JPH047678B2 - - Google Patents

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JPH047678B2
JPH047678B2 JP61177348A JP17734886A JPH047678B2 JP H047678 B2 JPH047678 B2 JP H047678B2 JP 61177348 A JP61177348 A JP 61177348A JP 17734886 A JP17734886 A JP 17734886A JP H047678 B2 JPH047678 B2 JP H047678B2
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Yukinae Yamazaki
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、ペニシリン系やセフアロスポリ系抗
生物質又はエフエドリン等の交感神経作用薬等の
医薬品の原料もしくは合成中間体として有用なα
−ヒドロキシ酸の光学活性体α−ヒドロキシ酸〕
(以下、単にα−ヒドロキシ酸という)を酵素を
利用して工業的に有利に製造する方法に関するも
のである。
〔従来技術〕
光学活性体α−ヒドロキシ酸の製造法として
は、ラセミ体の分別結晶による光学分割法、クロ
マトグラフイーによる光学分割法、有機化学的な
不斉合成法等が知られているが、これらの方法
は、操作が煩雑であるとか、収率が低い、生成物
の光学純度が低い等の欠点を有している。
一法、α−ケト酸を原料とし、酵素や微生物を
用いて不斉還元し、対応する光学活性α−ヒドロ
キシ酸を製造する方法も提案されている。例え
ば、Hummelらは、ラクトバチルス属細菌から
得られるD−2−ヒドロキシイソカプロン酸脱水
素酵素が2−ケトイソカプロン酸以外にも各種の
2−ケト酸(α−ケト酸)を還元することを報告
している〔Applied Microbiology and
Biotechinology,21,7〜15(1985)〕。しかしな
がら、彼らの報文では、少数の例を除いて生成物
の旋光度を測定していないため光学純度が明らか
でなく、またその菌による当該酵素の生産量は低
く(1リツトルの培養物中に約100U)、工業的に
実用性のあるものではない。また市販されている
D−乳酸脱水素酵素を利用する報告もあるが
(Enzyme Engineering,,453(1980);J.Am.
Chem.Soc.,104,4458(1982))、本発明で用いる
α−ケト酸と乳酸とでは化学的構造が相当に異な
るため反応速度の大巾な低下が避けられず、やは
り実用性のあるものではない。
〔目的〕
以上のような状況に鑑み、本発明者らは鋭意研
究の結果、ストレプトコツクス属細菌培養物中か
ら得られるベンゾイルギ酸還元酵素が、ベンゾイ
ルギ酸以外にも各種のα−ケト酸を還元して光学
純度100%での絶対配置を有するα−ヒドロキ
シ酸を生成することを見出し、本発明を完成する
に至つた。
〔構成〕
即ち、本発明によれば、ストレプトコツクス属
細菌の菌体から抽出したベンゾイルギ酸還元酵素
の存在下、還元型のニコチンアミド・アデニン・
ジヌクレオチドを用いて一般式 RCOCOOH (式中、Rは炭素2〜4のアルキル基、クロロ
メチル基、ブロモメチル基又はベンジル基を表わ
す) で表わされるα−ケトン酸を還元し、対応するα
−ヒドロキシ酸の左旋性光学活性体を得ることを
特徴とする光学活性α−ヒドロキシ酸の製造法が
提供される。
本発明で原料として用いる前記一般式で示され
るα−ケト酸において、Rを示すアルキル基とし
ては、CH3CH2−、CH3CH2CH2−、CH3CH2
CH2CH2−、(CH32CH−、(CH32CHCH2−等
が挙げられる。また、本発明で用いりα−ケト酸
は、塩の形で使用することができ、このような塩
としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ア
