JP2002526062A - サイトカインレセプターzalpha11 - Google Patents

サイトカインレセプターzalpha11

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JP2002526062A
JP2002526062A JP2000574143A JP2000574143A JP2002526062A JP 2002526062 A JP2002526062 A JP 2002526062A JP 2000574143 A JP2000574143 A JP 2000574143A JP 2000574143 A JP2000574143 A JP 2000574143A JP 2002526062 A JP2002526062 A JP 2002526062A
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seq
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zalpha11
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons

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Abstract

(57)【要約】 新奇なポリペプチド、ポリペプチドを符号化するポリヌクレオチド、および関連する組成物と方法を、新奇なサイトカイン受容体であるにザルファル1について開示する。このポリペプチドは、インビトロおよびインビボの造血細胞、リンパ系細胞、および骨髄細胞の増殖および/または成長を刺激する配位子の検出方法において用いられる。配位子と結合する受容体ポリペプチドはまた、インビトロおよびインビボの配位子の活性を阻止するために用いることができる。ザルファル1を符号化するポリペプチドは16番染色体に位置し、ヒトの病気の状態と関係しているゲノム領域を同定するために用いることができる。本発明はまた、タンパク質の製造方法、その使用法、およびそれに対する抗体を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 多細胞生物の細胞の増殖及び分化はホルモン及びポリペプチド成長因子により
コントロールされている。これら拡散性分子により細胞は相互連絡でき、協調し
て細胞及び器官を形成し、損傷組織の修復と再生が可能になる。ホルモン及び成
長因子の例としては、ステロイドホルモン(例えば、エストロゲン、テストステ
ロン)、副甲状腺ホルモン、濾胞刺激ホルモン、インターロイキン、血小板由来
成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激
因子(GM-CSF)、エリスロポイエチン(EPO)及びカルシトニンがある。
【0002】 ホルモン及び成長因子はタンパク質に結合して細胞の代謝に影響を及ぼす。受
容体は第2メッセンジャーシステムの様な細胞内シグナル伝達経路に連結した膜
内蛋白質である。その他クラスの受容体は、転写因子の様な可溶性分子である。 特に興味深いものは、細胞の増殖及び/又は分化を促進する分子であるサイト
カインである。サイトカインの例としては、赤血球の発生を促進するエリスロポ
イエチン(EPO);巨大核細胞系細胞の発生を促進するトロンボポイエチン(TPO
);及び好中球の発生を促進する顆粒球−コロニー刺激因子(G-CSF)がある。
これらサイトカインは、貧血、血小板減少症、及び好中球減少症の患者又は癌の
化学療法を受けている患者に於いて、正常血球レベルを快復させるのに有用であ
る。
【0003】 これらサイトカインに示されたin vivo活性からは、その他サイトカイン、サ
イトカインアゴニスト及びサイトカインアンタゴニストの持つ数多い臨床の可能
性、及び需要を描写する。本発明は、新規造血性サイトカイン受容体、ならびに
関連組成体及び方法を提供することで、この求めに答えるものである。
【0004】 本発明は、ここでの教示より当業者にとって明らかなこれら及びその他利用に
適したポリペプチドを提供する。
【0005】 発明の要約 本発明の1つの観点は、以下より成るグループから選択されるアミノ酸配列に
少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含むzalpha11ポリペプチドをコ
ードする分離されたポリヌクレオチドを提供する:アミノ酸配列がktup=1、ギャ
ップオープニングペナルティー(gap opening penaly)=10、ギャップエクステ
ンションペナルティー(gap extension penalty)=1、及び置換マトリックス
=BLOSUM62であり、その他パラメータがデフォルトに設定されたFASTAプログラ
ムを用い決定される(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号237(His)の
配列番号2に示すアミノ酸配列:(b)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号
255(Leu)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(c)アミノ酸番号256(Lys)ないし
アミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(d)アミノ酸番号20(
Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:及び(e)
アミノ酸番号1(Met)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ
酸配列。実施態様の1つでは、上記開示の分離されたポリヌクレオチドは以下よ
り成るグループから選択されるポリヌクレオチドの配列を含む:(a)ヌクレオチ
ド1ないしヌクレオチド1614の配列番号4に示すポリヌクレオチド配列;(b)ヌ
クレオチド126ないしヌクレオチド779の配列番号1に示すポリヌクレオチド配
列;(c)ヌクレオチド126ないしヌクレオチド833の配列番号1に示すポリヌクレ
オチド配列;(d)ヌクレオチド834ないしヌクレオチド1682の配列番号1に示すポ
リヌクレオチド配列;(e)ヌクレオチド126ないしヌクレオチド1682の配列番号1
に示すポリヌクレオチド配列;(f)ヌクレオチド691ないしヌクレオチド1682の
配列番号1に示すポリペプチド配列。別の実施態様では、上記分離されたポリヌ
クレオチドは以下より成るグループから選択されるアミノ酸残基の配列を含む:
(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号237(His)の配列番号2に示すア
ミノ酸配列:(b)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号255(Leu)の配列番
号2に示すアミノ酸配列:(c)アミノ酸番号256(Lys)ないしアミノ酸番号538(
Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(d)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ
酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:及び(e)アミノ酸番号1(Me
t)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列。別の実施態
様では上記開示の分離ポリヌクレオチドは以下より成るグループから選択される
アミノ酸残基の配列より成る:(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号23
7(His)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(b)アミノ酸番号20(Cys)ないしア
ミノ酸番号255(Leu)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(c)アミノ酸番号256(L
ys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(d)アミノ
酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列
:及び(e)アミノ酸番号1(Met)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に
示すアミノ酸配列。別の実施態様では、上記分離ポリペプチドは更にWSWSXドメ
インを含む。別の実施態様では、上記分離ポリヌクレオチドは更にトランスメン
ブレンドメインを含む。別の実施態様では、上記開示のポリヌクレオチドは配列
番号2の残基238(Leu)ないし255(Leu)より成るトランスメンブレンドメイン
を含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリヌクレオチドは更に細胞内ドメ
インを含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリヌクレオチドは配列番号2
の残基256(Lys)ないし538(Ser)より成る細胞内ドメインを含む。別の実施態
様では、上記開示の分離ポリヌクレオチドは、ボックスI及びボックスIIを更に
含む細胞内ドメインを含み、ポリペプチドが更にアフィニティータグを含む細胞
内ドメインを含む。
【0006】 第2の観点では、本発明は以下の作用可能式に結合された要素を含む発現ベク
ターを提供する:プロモータがDNA断片に作用可能式に連結し、DNA断片が転写タ
ーミネーターに作用可能式に連結している転写プロモーター;アミノ酸番号20(
Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示されるアミノ酸配列を有す
るzalpha11ポリペプチドをコードするDNA断片;転写ターミネーター。実施態様
の一つでは、上記開示の発現ベクターは更にDNA断片に作用可能式に連結した分
泌シグナル配列を含む。
【0007】 第3の観点では本発明は、上記開示の発現ベクターを含む培養細胞にあって、
その細胞がDNA断片によりコードされたポリペプチドを発現する培養細胞を提供
する。
【0008】 第4の観点では、本発明は以下の作用可能式に結合された要素を含む発現ベク
ターを提供する:転写プロモーター;アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号
237(His)の配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するzalpha11ポリペプチド
をコードするDNA断片;転写ターミネーターにあって、前記プロモータはDNA断片
に作用可能式に連結され、DNA断片は転写ターミネーターに作用可能式に連結さ
れている。実施態様の一つでは、上記開示の発現ベクターは更にDNA断片に作用
可能式に連結した分泌シグナル配列を含む。別の実施態様では、上記開示の発現
ベクターは更に作用可能式にDNA断片と連結したトランスメンブレンドメインを
含む。別の実施態様では上記開示の発現ベクターは、配列番号2の238(Leu)な
いし255(Leu)の残基より成るトランスメンブレンドメインを更に含む。別の実施
態様では、上記開示の発現ベクターはDNA断片に作用可能式に連結された細胞内
ドメインを含む。別の実施態様では上記開示の発現ベクターは、配列番号2の残
基256(Lys)ないし538(Ser)より成る細胞内ドメインを更に含む。
【0009】 別の観点では、本発明はその中に請求項15による発現ベクターが導入される培
養細胞にあって、細胞がDNA断片によりコードされた可溶性受容体ポリペプチド
を発現する培養細胞を提供する。実施態様の一つでは、上記開示の培養細胞は外
因性に添加された増殖に関する造血性成長因子に依存している。
【0010】 別の観点では、本発明は融合蛋白質をコードするDNA構築体にあって、以下を
含むDNA構築体を提供する;以下より成るグループから選択されるアミノ酸残基
の配列を有するポリペプチドをコードする第1DNA断片;(a)アミノ酸番号1(Me
t)ないしアミノ酸番号19(Gly)の配列番号2のアミノ酸配列;(b)アミノ酸番号
20(Cys)ないしアミノ酸番号237(His)の配列番号2のアミノ酸配列:(c)アミ
ノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号255(Leu)の配列番号2のアミノ酸配列:
(d)アミノ酸番号238(Leu)ないしアミノ酸番号255(Leu)の配列番号2のアミノ
酸配列:(e)アミノ酸番号238(Leu)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2
のアミノ酸配列:(f)アミノ酸番号256(Lys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配
列番号2のアミノ酸配列:及び(g)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号53
8(Ser)の配列番号2のアミノ酸配列:及び追加ポリペプチドをコードする少な
くとも1の他DNA断片であり、上記第1DNA断片と前記他DNA断片はインフレーム
に接続され;そして第1DNA断片及び他DNA断片が融合蛋白質をコードするもの。
【0011】 別の観点では、本発明は以下の作用可能式に連結した要素を含む発現ベクター
を供給する:転写プロモーター;上記融合蛋白質をコードするDNA構築体;及び
転写ターミネーターであり、前記プロモターは作用可能式にDNA構築体に連結さ
れ、そしてDNA構築体は転写ターミネーター作用可能式に連結されている。
【0012】 別の観点では、本発明は上記開示の発現ベクターを含む培養細胞にあって、該
細胞がDNA構築体によりコードされたポリペプチドを発現する培養細胞を提供す
る。
【0013】 別の観点では、本発明は以下を含む融合蛋白質を産生する方法を提供する:上
記開示の細胞を培養すること;及び細胞により産生されたポリペプチドを分離す
ること。
【0014】 別の観点では、本発明は以下より成るグループから選択されるアミノ酸配列に
少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含む分離ポリペプチドを提供す
る:上記アミノ酸%同一がktup=1、ギャップオープニングペナルティー(gap op
ening penaly)=10、ギャップエクステンションペナルティー(gap extension
penalty)=1、及び置換マトリックス=BLOSUM62であり、その他パラメータが
デフォルトに設定されたFASTAプログラムを用い決定される(a)アミノ酸番号20(
Cys)ないしアミノ酸番号237(His)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(b)アミ
ノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号255(Leu)の配列番号2に示すアミノ酸配
列: (c)アミノ酸番号256(Lys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に
示すアミノ酸配列:(d)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の
配列番号2に示すアミノ酸配列:及び(e)アミノ酸番号1(Met)ないしアミノ酸
番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列。実施態様の一つでは、上記開
示の分離ポリペプチドは以下より成るグループから選択されるアミノ酸残基の配
列を含む:(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号237(His)の配列番号
2に示すアミノ酸配列:(b)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号255(Leu
)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(c)アミノ酸番号256(Lys)ないしアミノ酸
番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(d)アミノ酸番号20(Cys)な
いしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:及び(e)アミノ酸
番号1(Met)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列。
別の実施態様では、上記開示の分離ポリペプチドは以下よりなるグループから選
択されるアミノ酸残基の配列より成る:(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ
酸番号237(His)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(b)アミノ酸番号20(Cys)
ないしアミノ酸番号255(Leu)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(c)アミノ酸番
号256(Lys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミノ酸配列:(
d)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号2に示すアミ
ノ酸配列:及び(e)アミノ酸番号1(Met)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列
番号2に示すアミノ酸配列。別の実施態様では、上記開示の分離ポリペプチドは
更にWSXWSモチーフを含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリペプチドは
更にトランスメンブレンドメインを含む。別の実施態様では、上記開示のポリヌ
クレオチドは配列番号2の残基238(Leu)ないし255(Leu)より成るトランスメ
ンブレンドメインを含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリヌクレオチド
は更に細胞内ドメインを含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリヌクレオ
チドは配列番号2の残基256(Lys)ないし538(Ser)より成る細胞内ドメインを
含む。別の実施態様では、上記開示の分離ポリヌクレオチドは、ボックスI及び
ボックスIIを更に含む細胞内ドメインを含み、ポリペプチドが更にアフィニティ
ータグを含む細胞内ドメインを含む。
【0015】 別の観点では本発明は以下を含む、zalpha11ポリペプチドの産生方法を提供す
る:上記開示の細胞を培養すること;及び細胞により産生されたzalpha11ポリペ
プチドを分離すること。
【0016】 別の観点では、本発明は以下より成るグループから選択されるアミノ酸配列を
含む分離ポリペプチドを提供する:(a)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番
号237(His)の配列番号2に示すアミノ酸配列:そして前記ポリペプチドは造血
性受容体に元来結合しているトランスメンブレンドメイン及び細胞内ドメインを
実質的に持たない。別の実施態様では、上記開示の分離ポリペプチドはアフィニ
ティータグを含む。
【0017】 別の観点では本発明は以下を含む、zalpha11ポリペプチドを産生する方法を提
供する:上記開示の細胞を培養すること;及び細胞より産生されたzalpha11ポリ
ペプチドを分離すること。
【0018】 別の観点では本発明は以下を含む、zalpha11ポリペプチドに対する抗体を産生
する方法を提供する:動物に以下より成るグループから選択されたポリペプチド
を接種すること:(a)9ないし519アミノ酸より成るポリペプチドにあって、前記
ポリペプチドがアミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号538(Ser)の配列番号
2のアミノ酸の連続配列であるもの:(b)アミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸
番号237(His)の配列番号2のアミノ酸の連続配列より成るポリペプチド、(c)ア
ミノ酸番号101(Leu)ないしアミノ酸番号122(Gly)の配列番号2のアミノ酸配
列より成るポリペプチド:(d)アミノ酸番号141(Asn)ないしアミノ酸番号174(
Ala)の配列番号2のアミノ酸配列より成るポリペプチド:(e)アミノ酸番号193(
Cys)ないしアミノ酸番号261(Val)の配列番号2のアミノ酸配列より成るポリペ
プチド:(f)アミノ酸番号51(Trp)ないしアミノ酸番号61(Glu)の配列番号2の
アミノ酸配列より成るポリペプチド:(g)アミノ酸番号136(Ile)ないしアミノ
酸番号143(Glu)の配列番号2のアミノ酸配列より成るポリペプチド:(h)アミノ
酸番号187(Pro)ないしアミノ酸番号195(Ser)の配列番号2のアミノ酸配列よ
り成るポリペプチド:(i)アミノ酸番号223(Phe)ないしアミノ酸番号232(Glu)
の配列番号2のアミノ酸配列より成るポリペプチド:及び(j)アミノ酸番号360(
Glu)ないしアミノ酸番号368(Asp)の配列番号2のアミノ酸配列より成るポリペ
プチド:そして前記ポリペプチドが動物内に抗体を産生する免疫反応を誘導する
こと;及び動物より抗体を分離すること。
【0019】 別の観点では、本発明は上記開示の方法により産生された、zalpha11ポリペプ
チドに特異的に結合する抗体を提供する。実施態様の一つでは、上記開示の抗体
はモノクローナル抗体である。
【0020】 別の観点では、本発明は上記開示のポリペプチドに特異的に結合する抗体を提
供する。
【0021】 別の観点では、本発明は以下を含む、試験サンプル中のzalpha11蛋白質活性の
存在を検出する方法を提供する:
【0022】 別の観点では、本発明は以下を含む、試験サンプル中のzalpha11蛋白質活性調
節因子の存在を検出する方法を提供する:細胞が試験サンプルがある状態及び無
い状態でDNA断片によりコードされるzalpha11蛋白質を発現する、発現ベクター
が導入された細胞を培養すること;及び生物学的又は生化学的アッセイにより、
試験サンプル有り無しでのzalpha11活性のレベルを比較すること;ならびに試験
サンプル中のzalpha11活性調節因子の存在を、前記比較より決定すること。
【0023】 別の観点では、本発明は以下を含む、試験サンプル中のzalpha11受容体検出法
を提供する:試験サンプルをアミノ酸番号20(Cys)ないしアミノ酸番号237(His
)の配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドと接触させること;及び
サンプル中のリガンドへのポリペプチドの結合を検出すること。実施態様の一つ
では、上記開示の方法は、トランスメンブレン及び細胞内ドメインを含むポリペ
プチドを更に含む。別の実施態様では、上記開示の方法は培養細胞内に膜に結合
するポリペプチドであるポリペプチド及び、培養細胞内の生物学的反応を測定す
ることを含む検出段階を更に含む。別の実施態様では、上記開示の方法は、培養
細胞内に膜に結合するポリペプチドであるポリペプチド、及び生物学的反応が細
胞増殖又はレポーター遺伝子の転写活性化である培養細胞内の生物学的反応を測
定することを含む検出段階を更に含む。別の実施態様では、上記開示の方法は固
相支持体上に固定されたポリペプチドであるポリペプチドを更に含む。 本発明のこれら及びその他の観点は、以下の詳細な説明を参照することより明
瞭になるだろう。
【0024】 発明の詳細な説明 発明を詳細に記載する前に、以下用語を定義することはその理解に役立つだろ
う: ”アフィニティータグ”という用語は、ここでは第2ポリペプチドの精製又は
検出に供される第2ポリペプチドに結合できるポリペプチド断片、又は基質への
第2ポリペプチドの結合に関する部位を提供するポリペプチド断片を意味するた
めに用いられる。原則的には抗体又はその他特異的結合作用物質が利用できるペ
プチド又はポリペプチドは、アフィニティータグとして利用できる。アフィニテ
ィータグには、ポリ−ヒスチジントラクト、プロテインA(Nilssonら、 EMBO J
. 4: 1075, 1985; Nilssonら、 Methods Enzymol. 198: 3, 1991)、グルタチオ
ンSトランスフェラーゼ(SmithとJohnson, Gene 67:31, 1988)、Glu-Gluアフ
ィニティータグ(Grussenmeyerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4, 19
85)、サブスタンスP、FlagTMペプチド(Hoppら、Biotechnology 6; 1204-10
, 1988)、ストレプトアビジン結合ペプチド、又はその他抗原性エピトープ又は
結合ドメインを含む。一般には、Fordら、Protein Expression and Purificatio n 2: 95-107, 1991を見よ。アフィニティータグをコードするDNAは市販品が利用
できる(例えばファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech)、Piscatawa
y、NJ)。
【0025】 ”対立遺伝子変異”という語は、ここでは同一染色体座を占める遺伝子の2ま
たはそれ以上の変化形のいずれかを意味する。対立遺伝子変異は突然変異により
自然に発生し、集団内に遺伝子及び表現形多形を生じる。遺伝子突然変異はサイ
レントであるか(コードされたポリペプチドは変化しない)、または変化したア
ミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする。対立遺伝子変異という語は、ここ
では遺伝子の対立遺伝子変異によりコードされた蛋白質も意味する。
【0026】 ”アミノ末端”及び”カルボキシル末端”という用語は、ここではポリペプチ
ド内の位置を示すために用いられる。文脈より可能な場合、これら用語は特定の
配列を引用して、近接する位置又は相対位置を示すために用いられる。例えば、
ポリペプチド内の参照配列のカルボキシル末端に位置する特定配列とは、参照配
列のカルボキシル末端に隣接し位置するものであるが、必ずしもポリペプチドの
完全なカルボキシル末端に存在する必要はない。
【0027】 ”相補体/抗相補体対”という用語は、適当な条件の下に非共有結合的に結合
した、安定した対を形成する非同一成分を意味する。例えば、ビオチンとアビジ
ン(又はストレプトアビジン)は相補体/抗相補体対の原型メンバーである。そ
の他の相補体/構想補体対の例には、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハ
プテンあるいはエピトープ)対、センス/アンチセンスポリヌクレオチド対等が
含まれる。相補体/構想補体対が後に分離することが望まれる場合、相補体/構
想補体値は<109-1の結合親和性を持つことが好ましい。 ”ポリヌクレオチド分子の相補体”という用語は、参照配列に比し相補的な配
列と逆向きの方向性を持つポリヌクレオチド分子を意味する。例えば、配列5'AT
GCACGGG3'は5'CCCGTGCAT3'に相補的である。
【0028】 ”コンティグ”という用語は、他のポリヌクレオチドに対する同一配列又は相
補的配列の、連続的な張り出し部分を有するポリヌクレオチドを意味する。コン
ティグ配列とは、ポリヌクレオチドの張り出し部分が、あるポリヌクレオチド全
体、又は一部張り出し部分と”重複”することを意味する。例えば、ポリヌクレ
オチド配列5'-ATGGCTTAGCTT-3'に対する代表的コンティグは5'-TAGCTTgagtct-3'
及び3'-gtcgacTACCGA-5'である。
【0029】 用語”縮重ヌクレオチド配列”は、1又はそれ以上の縮重コドン(ポリペプチ
ドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比べ)を含むヌクレオチドの配列を
意味する。縮重コドンは、ヌクレオチドの別のトリプレットを含むが、同一アミ
ノ酸残基をコードする(即ち、GAUとGACトリプレットは共にAspをコードする)
【0030】 用語”発現ベクター”は、その転写体を提供する為の追加の断片と作用可能式
に連結された所望ポリペプチドをコードする断片を含む、直鎖状又は環状のDNA
分子を意味するのに用いられる。この様な追加断片は、プロモーター及びターミ
ネーター配列を含み、又1またはそれ以上の複製起点、1又はそれ以上の選択可
能マーカー、エンハンサー、ポリアデニレーションシグナル等を含むだろう。発
現ベクターは、一般にプラスミド又はウイルスDNAに由来するか、又はその両方
のエレメントを含むだろう。
【0031】 用語”単離された”とは、ポリヌクレオチドに用いる場合には、ポリヌクレオ
チドがその天然環境より取り出され、従ってその他外部の、又は不要なコーディ
ング配列は含まず、そして遺伝的に加工された蛋白質産生システム内での利用に
好適な形状にあることを意味する。この様な分離された分子は、それらの天然環
境より分離され、そしてcDNA及びゲノム性クローンを含むものである。本発明の
単離されたDNA分子は、それらが通常結合している他の遺伝子を含まないが、し
かし天然に生ずるプロモーターやターミネーターの様な5'及び3'非翻訳域は含む
だろう。結合領域の特定は当分野熟練者にとって明瞭であろう(例えばDynanとT
ijan、Nature 316:774-78、1985)。
【0032】 ”単離された”ポリペプチド又は蛋白質は、例えば血液及び動物組織から離れ
ている様な、その天然環境以外の状態にて見いだされるポリペプチド又は蛋白質
である。好ましい形態では、単離されたポリペプチドは本質的にその他のポリペ
プチド、特に動物起源のその他ポリペプチドを含まない。高度に精製された形状
のポリペプチド、即ち95%以上、より好ましくは99%以上の純度であるポリペプ
チドを提供することが好ましい。この関連で利用される場合は、用語”単離され
た”は例えばダイマー、又は別の形に糖化もしくは誘導された形状の様な、別の
物理形状の同一ポリペプチドの存在を排除しない。
【0033】 用語”作用可能式に連結された”は、DNA断片を参照する場合、断片がそれら
が意図する目的、例えばプロモーター内にて転写が開始し、コーディング断片を
経てターミネーターに至る様な目的に関し機能する様に配置されていることを意
味する。
【0034】 用語”オルトログ”は、異なる種に由来するポリペプチド又は蛋白質の機能的
な対応体である、ある種より得たポリペプチド又は蛋白質を意味する。オルトロ
グ間の配列の差は、種分化の結果である。
【0035】 ”パラログ”とは、生物体により作られる別種ではあるが構造的に関連した蛋
白質である。パラログは遺伝子複製を介して生まれると考えられている。例えば
α−グロブリン、β−グロブリン及びミオグロビンは相互にパラログである。
【0036】 ”ポリヌクレオチド”は5'から3'末端に読みとられるデオキシリボヌクレオチ
ド又はリボヌクレオチド塩基の単−又は2本鎖ポリマーである。ポリヌクレオチ
ドはRNA及びDNAを含み、そして天然源より分離されるか、インビトロで合成され
るか、又は天然及び合成分子の組合せより調製される。ポリヌクレオチドの大き
さは塩基対("bp"と略される)、ヌクレオチド("nt")又はキロベース("kb")
により表される。文脈より可能な場合、後者2用語は単鎖又は2本鎖であるポリ
ヌクレオチドを記述する。本用語を2本鎖分子に用いる場合、これは全長を意味
する時に用いられ、用語”塩基対”に等しいことが理解されるだろう。当業者は
、2本鎖ポリヌクレオチドの2本の鎖は長さが僅かに異なること、及び酵素切断
の結果としてその端部がずれることがあることを理解するだろう;即ち2本鎖ポ
リヌクレオチド分子内の全ての鎖が対合しないこともあるだろう。
【0037】 ”ポリペプチド”は、天然または合成的に作られるかに関わらず、ペプチド結
合により連結されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基未満のポ
リペプチドは通常”ペプチド”と呼ばれる。
【0038】 用語”プロモーター”は、ここでは当分野にて認識される意味に用いられ、RN
Aポリメラーゼの結合及び転写の開始に供される遺伝子含有DNA配列の一部を
意味する。プロモーター配列は、絶対ではないが通常遺伝子の5'非翻訳域内に存
在する。
【0039】 ”蛋白質”(タンパク質)は、1またはそれ以上のポリペプチド鎖を含む高分
子である。蛋白質は、炭水化物の様な非ペプチド成分も含むだろう。炭水化物及
びその他非ペプチド性基質は、その蛋白質が産生される細胞により蛋白質に付加
され、また細胞の型により変わるだろう。ここでは蛋白質はそれらのアミノ酸主
鎖構造により定義される;炭水化物基の様な基質は一般には明記されていないが
、その場合でも存在することがある。
【0040】 用語”受容体”は、生物活性分子(即ちリガンド)に結合し、そして細胞にリ
ガンドの作用を伝達する細胞結合蛋白質を意味する。受容体へのリガンドの結合
は、受容体内に立体構造の変化を招き(そして、幾つかの例では受容体の多量体
化、即ち同一または別レセプターサブユニットの結合)、これがエフェクタード
メインと細胞内の他分子との間に相互作用を誘導する。次にこれら相互作用は細
胞の代謝に変化を招く。受容体−リガンド相互作用に連結した代謝現象には、遺
伝子の転写、リン酸化、脱リン酸化、環状AMP産生上昇、細胞カルシウムの代謝
、イノシトール脂質の加水分解及びリン脂質の加水分解が含まれる。細胞表面サ
イトカイン受容体は、下記詳細論じる様な多ドメイン構造により特徴付けられる
。これら受容体は、一般的には正に荷電された残基(Lys又はArg)が近接する疎
水性アミノ酸残基(典型的には21−25残基)の配列により特徴付けられるトラン
スメンブレンドメインにより、細胞膜内に固定される。一般に受容体は、膜結合
性の細胞質性又は核性である;単量体(例えば甲状腺刺激ホルモン受容体、ベー
タアドレナリン性受容体)又は多量体(例えばPDGF受容体、成長ホルモン受容体
、IL-3受容体、GM-CSP受容体、G-CSF受容体、エリスロポイエチン受容体及びIL-
6受容体)である。用語”受容体ポリペプチド”は、分離された機能ドメイン(
例えばリガンド結合ドメイン)を含む、完全な受容体ポリペプチド及びその一部
を意味するのに利用される。 用語”分泌シグナル配列”は、大型のポリペプチドの成分として、それが合成
される細胞内の分泌経路に大型のポリペプチドを方向付けするポリペプチド(”
分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を意味する。大形ポリペプチドは通常分
泌経路通過中に分断され、分泌ペプチドが除かれる。
【0041】 ”可溶性受容体”は、細胞膜に結合しない受容体ポリペプチドである。可溶性
受容体の多くは一般に、トランスメンブレン及び細胞質ドメインを欠くリガンド
結合受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、ポリペプチド精製又は基質へ
のポリペプチドの結合のために提供されるアミノ酸残基の様なアフィニティータ
グ、もしくは免疫グロブリン定常域配列の様な追加のアミノ酸残基を含むことが
できる。多くの細胞表面受容体は天然に生じ、その可溶型は蛋白質分解により産
生される。可溶性受容体ポリペプチドは、それらが膜固定又はシグナル伝達それ
ぞれを提供するそれら断片の十分な部分を欠くとき、実質的には膜貫通及び細胞
質ポリペプチド断片を持たないと言われている。
【0042】 用語”スプライス変異体”はここでは遺伝子から転写されるRNAの別形状を意
味するのに用いられる。スプライス変異は天然には、転写されたRNA分子内、又
は一般的ではないが別々に転写されたRNA分子間にある別のスプライシング部位
が利用されることで生じ、その結果同一遺伝子より複数のmRNAが生じるだろう。
スプライス変異体は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードす
るだろう。スプライス変異体という用語は、ここでは遺伝子より転写されたmRNA
のスプライス変異体によりコードされる蛋白質を意味する場合にも用いられる。
【0043】 不正確な分析方法(例えばゲル電気泳動法)により決定されたポリマーの分子
量及び長さは、おおよその値と理解されるだろう。この様な値を”約”X又は”
おおよそ”Xと表される場合には、記載された値Xは±10%の正確性であると理
解されるだろう。
【0044】 ここに引用された参考資料は、その全てが参照されて取り込まれている。 本発明は、クラスIサイトカイン受容体の構造を持つ蛋白質をコードする新規
DNA配列の発見に一部基づく。演繹アミノ酸配列は、コードされた受容体がIL-2
受容体β-サブユニット、及びβ-共通受容体(即ちIL3、IL-5及びGM-CSF受容体
β-サブユニット)を含む受容体サブファミリーに属していることを示した。こ
の新規DNAに対応するmRNAの組織分布の分析から、リンパ節、末梢白血球(PBLs
)、脾臓及び胸腺内での発現が示された。更にmRNAはバーキットリンパ腫由来の
Raji細胞株(ATCC番号CCL-86)内に豊富であった。ポリペプチドはzalpha11と命
名された。
【0045】 本発明の新規zalpha11ポリペプチドは、ESTデータベースの検索により最初に
同定された。ESTが発見されその対応cDNAが配列決定された。このcDNAにコード
された新規ポリペプチドはクラスIサイトカイン受容体と相同性を示した。zalp
ha11ポリペプチド配列は推定蛋白質の全コーディング配列をコードしていた。za
lpha11はアポトーシス細胞経路、細胞−細胞シグナル伝達分子、増殖因子受容体
又は増殖因子ホルモン活性を持つ細胞外マトリックス結合蛋白質等と関係する新
規サイトカイン受容体である。
【0046】 zalpha11ポリペプチドの配列は、その対応ポリペプチド配列を含む単一クロー
ンより演繹された。このクローンは脊髄ライブラリーより得た。この様な配列が
検索あれるであろう他のライブラリーにはPBL、胸腺、脾臓、リンパ節、ヒト赤
白血病細胞株(例えばTF-1)、Raji細胞、急性単核球性白血病細胞株、その他リ
ンパ腫、及び造血性細胞株等が含まれる。
【0047】 代表的なzalpha11をコードするDNAは配列番号1(ヌクレオチド69ないし1682
)に記載されており、それより演繹された538アミノ酸配列は配列番号2に記載
される。その全体に於いて、zalpha11ポリペプチド(配列番号2)は完全長ポリ
ペプチド断片(配列番号2の残基1(Met)から残基538(Ser))を表す。zalpha
11のドメイン及び構造上の特徴を以下詳細に記す。
【0048】 配列番号1のDNA配列によりコードされたzalpha11ポリプチドの分析は、19ア
ミノ酸残基の推定分泌シグナルペプチド(配列番号2の残基1(Met)ないし残
基19(Gly))及び519アミノ酸の成熟ポリペプチド(配列番号2の残基20(Cys
)ないし残基538(Ser))を含む519アミノ酸)を含む538アミノ酸(配列番号2
)コードするオープンリーディングフレームを表した。配列番号2の残基214な
いし218に相当するWSXWSモチーフ(配列番号3)に加え、受容体は約200アミノ
酸残基(配列番号2の残基20(Cys)ないし237(His))のサイトカイン結合ドメ
イン;ドメインリンカー(配列番号2の残基120(Pro)ないし123(Pro));末位
から2番目の鎖領域(配列番号2の残基192(Lys)ないし202(Ala));トランス
メンブレンドメイン(配列番号2の残基238(Leu)ないし255(Leu));”ボック
スI”シグナル伝達部位(配列番号2の残基267(Ile)ないし273(Pros)及び”
ボックスII”シグナル伝達部位(配列番号2の残基301(Leu)ないし304(Gly))
を含む完全細胞内シグナル伝達ドメイン(配列番号2の残基256(Lys)ないし538
(Ser))、を含む。当業者はこれらドメインの境界がおおよそであり、既知蛋白
質のアラインメント及び蛋白質折りたたみの推測に基づくものであることを容易
に認識するだろう。これらドメインに加え、コードされた受容体中の保存された
受容体の特徴には(配列番号2に示すように)、位置138の保存Trp残基及び位置
201の保存Arg残基がある。上記のzalpha11ポリペプチド領域、ドメイン、モチー
フ、残基、及び配列をコードする対応ヌクレオチドは配列番号1に示される。
【0049】 トランスメンブレン領域の存在、及び保存された低変異性モチーフの存在は一
般に、蛋白質内の重要な構造領域に関連するか、又はこれを規定している。低変
異性領域(例えば疎水性クラスター)は、一般には構造上重要な領域に存在して
いる(Sheppard、Pら、上記)。この様な低変異性領域は、しばしばトリプトフ
ァンの様な稀又は低頻度アミノ酸を含む。これら保存された低変異性モチーフに
隣接する、及びその間にある領域は、結合ドメイン、生物学的及び酵素的活性、
シグナル伝達、細胞−細胞相互作用、組織局在ドメイン等の様な重要な構造及び
活性に関連または規定していることから、より多様性であるが、しばしば機能的
には重要であろう。例えば、上記の領域1から4は機能的に重要であろう。
【0050】 上記のzalpha11内の保存アミノ酸残基領域は、新規ファミリーメンバーの同定
のツールに利用できる。例えば逆転写ポリメラーゼチェインリアクション(RT-P
CR)を使い、各種組織源又は細胞株より得たRNAから保存域をコードする配列を増
幅できる。特にこの目的に関しては、zalpha11配列より設計された高度に縮重さ
れたプライマーが有用であろう。この様な縮重プライマーの設計及び利用は、当
業者に容易に実施されるだろう。
【0051】 本発明は更に、ここに開示されたzalpha11ポリペプチドをコードするDNA及びR
NA分子を含む、ポリヌクレオチド分子を提供する。当分野熟練者は、遺伝子コー
ドの縮重性の観点に於いて、これらポリヌクレオチド分子には相当の配列多様性
があることを容易に理解するだろう。配列番号4は、配列番号2のzalpha11ポリ
ペプチドをコードする全てのDNAを包含する縮重DNA配列である。当分野熟練者は
、配列番号4の縮重配列はTをUに置換することで配列番号2をコードする全て
のRNA配列も提供することを理解するだろう。即ち、zalpha11ポリペプチドをコ
ードする、配列番号4のヌクレオチド1ないしヌクレオチド1614ポリヌクレオチ
ド及びそれらのRNA等価体は本発明に包含される。表1は、縮重ヌクレオチド位
置を示すための配列番号4内で使用された1文字コードを示している。”リソリ
ューション”は、コード文字で表されたヌクレオチドである。”相補体”は、相
補的ヌクレオチドのコードを示す。例えばコードYは、C又はTであり、その相
補体RはA又はGであり、AはTに対し相補的であり、そしてGはCに相補的で
あることを表している。
【0052】 表1 ヌクレオチド リソリューション 相補体 リソリューション A A T T C C G G G G C C T T A A R A|G Y C|T Y C|T R A|G M A|C K G|T K G|T M A|C S C|G S C|G W A|T W A|T H A|C|T D A|G|T B C|G|T V A|C|G V A|C|G B C|G|T D A|G|T H A|C|T N A|C|G|T N A|C|G|T
【0053】 あるアミノ酸に関し考え得る全てのコドンを包含する配列番号4に用いられる
縮重コドンを表2に示す。 表2 アミノ酸 1文字コード コドン 縮重コドン
Cys C TGC TGT TGY Ser S AGC AGT TCA TCC TCG TCT WSN Thr T ACA ACC ACG ACT ACN Pro P CCA CCC CCG CCT CCN Ala A GCA GCC GCG GCT GCN Gly G GGA GGC GGG GGT GGN Asn N AAC AAT AAY Asp D GAC GAT GAY Glu E GAA GAG GAR Gln Q CAA CAG CAR His H CAC CAT CAY Arg R AGA AGG CGA CGC CGG CGT MGN Lys K AAA AAG AAR Met M ATG ATG Ile I ATA ATC ATT ATH Leu L CTA CTC CTG CTT TTA TTG YTN Val V GTA GTC GTG GTT GTN Phe F TTC TTT TTY Tyr Y TAC TAT TAY Trp W TGG TGG Ter . TAA TAG TGA TRR AsnlAsp B RAY GluGlu Z SAR Any X NNN
【0054】 当業熟練者は、各アミノ酸をコードする可能性のある全てのコドンを代表する
縮重コドンの決定には、若干の多義性が導入されることを認識するだろう。例え
ば、セリン(WSN)の縮重コドンは、ある条件ではアルギニン(AGR)をコードで
き、アルギニン(MGM)の縮重コドンはある場合にはセリン(AGY)をコードできる
。同様の関係は、フェニルアラニンとロイシンをコードするコドンの間にも存在
する。即ち縮重コドンにより包含される幾つかのポリヌクレオチドは、変異体ア
ミノ酸配列コードすることがあるが、当業者は配列番号2に示すアミノ酸配列を
参照することで、この様の変異体配列を特定することができる。変異体配列はこ
こに記す機能性に関し容易に試験することができる。
【0055】 当業熟練者は、別種が”優先的コドン利用”を示すことを理解するだろう。一
般にはGranthamら、Nuc. Acids Res. 8:1393-912, 1980; Hassら、 Curr. Biol.
