JP5820994B2 - 木質板とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、木質板とその製造方法に関する。
近年、住宅用建材として、木材合板、木質繊維板(MDF)、パーティクルボードなどの木質系基板の表面に、木質熱可塑性樹脂材を積層一体化してなる木質板が知られている。それらは、樹脂由来の耐水性、撥水性、表面着色性、修飾性、高平滑性、滑り性を付与した木質板である。
木質熱可塑性樹脂材は、たとえば、熱可塑性樹脂に木粉、無機充填材を混合したものである。(特許文献1及び2参照。)Wood Plastic Board(WPB)とも呼ばれている。これらの木質熱可塑性樹脂材は、樹脂を多く含有しており、耐水性や撥水性に優れ、着色剤の混和性が良く、修飾性が良いなどの特長を備えている。木質系基板の表面にこれを積層一体化することで、これら特長をはじめ、平滑性、滑り性を付与することができる。つまり、表面保護材や表面化粧材のような機能・作用をもつ。
木質熱可塑性樹脂材は、これまで、木粉、無機充填材、そして熱可塑性樹脂とを混合し押し出し成形することにより製造されている。ただ、近年では、生産性を高めるとの観点から、シート状の「カレンダー成形」による製造が検討されている。
特開2004−203982号公報 特開2010−001627号公報
カレンダー成形方法は、樹脂フィルムや合成レザー等の製造に適用される方法として良く知られている。この方法では、加熱した多数本のロールの間で、樹脂系原料を、加熱軟化して練り合わせて混合し、溶融させてロール間で所定の厚みに薄く引き延ばしながらシート状物を成形する。広幅で薄く平滑な長尺の形態の形成に適しており、生産性も高い。
しかしながら、このようなカレンダー成形方法で製造した木質熱可塑性樹脂シートを木質系基板の表面に用いようとすると、以下のような問題点があることがわかってきた。
たとえば床材に使用された場合、床暖房で熱がかかると木質熱可塑性樹脂シートが軟化して、合板等の木質系基板の表層の木目凹凸を拾い、化粧表面に凹凸シワが生じやすいことである。
この問題は、合板材料を変更する場合には顕在化しかねない。特に、近年の環境保護機運の高まりや、原材料資源の枯渇から、合板原料木材として、ラワン材等の南洋材から、植林木のユーカリ材等に替える場合である。ユーカリ材等は従来のラワン材等に比べて、高比重で木目も粗いことから、それを使用した木質板では、化粧表面の凹凸シワがより大きくなりやすい。このような木質熱可塑性樹脂シートの熱による軟化の問題への対策として、熱膨張率が小さく、硬度が高く、融点の高いポリプロピレン(PP)等の配合比率を増やすことが考えられる。これによって熱による軟化を抑制することである。
しかしながら、カレンダー成形では、押出成形のように密閉空間内で混練や成形が行われず、加熱ロール間隙の開放的空間で成形されるので、原理的に成形温度を上げにくい。このため、前記のポリプロピレン等を高い配合比率で用いることは難しい。
一方、熱可塑性樹脂の配合比率を下げ、木粉や充填材の配合比率を上げることも考えられる。これによって、前記の熱による軟化への対策とすることである。ただ、木粉や充填材の配合比率を上げると、それらを樹脂に均一に分散させる混合・混練作業が難しくなり、シート状のカレンダー成形が困難となり、成形時に切れや割れが生じやすくなる。
以上のように、カレンダー成形は、その高い生産性が期待されるものの、カレンダー成形による木質熱可塑性樹脂シートの形成には、実際上の大きな問題があった。
そこで、本発明は、木質熱可塑性樹脂シートのカレンダー成形品を使用しつつ、熱軟化に起因する化粧表面の凹凸シワを軽減することが可能な、新しい木質板とその製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、木質系基板の表面に、木粉および無機充填材を含有する木質熱可塑性樹脂シートが接着され、さらに、その表面に化粧層が設けられた木質板において、前記木質熱可塑性樹脂シートは、その成分組成において、熱可塑性樹脂が15〜30質量%、木粉が5〜30質量%、無機充填材が40〜80質量%の範囲内で含まれており、かつ、シート状のカレンダー成形品であり、前記無機充填材として、針状繊維が配合されていることを特徴としている。
ここで、木質熱可塑性樹脂シートでの成分組成における質量比率が、熱可塑性樹脂20〜30%、無機充填材60〜70%であることが好ましい。
また、木質熱可塑性樹脂シートは、その成分組成のうちの熱可塑性樹脂の40〜80質量%がポリエチレンであることが好ましい。
