JP2002528134A - Dna修復を分析する方法および試験キット - Google Patents

Dna修復を分析する方法および試験キット

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JP2002528134A
JP2002528134A JP2000579774A JP2000579774A JP2002528134A JP 2002528134 A JP2002528134 A JP 2002528134A JP 2000579774 A JP2000579774 A JP 2000579774A JP 2000579774 A JP2000579774 A JP 2000579774A JP 2002528134 A JP2002528134 A JP 2002528134A
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repair
apyrimidine
aprine
molecule
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JP2000579774A
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ネールス,ペーター
グリューゼンカンプ,カール−ハインツ
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ネールス,ペーター
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase

Abstract

(57)【要約】 本発明は、DNA修復酵素によるDNA修飾および塩基、例えば、アプリン部位およびアピリミジン部位の誤対合の修復を分析する方法および試験キットに関する。前記方法によれば、反応性スクエア酸との反応により固相マトリックスに共有結合された分子を、DNA修復酵素を含有する組成物と接触させる。試験キットは前記分析に必要な構成成分を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、DNA修復酵素によるDNA修飾および塩基誤対合ならびにアプリンまた
はアピリミジン部位の修復を分析する方法および試験キットに関する。こうして
、例えば、修復酵素の修復能力を決定し、それゆえこの方法において使用しかつ
修復酵素を含有する組成物を回収する、細胞または組織の修復能力を決定するこ
とができる。修復能力は、例えば、癌の発生に導くプロセスと関連づけられるが
、また、癌療法の種々の形態において重要である。
【0002】 A. 序論 細胞の癌関係遺伝子(プロトオンコジーンおよび腫瘍抑制遺伝子)中の突然変
異の徐々の蓄積のために、癌はいくつかの段階で発生する。突然変異の発生のた
めに、特に発癌因子は、例えば、環境、食物、化粧品、薬剤の中に、そして働く
場所(紫外線、イオン化輻射線、ダスト、重金属および多数の化学的発癌物質)
において存在し、ある役割を演ずるが、また、内因的に生成されることがある(
例えば、ニトロソアミン、反応性窒素および酸素化合物)。 すべての発癌因子は、それらの異なる物理的および化学的性質にかかわらず、
同一原理に従い作用する。それらはDNAの個々の成分と反応し、こうしてDNAの構
造および性質を変化させる。
【0003】 しかしながら、DNA成分の構造的変化は、発癌因子の影響を受けないで、起こ
る。このような構造的変化は、DNAの化学的結合の熱的加水分解により生ずる。
構造的変化は、なかでも、塩基のシトシン、アデニンまたはグアニン中のアミノ
基のヒドロキシル基による置換(脱アミン反応)、および(特に)プリン塩基の
グアニンおよびアデニンとDNAのデオキシリボース部分との間(特に)のNグリコ
シド結合の加水分解的切断(脱プリン反応)を包含する。
【0004】 わずか過ぎるまたは多過ぎるヌクレオチドおよび/または誤ったヌクレオチド
が新しく合成されたDNA鎖の中に組込まれるとき、誤対合はDNA複製間に起こるこ
とがある。4つのDNA塩基がそれらの稀な互変異性型で存在するとき、後者は起
こる。例えば、シトシンは稀な互変異性型でアデニンと塩基対を形成するが、グ
アニンと形成せず、グアニンは稀な互変異性型でチミジンと塩基対を形成するが
、シトシンと形成しない、等。これらまたは他の可能な塩基誤対合が適当な時ま
でに修復されない場合、複製の他のラウンド後に塩基転位型突然変異(例えば、
C−GのT−Aによる、またはT−AのC−Gによる交換)がゲノムDNAの中に発生する
。次いで、これらの塩基転位型突然変異は常に娘細胞に伝えられる。構造的修飾
はすべての種類の可能な突然変異(塩基転位型、トランスバージョン、欠失、挿
入等)を生成する。ゲノムにおいて得られた突然変異の型および分布のパターン
は、得られる構造的修飾に関係する発癌因子についてしばしば特徴的である。癌
関係遺伝子(プロトオンコジーン、腫瘍抑制遺伝子)中の突然変異の連続的蓄積
は、最終的に、細胞の悪性表現型の発現に導く。
【0005】 そのうえ、DNAを損傷する因子の影響は問題の細胞を直接死亡させることがあ
る。これは、例えば、放射線または遺伝毒性化学療法因子による腫瘍疾患の療法
において重要である。 細胞は、その保護のために、多数の有効な防御機構を有する。これらは、一方
において酵素(例えば、グルタチオンシンセターゼ、スーパーオキシドジスムタ
ーゼ、カタラーゼ)および低分子量物質(例えば、システイン、グルタチオン、
フラビンおよびビタミンC、E)を包含し、他方においてDNA修飾を認識しかつそ
れをDNAから除去する、特異的修復系を包含する。しかしながら、防御機構の有
効性は個体毎にかつ個体内の細胞の型毎にかなり変化することがある。それらの
効能は発癌因子に対する個体の腫瘍感受性について決定的である。本発明は、特
に、修復系の活性(すなわち、修復能力)の決定ならびにこのような活性の決定
の応用に関する。
【0006】 B. 先行技術 種々の発癌因子−DNA修飾についてのヒト細胞または組織の修復能力を決定す
るために、多数の方法が入手可能である。最も普通に使用されている方法を下に
列挙する。原理的には、それらの方法は2つの異なる型に分割することができる
【0007】 I. 方法の1つの型は、細胞をある種のin vivo発癌因子でex vivo処理する
ことに基づく。次いで、発癌因子が発生したDNA修飾が細胞のDNAから酵素的に除
去される速度を測定する。この目的のために、対応するDNA修飾の残りの量につ
いて発癌因子処理後、種々の時間において細胞のDNAを分析する。こうして得ら
れたデータを細胞の修復能力の計算に使用する。
【0008】 I.I. 規定されたDNA修飾の量を決定するために、対応する細胞試料からDNAを
単離し、DNA修飾の含量について分析する。個々のDNA試料中のDNA修飾を下記の
ように定量することができる。 a) 規定されたDNA修飾に対する抗体を使用するイムノスロットブロット法に
従う無傷の分子において(Nehls他、1984b)、 b) 個々のデオキシリボヌクレオチド中でDNAを酵素的に加水分解するとき、 ・ 規定されたDNA修飾に対する抗体を使用する競合ラジオイムノアッセイ
による(Nehls他、1984a)、 ・ HPLC装置を使用するデオキシリボヌクレオシド混合物を分離するとき電
気化学的検出器による(Floyde他、1986)、 ・ ガスクロマトグラフィーによるデオキシリボヌクレオシド混合物を分離
するとき質量分析よる(Dizdaroglu他、1985)。
【0009】 I.II. 他方において、DNA修飾を個々の細胞中で直接測定できる方法が開発さ
