JPH08134800A - 環状オレフィン系樹脂積層紙 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂積層紙

Info

Publication number
JPH08134800A
JPH08134800A JP27956094A JP27956094A JPH08134800A JP H08134800 A JPH08134800 A JP H08134800A JP 27956094 A JP27956094 A JP 27956094A JP 27956094 A JP27956094 A JP 27956094A JP H08134800 A JPH08134800 A JP H08134800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclic olefin
group
bonded
formula
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27956094A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Nishijima
島 茂 俊 西
Yozo Yamamoto
本 陽 造 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP27956094A priority Critical patent/JPH08134800A/ja
Publication of JPH08134800A publication Critical patent/JPH08134800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、防湿性に優れるとともに引裂き性
にも優れた環状オレフィン系樹脂積層紙を提供する。本
発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙は、薬剤、食
品、乳製品、酒類、日用品、雑貨などを被包装物とする
包装材として、また家具、床材、天井、壁紙、柱などの
建材類に利用することができる。 【構成】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙
は、紙または木の薄片を基材とし、少なくとも一層の特
定の環状オレフィン系樹脂[A]からなる層が設けられ
ていることを特徴としている。この環状オレフィン系樹
脂[A]は、エチレン・環状オレフィンランダム共重合
体[A-1] であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防湿性に優れるとともに
引裂き性にも優れた環状オレフィン系樹脂積層紙に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、紙などを基材とし、樹脂フ
ィルム、金属箔などの被覆層が設けられた積層紙から形
成された容器は、牛乳、ジュース類、コーヒー飲料、ス
ープ類などの液状物を長期間保存しうる食品容器として
広く用いられている。また上記のような積層紙は、包装
材などの日用雑貨用途、さらに壁紙、装飾用紙などの建
材用途にも広く用いられている。
【0003】このような積層紙としては、たとえば基材
である紙または木の薄片上にポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン層が被覆されたポリオレフィ
ン積層紙が知られている。このポリオレフィン積層紙
は、人体への安全性に優れ、耐熱性、表面光沢性などに
も優れており、上記のような食品、建材などの用途に広
く利用されているが、防湿性が不充分であるという問題
点があった。たとえば従来のポリオレフィン積層紙製食
品容器などでは、充填された内容物中の水分が容器を透
過してしまい、内容物が減少してしまうことがあった。
またこのような積層紙を壁紙、建材装飾用紙などとして
用いると、外気中の水分あるいは結露した水分が積層紙
内部へ浸透して、内部材が変質してしまうことがあっ
た。
【0004】このような積層紙では、ポリオレフィン樹
脂層を厚くすれば防湿性を向上させることができるが、
一方樹脂層を厚くすると引裂き性が低下してしまい、開
封しにくくなったり、さらに製造時には規定寸法に裁断
することが困難になって加工性が低下してしまうことが
あった。
【0005】また防湿性が付与された積層紙としては、
紙にアルミニウム箔などの金属層を積層したものが知ら
れているが、この金属層を有する積層紙は、リサイクル
利用および廃棄物問題の面などから金属層を含まない積
層紙への代替が望まれている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、防湿性に優れるとともに引裂き
性にも優れた環状オレフィン系樹脂積層紙を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層
紙は、紙または木の薄片を基材とし、少なくとも一層の [A]下記の[A-1] 、[A-2] 、[A-3] および[A-4] から
選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂からな
る層が設けられていることを特徴としている。
【0008】[A-1] エチレンと下記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとを共重合させて得られ
るエチレン・環状オレフィンランダム共重合体;
【0009】
【化3】
【0010】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1 〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていても
よい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単
環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または
多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16
で、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成してい
てもよい。)、
【0011】
【化4】
【0012】(式[II]中、pおよびqは0または正の
整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1
〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロ
ゲンで置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキ
シ基であり、R9 またはR10が結合している炭素原子
と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合して
いる炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレ
ン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のと
きR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環
または多環の芳香族環を形成していてもよい。)、[A-
2] 上記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの開環重合体または共重合体、[A-3] 上記開環重合体
または共重合体[A-2]の水素化物、および[A-4] 上記[A-
1] 、[A-2] または[A-3] のグラフト変性物。
【0013】本発明では、上記の環状オレフィン系樹脂
[A]は、エチレン・環状オレフィンランダム共重合体
[A-1] であることが好ましい。
【0014】
【発明の具体的説明】本発明に係る環状オレフィン系樹
脂積層紙は、紙または木の薄片を基材とし、少なくとも
一層の特定の環状オレフィン系樹脂[A]からなる層を
有している。
【0015】以下、まず本発明に係る環状オレフィン系
樹脂積層紙を形成する環状オレフィン系樹脂[A]につ
いて説明する。[A]環状オレフィン系樹脂 本発明では、環状オレフィン系樹脂として、[A-1]エ
チレンと下記式[I]または[II]で表される環状オレ
フィンとのランダム共重合体、[A-2]下記式[I]ま
たは[II]で表される環状オレフィンの開環重合体また
は共重合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共重
合体の水素化物、および[A-4]上記[A-1]、[A-2]
または[A-3]のグラフト変性物から選ばれる少なくと
も1種が用いられる。
【0016】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]のサーマル・メカニカルアナライザーで測定され
る軟化温度(TMA)は、0℃以上好ましくは10〜2
00℃さらに好ましくは10〜180℃あり、ガラス転
移点(Tg)は、−10℃〜190℃好ましくは0〜1
70℃であることが望ましい。
【0017】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]のX線回折法によって測定される結晶化度は、0
〜20%好ましくは0〜2%であることが望ましい。ま
た環状オレフィン系樹脂[A]の135℃のデカリン中
で測定される極限粘度[η]は、0.05〜10dl/g
好ましくは0.3〜2.0dl/gさらに好ましくは0.4
〜1.2dl/gであることが望ましい。
【0018】ここでまず本発明で用いられる環状オレフ
ィン系樹脂[A]を形成する式[I]または[II]で表
される環状オレフィン環状オレフィンについて説明す
る。環状オレフィン
【0019】
【化5】
【0020】上記式[I]中、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、qは0または1である。
なおqが1の場合には、Ra およびRb は、それぞれ独
立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場
合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成す
る。
【0021】R1 〜R18ならびにRa およびRb は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0022】また炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数
3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げ
られる。より具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基とし
