JP2002528468A - L−カルニチンの合成に有用な補酵素 - Google Patents

L−カルニチンの合成に有用な補酵素

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Abstract

(57)【要約】 本明細書に記載の発明は、L−カルニチンの合成に有用な酵素、特に補酵素A、さらに具体的にはγ−ブチロベタイニル補酵素Aおよびクロトノベタイニル補酵素A、これらの製造方法、およびクロトノベタインおよびD(−)−カルニチンからL(−)−カルニチンの製造でのこれらの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本明細書に記載の発明は、L−カルニチンの合成に有用な酵素、特に補酵素A
、さらに具体的にはγ−ブチロベタイニル補酵素Aおよびクロトノベタイニル補
酵素A、これらの製造方法、およびクロトノベタインおよびD(−)−カルニチ
ンからL(−)−カルニチンの製造でのこれらの使用に関する。
【0002】 現在までのところ、L−カルニチンの合成に有用な単離された酵素については
知られていない。特にγ−ブチロベタイニル補酵素Aもクロトノベタイニル補酵
素Aも既知物質ではない。L(−)−カルニチン製造方法において使用されるこ
れらの化合物の能力を確認する際には、L(−)−カルニチン製造方法について
の既知技術および知識を考慮しなければならない。L(−)−カルニチンを取得
することについて、化学的方法および生化学的または生物技術的方法が知られて
いる。大部分の化学合成法では、D、L−カルニチンが結果的に得られ、このラ
セミ混合物と光学的に活性の単離用酸、例えば、酒石酸、カンホル酸およびカン
ホルスルホン酸の光学異性体との反応により、次いで分別晶出を経てL−カルニ
チン鏡像異性体が得られる(例えば、特許DD23217、DD93347およ
び特許出願DE2997672)。これらすべての合成法についての欠点は、D
(+)−カルニチンが不用な産物として得られることであり、合成された産物の
最大50%だけがL(−)−カルニチンである。D、L−カルニチンの医療上の
使用は代替的でなく、すなわちD(+)−カルニチンは代替物でない。D(+)
−カルニチンは、脂肪酸の酸化について効果がないだけでなく、L(−)−カル
ニチンの種々の輸送系および特異的酵素を阻害する物質として競合的でもある(
Life Science 28 [191] 2931-938)。この理由によって、最初の主段階からの立
体特異的合成についての方法が開発されている(例えば、Tetrahedron, [1992],
Vol. 48, 319-324)。
【0003】 L(−)−カルニチンの化学合成の代わりとして、微生物的または酵素的な方
法がある。この方法において、L(−)−カルニチン・デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.108)の逆反応を行うことができ、3−ジヒドロカルニチンからL
(−)−カルニチンがつくられる(特許US4,221,869)。NADH依存
性酵素として、還元等価物の製造が保証されねばならない。さらに、ジヒドロカ
ルニチンは非常に不安定である。種々の Entero bacteriaceae 株が、L(−)
−カルニチンをγ−ブチロベタインにクロトノベタインを介して嫌気性条件で転
換することができる(特許DD221905、JP6167494、JP612
34794、JP61234788)。L(−)−カルニチンのクロトノベタイ
ンへの代謝は可逆的であり、立体特異的酵素、L(−)−カルニチン・デヒドラ
ターゼが触媒となる(特許DD281735、DD281919)。この方法に
おいて、クロトノベタインは、L(−)−カルニチンの合成についての主な最終
化合物として使用できる。多数の Proteus 株もL(−)−カルニチンをクロト
ノベタインから好気性条件で形成する(特許US53004300)。不用産物
D(+)−カルニチンからL(−)−カルニチンの酵素的合成について、ラセマ
ーゼが開示されている(特許DD300181)。第3の可能性として、L(−
)−カルニチンをγ−ブチロベタインからγ−ブチロベタイン・ヒドロキシラー
ゼによる取得がある(EC/1.14.11.1)(特許出願DE312397
5)。特許EP158194、EP195944、JP61199793に記載
の方法において、L(−)−カルニチンのクロトノベタインまたはγ−ブチロベ
