JP2002528299A - 多層構造物 - Google Patents

多層構造物

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JP2002528299A JP2000578164A JP2000578164A JP2002528299A JP 2002528299 A JP2002528299 A JP 2002528299A JP 2000578164 A JP2000578164 A JP 2000578164A JP 2000578164 A JP2000578164 A JP 2000578164A JP 2002528299 A JP2002528299 A JP 2002528299A
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ベトソ,スティーヴン・アール
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アレル,ルドヴィク
クジェルクヴィスト,ジェルカー・ベー・エル
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Abstract

(57)【要約】 (A)リグノセルロースをベースとする層; および(B) i)1種以上のα-オレフインモノマー、ii)1種以上のビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/または脂肪族もしくは脂環式の1種以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデンモノマー、ならびに所望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、を重合形態にて含んだ実質的にランダムなインターポリマーを含む層であって、実質的な量の粘着性付与剤を含有していない層;を含む多層構造物が開示されている。床材、壁装材、天井張り材、家具、装飾用オーバーレイ、および保護用オーバーレイを本発明の多層構造物から製造することができる。本発明の多層構造物は、1つ以上の層(B)と所望により1つ以上の接着剤層(C)とを1つ以上のリグノセルロースベース層(A)に熱積層することによって製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、リグノセルロースをベースとする層とポリマー含有層とを含む多層
構造物およびこれらの多層構造物を製造する方法に関する。本発明はさらに、少
なくとも一部がこのような多層構造物から製造された物品(例えば、床材、壁装
材、天井張り材、装飾用オーバーレイ、保護用オーバーレイ、ドア、および家具
)に関する。
【0002】 リグノセルロースベース層(好ましくは木材ベース層)を含む多層構造物は多く
の異なった用途で広く使用されている。木材ベース層は、装飾用もしくは保護用
のカバー層、支持体層、またはこれらの両方を形成することができる。
【0003】 木材ベースの装飾層もしくは保護層と木材ベース支持体層とを含んだ多層構造
物の例としては、寄せ木張り材や家具がある。これらは通常、支持体層としての
パーティクルボードもしくはファイバーボードと木材ベニヤ層とを含む。木材ベ
ニヤ層と支持体層は通常、接着剤層によって結合されている。このような寄せ木
張り材と家具は、美的外観と機能上の特性が優れているので大量に販売されてい
る。木材ベースの装飾層もしくは保護層と木材ベースの支持体層とを含むフレキ
シブル多層構造物も知られている。これらは装飾用オーバーレイとして(例えば
、家具や自動車の内装品として)使用されている。
【0004】 他の多層構造物は、木材ベースの支持体層(例えば、パーティクルボードまた
はファイバーボード)と木材をベースとしない材料の装飾層もしくは保護層とを
含む。このような多層構造物の例としては、積層した床材、積層した壁装材、積
層した天井張り材、および家具などがある。これらもかなり大量に販売されてい
る。多種多様な材料が、木材ベースの支持体層と組合わせて使用されている。装
飾層もしくは保護層のよく知られている例としては、一般には樹脂(例えば、メ
ラミン樹脂、ポリエステル樹脂、またはユリアホルムアルデヒド樹脂)を含浸し
た紙がある。装飾層もしくは保護層の他のよく知られている例としては、メラミ
ン樹脂フィルムもしくはポリ塩化ビニルフィルムで造られた被膜等のポリマー層
がある。ポリ塩化ビニルフィルムは物理的性質が優れているので広く使用されて
いるが、より環境にやさしいフィルムにする要求が益々強まっている。1998年5
月18-20日にドイツのビーレフェルトで開催された第3回国際シンポジウム“木
材ベースパネルの3D-ラミネーション”は、適切な装飾層もしくは保護層と三次
元の木材ベース支持体に積層するための適切な接着剤を見出すことが困難である
ことを示している。数人のシンポジウム参加者は、ポリ塩化ビニルフィルムをポ
リオレフィンフィルムで置き換えると、幾つかの問題が起こることを説明してい
る。すなわち、小さなプロセシング・ウインドウ(processing window)が発生す
ること、高い加工温度が必要になること、および巻き返り力(recoil force)が大
きいために、ポリオレフィンフィルムを三次元の木材ベース支持体に接合させる
のに強力な接着剤が必要となることである。
【0005】 他の多層構造物は、木材ベースの装飾層もしくは保護層および木材をベースと
しない支持体層を含む。よく知られているこのような構造物の例としては、壁装
材、床張り材、エンタテインメント・システム(例えばスピーカー)、あるいは自
動車用途向けの複合部品や複合パネル(例えば米国特許第5,766,395号に記載の構
造物)などがある。
【0006】 木材ベース層を含めたこのような多層構造物に求められる特性は、最終用途に
応じて大きく異なる。用途によってはフレキシビリティが要求される場合もある
。例えば三次元表面を有する家具の場合、装飾層もしくは保護層は、家具表面の
輪郭(例えば、端部、へこみ、または突出構造)によく適合する必要がある。床材
等の他の用途では、耐引掻性または耐摩耗性が大きなポイントであるが、さらに
他の用途では外観上の特性が重要である。最終用途が多種多様であることから、
このような多層構造物に対して求められる広範囲の特性を全て満たすことのでき
る単一材料がないのは当然である。
【0007】 木材ベース層とポリマー層とを含む多層構造物に関連した他の問題は、特に木
材ベース層が三次元の層であるときに、一般にはその製造に多大の時間を要する
という点である。種々の理由から〔例えば、被覆用木材に対して通常使用される
ポリマー(例えばポリ塩化ビニル)の場合に見られるように、木材へのポリマー層
の接着力が弱いこと、およびポリマー層の巻き返り力が大きいこと〕、業界では
強力な二成分系接着剤が推奨されている。業界において使用される標準的な方法
によれば、先ず最初に、ポリマー層に下塗を、通常はポリマーフィルム製造プロ
セスの一部として施す。その後の木材パネル積層プロセスにて、ポリイソシアネ
ート架橋剤成分とポリウレタン接着剤分散液とを混合することによって、二液型
接着剤を調製する。次いで、輪郭付けされた木材バネルに本混合物を噴霧する。
接着剤系の二成分の反応によって、熱成形中にポリマー層を木材パネルに接合す
る。しかしながら、このプロセスは多大の時間を必要とする労働集約的なプロセ
スであり、ポリマーと木材との間に充分な接着力を達成するためには、混合時間
、開放時間、噴霧操作、および乾燥時間の正確な制御を必要とする。
【0008】 幾つかの用途においては、木材ベース層とポリマー含有層とを含む多層構造物
は高い耐熱性を有していなければならない。すなわち、こうした多層構造物は、
高温になったときに木材ベース層から相当程度に離層しやすいものであってはな
らない。発送容器における輸送温度が70℃にまで達することがあるので、耐熱性
を有することが大切である。ストーブの近くの温度が100℃に達することのある
台所家具用途に対しては、耐熱性が特に重要である。前記の第3回国際シンポジ
ウム“木材ベースパネルの3D-ラミネーション”にてなされたプレゼンテーショ
ン“熱成形技術のためのPVCホイル”において、H. Altmannは耐熱性が主要テー
マであるとしている。三次元支持体上にプレスされたホイルが支持体の端部上で
実質的に延伸されることを彼は説明している。プレスされたホイルは、最終製品
において最大50%までの収縮を示すことがある。高温でのこうした収縮(メモリ効
果とも呼ばれる)は、かなり強力な接着剤を使用することによって、特に硬化剤
を含んだ接着剤を使用することによって解消できることをH. Altmannと他の多く
の熟練技術者は説明している。こうした接着剤としては、ポリウレタンをベース
とする架橋剤含有二成分系噴霧式接着剤がよく知られている。T. Hippoldは、同
国際シンポジウムで発表した論文において、強力な架橋接着剤すなわちポリウレ
タンベース接着剤を使用することによって耐熱性を付与できる、と説明している
【0009】 床材、壁装材、天井張り材、家具、装飾用オーバーレイ、保護用オーバーレイ
、他の木材ベース物品、あるいは他のリグノセルロースベース物品を製造するの
に業界が利用できる材料の種類を増やすべく、セルロースベース層とポリマー含
有層とを含む新規の多層構造物を提供することが本発明の目的である。
【0010】 本発明の好ましい目的は、リグノセルロースベース層とポリマー含有層とを含
んでいて、リグノセルロースベース層に接着剤系を施すための複数の噴霧工程を
必要とすることなく製造できるような新規の多層構造物を提供することにある。
【0011】 本発明の他の好ましい目的は、リグノセルロースベース層とポリマー含有層と
を含んでいて、優れた耐熱性を有する新規の多層構造物を提供することにある。 発明の概要 本発明の1つの態様は、 (A) リグノセルロースをベースとする層; および (B) i)1種以上のα-オレフインモノマー、ii)1種以上のビニル芳香族モノ
マーもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/または脂肪族もしくは脂環式
の1種以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデンモノマー、なら
びに所望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマーを重合形態にて含
む実質的にランダムなインターポリマーを含んだ層、このとき層(B)は実質的な
量の粘着性付与剤を含有していない; を含む多層構造物である。
【0012】 本発明の他の態様は、少なくとも一部が上記の多層構造物で造られた物品(好
ましくは、床材、壁装材、天井張り材、装飾用オーバーレイ、保護用オーバーレ
イ、ドア、および家具)である。
【0013】 本発明のさらに他の態様は、1つ以上の層(B)と、所望により1つ以上の接着剤
層とを1つ以上のリグノセルロースベース層(A)に固定することによって上記多層
構造物を製造する方法である。
【0014】 発明の詳細な記述 本発明の多層構造物は、リグノセルロースベース層(A)と下記のような実質的
にランダムなインターポリマーを含んだ層(B)とを含む。
【0015】 本明細書で使用している“含む(comprising)”とは“含む(including)”を意
味している。本明細書で使用している“多層(multilayer)”とは2つ以上の層を
意味している。
【0016】 “リグノセルロース”とは、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンを
主要な固体化学成分として含有する材料(例えば植物パーティクル)を含む。リグ
ノセルロースの例としては、亜麻、麻、バガス、竹、アフリカハネガヤ、葦、カ
ラムシ、トウモロコシの茎、シリアル、あるいは種々のタイプのわら(例えば、
米のわらや小麦のわら)等の木材植物および一年生植物がある。
【0017】 “リグノセルロース層”とは、完全にリグノセルロースで造られているか、実
質的にリグノセルロースで造られているか、他の成分に加えてリグノセルロース
を含んでいるか、あるいはリグノセルロースから誘導されていて、化学的もしく
は物理的なプロセスによって変性されている層(例えば、パルプや紙)を意味して
いる。
【0018】 “木材ベース層”とは、完全に木材で造られているか、実質的に木材で造られ
ているか、他の成分に加えて木材を含んでいるか、あるいは木材から誘導されて
いて、化学的もしくは機械的なプロセスによって変性されている層(例えば、パ
ルプや紙)を意味している。
【0019】 “リグノセルロースベース層”または“木材ベース層”は、リグノセルロース
ベースまたは木材ベースの単層だけでなく、層が互いに固定されている状態の、
リグノセルロースベースまたは木材ベースの多層も含む。本明細書で使用してい
る“リグノセルロースベース層”または“木材ベース層”はそれぞれ、リグノセ
ルロースをベースとするあらゆる二次元もしくは三次元構造物、または木材をベ
ースとするあらゆる二次元もしくは三次元構造物を意味している。
【0020】 好ましい木材ベース層は、充実木材; 木材積層物; 木粉、木質繊維、および/
または他の木材パーティクルから製造されるパネル; あるいは木材から誘導され
る層(例えば、パルプや紙); である。木材ベース層は二次元または三次元の表面
を有してよい。層(A)は、トウヒ、マツ、カラマツ、ダグラスファー、ポプラ、
カバノキ、クルミノキ、ブナ、オーク、またはトネリコ等の、種々のタイプの木
材をベースにしてよい。層(A)は、装飾層、保護層、支持体層、またはこれらの
組合わせ物であってよい。層(A)の厚さは、本発明の多層構造物の所望する最終
用途に応じて実質的に変わってよい。層(A)の厚さは、0.05〜50mmであるのが好
ましく、0.1〜30mmであるのがさらに好ましい。層(A)が装飾用もしくは保護用の
層である場合、その厚さは0.05〜2mmであるのが好ましく、0.1〜1mmであるのが
さらに好ましく、0.1〜0.5mmであるのが最も好ましい。層(A)が支持体層である
場合、その厚さは1.5〜50mmであるのが好ましく、5〜30mmであるのがさらに好ま
しい。
【0021】 充実木材で造られる層(A)の代表的なものが木材ベニヤまたは充実木材パネル
