JP2001510332A - アポトーシス細胞の検出試験 - Google Patents

アポトーシス細胞の検出試験

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アポトーシス細胞を選択的に標識するin situでのDNA断片のライゲーションを用いる新規な試験法を用いた、アポトーシス細胞の検出に関する。この試験法は、アポトーシス細胞およびアポトーシス細胞に存在する特定の生体分子を同時に検出するために、公知のin situ法と組み合わせて使用してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 アポトーシス細胞の検出試験 〔発明の分野〕 本発明は、一般には分子生物学および細胞生物学に関し、より詳細にはアポト ーシス、および生物学的サンプル中でアポトーシスを検出する方法に関する。 〔発明の背景〕 アポトーシスは、これにより多細胞生物が細胞を選択的に消滅させるプログラ ムされた細胞死のプロセスである。ネクローシスの用語は、アポトーシス以外の プロセスで死滅する細胞の形態学的変化を記述するために用いられる。アポトー シスは、核膜の内面への染色体の漸進的濃縮、隣接細胞との膜接触の喪失を伴う 細胞の収縮、および膜に結合した好酸性小球体(アポトーシス体)の形成を伴う 細胞の分断化を特徴とする。 アポトーシスを受けた細胞のDNAは、略180塩基対の倍数である多くの断片 に切断される。これらの断片は、アガロースゲル電気泳動後の特徴的な「梯子状 パターン」の形成として見ることができる。ネクローシス細胞のDNAはランダ ムに分解され、梯子状パターンを生じないので、この梯子状パターンは、アポト ーシス細胞死をネクローシス細胞死から区別するための生化学的マーカーとして 広く用いられている。梯子状パターンは、ヌクレオソーム間のリンカー領域内で の核DNA開裂の結果として生じるものである。二本鎖の開裂は、両DNA鎖に ある多くのニックから生じる。 アポトーシス細胞内で同定されたエンドヌクレアーゼは、その性質において、 一般に膵臓DNase Iに類似している。即ち、これらのエンドヌクレアーゼは以下 の特徴を共有している。 (i) DNase I開裂によって生じたDNA末端(5’-リン酸基および3’-ヒド コキシル基)は、アポトーシス核に見られるものと同じである。 (ii) DNase IをトランスフェクトしたCoS細胞は、アポトーシスで見ら れるのと同様の染色体変化を示す。 (iii) 染色体のDNase I開裂は、アポトーシス細胞から単離できるのと同じ 特徴的なヌクレオソームDNA断片を生じる。 DNase Iはアポトーシスを受けている細胞中で検出され、またDNase Iの組織 分布はアポトーシスにおける役割と一致しているが、アポトーシス細胞から部分 的に精製されたエンドヌクレアーゼはDNase Iとは異なることが示された。DNas e IIおよび他のエンドヌクレアーゼがアポトーシスに関与している証拠は殆どな い。 現在のところ、組織切片におけるアポトーシス細胞を検出するために、ターミ ナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)に媒介されたビオチン 化dUTPニック末端標識(TUNEL)法が使用されている。このTUNEL法はTdTを利用し て、3’-ヒドロキシル基を含むDNA断片の中に、ビオチン化デオキシウリジン ラベルを組み込む。この標識は、アビジン/ストレプトアビジンに基づく種々の 方法を用いて検出することができる。3’-ヒドロキシル基はアポトーシス細胞内 の二本鎖DNA断片中に存在するが、これはネクローシス細胞死を受けた細胞の DNA中にも存在する。従って、この方法は、ネクローシス細胞死とアポトーシ ス細胞死とを区別するために適切ではない。加えて、この方法は、3’-ヒドロキ シル基と他の生物学的関連物質、例えばRNAおよびタンパク質との同時検出を 可能にするものではない。 現在、当該技術分野において、アポトーシス細胞を特異的に検出する方法が必 要とされている。ネクローシス細胞を同時に検出せずに、アポトーシス細胞死を 特異的に検出することを可能にする方法は、現在のところ存在しない。ここで報 告する実験において、我々は、エンドヌクレアーゼ様DNase Iによって生じた特 徴的な二本鎖DNA断片が、アポトーシス細胞内においてin situで検出できる かどうかを決定した。 DNAがヒストンまたは他のクロマチンタンパク質に結合すると、それは、略 10-bp間隔、即ちDNA螺旋の1回転でDNAを切断できるエンドヌクレアーゼ の作用から、部分的に保護される。DNAの螺旋捻れにより、エンドヌクレアー ゼは二本の鎖にアクセスすることができ、付着末端ならびに幾つ かの平滑末端を生じる。こうして、ヌクレオソームに結合したDNAのDNase I 開裂によって、1塩基、2塩基または3塩基の3’-オーバーハングを伴った二本 鎖切断が生じる。 これとは対照的に、クロマチン中のDNAのDNase II開裂は、もっと長い平均 4塩基の3’-オーバーハングを生じる。 〔発明の概要〕 アポトーシス核において二本鎖DNA末端をin situで検出するために、我々 は、パラフィン包埋組織切片中の細胞核に存在するDNA末端にライゲートされ た、幾つかのタイプの二本鎖標識DNA断片を用いた。1塩基の3’-オーバーハ ングを検出するために、我々は、Taq DNAポリメラーゼによるポリメラーゼ連鎖 反応で合成された二本鎖DNA断片が、3’側で鋳型配列を越える1塩基延出部 を有するという事実を利用した。これは、本来的にはTaqポリメラーゼが二本鎖 DNAの3’-末端にデオキシアデノシンのみを付加することを示すものであった が、その後の研究によって、鋳型内で合成された最後の3’-ヌクレオシドがデオ キシシチジンである場合には、Taqポリメラーゼはデオキシアデノシンまたはデ オキシシチジンを追加し、平滑末端のDNAを残さないこと、従って、ランダム なDNA配列における多くの1塩基3’-オーバーハングの引っ込んだ5’-塩基に 対して、潜在的にライゲートさせることが可能な断片を与えることが明らかにな った。 ライゲーションプローブとして使用するためのDNA断片を調製する別の方法 は、ライゲートさせ得る末端を形成しているオリゴヌクレオチドを合成すること である。オリゴヌクレオチドリンカーの製造に通常用いられる方法において二つ の相補鎖を用いるのではなく、オリゴヌクレオチドの3’-末端順域が5’-末端の 領域に対して相補的であるように、一つのオリゴヌクレオチドを合成してもよい 。このオリゴヌクレオチドの相補的領域がアニールすると、ステムアンドループ をもったヘアピン構造が自然に形成される。 この形成されたステム構造は、適合性末端にライゲートされ得る二本鎖末端を 有している。相補性領域が最も外側の5’-末端および最も外側の3’-末端 を有していれば、形成されたステムは平滑末端である。この3’-末端および5’- 末端の何れか一方にヌクレオチドを追加し、他方に相補的なヌクレオチドを追加 しないことによって、オーバーハングを形成することができる。所望の末端に適 切な数のヌクレオチドを含めることによって、如何なる長さの3’オーバーハン グも、または5’-オーバーハングも形成することができる。更に、如何なる所望 の配列でも、オリゴヌクレオチドのオーバーハング部分に組み込むことができる 。 我々は、記載したライゲーション方法およびプローブを使用することにより、 アポトーシス核は、1塩基の3’-オーバーハングをもった標識DNA断片にライ ゲートできるDNA末端を有するが、ネクローシス組織または他の非アポトーシ スDNA損傷を有する組織における核はこのようなDNA末端を有していないこ とを決定した。更に、我々はアポトーシスに特徴的な末端を有するDNAが、平 滑末端のDNAプローブ並びに2塩基および3塩基の3’-オーバーハングを有す るプローブを用いて検出できることを見出した。 これとは対照的に、全ての形態のDNA損傷を有する核は、ターミナルデオキ シヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の基質である高濃度の3’-ヒドロ キシルDNA末端を有する。TdTは一本鎖DNAの3’塩基、並びに二本鎖DNA のオーバーハング末端、平滑末端および凹部末端の3’塩基を延長することがで きるので、TdTに基づく方法は、アポトーシス細胞をネクローシス細胞から区別 するのに適切ではない。対照的に、ライゲーションに基づく方法は、この極めて 望ましい目的を達成のに適している。 本発明は、組織切片において、アポトーシス細胞の存在を特異的に検出する方 法を提供する。本発明は、アポトーシス細胞の特徴を示すDNA断片を検出する 新規なライゲーション法を用いることによって、従来技術の制限を克服するもの である。 本発明の一つの側面には、組織切片においてアポトーシス細胞を検出する方法 が含まれる。この方法は、アポトーシス細胞の特徴であるオーバーハング末端を もった二本鎖DNA断片を標識する、新規なin situライゲーション法を使用す る。 本発明のもう一つの側面は、固相捕獲試験を使用して、定義された末端をもっ たDNA断片を検出および単離する方法を提供することである。 本発明のもう一つの側面には、ここに提示するライゲーション法をDNAブロ ットフォーマットに使用して、組織サンプルにおけるアポトーシス細胞の存在を 検出する方法が含まれる。DNAをサンプルから単離し、アガロースゲル電気泳 動を用いてサイズ毎に分画する。次いで、DNAを固相支持体に移し、当該ライ ゲーション法を用いてプロービングする。この方法は、現在利用可能な技術より も感度が良く、アポトーシス細胞が組織サンプルの小部分を形成するに過ぎない ときでも、少数のアポトーシス細胞の検出を可能にする。 本発明のもう一つの側面は、アポトーシスを受けている細胞において生物学的 に重要なマクロ分子の存在を検出する方法を提供することである。これらのマク ロ分子には、タンパク質およびRNAが含まれる。この方法は、アポトーシス細 胞の検出と、該アポトーシス細胞内における特定のマクロ分子の存在の検出とを 同時に達成することを可能にする。 本発明のもう一つの側面は、DNAを分析して、該DNAに対してヌクレアー ゼが作用したかどうかを決定し、もしヌクレアーゼが作用していたときには、如 何なるタイプのヌクレアーゼが該DNAに作用したかを決定するための方法を提 供することである。 本発明のもう一つの側面は、DNAに対するヌクレアーゼの作用によって生じ たDNA損傷と、該DNA損傷に関連した特定のRNA合成の性質を決定するこ とを可能にする方法を提供することである。 〔図面の簡単な説明〕 図1. ラット胸腺におけるアポトーシス細胞内の異なるタイプのDNA末端 の検出。 図2. 対照胸腺およびグルココルチコイド処理した胸腺において、異なるタ イプのDNA末端の存在によって検出された、アポトーシス細胞パターンの比較 。 図3. 三つの標識法を用いた、ウィルムス腫瘍のネクローシス細胞内におけ るDNA末端の検出。 図4. 種々の量のジゴキシゲニン標識DNAを用いた、スポットの相対的発 色。 図5. 二つの標識法による、過酸化水素処理した肝臓内でのDNA末端の検 出。 図6. 自己消化性ウシ副腎皮質組織内でのDNA末端の検出。 図7. 二つの標識法による、加熱組織切片内でのDNA末端の検出。 図8. ライゲーションに適した一つの末端を含むヘアピンオリゴヌクレオチ ドの図式的表現。 〔発明の詳細な説明〕 定義 この出願において、サンプルの用語は、DNAを含む如何なる生物学的材料を も意味するものである。サンプルの用語には、多細胞生物から単離された細胞、 細胞培養において増殖した細胞、正常組織、悪性組織、ネクローシス組織および 何れかの生物学的起源に由来する組織が含まれるが、これらに限定されるもので はない。