JP2002526557A - トロンボプラスチン試薬ならびにそのような試薬の製造および使用方法 - Google Patents

トロンボプラスチン試薬ならびにそのような試薬の製造および使用方法

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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物トロンボプラスチン試薬およびそのような試薬の製造方法を開示する。該トロンボプラスチン試薬はプロトロンビン時間(PT)アッセイに用いるのに適しており、許容されるPT正常時間での感度の改良をもたらす。夾雑タンパク質、特に血漿凝固因子は、トロンボプラスチン溶液を半透膜に曝露し、凝固因子はトロンボプラスチン溶液から膜を通過するが、組織因子はトロンボプラスチン溶液中に保持される、膜透過プロトコールによりトロンボプラスチン溶液から分離される。好ましい方法では、1またはそれ以上の夾雑凝固因子を、ディアフィルトレーションにより哺乳動物組織のNaCl/クエン酸Naトロンボプラスチン抽出物から分離し、精製トロンボプラスチン抽出物をCa++イオンと混合し、トロンボプラスチン試薬を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、一般的には診断的凝固アッセイ、詳細にはトロンボプラスチンベー
スの凝固アッセイに用いるのに適したトロンボプラスチン試薬に関する。具体的
には、好ましい態様において本発明は、哺乳動物のトロンボプラスチン抽出物、
そのような抽出物の製造方法、それから製造したトロンボプラスチン試薬、およ
びそのような試薬のプロトロンビン時間アッセイにおける使用に関する。 トロンボプラスチン試薬には、カルシウムイオン(Ca++)の存在下で血漿
試料に曝露したとき血管凝固の外部経路を活性化する活性組織因子が含まれる。
より詳細には、組織因子は、Ca++存在下で第VII因子を活性化し、次いで第
X因子および第V因子を活性化してプロトロンビン(第II因子)からトロンビン
の形成を開始する。トロンビンは、フィブリノーゲンを開裂させてフィブリンを
形成するセリンエンドペプチダーゼである。単量体として可溶性であるフィブリ
ンは、重合して軟らかい血餅を形成し、次いで架橋して硬い血餅を形成する。ト
ロンボプラスチン試薬と血漿試料を混合して血餅を形成するのに要する時間が、
血漿のプロコアグラント活性の尺度となる。
【0002】 トロンボプラスチン試薬を用いる凝固時間に基づく診断的アッセイ(典型的に
はプロトロンビン時間(PT)アッセイと呼ばれる)は、外部凝固経路と関連し
た血液凝固不全を確定するのに広く用いられてきた。Quick,Am.J.Med.Soc. 190:
501(1935)参照。PTアッセイは、例えば、外科手術前の患者の血漿をスクリー
ニングするのに用いられる。PTアッセイは、外部凝固経路に影響を及ぼす医薬
品、例えばクマリン(Warfarint(登録商標)、Coumadin(登録商標))による
抗凝固治療をモニターするのにも用いられる。
【0003】 PTアッセイに用いるトロンボプラスチン試薬の主要な性能基準は、「正常」
血漿試料に対する凝固時間、該試薬の感度、および該試薬のロット間(lot-to-lo
t)の再現性である。Quickにより測定されたPTアッセイにおける正常血漿の凝
固時間は約12秒間であり、次いで、該12秒間の「正常PT」は米国における
トロンボプラスチン試薬の期待基準になる。トロンボプラスチン試薬は、PT正
常時間が約12.0秒間であることが好ましいが、ある環境下では約9.0〜約
20.0秒間の範囲の時間で十分であり、約9.0〜約14.0秒間、好ましく
は約9.0〜約13.0秒間の範囲の時間が一般に許容される。トロンボプラス
チン試薬の感度とは、一般に、「標準的異常」血漿試料と比較した「正常」血漿
試料について得られるPTアッセイ時間の動的範囲をいう。該トロンボプラスチ
ン試薬の感度を特徴付ける「標準的異常」血漿試料には、例えば、クマリン化血
漿試料(例えば、Coumarin(登録商標)処理された、国際標準比(International
Normalized Ratio)(INR)約3.0の血漿)血漿試料、および99%第VI
I因子欠損血漿試料が含まれる。プール正常血漿(PNP)、希釈PNP(例え
ば、50%希釈PNP)に関連した凝固時間、またはそのような時間の差もトロ
ンボプラスチン試薬を評価するパラメータとして有用である。種々のトロンボプ
ラスチン試薬を用いるアッセイ間でより有意義な比較ができる比によるかもしく
は標準比として感度を数量化してよい。
【0004】 トロンボプラスチン試薬の活性組織因子は、典型的にはホモゲナイズした哺乳
動物組織またはそのアセトン粉末を塩溶液で抽出することにより得られる。トロ
ンボプラスチン抽出物(例えば、ウサギ脳、ヒト脳、またはヒト胎盤のアセトン
粉末由来の)をカルシウムイオン(Ca++)、緩衝剤、および安定化剤と混合
して、PTアッセイに使用可能な状態の活性トロンボプラスチン試薬を形成する
。しかしながら、このようにしてトロンボプラスチン抽出物から調製したトロン
ボプラスチン試薬は感度が限定される。トロンボプラスチンベースのアッセイの
感度の悪さ(insensitivity)は、トロンボプラスチン溶液中に供給源−動物夾
雑タンパク質(特にビタミンK依存性タンパク質、例えば第VII因子、第IX因子
、第X因子、第II因子、プロテインC、およびプロテインS)が存在することが
一因である。これら夾雑タンパク質は、トロンボプラスチン抽出物が調製される
哺乳動物組織に残存する内因性血液に由来する。
【0005】 トロンボプラスチン試薬の感度を改良するための1つのアプローチには、ビタ
ミンK依存性凝固因子の部分的吸着、次いでその、トロンボプラスチン抽出物か
らの分離が含まれる。例えば、Hawkinsら、米国特許第5270451号は、B
aSO処理によりビタミンK依存性凝固因子を吸着し、次いで遠心により除去
することを含むトロンボプラスチン抽出物の製造方法を開示している。界面活性
剤およびカオトロピック物質をBaSOと一緒に用いて夾雑物の吸着および/
または分離を増強することができる。トロンボプラスチン試薬の感度を改良する
他の方法は、試薬組成物中の抽出物、緩衝剤、安定化剤、保存剤、Ca++、お
よび他の物質の相対量を最適化することに集中している。そのような方法は、ト
ロンボプラスチン試薬感度の改良をもたらすが、医療従事者が期待する12秒間
より許容できないほど長い正常PTアッセイ時間をもたらす。
【0006】 したがって、特に米国では感度の改善をもたらすが、約12秒間の許容される
値の正常血漿に関するPTアッセイ時間を維持するトロンボプラスチン試薬が求
められている。 (発明の要約) したがって、本発明の目的は、PT正常時間、感受性、ロット間の再現性に関
して関連する各性能(performance)基準を同時に満たすトロンボプラスチン試薬
を製造することである。商業的に実行可能な方法を用いてそのような試薬を製造
することも本発明の目的である。 したがって、簡単には、本発明は、組織因子と血漿凝固因子を含むトロンボプ
ラスチン溶液を半透膜の第一表面に曝露し、該膜で、該凝固因子を該トロンボプ
ラスチン溶液からろ過し、該トロンボプラスチン溶液中に組織因子が保持される
ことを含むトロンボプラスチン溶液から血漿凝固因子を分離する方法を指向する
ものである。
【0007】 さらに本発明は、哺乳動物組織を抽出溶液で抽出してトロンボプラスチン抽出
物を形成し、膜透過によりトロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を分離す
ることによりトロンボプラスチン抽出物組成物を製造する方法を指向する。さら
に本発明は、本方法に従って製造されるトロンボプラスチン抽出物を指向する。 さらに本発明は、膜透過によりトロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を
分離し、該トロンボプラスチン抽出物をCa++イオンと混合することによりト
ロンボプラスチン試薬を製造する方法を指向する。さらに本発明は、本方法に従
って製造されるトロンボプラスチン試薬を指向する。 さらに本発明は、トロンボプラスチン抽出物を含むフィード溶液を、約75,
000ダルトン〜約2,000,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有
する半透膜の第一表面に曝露し、曝露したフィード溶液を濃縮物として回収し、
該濃縮物をCa++イオンと混合することによりトロンボプラスチン試薬を製造
する方法を指向する。さらに本発明は、本方法に従って製造されるトロンボプラ
スチン試薬を指向する。
【0008】 さらに本発明は、哺乳動物組織から抽出した組織因子とCa++イオンを含む
トロンボプラスチン試薬を指向する。プロトロンビン時間アッセイにより決定さ
れるプロコアグラント活性を有する、ヘモグロビン濃度が約2.0mg/dl以
下のトロンボプラスチン試薬。 さらに本発明は、トロンボプラスチン試薬を得るかもしくは製造し、該トロン
ボプラスチン試薬と血漿試料を混合してアッセイ溶液を形成し、該アッセイ溶液
の形成から該アッセイ溶液中の血餅形成が検出されるまでの経過時間を測定する
ことにより血漿試料の凝固時間を測定する方法も指向する。さらに本発明は、種
々の既知レベルの血漿凝固因子を有する標準血漿の凝固時間を決定し、標準血漿
の凝固時間と標準血漿中の血漿凝固因子レベルの標準相関を求め、被検血漿の凝
固時間を測定し、標準偏差に基づく血漿凝固因子レベルに測定した被検血漿の凝
固時間を相関させることにより被検血漿中に存在する血漿凝固因子レベルを測定
する方法を提供する。
【0009】 さらに本発明は、哺乳動物組織を、少なくとも約7mMの濃度のクエン酸ナト
リウムを含む抽出溶液と接触させることにより組織因子を該組織から抽出溶液中
に抽出し、抽出された組織から該抽出溶液を分離することによりトロンボプラス
チン抽出物を製造する方法を指向する。 さらに本発明は、カルシウム緩衝物質を用いてトロンボプラスチン試薬の遊離
カルシウムイオン含有量を調節することを含むトロンボプラスチン試薬の感度を
調節する方法を指向する。さらに本発明は、カルシウム緩衝剤(物質)を含むト
ロンボプラスチン抽出物を調製し、該トロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因
子を分離して精製トロンボプラスチン抽出物を形成し、該精製トロンボプラスチ
ン抽出物にカルシウム緩衝剤を加えることによりトロンボプラスチン試薬を製造
する方法を指向する。
【0010】 さらに本発明は、哺乳動物組織を、ホスホリパーゼインヒビターを含む抽出溶
液で抽出することによりトロンボプラスチン抽出物を製造する方法を指向する。
本発明は、トロンボプラスチン抽出物とホスホリパーゼインヒビターを混合する
ことによりトロンボプラスチン抽出物を安定化する方法を提供する。さらに本発
明は、ホスホリパーゼインヒビターを含むトロンボプラスチン抽出物を指向する
。 本発明のトロンボプラスチン試薬は、好ましい態様において、(1)9.0〜
13.0秒間の許容範囲内の正常PT時間、および(2)以下の各特徴づけ基準
について許容される感度を同時に提供することにより種々の先行技術のトロンボ
プラスチン試薬に対する実質的な長所をもたらす。少なくとも約40秒間の、国
際標準化比(INR)が約3.0であるクマリン化血漿の動的範囲(dynamic ra