6:315-24, 1996; Wain-Hobsonら、Gene 13: 355-64, 1981; Wain-Hobsonら、Ge
ne 13:355-64, 1981; GrosjeanとFiers, Gene 18: 199-209, 1982; Holm, Nuc. Acids Res . 14:3075-87, 1986;ならびにIkemura, J. Mol. Biol. 158:573-97;19
82を見よ。ここで使用する”優先的コドン利用”又は”優先コドン”とは、特定
の細胞内に最も頻繁に利用される蛋白質翻訳コドン、即ち核アミノ酸をコードす
る考え得るコドンの中にある1または若干数の好都合例を示す用語である(表2
参照)。種に好ましいコドンは、当分野既知の各種方法により、本発明のポリペ
プチド内に取り込むことができる。組換え体DNAに好適コドン配列を導入するこ
とで、例えば特定のタイプ又は種の細胞に於ける蛋白質の翻訳をより効率化する
ことにより、蛋白質の産生を促進する。例えばアミノ酸のスレオニン(Thr)はA
CA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、哺乳動物細胞ではACCが最も一般
的に利用されるコドンである;別の種、例えば昆虫細胞、酵母、ウイルス、又は
細菌では、別のThrコドンが優先するだろう。特定種に関する優先コドンは、当
分野既知の各種方法により、本発明のポリヌクレオチド内に導入できる。優先コ
ドン配列の組換え体DNA内への導入は、例えば特定の細胞型又は種内でより効率
的な蛋白質翻訳を行うことで、蛋白質の産生を増強する。従って、配列番号4に
開示されている縮重コドン配列は、当分野に通常用いられここに開示されている
各種タイプの細胞及び種に於けるポリヌクレオチドの発現を最適化する為の鋳型
として機能する。優先コドンを含む配列は、様々な種に於ける発現に関し試験及
び最適化でき、またここに開示された機能性に関しても試験できる。
【0056】 発明の好適実施態様では、分離されたポリヌクレオチドは配列番号1の同様の
大きさの領域、又はそれに相補的な配列とストリンジェント条件下にハイブリダ
イズするだろう。一般に、ストリンジェント条件は、所定のイオン強度及びpHに
於ける特定配列に関する熱融解点(Tm)より約5℃低くなる様に選択される。Tm
は、標的配列の50%が好ましく適合するプローブにハイブリダイズする温度(所
定イオン強度とpHに於いて)である。各種Tm温度計算法が当分野既知であり、ま
たDNA、RNA及びDNA-RNAハイブリッド及び各種長さのポリヌクレオチドプローブ
配列に特異的である(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,
Second Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989); Ausubelら、(編
集)Current Protocols in Molecular Biology,(John Wiley and Sons, Inc. 198
7);BergerとKimmel(編集) Guide to Molecular Cloning Techniques, (Acad
emic Press, Inc. 1987);及びWetmur、Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227
(1990))。OLIGO 6.0(LSR;Long Lake, MN)及びPrimer Premier 4.0(Premier B
iosoft International; Palo Alto, CA)の様な配列分析ソフトウエアー、なら
びにインターネントサイトは、特定配列の分析とユーザーが規定した基準に基づ
くTmの計算に利用可能なツールである。この様なプログラムは特定配列を一定条
件下に分析することも、また好適なプローブ配列を特定することもできる。典型
的には、長さの長い配列のハイブリダイゼーション(例えば>50塩基対)は、計
算されたTmに比べ約20-25℃低い温度で実施される。より小さいプローブ(例え
ば<50塩基対)のハイブリダイゼーションは、典型的にはTm又はそれより5-10℃
低い温度で実施される。これによりDNA-DNA及びDNA-RNAハイブリッドに関し、ハ
イブリダイゼーション率は最大になる。低温に於ける高厳密性は、緩衝液中のフ
ォルムアミド濃度1%毎に、ハイブリッド温度を約1℃下げるフォルムアミドの
添加により達成される。好適ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、
以下を含む溶液に於ける42℃、5時間から一晩のインキュベーションである:約
40-50%のフォルムアミド、約6×までのSSC、約5×Denhardt溶液、0から10%ま
での硫酸デキストラン、及び約10-20μg/mlの変性された市販のキャリアーDNA。
一般にこのストリンジェント条件は、20-70℃の温度、及び6×までのSSC及び0-
50%のフォルムアミドを含むハイブリダイゼーション液を含む;ハイブリダイゼ
ーション後、フィルターは更に約2×までのSSCにて洗浄される。例えば、好適
な洗浄条件は、0.1×SSCから2×SSC、0.1%SDS、55℃から65℃である。標的配列
への最大の特異結合を達成することを目的とし、様々なストリンジェンシー度を
利用することができる。典型的には、ハイブリダイゼーション後の洗浄では、ス
トリンジェンシー度を高めることによってハイブリダイズ複合体から非ハイブリ
ダイズポリヌクレオチドプローブを除く。ハイブリダイゼーション及び洗浄のス
トリンジェント条件は、Tmの温度を反映し、プローブの長さ及び使用するハイブ
リダイゼーション液と洗浄液に依存し、そして日常的には当業者により経験的に
決定される。
【0057】 前述の様に、単離された本発明のポリヌクレオチドはDNA及びRNAを含む。DNA
及びRNAの調製方法は当分野公知である。一般にRNAは大量のzalpha11 RNAを産生
する組織、又は細胞から分離される。これら組織及び細胞は、ノーザンブロッテ
ィングにより特定され(Thomas、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:5201, 1980)、及
びPBLs、脾臓、胸腺及びリンパ組織、Raji細胞、ヒト赤白血病細胞株(例えばTF
-1)、急性単球性白血病細胞株、その他リンパ腫及び造血性細胞株等を含む。総
RNAはグアニジンイソチオシアネート抽出法と、それに続くCsCl勾配中での遠心
分離による分離によって調製できる(Chirgwinら、Biochemistry 18: 52-94, 19
79)。相補的DNA(cDNA)は既知の方法を利用し、ポリ(A)+RNAより調製される。
あるいは、ゲノムDNAが分離できる。次にzalpha11ポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドは、例えばハイブリダイゼーション法又はポリメラーゼチェイン
リアクション(PCR)(Mullis、米国特許第4,683,202号)により特定され、また
分離される。
【0058】 zalpha11をコードする全長クローンは、通常のクローニング法により得ること
ができる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、幾つかの応用では(例え
ば、トランスジェニック動物での発現)ゲノムクローンを利用すること、又は少
なくとも1つの同遺伝子又は別遺伝子に由来するゲノミックイントロンを含む様
にcDNAを変更することが好ましい。cDNA又はゲノミッククローンの調製方法は当
分野公知であり、熟練者のレベル内であり、またライブラリーをプロービングし
、又はプライミングすることへのここに開示された配列又はその一部の利用を含
む。発現ライブラリーは、zalpha11、受容体断片に対する抗体、又はその他特異
的結合相手により探索できる。
【0059】 本発明ポリヌクレオチドは、DNA合成装置を使用して合成することもできる。
今回選択された方法は、フォスフォルアミダイト法である。遺伝子又は遺伝子断
片の合成の様な応用に化学的に合成された2本鎖DNAが必要な場合、各相補鎖は
別々に合成される。短いポリヌクレオチド(60ないし80bp)の製造は、技術的に
は直線的に行われ、相補鎖を合成し、次にそれらをアニーリングすることで達成
できる。しかし、より長い鎖を作る場合(>300bp)には、DNAの化学合成中の各
サイクルの結合効率が100%になることは殆どないことから、特別な方策が通常用
いられる。この問題を克服するために、20ないし100ヌクレオチド長の1本鎖断
片から合成遺伝子(2本鎖)をモジュラー形式が組み立てられる。
【0060】 合成遺伝子を形成するための方法の1つでは、まずそれぞれが20ないし60ヌク
レオチドの長さである重複する相補的オリゴヌクレオチドのセットを合成するこ
とを必要とする。遺伝子のそれぞの内部部分は、近接する部分と正確に塩基対を
形成する様に設計された相補的な3'末端及び5'末端突起を有している。即ち、こ
の遺伝子を組み立てた場合、その工程は2本の鎖の骨格にそって存在している切
れ目をT4DNAライゲーズを用いて埋めることで完了する。蛋白質コーディング域
に加え、合成遺伝子はクローニングベクターの制限エンドヌクレアーゼ部位内へ
の挿入を促進する、ターミナル配列を持つように設計できる。更に、適当な転写
及び翻訳の開始及び停止に関するシグナルを含む別の配列を加えることができる
【0061】 完全長遺伝子を調製する別の方法は、重複するオリゴヌクレオチド(40ないし
100ヌクレオチド)の特異的セットを合成することである。3'及び5'の短い重複
した相補域(6ないし10ヌクレオチド)をアニーリングすると大きなギャップが
まだ残っているものの、構造を一つに保持するのに十分な長さと安定性を持つ短
い塩基対域ができる。このギャップを埋め、大腸菌DNAポリメラーゼIにより酵
素的にDNAを合成することでDNA2重鎖を完成させる。酵素による合成が終了した
後、切れ目はT4DNAリガーゼにより埋められる。続いて2本鎖構築体は相互に結
合され、全遺伝子が形成され、更にDNA配列分析により確認される。GlickとPast
ernak、 Molecular Biotechnology, Principles & Applications of Recombinan t DNA, ASM Press, Washington, D.C., 1994; Itakuraら、Annu. Rev. Biochem,
53: 323-56, 1984;及びClimieら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 633-7, 19
90を見よ。
【0062】 本発明は更に別種(オルトログ)由来の対応するポリペプチド及びポリヌクレ
オチドも提供する。これら他種には哺乳動物、鳥類、両生類、は虫類、魚類、昆
虫及びその他脊椎動物、並びに無脊椎動物が含まれるが、これに限定されない。
特に興味深いものは、ネズミ、ブタ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ、ウマ及びその
他霊長類ポリペプチドを含む、他哺乳動物種由来のzalpha11ポリペプチドである
。ヒトzalpha11のオルトログは、本発明により提供される情報と組成物を、通常
のクローニング技術と組み合わせることでクローン化できる。例えば、cDNAはこ
こに開示されるzalpha11を発現するタイプの組織又は細胞より得たmRNAを用い、
クローン化できる。mRNAの好適供給源はここに開示された配列より設計されるプ
ローブを用いたノーザンブロットをプロービングすることで特定できる。次に、
陽性組織、又は細胞株のmRNAよりライブラリーが調整できる。次にzalpha11をコ
ードするcDNAは、完全又は部分ヒトcDNAを用いたプロービング、又は開示配列に
基づく1またはそれ以上の変性プローブのセットを用いたプロービングの如くの
各種方法により分離できる。cDNAもここに開示された代表的ヒトzalpha11配列よ
り設計されたプライマーを利用するポリメラーゼチェインリアクション又はPCR
(Mullis、上記)を用いクローン化できる。その他の方法では、cDNAライブラリ
ーを用いて宿主細胞を形質転換、又はトランスフェクトすることができ、また所
望cDNAの発現をzalpha11ポリペプチドに対する抗体により検出することができる
。同様の技術はゲノムクローンの分離にも応用できる。
【0063】 サイトカイン受容体サブユニットは、細胞外ドメイン、細胞膜内にペプチドを
固定するトランスメンブレンドメイン、及び細胞内ドメインを含む複数ドメイン
構造により特徴付けられる。リガンド結合及びエフェクター機能は多量体受容体
の別々のサブユニットに属すると考えられるが、細胞外ドメインはリガンド結合
ドメインであり、細胞内ドメインはシグナル伝達に関係していると考えられてい
る。リガンド結合ドメイン自体は多ドメイン構造体である。多量体受容体はホモ
ダイマー(例えばPDGF受容体αα及びββイソ型、エリスロポイエチン受容体、
MPL、ならびにG-CSF受容体)、サブユニットそれぞれがリガンド結合及びエフェ
クタードメイン(例えばPDGF受容体αβイソ型)ヘテロダイマー、及び異なる機
能を持ったコンポーネントサブユニット(例えばIl-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6
、IL-7及びGM-CSF受容体)を有する多量体を含む。幾つかの受容体レセプターは
複数の受容体で共通である。例えばそれ自体の上にリガンドを結合できないがシ
グナル伝達ドメインを含むAIC2BサブユニットはIL-3及びGM-CSF受容体の構成成
分である。多くのサイトカイン受容体はその構造と機能に基づく4つの関連ファ
ミリーの一つに分類される。例えば造血性受容体は、保存されたシステイン残基
及びWSXWSモチーフ(配列番号3)を含むドメインの存在によって特徴付けられ
る。サイトカイン受容体の構造についてはUrdal, Ann. Reports Med. Chem. 26:
221-228, 1991及びCosman, Cytokine 5:95-106, 1993にレビューされている。新
たな生物学的機能獲得に関する選択圧の下、既存受容体遺伝子の複製により新規
受容体ファミリーが生じ、多遺伝子ファミリーが存在する様になったのだろう。
従ってファミリーメンバーは先祖遺伝子の痕跡を含んでおり、これら特徴的な特
質は更なるファミリーメンバーの分離と同定に活用できる。即ち、サイトカイン
受容体スーパーファミリーは更に例えば免疫グロブリンファミリー(CSF-1、MGF
、IL-1及びPDGF受容体を含む);造血因子ファミリー(IL-2受容体βサブユニッ
ト、GM-CSF受容体αサブユニット、GM-CSF受容体βサブユニット;及びG-CSF、E
PO、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7ならびにIL-9の受容体を含む);TNF受容体
ファミリー(TNF9p80) TNF8p60)受容体、CD27、CD30、CD40、Fas及びNGF受容体
)の様な複数のファミリーに分類される。
【0064】 zalpha11配列の解析は、これがIL-2受容体βサブユニット、IL-3、IL-4及びIL
-6受容体と同一の受容体サブファミリーのメンバーであることを示唆している。
このサブファミリー(例えばG-CSF)の特定受容体は結合し、シグナルを伝達す
るホモダイマーを形成する。このサブファミリーの他のメンバー(例えばIL-6、
IL-11及びLIF受容体)は第2サブユニット(βサブユニットと呼ばれる)と連合
してリガンドに結合し、シグナルを伝達する。特有のβサブユニットは複数の特
異的サイトカイン受容体サブユニットに結合する。例えば、βサブユニットgp13
0(Hibiら、Cell 63:1149-1157, 1990)はIL-6、IL-11及びLIFに特異的な受容体
サブユニットに結合する(Gearingら、EMBO J. 10:2839-2848, 1991; Gearingら
、米国特許第5,284,755号)。オンコスタチンMはLIF受容体のヘテロダイマー及
びgp130に結合する。CNTGはCNTF受容体、LIF受容体及びgp130サブユニットを含
む3量体受容体に結合する。
【0065】 ヒトzalpha11のマウス相同体のポリヌクレオチド配列が同定されており、配列
番号84に示され、そして対応するアミノ酸配列は配列番号85に示されている。配
列番号84のDNA配列にコードされるマウスzalpha11ポリペプチドの分析は、19ア
ミノ酸残基の推定分泌シグナルペプチド(配列番号2の残基1(Met)ないし残
基19(Gly))及び510アミノ酸の成熟ポリペプチド(配列番号2の残基20(Cys
)ないし残基529(Ser))を含む529アミノ酸(配列番号85)コードするオープ
ンリーディングフレームを表した。配列番号85の残基214ないし218に相当するWS
XWSモチーフ(配列番号3)に加え、受容体は約200アミノ酸残基(配列番号2の
残基20(Cys)ないし237(His))のサイトカイン結合ドメイン;ドメインリンカ
ー(配列番号85の残基120(Pro)ないし123(Pro));末位から2番目の鎖領域(
配列番号85の残基192(Lys)ないし202(Ala));トランスメンブレンドメイン(
配列番号85の残基238(Met)ないし254(Leu));”ボックスI”シグナル伝達部
位(配列番号85の残基266(Ile)ないし273(Pro)及び”ボックスII”シグナル伝
達部位(配列番号2の残基301(Leu)ないし304(Val))を含む完全細胞内シグナ
ル伝達ドメイン(配列番号85の残基255(Ile)ないし529(Ser))、を含む。ヒト
及びマウスアミノ酸配列の比較は、ヒト及びオルトログポリペプチドが上記の対
応する構造的特徴を含むことを示している(図2参照)。マウスzalpha11の成熟
配列は、Cys20(配列番号85に示す)で開始するが、これはヒト配列中のCys2
0(配列番号2に示す)に相当する。マウスとヒト配列は、配列番号2及び配列
番号85に相当する全体アミノ酸配列に関し約63%の同一性を有している。配列番
号の残基20(Cys)ないし237(His)及び配列番号85の残基20(Cys)ないし237(H
is)に相当する細胞外サイトカイン結合ドメインについては、マウス及びヒトZal
pha11配列間には約69%の同一性がある。配列番号の残基256(Lys)ないし538(S
er)及び配列番号85の残基255(Lys)ないし529(Ser)に相当する細胞内シグナル
伝達ドメインに関しては、マウス及びヒトZalpha11配列間に約60%の同一性があ
る。上記%同一率は、ktup=1、ギャップオープニングペナルティー(gap openin
g penaly)=12、ギャップエクステンションペナルティー(gap extension pena
lty)=2、及び置換マトリックス=BLOSUM62であり、その他パラメータがデフ
ォルトに設定されたFASTAプログラムを用い決定された。上記のマウスzalpha11
ポリペプチド域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列をコードする対応ポリヌク
レオチドは配列番号84に示されている。
【0066】 当業者は配列番号1開示の配列がヒトzalpha11の1対立遺伝子を表すものであ
ること、そして対立遺伝子及び変更スプライシングを含む自然変異の生起が予想
されることを認識するだろう。この配列の対立遺伝子変異体は、cDNA又は各種個
体より通常法によって得たゲノムライブラリーをプロービングすることでクロー
ン化できる。サイレント変異及びアミノ酸配列を変化させる突然変異を含む配列
番号1に示すDNA配列の対立遺伝子変異体、及び配列番号2の対立遺伝子変異体
である蛋白質は本発明の範囲である。zalpha11のポリペプチドの特性を保持する
、別の形にスプライシングされたmRNAより生じたcDNAは、これらcDNA及びmRNAに
よりコードされるポリペプチドが上記である場合は本発明の範囲である。これら
配列の対立遺伝子変異及びスプライス変異は、当分野公知の標準的方法により各
種個体又は組織より得たcDNA又はゲノムライブラリーをプロービングすることで
、クローン化できる。
【0067】 本発明は配列番号2のポリペプチド及びそれらのオルトログに本質的に類似で
ある分離されたzalpha11ポリペプチドも提供する。用語”本質的に類似”とは、
ここでは配列番号2に示す配列又はそのオルトログに対し少なくとも70%、より
好ましくは少なくとも80%の配列同一性を持つポリペプチドを意味するのに用い
られる。この様なポリペプチドは、より好ましくは配列番号2又はそのオルトロ
グに対し少なくとも90%、最も好ましくは95%同一である。%配列同一性は通常
の方法によって決定される;例えばAltschulら、Bull. Math. Bio. 48:603-616,
1986, 及びHenikoffとHenikoff. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-10919
, 1992を参照せよ。簡単に述べると、2つのアミノ酸配列を、ギャップオープニ
ングペナルティー10、ギャップエクステンションペナルティー1、そして表3(
アミノ酸は通常の1文字コードで示している)に示すHenikoffとHenikoff(上記
)の”blosum62"スコアリングマトリックスを用い、アラインメントスコアが最
適になるよう整列させる。次に同一性%を次式より計算する: 同一適合の総数 ×100 [2配列を整列するために長い方の配列に加えた ギャップ数+長い方の配列の長さ]
【0068】
【表1】
【0069】 ポリヌクレオチド分子の配列同一性は上記に開示した割合を利用し、同様の方
法によって決定される。
【0070】 当業者は2種類のアミノ酸配列の整列に利用できる確立されたアルゴリズムが
多く存在することを認識している。PearsonとLipmanによる"FASTA"類似性検索ア
ルゴリズムは、ここに開示されたアミノ酸配列と推定変異体zsig57ポリペプチド
の持つ同一性レベルの検討に適した好適な蛋白質整列法である。FASTAアルゴリ
ズムはPearsonとLipman、Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444, (1988)及びP
earson、Meth. Enzymol. 183:63(1990)により記述されている。
【0071】 簡単に述べると、FASTAはまず保存的なアミノ酸置換、挿入、あるいは欠失を
考慮せずに同一体(ktup変数が1の場合)、あるいは同一ペア(ktup=2の場合)
の密度が最大になる様に、対象配列(例えば配列番号2)と試験配列間に共有さ
れる領域を特定して配列の類似性を特徴付ける。次にアミノ酸置換マトリックス
を用い、対合する全てのアミノ酸の類似性を比較し、最高のスコアになる様に残
基を切断し領域端部を”切りそろえ”、最高の同一性密度を示す10カ所の領域を
再度スコア化する。”カットオフ”値(配列の長さとktup値より前もって定めれ
られた式に従い計算された)よりも大きなスコアを示す領域が複数ある場合には
、続いて切りそろえられた最初の領域を再度検討、領域を連結してギャップを持
つ適当なアラインメントができるか調べる。最後に、アミノ酸挿入と欠失を考慮
したNeedlema-Wunsh-Sellersのアルゴリズム(NeedlemanとWuncsch, J. Mo;. Bi ol . 48:444 (1970); Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26: 787 (1974))の変法
を利用し、2アミノ酸配列の最高スコア域を揃え並べる。FASTA分析の好適パラ
メータは:ktup=1、ギャップオープニングペナルティー=10、ギャップエクステ
ンションペナルティー=1、置換マトリックス=BLOSUM62である。これらパラメ
ータは、Pearson、Meth. Enzymol. 183:63(1990)の付録2内に説明されているス
コア化マトリックスファイル("SMATRIX")を改良することで、FASTAプログラム
内に導入。
【0072】 FASTAは、上記同様に比率を利用した核酸分子の配列同一性決定にも利用でき
る。ヌクレオチド配列の比較では、ktup値は1から6の間の範囲であり、好まし
くは3から6、最も好ましくは3であり、その他のパラメータはデフォルトであ
るとすることができる。 BLOSUM62表(表3)は2,000の蛋白質配列断片を局所的に多数整列させたアラ
インメントに基づくアミノ酸置換マトリックスであり、500以上の関連蛋白質グ
ループに於ける高度に保存された領域を表している(HenikoffとHenikoff, Proc
. Nat'l Acad. Sci. USA 89:10915(1992))。従って、BLOSUM62置換頻度を利用し
、本発明のアミノ酸配列内に導入できる保存的アミノ酸置換を規定することがで
きる。化学的特性のみに基づきアミノ酸置換を設計することも可能である(以下
考察の如く)が、”保存的アミノ酸置換”という語は望ましくはBLOSUM62の値が
−1以上である置換を表す。例えば、アミノ酸置換は、その置換がBLOSUM62の値
0、1、2又は3で特徴付けられる場合に保存的である。このシステムによれば
、好ましい保存的アミノ酸置換は、少なくとも1(例えば1、2又は3)のBLOS
UM62値により特徴付けられるが、より好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも
2(例えば2又は3)のBOSUM62値により特徴付けられる。
【0073】 変異体zalpha11ポリペプチド又は本質的に相同なzalpha11ポリペプチドは、1
又はそれ以上のアミノ酸置換、欠失、又は付加を持つことで特徴付けられる。こ
れら変化は、好ましくは保存的アミノ酸置換(表4参照)又はポリペプチドの畳
み込み、又は活性に大きく影響しないその他の置換;小さな欠失、典型的には1
ないし約30アミノ酸;及び例えばアミノ末端メチオニン残基の様なアミノ−ある
いはカルボキシル末端の延長、約20-25残基までの小リンカーペプチド又は親和
性タグの様な軽微な性質のものである。従って本発明は、配列番号2の対応領域
に少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、及びより好ましくは95%またはそ
れ以上相同である約489ないし約568アミノ酸残基のポリペプチドを含む。親和性
タグを含むポリペプチドは更に、zalpha11ポリペプチドと親和性タグとの間に蛋
白質分解性切断部位を含むことができる。好ましい部位は、トロンビン切断部位
及び第Xa因子切断部位を含む。
【0074】 表4 保存的アミノ酸置換 塩基性: アルギニン リジン ヒスチジン 酸性: グルタミン酸 アスパラギン酸 極性: グルタミン アスパラギン 疎水性: ロイシン イソロイシン バリン 芳香性: フェニルアラニン トリプトファン トリプシン 小: グリシン アラニン セリン スレオニン メチオニン
【0075】 本発明は更に、各種ポリペプチド融合体及び1又はそれ以上のポリペプチド融
合体を含む関連多量体蛋白質も提供する。例えば、zalpha11ポリペプチドは米国
特許第5,155,027号及び5,567,584号に開示の如くにして融合体ないし2量体とし
て調製することができる。この観点での好ましい2量体蛋白質は免疫グロブリン
の定常域ドメインを含む。免疫グロブリン-zalpha11ポリペプチド融合体は遺伝
的に加工された細胞内にて発現し、多量体型のzalpha11類似体を産生することが
できる。補助ドメインをzalpha11ポリペプチドに融合させ、それらに特異的細胞
、組織、又は高分子(例えばコラーゲン)に狙わせることができる。例えば、za
lpha11ポリペプチド又は蛋白質は、zalpha11ポリペプチドを、標的細胞の表面上
の受容体に特異的に結合するリガンドと融合することで、前もって決められた型
の細胞を標的にできるだろう。zalpha11ポリペプチドは、例えば精製の為のタグ
又は標的化もしくは2量体化ドメインの様な2又はそれ以上の成分と融合するこ
とができる。ポリペプチド融合体は、更に1又はそれ以上の切断部位を、特にド
メイン間に具備することもできる。Tuanら、 Connective Tissue Research 34:
1-9, 1996参照。
【0076】 本発明の蛋白質は、非天然に生じるアミノ酸残基を含む事ができる。非天然に
生ずるアミノ酸には、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-
4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、
アロ-スレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキ
シエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、
チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-及び4-メチルプロリン、3,3-ジ
メチルプロリン、t-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフ
ェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン及び4-フルオロフェニルアラニンが含
まれるが、これに限定されるものではない。当分野では、非天然に生ずるアミノ
酸残基を蛋白質内に取り込ませるための方法が複数知られている。例えば化学的
にアミノアシル化した抑制性tRNAsを利用し、ナンセンス変異を抑制するインビ
トロシステムが利用できる。アミノ酸合成及びtRNAをアミノアシル化する方法は
当分野既知である。ナンセンス変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は大腸菌S3
0抽出物、及び市販の酵素及びその他試薬を含む無細胞系内で実施される。蛋白
質はクロマトグラフィーにより精製される。例えば、Robertsonら、J. Am, Chem . Soc . 113:2722, 1991; Ellmanら、Methods Enzymol. 202: 301, 1991; Chung
ら、Science 259; 806-9, 1993: Chungら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:101
45-9, 1993)を参照せよ。第2の方法では、翻訳は変異mRNA及び化学的にアミノ
アシル化された抑制tRNAsをマイクロインジェクションを用い、Xenopus卵細胞内
にて実施される(Turcattiら、J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方
法では、大腸菌細胞は、置き換えられる予定の天然アミノ酸(例えばフェニルア
ラニン)が無い状態、もしくは所望する非天然に作製されるアミノ酸(例えば2-
アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン又は
4-フルオロフェニルアラニン)存在下に培養される。非天然型アミノ酸は、対応
する天然型アミノ酸に代わって蛋白質内に取り込まれる。 Koideら、Biochem. 3 3 : 7470-7476, 1994参照せよ。天然に生ずるアミノ酸残基は、インビトロでの化
学的修飾により非天然型に変換することができる。化学修飾は、部位特異的変異
誘導と組合せることで、置換基の範囲を更に拡張できる(WynnとRichards、Prot ein Sci . 2: 395-403, 1993)。
【0077】 限定数の非保存的アミノ酸、遺伝子コードによりコードされていないアミノ酸
、非天然に作製されたアミノ酸、及び非天然型アミノ酸がzalpha11アミノ酸残基
と置換されるだろう。
【0078】 本発明のポリペプチド内にある必須アミノ酸は、部位特異的変異誘導又はアラ
ニンスキャニング変異誘導法の様な当分野既知の方法により特定できる(Cunnin
ghamとWells、Science 244: 1081-5, 1989; Bassら、Proc. Natl. Acad. Sci. U SA 88: 4498-502, 1991)。後者の技術では、単一のアラニン変異を分子内の全
ての残基について導入し、得られた変異体分子を以下に開示する様な生物活性に
ついて試験し、分子の活性に重要であるアミノ酸残基を同定する。Hiltonら、J.