である。木材ベニヤに紙またはフリースを裏打ちして、安定性と強度を付与し、
開裂や亀裂の発生を最小限に抑えることができる。しかしながら本発明の多層構
造物においては、木材ベニヤはそのものとして使用するのが、すなわちこのよう
な裏材料なしで使用するのが好ましい。
【0022】 木材積層物の代表的なものは、ベニヤ合板、コア合板、もしくは複合合板等の
層状板または合板である。複合合板の場合、コアは通常、両側にベニヤを板張り
した低密度の材料〔例えば、押出パーティクルボード、ペーパーハニカム、また
はフォーム(例えばポリウレタンフォーム)〕で造られている。木材積層物におけ
る個々の層は通常、合成接着剤〔例えば、ユリアホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ンホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ユリア-
ホルムアルデヒド樹脂、またはポリ(酢酸ビニル)等の接着剤〕によって固定され
ている。
【0023】 木材チップ、経木、木毛、木材ストランド、木質繊維、または木粉等の木材パ
ーティクルから製造されるパネルの代表的なものは、チップボード、延伸ストラ
ンドボード、パーティクルボード(例えば、フラットプレスド・パーティクルボ
ード(flat pressed particleboard)、押出パーティクルボード、または成形パー
ティクルボード)、あるいはファイバーボード(例えば、ハードボード、ミディア
ムボード、ソフトボード、中密度ファイバーボード(MDF)、または高密度ファイ
バーボード(HDF))である。木材パーティクルを結合するのに適した合成接着剤や
他の結合剤は当業界において公知である。こうした物質の代表的なものは、ユリ
アホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン-ユリア-ホルムアルデヒド樹脂、またはポリイソシアネ
ート樹脂(例えば高分子量メチレンジフェニレンイソシアネート)である。しかし
ながら本発明においては、i)1種以上のα-オレフインモノマー、ii)1種以上の
ビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/または脂肪
族もしくは脂環式の1種以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデ
ンモノマー、ならびに所望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー
を重合形態にて含む実質的にランダムなインターポリマーは、一般には、上記ボ
ードにおいて木材パーティクルのための結合剤として使用されない。
【0024】 装飾層もしくは保護層である層(A)の代表的なものは、木材ベニヤまたはベニ
ヤ合板である。層(B)(下記にて詳述)が木材ベニヤ層もしくはベニヤ合板層(A)の
ための優れた裏材料として有用であることが見出された。層(B)は、層(A)の開裂
や亀裂が起こらないよう、高い強度と優れた保護作用をもたらす。木材ベニヤ層
もしくはベニヤ合板層(A)の厚さと層(B)の組成は、種々の程度のフレキシビリテ
ィが得られるように変えることができる。驚くべきことに、優れたフレキシビリ
ティをもつ多層構造物を製造できることが見出された。例えば、層(A)に著しく
亀裂や開裂を起こすことなく90°曲げることのできるフラット構造物を製造する
ことができる。このような多層構造物は、家具または自動車内装のための優れた
装飾用オーバーレイまたは保護用オーバーレイである。
【0025】 層(A)のよく知られている例は、木材から誘導され、化学的または機械的なプ
ロセスによって変性された紙およびパルプである。本発明の多層構造物において
は乾燥パルプを層(A)として使用することもできるし、あるいは乾燥パルプを処
理して紙にしてから、この紙を1つ以上の層(B)と結合して本発明の多層構造物を
得ることもできる。パルプは、よく知られている機械的または化学機械的プロセ
スによって木質繊維から製造することができ、このときパルプ中には実質的な量
のリグニンが残存している。このようなパルプから製造される紙は、当業界にお
いて“木材含有紙”と呼ばれている。これとは別に、パルプは、木質繊維からリ
グニンとヘミセルロースのほとんどを溶出させるという周知の化学プロセスによ
っても製造できる。このようなパルプから製造される紙は、当業界において“木
材非含有紙”と呼ばれている。紙とパルプについては、“Ullmann's Encycloped
ia of Industrial Chemistry, 第5版, Vol.18, p.547-667”に詳細に記載され
ている。上記の木材ベース物質については、“Ullmann's Encyclopedia of Indu
strial Chemistry, 第5版, Vol.28, p.320-350”に詳細に記載されている。
【0026】 木材以外の1種以上のリグノセルロースをベースとする層(A)は、リグノセル
ロース粉、リグノセルロース繊維、および/または他のリグノセルロースパーテ
ィクルから製造されるパネル、あるいは木材から誘導される層(例えば、パルプ
や紙)であるのが好ましい。木材以外のリグノセルロースの例としては、亜麻、
麻、バガス、竹、アフリカハネガヤ、葦、カラムシ、トウモロコシの茎、シリア
ル、あるいは種々のタイプのわら(例えば、米のわらや小麦のわら)等の一年生植
物がある。このようなリグノセルロースをベースとする層(A)の厚さは、木材ベ
ース層に関して記載した範囲内の厚さである。
【0027】 パネルは、一年生植物の粒状物(particulate annual plants)から製造するの
が好ましい。こうした粒状物は、植物の他の加工処理からの残留物(例えば、わ
らや穀物の殻)であってもよい。適切な結合剤〔例えば、ユリアホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン-ユリア-ホルムアルデヒド樹脂、または好ましくはポリイソシアネート樹
脂(例えば高分子量メチレンジフェニレンイソシアネート)〕を使用して粒状物質
を結合することができる。一年生植物の粒状物からの造形品の製造が、米国特許
第5,554,330号に詳細に記載されている。
【0028】 一年生植物から製造される紙とパルプは、本発明における層(A)として有用で
ある。 木材と1種以上の他のリグノセルロースとを組合わせて使用して層(A)を製造す
ることができる。リグノセルロースベース層(A)は、リグノセルロースベース層(
A)の総重量を基準として、一般には20〜100%の、好ましくは30〜100%の、さらに
好ましくは50〜100%のリグノセルロースと、所望により最大80%までの、好まし
くは最大70%までの、さらに好ましくは最大50%までの他の物質(例えば結合剤)と
を含む。リグノセルロースベース物質の表面は、例えば多層構造物を床材、壁装
材、または天井張り材として使用する場合には実質的に二次元であってよい。こ
れとは別に、リグノセルロースベース物質の表面は、例えばドアや家具(台所用
家具や浴室用家具など)を製造する場合には三次元であってよい。
【0029】 本発明の多層構造物の層(B)は、i)1種以上のα-オレフインモノマー、ii)1
種以上のビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/ま
たは脂肪族もしくは脂環式の1種以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害
ビニリデンモノマー、ならびに所望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和
モノマーを重合形態にて含んだ1種以上の実質的にランダムなインターポリマー
を含む。
【0030】 層(B)は、公開番号WO98/10017の国際特許出願に記載のような粘着性付与剤を
実質的な量にて含まない。層(B)が少量でも粘着性付与剤を含む場合、その量は
、下記の実質的にランダムなインターポリマーと粘着性付与剤との合計量を基準
として5%以下であり、好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である
。多層構造物が、上記の実質的にランダムなインターポリマーを含む幾つかの層
を含んでいる場合、これらの層の少なくとも1つが、実質的な量の粘着性付与剤
を含まない。本明細書で使用している“粘着性付与剤”とは、実質的にランダム
なインターポリマーのガラス転移温度を少なくとも5℃上昇させるのに有用な、
および/または実質的にランダムなインターポリマーを含んだホットメルト接着
剤に粘着性を付与するのに有用な樹脂を意味している。本明細書で使用している
“粘着性”という用語はASTM D-1878-61Tに従って使用されており、該規格によ
れば、粘着性とは、他の表面に接触すると直ちに適度な強度を有する結合の形成
を可能にする物質特性として定義している。粘着性付与剤としては、例えばウッ
ドロジン、ガム、トール油、トール油誘導体、シクロペンタジエン誘導体、脂肪
族C5樹脂、ポリテルペン樹脂、水素化樹脂、ロジンエステル、天然テルペン、合
成テルペン、テルペン-フェノール樹脂、および水素化ロジンなどがある。粘着
性付与剤については、WO98/10017の15ページ第3段落〜16ページ第3段落に記載さ
れている。
【0031】 本明細書で使用している“インターポリマー”という用語は、少なくとも2種
の異なったモノマーを重合させてインターポリマーとしている場合のポリマーを
示すのに使用されている。
【0032】 i)1種以上のα-オレフインモノマー; ii)1種以上のビニル芳香族モノマーも
しくはビニリデン芳香族モノマー、および/または脂肪族もしくは脂環式の1種
以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデンモノマー; ならびに所
望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー; を重合させることによ
り得られる実質的にランダムなインターポリマーにおける“実質的にランダムな
”とは一般には、モノマーと前記インターポリマーの分布を、ベルヌーイ統計モ
デルによって、あるいは一次もしくは二次マルコビアン統計モデル(J.C.Randall
による“POLYMER SEQUENCE DETERMINATION, Carbon-13 NMR Method, Academic P
ress, New York, 1977, pp.71-78”によって説明できるということを意味してい
る。1種以上のα-オレフインモノマー、1種以上のビニル芳香族モノマーもしく
はビニリデン芳香族モノマー、および所望により他の重合可能なエチレン性不飽
和モノマーを重合させることにより得られる実質的にランダムなインターポリマ
ーは、ビニル芳香族モノマーの合計量またはビニリデン芳香族モノマーの合計量
の15%以上を、3単位を越えるビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン芳香族モ
ノマーのブロックにて含まないのが好ましい。該インターポリマーは、高度のア
イソタクティシティまたはシンジオタクティシティを有することを特徴としない
のがさらに好ましい。このことは、実質的にランダムなインターポリマーの13C-
NMRスペクトルにおいて、メソdiad配列(meso diad sequence)またはラセミdiad
配列(racemic diad sequence)を示している主鎖のメチレン炭素とメチン炭素に
相当するピーク面積が、主鎖のメチレン炭素とメチン炭素の合計ピーク面積の75
%を越えてはならない、ということを意味している。この後引き続き使用される
“実質的にランダムなインターポリマー”という用語は、上記のモノマーから製
造される実質的にランダムなインターポリマーを意味している。
【0033】 実質的にランダムなインターポリマーを製造するのに有用な適切なα-オレフ
ィンモノマーとしては、例えば、2〜20個の、好ましくは2〜12個の、さらに好ま
しくは2〜約8個の炭素原子を含んだα-オレフィンモノマーがある。特に適して
いるのは、エチレン、プロピレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテン、ヘキセン-
1、オクテン-1、あるいはプロピレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテン、ヘキセ
ン-1、またはオクテン-1の1種以上とエチレンとの組合わせ物である。最も好ま
しいのは、エチレンまたはエチレンとC3-8-α-オレフィンとの組合わせ物である
。これらのα-オレフィンは芳香族部分を含有しない。
【0034】 他の任意の重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、ノルボルネン、C1 -10 アルキル置換ノルボルネン、およびC6-10アリール置換ノルボルネン等のひず
み環オレフィンがあり、代表的なインターポリマーはエチレン/スチレン/ノルボ
ルネンである。
【0035】 実質的にランダムなインターポリマーを製造するのに使用できる適切なビニル
芳香族モノマーやビニリデン芳香族モノマーとしては、例えば、下記の式I
【0036】
【化1】
【0037】 〔式中、R1は、水素と1〜4個の炭素原子を有するアルキル基とからなる基群から
選ばれ(好ましくは水素またはメチル); 各R2は、水素と1〜4個の炭素原子を有す
るアルキル基とからなる基群から独立的に選ばれ(好ましくは水素またはメチル)
; Arは、フェニル基、またはハロ、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから
なる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基であり; そしてnは0
〜4(好ましくは0〜2、最も好ましくは0)の値を有する〕で示されるモノマーがあ
る。特に適したモノマーとしては、スチレン、スチレンの低級アルキル置換誘導
体、およびスチレンのハロゲン置換誘導体などがある。好ましいモノマーとして
は、スチレン、α-メチルスチレン、スチレンの低級アルキル(C1-C4)置換もしく
はフェニル環置換誘導体(例えばオルト、メタ、およびパラのメチルスチレンとt