nge)、本診断的および/または治療的範囲(好ましくは少なくとも約40秒間)
をカバーするに充分な長さの99%第VII因子欠損血漿の動的範囲、約3秒間
〜約6秒間の範囲の50%プール正常血清(対100%PNP)の動的範囲、お
よび約1.4以下の国際感度指数(ISI)。実際にトロンボプラスチン試薬は
、広範囲の診断に応用するPTアッセイに有効に用いることができる。さらに、
本明細書に開示した、トロンボプラスチン抽出物および試薬を製造する方法は有
効で再現性がある。実際にこれらの方法は、改良されたトロンボプラスチン試薬
を製造するための商業的に実行可能な手段を提供する。
【0011】 本発明の他の特徴、目的、および利点の一部は当業者に明らかであろうし、そ
の一部を以下に示す。本明細書に引用した全ての参考文献は本明細書の一部を構
成する。さらに本明細書に開示および/またはクレームした対象物に関する特許
および非特許文献は重要であり、そのような対象物についてさらなる教示をもた
らす多くの関連参考文献は当業者が利用できる。
【0012】 (発明の詳細な説明) 本発明では、夾雑タンパク質、例えば凝固因子は、膜透過によりトロンボプラ
スチン溶液から分離される。該トロンボプラスチン溶液を半透膜に曝露すること
により、夾雑タンパク質は該膜で該トロンボプラスチン溶液からろ過されるが、
生物学的に活性な組織因子はトロンボプラスチン溶液中に保持される。好ましい
方法では、1またはそれ以上の夾雑凝固因子を透析により哺乳動物組織のトロン
ボプラスチン抽出物から分離し、精製したトロンボプラスチン抽出物をCa++ イオンと混合し、トロンボプラスチン試薬を形成する。
【0013】 本明細書で用いている用語「組織因子」は、外部経路を通して血液凝固を開始
する生物活性を有する完全膜糖タンパク質を表す。組織因子は、タンパク質成分
(本明細書では「組織因子タンパク質」と呼ぶ)および脂質成分を含む。組織因
子の脂質成分は主としてリン脂質を含む。組織因子は天然の組織因子、例えば哺
乳動物抽出物に含まれるものであるか、または例えば、単離されるかまたは組換
えにより製造された組織因子タンパク質とリン脂質を適切な比で混合することに
より合成的に製造することができる。米国特許第5017556号およびその中
で引用された参考文献参照。
【0014】 本明細書で用いている用語「トロンボプラスチン溶液」は、溶液を作製する方
法や溶液中に他の成分が存在するか否かに関わらず、生物学的に活性な組織因子
と1またはそれ以上の血漿凝固因子を含む溶液である。実際に、用語「トロンボ
プラスチン溶液」はその範囲内に、以下で定義する「トロンボプラスチン抽出物
」および「トロンボプラスチン試薬」を含む。本明細書で用いている「トロンボ
プラスチン抽出物」は、哺乳動物組織からの抽出物として得られる、生物学的に
活性な組織因子と1またはそれ以上の結晶凝固因子を含むトロンボプラスチン溶
液を表す。本明細書で用いている「トロンボプラスチン試薬」は、組織因子の供
給源や製造方法に関わらず、生物学的に活性な組織因子、1またはそれ以上の血
漿凝固因子、およびカルシウムイオン、Ca++を含むトロンボプラスチン溶液
を表す。
【0015】 本明細書に開示した分離法はあらゆるトロンボプラスチン溶液に応用可能であ
るが、血漿凝固因子はトロンボプラスチン抽出物から分離するのが好ましい(C
++含有トロンボプラスチン試薬を形成する前に)。トロンボプラスチン抽出
物は、当該分野で知られ、そして/または後に開発されるあらゆる多くのプロト
コールにより調製することができる。トロンボプラスチン抽出物は新たに調製す
るか、調製し、凍結保存し、次いで解凍するか、または他の方法でそのプロコア
グラント活性を保存することができる。
【0016】 トロンボプラスチン抽出物は哺乳動物組織から組織因子を抽出することにより
調製することができる。哺乳動物組織は、例えばヒト、ウサギ、ウシ、ブタ、お
よび/またはヒト以外の霊長類の脳、肺、および/または胎盤を含む、抽出可能
な生物学的に活性な組織因子を有するあらゆる哺乳動物の組織であり得る。ウサ
ギ脳、ヒト脳、およびヒト胎盤がトロンボプラスチン抽出物の好ましい組織供給
源である。該組織を抽出前に洗浄し、残留血液を除去してよい。抽出すべき組織
は、全組織またはホモゲナイズした組織、および所望により、脱水した組織であ
り得る。脱水組織の形の例には、組織または凍結乾燥組織の溶媒粉末(例えばア
セトン粉末)が含まれる。そのような脱水組織は、例えばSigma Chemical, St.L
ouis, MOから市販されている。最も好ましい組織供給源はウサギ脳アセトン粉末
(RBAP)である。
【0017】 哺乳動物組織を、溶液、好ましくは塩溶液、最も好ましくは無機および/また
は有機塩の水性溶液と接触させて該組織から組織因子を抽出する。抽出溶液は実
質的にカルシウムイオンを含まないことが好ましい。好ましい水性抽出溶液には
塩素塩および/または乳酸塩、酢酸塩もしくはクエン酸塩が含まれる。塩化ナト
リウムおよびクエン酸ナトリウムを含む水性溶液が最も好ましい抽出溶液である
。例えば、実施例1および2参照。好ましい抽出溶液中のクエン酸ナトリウム濃
度の範囲は5mM以上〜約50mM、より好ましくは約7mM〜約15mM、最
も好ましくは約13mMである。無機酸(例えばNaCl)と混合して用いる時
のクエン酸ナトリウムと無機酸のモル比の範囲は約1:10〜約1:1、好まし
くは約1:5である。ナトリウムと違ってカルシウムはある種の血漿凝固因子(
例えば第VII因子)と組織因子の複合体形成を促進するため、クエン酸ナトリウ
ムを含む抽出溶液による抽出が、クエン酸カルシウムまたは他のカルシウム塩を
用いるより有利である。
【0018】 所望により該組織の抽出は、Hawkinsらの、米国特許第5,270,451号
に記載のごとく界面活性剤(例えば、Triton(登録商標)X-100のような非イオ
ン性界面活性剤)、カオトロピック物質(例えばチオシアネート)、および/ま
たは吸着剤(例えばBaSO)の存在下で行うこともできる。例えば実施例3
D参照。抽出溶液は、例えばBarrowsらの米国特許第5,391,380号に記
載のごとく金属キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含
むかまたは該金属キレート剤と混合することもできる。例えば実施例3D参照。
しかしながら、以下に述べるように、そのようなキレート剤は、抽出後の膜分離
前にトロンボプラスチン抽出物に加えることが好ましく、さらにBarrowsらの記
載より高い濃度で用いることが好ましい。
【0019】 抽出pH、温度、および持続時間に決定的重要性はなく、当該分野の一般的技
能内であるが、該抽出は約6.5〜約8.5の範囲、好ましくは約8.0のpH
、および約30℃〜約50℃の範囲、好ましくは約45℃で、約10分〜約1時
間の範囲、好ましくは約15分間行うのが好ましい。抽出混合物は、抽出中攪拌
し(stir)、そして/または他の方法で攪拌する(agitate)のが好ましい。抽出後
、好ましくは遠心分離によりトロンボプラスチン抽出物溶液を残りの抽出組織か
ら分離する。 トロンボプラスチン抽出物の安定性は、抽出溶液または得られたトロンボプラ
スチン抽出物をホスホリパーゼインヒビターと混合することにより改良すること
ができる。請求の範囲に具体的に示していない理論による結びつけなしに、トロ
ンボプラスチン抽出物に存在するホスホリパーゼ夾雑物は、該抽出物調製後の時
間経過につれ、該抽出物のプロコアグラント活性に対して悪影響を及ぼすと考え
られる。好ましいホスホリパーゼインヒビターはD609である。ホスホリパー
ゼインヒビターに関する実験データに関する実施例5参照。
【0020】 ある態様では、トロンボプラスチン溶液をタンパク質分解酵素で処理後に、夾
雑タンパク質をトロンボプラスチン溶液、好ましくはトロンボプラスチン抽出物
から分離する。タンパク質分解酵素は夾雑タンパク質に対するタンパク質分解活
性を有するが組織因子に対しては実質的に活性でないことが好ましく、実際に、
組織因子のプロコアグラント活性に実質的に影響を及ぼさない。キモトリプシン
が好ましいタンパク質分解酵素である。トロンボプラスチン抽出物中の夾雑タン
パク質を酵素的に消化して夾雑タンパク質断片を形成させる。キモトリプシン(
1018U/mg)を用いる好ましいアプローチにおいて、濃度範囲約1μg/
ml〜約10μg/ml、好ましくは約1μg/ml〜約5μg/ml、最も好
ましくは約3μg/mlのキモトリプシンをトロンボプラスチン抽出物に加え、
室温で一夜インキュベートする。しかしながら、他の濃度、温度およびインキュ
ベーションを適切に用いてよい。次に、消化した夾雑タンパク質断片をトロンボ
プラスチン抽出物から分離して精製されたトロンボプラスチン抽出物を形成する
ことができる。そのような分離は下記の膜透過により行うのが好ましい。夾雑タ
ンパク質の酵素的消化に関する実験データに関する実施例5参照。
【0021】 消化夾雑タンパク質断片と非消化夾雑タンパク質を含む夾雑タンパク質を、ト
ロンボプラスチン溶液から、好ましくはトロンボプラスチン抽出物から膜透過に
より分離することができる。例えば、実施例3A〜3F参照。本明細書で用いて
いる用語「膜透過」は、フィード溶液中の第一分子種(例えば凝固因子)が膜を
挟む濃度および/または圧の差により半透膜を通して輸送されるが、フィード溶
液中の第二分子種(例えば組織因子)は該膜を通して輸送されないかまたは遅い
速度で輸送されることにより第一分子種と第二分子種の分離が行われる分離方法
をいう。一般的にはPerry's Chemical Engineers' Handbook、第六版、17/14-17
/33頁、McGraw-Hill(1984)参照。溶媒は、フィード溶液から半透膜を通して凝固
因子に付随してよい。
【0022】 トロンボプラスチン溶液から分離されるタンパク質は好ましくは血漿凝固因子
である。特に、外部凝固経路に影響を及ぼす1またはそれ以上の血漿凝固因子(
主としてビタミンK依存性凝固因子(例えば第VII因子、第II因子、第X因子、
第IX因子、第XI因子、および第XII因子)、プロテインC、プロテインS、およ
びプロテインZを含む)を分離するのに有利である。特に、少なくとも第VII因
子をトロンボプラスチン溶液から分離するのが望ましい。ヘモグロビン(Hb)
のような他の夾雑タンパク質も本発明の方法に従って効果的に分離することがで
きる。好ましくは、前記各血漿凝固因子はトロンボプラスチン溶液から単一操作
で同時に分離される。しかしながら、所望により一連の工程操作を用いてそのよ
うな夾雑タンパク質を選択的に分離することができる。さらに、すべての特定の
凝固因子を完全に分離することは本発明の利益を得るのに必須ではない。どちら
かといえば、特定凝固因子(例えば第VII因子)の部分的分離/除去でもトロン
ボプラスチン試薬の感度を商業的に意味がある程度に改良することができる。
【0023】 トロンボプラスチン溶液に加え、フィード溶液はトロンボプラスチン溶液、特
に組織因子からの1またはそれ以上の血漿凝固因子の分離を促進する分離増強添
加剤も含むことができる。理論による結びつけはないが、抽出組織因子と結合し
ている夾雑血漿凝固因子は抽出溶液に溶解している遊離凝固因子、または比較的
大きい組織因子結合小胞との複合凝固因子であると考えることができる。実際に
、複合凝固因子を崩壊させてより分離しやすくすることができる分離増強添加剤