針状繊維の配合量は、木質熱可塑性樹脂シート全体の1〜20質量%の範囲内であることが特に好ましい。また、本発明の木質板においては、木質系基板の表面層が、ラワン材に比べて表面平滑性が低い材料、あるいは、ラワン材に比べて平滑表面の経時安定性が乏しい材料で構成されていることが好ましい。
そして、本発明の木質板の製造方法においては、前記木質熱可塑性樹脂シートは、予め、木粉と無機充填材とを混合し、得られた混合物を熱可塑性樹脂と加熱下に混合し、次いで、シート状にカレンダー成形して作製することを特長としている。
本発明においては、木質熱可塑性樹脂シートにおける熱可塑性樹脂の配合比率を30質量%以下の低めに設定することで、熱膨張率が下がり、熱軟化に起因する化粧表面の凹凸シワが軽減される。そして、生産性の高いカレンダー成形が可能とされる。
木質板を例示した断面構成図である。 木質板を例示した概要斜視図である。
本発明の木質板を構成する木質熱可塑性樹脂シートにおいては、その配合比率として熱可塑性樹脂を30質量%以下とすることを本質的な特徴としている。 木質熱可塑性樹脂シートをカレンダー成形することは従来より想到されていたことであるが、前述のような実際上の大きな問題点は認識されていなかった。当然のことながら、その解決策は全く検討されておらず見出されていない。
木質熱可塑性樹脂シートの熱可塑性樹脂を30質量%以下とする点は、従来からも全く予期されていない。本発明での木質熱可塑性樹脂シートでは、この観点から、熱可塑性樹脂が15〜30質量%の範囲内で含まれる。30質量%を越えると、カレンダー成形品としての樹脂比率が大きくなり、熱による軟化の抑制効果が小さく、凹凸シワの軽減は難しくなる。一方、15質量%未満では、均一な混練が困難で、カレンダー成形時の流動性が低く、途中切断しやすくなり、好ましくない。
熱可塑性樹脂の割合は、好ましくは、20〜30質量%の範囲内であり、特に好ましくは、25〜30質量%の範囲内である。このような範囲とすることで、カレンダー成形品としての木質熱可塑性樹脂シートにおける熱軟化に起因する木質板の化粧表面の凹凸シワを軽減する効果はより顕著なものとなる。
熱可塑性樹脂としては、成形品への耐水性付与のためポリエチレンが好適である。ポリエチレンの割合は、熱可塑性樹脂全体の40〜80質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲では、低融点で加工性の良いポリエチレン量がより適切なものとなり、成形性がより良好となる。また、熱膨張率が大きく硬度の低いポリエチレンが増えすぎることもなく、成形品の熱寸法変化や熱軟化はより適切に抑制されることになる。
ポリエチレンに併用する熱可塑性樹脂としては、耐水性の観点から、ポリオレフィン類、例えば、ポリプロピレンが好適であるが、これに限られるものではなく汎用の熱可塑性樹脂でポリオレフィン類との混和性の良いものであれば使用できる。
熱可塑性樹脂として、特定グレードのポリエチレン(PE)を使用することも考慮される。ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂の配合比率を下げつつ木粉や無機充填材を高配合とすると、混練に長時間を要し、カレンダー成形の生産性が落ちる。混練作業の確実性、時間短縮を図るため、従来の押し出し成形法では、マレイン酸変性オレフィン系樹脂を相溶化剤として少量添加している。
しかし、相溶化剤は、成形品からブリードアウト(脱落)したり、熱変性して、成形品の耐水性や化学安定性を低下させることが懸念されるし、高価である。
本発明における木質熱可塑性樹脂シートにおいては、木粉が、5〜30質量%の範囲内で含まれる。木粉はこのような少量添加が好ましい。無機充填材が40質量%以上含まれていても、木粉の介在で混練時の相互の分散性が高まる、また、カレンダーロールからのシート状成形品の離形性が良好となり、木粉添加で、自然素材の木質感、柔らかく暖かな手触りが得られる。また、切削や釘打ちなどの木材に近い加工作業性が得られ、天然木材に近い柔軟な粘りが得られる。
木粉の原料としては、例えば、製材工場から排出されるオガクズや廃木材、合板、木質基板のサンダー粉などを用いることができる。木粉のサイズは、混練の作業性を考慮すると、10〜150メッシュの平均粒径が好適である。
木粉添加の比率が5質量%未満では、上記した作用効果が得られないし、混練の分散性やカレンダーロールからの離形性が悪くなる。一方、木粉添加の比率が30質量%を超えると、木粉のかさ高さのため混練作業性が悪くなり、混練時間がかかる。