れた。これらの方法は下記の工程を包含する: a) 免疫細胞学的アッセイ(Nehls他、1997)、および c) コメットアッセイ(OstlingおよびJohnson、1984)。
【0010】 II. 規定されたDNA修飾(合成DNA分子)を含有するか、あるいはある種の発
癌因子で処理されたDNA分子と、細胞および組織からのタンパク質抽出物をイン
キュベートすることにある。次いで、それぞれのDNA修飾がDNA分子から除去され
る速度を測定する。これは下記の方法で実施することができる:
【0011】 II.I. 「DNAニッキングアッセイ」を使用する(Castaing他、1993)。この方
法を使用して、DNAからの酵素的切除によるDNA修飾の排除を証明する。DNA修飾
の切除を1工程において最も特異的に作用するエンドヌクレアーゼにより実施す
るか、あるいは2工程においてある種の修飾された塩基を認識しかつ排除するDN
Aグリコシラーゼ、および残りのアプリンおよび/またはアピリミジン部位をDNA
から切除するAPエンドヌクレアーゼにより実施する。両方の場合において、DNA
ニックはDNA修飾の部位に存在し、これらのニックは短縮されるもとのDNA分子に
導く。このアッセイのために、ある長さの合成、放射能標識化DNA分子を主とし
て使用し、これは前もって決定された位置に規定されたDNA修飾を含む。なお無
傷のDNA分子および短縮されたDNA分子の定量は、変性ポリアクリルアミドゲルの
電気泳動により異なる長さのDNA分子を分離するとき実施する。
【0012】 II.II. フィルター結合試験を使用する(NehlsおよびRajewsky、1990)。 この方法は、DNA−抗体複合体をニトロセルロースフィルター上に固定化する
ことができるが、タンパク質を含有しないDNAは保持されないという観察に基づ
く。この方法の原理は、なお抗体に結合することができるDNA分子の量を決定す
ることにある。この目的のために、1つのDNA修飾/DNA分子を含有する(理想的
には)DNAをタンパク質抽出物とインキュベートし、種々の反応時間後に特異的
に結合する抗体と混合し、そしてニトロセルロースフィルターを通して濾過する
。フィルターに結合したDNA−抗体複合体が減少する速度から、規定されたDNA修
飾についての細胞型または組織の修復能力(それらのに対する抗体が有効である
)を決定することができる。
【0013】 II.III. DNA修飾の大部分は切除修復により排除される。1つの例外は、発癌
因子をアルキル化することによって発生したある種のDNA修飾である(例えば、O 6 −アルキルグアニン、O4−メチルチミン)。これらのアルキル化産物は、アル
キル基をDNA塩基からそれ自体に伝達し、次いで不活性である酵素(O6−アルキ
ルグアニン−DNA−アルキルトランスフェラーゼ);AT)により修復することが
できる。細胞および組織中のこの酵素を定量する重要な方法を下に列挙する。
【0014】 a) フィルター結合試験(II.II.参照)。 b) 頻繁に使用される試験の原理は、細胞および組織の抽出物の添加の前お
よび添加後の種々の時間において[3H]標識化アルキル化剤で処理したDNA中の
、放射能標識化O6−アルキルグアニンを定量することにある。アルキル化DNAを
酸加水分解により、解放されたプリンをクロマトグラフィー(HPLC、Sephadex
G−10)により分離し、O6−アルキルグアニンを含有する画分中の放射能を測定
する(Foote他、1983)。 c) 他の頻繁に使用されている方法は、アルキル基がATのシステイン残基に
共有結合的に転移されるという知識に基づく。[3H]−アルキル−DNAをタンパ
ク質抽出物とインキュベートすると、ATに転移されるアルキル基の量は、抽出物
のタンパク質成分中の放射能を測定することによって決定される。あるいは、DN
A中に残留する放射能の量を測定し、タンパク質を加水分解したとき、生成した
3H]−アルキルシステイン分子を測定する(Pegg他、1983;Waldstein他、198
2)。
【0015】 III. WO 96/28571号から、DNA損傷を決定する方法は知られており、ここで
ポリカチオンへの吸着により、DNAを支持体上に固定する。この方法において、
修復活性を有する細胞抽出物および標識化ヌクレオチドを含有する組成物を、吸
着された損傷を有するDNAに作用させる。修復の場合において、標識化ヌクレオ
チドを組込ませ、次いでこの組込みを証明する。
【0016】 IV. 先行技術から、固体支持体に生体分子を共有結合的にカップリングさせ
る方法は知られているが、これはDNA損傷の修復を分析することに関する方法で
はない。
【0017】 独国特許出願公開第43 41 524号明細書から、例えば、スクエア酸(squaric
acid)誘導体を使用してポリマー支持体に生体分子およびアフィニティーリガン
ドを固定化する方法は知られている。独国特許第44 99 550号明細書には、ス
クエア酸誘導体を使用するカップリング反応が記載され、そしてマトリックスに
生体分子を共有結合させる可能性が述べられている。独国特許出願公開第196 2
4 990号明細書から、表面ならびにアシル基および/またはヒドロキシル基を担
持するポリマーを化学的に制御して修飾する方法が知られている。
【0018】 先行技術から知られている、修復能力を決定する前述の方法は、特に実行に時
間を浪費し、労力を要し、費用のかかる方法である。いくつかの方法において、
プロセシングの間に試料が損失するという問題が存在する。 本発明の目的は、DNA修復酵素によるDNA修飾、塩基誤対合ならびにアプリンお
よびアピリミジン部位の修復を分析する、改良された方法を提供することである
。特に、この方法は実行が簡単であり、効率よく、かつ費用がかからず、前述の
欠点を回避する。
【0019】 本発明によれば、この目的は、DNA修飾および塩基誤対合ならびにアプリンお
よびアピリミジン部位の修復を分析する方法を提供することによって解決され、
この方法は下記の工程を含んでなる: (a) 一本鎖または二本鎖DNA分子を準備し、これらのDNA分子はDNAの5'末端
または3'末端においてまたは少なくとも1つのデオキシリボシル残基の2'位にお
いてDNA分子の中に組込まれた第一級または第二級アミノ基を介して、反応性ス
クエア酸誘導体との反応により第一級または第二級アミノ基を担持する固相マト
リックスに共有結合されており、そしてこれらのDNA分子は修飾および/または
塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を有するものであり
、 (b) DNA修復酵素を含有する組成物と前記DNA分子を接触させ、 (c) DNA修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピ
リミジン部位の排除を決定する。
【0020】 本発明によれば、また、本発明による方法を実行するために必要な成分を含ん
でなる試験キットが提供される。 本発明の好ましい面は、下記の説明、態様ならびに添付された請求の範囲から
理解できるであろう。
【0021】 C. 発明の要約 本発明の基礎となる原理は、修復酵素をDNA分子に作用させ、ここでDNA分子は
固体支持体に共有結合されておりかつ修飾および/または塩基誤対合および/ま
たはアプリンまたはアピリミジン部位(損傷)を有し、そして修飾および/また
は塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位の排除を観測する
ことにある。支持体へのDNA修飾の共有結合は、反応性スクエア酸誘導体により
行う。修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジ
ン部位の排除を定性的または定量的に決定する適当な方法は、修飾および/また
は塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位に対する(または
アプリンまたはアピリミジン部位の場合において、また、このような部位の誘導
体に対する)特異的抗体または抗体フラグメントを使用する。このような特異的
抗体の結合量を決定する。修復を切除により実施するとき、定性的または定量的
検出は、また、適当に組込まれた標識の損失の観測により実施することができる
;こうして標識(または標識の結合性領域)はDNAセグメントの中に組込まれ、D
NAセグメントが切除されると、支持体にもはや接続されていない。解放された標
識および/または結合したままである標識の量を測定することができる。
【0022】 本発明の方法により、例えば、前もって決定されたDNA修飾または塩基誤対合
またはアプリンまたはアピリミジン部位についての修復酵素を含有する組成物の
修復能力を分析することができる。しかしながら、他方において、DNA修飾また
は塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位は、規定された修復酵素を
使用して検出することができる。さらに、因子(例えば、特異的に作用する修復
タンパク質)の影響により引き起こされる修飾ならびにそれらの修復を分析する
ことによって、DNAに対する因子の影響を試験することができる。因子がDNAを損
傷する可能性について述べることができる。最後に、また、修復過程に対する反
応条件および特に物質の影響を分析することができる。
【0023】 修復能力は、一般に、DNA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリ
ミジン部位を排除する間における活性を表示する。特に、修復能力は、ここにお
いて、試料中のDNA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部
位の含量を減少させる測定である。定量分析は実施例において説明され、そして
その中に示されている数学的関係は一般に分析法のそれぞれの型に適用可能であ
る。
【0024】 D. 好ましい態様の詳細な表示 なかでも、本発明は、こうして、DNA構造の規定された修飾(また、DNA修飾、
DNA損傷またはDNA付加物と呼ぶ)およびDNA誤対合を酵素的に修復する細胞また
は組織の能力を急速にかつ正確に決定できる方法に関する。さらに、規定された
DNA修復酵素を使用するとき、DNA構造および塩基誤対合の修飾の特質を分析する
ことができる。したがって、本発明は、また、修復酵素を含有する組成物(特に
溶液)により、DNA構造、塩基誤対合およびアプリンまたはアピリミジン部位の
修飾の修復能力を決定する方法を提供し、この方法は、また、DNA構造、塩基誤
対合およびアプリンまたはアピリミジン部位自体の修飾を検出するために使用す
ることができ、下記の工程を含んでなる: (a) DNAの5'末端または3'末端においてまたは少なくとも1つのデオキシリ
ボシル残基の2'位においてDNA分子内に第一級または第二級アミノ基を担持し、
かつDNA構造および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミ
ジン部位の修飾を有することができる、一本鎖または二本鎖のDNA分子またはDNA
アナローグを、スクエア酸エステルとの反応により、第一級または第二級アミノ
基を担持する固相マトリックスを介して、マトリックスに共有結合させ、 (b) 修復酵素を含有する溶液と、固相マトリックスに結合したDNA分子を接
触させ、 (c) 可能な構造的修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリン
またはアピリミジン部位の修復を溶液中に存在する修復酵素により定性的および
/または定量的に決定する。
【0025】 構造的修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミ
ジン部位を決定する場合において、特異的構造的修飾および/または塩基誤対合
および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を修復することができる、規定
された修復酵素を使用する。
【0026】 修復能力は、個体内の細胞型毎におよびまた個体毎にかなり変化する。 したがって、それは、 ・ 個々の腫瘍罹病性、 ・ 放射線療法または遺伝毒性化学療法に対する腫瘍患者の感受性、 ・ 放射線療法または遺伝毒性化学療法に対する腫瘍細胞の耐性、 について重要なパラメーターである。
【0027】 個体の腫瘍罹病性は、DNA修飾および/または塩基誤対合および/またはアプ
リンまたはアピリミジン部位を修復する個体の細胞の能力に関係する。本発明に
より、個体の修復状態およびこうして腫瘍罹病性を検出することができ、ここで
細胞または組織の試料から適当に得られた組成物を修飾または塩基誤対合および
/またはアプリンまたはアピリミジン部位を有するDNAに作用させ、そしてそれ
らの排除を証明する。ある種の発癌因子がある種の型の修飾および/または塩基
誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を引き起こすことが知ら
れているとき、修復状態をこれに関して決定し、それゆえ発癌因子についての腫
瘍罹病性を確立することができる。
【0028】 放射線療法、例えば、癌疾患の放射線療法において、腫瘍に隣接する健康な放
射線感受性組織が損傷され、永久的損傷さえも約2%引き起こされるために、患
者の約30%が入院治療を必要とするかぎり、個体の放射線感受性の決定は非常に
重要である。他方において、腫瘍を最適に抑制するために、通常より高い放射線
量を使用することが時には望ましいであろう。療法の間に放射線に暴露されるこ
とが期待される、健康な組織の試料、または適当な代用試料を収集すると、本発
明に従い放射線感受性を決定するために、それ以上の分析について収集のために
組成物(懸濁液または抽出物)を調製する。
【0029】 引き続いて、DNA損傷の修復の反応速度を分析する。この目的のために、カッ
プリングの前または後に1またはそれ以上の適当な修飾および/または塩基誤対
合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位が組込まれている、前述の組
成物をDNA分子に作用させる。次に放射線感受性を測定することができ、ここでD
NA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位の量、特に反応
性酸素種により引き起こされる修飾の量、例えば、8−オキソグアニンの量、の
減少を時間の関数として測定し、標準データと相関させる。こうして、分画照射
の場合において、総放射線量および単一放射線量の分布を経時的に個々に測定す
ることができる。特別の態様に従い、DNA損傷に関して細胞の修復能力を表す、
前述したように測定したデータを、細胞の増殖を記載するデータと組合わせて、
放射線量をなおいっそう正確に決定する。相応して、腫瘍組織の放射線感受性を
決定して、治療に必要な放射線量を推定することができる。
【0030】 放射線療法に対する腫瘍患者の感受性の測定に類似して、遺伝毒性化学療法に
対する感受性も測定することができる。特に1またはそれ以上の適当な選択した
DNA修飾について、修復能力を測定する。化学療法因子の活性モードが既知であ
るとき、DNA修飾をこの機構に基づいて選択することができる。例えば、アルキ