ては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0023】これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置
換されていてもよい。さらに上記式[I]において、R
15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環ま
たは多環を形成していてもよく、しかもこのようにして
形成された単環または多環は二重結合を有していてもよ
い。ここで形成される単環または多環を具体的に下記に
例示する。
【0024】
【化6】
【0025】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。またR15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキ
リデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン
基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例とし
ては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピ
リデン基を挙げることができる。
【0026】
【化7】
【0027】式[II]中、pおよびqは0または正の整
数であり、mおよびnは0、1または2である。またR
1 〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0028】ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハ
ロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基として
は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基
が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ア
ミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基
としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水
素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的
には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基
およびフェニルエチル基などが挙げられる。
【0029】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されて
いてもよい。
【0030】ここで、R9 およびR10が結合している炭
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜
3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合して
いる場合には、R9 およびR13で表される基が、または
10およびR11で表される基が互いに共同して、メチレ
ン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH2-) またはプロピレ
ン基(-CH2CH2CH2-) のうちのいずれかのアルキレン基を
形成している。
【0031】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環として、たとえば下記のようなn=m=0
のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が
挙げられる。
【0032】
【化8】
【0033】ここでqは式[II]におけるqと同じ意味
である。上記のような式[I]または[II]で示される
環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
【0034】
【化9】
【0035】(上記式中、1〜7の数字は炭素の位置番
号を示す。)およびこのビシクロ[2.2.1 ]-2-ヘプテ
ンに、炭化水素基が置換した誘導体。この炭化水素基と
しては、たとえば、5-メチル、5,6-ジメチル、1-メチ
ル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブチル、7-メチ
ル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5-ベンジル、5
-トリル、5-(エチルフェニル) 、5-(イソプロピルフェ
ニル) 、5-(ビフェニル)、5-(β-ナフチル)、5-(α
-ナフチル) 、5-(アントラセニル) 、5,6-ジフェニルな
どが挙げられる。
【0036】さらに他の誘導体として、シクロペンタジ
エン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a
-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1 ]-
2-ヘプテン誘導体などが挙げられる。
【0037】トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、2-
メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5-メチル
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリシクロ
[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.1
2,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.1
2,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3
-ウンデセン誘導体。
【0038】
【化10】
【0039】(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置
番号を示す。)およびこれに、炭化水素基が置換した誘
導体。この炭化水素基としては、たとえば、8-メチル、
8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、 8- イソブチル、8-
ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、5,10-ジ
メチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチル-9-メ
チル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7-ジメチ
ル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,11,12-ト
リメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブチル-1
1,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチリデ
ン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチル、
8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブチ
ル、8-n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチル、8
-n-プロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-イソ
プロピル、 8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプロ
ピリデン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプロ
ピリデン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロピ
ル、8-イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブロ
モ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチル
-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフェ
ニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニ
ル、8-(ビフェニル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナ
フチル) 、8-(アントラセニル) 、5,6-ジフェニルなど
が挙げられる。
【0040】さらに他の誘導体として、(シクロペンタ
ジエン-アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエン
との付加物などが挙げられる。ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン、およびその誘導
体。
【0041】ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13
-3-ペンタデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ
[6.5.1.13,6.02,7.09,13 ]-4,10-ペンタデカジエンな
どのペンタシクロペンタデカジエン化合物。
【0042】ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13
-3-ヘキサデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ
[6.6.1.13,6.02,7.09,14 ]-4-ヘキサデセン、および
その誘導体。
【0043】ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.0
9,14]-4-ヘプタデセン、およびその誘導体。ヘプタシ
クロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5- エイ
コセン、およびその誘導体。
【0044】ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.0
3,8.012,17]-5-ヘンエイコセン、およびその誘導体。
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17 ]-5-ドコセン、およびその誘導体。
【0045】ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.