生物学的起源には、植物起源および動物起源が含まれる。 この出願において、「アポトーシスの特徴的な末端を有するDNA」の語句は 、サンプル中に含まれるか、またはサンプルから得られるライゲート可能な一つ の末端を有する如何なるDNA分子をも意味するものである。アポトーシス細胞 のDNAは、そのDNAの末端がライゲート可能である点において、ネックロー シスまたは他の形態の細胞死を経た細胞のDNAから区別することができる。こ れとは対照的に、他の形態の細胞死を経た細胞のDNA末端はライゲート可能で はない。アポトーシスを受けた細胞のDNAに生じた末端には、ライゲート可能 な平滑末端、ライゲート可能な3’-オーバーハング末端およびライゲート可能な 5’-オーバーハング末端が含まれるが、これに限定されるものではない。好まし い実施例において、アポトーシスの 特徴的な末端を有するDNAは、オーバーハングが1〜3ヌクレオチド延出して いるライゲート可能な3’-末端であろう。 この出願において、「検出可能部分」の語句は、その存在または不存在を決定 できる如何なる化学構造をも意味するものである。この検出可能部分の存在また は不存在を決定するために使用できる方法には、放射線的方法、蛍光的方法およ び酵素活性に基づく方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。当業 者は、「検出可能部分」に、酵素、小分子、色素団、蛍光団、または放射線標識 された分子が含まれるが、これらに限定されないことを理解するであろう。小分 子には、ビオチン、ジゴキシゲニン、および臭素のような単一原子が含まれるが 、これらに限定されるものではない。好ましい実施例では、臭化デオキシウリジ ンの形態で臭素が使用されるであろう。放射線標識された分子には、放射性ヨウ 素のような単一原子、並びに大分子が含まれる。 この出願において、「検出可能部分を検出するための試薬」の語句は、検出可 能部分の存在または不存在を決定するために使用できる、如何なる化学薬品をも 意味するものである。「検出可能部分を検出するための試薬」の例には、酵素の ための発色性基質、酵素のための蛍光を生じる基質、酵素、および結合性分子に 結合した酵素が含まれるが、これらに限定されるものではない。結合性分子には 、アビジン、ストレプトアビジン、レクチン、プロテインA、プロテインG、抗 体および抗体断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、検出 可能部分を検出するための試薬には、補酵素(enzime cofactors)、ATP、緩衝 剤、放射能を検出するための蛍光体、コロイド金およびポリマー被覆磁性粒子の ような固体粒子も含まれる。典型的には、固体粒子は結合性分子に結合されるで あろう。好ましい実施例において、「検出可能部分を検出するための試薬」には 、酵素に結合した結合性分子が含まれるであろう。他の好ましい実施例において 、検出可能部分を検出するための試薬には、蛍光性分子に結合した結合性分子が 含まれるであろう。 本件出願において、「アポトーシス細胞のタンパク質」の語句は、アポトーシ スを受ける細胞によって発現される如何なるタンパク質またはタンパク 質断片をも意味するものである。これには、細胞内に位置するタンパク質、並び に細胞の表面に位置するタンパク質、または細胞により分泌されるタンパク質が 含まれる。 この出願において、「アポトーシス細胞のRNA」の語句は、アポトーシスを 受けている細胞内に存在する如何なるRNAをも意味するものである。これには 、アポトーシスの開始前に細胞内に存在するRNA分子、並びにアポトーシスの 間に産生されるRNAが含まれる。 この出願において、ヌクレオチドプローブとは、異なった核酸分子を検出する ために使用できる如何なる核酸分子、DNAまたはRNAをも意味するものであ る。 この出願において、「アポトーシスを受けた細胞のDNAに特異的にライゲー トする」とは、アポトーシスを受けていない細胞のDNAにライゲートされるよ りも、アポトーシスを受けた細胞のDNAの方にライゲートされ易いことを意味 する。 実施例 本発明は、以下の非限定的な例を参照することによって、より容易に理解され るであろう。一般的な方法 in situ ・ライゲーション用の二本鎖核酸断片の調製 以下の実施例では、本発明はDNAプローブ分子の点から記載される。本発明に おいては、RNAプローブ分子がDNAプローブ分子と等価であり、単にDNAリガーゼ 酵素の代わりにRNAリガーゼ酵素を利用することによって、本発明の方法及びキ ットで代用し得ることは、当業者には容易に理解できよう。それ故、本明細書、 特に請求の範囲で用いる「核酸」という語には、RNAとDNA分子の両者が含まれる 。 ブラスミドpBluescript-bSDIIと相補的なプライマー を用いて、226bpの二本鎖DNA断片を調製した。 我々はここに示したデータを得るために該配列を用いたが、60〜450bpの長さ の無関係な配列を用いても同様の結果が得られたので、用いる断片の実際の配列 は重要でない。Taqポリメラーゼを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって断 片を調製するために、我々は、100μLの50mM Tris-HCl,pH8.3、10mM KC l、1.5mM MgCl2、16.6μMジゴキシゲニン-11-dUTP(ベーリンガー・マンハイ ム)、16.6μM TTP、50μM dATP、50μM dCTP、50μM dGTP(他のヌクレオチ ドはシグマから)、100pmolの各プライマー、及び10pgのプラスミドを具備する反 応をセットアップする。これらの試薬の濃度は、多くの使用に対して適切である 。ある例では、プローブ中へのラベルの取り込みを増加することによって、反応 混合物からTTPを省くことによりアッセイの感度を増大することが望ましいかも しれない。反応混合物が80℃に加熱されたときに、各チューブにTaqポリメラー ゼ(2.5ユニット、ベーリンガー・マンハイム)を添加した。95℃で20秒、61℃ で20秒、及び74℃で120秒を35サイクル行い、最後のサイクルでは4〜10分の延長 した時間を用いた。同一のプロトコールであるが、200mM Tris-HCl pH8.8、10 0mM KCl、100mM硫酸アンモニウム、20mM MgSO4、1%Triton X-100、及び1 mg/mL BSAの組成を有する緩衝液を用いるプロトコールにより、クローニングさ れたPfuポリメラーゼ(ストラタジーン)を用いて断片を調製した。該反応の分 取試料のアガロースゲル電気泳動は、両酵素で単一の産物を示した。 断片を沈殿させるために、2.5μMになるように酢酸アンモニウムを添加し、 該溶液を10,000gで5分間遠心して、上清を2倍量のエタノールと混合し、25分 問遠心した。上清を捨て、70%のエタノールで、続いて100%のエタノールで沈 殿を洗浄した。20分間真空乾燥した後、沈殿を水に溶かして、ヘキスト色素3325 8蛍光によって濃度を測定した。別のプロトコールでは、PCR反応混合物をシリカ ガラスカラムを用いるカラム精製にかけた(High Pure、ベーリンガーマンハイ ム)。使用するまで、該断片を-20℃で保存した。 様々な態様において、DNAプローブ分子は、種々の検出部分(detectable moiety)を取り込み得る。これらの検出部分は、酵素、小分子、発色団、蛍光団 、又は放射性分子であり得る。小分子には、ビオチン、ジゴキシゲニン、及び臭 素のような単原子が含まれるが、これらに限定されない。好ましい態様では、臭 素は、臭化デオキシウリジンの形態で用いられる。放射性分子には、放射性ヨー ドのような単原子、及びより大きな分子が含まれることが理解されよう。 ヘアピンオリゴヌクレオチドの調製 我々は、ライゲーションをベースとした手法を用いて、DNA中の二本鎖の切断 を検出することができるオリゴヌクレオチドプローブをデザインした。これらの オリゴヌクレオチドは、3つの部分:1)自発的にアニールするオリゴヌクレオチ ド3’及び5’領域中の相補的な配列によって形成されるステム;2)検出部分が付 着し得るループ領域;及び、必要に応じて3)オリゴヌクレオチドの3’又は5’末 端の何れかに存在する1以上の対を成していないヌクレオチドからなるオーバー ハング部分を有する。これらのプローブは、アポトーシス細胞中の二本鎖の切断 を特異的且つ好感度で検出する。これらのプローブの分布は、アポトーシスに特 徴的なクロマチンの領域に限局しているのに対して、ターミナルトランスフェラ ーゼによって全ての利用可能な3’-DNA末端をラベルすると、ずっと広がったラ ベルが得られた。本明細書に開示した原理を用いると、検出すべき任意の二本鎖 DNAの末端に対して相補的な任意のタイプの3’又は5’オーバーハングを有する ヘアピンオリゴヌクレオチドプローブをデザインすることができる。 オーバーハング部分を除いて、オリゴヌクレオチドの実際の配列は、本発明の 機能には不可欠ではない。該オリゴヌクレオチドに不可欠な特徴は、適合するDN A末端に連結され得るステム構造を自発的に形成し、このようなDNA末端に連結し たときに検出可能であるということである。これらの特徴を有する配列の一例が 、図8、配列番号3に示されている。明記された二本鎖末端を有するヘアピンを 形成する10bpのステム領域を有するオリゴヌクレオチドをデザインした(図8)。 ステムの末端は、特徴的な構造を有している。図8に示した例では、特徴的な構 造は、一個の3’-Aオーバーハン グである。一個のTオーバーハングを有する組織切片上に存在する二本鎖切断部 の陥凹5’ホスフェートは、プローブ上の3’-Aオーバーハングに連結することが できる。該オリゴヌクレオチドは、5’ホスフェートを欠如しているので、該切 片の3’オーバーハングは、プローブ上の陥凹した5’-ヒドロキシルには連結し ない。この特徴により、プローブが一本鎖DNA断片の末端に存在する3’ヒドロキ シルに連結する可能性が回避される。該領域中で塩基の対合を起こさずに、検出 可能なラベルを収容するために、20ヌクレオチドのループをデザインした。ルー プのサイズは、僅か1塩基から所望の数の塩基まで変化させ得る。あるいは、完 全にループをなくして、一以上の非ヌクレオチド部分に置き換えてもよい。これ らの非ヌクレオチド部分には、塩基又は他の化学構造を持たない検出可能なラベ ルを取り込み得る糖残基が含まれ得る。 図8に例示したループは、ビオチン(B)でラベルされた5つのデオキシウリ ジン誘導体を含有する。ループ中の5つの場所で、オリゴヌクレオチドは、アミ ノ修飾因子でめるC6デオキシウリジン(グレンリサーチ、スターリング(Glen Re search,Sterling)、VA)を用いて合成した。オリゴヌクレオチドを合成した後、 ビオチンビスアミノヘキサノイルN-ヒドロキシスクイシンイミドエステル(グレ ンリサーチ)を用いる反応によって、検出部分であるビオチンをアミノ基に共有 結合した。合成及び合成後のビオチン化は、シンセティック・ジェネティックス 社(Synthetic Genetics Corp.San Diego,CA)によって行われた。あるいは、 予め形成されたビオチンラベルしたチミジン類縁体(グレンリサーチ)の置換に よって、ヘアピンを合成した。さらにヘアピンオリゴヌクレオチド中にヌクレオ チドの被連結能を阻害しない検出可能なラベルを取り込むという他の任意の手段 を用いてもよい。これには、C6デオキシウリジン以外のヌクレオチドを用いる共 有結合、及びオリゴヌクレオチド中への非ヌクレオチド部分の取り込みが含まれ るが、これらに限定されない。