-ブチルスチレン)、環ハロゲン化スチレン(例えばクロロスチレン)、パラ-ビニ
ルトルエン、またはこれらの混合物がある。より好ましい芳香族モノビニルモノ
マーはスチレンである。
【0038】 “脂肪族もしくは脂環式の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデン
モノマー”とは、式
【0039】
【化2】
【0040】 〔式中、A1は、最大20個までの炭素原子を有する、立体的にバルキーな脂肪族も
しくは脂環式置換基であり; R1は、水素と1〜4個の炭素原子を有するアルキル基
とからなる基群から選ばれ(好ましくは水素またはメチル); 各R2は、水素と1〜4
個の炭素原子を有するアルキル基とからなる基群から独立的に選ばれ(好ましく
は水素またはメチル); あるいはこれとは別に、R1とA1が一緒になって環系を形
成する〕で示される付加重合可能なビニルモノマーまたはビニリデンモノマーを
意味している。“立体的にバルキー”とは、こうした置換基を有するモノマーが
、通常は、標準的なチーグラー-ナッタ重合触媒によってエチレン重合と同等の
速度で付加重合できないということを意味している。2〜20個の炭素原子を有し
ていて、直鎖状の脂肪族構造を有するα-オレフィンモノマー(例えばプロピレン
、ブテン-1、ヘキセン-1、およびオクテン-1)は立体障害脂肪族モノマーとはみ
なされない。脂肪族もしくは脂環式の好ましい立体障害ビニル化合物ーまたは立
体障害ビニリデン化合物は、エチレン性不飽和を担っている炭素原子の一方が第
三級置換もしくは第四級置換されているようなモノマーである。このような置換
基の例としては、環状脂肪族基(例えばシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シ
クロオクテニル、またはこれらの環アルキル置換誘導体もしくは環アリール置換
誘導体)、tert-ブチル、またはノルボルニルなどがある。最も好ましい脂肪族も
しくは脂環式の立体障害ビニル化合物または立体障害ビニリデン化合物は、シク
ロヘキセンと置換シクロヘキセンの種々のビニル環置換誘導体異性体、および5-
エチリデン-2-ノルボルネンである。特に適しているのは1-、2-、および3-ビニ
ルシクロヘキセンである。
【0041】 最も好ましい実質的にランダムなインターポリマーは、エチレンとスチレンと
のインターポリマー、ならびにエチレンとスチレンと3〜8個の炭素原子を有する
少なくとも1種のα-オレフィンとのインターポリマーである。
【0042】 本発明の実質的にランダムなインターポリマーは通常、i)0.5〜65モル%の、好
ましくは5〜55モル%の、さらに好ましくは15〜50モル%の、そして最も好ましく
は25〜40モル%の、少なくとも1種のビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン
芳香族モノマーおよび/または脂肪族もしくは脂環式の立体障害ビニルモノマー
または立体障害ビニリデンモノマー; ならびにii)35〜99.5モル%の、好ましくは
45〜95モル%の、さらに好ましくは50〜85モル%の、そして最も好ましくは60〜75
モル%の、2〜20個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族α-オレフィン;
を含む。
【0043】 ASTM D1238の方法Aの条件EによるメルトインデックスI2は、一般には0.01〜50
g/10分、好ましくは0.01〜10g/10分、さらに好ましくは0.1〜5g/10分、そして最
も好ましくは0.1〜3g/10分である。実質的にランダムなインターポリマーのガラ
ス転移温度(Tg)は、動的機械分光分析法による測定にて、好ましくは−40℃〜+3
5℃であり、さらに好ましくは0℃〜+30℃であり、そして最も好ましくは+15℃〜
+30℃である。層(B)は、異なったガラス転移温度(Tg)を有する2種以上の実質的
にランダムなインターポリマーを含んでよい。一般にはこれにより、層(B)の製
造および/または層(B)の層(A)への積層が容易になる。
【0044】 実質的にランダムなインターポリマーの密度は、一般には0.930g/cm3以上であ
り、好ましくは0.930〜1.045g/cm3であり、さらに好ましくは0.930〜1.040g/cm3 であり、そして最も好ましくは0.930〜1.030g/cm3である。分子量分布を示すMw/
Mnの値は、一般には1.5〜20であり、好ましくは1.8〜10であり、さらに好ましく
は2〜5である。
【0045】 実質的にランダムなインターポリマーを製造する際に、高温でのビニル芳香族
モノマーまたはビニリデン芳香族モノマーの単独重合により、ある量のアタクチ
ックのビニル芳香族ホモポリマーまたはビニリデン芳香族ホモポリマーが形成さ
れることがある。ビニル芳香族ホモポリマーまたはビニリデン芳香族ホモポリマ
ーが存在していても、一般には本発明の目的に対して不利とはならず、したがっ
てこうしたホモポリマーの存在は許容できる。ビニル芳香族ホモポリマーまたは
ビニリデン芳香族ホモポリマーは、必要であれば抽出法(例えば、実質的にラン
ダムなインターポリマーまたはビニルもしくはビニリデン芳香族ホモポリマーに
対する非溶媒を使用して溶液から選択的に沈殿させる)によって、実質的にラン
ダムなインターポリマーから分離することができる。本発明の目的に適合するた
めには、アタクチックのビニルもしくはビニリデン芳香族ホモポリマーは、イン
ターポリマーの総重量を基準として30重量%以下にて存在するのが好ましく、20
重量%未満にて存在するのがさらに好ましい。
【0046】 本発明の実質的にランダムなインターポリマーは、当業者に公知の一般的なグ
ラフト化反応、水素化反応、官能化反応、または他の反応によって変性を施すこ
とができる。これらのポリマーを、確立された方法に従って容易にスルホン化ま
たは塩素化して官能化誘導体を得ることができる。本発明の実質的にランダムな
インターポリマーはさらに、過酸化物ベース、シランベース、イオウベース、放
射線ベース、またはアジドベースの硬化系(これらに限定されない)を含んだ種々
の連鎖延長プロセスまたは架橋プロセスによって変性を施すことができる。種々
の架橋技術についての詳細な解説が米国特許第5,869,591号とヨーロッパ特許公
開公報第778,852号に記載されており、これら2つの特許文献の全開示内容を参照
により本明細書に含める。加熱工程、水分硬化工程、および放射線照射工程の組
合わせを使用する二重硬化系(dual cure system)を効果的に使用することができ
る。例えば、過酸化物架橋剤とシラン架橋剤との併用系、過酸化物架橋剤と放射
線との併用系、あるいはイオウ含有架橋剤とシラン架橋剤との併用系を使用する
のが望ましい場合がある。実質的にランダムなインターポリマーはさらに、その
製造工程時及びその後の架橋工程時に、上記の方法や他の方法(例えばイオウを
架橋剤とするビニル基の加硫処理を含む)を使用してジエン成分をターモノマー(
termonomer)として導入する方法(これに限定されない)、を含む種々の架橋方法
によって変性を施すこともできる。
【0047】 本発明の多層構造物の層(B)に適した上記の実質的にランダムなインターポリ
マーは熱可塑性であるのが好ましい。このことは、該インターポリマーが、その
融点もしくは軟化点より高い温度にて成形できるか、あるいは造形・再処理でき
るということを意味している。
【0048】 本発明の実質的にランダムなインターポリマーの1つの製造法は、1種以上の
メタロセンすなわち形状制約触媒(constrained geometry catalysts)と種々の助
触媒との組合わせ物の存在下にて重合可能なモノマーの混合物を重合させるとい
う方法である(James C. Stevensらによるヨーロッパ特許公開公報第416,815号お
よびFrancis J. Timmersによる米国特許第5,703,187号に記載; これら2つの特許
文献の全開示内容を参照により本明細書に含める)。このような重合反応に対す
る好ましい操作条件は、大気圧〜3000気圧の圧力および−30℃〜200℃の温度で
ある。個々のモノマーの自己重合温度より高い温度にて重合反応と未反応モノマ
ーの除去を行うと、ラジカル重合によってある量のホモポリマー重合生成物が形
成されることがある。
【0049】 適切な触媒の例、および実質的にランダムなインターポリマーを製造する方法
が、ヨーロッパ特許公開公報第514,828号、ならびに米国特許第5,055,438号; 第
5,057,475号; 第5,096,867号; 第5,064,802号; 第5,132,380号; 第5,189,192号; 第5,321,106号; 第5,347,024号; 第5,350,723号; 第5,374,696号; 第5,399,635
号; 第5,470,993号; 第5,703,187号; および第5,721,185号に開示されており、
これらの特許および特許出願を参照により本明細書に含める。
【0050】 本発明の実質的にランダムなα-オレフィン/ビニル(ビニリデン)芳香族インタ
ーポリマーはさらに、一般式
【0051】
【化3】
【0052】 〔式中、Cp1とCp2は、互いに独立的にシクロペンタジエニル基、インデニル基、
フルオレニル基、またはこれらの置換基(substituents of these)であり; R1とR 2 は、互いに独立的に水素原子、ハロゲン原子、1〜12個の炭素原子を有する炭化
水素基、アルコキシ基、またはアリール基であり; Mは、第IV族の金属元素であ
って、好ましくはZrまたはHfであり、最も好ましくはZrであり; そしてR3は、Cp 1 とCp2とを架橋するのに使用されるアルキレン基またはシランジイル基である〕
で示される化合物を使用するJP07/278230に記載の方法によっても製造すること
ができる。
【0053】 本発明の実質的にランダムなα-オレフィン/ビニル(ビニリデン)芳香族インタ
ーポリマーはさらに、John G. Bradfuteら(W.R. Grace & Co.)によるWO95/32095
; R.B. Pannell(Exxon Chemical Patent, Inc.)によるWO94/00500; および“Pla
stic Technology, p.25(1992年9月)”に記載の方法によって製造することもでき
る。
【0054】 さらに、Francis J. TimmersらによるWO-98/09999-Aに記載の、少なくとも1
種のα-オレフィン/ビニル芳香族/ビニル芳香族/α-オレフィン四分子を含んだ
実質的にランダムなインターポリマーも適している。これらのインターポリマー
は、WO-98/09999-Aに記載の触媒の存在下にて−30℃〜250℃の温度で重合を行う
ことによって製造することができる。特に好ましい触媒としては、例えば、二塩
化(ジメチルシランジイル)-ビス-(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウ
ムラセミ化合物、(ジメチルシランジイル)-ビス-(2-メチル-4-フェニルインデニ
ル)ジルコニウム・1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエンラセミ化合物、(ジメチルシ
ランジイル)-ビス-(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウム・ジ-C1-4-ア
ルキルラセミ化合物、(ジメチルシランジイル)-ビス-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)ジルコニウム・ジ-C1-4-アルコキシドラセミ化合物、またはこれらの組
合わせ物がある。[N-(1,1-ジメチルエチル)-1,1-ジメチル-1-[(1,2,3,4,5-h)-1,
5,6-7-テトラヒドロ-s-インダセン-1-イル]シランアミナート(2-)-N]チタンジメ
チル; (1-インデニル)(tert-ブチルアミド)ジメチルシランチタンジメチル; (3-
tert-ブチル)(1,2,3,4,5-h)-1-インデニル)(tert-ブチルアミド)ジメチルシラン
チタンジメチル; ((3-イソ-プロピル)(1,2,3,4,5-h)-1-インデニル)(tert-ブチ
ルアミド) ジメチルシランチタンジメチル; およびこれらの組合わせ物; 等のチ
タンベースの形状制約触媒も使用することができる。
【0055】 本発明において使用される実質的にランダムなインターポリマーに対するさら
に他の製造法が文献に記載されている。LongoとGrassi(Makromol. Chem., vol.1
91, p.2387-2396[1990])およびD'Annielloら(Journal of Applied Polymer Scie
nce, vol.58, p.1701-1706[1995])は、メチルアルモキサン(MAO)と三塩化シクロ
ペンタジエニルチタン(CpTiCl3)をベースとする触媒系を使用してエチレン-スチ
レンコポリマーを製造することを報告している。XuとLin(Polymer Preprints, A
m. Chem. Soc., Div. Polym. Chem., vol.35, p.686, 687[1994])は、MgCl2/TiC
l4/NbCl3/Al(iBu)3触媒を使用してスチレンとプロピレンのランダムコポリマー
を得るための共重合について報告している。Luら(Journal of Applied Polymer
Science, vol.53, p.1453-1460[1994])は、TiCl4/NbCl3/MgCl2/Al(Et)3触媒を使
用するエチレンとスチレンの共重合について報告している。SernetzとMulhaupt( Macromol. Chem. Phys ., vol.197, p.1071-1083[1997])は、チーグラー-ナッタ
触媒であるMe2Si(Me4Cp)(N-tert-ブチル)TiCl2/メチルアルミノキサンを使用し
て行うスチレンとエチレンとの共重合に及ぼす重合条件の影響について報告して
いる。架橋メタロセン触媒によって得られるエチレンとスチレンとのコポリマー
が、アライ,トシアキ,およびスズキによる文献(Polymer Preprints, Am. Chem.