を有利に用いることができる。例えば第VII因子はカルシウム依存性に組織因子
と複合化することが知られている。実際に、第VII因子と組織因子の親和性を減
らすためにフィード溶液中にカルシウムキレート剤、例えばエチレンジアミン四
酢酸(EDTA)もしくはその塩を含むことが好ましい。例えば実施例3B参照
。他のカルシウムキレート剤、例えばシトレート、クエン酸塩、およびエチレン
ビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸も同様に用いてよい。EDTAが好まし
いカルシウムキレート剤であり、フィード溶液に濃度範囲約1mM〜約50mM
、より好ましくは約5mM〜約20mM、最も好ましくは約10mMで含まれる
のが好ましい。トロンボプラスチン溶液がトロンボプラスチン抽出物であり、E
DTAのような金属イオンキレート剤が抽出溶液に含まれる場合は、第VII因子
と組織因子の親和性を減らすのにさらにEDTAは必要ないであろう。他の分離
剤、例えば界面活性剤、カオトロピック剤、緩衝剤などもフィード溶液に含まれ
ていてよい。非イオン性界面活性剤、例えばTriton X-100(登録商標)および/
またはCHAPSを適切に用いることができる。例えば実施例3D参照。
【0024】 所望により、膜透過操作は希釈溶液および/または担体溶液を含んでいてもよ
い。希釈溶液は、フィード溶液由来の溶媒を凝固因子と共に該膜を通して移動さ
せるプロセスに用いられる。希釈剤を用いて溶媒がフィード溶液から除去される
ようにフィード溶液を構成もしくは再希釈する。担体溶液を、フィード溶液に対
して膜の反対側に用いる。担体溶液は、典型的には濃度差により生じる拡散に基
づくマス−トランスファー操作に用いられ、フィード溶液由来の溶媒を膜を通し
て凝固因子と共に移動させる圧操作プロセスには必要ではない。それにも関わら
ず、そのようなプロセスにも所望により担体溶液を用いることができる。担体溶
液を用いる場合は、フィード溶液中の濃度以下の濃度の夾雑タンパク質(例えば
血漿凝固因子)を有することができ(濃度操作マストランスファーを許す)、そ
して/またはフィード溶液の圧に対してより低い圧で維持することができる(溶
媒−フロー・マストランスファーを許す)。あらゆる場合において、希釈溶液お
よび/または担体溶液は半透膜を通過するので、それぞれ凝固因子を一緒に運び
(entrain)、そして/または受け取るのに適したあらゆる液体であり得る。水お
よび水性溶液が好ましい希釈および/または担体溶液である。希釈溶液および/
または担体溶液は、該プロセスで分離すべき、含まれる溶質(組織因子および1
またはそれ以上の血漿凝固因子)を除き、フィード溶液とできるだけ密接に適合
させるのが好ましい。したがって、精製されたトロンボプラスチン溶液がトロン
ボプラスチン抽出物(好ましい)である場合は、希釈/担体溶液は抽出溶液(抽
出前)として用いたのと同じ種類の溶液であり得る。分離に用いる特定の膜分離
プロトコールは、厳密に決定的ではなく、例えば、透析、浸透、逆浸透、限外ろ
過、ディアフィルトレーション(diafiltration)、電気透析などが含まれる。
以下に示すように、大溶質分画プロトコール、例えば限外ろ過またはディアフィ
ルトレーションが好ましい膜分離プロセスである。そのような各膜分離プロトコ
ールには、一般に、トロンボプラスチンフィード溶液を半透膜の第一表面に曝露
し、曝露したフィード溶液を濃縮物として回収することが含まれる。濃縮物中の
該夾雑タンパク質の濃度はフィード溶液中より低い。さらに、膜の第二表面を、
典型的には担体溶液もしくはフィード溶液由来の溶媒に曝露し、夾雑タンパク質
と共に膜でろ過する(膜を通過させる)。いずれの場合も、膜の第二表面に曝露
した液体を浸透物(permeate)と呼ぶ。担体溶液を用いる場合は、浸透物は、担
体溶液に対して分離される夾雑タンパク質で豊富化される。
【0025】 半透膜は、1またはそれ以上の凝固因子を組織因子に対して優先的にろ過する
あらゆる物質を含むことができる。血漿凝固因子の分子量は約60,000ダル
トン(60kD)である。組織因子は分子量に関して幾分不均質であり、100
kDおよび2000kD膜を用いる膜分離試験に基づき、それぞれ組織因子の約
90%は分子量1000,000ダルトン(1000kD)以上であり、組織因
子の80%は分子量約2000,000ダルトン(2000kD)以下である。
したがって、用いる半透膜は、産業標準グロブリン様タンパク質を用いて特徴づ
けた、少なくとも約75,000ダルトン(75kD)〜約2000,000ダ
ルトン(2000kD)、より好ましくは少なくとも約100,000ダルトン
(100kD)〜約1000,000ダルトン(1000kD)、さらにより好
ましくは少なくとも約100,000ダルトン(100kD)〜約500,00
0ダルトン(500kD)、最も好ましくは約200,000ダルトン(200
kD)〜約400,000ダルトン(400kD)の範囲の表示分子量カットオ
フ(MWCO)を有するべきである。最も好ましくは、該半透膜は、産業標準グ
ロブリン様タンパク質を用いて特徴づけた、約300,000ダルトン(300
kD)の表示分子量カットオフを有するべきである。しかしながら、他の溶液の
膜分離に関する既知の産業的応用には、膜でろ過する溶液の分子量の10倍また
はそれ以上の表示分子量カットオフを有する膜を含むことができるので、本発明
の特定の応用のために当業者が最適化試験を行った後に、約600,000ダル
トン(600kD)またはそれ以上のMWCO値がより有用であることが確定す
るかもしれない。該溶液の通過および濃縮(retention)を考慮すると、本発明の
半透膜は、目的の検出可能な血漿凝固因子の少なくとも約25%、好ましくは少
なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは
少なくとも約90%、なおより好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは
少なくとも約99%が膜を通過するが、検出可能な生物学的に活性な組織因子の
少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、より好ましくは少なくと
も約50%、さらにより好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは
少なくとも約90%、なおより好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは
少なくとも約99%が同時に保持されるサイズのMWCOを持つべきである。最
も好ましい半透膜は目的の検出可能な血漿凝固因子100%を通過させるが検出
可能な組織因子100%を保持するであろう。
【0026】 上記の好ましい範囲内のMWCOを有する、本発明に用いるのに適した多くの
半透膜が当該分野で知られており、市販されている。そのような半透膜は好まし
くは固体膜であり、典型的には事実上重合しているが、本発明の目的にはそのよ
うなものに限定されない。重合膜は天然ポリマーもしくは合成ポリマーであり得
、結晶および/または非晶質構造であってよい。重合膜物質の例には、とりわけ
、セルロースポリマー、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポ
リフラン、ポリアルケン、ポリアセテート、ポリビニル、およびそれらのコポリ
マーが含まれる。ポリエーテルスルホン膜が適切な膜物質である。膜は種々の形
またはデザイン、例えば「シート」、「中空線維」、「シン−チャンネル(thin
-channel)」および「パラレル−リーフ」デザインであってよく、対称もしくは
非対称であってよい。本明細書に記載の応用で用いる物質、形、対称、ポアサイ
ズ、ポア密度(多孔性)、透過性、化学安定性、熱安定性、および機械的安定性
(例えば、クリーニングに対する)の選択を含む特定の膜の選択は、当該分野の
通常技能内である。望ましくは、膜を膨潤剤で前処理し、そして/または「イン
ライン」で処理し、伸張させ、熱処理し、および/または化学的に反応させるこ
とにより、例えば多孔性およびポアサイズ(全移動速度に影響するパラメーター
)を制御することができる。好ましくは半透膜には、好ましい300kD MW
COサイズおよび他のMWCOサイズが利用可能なDispoDialyzer(登録商標)
(Spectrum)およびPellicon XL(登録商標)(Millipore)が含まれる。
【0027】 半透膜の特定の物理的構成は厳密に決定的ではない。半透膜は、種々のデザイ
ン、例えば「シェル・アンド・チューブ」、「プレート・アンド・フレーム」、
「スタック」、「バイフロースタック」、および「スパイラル−ワウンド(woun
d)」のモジュールとして組み立てることができる。Perry's Chemical Engineer'
s Handbook、上記参照。より大規模の商業用デザインは、典型的には、担体溶液
を含む平らな半透膜バッグのまわりにフィード溶液をタンクを通して循環させる
「タンク」形、垂直な膜が、フィード溶液と担体溶液の交互構造でサンドイッチ
状になった「フィルター−プレス」形、またはチューブ状膜(例えば中空線維膜
)がチューブを通るフィード溶液およびもし用いる場合はチューブを通る担体溶
液と共にシェル内に配置されている「シェル・アンド・チューブ」形である。 である。
【0028】 半透膜は種々の分離プロトコール、種々のフロー型、および種々の操作法のた
めに適切に設計された形および配置であり得る。より詳細には、該膜および/ま
たは膜モジュールデザインは、主として膜を横切る濃度差に基づくか(例えば透
析型浸透プロセスにおいて)、または膜を横切る圧差に基づいて(例えば限外ろ
過型浸透プロセスにおいて)行われる分離に適し得る。膜およびまたは膜モジュ
ールデザインは、例えば直接もしくは衝突流(フロー)またはタンジェンシャル
フロー型を含む膜表面に対するトロンボプラスチン溶液の種々のフロー型を考慮
することができる。フィード溶液に半透膜表面を接線方向に流れさせるデザイン
は、フィード溶液の「スィーピング(sweeping)」作用により膜ポアのプラギン
グ(plugging)の程度を減らすので一般的に好ましい。担体溶液を用いる場合は
、該膜および/または膜モジュールデザインは、パラレルフロー、クロスフロー
、またはカウンターフロー型を含む膜表面に対するトロンボプラスチン溶液の種
々のフロー型を考慮することができる。操作的考慮において、該膜および/また
は膜モジュールデザインはバッチ、半連続(例えばフィード・アンド・ブリード
)、または連続操作に適し得る。
【0029】 タンジェンシャル・フロー半透膜モジュールの例には(図1を参照)、エント
ランス・エンド(入り口端)ベル30、ミッド・セクション40、およびイグジ
ット・エンド(出口端)ベル50を有するタンジェンシャル・フロー型分離装置
20中に配置された2枚の膜シート10を含む。プレート60は、ミッド・セク
ション40とエントランス・エンドベル30およびイグジット・エンドベル50
を分離する。各膜シート10は第一表面11と第二表面12を有する。トロンボ
プラスチン溶液を含むフィード溶液100は該装置20の該エントランスベル3
0から供給され、プレート60中の孔62を通してミッド・セクション40に流
れる。ミッド・セクション40で、フィード溶液100は各膜シート10の第一
表面11と接触する。図1には示していないが、膜シート10の第二表面12に