Biol. Chem. 271; 4699-4708, 1996も参照せよ。蛋白質−蛋白質又はその他生
物学的相互作用部位も、核磁気共鳴、血漿分析、電子分散又はフォトアフィニテ
ィーラベリングの様な技術と、推定接触部位のアミノ酸の突然変異とを組合せる
ことで決定される様な、構造体の物理分析より決定することもできる。例えばde
Vosら、Science 255:306-312, 1992; Smithら、J. Mol. Biol. 224:899-904, 1
992; Wlodaverら、 FEBS Lett. 309: 59-64, 1992を参照せよ。必須アミノ酸の
同定は、関連受容体との相同性を分析することで推論することもできる。
【0079】 構造の完全性を維持する上で重要な領域、又はドメイン内にあるアミノ酸残基
を決定することができる。これら領域内では、変化により耐性である、又は耐性
でない特異的残基、及び分子の全体的完全性を維持する特異的残基を決定するこ
とができる。配列構造体を分析する方法には、高いアミノ酸又はヌクレオチド同
一性を持つ多数の配列のアランメント、及び利用可能なソフトウエアー(tatoe
bInsight IIRビュワー、及びモデリングツール;MSI、San Diego, CA)、二次
構造特性、バイナリーパターン、相補的パッケージング、及び埋没極相互作用(
Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:272-376, 1995及びCordesら、Current
Opin. Struct. Biol 6:3-10, 1996)を利用したコンピューター分析を含むが、
これに限定されるものではない。一般に、分子の就職を計画する場合、及び特異
的断片を特定する場合、構造の決定することで修飾分子の活性も評価されるだろ
う。
【0080】 生物学的活性に必須な高次構造の最少破壊を目的とし、zalpha11ポリペプチド
内のアミノ酸配列を変化させる。例えば、Zalpha11ポリペプチドが1またはそれ
以上の螺旋を含む場合、アミノ酸の変化は螺旋構造及び立体構造の変化が、例え
ば結合相手への分子の結合の様な重要機能を障害する様なその他分子成分を破壊
しないようになされるだろう。アミノ酸配列の変化の影響は、例えば上記開示の
様なコンピューターモデリングにより推測でき、又は結晶構造の分析(例えば、
Lapthornら、Nat. Struct. Biol.2:266-268, 1995参照)により決定できるだろ
う。当分野高値の他技術は変位蛋白質の折りたたみを標準的分子(例えば天然蛋
白質)と比較する。例えば、変異体と標準分子内のシステインのパターンを比較
することができる。還元及びアルキル化を利用したマススペクトロメトリー及び
化学修飾は、ジスルフィド結合を伴う、あるいはこれら結合を持たないシステイ
ン残基を決定する方法を提供する(Beanら、Anal. Biochem. 201:216-226, 1992
; Gray, Protein Sci, 2:1732-1748, 1993;及びPattersonら、Anal. Chem. 66.3
727-3732, 1994)。修飾された分子が標準分子と同一のジスルフィド結合パター
ンを持たない場合、折りたたみに影響が及ぶと一般に考えられている。折りたた
みの測定に関するその他の公知及び受け入れられている方法は、円偏光二色性(C
D)である。変更された分子及び標準分子により作られるCDスペクトルを測定し
、比較することは日常的作業である(Johnson、Proteins 7:205-214, 1990)。
結晶学は、折りたたみ及び構造の分析に関する別の公知方法である。核磁気共鳴
(NMR)、消化ペプチドマッピング、及びエピトープマッピングも、蛋白質及び
ポリペプチド間の折りたたみ及び構造の類似性を分析する公知方法である(Scha
ananら、Science 257:961-964, 1992)。
【0081】 配列表2に示すzalpha11蛋白質配列のHopp/Woods親水性プロフィールが作製で
きる(Hoppら、Proc. Natl. Acad. Sci. 78:3824-3828, 1981; Hopp, J. Immun,
Meth. 88:1-18, 1986及びTriquierら、Protein Engineering 11:153-169, 1998
)。図1参照。プロフィールは6残基枠のスライディングに基づいている。埋没
したG、 S、及びT残基、及び露出したH、Y、及びW残基は無視した。例えばzalph
a11では、親水性領域は配列表2のアミノ酸残基55ないし60、配列表2のアミノ
酸残基56ないし61、配列表2のアミノ酸残基139ないし144、配列表2のアミノ酸
残基227ないし232、及び配列表2のアミノ酸残基364ないし369を含む。
【0082】 当業者は、zalpha11のアミノ酸配列内に変化を企画する場合には、親水性又は
疎水性を考慮し、全体構造及び生物学的プロフィールを破壊しないようにするこ
とを認識するだろう。特に興味深い置換は、Val、Leu及びIleより成るグループ
、又はMet、Gly、Ser、Ala、Tyr及びTrpより成るグループから選択される疎水性
残基である。例えば、置換の残基寛容性、配列表2に示す残基を含むことが出き
るだろう。しかし、システイン残基は比較的置換に不寛容である。
【0083】 必須アミノ酸の同定も、クラスIサイトカイン受容体ファミリーメンバーとza
lpha11との間の配列類似性の分析より可能である。前記の”FASTA"分析の様な方
法を利用することで、高い類似性を持つ領域を蛋白質がファミリー内に同定され
、保存域に関するアミノ酸配列の分析に利用される。構造に基づく別の変位体za
lpha11ポリヌクレオチド同定方法は、潜在的zalpha11ポリヌクレオチドをコード
する核酸分子が上記の配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブ
リダイズできるか決定するものである。
【0084】 本発明のポリペプチド中の必須アミノ酸を同定する別の方法は、部位特異的突
然変異導入法あるいはアラニン−スキャニング突然変異法((CunninghamとWell
s、Science 244: 1081(1989); Bassら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 4498
(1991)、CoombsとCorey、" Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineer
ing," in Proteins; Analysis and Design. Angeletti(編集)、ページ259-311
(Academic Press, Inc. 1998)。後者の技術では、単一のアラニン変異を分子内
の全ての残基について導入し、得られた変異体分子を以下に開示する様な生物活
性について試験し、分子の活性に重要であるアミノ酸残基を同定する。Hiltonら
、J. Biol. Chem. 271; 4699-708, 1996も参照せよ。
【0085】 本発明はzalpha11ポリペプチドの機能的断片及びそれら機能的断片をコードす
る核酸分子も含む。ここに規定する”機能的”zalpha11又はその断片は、その増
殖又は分化活性により、特定細胞機能を誘導または阻害するその能力、又は抗za
lpha11抗体又はzalpha11リガンド(可溶性または固定化された)に特異的に結合
する能力により特徴付けられる。前記の如く、zalpha11はクラスIサイトカイン
受容体構造により特徴付けられている。即ち、本発明は以下を含む融合蛋白を更
に提供する:(a)ここに記した細胞外又は細胞内ドメインを含むポリペプチド分
子;及び(b)1またそれ以上のこれらドメインを含む機能的断片。融合蛋白質の
他ポリペプチド部分は、別のクラスIサイトカイン受容体、例えばIL-2受容体β
サブユニット及びβ共通サブユニット(即ちIL3、IL-5及びGM-CSF受容体βサブ
ユニット)により提供されるか、又は融合蛋白質の分泌を促進する非天然及び/
又は無関係の分泌シグナルペプチドにより提供される。
【0086】 核酸分子の通常の欠失分析を実施することで、zalpha11ポリペプチドをコード
する核酸分子の機能的断片を得ることができる。例示として、配列番号1のヌク
レオチド配列またはその断片を有するDNA分子をBal31ヌクレアーゼで消化し、一
連の両端欠失体を得ることができる。次にこれらDNA断片は発現ベクターの適当
なリーディングフレーム内に挿入され、発現されたポリペプチドは分離され、za
lpha11活性に関し、また抗zalpha11抗体又はzalpha11リガンドに結合する能力に
ついて試験される。エクソヌクレアーゼ消化の代替法の一つは、オリゴヌクレオ
チド部位指定突然変異を利用し、所望zalpha11断片の産生を指定する欠失又はス
トップコドンを誘導する方法である。あるいは、ポリメラーゼチェインリアクシ
ョンを利用し、zalpha11ポリヌクレオチドの特定断片を合成することができる。
【0087】 機能的ドメインを同定する標準的方法は、当分野熟練者に公知である。例えば
、インターフェロンの一端又は両端の切断に関する研究はHorsbergerとDi Marco
, Pharmac. Ther. 66:507(1995)にまとめられている。更に蛋白質の機能分析に
関する標準的方法は、例えばTreuterら、Molec. Gen. Genet. 240:113(1993); C
ontentら、"Expression and preliminary deletion analysis of the 42 kDa 2-
5 A synthetase induced by human interferon" in Biological Interferon Sys tems . Proceedings of ISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell(編
集)、ページ65-72(Nijhoff 1987); Herschman, " The EGF Receptor," in Con trol of Animal Cell Proliferation 1, Boyntonら、(編集)ページ169-199(A
cademic Press 1985); Coumailleauら、 J. BIol. Chem. 270:29270(1995); Fuk
unagaら、J. Biol. Chem. 270:25291(1995); Yamaguchiら、Biochem. Pharmacol . 50: 1295(1995);及びMeiselら、Plant Molec. Biol. 30:1(1996)により記述さ
れている。
【0088】 Reidhaar-Olson及びSauer(Science 241:53-57, 1988)又はBowie及びSauer( Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156, 1989)により開示されている様な、既
知突然変異法を用いることで、多アミノ酸置換を行い、また試験することができ
る。簡単に述べると、これら著者らはポリペプチド中の2又はそれ以上の部位を
同時に無作為化すること、機能的ポリペプチドを選別すること、そしてその後変
異したポリペプチドの配列を分析し、部位毎に可能な置換基のスペクトルを決定
する方法を開示している。利用可能なその他の方法には、ファージディスプレー
(例えば、Lowmanら、Biochem. 30: 10832-10837, 1991; Ladnerら、米国特許第
5,223,409号;Huse、WIPO公開WO92/062045号)及び部位特異的変異誘導(Derbys
hireら、Gene 46:145, 1986; Nerら、DNA 7:127, 1988)が含まれる。
【0089】 開示されたzalpha11DNAの変異体及びポリペプチド配列はStemmer、Nature 370
, 389-91、1994、Stemmer, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-51, 1994及び
WIPO公開WO97/20078号に開示されているようなDNAシャッフリング法により作製
することができる。簡単に述べると、変異型DNAは、親DNAを無作為に断片化した
後にPCRを使い組立て直し、その結果無作為に導入された点突然変異体を得るイ
ンビトロでの相同的組み換えにより作製される。この技術は、対立遺伝子変異体
又は異なる種に由来するDNAの様な親DNAのファミリーを利用することで、工程に
更に多様性を加える様に変更できる。更に変異導入とアッセイを繰り返し所望活
性に関し選別し、又はスクリーニングすることで、有害な変化について同時に選
別しながら所望変異を選別するため、迅速な”展開”が提供される。
【0090】 ここに開示される変異導入法は、大量処理可能な、自動化されたスクリーニン
グ法と組み合わせることができ、宿主細胞内にクローン化され、変異導入された
ポリペプチドの活性を検出することができる。活性なポリペプチド(例えばシグ
ナル伝達、又は結合活性)をコードする変異導入DNA分子は宿主細胞より回収で
き、現代的装置を利用し迅速に配列決定することができる。これら方法は、問題
のペプチド内の個々のアミノ酸残基の重要を迅速に決定でき、構造不明なポリペ
プチドにも応用できる。
【0091】 更に、本発明の蛋白質(又はそのポリペプチド断片)は別の生物活性分子、特
に他のサイトカインと結合でき、多機能性分子を提供する。例えばzalpha11由来
の1又はそれ以上の螺旋を他のサイトカインと結合し、それらの生物学的特性ま
たは産生効率を高めることができる。
【0092】 従って本発明は、zalpha11の1またはそれ以上の螺旋を含む断片が別のポリペ
プチドと融合している一連の新規のハイブリッド分子を提供する。融合はDNAレ
ベルのスプライシングにより好ましく行われ、組換え体産生システムにキメラ分
子の発現を可能にする。続いて得られた分子は改良された可溶性、改良された安
定性、延長された排除寿命、改良された発現及び分泌レベル、及び薬物動態とい
った特性に関しアッセイされる。この様なハイブリッド分子は。成分蛋白質又は
ポリペプチド間に別のアミノ酸残基(例えばポリペプチドリンカー)を更に含む
だろう。
【0093】 ここに考察された方法を利用することで、当業者は配列番号2の、又は例えば
野生型zalpha11蛋白質の結合、細胞−細胞連絡、又はシグナル伝達活性を保持し
ている各種ポリペプチド断片又はその変異種を同定し、及び/又は調製すること
ができる。例えば、サイトカイン結合ドメイン(配列番号2の残基20(Cys)ない
し237(His)又はその対立遺伝子変異体あるいは種オルトログ)に実質的に相同
であり、また野生型のzalpha11蛋白質のリガンド結合活性を保持する各種ポリペ
プチドを調製することでzalpha11”可溶性レセプター”を作ることができる。こ
の様なポリペプチドは例えばトランスメンブレン及び細胞内ドメインの一部又は
全てに由来する追加のアミノ酸を含むだろう。この様なポリペプチドは一般的に
ここに開示される様に、アフィニティータグの様な追加のポリペプチド断片も含
むだろう。
【0094】 変異体及び融合蛋白質を含むzalpha11ポリペプチドに関し、当業者は上記表1
及び2記載の情報を利用し、この変異体をコードする完全な縮重ポリヌクレオチ
ド配列を容易に作成することができる。
【0095】 全長ポリペプチド、生物学的に活性な断片、及び融合ポリペプチドを含む本発
明のzalpha11ポリペプチドは、通常技術を用い遺伝的に作られた宿主細胞内にて
産生させることができる。好適宿主細胞は、外因性DNAで形質転換又はトランス
フェクションでき、培地中にて増殖できる細胞であり、そして細菌、真菌細胞な
らびに培養高等真核細胞を含む。真核細胞、特に多細胞生物の培養細胞が好まし
い。クローン化DNA分子を取り扱い、外因性DNAを各種宿主細胞に導入するための
技術は、Sambrookら、Molecular Clonign: A Laboratory Manual, 2nd ed., Col
d Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989,及びAusub
elら、編集、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons,
Inc., NY, 1987に開示されている。
【0096】 一般に、zalpha11ポリペプチドをコードしているDNA配列は、一般には転写プ
ロモーター及びターミネーターを含む、発現ベクター内でのその発現に必要なそ
の他の遺伝的要素に作用可能式に連結されている。ベクターはまた通常1または
それ以上の選択可能なマーカー、及び1又はそれ以上の複製起点を有しているが
、当業者はあるシステム内では選択可能マーカーが別のベクター上に供給され、
そして外因性DNAの複製が宿主ゲノム内への組み込みによって提供されることを
認識するだろう。プロモーター、ターミネーター、選択可能マーカー、ベクター
及びその他要素の選択は、当分野通常技術の範囲にある通常設計の問題である。
多くのこれら要素は文献中に記載されており、また販売会社を通じ入手できる。
【0097】 zalpha11ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に乗せる為には、分泌シグナル配
列(リーダー配列、プレプロ配列、又はプレ配列としても知られる)が発現ベク
ター内に供給される。分泌シグナル配列はzalpha11の分泌シグナル配列、又はそ
の他の分泌蛋白質(例えばt-PA)に由来する、又は新たに合成された分泌シグナ
ル配列である。分泌シグナル配列は、zalpha11DNA配列と作用可能式に連結し、
即ち2配列は正しい読みとり枠内に結合し、新たに合成されたポリペプチドを宿
主細胞内の分泌経路内に向かわせる位置に配置される。分泌シグナル配列は通常
所望するポリペプチドをコードするDNA配列の5'側に位置するが、特定のシグナ
ル配列は所望するDNA配列内の何れかの場所に位置することもある(Welchら、米
国特許第5,037,743号;Hollandら、米国特許第5,143,830号を参照せよ)。
【0098】 あるいは、本発明のポリペプチド内に含まれる分泌シグナル配列は他のポリペ
プチドを分泌経路に向かわせるのに利用される。本発明はこの様な融合ポリペプ
チドを提供する。シグナル融合ポリペプチドは、当分野既知であり又ここに開示
される方法を使い、配列番号2のアミノ酸残基1(Met)ないし残基19(Gly)に由
来する分泌シグナル配列が作用可能式に他ポリペプチドをコードするDNA配列に
連結されることで作製できる。本発明の融合ポリペプチド内に含まれる分泌シグ
ナル配列は、追加のペプチドにアミノ末端を介して好ましく融合し、追加ペプチ
ドを分泌経路内に導く。この様な構築体は当分野既知の多くの応用を持っている
。例えばこれら新規分泌シグナル配列融合構築体は、通常は非分泌型である蛋白
質の活性成分を分泌に導くことができる。この様な融合体は、インビボ又はイン
ビトロでのペプチドの分泌経路への方向付けに用いられる。
【0099】 培養した哺乳動物細胞は本発明での利用に好適な宿主である。外因性DNAを哺
乳動物細胞内に導入する方法には、リン酸カルシウム伝達トランスフェクション
法(Wiglerら、Cell 14:725, 1978; CorsaroとPearson, Somatic Cell Genetics
7:603, 1981: GrahamとVan der Eb, Virology 52:456, 1973)、エレクトロポ
レーション法(Neumannら、EMBO J. 1:841-845, 1982)、DEAE-デキストラン伝
達トランスフェクション法(Ausubelら、上記)、及びリポソーム伝達トランス
フェクション法(Hawley-Nelsonら、Foucs 15:73, 1993; Ciccaroneら、Focus 1 5 :80, 1993、及びウイルスベクター(MillerとRosman, BioTechniques 7:980-90
, 1989; WangとFiner, Nature Med. 2: 714-716, 1996)が含まれる。培養哺乳
動物細胞内での組換え体ポリペプチドの産生は、例えばLevinsonら、米国特許第
4,713,339号;Hagenら、米国特許第4,784,950号;Palmiterら、米国特許第4,579
,821号;及びRingold、米国特許第4,656,134号に開示されている。好適哺乳動物
培養細胞にはCOS-1(ATCC No.CRL 1650), COS-7(ATCC No. CRL 1651), BHK(ATCC
No. CRL 1632), BHK 570(ATCC No.CRL 10314)、293(ATCC No. CRL 1573; Graha
mら、J. Gen. Virol. 36:59-72,1977)及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO-K
1;ATCC No. CCL 61)細胞株が含まれる。追加の好適細胞株は当分野既知であり
、米国標準培養体コレクション、マナサス、バージニア州、(American Type Cu
lture Collection, Manassas, VA )等の公的供託機関より入手することができ
る。一般に、SV-40またはサイトメガロウイルス由来のプロモーターの様な強い
転写プロモーターが好まれる。米国特許4,956,268号参照。その他好適プロモー
ターには、メタロチオネン遺伝子(米国特許第4,579,821号及び、4,601,978号)
及びアデノウイルス主後期プロモーターが含まれる。
【0100】 外来DNAが挿入された培養哺乳細胞に関しては、一般には薬物選択を用いて選
別が行われる。この様な細胞は一般には”トランスフェクタント”と呼ばれる。
選択薬剤存在下に培養され、所望遺伝子をその子孫に伝達することができる細胞
は、”安定トランスフェクタント”と呼ばれる。好適選択マーカーは抗生物質で
あるネオマイシンに対する耐性をコードしている遺伝子である。選択は、G-418
等のネオマイシン型薬物の存在下に行われる。選択システムは所望遺伝子の発現
レベルの増加にも利用でき、この工程は”増幅”と呼ばれている。増幅はトラン
スフェクタントを低レベルの選択薬剤存在下に培養し、続いて選択薬剤の量を増
加し、導入遺伝子の産物を高レベルに産生する細胞を選択することで、実施され
る。好ましい増幅可能な選択マーカーはジヒドロ葉酸還元酵素であり、メトトレ
キセートに対する耐性を付与する。その他薬剤耐性遺伝子(例えばヒグロマイシ
ン耐性、多剤耐性、ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)も利用でき
る。別の表現形を導入する、例えば緑色蛍光蛋白質、又はCD4、CD8、クラスIMH
Cの様な細胞表面蛋白質、胎盤性アルカリフォスファターゼの様な別のマーカー
は、FACSソーティング、又は磁性ビーズ分離法の様な手段により、非トランスフ
ェクト細胞よりトランスフェクト細胞を選別するのに利用されるだろう。
【0101】 昆虫細胞、植物細胞及び鳥類細胞を含む他の高等真核細胞も宿主として利用で
きる。植物細胞での遺伝子発現に関するベクターとしてのAgrobacterium rhizog
enesの利用はSinkarら, J. Biosci. (Bangalore)11:47-58,1987にレビューされ
ている。昆虫細胞の形質転換、及びその中での外来性ポリペプチドの酸性はGuar
inoら;米国特許第5,162,222号及びWIPO公開WO94/06463号により開示されている
。昆虫細胞も、一般にAutographa californica多核性ポリヘドロシスウイルス(
AcMNPV)に由来する組換え体バキュロウイルスベクターを使って感染させること
ができる。King, L.A.及びPossee、R.D., The Baculovirus Expression System;
A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O'Reilly, D.R.ら、Baculovir us Expression Vectors; A Laboratory Manual, New York, Oxford University
Press., 1994;及び、Richardson, C. D.,編集., Baculovirus Expression Protc ols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照
せよ。組換え体zalpha11バキュロウイルスを作製する第2の方法は、Luckow(Lu
ckow, V.Aら、J Virol 67: 4566-79, 1993)記載のトランスポゾンをベースとし
た系を利用する。トランスファーベクターを利用するこの系はBac-to-BacTMキ
ットとして市販されている(Life Technologies,Rockwille、MD)。このシステ
ムはTn7トランスポゾンを含むトランスファーベクターpFastBac1TM(Life Tec
hnologies)を利用し、zalpha11ポリペプチドをコードするDNAを大腸菌中に維持
している”bacmid"と呼ばれる大形プラスミドであるバキュロウイルスゲノム中
に移す。Hill-Perkins, M.S.及びPossee、R.D. Gen Virol 71:971-6, 1990; Bon
ning, B.Cら、 J Gen Virol 75:1551-6, 1994及び、Chazenbalk, G.D.,とRapopo
rt,B., J Biol Chem 270:1543-9, 1995参照。更にトランススファーベクターは
、発現したzalpha11ポリペプチドのC−又はN−末端にエピトープタグ、例えば
Glu-Gluエピトープタグ(Grussenmeyer, Tら、Proc. Natl. Acad. Sci. 82: 795
2-4, 1985) をコードするDNAのインフレーム融合体を含むことができる。zalph
a11を含むトランスファーベクターは当分野既知の技術を用いて大腸菌内に導入
され、組換え体バキュロウイルスの指標である切断されたlacZ遺伝子を含むbacm
idsについてスクリーニングされる。組換え体バキュロウイルスゲノムを含むbac
midDNAは、一般的方法により分離され、これを用いSpodoptera frugiperda細胞
、例えばSf9細胞をトランスフェクトする。これによりzalpha11を発現する組換
え体ウイルスが作られる。組換え体ウイルスのストックは、当分野一般的に用い
られる方法により作成される。
【0102】 組換え体ウイルスは、宿主細胞、典型的にはアワヨトウ、Spodoptera frugipe
rdaの幼虫より得た細胞株の感染に用いられる。一般にはGlick及びPasternak, M olecular Miotechnology: Principles and Applications of Recombinant DNA ,
ASM Press, Washington, D.C., 1994を見よ。別の好適細胞株はTrichoplusia ni
(米国特許第5,300,435号)由来のHigh FiveOTM細胞株(Invitrogen)である
。市販の無血清培地を使い、細胞を増殖及び維持する。好適な培地は、Sf9細胞
についてはSf900IITM(Life Technologies)又はEST921TM(Expression Sys
tems)である;T.ni細胞に関してはEx-cell0405TM(JBH Biosciences, Lenexa,
KS)又はExpress FiveOTM(Life Technologies)である。上清からのzalpha11ポ
リペプチド精製は、ここに記述した方法を用い行うことができる。
【0103】 酵母細胞を含む真菌細胞も本発明に利用できる。この観点において特に興味あ
る酵母種には、Saccharomyces cerevisiae, Pichia pastoris及びPichia methan
olicaが含まれる。S. cerevisiae細胞を外因性DNAにて形質変換し、それより組
換え体ポリペプチドを産生する方法は、例えばKawasaki、米国特許第4,599,311
号、Kawasakiら、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Wel
chら、米国特許第5,037,743号;及びMurrayら、米国特許第4,845,075号により開
示されている。形質転換細胞は選択可能マーカー、一般的には薬剤耐性、あるい
は特定栄養素(例えばロイシン)欠損状態での増殖能によって決定される表現形
により選別される。Saccharomyces cerevisiaeでの利用に適した好適ベクターシ
ステムはKawasakiらにより開示されている(米国特許第4,931,373号)、グルコ
ース含有培地中の増殖により形質変換細胞が選択できるPCT1ベクターシステムで
ある。酵母での利用に適した好適プロモーター及びターミネーターには、糖分解
酵素遺伝子由来(例えばKawasaki、米国特許第4,599,311号;Kingsmanら、米国
特許第4,615,974号;及びBitter、米国特許第4,977,092号を見よ)及びアルコー
ル脱水素酵素遺伝子由来のものが含まれる。米国特許第4,990,446号、5,063,154
号、第5,139,936号及び第4,661,454号も参照せよ。当分野ではHansenula polymo
rpha, Schizosaccharomyces pombe, Kluyveromyces lactis, Kluyveromyces fra
gillis, Ustilago maydis, Pichia pastoris, Pichia methanolica, Pichia gui
llermondii及びCandida maltosaを含むその他酵母に適した形質変換システムが
知られている。例えば、Gleesonら、J. Gen. Microbiol, 132: 3459-3465, 1986
及びCregg、米国特許第4,882,279号を参照せよ。アスペルギルス細胞はMcKnight
ら、米国特許第4, 935,349号の方法に従い利用されるだろう。Acremonium chrys
ogenumを形質変換する方法は、Suminoら、米国特許第5,162,228号により開示さ
れている。ニューロスポラを形質転換する方法はLambowitz、米国特許第4,486,5
33号により開示されている。
【0104】 Pichia methanolicaの組換え体蛋白質産生に関する宿主としての利用はWIPO公
開WO97/17450号、WO97/17451号、WO98/02536号及びWO98/02565号に開示されてい
る。P.methanolicaの形質転換へ利用に適したDNA分子は、一般には2本鎖の環状
プラスミドとして調製され、これは形質転換前に直鎖化することが好ましい。P.
methanolicaでのポリペプチド産生に関しては、プラスミド中のプロモーター及
びターミネーターは、P.methnaolica遺伝子、例えばP.methnaolicaアルコール利
用遺伝子(AUG1又はAUG2)のプロモーター及びターミネーターが好ましい。その
他の有用なプロモーターには、ジヒドロキシアセトン合成酵素(DHAS)、蟻酸脱
水素酵素(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のプロモーターが含まれる。宿
主染色体へのDNAの組み込みを促進するには、プラスミドの全発現断片が両端で
宿主DNA配列により連結されることが好ましい。Pichia methanolicaの利用に関
する好適な選択可能マーカーは、ade2宿主細胞をアデニン無しの状態で増殖させ
るフォスフォリボシル-5-アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC;EC4.1.1.
21)をコードするP.methanolicaのADE2遺伝子である。メタノールの利用を最小
化することが望まれる大規模な工業工程に関しては、メタノール利用遺伝子(AU
G1及びAUG2)が欠失した宿主細胞の利用が好ましい。分泌蛋白質の産生に関して
は空胞性プロテアーゼ遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠く宿主細胞が好ましい。目的
のポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドのP.methanolica細胞内への導
入を促進するために、エレクトロポレーションが利用される。P.methanolicaは
対数的に減衰する、2.5ないし4.5kV/cm、好ましくは約3.75kV/mの強度と1ない
し40ミリ秒、最も好ましくは約20ミリ秒である一定時間のパルス状電場を用いた
エレクトロポレーションにより形質転換されることが好ましい。
【0105】 Escherichia coli, Bacillus及びその他の属の細菌株を含む前核生物宿主細胞
も、本発明での有用な宿主細胞である。これら宿主を形質転換し、その中にクロ
ーン化された外来性DNA配列を発現させる技術は当分野公知である(Sambrookら
、上記参照)。E.coliの様な細菌に於いてzalpha11ポリペプチドを発現させる場
合、ポリペプチドは典型的には不溶性の顆粒球として細胞質内に保持されるか、
細菌由来の分泌配列によって細胞周辺腔内に送られる。前者の場合、細胞は溶解
され、顆粒を回収し、例えばグアニジンイソチオシアネート又は尿素により変性
させられる。次に尿素及び還元型ならびに酸化型グルタチオンの溶液に透析し、
続いて緩衝生理食塩水に対し透析する様にし、変性剤を希釈して変性したポリペ
プチドを再度折り畳ませ、ダイマー化する。後者の場合、細胞を破壊し(例えば
超音波処理、又は浸透圧ショックにより)細胞周辺腔含有物を放出させ、蛋白質
を回収することでポリペプチドを可溶性及び機能的な形で回収することができる
ため、変性や再折りたたみの必要がない。
【0106】 形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞は、通常の方法に従い栄養素及
び選択した細胞の増殖に必要とされるその他成分とを含む培地中にて培養される
。限定培地や複合培地を含む各種好適培地が当分野既知であり、一般には炭素源
、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン及びミネラルが含まれる。培地は更に成長因
子又は血清の様な成分を随意含むだろう。一般に増殖培地は、例えば薬剤選択に
より、あるいは発現ベクター上に乗せられ、又は宿主細胞にコトランスフェクト
された選択マーカーによって補償されている必須栄養素の欠失により、外来性に
加えられたDNAを含む細胞を選別する。P.methanolica細胞は適当な炭素源、窒素
源、微量栄養素源を含む培地中、約25℃ないし50℃の温度にて培養される。液体
培地には、小型フラスコの振盪、又はファーメンターの噴霧散布の様な通常の方
法によって十分な通気が行われる。P.methanolicaに取って好ましい培地はYEPD
(2%D-グルコース、2%BactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI),
1% BactoTM 酵母抽出物(Difco Laboratories)、0.004%アデニン及び0.006%L-
ロイシンである)。
【0107】 本発明の観点の一つでは、zalpha11サイトカイン受容体(膜貫通及び細胞内ド
メインを含む)は培養細胞により産生され、また細胞は天然リガンド及び天然リ
ガンドのアゴニスト及びアンタゴニストを含む、受容体に対するリガンドのスク
リーニングに利用される。この方法を概略すると、cDNA又はレセプターをコード
する遺伝子はその発現に必要とされる他の遺伝的エレメント(例えば転写プロモ
ーター)に結合され、そして得られた発現ベクターは宿主細胞内に挿入される。
DNAを発現し、機能的受容体を産生する細胞を選択し、各種スクリーニングシス
テム内にて使用する。
【0108】 本発明の新規受容体の発現、及び受容体介在シグナル伝達への利用に好適な哺
乳動物細胞には、gp130の様なベータサブユニットを発現する細胞、ならびにgp1
30及びLIF受容体を共発現する細胞が含まれる(Gearingら、EMBO J. 10:2839-28
48, 1991; Gearingら、米国特許第5,284,755号)。この観点では、一般にはそれ
ら細胞が必要とするシグナル伝達経路を含んでいることから、IL-6又はLIFの様
な同一ファミリーの受容体に結合する他のサイトカインに反応する細胞を使用す
ることが好ましい。このタイプの好適細胞には、ヒトTF-1細胞株(ATCC番号CRL-
2003)及びDA-1細胞株(Branchら、Blood 69:1782,1987; Broudyら、Blood 75:1
622-1626,1990)が含まれる。あるいは、好適宿主細胞はβサブユニット又は所望
細胞反応に必要なその他細胞構成成分を産生するように加工することができる。
例えばマウス細胞株BaF3(PalaciosとSteinmetz、Cell 41:727-734, 1985; Math
ey-Prevotら、Mol. Cell. Biol/ 6:4133-4135, 1986),ベビーハムスター腎臓(B
HK)細胞株、又はCTLL-2細胞株(ATCC TIB-214)をトランスフェクトし、zalpha11
に加えてマウスgp130サブユニット、あるいはマウスgp130及びLIF受容体を発現
させることができる。宿主細胞と受容体は同一種起源のもとを利用することが一
般には好ましいが、この方法ではいずれの種に由来する複数の受容体サブユニッ
トを発現する様に細胞株を加工することができ、それにより種特異性に拠る潜在
的限界を克服することができる。あるいは、BaF3細胞株でのマウスcDNAの様に、
ヒト受容体cDNAの種相同体をクローン化し、同一種由来の細胞株内にて利用する
ことができる。即ちIL-3の様な造血性増殖因子に依存した細胞株を、zalpha11リ
ガンド依存性に加工することができる。
【0109】 機能的zalpha11を発現している細胞はスクリーニングアッセイに利用される。
各種好適アッセイが当分野に知られている。これらアッセイは標的細胞中の生物
学的反応の検出に基づく。この様なアッセイの一つは細胞増殖アッセイである。
細胞を試験化合物存在下、又は非存在下に培養し、細胞の増殖を例えばトリチウ
ム標識チミジンの取り込みを測定することにより、又はAlymar BlueTM(AccuM
ed、Chicago、IL)又は3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニル
テトラゾリウムブロマイド(MTT)(Mosman、J.Immunol. Meth. 65: 55-63, 1983
)の代謝性bんかいに基づく発色アッセイにより検出される。代替アッセイフォ
ーマットは、レポーター遺伝子を発現するように更に加工された細胞を利用する
。レポーター遺伝子は受容体連結経路に反応するプロモーターエレメントに連結
されており、またアッセイはレポーター遺伝子の転写の活性化を検出する。この
観点に於いて好ましいプロモーターエレメントは、血清反応エレメント又はSRE
(例えば、Shawら、Cell 56;5630572,1989参照)である。この様な好適レポータ
ー遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子(de Wetら、Mol. Cell. Biol. 7.725, 1987)
である。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は当分野既知の方法を利用し、ルシフェラ
ーゼにより検出される(例えば、Baumgartnerら、 J. Biol. Chem. 269:19094-2
