)基質ポリペプチド(「第1の
ポリペプチド」)および(b)アンモニア試薬を含む実質的に水性の溶液を、(c
)クロストリパインと接触させる段階を含む。基質ポリペプチドはコアアミノ酸
配列を少なくとも1コピー含み、典型的には1コピーより多くのコアアミノ酸配列
を含む(すなわち、多コピー構築物)。コアアミノ酸配列のC末端残基は、隣接
アミノ酸残基とα-カルボキシルペプチド結合(すなわち「Arg-Xaa」ペプチド結
合)によって結合したアルギニン残基を含む。クロストリパインはエンドペプチ
ダーゼであるため、Xaaアミノ酸残基は、ペプチド結合によってもう1つのアミノ
酸残基(「Arg-Xaa-Xaa'」)またはカルボキシル遮断基(blocking group)(「
Arg-Xaa-R」)のいずれかと結合したα-カルボキシル基を有するアミノ酸残基を
表す。カルボキシル遮断基はカルボン酸の酸性官能部分(-C(O)OH基の「-OH」部
分)を置換する有機官能基であり、切断または加水分解によってカルボン酸基(
「-C(O)OH基」)を再び生成しうる。適したカルボキシル遮断基の例には、エス
テル基のアルコキシ部分(例えば、-C(O)OR基のエトキシまたはベンジルオキシ
部分)および非ペプチドアミド結合の-NRR'部分(例えば、-C(O)NRR'基のNRR'部
分)を含む基が含まれる。-NRR'部分は非置換型(すなわちNH)でもよく、1つ
または2つの置換基によって置換されたもの(例えば、NHEtまたはNMe2)でもよ
い。水を主体とする溶液中にあるこの種の基質ポリペプチドをクロストリパイン
の存在下でアンモニア試薬と接触させると、基質ポリペプチドがアルギニン残基
のα-カルボキシルペプチド結合の箇所で切断され、α-カルボキサミド基を含む
C末端アルギニン残基(「Arg-NH」残基)を有するポリペプチド(「ポリペプ
チド生成物」)が生成される。
【0006】 本明細書で用いる「アンモニア試薬」という用語は、「溶存遊離アンモニア」
(すなわち、水溶液中に溶解したNH)を含む試薬、および/またはクロストリ
パインがアルギニン含有ペプチドをアミド化的(amidatively)に切断すると考
えられる条件下で水溶液中に溶存遊離アンモニアを放出しうる試薬のことを指す
。例えば、アンモニア試薬は、溶存遊離アンモニアと平衡状態にある1つまたは
複数のアンモニア塩を含みうる。遊離アンモニアおよび種々の塩の相対量は一般
に、溶液のpH、溶液中に存在するさまざまな陰イオンの相対濃度、および/また
は個々のアンモニア塩の溶解度といった、当業者に周知のさまざまなパラメータ
ーの関数であると考えられる。水溶液中のアンモニア(「NH」)のpKは約9.
2であり、約9またはそれ以上のpHではアンモニア試薬のかなりの部分は一般的に
、遊離アンモニアとして存在すると考えられる。アンモニアのpK以上のpHの溶
液中では、 アンモニアの過半数は一般的に溶存遊離アンモニアまたは水酸化ア
ンモニウム(「NHOH」)のいずれかとして存在すると考えられる。また、アン
モニア塩の陰イオン部分は一般的に、所与の溶液中に存在する他の陰イオンとの
極めて急速な交換にさらされることも理解されると思われる。したがって、pH 1
0.0の水溶液が塩化物塩(「Cl」)、酢酸塩(「OAc」)および硫酸塩(「SO 4 2− 」)を含む場合には、この溶液中のアンモニア試薬は、溶存遊離アンモニ
アおよび水酸化アンモニウム(「NHOH」)のほかに、塩化アンモニウム(「NH Cl」)、酢酸アンモニウム(「NHOAc」)および硫酸アンモニウム(「(NH )SO」)も含む可能性が高い。本方法には、典型的に、少なくとも約0.5Mの
アンモニア試薬を含む、水を主体とする反応媒質が用いられる。アンモニア試薬
の濃度が約0.75M〜約1.5Mであれば、アミド化生成物の形成の速度および収率を
最適化しながら、酵素活性の実質的な阻害を回避するというバランスが成り立つ
と思われる。本明細書で用いている通り、アンモニア試薬の濃度は、媒質中に存
在する遊離溶存NHの当量に基づく。本方法の1つの態様においては、pHが約8.5
以下であり、好ましくは実質的に中性のpHである、第1の水を主体とする媒質中
にある基質ポリペプチドの溶液を作製する段階を含む。基質ポリペプチドは、溶
液のpHを少なくとも約9.0、典型的には約9.0〜約11.0の間に調整し、アンモニア
試薬の存在下で基質ポリペプチドを固定化形態にあるクロストリパイン(「固定
化クロストリパイン」)と接触させることにより、α-カルボキシルペプチド結
合の箇所で切断され、C末端Arg-NH残基を有するポリペプチド生成物を生じう
る。基質およびアンモニア試薬を固定化クロストリパインと接触させる時間は好
ましくは約20分間以内であり、より好ましくは約5分間以内である。
【0007】 典型的には、第1の水を主体とする媒質を、基質ポリペプチドおよびアンモニ
ア試薬を固定化クロストリパインと接触させる少し前に、pHを高めるために塩基
性水溶液(「アルカリ性媒質」)と混合する。本発明のこの態様を実施する1つ
の様式は、固定化クロストリパインを含む樹脂をクロマトグラフィーカラムに充
填することである。基質原液および塩基性溶液はカラムに導入する直前に混合し
、それによって基質ポリペプチドの高pH水溶液への曝露を最小限に抑える。本発
明の1つの典型的な態様において、塩基性水溶液はアンモニア試薬を含む。しか
し、反応媒質のpHを少なくとも約9.0に高める前にも反応媒質中にアンモニア試
薬の一部または全てが存在しうるため、これは必要ではない。
【0008】 一般的には、ポリペプチド生成物と固定化酵素との接触を終えてすぐ後にも、
反応混合物のpHを約8.5以下の値、好ましくは実質的に中性のpH(例えば、pHが
約6.5〜約8.0)に調整することが好ましい。典型的には、ポリペプチド生成物を
含む反応混合物のpHを、固定化クロストリパインを備えた樹脂床を含むカラムか
ら混合物が排出された直後に、約8.5またはそれ以下に調整する。これにより、
クロストリパイン触媒によるアミド化的切断(amidative cleavage)に用いられ
る比較的高いpH条件下でポリペプチド生成物が分解される確率が低くなる。ポリ
ペプチドは高pHの水性条件下では加水分解を介したラセミ化および/または分解
を受けやすいことが知られている。
【0009】 基質および生成物が高pH条件にさらされる時間を最小限に抑えるためには、基
質ポリペプチドをアンモニア試薬の存在下で固定化クロストリパインと接触させ
ることが一般的に有益である。本方法は、基質のアミド化的切断生成物の高収率
変換を許容すると同時に、基質/生成物溶液が固定化酵素とpHが約8.5か、また