02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセン、および
その誘導体。ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.
116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-6-ヘキサコセン、
およびその誘導体などが挙げられる。
【0046】なお一般式[I]または[II]で表される
環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合
物のより具体的な構造例としては、本出願人に係る特願
平5−196475号当初明細書の段落番号[003
2]〜[0054]に示された環状オレフィンの構造例
を使用することができる。
【0047】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
【0048】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような式
[I]または[II]で表される環状オレフィンを用い
て、たとえば特開昭60-168708号、同61-120816号、同61
-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-2722
16号、同62-252406号および同62-252407号などの公報に
おいて本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択
することにより製造することができる。
【0049】[A-1] エチレン・環状オレフィンランダム
共重合体 本発明で用いられる[A-1]エチレン・環状オレフィン
ランダム共重合体では、エチレンから誘導される構成単
位と環状オレフィンから誘導される構成単位とが、ラン
ダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有してい
る。この共重合体が実質的に線状であって、実質的にゲ
ル状架橋構造を有していないことは、この共重合体が有
機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含まれてい
ないことにより確認することができる。たとえば極限粘
度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃のデ
カリンに完全に溶解することにより確認することができ
る。
【0050】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンの少なくとも一
部は、下記式[III]または[IV]で示される繰り返し
単位を構成していると考えられる。
【0051】
【化11】
【0052】式[III]において、n、m、q、R1
18ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意味である。
【0053】
【化12】
【0054】式[IV]において、n、m、p、qおよび
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。また本発明で
用いられる[A-1]エチレン・環状オレフィンランダム
共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応
じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位
を有していてもよい。
【0055】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的には、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセンおよび1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα-
オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロ
ヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセンおよ
びシクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタ
ノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン、1,4-ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキ
サジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエンお
よび5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類を
挙げることができる。
【0056】これらの他のモノマーは、単独であるいは
組み合わせて用いることができる。[A-1]エチレン・
環状オレフィンランダム共重合体において、上記のよう
な他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20
モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有され
ていてもよい。
【0057】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとを用いて上記
公報に開示された製造方法により製造することができ
る。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で
行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される
触媒を用いて[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体を製造することが好ましい。
【0058】また、この共重合反応では固体状IVB族メ
タロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状IV
B族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニ
ウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒である。ここでVI族の遷移
金属としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペ
ンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、
シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはア
ルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基
またはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロ
オレニル基を挙げることができる。これらの基は、アル
キレン基など他の基を介して結合していてもよい。ま