ル化剤に関して、対応するアルキル化された塩基の修復を分析することができる
。ある種の因子に対する腫瘍細胞の耐性の測定に、同一の考察を適用することが
できる。
【0031】 修復を分析する方法の基準は、修飾されたDNA分子、あるいは塩基誤対合また
はアプリンまたはアピリミジン部位を有するDNA分子を固相、例えば、フィルタ
ー、金、ビーズ、マイクロタイタープレートまたはガラスの表面に共有結合させ
ることである。適当な支持体は特にチップ(DNA−チップ技術)である。固定化D
NAを細胞または組織からのタンパク質抽出物とインキュベートする。規定された
DNA付加物または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位が、抽出物
の中に含有される修復タンパク質により除去される速度を測定する。
【0032】 カップリング剤として、アミノ基と反応することができる反応性スクエア酸誘
導体を使用する。好ましくは、スクエア酸ジエステル、特にスクエア酸ジアルキ
ルエステル、例えば、特にスクエア酸ジエチルエステルを使用し、これらの各々
は2つの第一級または第二級アミノ基を互いに結合させることができる。驚くべ
きことには、本発明に従い使用するスクエア酸誘導体は脂肪族アミノ基のみと反
応するが、DNA塩基の窒素原子と反応しない。これは、DNAの反応性基と反応し、
こうして望ましくない損傷に導くことがある他のカップリング剤(例えば、ジア
ルデヒド)について推定不可能な利点である。DNA分子内の5'末端または3'にま
たは少なくとも1つのデオキシリボシルの2'位に第一級または第二級アミノ基を
導入することによって、表面にアミノ基を担持する固相に対して一本鎖および二
本鎖のオリゴヌクレオチドを領域特異的に固定化する、おだやかな、高度に再現
性あるかつ費用のかからない方法が発見された。アミノ基は好ましくは5'末端に
導入される。第一級アミノ基(NH2基)の導入は特に好ましい。二本鎖DNA分子の
場合において、好ましくは1本の鎖を支持体に、例えば、その5'末端を介して、
共有結合させる。
【0033】 固相マトリックスとして、それ自体知られている材料、例えば、セルロース、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ガラスまたは
金の表面を使用することができる。固相マトリックスは、それ自体知られている
形態、例えば、フィルターの形態、マイクロタイタープレート、膜、カラム、ビ
ーズ、例えば、磁気ビーズの形態で存在することができる。
【0034】 本発明によれば、用語DNA分子は、任意の天然または合成の配列を有する一本
鎖および二本鎖の分子を含んでなる。十分な数の塩基が修復酵素との相互作用に
利用可能であるなら、DNA分子中の任意の数の塩基を選択することができる。あ
る場合において、わずかの塩基を有するオリゴヌクレオチドは既に十分であるこ
とがある。いくつかの修復酵素について、3つの完全な巻き構造を有し、修飾ま
たは誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位が中央の巻き構造の中に位置
する、オリゴヌクレオチドを使用することが適当であることが見出された。しか
しながら、配列の長さおよび修復すべき部位の配置を日常的実験において当業者
は変化させることができる。当業者は同様に配列の変動を分析することができる
。再フォルディングを可能としない配列を使用することが好都合であることが見
出された。配列の変動により、当業者は、また、修復すべき部位の修復に対する
環境の影響を分析することができる。
【0035】 既に述べたように、支持体へのカップリングのためにアミノ基はDNA分子の中
に組込まれている。さらに、修飾または塩基誤対合および/またはアプリンまた
はアピリミジン部位が組込まれており、これらは修復することができる。そのう
え、用語DNA分子はまたDNAアナローグを包含する。 DNAアナローグとして、例えば、ホスフェート−糖の主鎖において修飾されたD
NA分子を使用することができる。例はホスフェート基がホスホチオエート(チオ
ホスフェート)で置換されているか、あるいはホスホジエステル結合がペプチド
結合で置換されている分子を包含する。DNAアナローグとして、デオキシリボヌ
クレオチドのいくつかまたはすべてがリボヌクレオチドで置換されている分子が
考えられる。
【0036】 本発明によれば、DNA修復酵素で修復することができると考えられる、DNA修飾
または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位を含有するDNA分子とD
NA修復酵素を接触させる。発癌因子(放射線を包含する)により、DNAの前記変
更を直接的または間接的に引き起こすことができる。DNA修飾は特に塩基の修飾
を包含する。典型的には、これらは反応性因子、例えば、発癌因子との付加物で
ある。しかしながら、ここで理解されるように、DNA修飾はDNAの変更のある型に
限定されない。本発明によれば、正確に規定された修飾または塩基誤対合を有す
る、合成されたDNA分子、特にオリゴヌクレオチドを特異的に分析することが特
に可能である。さらに、修飾をまたDNAに作用する因子により発生させることが
できる。
【0037】 固相に対してDNA分子を共有結合させると、単一の反応器中で実験のすべての
実際的工程を急速にかつ効率よく実行することができる。手順、例えば、酵素、
核酸、抗生物質または色素産生基質の添加または除去、緩衝液の交換および洗浄
操作、およびその他は、主として自動化ピペット操作を必要とするだけである、
すなわち、時間および労力を要する作業工程、例えば、DNAの沈殿および反復遠
心ならびに他の成分からのDNA分子のクロマトグラフィーまたは電気泳動分離を
必要としない。さらに、試料物質の広範なプロセシングによるDNAの損失を回避
することができる。
【0038】 本発明の他の利点は、固定されたDNA分子は分子の正確に規定された点におい
て支持体に共有結合されるが、そうでなければ溶液の中に自由に存在することに
ある。DNA修飾、塩基誤対合およびアプリンまたはアピリミジン部位はこうして
修復酵素に自由にアクセス可能である。
【0039】 種々の標識化基質を使用するために、種々のDNA修飾および/またはDNA誤対合
および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を修復する能力について、同一
反応器中で細胞または組織からのタンパク質抽出物を最初に分析することができ
る。これは次のようにして実施される。すなわち、種々の修飾されたオリゴヌク
レオチドを反応器(または他の支持体)の表面に結合させ、同一修飾を有するオ
リゴヌクレオチドの各々は典型的には同一標識または標識の同一結合性基を含む
【0040】 この方法により、人間の修復状態を急速にかつ正確に決定することができ、こ
うして環境または働く場所における発癌因子に関するこの人間の罹病性を信頼性
をもって推定することができる。また、この方法を使用して、放射線療法または
遺伝毒性細胞増殖抑制因子に対する腫瘍患者(例えば、骨髄中の血液産生系、腸
および粘膜の細胞)の感受性を急速に推定することができる。最後に、この方法
によれば、DNA反応性細胞増殖抑制因子に対する耐性において重要な役割を演ず
る、腫瘍細胞の修復能力を急速にかつ正確に決定することができる。
【0041】 本明細書に記載するカップリング方法は、固相に対するオリゴヌクレオチドの
おだやかなかつ領域特異的固定化に基本的に適する。 本明細書に記載する方法の好ましい態様は下記の工程を包含する: ・ 選択的に修飾された核酸を固相に対して固定化する、そして ・ スクエア酸ジエチルエステルを使用して、修飾された核酸分子を固相(例え