はそれを上回るpHで、接触する時間が約30分間以内に制限されるような様式で実
施可能である。好ましくは、アミド化的切断は、基質/生成物溶液が8.5または
それ以上のpHにある時間が約20分間以内であり、より好ましくは約5分間以内で
ある(例えば、切断反応が約2〜5分間で行われる)ような様式で行われる。
【0010】発明の詳細な説明 本方法は、アルギニン残基を含む基質ペプチドのアミド化的切断によって、α
-カルボキサミド基を有するC末端アルギニン残基(「C末端Arg-NH」)を有す
るペプチド生成物を生成することを可能にする。本方法は、実質的な水溶液中で
クロストリパインの存在下において基質ペプチドをアンモニア試薬と接触させる
段階を含む。この酵素は可溶性形態または固定化形態のいずれかとして存在しう
る。
【0011】 本明細書で用いる「クロストリパイン」という用語には、天然型の種々の酵素
およびその改変型のものが含まれる。改変型のものは、アルギニン含有ペプチド
をArg-Xaaペプチド結合の箇所でアミド化的に切断するためのクロストリパイン
の機能的能力を保持している。適した改変型クロストリパインの例には、1つも
しくは複数のアミノ酸残基の置換、欠失、および/または付加の点で天然型クロ
ストリパインとは異なる機能的変異体が含まれる。適した改変型のクロストリパ
インのその他の例には、アルギニン含有ペプチドをアミド化的に切断しうる能力
を保持しているクロストリパインの機能的断片、例えば、本酵素を構成する1つ
または複数のサブユニットのアミノ末端および/またはカルボキシル末端からい
くらかのアミノ酸残基を除去することによって生じる天然型クロストリパインの
機能的断片などであるポリペプチドが含まれる。
【0012】 天然型クロストリパイン(クロストリドペプチダーゼB)は、クロストリジウ
ム属由来の細胞外チオールエンドペプチダーゼである。このプロテアーゼはヘテ
ロ二量体であり、他の既知のチオールプロテアーゼとの相同性はない。この酵素
の分子量は約30,000〜80,000と報告されており、等電点(pI)は約4.8〜4.9であ
ることが一般的である。クロストリパインは最初はヒストリチクス菌(Clostrid
ium histolyticum)の培養濾液から単離された(Mitchellら、J. Biol. Chem.、
243(18):4683〜2602(1968))。本酵素はArg-Xaaペプチド結合(特にArg-Pr
o結合)に対する特異性が高いことを特徴とし、蛋白質分解およびアミダーゼ/
エステラーゼ活性の両方を有する。例えば、クロストリパインは、インスリンの
単離されたB鎖ではArg-Gly結合をLys-Ala結合よりも500倍速く切断し、グルカゴ
ンではArg-Arg、Arg-Ala、およびLys-Try結合のみを切断する。これらの3種の結
合の加水分解に関する初期速度の相対値は1、1/7、および1/300である(Labou
esse、Soc. Chem. Biol、42:1293(1960))。
【0013】 クロストリパインの活性は、さまざまな活性化物質および阻害物質によって変
化することが知られている。クロストリパインの活性化物質の例には、カルシウ
ムイオン、ならびにシステイン、2-メルカプトエタノールおよびジチオスレイト
ールなどのメルカプタンがある。また、クロストリパインが、トシル-L-リジン
クロロメチルケトン、過酸化水素、Co2+、Cu2+、Hg2+もしくはCd2+イオ
ン、EDTA、またはクエン酸の存在下では阻害されることも知られている。
【0014】 クロストリパインは、微生物を用いる発酵により、例えば、米国特許第5,728,
543号に記載された方法を用いて調製することができ、その開示は参照として本
明細書に組み入れられる。この工程では、栄養培地中にクロストリパインが蓄積
するまでクロストリジウム属菌を培養する。適した例には、ヒストリチクス菌(
Clostridium histolyiicum)DSM 627株などのクロストリジウム属菌がある。ク
ロストリジウム属菌の突然変異体および変種も、その微生物がクロストリパイン
合成能を備えている限りは適している。
【0015】 培養は、典型的に、嫌気的な、単独または混合培養として、例えば、酸素非存
在下での液内静置培養として、または適宜、窒素などの不活性ガス雰囲気下にあ
る発酵槽内で行われる。発酵は一般的に約25℃〜40℃の範囲の温度で、pH 5〜8.
5の間で行われる。培養液には一般的に1〜3日後に酵素の検出可能な蓄積が認め
られる。クロストリパインの合成は対数増殖期後期に始まり、定常増殖期に最大
に達する。酵素の産生は活性測定によって追跡することができる(例えば、Mitc
hell、Meth. Enzym.:47:165〜170(1997)を参照)。最適な発酵条件は個々の
微生物によって異なるものの、適した条件は当業者には既知であり、さもなけれ
ば予備試験によって容易に設定することができる。クロストリパインは、例えば
メタノールまたは硫酸アンモニウム沈殿法、イオン交換またはゲル濾過クロマト
グラフィーなどの古典的な方法によって、培養濾液から単離して精製することが
できる。組換え産生型の酵素も公知であり(例えば、Witteら、Microbiology、1
40(5)、1175〜1182(1994)参照)、この種の酵素はArg-Xaaペプチド結合の選
択的アミド化的切断が可能な限り、本発明に用いることができる。
【0016】 クロストリパインは典型的に、本アミド化的切断反応に用いる前に、メルカプ
タン(チオール官能基(「-SH」)を含む化合物)などの還元剤を用いる処理に
よって活性化される。適した還元剤の例には、ジチオスレイトール(「DTT」)
、ジチオエリスリトール(「DTE」)、2-メルカプトエタノール、チオグリコー
ル酸、システインなどのメルカプタンが含まれる。クロストリパインの活性化の
ために用いられるメルカプタンの濃度は広範囲、例えば約0.05mMから約100mMま
での間でさまざまでありうる。好ましくは、アミド化的切断反応のための酵素の
本活性化は、約0.1〜約5mMのメルカプタン(例えばDTT)を含む水溶液中で行わ
れる。このようにして、および/または以下に述べるカルシウムイオン源の添加
によって活性化された酵素は、直接用いることもでき、または適宜、クロマトグ
ラフィーもしくは透析などによって活性化緩衝液を除去することもできる。
【0017】 クロストリパインはカルシウムイオン(Ca2+イオン)によっても活性化され
るため、アミド化的切断反応に用いるクロストリパインを含む水溶液は一般にCa
ClなどのCa2+イオン源を含む。例えば、クロストリパインは一般的に、約0.