ステム及び何れのオーバーハング構造も崩壊され ない限り、いかなる形態の検出可能なラベルの取り込みも使用し得る。 ここに示した具体例では、検出可能なラベルとして、ビオチンを用いた。 当業者であれば、ビオチンの代わりに、従来用いられてきた他の検出可能なラベ ルを使用し得ることを容易に理解することができよう。ループ中の検出部分をヘ アピンのステムから離して置くことによって、巨大な検出部分がリガーゼによる プローブの切片への酵素的連結を妨害する可能性を回避でき、これによって、酵 素及び他のタンパク質のような巨大な検出部分を含む極めて多様な検出部分を使 用し得るようになる。 本例は、各オリゴヌクレオチド中での5つの検出可能なラベルの使用を示して いるが、当業者であれば、各オリゴヌクレオチド中に取り込まれるラベルの数を 変更し得ることは理解できよう。数を増加すれば、存在する各DNA末端に対して より大きなシグナルが見られるようになろう。これは、相対的に少ない数の連結 可能なDNA末端を含有しているサンプルでは望ましいかもしれない。逆に、各オ リゴヌクレオチド中に存在する検出可能なラベルの数を減らせば、各連結された DNA末端によって生じるシグナルは減少するであろう。当業者であれば、任意の 使用法及び組織源に対してシグナル/バックグラウンド比を至適化するために、 各オリゴヌクレオチド中に取り込むラベルの最適な数を経験的に決定することが 望ましいことを認めるであろう。 これらの実験では、平滑末端化された一個の3’-Aオーバーハング、及びラン ダム配列、二個のヌクレオチド3’オーバーハング(3’-NN)という3つの異なる タイプの末端を有するプローブを用いた。オリゴヌクレオチドの配列を修飾する ことによって、明らかに、3’又は5’オーバーハングの何れでも、より長いオー バーハングを作成し得るであろう。ヌクレアーゼによるDNA切断の検出のような 一定の末端を作出する幾つかの使用法では、一定の長さ及び配列のオーバーハン グが産生されるようにオリゴヌクレオチドを合成することが望ましいであろう。 テストされた3’-NNオリゴヌクレオチドのような他の例では、オーバーハングの 配列がランダム化された所定の長さのオーバーハングを有するオリゴヌクレオチ ドを形成してもよい。これによって、(4)nの異なる配列のオリゴヌクレオチドを 含有する混合物が得られるであろう(ここで、n=オーバーハング中のヌクレオチ ド数)。 例示した2塩基オーバーハングでは、オリゴヌクレオチド混合物は、16の異な るヌクレオチド配列を含有していた。該混合物は、オーバーハングの全ての可能 な場所に全ての可能な塩基を有するオリゴヌクレオチドを含有しているので、該 混合物は、全ての2塩基3’オーバーハングを検出した。このようなオリゴヌク レオチドの混合物の合成は、合成中、ランダム化したい場所に、全てのヌクレオ チドを含有する試薬混合物を用いることによって容易に達成し得る。あるいは、 各個別の配列を各別に合成した後、別個の配列を混合してもよい。後者の技術は 、全切断物のサブセットを検出するために、全ての場所に対して可能な全ての塩 基よりも少ない塩基を有するオリゴヌクレオチドを含有する混合物を形成するた めに使用し得る。本発明の他の態様では、オーバーハングの他の幾つかの場所を 一定に保ちながら、オーバーハング中の幾つかの場所をランダム化することも望 ましいかもしれない。 ある使用では、オリゴヌクレオチドプローブと必要な試薬をキットとしてパッ ケージングすることが望ましいかもしれない。該キットは、様々な末端を有する オリゴヌクレオチドを含有し得る。例えば、該キットは、オーバーハングが3’ 又は5’又は両者であり得る1、2、及び3塩基オーバーハングオリゴヌクレオチド に加えて、平滑末端化されたオリゴヌクレオチドを含有してもよい。オリゴヌク レオチドは、各々別個のオリゴヌクレオチドとして、又はオリゴヌクレオチドの 混合物として、提供し得る。該混合物は、一定の長さと種類(すなわち、3’又 は5’)のオーバーハングを含有する全てのオリゴヌクレオチドの混合物であり 得る。あるいは、混合物は、一定の長さと種類のオーバーハングを有する可能な オリゴヌクレオチドのうちの幾つかのみを含有してもよい。他の態様では、1以 上の長さ及び/又はタイプのオーバーハングを含有する混合物としてオリゴヌク レオチドを提供することも望ましいかもしれない。例えば、可能性としては、3 ’と5’両タイプの全ての2塩基オーバーハングを含有することがあり得;又は 、可能性としては、ある特定のタイプ(3’又は5’)の1、2、及び3塩基オーバ ーハングを含有することがあり得る。オリゴヌクレオチド混合物の内容は、目的 のDNA中に存在すると思われるDNA末端のタイプに依存して、変動し得る。 本発明のキットは、本明細書に示したDNA末端の分析方法を行うのに有用な試 薬も含有し得る。これらの試薬には、DNAリガーゼ酵素、緩衝液、並びにプロテ アーゼ及びグルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ等のシグナル発生酵素を含む他の 酵素が含まれ得る。本発明のキットに含まれ得る他の試薬には、シグナル発生酵 素の基質、検出部分を認識する抗体、及び検出部分の同定を可能とする他の試薬 が含まれる。 ラベルされたDNA断片の連結 T4DNAリガーゼを用いて、組織切片中のDNAに、in situでジゴキシゲニンラベ ルされたプローブ断片を連結した。以下のプロトコールにより、様々な組織(例 に記載されている)を用いた。調製直後のパラホルムアルデヒド又は緩衝化した ホルムアルデヒドの何れかで組織断片を固定し(同様の結果が得られる)、従来の 方法で脱水し、。パラフィンの中に置いた。パラフィンを除去するために、6μ mの切片をキシレンで処理し、段階的に濃度の異なるアルコール中で再水和せし めた。キシレン中で5分間サンプルをインキュベートした後、該キシレンを新し いキシレンと置換し、さらに5分の間隔でインキュベートすることによって、再 水和を行った。キシレンを除去して、100%エタノール中でサンプルを5分間イ ンキュベートした。続いて、該エタノールを除去し、新しい100%エタノールを 加えた。100%エタノール中で、さらに5分間サンプルをインキュベートした。 続いて、該エタノールを96%エタノールに置換して、該サンプルを30秒インキュ ベートした。次に、96%エタノールを80%エタノールに置換して、該サンプルを 30秒インキュベートした。続いて、80%エタノールを除去して、該サンプルを水 で洗浄した。 以下のプロトコールに従って、ジゴキシゲニンラベルした二本鎖DNA断片を含 む連結を行った。以下の操作は全て、室温(23℃)で行った。パラフィン処理した 切片をPBS中の50μg/mLプロテイナーゼKとともに30分間インキュベートした 後、水で完全にリンスした。50mM Tris-HCl,pH7.8、10mM MgCl2、10mM DTT、1mM ATP、25μg/mL BSA、15%ポリエチレングリコール(8000m.w.、 シグマ)と1μg/mLのジゴキシゲニンラベルし たDNA断片、及び25〜100ユニット/mLのDNA T4リガーゼ(ベーリンガーマンハ イム)の混合物を添加した(20μL/切片)。カバーガラスで切片を被覆して、1〜1 6時間、湿気のある箱の中に置いた。水で切片を完全に洗浄した後、ブロッキン グ溶液(ベーリンガーマンハイム)でプレブロックし、製造者の推奨に従って、 15分間再構成した。過剰なバックグラウンド染色が見られたら、内在性のアルカ リホスファターゼを不活化するために、70℃の湯を用いてさらに洗浄してもよい 。該ブロッキング溶液を除去し、ブロッキング緩衝液で100倍希釈したヒツジ抗 ジゴキシゲニンFab断片−アルカリホスファターゼ抱合体(ベーリンガーマンハ イム)を10分間加えた後、、各回10分間で2回、0.1M Tris-HCl,pH7.5、0.1 M NaClの中で洗浄した。発色させるために、続いて、製造者が推奨する溶液(0. 1M Tris,pH9.5;0.1M NaCl;167μg/mL 5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホ スフェート;330μg/mLニトロブルーテトラゾリウム)の中に切片を置いて、顕 微鏡下で、発色をモニターした。切片を水で洗浄することによって、反応を停止 させた。カウンター染色を行わずに、該濡れた切片の写真を撮った。 以下のプロトコールに従って、室温(23℃)でヘアピンオリゴヌクレオチドを 含む連結を行った。PBS中の25μg/mLプロテイナーゼK(オンコール(Oncor)、 ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、MD)とともに、切片を5分間インキュベート した。当業者であれば、異なる組織のシグナルとバックグラウンドを至適化する ために、インキュベーション時間を減少又は増加させ得ることを認識できよう。 次に、切片を水で完全にリンスした。50mM Tris-HCl,pH7.8、10mM MgCl2 、10mM DTT、1mM ATP、15%ポリエチレングリコール(8000m.w.、シグマ) と35μg/mLのヘアピンオリゴヌクレオチド、及び250ユニット/mLのDNA T 4リガーゼ(ベーリンガーマンハイム、インディアナポリス、IN)の混合物を添 加した(20μL/切片)。カバーガラスで切片を被覆して、16時間、湿気のある箱 の中に置いた。続いて、水を数回変えながら、該切片を2時間以上洗浄した。50 mM炭酸水素ナトリウム、15mM塩化ナトリウム、pH8.2の中に、4μg/mL フルオレセイン−アビジン抱合体(ベクターラボラトリーズ、バーリンゲーム (Burlingame)、CA)を45分間添加した。30分以上、同緩衝液中で切片を3回洗 浄した後、水で20分間洗浄した。 アガロースゲル上でサイズ分画した単離されたDNAに対して、連結反応を行っ てもよい。まず、任意の従来的手段、すなわち、毛細管作用、真空ブロッティン グ、又は電気ブロッティングによって、該DNAを固相支持体に転写する。次に、 固相支持体をブロックし、上述の連結反応を行う。末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)反応 従来のアポトーシス細胞同定法と比較するために、TdT反応を用いて、類似す る組織サンプルを分析した。利用可能なDNA3’-ヒドロキシルとTdTを反応させる ために、ビオチンではなくジゴキシゲニン又はテキサスレッドをラベルとして使 用し得るように、公表されている操作を用いた。ラベルとしてジゴキシゲニンを 用いた場合には、上記のリガーゼ混合物を添加する代わりに、湿気を帯びたイン キュベートの中で、30mM Tris-HCl,pH7.2、140mMカコジル酸ナトリウム 、1mM塩化コバルト、0.1mM DTT、50μmジゴキシゲニン-dUTP、及び300ユニ ット/mL TdT(プロメガ)を具備する混合物を(切片について20μL)、37℃で 1時間添加した。取り込まれたジゴキシゲニンの洗浄及び可視化は、上述の通り である。 ラベルとしてテキサスレッドを用いた場合には、湿気を帯びたインキュベート の中で、30mM Tris.HCl,pH7.2、140mMカコジル酸ナトリウム、0.1mM DTT 、8μMテキサスレッドX dUTP(モルキュラープローブス、ユージーン、OR) 、及び800ユニット/mLターミナルトランスフェラーゼ(ベーリンガーマンハイ ム)を具備する混合物を(切片について20μL)、37℃で1時間添加した。水で洗 浄した後(20分以上、2回交換)、DNA結合色素4,6-ジアミジノ-2-フェニルインド ール(DAPI)(1μg/mL)で切片をカウンター染色し、ベクターシールド(Vectash ield)(ベクターラボラトリーズ)に載せて、蛍光顕微鏡によって観察した。 