タインからの製造は、クロトノベタインまたはγ−ブチロベタインの存在下でC
の補充的源、例えば、グリシンベタイン上で選択微生物を培養する。
【0004】 L(−)−カルニチン・デヒドラターゼ(EC4.2.1.89)は、大腸菌
から単離され、まだ同定されていない低分子量の因子Fの存在下でのみ、クロト
ノベタインのL(−)−カルニチンへの可逆的転換について触媒となる(特許D
D281735)。Enterobacteriaceae科から単離されたL(−)−カルニチン
・デヒドラターゼの固定化で、副産物形成のないL(−)−カルニチンの合成が
開発されている(DD281910)。上記の低分子量の因子Fは、D(+)か
らL(−)−カルニチンへのラセミ化にも同様に欠くことができない。クロトノ
ベタインからγ−ブチロベタインへの還元もこの因子の存在下でのみ生じる。
【0005】 L(−)−カルニチン(3−ヒドロキシ−4−トリメチルアミノブチレート)
は、ユビキノン性の自然生起化合物であり、ミトコンドリア膜を通る長鎖脂肪酸
の輸送にアセチル基の担体として基本的に重要である。高等生物の代謝でのこの
主要な役割の結果として、種々の心臓疾患患者の治療と予防および透析での患者
の処置において使用される(参照、Pathology, 17, [1985], 116-169)。L(−
)−カルニチンの補充は、新生児および長期の大人の非経口栄養に不可欠である
(Guertler and Loester, Carnitin [1996], 21-30)。L(−)−カルニチンは
重要性が増している食事補充物質である。
【0006】 L(−)−カルニチンの合成に用いられる微生物的方法の欠点は、その微生物
の数が非常に限られ、その培養基からほとんど単離されないので、新たな滋養培
地を培養に際し継続的に補充しなければならないことである。その結果、蒸発し
たL(−)−カルニチン含有培養液の再生に多大の努力が払われねばならない。
微生物系でのクロトノベタインからL(−)−カルニチンの合成において、合成
反応に競合する反応として、クロトノベタイン・レダクターゼによってクロトノ
ベタインからγ−ブチロベタインへの転換が起こり得る。
【0007】 二次的とは言えない重要な問題に、医薬用途の物質の製造に微生物を使用する
ことがある。多くの場合、使用される微生物は、病原菌株に由来するか、高度に
工学処理されて外因性遺伝子を含有する。これは、規制する当局が非常に注意し
ている点である。
【0008】 クロトノベタインからL(−)−カルニチンの合成に用いられる酵素的合成の
欠点は、大腸菌から得られタンパク質のない溶液が、固定化L(−)−カルニチ
ン・デヒドラターゼにより、クロトノベタインだけでなく、未同定因子F(酵素
の活性化に必須)も含有しなければならないことである。タンパク質を含まない
溶液の構成成分によりつくられた因子Fをかく乱する影響を、除外することがで
きない。L(−)−カルニチンの酵素的合成は限られた程度でしか適当でなく、
特に、使用される因子Fの量が正確に定量できない。同じ因子Fが大腸菌でのD
(+)からL(−)−カルニチンへのラセミ化に基本的に重要である。因子Fは
、既知の補酵素または酵素補助因子で代替できない(Jung et al., Biochim. Bi
ophys. Acta 1003 [1989] 270-276)。
【0009】 上述の欠点の原因は、因子Fの構造およびL(−)−カルニチン・デヒドラタ
ーゼのアポ酵素を活性化する際のその役割について知識が乏しいことである。同
様にして、L(−)−カルニチン・デヒドラターゼのアポ酵素を活性化し得る他
の化合物は、知られていない。
【0010】 本明細書に記載の発明の目的は、L(−)−カルニチンのクロトノベタインか
らの立体特異的合成を酵素的に可能すること、および不用産物D(+)をL(−
)−カルニチンへラセミ化することである。これらの酵素的な触媒反応は、L(
−)−カルニチンの純粋化学的合成またはL−カルニチンの微生物的方法の使用
に替わりうる。
【0011】 本明細書に記載の発明の目的は、L(−)−カルニチンのクロトノベタインか
らの酵素的合成を実現することであり、上記のγ−ブチロベタイニル補酵素Aお
よびL−カルニチン・デヒドラターゼにより副産物の生成なしに行われる。その
他にも可能なのは、生理的に効力のない不用産物D(+)−カルニチンのL(−
)−カルニチンへの転換であり、γ−ブチロベタイニル補酵素AとともにL(−
)−カルニチンのラセミ化系を用いて行われる。
【0012】 本明細書に記載の発明の他の目的は、L(−)−カルニチンのクロトノベタイ