た、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位
子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基等である。
【0059】さらに有機アルミニウムオキシ化合物およ
び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の
製造に使用されるものを用いることができる。このよう
な固体状IVB族メタロセン系触媒については、例えば特
開昭61-221206号、同64-106号および特開平2-173112号
公報等に記載されている。
【0060】[A-2] 環状オレフィンの開環重合体または
共重合体 環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体におい
て、上記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの少なくとも一部は、下記式[V]または[VI]で表
される繰り返し単位を構成していると考えられる。
【0061】
【化13】
【0062】式[V]において、n、m、qおよびR1
〜R18ならびにRa およびRb は式[I]と同じ意味で
ある。
【0063】
【化14】
【0064】式[VI]において、n、m、p、qおよび
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。このような開
環重合体または開環共重合体は、前記公報に開示された
製造方法により製造することができ、例えば、上記式
[I]で表される環状オレフィンを開環重合触媒の存在
下に、重合または共重合させることにより製造すること
ができる。
【0065】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる
触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムま
たはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物ま
たはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合
物とからなる触媒を用いることができる。
【0066】[A-3] 開環重合体または共重合体の水素化
本発明で用いられる[A-3]開環重合体または共重合体
の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体ま
たは共重合体[A-2]を、従来公知の水素添加触媒の存
在下に水素化して得られる。
【0067】この[A-3]開環重合体または共重合体の
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンのうち少なくとも一部は、下記式[VII]
または[VIII]で表される繰り返し単位を有していると
考えられる。
【0068】
【化15】
【0069】式[VII]において、n、m、qおよびR
1 〜R18ならびにRa およびRb は式[I]と同じ意味
である。
【0070】
【化16】
【0071】式[VIII]において、n、m、p、q、R
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。[A-4] グラフト変性物 環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、上記の[A-
1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体、[A-
2]環状オレフィンの開環重合体または共重合体、また
は[A-3]開環重合体または共重合体の水素化物のグラ
フト変性物である。
【0072】この変性剤としては、通常不飽和カルボン
酸類が用いられ、具体的に、(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エン
ドシス−ビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-2,3-ジカル
ボン酸(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸、さら
にこれら不飽和カルボン酸の誘導体たとえば不飽和カル
ボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カル
ボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミド、不飽和カルボ
ン酸のエステル化合物などが挙げられる。
【0073】不飽和カルボン酸の誘導体としては、より
具体的に、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化マ
レニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。
【0074】これらの変性剤うちでも、α,β−不飽和
ジカルボン酸およびα,β−不飽和ジカルボン酸無水物
たとえばマレイン酸、ナジック酸およびこれら酸の無水
物が好ましく用いられる。これらの変性剤は、2種以上
組合わせて用いることもできる。
【0075】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
のグラフト変性物における変性率は、通常10モル%以
下であることが望ましい。このような環状オレフィン系
樹脂のグラフト変性物は、所望の変性率になるように環
状オレフィン系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合さ
せ製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調
製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹
脂とを混合することにより製造することもできる。
【0076】環状オレフィン系樹脂と変性剤とから環状
オレフィン系樹脂のグラフト変性物を得るには、従来公
知のポリマーの変性方法を広く適用することができる。
たとえば溶融状態にある環状オレフィン系樹脂に変性剤
を添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは
環状オレフィン系樹脂の溶媒溶液に変性剤を添加してグ
ラフト反応させる方法などによりグラフト変性物を得る
ことができる。
【0077】このようなグラフト反応は、通常60〜3
50℃の温度で行われる。またグラフト反応は、有機過
酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の共存下
に行うことができる。
【0078】また上記のような変性率の変性物は、環状
オレフィン系樹脂と変性剤とのグラフト反応によって直
接得ることができ、また環状オレフィン系樹脂と変性剤
とのグラフト反応によって予め高変性率の変性物を得た
後、この変性物を未変性の環状オレフィン系樹脂で所望
の変性率となるように希釈することによって得ることも
できる。
【0079】本発明では、環状オレフィン系樹脂[A]
として、上記のような[A-1]、[A-2]、[A-3]およ