9101, 1994; SchenbornとGiffin, Promega Notes 41:11, 1993)。ルシフェラー
ゼアッセイキットは、例えばPromega Corp., Madison, WIの如く市販されている
。このタイプの標的細胞株は化学物質、細胞コンディショニング培養媒体、真菌
ブロス、土壌サンプル、水サンプル等のライブラリーのスクリーニングに利用で
きる。例えば、細胞又は組織コンディショニング媒体サンプルのバンクを標的細
胞上にアッセイし、リガンドを産生する細胞を同定することができる。次に陽性
細胞を用いて哺乳動物細胞発現ベクター内にcDNAライブラリーを作製し、これを
プールに分割し、宿主細胞をトランスフェクションして、発現させる。次にトラ
ンスフェクトされた細胞由来の媒体サンプルをアッセイし、プールを更に分割し
、再度トランスフェクションし、培養し、陽性細胞を再度アッセイしてリガンド
を発現するクローン化細胞株を分離する。腎臓、肝臓、脾臓、胸腺、その他リン
パ系組織又はT細胞によりコンディショニングされた媒体サンプルが、スクリー
ニング法での利用に適したリガンド源である。
【0110】 zalpha11に関する天然リガンドは、zalpha11を発現するサイトカイン依存性細
胞株を突然変異誘導し、その細胞をオートクリン増殖に関し選択する条件下に培
養することで同定することができる。WIPO公開WO95/21930号参照。典型的な方法
では、zalpha11を発現している細胞をEMSの様なもので突然変異誘導する。次に
細胞を必要とするサイトカイン存在下に快復させ、続いてこのサイトカインを欠
く培地中に移す。例えば可溶性(リガンド結合)受容体ポリペプチドを培地に加
えることにより、又は野生型細胞及びzalpha11を発現しているトランスフェクト
細胞のコンディショニング培地についてアッセイすることで、生存細胞をzalpha
11に対するリガンドの産生についてスクリーニングする。この方法での利用に適
した細胞株には、gp130又はLIF受容体と組み合わせgp130を発現する様にトラン
スフェクトされた細胞を含む。この様な好適宿主細胞株には、トランスフェクト
されたCTLL-2細胞(GillisとSmith、Nature 268:154-156, 1977)及びトランス
フェクトされたBaF3細胞が含まれる。
【0111】 更に、zalpha11可溶性受容体ポリペプチドを利用した分泌トラップ法を使い、
zalpha11リガンドを分離することができる(Aldrichら、Cell 87:1161-1169, 19
96)。既知又は推定リガンド源より調製されたcDNA発現ライブラリーをCOS-7細
胞にトランスフェクトする。cDNAライブラリーベクターは一般にはCOS-7細胞で
の増幅に適したSV40起源、及び高発現い適したCMVプロモーターを有している。
トランスフェクトされたCOS-7細胞は単層に増殖され、次に固定され、透過処理
される。次にここに記すタグ付き、又はビオチンラベルしたzalpha11可溶性受容
体を細胞層に接触させ、抗相補性分子、即ちzalpha11リガンドを発現する単層中
の細胞に結合させる。その結果リガンドを発現している細胞は受容体分子と結合
するだろう。西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)で標識された抗タグ抗体(Ig融
合体に関する抗Ig、M2又はFLAGタグ付き融合体に対する抗FLAG、ストレプトアビ
ジン等)を使い、タグの付いた、又はビオチンでラベルされたzalpha11可溶性受
容体が結合した細胞を視覚化する。HRPはチラミド試薬、例えばチラミドFITCの
蓄積を触媒する。市販のキットをこの検出に利用できる(例えばRenaissance TS
A-DirectTMキット、NEN Life Science Products, Boston, MA)。zalpha11受
容体リガンドを発現する細胞は、蛍光顕微鏡下に緑色の細胞として同定され、そ
の後Aldrichら、上記によるプラスミドレスキュー法を用いてリガンドスクリー
ニングを行い、更に単一クローンが同定されるまで分泌トラップアッセイを繰り
返すために採取される。
【0112】 受容体として、zalpha11ポリペプチドの活性は、細胞外の酸度、又は受容体結
合に関連したプロトン分泌及びその後の生理学的細胞反応を測定するシリコンを
ベースとするバイオセンサーマイクロフィジオメーターにより測定できる。装置
の例としてはMolecular Devices, Sunnyvale, CA製造のCytosensorTMマイクロ
フィジオメーター がある。細胞増殖、イオン輸送、エネルギー産生、炎症反応
、制御又は受容体活性化等の各種細胞反応は、この方法で測定できる。例えばMc
Connell, H.M.ら、Science 257: 1906-1912, 1992: Pitchford, Sら、Meth. Enz ymol . 228:84-108, 1997; Arimilli, S.ら、J.Immunol. Meth. 212:40-59, 1998
; Van Liefde, I.ら、Eur. J. Pharmacol. 346:87-95, 1998を見よ。マイクロフ
ィジオメーターは真核生物、前核生物、接着性又は非接着性細胞のアッセイに利
用できる。細胞培地中の細胞外酸度変化を経時的に測定することで、マイクロフ
ィジオメーターはzalpha11ポリペプチドのアゴニスト、リガンド、又はアゴニス
トを含む各種刺激に対する細胞反応を直接測定する。好ましくは、マイクロフィ
ジオメーターを用いzalpha11発現真核細胞の反応を測定し、zalfa11ポリペプチ
ドを発現していないコントロールの真核細胞と比較する。zalfa11発現真核細胞
は、ここに記した如くにその中にzalpha11がトランスフェクトされた細胞を含み
、zalpha11変調刺激に対し反応する細胞を作り、又はリンパ系組織、脾臓、胸腺
組織又はPBLsに由来するzalpha11発現細胞の様なzalpha11を天然に発現する細胞
である。細胞外酸度の増加又は減少により測定されるコントロールに対するzalp
ha11発現細胞の反応差は、zalpha11変調細胞反応を直接示す測定値である。更に
、この様なzalpha11変調反応は各種刺激下にアッセイできる。また、マイクロフ
ィジオメーターを利用し、zalpha11ポリペプチドを発現している細胞を提供する
こと、試験化合物が存在しない状態で細胞の第1部分を培養すること、試験化合
物が存在する状態で細胞の第2部分を培養すること、そして細胞の第1部分に比
べた細胞の第2部分の細胞反応の増加又は減少を検出することを含む、zalpha11
ポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストを同定する方法が提供される。こ
の方法を利用することで、zalpha11ポリペプチドの天然リガンドを含むアンタゴ
ニスト及びアゴニストを迅速に同定することができる。
【0113】 本発明により提供されるその他アッセイには、ハイブリッド受容体ポリペプチ
ドの利用が含まれる。これらハイブリッドポリペプチドは大きく2クラスに分け
られる。第1のクラスでは、配列番号2のおおよその残基256(Lys)ないし528
(Ser)を含むzalpha11の細胞内ドメインは第2受容体のリガンド結合ドメイン
に結合される。第2受容体はmpl受容体(Souyriら、Cell 63:1137-1147, 1990)
の様な造血性サイトカイン受容体であることが好ましい。ハイブリッド受容体は
更に何れかの受容体に由来するトランスメンブレンドメインも含むだろう。次に
ハイブリッド受容体をコードするDNA構築体は宿主細胞内に挿入される。ハイブ
リッド受容体を発現する細胞を結合ドメインに関するリガンド存在下に培養し、
反応についてアッセイする。このシステムは、利用可能なリガンドを容易に利用
し、zalpha11により伝達されるシグナル伝達を分析する手段を提供する。本シス
テムは特定の細胞株がzalpja11により伝達されるシグナルに反応できるか決定す
るのに利用することもできる。ハイブリッド受容体ポリペプチドの第2のクラス
は、第2受容体、好ましくはサイトカイン受容体の細胞質ドメイン、及びトラン
スメンブレンドメインと共にzalpha11(配列番号2のおおよその残基20(Cys)な
いし237(Hisi))の細胞外(リガンド結合)ドメイン含む。このトランスメン
ブレンドメインは何れかの受容体に由来するだろう。この第2のクラスのハイブ
リッド受容体は、第2受容体により誘導されるシグナルに反応できることが既知
の細胞内に発現される。合わせて、これら2つのクラスのハイブリッド受容体は
、受容体をベースとするアッセイシステム内で広範囲タイプの細胞の利用を可能
にする。
【0114】 次にzalpha11に関するリガンドを発現することが知られている細胞を利用し、
上記開示の如くにリガンドをコードするcDNA分離のためのcDNAライブラリーを調
製される。即ち、本発明は新規受容体ポリペプチドに加え、受容体に関するポリ
ペプチドリガンドをクローニングする方法も提供する。
【0115】 zalpha11発現の組織特異性は、初期胸腺細胞の発生及び免疫反応制御に於ける
役割を示唆している。これらプロセスは、同起源受容体に対する1又はそれ以上
のサイトカインの結合への反応としての細胞増殖及び分化の促進を含む。本受容
体に観察されている組織分布を見ると、アゴニスト(天然リガンドを含む)及び
アンタゴニストは多くのインビトロ及びインビボ応用の可能性を有する。受容体
アゴニストとして同定された化合物はインビトロ及びインビボでの標的細胞の増
殖及び発生の刺激に有用である。例えば、アゴニスト化合物は限定細胞培地の成
分として有用であり、単独または他のサイトカインやホルモンと組合せ利用し、
細胞培養に一般的に利用されている血清の代替になるだろう。従ってアゴニスト
は培養T細胞、B細胞及びその他のリンパ系及び骨髄系細胞、ならびに造血細胞
の増殖及び/又は発生の促進に特に有用である。
【0116】 zaopha11に関するアゴニストリガンドは、特定のウイルス感染を含む免疫抑制
に関係する感染症の治療の様な細胞性免疫の促進及びリンパ細胞増殖の促進に有
用であろう。アゴニストリガンドを利用し、T細胞、NK(ナチュラルキラー)細
胞又はLAK(リンパ細胞活性化キラー)細胞の様なエフェクター細胞の活性化を
通じ伝達される、あるいはアポトーシス経路を介し直接伝達される細胞傷害性を
誘導できるだろう。アゴニストリガンドは症状を示す型の細胞のレベルを増加す
ることによる白血球減少症の治療、及び骨髄移植後のT細胞レパートリーの再生
の促進にも有用である。
【0117】 アンタゴニストリガンド又は化合物は、リューマチ関節炎、多発性硬化症、糖
尿病、炎症性大腸疾患、クローン病等を含む自己免疫疾患の治療の様な、免疫系
の抑制に有用性を見いだせる。免疫抑制を利用することで、組織または器官移植
片及び移植体の拒絶を減らし、そして症状を表しているタイプの細胞の増殖を阻
害することでT細胞特異的白血病またはリンパ腫を治療することができる。
【0118】 zalpha11はリガンド血中レベルの検出に関する診断システムに利用できるだろ
う。関連実施態様では、抗体又はzalpha11と特異的に結合する他の作用物質を利
用し、血液中の受容体ポリペプチドを検出することができる。リガンド又は受容
体ポリペプチドのレベルの増加、又は低下は癌を含む病的状態の表示であろう。
可溶性受容体ポリペプチドはおそらく病的プロセスに関係しており、基礎疾患の
間接的マーカーに成るだろう。例えばヒト血清中の可溶性IL-2受容体のレベル増
加には心筋梗塞、喘息、重症筋無力症、リューマチ性関節炎、急性T細胞白血病
、B細胞リンパ腫、慢性リンパ細胞性白血病、大腸癌、乳癌及び卵巣癌の様な各
種炎症性、及び新生物性の状態が関係している(Heaneyら、Blood 87:847-857,
1996)。
【0119】 zalpha11受容体のリガンド結合性ポリペプチド、又は”可溶性受容体”は、za
lpha11サイトカイン結合ドメイン(ヒト受容体(配列番号2)のおおよその残基
20(Cys)から残基237(HIs))又は非ヒト型受容体の対応領域をコードする切断
DNAを発現させることで表性できる。細胞外ドメインは実質的にトランスメンブ
レン及び細胞内ポリペプチド部分を含まない形に調製されることが好ましい。更
に上記のzalpha11サイトカイン結合ドメイン内のリガンド結合ポリペプチド断片
は、ここに記載の利用に関するzalpha11可溶性受容体としても機能できる。宿主
細胞から受容体ポリペプチドを外に向かわせるためには、受容体DNAに例えばt-P
A分泌ペプチド又はzalpha11分泌ペプチドの様な分泌ペプチドをコードする第2
のDNAを連結する。分泌された受容体ポリペプチドの精製を促すために、ポリヒ
スチジンタグ、サブスタンスP、フラッグTMペプチド(Hoppら、Bio/Technolo
gy 6:1204-1210, 1998;Eastman Kodak Co., New Haven, CTより入手可能)又は
抗体又はそのた特異的結合作用物質が利用できる他のポリペプチド又は蛋白質を
受容体ポリペプチドに融合することができる。
【0120】 別の方法では、免疫グロブリン重鎖定常域、典型的には受容体細胞外ドメイン
は2つある定常域ドメインは含むが可変域を欠くFc断片を持つ融合体として発現
することができる。これら融合体は典型的にはFc部分が相互にジスルフィド結合
し、そして2つの受容体ポリペプチドが相互に近接し並列している多量体分子と
して分泌される。このタイプの融合体はインビトロアッセイの道具として、溶液
中からの同種リガンドのアフィニティー精製、特異的なリガンド滴定によるイン
ビトロのシグナル遮断に、及び非腸管的に投与して血中リガンドに結合させ血液
よりそれを排除するインビボのアンタゴニストとして利用できる。リガンドを精
製するために、zalpha11-Igキメラをリガンド(例えば細胞コンディショニング
培地、又は組織抽出物)を含むサンプルに、受容体−リガンド結合を促進する条
件下に添加える(典型的には、生理学的に近い温度、pH及びイオン強度)。次に
キメラ−リガンド複合体は、固相支持体(例えば不溶性樹脂ビーズ)上に固定さ
れたプロテインAを利用した混合体により分離される。続いてリガンドは塩又は
pH勾配の様な通常の化学技術を利用して溶出される。あるいは、キメラ自体を固
相支持体に結合させ、上記同様に結合及び溶出することができる。収集した分画
は所望レベルの純度に達するまで再分画できる。
【0121】 更に、zalpha11可溶性受容体は”リガンドシンク”、即ちインビボ又はインビ
トロでリガンドに結合するアンタゴニストとして、リガンドの存在が望ましくな
い治療又はその他応用に使用できる。例えば、大量の生物活性的zalpha11リガン
ドを発現している癌では、zalpha11可溶性受容体をインビボでのリガンドに対す
る直接的アンタゴニストとして利用することができ、疾患の進行及びそれに伴う
症状の緩和を支援するだろう。更に、zalpha11可溶性受容体を利用し、zalpha11
受容体を過剰発現している癌の増殖を促進するであろうリガンドをインビボに結
合することで、これら癌の進行を遅延させることができる。同様に、zalpha11可
溶性受容体のインビトロ応用は、例えばzalpha11リガンドの非存在下で増殖する
細胞株を選択するネガティブ選別に利用できる。
【0122】 更に、zalpha11可溶性受容体は、インビボ又は組織サンプル中のzalpha11リガ
ンドを発現している癌を検出する診断応用に利用することができる。例えばzalp
ha11可溶性受容体はここに記した様な放射標識体、又は蛍光標識体と結合でき、
そしてインビトロでのリガンド−受容体型結合アッセイ、又は蛍光イメージング
アッセイを利用することで、組織サンプル中のリガンドの存在の検出に利用でき
る。更に、放射標識zalpha11可溶性受容体はインビボに投与でき、当分野既知の
放射線イメージング法により、リガンド発現固形癌を検出することができるだろ
う。
【0123】 この新規DNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、胸腺、非存、リンパ節及び
末梢血白血球を含むリンパ系組織での発現を示した。これらデータは免疫細胞の
増殖、分化及び/又は活性化に於けるzalpha11の役割を指示するものであり、免
疫反応の発生及び制御に於ける役割を示唆している。データは更に、zalpha11と
そのリガンドとの相互作用が、骨髄細胞の増殖及び発生を刺激し、IL-2、IL-6、
LIF、IL-11及びOSM(Baumannら、J. Biol. Chem. 268:8414-8417, 1993)等の急
性期蛋白質の肝臓での合成を誘導する可能性を示唆している。
【0124】 本発明の蛋白質は純度≧80%、より好ましくは≧90%、さらにより好ましくは
≧95%に精製することが好ましく、そして特に汚染高分子、特に他種蛋白質及び
核酸に関しての純度が99.9%以上であり、感染及び発熱物質を含まない、医薬品
としての純粋状態が特に好ましい。好ましくは、精製蛋白質は他種蛋白質、特に
動物起源の他種蛋白質を実質上含まない。
【0125】 発現された組換え体zalpha11蛋白質(又はキメラzalpha11ポリペプチド)は、
分画法、及び/又は通常の蛋白質精製法及び媒体を利用し精製することができる
。硫安沈殿及びSan又はカオトロープ抽出はサンプルの分画に利用できるだろう
。精製段階の例には、ハイドロキシアパタイト、分子篩、FPLC、及び逆相高性能
液体クロマトグラフィーが含まれる。好ましいクロマトグラフィー媒体には、誘
導化デキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特殊シリカ
等が含まれる。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。クロマトグラフィー媒
体の例には、フェニル、ブチル、又はオクチル基により誘導化されたこれら媒体
、例えばフェニル−セファロースFF(Pharmacia)、Toyopearlブチル650(Toso
、Hass、Montgomeryville、PA)、オクチル−セファロース(Pharmacia)等;又
はAmberchrom CG71(Toso Hass)等の様なポリアクリル性樹脂が含まれる。好適な
固相支持体には、ガラスビーズ、シリカベース樹脂、セルロース性樹脂、アガロ
ースビーズ、架橋アガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋ポリアクリルア
ミド樹脂及び、それらが用いられる条件下に不溶性である同等のものが含まれる
。これら支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ
ル基及び/又は炭水化物成分により蛋白質の結合を可能にする反応基により修飾
されるだろう。共役化学物質の例にはブロモシアン活性化、N−ヒドロキシスク
シンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性
化及びカルボジイミド共役化学に関するカルボキシル及びアミノ誘導体が含まれ
る。これら及びその他固体媒体は当分野公知であり、また広く利用されており、
市販品より入手できる。支持媒体への受容体ポリペプチドを結合させる方法は、
当分野既知である。具体的な方法の選択は通常業務の問題であり、選択される支
持体の特性により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principl es & Methods , Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照せ
よ。
【0126】 本発明のポリペプチドは、その生化学的、構造的、及び生物学的特性を活用す
ることで分離できる。例えば、固定化された金属イオン吸収(IMAC)クロマトグ
ラフィーを利用し、ポリヒスチジンタグを含む富ヒスチジン蛋白質を精製するこ
とができる。要約すると、まずゲルに2価金属イオンを付加し、キレートを形成
させる(Sulkowski、Trends in Biochem. 3:1-7,1985)。富ヒスチジン−蛋白質
は、使用する金属イオンに依存し、マトリックスに様々な親和性で吸着され、そ
して競合溶出、pHの低下、又は強キレート剤の利用によって溶出されるだろう。
その他の精製方法には、レシチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロ
マトグラフィーによるグリコシレート蛋白質の精製が含まれる(Mehtods in Enz ymol ., Vol. 182, "Guide to Protein Purification", M. Deutscher,(編集), A
cad. Press, San Diego, 1990, pp.529-39)。発明の別の実施態様では、精製を
容易にするために目的のポリペプチド及びアフィニティータグ(例えばマルトー
ス結合蛋白質、免疫グロブリンドメイン)の融合体が構築される。
【0127】 更に、ポリペプチド融合体又はハイブリッドzalpha11蛋白質は、当分野記載の
方法を用いて発明のzalpha11の領域又はドメインを他のヒトサイトカイン受容体
ファミリー蛋白質又は異種蛋白質の上記領域又はドメインと組み合わせることで
構築される(Sambrookら、上記;Altschulら、上記;Picard、 Cur. Opin, Biol
ogy, 5:511-5, 1994,及びその中の参考文献)。これら方法により、目的のポリ
ペプチド中にあるより大きなドメイン、又は領域の生物学的重要性を決定できる
。これらハイブリッドは、反応動態、結合を変化させ、基質特異性を抑制し、又
は拡張し、ポリペプチドの組織及び細胞局在を変え、また未知構造のポリペプチ
ドに応用できる。
【0128】 融合ポリペプチド又は蛋白質は、融合蛋白質の成分及びそれらを化学的に結合
する成分を別々に調製することで、当分野熟練者既知の方法により調製できる。
あるいは、適当なリーディングフレーム内に融合蛋白質の1またはそれ以上の成
分をコードするポリヌクレオチドを既知技術により作製し、ここに記載の方法に
より発現することもできる。例えば、生物学的機能を付与するドメインの一部又
は全ては、本発明のzalpha11と別のファミリーメンバー由来の機能的に等価なド
メインとの間で交換できるだろう。この様なドメインには、ここに開示されてい
る分泌シグナル配列、細胞外サイトカイン結合ドメイン、トランスメンブレンド
メイン及び細胞内シグナル伝達ドメイン、ボックスI及びボックスII部位を含む
が、もとよりこれに限定されない。この様な融合蛋白質は、構築された融合体に
依存して本発明のポリペプチド、またはそれが融合する蛋白質と同一、又は近似
している生物学的に機能的なプロフィールを持つと考えられている。更に、これ
ら融合蛋白質はここに開示された様なその他特性を示す。
【0129】 標準的分子生物学及びクローニング技術を利用することで、zalpha11ポリペプ
チドおよびそれが融合する相手との間で相当ドメインを交換することができる。
一般に所望ドメイン、例えば上記ドメインをコードするDNA断片、例えばここに
記したzalpha11ドメインは、追加のポリペプチド(例えばIL-2受容体の様な他サ
イトカイン受容体由来のドメインまたは領域)をコードする少なくとも1の他DN
A断片と作用可能式にフレーム内に連結され、そしてここに記載の様な適当な発
現ベクター内に挿入される。一般にDNA構築体は、ポリペプチドの対応領域をコ
ードする複数のDNA断片が作用可能式にフレーム内に連結して全融合蛋白質、ま
たはその機能部分を形成する様に作製される。例えばDNA構築体は、その後にサ
イトカインカイン結合ドメイン、トランスメンブレンドメイン、細胞内シグナル
伝達ドメインが順番につながる単一のシグナルポリペプチドを含む融合蛋白質を
N末端からC末端にかけコードしている。この様な融合蛋白質は、ここに記載た
活性に対し発現でき、分離でき、そしてアッセイできる。
【0130】 zalpha11ポリペプチド、またはその断片は、化学的合成によっても調製できる
。zalpha11ポリペプチドは、モノマー又は多量体である;グリコシル化されてい
るか非グリコシル化型であり;ペギル化又は非ペギル化状態;及び開始メチオニ
ンアミノ酸残基を含まないだろう。
【0131】 本発明のポリペプチドは、排他的固相合成法、部分固相法、断片濃縮又は古典
的液相合成法によっても合成できる。ポリペプチドの合成方法は当分野公知であ
る。例えばMerrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149,1963; Kaiserら、Anal/ Bi ochem . 34:595, 1970を参照せよ。固相支持体上での所望ペプチドの全合成の後
、ペプチド−樹脂は樹脂よりポリペプチドを切り離す試薬で処理され、側鎖保護
基の大部分が取り除かれる。この様な方法は当分野でよく確立されている。
【0132】 本発明の分子の活性は、特定の型の細胞の増殖及び/又は分化を測定する各種
アッセイを利用し測定することができる。
【0133】 本発明の蛋白質は例えばリンパ性、免疫性、炎症性、脾臓性、血液性又は骨性
の疾患の治療に有用であり、そして培養細胞を利用し、あるいはクレームの発明
分子を適当な動物モデルに投与することでインビボに測定できる。例えば、zalp
ha11可溶性受容体ポリペプチドを発現している宿主細胞はアルギン酸塩環境内に
包埋でき、レシピエント動物内に注射(移植)することができる。アルギン酸塩
−ポリLリジンマイクロカプセル化、選択透過型膜カプセル化、及び拡散型チャ
ンバーはトランスフェクトされた哺乳動物細胞又は初代哺乳動物細胞を捕捉する
ための手段である。これら非免疫原性型の”カプセル化”は、捕捉された細胞か
ら分泌又は放出される蛋白質及びその他高分子のレシピエント動物への拡散を可
能にする。最も重要なことは、カプセルが外来物である包埋細胞をレシピエント
動物の免疫反応から隠蔽し、遮蔽することである。この様なカプセル化は注入細
胞の寿命を数時間又は数日間(裸細胞)から数週間(包埋細胞)に延長すること
ができる。アルギニン酸化糸は包埋細胞作製に関する簡便かつ迅速な手段を提供
する。
【0134】 アルギン酸糸を作製するのに必要な材料は当分野既知である。方法の一例では
、3%アルギニン酸を無菌H2O内に調製し、無菌濾過する。アルギン酸糸の調製直
前にアルギン酸塩溶液を再度濾過する。約50%の細胞懸濁液(約5×105ないし約
5×107細胞/mlを含む)を3%アルギン酸塩溶液と混合する。アルギン酸塩/細胞
懸濁液1mlを100mMの滅菌濾過したCaCl2溶液内に〜15分間かけて押出し、”糸”
を作製する。次に押し出された糸を50mMのCaCl2溶液内に移し、続いて25mMCaCl2 内に移す。次に糸を脱イオン水で濯ぎ、そして糸を0.01%のポリLリジン液内に
インキュベーションしコーティングする。最後に、糸を乳糖付加リンガー液で濯
ぎ、シリンジ筒(針無し)内に入れる。大口径の針をシリンジに取り付け、最少
量の乳糖付加リンガー液内の糸をレシピエント内に腹腔内注射する。
【0135】 本発明の蛋白質をアッセイするインビボの方法は、ウイルス供給システムを含
む。本牧的のウイルスの例には、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニ
アウイルス、レトロウイルス、及びアデノ関連ウイルス(AAV)が含まれる。ア
デノウイルスは2本鎖DNAウイルスで、現在最も研究されている異種核酸の供給
に関する遺伝子輸送ベクターである(レビューとしては、T. C. Beckerら、Meth . Cell Biol. 43: 161-89, 1994;及びJ.T.DouglasとD.T.Curiel、Sciuence & Me dicine 4: 44-53, 1997を見よ)。アデノウイルスシステムは、幾つかの利点を
有する:アデノウイルスは(i)比較的大きなDNA挿入体に適合しており;(ii)高力
価まで増殖し、(iii)広範囲の哺乳動物細胞に感染し、そして(iv)各種プロモー
ターを含む数多くの入手可能なベクターに利用できる。また、アデノウイルスは
血液中で安定であることから、それらは静脈注射により投与することができる。
【0136】 アデノウイルスゲノムの一部を欠失させることで、より大きな異種DNA挿入体
に適合できる。これら挿入体は、直接接続、又はコトランスフェクトしたプラス
ミドとの相同的組み換えによってウイルスDNA内に取り込ませることができる。
例示的システムでは、必須E1遺伝子をウイルスベクターより欠失させると、E1遺
伝子が宿主細胞(例えばヒト293細胞株)から提供されるまでウイルスは複製し
なくなる。無償の動物に静脈投与した場合、アデノウイルスは主に肝臓を標的と
する。アデノウイルス供給システムがE1遺伝子を欠失している場合、ウイルスは
宿主細胞内では複製できない。しかし、宿主組織(例えば肝臓)は異種蛋白質を
発現し、また加工(ならびにシグナル配列がある場合には分泌し)するだろう。
分泌された蛋白質は高度に血管形成された肝臓内の血流に入り、そして感染動物
に対する作用を決定することができる。
【0137】 更に、各種ウイルス遺伝子の欠失を持つアデノウイルスベクターを利用し、ベ
クターに対する免疫反応を除く試みができる。この様なアデノウイルスはE1欠失
であり、また更にE2A又はE4の欠失も含む(Lusky、Mら、J. Virol. 72:2022-203
2,1998, Raper, S.E.ら、Human Gene Therapy 9:671-679, 1998)。更に、E2bの
欠失は免疫反応を低下させると報告されている(Amalfitano, A.ら、J. Virol. 72 :926-933,1998)。更に、全アデノウイルスゲノムを欠失させることで、非常に
大きな異種DNAの挿入に対応できる。全てのウイルス遺伝子が欠失した”gutless
"と呼ばれるアデノウイルスの生成は、異種DNAの大きな挿入には特に有益である
。レビューとしては、Yeh、P.とPerricaudet, M., FASEB J. 11:615-623, 1997
を見よ。
【0138】 アデノウイルスシステムはインビトロでの蛋白質産生にも利用できる。アデノ
ウイルスを感染させた非293細胞を、細胞が迅速に分裂しない条件下に培養する
ことで、細胞は長時間にわたり蛋白質を産生することができる。例えば、BHK細
胞は細胞向上内にて周密的に増殖され、次に問題の分泌蛋白質をコードするアデ
ノウイルスベクターに曝される。続いて細胞は、感染細胞が数週間明瞭な細胞分
裂なしに生存できる無血清状態下に増殖される。あるいは、アデノウイルスベク
ターが感染した293細胞は、比較的高細胞密度で接着細胞として、又は懸濁細胞
中に増殖し、大量の蛋白質を産生することができる(Garnierら、Cytotechnol.1 5 :145-55, 1994参照)。いずれのプロトコールでも、発現され、分泌された異種
蛋白質は、発現蛋白質の細胞内での蓄積状態によって細胞培養上清、溶解体、ま
たは膜分画から繰り返し分離できる。感染293細胞産生法では、非分泌型蛋白質
も効果的に得ることができるだろう。
【0139】 zalpha11に関し観察された組織分布の観点では、アゴニスト(天然リガンド/
置換基/コファクター等を含む)及びアンタゴニストはインビトロ及びインビボ
両方の応用に多くの可能性を有している。zalpha11アゴニストとして同定された
化合物は各種インビトロ及びインビボに於ける免疫及び造血細胞の増殖の刺激に
関し有用であろう。例えば、zalpha11アゴニスト化合物は、限定細胞培養培地の
成分として有用であり、そして単独又は他のサイトカイン及びホルモンと組合せ
、細胞培養に通常利用されている血清の代替となる。即ち、アゴニストはT細胞
、B細胞、及びリンパ系ならびに骨髄系培養細胞の増殖及び/又は発生の特異的
促進に有用である。更にzalpha11可溶性受容体、アゴニスト、またはアンタゴニ
ストは初代骨髄分離培養体からのコロニー形成の促進を計測するアッセイにイン
ビトロ利用できるだろう。この様なアッセイは当分野既知である。
【0140】 zalpha11はその活性に関する阻害剤(アンタゴニスト)の同定にも利用できる
。試験化合物はここに開示されたアッセイに加えられ、zalpha11の活性を阻害す
る化合物が同定される。これらここに開示されたアッセイに加え、サンプルはza
lpha11結合、オリゴマー形成、又はzalfa11依存性細胞反応の促進/阻害を測定
することを目的とした各種アッセイ内に利用し、zalpha11の阻害について試験す
ることができる。例えば、zalpha11発現細胞株は、zalpha11刺激細胞経路に反応
するレポーター遺伝子構築体によりトランスフェクトすることができる。このタ
イプのレポーター遺伝子構築体は当分野公知であり、また一般にはルシフェラー
ゼの様なアッセイ可能な蛋白質をコードする遺伝子と作用可能式に連結されたza
lpha11-DNA反応要素を含むだろう。DNA反応要素は、環状AMP反応要素(CRE)、
ホルモン反応要素(HRE)、インシュリン反応要素(IRE) (Nasrin ら、 Proc. Na tl. Acad. Sci. USA 87:5273-7, 1990)及び血清反応要素(SRE)(Shaw ら、 Cel l 56: 563-72, 1989)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
環状AMP反応要素はRoestlerら、 J. Biol. Chem. 263 (19):9063-6; 1988及び H
abener, Molec. Endocrinol.4 (8):1087-94; 1990にレビューされている。ホル
モン反応要素はBeato, Cell 56:335-44; 1989 によりレビューされている。候補
化合物、溶液、混合体、又は抽出物は、レポーター遺伝子発現のzalpha11による
促進を低下させることで証明される標的細胞に対するzalpha11活性の阻害能力に
ついて試験される。このタイプのアッセイは、受容体への結合を介して、または
シグナルカスケードの一部を刺激することによるzalpha11シグナル伝達活性を直
接刺激する化合物を検出するだろう。これら同様、zalphallポリペプチドに反応
性である細胞を提供すること、細胞の第2部分を試験化合物存在下に培養するこ
と、そして細胞の第1部分に比べた細胞の第2部分の細胞反応の増加を検出する
ことを含む、zalpha11ポリペプチドのアゴニストを同定する方法を提供する。更
に上記のレポーター遺伝子構築体を含むがzaplpha11受容体は発現していない第
3の細胞をコントロール細胞に利用し、非特異的又は非zalpha11介在型の受容体
刺激を評価することができる。従って、天然リガンドを含むアゴニストはzalpha
11ポリペプチド機能の刺激または増加に有用である。
【0141】 ここに開示されたサイトカイン結合ドメインの様なzalpa11リガンド結合ポリ
ペプチドは、リガンド精製にも利用できる。ポリペプチドはアガロースビーズ、
架橋型アガロース、ガラス、セルロース性樹脂、シリカをベースとする樹脂、ポ
リスチレン、架橋したポリアクリルアミド等の使用条件下に安定である素材であ
る固相支持体上に固定される。固相支持体へのポリペプチド結合法は当分野既知
であり、アミン化学、ブロモシアン活性化、N-ヒドロキシスクシンイミド活性化
、エポシド活性化、スルフィドリル活性化、及びヒドラジド活性化を含む。得ら
れた媒体は一般にカラムの形に形成され、リガンドを含む溶液をこのカラムに1
回以上通し受容体ポリペプチドにリガンドを結合させる。続いてリガンドは塩濃
度、カオトロピック剤(グアニジンHCl)、又はpHの変化を利用しリガンド−受
容体結合を破壊し、溶出される。
【0142】 リガンド結合受容体(または抗体、補体/抗補体対の一員)またはその結合断
片、ならびに市販のバイオセンサー計器を用いる検定系を用いるのが有益である
(例えば、BIAcore, Pharmacia Biosensor, Piscataway, NJ;またはSELDI techn
ology, Ciphergen, Inc., Palo Alto, CA)。このような受容体、抗体、補体/
抗補体対または断片は、受容体チップの表面に固定される。この計器の使用は、
Karlsson, J. Immunol. Methods 145:229-240, 1991およびCunningham and Well
s, J. Mol. Biol. 234:554-63, 1993に開示されている。受容体、抗体、成員ま
たは断片は、アミンまたはスルフヒドリル化学作用を用いて、流動細胞内の金皮
膜に結合されるデキストラン繊維と共有結合される。リガンド、エピトープある
いは補体/抗補体対の反対成員が試料中に存在する場合、それはそれぞれ固定化
受容体、抗体または成員と結合して、培地の屈折率の変化を引き起こし、これは
金皮膜の表面プラスモン共鳴の変化として検出される。この系は、結合親和性が
算出され得るオン−およびオフ−レートの測定、ならびに結合の化学量論の査定
を可能にする。
【0143】 リガンド結合受容体ポリペプチドも、当業界で既知のその他の検定系内で用い
られ得る。このような系としては、結合親和性の測定のためのScatchard分析が
挙げられる(Cunningham et al., Science 253:545-48, 1991; Cunningham et a
l., Science 245:821-25, 1991)。
【0144】 Zalpha11ポリペプチドも、Zalpha11エピトープ、ペプチドまたはポリペプチド
と結合する抗体を調製するために用いられ得る。Zalpha11ポリペプチドまたはそ
の断片は、動物に接種し、免疫応答を引き出すための抗原(免疫原)として役立
つ。抗原または免疫原性エピトープは、ポリペプチドによって約10アミノ酸から
ポリペプチドの約全長までまたはそれより長い長鎖ポリペプチド内の一続きのア
ミノ酸で構成され得る、と当業者は認識する。適切な抗原としては、配列番号2
によりコードされるZalpha11ポリペプチド:アミノ酸20(Cys)〜アミノ酸538(
Ser)またはそのアミノ酸断片AA9〜519が挙げられる。抗原として用いるための
好ましいペプチドは、サイトカイン結合ドメイン、細胞内シグナリングドメイン
、本明細書中で開示されているボックスIおよびボックスII部位、ならびに例
えば、埋没G、SおよびT残基および露出H、YおよびW残基を無視し、滑り6
残基ウインドウを基礎にしたHopp/Woods親水性プロフィールから決定された疎水
性プロットから当業者が予測したようなZalpha11親水性ペプチドである(図1参
照)。Zalpha11親水性ペプチドとしては、(1)配列番号2のアミノ酸51(Trp
)〜アミノ酸61(Glu);(2)配列番号2のアミノ酸136(Ile)〜アミノ酸143
(Glu);(3)配列番号2のアミノ酸187(Pro)〜アミノ酸195(Ser);(4
)配列番号2のアミノ酸223(Phe)〜アミノ酸232(Glu);(5)配列番号2の
アミノ酸360(Glu)〜アミノ酸368(Asp);から成る群から選択されるアミノ酸
配列を包含するペプチドが挙げられる。さらに、保存モチーフおよびZalpha11の
保存モチーフ間の可変部は、適切な抗原である。さらに、マウスZalpha11ポリペ
プチド(配列番号85)の対応する残基は、マウスZalpha11に対する抗体を生成す
るために用いられ得る。この免疫応答から生成される抗体は、本明細書に記載し
たように単離し、精製し得る。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の調製
および単離方法は、当業者には周知である(例えば、Current Protocols in Imm
unology, Cooligan, et al.(eds.),National Institutes of Health, John Wi
ley and Sons, Inc., 1995; Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laborator
y Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989;およびHurrell, J.