ンモニウム等の1価の陽イオンとの塩の他、カル
シウム、バリウム等の2価の陽イオンとの塩が挙
げられる。
本発明によれば、α−ケト酸は不斉還元され、
光学活性なα−ヒドロキシ酸を得ることができ
る。
RCOCOOH→RC(H)OHCOOH 本発明を実施するにあたつては次の3点につい
て考慮しなければならない。
(1)ベンゾイルギ酸還元酵素、(2)NADH再生シ
ステム、及び(3)反応の実施条件の3つである。ま
ず(1)のベンゾイルギ酸還元酵素はストレプトコツ
ク属の細菌の菌対を破壊し抽出することによつて
調製する。このために用いる菌株として、例えば
ストレプトコツクス フアエカリス
(Streptococcus faecalis)が挙げられる。培地
及び培養条件としては菌体の増殖が良く、目的の
酵素活性が高いのであればどのようなものでもよ
く、例えば、トマトジユース培地を用いて30℃で
15〜25時間振とう培養するなどの方法が挙げられ
る。集菌した菌体の破壊には超音波処理など通常
の方法を用いればよく、このようにして可溶化さ
た目的酵素を精製するためには、アフイニテイー
クロマトグラフイーやイオン交換クロマトグラフ
イーなど通常の方法を用いればよい。この精製
は、必らずしも目的酵素を単一の蛋白質として単
離するほどに行うことを必要としない。普通に
は、菌体に由来する低分子成分、多糖類、核酸及
びプロテアーゼやNADHオキシダーゼなどの妨
害作用をなす酵素を除いて、比活性を100U/mg
程度に上昇させたものでも十分である。このため
には例えば色素結合樹脂によるアフイニテイクロ
マトグラフイーが効果的である。しかし本発明
は、これらの記述によつて何ら限定されるもので
はない。次に(2)のNADH再生システムは、原料
α−ケト酸に対するNADHの使用量が等モル又
はそれ以上である場合には必要ない。しかし、
NADHのコストの点からそのような使用法は実
際にはありえず、反応産物の酸化型NAD
(NAD+)をその場で還元してNADHに再生する
ようにして使用しなければならない。このために
NADH再生システムが必要である。このような
システムとしては、亜ニチオン産ナトリウムによ
る化学的な還元システム、電解還元を利用するシ
ステム、アルコール脱水素酵素、グルコース脱水
素酵素又はギ酸脱水素酵素などの脱水素酵素を利
用するシステムなどがあり、場合に応じて適当な
システムを使用すればよい。最後に、(3)の実施条
件について説明する。まず緩衝液を選定するが、
中性付近で通常用いられるものならどのようなも
のでもよく、例えばリン酸緩衝液やトリス・塩酸
緩衝液などが挙げられる。緩衝液の濃度は数mM
から2〜300mMの範囲で適当に選べばよい。こ
れよりも高濃1であつてもさしつかえない。PHは
4から8の間の適当な値とする。どの値にするか
は、実施にあたつて要求される反応速度と酵素の
安定性及びNADH再生システムのそのPHに対す
る適合性を考慮して決定する。本発明に用いるベ
ンゾイルギ酸還元酵素の至適PHは4.5付近であり、
また加熱に対して最も安定となるPHは5.8〜6.0で
ある。しかしNADHが酸性において不安定であ
ることを考えると、あまりPHを低くすることは好
ましくない。この緩衝液にα−ケト酸をナトリウ
ム塩やカリウム塩など適当な塩の形として溶解さ
せる。その濃度は、ミカエリス定数(30℃、PH
7.5でα−ケトイソカプロン酸に対して0.7mM、
フエニルビルビン酸に対して7.2mM)の10倍程
度(約70〜70mM)から100倍程度(約70〜
500mM)とすることが実際的である。もちろん
この範囲以上でも以下でもさしつかえない。
NADH(又はNAD+)の濃度は使用するNADH
再生システムの活性強度や安定性及び全反応速度
として要求される反応速度等を考慮して適当に決
定すればよいが、普通には、ベンゾイルギ酸還元
酵素におけるミカエリス定数(30℃、PH7.5で
35μM)の10〜100倍程度の濃度とすれば十分で
ある。もちろんこれよりもはるかに低い値にし
て、回転数(ターンオーバーナンバー)向上させ
