JP2002525060A - オステオプロテゲリンリガンド活性をダウンレギュレートする方法 - Google Patents

オステオプロテゲリンリガンド活性をダウンレギュレートする方法

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL、TRANCE)の生物学的活性をダウン-レギュレートし、それによって過剰な骨量の損失によって特徴づけられる疾患、例えば骨粗鬆症の治療/改善を可能にする新規な方法を提供する。ダウン-レギュレーションは、その必要のある個体においてOPGLに対する免疫応答を誘導してなされる。免疫応答は、OPGLの免疫原性変異型を用いる伝統的な免疫化又は核酸がOPGL変異型をエンコードする核酸の免疫化によって生じることができる。この発明は、この発明に有用な組成物、ポリペプチド及び核酸ならびにそれらの製造で有用なベクター及び形質転換した宿主細胞にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 この発明は、骨粗鬆症及び骨組織の連続減少によって特徴づけられる他の疾患
の治療及び予防における改良に関する。より詳細には、この発明は、骨粗鬆症を
患っているかあるいは骨粗鬆症を患う危険にさらされている被験者においてオス
テオプロテゲリンリガンド(OPGL)に対する抗体の産生を可能にすることによりOP
GLをダウンレギュレートする方法を提供する。この発明はまた、この方法に有用
な修飾OPGLを産生する方法ならびに修飾OPGL自体も提供する。また、修飾OPGLを
エンコードする核酸フラグメントならびにこれらの核酸フラグメントを組み込ん
だベクターとそれらで形質転換される宿主細胞及び細胞系も、この発明に包含さ
れる。この発明はまた、この発明の方法に有用なOPGL類似体を同定する方法なら
びに修飾OPGLからなる組成物もしくはOPGL類似体をエンコードする核酸からなる
組成物も提供する。
【0002】発明の分野 骨粗鬆症は、世界的に主要かつ進行中の健康問題である。それは、アメリカ合
衆国、ヨーロッパ及び日本を合わせて推定7500万人の人々に影響を及ぼしている
。このように、それは世界の産業化された部分において最も一般的な全身性骨疾
患である。 骨粗鬆症は、閉経後の女性の4人に1人及び多数の男性を含む大多数の年配者に
影響を及ぼしている。1984年には、1500万人の患者にかかるアメリカ合衆国にお
ける骨粗鬆症の費用は、毎年38億USDであると見積もられた。これは、世界的な
費用に外挿すると少なくとも200億USDのオーダーであると解釈される。 骨粗鬆症は、骨量の低下と骨組織のミクロ構造の悪化によって特徴づけられる
全身性骨格疾患であり、結果として骨脆弱性及び骨折感受性の増加を生じる。全
ての骨が影響をうけるが、脊椎、手首及び股関節の骨折が典型的であり、最も一
般的である。骨粗鬆症を発症する危険性は年齢とともに増加し、男性よりも女性
においてより高い。その病因は、女性において閉経の結果として生じ、かつ全て
の個体においては加齢とともに生じる標準的な骨量の減少の強調を基礎とする機
序にあると考えられる。
【0003】 骨量は、およそ35才で最高に達する。そのピークに達した後、骨量は、再形成
における不均衡のために一生を通じて低下する。骨では無機質と有機マトリクス
の両方が減少するが、それらの基本的機構は保持される。 骨は、種々のタンパク質及びプロテオグリカンから構成される無機化された細
胞外マトリクスからなり、その主成分はI型コラーゲンである。細胞外マトリク
スを覆っている無機質はハイドロキシアパタイト(Ca3(PO4)2・Ca(OH)2)である。
骨は成長及び発達のあいだに連続的に形成され、物理的及び化学的シグナルに応
じて一生を通じて再形成される。 骨の成長、発達及び維持は非常に調節された過程であり、それには細胞レベル
で骨形成細胞(骨芽細胞)と骨再吸収細胞(破骨細胞)の調和された調節を要する。
骨量のレベルは、骨の形成と吸収のバランスを反映する。
【0004】 骨芽細胞は、骨損傷後の発達及び一生を通じて生じる正常な骨再形成のあいだ
に間葉幹細胞から発生し、骨マトリクスを生じる。破骨細胞は、単核細胞-マク
ロファージ系統の造血前駆体から分化し、骨マトリクスを再吸収する。 骨芽細胞と破骨細胞の機能の不均衡により、増加した骨量(骨化石症)あるいは