組織 胸腺:アポトーシス細胞を多数含有する組織を調製するために、水中の 30%ジメチルスルフォキシドに溶かした6mg/kgデキサメタゾン(シグマ)をSD(S prague-Dawley)ラット(150g)の皮下に投与した。24時間後に動物を屠殺し、4% パラホルムアルデヒド中で胸腺を固定した。対照動物から胸腺を得て、同様に固 定した。パラホルムアルデヒドの中に入れて18時間後に、該組織断片を70%エタ ノール中に置き、100%エタノールまで段階的にアルコールを通して、一晩クロ ロホルム中に置いた後、パラフィン中に載置した。 壊死組織:多数の壊死細胞を有する切片を作成するために、5才の男性患者の ウィルムス腫瘍から得られた、このような腫瘍にしばしば見られるような広範な 領域が壊死した切片を用いた。 過酸化水素処理した肝臓:過酸化水素の投与によって、ランダムなDNAの損傷 を引き起こした。SDラットを麻酔し、数箇所の肝臓の表面付近に、100μLの30 %過酸化水素を投与した。20秒後、動物から肝臓を切り出し、残存する過酸化水 素を全て取り除くために、溶液を複数回交換しながら、4%のパラホルムアルデ ヒドの中で、過酸化水素処理した肝臓のセグメントを固定した。肝臓の遠位領域 から得た組織のセグメントを対照として固定した。次に、胸腺のところで記載し たように、組織に処理を施した。 腎臓:カプセルを差し込み、実質から離れるようにカプセルを緩めることによ って、腎臓に軽い外傷を与えた。これによって、24時間後に、外傷に近接した部 位にアポトシース細胞のゾーンができた。腎臓に軽い外傷を与えると、尿細管の 退化を伴って、上皮細胞のアポトーシスがもたらされる。 インビトロ自己分解用の組織:37℃のインキュベーター中の培地の中に、5m m断片のウシ副腎を16時間置いた。次に、胸腺のところで記載したように、それ らを固定し、処理を施した。 加熱した組織切片:対照ウシ副腎から得た切片のパラフィンを除去し、段階的 濃度のアルコールの中を通して再水和させ、0.01Mクエン酸ナトリウム、pH6.0 の中に置き、100℃で5分間加熱した。ジゴキシゲニンラベルしたDNAのナイロン上へのスポッティング 以前記載したように、様々な量のジゴキシゲニンラベルしたDNA(ラン ダムプライマー法によって合成、ベーリンガーマンハイム)をハイボンド-Nメ ンブレン(アマシャム)上に滴下した。該メンブレンに固定したジゴキシゲニン は、抗ジゴキシゲニン−アルカリフォスファターゼ抱合体を5000倍希釈して使用 した点を除いて、組織切片のところで上述したプロトコールと同じプロトコール を用いて検出した。 様々なオーバーハングを有するプローブ断片の調製 制限酵素の認識部位として機能するDNA配列を含むDNAテンプレートに対してPC Rを行う。標準的な手段によって、PCR産物を精製し、単離する。少量のジデオキ シヌクレオチドの存在下で、PCRを行う。これによって、ジデオキシヌクレオチ ドで終了する断片が得られる。これらの断片は3’ヒドロキシル基を含有せず、 標的DNA中に連結することができない。 次に、導入された部位を認識する制限酵素で、PCR産物を消化する。制限エン ドヌクレアーゼを用いた切断によって、切断部位に3’-OHが作られろ。このよう にして、切断された断片を標的DNA中に連結することができる。消化された断片 の末端の特性は、選択した制限酵素によって決定されるであろう。DNAテンプレ ート中に、適切に間隔をあけた2つの同一の認識部位を取り込むことによって、 所定の末端を有する断片を作成することができる。あるいは、相補的な領域及び オーバーハング領域を有する2つのオリゴヌクレオチドを合成することもできる 。該オリゴヌクレオチドは、標準的な手法によって、アニールすることができる 。制限酵素認識部位に関する情報、適切な消化条件及び生じた末端の特性は、サ ンブルックらの分子クローニング:ラボラトリーマニュアル第二版、コールドス プリングハーバー出版(本明細書に参照文献として特に取り込まれる)のような 標準的なテキストを参照することによって、当業者であれば、容易に得ることが できよう。 存在する末端のタイプを決定するためのDNA分祈 様々なヌクレアーゼ酵素によって作られる末端が、以前に決定されている。DN Aサンプル中に存在する末端のタイプを決定することによって、DNAに作用したヌ クレアーゼ酵素に関する情報を得ることが可能となる。あるサンプル中のDNAが 、ヌクレアーゼによる作用を受けたかどうかを決定するた めに、様々な核酸断片でDNAをプローブする。。プローブとして用いた各核酸断 片は、特定のタイプのヌクレアーゼによって作られた末端に連結し得る末端を有 するであろう。何れの断片がDNAサンプルに連結し得るかを決定することによっ て、どのヌクレアーゼが、サンプルに作用したかを決定することができる。この プロセスは、サンプルをアリコットに分け、各アリコットを異なる断片でプロー ブすることによって行い得る。あるいは、複数の断片を同一のサンプルに対して 同時にテストしてもよい。本ケースでは、異なる検出部分を取り込むことによっ て、断片を互いに区別し得る。これらの検出部分は、酵素、小分子、発色団、蛍 光団、又は放射性分子であり得る。当業者であれば、各部分を同時に検出できる ように、適切な検出部分を容易に選択できるであろう。 好ましい態様では、DNA又はRNA又は両者の混合物の何れかである、多数の二本 鎖核酸プローブ分子を固相支持体の様々な領域に固定することができる。適切な リガーゼ酵素及び補因子(金属イオン、ATP、緩衝液等)の存在下で、1以上の ヌクレアーゼの作用によって作り出された末端を含有すると思われるDNAサンプ ルを固定された核酸プローブ分子と接触させてもよい。 約10〜37℃の適温で、約30分〜16時間の適切な時間、該DNAサンプルを核酸プ ローブ分子とインキュベートする。インキュベーション後、該固相支持体を洗浄 して、連結されなかったDNAを全て除去し、プローブ分子に連結されたDNAの存在 を検出する。 別の態様では、例えばUV処理のような本分野で知られている任意の手段を用い て、1以上のヌクレアーゼ酵素の作用によって作り出された末端を含有すると思 われるDNAのアリコットを固相支持体に固定し得る。続いて、DNA、RNA又は両者 の混合物である1以上の核酸プローブ分子、及び適切なリガーゼ酵素を含有する 溶液に、該固定されたDNAを接触させることができる。検出部分を含有するプロ ーブ分子を選択する。検出部分は、他の核酸プローブ分子上に存在する検出部分 の存在下で各部分が検出されるように、理想的には全ての部分が同時に検出され るように選択する。 アリコット中に存在するDNA末端にプローブ分子が連結できるように適切な時 間をおいた後、該固相支持体を洗浄し、核酸プローブ分子の存在を検出し得る。 核酸プローブ分子の検出は、本分野で知られている方法を用いて行う。例えば 、核酸プローブ分子には、直接検出できる検出部分を取り込ませ得る。本態様で は、検出部分は、発色団、蛍光団、又は酵素であり得る。 別の態様では、核酸プローブ分子には、結合部分及びシグナル部分を有する分 子を具備する試薬が結合し得る検出部分が含まれるであろう。適切な結合部分の 例には、アビジン、ストレプトアビジン、抗体、及び抗体断片が含まれるが、こ れらに限定されない。好ましい態様には、核酸プローブ分子中に取り込まれた臭 素原子である検出部分、及び抗臭素抗体を具備する結合部分が含まれる。他の好 ましい態様には、ビオチン又はビオチン類縁体である検出部分、及びアビジン又 はストレプトアビジンを具備する結合部分が含まれる。他の好ましい態様は、検 出部分としてジゴキシゲニン、及び抗ジゴキシゲニン抗体又は抗体断片を具備す る結合部分を利用する。 検出部分に結合する分子を具備する試薬を利用する態様では、分子は、試薬の 存在の検出を可能とするシグナル部分を具備してもよい。例えば、試薬は、検出 部分に結合する結合部分を有する分子を具備してもよく、分子は、さらに分子の 検出を可能とするシグナル部分を具備してもよい。シグナル部分の例には、酵素 、発色団、蛍光団、及び放射性ラベルした物質が含まれる。このように、分子は 、シグナル部分に共有結合した結合部分を具備し得る。例として、ルシフェラー ゼ、ペルオキシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、及びホスファタ ーゼのような酵素に共有結合したアビジン又はストレプトアビジンが含まれるが 、これらに限定されない。好ましい態様は、西洋ワサビベルオキシダーゼに共有 結合したストレプトアビジンの使用である。他の好ましい例には、酵素に直接結 合した抗体が含まれる。当業者であれば、イリノイ州ロックフォードのピアース ケミカル社から発売されているような様々なカップリング試薬を用いてこのよう なカップリングをなし得ることに気づくであろう。例には、酵素に結合された抗 臭素抗体が含まれる。 好ましい例には、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合された抗臭素抗体が含まれ る。 本発明の幾つかの態様では、検出部分の検出は、検出部分に結合する第1の部 分を具備する試薬に、該検出部分を接触させた後、続いて第1の分子に結合する 第2の分子を具備する試薬を適用することによって達成される。例えば、検出分 子が臭素の場合には、抗臭素抗体又は抗体断片を具備する試薬にサンプルを接触 させ得る。次に、抗臭素抗体又は抗体断片に結合する第2の分子を具備する試薬 に、サンプルを接触させ得る。例には、プロテインA、レクチン、及びシグナル 部分に連結された抗臭素抗体に結合する抗体を具備する試薬が含まれるが、これ らに限定されない。第2の分子は、シグナル部分を含有し得る。シグナル部分は 、酵素、発色団、蛍光団、又は放射性ラベルされた物質を含有し得る。このよう な第2の分子の調製及び利用は、当業者に周知である。(例えば、サンブルック らの18章を参照)他の例には、検出部分としてビオチン又はビオチン類縁体、第 1の分子としてストレプトアビジン又はアビジン、第2の分子としてシグナル部 分に連結された抗ストレプトアビジン又は抗アビジン抗体又は抗体断片を使用す ることが含まれる。他の好ましい態様では、検出却分としてジゴキシゲニン、第 1の分子として抗ジゴキシゲニン抗体、及び第2の分子としてシグナル部分に連 結された抗ジゴキシゲニン抗体に対して誘導された抗体を利用する。 検出部分を結合する第1の結合分子、及び第1の分子を結合する第2の分子を 利用する態様では、第2の分子はシグナル部分を含有してもよい。シグナル部分 は、本分野で公知の任意のシグナル部分であり得る。本発明のシグナル部分は、 発色団、蛍光団、酵素、及び放射性ラベルされた物質を含有し得るが、これらに 限定されない。シグナル部分が、発色団又は蛍光団の場合には、シグナル部分の 存在は、視覚的に、又は光学密度を測定する装置の使用によって検出し得る。光 学密度リーダーを利用する場合には、発色団が吸収する波長で、又は蛍光団の励 起及び発光が起こる波長で透明な固相支持体上又は固相支持体中にサンプルを置 くことが望ましいと思われる。該方法は、特定のヌクレアーゼによって作られた 末端の存在を定量するのに有用 であり得る。透明な固相支持体には、透明なテストストリップ、及び微量定量プ レートが含まれるが、これらに限定されない。 シグナル部分が酵素の場合には、該方法には、酵素に基質を加えるステップが 含まれる。該基質は、第2の分子を具備する試薬の一部として提供し得る。ある いは、第2の分子を具備する試薬の後に、基質を与えてもよい。酵素を基質と反 応させる場合には、測定可能な変化が起こらなければならない。例えば、酵素は 、無色の基質分子を色の付いた産物分子に変化させ得る。