曝露するために、該装置20の担体流入口22から同時に担体溶液を供給するこ
とができる。担体溶液が該装置20に供給されるか否かに関わらず、フィード溶
液100、および好ましい態様ではフィード溶液100由来の溶媒中の1または
それ以上の凝固因子が膜シート10から膜シート10の間の空間70に通過する
が、組織因子はフィード溶液中に保持される。凝固因子除去フィード溶液(濃縮
物110と呼ぶ)は、該装置20の出口端ベル50と通してミッド・セクション
40から排出される。排出した濃縮物110はフィード溶液100に対して凝固
因子が除去されている。凝固因子保持溶媒(透過物210と呼ぶ)は透過物出口
24から該装置20のミッド・セクション40から排出される。
【0030】 別の構成例において(図2を参照)、半透膜は、入り口端ベル30、ミッド・
セクション40、および出口端ベル50を有するシェル・アンド・チューブ型分
離装置20中に構成される。チューブプレート60は入り口端ベル30および出
口端ベル50とミッド・セクション40を分離する。各膜10は、第一内部表面
11および第二外部表面12を有する。トロンボプラスチン溶液を含むフィード
溶液100は該装置20の入り口ベル30から膜10の内部表面11に供給され
る。所望により、担体溶液200は同時に、装置20のミッド・セクション40
から膜10の外部表面12に供給される。フィード溶液100中の1またはそれ
以上の凝固因子は、典型的にはフィード溶液100由来の溶媒と共に、担体溶液
200へと膜を通過するが、組織因子はフィード溶液100中に保持される。凝
固因子除去フィード溶液(濃縮物110と呼ぶ)は、装置20の出口端ベル50
を通して膜10から排出される。凝固因子豊富化担体溶液(透過物210と呼ぶ
)は装置20のミッド・セクション40から排出される。排出された透過物21
0は担体溶液200に対して凝固因子が豊富化されている。 膜分離装置、例えば上記例装置を(単独で、または他の装置と組み合わせて)
バッチ、半連続的(一段階連続もしくは一段階「フィード・アンド・ブリード」
)、または多段階連続プロセスに用い、組織因子から凝固因子を分離することが
できる。
【0031】 好ましいバッチプロセスでは、トロンボプラスチン抽出物はタンジェンシャル
−フロー・ディアフィルトレーションで処理される。図3に示すように、非処理
トロンボプラスチン抽出物を含むフィード溶液100をフィードタンク300か
ら連続的に再循環させ、膜分離装置400(所望により担体溶液200に対して
)を通し、次いでポンプ500によりフィードタンク300に戻す。膜分離装置
400は、フィード溶液100を曝露する第一表面11と担体溶液200を曝露
する第二表面12を有する半透膜10を含む。各第一および第二表面11、12
は表面面積Aを有する。インレット圧ゲージ510で決定されるフィード溶液1
00の圧は膜10の担体溶液/透過物側の圧より大きく、膜分離装置400をそ
れぞれ通過することによりフィード溶液100から膜10の他の側に凝結因子を
通過させ、フィードタンク300に再循環してもどる濃縮物110にはフィード
溶液100に対して凝固因子が除去され、組織因子がより濃縮される。フィード
タンク300のフィード溶液100のレベルは、溶媒が膜10を通して浸透によ
り除去されるため、初期レベル、Lから低レベル、Lに低下する。フィード
タンク300中の該レベルがLに低下した後、濃縮フィード溶液100を希釈
溶液で再希釈し、該レベルを初期レベル、Lに上昇させることができる。フィ
ードタンク300が空になり、再度満たされる各サイクルが、本明細書に記載の
目的では1希釈サイクルと考える。所望により、所望の分離レベルを達成するの
に必要なだけの希釈サイクルのために再循環を続けることができる。他のバッチ
プロセス構成は当業者に明らかであろう。
【0032】 そのような好ましいバッチ分離スキーム中の設計パラメータは分離装置400
を通過する単位容量のフィード溶液100について達成される分離レベルである
。そのような単位容量のインクレメンタル分離は、一般に装置400に用いる半
透膜10(またはモジュール)の種類の機能であり、重要な設計考慮事項は上記
したようにMWCO、透過性、総面積A、フロー型、および構造である。該分離
装置400に関して、一定時間に達成できるインクレメンタル分離および全分離
は、ベンチスケールの試験を用いて評価できる。そのような好ましいバッチプロ
セスについてベンチスケールの試験で考慮すべきパラメータは、同様に膜10を
横切る圧格差に依存する透過物の流速(単位時間あたりの膜の単位表面面積を通
過する透過物の容量)である。該圧格差はポンプ500と再循環フィード溶液1
00の対応する容量流速を調整することにより制御することができる。全分離を
評価するには、処理するフィード溶液の容量、サイクルあたりのフィードタンク
300の容量格差(すなわち希釈容量)、サイクル数、サイクルあたりの時間、
特定の分離度を達成するための総時間も測定すべきパラメータである。プロセス
制御パラメータは、分離プロセスを最適化するため必要に応じて当業者が変更す
ることができる。
【0033】 上記好ましいバッチプロセスを含む典型的ベンチスケール試験では、クエン酸
Na/NaClトロンボプラスチン抽出物100mLを、クエン酸Na/N
aCl希釈溶液を用い、300kD MWCOにてタンジェンシャル−フローPel
licon XL(登録商標)(Millipore)によりディアフィルトレーションした。最
初の試験では、再循環流速を調整して約10psigのインレット圧を得た(膜
流速約100ml/hr(膜流量約4ml/cm・hrに相当)を生じる)。
最初のフィード溶液を5希釈サイクル(各サイクルがフィード溶液を約2.5倍
希釈する)を用い総時間約5時間で約100倍に希釈した。例えば実施例3B参
照。再循環流速を変化させて約20psigのインレット圧を得た(膜流速約1
00ml/hr(膜流量約8ml/cm・hrに相当)第二の試験では、フィ
ード溶液の100倍希釈を、各サイクルがフィード溶液を5倍希釈する3希釈サ
イクルを用い、総時間約3時間で達成した。例えば実施例3B参照。2つのベン
チスケール実験の操作パラメータの比較は、より高い膜流速で低速に匹敵する結
果を達成できること((1)同じ膜表面面積を用いる処理時間が50%減少する
(およびそれに対応して操作コストが減少)か、または(2)同じ時間では膜表
面面積が50%減少(およびそれに対応して資本コストが減少))を示唆する。
バッチパイロットプラント試験を、これらベンチスケール試験に基づきスケール
アップした。
【0034】 先の記載はバッチプロセス法を含むが、本発明は半連続または連続プロセスに
も使用可能である。図3に示すバッチプロセスに基づく典型的半連続プロセスで
は、半透膜10を通る溶媒の流速と等しい速度でフィードタンク20に希釈溶液
を連続的に加えることによりフィードタンク300中の該レベルを一定に(例え
ばLに)維持することができる。図4に模式的に示す典型的「フィード・アン
ド・ブリード」連続プロセスでは、フィードポンプ310によりフィードタンク
300から第一段階再循環ループ600フィード溶液100を送り込む。第一再
循環ポンプ610は第一分離装置620を通して第一の流れを再循環し、透過物
210を連結流出ヘッダーから排出させ、濃縮物110のバルクをループ600
を通して再循環させ、濃縮物110の比較的小部分を流出させ第二再循環ループ
700に供給する。第二再循環ポンプ710は第二分離装置720を通して第二
の流れを再循環させ、透過物220を連結排出ヘッダーを通して排出させ、濃縮
物120のバルクをループ700を通して再循環させ、濃縮物120の比較的小
部分を排出させて第三再循環ループ800に供給する。第三再循環ポンプ810
を第三分離装置820を通して第三流を再循環させ、透過物230を連結排出ヘ
ッダーを通して排出させ、濃縮物130のバルクをループ800を通して再循環
し、濃縮物130の比較的小部分を精製トロンボプラスチン抽出物として排出さ
せる。各段階はほぼ一定濃度の保持された溶質、組織因子で操作される(後の段
階の組織因子濃度は初期段階より幾分高い)。他の半連続および連続プロセス構
成は当業者に明らかであろう。
【0035】 膜透過により精製されるトロンボプラスチン溶液がトロンボプラスチン試薬で
ある場合は、該試薬を、直接またはトロンボプラスチン抽出物からの試薬の製造
について以下に記載のさらなる成分を加えてPTアッセイに用いることができる
。膜透過により製造されるトロンボプラスチン溶液がトロンボプラスチン抽出物
である場合は、トロンボプラスチン試薬を以下のごとく精製トロンボプラスチン
抽出物から製造してよい。 トロンボプラスチン試薬は、精製トロンボプラスチン抽出物(本明細書では処
理抽出物ともいう)から、該処理抽出物をカルシウムイオンCa++と混合する
ことにより製造することができる。該試薬組成物中の処理抽出物の量は、該試薬
組成物の総容量に対して約10容量%〜約50容量%、より好ましくは約15容
量%〜約45容量%、最も好ましくは約25容量%〜約35%容量%の範囲であ
ることが好ましい。好ましい試薬組成物の処理抽出物の量は約30容量%である
。カルシウムイオンは、カルシウム塩、例えば塩化カルシウム、CaCl、ま
たは有機酸のカルシウム塩、例えば酒石酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、
クエン酸カルシウム、および乳酸カルシウムとして該試薬組成物に供給すること
ができる。カルシウムはCaClとして供給し、試薬組成物に濃度範囲約10
mM〜約15mM、より好ましくは濃度範囲約10mM〜約12mM、最もこの
ましくは約11mMで用いることが好ましい。
【0036】 他の試薬成分、例えば緩衝剤、安定化剤、保存剤、活性化(sensitizing)剤
、および充填剤も該トロンボプラスチン試薬組成物に含むことができる。緩衝剤
は、該試薬組成物を約6.8〜約8.0の範囲のpH、好ましくはpH約7.5
に維持するのに用いることができる。典型的緩衝剤には、とりわけ、例えばトリ
ス、ホスフェート、バルビタール、グリシルグリシン、3−(N−モルホリノ)
−プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−2
−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス−(ヒドロキシメチル)−メ
チル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチルピペ
ラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−[N−トリス(ヒドロ
キシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO
)、および3−[N−トリス−(ヒドロキシメチル−メチルアミノ]−プロパンス
ルホン酸(TAPS)が含まれる。HEPESが好ましい緩衝剤である。トロン
ボプラスチン試薬のプロコアグラント活性を維持するのに有用な安定化剤は当該
分野で知られており、例えば、Goods緩衝剤、トリス、ウシ血清アルブミン(B
SA)、ピペラジン−N−,N−ビス(2−エタンスルホン酸、1.5ナトリウ
ム塩(PIPES)、イミダゾール、3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシ
プロパンスルホン酸(MOPSO)、MOPS、BES、TES、HEPES、
TAPSO、TAPS、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒド
ロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、ピペラジン−N,N'−ビス(2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N−ヒドロキシエチルピペラジ
ン−N'−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、トリシン、お
よびビシンが含まれる。HEPESおよびBSAが好ましい安定化剤である。微
生物の増殖を防止する保存剤、例えば抗真菌、抗菌、および抗酵母組成物を試薬
組成物中に含んでいてよい。典型的組成物には、アジ化ナトリウム、チメロサー
ル、BHA、BHT、および予め製剤化された多活性製剤、例えばProClin(登
録商標)(Supelco)が含まれる。ProClin(登録商標)が好ましい保存剤である。
種々の活性化剤が当該分野で知られている。該試薬の感度を、例えば、塩化ナト
リウムのような塩を、典型的にはノーマル−シフティング(normal-shifting)
試薬、例えばポリエチレングリコール(PEG)と共に用いて改良することがで
きる。他の活性化試薬、例えばヘキサジメトリン(hexadimethrine)ブロミドも
しくはプロタミンを用いて潜在的干渉活性、例えばヘパリン活性を阻害すること
ができる。該試薬組成物に含ませることができる充填剤には、アルコール(例え
ばグルシトール、マンニトール、ソルビトール)、グリシン、デキストロースな
どが含まれる。該試薬組成物は、界面活性剤(例えばTween 80またはTriton X-1
00)、および血漿アッセイに通常用いられる他の物質も含むことができる。これ
ら添加試薬成分の濃度は当業者が決定し、最適化することができる。
【0037】 カルシウム緩衝剤をトロンボプラスチン試薬組成物に加えることも好ましい。
トロンボプラスチン試薬にそのようなカルシウム緩衝剤を用いることによりトロ
ンボプラスチン試薬の感度を制御することができる。さらに、そのような制御は
正常血漿の凝固時間に対する影響が最小限で達成される。請求の範囲に具体的に
示していない理論による結びつけなしに、緩衝剤はトロンボプラスチン試薬中の
遊離カルシウム濃度を調節する。適切なカルシウム緩衝剤には、有機酸塩、例え
ばクエン酸塩もしくは酒石酸塩、カルシウムキレート剤、例えばEDTAもしく
はEGTA、およびカルシウム結合緩衝剤、例えばN−2−アセタミドール−2
−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(
ビシン)、MES、ACES、トリシン、およびグリシルグリシンが含まれる。
当該分野で知られた、または後に開発される他のカルシウム緩衝剤も同様に用い
ることができよう。クエン酸ナトリウム、ADA、およびビシンが好ましいカル
シウム緩衝剤であり、クエン酸ナトリウムが最も好ましい。トロンボプラスチン
試薬組成物中のカルシウム緩衝剤濃度は、用いる特定のカルシウム緩衝剤、特に
抽出物の濃度およびCa++イオン濃度を含む他の試薬成分の濃度、および所望
の感度に応じて変化させることができる。しかしながら、好ましくはカルシウム
緩衝剤濃度は、約0.25mMから約15mM、より好ましくは約0.5mM〜
約10mM、最も好ましくは約0.5mM〜約7mMの範囲であり得る。クエン
酸ナトリウムをカルシウム緩衝剤として用いる好ましい態様では、クエン酸ナト
リウム濃度は、好ましくは約0.5mM〜約7mM、より好ましくは約1mM〜
約5mM、最も好ましくは約2.5mM〜約4.5mMである。そのようなカル
シウム緩衝剤については試験例6の実験データを参照する。
【0038】 トロンボプラスチン試薬は、それがプロコアグラント活性を保持するであろう
あらゆる形で維持することができる。例えば、トロンボプラスチン試薬は、溶液
として、または脱水形(例えば凍結乾燥形)で販売することができる。所望によ
り、トロンボプラスチン試薬は−20℃で約6ヶ月間まで凍結保存するか、また
は当該分野で知られた別の適切な方法で保存することができる。 本発明に従って製造されるトロンボプラスチン試薬は、好ましくは、処理Na
Cl/クエン酸Naトロンボプラスチン抽出物(30容量%〜45容量%、最
も好ましくは35容量%)、CaCl(10mM〜13mM、最も好ましくは1
1mM)、HEPES(5mM〜50mM、最も好ましくは10mM)、NaC
l(70mM〜120mM、最も好ましくは80mM)、PEG8000(0.
5%〜1.0%、最も好ましくは0.75%(重量/容量)(溶液密度1g/m
lとみなす)、さらなるクエン酸Na(2.5mM〜4.5mM、最も好まし
くは3.5mM)、ヘキサジメトリンブロミド(5mg/l〜20mg/l、最
も好ましくは12.5mg/l)、マンニトール(0.5%〜5%、最も好まし
くは2%(重量/容量)、グリシン(0.5%〜5%、最も好ましくは4%(重
量/容量)、BSA(0.1%〜3%、最も好ましくは1%(重量/容量)、お
よびProClin(登録商標)300(0.01%〜0.07%(重量/容量))を含む
。例えば実施例4および実施例6参照。次いで該試薬溶液を凍結乾燥する場合は
ProClinを揮発させることに注意せよ。実施例4に示すように、そのようなトロ
ンボプラスチン試薬は、商業的に許容される範囲内の正常なPT時間を有する。
【0039】 トロンボプラスチン試薬の他の製剤は本発明の範囲内である。そのような製剤
は、現在の商業的要求の基づき、約9.0秒から約20秒間、より好ましくは約
9.0秒〜約13.0秒間、最も好ましくは約10.0秒〜約12.0秒間の範
囲の正常PT時間を有することが好ましい。そのような製剤は、独立してか、種
々の組み合わせで、もしくは累積的に考慮される種々の特徴付け基準に関して以
下の感度を有する。国際標準比約3.0を有するクマリン化血漿の動的範囲、少
なくとも約20秒間、より好ましくは少なくとも約30秒間、最も好ましくは少
なくとも約40秒間;99%第VII因子欠損(除去)血漿の動的範囲、少なく
とも約30秒間、好ましくは少なくとも約35秒間、最も好ましくは少なくとも
約40秒間;50%プール正常血清(PNP)対100%PNPの動的範囲、約
3秒間〜約6秒間、より好ましくは約4秒〜約5秒間の範囲;および国際感度指
数(ISI)、約2.0以下、好ましくは約1.4以下、最も好ましくは少なく
とも約1.25以下。さらにそのような試薬を再現性をもって製造する方法が商
業的に実行可能である。
【0040】 本発明のトロンボプラスチン試薬の改良された感度は、請求の範囲に具体的に
示していない理論による結びつけなしに、夾雑凝固因子またはトロンボプラスチ
ン溶液由来の他の夾雑タンパク質を膜透過により除去することから生じる。実施
例3C参照。そのように除去しなければ、夾雑血漿凝固因子は試料中に高濃度で
存在し、凝固時間を早め、感度を低下させる一因となる。例えば、試薬溶液に存
在する第VII因子の夾雑は、夾雑第VII因子は事実上、ある種の該欠損を部分的に
補うので、患者血漿が第VII因子欠損であるか否かを決定する感度の低下を生じ
るであろう。凝固時間に対する夾雑凝固因子の寄与および得られる効果は、因子
欠損(deficient)血漿試料(例えば、感度を測定するのに用いる欠損患者血漿
もしくは標準異常血漿)で正常血漿試料より比例的により有意である。異常血漿
に対する処理トロンボプラスチン溶液の影響は、より長いPT凝固時間をもたら
すが、正常血漿に対する影響は実質的なものでなく、正常PT凝固時間はほとん
どもしくは全く移動しない。
【0041】 許容できるPT正常時間を維持しながら再現性のある感度の改良を達成するの
に加えて、そのような試薬は既知のトロンボプラスチン試薬に比べて外観が改善
されている。これら試薬は外観が灰白色乳状であると視覚的に特徴づけられる。
理論による結びつけはないが、より魅力的な試薬の外観は、上記精製プロセス時
の膜透過による残存ヘモグロビン(Hb)夾雑物のトロンボプラスチン溶液の分
離に基づいているようである。Hbは分子量約64,000ダルトン(64kD
)の四量体タンパク質であり、上記のごとく血漿凝固因子と同様に組織因子から
分離されよう。該試薬のHbレベルは、ヘモグロビンアッセイ(例えばSigma Di
agnostics Procedure No.527)により測定することができ、好ましくは約2.0
mg/ml以下、より好ましくは約1.0mg/ml、さらにより好ましくは約
0.5mg/ml、最も好ましくはSigma Diagnostics Procedure No.527アッセ
イを用いて検出不能である。例えば、実施例7に記載の実験データ参照。
【0042】 本発明のトロンボプラスチン試薬は当該分野で知られた種々の診断的用途に用
いることができる。好ましくは、トロンボプラスチン試薬は凝固時間に基づくア
ッセイ、例えばプロトロンビン時間(PT)アッセイに用いられる。そのような
アッセイには典型的には凝固時間の測定(すなわち、アッセイ溶液(トロンボプ
ラスチン試薬と血漿試料を混合することによる)の形成からアッセイ溶液中の血
餅形成が検出されるまでの経過時間の測定が含まれる。時間測定および/または
血餅検出は、当該分野で知られた種々の技術を用いて自動化するか、もしくは手
動で行うことができる。典型的な血餅形成の検出方法には、とりわけ「チルト(
tilt)チューブ」技術を用いる視覚的観察、電気化学的方法(例えばフィブロメ
ーター)、光学的方法(例えば吸光度もしくは吸光度の変化速度に基づく)が含
まれる。典型的な自動化分析器にはAmelung CS-190, MLA-900が含まれる。
【0043】 PTアッセイは外部凝固経路に関連する血液凝固不全を決定するのに好都合に
用いることができる。例えば、第VII因子夾雑物がより少ないトロンボプラスチ
ン試薬は、第VII因子欠損の患者のより正確なスクリーニング法を提供するであ
ろう。プロトロンビン時間アッセイは、外部凝固経路に影響を及ぼすクマリンの
ような医薬品を用いる抗凝固治療をモニターするのにも用いることができる。そ
のような抗凝固療法の基礎は患者の機能的ビタミンK依存性タンパク質を制御し
て低下させることであるから、本発明の敏感なトロンボプラスチン試薬は、治療
管理のより正確なモニターと制御をもたらすであろう。本発明の試薬は被検血漿
中に存在する血漿凝固因子のレベルの定性的スクリーニングアッセイ、さらに定
量的測定に用いることができる。そのような定量的測定には、種々の既知レベル
の血漿凝固因子を有する標準血漿の凝固時間の測定、標準血漿の凝固時間と標準
血漿中の血漿凝固因子レベルの標準相関を作製することが含まれる。次に、被検
血漿の凝固時間を測定し、試料中の血漿凝固因子レベルを標準相関に基づいて決
定する。
【0044】 以下の実施例に本発明の原理と利点を例示する。 (実施例) 実施例1:抽出/希釈/担体溶液の調製 NaCl(2.92g)およびクエン酸Na(3.93g)と水(1000
ml)を混合して抽出溶液、希釈溶液、および/または担体溶液として用いる溶
液を調製し、50mM NaClおよび13mM クエン酸Naを含む抽出/希
釈/担体溶液を得た。
【0045】 実施例2:トロンボプラスチン抽出物の調製 ウサギ脳アセトン粉末5gと実施例1の抽出溶液100mlを45℃で15分