01〜約2mM CaClを含む水溶液として用いられる。しかし、上記の箇所で指摘し
た通り、本方法に用いる前にCa2+イオンに曝露させることによってクロストリ
パインを活性化してもよい。
【0018】 本出願では、アミノ酸残基に関して標準的な一文字および三文字略号(37 C.F
.R. 1.822参照)を用いている。略号「Hse」は、ホモセリンラクトンおよび/ま
たはホモセリンを意味する。これは2つの形態のアミノ酸残基の混合物であり、
臭化シアンとメチオニン残基との反応、例えばペプチドの臭化シアン切断によっ
て生成させることができる。この2つの形態、すなわちホモセリンおよびそのラ
クトンは、平衡状態にある生成物の混合物として存在する。2つの形態の相対量
はpHの関数として変化すると考えられ、pHが高いほど遊離酸(ホモセリン)が多
くなる。
【0019】 アミド化的切断反応を行うために用いられる水性媒質は主として水からなり、
媒質には水混和性の有機溶媒が一部含まれうる。適した水混和性有機溶媒の例に
は、アルコール(メタノール、エタノール、1,4-ブタンジオール、およびトリフ
ルオロエタノールなど)、ケトン、尿素、アミド(N,N-ジメチルホルムアミド(
「DMF」)、N,2N-ジメチルアセトアミド(「DMA」)、およびN-メチルピロリジ
ノン(「NMP」)など)、カーボネート(プロピレンカーボネートなど)、およ
びエーテル(テトラヒドロフランなど)、およびアセトニトリルが含まれる。水
性媒質が含む有機溶媒は一般的に約20%(v/v)(すなわち、有機溶媒が20容量
%)以内であるが、水性媒質中に有機溶媒が存在するとクロストリパインの蛋白
質分解活性は高まる一方で、そのアミド化活性は低下する傾向が認められている
。このため、本アミド化的切断反応は典型的に、有機溶媒の含有レベルが比較的
低い水性媒質中で行われる。一般的に、水性反応媒質が含む有機溶媒は約10%(
v/v)以内であり、より好ましくは約5%(v/v)以内である。クロストリパイ
ンのアミド化活性と蛋白質分解活性との最も好ましい比は、一般的に、有機溶媒
を実質的に含まない水性媒質、すなわち、溶液が含む有機溶媒が約1%(v/v)
以内の場合に観察されるが、多くの場合には媒質中に少量の有機溶媒が含まれる
ことが有益であると思われる。水性媒質中に含めうる特に適した有機溶媒の例に
は、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、およびエタノールが含まれる。
【0020】 アミド化的切断反応の温度も同じく広範囲にわたってさまざまでありうるが、
一般的には約4℃から約80℃までの間の反応温度が用いられる。好ましくは、ア
ミド化的切断反応は20℃から60℃までの間で行われ、約25℃〜約50℃の反応温度
が特に適している。本アミド化的切断反応は、典型的に、pHが少なくとも約9.0
である水を主体とする媒質中で行われる。好ましくは、酵素的触媒による本アミ
ド化的切断反応は約9.0〜約11.0のpHで行われ、約pH 9.5からpH 10.5までの範囲
が特に適している。
【0021】 基質ポリペプチドの、C末端Arg-NH残基を有する対応するポリペプチド生成
物へのアミド化的切断に要する時間は、反応条件によってさまざまな範囲にわた
る。例えば、単相溶液法を用いて行う場合には、実質的な変換は15分間から48時
間までの間に実現されうるが、30分間から6時間までの反応時間が便宜上は一般
に好ましい。アミド化的切断が基質およびアンモニア試薬を固定化クロストリパ
インと接触させることによって行われる場合には、約5分間またはそれ未満で基
質の実質的な変換(例えば、40%またはそれ以上の変換)が生じるような条件を
選択しうる。当業者に知られている通り、反応速度は、基質、アンモニア試薬お
よび酵素の濃度;反応温度;反応媒質のpH;ならびに反応媒質における有機溶媒
の有無を含む種々の要因によって影響を受ける。望ましい反応速度および反応時
間を実現するために、このようなパラメーターの1つまたは複数を調整すること
が可能である。
【0022】 アミド化的切断反応に典型的に用いられる比較的高pHの条件により、例えば加
水分解性切断反応、および/または異性化などを通じてペプチド分解が導かれる
ようにすることができ、このうち後者はL-アミノ酸残基を対応するD-異性体(「
D-混入物」)に変換することが可能である。分解の速度は、塩、溶媒などを含む
反応媒質のほか、反応媒質の温度およびpHによる影響を受けることが見出されて
いる。例えば、1M NHOHを含むGLP-1(7-36)NHのpH 10.5の水溶液を45℃で44
時間放置したところ、ペプチドのかなりの量がD-混入物へと分解された。中性pH
の同様の溶液を44℃で44時間おいた場合に検出された分解はかなり少なく(D-混
入物が8%)、同様の溶液を-20℃および4℃で同じ時間おいた場合には分解は本
質的に全く検出されなかった。
【0023】 これに対して、pHが約4〜8.4の間で溶解されたGLP-1(7-36)NH水溶液を-20℃
〜45℃の範囲の温度で同様の期間おいた場合には、D-混入物の形成は本質的には
全く検出されなかった。 8.4〜10.5の範囲のさまざまなpHの1M塩化アンモニウム
溶液中でのGLP-1(7-36)NHの分解(45℃で25時間)を検討するための別の実験
では、ペプチドがpH 8.4で比較的安定であることが示された。これらの条件下で
はpH 9.4でかなりの分解(9%)が測定され、pHが高くなるにつれて分解率も高
くなった。これらの結果は、基質およびアミド化生成物の実質的な分解を避ける
ためには、アミド化ペプチド生成物の比較的高いpH(例えば、pH≧9.5)への曝
露を最小限に抑える必要があることを示唆する。
【0024】 アンモニア塩(アンモニア試薬)NHX(式中、Xは水酸化物イオン、塩素イオ
ン、酢酸イオン、または硫酸イオンなどの、アンモニウムイオンの対イオンであ
る)の濃度の変化が、クロストリパイン触媒によるアミド化的切断に及ぼす影響
も一定のpHおよび温度(pH 10.0、45℃)で検討した。NHCl/NHOH濃度(NH
OH水溶液のpHを塩酸で10.0に調整することによって形成される)を0.5Mから1.