本発明の効果として、以上のような作用効果をより顕著なものとして考慮すると、木粉の配合割合を20質量%以下、さらには、7〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、木粉は、含水率が高いと、成形時の発泡や、製品劣化をもたらしかねないので、予めホッパードライヤーなどで乾燥させて含水率8質量%以下としておくことが好ましい。
無機充填材としては、マイ力、タルク、炭酸カルシウム、ワラストナイト等が挙げられる。これらを40〜80質量%の範囲内で配合することで成形品の熱膨張率を低減でき、耐熱変形性が高くなり、表面凹凸シワの発生も防止できる。好ましくは、60〜70質量%の範囲内であり、さらに好ましくは60〜65質量%の範囲内である。このように60質量%以上の高い割合が好ましいことも本発明の大きな特徴の一つである。
なお、ワラストナイト等の針状繊維が配合されることが好ましい。この場合、カレンダー成形時の木質熱可塑性樹脂シートの切れが発生しにくくなったり、その表面に設けられる化粧層との接着性が向上する。
本発明においては、以上の他に、必要に応じ、また、許容される範囲内において他の添加成分が配合されても良い。たとえば、顔料、UV劣化防止剤、安定剤等である。もちろん、原料由来の微量不純物の混入も許容される。
以上のような木質熱可塑性樹脂シートのカレンダー成形品については、各成分を混合し、次いで、カレンダーロールによりシート状に成形することで製造される。その製造に際しては、予め、木粉と無機充填材とを混合した後に、熱可塑性樹脂と加熱下に混合し、次いで、カレンダーロールによりシート状に成形することがより好ましい。カレンダー成形品として、熱可塑性樹脂が30質量%以下のようにかなり少ない割合であり、また、無機充填材が好適には60質量%以上のようにかなり高い割合とすることが可能となる。
次に、こうして得られた木質熱可塑性樹脂シートを用いて木質板が構成される。すなわち、木質系基板の表面に、木質熱可塑性樹脂シートが接着され、さらにその表面に、化粧層が設けられる。ここで、木質系基板としては、合板がその代表例として示される。もちろん、天然木、木質繊維板(MDF)、パーティクルボード、あるいはこれらの積層板や複合材であっても良い。
これら木質系基板の表面層がラワン材に比べて表面平滑性が低い材料、あるいはラワン材に比べて平滑表面の経時安定性が乏しい材料も好ましく使用される。これは、近年の環境保護の問題から、ラワン材等の南洋材に替わって、ユーカリ材等の植林木が用いられるようになった時代背景と関連している。
結果として、合板表層がユーカリ材の場合、ラワン材に比べて、高比重で木目も粗いことから、加熱変形したときの表面凹凸シワが大きいという問題がある。しかし、本発明の木質板では、カレンダー成形品としての木質熱可塑性樹脂シートは、熱膨張率が低く、耐熱変形性が高いので、化粧面での表面凹凸シワが軽減される。このため、ユーカリ材等も好適に使用できる。
木質系基板と木質熱可塑性樹脂シートとは、ポリウレタン接着剤等を塗布してロールプレスで貼り合わせる等の手法で接着される。また、接着した木質熱可塑性樹脂シートの表面に設ける化粧層としては、従来と同様に、木材単板や化粧シート等の表面化粧材の接着、そして塗装等により構成することができる。
木質板の用途で代表的な床材の場合には、たとえば、表面側の木質熱可塑性樹脂シートの上に、天然銘木を薄膜状にスライスした長方形の木材単板(幅数cm〜十数cm、長さ数十cm〜数百cm程度)を多数配列し、それら木材単板の配列間隙に、下地の木質熱可塑性樹脂シートがスリット状に露出した、いわゆる「目地溝」を設けて、天然木床張りライクな構成とする。
このような床材の場合も、目地溝の底面を構成する木質熱可塑性樹脂シートの着色性、修飾性等の諸特性が良いため、木材単板にマッチした自然な色合いの目地溝ができ、しかも、目地溝の耐水性や耐久性も優れる利点があるので、総合的な機能として、天然木床張りを凌ぐ木質板を構成することができる。
以下に実施例および比較例を示す。
〈実施例1〉
以下、Aから順に作業してFで仕上げて、床材に好適な木質板を作製した。(図1、図2を参照。)
A:木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、 ポリエチレン(汎用成形品グレード)50質量%、ポリプロピレン50質量%からなる熱可塑性樹脂25質量%、45メッシュの木粉15質量%、無機充填材の炭酸カルシウム60質量%を、パンパリーミキサーやヘンシェルミキサーに同時に投入し、混練してから、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製した。