間、400rpmで混合しながら接触させることにより活性組織因子を含むトロ
ンボプラスチン抽出物を調製した。組織因子を抽出溶液中に抽出し、次いで遠視
分離により抽出組織から上清を分離した。
【0046】 実施例3:トロンボプラスチン抽出物からの夾雑タンパク質の膜分離、トロンボ
プラスチン試薬の製造、およびその評価 以下の実験において、種々のトロンボプラスチン試薬を評価するためのPTア
ッセイに用いる標準「正常」および「異常」血漿試料には、「コントロールレベ
ルI」正常血漿(Sigma Diagnostics, C7906);プール正常血漿(「PNP」)
、国際標準比(INR)約3.0のクマリン化血漿、および99%第VII因子
欠損血漿)(Sigma Diagnostics, R7D-S)が含まれた。特記しない限りCS-190 O
ptical Analyzerを光学的方法に用い、種々の血清試料のPT凝固時間を測定し
た。
【0047】 実施例3A:トロンボプラスチン抽出物の透析 (100kD MWCO:ベンチスケール) トロンボプラスチン抽出物を実施例2に記載のごとく調製し、MWCO 10
0kDのベンチスケールDispoDyalyzer(登録商標)で透析した。透析は、pH
7.0〜8.0、温度2〜8℃、および大気圧で、実施例1のごとく調製した担
体溶液に対して6時間行った。 透析抽出物を用い、該透析抽出物とCaCl(11mM)、HEPES、N
aCl、PEG8000、ヘキサジメトリンブロミド、マンニトール、グリシン
、BSA、およびProClin(登録商標)300と混合することによりトロンボプラス
チン試薬を調製した。種々の血漿試料のPT凝固時間を測定するためにSC-190 O
ptical Analyzerを用いるプール正常血漿、レベルI凝固コントロール(Coa
gI)、クマリン化血漿(CP)、および99%第VII因子欠損血漿(F7D
−1)のPTアッセイを用いてトロンボプラスチン試薬組成物を評価した。結果
を表3A.1に示す。
【0048】 表3A.1:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(35%透析抽出物・10
0MWCO) これらのデータは、濃度誘導(driven)透析によりトロンボプラスチン抽出物か
ら夾雑凝固因子が効果的に除去されたが、生物学的に活性な組織因子は抽出溶液
中に保持されたことを示す。透析抽出物から調製したトロンボプラスチン試薬は
プロコアグラント活性を有し、CP/PNP比の増加、第VII因子欠損血漿にお
ける動的範囲の増加により示される試薬感度の増加をもたらし、PT正常時間に
対しては軽度の影響しかなかった。
【0049】 実施例3B:トロンボプラスチン抽出物のディアフィルトレーション(300k
D MWCO/EDTA:ベンチスケール) トロンボプラスチン抽出物を実施例2に記載のごとく調製し、次いで抽出物1
00mlをEDTA(10mM)と混合し、抽出物/EDTA溶液を形成させた
。 最初のベンチスケール実験では、図3に示す系と同様のベンチ型操作で、MW
CO 300kDのポリエチレンスルホン膜を有するベンチスケールPellicon XL
(登録商標)(Millipore)50cmカセットを用いて抽出物/EDTA溶液
をディアフィルトレーションした。ディアフィルトレーションはpH7〜8、温
度18〜22℃、フィード溶液インレット圧10psig、およびフィード流速
約25ml/minで行った。抽出物/EDTA溶液を、5希釈サイクル(各サ
イクルでフィード溶液の約2.5希釈をもたらす)を用い総時間約5時間で、N
aCl(50mM)およびEDTA(10mM)を含む希釈溶液で約100倍に
希釈した。測定膜流速は約100ml/hrであった。ディアフィルトレーショ
ンの第一サイクルからの浸透物を第VII因子評価用に回収した。実施例3C参照
。次に、ディアフィルトレーションした抽出物の濃縮物を、簡単な12,000
ダルトン(12kD)MWCO透析膜を用い、NaCl(50mM)およびクエ
ン酸Na(13mM)を含む溶液に逆透析した。
【0050】 ディアフィルトレーション抽出物を用い、ディアフィルトレーション抽出物(
25容量%)とCaCl(11mM)、HEPES、NaCl、PEG800
0、ヘキサジメトリンブロミド、マンニトール、グリシン、BSA、およびProC
lin(登録商標)300を混合することによりトロンボプラスチン試薬を調製した。
PT凝固時間を測定するためにSC-190 Optical Analyzerを用いる凝固コントロ
ールレベルI正常血漿、プール正常血漿(PNP)、クマリン化血漿(CP)、
および99%第VII因子欠損血漿(F7D−1)のPTアッセイを用いてトロ
ンボプラスチン試薬組成物を評価した。非処理抽出物を用いて調製した(その他
は評価する試薬組成物と同じ)コントロール試薬も評価した。結果を表3B.1
に示す。
【0051】 表3B.1:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(25%ディアフィルトレ
ーション抽出物/300MWCO/EDTA/10psig)
【0052】 これらデータは、非処理抽出物を含むコントロール試薬に比べてディアフィルト
レーション抽出物を含むトロンボプラスチン試薬の感度が実質的に増加し、PT
正常時間は軽度に増加するだけであることを示す。 第二ベンチスケール実験では、上記と同じようにして異なるトロンボプラスチ
ン抽出物から調製した別の抽出物/EDTA溶液を、上記で用いた同じベンチス
ケールPellicon XL(登録商標)カセットを洗浄したものを用い、フィード溶液
インレット圧20psig、およびフィード流速約45ml/minにてディア
フィルトレーションした。抽出物/EDTA溶液を、3希釈サイクル(各サイク
ルでフィード溶液の約5希釈をもたらす)を用い総時間約3時間で、NaCl(
50mM)およびEDTA(10mM)を含む希釈溶液で約100倍に希釈した
。測定膜流速は約200ml/hrであった。ディアフィルトレーションした抽
出物の濃縮物を、上記のごとくNaCl(50mM)およびクエン酸Na(1
1mM)を含む溶液に逆透析した。
【0053】 ディアフィルトレーション抽出物を用いて2種類の異なるトロンボプラスチン
試薬組成物を調製した。ディアフィルトレーション抽出物(25容量%)とCa
Cl(11mM)を混合して第一試薬組成物を調製した。ディアフィルトレー
ション抽出物(37.5容量%)とCaCl(11mM)を混合して第二試薬
組成物を調製した。HEPES、NaCl、PEG8000、ヘキサジメトリン
ブロミド、マンニトール、グリシン、BSA、およびProClin(登録商標)300を
各試薬組成物に加えた。 種々の血漿試料のPT凝固時間を測定するためにSC-190 Optical Analyzerを用
いる凝固コントロールレベルI正常血漿、プール正常血漿(PNP)、およびク
マリン化血漿(CP)のPTアッセイを用いて第一トロンボプラスチン試薬組成
物を評価した。非処理抽出物を用いて調製した(その他は評価する対象試薬組成
物と同じ)トロンボプラスチン試薬を用いるコントロールアッセイも評価した。
結果を表3B.2に示す。
【0054】 表3B.2:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(25%ディアフィルトレ
ーション抽出物/300MWCO/EDTA/20psig)
【0055】 ディアフィルトレーション抽出物を含む該試薬組成物は、コントロール試薬に比
べて正常時間に対する影響はほとんどなしに、感度が増加することを示した。 凝固コントロールレベルI正常血漿、プール正常血漿(PNP)、クマリン化
血漿(CP)、50%PNP、および99%第VII因子欠損血漿(F7D−I
)のPTアッセイを用いて第二トロンボプラスチン試薬組成物を評価した。CS-1
90 Optical Analyzerおよび比較のために機械的PT試験を用い、種々の血漿試
料のPT凝固時間を測定した。光学分析器の結果を表3B.3に示す。
【0056】 表3B.3:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(37.5%ディアフィル
トレーション抽出物/300MWCO/EDTA/20psig)
【0057】 実施例3C:夾雑血漿凝固因子および他のタンパク質をディアフィルトレーショ
ン抽出物から除去する 膜透過によりトロンボプラスチン溶液から夾雑血漿凝固因子および他の凝固タ
ンパク質を除去することを証明する種々の試験を行った。 最初の実験では、実施例3Bにおける最初のベンチスケール実験のディアフィ
ルトレーション抽出物の第一サイクル(300MWCO/EDTA/10psi
g)からの浸透(透過)物について、第VII因子の存在、および独立してプロコ
アグラント活性の存在を評価した。ディアフィルトレーションから回収した浸透
物を濃縮し、NaCl(50mM)/クエン酸Na(11mM)溶液に透析し
てEDTAを除去した。次に、浸透物を第VII因子欠損血漿試料に加え、市販の
トロンボプラスチン試薬、ThromboMAX(Sigma Chemical. St.Louis MO)を用いる
PTアッセイを用いて評価した。表3C.1(a)に示したアッセイ結果は、浸
透試料のPTアッセイ時間が99%第VII因子欠損血漿試料のそれより短いこ
とから、第VII因子が浸透溶液に存在したことを示す。したがって、これら結果
は、活性第VII因子がディアフィルトレーションによりトロンボプラスチン抽出
物溶液から効果的に分離されたことを示す。さらに、表3C.1に示すように、
濃縮浸透物では、Sigma Diagnostics ThromboMAX(登録商標)をコントロールに
用い、濃縮浸透物を凝固コントロールレベルI血漿に加えて凝固時間を測定する
ことにより示されるようにプロコアグラント活性は認められなかった。
【0058】 表3C.1:第VII因子の浸透物評価 表3C.1(a) 表3c.1(b)
【0059】 第二実験では、トロンボプラスチン抽出物を実施例2のごとく調製し、実施例
3Bと同様のプロトコール(300MWCO/EDTA)を用いてディアフィル
トレーションした。ディアフィルトレーション抽出物および非処理コントロール
抽出物の固体粒子(およびそれに吸着した組織因子)を遠心分離により除去した
。ディアフィルトレーションから得られる浸透物、およびディアフィルトレーシ
ョントロンボプラスチン抽出物および非処理コントロール抽出物の透明な上清を
SDS−PAGEにより電気泳動的に評価した。図5に示す結果は、非処理抽出
物に存在するタンパク質(レーン2)が膜透過により実質的に分離され、該タン
パク質は処理抽出物の濃縮物中にほとんど保持されず(レーン3)、大部分のタ
ンパク質は浸透物へと膜を通過した(レーン4)ことを示す。
【0060】 実施例3D:BaSO/EDTAトロンボプラスチン抽出物の透析(300k
D MWCO) トロンボプラスチン抽出物を、NaCl(50mM)、EDTA(10mM)
、およびBaSO(5g)を含む抽出溶液(500ml)を用いてウサギ脳ア
セトン粉末(25g)から調製した。 EDTA/BaSO抽出物を、300kD MWCO DispoDialyzers(登録
商標)を用い、50mM NaClおよび10mM EDTAを含む担体溶液に対
して透析した(少量のCHAPS界面活性剤を使用および不使用の両方で)。次
に、透析抽出物をNaCl(50mM)/クエン酸Na(11mM)溶液中で
逆透析した。