び[A-4]のいずれかを単独で用いることができ、また
これらを組み合わせて用いることもできる。
【0080】これらのうち、エチレン・環状オレフィン
ランダム共重合体[A-1]が好ましく用いられる。本発
明では、上記のような環状オレフィン系樹脂[A]から
形成される層は、本発明の目的を損なわない範囲で、他
の成分を含有していてもよく、たとえば紫外線吸収剤、
熱安定剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電
防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、
核剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスま
たは可透光性の充填剤などの添加剤、さらには後述する
ような他の樹脂、衝撃強度を向上させるためのゴム成分
(EPR、EPDM、SBS、SEBSなど)を含有し
ていてもよい。
【0081】たとえば具体的に、任意成分としての安定
剤としては、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル、2,2'-オキサミドビス[エチ
ル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]などのフェノール系酸化防止剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステ
アリン酸カルシウムなどの脂肪酸カルシウムなどの脂肪
酸金属塩、多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げ
られる。
【0082】これらは単独で用いてもよく、たとえばテ
トラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜
鉛およびグリセリンモノステアレートとを組合わせて用
いることもできる。
【0083】本発明では、特にフェノール系酸化防止剤
と多価アルコールの脂肪酸エステルとを組合せて用いる
ことが好ましい。この多価アルコールの脂肪酸エステル
としては、3価以上の多価アルコールのアルコール性水
酸基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エ
ステルが挙げられ、具体的に、グリセリンモノステアレ
ート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリ
ステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジ
ステアレート、グリセリンジラウレートなどのグリセリ
ン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアレ
ート(pentaerythritol mono stearate)、ペンタエリス
リトールモノラウレート、ペンタエリスリトールジステ
アレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなど
のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなどを挙げる
ことができる。これらを組合せて用いてもよい。
【0084】フェノール系酸化防止剤は、樹脂100重
量部に対して10重量部未満好ましくは5重量部未満さ
らに好ましくは2重量部未満の量で用いられることが望
ましい。また多価アルコールの脂肪酸エステルは、樹脂
100重量部に対して10重量部未満好ましくは5重量
部未満の量で用いられることが望ましい。
【0085】積層紙 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙は、紙または
木の薄片を基材とし、この基材上に少なくとも一層の特
定の環状オレフィン系樹脂[A]からなる層が設けられ
ている。図1に、本発明に係る環状オレフィン系樹脂積
層紙の断面構成例を示す。
【0086】図1において、本発明に係る環状オレフィ
ン系樹脂積層紙は、紙(または木の薄片)からなる基材
層1と、上記のような環状オレフィン系樹脂[A]層2
とから構成されている。
【0087】この基材層1を形成する紙としては、たと
えば薄葉紙、雑種紙、板紙、合成紙などの従来公知の包
装材として用いられている紙が特に限定されることなく
広く用いられる。また木としては杉、ヒノキ、ラワン、
ウォールナットなどが特に限定されることなく広く用い
られる。
【0088】本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙
は、図2に示すように、基材層1の両面に上記のような
環状オレフィン系樹脂[A]層2が形成されていてもよ
い。このような本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層
紙は、従来公知のポリオレフィン積層紙に比べて、防湿
性に優れるとともにどの方向にも容易に引裂くことがで
き引裂き性にも優れている。なお従来公知のポリオレフ
ィン積層紙では、ポリオレフィンが延伸されている場合
にはその延伸方向には容易に引裂くことができるが、非
延伸方向に引裂くことは極めて困難である。
【0089】また本発明に係る環状オレフィン系樹脂積
層紙は、上記のように少なくとも基材層1と環状オレフ
ィン系樹脂[A]層2とを有しているが、さらに他の層
を有していてもよい。このような他の層としては、たと
えばα−オレフィン(共)重合体(ポリオレフィンとも
いう)などの他の樹脂層3、接着剤層4、ガスバリヤ層
5、ヒートシール層6などが挙げられる。
【0090】具体的に、本発明に係る環状オレフィン系
樹脂積層紙が上記のように基材層1と環状オレフィン系
樹脂[A]層2とともに他の層を有する一例として6層
構造の積層紙を図3に示す。図3において、基材層1の
一方の表面上にポリオレフィン層3が設けられていると
ともに、他方の表面上にはポリオレフィン層3、環状オ
レフィン系樹脂[A]層2、次いで接着剤層4を介して
ガスバリヤ層5が設けられている。さらに図4に示す積
層紙は、図3に示す6層構造に加えて、ガスバリヤ層5
の表面上にさらに接着剤層4を介してヒートシール層6
が設けられている。
【0091】このような本発明に係る環状オレフィン系
樹脂積層紙を形成する他の層についてより具体的に説明
する。本発明において、上記のような他の樹脂層3を形
成する樹脂としては、公知の樹脂が用途に応じて特に限
定されることなく用いられる。具体的にたとえば、ポリ
アミド、ポリエステル、エチレン−ビニルアルコール共
重合体EVOH、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
PVDC、セロファン、液晶性ポリエステルLCP、下
記に示すようなポリオレフィンなどが挙げられる。これ
らのうちでも、ポリオレフィンが好ましく用いられる。
【0092】このポリオレフィンとしては、具体的に、
炭素数2〜20のα−オレフィンの(共)重合体が挙げ
られる。この炭素数2〜20のα-オレフィンとして
は、具体的に、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-
ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテ
ン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、
4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エ
チル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン
および1-エイコセンなどが挙げられる。
【0093】ポリオレフィンは、これらα−オレフィン
の単独重合体であってもよく、また2種以上のα-オレ
フィンの共重合体であってもよい。またポリオレフィン
は、これらα−オレフィンと不飽和基含有極性モノマー
との共重合体であってもよい。
【0094】この不飽和基含有極性モノマーとしては、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1
〜8好ましくは1〜4のアルキル基を有するアクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステル、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジルなどが挙げられる。
【0095】さらに上記のようなα−オレフィン(共)
重合体またはα−オレフィン・極性モノマー共重合体
は、その特性を損なわない範囲内で、他の化合物から導
かれる単位を含有していてもよい。
【0096】このような他の化合物としては、たとえば
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-
ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-
(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテ
ンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イン
デンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メチ
ル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソ
プロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノ
ルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネンおよび5-フルオ
ロ-2-ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサ
ジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘ
キサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエ
ン、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノ
ルボルネンなどの非共役ジエン類などが挙げられる。
【0097】これらは、2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。本発明では、これらのうちでもエチレン
(共)重合体および/またはプロピレン(共)重合体が
好ましい。
【0098】このようなエチレン(共)重合体として
は、具体的に、エチレンから導かれる単位を80モル%
好ましくは90モル%以上の量で含有するエチレンと他
のα−オレフィンおよび/または不飽和基含有極性モノ
マーとの共重合体あるいはエチレンの単独重合体が好ま
しく用いられる。
【0099】エチレンとともに共重合体を形成するα−
オレフィンとしては、上記に例示したα−オレフィンの
うちでも炭素数3〜14好ましくは3〜10のα−オレ
フィンが挙げられる。
【0100】このようなエチレン(共)重合体の密度
は、0.89〜0.98g/cm3好ましくは0.90〜0.
94g/cm3であることが望ましく、またメルトフロー
レートMFR(190℃)は0.05〜100g/10分
好ましくは0.5〜50g/10分であり、ビカット軟化
点は70〜120℃好ましくは75〜110℃であるこ
とが望ましい。
【0101】またプロピレン(共)重合体としては、プ
ロピレンから導かれる単位を70モル%好ましくは80
モル%以上の量で含有するプロピレンと他のα−オレフ
ィンおよび/または不飽和基含有極性モノマーとの共重
合体あるいはプロピレン単独重合体が好ましく用いられ
る。
【0102】プロピレンとともに共重合体を形成するα
−オレフィンとしては、上記に例示したα−オレフィン
のうちでもエチレンおよび炭素数4〜14好ましくはエ
チレンおよび4〜10のα−オレフィンが挙げられる。
【0103】このようなプロピレン(共)重合体の密度
は、0.83g/cm3以上好ましくは0.89〜0.92g
/cm3であり、融点(Tm)は120〜170℃好まし
くは120〜145℃であり、メルトフローレートMF
R(190℃)は0.01〜100g/10分好ましくは
0.05〜50g/10分であり、ビカット軟化点は10
0〜170℃好ましくは110〜160℃であることが
望ましい。
【0104】また本発明では、上記のような他の樹脂層
3は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分たと
えば環状オレフィン系樹脂[A]層で示した添加剤、ゴ
ム成分などを含有していてもよい。
【0105】また接着剤層4を形成する接着剤として
は、従来公知の接着剤が挙げられ、たとえばEMAA
(カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂)などの変性ポリ
オレフィン、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶
性軟質共重合体およびこれらを主成分とする組成物、イ
ソシアネート系接着剤、接着性ポリエステル樹脂などが
挙げられる。
【0106】ガスバリヤ層5を形成するガスバリヤ材と
しては、従来公知のフィルム、箔などが挙げられ、具体
的に、アルミニウムなどの金属箔、ポリアミド、PE
T、O−PETなどのポリエステル、エチレン−ビニル
アルコール共重合体EVOH、ポリ塩化ビニリデンPV
DC、液晶性ポリエステルLCPなどが挙げられる。こ
れらを組み合わせて用いてもよい。
【0107】ヒートシール層6を形成する材料として
は、従来公知のヒートシール材が挙げられ、具体的に、
低密度ポリエチレンLLDPE、低密度ポリエチレンL
DPE、高密度ポリエチレンHDPEなどのポリエチレ
ン、エチレン系共重合体、およびこれらを主成分とする
組成物などが挙げられる。
【0108】本発明では、必要に応じて上記のような他
の層も2層以上設けられてもよい。本発明に係る環状オ
レフィン系樹脂積層紙は、必要に応じて上記以外の層を
用途に応じて有していてもよい。
【0109】上記のように構成される環状オレフィン系
樹脂積層紙では、基材層1および環状オレフィン系樹脂
[A]層2および他の層の厚みは、用途に応じて適宜選
択することができるが、たとえば環状オレフィン系樹脂
[A]層2の厚みは、0.005〜10mm好ましくは0.