あるいは、色の付いた 基質分子を無色の産物分子に変えてもよい。幾つかの例では、酵素反応の産物の 1つは、光のフォトンであり得る。これらの例では、生じた光のフォトンの量を 測定することが可能である。利用可能な酵素及び適切な基質及び定量法は、当業 者に周知である。 例 1 アポトーシス細胞における、1塩基3’-オーバーハング、並びに 平滑末端DNAおよび遊離3’-ヒドロキシ基を有する 高濃度の二本鎖DNAの検出 一般的方法の項で説明したようにして、ラットの胸腺を固定し、三つの標識法 によって処理した。図1は、(a)15分のアルカリホスファターゼ発色を用いた 、Taqポリメラーゼにより調製された1塩基3’-オーバーハング二本鎖DNA断 片のライゲーション;(b)15分のアルカリホスファターゼ発色を用いた、Pfuポ リメラーゼにより調製された平滑末端DNA断片のライゲーション;(c)7分の アルカリホスファターゼ発色を用いた、TdTでの3’-ヒドロキシル基の延長、か ら生じた反応生成物を示している。a’、b’およびc’は、6倍長い時間(夫々9 2分および42分)のアルカリホスファターゼ発色を使用した三つの標識法の反応 生成物である。 多くのアポトーシス細胞を含む組織を得るために、我々は当初、グルココルチ コイド投与後24時間のラット胸腺、即ち、以前の研究により充分に確立されたア ポトーシスモデルを使用した。しかし、約1%の胸腺細胞が出生の地の動物の細 胞死の特徴を示すという観察に一致して、対照ラット胸腺も また、少数ではあるが有用な数のアポトーシス細胞を有していた。対照胸腺組織 切片は、グルココルチコイド処理胸腺に見られる幾つかの萎縮に影響されなかっ たので、我々は、対照胸腺における萎縮細胞をDNA末端の研究の標準として使 用したが、比較のために、デキサメタゾン処理動物由来の胸腺中での結果も示す 。 同じ濃度の断片を使用し、またリガーゼとの同じインキュベーション時間を使 用して、連続的な6μm切片を、1塩基3’-オーバーハングDNA断片および平 滑末端DNA断片で標識した。また、連続的な切片をTdTでも標識した。全ての 場合に、リガーゼまたはTdTの作用によって当該切片に固定されたジゴキシゲニ ンが、抗ジゴキシゲニン/アルカリホスファターゼ複合体を用いて検出された。 我々は、アポトーシス細胞の可視化を正に可能にするアルカリホスファターゼ反 応における、発色時間の長さを評価した。TdTの場合には7分の反応時間および リガーゼについては15分の反応時間(3’-オーバーハングDNA断片または平滑 末端DNA断片の何れかを用いる)が、胸腺切片中のアポトーシス細胞をラベル するためには充分である。6倍長い発色時間を用いたときは、全ての三つの技術 を用いて同じ数の核が標識され、非常に少ないバックグラウンド染色しかなかっ た。 例 2 対照胸腺およびグルココルチコイド処理した胸腺において、 異なったタイプのDNA末端の存在によって検出される、 アポトーシス細胞のパターンの比較 我々は、対照胸腺およびグルココルチコイド処理胸腺の両者において、3’-オ ーバーハング断片のライゲーションによる細胞の標識と、TdTを用いたアクセス 可能な3’-ヒドロキシ基の反応による細胞の標識とを比較した(図2)。対照動物 およびグルココルチコイド処理動物の胸腺皮質において、両方法によって染色さ れた細胞の数およびパターンは、対照動物およびグルココルチコイド投与の24時 間後の動物において先に報告されたアポトーシス細胞の数およびパターンと一致 した。 対照ラットからの胸腺(a,b)およびグルココルチコイド処理ラットが らのラット(c,d)を、例1に記載したようにして固定および処置した。図2 は、(a,c)Taqポリメラーゼ断片のライゲーション、15分のアルカリホスフ ァターゼ反応;(b,d)TdT反応、7分のアルカリホスファターゼ反応による反 応生成物を夫々示している。 例 3 ウィルムス腫瘍のネクローシス細胞内における、 三つの標識法による、DNA末端の検出。 アポトーシス細胞およびネクローシス細胞において、1塩基3’-オーバーハン グ、平滑末端、および全てのアクセス可能な3’-ヒドロキシル基の発生を比較す るために、我々は、アポトーシス組織およびネクローシス組織の両方の同時染色 を行った。使用した方法は、例1に記載した通りであった。 大面積のネクローシスを含むウィルムス腫瘍の切片を、多くのネクローシス細 胞を含む組織の基準として使用した。この異種組織内の種々の領域に対する異な った方法の反応の比較を可能にするために、連続的な切片を使用した。胸腺にお けるアポトーシス細胞の検出で使用したように、二つの異なった時点、即ち、ア ポトーシス細胞を可視化するために充分な時間(7分または15分)および6倍長 い時間で、染色反応で行った。これらの時間が適切であることを保証するために 、ラット胸腺の切片をネクローシス組織と一緒にスライド上に載せ、同じ標識溶 液中で処理した。 一連の切片を使用して、同じ領域が三つの標識法により示され、図3に提示さ れた。図3aおよび3dは、3’-オーバーハングTaqポリメラーゼ断片、15分の アルカリホスファターゼ反応を示し;図3bおよび3eは、平滑末端Pfuポリメ ラーゼ断片のライゲーション、15分のアルカリホスファターゼ反応を示し;図3 cおよび3fは、TdT反応、7分のアルカリホスファターゼ反応を示している。a ’、b’、c’、d’、e’およびf’は、アルカリホスファターゼとの6倍長い時 間(夫々92分および42分)を用いた三つの標識法の反応生成物である。 検体のネクローシス領域において、TdT反応は、7分のアルカリホスファター ゼはっショックで強い標識を生じた(図3cおよび3f)。純粋なネク ローシス領域(図3a〜c)において、3’-オーバーハング断片および平滑末端 断片の両者のライゲーションは、アポトーシス細胞の可視化に必要とされるより 6倍も長い発色でさえも、非常に少しの染色しか生じなかった。或る組織構造が 保存された腫瘍の隣接領域において(図3d〜f)、TdTでの核の広範な染色が再 度観察された。平滑末端断片の場合は、6倍の過剰発色反応で核の異なった標識 も観察されたが、3’-オーバーハング断片では殆ど全く観察されなかった。 3’-オーバーハング断片がネクローシス領域で信号を生じず(図3a)、アポト ーシス領域(図3d)では強い信号を発生した(図3d)という事実は、1塩基 の3’-オーバーハングがアポトーシス細胞に特異的であるとの結論を導く。 例 4 種々の量のジゴキシゲニン標識DNAを用いたスポットの相対的発色 指示された量のジゴキシゲニン標識DNAを、方法の項で説明したようにして ナイロン膜上にスポットし、次いで、ジゴキシゲニンの検出のためにアルカリホ スファターゼ反応により処理した。15分および90分での発色の程度が示されてい る。 アポトーシス組織v.s.ネクローシス組織において、1塩基の3’-オーバーハン グの相対的な量の見積りを与えるために、ナイロン上のジゴキシゲニン標識DN Aの一連のスポットを、組織切片について使用した2倍の同じ量を使用して、ア ルカリホスファターゼ発色によって染色した(図4)。この実験は、90分v.s.15分 の発色が、殆ど100倍未満のジゴキシゲニンの可視化を可能にすることを示した 。胸腺におけるアポトーシス核は、15分の発色を用いた3’-オーバーハング断片 のライゲーションによって容易に検出されるが、ネクローシス組織における核は 、90分の発色では殆ど染色されず、アポトーシス核は、ネクローシス核の少なく とも100倍以上の1塩基3’-オーバーハングを有すると結論することができる。 例 5 DNA損傷を伴う細胞における3’-オーバーハングの試験 この方法の特異性を試験するために、我々は3’-オーバーハングDNA断片に ライゲートできるDNA末端が、in vivoで生じるかも知れない他のタイプのD NA損傷(例えば、酸素遊離ラジカルDNA鎖破断)、または死後自己消化、もし くはDNAを損傷するin vitro処置(例えば、抗原回復処置に用いられる加熱) によるDNA損傷を伴った細胞内に存在するかどうかを試験した。これを評価す るために、二つの標識法によって、過酸化水素で処理した肝臓内のDNA末端の 検出を行った。 使用した方法は、例1に記載した通りである。図5は、(a)Taqポリメラー ゼ断片のライゲーション、90分のアルカリホスファターゼ反応;(b)TdT反応、4 2分のアルカリホスファターゼ反応、を使用した一連の切片を示している。 酸素ラジカルによる迅速な損傷を与えるために、アポトーシス細胞死が起きな いような短時間で、過酸化水素を麻酔したラットの肝臓に注射し、20秒後に肝臓 の切片を固定した。この組織は、TdTがアクセス可能な3’-末端を伴う多くの核 領域を示したが、3’-オーバーハングは示さなかった(図5)。 例 6 自己消化ウシ副腎皮質組織内におけるDNA末端の検出 使用した方法は、一般的方法の項に記載した通りである。一連の切片を使用し 、同じ領域を三つの標識法によって示す。図6は、(a)Taqポリメラーゼ断片 のライゲーション、15分のアルカリホスファターゼ反応;(b)Pfuポリメラーゼ 断片のライゲーション、15分のアルカリホスファターゼ反応;(c)TdT反応、 7分のアルカリホスファターゼ反応を夫々示している。a’、b’およびc’は、 アルカリホスファターゼによる6倍長い反応(夫々90分および42分)を使用した 三つの標識法の反応生成物である。 培地中において37℃で16時間インキュベートしたウシ副腎皮質断片の中央に、 自己消化が生じた。再度、ラット胸腺内でのアポトーシス細胞の検出に適したア ルカリホスファターゼ発色の倍数を使用したところ、細胞は、3’-オーバーハン グ断片のライゲーションによって染色されずに、平滑末端断片ライゲーションで 軽く染色され、3’-末端のTdT延出によって顕著に染色さ れた(図6a〜c)。6倍の過剰発色反応では、3’-オーバーハングライゲーショ ンを伴う切片において軽い染色が見られた一方、平滑末端断片およびTdTでの染 色はもっと強かった。 例 7 加熱した組織切片内での二つの標識法によるDNA末端の検出 ウシ副腎の切片を、方法の項で説明したようにして処理した。図7は、(a) Taqポリメラーゼ断片、15分のアルカリホスファターゼ反応;(b)TdT反応、7分 のアルカリホスファターゼ反応を使用した一連の切片を示している。 熱の影響を試験する耐えに、対照ウシ副腎の6μmの切片を100℃で5分間加 熱し、続いて、3’-オーバーハング断片のライゲーションまたはアクセス可能な 3’-末端の検出を行った(図7)。3’-オーバーハングのライゲーションを伴う切 片において幾つかの非特異的染色が認められたが、核は染色されなかった。対照 的に、加熱切片においては核のTdT標識がかなりの程度見られた。 例 8 組織サンプルにおけるアポトーシス細胞の存在の検出 サンプル中に存在するDNAを、標準的な方法(Sambrook et al.を参照のこ と)に従って単離する。このDNAを、アガロース上でサイズ分画し、次いで固 相支持体に移す。この固相支持体は、一般的には膜の形態である。該膜は、例え ばナイロン、PVDFまたはニトロセルロースのような、通常利用される如何なる材 料で構成されていてもよい。転写は、通常利用される如何なる方法で行ってもよ い。これらの方法には、毛管作用、真空ブロッティングおよび電気ブロッティン グが含まれる。 団を固相支持体に転写した後に、該固相支持体は公知のブロック溶液を使用し てブロックされる。ブロッキングに続いて、この固相支持体を、標的DNAに特 異的なDNAプローブ分子、DNAリガーゼ酵素および必要な共因子を含有する 溶液に接触させる。該リガーゼ反応は、約4℃〜約37℃の温度で行えばよい。好 ましくは、このライゲーション反応は約10℃〜約37℃ の温度、最も好ましくは約15℃〜約37℃の温度で行えばよい。