Soc., Div. Polym. Chem., vol.38, p.349, 350[1997])、ならびに三井東圧化学
(株)取得の米国特許第5,652,315号に記載されている。α-オレフィン/ビニル芳
香族モノマーのインターポリマー(例えば、プロピレン/スチレンやブテン/スチ
レン)の製造が、三井石油化学工業(株)取得の米国特許第5,244,996号、三井石油
化学工業(株)取得の米国特許第5,652,315号、あるいは電気化学工業(株)によるD
E 197 11 339 A1 に開示されている。実質的にランダムなインターポリマーを製
造するための開示されている上記全ての方法を参照により本明細書に含める。
【0056】 本発明の多層構造物の層(B)は、層(B)におけるの全ポリマー重量を基準として
最大約80重量%までの、好ましくは最大約70重量%までの、さらに好ましくは最大
約50重量%までの、そして最も好ましくは最大約30重量%までの1種以上のさらな
るポリマー成分(例えば下記のようなポリマー成分)を所望により含んでよい。下
記のポリマー成分は、前記にて定義したような“粘着性付与剤”という用語には
包含されない。上記の実質的にランダムなインターポリマーの量は、層(B)にお
けるの全ポリマー重量を基準として、一般には少なくとも約20%であり、好まし
くは少なくとも30%であり、さらに好ましくは約50%であり、そして最も好ましく
は少なくとも約70%である。好ましい任意の追加ポリマーは、モノビニルもしく
はモノビニリデン芳香族ポリマー、スチレンブロックコポリマー、あるいは2〜2
0個の炭素原子を有する脂肪族α-オレフィンもしくは2〜20個の炭素原子を有し
ていて極性基を含んでいるα-オレフィンのホモポリマーまたはインターポリマ
ーである。好ましい任意の追加ポリマーは、前記の実質的にランダムなインター
ポリマーより高いガラス転移温度Tgまたは融点を有する〔例えば、モノビニルも
しくはモノビニリデン芳香族ポリマー、スチレン/アクリロニトリルコポリマー
、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン(HDPE)〕。
【0057】 好ましいモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族ポリマーとしては、1種以
上のモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族モノマーのホモポリマーまたはイ
ンターポリマー、あるいは1種以上のモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族
モノマーと脂肪族α-オレフィン以外の共重合可能な1種以上のモノマーとのイ
ンターポリマーがある。適切なモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族モノマ
ーは、下記の式
【0058】
【化4】
【0059】 (式中、R1とArは前記の式Iに関して記載の意味を有する)によって示される。代
表的なモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族モノマーは、式Iに関して前記
したモノマー(特にスチレン)である。モノビニルもしくはモノビニリデン芳香族
モノマー以外の適切な共重合可能なコモノマーの例としては、C4-C6共役ジエン(
特に、ブタジエンやイソプレン)がある。場合によっては、ジビニルベンゼン等
の架橋用モノマーをモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族ポリマー中に共重
合するのが望ましい。
【0060】 モノビニルもしくはモノビニリデン芳香族モノマーと他の共重合可能なコモノ
マーとのポリマーは、少なくとも50重量%の、そして好ましくは少なくとも90重
量%の1種以上のモノビニルもしくはモノビニリデン芳香族モノマーを重合形態
にて含有するのが好ましい。
【0061】 極めて好ましい任意の追加ポリマーは、ポリスチレンまたはα-メチルスチレ
ン重合体である。これらのポリマーは、ASTM1238の200℃での条件Gによる測定に
て0.1〜20のメルトインデックスを有するのが好ましく、0.5〜6のメルトインデ
ックスを有するのがさらに好ましい。
【0062】 他の好ましい任意の追加ポリマーは、2〜20個の、好ましくは3〜18個の、さら
に好ましくは3〜12個の炭素原子を有する脂肪族α-オレフィン、あるいは2〜20
個の、好ましくは3〜18個の、さらに好ましくは3〜12個の炭素原子を有していて
極性基を含んでいるα-オレフィンのホモポリマーまたはインターポリマーであ
る。ポリマー中に極性基を導入するのに適した脂肪族α-オレフィンモノマーと
しては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、またはエタクリロニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル; 無水マレイン酸等のエチレン性不飽和無
水物; アクリルアミドやメタクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド; アクリ
ル酸やメタクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸(単官能と二官能のエチレ
ン性不飽和カルボン酸を含む); メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレー
ト、2-エチル-ヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、またはグリシ
ジルメタクリレート等の、エチレン性不飽和カルボン酸のエステル〔特に低級(
例えばC1-C6)アルキルエステル〕; N-アルキルマレイミドやN-アリールマレイミ
ド(例えばN-フェニルマレイミド)等の、エチレン性不飽和ジカルボン酸イミド;
あるいは酢酸ビニル等のビニルエステル; がある。
【0063】 極性基を有する好ましいモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、これらのア
イオノマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸のC1-C6アルキルエステル、ビニ
ルエステル(例えば酢酸ビニル)、無水マレイン酸、およびアクリロニトリルであ
る。
【0064】 脂肪族α-オレフィンモノマーからのポリマー中に含まれていてよいハロゲン
基としては、フッ素、塩素、および臭素があり、このようなポリマーは塩素化ポ
リエチレン(CPE)またはポリ塩化ビニルであるのが好ましい。
【0065】 極めて好ましい任意の追加ポリマーは、エチレンもしくはプロピレンと、アク
リル酸、酢酸ビニル、無水マレイン酸、もしくはアクリロニトリルとのコポリマ
ーであり、好ましくはエチレン-酢酸ビニルコポリマーやエチレン-アクリル酸コ
ポリマーである。好ましいオレフィンポリマーは、プロピレン以外の4〜8個の炭
素原子を有する1種以上のα-オレフィンとプロピレンとのプロピレンホモポリマ
ーまたはプロピレンインターポリマーである。
【0066】 他の好ましいオレフインポリマーは、チーグラー重合プロセスを使用して製造
される直鎖状高密度ポリエチレンポリマー(HDPE)(例えば、Andersonらによる米
国特許第4,076,698号)であり、不均一ポリマー(heterogenous polymer)と呼ばれ
ることがある。HDPEは、主として長い線状ポリエチレン鎖からなる。HDPEは通常
、少なくとも0.94g/cm3の密度(ASTM試験法D1505に従って測定)と、0.01〜100g/1
0分(好ましくは0.1〜50g/10分)の範囲のメルトインデックス(ASTM-1238, 190℃/
2.16kgの条件)を有する。
【0067】 層(B)は充填剤を含んでもよい。充填剤が存在する場合、その量は、層(B)の総
重量を基準として一般には最大で約70%、好ましくは最大で約60%、さらに好まし
くは最大で約40%である。有用な充填剤としては、おが屑、木材充填剤(例えば木
粉や木質繊維)、紙繊維、コットン、カーボンブラックもしくはグラファイト、
タルク、炭酸カルシウム、フライアッシュ、アルミナ三水和物、ガラス繊維、大
理石ダスト、セメント・ダスト、クレー、長石、シリカもしくはガラス、ヒュー
ムド・シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸
アルミニウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、チタン酸塩、ガラス微小球、
または白亜等の有機充填剤および無機充填剤がある。これら充填剤のうち、好ま
しいのは、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ/ガ
ラス、ガラス繊維、アルミナ、二酸化チタン、およびこれらの混合物である。本
明細書で使用している“充填剤”は異なった充填剤の混合物を含む。
【0068】 層(B)は1種以上の添加剤を含んでもよく、添加剤の例としては、ヒンダードフ
ェノールや亜リン酸塩等の酸化防止剤; ヒンダードアミン等の光安定剤; ジオク
チルフタレートやエポキシ化大豆油等の可塑剤; ポリエチレンワックス等のワッ
クス; ステアリン酸もしくはその金属塩等の加工助剤; 過酸化物やシラン等の架
橋剤; 顔料もしくは着色剤; またはシリカやタルク等の粘着防止剤; がある。層
(B)中に添加剤が含まれる場合、添加剤は、機能に応じての当業者に公知の量に
て、すなわち層(B)の重量を基準として一般には最大で30重量%、好ましくは0.01
〜5重量%、さらに好ましくは0.02〜1重量%の量にて使用される。
【0069】 層(B)は0.03mm〜2mmの厚さを有するのが好ましく、0.1mm〜1mmの厚さを有する
のがさらに好ましく、0.2mm〜0.5mmの厚さを有するのが最も好ましい。 上記の実質的にランダムなインターポリマーと任意の添加剤とを組合わせ、こ
れを当業界に公知の適切な方法(例えば、バンバリー・ミキシング、押出配合、
ロール練り、圧延、圧縮成形、射出成形、および/またはシート押出; これらに
限定されない)によって加工して層(B)にすることができる。実質的にランダムな
インターポリマーと任意の添加剤とを組合わせて加工して層(B)にするのに有用
な温度は、一般には100℃〜300℃であり、好ましくは140℃〜270℃であり、さら
に好ましくは180℃〜250℃である。このようにして得られる層(B)を、コロナ放
電処理、火炎処理、またはエンボス加工等の最終加工処理に付すことができる。
【0070】 本発明の多層構造物における1つの好ましい実施態様によれば、層(B)が中間層
なしに層(A)に固定される。驚くべきことに、層(B)を後述のような高温・高圧で
リグノセルロースベース層(A)に熱積層すると、層(B)はリグノセルロースベース
層(A)に対して優れた接着力を有する、ということが見出された。リグノセルロ
ース(好ましくは木材)に対する接着強度が優れていることによって、製造プロセ
スが容易になり、および/または多層構造物の品質が向上する。
【0071】 本発明の他の好ましい実施態様によれば、多層構造物は、層(B)と層(A)との間
に1つ以上の接着剤層(C)を含む。接着剤層(C)は、0.002mm〜0.25mmの厚さを有す
るのが好ましく、0.01mm〜0.15mmの厚さを有するのがさらに好ましく、0.01mm〜
0.09mmの厚さを有するのが最も好ましい。
【0072】 接着剤層(C)に対しては、熱硬化性接着剤、ホットメルト接着剤、および熱可
塑性接着剤等の種々の接着剤が有用であり、好ましいのは熱可塑性接着剤である
。本発明の多層構造物は、同じでも又は異なっていてもよい幾つかの接着剤層を
含んでよい。
【0073】 好ましいホットメルト接着剤または熱可塑性接着剤は、実質的にランダムなイ
ンターポリマーと粘着性付与剤との合計重量を基準として5〜95%の、好ましくは
25〜95%の、さらに好ましくは30〜90%の上記の実質的にランダムなインターポリ
マーと、5〜95%の、好ましくは5〜75%の、さらに好ましくは10〜70%の粘着性付
与剤とのブレンドである。有用な粘着性付与剤は、前記の粘着性付与剤および国
際特許出願WO98/10017に詳細に記載されている粘着性付与剤である。
【0074】 好ましい熱可塑性接着剤は、2〜20個の、好ましくは3〜18個の、さらに好まし
くは3〜12個の炭素原子を有していて、極性基を含んでいるα-オレフィンとエチ
レンもしくはプロピレンとのインターポリマーを含む。ポリマー中に極性基を導
入するのに適した脂肪族α-オレフィンモノマーとしては、例えば、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、またはエタクリロニトリル等のエチレン性不飽和
ニトリル; 無水マレイン酸等のエチレン性不飽和無水物; アクリルアミドやメタ
クリルアミド等のエチレン性不飽和アミド; アクリル酸やメタクリル酸等のエチ
レン性不飽和カルボン酸(単官能と二官能のエチレン性不飽和カルボン酸を含む)
; このようなエチレン性不飽和カルボン酸のアイオノマー; メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n-ブチルアクリレー
ト、n-ブチルメタクリレート、または2-エチル-ヘキシルアクリレート、グリシ
ジルアクリレート、またはグリシジルメタクリレート等の、エチレン性不飽和カ