ンからの酵素的合成を実現することであり、クロトノベタイニル補酵素Aおよび
L−カルニチン・デヒドラターゼにより副産物の生成なしに行われる。その他に
も可能なのは、生理的に効力のない不用産物D(+)−カルニチンのL(−)−
カルニチンへの転換であり、クロトノベタイニル補酵素AとともにL(−)−カ
ルニチンのラセミ化系を用いて行われる。
【0013】 本発明の対象は、補酵素A化合物であり、本明細書ではγ−ブチロベタイニル
補酵素Aまたはクロトノベタイニル補酵素Aである。これらは夫々、補助因子と
してのL(−)−カルニチン・デヒドラターゼを活性化でき、そのことによりク
ロトノベタインからL(−)−カルニチンへの可逆的形成が起きる。補助因子は
、D(+)からL(−)−カルニチンへのラセミ化およびクロトノベタインから
γ−ブチロベタインへの転換にも非常に必要である。本明細書に記載の発明の対
称は、γ−ブチロベタイニル補酵素Aの合成法および利用、および補酵素自体で
ある。
【0014】 L(−)−カルニチン・デヒドラターゼの、γ−ブチロベタイニル補酵素Aま
たはクロトノベタイニル補酵素Aとの組み合せは、クロトノベタインからL(−
)−カルニチンの合成について新しい可能性を提供する。L(−)−カルニチン
・デヒドラターゼとγ−ブチロベタイニル補酵素Aまたはクロトノベタイニル補
酵素Aとを同時に固定化すると、L(−)−カルニチンについて今日知られてい
る工業的方法の代替法が開発される。同様に、ラセミ化系が、D(+)−カルニ
チンからL(−)−カルニチンの合成法として、γ−ブチロベタイニル補酵素A
またはクロトノベタイニル補酵素Aとともに使用される。
【0015】 本明細書に記載の発明により、クロトノベタインからL(−)−カルニチンの
合成がL(−)−カルニチン・デヒドラターゼ(EC4.2.1.89)によっ
て可能である。L(−)−カルニチン・デヒドラターゼのアポ酵素の活性化には
、γ−ブチロベタイニル補酵素Aまたはクロトノベタイニル補酵素Aの触媒量の
みが必要である。
【0016】 γ−ブチロベタイニル補酵素Aの合成のための条件は、γ−ブチロベタインの
活性化である。乾燥γ−ブチロベタイン塩酸塩を好ましくは最終産物として使用
する。γ−ブチロベタイン塩酸塩を三塩化リンと15−70℃(好ましくは25
℃)で酸素気中で反応さす。形成した塩化γ−ブチロベタインを追加産物および
最終物質から窒素を送り込んで単離する。
【0017】 このように得た塩化γ−ブチロベタインは、γ−ブチロベタイニル補酵素Aの
合成に適している。補酵素Aを最初に1Mの炭酸水素ナトリウムの氷混合物にp
H7.5−9.5(好ましくはpH8.5)で懸濁する。これに塩化γ−ブチロ
ベタインの対応量(好ましくは過剰)を、pH値を調整しながら、加える。15
−30分後に反応が完了する。γ−ブチロベタイニル補酵素Aの形成をHPLC
(Spherisorb, C18 column)で確認し、最後に精製工程(DOWEX 50 のイオン交
換クロマトグラフィ−)を行う。純度の検査を再度HPLC(Spherisorb, C18
column)で行う。物理化学的性質の測定は、水洗した産物について行った(次表
を参照)。
【0018】
【表1】
【0019】 本発明のL(−)−カルニチン・デヒドラターゼ活性化試験のために、γ−ブ
チロベタイニル補酵素A(好ましくは10nmol)をリン酸カリウム緩衝液(
10mM、pH7.5)に入れ、部分的濃縮L(−)−カルニチン・デヒドラタ
ーゼ(なんらかの活性を示す因子Fなし)およびクロトノベタイン溶液を加え、
37℃で代謝およびインキュベートする。
【0020】 形成したL(−)−カルニチンについて、カルニチン・アセチルトランスフェ
ラーゼで光学試験を行った(BERGMEYER (1970)による)。同様の方法をラセミ化
反応試験に適用し、D(+)−カルニチン溶液(1M)をクロトノベタインの代
わりに加えた。形成したL(−)−カルニチンを、L(−)−カルニチンの既知
溶液の上述試験により正確に測定できる。
【0021】 本明細書記載の発明による酵素系の活性化(クロトノベタインをγ−ブチロベ
タインへの転換)試験のために、精製γ−ブチロベタイニル補酵素A(好ましく
は1−10nmol)を温かいリン酸カリウム緩衝液(好ましくは37℃)に入
れ、窒素を送り込み(50mM、pH7.8)、クロトノベタイン酵素還元系(
なんらかの活性を示す因子Fなし)をジチオニット(好ましくは50mM)およ
びベンジルビオロゲン(好ましくは1mM)とともに加える。代謝されるべきク