ば、フィルター、マイクロタイタープレート、膜、ガラス表面、金、ビーズおよ
び磁気ビーズ)に共有結合させる。
【0042】 修飾された核酸分子を共有結合させるカップリング剤として、スクエア酸ジエ
ステルがなかでも推奨される。 驚くべきことには、活性化スクエア酸誘導体、例えば、特にスクエア酸ジエス
テルは、DNAのプリン塩基およびピリミジン塩基のアミノ基と反応しない。むし
ろ、それらは第一級および第二級脂肪族アミノ基と選択的に反応する。他のカッ
プリング剤に比較して、これは決定的利点である:カップリング物質によるDNA
分子の望ましくない損傷または架橋は起こらない。 アミノ基を、例えば、5'末端に導入することによって、アミノ基がそれらの表
面上に同様に存在する固相に、DNA分子を領域特異的に結合することができる。
【0043】 E. ある種の発癌因子特異的塩基修飾の合成的組込みによる規定されたDNA付
加物を有するDNAマトリックスの産生、ならびにある種の塩基誤対合またはアプ
リンまたはアピリミジン部位を有するDNA分子の産生 本発明の方法において、固定された配列および規定された修飾または塩基誤対
合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を有するDNA分子を有利に使
用することができる。下記において、種々のアプローチを例として説明するが、
これらの例は本発明を限定しない。必要な合成技術はこの分野において知られて
おり、そして文献から採用することができる。
【0044】 I. 普通に使用されている方法による規定された配列の一本鎖オリゴヌクレオ
チドの合成、前記オリゴヌクレオチドは、 a) 塩基配列の前もって決定された点にある種の塩基修飾を有する(例えば
、8−オキソグアニン、O6−アルキルグアニン)、 b) DNA分子の5'末端にNH2基を含有する、 c) 3'末端にOH基を含有する。
【0045】 I.I. DNA分子の3'末端の標識化 例えば、末端のデオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)を有する蛍
光標識化トリホスフェートの組込みによる3'末端の酵素的延長。種々の修飾され
たオリゴヌクレオチドを同一支持体に結合する(タンパク質抽出物を種々のDNA
修飾の修復能力について同時に分析する)とき、種々の蛍光色素を使用し、同一
修飾を有するオリゴヌクレオチドの各々は同一蛍光色素を含有する。あるいは、
他の標識、または標識に結合する基を組込むことができる。そのうえ、容易に理
解できるように、標識は3'末端に存在する必要がなく、切除したとき標識が支持
体にもはや接続しないのような位置に単に存在する。
【0046】 I.II. 二本鎖(ds−)オリゴヌクレオチドの製造: a) 修飾されたオリゴヌクレオチドと相補的オリゴヌクレオチドとの融合。
(好ましくは、こうして修飾を担持する鎖を支持体に共有結合する。) b) DNA誤対合の修復(ミスマッチの修復)をタンパク質抽出物により分析す
るために、塩基配列のある位置またはDNA付加物の位置に対して反対位置に異な
った自然ヌクレオチドを含有する、相補的オリゴヌクレオチドと、非修飾または
修飾オリゴヌクレオチドを融合させる。
【0047】 I.III. 化学的に安定なまたは切断可能なリンカーにより固相にds−オリゴヌ
クレオチドを5'末端においてカップリングさせる。一般に、本発明において、固
相に結合されかつ表面から離れる方向に面する端面においてアミノ基を担持する
リンカー(スペーサー)を提供することができ、このようなアミノ基を介してス
クエア酸誘導体によりDNA分子へのカップリングが可能である。リンカーを同様
にDNA分子と接続することができ、ここでリンカーはスクエア酸のカップリング
を提供するアミノ基を担持する。リンカーの内部に、切断可能な基を準備するこ
とができ、このような切断可能な基はそれ以上の分析のために適当な試薬による
固相マトリックスからのDNA分子の分離を可能とする。
【0048】 I.IV. 均一に修飾されたds−オリゴヌクレオチドをもっぱら使用するとき、D
NA分子を、例えば、まず5'−NH2末端を介して固相に結合し、次いで下記のオリ
ゴヌクレオチドを使用して3'末端において酵素的に標識化することができる: a) 検出可能な標識、例えば、蛍光色素、が高いアフィニティーで結合して
いる(例えば、TRITCがストレプトアビジンにカップリングされている)、修飾
されたデオキシヌクレオチド(例えば、ビオチニル化dUTP)、または b) 蛍光色素にカップリングされたデオキシヌクレオチド(または放射能標
識化されたまたはある他の方法で標識化された)。
【0049】 II. ds−オリゴヌクレオチドまたは線状プラスミドDNAを発癌因子(反応性化
学物質、例えば、ベンゾ(a)ピレンジオールエポキソド、メチルまたはエチル
ニトロソ尿素、紫外線、イオン化輻射線、過酸化水素、メチレンブルーと可視光
線との組合わせ)で処理することによって、特異的DNA修飾を有するDNAマトリッ
クスを製造する。
【0050】 II.I. 項目Iに記載するように分子の5'末端にNH2基および3'末端にOH基を有
するds−オリゴヌクレオチドの製造。分子を発癌因子で処理する。NH2基を介し
て分子を固相に結合させ(I.IV.参照)そして結合した分子を、例えば、蛍光色
素で、酵素的に標識化する。 II.II. あるいは、ds−オリゴヌクレオチドをまず固相に結合させることがで
きる。その後、反応性発癌因子を使用する処理およびオリゴヌクレオチドの酵素
的標識化をはじめて実施する。
【0051】 II.III. 下記の方法による、プラスミドDNAの5'末端におけるNH2基の導入: a) プライマーを使用するPCR法、プライマーの1つは5'末端にNH2基を担持す
る、 b) 制限エンドヌクレアーゼによりプラスミドを切断し、こうして2つの新
しいより短いDNA分子が得られ、各々は2つの5'末端/DNA分子の1つにただ1つ
のNH2基を有する。プラスミド分子の3'末端に、例えば、ビオチニル化dUTPを酵
素的に組込む。発癌因子で処理した後、DNAマトリックスを固相に結合させる。
この態様によれば、ビオチンに結合するストレプトアビジン−色素複合体により
、検出反応を実施することができる。
【0052】 III. アプリンまたはアピリミジン部位を有するDNA分子の製造: 例えば、ウリジンモノホスフェートが組込まれているDNA分子を合成すること
ができ、塩基をもっぱら酵素的に分離する。また、残っている修飾された塩基、
アプリンまたはアピリミジン部位を除去する酵素が知られている。
【0053】 F. 修復試験の実際的実行 修復試験を実行するとき、固定されたDNAと修復酵素を含有すると推測される
組成物を接触させる。組成物は細胞抽出物または組織抽出物であることができる
。これに関して、本発明の方法により細胞または組織の修復活性について説明す
ることができる。
【0054】 酵素的修復によるある種のDNA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはア
ピリミジン部位の排除の検出は、2つの方法で実施することができる: I. あるDNA修飾に特異的に結合するモノクローナル抗体またはポリクローナ
ル抗体を使用する(例えば、8−オキソグアニン、O6−アルキルグアニン、DNAの
PAH−付加物、ピリミジン二量体等)。このような抗体は文献に記載されている
。それらはこの分野において知られている方法により産生することができる。ま
た、適当なアフィニティーを有する抗体フラグメントを使用することができる。 ・ この方法は、それらに対する適当な抗体が存在する、すべてのDNAを検出