当業者は、ライゲ ーション反応のプロセスの間、固相支持体が完全に乾燥するのを防止する必要が あることを容易に理解するであろう。これを達成するためには、例えば、密封さ れたプラスチックバッグ若しくはローラボトルまたは当業者に公知の通常使用さ れる装置のような密封容器の中で、ライゲーション反応を行えばよい。ライゲー ション反応を完了した後に、上記のようにして固相支持体を洗浄し、DNAプロ ーブ分子を検出する。 例 9 同一のアポトーシス細胞における 3 ’オーバーハングとタンパク質の同時検出 本発明は、以下のことを同時に検出することが可能である: 1)アポトーシス細胞のDNA分子特性;及び 2)同一のアポトーシス細胞において発現されるタンパク質分子。 これにより、アポトーシスを受ける細胞におけるタンパク質発現の特徴を示す ことが可能になる。上述の通り、組織サンプルを固定し、パラフィン中に包埋す る。続いて、上述の通りに濃度勾配アルコールに通し、該サンプルを脱パラフィ ンし、且つ再水化する。基本プロトコールにおいて記述したプロテイナーゼKの ステップは削除する。その代わりに、該サンプルを緩衝液中に位置し、加熱する 。該サンプルは、シールされた容器内に位置し、更にシールされた容器を沸騰水 に入れることにより加熱すること、或いはその代わりに、緩衝液中に該サンプル を位置し、更に該緩衝溶液を高周波オーブンで加熱することにより加熱すること が可能である。該サンプルは、70℃よりも高い温度にまで加熱し、その温度を少 なくとも15分間維持する。使用する緩衝液は、一般的に入手可能な何れの緩衝液 でもよい。好ましい態様において、該緩衝液はpH6の0.01Mのクエン酸塩溶液 である。 加熱後、該サンプルを冷却し、DNAプローブと、DNAリガーゼ酵素と、該リガー ゼ反応の進行に必須の補因子と、更に問題のタンパク質に特異的な抗体とを含有 する溶液に接触させる。標準的な方法を用いて該抗体を検出し、上述の通りに該 DNAプローブ分子を検出する。同一細胞における該抗体 及び該DNA分子の存在により、該抗体が特異的に結合するタンパク質が、アポト ーシス細胞に存在することが示される。 好ましい態様において、加熱後、第1の抗体を該サンプルに適用し、適切な時 間(例えば、約5分間から約48分間)に亘って、適切な温度(例えば、約4℃ から約37℃)でインキュベートすることが可能である。適切な時間と温度の選択 は、該抗体−タンパク質相互作用の性質に依存するものであり、このことは当業 者には明らかである。 次に、該サンプルをpH7.5の0.1M Tris-NaClを用いて、10分間ずつ、2度洗 浄する。次に、該サンプルを、検出可能なモイエティと複合する第2の抗体とを 含有する溶液に接触させる。種々の態様において、検出可能なモイエティは、酵 素、小型分子、フルオロフォア(fluorophore)、クロモフォア、又は放射能で標 識した分子であってもよい。好ましい態様では、該酵素はアルカリホスファター ゼであろう。 該サンプルを、該第2の抗体と、適切な時間(例えば、約5分間から約24分間 )で、且つ適切な温度(例えば、約4℃から37℃)でインキュベートする。好ま しい態様において、該第2の抗体を、該サンプルと室温で30分間インキュベート する。続いて、該サンプルをpH7.5のTris-NaCl等の緩衝溶液中で洗浄する。該 検出可能なモイエティが酵素である場合には、該サンプルを、検出用試薬を含有 する溶液と接触する。該検出用試薬は、一般的に、該第2の抗体と複合した該酵 素の基質として働く分子であってもよい。該酵素の反応産物及び検出用試薬は検 出可能である。該酵素がアルカリホスファターゼ又はセイヨウワサビペルオキシ ダーゼである場合には、該反応産物はクロモフォアであってもよい。該酵素がル シフェラーゼである場合には、該反応産物はライトフォトンであってもよい。当 業者に公知の他の酵素を、検出可能なモイエティとして使用することも可能であ る。そのような酵素は当業者に公知であり、本発明の意図から逸脱せずに代用す ることが可能である。その代わりの態様[ここで、該検出可能なモイエティは、 直接的に該第1の抗体に結合する]は、本発明の範囲内である。 第1の抗体の存在を検出した後に、該リガーゼ反応及びDNAプローブ 分子の検出を上述の通り行う。は、蛍光色素で標識されてもよく、該抗体分子は 、異なる蛍光色素で標識されてもよい。該色素は、それらにより同時検出が可能 となるように選択してもよい。該DNAプローブと該抗体分子とを含有する溶液は 、任意に、ブロッキング剤を含有してもよい。ブロッキング剤として使用される ブロッキング剤は、BSA、乾燥ミルク、洗剤等を含む。該反応が完了した後で、 該組織サンプルを緩衝溶液で洗浄し、蛍光顕微鏡下で検査する。1以上のタンパ ク質分子を同時に検出することが可能である。これは、問題の各タンパク質に特 異的な抗体を使用することにより達成され、同時に視覚化可能な蛍光色素の数に よってのみ制限される。 例 10 3 ’オーバーハング及びRNA分子の同時検出 本願は、アポトーシスを受ける細胞におけるRNA分子の検出を可能にする。組 織サンプルを、上述の通りにライゲーション用に調製する。該サンプルを、問題 のRNA分子の配列に相補的なオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。ハイブ リダイゼーションの厳密な条件は、問題の配列と該オリゴヌクレオチドプローブ の長さとに依存する。ハイブリダイゼーション条件を選択するための適切な方法 論は、サンブロックら(Sambrook,et al)の文献に含まれる。ハイブリダイゼーシ ョンは、略室温から約74℃までの温度で、約15分から48時間までの期間で処理す ることが可能である。好ましくは、ハイブリダイゼーションは、約4時間から約 16時間の期間で、約40℃から約65℃までの温度で処理することが可能である。ハ イブリダイゼーションの後で、該サンプルを洗浄することも可能である。洗浄条 件のストリンジェンシー、即ち、イオン強度と温度は、該プローブの長さと該プ ローブのヌクレオチド配列とに応じて調整される。適切な時間に亘る洗浄の後に 、3’オーバーハングに対してライゲーションされ得るDNA分子と、DNAライゲー ション酵素と、更に適切な補因子を含有する溶液に対して、該サンプルを接触さ せる。ライゲーション反応を室温で約1時間行う。次に、該サンプルを洗浄し、 該オリゴヌクレオチドと該DNA分子の存在を検出する。同一細胞におけるオリゴ ヌクレオチド及びDNA分子の存在は、 問題のRNA分子がアポトーシス細胞において存在することを示す。 上記のアッセイは、多様な方法において構成され得る。使用されるオリゴヌク レオチドは、RNA分子であっても、又はDNA分子であってもよい。検出可能 なモイエティは、該オリゴヌクレオチドに組み込まれていてもよい。これらのモ イエティは、酵素、小型分子、クロモフォア類、フルオロフォア類又は放射能標 識された分子であってもよい。好ましい態様では、該検出可能なモイエティはFI TCである。当業者に公知の他のフルオロフォア類も本願の範囲内である。 検出可能なモイエティは、ライゲーションされるべきDNA分子に組み込むこと が可能である。例えば、検出可能な分子は、酵素、小型分子、フルオロフォア類 、クロモフォア類、又は放射能で標識された分子であってもよい。好ましい態様 において、ライゲーションされるべきオリゴヌクレオチド及びDNA分子は、共に 、フルオロフォア類を組み込む。この態様において、該オリゴヌクレオチドに組 み込まれたフルオロフォアは、該DNAに組み込まれたフルオロフォアが発する蛍 光とは、異なる波長の蛍光を発する。これにより、オリゴヌクレオチドとDNA分 子の同時検出が可能になる。アポトーシス細胞のDNAにおける3’オーバーハング に対してライゲーションされるDNA分子は、ビオチン、ブロミン又はジゴキシゲ ニン等の小型分子を含有できる。該小型分子がビオチン、又は抗ジゴキシゲンン 抗体若しくは抗体断片である場合には、ライゲーションの後で、該サンプルを、 アビジン又はストレプトアビジン等の小型分子と結合する分子に接触させる。該 小型分子に結合する分子は、検出可能なモイエティと複合する。該検出可能なモ イエティは、酵素、フルオロフォア、クロモフォア又は放射能で標識された分子 であってもよい。 例 11 固体支持体捕獲アッセイ 本発明を使用し、定義されたオーバーハング末端を有するDNA標的分子を検出 及び/又は単離することが可能である。これは、定義された末端を有する核酸プ ローブ分子を、固体支持体に結合することにより達成される。 該固体支持体は、膜類、マイクロタイタープレート類、アガロースビーズ類、合 成樹脂製ビーズ類(しかし、これらに限定されるものではない)及び当業者に公 知の他の固体支持体等を含み、当業者に公知の何れの固体支持体であってもよい 。好ましい態様では、該固体支持体は合成樹脂でコートされた常磁性粒子でめる 。本態様は、該ビーズを反応溶液から容易に分離することを可能にする。 該固体支持体に結合した核酸プローブ分子は、捕獲断片と称される。該捕獲断 片は、DNA標的分子の定義されたオーバーハング末端に対して相補的な末端を有 するように選択される。該断片は、当業者に公知の何れの手段を用いて製造され てもよい。例えば、該断片は、大きいDNA分子に対して所望するオーバーハング 末端を生ずるようなヌクレアーゼを処理することにより、該大きいDNA分子から 製造することが可能である。次に、当業者に公知の何れかの方法論を使用し、所 望するオーバーハング末端を有するDNA断片を単離し、続いて該固体支持体に固 定する。例えば、該固体支持体は、捕獲断片に存在する官能基と反応することが 可能な反応官能性を提供されてもよい。或いは、捕獲断片を、該固体支持体と反 応可能な反応官能性を具備するように修飾することも可能である。他の態様では 、該捕獲断片は、固体支持体上に存在する官能基により結合され得る小型分子を 提供される。例えば、該捕獲断片は、ビオチンモイエティ又はジゴキシゲニンを 提供されてもよく、該固体支持体は、ストレプトアビジン又は抗ジゴキシゲニン 抗体うを提供されてもよい。当業者には、該捕獲断片のオーバーハング末端に影 響を与えない何れかの方法を使用することと、該捕獲断片を該固体支持層に固定 することが可能であると容易に認識されるであろう。 該捕獲断片は、オーバーハング末端以外の更なる所望の構造的特徴を具備する ように設計することが可能である。例えば、該捕獲断片は、制限酵素部位を含ん でもよい。該捕獲断片を使用し、対応するヌクレアーゼ切断DNAを単離した後に 、該捕獲断片を制限エンドヌクレアーゼを使用して切断し、それによって、該ヌ クレアーゼ切断断片に加えて該捕獲断片の一部分を含むDNA分子を遊離すること が可能である。 DNA標的分子は、当業者に周知の方法を使用することによりクローニング及び シーケンシングされてもよい。例えば、該ヌクレアーゼ切断DNAを、該捕獲断片 に対してリゲーションすることが可能である。続いて、該固体支持体を、Pfuポ リメラーゼで処理し、該固体支持体に結合した平滑末端断片を生成することが可 能である。次に、該固体支持体を制限酵素で処理し、平滑末端断片を該固体支持 体から切断することが可能である。次に、該断片を、処理されたベクター中に、 平滑末端と該制限酵素により生じた末端に一致する末端とを有するようにクロー ニングすることも可能である。当業者は、他の相当するクローニング戦略を容易 に想像することもできるであろう。或いは、該捕獲断片に、PCRプライマーが結 合するであろう配列を含ませることも可能である。ヌクレアーゼ切断DNAと反応 した後で、その反応混合物に必要な試薬を提供し、捕獲されたヌクレアーゼ切断 断片におけるPCRを実施することも可能である。該捕獲断片中に1以上の所望す る機能的特徴を組み込めることが、当業者には容易に理解されるだろう。