【0061】 非処理抽出物、CHAPSを用いて透析した抽出物、およびCHAPSを用い
ずに透析した抽出物をそれぞれ、抽出物(35容量%)およびCaCl(11
mM)を含むトロンボプラスチン試薬組成物を用いて分析した。HEPES、N
aCl、PEG8000、ヘキサジメトリンブロミド、マンニトール、グリシン
、BSA、およびProClin(登録商標)300も該試薬組成物に加えた。次に、PT
凝固時間を測定するためのCS-190 Optical Analyzerを用い、「コントロールレ
ベルI」正常血漿、プール正常血漿(PNP)、80%クマリン化血漿、99% 第VII因子欠損血漿、および国際感度指数(ISI)についてPTアッセイを
用いてトロンボプラスチン試薬組成物を評価した。2種類のコントロールアッセ
イ、すなわち、非処理抽出物を用いる他は対象試薬組成物と同じに調製したトロ
ンボプラスチン試薬を用いるアッセイ、およびもう一つは12,000ダルトン
(12kD)MWCO膜に対して透析した非処理抽出物を用いる他は対象組成物
と同じに調製したトロンボプラスチン試薬を用いるアッセイも評価した。結果を
表3D.1に示す。
【0062】 表3D.1:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(35%透析EDTA/B
aSO抽出物/300MWCO)
【0063】 これらデータは、第VII因子欠損血漿の凝固時間、およびクマリン処理血漿の動
的範囲の大きな増加と共にISI値の減少により示されるように、透析トロンボ
プラスチン試薬の感度の著しい増加を証明した。透析時のCHAPSの存在は、
CHAPSを用いずに透析した抽出物から調製した試薬に比べて比較的長い正常
時間が示すようにプロコアグラント活性の検出可能な低下をもたらした。
【0064】 実施例3E:凍結/解凍トロンボプラスチン抽出物の透析(300kD MWC
O/EDTA) 実施例2のごとく調製したトロンボプラスチン抽出物を凍結した。次いで、凍
結抽出物を解凍し、10mM EDTAとした。300kD MWCO DispoDial
yzer(登録商標)を用い、50mM NaClおよび10mM EDTAを含む担
体溶液に対して抽出物を透析し、次いで、NaCl(50mM)/クエン酸Na (11mM)溶液に逆透析した。 非処理抽出物および透析抽出物を、抽出物(35容量%)およびCaCl
11mM)を含むトロンボプラスチン試薬組成物を用いて分析した。HEPES
、NaCl、PEG8000、ヘキサジメトリンブロミド、マンニトール、グリ
シン、BSA、およびProClin(登録商標)300も該試薬組成物に加えた。PT凝
固時間を測定するためのCS-190 Optical Analyzerを用い、「コントロールレベ
ルI」正常血漿、プール正常血漿(PNP)、80%クマリン化血漿、99% 第VII因子欠損血漿、および国際感度指数(ISI)についてPTアッセイを用
いてトロンボプラスチン試薬組成物を評価した。非処理抽出物を用いる他は対象
試薬組成物と同じに調製したトロンボプラスチン試薬をコントロールに用いた。
結果を表3E.1に示す。
【0065】 表3E.1:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(35%透析解凍抽出物/
300 MWCO/EDTA) 他の結果と一致して、これら結果は、該試薬組成物の感度の著しい改良と、第VI
I因子欠損凝固時間の改良を示す。
【0066】 実施例4:トロンボプラスチン試薬の製造 実施例3Bのごとく調製したトロンボプラスチン抽出物から、該抽出物(35
容量%)、CaCl(11mM)、HEPES(10mM)、NaCl(80
mM)、PEG8000(0.75%)、クエン酸Na(3.5mM)、ヘキ
ジメトリンブロミド(12.5mg/l)、マンニトール(2%)、グリシン(
4%)、およびBSA(1%)を含むトロンボプラスチン試薬を製造した。 PT凝固時間を測定するためのCS-190 Optical Analyzerを用い、凝固コントロ
ールレベルI正常血漿、プール正常血漿(PNP)、クマリン化血漿、および9
9%第VII因子欠損血漿についてPTアッセイを用いてトロンボプラスチン試
薬を評価した。非処理抽出物を用いる他は対象試薬組成物と同じに調製したトロ
ンボプラスチン試薬をコントロールに用いた。結果を表4.1に示す。
【0067】 表4.1:トロンボプラスチン試薬のPT凝固時間(35%ディアフィルトレー
ション抽出物抽出物/300MWCO:パイロット)
【0068】 実施例5:トロンボプラスチン抽出物中の夾雑物の酵素的消化 ヒトおよびウシ組織因子はキモトリプシン消化に抵抗性であることが報告され
ている。残存ウサギ凝固因子の酵素的消化によりより感度のよい抽出物が調製で
きるかを検討するためにさらに実験を行った。 ウサギ脳アセトン粉末(RBAP)抽出物の部分標本を、室温で一夜、加える
キモトリプシンの濃度を変えながらインキュベーションし、次いで透析した。次
に、これら調製物を42%抽出物・予備凍結乾燥トロンボプラスチン試薬として
試験した。
【0069】 表5.1:PT凝固時間に対するキモトリプシンの影響 トロンボプラスチン試薬のキモトリプシン処理は、キモトリプシン処理が該抽
出物の組織因子活性やPTアッセイの正常値に影響せずに、同時に該生成物の感
度を改良することを示した。
【0070】 実施例6:遊離カルシウム結合剤の調節による試薬感度の増加 カルシウム結合試薬のクエン酸Na、ADA(N−2−アセタミドール−2
−イミド二酢酸)、およびビシン(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリ
シン)を添加したトロンボプラスチン試薬の性能を評価し、該試薬における遊離
Ca++調節の効果を検討した。下記表に示すように、Ca++調節剤の使用は
、正常PNP時間を期待範囲内に保ちながら該試薬の感度を増加する。
【0071】 表6.1:PT凝固時間に対するHEPES緩衝剤中の種々の濃度のクエン酸N
の影響
【0072】 表6.2トロンボプラスチン溶液に対するビシンおよびADAの結果
【0073】 実施例7:トロンボプラスチン抽出物のディアフィルトレーションの効果の特徴
付け 機能アッセイと独立してトロンボプラスチン抽出物のディアフィルトレーショ
ンの効果を特徴づけるため、ディアフィルトレーションおよび非ディアフィルト
レーションRBAP抽出物の血漿ヘモグロビンアッセイを行った。 該方法はSigma Diagnostics Plasma Hemoglobin Kit No.527を用いて行った。
結果は以下の通りである。
【0074】 非ディアフィルトレーション抽出物は夾雑物由来と思われる褐色または赤色を
帯びているが、ディアフィルトレーション抽出物は無色透明である。アッセイの
結果は、非ディアフィルトレーション抽出物のHb計算値が2.05mg/dl
であったことを示す。ディアフィルトレーション抽出物のHb計算値は、検出限
界またはそれ以下のレベルを示す−0.51mg/dlであり、このことはトロ
ンボプラスチン抽出物からの夾雑物の除去におけるディアフィルトレーション技
術の効果を示した。
【0075】 本発明の詳細な説明および上記実施例に照らして、本発明の種々の目的が達成
されることが理解できる。 本明細書に示した説明および例示は、当業者に本発明、その原理、およびその
実用的応用を熟知させるためのものである。当業者は、特定用途の要求に最適と
なるよう本発明を多くの形に適合させ、応用してよい。したがって、記載した本
発明の特定の態様は、本発明を網羅もしくは限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】半透膜シートを有するタンジェンシャルフロー(tangential flow
)膜分離装置の模式的横断面図である。
【図2】管状半透膜を有するシェル・アンド・チューブ型膜分離装置の透視
図である。
【図3】バッチ操作を構成する一段階膜分離法の模式的ダイアグラムである
【図4】連続フィード・アンド・ブリード操作を構成する多段階一段階膜分
離法の模式的ダイアグラムである。
【図5】分子量標準(レーン1)、および透析前のトロンボプラスチン抽出
物の溶液相(レーン2)、透析後のトロンボプラスチン抽出物の濃縮物溶液、お
よび透析から得られた浸透溶液中のタンパク質の分子量分布を示すSDS−PA
GE電気泳動ゲルの写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA10 BB04 BB10 BB29 BB50 FB05 2G052 AA28 AA30 AD06 AD26 AD46 EA02 GA00 JA09 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ36 QQ97 QR16 QR48 QR50 QR67 QX01 4H045 AA20 AA30 BA10 CA40 DA65 EA50 FA71 GA01 GA10

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンボプラスチン溶液から血漿凝固因子を分離する方法で
    あって、組織因子および血漿凝固因子を含むトロンボプラスチン溶液を半透膜の
    第一表面に曝露し、該膜で、該凝固因子を該トロンボプラスチン溶液からろ過し
    、該トロンボプラスチン溶液中に組織因子が保持されることを含む方法。
  2. 【請求項2】 該トロンボプラスチン溶液がトロンボプラスチン抽出物であ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該血漿凝固因子が第VII因子、第II因子、第X因子、第IX
    因子、第XI因子、第XII因子、プロテインC、プロテインS、およびプロテイ
    ンZからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該血漿凝固因子が第VII因子である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 血漿凝固因子の第VII因子、第II因子、および第X因子がそ
    れぞれ該膜でろ過される(膜を通過する)請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該トロンボプラスチン溶液中に組織因子が少なくとも約10
    %保持されている請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該トロンボプラスチン溶液がさらにカルシウムイオンキレー
    ト剤を含む請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 フィード溶液がさらに少なくとも約10mMの濃度のエチレ
    ンジアミン四酢酸を含む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 該トロンボプラスチン溶液がさらに溶媒を含み、溶媒の部分
    が該膜で該トロンボプラスチン溶液からろ過される請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 担体溶液を該膜の第二表面に曝露する工程をさらに含む請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 トロンボプラスチン抽出組成物の製造方法であって、 哺乳動物組織を抽出溶液で抽出してトロンボプラスチン抽出物を形成し、 膜透過(浸透)によりトロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を分離するこ