するために基本的に適する。 ・ この手順を使用するとき、DNA分子の標識化は不必要である。 ・ 細胞抽出物の修復能力を定量的に分析するために、反応調製物中のDNA付
加物の数を知らなくてはならない;DNA付加物の数/DNA分子は無関係である。
【0055】 この目的のために、規定されたDNA修飾(規定されたDNA付加物)を含有するか
、あるいはある種の発癌因子で処理された、固定化DNA分子をまず、検査すべき
細胞または組織の抽出物とインキュベートする。引き続いて、修飾に特異的に結
合する抗体(一次抗体)を添加する;次いで結合した抗体を定量するために、二
次抗体を典型的には添加し、ここで二次抗体は蛍光色素(TRITC、FITC、フルオ
レセイン等)で標識化された、または他の方法で、例えば、放射能で、標識化さ
れた、または適当な基質と色反応を生ずる、酵素(例えば、ホスファターゼ、カ
タラーゼ)にカップリングさせてある。一定条件下に、抗体分子の結合は残量の
DNA付加物に直接比例する(NehlsおよびRajewsky、1990);すなわち、色素の強
度は付加物の量の測定である。 同様に、塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジン部位は、また、適当な
抗体を使用して分析することができる。アプリンまたはアピリミジン部位の修復
を分析するとき、また、これらの部位を適当な化学物質、例えば、メトキシアミ
ン、ヒドラジン誘導体または置換芳香族アミンで誘導体化することができ、そし
て検出の目的で誘導体化された部位に対する抗体(または抗体フラグメント)を
使用することができる。便宜上、修復酵素を作用させるとき誘導体化を実施する
【0056】 II. 切除修復によりDNA修飾および塩基誤対合を排除するとき、DNAニックが
起こるという事実を利用する。 ・ この方法は、DNAニックに導く修復プロセスを検出するために適する。既
知の修復プロセスの大部分は、この機構に従い実行される。1つの例外は、ATに
よる、例えば、O6−アルキルグアニンの修復である(例えば、C.II.III.)であ
る。 ・ この方法のために、ds−オリゴヌクレオチドを使用することが好ましい。
【0057】 この方法を実施するために、下記のことを保証しなくてはならない: a) ただ1つのDNA鎖は(可能ならば)規定されたDNA付加物を含有する、 b) このDNA鎖は固定化されている、そして c) 切除したとき、標識が支持体にもはや接続しないように、このDNA鎖はDN
A修飾に関して標識化されている。例えば、DNA鎖が5'末端を介して支持体に共有
結合されているとき、標識は3'末端に設けることができる。この場合において、
標識は一般にDNAが修復の間に切断された点に関して3'の位置に配置される。切
除により除去される、構造的に修飾されたヌクレオチドをまた標識化することが
できる。この場合において、放射能標識が特に有効である。また、修復(切除)
の間に失われない、追加の標識を組込むことが可能であり、追加の標識により、
この方法のすべての段階において、例えば、固定化されたDNAの量を分析するこ
とができる。しかしながら、DNA修飾、塩基誤対合およびアプリンまたはアピリ
ミジン部位の排除を分析するために、前述したように、このような追加的に準備
できる標識は不適当である。
【0058】 細胞抽出物の修復効能を定量するために、DNA付加物の数/反応調製物を知ら
なくてはならない。 固定化されたDNA分子を、分析すべき細胞または組織の抽出物とインキュベー
トする。DNA付加物を酵素的切除により除去するとき、共有結合された鎖は2つ
のフラグメントに分解し、それらのうちで標識をもつフラグメントは固相にもは
や共有結合しない。適当な緩衝液混合物中でDNA分子を加熱することによって、
2つのDNA鎖間の水素架橋は解除される。こうして非結合フラグメントは相補的
(非標識化)カウンター・ストランドから分離され、例えば、吸引により、容易
に除去できる。それらのDNA付加物を保持したDNA分子はなお標識を有し、こうし
て容易に定量することができる。塩基誤対合ならびにアプリンまたはアピリミジ
ン部位を同一の方法において分析することができる。
【0059】 H. 応用の実施例 修飾されたオリゴデオキシヌクレオチドの調製 各々が34ヌクレオチドから成り、5'末端にNH2基を含有する、3つの異なるオ
リゴデオキシヌクレオチドを調製した。位置16を除外して、3つのオリゴデオキ
シヌクレオチドの塩基配列は同一であり、次のように読まれた: 5'−GGC TTC ATC GTT ATT X ATG ACC TGG TGG ATA CCG−3' ここで位置16におけるXは8−オキソグアニンまたはO6−エチルグアニンまたはグ
アニンであることができる。位置16における塩基として、こうして第1オリゴヌ
クレオチドは酸化産物8−オキソグアニンを含有し、第2オリゴヌクレオチドは
アルキル化産物O6−エチルグアニンを含有し、そして第3オリゴヌクレオチドは
自然塩基グアニンを含有した。第3オリゴヌクレオチドは対照として役立った。
さらに、相補的DNAカウンター・ストランドを合成し、これはもっぱら4つの自
然塩基から成り、そして修飾されたオリゴヌクレオチドの3'末端を越えて突起し
ていた。Xの反対に、Cが存在した。これは修飾されたオリゴヌクレオチドまたは
対照オリゴヌクレオチドの3'末端におけるビオチニル化dUTPまたは蛍光標識化ヌ
クレオチドの酵素的組込みを提供した。
【0060】 ホスホアミダイト方法により、オリゴヌクレオチドを完全に自動的に調製した
。通常のように、固相(CPG)において3'末端を介して合成を実施した。支持体
物質から分離しかつ保護基を切断する(濃アンモニア中の0.25Mの2−メルカプト
エタノール、55℃、20時間)と、オリゴヌクレオチドをゲル濾過によりアンモニ
アから分離し、引き続いて調製用ポリアクリルアミドゲルの電気泳動またはHPLC
により精製した。他の精製工程後、オリゴヌクレオチドを凍結乾燥し、−20℃に
おいて貯蔵した。
【0061】 二本鎖(ds)基質の調製 2回蒸留水中に溶解したオリゴヌクレオチド(100pmolのDNA分子/ml)を、1.
2倍量の相補的DNA鎖(120pmol/ml)と混合した。試料を水浴中で90℃に5分間
加熱した;水浴を室温に冷却する数時間の段階の間に、二本鎖(ds)オリゴヌク
レオチドを得るための一本鎖分子の融合を実施した。
【0062】 活性マイクロタイタープレートの調製 試験のために、マイクロタイタープレート(MP)を使用し、それらのウェルは
平らな底を有し、表面にNH2基(10nmolのNH2基/ウェル)を含有した。MPのウェ
ルの中に、メタノール(>99%)中のスクエア酸ジエチルエステル(0.1mM)お
よびトリエチルアミン(0.01mM)の溶液の0.25μlを各ウェルの中にピペットで
入れた。MPをカバーし、室温において10分間インキュベートした。溶液を除去す
ると、ウェルをメタノールでよく洗浄し、乾燥した。
【0063】 活性化されたMPへのds−オリゴヌクレオチドの共有結合 活性化されたMPウェルの表面にds−オリゴヌクレオチドをカップリングさせる
ために、50mMのホウ酸ナトリウム水溶液pH9.5中の10μlのDNA溶液(50pmolの8−
オキソGua−ds−オリゴヌクレオチド/ml、2.5pmolのO6−EtGua−ds−オリゴヌ
クレオチド/ml)の各々をウェルの中にピペットで入れ、MPをカバーした。室温
において20分後、DNA溶液を除去し、ウェルを2回蒸留水で洗浄した。 スクエア酸の残りの反応性基を30μlのエタノールアミン水溶液(100mM、pH8.