G. R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Application
s, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982参照)。
【0145】 当業者には明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば
ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウスおよびラットにZa
lpha11ポリペプチドまたはその断片を接種することにより生成され得る。Zalpha
11ポリペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えばミョウバン(水酸化アルミ
ニウム)またはフロイント完全または不完全アジュバントの使用により増大され
得る。免疫感作に有用なポリペプチドとしては、融合ポリペプチド、例えばZalp
ha11またはその一部の免疫グロブリンポリペプチドとの、またはマルトース結合
タンパク質との融合体も挙げられる。ポリペプチド免疫原は、全長分子またはそ
の一部であり得る。ポリペプチド部分が「ハプテン様」である場合、このような
部分は、有益には、免疫感作のために高分子担体(例えばカギアナカサガイヘモ
シアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)または破傷風毒素)と連結
または結合され得る。
【0146】 本明細書中で用いる場合、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、アフ
ィニティ精製ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体および抗原結合断片、例
えばF(ab‘)2およびFabタンパク質分解性断片を含む。遺伝子工学処理
無傷抗体または断片、例えばキメラ抗体、Fv断片、一本鎖抗体等、ならびに合
成抗原結合ペプチドおよびポリペプチドも含まれる。非ヒト抗体は、非ヒトCD
Rをヒト枠組み構造および定常部上に移植することにより、または全非ヒト可変
ドメインを組み入れることにより、ヒト化され得る(任意に、露出残基の置換に
よりヒト様表面でそれらを「被う」が、この場合、その結果は「薄く被われた」
抗体である)。いくつかの場合には、ヒト化抗体は、適正な結合特徴を増強する
ために、ヒト可変部枠組み構造ドメイン内に非ヒト残基を保持し得る。抗体をヒ
ト化することにより、生物学的半減期が増大され、ヒトに及ぼすどう予示の悪免
疫応答の可能性が低減される。
【0147】 本明細書中で有用な抗体を生成または選択するための代替的技法としては、Za
lpha11タンパク質またはペプチドへのリンパ球のin vitro曝露、およびファージ
または類似のベクター中での抗体表示ライブラリーの選択が挙げられる(例えば
、固定化または標識化Zalpha11タンパク質またはペプチドの使用による)。潜在
的Zalpha11ポリペプチド結合ドメインを有するポリペプチドをコードする遺伝子
は、ファージで(ファージディスプレイ)または細菌、例えば大腸菌で表示され
る無作為ペプチドライブラリーをスクリーニングすることにより得られる。ポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多数の方法で、例えば無作為突然変
異誘発および無作為ポリヌクレオチド合成により得られる。これらの無作為ペプ
チド表示ライブラリーは、タンパク質またはポリペプチド、例えばリガンドまた
は受容体、生物学的または合成高分子、あるいは有機または無機物質であり得る
既知の標的と相互作用するペプチドに関し得スクリーニングするために用いられ
得る。このような無作為ペプチド表示ライブラリーを作製およびスクリーニング
するための技法は、当業界で既知であり(Landner et al., 米国特許第5,223,40
9号;Landner et al., 米国特許第4,946,778号;Landner et al., 米国特許第5,
403,484号およびLandner et al., 米国特許第5,571,698号)、そして無作為ペプ
チド表示ライブラリーおよびこのようなライブラリーをスクリーニングするため
のキットは、例えばClontech(Palo Alto, CA)、Invtrogen Inc.(San Diego,
CA)、New England Biolads, Inc.(Beverly, MA)およびPharmacia LKB Biotec
hnology Inc.(Piscataway, NJ)から市販されている。無作為ペプチド表示ライ
ブラリーを本明細書中に開示したZalpha11配列を用いてスクリーニングして、Za
lpha11と結合するタンパク質を同定し得る。Zalpha11ポリペプチドと相互作用す
るこれらの「結合ペプチド」は、細胞をタグ処理するために、アフィニティー精
製により相同ポリペプチドを単離するために用いられ得る。それらは、直接また
は間接的に、薬剤、毒素、放射性核種等と共役され得る。これらの結合ペプチド
は、例えば発現ライブラリーおよび中和活性をスクリーニングするための分析方
法に用いられ得る。結合ペプチドは、Zalpha11ポリペプチドの循環レベルを測定
するために、根元的病状または疾患のマーカーとして可溶性Zalpha11ポリペプチ
ドを検出または低領するために、用いられ得る。これらの結合ペプチドは、in v
itroおよびin vivoのZalpha11結合およびシグナル伝達を遮断するために、Zalph
a11「拮抗物質」としても作用し得る。これらの抗−Zalpha11結合ペプチドは、Z
alpha11と結合するリガンドの作用を抑制するのに有用である。
【0148】 抗体は、1)それらが閾値レベルの結合活性を示すか、および/または2)そ
れらが関連ポリペプチド分子と有意に交差反応する場合に、特異的に結合すると
確定される。第一に、抗体は、本明細書中では、それらがZalpha11ポリペプチド
、ペプチドまたはエピトープと、(非Zalpha11)ポリペプチドを制御するための
結合親和性より少なくとも10倍の親和性で結合する場合、特異的に結合する。抗
体が、106 M-1またはそれより大きい、好ましくは107 M-1またはそれより大き
い、さらに好ましくは108 M-1またはそれより大きい、最も好ましくは109 M-1
またはそれより大きい結合親和性(Ka)を示すのが好ましい。抗体の結合親和
性は、例えばScatchard分析(Scatchard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51:660-672,
1949)により、当業者が容易に確定し得る。
【0149】 第二に、抗体は、それらが関連ポリペプチドと有意に交差反応しない場合に、
特異的に結合することが確定される。抗体は、例えばそれらが、標準ウエスタン
ブロット分析(Ausubel et al.,同上)を用いて、Zalpha11を検出するが、しか
し既知の関連ポリペプチドを検出しない場合、関連ポリペプチド分子と有意に交
差反応しない。既知の関連ポリペプチドの例は、タンパク質族の成員である同一
種からのタンパク質である、オルトログ(例えば、IL−6)、Zalpha11ポリペ
プチドおよび非ヒトZalpha11である。さらに、抗体は、本発明のポリペプチドと
特異的に結合する集団を単離するために、既知の関連ポリペプチド「に対してス
クリーニングされ」得る。例えば、Zalpha11に対して生じた抗体は、不溶性マト
リックスに付着した関連ポリペプチドに吸着される。Zalpha11に特異的な抗体は
、適正な緩衝条件下でマトリックスを通って流動する。このようなスクリーニン
グは、密接に関連したポリペプチドと非交差反応性であるポリクローナルおよび
モノクローナル抗体の単離を可能にする(Antibodies: A Laboratory Manual, H
arlow and Lane(eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Curre
nt Protocols in Immunology, Cooligan, et al.(eds.), National Institute
s of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995)。特異抗体のスクリーニング
および単離は、当業界で周知である(Fundamental Immunology, Paul(eds.),
Raven Press, 1993; Getzoff et al., Adv. in Immunol. 43:1-98, 1988; Monoc
lonal Antibodies: Principles and Practice, Goding, J.W.(eds.), Academi
c Press Ltd, 1996; Benjamin et al., Ann. Rev. Immunol. 2:67-101, 1984参
照)。
【0150】 Zalpha11タンパク質またはペプチドと特異的に結合する抗体を検出するために
、当業者に既知の種々の検定が利用され得る。検定例は、Antibodies: A Labora
tory Manual, Harlow and Lane(eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, 1988に詳述されている。このような検定の代表的例としては、以下のものが
挙げられる:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、放射性免疫沈降、酵素
結合イムノソルベント検定(ELISA)、ドットブロットまたはウエスタンブ
ロット検定、抑制または競合検定、ならびにサンドイッチ検定。さらに、抗体は
、野生型対突然変異体Zalpha11タンパク質またはポリペプチドとの結合に関して
スクリーニングされ得る。
【0151】 Zalpha11に対する抗体は、Zalpha11を発現する細胞をタグ処理するために、ア
フィニティー精製によりZalpha11を単離するために、Zalpha11ポリペプチドの循
環レベルを確定するための診断検定のために、根元的病状または疾患のマーカー
としての可溶性Zalpha11を検出または定量するために、FACSを用いる分析方
法に、発現ライブラリーをスクリーニングするために、抗イディオタイプ抗体を
生成するために、そしてin vitroおよびin vivoのZalpha11活性を遮断するため
の中和抗体としてまたは拮抗剤として、用いられ得る。適切な直接タグまたは標
識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光マーカー、化学発
光マーカー、磁気粒子等が挙げられる。間接的タグまたは標識は、中間体として
のビオチン−アビジンまたはその他の補体/抗補体対の使用を特徴とする。抗体
は、直接または間接的に、本明細書中では、薬剤、毒素、放射性核種等と共役さ
れ、これらの共役体は、in vivo診断または治療用途に用いられ得る。さらに、Z
alpha11またはその断片に対する抗体は、検定、例えばウエスタンブロットまた
は当業界で既知のその他の検定において、変性Zalpha11またはその断片を検出す
るために、in vitroで用いられ得る。
【0152】 Zalpha11に対する抗体は、可溶性受容体ポリペプチドの循環レベルを確定する
ために診断検定内で、アフィニティー精製のために、受容体を発現する細胞をタ
グ処理し、そしてZalpha11発現レベルを検定するために有用である。検定方法は
、蛍光活性化細胞分類法を用いる。二価抗体は、Zalpha11リガンドの作用を模倣
するための作動剤として用いられ得る。
【0153】 抗体は、本明細書中では、直接または間接的に、薬剤、毒素、放射性核種等と
も共役され、これらの共役体は、in vivo診断または治療用途に用いられ得る。
例えば、本発明のZalpha11を認識する抗体または結合ポリペプチドは、対応する
抗補体分子(即ち、Zalpha11受容体)を発現する組織または器官を同定または治
療するために用いられ得る。特に、抗Zalpha11抗体あるいはその生物活性断片ま
たはペプチドは、検出可能または細胞傷害性分子と結合され、そしてZalpha11分
子を発現する細胞、組織または器官を有する動物に送達され得る。
【0154】 適切な検出可能分子は、直接または間接的に、Zalpha11を結合するポリペプチ
ド(前記の結合ペプチドを含めた「結合ポリペプチド」)、抗体、あるいは生物
活性断片またはその一部と結合され得る。適切な検出可能分子としては、放射性
核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒
子等が挙げられる。適切な細胞傷害性分子は、直接または間接的に、ポリペプチ
ドまたは抗体に結合され、その例としては、細菌または植物毒素(例えば、ジフ
テリア毒素、シュードモナス外毒素、リシン、アブリン等)、ならびに治療用放
射性核種、例えばヨウ素−131、レニウム−188またはイットリウム−90(ポリペ
プチドまたは抗体に直接的に結合されるか、または例えばキレート化部分の手段
を介して間接的に結合される)が挙げられる。結合ポリペプチドまたは抗体は、
細胞傷害性剤、例えばアドリアマイシンとも共役され得る。検出可能または細胞
傷害性分子の間接的結合のためには、検出可能または細胞傷害性分子は、補体/
抗補体の一成員と共役され得る。この場合、他方の成員は結合ポリペプチドまた
は抗体部分に結合される。これらの目的のために、ビオチン/ストレプタビジン
は補体/抗補体対の一例である。
【0155】 別の実施態様では、結合ポリペプチド−毒素融合タンパク質または抗体−毒素
融合タンパク質は、標的化細胞または組織の抑制または除去のために(例えば、
癌細胞または組織を治療するために)用いられ得る。あるいは、結合ポリペプチ
ドが多重機能ドメイン(即ち、活性化ドメインまたはリガンド結合ドメイン+タ
ーゲッティングドメイン)、ターゲッティングドメインのみを含む融合タンパク
質は、検出可能分子、細胞傷害性分子または補体分子を問題の種類の細胞または
組織に向けるのに適している。単一ドメインのみを含む融合タンパク質が補体分
子を含む場合、抗補体分子は検出可能または細胞傷害性分子と共役され得る。こ
のようなドメイン−補体分子融合タンパク質は、したがって、遺伝子抗補体−検
出可能/細胞傷害性分子共役体の細胞/組織特異的送達のための遺伝子ターゲッ
ティングビヒクルを表す。
【0156】 別の実施態様では、Zalpha11結合ポリペプチド−サイトカインまたは抗体−サ
イトカイン融合タンパク質は、結合ポリペプチド−サイトカインまたは抗Zalpha
11抗体が過増殖性細胞を標的化する場合、標的組織(例えば、血液、リンパ、結
腸および骨髄癌)のin vivo殺害を増強するために用いられ得る(一般的に、Hor
nick et al., Blood 89:4437-47, 1997参照)。彼等は、作用の所望部位へのサ
イトカインのターゲッティングを可能にし、それによりサイトカインの局所濃度
の増大を提供する融合タンパク質を記載する。適切な抗Zalpha11抗体は、望まし
くない細胞または組織(即ち腫瘍または白血病)を標的にし、融合サイトカイン
は、エフェクター細胞により標的細胞溶解の改良を媒介する。この目的のための
適切なサイトカインとしては、例えば、インターロイキン2および顆粒球マクロ
ファージコロニー刺激因子(GM−CSF)が挙げられる。
【0157】 あるいは、本明細書中に記載したZalpha11結合ポリペプチドまたは抗体融合タ
ンパク質は、Zalpha11介在性アポトーシス経路を直接的に刺激することにより標
的組織のin vivo殺害を増強し、Zalpha11を発現する過増殖性細胞の細胞死を引
き起こすために用いられ得る。
【0158】 本明細書中に記載した生物活性結合ポリペプチドまたは抗体共役体は、経口的
に、静脈内に、動脈内に、または導管内に送達され得るか、あるいは意図された
作用部位に局所的に導入され得る。
【0159】 サイトカイン受容体と結合する4−らせん束サイトカイン、ならびに活性化リ
ンパ球により産生されるその他のタンパク質は、身体全体の細胞分化、活性化、
漸増およびホメオスタシスに重要な生物学的役割を演じる。療法的効用としては
、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスお
よび糖尿病のような自己免疫疾患を含めた免疫調節を必要とする疾患の治療が挙
げられる。可溶性受容体および天然リガンドを含めたZalpha11拮抗薬または作動
薬は炎症の調節に重要であり、したがって、慢性関節リウマチ、喘息、潰瘍性結
腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、および敗血症を治療するのに有用である。可
溶性受容体および天然リガンドを含めたZalpha11拮抗薬または作動薬は、腫瘍誘
発の媒介にある役割を演じ、したがって癌の治療に有用であり得る。可溶性受容
体および天然リガンドを含めたZalpha11拮抗薬または作動薬は、移植片拒絶を低
減するために重要である免疫系抑制に治療的可能性を有し得る。Zalpha11リガン
ドは、移植片対宿主病の防止に有用性を有し得る。
【0160】 あるいは、可溶性受容体および天然リガンドを含めたZalpha11拮抗薬または作
動薬は、感染性疾患に対する免疫を増強し、HIV溶性患者のような免疫無防備
状態患者を治療し、あるいはワクチンを改良するのに重要である免疫系を活性化
し得る。特に、可溶性受容体および天然リガンドを含めたZalpha11拮抗薬または
作動薬は、NK細胞またはそれらの先祖を調節し、刺激しまたは拡充し、そして
ウイルス感染の治療における、そして抗新生物形成因子としての療法的価値を提
供する。NK細胞は、転移性腫瘍細胞の排除に主要な役割を演じると考えられ、
そして転移性および固形の両方の腫瘍を有する患者はNK細胞活性を示していた
(Whiteside et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 230:221-224, 1998)。
【0161】 Zalpha11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、Zalpha11活性を増大
または抑制するのが望ましい遺伝子療法用途内で有用である。哺乳類が突然変異
化Zalpha11遺伝子を有するかまたはZalpha11遺伝子を有さない場合、Zalpha11遺
伝子が哺乳類の細胞中に導入され得る。一実施態様では、Zalpha11ポリペプチド
をコードする遺伝子がin vivoでウイルスベクターに導入される。このようなベ
クターとしては、弱毒化または欠陥DNAウイルス、例えば、単純ヘルペスウイ
ルス(HSV)、パピローマウイルス、エプスタイン−バーウイルス(EBV)
、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)等が挙げられるが、これらに
限定されない。ウイルス遺伝子を完全に、またはほぼ完全に欠いた欠陥ウイルス
が好ましい。欠陥ウイルスは、細胞に導入後は感染性でない。欠陥ウイルスベク
ターの使用は、ベクターが他の細胞を感染する可能性を心配することなく、特異
的局限化領域における細胞への投与を可能にする。特定のベクターの例としては
、欠陥単純ヘルペスウイルス1(HSV1)ベクター(Kaplitt et al., Molec.
Cell. Neurosci. 2:320-30, 1991);弱毒化アデノウイルスベクター、例えばS
tratford-Perricauder et al., J. Clin. Invest. 90:626-30, 1992に記載され
たベクター;および欠陥アデノ関連ウイルスベクター(Samulski et al., J. Vi
rol. 61:3096-101, 1987; Samulski et al., J. Virol. 63:3822-8, 1989)が挙
げられるが、これらに限定されない。
【0162】 別の実施態様では、Zalpha11遺伝子は、例えばAnderson等、米国特許第5,399,
346号;Mann et al., Cell 33:153, 1983; Temin等、米国特許第4,650,764号;
Temin等、米国特許第4,980,289号;Markowitz et al., J. Virol. 62:1120, 198
8; Temin等、米国特許第5,124,263号;国際特許公告WO 95/07358(Dougherty等
、1995年3月16日公開);およびKuo et al., Blood 82:845, 1993に記載されて
いるように、レトロウイルスベクターに導入され得る。あるいは、ベクターは、
リポソームを用いて、in vivoでのリポフェクションにより導入され得る。合成
陽イオン性脂質は、マーカーをコードする遺伝子のin vivoトランスフェクショ
ンのためのリポソームを調製するために用いられ得る(Felgner et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7, 1987; Mackey et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 85:8027-31, 1988)。特定の器官にin vivoで外因性遺伝子を導入する
ためのリポフェクションの使用は、ある種の実際的利点を有する。特定細胞への
リポソームの分子ターゲッティングは、利点の一領域を表す。特に、特定細胞に
対するトランスフェクションの指示は、利点の一領域を表す。例えば、特定細胞
型へのトランスフェクションの指示は、膵臓、肝臓、腎臓および脳のような細胞
不均一性を有する組織において特に有益である。脂質は、ターゲッティングの目
的のためにその他の分子と化学的に結合され得る。標的化ペプチド(例えば、ホ
ルモンまたは神経伝達物質)、抗体のようなタンパク質、または非ペプチド分子
は、リポソームと化学的に結合され得る。
【0163】 裸DNAプラスミドとしてベクターを導入し、次に身体に形質転換化細胞を再
移植するために、身体から標的化細胞を取り出すことができる。遺伝子療法のた
めの裸DNAベクターは、当業界で既知の方法により、例えばトランスフェクシ
ョン、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融
合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈降、遺伝子銃の使用またはDN
Aベクター輸送体の使用により所望の宿主細胞中に導入され得る(例えば、Wu e
t al., J. Biol. Chem. 267:963-7, 1992; Wu et al., J. Biol. Chem. 263:146
21-4, 1988参照)。
【0164】 アンチセンス法は、Zalpha11遺伝子転写を抑制するために、例えばin vivoで
細胞増殖を抑制するために用いられ得る。Zalpha11コードポリペプチド(例えば
、配列番号1で記述されるようなポリヌクレオチド)のセグメントと相補的なポ
リヌクレオチドは、Zalpha11コードmRNAと結合し、そしてこのようなmRN
Aの翻訳を抑制するよう設計される。このようなアンチセンスポリヌクレオチド
は、細胞培養中での、または被験者における、Zalpha11ポリペプチドコード遺伝
子の発現を抑制するために用いられる。
【0165】 さらに、細胞表面分子として、Zalpha11ポリペプチドは、細胞中への遺伝子療
法の導入のための標的として用いられ得る。この適用は、Zalpha11が常態で発現
される細胞、例えばリンパ様組織およびPBF、またはZalpha11ポリペプチドを
発現する癌細胞中に治療用遺伝子を導入するのに特に適している。例えば前記の
ようなウイルス遺伝子療法は、ウイルス受容体というよりむしろZalpha11ポリペ
プチドのような細胞性受容体を発現する特異的細胞型に対して標的化され得る。
抗体、または標的細胞表面のZalpha11分子を認識するその他の分子は、標的細胞
に遺伝子療法物質をウイルスが感染させ、投与するのを指図するために用いられ
得る(Woo, S.L.C, Nature Biotech. 14:1538, 1996: Wickham, T.J. et al., N
ature Biotech. 14:1570-1573, 1996; Douglas, J.T. et al., Nature Biotech.
14:1574-1578, 1996; Rihova, B., Crit. Rev. Biotechnol. 17:149-169, 1997
;およびVile, R.G. et al., Mol. Med. Today 4:84-92, 1998参照)。例えば、Z
alpha11特異的抗体と結合したウイルス中和Fab断片を含有する二特異的抗体
は、Zalpha11受容体を発現する細胞にウイルスを向け、遺伝子阻止を含有するウ
イルスの細胞への侵入を可能にするために用いられ得る(例えば、Wickham, T.J
., et al., J. Virol. 71:7663-7669, 1997;およびWickham, T.J., et al., J.
Virol. 70:6831-6838, 1996参照)。
【0166】 本発明は、診断適用に用途を見出す試薬も提供する。例えば、Zalpha11、Zalp
ha11DNAまたはRNAを包含するプローブ、あるいはその亜配列は、Zalpha11
遺伝子が第16染色体上に存在するか否か、または突然変異が起きているか否か
を確定するために用いられ得る。Zalpha11は、第16染色体の16p11.1領域に局
限される(実施例3参照)。Zalpha11遺伝子座での検出可能染色体異常としては
、異数性、遺伝子コピー数変化、挿入、欠失、制限部位変化および再配列が挙げ
られるが、これらに限定されない。このような異常は、制限断片長多型(RFL
P)分析、蛍光in-situハイブリダイゼーション法、PCR技法を用いる短タン
デム反復(STR)分析および当業界で既知のその他の遺伝子連鎖分析法(Samb
rook et al., 同上;Ausubel et al., 同上;Marian, Chest 108:255-65, 1995
)のような分子遺伝子技術を用いることにより、本発明のポリヌクレオチドを用
いて検出され得る。
【0167】 遺伝子の位置についての正確な知識は、例えば:1)配列が既存のコンティグ
の一部であるか否かを確定して、YAC、BACまたはcDNAクローンのよう
な種々の形態の付加的周囲遺伝子配列を得て、2)同一染色体領域との連鎖を示
す遺伝性疾患に対する考え得る候補遺伝子を提供し、そして3)特定の遺伝子が
どの機能を有し得るかを確定する助けとなり得るマウスのようなモデル生物を相
互参照することを含めた多数の目的のために有用であり得る。
【0168】 Zalpha11遺伝子は、第16染色体の16p11.1領域に局限される。既知の機能を
有するいくつかの遺伝子が、この領域に認められる。例えば、造血素受容体族の
一成員であるインターロイキン4(IL−4)サイトカイン受容体αサブユニッ
トは、16p12.1〜p11.2に認められる。このサブユニットは、Zalpha11とヘテロ二
量体を形成し得る。さらに、Zalpha11ポリヌクレオチドプローブは、IL−4受
容体の欠損に関連した異常または遺伝子型、例えばいくつかのアレルギー性炎症
性疾患および喘息に関与するものを検出するために用いられ得る(Deichman, K.
A. et al., Exp. Allergy 28:151-155, 1998; Mitsuyasu, H. et al., Nature G
enet. 19:119-120, 1998)。さらに、Zalpha11ポリペプチドプローブは、感受性
マーカーが16p12〜q13に認められる炎症性腸疾患に関連した異常または遺伝子型
を検出するために用いられ得る(Cho, J.H. et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 95
:7502-7507, 1998)。さらに、Zalpha11ポリペプチドプローブは、16pter〜p13.
3に位置するヘモグロビンに関連した異常または遺伝子型、特に胎児水症のよう
なαサラセミア症候群に関連したヘモグロビンα欠損を検出するために用いられ
得る(例えば、Chui, M.P. and Waye, J.S., Blood 91:2213-2222, 1998参照)
。さらに、他の遺伝子座の中で、III型ウィルムス腫瘍(16q)、ルービンス
タイン−テービ症候群(16p13.3)、重症乳児多嚢胞性腎疾患(16p13.3)はすべ
て、ヒトの疾患状態でそれ自体現れて、ヒトゲノムのこの領域に認められる。第
16染色体のこの領域に関しては、オンラインヒトメンデル性遺伝Online Mende
llian Inheritance of Man(OMIM)遺伝子地図、およびその中の参考文献を参照
していただきたい(WWWサーバー(http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/htbin-post/O
mim/getmap?chromosome=16p11.1))。これらはすべて、Zalpha11遺伝子と同一
染色体領域との連鎖を示す遺伝性疾患に関する潜在的候補遺伝子として役立つ。
【0169】 同様に、Zalpha11遺伝子座それ自体の欠損は、遺伝性ヒト疾患状態を引き起こ
し得る。本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、拮抗薬、作動薬、ポリヌ
クレオチドおよび抗体は、Zalpha11遺伝子欠損に関連した検出、診断、予防およ
び治療に役立つ。
【0170】 「トランスジェニックマウス」と呼ばれるZalpha11遺伝子を発現するよう工学
処理されたマウス、および「ノックアウトマウス」と呼ばれるZalpha11遺伝子機
能の完全不在を示すマウスも生成され得る(Snouwaert et al., Science 257:10
83, 1992; Lowell et al., Nature 366:740-42,1993; Capecchi, M.R., Science
244:1288-1292, 1989; Palmiter, R.D. et al., Annu Rev Genet, 20:465-499,
1986)。例えば、遍在的に、あるいは組織特異的または組織制限性プロモータ
ー下で、Zalpha11を過剰発現するトランスジェニックマウスを用いて、過剰発現
が表現型を生じるか否かを調べ得る。例えば、野生型Zalpha11ポリペプチド、ポ
リペプチド断片またはその突然変異体の過剰発現は、正常細胞工程を変えて、Za
lpha11発現が機能的に関連する組織を同定する表現型を生じ得るし、Zalpha11、
その作動薬または拮抗薬に関する治療標的を示し得る。例えば、工学処理するた
めの好ましいトランスジェニックマウスは、「優性ネガティブ」表現型を発現す
るもの、例えば結合したトランスメンブレンドメインを有するZalpha11細胞外サ
イトカイン結合ドメインを過剰発現するものである(配列番号2の約アミノ酸20
(Cys)〜255(Leu))。さらに、このような過剰発現は、ヒト疾患との類似性
を示す表現型を生じ得る。同様に、ノックアウトZalpha11マウスを用いて、Zalp
ha11がin vivoで絶対に必要であるか否かを確定し得る。ノックアウトマウスの
表現型は、例えば本明細書中に記載したようなZalpha11拮抗薬が有し得るin viv
o作用を予測する。マウスまたはヒトZalpha11cDNAを用いて、ネズミZalpha1
1mRNA、cDNAおよびゲノムDNAを単離し、その後これを用いて、ノッ
クアウトマウスを生成し得る。これらのマウスは、in vivo系におけるZalpha11
遺伝子およびそれによりコードされるタンパク質を調べるために用いられ得るし
、対応するヒト疾患のin vivoモデルとして用いられ得る。さらに、本明細書中
に記載したZalpha11に対して向けられるZalpha11アンチセンスポリヌクレオチド
またはリボザイムのトランスジェニックマウス発現は、前記のトランスジェニッ
クマウスと同様に用いられ得る。
【0171】 製薬的使用に関しては、本発明の可溶性受容体ポリペプチドは、慣用的方法に
よる非経口的、特に静脈内または皮下送達のために処方される。静脈内投与は、
1〜数時間という典型的時間のボーラス注射または注入による。概して、製剤処
方物は、Zalpha11可溶性受容体ポリペプチドを、製薬上許容可能なビヒクル、例
えば緩衝化食塩水、水中の5%デキストロース等と組合せて包含する。処方物は
、1つ又はそれ以上の賦形剤、防腐剤、可溶化剤、緩衝剤、ウイルス表面のタン
パク質損失を防止するためのアルブミン等をさらに含み得る。処方法は当業界で
周知であり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Genn
aro, ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed., 1995に開示されてい
る。治療用量は、一般的には0.1〜100μg/患者の体重1kg/日の範囲、好まし
くは0.5〜20μg/患者の体重1kg/日であって、的確な用量は、治療される症状
の性質および重症度、患者の特徴等を考慮して、許容基準にしたがって臨床医が
決定する。用量の決定は、当業者の水準内である。タンパク質は、短期治療のた
めに、1週間またはそれ未満に亘って、しばしば1〜3日間投与され得るし、あ
るいは長期治療に、数ヶ月または数年間用いられ得る。概して、Zalpha11可溶性
受容体ポリペプチドの治療的有効量は、臨床的に有意の作用を生じるのに十分な
量である。 以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はそれらに限定されな
い。
【0172】 実施例 実施例1 全長Zalpha11を得るためにEST配列を用いたヒトZalpha11の同定 翻訳化DNAデータベースの走査により、クラスIサイトカイン受容体族の一
成員であることが判明し、Zalpha11と呼ばれている発現化配列タグ(EST)配
列を同定した。
【0173】 ESTの元となったcDNAの配列分析により、EST配列を確証した。この
cDNAクローンを生成し、以下のプライマーを用いてシーケンシングした:Z
C447(配列番号5)、ZC976(配列番号6)、ZC19345(配列番号7)、Z
C19346(配列番号8)、ZC19349(配列番号9)、ZC19350(配列番号10)
、ZC19458(配列番号11)、ZC19459(配列番号12)、ZC19460(配列番号1
3)、ZC19461(配列番号14)、ZC19572(配列番号15)、ZC19573(配列番
号16)、ZC19657(配列番号17)。挿入物は2945 bpで、全長であった。
【0174】 実施例2 組織分布 ヒト多組織ノーザンブロット(MTN I、MTN IIおよびMTN III)(Clontech)を
用いて、ノーザンブロット分析を実施した。プライマーとしてオリゴZC19,181
(配列番号18)およびZ19,182(配列番号19)を用いて、PCR反応で、実施例
1に記載したcDNAを用いた。PCR条件を以下に示す:94℃ で1.5分;94℃
で15秒、次に68℃で30秒を35回;72℃で10分;4℃一夜。PCR反応生成物の試
料を、1.5%アガロースゲル上を走行させた。175 bpという予測サイズの帯域が
観察された。175 bpPCR断片を、市販キット(QiaexII;Qiagen)を用いてゲル
精製し、次に、メーカーの使用説明書にしたがって、Rediprime II(Amersham)
無作為プライム標識系を用いて32P−dCTPで放射能標識した。次に、メーカ
ーの使用説明書にしたがって、Nuc-Trapカラム(Stratagene)を用いて、プロー
ブを精製した。ExpressHyb(Clontech)溶液を予備ハイブリダイゼーションのた
めに、ノーザンブロット用ハイブリダイズ溶液として用いた。ハイブリダイゼー
ションは、1〜2x106 cpm/mlの標識化プローブを用いて、65℃で一夜実施した。
次にプローブを2X SSC/1%SDS中で25℃で4回洗浄し、その後0.1X SSC/0.1%SDS中
で50℃で洗浄した。約3 kbおよび5 kbの転写体を、リンパ節、末梢血液白血球お
よび胸腺で検出した。
【0175】 ヒトRNAMaster Blots(Clontech)を用いて、ドットブロットも実行した。
ドットブロットの方法および条件は、前記の多組織ブロットと同一である。ドッ
トブロットは、胸腺、リンパ節および脾臓で最強シグナルを有した。
【0176】 ヒト癌細胞株MTN(Clontech)を用いて、ノーザン分析も実行した。プライ
マーとしてオリゴZC19,907(配列番号20)およびZ19,908(配列番号21)を用
いて、PCR反応で、実施例1に記載したcDNAを用いた。PCR条件を以下
に示す:95℃で1分、次に60℃で1分を35回;72℃で1.5分;72℃で10分;4℃一夜
。PCR反応生成物の試料を、1.5%アガロースゲル上を走行させた。1.2 kbと
いう予測サイズの帯域が観察された。1.2 kbPCR断片を、メーカーの使用説明
書にしたがって、市販キット(QiaexII ゲル抽出キット;Qiagen)を用いてゲル
精製し、次にPrime-It II(Stratagene)無作為プライム標識系を用いて32P−
dCTPで放射能標識した。次に、メーカーの使用説明書にしたがって、Nuc-Tr
apカラム(Stratagene)を用いて、プローブを精製した。ExpressHyb(Clontech
)溶液を予備ハイブリダイゼーションのために、ノーザンブロット用ハイブリダ
イズ溶液として用いた。ハイブリダイゼーションは、1〜2x106 cpm/mlの標識化
プローブを用いて、65℃で2時間実施した。次にプローブを2X SSC/1%SDS中で25
℃で4回洗浄し、その後0.1X SSC/0.1%SDS中で50℃で洗浄した。バーキットリン
パ腫由来のRaji細胞株中で、強シグナルを観察した。
【0177】 実施例3 Zalpha11遺伝子のPCRベースの染色体マッピング 市販の「GeneBridge 4放射線ハイブリッドパネル」(Research Genetics, Inc
., Huntsville, AL)を用いて、Zalpha11を第16染色体にマッピングした。Gen
eBridge 4放射線ハイブリッドパネルは、93の放射線ハイブリッドクローンの各
々からのPCR可能DNA+2つの対照DNA(HFFドナーおよびA23レシピ
エント)を含有した。WWWサーバー(http://www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/co
ntig/rhmapper.pl)は、 GeneBridge 4放射線ハイブリッドパネルを用いて構築
されたWhitehead Institute/MIT Center for Genome Researchのヒトゲノムの放
射線ハイブリッドマップ(“WICGR”放射線ハイブリッドマップ)と比較したマ
ッピングを可能にした。
【0178】 「GeneBridge 4RHパネル」を用いたZalpha11のマッピングのために、20μl
の反応物を96ウエルマイクロタイタープレート(Stratagene, La Jolla, CA)中
に用意し、「RoboCycler Gradient 96」熱サイクラー(Stratagene)中で用いた
。95のPCR反応物は各々、2μlの10XPCR反応緩衝液(Clontech Laboratori
es, Inc., Palo Alto, CA)、1.6μlのdNTPミックス(各2.5 Mm、Perkin-El
mer, Foster City, CA)、1μlのセンスプライマー、ZC19,954(配列番号22
)、1μlのアンチセンスプライマー、ZC19,955(配列番号23)、2μlの「Rea
dLoad」(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)、0.4μlの50X Advantag
e KlenTaqポリメラーゼミックス(Clontech)、個々のハイブリッドクローンま
たは対照からの25 ngのDNAおよび全容積を20μlにするための蒸留水。反応物
を等量の鉱油で被い、密封した。PCRサイクラー条件を以下に示す:最初に94
℃で4分の変性を1回;94℃で45分、68℃で45秒および72℃で1分を35回;その後
72℃で7分。2%アガロースゲル(Life Technologies)上での電気泳動により、
反応物を分離した。
【0179】 結果は、Zalpha11が、第16染色体WICGR放射線ハイブリッドマップ上に、枠
組み構造マーカーWI-3768から、9.54 cR 3000に認められるということを示した
。近位および遠位枠組み構造マーカーは、それぞれWI-3768およびTIGER-A002K05
であった。周囲マーカーの使用は、一体化LD第16染色体マップueno 16p11.1
領域にZalpha11を配置する(The Genetic Location Database, University of S
outhampton, WWW server: http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public html/)
【0180】 実施例4 ヒトMPL−Zalpha11ポリペプチドキメラの構築:Zalpha11細胞内シグナリン
グドメインと融合したMPL細胞外およびTMドメイン MPL受容体の細胞外および細胞内ドメインを、プライマーZ17,212(配列番
号24)およびZC19,914(配列番号25)によるPCRを用いて、MPL受容体(
PHZ1/MPLプラスミド)を含有するプラスミドから単離した。反応条件を以下に示
す:95℃で1分;95℃で1分、45℃で1分、72℃で2分を35回;その後72℃で10分;
次に10℃で浸漬。PCR反応生成物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mann