01〜2.0mmであることが望ましい。
【0110】紙基材層1上に上記のような環状オレフィ
ン系樹脂[A]層2および必要に応じて他の層を形成す
るには、種々の積層法がな構造の原反シートを製造する
には、ドライまたはウエットラミネート法、押出ラミネ
ート法、共押出ラミネート法などなど公知の多層積層法
を利用することができる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層
紙は、上述のように従来公知のポリオレフィン積層紙に
比較して防湿性に優れるとともに引裂き性にも優れてい
る。
【0112】たとえばこの環状オレフィン系樹脂積層紙
製菓子袋は、内容物が吸湿することがなく、またどの方
向にも容易に開封することができる。また環状オレフィ
ン系樹脂積層紙製液体容器では、内容物が減少したりす
ることがない。
【0113】このような本発明に係る環状オレフィン系
樹脂積層紙は、液体容器、建材などの広範な用途に好適
に利用することができる。たとえば本発明に係る環状オ
レフィン系樹脂積層紙は、薬剤、食品、乳製品、酒類、
日用品、雑貨などを被包装物とする包装材として、また
タンス、本棚、食器棚などの家具、床材、天井、壁紙、
柱などの建材類に利用することができる。
【0114】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0115】
【実施例1】エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]-3-ドデセン(TCD)とのランダム共重合体ペ
レット(TMA;90℃、極限粘度[η]0.66dl/
g)を用いてシリンダー径30mmφの押出機を用いて
Tダイを通し、厚さ50μmのフィルムを得た。
【0116】80g/m2 、95μmの上質紙上に、上
記で得られたフィルムをウレタン系接着剤でドライラミ
ネートさせて積層紙を得た。得られた積層紙について、
防湿性と引裂き性とを評価した。
【0117】結果を表1に示す。防湿性は、透湿係数
(ASTM F1249)を測定することにより評価し
た。
【0118】酸素透過率は、ASTM D3985に準
拠して測定した。引裂き性は、手による引き裂き性の官
能評価を、紙のみを引裂く時との比較により行なった。
【0119】
【実施例2】実施例1で得られたフィルムに、さらに延
伸したナイロンフィルム(15μm)をドライラミネー
トした。得られた積層紙について透湿係数、酸素透過
率、引裂き性を測定した結果を表1に示す。
【0120】
【比較例1】実施例1において、エチレンとTCDとの
ランダム共重合体に代えて低密度ポリエチレンLDPE
〔MFR7.2g/10分(190℃、2.16kg条件下で
測定);三井石油化学工業(株)製ミラソン11−P〕
を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ50μmの
フィルムを得た。
【0121】得られたフィルムを用いて実施例1と同様
にして積層紙を得た。結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙の
構成の一態様を示す。
【図2】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙の
構成の他の態様を示す。
【図3】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙の
構成の他の態様を示す。
【図4】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂積層紙の
構成の他の態様を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 61/06 NLH

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙または木の薄片を基材とし、少なくとも
    一層の [A]下記の[A-1] 、[A-2] 、[A-3] および[A-4] から
    選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂からな
    る層が設けられていることを特徴とする環状オレフィン
    系樹脂積層紙; [A-1] エチレンと下記式[I]または[II]で表される
    環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・環
    状オレフィンランダム共重合体; 【化1】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18なら
    びにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素
    基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環
    を形成していてもよく、かつ該単環または多環は二重結
    合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR
    17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよ
    い。)、 【化2】 (式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、
    mおよびnは0、1または2であり、R1 〜R19はそれ
    ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換さ
    れていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、
    9 またはR10が結合している炭素原子と、R13が結合
    している炭素原子またはR11が結合している炭素原子と
    は直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結
    合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12
    たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
    香族環を形成していてもよい。)、[A-2] 上記式[I]
    または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体ま
    たは共重合体、[A-3] 上記開環重合体または共重合体[A
    -2]の水素化物、および[A-4] 上記[A-1] 、[A-2] また
    は[A-3] のグラフト変性物。
  2. 【請求項2】前記環状オレフィン系樹脂[A]が、エチ
    レン・環状オレフィンランダム共重合体[A-1] であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィン系樹脂
    積層紙。
JP27956094A 1994-11-14 1994-11-14 環状オレフィン系樹脂積層紙 Pending JPH08134800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27956094A JPH08134800A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 環状オレフィン系樹脂積層紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27956094A JPH08134800A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 環状オレフィン系樹脂積層紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08134800A true JPH08134800A (ja) 1996-05-28

Family

ID=17612681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27956094A Pending JPH08134800A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 環状オレフィン系樹脂積層紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08134800A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024577A1 (en) * 1998-10-23 2000-05-04 The Dow Chemical Company Multilayer structures