B:木質熱可塑性樹脂シートの表裏面にコロナ放電処理を行い易接着化してから、ポリウレタン接着剤を塗布した紙(50μm厚)と突き合わせ、両者をロールラミネーターに挟んで圧締して貼り合わせた。
C:紙貼り木質熱可塑性樹脂シートをラワン合板の幅で裁断し、その紙無し面に、ポリウレタン接着剤を塗布したラワン合板(11.2mm厚)を突き当てて、両者をロールプレスで貼り合わせた。なお、木質熱可塑性樹脂シートのカレンダー成形時の流れ方向と合板表層の繊維方向は一致させてある。
D:作製した紙貼り木質熱可塑性樹脂シート複合ラワン合板の紙表面に、尿素メラミン樹脂を添加した水系ラテックス接着剤を塗布してから、天然銘木スライスの木材単板(0.2mm厚)を上に置き、熱圧を加えて、貼り合わせた。
つまり、図1にその概要を断面図として示したように、木質系基板1としてのラワン合板の上に、木質熱可塑性樹脂シート(WPB)2を接着し、紙3を介して木材単板4を貼り合わせた。
E:次いで、木材単板貼りした複合ラワン合板の表面の単板の継ぎ目に沿って、断面V字形状の目地溝を付ける加工を行った。
F:目地溝付きの木材単板貼り表面の全面にわたり、薄く彩色塗装し、次いでUV塗料の塗工、紫外線照射による硬化で、表面保護塗膜を設けて仕上げとした。すなわち、図1のように目地溝6を付け、表面保護塗膜5を設けている。得られた木質板の外観を例示したものが図2である。
〈実施例2〉
実施例1において、先に、木粉と無機充填材をミキサーでプレ混合し、その混合物を熱可塑性樹脂に混ぜて、パンバリーミキサーで混練し、その混練物をカレンダー成形すること以外は実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実施例3〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、45メッシュの木粉を減らして10質量%、無機充填材の炭酸カルシウムを増やして65質量%とし、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
〈実施例4〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン50質量%と、ポリプロピレン50質量%とからなる熱可塑性樹脂を増やして30質量%、45メッシュの木粉を10質量%、無機充填材としてタルクを60質量%配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実施例5〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートを貼り合せる合板基材をラワン合板からユーカリ合板に替えること以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実施例6〉
実施例1において木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン75質量%、ポリプロピレン25質量%からなる熱可塑性樹脂30質量%、45メッシュの木粉7質量%、無機充填材として炭酸カルシウムを63質量%配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実施例7〉
実施例1において、 木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン25質量%、ポリプロピレン75質量%からなる熱可塑性樹脂30質量%、45メッシュの木粉7質量%、無機充填材として炭酸カルシウムを63質量%配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実施例8〉
実施例1において、 木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン50質量%、ポリプロピレン50質量%からなる熱可塑性樹脂25質量%、45メッシュの木粉10質量%、無機充填材として、炭酸カルシウム60質量%、ワラストナイト5質量%を配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈比較例1〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン75質量%、ポリプロピレン25質量%からなる熱可塑性樹脂40質量%、45メッシュの木粉16質量%、無機充填材の炭酸カルシウム44質量%配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの木質熱可塑性樹脂シートを作製すること以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈比較例2〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、ポリエチレン50質量%、ポリプロピレン50質量%からなる熱可塑性樹脂46質量%、45メッシュの木粉18質量%、無機充填材の炭酸カルシウムを46質量%配合し、カレンダー成形にて、厚さ0.7mmの成形板を作製すること以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈比較例3〉