0Mに高めることにより、比較的高いpHで形成されるD-混入物の量を実質的に増加
させることなく、所望のアミド化的切断生成物の形成速度および収率が高くなっ
た。本明細書では、NHOHはアンモニアの水酸化物塩を示すために用いている。
これは例えば、市販の種類の水酸化アンモニウムでは、アンモニアを水中に溶解
することによって生成され、水中に溶解したNH水和物との平衡状態の下で存在
する。換言すれば、水酸化アンモニウムは、「遊離溶存NH」と平衡状態にある
NH OHの混合物である。NHCl/NHOH濃度をさらに高めても(約2Mまで)
、アミド化生成物の収率および分解生成物の量に実質的な増加は生じなかった。
しかし、NHCl/NHOH濃度を1.0Mから2.0Mに高めることにより、アミド化生成
物の収率が最大に達するまでに要する時間はほぼ3倍になったため、この高いNH
Cl/NHOH濃度では酵素活性は阻害されるように思われた。このため、NHCl
/NHOH濃度が約1.0M(例えば、約0.75Mから約1.25Mまで)であれば、アミド化
生成物の形成の速度および収率を最適化しながら、酵素活性の実質的な阻害を回
避するというバランスが成り立つように思われる。pHに対する感受性がさらに低
く、pHが約10以上である溶液中での活性がさらに高いクロストリパインの変異体
を見いだすことも可能であると思われる。さらに、アンモニウムイオンの他の対
イオン、例えば、硫酸イオン、塩素イオンなどはアミド化に適しており、推論に
よれば対イオンはこれらのイオンには限定されることはない。典型的に、アンモ
ニア試薬は溶液平衡反応のために、NHOH、1つまたは複数の他のアンモニア塩
(例えば、NHClおよび/もしくはNHOAc)、ならびに遊離溶存NHの混合物
として存在すると考えられる。
【0025】 本発明の1つの代替的な態様においては、反応物(基質ペプチドおよびアンモ
ニア試薬)を含む水溶液を、固定化クロストリパインを含む懸濁液または床(be
d)と接触させるというような連続様式で、アミド化的切断反応を行うことがで
きる。クロストリパインは従来のさまざまな方法によって固定支持体に結合させ
ることができる。例えば、アガロースゲルもしくはメタクリレートを主とする樹
脂上のトレシルまたはアルデヒド基、またはCNBr活性化アガロースとの反応によ
って固定化されたクロストリパインの調製物が調製されている。このようにして
調製した樹脂には極めてさまざまな量の付着させた酵素を有することができる。
本方法における使用に適した典型的な樹脂は、約0.1〜約10mg/mL、好ましくは
約1〜約5mg/mLの固定化クロストリパインを含む。これらの調製物は、アンモニ
アの存在下においてpH 10で、配列GLP-1(7-35)-Arg-Ala-Phe-Alaを含むポリペプ
チドをC末端GLP-1(7-35)-Arg-NHを有するポリペプチドに切断するというよう
な、基質をアミド化的に切断する高い活性を有していた。収率は典型的には40%
を上回り、これは単相溶液反応で認められた値と同程度であった。固定化クロス
トリパインを含む樹脂はカラムに充填可能であり、アミド化的切断反応のための
極めて有効な触媒として作用させることができる。
【0026】 固定化クロストリパインを用いる反応は一般的に、適切なアンモニア水溶液中
にあるペプチド基質に圧力をかけてカラムを通すことによって行われる。これに
より、問題になると考えられるクロストリパインを反応生成物から除去する必要
性がなくなる。樹脂に結合したクロストリパインは反応の前にメルカプタンによ
って活性化することができ、またはアミド化の過程で還元剤を存在させることも
できる。典型的には、本酵素は反応媒質にメルカプタン(DTTなど)およびカル
シウム塩(CaClなど)を単に含めることによって活性化状態に維持される。固
定化酵素の反応器を用いるアミド化によっても、生成物の分解、特にD-混入物の
形成および側鎖の脱アミド化につながると考えられる高pH条件へのペプチドの曝
露を最小限に抑えるための方法が可能である。例えば、その一方がペプチドが安
定となる比較的低いpH(例えば、約pH 8.5以下)でペプチドを含み、もう一方が
反応のための最終的なpHおよび化学的条件をもたらす適切な構成を有する2つの
ストリーム(stream)を、樹脂床に反応混合物を導入する直前に混合することが
できる。基質を樹脂と接触させる時間は典型的に約20分間未満であり、好ましく
は約5分間以内である。さらに、アミド化生成物の安定性が著しく高くなる約pH
8.5またはそれ以下に低下させるために、反応器から出た直後に生成物溶液を適
切な酸または緩衝液を混合することが好ましい。
【0027】 本方法は、C末端アルギニン残基を含むアミド化型の種々のペプチドを製造す
るために有用である。製造しようとする標的ペプチドとしては、天然配列、改変
された天然配列、生物活性を有する非天然配列、その切断型および類似の変形物
などの、Arg末端を有する有用なポリペプチド配列が可能である。ペプチドの分
子量は300〜約20,000であってよく、一般的には400〜10,000である。このような
ペプチドは典型的に3〜100個のアミノ酸残基、好ましくは3〜70残基を含む。こ
のようなペプチドの例には、成長ホルモン放出因子、この種の因子のプロフォー
ム(proform)、およびその機能的断片が含まれる。本方法を用いてC末端がアミ
ド化されたペプチドに変換させうる基質ペプチドの適した例には、以下のポリペ
プチドが含まれる: 式中、Rはカルボキシル遮断基、アミノ酸残基、またはペプチジル基(すなわち
、2つまたはそれ以上のアミノ酸がα-カルボキシルペプチド結合によって結合し
た配列)である。
【0028】 本方法を、コアアミノ酸配列の複数のコピーを含む基質ポリペプチドのアミド
化的切断のために用いることもできる。このような多コピー構築物が、互いに直
接的に連結した(「連続的に結合した」)隣接コピーを有してもよい。しかし、
コアアミノ酸配列の隣接コピーはリンカー配列を介して連結されることが非常に
多い。リンカー配列とは、コアアミノ酸配列の隣接コピー同士の間のスペーサー
として働く比較的短いアミノ酸配列(典型的には、5〜10アミノ酸残基以下)で
ある。リンカー配列のアミノ酸残基は、一般的に、酵素的または化学的切断試薬
によって選択的に切断されうる付加的な部位が生じるように選択される。
【0029】 以下の実施例は、本発明を例示するため、および当業者がそれを作成および使
用することを補助するために提示されるものである。これらの実施例はいかなる
意味においても本発明の範囲を制限するものではない。
【0030】実施例1―pH 7.9でのクロストリパイン触媒アミド化(clostripain catalyzed a midation) 基質ペプチド、GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1;2mg)を1M NHO
H水溶液900μLに溶解し、氷酢酸を用いてpHを7.9に調整した。続いて、クロスト
リパインを添加する前に基質溶液を37℃で15分間インキュベートした。クロスト
リパイン(1mg)は1mM CaCLを含む25mMジチオスレイトール1mLに溶解し、室温
で15分間放置した。37℃の基質溶液を含む試験管にクロストリパイン溶液(100
μL)を添加した。チューブを密封し、倒置混合した上で37℃の浴中に保った。
【0031】 クロストリパイン触媒反応の経過は、一定間隔をおいて(一般的に5または10
分間毎)反応混合物の25μLアリコートを採取することによって観測した。ゼロ
時点のものはクロストリパイン原液を添加した直後に反応混合物から採取した。
反応物のアリコートを氷酢酸で10倍に希釈し、粒径5μmのC18逆相カラムを用い
、以下の緩衝液による緩やかな直線的勾配(3分かけて35%Bにし、さらに6分か
けて45%Bにした後、12.3分までに100%Bにする)によって溶出させるHPLCによ
って分析した:A:95%(v/v)水、5%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v
)トリフルオロ酢酸;B:5%(v/v)水、95%(v/v)アセトニトリル、0.1%
(v/v)トリフルオロ酢酸。
【0032】 その結果(図1)、明らかなアミド化は認められなかった。主な反応は、アミ
ド化を伴わずにAla-Phe-Ala-Hse(配列番号:6)が除去されてGLP-1(7-36)OH(
配列番号:4)が生じるArg36での加水分解であり、Lys34での加水分解によ
るGLP-1(7-34)OH(配列番号:5)の生成もわずかにみられた。GLP-1(7-36)OH(
配列番号:4)の量は5分後に最大値の約55%(出発原料のGLP-1(7-36)Ala-Phe-A
la-Hseに基づく)(配列番号:1)に達し、その後はLys34での緩徐な加水分解
によるGLP-1(7-34)OH(配列番号:5)の生成のために低下した。Lys34での加
水分解は、この第2の部位に対する加水分解活性がある程度存在することを示し
ている。Lys34で第2の加水分解性切断が意味のある量として認められたことは
幾分予想外であった。
【0033】
【0034】実施例2―pH 9.0でのクロストリパイン触媒アミド化 1M NHOH水溶液におけるpH 9.0および37℃でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse
(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化を、実施例1に述べた手順およ
び分析に従って行った。pHは氷酢酸で9.0に調整した。
【0035】 pH 9.0で行った反応の結果(図2)は、明らかな量のアミド化によって約10分
後に最大収率23.6%のGLP-1(7-36)NHが得られたことを示している。反応時間
が10分の時点でのアミド化と加水分解との比(GLP-1(7-36)NH/ GLP-1(7-36)O
Hの比)は1.4であった。pH 9.0では、Lys34での加水分解によるGLP-1(7-34)OH
の生成(提示せず)はより緩徐であり、60分後に観察されたのは7.4%に過ぎな
かった。
【0036】
【0037】実施例3―pH 9.6でのクロストリパイン触媒アミド化 1M NHOH水溶液におけるpH 9.6および37℃でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse
(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化を、実施例1に述べた手順およ
び分析に従って行った。pHは氷酢酸で9.6に調整した。
【0038】 その結果(図3)は、10分から20分までの間にGLP-1(7-36)NHの最大収率(38
.1%)が得られたことを示している。10分時点でのアミド化と加水分解との比は
5.1であった。クロストリパインの活性はpH 9.6の方が9.0の場合(実施例2)よ
りもわずかに低く、GLP-1(7-36)NHの最大収率が得られた時間もわずかに遅か
った。
【0039】実施例4―pH 10.4でのクロストリパイン触媒アミド化 1M NHOH水溶液におけるpH 10.4および37℃でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse
(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化を、実施例1に述べた手順およ
び分析に従って行った。pHは氷酢酸で10.4に調整した。pH 10.4でアミド化を試
みた結果を図4に示す。このpHでは、GLP-1(7-36)NH(42.3%)の最大収率は、
約30分後に得られた。反応時間が30分の時点でのアミド化と加水分解との比は4.