ルボン酸のエステル〔特に低級(例えばC1-C6)アルキルエステル〕; N-アルキル
マレイミドやN-アリールマレイミド(例えばN-フェニルマレイミド)等のエチレン
性不飽和ジカルボン酸イミド; がある。極性基を有するこのようなモノマーは、
アクリル酸、メタクリル酸、これらのアイオノマー、アクリル酸もしくはメタク
リル酸のC1-C6アルキルエステル、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、無水マ
レイン酸、またはアクリロニトリルであるのが好ましい。より好ましい熱可塑性
接着剤は、i)エチレンと、ii)アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル
、ビニルエステル、またはこれらのアイオノマーとのインターポリマーを含む。
【0075】 極めて好ましい接着剤層(C)は、エチレン/アクリル酸コポリマーを主成分とし
て含む。他の極めて好ましい接着剤層(C)は、ポリマーと任意の着色剤との合計
重量を基準として、10〜90%の、好ましくは50〜90%の上記の実質的にランダムな
インターポリマー; 0〜25%のポリスチレンもしくはα-メチルスチレン重合体; 5
〜50%の、好ましくは10〜25%のエチレン/アクリル酸コポリマー; および0〜50%
の、好ましくは10〜25%のエチレン/酢酸ビニルコポリマー; を含む。
【0076】 1つ以上の接着剤層(C)を、上記の実質的にランダムなインターポリマーを含ん
だ1つ以上の層(B)に積層することもできるし、前記1つ以上の層(B)に押出被覆す
ることもできるし、あるいは前記1つ以上の層(B)と共に同時押出することもでき
る。積層構造物、押出被覆構造物、または同時押出構造物を、後述するようにリ
グノセルロースベース層(A)に施すことができる。接着剤層(C)と層(B)の両方が
実質的にランダムなインターポリマーを含んでもよい。これらの層の少なくとも
1つが、実質的な量の粘着性付与剤なしで実質的にランダムなインターポリマー
を含む。2〜5個の層を積層するか、押出被覆するか、あるいは同時押出するのが
好ましい。好ましい積層構造物、押出被覆構造物、または同時押出構造物の代表
的なものは(B)/(C)または(B)/(C')/(C)であり、このとき(B)、(C')、および(C)
は下記のような意味を有する。(B)は、ポリマーの総重量を基準として0〜80%の
、好ましくは0〜70%の、さらに好ましくは0〜50%のポリスチレンもしくはα-メ
チルスチレン重合体と、20〜100%の、好ましくは30〜100%の、さらに好ましくは
50〜100%の上記の実質的にランダムなインターポリマーとを含む。積層構造物、
押出被覆構造物、または同時押出構造物は、第1の層が着色されていなくて、ポ
リスチレンもしくはα-メチルスチレン重合体を含有していないが、第2の層が通
常は着色されていて、好ましくはポリスチレンもしくはα-メチルスチレン重合
体を含有している、という二層(B)を含んでよい。(C')は主としてエチレン/酢酸
ビニルコポリマーを含有し、(C)は前記の熱可塑性接着剤(好ましくはエチレン/
アクリル酸コポリマー)である。
【0077】 積層構造物、押出被覆構造物、または同時押出構造物は、公知の方法で製造す
ることができる。有用な積層温度もしくは押出温度は、一般には50℃〜300℃で
あり、好ましくは70℃〜250℃である。
【0078】 驚くべきことに、本発明の多層構造物は、ポリマー層(B)上にプライマーを施
さなくても、またリグノセルロースベース層(A)にニ成分系接着剤を施すための
複数の噴霧工程を行わなくても製造できるということが見出された。本発明の新
規多層構造物は通常、1つ以上のリグノセルロースベース層(A)に、1つ以上の層(
B)および所望により1つ以上の接着剤層(C)を熱積層することによって製造するこ
とができる。多層構造物中に少なくとも1つの接着剤層(C)が含まれる場合、この
ような接着剤層は、前述したような熱可塑性接着剤であるのが好ましい。本発明
の多層構造物を製造する最も好ましい実施態様によれば、1つ以上のポリマー層(
B)と1つ以上の接着剤層(C)を同時押出し、引き続きこれをリグノセルロース層(A
)に熱積層する。これにより製造プロセスが単純化され、噴霧された接着剤の場
合に生じる問題(例えば、溶剤の蒸発や、噴霧作業時における特別な換気の必要
性)が解消する。リグノセルロースベース層(A)を火炎処理もしくは熱処理に付す
ことができる。しかしながら一般には、層(B)および所望により層(C)を層(A)に
積層する前に、リグノセルロースベース層(A)にはプライマーは施されていない
【0079】 本発明の最も好ましい多層構造物は(B)/(C')/(C)/(A)という構造物を含み、こ
のとき(B)は、層(B)中の全ポリマー含量を基準として最大で約80重量%の、1種以
上のモノビニル芳香族モノマーもしくはモノビニリデン芳香族モノマーのホモポ
リマーまたはインターポリマーと、実質的にランダムなインターポリマーとを含
むポリマー層であり; (C')は、エチレン/酢酸ビニルインターポリマーを含む層
であり; (C)は、エチレン/アクリル酸インターポリマーを含む層であり; そして
(A)は木材ベース層である。
【0080】 さらに驚くべきことに、層(B)(好ましくは、上記接着剤層(C)の1つ以上によっ
てリグノセルロース層(C)に積層される)が極めて優れた耐熱性を有すること、す
なわち高温でもリグノセルロースベース層からかなり離層しにくい、ということ
が見出された。発送容器における輸送温度が約70℃にまで達することがあるので
、耐熱性は重要はポイントである。耐熱性は、ストーブの近くの温度が最高で約
100℃にまで達することのある台所家具用途では特に重要である。こうした知見
は、前記の第3回国際シンポジウム“3D-lamination of wood based panels”に
て発表されたT. Hippoldによる報文“Polyurethane dispersions for 3D foil l
amination”中の開示内容とは相反する。該報文によれば、耐熱性は、架橋接着
剤すなわちポリウレタンベース接着剤によってのみ達成できる、と述べている。
【0081】 層(B)はさらに、リグノセルロースベース層(A)に対して優れた熱成形性と適合
性を有する。この好ましい特性は、層(B)と所望により使用される1つ以上の接着
剤層(C)を三次元のリグノセルロースベース層に熱積層する(このことは、層(B)
が、三次元リグノセルロースベース層のエッジ部とコーナー部上に引き伸ばされ
るということを意味している)ときに明らかになる。上記の第3回国際シンポジウ
ムでのH. Altmannの開示内容とは対照的に、本発明の多層構造物における層(B)
は、多層構造物を高温にさらしたときに相当程度の耐収縮性と耐離層性を示す。
従って、熱可塑性接着剤層(C)によって層(B)をリグノセルロースベース層(A)に
固定することができ、強力なニ成分系噴霧接着剤(例えば、ポリウレタン噴霧接
着剤)や架橋剤を使用する必要はない。
【0082】 本発明の多層構造物を製造する1つの方法は、プライマーまたは接着剤層を使
用せずに層(B)を層(A)に熱積層する工程を含む。この場合、一般には130℃〜250
℃の、好ましくは150℃〜220℃の、さらに好ましくは160℃〜190℃の温度、およ
び一般には2〜200バールの、好ましくは10〜40バールの、さらに好ましくは15〜
25バールの圧力が使用される。圧力と熱は、一般には20秒〜20分、好ましくは30
秒〜5分加えられる。層(B)が層(A)に対して驚くほど高い接着強度を有すること
が見出された。層(B)は一般に、ポリウレタンで造られた層よりリグノセルロー
スベース層(A)に対して高い接着強度を有する。
【0083】 本発明の多層構造物を製造する他の方法は、層(B)をリグノセルロースベース
層(A)に、好ましくは熱積層法によって1つ以上の熱可塑性接着剤層(C)により固
定する工程を含む。少なくとも1つの層(B)と少なくとも1つの接着剤層(C)とを含
む積層構造物もしくは同時押出構造物を層(A)に熱積層するのがさらに好ましい
。この場合、一般には50℃〜120℃の、好ましくは70℃〜110℃の温度、および一
般には3〜30バールの、好ましくは4〜20バールの圧力が使用される。圧力と熱は
、一般には20秒〜5分、好ましくは30秒〜3分加えられる。
【0084】 熱積層は、公知の装置〔例えば、ロール貼り合わせ機、熱盤プレス、熱膜プレ
ス(hot-membrane press)、連続バンドプレス(continuous band press)、または
圧縮成形プレス〕を使用して行うことができる。層(B)と任意の層(C)とを三次元
のリグノセルロースベース層に施すためには、膜プレス、減圧プレス、またはウ
ォーターベッドプレスが好ましい。
【0085】 層(B)をリグノセルロースベース層(A)に固定する上記方法が好ましい方法であ
るが、当業界に公知の他の方法も本発明の範囲内であることは言うまでもない。
例えば、単層フィルム(B)は、カレンダリングを行い、次いで1つ以上の接着剤層
(C)を層(B)上に押出被覆することによって製造することができる。別の方法によ
れば、単層フィルム(B)は、カレンダリングを行い、押出接着剤層もしくは吹込
接着剤層(C)に積層することによって製造することができる。2つの接着剤層を使
用する場合、一方の接着剤層が、層(B)と他方の接着剤層との間の連結層として
作用してよい。
【0086】 これとは別に、他の方法によって〔例えば、溶剤ベースもしくは水ベースの接
着剤(例えば、ユリアホルムアルデヒド系、エチレン/酢酸ビニルコポリマーの水
中分散液、またはポリウレタンの水中分散液)を層(B)および/またはリグノセル
ロースベース層(A)上に噴霧することによって〕層(B)をリグノセルロースベース
層(A)に固定することもできる。しかしながら、好ましいのは上記の方法である
【0087】 上記の層(B)は、リグノセルロースベース層(A)に対する優れた接着性、プリン
タビリティ(printability)、熱成形性、および適合性を有する。 本発明の他の態様は、少なくとも一部が本発明の新規多層構造物から造られて
いるリグノセルロースベース物品である。本発明の1つの好ましい態様によれば
、リグノセルロースベースの物品は、床材、壁装材、または天井張り材である。
本明細書で使用している“床材、壁装材、または天井張り材”とは、厚さより実
質的に大きい長さと幅を有していて(例えばシート、タイル、またはボード)、床
、壁、または天井の少なくとも一部を被覆するのに有用であって、静圧または固
定剤(例えば接着剤系)によって床、壁、または天井に接着するような物品を意味
している。“実質的に大きい”とは、一般には少なくとも10倍大きいことを、好
ましくは少なくとも50倍大きいことを、さらに好ましくは少なくとも100倍大き
いことを意味している。本発明の他の好ましい態様によれば、リグノセルロース
ベース物品は、テーブルや机等の家具、調理台や食器棚等のキャビネット、また
は椅子である。本発明のさらに他の好ましい態様によれば、リグノセルロースベ
ース物品はドアである。リグノセルロースベース物品は、二次元物品であっても
三次元物品であってもよい。
【0088】 本発明のさらに他の態様は、本発明の多層構造物で少なくとも一部が造られて
いる装飾用オーバーレイまたは保護用オーバーレイである。本発明の装飾用オー
バーレイまたは保護用オーバーレイは、家具、自動車内装品、壁表面、フローリ
ング表面、および他の表面に施すのが好ましい。
【0089】 本発明の多層構造物は1つ以上の追加層(D)を含んでもよく、このとき層の配列
は(A)/(B)/(D)、(D)/(A)/(B)、または(D)/(A)/(B)/(D)であるのが好ましい。上
記層の間に所望により1つ以上の接着剤層を施してもよいことは言うまでもない
。多層構造物が2つ以上の層(D)を含む場合、これらの層(D)は互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。追加層(D)の性質は、多層構造物の所望する最終用途
に大きく依存する。追加層(D)の代表的なものは、多層構造物を基材〔例えば、
プリント層(print layer)、ラッカー層、熱可塑性ポリマー層、表面処理層(fini
shing layer)、紫外線防止層、耐薬品性層、および耐引掻・耐摩耗性の層など〕
に接合するための接着剤層である。
【0090】 層(B)は、多層構造物において種々の役割を果たすことができる。例えば、層(
A)の上に層(B)を施して、リグノセルロースベース層(A)を保護することができる
。床材、壁装材、天井張り材、および家具に対しては、このような層配列が特に
有用である。これらの用途においては、層(B)が多層構造物に優れた耐引掻・耐
摩耗性をもたらす。壁装材、天井張り材、および家具の好ましい構造物は(A)/(B
)/(D)であり、このとき層(D)は、プリント層、透明ラッカー層、表面処理層、お
よび/または紫外線保護層である。床材に対する好ましい構造物は(D')/(A)/(B)/
(D)であって、このとき(D')は、好ましくはメラミン樹脂を含浸した含浸ペーパ
ー層、または防湿性を付与するポリマーフィルム(例えば、上記の実質的にラン
ダムなインターポリマー)であり、層(D)は透明ラッカー層である。
【0091】 これとは別に、層(B)の上に木材ベース層(A)を施し、層(B)を、層(A)を支持体
(例えば、木材ベニヤ層をMDFボードに固定するための別の木材ベース層)に固定
するための接着剤層として機能させることもできる。これらの用途においては、
層(B)が約70重量%より多い充填剤を含有しない(好ましくは約40%以下の充填剤を