ることもさしつかえない。次にNADH再生シス
テムに必要な試薬又は基質を反応液に添加する。
例えばアルコール脱水素酵素を再生システムに使
用する場合には、その酵素の基質であるエタノー
ルを添加する。濃度としては、原料のα−ケト酸
の濃度以上であつて、かつ再生反応が円滑に進行
するような濃度とする。なお、α−ケト酸と再生
反応用基質を反応液に添加するにあたつては、反
応開始前に一度に全量を添加してもよく、また反
応の進行に伴つて逐次回分添加するようにしても
よい。このようにして原料のα−ケト酸、
NADH(又はNAD+)及び再生反応用の試薬又は
基質を溶解させた反応液の準備ができたら、酵素
を添加して反応を開始する。その前に安定化剤と
して0.1〜2mM程度のメルカプトエタノール及
び/又は0.05%程度の牛血清やアルブミンを添加
しておくことが望ましい場合がある。またメルカ
プトエタノールの代りにジチオスレイトールを用
いてもよい。ベンゾイルギ酸還元酵素及び再生反
応を酵素法で行う場合のその酵素のそれぞれの使
用量は、要求される反応速度に応じて適当に決め
ればよい。なお、基質、酵素の混合順序は上の通
りである必要はなく、場合に応じて適当に行えば
よい。反応温度の上限は40℃付近とする。これよ
り高温だとベンゾイルギ酸還元酵素の失活がすみ
やかである。通常は30℃前後で反応を行うとよ
い。反応が完結するまでに要する時間は用いた酵
素量によつて違つてくることは当然である。反応
終了後生成物のα−ヒドロキシ酸を単離するのに
は、有機溶媒抽出など通常の方法を応用すればよ
い。例えば、反応液を希塩酸や希硫酸などでPH2
〜1の酸性とし、次で食塩などの塩を飽和濃度に
まで溶かしこんだ酢酸エチルやエーテルなどで抽
出を行うと、反応液中のα−ヒドロキシ酸はほぼ
定量的に回収される。有機層を分け取り、溶媒を
留出した残渣を熱したベンゼンなどに溶解させ、
必要があれば活性炭処理を施した上で熱濾過を行
い、濾液を冷却すれば、通常、結晶を与える。
−α−ヒドロキシ酪酸や−α−ヒドロキシバレ
リアン酸の場合には遊離酸は結晶になりにくいの
でそのような場合は適当な塩の形として結晶化を
行う。例えば、有機溶媒抽出物を濃縮後、残渣を
少量の水にとかし、Ba(OH)2水溶液で中和する。
不溶分を濾別し、アセトンなどを加えて放置すれ
ば結晶化する。
〔効果〕
次に、本発明の特徴を以下に別記する。
(1) 光学分割法とは異なつて、理論的に100%の
収率が期待できる。
(2) 反応操作は水溶液中で原料、酵素及びその他
の必要な成分をかきまぜるというごく簡単なも
のであり、特別な装置・操作を必要としない。
(3) 触媒のベンゾイルギ酸還元酵素はグルコース
やトマトしぼり汁など安価な原料を用いて容易
に培養できるストレプトコツクス属細菌の培養
物から簡単に取得される。
(4) 上記の培養にあたつて最適な条件を適用すれ
ば、酵素は培養物の1リツトルあたり3900U〜
4600Uを得ることができる。この活性単位の測
定にはベンゾイルギ酸を基質としているが、各
種のα−ケト酸に対する最大速度の相対値から
概算すると、ベンゾイルギ酸以外のα−ケト酸
を基質とする場合にも培養物1リツトルあたり
通常1000U以上を得ることができる。中でもα
−ケトイソカプロン酸が基質の場合には培養物
1あたり5500Uと計算され、前記Hummelら
の値の55倍である。従つて、本発明は、公知の
酵素よりも、より安価に供給される酵素を利用
することを特徴とするものである。
(5) 本発明に関する酵素のエナンチオ選択性は極
めて高く、請求の範囲に記載したα−ヒドロキ
シ酸に関しては100%の光学純度で−型のエ
ナンチオマーを生成する。
(6) 本発明によれば、培養物から抽出され純化さ
れた酵素を使用して反応を行うため代謝による
基質や生成物の消費がないから反応収率は非常
に高く、結晶生成物の収率として通常80%以上
であり、90%以上に達することもある。
(7) 上項と同じ理由により、菌体成分や培地成分
による生成物の汚染がないから、クロマトグラ