heim, Indianapolis,IN)上を走行させ、1.5 kbMPL受容体断片を、メーカー
の使用説明書にしたがって、QiaexII ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて単離し
た。
【0181】 Zalpha11の細胞内ドメインを、プライマーZ19,913(配列番号26)およびZC
20,097(配列番号27)によるPCRを用いて、Zalpha11受容体cDNAを含有す
るプラスミドから単離した。Zalpha11受容体コード配列に対応するポリヌクレオ
チド配列は、配列番号1のヌクレオチド69〜1682で示される。反応条件は前記と
同様であった。PCR生成物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)
上を走行させ、900 bpのZalpha11断片を、メーカーの使用説明書にしたがって、
QiaexII ゲル抽出キットを用いて単離した。
【0182】 前記の単離断片の各々を1:1の容量比で混合して、プライマーZ17,212(配列
番号24)およびZC20,097(配列番号27)を用いるPCRで使用して、MPL−
Zalpha11キメラを作製した。反応条件を以下に示す:95℃で1分;95℃で1分、55
℃で1分、72℃で2分を35回;その後72℃で10分;次に10℃で浸漬。PCR反応生
成物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)上を走行させ、約2.4 kb
MPLZalpha11キメラ断片を、メーカーの使用説明書にしたがって、QiaexII ゲ
ル抽出キット(Qiagen)を用いて単離した。MEL−Zalpha11キメラ断片を、メ
ーカーの使用説明書にしたがって、EcoRI(BRL)およびXbaI(Boerhin
ger Mannheim)で消化した。全消化物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Ma
nnheim)上を走行させ、切断MPLZalpha11キメラ断片を、メーカーの使用説明
書にしたがって、QiaexII ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて単離した。その結
果生じた切断MPL−Zalpha11キメラを、前記と同様に発現ベクター中に挿入し
た。
【0183】 レシピエント発現ベクターpZP−5Nを、メーカーの使用説明書にしたがっ
て、EcoRI(BRL)およびHindIII(BRL)で消化し、前記と同様にゲ
ル精製した。このベクター断片を、結紮反応において、前記で単離したEcoR
IおよびXbaI切断MPL−Zalpha11キメラおよびXbaI/HindIII
リンカー断片と併合した。T4リガーゼ(BRL)を用いて、15℃で一夜、結紮を
実行した。結紮の試料を、DH10BElectroMAXエレクトロコンピテント大腸菌細
胞(25μF、200Ω、2.3V)中で電気穿孔処理した。形質転換体をLB+アンピシ
リンプレート上に載せ、単一コロニーをPCRによりスクリーニングして、ZC
17,212(配列番号24)およびZC20,097(配列番号27)を用いてMPL−Zalpha
11キメラを調べた。PCR条件は前記と同様であった。
【0184】 以下のプライマーを用いた配列分析により、MPL−Zalpha11キメラ配列を確
証した:ZC12,700(配列番号28)、ZC5,020(配列番号29)、ZC6,675(配
列番号30)、ZC7,727(配列番号31)、ZC8,290(配列番号32)、ZC19,572
(配列番号15)、ZC6,622(配列番号33)、ZC7,736(配列番号34)およびZ
C9,273(配列番号35)。挿入物は2.4 bpで、全長であった。
【0185】 実施例5 Alamar Blueを用いたBAF3検定におけるMPL−Zalpha11ベースの増殖 A.MPL−Zalpha11キメラを発現するBaF3細胞の構築 ネズミ骨髄由来インターロイキン−3(IL−3)依存性前リンパ様細胞株で
あるBaF3(Palacios and Steinmetz, Cell 41:727-734, 1985; Mathey-Prev
ot et al., Mol. Cell. Biol. 6:4133-4135, 1986)を、10%加熱不活性化ウシ
胎仔血清、2 ng/mlネズミIL−3(mIL−3)(R & D, Minneapolis, MN)
、2 mML−グルタマックス(Gibco, BRL)、1 mMピルビン酸ナトリウム(Gibco,
BRL)およびPSN抗体(Gibco, BRL)を補給した完全培地(RPMI培地(JR
H Bioscience Inc., Lenexa, KS))中に保持した。電気穿孔前に、pZP−5
N/MPL−Zalpha11DNA(実施例4)を、メーカーの使用説明書にしたがっ
て、Qiagen Maxi Prepキット(Qiagen)を用いて調製し、精製した。電気穿孔用
のBaF3細胞をRPMI培地中で1回洗浄して、次に107細胞/mlの細胞濃度
でRPMI培地中に再懸濁した。1mlの再懸濁BaF3細胞を30μgのpZP−
5N/MPL−Zalpha11プラスミドDNAと混合し、別個の使い捨て電気穿孔小
室(Gibco, BRL)に移した。室温で15分間インキュベーション後、電気穿孔装置
(CELL-PORATOR; GIBCO BRL)で送達される連続衝撃(800 lFad/300V; 1180 lFa
d/300V)を細胞に与えた。5分間の回復時間後、電気穿孔処理細胞を50 mlの完
全培地に移して、インキュベーター中に15〜24時間(37℃、5%CO2)入れた
。次に細胞を回転沈降させて、T−162フラスコ中のGeneticin(Gibco)選択
液(500μg/ml, G418)を含有する50 mlの完全培地中に再懸濁して、G418耐
性プールを単離した。トランスフェクト化BaF3細胞のプール(以後、BaF
3/MPL−Zalpha11細胞と呼ぶ)を、下記のようにシグナリング能力に関して
検定した。
【0186】 B.Alamar Blueを用いたBaF3/MPL−Zalpha11細胞のシグナリング能
力の検定 前記と同様にBaF3/MPL−Zalpha11細胞を遠心分離して、完全培地中で
洗浄したが、但し、mIL−3(以後、「mIL−3無含有培地」と呼ぶ)は用
いなかった。細胞を遠心分離して、3回洗浄し、mIL−3を確実に除去した。
次に細胞を血球計で計数した。細胞を、mIL−3無含有培地を用いて、100μl
/ウエルの容量で、5000細胞/ウエルで96ウエルフォーマットでプレート化した
。 mIL−3無含有培地で500 ng/ml、250 ng/ml、125 ng/ml、62 ng/ml、30 ng
/ml、15 ng/ml、7.5 ng/ml、1.8 ng/ml、0.9 ng/ml、0.5 ng/mlおよび0.25 ng/m
l濃度に稀釈したトロンボポイエチン(TPO)を用いて、BaF3/MPL−Z
alpha11細胞の増殖を査定した。100μlの稀釈TPOをBaF3/MPL−Zalph
a11細胞に付加した。全検定容量は、200μlである。陰性対照を、mIL−3無
含有培地のみを用いて、TPOを付加せずに、平衡して走行させた。検定プレー
トを37℃で5%CO2で3日間インキュベートし、その時点でAlamar Blue(Accum
ed, Chicago, IL)を20μl/ウエルで付加した。 Alamar Blueは生細胞の数を基
礎にして蛍光測定読み取り値を生じた。したがって、これは陰性対照と比較した
場合、細胞増殖の直接測定値である。プレートを再び37℃で5%CO2で24時間イ
ンキュベートした。プレートを、544(励起)および590(発光)の波長で、Soft
Max Proプログラムを用いてFmaxプレート読取機(Molecular Devices, Sunn
yvale, CA)で読み取った。
【0187】 結果は、62 ng/ml以上のバックグラウンドの約10倍のトロンボポイエチン誘導
性増殖として、Zalpha11の細胞内部分のシグナリング能力を確証した。
【0188】 実施例6 全長Zalpha11を発現する発現ベクターの構築 プライマーZ19,905(配列番号36)およびZC19,906(配列番号37)によるP
CRを用いて、Zalpha11受容体cDNAを含有するプラスミドから全Zalpha11受
容体を単離した。反応条件を以下に示す:95℃で1分;95℃で1分、55℃で1分、7
2℃で2分を35回;その後72℃で10分;次に10℃で浸漬。PCR反応生成物を、1
%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)上を走行させ、約1.5 kbZalpha11
cDNA断片を、メーカーの使用説明書にしたがって、QiaexII ゲル抽出キット
(Qiagen)を用いて単離した。
【0189】 精製Zalpha11cDNAを、メーカーの使用説明書にしたがって、BamHI(
Boerhinger Mannheim)およびEcoRI(BRL)で消化した。全消化物を、1%
低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)上を走行させ、メーカーの使用説明
書にしたがって、QiaexII ゲル抽出キットを用いて切断Zalpha11断片を精製した
。その結果生じた切断Zalpha11キメラを、下記のようにして、発現ベクター中に
挿入した。
【0190】 レシピエント発現ベクターpZP−5Nを、前記と同様にメーカーの使用説明
書にしたがって、BamHI(Boerhinger Mannheim)およびEcoRI(BRL)
で消化し、ゲル精製した。このベクター断片を、結紮反応において、前記で単離
したBamHIおよびEcoRI切断Zalpha11断片と併合した。T4リガーゼ(
BRL)を用いて、15℃で一夜、結紮を実行した。結紮の試料を、DH10BElectro
MAXエレクトロコンピテント大腸菌細胞(25μF、200Ω、2.3V)中で電気穿孔処
理した。形質転換体をLB+アンピシリンプレート上に載せ、単一コロニーをP
CRによりスクリーニングして、ZC19,905(配列番号36)およびZC19,906(
配列番号37)を用いてZalpha11配列に関して調べた。PCR条件は前記と同様で
あった。
【0191】 以下のプライマーを用いた配列分析により、MPL−Zalpha11配列を確証した
:ZC12,700(配列番号28)、ZC5,020(配列番号29)、ZC20,114(配列番
号38)、ZC19,459(配列番号12)、ZC19,954(配列番号39)およびZC20,1
16(配列番号40)。挿入物は約1.6 kbで、全長であった。 実施例7 Alamar Blueを用いたBAF3検定におけるZalpha11ベースの増殖 A.Zalpha11受容体を発現するBaF3細胞の構築 前記の実施例6に記載したZalpha11発現ベクター30μgを用いて、前記の実施
例5Aと同様にして、全長Zalpha11受容体を発現するBaF3を構築した。Zalp
ha11受容体mRNAを発現するBaF3細胞を消化して、BaF3/Zalpha11と
した。これらの細胞を用いて、実施例8および12に後述するように、Zalpha11
活性に関してスクリーニングした。
【0192】 実施例8 Alamar Blue増殖検定を用いたBAF3/Zalpha11細胞を用いたZalpha11活性
に関するスクリーニング A.Zalpha11活性の存在に関して検定するために用いられるサル一次供給源 一次サル脾臓細胞からのコンディショニング培地を用いて、下記のように活性
の存在を検定した。サル脾臓細胞を5 ng/mlのフォルボール12-ミリステート−
13−アセテート(PMA)(Calbiochem, San Diego, CA)および0.5μg/mlイ
オノマイシン(Calbiochem)を用いて72時間、活性化した。刺激サル脾臓細胞か
らの上清を用いて、BaF3/Zalpha11細胞の増殖を後述のように検定した。
【0193】 B. Alamar Blue増殖検定を用いたBAF3/Zalpha11細胞を用いたZalpha11
活性に関するスクリーニング BaF3/Zalpha11細胞を遠心分離して、mIL−3無含有培地中で洗浄した
。細胞を遠心分離して、3回洗浄し、mIL−3を確実に除去した。次に細胞を
血球計で計数した。細胞を、mIL−3無含有培地を用いて、100μl/ウエルの
容量で、5000細胞/ウエルで96ウエルフォーマットでプレート化した。
【0194】 mIL−3無含有培地で50 %、25%、12.5%、6.25%、3.12%、1.5%、0.75
%および0.375%濃度に稀釈した活性化サル脾臓(前記実施例8A参照)から状
態調節培地を用いて、BaF3/Zalpha11細胞の増殖を査定した。全検定容量は
、200μlである。検定プレートを37℃で5%CO2で3日間インキュベートし、
その時点でAlamar Blue(Accumed, Chicago, IL)を20μl/ウエルで付加した。
プレートを再び37℃で5%CO2で24時間インキュベートした。プレートを、前
記(実施例5)と同様に、Fmaxプレート読取機(Molecular Devices, Sunny
vale, CA)で読み取った。
【0195】 結果は、活性化サル脾臓状態調節培地中に存在する因子に対するBaF3/Za
lpha11細胞の増殖応答を確証した。測定されたように、応答は、50%濃度でのバ
ックグラウンドの約4倍であった。BaF3野生型細胞はこの因子に応答して増
殖せず、これは、この因子がZalpha11受容体に特異的であることを示す。
【0196】 C.Zalpha11活性を単離するために用いられるヒト一次供給源 6名のドナーの各々から、100 mlの血液を採血した。血液は、ヘパリンを含入
する10 x 10 mlバキュウテイナー管を用いて採血した。6名のドナーからの血液
(600 ml)をプールし、PBS中で1:1に稀釈し、Ficoll-PaquePLUS(Ph
armacia Biotech, Uppsala, Sweden)を用いて分離した。フィコール勾配の分離
後に産生された単離一次ヒト細胞は、1.2 x 109細胞であった。
【0197】 9.6 mlのMACS緩衝液(PBS、0.5%EDTA、2 mMEDTA)中に細胞
を懸濁した。1.6 mlの細胞懸濁液を取り出して、0.4 mlのCD3マイクロビーズ
(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を付加した。混合物を4℃で15分間インキュベ
ートした。CD3ビーズで標識したこれらの細胞を、30 mlのMACS緩衝液で
洗浄し、次に2 mlのMACS緩衝液中に再懸濁した。
【0198】 VS+カラム(Miltenyi)を、メーカーの使用説明書にしたがって、調製した
。VS+カラムを次にVarioMACS磁場(Miltenyi)に入れた。カラムを5 ml
のMACS緩衝液で平衡させた。単離一次ヒト細胞を次にカラムに適用した。C
D3陰性細胞をそこに通した。カラムを9 ml(3 x 3 ml)のMACS緩衝液です
すいだ。次にカラムを磁場から取り出して、15 mlのファルコン管に入れた。5 m
lのMACS緩衝液をカラムに入れて、CD3+細胞を溶離し、メーカーにより
提供されたプランジャーを用いて、結合細胞を洗い落とした。CD3磁気ビーズ
とともに細胞をインキュベートし、洗浄して、前記のVS+カラム工程(インキ
ュベーション〜溶離)をさらに5回反復した。その結果生じたCD3+6回のカ
ラム分離からの分画をプールした。CD3+選定ヒトT細胞の収量は、全部で3
x 108細胞であった。
【0199】 プールしたCD3+選定ヒトT細胞の試料を取り出して、染色し、蛍光抗体細
胞分類機(FACS)で分類して、その純度を査定した。CD3+選定ヒトT細
胞は91%CD3+細胞であった。
【0200】 RPMI+5%FBS+PMA 10 ng/mlおよびイオノマイシン0.5μg/ml(Ca
lbiochem)中で37℃で13時間インキュベートすることにより、CD3+選定ヒト
T細胞を活性化した。これらの活性化CD3+選定ヒトT細胞からの上清を、下
記のようにZalpha11活性に関して検定した。
【0201】 D.BaF3/Zalpha11細胞および Alamar Blue増殖検定を用いたZalpha11活
性に関する活性化CD3+選定ヒトT細胞からの上清の検定 BaF3/Zalpha11細胞を遠心分離して、mIL−3無含有培地中で洗浄した
。細胞を遠心分離して、3回洗浄し、mIL−3を確実に除去した。次に細胞を
血球計で計数した。細胞を、mIL−3無含有培地を用いて、100μl/ウエルの
容量で、5000細胞/ウエルで96ウエルフォーマットでプレート化した。
【0202】 mIL−3無含有培地で50 %、25%、12.5%、6.25%、3.125%、1.5%、0.7
5%および0.375%濃度に稀釈した活性化CD3+選定ヒトT細胞(前記実施例8
C参照)からコンディショニング培地を用いて、BaF3/Zalpha11細胞の増殖
を査定した。100μlの稀釈状態調節培地をBaF3/Zalpha11細胞に付加した。
全検定容量は200μlである。検定プレートを前記の実施例8Bと同様にインキュ
ベートし、検定した。
【0203】 結果は、活性化CD3+選定ヒトT細胞状態調節培地中に存在する因子に対す
るBaF3/Zalpha11細胞の増殖応答を確証した。測定されたように、応答は、
50%濃度でのバックグラウンドの約10倍であった。BaF3野生型細胞はこの因
子に応答して増殖せず、これは、この因子がZalpha11受容体に特異的であること
を示す。
【0204】 実施例9 zalpha11可溶性レセプター;zalpha11CEE、zalpha
11CFLG、zalpha11CHIS及びzalpha11−Fc4を発現
する哺乳動物発現ベクターの構築 A.zalpha11CEE、zalpha11CFLG及びzalpha1
1CHSを含むzalpha11哺乳動物発現ベクターの構築 zalpha11ポリペプチドの可溶性細胞外ドメインの発現のため、発現ベ
クターpC4zalpha11CEEを調製した。ここで、この構築体は推定開
始メチオニンを含んで成り、推定トランスメンブランドメインの隣りでトランス
ケーションされ、そしてC−末端Glu−Gluタグを有するzalpha11
ポリペプチドを発現するようにデザインされている(SEQ ID NO:41
)。
【0205】 700bpのPCR構築zalpha11DNAフラグメントをPCRプライ
マーとしてZC19,931(SEQ ID NO:42)及びZC19,93
2(SEQ ID NO:43)を用いて構築し、Asp718及びBamHI
制限部位を付加した。zalpha11レセプターcDNAを含むプラスミドを
鋳型として用いた。zalpha11フラグメントのPCR増幅は下記の通りに
実施した。94℃、0.5分を25サイクル;94℃を10秒、50℃30秒、
68℃を45秒を5サイクル;次いで4℃に維持。反応体はクロロホルム/フェ
ノール抽出及びイソプロパノール沈殿により精製し、そしてAsp718及びB
amHI(Gibco BRL)でその製造者のプロトコールに従って消化した
。推定サイズ700bpのバンドを1%のアガロースゲル電気泳動により目視化
し、切り出し、そしてQiaexII(商標)精製システム(Qiagen)を利
用し、その製造者の仕様書に従って精製した。
【0206】 切り出したDNAをBamHI及びAsp718で切断したプラスミドpC4
EEにサブクローニングした。pC4zalpha11CEE発現ベクターは天
然zalphaIIシグナルペプチドを利用し、そしてGlu−Gluタグ(SE
Q ID NO:41)をzalpha11ポリペプチドコードポリヌクレオチ
ド配列のC末端に付加する。プラスミドpC4EEはマウスメタロチオネイン−
1プロモーター、コード配列の挿入のための多重制限部位、停止コドン及びヒト
成長ホルモンターミネーターを有する発現カセットを含む哺乳動物発現ベクター
である。このプラスミドは更にE.コリ複製起点、SVプロモーター、エンハン
サー及び複製起点を有する哺乳動物選択マーカー発現ユニット、DHFR遺伝子
及びSV40ターミネーターを有する。
【0207】 約30ngの制限消化zalpha11インサート及び約12ngの消化ベク
ターを16℃で一夜かけてライゲーションした。1μlの各ライゲーション反応
体を個別のDH10Bコンピテント細胞(GIBCO BRL,Gaither
sburg,MD)の中に製造者の指示に従ってエレクトロポレーションし、そ
して50mg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレーティングし、
そして一夜インキュベーションした。コロニーを2mlの個々のコロニーの液体
を培養物から調製したDNAの制限分析によりスクリーニングした。陽性クロー
ンのインサート配列を配列分析に確認した。大量スケールプラスミド調製をQI
AGEN(登録商標)Maxi prepキット(Qiagen)を用い、製造
者の仕様書に従って行った。
【0208】 一列に並んだ6個のHis残基から成るC末端hisタグ、及びC末端フラグ
(SEQ ID NO:49)タグ、zalpha11CFLAGを有するza
lpha11可溶性レセプターを調製するために同じ手順を利用した。これらの
構築体を構築するため、上記のベクターはglu−gluタグ(SEQ ID
NO:4)の代わりにHIS又はFLAG(登録商標)のいずれかを有する。
【0209】 B.可溶性zalpha11レセプターzalpha11−Fc4の哺乳動物
発現構築 zalpha11をコードするポリヌクレオチド全体又は一部を含む発現プラ
スミドを相同組換を介して構築した。zalpha11レセプターの細胞外ドメ
イン由来のポリヌクレオチド配列を含むzalpha11cDNAのフラグメン
トをPCRを利用して単離した。zalpha11フラグメントの製造に用いた
2つプライマーは:(1)各々が5′から3′末端にかけて:40bpのベクタ
ーフランキング配列(インサートの5′)及びzalpha11細胞外ドメイン
の5′末端と対応する17bp(SEQ ID NO:44)を含むPCR用プ
ライマー;並びに(2)40bpのFc4ポリヌクレオチド配列の5′末端(S
EQ ID NO:45)及びzalpha11細胞外ドメインの3′末端に対
応する17bp(SEQ ID NO:46)とした。zalpha11との融
合のためのFc−4のフラグメントは同じようにしてPCRにより作った。Fc
4フラグメントの製造に利用した2つのプライマーは:(1)zalpha11
細胞外ドメインの3′末端から40bpの配列及びFc4の5′末端の17bp
(SEQ ID NO:47)から成る5′プライマー;並びに(2)ベクター
配列の40bp(インサートの3′)及びFc4の3′末端の17bp(SEQ
ID NO:48)から成る3′プライマー;とした。
【0210】 上記の各々の反応のPCR増幅は下記の通りにして実施した:94℃、2分を
1サイクル;94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で1分を25サイクル;
72℃で5分を1サイクル;次いで4℃で保持。100μlのPCR反応物のう
ち10μlを分析のために0.8%のLMPアガロースゲル(Seaplauq
ue GTG)上に1×TBEバッファで泳動させた。残りの90μlの反応物
は5μlの1MのNaCl及び250μlの無水エタノールの添加により沈殿さ
せた。使用した発現ベクターはプラスミドpCZR199(American
Type Culture Collection,10801 Univer
sity Boulevard,Manassas,VA 20110−220
9に寄託され、No.98668と番号付与されている)とし、そしてSmaI
(BRL)で切った。この発現ベクターはプラスミドpCZR199に由来し、
そしてCMV即時初期プロモーター、マウスイムノグロブリン重鎖座の可変領域
由来の共通イントロン、コード配列の挿入のための多重制限部位、停止コドン及
びヒト成長ホルモンターミネーターを有する発現カセットを含む。この発現ベク
ターはE.コリ複製起点、SV40プロモーター、エンハンサー及び複製起点を
有する哺乳動物選択マーカー発現ユニット、DHFR遺伝子及びSV40ターミ
ネーターを有する。使用した発現ベクターはpCZR199から、メタロチオネ
インプロモーターのCMV即時初期プロモーターとの置換により構築した。
【0211】 100μlのコンピテント酵母細胞(S.cerevisiae)を約1mg
づつのzalpha11及びFc4インサートを含む10μl並びに100ng
のSmaI(BRL)消化発現ベクターと合わせ、そして0.2cmのエレクト
ロポレーションキュベットに移した。酵母/DNA混合物を0.75kV(5k
V/cm)、「無限」ohm、25μFでエレクトロパルスした。各キュベット
に600μlの1.2Mのソルビトールを加え、そして酵母を2つの300μl
のアリコートにわけて2枚のURA−Dプレートに載せ、そして30℃でインキ
ュベーションした。
【0212】 48時間後、一枚のプレートに由来するUra+酵母形質転換体を1mlのH 2 Oに再懸濁し、そして軽く遠心分離して酵母細胞をペレットにした。この細胞
ペレットを1mlの溶解バッファー(2%のTriton X−100、1%の
SDS、100mMのNaCl、10mMのトリス、pH8.0、1mMのED
TA)に再懸濁した。500μlのこの溶解混合物を300μl、酸洗浄ガラス
ビーズ及び200μlのフェノール−クロロホルムを含むエッペンドルフチュー
ブに入れ、1分の間隔で2又は3回ボルテックスにかけ、次いでエッペンドルフ
遠心機で最大スピードで5分遠心分離した。300μlの水性相を新鮮なチュー
ブに移し、そしてDNAを600μlのエタノール(EtOH)で沈殿させ、次
いで4℃で10分遠心分離した。このDNAペレットを100μlのH2Oに再
懸濁した。
【0213】 エレクトロコンピテントE.コリ細胞(DH10B、Gibco BRL)の
形質転換は0.5〜2mlの酵母DNAプレプ及び40μlのDH10B細胞で
行った。細胞を2.0kV、25mF及び400ohmでエレクトロパルスした
。エレクトロポレーションの後、1mlのSOC(2%のBactoe Try
ptone(Difco,Detroit,MI)、0.5%の酵母エキス(D
ifco)、10mMのNaCl、2.5mMのKCl、10mMのMgCl2
、10mMのMgSO4、20mMのグルコース)を250μlのアリコートで
4枚のLB AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%のBac
to Agar(Difco)、100mg/Lのアンピシリン)にまいた。
【0214】 zalpha11−Fc4についての適正な発現構築体を保有する個々のクロ
ーンを制限消化により固定し、zalpha11−Fc4の存在を確認し、且つ
様々なDNA配列が互いと連結し合ったかを確認した。陽性クローンのインサー
トを配列分析にかけた。大量スケールプラスミドDNAはQiagen Max
iキット(Qiagen)を利用し、製造者の仕様に従って単離した。
【0215】 実施例10 Zalpha11可溶性レセプターポリペプチドのトランスフェクションおよ
び発現 27継代のBHK 570細胞(ATCC No.CRL−10314)を1
.2×106細胞/穴(6穴プレート)で、800μlの血清を含まない(SF
)DMEM培地(DMEM,Gibco/BRL High Glucose)
(Gibco BRL, Gaithersburg,MD)中で培養した。細
胞を、Lipofectin(商標)(Gibco BRL)を用い、血清を含
まない(SF)DMEM中で、上述のzalpha11CEE/CFLG/CH
ISを含む発現プラスミドでトランスフェクションした。zalpha11CE
E/CFLG/CHISのそれぞれ3マイクログラムを別々に1.5mlチュー
ブ中で全最終容積100μlのSF DMEMまで希釈した。別々なチューブ中
で、15μlのLipofectin(商標)(Gibco BRL)を100
μlのSF DMEMと混合した。Lipofectin(商標)ミックスを室
温で30〜45分培養し、DNAミックスを加えて室温で約10〜15分培養し
た。
【0216】 全DNA:Lipofectin(商標)混合物を培養した細胞に加え、それ
らに均一に分配した。細胞を37℃で約5時間培養し、最終容積30mlのDM
EM/5%ウシ胎仔血清(FBS)(Hyclone,Logan,UT)で別
々な150mm MAMIプレートに移した。プレートを37℃、5%CO2
終夜培養し、翌日DNA:Lipofectin(商標)混合物を選択培地(1
μMメトトレキセート(MTX)を含む5%FBS/DMEM)と交換した。
【0217】 トランスフェクション後約10〜12日に、プレートを10ml SF DM
EMで洗浄した。洗浄媒体を吸引し7.25mlの血清を含まないDMEMと交
換した。SF DMEMに予備浸漬した滅菌済みテフロンの網(Spectru
m Medical Industries,Los Angeles,CA)
をクローン細胞コロニーの上に置いた。SF DMEMに予備浸漬した滅菌済み
ニトロセルロースフィルターを網の上に置いた。ニトロセルロースの方向付けマ
ークを培養皿に移した。プレートを37℃、5%CO2のインキュベーター中で
5〜6時間インキュベーションした。
【0218】 インキュベーションの後、フィルター/網を除去し、培地を吸引して1μMの
MTXを含む5% FBS/DMEMと交換した。10%脱脂粉乳/Weste
rn Aバッファー(Western A:50mM Tris pH7.4,
5mM EDTA,0.05%NP−40,150mM NaClおよび0.2
5%ゼラチン)中で、回転震盪器を用い15分間室温でフィルターをブロックし
た。フィルターを、それぞれ抗−Glu−Glu、anti−FLAGまたは抗
−HIS抗体−HRPコンジュゲートとともに、2.5%脱脂粉乳/Weste
rn Aバッファー中で、回転震盪器を用い1時間室温で培養した。フィルター
を室温で、各洗浄毎5〜10分間Western Aで3回洗浄した。フィルタ
ーをultra ECL試薬(Amersham Corp.,Arlingt
on Heights,IL)でメーカーの指示どおり現像し、Lumi−Im
ager(Roche Corp.)上に映像化した。
【0219】 正の発現クローンコロニーを機械的に12穴プレートの5μM MTXを含む
5%FCS/DMEMの1ml中に拾って移し、集密まで成長させた。コンディ
ショニング済み培地試料を、SDS−PAGEおよびWestern分析により
発現レベルについて試験した。各コンストラクトについて最も高い3つの発現ク
ローンを拾った。3つのうち2つはバックアップとして凍結し、1つをマイコプ
ラズマ試験および大規模工場播種のために展開した。
【0220】 B.可溶性zalpha11レセプターzalpha11−Fc4の哺乳類発
現 BHK 570細胞(ATCC No:CRL−10314)を10cm細胞
培養皿で培養し、DMEM/FBS培地(DMEM,Gibco/BRL Hi
gh Glucose,(Gibco BRL,Gaithersburg,M
D)、5%ウシ胎仔血清(Hyclone,Logan,UT)、1mM L−
グルタミン(JRH Biosciences,Lenexa,KS)、1mM
ピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)中で、37℃、5%CO2で終夜
約50〜70%の集密度まで成長させた。次いで細胞を、血清を含まない(SF
)培地配合物(DMEM,10mg/mgトランスフェリン,5mg/mlイン
シュリン,2mg/mlフェチュイン,1%L−グルタミンおよび1%ピルビン
酸ナトリウム)中で、Lipofectamine(商標)(Gibco BR
L)を用い、zalpha11−Fc4(実施例9参照)を含むプラスミドでト
ランスフェクションした。zalpha11−Fc4を含むプラスミドを15m
lチューブ中で、SF培地で全最終容積640mlに希釈した。35mlのLi
pofectamine(商標)(Gibco BRL)を605mlのSF培
地と混合した。Lipofectamine(商標)ミックスをDNAミックス
に加え、室温で約30分間培養した。5mlのSF培地をDNA:Lipofe
ctamine(商標)混合物に加えた。細胞を5mlのSF培地で1回すすぎ
、吸引して、DNA:Lipofectamine(商標)混合物を加える。細
胞を37℃で5時間培養し、次いで6.4mlのDMEM/10%FBS,1%
PSN培地を各プレートに加えた。プレートを37℃で終夜培養し、翌日DNA
:Lipofectamine(商標)混合物を新鮮な5%FBS/DMEM培
地と交換した。トランスフェクション後2日目に、細胞を、150mmプレート
中の選択培地(上記のDMEM/FBS培地に1mMメトトレキセート(Sig
ma Chemical Co.,St.Louis,MO)を加えたもの)中
に1:10,1:20および1:50で分割した。細胞上の培地はトランスフェ
クション後5日目に新鮮な選択培地と交換した。トランスフェクション後約10
日目に、各トランスフェクションからのメトトレキセート耐性コロニーの150
mm培養皿2つをトリプシン処理し、細胞をT−162フラスコに溜めて培養し
、大規模培養へと移した。
【0221】 実施例11 BHK570細胞からのzalpha11可溶性レセプターの精製 A.BHK570からのzalpha11CEEポリペプチドの精製 特に記さない限り、全ての操作は4℃で行った。以下の手順により、C−末端
GluGlu(EE)タグを含むzalpha11ポリペプチドを精製した。細
胞工場コンディショニング済み培地30リットルを、ProFlux A30で
Amicon S10Y3らせん型カートリッジを用い1.6リットルに濃縮し
た。プロテアーゼインヒビター溶液を、トランスフェクションされたBHK57
0細胞から得た(実施例10参照)濃縮された1.6リットルの細胞工場コンデ
ィショニング済み培地に加え、最終濃度を2.5mMのエチレンジアミン四酢酸
(EDTA,Sigma Chemical Co.St.Louis,MO)
、0.003mMのロイペプチン(Boehringer−Mannheim,
Indianapolis,IN)、0.001mMのペプスタチン(Boeh
ringer−Mannheim)および0.4mMのPefabloc(Bo
ehringer−Mannheim)とした。試料を分析のために除き、大部
分を、精製を始めるまで−80℃で凍結した。濃縮された細胞工場コンディショ
ニング済み培地の全標的タンパク質濃度は、SDS−PAGEまたは抗−EE
HRP複合抗体を用いたウェスタンブロット分析により決定した。
【0222】 100mlカラムの抗−EE G−Sepharose(以下で述べるように
調製)を、Waters AP−5、5cm×10cmガラスカラムに注いだ。
カラムをフローパックし、BioCad Sprint(PerSeptive
BioSystems,Framingham,MA)でpH7.4のリン酸
緩衝食塩水(PBS)と平衡化した。濃縮された細胞工場コンディショニング済
み培地を解凍し、0.2ミクロン滅菌済みフィルターに通し、pHを7.4に調
整し、次いで1ml/分の流量で終夜カラムに充填した。カラムを、10カラム
体積(CVs)のリン酸緩衝食塩水(PBS,pH7.4)で洗浄し、5ml/
分で0.5mg/mlEEペプチド(Anaspec,San Jose,CA
)を含むPBS(pH6.0)の200mlでプラグ溶出させた。使用したEE
ペプチドは、配列EYMPME(SEQ ID NO:41)を有する。カラム
を10カラム体積のPBSで洗浄し、5カラム体積の0.2MグリシンpH3.
0で溶出した。グリシン溶出カラムのpHを2カラム体積の5X PBSで7.
0に調整し、PBS(pH7.4)中で平衡化した。溶出クロマトグラフィー全
体にわたり5mlのフラクションを集め、280および215nmでの吸光度を
モニターした。通過液および洗浄用液体も取っておき分析した。EEポリペプチ
ド溶出ピークフラクションを、SDS−PAGE銀染色および抗−EE HRP
複合抗体を用いたウェスタンブロットにより、標的タンパク質について分析した
。目的とするポリペプチド溶出フラクションを溜め、10,000ダルトン分子
量カットオフ膜スピン濃縮器(Millipore,Bedford,MA)を
用いメーカーの指示に従い60mlから5.0mlに濃縮した。
【0223】 zalpha11CEEをともに精製された他のタンパク質から分離するため
、濃縮ポリペプチド溶出液を溜めたフラクションを、pH8.0でPOROS
HQ−50(PerSeptive BioSystems,Framingh
am,MAの強アニオン交換樹脂)にかけた。1.0×6.0cmカラムを注ぎ
、BioCad Sprintでフローパックした。カラムに対イオンを充填し
、20mM Tris pH8.0(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)
)で平衡化した。試料を1:13に希釈し(PBSのイオン強度を下げるため)
、次いでPoros HQカラムに5ml/分で充填した。カラムを10カラム
体積の20mM Tris pH8.0で洗浄し、10ml/分で20mM T
ris/1M 塩化ナトリウム(NaCl)の40カラム体積勾配で溶出した。
溶出クロマトグラフィー全体にわたり1.5mlのフラクションを集め、280
および215nmでの吸光度をモニターした。溶出ピークフラクションを、SD
S−PAGE銀染色で分析した。目的とするフラクションを溜め、10,000
ダルトン分子量カットオフ膜スピン濃縮器(Millipore,Bedfor
d,MA)を用いメーカーの指示に従い1.5〜2.0mlに濃縮した。
【0224】 zalpha11CEEポリペプチドを遊離EEペプチドおよび同時に精製さ
れる汚染性のタンパク質から分離するため、溜めておいた濃縮フラクションを、
BioCad sprintを用い、PBSで平衡化しそれを充填してある1.
5×90cm Sephadex S200(Pharmacia,Pisca
taway,NJ)カラムのカラムクロマトグラフィーに1.0ml/分でかけ
た。溶出クロマトグラフィー全体にわたり1.5mlのフラクションを集め、2
80および215nmでの吸光度をモニターした。ピークフラクションを、SD
S−PAGE銀染色でキャラクタリゼーションし、最も純粋なフラクションのみ
を集めた。この物質は、zalpha11CEEポリペプチドを表している。
【0225】 最後に、残存するエンドトキシンを除くため、この精製された物質を4ml
ActiClean Etox(Sterogene)カラムにかけた。試料を
、PBSで平衡化したグラビティーカラムに4回通し、次いでカラムを3mlの
PBSで洗浄しそれを「浄化された」試料とともに溜めた。前記物質を、0.2
ミクロン滅菌済みフィルターに通し、小分けするまで−80℃で保存した。
【0226】 ウェスタンブロットを行ったクマジーブルーおよび銀染色SDS−PAGEゲ
ル上で、zalpha11CEEポリペプチドは、見かけの分子量50,000
ダルトンの単一の主要なバンドであった。このバンドの移動性は、還元性および
非還元性ゲルで同じであった。
【0227】 精製された物質のタンパク質濃度は、BCA分析(Pierce,Rockf
ord,IL)により決定し、タンパク質を等分し、発明者らの標準手順により
−80℃で保存した。このタンパク質はIEF(等電収束)ゲル上で4.5未満
のPIで移動する。zalpha11CEEポリペプチドの濃度は1.0mg/
mlであった。
【0228】 精製されたzalpha11CEEポリペプチドをウサギへの注射用に調製し
、抗体製造のためR&R Research and Development
(Stanwood,WA)に送った。ウサギに注射し、抗−huzalpha
11−CEE−BHK血清(以下の実施例15)を製造した。
【0229】 抗−EE Sepharoseを調製するため、100ml床容積のプロテイ
ンG−Sepharose(Pharmacia,Piscataway,NJ
)を、500mlのNalgene 0.45ミクロンフィルターユニットを用
いて、0.02%のアジ化ナトリウムを含むPBS 100mlで3回洗浄した
。ゲルを、6容積の200mMのトリエタノールアミンpH8.2(TEA,S
igma,St.Louis,MO)で洗浄し、900mgの抗体を含む等容積
のEE抗体溶液を添加した。4℃で終夜培養後、未結合の抗体を、上述のとおり
200mMのTEA5容積で樹脂を洗浄することにより除いた。樹脂を2容積の
TEA中に再懸濁し、適当な容器に移し、TEAに溶解しているジメチルピミリ
ミデート−2HCl(Pierce,Rockford,IL)を加えて、プロ
テインG−Sepharoseゲルの最終濃度を36mg/mlにした。ゲルを
室温で45分間震盪し、上述のとおりフィルターユニットを用いて液体を除いた
。ゲル上の非特異的部位を、200mMのTEA中の20mMエタノールアミン
5容積により室温で10分間培養することによりブロックした。0.02%のア
ジ化ナトリウムを含む5容積のPBSでゲルを洗浄し、この溶液中に4℃で保存
した。
【0230】 B.BHK570から得たzalpha11CFLAGポリペプチドの精製 特に断りのない限り、全ての操作は4℃で行った。以下の手順により、C末端
FLAG(FLG)(Sigma−Aldrich Co.)タグを含むzal
pha11ポリペプチドを精製した。30リットルの細胞工場コンディショニン
グ済み培地をProFlux A30でAmicon S10Y3らせん型カー
トリッジを用い1.7リットルに濃縮した。プロテアーゼインヒビター溶液を、
トランスフェクションされたBHK570細胞から得た(実施例10参照)濃縮
された細胞工場コンディショニング済み培地1.7リットルに加え、最終濃度を
2.5mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA,Sigma Chemica
l Co.St.Louis,MO)、0.003mMのロイペプチン(Boe
rhinger−Mannheim,Indianapolis,IN)、0.