7であった。60分後のGLP-1(7-34)OHの収率(提示せず)は9.4%であり、pH 9.0
および9.6で認められた値と同程度であった。このことは、pH 10.4におけるLys
34での加水分解の量はより低いpH値の場合よりも少ないことを示している。
【0040】実施例5―pH 11.0でのクロストリパイン触媒アミド化 1M NHOH水溶液におけるpH 11.0および37℃でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse
(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化を、実施例1に述べた手順に従
って行った。pHは氷酢酸で11.0に調整した。pH 11.0でアミド化を試みた結果を
図5に示す。このpHでは、60分後にGLP-1(7-36)NH(配列番号:4)の収率が27.
6%となった。反応時間が60分の時点でのアミド化と加水分解との比は7.0であっ
た。しかし、反応の進行はこれより低いpH値のいずれと比べてもはるかに緩徐で
あり、60分後にも最大収率に達しなかった。この比較的高いpHではアミド化が加
水分解性切断を大きく上回り、60分後にもGLP-1(7-36)OH(配列番号:4)の収率
の上昇速度はGLP-1(7-36)NHの収率よりも低かった。この比較的高いpHでは、L
ys34での加水分解によるGLP(7-34)OH(配列番号:5)の生成は認められなかっ
た。
【0041】実施例6―GLP-1(7-36)-Ala-Phe-Ala-Met-His-Ala-Gluのクロストリパイン触媒ア ミド化 1M NHOH水溶液における37℃でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Met-His-Ala-Glu
(配列番号:7)のクロストリパイン触媒アミド化を、実施例1に述べた手順に従
って行った。アミド化はpH 10.3および10.8で行い、最大収率がそれぞれ32.9%
および12.4%のGLP-1(7-36)NHが得られた。表1は、これらの結果を、GLP-1(7-
36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)を基質として用いたクロストリパイン触媒
アミド化の結果と比べたものである。以上の結果は、至適pHの範囲が約9.0から1
1.0まで、好ましくはpH 9.5から10.5までであることを示唆する。
【0042】
【表1】 pHの関数としてのアミド化の収率および選択性 a―最大収率; b―最大収率が認められた時点での比; c―60分後(最大収率にはまだ達していない)。
【0043】実施例7―合成基質のアミド化: Val-Lys-Gly-Arg-XXXX(「VKGRXXXX」;配列番号:8)(式中、「XXXX」は3つ
または4つのアミノ酸残基のペプチジル断片を表す)の一般構造を有する合成基
質を、クロストリパインとともに1M塩化アンモニウム、pH 10.4、2mm DTT、1mM
塩化カルシウム中にて45℃でインキュベートした。さまざまな時点で反応混合物
のアリコートを採取し、氷酢酸で反応を停止させた後にキャピラリー電気泳動に
よって分析した。表2は、さまざまな基質に関する同一クロストリパイン濃度で
の10分後の基質の切断率をまとめたものである。HPLC分析によって同定された主
要生成物はいずれの場合もVal-Lys-Gly-ArgのC末端α-カルボキサミド(「VKGR-
NH」;配列番号:9)であった。明らかに、C末端断片の性質は大きく異なると
思われるが、それにもかかわらずアミド化的切断の対象となる能力はかなり保た
れている。
【0044】
【表2】
【0045】実施例8―クロストリパインによるGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hseのアミド化的切
断によるGLP-1(7-36)NHの実験室規模での調製 組換え技術によって調製した凍結乾燥ペプチドGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(
配列番号:1)4.24mg/mLを、0.15M NaOHでpH 10.5に調整した、1.16M NHOH、
0.25M HCl、2.5mM DTT、1mM CaCl中に溶解し、酵素:基質比が1:300となるよ
うにクロストリパインを添加した。反応を45℃で4.5時間行わせた後に10mM EDTA
で停止した。GLP-1(7-36)NH生成物(配列番号:4)を、逆相条件を用いるクロ
マトグラフィーによってアンバークロム(Amberchrome)CG71にて精製し、凍結
乾燥した。
【0046】 このペプチド生成物は、実験誤差の範囲内でGLP-1(7-36)NHの理論的組成と
同一なアミノ酸組成を有し、チロシンおよびトリプトファンの推定含有率を正確
に反映する吸収スペクトルを有し、MALDI-TOF質量分析法によって測定した原子
質量が3298(実験誤差の範囲内で予想値と同一)であり、理論上のものと同一な
配列を有し、HPLC上でペプチドの市販の合成試料と同一の移動度であり、GLP-1(
7-36)OHとは大きく分離した。このため、このポリペプチド生成物はGLP-1(7-36)
NHと同定された。
【0047】実施例9―クロストリパインの蛋白質分解活性に対する有機溶媒の影響 2mgのN-Bz-Phe-Val-Arg-p-ニトロアニリドを2.5mMジチオスレイトール、1mM塩
化カルシウム、50mMトリシン緩衝液、pH 8.5中に溶解した基質溶液(1mL)を、1
0%(v/v)の有機溶媒を含む水溶液中で10μgのクロストリパインとともに室温
でインキュベートした。初期速度は遊離したp-ニトロフェノレート陰イオンの光
度検出によって測定した。
【0048】
【表3】 クロストリパインの蛋白質分解活性に対する有機溶媒の影響
【0049】 さまざまな量の有機溶媒の存在下でこれらの反応を同様に行い、蛋白質分解活
性に関する至適濃度をプロピレンカーボネート(10%)、N,N-ジメチルホルムア
ミド(20%)、トリフルオロエタノール(20%)、およびアセトニトリル(20%
)に関して決定した。
【0050】実施例10―有機溶媒によるクロストリパインのアミド化活性の阻害 1mL反応物における2.5mM DTT、1mM塩化カルシウム、2M酢酸アンモニウム、pH
10.4、45℃中のGLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1;2mg/mL)および20
μgのクロストリパインを用いて、種々の有機溶媒の存在下におけるアミド化の
最大到達レベルを決定した。反応混合物のアリコートを一定の間隔で採取し、酢
酸で反応を停止させた後に、逆相HPLCカラム上でのHPLC分析によって分析した。
【0051】
【表4】 クロストリパインのアミド化活性に対する有機溶媒の影響
【0052】 表4の結果により、これらの溶媒の存在下ではアミド化活性の低下が明らかで
あったことが示されている。1.25M NHOH、pH 10.0、2.5mM DTT、1mM CaCl
45℃の下で、酵素と基質との比(w/w)を1:190とし、さまざまな低濃度のアセ
トニトリルおよびエタノールの存在下で一連の反応を行った(表5)。低濃度の
アセトニトリルまたはエタノールは、アミド基転移の収率、反応速度、およびGL
P-1(7-36)NHとGLP-1(7-36)OHとの比にはほとんど影響を及ぼさなかったが、生
成されたD-混入物の量が減少した。
【0053】
【表5】
【0054】実施例11―アミド基転移に対するアンモニア濃度の影響 GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のアミド化的切断に対するpH 10
でのアンモニア濃度の変化(0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、および2M)による影
響を、以下の反応条件で検討した:4mg/mL GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列
番号:1)、2.5mM DTT、1mM CaCl、45℃、酵素と基質との比1:190。結果を以
下の表6に示す。1.0、1.25および1.5Mの3種類のアンモニア濃度では同様の収率