フイー等の特別な精製操作を行わなくても容易
に高純度の製品が得られる。
以上に述べたように、ストレプトコツクス属細
菌のベンゾイルギ酸還元酵素を応用する本発明の
光学活性α−ヒドロキシ酸及びその塩の製造法
は、安価に取得される酵素を用いて水溶液中で反
応させるという簡単な操作で、光学純度100%の
R−エナンチオマーを高収率で生産するというす
げれた方法である。
〔実施例〕
次に実施例について本発明をさらに詳細に説明
する。
実施例 1 ストレプトコツクス フアエカリス
(Streptococcus faecalis IFO 12964)をトマト
ジユース・麦芽エキス・CoSO4の培地で通気攪拌
培養した。30℃で24時間培養後、集菌し、菌体を
超音波処理してベンゾイルギ酸還元酵素を抽出し
た。これをMatrex RedA樹脂を充填したカラム
によるアフイニテイクロマトグラフイーと、
DEAE−セフアローズカラムによるイオン交換ク
ロマトグラフイーを順次行つて比活性911U/mg
の標品を得た。このものの一部(38U)をとり、
0.5%の牛血清アルブミンと2mMのメルカプトエ
タノールを含む15mMリン酸緩衝液(PH6.3)の
7mlに溶解させておいた。一方、0.8gのα−ケ
トイソカプロン酸ナトリウム塩を、0.2Mのギ酸
ナトリウム、0.05%の牛血清アルブミン、及び
2mMのメルカプトエタノールを含む0.1Mリン酸
緩衝液(PH7.5)の110mlに溶解させた。これに、
NADHの170mg、ギ酸脱水素酵素の33U(ベーリ
ンガー社製、0.5mlのPH6.3リン酸緩衝液に溶解)
及び上記の酵素液を添加した。トルエン0.6mlを
加え密栓して30℃に23時間保温した。PH2以下に
なるまで6NHClを加え、次で塩化ナトリウムを
飽和になるまで溶解させた。これを200ml、200ml
及び100mlの酢酸エチルで3回抽出し、有機層を
合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸ナトリ
ウムを濾別し、溶媒を減圧留去して得られたシロ
ツプ状の残渣をエーテル/ヘキサンの加温した混
合液に溶かし、活性炭処理後、濾過してから冷却
すると、結晶化した。かくして、総計606mgの針
状結晶を得た(収率82%)。mp(78〜79℃)IRス
ペクトルは、市販の()−(−)−α−ヒドロキ
シイソカプロン酸の純品(シグマ社製;mp78〜
79℃;〔α〕D27 D=−11.5°、C=5.20、水)と完全
に一致した。一方、比旋光度は〔α〕D25 D=+
11.6°(C=5.17水)であり、標準品の比旋光度と
比べて符号が逆であつて絶対値が一致したことか
ら、この酵素反応による還元産物はの絶対配置
を有する()−(+)−α−ヒドロキシイソカプ
ロン酸であつて、その光学純度は100%であるこ
とが確認された。
実施例 2 0.8%のα−ケトカプロン酸ナトリウム塩を、
0.2Mのギ酸ナトリウム、0.05%の牛血清アルブ
ミン及び2mMのメルカプトエタノールを含み、
0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)の100mlに溶かした。
これにNADHの160mg、ギ酸脱水素酵素33U(0.5
ml溶液)及びベンゾイルギ酸還元酵素51U(3ml
溶液)を加えて混合した。トルエン0.5mlを加え
てから密栓し、30℃に23時間保温した。6NHCl
をPH2以上になるまで加え、次で食塩を飽和にな
るまで溶解させた。酢酸エチルの100ml、100ml及
び50mlで3回抽出し、有機層を合してNa2SO4
乾燥した。溶媒を留去し、シロツプ状の残渣をエ
ーテル/ヘキサンの混液から結晶させて、(R)−
(+)−α−ヒドロキシカプロ酸の647mgを微細針
状晶として得た(収質93%)。mp59〜60℃、〔α〕
25 D=+0.94°(C=7.0、水)。融点は−エナンチ
オマーについての文献値(57〜59℃;日化誌、77
(2)、290(昭和31年)にほぼ一致し、MS及び
PMRスペクトルはα−ヒドロキシカプロン酸の