001mMのペプスタチン(Boerhinger−Mannheim)および
0.4mMのPefabloc(Boerhinger−Mannheim)と
した。試料を分析のために除き、大部分を、精製を始めるまで−80℃で凍結し
た。細胞工場コンディショニング済み培地の全標的タンパク質濃度は、SDS−
PAGEおよび抗−FLAG(Kodak)HRP複合抗体を用いたウェスタン
ブロット分析により決定した。125mlカラムの抗−FLAG M2−Aga
roseアフィニティーゲル(Sigma−Aldrich Co.)を、Wa
ters AP−5、5cm×10cmガラスカラムに注いだ。カラムをフロー
パックし、BioCad Sprint(PerSeptive BioSys
tems,Framingham,MA)でpH7.4のリン酸緩衝食塩水(P
BS)と平衡化した。濃縮された細胞工場コンディショニング済み培地を解凍し
、0.2ミクロン滅菌済みフィルターに通し、pHを7.4にコンディショニン
グし、次いで1ml/分の流量で終夜カラムに充填した。カラムを、10カラム
体積(CVs)のリン酸緩衝食塩水(PBS,pH7.4)で洗浄し、5ml/
分で0.5mg/mlのFLAG(Sigma−Aldrich Co.)ペプ
チドを含むPBS(pH6.0)の250mlでプラグ溶出させた。使用したF
LAGペプチドは、配列DYKDDDDK(SEQ ID NO:49)を有し
ている。カラムを10カラム体積のPBSで洗浄し、5カラム体積の0.2Mグ
リシンpH3.0で溶出した。グリシン溶出カラムのpHを2カラム体積の5X
PBSで7.0にコンディショニングし、PBS(pH7.4)中で平衡化し
た。溶出クロマトグラフィー全体にわたり5mlのフラクションを集め、280
および215nmでの吸光度をモニターした。通過液および洗浄用液体も取って
おき分析した。FLAGポリペプチド溶出ピークフラクションを、SDS−PA
GE銀染色およびanti−FLAG HRP複合抗体を用いたウェスタンブロ
ットにより、目標タンパク質について分析した。目的とするポリペプチド溶出フ
ラクションを溜め、10,000ダルトン分子量カットオフ膜スピン濃縮器(M
illipore,Bedford,MA)を用いメーカーの指示に従い80m
lから12mlに濃縮した。
【0231】 zalpha11CFLGをともに精製された他のタンパク質から分離するた
め、ポリペプチド溶出を溜めたフラクションを、pH8.0でPOROS HQ
−50(PerSeptive BioSystems,Framingham
,MAの強アニオン交換樹脂)にかけた。1.0×6.0cmカラムを注ぎ、B
ioCad Sprintでフローパックした。カラムに対イオンを充填し、2
0mM Tris pH8.0(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン))で
平衡化した。試料を1:13に希釈し(PBSのイオン強度を下げるため)、次
いでPoros HQカラムに5ml/分で充填した。カラムを10カラム体積
の20mMTris pH8.0で洗浄し、10ml/分で20mM Tris
/1M 塩化ナトリウム(NaCl)の40カラム体積勾配で溶出した。溶出ク
ロマトグラフィー全体にわたり1.5mlのフラクションを集め、280および
215nmでの吸光度をモニターした。溶出ピークフラクションを、SDS−P
AGE銀染色で分析した。目的とするフラクションを溜め、10,000ダルト
ン分子量カットオフ膜スピン濃縮器(Millipore,Bedford,M
A)を用いメーカーの指示に従い1.5〜2.0mlに濃縮した。
【0232】 zalpha11CFLGポリペプチドを遊離FLAGペプチドおよび同時に
精製される汚染性のタンパク質から分離するため、溜めておいた濃縮フラクショ
ンを、BioCad Sprintを用い、PBSで平衡化しそれを充填してあ
る1.5×90cm Sephacryl S200(Pharmacia,P
iscataway,NJ)カラムのカラムクロマトグラフィーに1.0ml/
分でかけた。溶出クロマトグラフィー全体にわたり1.5mlのフラクションを
集め、280および215nmでの吸光度をモニターした。ピークフラクション
を、SDS−PAGE銀染色でキャラクタリゼーションし、最も純粋なフラクシ
ョンのみを集めた。この物質は、zalpha11CFLGポリペプチドを表し
ている。
【0233】 最後に、残存するエンドトキシンを除くため、この精製された物質を4ml
ActiClean Etox(Sterogene)カラムにかけた。試料を
、PBSで平衡化したグラビティーカラムに4回通し、次いでカラムを3mlの
PBSで洗浄しそれを「浄化された」試料とともに溜めた。前記物質を、0.2
ミクロン滅菌済みフィルターに通し、小分けするまで−80℃で保存した。
【0234】 ウェスタンブロットを行ったクマジーブルーおよび銀染色SDS−PAGEゲ
ル上で、zalpha11CFLGポリペプチドは、見かけの分子量50,00
0ダルトンの単一の主要なバンドであった。このバンドの移動性は、還元性およ
び非還元性ゲルで同じであった。
【0235】 精製された物質のタンパク質濃度は、BCA分析(Pierce,Rockf
ord,IL)により決定し、タンパク質を小分けし、発明者らの標準手順によ
り−80℃で保存した。このタンパク質は、IEF(等電収束)ゲル上で4.5
未満のPIで移動する。zalpha11CFLGポリペプチドの濃度は1.2
mg/mlであった。
【0236】 C.トランスフェクションされたBHK 570細胞から得たzalpha1
1−Fc4ポリペプチドの精製 特に断りのない限り、全ての操作は4℃でおこなった。以下の操作により、ヒ
トIgG/Fc(zalpha11−Fc4;実施例8および9)へのC末端融
合を含むzalpha11ポリペプチドを精製した。zalpha11−Fc4
(実施例10)でトランスフェクションしたBHK 570細胞から得た12,
000mlのコンディショニング済み培地を、0.2mm滅菌フィルターに通し
て濾過し、プロテアーゼインヒビターの溶液を補い、最終濃度を0.001mM
のロイペプチン(Boerhinger−Mannheim,Indianap
olis,IN)、0.001mMのペプスタチン(Boerhinger−M
annheim)および0.4mMのPefabloc(Boerhinger
−Mannheim)とした。プロテインGセファロース(6ml床容積、Ph
armacia Biotech)を詰め、500ml PBS(Gibco/
BRL)で洗浄した。補われたコンディショニング済み培地を10ml/分の流
量でカラムに通し、その後1000ml PBS(BRL/Gibco)で洗浄
した。zalpha11−Fc4を0.1MのグリシンpH3.5でカラムから
溶出させ、2mlのフラクションを直接0.2mlの2M Tris pH8.
0中に集め、フラクション中の最終pHを7.0に調整した。
【0237】 溶出したフラクションを、SDS−PAGEおよび抗ヒトFc(Amersh
am)抗体を用いたウェスタンブロットでキャラクタリゼーションした。還元性
SDS−PAGEゲルのウェスタンブロット分析は、フラクション2〜10中の
80,000kDaの免疫反応性プロテインを示した。銀染色SDS−PAGE
ゲルも、フラクション2〜10中の80,000kDa zalpha11:F
cポリペプチドを示した。フラクション2〜10を集めた。
【0238】 集めたフラクションのタンパク質濃度は、BCA分析(Pierce,Roc
kford,IL)により決定し、前記物質を小分けし、発明者らの標準手順に
より−80℃で保存した。集めたフラクションの濃度は0.26mg/mlであ
った。
【0239】 実施例12 拮抗的阻害アッセイにおけるzalpha11可溶性レセプターzalpha
11CEE,zalpha11CFLGおよびzalpha11−Fc4(突然
変異体)を用いるアッセイ BaF3/Zalpha11細胞をスピンダウンし、mIL−3無含有培地中
で洗浄した。細胞をスピンし3回洗浄して確実にmIL−3を除去した。次いで
細胞をヘマサイトメーターで計測した。mIL−3無含有培地を用い、穴あたり
100μlの容積に穴あたり5000細胞で、細胞を96穴フォーマットに培養
した。
【0240】 サル脾臓細胞活性化および上記の実施例8で記載したCD3+選択細胞からの
両培地を、10μg/mlのzalpha11可溶性レセプター(CEE,C−
フラッグおよびFc4構築体;実施例10および11参照)のある条件とない条
件で、50%、25%、12.5%、6.25%、3.125%、1.5%、0
.75%および0.375%の濃度で別々の実験に添加した。全アッセイ容積は
200μlであった。
【0241】 アッセイプレートを37℃、5%CO2で3日間培養し、Alamar Bl
ue(Accumed)を20μl/穴で加えた。プレートを再び、37℃、5
%CO2で24時間培養した。上述のとおり(実施例5)、プレートをFmax
(商標)プレートリーダー(Molecular Devices)で読んだ。
その結果は、10μg/mlでの異なるzalpha11可溶性レセプター構築
体のそれぞれからの細胞成長の完全な阻害を示し、各試料中の因子がzalph
a11レセプターに特異的であることを確認した。
【0242】 可溶性レセプターを希釈した滴定曲線も上述のアッセイを用いて行った。za
hpha11 CEEおよびzalpha11CFLG可溶性zalpha11
レセプターは、20ng/mlの低濃度で成長を完全に阻害できた。突然変異体
zalpha11−Fc4可溶性zalpha11レセプターは1.5μg/m
lでやっと同様の効果を示した。
【0243】 実施例13 大腸菌中でのヒトzalpha11の発現 A.huzalpha11/MBP−6H融合ポリペプチドを発現する発現ベ
クターpCZR225の構築 マルトース結合タンパク質(MBP)にC末端で融合しているヒトzalph
a11可溶性レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現プラスミドを
相同的組換えにより構築した。MBP−zalpha11可溶性レセプター融合
ポリペプチドのポリヌクレオチド配列は、配列番号50に示されており、対応す
るタンパク質配列は配列番号51に示されている。実施例14においてhuza
lpha11/MBP−6Hと呼ばれる融合ポリペプチドは、ヒトzalpha
11可溶性レセプター(配列番号51のアミノ酸389(Cys)からアミノ酸
606(His))に融合したMBP部分(配列番号51のアミノ酸1(Met
)からアミノ酸388(Ser))を含む。ヒトzalpha11 cDNA(
配列番号52)のフラグメントを、PCRを用いて単離した。PCR反応におい
てヒトzalpha11フラグメントの製造に2つのプライマーを用いた。(1
)40bpのベクターフランキング配列およびヒトzalpha11のアミノ末
端に対応する25bpを含むプライマーZC20,187(配列番号53)なら
びに(2)フランキングベクター配列に対応する3’末端の40bpおよびヒト
zalpha11のカルボキシ末端に対応する25bpを含むプライマーZC2
0,185(配列番号54)である。PCR反応条件は以下のとおりである。9
4℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃で1分間25サイクル;その後4℃
で浸漬、複製運転である。100μlのPCR反応物の2μlを、1×TBS緩
衝液を含む1.0%アガロースゲルに流して分析し、予想された660bpのフ
ラグメントが見られた。残りの90μlのPCR反応物を、400μl無水エタ
ノールで沈殿した第2のPCRチューブと合わせた。沈殿したDNAは、Sma
切断したレシピエントベクターpTAP98への組み換えに使用し、以下のとお
りMBP−zalpha11融合をコードする構築体を作った。
【0244】 プラスミドpTAP98を、プラスミドpRS316およびpMAL−c2か
ら誘導した。プラスミドpRS316は、Saccharomyces cer
evisiae シャトルベクター(Hieter P.and Sikors
ki,R.,Genetics 122:19−27,1989)である。p−
MAL−C2は(NEB)、E.Coli発現プラスミドである。これは、Ma
lE(MBPをコードする遺伝子)を駆動するタックプロモーターを担持し、そ
の後にHisタグ、トロンビン開裂部位、クローニング部位およびrrnBター
ミネーターがある。ベクターpTAP98は、酵母相同的組み換えを用いて構築
した。100ngのEcoR1切断pMAL−c2を、1μgのPvul切断p
RS316、1μgのリンカーおよび1μgのScal/EcoR1切断pRS
316で組み換えた。前記リンカーは、PCR反応で結合させたオリゴZC19
,372(配列番号55)(100pmol);ZC19,351(配列番号5
6)(1pmol);ZC19,352(配列番号57)(1pmol)および
ZC19,371(配列番号58)(100pmol)からなっていた。PCR
反応条件は以下のとおりである。94℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃
で30秒間10サイクル;その後4℃で浸漬である。PCR生成物を100%エ
タノール沈殿により濃縮した。
【0245】 コンピテント酵母細胞(S.cerevisiae)100マイクロリットル
を、上記のヒトzalpha11レセプターPCR生成物約1μgおよびSma
I消化pTAP98ベクター100ngを含む混合物10μlと混合し、0.2
cmエレクトロポレーションキュベットに移した。酵母/DNA混合物を、0.
75kV(5kV/cm)、無限オーム、25μFで電気パルスをかけた。各キ
ュベットに、1.2Mソルビトール600μlを加え、次いで酵母を2つのUR
A Dプレート上の2つの300μlずつに分け、30℃でインキュベーション
した。
【0246】 約48時間後に、1つのプレートからのUra+酵母形質転換体を1mlH2
Oに再懸濁させ、短時間スピンして酵母細胞をペレットにした。細胞ペレットを
1mlの溶解緩衝液(2% Triton X−100,1% SDS,100
mM NaCl,10mM Tris,pH8.0,1mM EDTA)に再懸
濁した。溶解混合物500マイクロリットルを、300μlの酸洗浄済みグラス
ビーズおよび200μlのフェノール−クロロホルムを含むエッペンドルフチュ
ーブに加え、1分間隔で2,3回渦を作って撹拌し、エッペンドルフ遠心分離器
内で最大スピードで5分間スピンした。水層300μlを新しいチューブに移し
DNAを600μlエタノール(EtOH)で沈殿させ、4℃で10分間遠心分
離した。DNAペレットを100μlのH2Oに再懸濁した。
【0247】 エレクトロコンピテントE.coli細胞(MC1061,Casadaba
n et al.,J.Mol.Biol.138,179−207)の形質転
換を、1μlの酵母DNAプレプおよび40μlのMC1061細胞で行った。
細胞に、2.0kV、25μFおよび400オームで電気パルスをかけた。電気
穿孔の後、0.6mlのSOC(2% Bacto(商標)Tryptone(
Difco,Detroit,MZ),0.5%の酵母エキス(Difco)、
10mMのNaCl,2.5mMのKCl,10mMのMgCl2,10mMの
MgSO4,20mMのグルコース)を、MM/CA+AMP 100mg/L
プレートに1つとして加えた(Pryor and Leiting,Prot
ein Expression and Purification,10:3
09−319,1997)。
【0248】 ヒトzalpha11レセプターの正しい発現構築体を宿す細胞を発現により
確認した。細胞を、100μg/mlアンピシリンを含むMM/CA中で震盪し
ながら37℃で2時間培養した。1mlの培養物を1mMのIPTGで誘導し、
2〜4時間後に、各培養物250μlを250μlの酸洗浄済みガラスビーズな
らびに5%のβMEおよび染料を含む250μl Thorner緩衝液(8M
尿素,100mM Tris pH7.0,10%グリセロール,2mM ED
TA,5% SDS)と混合した。試料に渦をつくって1分間撹拌し、10分間
65℃に加熱した。20μlを、4%〜12%PAGEゲル(NOVEX)上の
各レーンに置いた。ゲルは1XMES緩衝液中で移動した。陽性のクローンをp
CZR225と呼び、配列分析を行った。MBP−zalpha11融合のポリ
ヌクレオチド配列を配列番号50に示す。
【0249】 B.ヒトhuzalpha11/MBP−6H融合ポリペプチドの細菌発現 1mlの配列DNAを、BL21株を形質転換するために用いた。細胞に、2
.0kV、25μFおよび400オームで電気パルスをかけた。電気穿孔の後、
100mg/Lのアンピシリンを含む0.6ml MM/CA。
【0250】 100μg/mLのアンピシリンを含むMM/CA中で、震盪しながら37℃
で2時間細胞を培養した。培養物の1mlを1mMのIPTGで誘導し、2〜4
時間後に、各培養物250μlを250μlの酸洗浄済みガラスビーズならびに
5%βMEおよび染料を含む250μl Thorner緩衝液(8M尿素,1
00mM Tris pH7.0,10%グリセロール,2mM EDTA,5
% SDS)と混合した。試料に渦をつくって1分間撹拌し、10分間65℃に
加熱した。20μlを、4%〜12%PAGEゲル(NOVEX)上の各レーン
に置いた。ゲルは1XMES緩衝液中に移動した。陽性のクローンを、huza
lpha11/MBP−6H融合タンパク質のタンパク質精製のために培養した
(以下の実施例14)。
【0251】 実施例14 E.coli発酵からのhuzalpha11/MBP−6H可溶性レセプタ
ーの精製 特に断りのない限り、全ての操作を4℃でおこなった。以下の手順により、h
uzalpha11/MBP−6H可溶性レセプターポリペプチドを精製した。
pCZR225構築体を含みhuzalpha11/MBP−6H可溶性レセプ
ター(実施例13)を発現しているE.coli細胞をSuperBroth
II(12g/L Casien、24g/Lの酵母エキス、11.4g/Lの
リン酸二カリウム、1.7g/Lのリン酸カリウム;Becton Dicke
nson,Cockeysville,MD)中で培養し、0.5%グリセロー
ル中で凍結した。SuperBroth II+グリセロール中の20グラムの
凍結細胞を用いてタンパク質を精製した。凍結した細胞を解凍し、プロテアーゼ
インヒビター溶液(Extraction buffer)に1:10で希釈し
た後、細胞を溶解しhuzalpha11/MBP−6H可溶性レセプタータン
パク質を放出した。希釈された細胞は、20mMのTris(JT Baker
,Philipsburg,NJ)、100mMの塩化ナトリウム(NaCl,
Mallinkrodt,Paris,KY)、0.5mMのフェニルメチルス
ルホニルフルオライド(PMSF,Sigma Chemical Co.,S
t.Louis,MO)、2μg/mlのロイペプチン(Fluka,Swit
zerland)および2μg/mlのアプロチニン(Sigma)の最終濃度
であった。−7〜−10℃の温度および30K PSIのFrench Pre
ss細胞破壊システム(Constant Systems Ltd,Warw
ick,UK)を用いて細胞を溶解した。希釈された細胞を、French P
ressの前後でA600の読みにより破壊について確認した。溶解した細胞を1
8,000Gで45分間遠心分離して破壊された細胞のかけらを除き、上清をタ
ンパク質精製に用いた。上清の全目標タンパク質濃度を、BCA Protei
n Assay(Pierce,Rockford,IL)によりメーカーの指
示に従って決定した。
【0252】 25mlカラムのTalon Metal Affinity resin(
Clontech,Palo Alto,CA)(以下で述べるように調製)を
、Bio−Rad 2.5cm D×10cm Hガラスカラムに注いだ。カラ
ムに、10カラム体積(CVs)のTalon Equilibration緩
衝液(20mM Tris,100mM NaCl、pH8.0)を詰め重力に
より平衡化した。上清をTalonメタルアフィニティーレジンにバッチ充填し
、終夜震盪した。樹脂を再びカラムに注ぎ、10カラム体積のTalon Eq
uilibration bufferで重力により洗浄し、140mlの溶出
緩衝液(Talon Equilibration buffer+200mM
Imidazole−Fluka Chemical)により重力で溶出した
。talonカラムを5カラム体積の20mMの2−(N−モルフォリノ)エタ
ンスルホン酸 pH5.0(MES,Sigma)、5カラム体積の蒸留水によ
り洗浄し、20%エタノール/0.1%アジ化ナトリウム中に保存した。溶出ク
ロマトグラフィー全体にわたり14mlのフラクションを集め、280および3
20nmの吸光度およびBCAタンパク質分析によりフラクションを読んだ。通
過液および洗浄用液体も取っておき分析した。目的とするタンパク質溶出フラク
ションを溜め、直接Amylose resin(New England,B
iolabs,Beverly,MA)に詰めた。
【0253】 より純粋なhuzalpha11/MBP−6H ポリペプチドを得るため、
talonアフィニティー溶出の溜めて置いたフラクションを、pH7.4でA
mylose resin(22ml)にかけた。2.5cm D×10cm
H Bio−Rad カラムを注ぎ、詰め、10カラム体積のAmylose平
衡緩衝液−20mMのTris(JT Baker)、100mMのNaCl(
Mallinkrodt)、1mMのPMSF(Sigma)、10mMのβメ
ルカプトエタノール(BME,ICN Biomedicals Inc.,A
urora,OH)pH7.4中で平衡化した。試料を0.5ml/分の流量で
重力により詰めた。カラムを、10カラム体積のアミロース平衡緩衝液で洗浄し
、約2カラム体積のアミロース平衡緩衝液+10mMマルトース(Fluka
Biochemical,Switzerland)で重力により溶出した。溶
出クロマトグラフィー全体にわたり5mlのフラクションを集め、280および
320nmの吸光度を読んだ。アミロースカラムを、1カラム体積の蒸留水、5
カラム体積の0.1%(w/v)SDS(Sigma)、5カラム体積の蒸留水
、次いで5カラム体積のアミロース平衡緩衝液で再生した。
【0254】 目的とするフラクションを溜めておき、4×4LのPBS pH7.4(Si
gma)を用いSlide−A−Lyzer(Pierce)で透析し、低分子
量の汚染物質を除き、緩衝液交換および脱塩した。PBSの変更の後、得られた
物質は、精製されたhuzalpha11/MBP−6Hポリペプチドを表して
いた。精製されたhuzalpha11/MBP−6Hポリペプチドを、SDS
−PAGEクマジー染色および抗ウサギHRP複合抗体(Rockland,G
ilbertsville,PA)を用いたウェスタンブロット分析で分析した
。huzalpha11/MBP−6Hポリペプチドの濃度は、BCA分析で測
定すると1.92mg/mlであった。
【0255】 精製されたhuzalpha11/MBP−6Hポリペプチドをウサギへの注
射用に調製し、抗体製造のためR&R Research and Devel
opment(Stanwood,WA)に送った。ウサギに注射し、抗−hu
zalpha11/MBP−6H血清(以下の実施例15)を製造した。
【0256】 実施例15 zalpha11ポリクローナル抗体 2匹のメスニュージーランドホワイトラビットを、精製されたhuzalph
a11/MBP−6Hポリペプチド(実施例14)または精製された組換えza
lpha11 CEE 可溶性レセプター(実施例11A)で免疫処置すること
により、ポリクローナル抗体を調製した。対応するポリクローナル抗体を、それ
ぞれウサギ抗−huzalpha11/MBP−6Hおよびウサギ抗−huza
lpha11−CEE−BHKと呼ぶ。ウサギにはそれぞれ、フロイントの完全
アジュバント(Pierce,Rockford,IL)中の精製タンパク質2
00mgの初期の腹腔内(IP)注射をし、その後フロイントの不完全アジュバ
ント中の精製タンパク質100mgのブースターIP注射を3週間毎に行った。
3回目のブースター注射の投与7〜10日後に、ウサギから血を採取し血清を集
めた。次いでウサギにブーストを施し、3週間毎に採血した。
【0257】 zalpha11特異性ポリクローナル抗体は、CNBr−SEPHAROS
Eのグラムあたり10mgの精製huzalpha11/MBP−6Hポリペプ
チド(実施例14)を用いて調製されたCNBr−SEPHAROSE 4B
プロテインカラム(Pharmacia LKB)を用い、次いでPBS中での
20X透析により、ウサギ血清からアフィニティー精製した。zalpha11
特異性抗体を、1mg/mlの適当なタンパク質抗原を抗体標的として用いEL
ISA力価検定によりキャラクタリゼーションした。ウサギ抗−huzalph
a11/MBP−6Hアフィニティー精製された抗体の検出下限(LLD)は、
500pg/mlの希釈度であった。ウサギ抗−huzalpha11−CEE
−BHKアフィニティー精製された抗体の検出下限は、50pg/mlの希釈度
であった。
【0258】 実施例16 RT−PCRを用いたzalpha11レセプターを発現する細胞の同定 特定種類のヒトの細胞を単離し、RT−PCRによりzalpha11発現に
ついてスクリーニングした。100μmナイロンセルストレーナー(Falco
n(商標);Bectin Dickenson,Franklin Lake
s,NJ)を通した機械的分裂により、B細胞を新鮮なヒトの扁桃から単離した
。B細胞懸濁液を、VarioMACS VS+磁気カラムおよびCD19マイ
クロビーズ(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)でメーカ
ーの指示どおりポジティブ選択することにより、CD19+B細胞に対してエン
リッチした。ヒトアフェレーシス血液試料からT細胞および単核細胞を単離した
。CD3+T細胞はCD3マイクロビーズVarioMACSポジティブ選択に
より精製し、単核細胞はメーカーの指示どおりVarioMACSネガティブ選
択カラム(Miltenyi)を用いて精製した。各母集団からの試料を染色し
、蛍光抗体細胞分類(FACS)(Bectin Dickinson,San
Jose,CA)分析により分析してエンリッチパーセントおよび得られた収
率を求めた。CD19+B細胞は約96%の純度であり、CD3+T細胞は約9
5%の純度であり、単核細胞は約96%の純度であった。
【0259】 休息中および活動中のこれら3種の細胞から、当業界で標準的な方法を用いて
RNAを調製した。上述のカラム調製法から直接休息中細胞からRNAを単離し
た。CD19+およびCD3+細胞は、PMA 5ng/ml(Calbioc
hem,La Jolla,CA)およびイオノマイシン0.5μg/ml(C
albiochem)を含むRPMIおよび10%FBS中で、500,000
細胞/mlで、4時間および24時間培養することにより活性化した。単核細胞
は、LPS 10ng/ml(Sigma,St.Louis MO)およびr
hIFN−g 10ng/ml(R&D,Minneapolis,MN)を含
むRPMIおよび10% FBS中で24時間培養することにより活性化した。
細胞を取り入れPBS中で洗浄した。メーカーの指示どおりRNeasy Mi
diprep(商標)Kit(Qiagen,Valencia,CA)を用い
て細胞ペレットからRNAを調製し、第一鎖cDNA合成を、メーカーの指示ど
おりSuperscript II(商標)Kit(GIBCO BRL,Gr
and Island,NY)を用いて行った。
【0260】 オリゴZC19907(配列番号20)およびZC19908(配列番号21
)をPCR反応に用いて、上述の試料をzalpha11メッセージに対応する
1.2kbフラグメントについてスクリーニングした。Taq Polymer
ase(BRL Grand Island NY)でPCR増幅を行い、条件
は以下のとおりである。95℃で1分、60℃で1分、72℃で30秒で35サ
イクル;72℃で10分間1サイクル;および4℃で浸漬である。それぞれ50
μlの反応容積の10μlを2%アガロース1XTAEゲル上で流し、得られた
生成物を同定した。PCR生成物は、(−)生成物なし、(+)バンドが見える
、(++)バンドがよりはっきり存在するおよび(+++)最もはっきりしたバ
ンドで評価し、結果を表5に示す。
【0261】 第5表 cDNA供給源 活性化 PCR生成物 CD19+細胞 0時間休止 + 4時間活性化 ++ 24時間活性化 +++ CD3+細胞 0時間休止 − 4時間活性化 ++ 24時間活性化 − 単球 0時間休止 − 24時間活性化 −
【0262】 これらの結果は、zalpha11のメッセージが休止ヒトCD19+ B細胞に存在
し、マイトジェン活性と共に増大することを示した。さらにそれは、わずか4時
間の活性化の後にヒトCD3+ T細胞によって発現されるようである。休止ま
たは活性化ヒト単球のいずれにも、明らかなメッセージはなかった。
【0263】 実施例17 Zalpha11免疫組織化学 A.細胞および組織の調製 正の対照組織は、zalpha11(実施例7)によりトランスフェクトされたBaF
3細胞、ならびに、HSD(Harlan Sprague Dawley、インディアナポリス、I
N)より受領したマウスリンパ節、脾臓および胸腺、Regional Primate Researc
h Center(ワシントン大学、シアトル、WA)より受領したサルリンパ節および
脾臓、CHTN(クリーブランド、OH)より受領したヒトリンパ節および脾臓
、を包含するzalpha11を発現することが知られているリンパ球様組織で構成され
ていた。各組織試料について実施された負の対照は、(1)トランスフェクトさ
れていないBaF3細胞、(2)zalpha11を発現しないことが知られているマウ
スおよびヒト由来の肝および脳、(3)一次抗体の不在下での抗体希釈緩衝液(
Ventann Bioteck Systems、タクソン、AZ)での染色、および(4)競合実験
におけるzalpha11可溶性蛋白の使用、を包含していた。
【0264】 他の細胞試料を調査した。刺激していないおよび刺激したHL60細胞の両方
を検定した。HL60細胞は前骨髄球性セルラインであり、異なる試薬によって
骨髄性または顆粒球系統へと分化することができる。刺激されたHL60試料は
以下のように調製した:(1)HL60細胞を10ng/mLのホルボール-ミリステ
ート-アセテート(PMA)(Sigma、セントルイス、MO)で48時間処理して、
単球系列の細胞へと分化させ;そして、(2)HL60細胞を1.25%DMS
O(Sigma)で4日間処理して好中球様細胞へと分化させた。さらに、新鮮なヒ
ト血液由来の、ヒト多形核(PMN)細胞、ヒト顆粒球、ヒト末梢血リンパ球(
PBL)およびヒト単球を調査した(当分野での常法を用いて社内で調製した)
。上記の細胞および組織を10%のNBF(Surgipath、リッチモンド、IL)
中で一夜固定し、パラフィンX−tra(Oxford Scientific、セントルイス、
MO)に包埋し、Reichart-Jung 2050 microme(Leica Instruments GmbH、ヌス
ロッホ、ドイツ)で5μmの切片を作成した。
【0265】 B.免疫組織化学 組織スライドを脱パラフィン化し、緩衝液(水)に水和させ、Antigen Retrie
val Citra緩衝液(BioGenex、サンローマン、CA)中20分間の蒸気HIER
処理に付した。非特異結合をブロックするため、5%正常ヤギ血清(Vector、バ
ーリンガム、CA)を10分間使用した。zalpha11可溶性レセプター蛋白に対す
るポリクローナル抗体(ウサギ抗huzalpha11−MBP−6Hおよびウサギ抗huza
lpha11−CEE−BHK;実施例15を参照されたい)を一次抗体として使用し
、それぞれ1:200および1:400の希釈で免疫組織化学的スクリーニング
分析を実施した。二次抗体として、ビオチンコンジュゲートしたヤギ抗ウサギI
gG(Vector;Cat.No.BA-1000、1.5mg/mL)を1:200の希釈で使用した。
別の試料において、一次抗体の免疫反応をプレブロックするため、一次抗体に対
するzalpha11CEE可溶性レセプター蛋白(10倍過剰)(実施例11A)をさら
に使用することにより、蛋白の競合を実施した。この競合は、zalpha11に対する
ウサギポリクローナル抗体の特異性についての対照として使用した。検出は、製
造者の指示に従いChemMate DABキット(ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオ
キシダーゼコンジュゲートを適用した標識化ストレプトアビジン−ビオチンキッ
ト、およびDAB基質)、そして製造者のヘマトキシリン対比染色を30秒間使
用して(Ventana Biotek Systems、タクソン、AZ)、Ventana ChemMate 500装
置で実施した。
【0266】 PMA活性化HL−60細胞に、zalpha11の高い発現が観察された。刺激無し
のHL60細胞およびPBLでは低いレベルの発現が観察された。マウスの脾臓
、胸腺およびリンパ節の細胞のサブセットは正の染色を示した。ヒトおよびサル
のリンパ節および脾臓の両細胞、ならびにDMSO刺激したHL60細胞は、ご
く僅かな染色を示し、または全く染色を示さなかった。細胞および組織に認めら
れたシグナルは、過剰のzalpha11可溶性受容体蛋白を使用することにより、ほぼ
競合した。脳および肝の負の対照組織は染色を示さなかった。
【0267】 実施例18 zalpha11可溶性受容体に対するポリクローナルウサギ抗血清を使用した、zalp
ha11受容体を発現する末梢血単核細胞(PBMNC)の同定 健常なドナーから新鮮なヘパリン処理した血液200mLを得た。血液をPBS
で1:1に希釈し、Ficoll-Paque PLUS勾配(Pharmacia Biotech、ウプサラ、ス
ウェーデン)を用いて分離し、リンパ球界面を採集した。細胞をPBSで2回洗
浄し、PRMI+5%FBS培地に2x106細胞/mLの濃度で再懸濁した。
【0268】 zalpha11レセプターの発現がリンパ球細胞の活性化状態、即ち休止および活性
化細胞の違いにより影響を受けるかどうかを判定するため、幾つかの刺激条件を
使用した:1)非刺激、即ち培地のみ(RPMI+5%FBS培地);2)PM
A10ng/mL+イオノマイシン0.5μg/mL(共にCalbiochemより);および、3
)PHA活性化(フィトヘマグルチニン−P、Difco/VWR)。細胞を37℃で1
7時間インキュベートし、次いで染色のために採集してzalpha11レセプターの発
現を検出した。
【0269】 間接染色プロトコルを使用した。簡潔に述べると、ヒトリンパ球細胞を染色緩
衝液(PBS+0.02%NaN3+BSA1%正常ヒト血清2%)に懸濁し、9
6ウェル平板に2x105細胞を50μL/ウェル蒔いた。zalpha11 CEE可溶性レ
セプターに対する抗体(実施例15)を使用して、それらが、単離されたヒトリ
ンパ球上のB細胞(CD−19)、T細胞(CD−3)または単球マーカーを含
むかどうかを決定した。10μg/mLのzalpha11可溶性レセプターに対するウサギ
ポリクローナル血清(Rb抗huzalpha11−CEE−BHK)(実施例15)を、リ
ンパ球上のzalpha11を同定するための抗体として使用した。二次抗体、ヤギ抗ウ
サギIg−FITC(Biosource、カマリロ、CA)を使用して、zalpha11レセ
プターに対するRb抗huzalpha11−CEE−BHK抗体の結合を視覚化した。T
細胞、B細胞および単球といった細胞型における抗zalpha11レセプター抗体の同
時染色を同定するために、他の抗体を同時使用してT細胞(CD3−PE;Phar
Mingen、サンディエゴ、CA)、B細胞(CD19−PE)(PharMingen)、およ
び単球(CD−14−PE)(PharMingen)を染色した。種々の対照を使用して、
非特異結合および染色のバックグラウンド結合を決定した:(1)無関係なウサ
ギポリクローナル血清を非特異対照として使用し;そして、(2)その試薬のバ
ックグラウンドレベルを決定するため、二次抗体のみを使用した。精製したzalp
ha11CEE可溶性レセプター(実施例11)を競合的インヒビターとして約10
倍過剰で使用し、zalpha11可溶性レセプターに対するウサギ抗huzalpha11−CE
E−BHK抗体の特異性を確認した。
【0270】 細胞を平板培養し、一次および同時染色抗体を添加した後、細胞を氷上で30
分間インキュベートし、染色緩衝液で2回洗浄し、二次抗体、ヤギ抗ウサギIg
−FITC(Biosource)により氷上で30分間染色した。細胞を染色緩衝液で
2回洗浄し、約1μg/mLの最終濃度で生存染色剤7AADを含有する染色緩衝液
中に、ウェル当たり200μLで再懸濁した(Sigma、セントルイス、MO)。F
ACS−Caliber(Becton-Dickinson、サンノゼ、CA)で試料を読み取り、生
存細胞を分析した。
【0271】 zalpha11レセプターに対するウサギポリクローナルは休止B細胞を染色した。
休止B細胞上のシグナルは、無関係のウサギ血清を用いて達成されたシグナルよ
り明確であり、そしてこのシグナルは、過剰のzalpha11−CEE可溶性レセプタ
ーの添加により、T細胞よりもB細胞上で、より大きく低減した。分離されたB
およびT細胞を用いてこの実験を反復したが、結果は極めて似かよっていた。さ
らに、zalpha11レセプターに対するポリクローナルウサギ抗huzalpha11−CEE
−BHK抗体による染色は、休止B細胞で最も高かった。
【0272】 実施例19 リアルタイム定量的RT/PCRを用いた種々の組織でのzalpha11レセプター
発現 A.定量的RT−PCR−のためのプライマーおよびプローブ ABI PRISM7700配列検出システム(PE Applied Biosystems,Inc.、フォス
ターシティー、CA)を用いるリアルタイム定量的RT−PCRは過去に記載さ
れている(Heid,C.A.等、Genome Research 6:986-994、1996;Gibson,U.E.M.等
、Genome Research 6:995-1001、1996;Sundaresan,S.等、Endocrinology 139:4
756-4764、1998。この方法は、リポーターおよび消去剤蛍光色素の両者を含有す
る遺伝子特異的プローブの使用を取り入れている。プローブが無傷である時、リ
ポーター色素の放射は、消去剤色素が接近しているため、打ち消される。さらな
る遺伝子特異的フォワードおよびリバースプライマーを使用するPCR伸長の最
中に、このプローブがTaqポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性により開裂し
、それによりリポーター色素がプローブから開放され、その結果、蛍光放出の増
大が起こる。
【0273】 zalpha11発現のリアルタイム定量的RT−PCR分析に使用するプライマーお
よびプローブは、プライマー設計ソフトウェアPrimer Express(商標)(PE Applie
d Biosystems、フォスターシティー、CA)を用いて設計した。ヒトzalpha11の
ためのプライマーは、ゲノムDNAの増幅を排除するためイントロン−エクソン
接合部をつないで設計した。フォワードプライマーZC22277(配列番号5
9)およびリバースプライマーZC22276(配列番号60)を約300nM濃
度でPCR反応に使用して(下記)143bpの生成物を合成した。ZG31(配
列番号61)と呼称される、対応するzalpha11 TaqMan(商標)プローブを合成し
、PE Applied Biosystemsによって標識した。このZG31プローブは、リポーター
蛍光色素(6−カルボキシ−フルオレセイン)(FAM)(PE Applied Biosystems
)によって5’末端を、そして消去剤蛍光色素(6−カルボキシ−テトラメチル
−ローダミン)(TAMRA)(PE Applied Biosystems)によって3’末端を標識
した。
【0274】 試験されたRNA試料の完全性および品質を試験する対照として、全てのRN
A試料(下記)を、PE Applied Biosystemsに注文した(cat No.4304483)プラ
イマーおよびプローブの組を用いてrRNAについてスクリーニングした。この
キットは、rRNAフォワードプライマー(配列番号66)およびrRNAリバ
ースプライマー(配列番号67)、rRNATaqMan(商標)プローブ(配列番号6
8)を含んでいる。このrRNAプローブは、リポーター蛍光色素VIC(PE Ap
plied Biosystems)によって5’末端を、そして消去剤蛍光色素TAMRA(PE A
pplied Biosystems)によって3’末端を標識した。rRNAの結果はさらに、内
因性対照としての役割を有し、被験試料において見られたzalpha11mRNA発現
結果の正規化を可能にする。
【0275】 ヒトCD3、CD19および単球細胞型由来のRNA試料を調製し、これは上
記実施例16に記載した。対照RNAは、製造者の指示に従い、RNeasy Miniprep(
商標)キット(Qiagen、ヴァレンシア、CA)を用いて、ヒトzalpha11レセプタ
ーを発現するおよそ1000万のBaF3細胞から調製した(実施例7)。
【0276】 B.リアルタイム定量的RT−PCR− zalpha11mRNAの相対レベルを、一段階RT−PCR法を用いて総RNA試
料を分析することにより決定した(PE Applied Biosystems)。ヒトzalpha11レ
セプターを発現するBaF3細胞由来の総RNAを標準法により単離し、定量用
の標準曲線の作成に使用した。この曲線は、rRNAスクリーニングについては
2.5−2.5x10-4ng/μLの範囲、そしてzalpha11スクリーニングについては
250−0.025ng/μLの範囲の10倍連続希釈で構成され、各標準曲線の点
は3ずつ分析した。さらにヒトCD3、CD19および単球細胞由来の総RNA
試料を、ヒトzalpha11転写物レベルについて、そして内因性対照としてのrRN
Aのレベルについて、3ずつ分析した。総体積25μLで、各RNA試料を、緩
衝液A(50mMKCL、10mMトリスHCl)中の総RNAおよそ25ng;内部
標準色素カルボキシ−x−ローダミン(ROX);適当なプライマー(rRNA
試料のためのrRNAプライマー(配列番号66および配列番号67)およそ5
0nM;ならびにzalpha11試料のためのZC22,277(配列番号59)および
ZC22,276(配列番号60)プライマーおよそ300nM);適当なプロー
ブ(rRNA試料のためのrRNATaqMan(商標)プローブ(配列番号68)およ
そ50nM、zalpha11試料のためのZG31(配列番号61)プローブおよそ10
0nM);MgCl25.5mM;d−CTP、d−ATP、およびd−GTP各30
0μM、ならびにd−UTP600μM;MulV逆転写酵素(0.25U/μL);
AmpliTaq(商標) GoldDNAポリメラーゼ(0.025U/μL)(PE Applied Biosy
stems);およびRNアーゼインヒビター(0.4U/μL)(PE Applied Biosystems
)、を含有する一段階RT−PCR反応に付した。PCRの熱循環条件は以下の
通りであった:最初の逆転写(RT)工程が48℃30分間を1サイクル;続い
てAmpliTaq Gold(商標)(PE Applied Biosystems)活性化工程が95℃10分間を
1サイクル;その後、95℃15秒間および60℃1分間の増幅を40サイクル