含有)という条件にて、層(B)が、ある輪郭を有する平らでない支持体に対して優
れたフレキシビリティと適合性を示す。木材ベース層(A)が温度および/または水
分の変化によって横方向の寸法変化を受ける場合、層(B)のもつフレキシビリテ
ィにより亀裂の発生が防止される。このような層配列は、家具だけでなく、床材
、壁装材、および天井張り材に対して特に有用である。
【0092】 壁装材、天井張り材、および床材(好ましくは床材)の好ましい構造物は(A')/(
B)/(A)または(D')/(B)/(A)であって、このとき層(A')はリグノセルロースベース
層(例えば、パーティクルボードやファイバーボード)であり、層(D')はメラミン
積層物であり、層(B)は前記にて定義した通りであり、層(A)は木材ベース層(例
えば木材ベニヤ層)である。他の好ましい構造物は(A')/(B)/(A)/(D)または(D')/
(B)/(A)/(D)であって、このとき層(A')、(B)、および(A)は前記にて定義した意
味を有し、層(D)は、ラッカー層、熱可塑性ポリマー層(例えば、PVCやポリオレ
フィン)、または上記の実質的にランダムなインターポリマーを含んだ追加層で
ある。
【0093】 層(B)はさらに、木材ベース層(A)のための裏材料として機能することもできる
。層(B)は、層(A)の開裂や亀裂が起こらないよう、良好な強度と極めて高い保護
作用をもたらす。層(B)で造られた裏材料を含んだ木材ベース層(A)は、家具また
は自動車内装品のための装飾用オーバーレイとして特に有用である。この用途で
は、層(B)は、層(B)の全重量を基準として好ましくは少なくとも70%の、さらに
好ましくは少なくとも90%の実質的にランダムなインターポリマーを含有する。
木材ベース層(A)の厚さに依存しつつ、極めて高いフレキシビリティを有する多
層構造物を製造することができる。フレキシブルな構造物は一般に、木材ベース
層が0.1〜1mmの厚さを有する場合に達成される。
【0094】 下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、これらの実施例によって本発明の
範囲が限定されることはない。特に明記しない限り、量は重量部もしくは重量%
で表示してある。
【0095】 試験 ポリマーおよびポリマーブレンドの性質は下記の試験手順に従って測定する。 メルトインデックス(MI)は、ASTM D-1238(1979)の条件E(190℃; 2.16kg)に従
って測定する。
【0096】 曲げ弾性率は、Zwick Z010測定装置を使用してISO178に従って測定し、このと
き試験片は25×100mmのバーであり、試験速度は1mm/分であり、スパン距離は16m
mであり、セル荷重は100Nである。
【0097】 ポリマーフィルムのMDFボードに対する接着力は、Zwick Z010引張試験機を使
用して100mm/分の引裂速度で測定する。 耐摩耗性は、10NにてDIN53516に従って測定する。
【0098】 エチレン/スチレンインターポリマー ESI-1, ESI-3, ESI-7, ESI-8, およびES
I-9の製造 連続運転のループ型反応器(36.8ガロン, 140リットル)にてインターポリマー
を製造する。インガーソル-ドレッサー二軸スクリューポンプによりミキシング
を行う。液体を充填した状態で、475psig(3,275kPa)の圧力で約25分の滞留時間
にて反応器を運転する。原料流れと触媒/助触媒の流れを、インジェクターとケ
ニックス(Kenics)スタティックミキサーを介して二軸スクリューポンプの吸引部
に供給する。二軸スクリューポンプから、ケミニア-ケニックス(Chemineer-Keni
cs)10-68タイプのBEM複数管熱交換器を直列にて設けた2インチ(5cm)直径のライ
ンに排出される。これら熱交換器の管は、熱伝達を増大させるためにねじれたテ
ープを含んでいる。最後の熱交換器を出ると、ループ流れは、インジェクターと
スタティックミキサーを通ってポンプの吸引部に戻る。熱媒油を熱交換器を通し
て循環して、最初の熱交換器の直前に配置されたループ温度プローブを制御する
。ループ反応器の出口流れを、2つの熱交換器間で取り出す。出口流れの流量と
溶液密度をマイクロモーション流量計で測定する。
【0099】 反応器への溶媒は、2つの異なった供給源によって供給する。マイクロモーシ
ョン流量計によって測定された速度をもつ、8480-S-Eパルサフィーダー(Pulsafe
eder)ダイヤフラムポンプからのトルエンの新たな流れを使用して、反応器シー
ルのためのフラッシュフロー〔20ポンド/時間(9.1kg/時間)〕を得る。並列の5つ
の8480-5-Eパルサフィーダー・ダイヤフラムポンプの吸引側にて、リサイクル溶
媒と制約されていないスチレンモノマー(uninhibited styrene monomer)とを混
合する。これら5つのパルサフィーダーポンプにより、溶媒とスチレンが650psig
(4,583kPa)にて反応器に供給される。新たなスチレンの流量をマイクロモーショ
ン流量計により測定し、トータルのリサイクル溶媒/スチレンの流量を別のマイ
クロモーション流量計によって測定する。エチレンを反応器に687psig(4,838kPa
)にて供給する。エチレン流れをマイクロモーション流量計によって測定する。
ブルックス流量計/制御器を使用して、エチレン制御弁の出口にて水素をエチレ
ン流れ中に供給する。エチレン/水素混合物が、周囲温度にて溶媒/スチレン流れ
と合流する。全供給流れが反応器ループに入るときに、全供給流れの温度が、ジ
ャケットの−10℃のグリコールとの熱交換によって2℃に低下する。3種の触媒成
分の製造は3つの別個のタンクで行う。新たな溶媒と濃縮した触媒/助触媒プレミ
ックスを加え、個々の作業タンク中に混合し、可変速度の680-S-AEN7パルサフィ
ーダー・ダイヤフラムポンプを介して反応器中に供給する。前述したように、三
成分触媒系が、二軸スクリューポンプの吸引側にてインジェクターとスタティッ
クミキサーを介して反応器ループに入る。原料供給流れも、触媒注入個所より下
流ではあるが、二軸スクリューポンプの吸引部より上流にて、インジェクターと
スタティックミキサーを介して反応器ループに供給される。
【0100】 溶液密度を測定するマイクロモーション流量計の後の反応器生成物ライン中に
触媒キル(catalyst kill)(水と溶媒との混合物)を加えて重合を停止させる。ラ
イン中のスタティックミキサーにより、反応器流出液流れにおいて触媒キルと添
加剤との分散がなされる。次いでこの流れが反応器の後の加熱器に入り、これら
の加熱器が、溶媒のフラッシュ除去のためのさらなるエネルギーを供給する。こ
のフラッシュは、流出液が反応器の後の加熱器を出るときに行われ、反応器の圧
力調節弁にて圧力が475psig(3,275kPa)から450mmHg(60kPa)(絶対圧力)へと低下
する。このフラッシュ処理されたポリマーが、2つの高温油ジャケット付きデボ
ラティライザー(hot oil-jacketed devolatilizer)の初めの1つに入る。最初の
デボラティライザーから蒸発する揮発分がグリコールジャケット付き熱交換器で
凝縮され、真空ポンプの吸引部を通り、溶媒とスチレン/エチレンの分離容器に
排出される。溶媒とスチレンが分離容器の底部からリサイクル溶媒として取り出
され、エチレンは頂部から排気される。このエチレン流れをマイクロモーション
質量流量計で測定する。排気エチレンの測定と溶媒/スチレン流れ中の溶解ガス
の算出によりエチレン転化率を算出する。デボラティライザーにおいて分離され
たポリマーと残りの溶媒を、ギヤポンプによってもう一つのデボラティライザー
にポンプ移送する。残りの溶媒をフラッシュ除去するために、この第2のデボラ
ティライザー中の圧力を5mmHg(0.7kPa)絶対圧力にて操作する。この溶媒をグリ
コール熱交換器にて凝縮させ、別の真空ポンプを介してポンプ送りし、廃棄物タ
ンクに移送して処分する。乾燥したポリマー(全揮発分1000ppm未満)をギヤポン
プで6孔ダイ付き水中用ペレタイザーにポンプ移送し、ペレット化し、スピン乾
燥し、1000ポンド(454kg)ボックス中に収容する。
【0101】 エチレン/スチレンインターポリマー ESI-2, ESI-4, ESI-5,およびESI-6の製
反応器についての説明 使用する単一反応器は、6ガロン(22.7リットル)容量の、オイルジャケット付
きオートクレーブ式の連続撹拌タンク反応器(CSTR)である。ライトニングA-320
インペラの付いた電磁結合撹拌機によりミキシングを行う。反応器に液体を充填
して475psig(3,275kPa)にて運転する。プロセス流れを底部の中と頂部の外に設
ける。熱媒油を反応器のジャケットを通して循環して、反応熱の一部を除去する
。反応器からの出口の後にマイクロモーション流量計があり、この流量計によっ
て流量と溶液密度を測定する。反応器の出口に繋がっている全てのラインを50ps
i(344.7kPa)のスチームでトレースし、そして断熱処理する。
【0102】 手順 トルエン溶媒を30psig(207kPa)にてミニプラントに供給する。反応器への供給
量をマイクロモーション質量流量計によって測定する。可変速度ダイヤフラムポ
ンプにより供給速度を調節する。溶媒ポンプの排出時にサイド流れ(a side stre
am)を取り出して、触媒注入ラインのためのフラッシュフロー(1ポンド/時間(0.4
5kg/時間))、および反応器撹拌のためのフラッシュフロー(0.75ポンド/時間(0.3
4kg/時間))を供給する。これらの流量を差圧流量計によって測定し、微少流量ニ
ードル弁の手動調節によって制御する。制約されていないスチレンモノマーを30
psig(207kPa)にてミニプラントに供給する。反応器への供給量をマイクロモーシ
ョン質量流量計によって測定する。可変速度ダイヤフラムポンプにより供給速度
を調節する。スチレン流れを残りの溶媒流れと混合する。エチレンを600psig(4,
137kPa)にてミニプラントに供給する。流量を制御するリサーチ弁(Research val
ve)の直前にて、マイクロモーション質量流量計によってエチレン流れを測定す
る。ブルックス流量計/制御器を使用して、エチレン制御弁の出口にて水素をエ
チレン流れ中に供給する。エチレン/水素混合物が、周囲温度にて溶媒/スチレン
流れと合流する。溶媒/モノマーが反応器に入るときに、溶媒/モノマーの温度が
、ジャケットの−5℃のグリコールとの熱交換によって約5℃に低下する。この流
れが反応器の底部に流入する。3成分の触媒系とその溶媒フラッシュも、底部に
て、しかしながらモノマー流れとは異なったポートを通して反応器に流入する。
触媒成分の調製は不活性雰囲気のグローブ・ボックス中で行う。希釈した成分を
窒素充填シリンダー(nitrogen-padded cylinder)中に入れ、プロセスエリアにお
いて触媒運転タンク(catalyst run tank)に装入する。これらの運転タンクから
、ピストンポンプで触媒を加圧し、マイクロモーション質量流量計で流量を測定
する。これらの流れが、単一の注入ラインを介して反応器中に流入する直前に、
互いに及び触媒フラッシュ溶媒(catalyst flush solvent)と合流する。
【0103】 溶液密度を測定するマイクロモーション流量計の後の反応器生成物ライン中に
触媒キル(水と溶媒との混合物)を加えて重合を停止させる。他のポリマー添加剤
を触媒キルと共に加えてもよい。ライン中のスタティックミキサーにより、反応
器流出液流れにおいて触媒キルと添加剤との分散がなされる。次いでこの流れが
反応器の後の加熱器に入り、これらの加熱器が、溶媒のフラッシュ除去のための
さらなるエネルギーを供給する。このフラッシュは、流出液が反応器の後の加熱
器を出るときに行われ、反応器の圧力調節弁にて圧力が475psig(3,275kPa)から
約250mmHg絶対圧力へと低下する。このフラッシュ処理されたポリマーが、高温
油ジャケット付きデボラティライザーに入る。デボラティライザーにおいて、約
85%の揮発分がポリマーから除去される。揮発分はデボラティライザーの頂部か
ら出る。この流れがグリコールジャケット付き熱交換器で凝縮され、真空ポンプ
の吸引部に入り、グリコールジャケット溶媒とスチレン/エチレンの分離容器に
排出される。溶媒とスチレンが分離容器の底部から取り出され、エチレンが分離
容器の頂部から取り出される。このエチレン流れをマイクロモーション質量流量
計で測定し、解析して比較する。排気エチレンの測定と溶媒/スチレン流れ中の
溶解ガスの算出によりエチレン転化率を算出する。デボラティライザーにおいて
分離されたポリマーを、ギヤポンプによってZSK-30揮発分除去用真空押出機(dev
olatilizing vacuum extruder)にポンプ移送する。乾燥ポリマーが単一ストラン
ドとして押出機を出る。このストランドを、水浴を通して引っ張るときに冷却す
る。ストランドから過剰の水をエアで吹き飛ばし、ストランド・チョッパーでス
トランドを細断してペレットとする。
【0104】 上記の重合プロセスにおいて使用される三成分触媒系の組成を下記の表1Aに示
す。
【0105】
【表1】
【0106】 アルミニウム触媒成分は、市販の変性メタルモキサン(methalumoxane)タイプ3
A(MMAO-3A)である。 ホウ素助触媒タイプ1はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
【0107】 チタン触媒タイプ2は(t-ブチルアミド)ジメチル(3-フェニル-s-インダセン-1-
イル)シランチタン(IV)ジメチルである。 チタン触媒タイプ1は(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t