ロトノベタイン溶液を加えた後、形成したγ−ブチロベタインを、酸化ベンジル
ビオロゲンに基づく光学試験を用いて、試験できる。
【0022】 同様に、クロトノベタイニル補酵素Aの合成条件で、γ−ブチロベタインが活
性化される。乾燥γ−ブチロベタイン塩酸塩が最終産物として好ましくは用いら
れる。γ−ブチロベタイン塩酸塩を三塩化リンと15−70℃(好ましくは25
℃)で酸素気中で反応さす。形成した塩化クロトノベタインを、追加産物および
最終産物から窒素を送り込んで単離する。
【0023】 このように得た塩化クロトノベタインは、クロトノベタイニル補酵素Aの合成
に適している。補酵素Aを最初に1Mの炭酸水素ナトリウムの氷混合物中にpH
7.5−9.5(好ましくはpH8.5)で懸濁せしめる。これに対応する量(
好ましくは過剰)の塩化クロトノベタインを、pH値を調整しながら加える。1
5−30分後に反応が完結する。クロトノベタイニル補酵素Aの形成をHPLC
(Spherisorb, C18 column)で確認し、最後にさらに精製工程(DOWEX 50 のイ
オン交換クロマトグラフィ−)を行う。純度の検査を再度HPLC(Spherisorb
, C18 column)で行う。物理化学的性質の測定は、水洗した産物について行った
(次表を参照)。
【0024】
【表2】
【0025】 本発明のL(−)−カルニチン・デヒドラターゼ活性化試験のために、精製ク
ロトノベタイニル補酵素A(好ましくは1−10nmol)をリン酸カリウム緩
衝液(10mM、pH7.5)に入れ、部分的濃縮L(−)−カルニチン・デヒ
ドラターゼ(なんらかの活性を示す因子Fなし)およびクロトノベタイン溶液を
加え、37℃で代謝(1M)およびインキュベートする。
【0026】 形成したL(−)−カルニチンについて、カルニチン・アセチルトランスフェ
ラーゼで光学試験を行った(BERGMEYER (1970)による)。同様の方法をラセミ化
反応試験に適用し、D(+)−カルニチン溶液(1M)をクロトノベタインの代
わりに加えた。形成したL(−)−カルニチンを、L(−)−カルニチンの既知
溶液での系についての上述試験により正確に測定できる。
【0027】 本明細書記載の発明による酵素系の活性化(クロトノベタインをγ−ブチロベ
タインへの転換)試験のために、精製クロトノベタイニル補酵素A(好ましくは
1−10nmol)を温かいリン酸カリウム(好ましくは37℃)に入れ、窒素
を送り込み(50mM、pH7.8)、クロトノベタイン酵素還元系(なんらか
の活性を示す因子Fなし)をジチオニット(好ましくは50mM)およびベンジ
ルビオロゲン(好ましくは1mM)とともに加える。代謝されるべきクロトノベ
タイン溶液(3.75)を加えた後、形成したγ−ブチロベタインを、酸化ベン
ジルビオロゲンに基づく光学試験を用いて、試験できる。
【0028】 実施例1 L(−)−カルニチンのクロトノベタインからの形成を、濃縮L(−)−カル
ニチン・デヒドラターゼおよびγ−ブチロベタイニル補酵素A(BB−CoA)
によって、リン酸カリウム緩衝液(10mM、pH7.5)で37℃の10分間
のインキュベートで行った。
【0029】
【表3】
【0030】 実施例2 L(−)−カルニチンのD(+)−カルニチンからの形成を、カルニチンのラ
セミ化系およびγ−ブチロベタイニル補酵素A(BB−CoA)によって、リン
酸カリウム緩衝液(10mM、pH7.5)で37℃の10分間のインキュベー
トで行った。
【0031】
【表4】
【0032】 実施例3 L(−)−カルニチンのクロトノベタインからの形成を、濃縮L(−)−カル
ニチン・デヒドラターゼおよびクロトノベタイニル補酵素A(CB−CoA)に
よって、リン酸カリウム緩衝液(10mM、pH7.5)で37℃の10分間の
インキュベートで行った。
【0033】
【表5】
【0034】 実施例4 L(−)−カルニチンのD(+)−カルニチンからの形成を、カルニチンのラ
セミ化系およびクロトノベタイニル補酵素A(CB−CoA)によって、リン酸
カリウム緩衝液(10mM、pH7.5)で37℃の10分間のインキュベート
で行った。