WO2003002343A1 (en) * 2001-06-28 2003-01-09 Stora Enso Oyj Polymer-coated heat-sealable packaging material, method for manufacturing the same and a sealed package made thereof
WO2003095200A1 (en) * 2002-05-07 2003-11-20 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging laminate, method for its manufacturing and packaging container manufactured from the packaging laminate
EP1364777A1 (en) * 2002-05-24 2003-11-26 Ticona GmbH Multi-layer laminate, packaging material and packages made therefrom
US7335409B2 (en) 2001-07-13 2008-02-26 Stora Enso Oyj Polymer-coated heat-sealable packaging material, method for manufacturing the same and a closed package made thereof
JP2008105218A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Nippon Zeon Co Ltd 多層紙および包装体
US7935400B2 (en) 2002-05-07 2011-05-03 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging laminate, method for its manufacturing and packaging container manufactured from the packaging laminate

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024577A1 (en) * 1998-10-23 2000-05-04 The Dow Chemical Company Multilayer structures
WO2003002343A1 (en) * 2001-06-28 2003-01-09 Stora Enso Oyj Polymer-coated heat-sealable packaging material, method for manufacturing the same and a sealed package made thereof
US7344759B2 (en) 2001-06-28 2008-03-18 Stora Enso Oyj Method for manufacturing heat-sealable packaging material having barrier layer; containing cycloolefin copolymer
CN100439095C (zh) * 2001-06-28 2008-12-03 斯塔诺阿埃索澳吉有限公司 涂覆聚合物的可热封包装材料,其制备方法及其制成的密封包装
US7335409B2 (en) 2001-07-13 2008-02-26 Stora Enso Oyj Polymer-coated heat-sealable packaging material, method for manufacturing the same and a closed package made thereof
WO2003095200A1 (en) * 2002-05-07 2003-11-20 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging laminate, method for its manufacturing and packaging container manufactured from the packaging laminate
US7935400B2 (en) 2002-05-07 2011-05-03 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging laminate, method for its manufacturing and packaging container manufactured from the packaging laminate
US8007882B2 (en) 2002-05-07 2011-08-30 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging laminate, method for its manufacturing and packaging container manufactured from the packaging laminate
EP1364777A1 (en) * 2002-05-24 2003-11-26 Ticona GmbH Multi-layer laminate, packaging material and packages made therefrom
US6921563B2 (en) 2002-05-24 2005-07-26 Ticona Gmbh Multi-layer laminate, packaging material and packages made therefrom
JP2008105218A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Nippon Zeon Co Ltd 多層紙および包装体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5532030A (en) Polyolefin multilayer laminate, vessel and packaging material
US5783273A (en) PTP or blister packaging articles and packaging material therefor
US6165573A (en) Multi-layer laminates and uses thereof
JP4953269B2 (ja) 熱可塑性樹脂の成形体および組成物
JPH0872210A (ja) ポリオレフィン系多層積層体および用途
JP3787478B2 (ja) 積層体
JPH08332701A (ja) 保香性包装材および容器
CA2168927A1 (en) Cycloolefin resin composition
JPH08134800A (ja) 環状オレフィン系樹脂積層紙
JPH1034845A (ja) 積層フィルムおよび包装材
JP4878668B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体
JP3250292B2 (ja) ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JP2000246838A (ja) 耐熱性の容器または包装材
JPH08134794A (ja) 環状オレフィン系樹脂で被覆された表面加工紙
JP3456490B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物よりなるシート状体
JP2987792B2 (ja) ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JP3942737B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂積層体
JP4359114B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JPH08165357A (ja) 熱収縮性シートまたはフィルム
JP4582860B2 (ja) 熱収縮フィルム
JP2001064321A (ja) 硬化性樹脂用保存容器
JP4319524B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP2001026693A (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物および成形体
JP2001055451A (ja) 合成紙
JP2000017088A (ja) 易打ち抜き開封性包装材料