-ブチルアミド)-シランチタン-1,4-ジフェニルブタジエンである。本化合物は下
記のように製造される。
【0108】 触媒タイプ1:(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチル
アミド)-シランチタン-1,4-ジフェニルブタジエンの製造 1) リチウム1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イルの製造 1.42g(0.00657モル)の1H-シクロペンタ[I]フェナントレンと120mlのベンゼン
を収容する250mlの丸底フラスコに、n-BuLiの混合ヘキサン中1.60M溶液4.2mlを
滴下する。本溶液を一晩撹拌する。リチウム塩を濾過によって単離し、25mlのベ
ンゼンで2回洗浄し、減圧下で乾燥する。単離される収量は1.426g(97.7%)であ
る。1H-NMR分析によれば、異性体の殆どにおいて2-位が置換されている。
【0109】 2) (1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチルクロロシランの製
4.16g(0.0322モル)のジメチルジクロロシラン(Me2SiCl2)と250mlのテトラヒド
ロフラン(THF)を収容する500mlの丸底フラスコに、1.45g(0.0064モル)のリチウ
ム1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イルのTHF溶液を滴下する。本溶液を約
16時間撹拌してから減圧にて溶媒を除去し、残留する油状固体(oily solid)をト
ルエンで抽出し、珪藻土濾過助剤〔セライト(Celite)(商標)〕を通して濾過し、
トルエンで2回洗浄し、減圧にて乾燥する。単離される収量は1.98g(99.5%)であ
る。
【0110】 3) (1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチルアミノ)
シランの製造 1.98g(0.0064モル)の(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチルク
ロロシランと250mlのヘキサンを収容する500mlの丸底フラスコに、2.00ml(0.016
0モル)のt-ブチルアミンを加える。反応混合物を数日間撹拌し、珪藻土濾過助剤
(セライト)を使用して濾過し、ヘキサンで2回洗浄する。残留溶媒を減圧にて除
去することによって生成物を単離する。単離される収量は1.98g(88.9%)である。
【0111】 4) ジリチオ(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチル
アミド)シランの製造 1.03g(0.0030モル)の(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t
-ブチルアミノ)シランと120mlのベンゼンを収容する250mlの丸底フラスコに、n-
BuLiの混合ヘキサン中1.6M溶液3.90mlを滴下する。反応混合物を約16時間撹拌す
る。生成物を濾過によって単離し、ベンゼンで2回洗浄し、減圧にて乾燥する。
単離される収量は1.08g(100%)である。
【0112】 5) 二塩化(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチルア
ミド)シランチタンの製造 1.17g(0.0030モル)のTiCl3・3THFと約120mlのTHFを収容する250mlの丸底フラ
スコに、1.08gのジリチオ(1H-シクロペンタ[I]-フェナントレン-2-イル)ジメチ
ル(t-ブチルアミド)シランのTHF溶液約50mlを速い滴下速度で加える。本混合物
を約20℃で1.5時間撹拌し、この時点で0.55g(0.002モル)の固体PdCl2を加える。
さらに1.5時間撹拌した後、減圧下でTHFを除去し、残留物をトルエンで抽出し、
濾過し、減圧にて乾燥してオレンジ色固体を得る。収量は1.31g(93.5%)である。
【0113】 6) (1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチルアミド)
シランチタン-1,4-ジフェニルブタジエンの製造 二塩化(1H-シクロペンタ[I]フェナントレン-2-イル)ジメチル(t-ブチルアミド
)シランチタン(3.48g, 0.0075モル)と1.551g(0.0075モル)の1,4-ジフェニルブタ
ジエンを約80mlのトルエン中に70℃で混合して得られるスラリーに、n-BuLiの1.
6M溶液9.9ml(0.0150モル)を加える。直ちに溶液が暗色化する。温度を上げて混
合物を還流状態にし、混合物をその温度で2時間保持する。混合物を約−20℃に
冷却し、減圧にて揮発分を除去する。残留物を60mlの混合ヘキサン中に、約20℃
で約16時間混合してスラリー状にする。本混合物を約1時間で約−25℃に冷却す
る。減圧濾過によって固体をガラス・フリット上に捕集し、減圧にて乾燥する。
乾燥固体をガラス繊維シンブル中に入れ、ソックスレー抽出器を使用して固体を
ヘキサンで連続的に抽出する。6時間後、沸騰ポット中に結晶質固体が観察され
る。本混合物を約−20℃に冷却し、低温混合物からの濾過によって単離し、減圧
にて乾燥して1.62gの暗色結晶質固体を得る。濾液は廃棄する。抽出器中の固体
を撹拌し、さらなる量の混合ヘキサンで抽出を継続してさらに0.46gの所望生成
物を暗色結晶質固体として得る。
【0114】 モノマーの量と重合条件を表1Bに示す。ポリマーの性質を表1Cに示す。
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】 実施例1および比較例A 厚さ0.50mmの木材ベニヤを使用した。比較例Aにおいては、非変性木材ベニヤ
の曲げ弾性率と曲げ剛性を試験した。
【0118】 実施例1においては、85%のESI-1、10%のポリエチレンベースのスリップ剤コン
セントレート(slip concentrate)(ポリエチレン中2%のエルシルアミドを含有)、
および5%のポリエチレンベースの粘着防止剤(ポリエチレン中20%のシリカを含有
)から厚さ0.40mmのポリマーシートをキャストした。
【0119】 得られたポリマーシートを、枠なしのビュールクル・プレス(Buerkle press)
にて上板と底板の温度を180℃にして、5バールの圧力で5分間、木材ベニヤに熱
積層した。熱積層したシートを40℃に冷却した。
【0120】 比較例Aの非被覆木材ベニヤと実施例1の被覆木材ベニヤの曲げ弾性率を測定し
た。下記の表IIに記載の曲げ弾性率データは、それぞれ6個のサンプルの平均で
ある。“縦方向(machine direction)”(MD)と“直交方向(cross direction)”(C
D)は、木質繊維の方向に関するものである。
【0121】 目視曲げ試験 比較例Aの非被覆木材ベニヤと実施例1の被覆木材ベニヤのサンプルを、木質繊
維が金属シリンダに対して平行に走るように、種々の直径を有する金属シリンダ
の周りに沿って曲げる。木材ベニヤが割れるかどうかを目視により調べる。
【0122】
【表4】
【0123】 表IIのデータは、本発明の多層構造物が木材ベニヤだけの場合より実質的に低
い曲げ弾性率を有していることを、従って木材ベニヤだけの場合より実質的に高
いフレキシビリティを有していることを示している。こうした知見は、目視曲げ
試験において確認されている。
【0124】 実施例2〜11および比較例BとC 厚さ1cmのMDFボードを使用した。粒状物質を2つの鋼鈑間にて180℃でプレスす
ることによって、厚さ0.4mmのポリマーフィルムを作製した。
【0125】 厚さ0.4mmのポリマーフィルムを、ビュールクル・プレスにて3バールの圧力で
4分、次いで20バールの圧力で2分、MDFボード上にプレスした。このとき上板の
温度は180℃、底板の温度は100℃であった。熱積層したシートを40℃に冷却した
【0126】 ポリマーフィルムの組成、MDFボードに対する接着性、および耐摩耗性を表III
に示す。 比較例Bを作製するのに使用したポリエチレンは、ダウケミカル社からAFFINIT
Y POP DSH 1505 の商標で市販されている。
【0127】 比較例Cを作製するのに使用したエチレン/アクリル酸コポリマーは、ダウケミ
カル社からPRIMACOR1410の商標で市販されている。 実施例11において使用したポリスチレンは、ダウケミカル社からSTYRON648の
商標で市販されている。
【0128】
【表5】
【0129】 表IIIからわかるように、前記の実質的にランダムなインターポリマーを含ん
だポリマーフィルムのほうが、ポリエチレン樹脂で造られたフィルムより、一般
にはMDFボードに対する接着強度が高い。ポリマーフィルムが前述のような最も
好ましい実質的にランダムなインターポリマーを含む場合、種々の支持体に対す
る優れた接着強度が公知であるエチレン/アクリル酸コポリマーで造られたフィ
ルムと比較して、同等以上の接着強度が達成される。
【0130】 さらに、表IIIからわかるように、前記の実質的にランダムなインターポリマ
ーを含んだポリマーフィルムは耐摩耗性が優れている。比較のために示すと、本
実施例において使用されたMDFボードの摩耗は758mm3である。
【0131】 実施例12〜17 実施例12〜17においては下記の材料を使用した。 ダウケミカル社からPRIMACOR1410、PRIMACOR5980E、およびPRIMACOR5980の商
標で市販されているエチレン/アクリル酸コポリマー。
【0132】 デュポン社からELVAX3175、ELVAX4050、およびELVAX3190の商標で市販されて
いるエチレン/酢酸ビニルコポリマー。 ダウケミカル社からSTYRON665の商標で市販されているポリスチレン。
【0133】 PROXMELT E4050の商標で市販されている低密度ポリエチレン。 デュポン社からBYNEL3861の商標で市販されている、無水マレイン酸単位を含
有するMAHグラフトポリマー。
【0134】 アムパセット社(Ampacet)からアムパセットホワイト(Ampacet White)11560の
商標で市販されている白色着色剤。 アムパセット社からアムパセット10061の商標で市販されているスリップ剤。
【0135】 実施例12と13 約20cm×30cmサイズの単層フィルムのスタックをホットロール積層することに
よって3層フィルムを作製した(下記の表IVに記載)。
【0136】
【表6】
【0137】 フィルムのスタックをテトラフルオロエチレンフルオロカーボンポリマーの2
つのガラス繊維強化シート間に配置し、実験室規模のロール貼り合わせ機にかけ
た。貼り合わせ機の温度制御を350°F(177℃)に設定し、ロール速度を5cm/分に
設定した。実施例12と13では、積層後に3枚のフィルムが接着し、これらは手で
は引き離すことができなかった。
【0138】 この3層フィルムを、20cm×20cm×0.6cm(8×11×0.25インチ)の寸法を有する
木材パーティクルボードの上に配置し、500°F(260℃)の設定温度および5cm/分
の設定速度でロール貼り合わせ機にかけた。室温に冷却した後、3層フィルムを
木材支持体から手で引っ張って接着破損のタイプを調べた。実施例12と13の両方
とも、引っ張った後は、3層フィルムの底部側がパーティクルボードからの木質
繊維で被覆されており、このことはパーティクルボードにおける凝集性破損が起
きていることを示している。
【0139】 比較例Bの3層フィルムは、比較例Aの3層フィルムより剛性が高かった。 実施例14と15 キリオン(KILLION)3層キャスト同時押出パイロットラインにより3層フィルム
を作製した。直径25.5mmの一軸スクリュー押出機にてポリマーを可塑化した。各
押出機からの質量流量を、押出速度により下記の表Vに記載の比率の材料がもた
らされるように調節した。下記の表Vに記載の層をキリオンフィードブロック中
で結合し、幅25.4cmのコートハンガー型のフィルムダイからキャストした。得ら
れたフィルムをチルロール上にて急速に冷却し、直径38.1mmのコアに巻き取った
【0140】
【表7】
【0141】 膜プレスを使用して、輪郭付きの中密度ファイバーボード(MDF)パネルにフィ
ルムを積層した。フィルムをMDFボードより大きなサイズにカットし、ボトム層
がボードの表面に接触するようにしてボードの上に配置した。下記の条件を使用
して、ボードを膜プレスにてプレスした。
【0142】 膜の温度; 177℃ 接着層の温度、ボードの上; 130℃ 接着層の温度、ボードの端; 96℃ 圧力; 4バール 保圧時間; 50秒 プレス後、ボードを膜プレスから取り出して、室温に自然冷却した。実施例14
と15のどちらのフィルムも、輪郭付きMDFパネルへの優れた熱成形性を示した。
この3層フィルムをボードから引っ張り、フィルムがボードから木材パーティク
ルを除去したかどうか(ボード支持体における凝集性破損を示している)を観察す
ることによって接着性を評価した。どちらのフィルムもMDFに対して優れた接着
性を示した(ボードにおいて凝集性破損が起こった)。
【0143】 NRRI標準試験法NRRI 1-96に従って、ボードを耐熱性に関して試験した。この
試験では、フィルムが0.2mmより大きい距離で端から離層する温度を測定する。 実施例14のフィルムはの平均破損温度は100℃であり、実施例15のフィルムの
平均破損温度は97℃であった。
【0144】 比較のため下記の市販フィルムも試験した: ホットメルト接着剤が予備塗布し