例えば 、制限酵素切断部位と、PCRプライマー結合部位とを共に、同一の捕獲断片中に 組み込むことが可能である。 該捕獲断片は、検出可能なモイエティを提供されてもよい。ヌクレアーゼ切断 DNAを、該捕獲断片にライゲーションした後に、その捕獲断片を該固体支持体か ら切断し、該検出可能なモイエティの存在を試験してもよい。ヌクレアーゼ切断 DNAに結合する捕獲断片を、結合していない捕獲断片から単離するステップを実 施する必要があるかもしれない。2種類の断片をサイズの違いに基いた公知の方 法を使用することにより、当業者には容易に達成することができる。 ヌクレアーゼ切断末端を含むことが疑われるDNAを、何れの源からも単離する ことが可能である。該DNAは、当業者に容易に知られる方法を使用して単離され る。ヌクレアーゼ切断末端を含むことが疑われるDNAが単離された後に、それを 、DNAリガーゼ、及び必要な補因子(二価の金属イオン類やATP等)の存在下にお いて、捕獲断片と結合する。適切な長さのインキュベートの後に、該ライゲーシ ョン溶液を、洗浄により除去し、ヌ クレアーゼ切断DNAの有無を検出することが可能である。上述した基本的なアッ セイは、種々の方法において構成することが可能である。例えば、該捕獲断片を 、溶液中でフリーの断片として、ライゲーション溶液に対して提供することも可 能である。この種の態様において、該捕獲断片には、ビオチン又はジゴキシゲニ ン等の結合モイエティが提供されるであろう。適切な反応時間の後に、アビジン 、ストレプトアビジン又は抗ジゴキシゲニン等の結合モイエティに対する結合が 可能な分子を含有する固体支持体を、該溶液に混合する。該結合モイエティが該 固体支持体に対して結合できるだけの期間のインキュベートの後に、該固体支持 体を洗浄して非結合物質を除去し、続いて、所望する何れかの様式に処理するこ とが可能である。 或いは、該捕獲断片を、既に固体支持体に添加したライゲーション混合物に対 して提供することも可能である。該ライゲーション反応が進行可能になった後で 、続いて、該固体支持体を前述の通りに洗浄することができる。 本発明は、DNAサンプルに存在する特定のオーバーハングの末端を検出するた めのアッセイとしても使用することが可能である。上述の通りに、ライゲーショ ンと、固体支持体に対する結合との後で、該サンプルは洗浄され、続いて既知量 の相補的末端を提供される。これらの相補的末端を有した断片は、ある方法で、 例えば、放射能標識、又はフルオロフォア若しくはクロモフォアの含有により検 出されるであろう。第2のライゲーション反応は、該ライゲーション反応から免 れた、ヌクレアーゼ処理DNAに結合していない何れのオーバーハング末端に対し ても、放射能標識された断片を結合するように実施し得る。結合する放射能標識 物質が増えれば増えるほど、オリジナルサンプルにおいて存在する正しいオーバ ーハング末端は少なくなる。 例 12 ヘアピンオリゴヌクレオチドとターミナルトランスフェラーゼ とを有するDNA鎖断片の二重標識 アポトーシス細胞の核における二本鎖断片のラベリングにおけるオリゴヌクレ オチドヘアピンプローブの感度及び特異性を試験するために、我々は、その切片 においてアポトーシス細胞が存在する組織切片[前記切片は、ネク ローシスを受ける細胞も含んでいてよく、一本鎖断片を有していてもよい]から 得た部分に、プローブを適用した。使用した組織は:デキサメタゾンで処理した ラットからの胸腺;その被膜(capsul)を穿刺することによりアポトーシスを惹起 したマウスの腎臓;及び広い領域のネクローシスを含むウィルムス腫(Wilms tum or)である。二重染色方法を使用し、ヘアピンオリゴヌクレオチドプローブの連 続したライゲーションを可能にし、続いてターミナルトランスフェラーゼによる 二本鎖断片及び一本鎖断片において利用可能な全ての3’-水酸基DNA末端をラベ リングした。該オリゴヌクレオチドプローブにおける検出可能なモイエティ、即 ち、ビオチンは、フルオレセイン-アビジン複合体により視覚化され、且つ3’- 水酸基末端はテキサスレッド-dUTP(Texas red-dUTP)の添加により視覚化された 。以下の試験では、シングル3’-Aオーバーハングを有するヘアピンプローブを 使用した(図8)。 両者のラベリングの形態は、酵素(ライゲース又はターミナルトランスフェラ ーゼ)の存在に依存した;酵素が、該切片に対して添加された反応混合物から除 かれた場合には、何れの核シグナルも観察されなかった。アポトーシス細胞は、 両技術により同等の強度で特異的に標識された。 アポトーシス細胞核及びネクローシス細胞核における鎖断片をラベリングする 技術の相対的な特異性を、デキサメタゾン処理ラット胸腺と、アポトーシス細胞 を多数含む組織と、及び広範囲のネクローシスを含むウィルムス腫のサンプルと からのサンプルを比較することにより試験した。少数は、ターミナルトランスフ ェラーゼにより、又はヘアピンプローブのライゲーションにより選択的に標識さ れるようであるが、胸腺においては、アポトーシスを受ける殆どの細胞が両技術 により標識された。該腫瘍のネクローシス領域では、幾つかの細胞がヘアピンプ ローブのライゲーションにより標識された。しかしながら、これらの細胞は、タ ーミナルトランスフェラーゼによって、可変的な程度に標識された非常に多くの 細胞によって囲まれていた。該腫瘍のこれらの領域を従来の組織学によって検査 したところ、これらの細胞はネクローシスを受けていようであった。該胸腺とウ ィルムス腫瘍標本との相違点は、両者の蛍光色素を二波長フィルターで同時に観 察した場合において、 最も顕著であった。但し、該胸腺の大部分の細胞は、両技術により均等にラベリ ングされいることを示すような黄色を呈し、該腫瘍のほんの少しの細胞は、ヘア ピンプローブのライゲーションに比べてターミナルトランスフェラーゼの方がよ り高度にラベリングされることを示すような黄色を呈した。 興味深いことに、共焦点顕微鏡による二重染色アポトーシス細胞の観察により 、ヘアピンプローブによるラベリングの核内パターンが明らかになった。幾つか の細胞は、ヘアピンプローブ及びターミナルトランスフェラーゼにより等しく標 識されるクロマチンの凝縮及び辺縁趨向を示していた;しかしながら、胸腺の多 くの細胞が、核周縁部の周囲にラベリングされたより強度の強い二重染色断片の 順域を示したのに対し、ターミナルトランスフェラーゼはこれらの核をより一律 に標識した。 例 13 異なる種類のプローブ 平滑(blunt)、1ヌクレオチド及び2ヌクレオチドのオーバーハングの3種類 のプローブについて、それらの特異性及び感度を比較した。3種類のプローブの ラベリングパーターンは一般的に同じであった。しかしながら、NNオーバーハン グプローブは、他のプローブに比較して、より強い強度のシグナルを生じたもの の、同時により高いバックグランド(即ち、酵素不在下でのシグナル)も示した 。更に、該腫瘍のネクローシス領域は、一本鎖Aオーバーハングよりも、NN及び 平滑末端プローブの両者によって、より高い強度で標識された。 一本鎖Aオーバーハングプローブが、アポトーシス細胞のラベリングに対して 最高の特異性を有しているようである。アポトーシス細胞における3’-オーバー ハングを有する二本鎖断片の産生に対する適切なメカニズムが、これまでに論じ られてきている。2ヌクレオチドのオーバーハングを有する断片は頻繁に見られ るが、2つ、恐らくはより多くの数のヌクレオチドのオーバーハングを有する断 片を高い信頼性で検出するためには、2ヌクレオチドのオーバーハングを有する プローブの非特異的な結合を抑制するよりよい方法が必要とされるであろう。 該方法論は、5’-オーバーハング鎖断片を検出することを可能にする5’-オー バーハングを有するヘアピンを設計することにより拡大できた。しかしながら、 この場合、該オリゴヌクレオチドにおける陥凹した3’-水酸基が、その切片にお ける5’-リン酸に対して結合する[これは5’-オーバーハングを有する一本鎖DN A断片及び二本鎖断片の末端で同様に生じ得る]であろうことから、一本鎖DNA断 片に対する結合が起るのであろう。従って、5’-オーバーハングの検出は、ライ ゲーション及び5’リン酸化オリゴヌクレオチドの使用の前に、該組織切片の脱 リン酸化が必要であろう。 ヘアピンオリゴヌクレオチドプローブの合成の容易さ、及び二本鎖断片を検出 するためのシンプルな方法は、本方法論が、瀕死細胞での二本鎖断片の異なる種 類の検出に対する潜在的な拡大を伴なう、アポトーシス細胞の染色における広汎 な適用[メカニズム的な有効性と診断上の有効性があるかもしれない]を持つこ とを可能にするであろう。 例 14 ライゲーションと慣用法による同時標識 本発明の1つの態様において、サンプルを、本出願において開示した方法論を 基礎にしたライゲーションと、アポトーシス細胞を検出するために使用される従 来の方法論とを組み合わせて使用し、同時に厳密に調査した。好ましい従来の方 法は、ビオチン化dUTPニック末端ラベリング(TUNEL)を介在したターミナルデオ キシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)を使用することを基礎としたアッ セイと、DNAにおけるギャップを塞ぐためのクレノウ断片(Klenow fragment)を使 用することを基礎としたアッセイである。該ライゲーション反応は、TdT又はク レノウ反応と同時に行ってもよい。他の態様では、該反応を、第1に行われる該 ライゲーション反応、又は第1に行われる従来の反応の何れかと逐次的に行うこ とが可能である。 本発明の本態様により、従来の方法により検出される遊離水酸基と、本発明の 方法により検出されるライゲーション可能なオーバーハング構造とを同時検出す ることが可能になる。 本発明は、詳細に示された明確な態様により記載されてきたが、これらの 記載は説明のためだけに記載されたものであり、また、本発明が特に列記された 態様に制限されるものではないことは理解されるべきである。修飾及び改変は、 当業者に容易に理解され、且つこれらの修飾及び改変は本発明の範囲内である。 従って、開示された発明のこれらの修飾及び改変は、本発明及び以下の請求項の 範囲内にあると見なされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サンプル中におけるアポトーシス細胞を検出する方法であって: アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAを含んだサンプルを固定す る工程と; 該サンプルを、アポトーシスに特徴的なDNA末端にライゲートするこ とが可能な核酸分子および核酸リガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工程と ; 前記核酸分子を検出する工程とを具備し、該核酸分子の検出がアポトー シス細胞の存在に関連している方法。 2.請求項1に記載の方法であって、前記サンプルが組織サンプルである方法 。 3.請求項1に記載の方法であって、前記核酸分子が検出可能部分を具備する 方法。 4.請求項3に記載の方法であって、前記検出可能部分が、酵素、小分子、発 色団、蛍光団および放射線標識された物質からなる郡から選択される方法。 5.請求項1に記載の方法であって:更に、 前記組織サンプルをプロテアーゼ含有溶液に接触させる工程と; 前記組織サンプルを洗浄して前記プロテアーゼを除去する工程とを具備 する方法。 6.請求項3に記載の方法であって、前記検出工程は、酵素を含有する試薬を 用いて行われる方法。 7.請求項3に記載の方法であって、前記検出工程は、前記検出可能部分に結 合する抗体またはその断片を含む試薬を用いて行われる方法。 8.