【0035】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C12P 13/00 C12P 13/00 C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハンス−ペーター・クレーバー ドイツ連邦共和国デー−04416グロースド イベン、プラターネンベーク42番 Fターム(参考) 4B064 AE01 CA21 DA01 4H006 AA01 AB40 AC41 AC81 AC83 BA50 BA51 BA52 BA53 BN10 BS70 BU50 4H039 CA60 CF10 CJ20 4H055 AA01 AB10 AB20 AB40 AD72 DA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の性質を特徴とするクロトノベタイニル補酵素A: a)分子量:893.6 b)最大吸収:208.0および260nm c)モル吸収係数(ε260):20.21*mmol-1*cm-1 d)クロトノベタイニル補酵素AについてのL(−)−カルニチン・デヒドラタ
    ーゼのKm値:8*16-6 e)温度安定性:−20℃で数週間、0℃で1時間 f)pH安定性:pH2から10で1週間良好、pH5で数週間安定 g)溶解性:水によく溶け、有機溶媒にほとんど溶けない h)他の性質:吸湿性。
  2. 【請求項2】 クロトノベタイン塩酸塩と補酵素Aからの請求項1のクロト
    ノベタイニル補酵素Aの製造方法であって、塩化クロトノベタイニルをクロトノ
    ベタイン塩酸塩からつくり、次いで補酵素Aで転換することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 L(−)−カルニチン・デヒドラターゼの活性化のための請
    求項1のクロトノベタイニル補酵素Aの使用であって、この2種の化合物を互い
    に接触せしめることを特徴とする使用。
  4. 【請求項4】 L(−)−カルニチンの調製のための請求項1のクロトノベ
    タイニル補酵素Aの使用であって、この2種の化合物を互いに接触せしめ、次い
    でクロトノベタインを加えることを特徴とする使用。
  5. 【請求項5】 L(−)−カルニチンの調製のための請求項1のクロトノベ
    タイニル補酵素Aの使用であって、クロトノベタイニル補酵素Aとラセミ・カル
    ニチンを互いに接触せし、次いでD(+)−カルニチンを加えることを特徴とす
    る使用。
  6. 【請求項6】 γ−ブチロベタインの調製のための請求項1のクロトノベタ
    イニル補酵素Aの使用であって、クロトノベタイニル補酵素Aとクロトノベタイ
    ン酵素還元系を互いに接触せし、次いでクロトノベタインを加えることを特徴と
    する使用。
  7. 【請求項7】 下記の性質を特徴とするγ−ブチロベタイニル補酵素A: a)分子量:895.2 b)最大吸収:206.0および258nm c)モル吸収係数(ε260):16.11*mmol-1*cm-1 d)γ−ブチロベタイニル補酵素AについてのL(−)−カルニチン・ヒドラタ
    ーゼのKm値:5.9*10-6 e)温度安定性:−20℃で数週間、0℃で1時間 f)pH安定性:pH3から10で1時間良好、pH5で数週間安定 g)溶解性:水によく溶け、有機溶媒にほとんど溶けない h)他の性質:吸湿性。
  8. 【請求項8】 γ−ブチロベタイン塩酸塩と補酵素Aからの請求項7のクロ
    トノベタイニル補酵素Aの製造方法であって、塩化クロトノベタイニルをクロト
    ノベタイン塩酸塩からつくり、次いで補酵素Aで転換することを特徴とする方法
  9. 【請求項9】 L(−)−カルニチン・デヒドラターゼの活性化のための請
    求項7のγ−ブチロベタイニル補酵素Aの使用であって、この2種の化合物を互
    いに接触せしめることを特徴とする使用。
  10. 【請求項10】 L(−)−カルニチンの調製のための請求項7のγ−ブチ
    ロベタイニル補酵素Aの使用であって、この2種の化合物を互いに接触せしめ、
    次いでクロトノベタインを加えることを特徴とする使用。
  11. 【請求項11】 L(−)−カルニチンの調製のための請求項7のγ−ブチ
    ロベタイニル補酵素Aの使用であって、γ−ブチロベタイニル補酵素Aとラセミ
    ・カルニチンを互いに接触せしめ、次いでD(+)−カルニチンを加えることを
    特徴とする使用。
  12. 【請求項12】 γ−ブチロベタインの調製のための請求項7のγ−ブチロ
    ベタイニル補酵素Aの使用であって、γ−ブチロベタイニル補酵素Aとクロトノ
    ベタイン酵素還元系を互いに接触せし、次いでクロトノベタインを加えることを
    特徴とする使用。
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