【0277】 相対的zalpha11RNAレベルを、製造者PE Biosystemsによる記載のように標
準曲線法を用いて決定した(ユーザー広報No.2:ABIプリズム7700配列
検出システム、遺伝子発現の相対的定量、1997年12月11日)。rRNA
測定を用いてzalpha11レベルを正規化し、休止CD3+ RNA試料を標準物質
として使用した。休止CD3は標準物質として任意に選択し、1.00の数値を
与えた。残りの試料を標準物質に対して比較した。データを下の第6表に示す。
【0278】 第6表 試料 休止 4時間の刺激 24時間の刺激 CD3 1.00 15.27 16.70 CD19 20.14 65.08 25.42 単球 0.05 データ無し 0.26
【0279】 4および24時間では、CD3+におけるzalpha11レセプター発現に15倍の
増大があった。休止CD19は、休止CD3+に比較してレセプター発現で20
倍の増大があった。4時間の刺激では3倍の増大があり、これは24時間によっ
て休止のレベルに戻った。単球は、この検定では検出可能なzalpha11レセプター
発現を示さなかった。
【0280】 実施例20 in situハイブリダイゼーションを用いたzalpha11レセプターを発現する細胞
の同定 特異的なヒト組織を単離し、in situハイブリダイゼーションによりzalpha11
の発現についてスクリーニングした。調製し、切片作成し、in situハイブリダ
イゼーションに付した種々のヒト組織は、胸腺、脾臓、扁桃、リンパ節および肺
を包含していた。組織を10%緩衝化ホルマリンで固定し、標準技術によりパラ
フィンでブロック化した(実施例17)。組織を4ないし8ミクロンの切片とし
た。組織は標準プロトコルを用いて調製した(「非同位体のin situハイブリダ
イゼーションの開発」、http://dir.niehs.nih.gov/dirlep/ ish.html)。簡潔
に述べると、組織切片をHistoClear(National Diagnostics、アトランタ、GA
)で脱パラフィン化し、次いでエタノールで脱水した。次にこれらをプロテイナ
ーゼK(50μg/mL)(Boehringer Diagnostics、インディアナポリス、IN)を
用いて37℃で2ないし20分間消化した。この工程の後、組織のアセチル化お
よび再水和を行った。
【0281】 PCRにより作成した2個のin situプローブをヒトzalpha11配列に対して設
計した。zalpha11cDNAの個別の領域のためのプローブを作成するため、2組
のオリゴを設計した:(1)オリゴZC23,684(配列番号62)およびZ
C23,656(配列番号63)を使用してzalpha11のための413bpプロー
ブを作成し、そして、(2)オリゴZC23,685(配列番号64)およびZ
C23,657(配列番号65)を使用してzalpha11のための430bpプローブ
を作成した。第二のプローブは第一のzalpha11プローブの1500bp 3’で
ある。各組由来のアンチセンスオリゴはまた、これらのPCR生成物からアンチ
センスRNAプローブの容易な転写を可能にするための、T7 RNAポリメラ
ーゼプロモーター用の有効配列を含んでいた。PCR反応の条件は以下の通りで
あった:94℃30秒間を30サイクル、60℃1分間、72℃1.5分間。P
CR生成物をQiagen遠沈カラムにより精製した後、フェノール/クロロホルム抽
出およびエタノール沈澱した。引き続きプローブを、製造者の指示に従い、イン
ビトロ転写系(Promega、マディソン、WI)を用いてジゴキシゲニン(Boehrin
ger)またはビオチン(Boehringer)で標識した。
【0282】 ジゴキシゲニン−またはビオチン−標識したzalpha11プローブ(上記)を用い
てin situハイブリダイゼーションを実施した。プローブを、55−60℃で1
2ないし16時間、1ないし5pmol/mLの濃度でスライドに添加した。引き続き
スライドを2XSSCおよび0.1XSSCで50℃で洗浄した。チラミドシグ
ナル増幅(TSA)を用いてシグナルを増幅し(TSA、in situ間接キット;
NEN)、製造者の指示に従いVector Red基質キット(Vector Lab)を用いて視
覚化した。次いでこのスライドをヘマトキシリン(Vector Laboratories、バー
リンガム、CA)を用いて対比染色した。
【0283】 胸腺、扁桃、肺、およびリンパ節にシグナルが認められた。陽性染色細胞はリ
ンパ球および関連細胞であるように見受けられた。
【0284】 実施例21 マウスzalpha11レセプターの単離 A.マウスゲノムライブラリースクリーニング 全cDNAを含むヒトzalpha11受容体ポリヌクレオチドプローブでマウスゲノ
ムライブラリーをプロービングすることにより、最初の部分的マウスzalpha11配
列を取得した。ZC19,905(配列番号36)およびZC19,906(配
列番号37)プライマーを用いるPCRによりヒトzalpha11cDNAを作成し、
全長ヒトzalpha11を含むプラスミド(例えば実施例1)を鋳型として使用した。
PCR反応条件は以下の通りであった:98℃1分間を35サイクル、68℃1
分間;および72℃2分間;その後72℃10分間を1サイクル。このPCR生
成物を1%低融点アガロース(Boehringer Mannheim)にかけ、製造者の指示に
従いQiaquick(商標)ゲル抽出キット(Qiagen)を用いておよそ1.5kbのヒトzal
pha11cDNAを単離した。このヒトzalpha11cDNAを使用してマウスゲノム
DNAライブラリー(下記)をスクリーニングした。
【0285】 使用したマウスゲノムDNAライブラリーは、embl3 SP6/T7ラム
ダBamHIクローン化ライブラリー(Clontech、パロアルト、CA)であった
。7.2x105pfuを表すこのライブラリーを、24 NZY平板のE.Coli
K802宿主ローン上に蒔いた。製造者の指示に従いHybond-Nフィルター(Amer
sham Pharmacia、バッキンガムシア、イングランド、英国)を用いてプラークの
釣り上げを行った。このフィルターを1.5MのNaClおよび0.5MのNaO
H中で10分間変性し、次いで1.5MのNaClおよび0.5Mのトリス−HC
l(pH7.2)で10分間中和した。DNAをSTRATALINKER UVクロスリンカー(
Stratagene)を用いて1200ジュールでフィルターに付着させた。フィルター
は、プレ洗浄緩衝液(0.25xSSC、0.25%SDSおよび1mMEDTA)
中、溶液を3回交換して合計45分間65℃でプレ洗浄して細胞残屑を除去した
。このフィルターを、0.1mg/mL変性鮭精子DNAを含有するExpresshyb(商標)
溶液(Clontech)中、50℃で一夜プレハイブリダイズした。およそ50ngの精
製したヒトzalpha11cDNA(上記)を、製造者の指示に従いRediprime II Ran
dom Prime Labelig System(Amersham Pharmacia)を用いて32Pで標識した。取り
込まれなかった放射性をNucTrap(商標)プッシュカラム(Stratagene、ラホーヤ
、CA)を用いてzalpha11cDNAプローブから除去した。約0.5ないし約1
x106cpm/mLのzalpha11cDNAプローブ、約0.1mg/mLの変性鮭精子DNA
および変性させた0.5μg/mLのcot-1DNAを含有するExpresshyb(商標)溶液(
Clontech)中でフィルターをハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションは
50℃で一夜実施した。フィルターを2xSSC、0.1%SDS中、室温で2
時間洗浄し(洗浄液を数回交換)、次に温度を1時間60℃に上げた(緩衝液を
1回交換)。−80℃で一夜暴露すると一次単離物を表す6個のプラークが示さ
れた。
【0286】 二次プラーク単離物を取得するため、一次単離物であるこの6個のプラークを
パスツールピペットで釣り上げ、クロロホルム数滴を含有するSM(0.1MNa
Cl、50mMトリスpH7.5、10mMMgSO4、0.02%ゼラチン)中4℃で
一夜溶離した。ファージの力価を決定した後、6個の一次単離物の最初のplug(
12.5倍のカバレッジ)にあるファージの推定量の約12.5倍を、NZYマク
シ平板上の10mM MgSO4/NZYトップアガロースに植えたE.coli K
802細胞のローン上に蒔いた。プラークの釣り上げは、製造者の指示に従いHy
bond-Nフィルター(Amersham Pharmacia)を用いて行った。フィルターを上記の
ように固定した。二巡目のフィルターは細胞残屑を除くためプレ洗浄緩衝液(2
xSSC、0.1%SDSおよび1mMEDTA)中、計45分間の間に3回溶液
を交換しながら、65℃でプレ洗浄した。次いで二巡目のフィルター釣り上げ物
をプレハイブリダイズし、zalpha11cDNAプローブを上記のように調製した。
二巡目のフィルターを、約0.1mg/mLの変性鮭精子DNAを含有する約106cpm
/mLのzalpha11cDNAプローブを含むExpresshyb(商標)溶液(Clontech)中で
上記のようにハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションは50℃で一夜実
施した。一次スクリーニングについて上に述べた洗浄条件をこの二次スクリーニ
ングについて反復した。−80℃で一夜暴露させた後、最初の6個の一次プラー
ク単離物のうち2個を、二次スクリーニングにおいて陽性であると確認した。二
次スクリーニングにおいてヒトzalpha11cDNAとハイブリダイズする陽性プラ
ークをパスツールピペットで釣り上げ、7b1および20b1と命名した。
【0287】 単離したプラーク7b1および20b1番をSM 200μLで、4℃で一夜溶
離した。各単離物の10-2ないし10-6までの範囲の10倍連続希釈物を宿主E
.Coli K802細胞上に蒔いて力価を決定した。単離物20b1は4x10 3 pfu/μLの力価を持ち、これをさらに追跡した。ファージDNA調製物を作成す
るため、105pfu/平板を密集状態の宿主E.Coli K802細胞上に蒔くこ
とにより、4枚の平板を調製した。平板を、ファージの溶菌が融合状態となり始
めるまで37℃で約6.5時間増殖させた。次いでこのファージを平板当たりS
M12mLで4℃で一夜溶離した。次に平板を室温で1時間振盪し、上清を除去し
、1%クロロホルムを加え、上清を再度15分間振盪した。20b1ファージD
NAはWizard Lambda PrepsDNA精製系(Promega、マディソン、WI;セクシ
ョンIVおよびVI)を用いて調製した。
【0288】 20b1ファージDNAの試料を幾つかの制限酵素で切断し、サザンブロッティ
ング用のDNAフラグメントを作成した。この消化物を1%TBEアガロースゲ
ルにかけた。このゲルを0.25MのHClに30分間浸漬し、蒸留したH20で
すすぎ、溶液を1回交換しながら0.5MのNaOHおよび1.5MのNaClに
40分間浸漬し、溶液を1回交換しながら1.5NaClおよび0.5トリス−H
Cl(pH7.2)で40分間中和した。TURBOBLOTTER(商標) 迅速下方移動系(
Schleicher & Schuell、キーン、NH)を準備してNytran/BA-Sメンブレン(Sch
leicher & Schuell)上にDNAを移した。このDNAをSTRATALINKERUVクロ
スリンカー(Stratagene、ラホーヤ、CA)を用いて1200ジュールでNytran
に付着させた。ブロットを上記のようにプレハイブリダイズした。ヒトzalpha11
cDNA 約50ngを上記のように標識しプローブについて精製した。zalpha11
cDNAプローブ約106cpm/mLおよび変性鮭精子DNA約0.1mg/mLを含有す
るExpresshyb(商標)溶液(Clontech)中で上記のようにフィルターをハイブリダ
イズさせた。ハイブリダイゼーションは50℃で一夜実施した。ブロットを上記
のように洗浄し、−80℃で一夜フィルムに暴露した。
【0289】 サザンは、BamHI/StuI消化物から生成したDNAフラグメントを示
し、これは予想されたサイズ範囲1.3ないし1.6kbでヒトzalpha11cDNAプ
ローブとハイブリダイズした。このフラグメントを追跡した。20b1ラムダD
NAおよそ3μgをBamHI(Boehringer Mannheim、インディアナポリス、I
N)20単位およびStuI(NEB、ビヴァリー、MA)20単位を用いて3
7℃で2時間切断した。消化物を1%TBEゲルにかけ、1.3kbダブレットお
よび1.6kbダブレットバンドをゲルから切り取り、このDNAをQiaquickゲル
抽出キット(Qiagen、ヴァレンシア、CA)を用いてアガロースから抽出した。
この調製物からのDNA収率が低かったため、ヒトzalpha11cDNAプローブに
ハイブリダイズしたフラグメントがBamHI/StuIであったのか、それと
もStuI/StuIフラグメントであったのかをさらなる制限消化分析によっ
て判定することはできなかった。したがって、Zero BluntPCRクローニングキ
ット(Invitrogen、カールスバッド、CA)を用いて、1.3kbダブレットフラ
グメント5μLおよび1.6kbダブレットフラグメント5μLを使用する平滑ライ
ゲーションを行った。この平滑ライゲーションは、1.6kbフラグメントの両方
および1.3kbフラグメントの一方を伴う陽性クローンを生成した。これらのク
ローンをEcoRI(Life Technologies)で消化したが、これはT−突出部位
に隣接し、ここに1.6および1.3kbフラグメントが挿入された。どちらがヒト
zalpha11cDNAプローブにハイブリダイズする元のフラグメントであるかを判
定するため、もう一つのサザンブロットを実施した。1%TBEゲルを処理し、
DNAを上記のようにNytranブロットに移した。
【0290】 ブロットを上記のようにハイブリダイゼーション溶液10ml中でプレハイブ
リダイゼーションさせた。別のヒトzalpha1ポリヌクレオチドのプローブ
を調製した。さらに全長zalpha1cDNAのヒトのzalpha1断片を
オリゴZC19,905(配列番号36)およびZC20,097(配列番号2
7)とのPCRによるプローブとして用いるため生成させた。PCRの反応条件
は下記のとおりである。95℃で1分間;95℃で1分間、55℃で1分間、お
よび72℃で2分間を35サイクル;続いて72℃で10分間を1サイクル。P
CR生産物を低融点の1%アガロース(Boerhinger Mannhei
m)上に流し、約1.5kbのヒトのzalpha1cDNAをQiaquic
k(商標)ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて製造業者の手引き書に従っ
て単離した。この単離したヒトのzalpha1cDNA断片約50ngを32
で標識し、上記に従って精製した。フィルターを、zalpha1cDNAプロ
ーブ約106cpm/ml、変性したサケの精液約0.1mg/ml、および変
性したcot−1DNA0.5μg/mlを含有するExpresshyb(商
標)溶液(Clontech)中で上記のようにハイブリダイゼーションさせた
。ハイブリダイゼーションおよび洗浄は上記の記載のとおりである。ブロットを
−80℃で1.5時間フィルムに暴露したところ、1.3kb挿入物はヒトのz
alpha1プローブと強くハイブリダイゼーションしていた。
【0291】 このクローンを配列決定し、終止コドンおよび上流のイントロン配列を有する
マウスのzalpha1の3′をコードエキソンを含むことが分かった。用いた
配列決定用プライマーは、ZC3,424(配列番号86)、ZC694(配列
番号87)、ZC24,399(配列番号88)、およびZC24,400(配
列番号89)であった。3′エキソンを含むマウスのzalpha1のゲノム配
列は、配列番号69に示される。3′エキソンコード配列は、240個のアミノ
酸のエキソン(配列番号70)をコードする配列番号69中の543番ヌクレオ
チドで始まり、1262番ヌクレオチドで終わる。
【0292】 B.マウスcDNAパネルのPCRスクリーニング 入手可能なインハウスの市販マウスcDNA(Clontech;Life
technologies,Gaithersburg,MD)のパネルを、プ
ライマーとしてZC24,432(配列番号71)およびZC24,433(配
列番号72)(それぞれ20pモル)を用いてPCRによりスクリーニングした
。PCRの反応条件は下記のとおりである。94℃で2分間;94℃で20秒間
、64℃で30秒間、および72℃で30秒間を32サイクル;続いて72℃で
5分間を1サイクル。マウスの脾臓、樹枝状細胞、新生皮膚、骨髄、野生型Ba
F3細胞、EL4細胞、および肺は、予想された450bpサイズの強いPCR
生産物を示した。
【0293】 C.5′入れ子RACE 5′RACE反応を、プライマーZC9,739(配列番号73)およびZC
24,434(配列番号74)それぞれ20pモルと、鋳型としてCD+で選択
されたマウスの脾臓のマラソンcDNAを用いて行なった。マラソンcDNAは
、Marathon cDNA Amplification Kit(Clo
ntech)を用いて製造業者の手引き書に従って調製した。PCRの反応条件
は下記のとおりである。94℃で1分間;94℃で20秒間および70℃で1.
5分間を5サイクル;続いて94℃で20秒間、64℃で20秒間、および70
℃で1.5分間を25サイクル;続いて72℃で5分間を1サイクル。
【0294】 マウスのzalpha1の5′RACE生産物を富化するために、入れ子5′
RACE反応を、入れ子プライマーZC24,431(配列番号75)およびZ
C9,719(配列番号76)と、鋳型として始めの5′RACE反応物(上記
)の1/20希釈物1μlとを用いたことを除いて、始めの5′RACEについ
て上記に記載したPCR反応条件を用いて行なった。生成物をゲル電気泳動によ
り精製し、DNAをQiaex II Agarose Gel Extrac
tion Kit(Qiagen)を用いて希釈し、TOPO TA Clon
ing Kit(Invitrogen)を用いてサブクローン化した。ポジテ
ィブクローンを、ZC24,431(配列番号75)およびZC24,511(
配列番号77)それぞれ10pモルを用いてコロニーPCRにより同定した。P
CRの反応条件は下記のとおりである。94℃で2分間;94℃で20秒間、6
4℃で20秒間、および72℃で30秒間を35サイクル;続いて72℃で5分
間を1サイクル。入れ子5′RACE反応物各々からとった2つのサブクローン
を配列決定した。全てのクローンが若干のzalpha1配列を含有したが、完
全なものはなかった。編集された配列を、不完全な5′RACEクローンと、マ
ウスのzalpha1ポリヌクレオチドおよび対応するポリペプチドの先行部分
の配列を表す3′エキソン配列(配列番号70)とから生成させた。部分的なマ
ウスのzalpha1cDNAの先行配列は配列番号78(5′末端)および配
列番号80(3′末端)に示され、配列番号78(5′末端)と配列番号80(
3′末端)の間には完全なマウスのzalpha1cDNAを含む約330個の
未知の配列がある(下記を参照)。配列番号78および配列番号80に対応する
アミノ酸配列を、それぞれ配列番号79(N末端)および配列番号81(C末端
)に示す。
【0295】 D.全長PCR プライマーを、全長のPCRに対してマウスの開始Metの上流UTRおよび
終止コドンの下流から設計した。プライマーZC24,616(配列番号82)
およびZC24,615(配列番号83)各20pモルを、マウスの樹枝状細胞
のマラソンcDNAまたは新生児マウスの皮膚のインハウスcDNAライブラリ
ーを鋳型として使用するPCR反応に用いた。PCRの反応条件は下記のとおり
である。94℃で1分間;94℃で20秒間および66℃で2分間を30サイク
ル;続いて72℃で5分間を1サイクル。PCR生成物をゲル電気泳動により精
製し、cDNAをQiaquick Gel Extraction Kitを
用いて希釈し、TA Cloning Kit(Invitrogen)を用い
てサブクローン化した。各PCR反応物からとった2つのサブクローンを配列決
定した。用いた配列決定用プライマーは、ZC694(配列番号87)、ZC3
,424(配列番号86)、ZC24,431(配列番号75)、ZC24,5
11(配列番号77)、ZC24,806(配列番号90)、およびZC24,
807(配列番号91)であった。全長マウスのzalpha1cDNAの配列
は配列番号84に示される。対応するアミノ酸配列は配列番号85に示される。 例示のために本明細書に本発明の特殊な実施形態を記述したが、本発明の精神
および範囲から逸脱せずにさまざまな改変を行なうことができることは上記の記
載から理解されるであろう。したがって本発明は添付の特許請求の範囲によるこ
とを除いては限定されない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトzalpha11のHopp/Woods親水性プロットである。
【図2】 ヒトzalpha11(zalpha)(配列番号2)及びマウスzalpha11(muzalp)(配列番
号85)のアラインメントである。
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月16日(2001.4.16)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1A】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1L
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1L】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/02 21/08 G01N 33/53 D C12Q 1/02 33/566 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (31)優先権主張番号 09/347,930 (32)優先日 平成11年7月6日(1999.7.6) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 コンクリン,ダレル シー. アメリカ合衆国,ワシントン 98102,シ アトル,マイナー アベニュ イースト 2332,アパートメント 2 (72)発明者 ノバック,ジュリア イー. アメリカ合衆国,ワシントン 98110,ベ インブリッジ アイランド,バトル ポイ ント ドライブ ノースイースト 10699 (72)発明者 ハモンド,アンジェラ ケー. アメリカ合衆国,ワシントン 98027,イ サクア,サウスウエスト クラーク スト リート 195 #イー−2 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA41 BA63 CA04 CA06 DA02 EA02 EA04 GA11 HA01 HA11 4B063 QA01 QQ08 QR48 QS02 4B064 AG20 AG26 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA92X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 DA51 DA75 EA20 EA50 FA74

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20
    (Cys)からアミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸
    残基の配列を含むzalpha11ポリペプチドをコードする単離されたポリヌ
    クレオチドであって、前記アミノ酸の同一性のパーセントがFASTAプログラ
    ムを用い、ktup=1、ギャップオープニングペナルティ=10、ギャップエ
    クステンションペナルティ=1、置換マトリックス=BLOSUM62とし、他
    のパラメーターをデフォルトとして設定して決められる、単離されたポリヌクレ
    オチド。
  2. 【請求項2】 (a)SEQ ID NO:4に示される1番ヌクレオチド
    から1614番ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、 (b)SEQ ID NO:1に示される126番ヌクレオチドから779番
    ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、 (c)SEQ ID NO:1に示される126番ヌクレオチドから833番
    ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、 (d)SEQ ID NO:1に示される834番ヌクレオチドから1682
    番ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、 (e)SEQ ID NO:1に示される126番ヌクレオチドから1682
    番ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、および (f)SEQ ID NO:1に示される69番ヌクレオチドから1682番
    ヌクレオチドまでのポリヌクレオチド配列、 からなる群から選択されるポリヌクレオチドの配列を含む単離されたポリヌクレ
    オチド。
  3. 【請求項3】 zalpha11ポリペプチドが、 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸残基の配列を含む、請求項1に記載の単離さ
    れたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 zalpha11ポリペプチドが、 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)から2
    55番アミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸残基の配列からなる、請求項3に記載の単離
    されたポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 ポリペプチドがさらにWSWSXドメインを含む、請求項1
    に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 ポリペプチドがさらにトランスメンブレンドメインを含む、
    請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 トランスメンブレンドメインがSEQ ID NO:2の2
    38番(Leu)から255番(Leu)の残基からなる、請求項6に記載の単
    離されたポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 ポリペプチドがさらに細胞内ドメインを含む、請求項1に記
    載の単離されたポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 細胞内ドメインがSEQ ID NO:2の256番(Ly
    s)から538番(Ser)の残基からなる、請求項8に記載の単離されたポリ
    ヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 細胞内ドメインがさらにBoxIおよびBoxII部位を
    含む、請求項9に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドがさらにアフィニティータグを含む、請求項
    1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 作用可能式に結合した下記の要素: 転写プロモーターと、 SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からアミノ酸
    番号538(Ser)のアミノ酸配列を有するzalpha11ポリペプチドを
    コードするDNAセグメントと、 転写ターミネーターとを含む発現ベクターであって、前記プロモーターがDN
    Aセグメントと作用可能式に結合し、前記DNAセグメントが転写ターミネータ
    ーと作用可能式に結合している、発現ベクター。
  13. 【請求項13】 さらにDNAセグメントと作用可能式に結合した分泌シグ
    ナル配列を含む、請求項12に記載の発現ベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の発現ベクターを含む培養細胞であって
    、前記細胞が前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する
    、培養細胞。
  15. 【請求項15】 転写プロモーターと、 SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からアミノ酸
    番号237(His)のアミノ酸配列を有するzalpha11ポリペプチドを
    コードするDNAセグメントと、 転写ターミネーターとを含む発現ベクターであって、前記プロモーターとDN
    Aセグメントとターミネーターが作用可能式に結合している、発現ベクター。
  16. 【請求項16】 さらにDNAセグメントと作用可能式に結合した分泌シグ
    ナル配列を含む、請求項15に記載の発現ベクター。
  17. 【請求項17】 ポリペプチドがさらにDNAセグメントと作用可能式に結
    合したトランスメンブレンドメインを含む、請求項15に記載の発現ベクター。
  18. 【請求項18】 トランスメンブレンドメインがSEQ ID NO:2の
    238番(Leu)から255番(Leu)の残基を含む、請求項17に記載の
    発現ベクター。
  19. 【請求項19】 ポリペプチドがさらにDNAセグメントと作用可能式に結
    合した細胞内ドメインを含む、請求項15に記載の発現ベクター。
  20. 【請求項20】 細胞内ドメインがSEQ ID NO:2の256番(L
    ys)から538番(Ser)の残基からなる、請求項19に記載の発現ベクタ
    ー。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載の発現ベクターの導入された培養細胞で
    あって、前記細胞がDNAセグメントによりコードされる可溶性の受容体ポリペ
    プチドを発現する、培養細胞。
  22. 【請求項22】 細胞が増殖のために外因的に供給された造血増殖因子に依
    存している、請求項21に記載の細胞。
  23. 【請求項23】 融合タンパク質をコードするDNA構築体であって、前記
    DNA構築体が、 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号19(Gly)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸238(Leu)からアミ
    ノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号238(Leu)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列 (f)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (g)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドをコードす
    る第一DNAセグメントと、 追加のポリペプチドをコードする少なくとも1個の別のDNAセグメントとを
    含む構築体であって、 前記第一DNAセグメントおよび別のDNAセグメントがイン・フレームで結
    合し、かつ前記第一DNAセグメントおよび別のDNAセグメントが融合タンパ
    ク質をコードする、DNA構築体。
  24. 【請求項24】 作用可能式に結合した下記の要素: 転写プロモーターと、 請求項23に記載の融合タンパク質をコードするDNA構築体と、 転写ターミネーターとを含む発現ベクターであって、前記プロモーターがDN
    A構築物と作用可能式に結合し、前記DNAセ構築体が転写ターミネーターと作
    用可能式に結合している、発現ベクター。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の発現ベクターを含む培養細胞であって
    、前記細胞がDNA構築体によりコードされるポリペプチドを発現する、培養細
    胞。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の細胞を培養することと、前記細胞によ
    り生成したポリペプチドを単離することを含む融合タンパク質の製造方法。
  27. 【請求項27】 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号2
    0(Cys)からアミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)から2
    55番アミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸
    残基の配列を含む単離されたポリペプチドであって、前記アミノ酸の同一性のパ
    ーセントがFASTAプログラムを用い、ktup=1、ギャップオープニング
    ペナルティ=10、ギャップエクステンションペナルティ=1、置換マトリック
    ス=BLOSUM62とし、他のパラメーターをデフォルトとして設定して決め
    られる、単離されたポリペプチド。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の単離されたポリペプチドであって、前
    記ポリペプチドが、 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸20(Cys)からアミノ
    酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸残基の配列を含む、単離されたポリペプチド
  29. 【請求項29】 請求項27に記載の単離されたポリペプチドであって、ア
    ミノ酸残基の配列が、 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 (b)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号20(Cys)からア
    ミノ酸番号255(Leu)のアミノ酸配列、 (c)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号256(Lys)から
    アミノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 (d)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸20(Cys)からアミノ
    酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、および (e)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号1(Met)からアミ
    ノ酸番号538(Ser)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸残基の配列からなる、単離されたポリペプチ
    ド。
  30. 【請求項30】 ポリペプチドがさらにWSWSXモチーフを含む、請求項
    27に記載の単離されたポリペプチド。
  31. 【請求項31】 ポリペプチドがさらにトランスメンブレンドメインを含む
    、請求項27に記載の単離されたポリペプチド。
  32. 【請求項32】 トランスメンブレンドメインがSEQ ID NO:2の
    238番(Leu)から255番(Leu)の残基からなる、請求項31に記載
    の単離されたポリペプチド。
  33. 【請求項33】 ポリペプチドがさらに細胞内ドメインを含む、請求項27
    に記載の単離されたポリペプチド。
  34. 【請求項34】 細胞内ドメインがSEQ ID NO:2の256番(L
    ys)から538番(Ser)の残基を含む、請求項33に記載の単離されたポ
    リペプチド。
  35. 【請求項35】 細胞内ドメインがさらにBoxIおよびBoxII部位を
    含む、請求項34に記載の単離されたポリペプチド。
  36. 【請求項36】 請求項15に記載の細胞を培養すること、および前記細胞
    により生成したzalpha11ポリペプチドを単離することを含むzalph
    a11ポリペプチドの製造方法。
  37. 【請求項37】 (a)SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸番号2
    0(Cys)からアミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列、 からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドであって
    、前記ポリペプチドが造血受容体と通常結合しているトランスメンブレンドメイ
    ンおよび細胞内ドメインを実質上含まない、単離されたポリペプチド。
  38. 【請求項38】 さらにアフィニティータグを含む、請求項37に記載のポ
    リペプチド。
  39. 【請求項39】 請求項21に記載の細胞を培養すること、および前記細胞
    により生成したzalpha11ポリペプチドを単離することを含むzalph
    a11ポリペプチドの製造方法。
  40. 【請求項40】 zalpha11ポリペプチドに対する抗体の製造方法で
    あって、 (a)9から519個のアミノ酸からなるポリペプチドであって、前記ポリペ
    プチドがSEQ ID NO:2中のアミノ酸番号20(Cys)からアミノ酸
    番号538(Ser)のアミノ酸の連続配列からなるポリペプチド、 (b)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号20(Cys)からアミノ酸番
    号237(His)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (c)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号101(Leu)からアミノ酸
    番号122(Gly)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (d)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号141(Asn)からアミノ酸
    番号174(Ala)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (e)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号193(Cys)からアミノ酸
    番号261(Val)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (f)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号51(Trp)からアミノ酸番
    号61(Glu)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (g)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号136(Ile)からアミノ酸
    番号143(Glu)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (h)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号187(Pro)からアミノ酸
    番号195(Ser)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 (i)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号223(Phe)からアミノ酸
    番号232(Glu)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、および (j)SEQ ID NO:2のアミノ酸番号360(Glu)からアミノ酸
    番号368(Asp)のアミノ酸配列からなるポリペプチド、 からなる群から選択されたポリペプチドであって、動物中の免疫応答を誘発して
    抗体を生成させるポリペプチドを動物に接種すること、および 前記動物から抗体を単離することを含む、方法。
  41. 【請求項41】 zalpha11ポリペプチドと特異的に結合する請求項
    40の方法により製造された抗体。
  42. 【請求項42】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項41に記載の抗
    体。
  43. 【請求項43】 請求項27に記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体
  44. 【請求項44】 請求項15に記載の発現ベクターの導入された細胞の培養
    であって、前記細胞が試験試料の存在および不在下でDNAセグメントによりコ
    ードされるzalpha11タンパク質を発現させる培養を行なうことと、 試験試料の存在および不在下で生物学的または生化学的検定によりzalph
    a11の活性レベルを比較することと、 前記比較から試験試料中のzalpha11の活性の活性調節因子の存在を決
    定することを含む、試験試料中でzalpha11タンパク質活性の活性調節因
    子の存在を検出する方法。
  45. 【請求項45】 試験試料と、SEQ ID NO:2に示されたアミノ酸
    番号20(Cys)からアミノ酸番号237(His)のアミノ酸配列を含むポ
    リペプチドとを接触させること、および ポリペプチドと試料中のリガンドとの結合を検出することを含む、試験試料内
    のzalpha11受容体のリガンドの検出方法。
  46. 【請求項46】 ポリペプチドがさらにトランスメンブレンドメインおよび
    細胞内ドメインを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 ポリペプチドが培養した細胞内で結合された膜であり、か
    つ検出のステップが培養した細胞中の生物学的応答の測定を含む、請求項45に
    記載の方法。
  48. 【請求項48】 生物学的応答が細胞の増殖またはリポーター遺伝子の転写
    の活性化である、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 ポリペプチドを固体の担体上で固定化する、請求項45に
    記載の方法。
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