構造に一致した。比旋光度は文献値〔〔α〕26 D=+
3.8°(水);J.Am.Chem.Soc.,78,2423(1956))
より小さかつが、実側値、文献値共に比旋光度の
絶対値が小さいので、光学純度を精密に決定する
ために以下の実験を行つた。酵素反応産物の少量
をジアゾメタンでメチル化し、次で()−(+)
−α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフエニ
ル酢酸クロリドと反応させジアステレオメリツク
なエステルに導いた。これをガスクロマトグラフ
イーで分析したところ、α−ヒドロキシカプロン
酸の−エナンチオマーに帰属されるピークは検
出されず、−エナンチオマーによるピークのみ
が検出された。従つて、エナンチオマー純度、す
なわち光学純度は−体が100%と結論された。
ガスクロマトグラフイーの条件:カラム、化学結
合型OV−1キヤピラリ−カラム、0.25mm×
25m;キヤリヤーガス、ヘリウム、入口圧1.4
Kg/cm2、入口流速80ml/min;カラム温度、135
℃;保持時間28.81分(−エナンチオマー)及
び31.70分(−エナンチオマー)。
実施例 3 0.8gのフエニルピルビン酸ナトリウム塩を、
51Uのベンゾイルギ酸還元酵素、140mgのNADH
及び33Uのギ酸脱水素酵素を用いて実施例1と同
様にして反応させ、生成物の酢酸エチルで抽出し
た。抽出物を濃縮し、沸とうベンゼンから結晶化
させて()(+)−3−フエニル乳酸の569mgを
微細針状晶として得た(収率80%)。融点(124〜
125℃)とIRスペクトルは市販の()−(−)−
3−フエニル乳酸の純品(Sigma社製、mp124〜
125℃;〔α〕27 D=−20.3°(C=2.33、水))と完全
に一致した。一方、比旋光度は〔α〕25 D=+20.9°
(C=2.29、水)であり、標準品の比遊光度に比
べて符号が逆であり、その光学純度は100%であ
ることが確認された。
実施例 4 1.1gのα−ケトイソバレリアン酸ナトリウム
塩を実施例1と同様にして反応させ、生成物を酢
酸エチルで抽出後、ベンゼン/エーテル/ヘキサ
ンの混合液から結晶化させて()−(−)−α−
ヒドロキシイソバレリアン酸の788mgを板状晶と
して得た(収率84%)。mp63〜65℃、〔α〕25 D=−
16.9°(C=1.34、CHCl3)(文献値:mp65〜66℃、
〔α〕13 D=−21.2°(C=1.2,CHCl3);J.Chem.
Soc.,1949m1025)。MS及びPMRスペクトルは
上記の構造に合致した。光学純度を実施例2と同
様にして精密に測定したところ、100%の−エ
ナンチオマーから成ることが確認された。ガスク
ロマトグラフイーの保持時間:16.54分(−エ
ナンチオマー)及び18.13分(−エナンチオマ
ー);分析条件は実施例2の場合と同じ)。
実施例 5 1.3gのα−ケトバレリアン酸ナトリウム塩を
実施例1と同様にして反応させ、生成物を酢酸エ
チルで抽出した。有機層をとり、溶媒を留去後、
残渣を約10mlの水にとかし、次いでBa(OH)2
飽和水溶液をPH7.0になるまで少しづつ加えた。
中和された後、不溶分を濾別し、濾液をエバポレ
ーターで約5mlに濃縮した。加温しつつアセトン
を全体が白濁するまで加え、次で室温に放置する
と総計 1.7gのリン片状結晶を与えた(収率91%)。〔α〕
25 D=+10.5°(C=4.04、水)(()−α−ヒドロ

シバレリアン酸のBa塩についての文献値は〔α〕
26 D=+7.2°(水);J.Am.Chem.Soc.,782723
(1956))。PMRスペクトルはα−ヒドロキシバレ
リアン酸の構造に合致した。バリウム塩の一部を
とり、塩酸酸性の食塩飽和の条件でエーテルで抽
出した。この抽出物についてMSスペクトルを測
定したところ、m/z=118に分子イオンピーク
を示した。また、この抽出物について実施例2に
記載したのと同様の方法で光学純度を精密に測定
したところ、−エナンチオマーは全く含まれて