比較例2において、木質熱可塑性樹脂シートを貼り合せる基材をラワン合板からユーカリ合板に替えること以外は、比較例2と同様にして木質板を作製した。
〈比較例4〉
実施例1において、木質熱可塑性樹脂シートの配合条件として、熱可塑性樹脂35質量%、木粉10質量%、無機充填材55質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして木質板を作製した。
〈実験評価〉
実施例1〜8、比較例 1〜4で製造された各木質板について、耐熱試験時の凹凸シワ発生を評価するため、60℃の乾燥機内に4日間放置して後、表面の凹凸シワ発生状況を目視観察して比較し、その結果を、木質熱可塑性樹脂シートの成形性についての評価結果とともに表1、表2に示した。なお、表面凹凸シワと成形性の評価基準は、表3に示した。
熱可塑性樹脂を25質量%ないし30質量%、無機充填材を60質量%以上配合した木質熱可塑性樹脂シートをラワン合板に接着した木質板(実施例1〜4、6〜8)及びユーカリ合板に接着した木質板(実施例5)では、表面凹凸シワが発生しないことが確認された。
木粉と無機充填材をプレ混合して木質熱可塑性樹脂シートを作製した実施例2では、カレンダー成形性が優れていることも確認された。
一方、熱可塑性樹脂が30質量%を越え、無機充填材が60質量%未満の比較例1〜4においては、表面凹凸シワが目立ち、ユーカリ合板の場合にはかなり目立つことが確認された。また、木質熱可塑性樹脂シート単独での物性評価のため、0〜80℃での昇温時、冷却時の平均の1℃当たりの寸法変化(カレンダー幅方向)を熱膨張率として計測して対比した結果を表1、表2に示した。
実施例1〜8のいずれのものも、比較例1〜4に比べて格段に小さいことが確認された。
Figure 0005820994
Figure 0005820994
Figure 0005820994
1:木質系基板
2:木質熱可塑性樹脂シート
3:紙
4:木材単板
5:表面保護塗膜
6:目地溝

Claims (6)

  1. 木質系基板の表面に、木粉および無機充填材を含有する木質熱可塑性樹脂シートが接着され、さらに、その表面に化粧層が設けられた木質板において、前記木質熱可塑性樹脂シートは、その成分組成において、熱可塑性樹脂が15〜30質量%、木粉が5〜30質量%、無機充填材が40〜80質量%の範囲内で含まれており、かつ、シート状のカレンダー成形品であり、前記無機充填材として、針状繊維が配合されていることを特徴とする木質板。
  2. 木質熱可塑性樹脂シートでの成分組成における質量比率が、熱可塑性樹脂20〜30%、無機充填材60〜70%であることを特徴とする請求項1に記載の木質板。
  3. 木質熱可塑性樹脂シートは、その成分組成のうちの熱可塑性樹脂の40〜80質量%がポリエチレンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木質板。
  4. 針状繊維の配合量は、木質熱可塑性樹脂シート全体の1〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の木質板。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の木質板において、木質系基板の表面層が、ラワン材に比べて表面平滑性が低い材料、あるいは、ラワン材に比べて平滑表面の経時安定性が乏しい材料で構成されていることを特徴とする木質板。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の木質板の製造に際し、前記木質熱可塑性樹脂シートは、予め、木粉と無機充填材とを混合し、得られた混合物を熱可塑性樹脂と加熱下に混合し、次いで、シート状にカレンダー成形して作製することを特徴とする木質板の製造方法。
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