てあるPVCフィルム(BEMISから市販); およびMDFパネルに施されていたポリウレ
タンベースの噴霧接着剤(Jowat, Daubert, およびHelmitin)を施したPVCフィル
ム(RenolitとHoechstから市販)。実測した耐熱性と、1998年5月18〜20日にドイ
ツのビーレフェルトにて開催の第3回国際シンポジウム“3D-lamination of wood based panels”で発表したT. Hippoldによる“Polyurethane dispersions for
3D foil-lamination”に記載の耐熱性データを下記の表VIに示す。
【0145】
【表8】
【0146】 これらの結果からわかるように、本発明の多層構造物は、ポリイソシアネート
架橋剤を含む従来の水ベースのポリウレタン分散液を使用した木材上のPVCフィ
ルムより高い耐熱性を、そして従来の予備塗布ホットメルト接着剤または架橋剤
非含有の水ベースのポリウレタン分散液を使用した木材上のPVCフィルムよりは
るかに高い耐熱性を有する。これらの結果はさらに、本発明の多層構造物が、架
橋剤非含有の水ベースのポリウレタン分散液を使用した木材上のPETまたはポリ
プロピレンより高い耐熱性を有することを示している。架橋剤を使用して木材に
接合させたPETフィルムとポリプロピレンフィルムは、同等またはそれ以上の耐
熱性を示したが、望ましくない噴霧塗布プロセスを使用しなければならない。さ
らに、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムは、PVCに比べてよ
り高いプレス温度、プレス温度のより正確な制御、より長い予熱時間、およびよ
り多くの接着剤の塗布を必要とすることが報告されている(1998年5月18〜20日に
ドイツのビーレフェルトにて開催の第3回国際シンポジウム“3D-Lamination of
Wood Based Panels”で発表したHilmer Sorgenfreiによる“3D-Pressing Techno
logy Under Factory Operating Conditions”を参照)。
【0147】 本発明の多層構造物における層(B)は、PVCの場合と類似の温度・時間条件にて
木材ベース層(A)上にプレスすることができ、このとき噴霧接着剤を使用する必
要はない。本発明の多層構造物においては、ポリマーフィルムが、木材ベース層
からの離層に対してより高い抵抗性をもち、このことは、台所家具等の用途にお
いて、あるいは高温での輸送時において必須の要件である。
【0148】 実施例16と17 二層フィルムと三層フィルムを、実施例14と15に記載のように製造した。
【0149】
【表9】
【0150】 実施例16と17のフィルムを127mm×152mmの長方形にカットし、305mm×305mmの
フラットのMDFボード上に、ボトム層をボードに当てて配置した。油圧圧盤プレ
スを使用して下記の条件にて、フィルムをフラットMDFボードに積層した。
【0151】 圧盤の温度: 77℃ 圧盤の圧力: 270バール サイクル時間: 30秒 プレス後、ボードを室温に冷却し、フィルムをMDFボードから引っ張った。フ
ィルムは木質繊維を強固に被覆し、木材支持体内での凝集性破損が起こった。
【0152】 実施例18〜21 実施例18〜21では下記のような材料を使用した。 ダウケミカル社からSTYRON404の商標で市販されているスチレン-ブタジエンコ
ポリマー、 デュポン社からELVAX3180の商標で市販されているエチレン/酢酸ビニルコポリ
マー、 デュポン社からBYNEL3860およびBYNEL418の商標で市販されている変性エチレ
ンポリマー、および アムパセット社からアムパセット・ホワイト110598の商標で市販されている白
色顔料。 これらの実施例において使用した他の材料は、上記の実施例12〜17において詳細
に記載されている。
【0153】 二層フィルムは、下記の修正プロセスを使用して、実施例14と15に記載のキャ
スト同時押出によって製造した。
【0154】
【表10】
【0155】 膜プレスを使用して、輪郭付き中密度ファイバーボード(MDF)にフィルムを積
層した。フィルムをMDFボードより大きいサイズにカットし、ボトム層がボート
表面と接触するようにボードの上に配置した。下記の条件を使用して、ボードを
膜プレスによりプレスした。
【0156】 膜の温度: 144℃ 接着層の温度, ボードの上面部: 77℃ 接着層の温度, ボードの端部: 77℃ 圧力: 4バール 保圧時間: 40秒 プレス後、ボードを膜プレスから取り出して室温に冷却した、実施例18〜21の
フィルムはいずれも、MDFパネルの輪郭形状への優れた熱成形性を示した。この
三層フィルムをボードから引っ張り、フィルムがボードから木材パーティクルを
除去するかどうかを観察することによって接着性を評価した(木材パーティクル
の除去は、ボード支持体における凝集性破損を示する)。全てのフィルムがMDFに
対する優れた接着性を示し、ボードにおける凝集性破損が認められた。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年8月15日(2000.8.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 212:08) C08F 212:08) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ ,YU,ZA,ZW (72)発明者 ベトソ,スティーヴン・アール ドイツ連邦共和国デー−04109 ライプツ ィヒ,フェルディナント−ラッサレ−シュ トラーセ 15 (72)発明者 ボルド,レンツォ スイス国ツェーハー−8864 ライヒェンブ ルク,クロネンヴァイス 31 (72)発明者 コッヒャー,ロゲル スイス国ツェーハー−8804 アオ,シュタ イナッヒャーシュトラーセ 21 (72)発明者 リード,マイケル・ディー アメリカ合衆国ミシガン州48642,ミドラ ンド,ノース・パーリン・ロード 3655 (72)発明者 アレル,ルドヴィク フランス共和国エフ−67100 ストラスブ ール,リュー・ドゥ・シャトノア 14 (72)発明者 クジェルクヴィスト,ジェルカー・ベー・ エル スイス国ツェーハー−8820 ヴェーデンズ ヴィル,センティスライン 5 (72)発明者 パーキンソン,シャウン スペイン王国エー−43007 タラゴナ,カ ミ・デ・ラ・クイサ 20 22 エネ4 Fターム(参考) 2E110 AA57 AB03 AB04 AB05 BA02 DC21 GB42W GB62X 4F100 AJ06A AK03B AK03J AK04B AK04J AK11B AK11J AK12B AK12J AK24B AK24J AK68C AK68G AK70C AK70G AK71C AK71G AL01B AL03B AP00A AP03A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10D BA10E CC00C CC00D CC00E EC182 EH012 EJ172 EJ422 EJ64D EJ64E GB08 HB00D HB00E JB01D JB01E JB16C JB16G JD09D JD09E JK01 JK06 JK09D JK09E JK16 JL11C JN01D JN01E YY00B YY00C YY00G 4J100 AA02P AB02Q AB04Q AB08Q AG04Q AJ02Q

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) リグノセルロースをベースとする層; および (B) i)1種以上のα-オレフインモノマー、ii)1種以上のビニル芳香族モノ
    マーもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/または脂肪族もしくは脂環式
    の1種以上の立体障害ビニルモノマーまたは立体障害ビニリデンモノマー、なら
    びに所望によりiii)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、を重合形態にて
    含んだ実質的にランダムなインターポリマーを含む層、このとき層(B)は実質的
    な量の粘着性付与剤を含有していない; を含む多層構造物。
  2. 【請求項2】 前記リグノセルロースベース層が木材をベースとする層であ
    る、請求項1記載の多層構造物。
  3. 【請求項3】 前記木材ベース層が充実木材で造られていて、木材積層物で
    あるか、あるいは木粉、木質繊維、または他の木材パーティクルから製造される
    パネルである、請求項2記載の多層構造物。
  4. 【請求項4】 前記木材ベース層の表面が三次元である、請求項2または3に
    記載の多層構造物。
  5. 【請求項5】 前記の実質的にランダムなインターポリマーが、 (I)1種以上のα-オレフインモノマーを50〜85モル%; (II)1種以上のビニル芳香族モノマーもしくはビニリデン芳香族モノマー、お
    よび/または立体障害の1種以上の脂肪族もしくは脂環式のビニルモノマーまた
    はビニリデンモノマーを50〜15モル%; ならびに所望により (III)他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー を共重合形態にて含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層構造物。
  6. 【請求項6】 前記の実質的にランダムなインターポリマーがエチレンとス
    チレンとのインターポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層構
    造物。
  7. 【請求項7】 層(B)が、層(B)における全ポリマー重量を基準として最大80
    %までの1種以上の追加ポリマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多
    層構造物。
  8. 【請求項8】 前記追加ポリマーが、1種以上のモノビニル芳香族モノマー
    もしくはモノビニリデン芳香族モノマーのホモポリマーまたはインターポリマー
    である、請求項7記載の多層構造物。
  9. 【請求項9】 層(B)が中間層を介さずに層(A)に固定されている、請求項1
    〜8のいずれか一項に記載の多層構造物。
  10. 【請求項10】 層(B)と層(A)との間に1つ以上の接着剤層(C)を含み、層(C
    )が熱可塑性接着剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多層構造物。
  11. 【請求項11】 前記1つ以上の接着剤層(C)が、実質的にランダムなインタ
    ーポリマーと粘着性付与剤との合計重量を基準として5〜95%の実質的にランダム
    なインターポリマーと5〜95%の粘着性付与剤とのブレンドを含む、請求項10記載
    の多層構造物。
  12. 【請求項12】 前記1つ以上の接着剤層(C)が、i)エチレンとii)アクリル
    酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、もしくはビニルエステルとのインター
    ポリマー、またはアイオノマーを含む、請求項10記載の多層構造物。
  13. 【請求項13】 構造物(B)/(C')/(C)/(A)を含み、このとき (B)が、実質的にランダムなインターポリマーと、層(B)中の全ポリマー含量を
    基準として最大80重量%までの、1種以上のモノビニル芳香族モノマーもしくは
    モノビニリデン芳香族モノマーのホモポリマーまたはインターポリマーとを含む
    ポリマー層であり; (C')がエチレン/酢酸ビニルインターポリマーを含む層であり; (C)がエチレン/アクリル酸インターポリマーを含む層であり; そして (A)が木材ベース層である; 請求項10記載の多層構造物。
  14. 【請求項14】 プリント層、透明ラッカー層、表面処理層、紫外線防止層
    、耐薬品性層、および耐引掻・耐摩耗性の層から選ばれる1つ以上の追加層(D)を
    含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の多層構造物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一項に記載の多層構造物から少な
    くとも一部が製造されている物品。
  16. 【請求項16】 床材、壁装材、天井張り材、装飾用オーバーレイ、保護用
    オーバーレイ、ドア、および家具から選ばれる請求項15記載の物品。
  17. 【請求項17】 1つ以上の層(B)と所望により1つ以上の接着剤層(C)とを1
    つ以上のリグノセルロースベース層(A)に固定する工程を含む、請求項1〜14のい
    ずれか一項に記載の多層構造物の製造法。
  18. 【請求項18】 層(B)が、130〜250℃の温度および10〜40バールの圧力で
    リグノセルロースベース層(A)に直接施される、請求項17記載の製造法。
  19. 【請求項19】 層(B)が、1つ以上の熱可塑性接着剤層(C)によって、50〜1
    20℃の温度および3〜30バールの圧力でリグノセルロースベース層(A)に固定され
    る、請求項17記載の製造法。
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