5)とインキュベートした。10分後、MPウェルを2回蒸留水でよく洗浄し、乾燥
した。
【0064】 実施例A: ds−オリゴヌクレオチドからの8−オキソデオキシグアノシンの除去 修復の型: DNA修飾、複製後の塩基誤対合およびアプリンまたはアピリミジン部位の大部
分を切除修復(酵素的プロセス)により除去する。同一機械原理に従い、DNA酸
化産物8−オキソグアニン(8−OxoGua)は修復される。ヒトにおいて、この塩基
の修飾をDNAから排除する少なくとも2つの異なる修復系が存在する。マウスに
おいて、2つの修復系のただ1つが検出された。 8−OxoGua切除機構に対して無関係に、ヌクレオチドのサイズを有するギャッ
プがDNAの中に直ちに形成される。
【0065】 試験の実際的実行: 試験のために、平らな底を有するウェルにds−オリゴヌクレオチド(30×10-1 5 molのdsDNA分子/ウェル)が固定化されているMPを使用し、これらのds−オリ
ゴヌクレオチドは位置16に酸化産物8−OxoGuaおよび位置35および36においてビ
オチニル化ウラシルを含有した。 分析すべき細胞抽出物を、細胞系統P3−X63−Agのマウス骨髄腫細胞から調製
した。この目的のために、細胞を氷冷PBS中で2回洗浄し、緩衝液混合物A(50mM
のTris−HCl、pH7.6、1mMのEDTA、1mMのDTT、100mMのKCl、0.1%のBSA)の中に5
×107細胞/mlの濃度で再懸濁させた。細胞を超音波処理により崩壊し、そして固
体を遠心(10,000g、4℃、10分)により除去した。透明な上清を−80℃において
少しずつ貯蔵した。
【0066】 MPの10ウェルの中に、緩衝液混合物Aおよび6×105マウス骨髄腫細胞のタンパ
ク質抽出物を含有する溶液の25μlをピペットで取った(試料フィールド)。 4つのフィールドの中に、同一緩衝液であるが、タンパク質抽出物を含有しな
25μlをピペットで取った(対照フィールド)。MPを37℃においてインキュベ
ートした。 5、30、60、90および120分後、各2ウェル/時点の中に1μlのプロテイナーゼK
(1mg/ml)の添加により反応を停止させた。対照フィールドのウェルの中に、1
20分後、1μlのプロテイナーゼKを同様に添加した。MPを90℃に5分間加熱し、引
き続いて氷水混合物中で急冷した。溶液をウェルから除去し、ウェルを30μlの
緩衝液B(50mMのTris−HCl、pH7.6、1mMのEDTA、0.1%のBSA)で3回洗浄した。
【0067】 緩衝液B中のストレプトアビジン−Cy3複合体を含有する溶液(2.5μg/ml:Si
gmaから入手した)の25μlを添加した後、MPを37℃において45分間インキュベー
トした。溶液を除去した後、MPのウェルを緩衝液Bで3回すすぎ、最後に25μlの
同一緩衝液を添加した。 個々のウェル中の蛍光色素の強度を、蛍光顕微鏡、CCDカメラおよびコンピュ
ータ援用解析プログラムを含んでなる影像アナライザーにより定量した。あるい
は、感受性UV−ELISA読取り装置を蛍光強度の測定に使用できる。
【0068】 試料を下記式により計算した: R=M(1−P/K0) ここで Rは修復された8−オキソグアニン分子の量(fmol=1015mol)であり、 Mは各MPウェル中の8−オキソグアニン分子の全量であり、 K0は対照フィールドのウェル中の蛍光強度であり、そして Pは試料フィールドのウェル中の蛍光強度である。
【0069】 図1は、規定された細胞抽出物(6×105細胞のマウス骨髄腫細胞系統の抽出物
)による8−オキソグアニンの修復をインキュベーション時間の関数として表す
。曲線の初期勾配から、最大どれだけ多くの8−オキソグアニン分子/時が標準
条件下にオリゴヌクレオチドから除去されるかを計算することができる(8−オ
キソグアニンの全量、30fmol;6×105細胞の抽出)。この場合において、13.7fm
ol/時が除去された。
【0070】 実施例B: ds−オリゴヌクレオチド中のO6−エチルグアニンの脱アルキル化 修復の型: 発癌因子をアルキル化して産生されたO6−エチルグアニン(O6−EtGua)は、O 6 −アルキルグアニン−DNA−アルキルトランスフェラーゼ(AT)により1工程に
おいて修復される。ATはアルキル基をグアニンのO6−位置からタンパク質の活性
中心中のシステインに転移させる。アルキル基の転移により、ATは不活性化され
る。こうして、各AT分子は常にただ1つのO6−EtGua分子を修復することができ
る。したがって、修復は2分子反応において実行される。
【0071】 O6−エチルデオキシグアノシンに対する抗体により、修復を分析することがで
きる。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を使用することができる。
モノクローナル抗体は、例えば、次のようにして製造することができる:
【0072】 最初に、R. MullerおよびM. F. Rajewsky(Z. Naturforsch.、33c、897−
901、1978)が記載するように、O6−エチルリボグアノシンの合成およびキーホ
ールリンペットヘモシアニン(KLH)のカップリングを実施する。抗体を製造す
るために、抗原性BALB/cをマウスに3カ月の期間にわたって腹腔内注射する。免
疫化されたマウスの脾細胞を骨髄腫細胞(P3−X63−Ag8)と融合させた。こうし
て得られたハイブリドーマを、BALB/cマウスの腹膜マクロファージを含有する
マイクロタイタープレート上にまいた。O6−エチルデオキシグアノシンに対する
抗体を産生するハイブリドーマ細胞を再クローニングし、培養した。抗体を2精
製工程において他のタンパク質から分離した(硫酸アンモニウム沈降、50%の飽
和、およびDE−52カラム材料を有するイオン交換クロマトグラフィー)。精製さ
れた抗体を濃縮し、−80℃において少しずつ貯蔵した。
【0073】 試験の実際的実行: 試験のために、ウェルにds−オリゴヌクレオチド(1.2×10-15molのdsDNA分子
/ウェル)が固定化されているMPを使用し、これらのds−オリゴヌクレオチドは
位置16にO6−EtGuaを含有した。3'末端は充填されていなかった。ウェルの一部
分において、ds−オリゴヌクレオチドは固定化されており、ds−オリゴヌクレオ
チドは単に位置16にグアニンを含有した(対照フィールド2)。 L929マウス繊維芽細胞をトリプシンで処理したとき培地(DMEM、10%のウシ胎
児血清を補充した)中で1回洗浄し、氷冷PBS中で2回洗浄することによって、分
析すべき細胞抽出物を調製した。次いで細胞を抽出緩衝液(500mlのNaCl、50mM
のTris−HCl、pH7.8、1mMのジチオスレイトール、1mMのEDTAおよび5%のグリセ
ロール)の中に6×107細胞/mlの濃度で再懸濁させ、超音波処理により崩壊させ
た。不溶性成分を遠心(10,000g、4℃、10分)により除去した。透明な上清を−
80℃において少しずつ貯蔵した。
【0074】 MPの14ウェルの中に、反応緩衝液(50mMのHEPES、pH7.8、1mMのDTT、1mMのED
TA、5%のグリセロールおよび0.05%のトリトンX−100)およびL929マウス繊維
芽細胞からの3μgのタンパク質抽出物を含有する溶液の50μlをピペットで取っ
た(試料フィールド)。 4つのウェルの中に、タンパク質抽出物を含有しない反応緩衝液の25μlをピ
ペットで取った(対照フィールド1)。抗体の非特異的結合を決定するために非
修飾ds−オリゴヌクレオチドを含有する、対照フィールド2の4つのウェルの中
に、反応緩衝液およびタンパク質抽出物をピペットで取った。
【0075】 5、10、15、20、30、45、60分後、各2ウェル/時点の中に1μlのプロテイナ
ーゼK(1mg/ml)の添加により反応を停止させた。対照フィールド1および2の
ウェルの中に、60分後、1μlのプロテイナーゼKを同様に添加した。 37℃においてさらに15分後、溶液をウェルから除去し、ウェルを30μlの緩衝
液C(100mMのNaCl、10mMのTris−HCl、pH7.5、1mMのEDTA、0.1%のBSA)で3回洗
浄した。
【0076】 次いで、緩衝液C中に2μgの抗(O6−EtGua)抗体を含有する溶液の15μlをウ
ェルの各々の中にピペットで入れた。室温において45分後、抗体溶液を除去した
。引き続いて、ウェルを緩衝液Cで3回洗浄して、非結合抗体分子を除去した。 特異的に結合した抗体分子を検出するために、20μlの緩衝液C中のTRITC標識
化抗(IgG)F(ab)2フラグメント(5μg/ml)をウェルの中に添加した。室温
において45分後、抗体溶液を除去した。非結合抗体を25μlの緩衝液Cで3回洗浄
することによって、抗体溶液を除去した。引き続いて、25μlの緩衝液Cをウェル
の中にピペットで入れた。前述したように、個々のウェルの蛍光強度を測定した