(それぞれ43、45および44%)が得られた。そのすべてでD-混入物の量は4.2%
と同じであり、それぞれの比率も概ね同じであった。
【0055】
【表6】 アンモニア濃度の影響 a―GLP-1(7-36)NHの最大収率; b―最大収率が得られた時間; c―最大収率に達するまでに必要な時間でのGLP-1(7-36)NH/GLP-1(7-36)OHの
比; d―最大収率時点でのD-アミノ酸形成を介した生成物の分解によるD-混入物%。
【0056】実施例12―アミノ基転移に対するアンモニウム対陰イオンの影響 アンモニア試薬中に存在する対陰イオンの変化がアミノ基転移に及ぼす影響を
検討した。反応はpH調整が重複して行われる形で、すなわち、それぞれ塩化アン
モニウム、酢酸アンモニウム、および硫酸アンモニウムの存在下で行った。塩酸
、酢酸または硫酸でpH 10.0に調整した2.5mM DTT、1mM CaCl、45℃、酵素基質
比1:190、および1.25M NHOHからなる反応媒質におけるGLP-1(7-36)Ala-Phe-A
la-Hse(配列番号:1;1.28mg/mL)のアミド化的切断反応を重複して行った。
【0057】 その結果を以下の表7に示す。生成物の収率はすべての反応に関してほぼ同一
であり、D-混入物の量についても同様であったため、対イオンの性質はアミド化
によるGLP-1(7-36)NHの生成にはほとんど影響しないと思われる。
【0058】
【表7】 アンモニウムイオンの対イオンの影響 a―150分後にはいずれの反応も最大収率には達しなかった; b―D-アミノ酸形成を介した生成物の分解によるD-混入物%(150分後)。
【0059】実施例13―アミド基転移に対するCaCl濃度の影響 HClでpH 10.0に調整した1.25M NHOH、2.5mM DTTの存在下、酵素基質比=1:
200において、0、0.1、1.0および10mM CaCl(表8)を含む反応物におけるGLP-
1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1;1および5mg/mL)のアミド化的切断を
検討した。カルシウムを添加しなかった場合には活性は認められなかった。した
がって、この陽イオンは活性に必要であり、0.1mM以上の濃度ではアミノ基転移
の収率に影響を及ぼさない。
【0060】
【表8】 アミド化的切断に対するCaCl濃度の影響 NA―活性なし; a―GLP-1(7-36)NHの最大収率; b―最大収率が得られた時点でのGLP-1(7-36)NH/GLP-1(7-36)OH
【0061】実施例14―アミド化的切断に対する酵素濃度の影響 酵素/基質比1:200、1:400、1:800および1:400でのGLP-1(7-36)Ala-Phe-A
la-Hse(配列番号:1;1mg/mL)のアミド化的切断を、HClでpH 10.0に調整した
1.25M NHOH、2.5mM DTT、0.5mM CaCl、45℃、窒素の存在下で検討し(表9)
、実施例1の通りに分析した。いずれの場合もGLP-1(7-36)NHの収率は50〜60%
の間であったが、酵素基質比が小さい場合には最大収率に達するまでの時間はか
なり長く、比1:800では360分に達した。高い基質濃度でも収率はかなりの程度
であったが、反応によって生じた生成物はより少なく、最大収率に達するまでの
時間もより長かった。基質および生成物がアルカリ性pHに長時間にわたって曝露
されることから予想される通り、高pH条件下での反応時間が長くなるほどD-混入
物の量は増加した。
【0062】
【表9】 酵素/基質比 a―GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)。 b―GLP-1(7-36)NHの最大収率およびそれが得られた時間 c―最大収率時点でのD-混入物%(D-アミノ酸形成を介した生成物の分解による
)。
【0063】実施例15―クロストリパイン活性のために必要なメルカプタン還元 最大活性を得るには、典型的にはクロストリパインをメルカプタンで処理する
。メルカプタンであるDTTの濃度を、0、0.5、1.0、2.5および5.0mMの濃度で検討
した。アミド化反応の条件は以下の通りとした:1mg/mL GLP-1(7-36)Ala-Phe-A
la-Hse、HClでpH 10.0に調整した1.25M NHOH、0.5mM CaCl、45℃、N(g)
ヘッドスペース散布(sparged head space)、酵素基質比1:400とし、反応を実
施例1の通りに測定した。
【0064】 DTTを添加しなかった場合に得られたアミド化生成物GLP-1(7-36)NHの収率は
20%に過ぎなかった。0.5〜5mMの存在下で行った場合にはすべての反応で約60%
のGLP-1(7-36)NHが生じた。このため、アミド化的切断の至適収率を得るため
には、メルカプタンなどの還元剤による酵素の還元が必要である。
【0065】実施例16―他のArg特異的プロテアーゼによるアミド化 GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(0.5〜2mg/mLの間)を1M水酸化アンモニウム、
pH 10およびpH 8.5に溶解し、6種の異なる蛋白質分解酵素とともにインキュベー
トした。このうち5種は、クロストリパインと同様にアルギニン残基のカルボキ
シルペプチド結合の箇所でペプチドを切断する特異性を有する。これらはトリプ
シン、トロンビン、カテプシンB(pH 5.5でも検討)、凝固第Xa因子、プラスミ
ン、およびパパインである。パパインはチオールプロテアーゼであるが、アルギ
ニル結合に対して特異的ではない。実施例1に記載した逆相クロマトグラフィー
による測定を行ったところ、これらのプロテアーゼはいずれもGLP-1(7-36)NH
を生成しなかった。酵素:基質比は1:50から1:100までの範囲であり、プロテ
アーゼ特異的添加物を適宜添加した(例えば、塩化カルシウム)。これらの条件
下で測定可能なGLP-1(7-36)NHを生成したのはクロストリパインのみであった
【0066】実施例17―クロストリパインのアフィニティー精製 ジャケット付き内径1.2cmカラムに床高11cmに充填したトヨパール(Toyopearl
)TSKゲルAF-Red樹脂のカラムを用いるアフィニティークロマトグラフィー(Ull
manら、Biol. Chem. Hoppe-Seyler、375、89〜92(1994))により、クロストリ
パインを精製した。緩衝液A(25mM Hepes、5mM CaCl、pH 8)および緩衝液B(
25mM Hepes、5mM CaCl、1M NaCl、pH 8)を孔径0.45μmのナイロンフィルター
で濾過し、減圧脱気を10分間行った。
【0067】 クロストリパイン(57.3mg;Worthington)14.5mg/mLを、緩衝液Bを15%含む
緩衝液A 3mLに溶解して、緩衝液Bを15%含む緩衝液Aであらかじめ平衡化したカ
ラムに流速1mL/分で流した。カラムを緩衝液Bを15%含む緩衝液Aで5分間、続い
て緩衝液Bを15%〜100%含む緩衝液Aによる直線的勾配で40分間溶出させた。画
分を回収し、アミド化触媒能によって同定されたクロストリパイン含有画分をプ
ールして、約5mMジチオスレイトールを加えた後に限外濾過によって5mg/mLに濃
縮した。
【0068】実施例18―トヨパール(Toyopearl)AF-ホルミル-650M樹脂へのクロストリパイ
ンの固定 保存料を含むスラリーとして供給されているトヨパール(Toyopearl)AF-ホル
ミル-650M樹脂をフリット45μmを有する10ml使い捨て式カラムに入れ、カラム2
倍容積の0.1M Mes緩衝液、5mM CaCl、pH 5でリンスした。5mM Hepes、pH 8中
にある上記の通りに精製したクロストリパインを等容量の0.1M Mesで希釈して最
終pH 5.5とし、排水した樹脂に加えた。続いてシアノボノヒドリドナトリウム(
1M、150μL)を添加し、蓋をしたカラムを23〜25℃で20時間、連続倒置すること
によって樹脂スラリーを混合した。カラム排水を行って溶出液を分析のために保
存し、樹脂をカラム2倍容積の1M Tris-HCl、5mM CaCl、pH 7.8で洗浄した。続
いてカラム1倍容積のこの緩衝液をシアノボノヒドリドナトリウム(sodium cuan