おらず、光学純度は−体について100%である
ことがわかつた。ガスクロマトグラフイーの保持
時間:19.20分(−エナンチオマー)、20.98分
−エナンチオマー);分析条件は前記と同じ。
実施例 6 0.55gのα−ケト酪酸を実施例1に述べた反応
用リン酸緩衝液(0.2Mギ酸ナトリウムを含む)
の108mlに溶解させ、6NNaOHでPH7.5になるよ
うに調整した。これにNADHO170g、ギ酸脱水
素酵素40U、及びベンゾイルギ酸還元酵素24Uを
溶解させ、次で少量のトルエンを加えて密栓し、
30℃で45時間反応させた。常法に従つて酢酸エチ
ルで抽出し、溶媒を留出して得た残渣を実施例5
と同じようにしてBa塩とし、水/アセトンから
結晶させ、519mgのリン片状結晶を得た(収率57
%)。〔α〕25 D=+8.6°(C=4.83、水);()−
α−
ヒドロキシ酪酸についての文献値は〔α〕26 D=+
8.8°(水)(J.Am.Chem.Soc,.78,2423(1956)。
PMRスペクトルはα−ヒドロキシ酪酸の構造に
合致した。バリウム塩の一部をとり、塩酸酸性・
食塩飽和の条件でエーテルで抽出した。の抽出物
(シロツプ状)についてMSスペクトルを測定し
たところ、m/z=104に分子イオンピークを示
した。また、この抽出物について実施例2に記載
したのと同様の方法で光学純度を精密に測定した
ところ、−エナンチオマーは全く含まれておら
ず、光学純度は−体について100%であること
が示された。ガスクロマトグラフイーの保持時
間:13.69分(−エナンチオマー)、14.71分
−エナンチオマー);分析条件は前記と同じ。
実施例 7 1gの3−クロロピルビン酸を1.5gのギ酸と
共に、2mMのメルカプトエタノールを含む0.1M
リン酸緩衝液(PH7.5)の約30mlにとかした。
NaOHを少しずつ加えて中和した。これに、ベ
ンゾイルギ酸還元酵素の67Uの他牛血清アルブミ
ンを0.5%メルカプトエタノールを2mMの濃度で
含む15mMリン酸緩衝液(PH6.3)の15mlを加え
た。さらに、NADHの200mgとギ酸脱水素酵素の
80Uを加え、最後に上記PH7.5のリン酸緩衝液を
加えて全液量を163mlとした。これにトルエンを
0.8ml加え密栓して30°で2日間放置した。塩酸酸
性・食塩飽和の条件で酢酸エチルで抽出を行い、
有機層を集めて濃縮した。シロツプ状の残渣を加
温しながらベンゼンとトルエンの約9:1の混合
液に溶かした。活性炭を少量加え、熱時に濾液
し、濾液を室温に放置しておくと針状晶を与えた
(224mg、収率22%)。mp87〜89℃、〔α〕25 D=−
1.5°(C=3.01、水);(−β−クロロ乳酸に対す
る文献値はmp88〜89℃,〔α〕25 D=−3.97°(C=
9.05、水)(J.Am.Chem.Soc,.104,4458
(1982)。MS及びPMRスペクトルはβ−クロロ
乳酸の構造に一致した。また、実施例2に記載し
たのと同様の方法で光学純度を精密に測定したと
ころ、S−エナンチオマーは全く含まれておら
ず、光学純度は体について100%であることが
示された。ガスクロマトグラフイーの保持時間:
22.58分(−エナンチオマー)、23.26分(
エナンチオマー)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストレプトコツクス属細菌の菌体から抽出し
    たベンゾイルギ酸還元酵素の存在下、還元型のニ
    コチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドを用い
    て一般式 RCOCOOH (式中、Rは炭素2〜4のアルキル基、クロロ
    メチル基、ブロモメチル基又はベンジル基を表わ
    す) で表わされるα−ケト酸を還元し、対応するα−
    ヒドロキシ酸の光学活性体を得ることを特徴とす
    る光学活性α−ヒドロキシ酸の製造法。
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