請求項3に記載の方法であって:更に、 前記組織サンプルを、前記検出可能部分に結合する第一の分子を含む試 薬に接触させる工程と; 続いて、前記組織を、前記第一の分子に結合する第二の分子を含む試薬 に接触させる工程とを具備する方法。 9.請求項8に記載の方法であって、前記第一の分子は、抗体、抗体の断 片、アビジンおよびストレプトアビジンからなる郡から選択される方法。 10.請求項3に記載の方法であって:更に、 前記組織サンプルを、前記検出可能部分に結合する第一の部分と酵素を 含む第二の部分とを有する分子を含んだ試薬に接触させる工程を具備する方法。 11.請求項10に記載の方法であって、前記第一の部分は、抗体、抗体の断 片、アビジンおよびストレプトアビジンからなる郡から選択される方法。 12.請求項10に記載の方法であって、前記第二の部分はホスファターゼ、 ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、ペルオキシダーゼおよびルシフェラーゼ からなる郡から選択される酵素を含む方法。 13.請求項10に記載の方法であって、前記第一の部分はストレプトアビジ ンを含み、前記第二の部分はホスファターゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダ ーゼ、ペルオキシダーゼおよびルシフェラーゼからなる郡から選択される酵素を 含む方法。 14.請求項1に記載の方法であって、前記核酸は平滑末端を有する方法。 15.請求項1に記載の方法であって、前記核酸は3’-オーバーハングを有す る方法。 16.サンプル中のアポトーシス細胞を検出する方法であって: サンプルから、アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAを単離する 工程と; 該DNAを固相支持体に移す工程と; 前記固相支持体を、アポトーシスに特徴的なDNA末端にライゲートさ れ得る核酸プローブ分子および核酸リガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工 程と; 前記核酸プローブ分子を検出する工程とを具備し、該核酸プローブ分子 の検出がアポトーシス細胞の存在に相関する方法。 17.請求項16に記載の方法であって、前記核酸プローブ分子は検出可能部 分を具備する方法。 18.請求項17に記載の方法であって、前記検出可能部分は、酵素、小 分子、発色団、蛍光団および放射線標識物質からなる郡から選択される方法。 19.アポトーシス細胞の検出のためのキットであって; アポトーシスを受けた細胞のDNAに特異的にライゲートし、且つ検出 可能部分を有する核酸プローブと; 前記核酸プローブをライゲートするための酵素と; 前記検出可能部分を検出するための試薬とを具備するキット。 20.請求項19に記載のキットであって、前記核酸プローブは平滑末端を有 するキット。 21.請求項19に記載のキットであって、前記核酸プローブは、3’-オーバ ーハングを有するキット。 22.請求項20に記載のキットであって、前記核酸プローブは固相支持体に 結合されるキット。 23.請求項21に記載のキットであって、前記核酸プローブは固相支持体に 結合されるキット。 24.アポトーシス細胞およびアポトーシス細胞のタンパク質を同時に検出す るためのキットであって: アポトーシスに特徴的な末端を有するDNA分子にライゲートさせるこ とができる、第一の検出可能部分を含む核酸分子と; アポトーシス細胞のタンパクに対して特異的で、且つ第二の検出可能部 分を有する抗体と; 核酸リガーゼ酵素と; 前記第一の検出可能部分を検出するための試薬と; 前記第二の検出可能部分を検出するための試薬とを具備するキット。 25.アポトーシス細胞およびアポトーシス細胞のRNA分子を同時に検出す るためのキットであって: アポトーシスに特徴的な末端を有するDNA分子にライゲートすること ができ、且つ第一の検出可能部分を有する第一の核酸分子と; アポトーシス細胞のRNA分子にハイブリダイズすることができ、 且つ第二の検出可能部分を有する第二の核酸分子と; 核酸リガーゼ酵素と; 前記第一の検出可能部分を検出するための試薬と; 前記第二の検出可能部分を検出するための試薬とを具備するキット。 26.アポトーシス細胞のタンパク質を検出する方法であって: アポトーシス細胞を含むサンプルを固定する工程と; 該サンプルを加熱する工程と; 前記サンプルを、アポトーシス細胞のタンパク質との複合体を形成する 第一の分子を含有する溶液に接触させる工程と; 前記サンプルを、第一の検出可能部分を有し且つ前記第一の分子との特 異的複合体を形成する第二の分子を含有する溶液に接触させる工程と; 前記サンプルを、第二の検出可能部分を有し且つアポトーシスに特徴的 な末端を有するDNA分子にライゲートすることが可能な核酸分子および核酸リ ガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工程と; 前記特異的複合体および前記核酸分子を検出する工程とを具備し、前記核 酸分子と同じ細胞内での前記複合体の検出は、アポトーシス細胞における前記タ ンパク質の存在と相関する方法。 27.請求項26に記載の方法であって、前記第一の分子は抗体である方法。 28.請求項26に記載の方法であって、前記第二の分子は、酵素、小分子、 発色団、蛍光団および放射線標識物質からなる郡から選択された第一の検出可能 部分を有する方法。 29.請求項26に記載の方法であって、前記第一の検出可能部分は、ホスフ ァターゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、ペルオキシダーゼおよびルシ フェラーゼからなる郡から選択された酵素である方法。 30.請求項26に記載の方法であって、前記核酸は平滑末端を有する方法。 31.請求項26に記載の方法であって、前記核酸が3’-オーバーハングを有 する方法。 32.サンプル中においてアポトーシス細胞のRNA分子を検出する方法 であって: アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAを含有するアポトーシス細 胞を含んだサンプルを固定する工程と; 前記サンプルを、アポトーシス細胞内に存在するRNA分子とハイブリダ イズでき且つ第一の検出可能部分を含んだ第一の核酸分子を含有する溶液に接触 させる工程と; 前記サンプルを、第二の検出可能部分を有し且つDNAにライゲートで きる第二の核酸分子および核酸リガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工程と ; 前記第一の核酸分子および前記第二の核酸分子を検出する工程とを具備 し、前記第二の核酸分子と同じ細胞内における前記第一の核酸分子の検出が、ア ポトーシス細胞のRNA分子の存在と相関する方法。 33.請求項32に記載の方法であって、前記第一の検出可能部分は酵素、小 分子、発色団、蛍光団および放射線標識分子からなる郡から選択される方法。 34.請求項32に記載の方法であって、前記第二の検出可能部分は酵素、小 分子、発色団、蛍光団および放射線標識分子からなる郡から選択される方法。 35.請求項32に記載の方法であって、前記第一の検出可能部分および前記 第二の検出可能部分が蛍光団である方法。 36.請求項32に記載の方法であって、前記第二の核酸分子が平滑末端を有 する方法。 37.請求項32に記載の方法であって、前記第二の核酸分子が3’-オーバー ハングを有する方法。 38.サンプル中においてアポトーシス細胞の存在を検出する方法であって: サンプルから、アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAを単離する 工程と; 前記DNAにライゲートできる核酸分子を固相支持体に固定する工 程と; 前記DNAを前記核酸分子にライゲートさせる工程と; 前記核酸への前記DNAのライゲーションを検出する工程とを具備し、 この核酸へのDNAのライゲーションが、前記サンプル中におけるアポトーシス 細胞の存在と相関する方法。 39.請求項38に記載の方法であって、前記核酸分子は制限エンドヌクレア ーゼの認識部位として作用するヌクレオチド配列を含んでいる方法。 40.請求項38に記載の方法であって、前記核酸分子は前記固相支持体に開 裂可能に固定される方法。 41.請求項38に記載の方法であって、前記核酸分子は平滑末端を有する方 法。 42.請求項38に記載の方法であって、前記核酸分子は3’-オーバーハング を有する方法。 43.サンプル中においてアポトーシス細胞を検出する方法であって: アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAをサンプルから単離する工 程と; 前記DNAを固相支持体に固定することと; 前記固相支持体を、前記DNAにライゲート可能な核酸分子および核酸 リガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工程と; 前記核酸分子の存在を検出する工程とを具備し、前記核酸分子の存在が 、前記サンプル中におけるアポトーシス細胞の存在と相関する方法。 44.請求項43に記載の方法であって、前記核酸分子は平滑末端を有する方 法。 45.請求項43に記載の方法であって、前記核酸分子は3’-オーバーハング を有する方法。 46.サンプル中において、アポトーシスに特徴的な末端を有するDNAおよ び3’-ヒドロキシル基を有するDNAとを同時に検出する方法であって: アポトーシスに特徴的な末端を有し且つ3’-ヒドロキシル基を有する DNAを含有するサンプルを固定する工程と; 前記組織サンプルを、アポトーシスに特徴的な前記DNA末端にライゲ ート可能な核酸分子および核酸リガーゼ酵素を含有する溶液に接触させる工程と ; 前記組織サンプルを、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェ ラーゼ酵素および該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素 の基質を含有する溶液に接触させる工程と; 前記核酸分子および前記基質を検出する工程とを具備し、前記核酸分子 および前記基質の検出は、前記サンプル中におけるアポトーシスに特徴的な末端 を有するDNAの存在に相関し、前記基質の検出は、前記サンプル中における3 ’-ヒドロキシル基の存在に相関する方法。 47.請求項46に記載の方法であって、前記核酸分子は平滑末端を有する方 法。 48.請求項46に記載の方法であって、前記核酸分子は3’-オーバーハング を有する方法。 49.サンプル中においてアポトーシス細胞を検出する方法であって: DNAを含有するサンプルを固定する工程と; 該サンプルを、アポトーシスを受けた細胞のDNAに特異的にライゲー トし且つ検出可能な部分を有する核酸プローブを含有し、更に該核酸プローブを ライゲートするための酵素を含む溶液に接触させる工程と; 前記核酸プローブを検出する工程とを具備し、該核酸プローブの検出は アポトーシス細胞の存在と相関する方法。 50.サンプル中におけるアポトーシス細胞を検出する方法であって: サンプルからDNAを単離する工程と; 該DNAを大きさにより分画する工程と; 該DNAを、アポトーシスを受けた細胞のDNAに特異的にライゲート し且つ検出可能な部分を有する核酸プローブを含有し、更に前記核酸プローブを ライゲートさせる酵素を含んだ溶液に接触させる工程と; 前記核酸プローブ分子を検出する工程とを具備し、該核酸プローブ 分子の検出がアポトーシス細胞の存在と相関する方法。
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