oborohydride)50μLとともに添加し、混合物を1時間混合した。樹脂をカラム10
倍容積の1M NaCl、25mM Hepes、5mM CaCl、pH 8で洗浄した後、NaClを含まな
い同量の緩衝液で洗浄した。この結果得られたクロストリパイン樹脂調製物を溶
液からの酵素損失の測定によって分析したところ、樹脂1mLに対して1.8〜4.4mg
の酵素が結合したことが示された。クロストリパイン樹脂は使用時までこの緩衝
液中にて4℃で保存した。
【0069】 同様に、他の樹脂に固定したクロストリパインでも同様の結果が得られた。こ
の例には、アルデヒドを主体とする樹脂であるトヨパールアミノリンク(Toyope
arl Amino Link)およびトヨパールホルミル(Toyopearl Formyl)650M(Toso H
aas、Inc.)ならびにアズラクトン(azlactone)を主体とする樹脂であるウルト
ラリンク(Ultra Link)(Pierce)が含まれる。これらの樹脂は酵素上の遊離ア
ミノ基と結合する。固定化クロストリパインを含むこれらの樹脂はすべて、GLP-
1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hseのアミド化的切断によってGLP-1(7-36)NHを最大77%
、一般的には50〜60%の範囲の収率で生成した。
【0070】実施例19―固定化クロストリパインによる触媒反応 50mM Hepes、5mM CaCl、pH 8.5中にある固定化クロストリパイン樹脂(40mL
)を、フローアダプターおよびペリスタポンプを装着した内径2.5cmガラス製ジ
ャケット付きカラムに35mL/分の速度で入れた。ジャケットには47℃の水を循環
させた。続いて樹脂を200mLの1mM DTTおよび1mM CaCl、47℃、8mL/分、pH 8.
5により洗浄した。上記のカラム調製により、アミド化的切断を行うためのカラ
ムの準備が整う。
【0071】 GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hseの連続的アミド化的切断には図6に概略図を示し
た装置を用いた。1.25mM HClを含む7.5%アセトニトリル水溶液による基質溶液
(13L、0.65mg/mL)(「溶液1」)を47℃の水浴中で平衡化し、チューブ1を介
してペリスタポンプに接続した。このラインの出口はT型ジョイント1に接続され
ている。2.5M NHOH、2mM DTTおよび2mM CaClの溶液13Lを作り、濃HClでpH 1
0.0に調整して(「溶液2」)47℃の水浴に入れ、同じくT型ジョイント1と接続さ
れているチューブ2を介してペリスタポンプに接続した。ポンプからの第3のチュ
ーブであるチューブ3は、ポンプを通じて室温の溶液3(1.25M HCl)を、カラム
の溶出液と接続されているチューブT型ジョイント2へと送達する。T型ジョイン
ト2から出るものは反応の生成物として回収される。実際には、ポンプの輸送ラ
インは内径0.125インチのタイゴンチューブであり、チューブ1、2および3ポンプ
速度は同一で約3〜6mL/分である。 溶液1および溶液2がポンプ輸送されると、
それらはT型ジョイント1で合流してpH10.0の混合液を生じ、その結果生じる溶液
はT型ジョイント1から出てカラムへと進む。この溶液はカラムを通過し、流速約
6mL/分でT型ジョイント2に流れ込む。T型ジョイント2ではカラムの溶出液が、G
LP-1(7-36)NHを含む反応溶液のpHを約8.5に低下させる役割を果たす1.25M HCl
溶液と混合される。用いる流速では、基質および生成物が樹脂と接触する時間は
約5分間である。このようにして、基質および/または生成物はpH 10の水性条件
下に約5分間以内でさらされる。
【0072】 実際には、T型ジョイント2への溶出液の反復サンプリングおよび実施例1に記
載した通りのHPLC分析によって評価し、生成物の形成が最大となって混入物が最
小限になるように流速を調整する。図7は上記の条件下でのこの反応の結果を示
しており、収率およびカラム流速を実験に関する時間の関数として記録した。GL
P-1(7-36)NH形成に関する平均収率は約50%であり、正味流速14mL/分で最大
の約64%であった。流速が44mL/分と早すぎる場合には、収率は34%に低下した
。流速を16mL/分に戻すと収率は約50%に回復した。
【0073】 生成物の形成が最適でない場合には、基質溶液を樹脂と結合したクロストリパ
インにさらに長時間曝露させうる程度に生成物の形成が少なければ流速を低下さ
せ、Lys34での切断によるGLP-1(7-34)量の増加によって酵素に対する過剰曝露
が明らかであれば流速を上昇させる。また、当業者は、中和に用いるHClの濃度
、基質濃度、温度、有機溶媒濃度、および固定化クロストリパインの速度に影響
を及ぼす他の要因の変化も、生成物の形成を最適化するために調整しうる変数で
あることを理解している。
【0074】実施例20―固定化アミド化切断:カラムのパラメーターの影響 2種類の異なる樹脂上にある固定化クロストリパインを用いた一連の反応を表1
0に示したが、ここでは流速、GLP-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse濃度、温度、樹脂量
、およびGLP-1(3-36)NHの収率の影響を、実施例19と類似した様式および1×15
cmカラムを用いた点を除いて同様の条件下で行った反応に関して表示している。
その結論は、一般に、温度を下げると収率は低下し(23℃での最初の4つを45℃
でのものと比較)、流速(1および2、3および4、6および7を比較)、ならびにGL
P-1(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse濃度の明らかな変化についても同様であった。カラム
反応の上記およびその他のパラメーターの変化によって収率を変化させることが
できる。本試験では反応に用いた条件に応じて収率は4〜63%の範囲でさまざま
であったが、このことは、カラム反応の種々のパラメーターを変更することによ
って反応を最適化しうることを示している。
【0075】
【表10】 酵素反応器試験の比較
【0076】 さまざまな詳細かつ例示的な態様および技術を参照しながら本発明を説明して
きた。しかし、本発明の精神および範囲を保ちながら多くの変更および改変を行
いうることを理解する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 37℃の1M NHOH、2.5mM DTT、1mM CaCl、pH 7.9中でのGLP-1(
7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化(clost
ripain catalyzed amidation)に関する、時間の関数としての出発原料および生
成物の相対量のグラフを示している。
【図2】 37℃の1M NHOH、2.5mM DTT、1mM CaCl、pH 9.0中でのGLP-1(
7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化に関す
る、時間の関数としての出発原料および生成物の相対量のグラフを示している。
【図3】 37℃の1M NHOH、2.5mM DTT、1mM CaCl、pH 9.6中でのGLP-1(
7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化に関す
る、時間の関数としての出発原料および生成物の相対量のグラフを示している。
【図4】 37℃の1M NHOH、2.5mM DTT、1mM CaCl、pH 10.4中でのGLP-1
(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化に関す
る、時間の関数としての出発原料および生成物の相対量のグラフを示している。
【図5】 37℃の1M NHOH、2.5mM DTT、1mM CaCl、pH 11.0中でのGLP-1
(7-36)Ala-Phe-Ala-Hse(配列番号:1)のクロストリパイン触媒アミド化に関す
る、時間の関数としての出発原料および生成物の相対量のグラフを示している。