    とを含む方法。
  12. 【請求項12】 該組織がホモゲナイズした組織である請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 該組織が脱水した組織である請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 該組織がアセトン粉末の形である請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 該抽出溶液が水性塩溶液である請求項11記載の方法。
  16. 【請求項16】 該抽出溶液が有機酸塩を含む請求項11記載の方法。
  17. 【請求項17】 該抽出溶液がクエン酸塩を含む請求項11記載の方法。
  18. 【請求項18】 該抽出溶液がクエン酸ナトリウムを含む請求項11記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 該組織が実質的にカルシウムイオンを含まない抽出溶液で
    抽出された請求項11記載の方法。
  20. 【請求項20】 該血漿凝固因子が第VII因子、第II因子、第X因子、第I
    X因子、第XI因子、第XII因子、プロテインC、プロテインS、およびプロテ
    インZからなる群から選ばれる請求項11記載の方法。
  21. 【請求項21】 該血漿凝固因子が第VII因子である請求項11記載の方法
  22. 【請求項22】 該トロンボプラスチン抽出物がさらにカルシウムイオンキ
    レート剤を含む請求項11記載の方法。
  23. 【請求項23】 トロンボプラスチン抽出物がさらに少なくとも約10mM
    の濃度のエチレンジアミン四酢酸を含む請求項11記載の方法。
  24. 【請求項24】 トロンボプラスチン試薬の製造方法であって、 膜透過によりトロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を分離し、 該トロンボプラスチン抽出物をCa++イオンと混合することを含む方法。
  25. 【請求項25】 該トロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を分離した
    後に、該Ca++イオンと該トロンボプラスチン抽出物を混合する請求項24記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 該血漿凝固因子が第VII因子、第II因子、第X因子、第I
    X因子、第XI因子、第XII因子、プロテインC、プロテインS、およびプロテ
    インZからなる群から選ばれる請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 該血漿凝固因子が第VII因子である請求項24記載の方法
  28. 【請求項28】 該トロンボプラスチン抽出物がさらにカルシウムイオンキ
    レート剤を含む請求項24記載の方法。
  29. 【請求項29】 トロンボプラスチン抽出物がさらにエチレンジアミン四酢
    酸を含む請求項24記載の方法。
  30. 【請求項30】 トロンボプラスチン試薬の製造方法であって、 トロンボプラスチン抽出物を含むフィード溶液を、約75,000ダルトン〜約
    2,000,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する半透膜の第一表
    面に曝露し、 曝露したフィード溶液を濃縮物(retentate)として回収し、 該濃縮物をCa++イオンと混合することを含む方法。
  31. 【請求項31】 該半透膜が約100,000ダルトン〜約1,000,0
    00ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 該半透膜が約100,000ダルトン〜約500,000
    ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する請求項30記載の方法。
  33. 【請求項33】 該半透膜が約200,000ダルトン〜約400,000
    ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する請求項30記載の方法。
  34. 【請求項34】 該フィード溶液がさらにカルシウムイオンキレート剤を含
    む請求項30記載の方法。
  35. 【請求項35】 該フィード溶液がさらに少なくとも約10mMの濃度のエ
    チレンジアミン四酢酸を含む請求項30記載の方法。
  36. 【請求項36】 該フィード溶液がさらに少なくとも約10mMの濃度のエ
    チレンジアミン四酢酸を含み、該膜が約300,000ダルトンの分子量カット
    オフを有する請求項30記載の方法。
  37. 【請求項37】 さらに濃縮物と緩衝液および安定化剤を混合することを含
    む請求項30記載の方法。
  38. 【請求項38】 該フィード溶液がさらに溶媒を含み、溶媒の部分が該フィ
    ード溶液から該膜でろ過される請求項30記載の方法。
  39. 【請求項39】 さらに該フィード溶液をタンクから該半透膜に供給し、曝
    露されたフィード溶液をタンクに再循環し、溶媒を含む希釈溶液をタンクに供給
    することを含む請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 さらに担体溶液を膜の第二表面に曝露することを含む請求
    項30記載の方法。
  41. 【請求項41】 請求項11記載の方法に従って製造されるトロンボプラス
    チン抽出組成物。
  42. 【請求項42】 請求項24記載の方法に従って製造されるトロンボプラス
    チン試薬。
  43. 【請求項43】 請求項30記載の方法に従って製造されるトロンボプラス
    チン試薬。
  44. 【請求項44】 プロトロンビン時間アッセイにより決定されるプロコアグ
    ラント(凝血原)活性を有する、ヘモグロビン濃度が約2.0mg/dl以下の
    、哺乳動物組織から抽出された組織因子およびCa++イオンを含むトロンボプ
    ラスチン試薬。
  45. 【請求項45】 ヘモグロビン濃度が約1.0mg/dl以下である請求項
    44記載のトロンボプラスチン試薬。
  46. 【請求項46】 ヘモグロビン濃度が約0.5mg/dl以下である請求項
    44記載のトロンボプラスチン試薬。
  47. 【請求項47】 プロトロンビン時間アッセイにより決定される正常クエン
    酸化血漿に対する試薬のプロコアグラント活性が約9.0秒〜約20.0秒間の
    範囲である請求項44記載のトロンボプラスチン試薬。
  48. 【請求項48】 プロトロンビン時間アッセイにより決定される国際標準比
    (International Normalized Ratio (INR))が約3.0のクマリンで処理した血
    漿に対する該試薬のプロコアグラント活性が少なくとも約20秒間である請求項
    44記載のトロンボプラスチン試薬。
  49. 【請求項49】 プロトロンビン時間アッセイにより決定される、第VII因
    子が少なくとも99%欠損している第VII因子欠損血漿に対する該試薬のプロコ
    アグラント活性が少なくとも約30秒間である請求項44記載のトロンボプラス
    チン試薬。
  50. 【請求項50】 プロトロンビン時間アッセイにより決定される100%プ
    ール正常血漿対50%プール正常血漿に対する該試薬のプロコアグラント活性の
    差が約3秒〜約6秒間である請求項44記載のトロンボプラスチン試薬。
  51. 【請求項51】 プロトロンビン時間アッセイにより決定される国際感度指
    数(International Sensitivity Index)に基づく試薬の感度が約2.0秒間以
    下である請求項44記載のトロンボプラスチン試薬。
  52. 【請求項52】 血漿試料の凝固時間の検出方法であって、請求項42、4
    3、または44記載のトロンボプラスチン試薬を製造するかもしくは得、 該トロンボプラスチン試薬と血漿試料を混合してアッセイ溶液を形成し、 アッセイ溶液の形成からの経過時間を測定することによりアッセイ溶液中の血
    餅形成を検出することを含む方法。
  53. 【請求項53】 被検血漿中に存在する血漿凝固因子のレベルを測定する方
    法であって、請求項52記載の方法に従って、種々の既知レベルの血漿凝固因子
    を有する標準血漿の凝固時間を測定し、 標準血漿の凝固時間と標準血漿中の血漿凝固因子レベルの標準相関を作製し、 請求項52記載の方法に従って被検血漿の凝固時間を測定し、 標準相関に基づいて被検血漿の測定した凝固時間と血漿凝固因子のレベルを相関
    させることを含む方法。
  54. 【請求項54】 トロンボプラスチン抽出物の製造方法であって、 哺乳動物細胞を、少なくとも濃度約7mMのクエン酸ナトリウムを含む抽出溶液
    と接触させることにより該組織から組織因子を抽出溶液中に抽出し、 抽出溶液を抽出された組織から分離することを含む方法。
  55. 【請求項55】 該抽出溶液が濃度約7mM〜約15mMの範囲のクエン酸
    ナトリウムを含む請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 該抽出溶液がさらに塩化ナトリウムを含む請求項54記載
    の方法。
  57. 【請求項57】 該抽出溶液が濃度約13mMのクエン酸ナトリウムと濃度
    約50mMの塩化ナトリウムを含む請求項54記載の方法。
  58. 【請求項58】 トロンボプラスチン試薬の遊離カルシウムイオン含有量を
    カルシウム緩衝剤で調節することを含むトロンボプラスチン試薬の感度を調節す
    る方法。
  59. 【請求項59】 トロンボプラスチン試薬の製造方法であって、 カルシウム緩衝剤を含むトロンボプラスチン抽出物を調製し、 トロンボプラスチン抽出物から血漿凝固因子を分離して精製トロンボプラスチン
    抽出物を形成し、 精製トロンボプラスチン抽出物にカルシウムおよびカルシウム緩衝剤を加えるこ
    とを含む方法。
  60. 【請求項60】 トロンボプラスチン試薬の製造方法であって、夾雑タンパ
    ク質を含むトロンボプラスチン抽出物を調製し、 夾雑タンパク質を酵素的に消化し、 トロンボプラスチン抽出物から消化した夾雑タンパク質を分離して精製トロンボ
    プラスチン抽出物を形成し、 精製トロンボプラスチン抽出物にカルシウムイオンを加えることを含む方法。
  61. 【請求項61】 哺乳動物組織を、ホスホリパーゼインヒビターを含む抽出
    溶液で抽出することを含むトロンボプラスチン抽出物の製造方法。
  62. 【請求項62】 トロンボプラスチン抽出物とホスホリパーゼインヒビター
    を混合することを含むトロンボプラスチン抽出物の安定化方法。
  63. 【請求項63】 ホスホリパーゼインヒビターを含むトロンボプラスチン抽
    出物。
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