【0077】 個々の試料の値を下記式により計算した: R=M(1−(P−K1)/(K1−K2)) ここで Rは修復されたO6−EtGua分子の量(fmol=10-15mol)であり、 Mは各MPウェル中のO6−EtGua分子の全量(fmol)であり、 K1はタンパク質抽出物を含まないウェル中の全蛍光強度であり、 K2は抗体の非特異的結合についての蛍光強度であり、そして Pは試料フィールドのウェル中の蛍光強度である。
【0078】 図2において、規定された細胞抽出物(L929マウス繊維芽細胞からの3μgのタ
ンパク質抽出物)によるO6−EtGuaの修復を時間の関数として表す。O6−EtGuaの
修復を2分子反応(二次反応)で実施したので、試験調製物中のAT分子(AT)の
濃度および修復反応の速度定数Kを下記式により計算した: K×t=1/(A0−B0)ln(B0(A0−P)/A0(B0−P) ここで 項A0、B0およびPは、修復反応の時間tにおけるO6−EtGua分子(A0)、AT分子
(B0)、および脱アルキル化O6−EtGua分子(P)の初期濃度に対応する。ATおよ
びKを計算するために、コンピュータープログラムを開発した。したがって、細
胞抽出物は0.7fmolのAT分子を含有し、そしてKは4×107l/mol×秒であった。
【0079】 文献: Castaing、B.、Geiger、A.、Seliger、H.、Nehls、P.、Laval、J.、Zelwer、C
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、細胞抽出物によるds−オリゴヌクレオチドからの8−オキソグアニン
の除去の反応速度を示す。
【図2】 図2は、細胞抽出物によるO6−エチルグアニンの修復の反応速度論を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA ,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 AA20 CA01 HA15 4B063 QA05 QA19 QQ08 QQ26 QQ42 QR06 QR32 QR48 QR51 QR77 QR82 QS28 QS36 QX02 4H045 AA11 AA30 DA75 EA50 FA71

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程: (a) 一本鎖または二本鎖DNA分子を準備し、これらのDNA分子はDNAの5'末端
    または3'末端においてまたは少なくとも1つのデオキシリボシル残基の2'位にお
    いてDNA分子の中に組込まれた第一級または第二級アミノ基を介して、反応性ス
    クエア酸誘導体との反応により第一級または第二級アミノ基を担持する固相マト
    リックスに共有結合されており、そしてこれらのDNA分子は修飾および/または
    塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を有するものであり
    、 (b) DNA修復酵素を含有する組成物と前記DNA分子を接触させ、 (c) DNA修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピ
    リミジン部位の排除を決定する、 を含んでなる、DNA修復酵素によりDNA修飾および塩基誤対合ならびにアプリンお
    よびアピリミジン部位の修復を分析する方法。
  2. 【請求項2】 反応性スクエア酸誘導体がスクエア酸ジエステル、特にスク
    エア酸ジエチルエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 固相マトリックスにカップリングされたDNA分子からのDNA修
    飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位の
    排除を、修飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミ
    ジン部位および/またはアプリンまたはアピリミジン部位の誘導体に対する抗体
    または対応する抗体フラグメントにより決定する、請求項1および2のいずれか
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 固相マトリックスにカップリングされたDNA分子からのDNA修
    飾および/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位の
    排除を切除修復により決定し、ここでDNAセグメントの損失が検出され、修飾お
    よび/または塩基誤対合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位が切除
    されるとき、固相マトリックスとの接続はもはや存在しない、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 切除修復による損失されるDNAセグメントが標識、例えば、
    発色団分子、蛍光分子、放射性原子、または基結合性標識を含有する、請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 DNA分子を固相マトリックスにカップリングさせるとき、標
    識または基結合性標識を組込む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 種々のDNA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはアピ
    リミジン部位の修復を同時に分析するために、種々の修飾または塩基誤対合また
    はアプリンまたはアピリミジン部位を有するDNA分子の各々が種々の標識または
    基結合性標識を有する、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 修飾がDNA分子の中に組込まれており、ここで修飾因子を固
    相マトリックスにカップリングされたDNA分子に作用させることができる、請求
    項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 1またはそれ以上のDNA修飾または塩基誤対合またはアプリ
    ンまたはアピリミジン部位について、修復酵素を含有する組成物の修復能力を決
    定する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 修復酵素を含有する組成物を細胞または組織の試料から回
    収し、そして修復能力を使用して個々の腫瘍罹病性、個々の放射線感受性または
    遺伝毒性化学療法に対する個々の感受性または放射線または化学療法剤に対する
    腫瘍細胞の耐性を決定する、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 (a) 第一級または第二級アミノ基を担持する固相マト
    リックス、 (b) DNAの5'末端または3'末端においてまたは少なくとも1つのデオキシリ
    ボシル残基の2'位においてDNA分子の中に組込まれた第一級または第二級アミノ
    基を有するDNA分子、 (c) 可能ならばDNA修飾または塩基誤対合またはアプリンまたはアピリミジ
    ン部位またはアプリンまたはアピリミジン部位の誘導体に対する抗体または抗体
    フラグメント、 (d) 反応性スクエア酸誘導体、 を含んでなる、請求項1〜10のいずれかに記載の方法を実行するための試験キ
    ット。
  12. 【請求項12】 (a) 一本鎖または二本鎖DNA分子であって、DNAの5'末
    端または3'末端においてまたは少なくとも1つのデオキシリボシル残基の2'位に
    おいてDNA分子の中に組込まれた第一級または第二級アミノ基を介して、反応性
    スクエア酸誘導体との反応により第一級または第二級アミノ基を担持する固相マ
    トリックスに共有結合されており、前記DNA分子は修飾および/または塩基誤対
    合および/またはアプリンまたはアピリミジン部位を有することができ、かつ標
    識または基結合性標識を担持することができる前記DNA分子、 (b) 選択的に抗体または抗体フラグメントであって、DNA修飾または塩基誤
    対合またはアプリンまたはアピリミジン部位またはアプリンまたはアピリミジン
    部位の誘導体に対して特異的に向けられている前記抗体または抗体フラグメント
    、 を含んでなる、請求項1〜10のいずれかに記載の方法を実行するための試験キ
    ット。
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