【図6】 固定化形態の酵素を用いたクロストリパイン触媒によるアミド化
的切断における、流速の関数としてのGLP-1(7-36)NHの収率のグラフを示して
いる。
【図7】 固定化クロストリパインを用いてArg含有ペプチドの酵素的アミ
ド化を行うための装置の概略図を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW (72)発明者 ストレイダム ダニエル ジェイ. アメリカ合衆国 ネブラスカ州 リンカー ン ペッパー アヴェニュー 2045 (72)発明者 ホルンクエスト バートン アメリカ合衆国 ネブラスカ州 リンカー ン ウエスト レイクショアー ドライヴ 442 (72)発明者 ワグナー フレッド ダブリュー. アメリカ合衆国 ネブラスカ州 ウォルト ン ボックス 77ビー ルート 1 Fターム(参考) 4B064 AG01 CA21 CC03 CC07 CD02

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C末端α-カルボキサミド基を有するポリペプチドを製造する
    ための方法であって、 (i)(a)アンモニア試薬と(b)少なくとも1つのコアアミノ酸配列を含む基
    質ポリペプチドとを含み、該コアアミノ酸配列がα-カルボキシル基を介して隣
    接アミノ酸残基のα-アミノ基とペプチド結合によって結合しているC末端Arg残
    基を有する、水を主体とする媒質(aqueous-based medium)を、(ii)クロスト
    リパインと接触させて、ペプチド結合を切断し、C末端Arg-NH残基を有するポ
    リペプチド生成物を製造する段階。
  2. 【請求項2】 水を主体とする媒質が少なくとも約80容量%の水を含む、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水を主体とする媒質が約10容量%以下の有機溶媒を含む、請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 水を主体とする媒質が実質的に有機溶媒を含まない、請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 アンモニア試薬が、塩化アンモニウム、水酸化アンモニウム
    、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、およびそれらの混合物より選択される
    アンモニア塩を含む、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 水を主体とする媒質が、少なくとも約0.5Mのアンモニア試薬
    を含む、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 基質ポリペプチドおよびアンモニア試薬を約4℃〜約80℃の
    温度でクロストリパインと接触させる段階を含む、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 コアアミノ酸配列がGLP-1(7-35)-Argを含む、請求項1記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 コアアミノ酸配列がGLP-1(7-35)Arg-Ala-Phe-Alaを含む、請
    求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 コアアミノ酸配列がGLP-1(7-35)Arg-Ala-Phe-Ala-Hseまた
    はGLP-1(7-35)Arg-Ala-Phe-Ala-Met-His-Ala-Gluを含む、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 コアアミノ酸配列がGLP-1(7-35)-Arg-Xaa-Rアミノ酸配列
    を含み、式中Xaaがアミノ酸残基であって、かつRがα-カルボキシル遮断基(blo
    cking group)である、請求項11記載の方法。
  12. 【請求項12】 基質ポリペプチドがコアアミノ酸配列を少なくとも2コピ
    ー含む、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 コアアミノ酸配列の隣接コピーがリンカー配列によって連
    結されている、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 基質ポリペプチドおよびアンモニア試薬を、pHが約9.0〜
    約11.0の水を主体とする媒質中でクロストリパインと接触させる段階を含む、請
    求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 水を主体とする媒質がCaClをさらに含む、請求項1記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 水を主体とする媒質が還元剤をさらに含む、請求項1記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 還元剤がメルカプタンを含む、請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 メルカプタンが、ジチオスレイトール、ジチオエリスリト
    ール、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、システイン、グルタチオン
    、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 クロストリパインが固定化形態にあるクロストリパインで
    ある、請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 以下の段階を含む、C末端α-カルボキサミド基を有するポ
    リペプチドを製造する方法: 少なくとも1つのコアアミノ酸配列を含む基質ポリペプチドを含む、第1の水を
    主体とする媒質を提供する段階であって、該コアアミノ酸配列が、α-カルボキ
    シルペプチド結合によって隣接アミノ酸残基と結合しているC末端Arg残基を有す
    る段階; 水を主体とする第1の媒質を、アンモニア試薬を含むアルカリ性媒質と混合し
    て、pHが少なくとも約9.0である第2の水を主体とする媒質を形成する段階;およ
    び 第2の水を主体とする媒質を固定化クロストリパインと接触させて、α-カルボ
    ニルペプチド結合箇所で基質ポリペプチドを切断し、かつC末端Arg-NH残基を
    有するポリペプチド生成物を含む、水を主体とする媒質生成物(product aqueou
    s-based medium)を製造する段階。
  21. 【請求項21】 第2の水を主体とする媒質のpHが約9.0〜約11.0である、請
    求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 水を主体とする媒質生成物のpHを調整して、ポリペプチド
    生成物を含み、かつpHが約8.5以下である第3の水を主体とする媒質を形成させる
    段階をさらに含む、請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 接触段階が、第2の水を主体とする媒質を固定化クロスト
    リパインと約20分間以内にわたって接触させる段階をさらに含む、請求項22記載
    の方法。
  24. 【請求項24】 コアアミノ酸配列がGLP-1(7-35)-Argを含む、請求項20記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 固定化クロストリパインをメルカプタン、CaCl、または
    それらの混合物によって活性化して、活性化された固定化クロストリパインを形
    成させる段階;および接触段階が第2の水を主体とする媒質を活性化された固定
    化クロストリパインと接触させる段階をさらに含む、請求項20記載の方法。
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