減少した骨量(骨粗鬆症)によって特徴づけられる骨格異常が生じうる。 突然変異マウスでの骨化石症の研究により、破骨細胞の発達、成熟及び/又は
活性化における遺伝的欠陥によって骨吸収の低下がもたらされ、一様に深刻な骨
化石症を生じることが示された(Marks, 1989)。それにもかかわらず、生理学的
に破骨細胞の発達を調節するように作用する溶解性因子については、これまでの
ところ比較的にあまり知られていなかった。 しかしながら、最近この調節に貢献する2つのタンパク質が記載され、かつ特
徴づけられた(Simonetら, 1997; Laceyら, 1998)。これらの2つのタンパク質は
、オステオプロテゲリン(osteoprotegerin)とオステオプロテゲリンリガンドで
ある。
【0005】 オステオプロテゲリンは、腫瘍壊死因子受容体群の新規な分泌メンバーである
。生体外で、オステオプロテゲリンは用量依存的に破骨細胞形成を妨げる。オス
テオプロテゲリンを発現するトランスジェニックマウスは、破骨細胞の減少に伴
って骨密度の一般的増加(骨化石症)を示す。オステオプロテゲリン組換え体を投
与すると正常なマウスでは同様の効果が生じ、ラットでは卵巣摘出に伴う骨減少
から保護される(Simonetら, 1997)。加えて、生まれた時に正常であるがオステ
オプロテゲリンが欠損しているマウス(ノックアウトマウス)では、骨粗鬆症と動
脈石灰化が早期に現れる(Bucay ら, 1998)。これらの観察は、オステオプロテゲ
リンが破骨細胞(単独ではないにしても主な骨再吸収細胞型)の分化を妨げている
可能性を強く示すものであり、そのことは、それが骨吸収の体液性レギュレータ
ーとして作用できることを示唆している。オステオプロテゲリンは、WO 97/2361
4号の主題である。 オステオプロテゲリンは破骨細胞の発達を刺激する因子に結合して中和し、そ
のようにして破骨細胞の成熟を阻害することによってその効果を発揮するとの仮
説がなされた(Simonetら, 1997)。
【0006】 オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)は、膜結合型及び溶解可能型の両方で
存在するサイトカインの腫瘍壊死因子群の新規なメンバーである。OPGLは、4nM
の結合親和性でオステオプロテゲリンに結合する。生体外で、OPGLはCSF-1の存
在下で成熟破骨細胞を活性化し、骨髄前駆体からの破骨細胞の形成を調節する。
OPGLがCSF-1処理骨髄において始原破骨細胞の表面に結合することも論証された
。しかしながら、これらの始原造血細胞におけるOPGLの受容体は知られていない
。溶解性OPGLの組み換え体は、生体内における骨吸収の有力な誘導物質である(L
aceyら, 1998)。
【0007】OPGLの記載 OPGLは、317個のアミノ酸残基(ヒト、SEQ ID NO: 2参照)又は316個のアミノ酸
残基(マウス、SEQ ID NO: 4及び6参照)からなるII型トランスメンブランタンパ
ク質として合成される。2つのアミノ酸配列のアラインメントは、相同する位置
の87%に同一のアミノ酸残基が見られることを示している。 OPGLアミノ酸配列は、N-末端に短い細胞質ドメインとそれに続く49〜69アミノ
酸残基の推定上のトランスメンブラン領域を含む。腫瘍壊死因子αに対するその
相同性に基づいて、OPGLの細胞外部分は2つの領域:アミノ酸残基70から157にわ
たるストーク領域とアミノ酸残基158からC-末端にわたる活性リガンド部分によ
って構成されることが示唆された。 OPGLに最も密接に関連しているタンパク質は、同一アミノ酸残基が25%より少
ないアポトーシス誘発サイトカインTRAILであると考えられる。OPGLはまた、ご
く最近他の状況でクローンされ、各々TRANCE(Wongら, 1997, J. Biol. Chem. 2
72: 25190-25194)及びRANKL(Andersonら, 1997, Nature 390: 175-179)と名
づけられた。そのタンパク質はまた、破骨細胞分化因子(ODF)としても知られて
いる。
【0008】 マウスOPGLの幾つかのN-末端欠失変異型が大腸菌(E.coli)で発現され、精製さ
れた。これらの変異型は、各々75-316、128-316、137-316及び158-316アミノ酸
残基からなった。3つの最も短い変異型は円二色性研究に基づけば同様のβ-シー
ト構造を有し、全てがオステオプロテゲリンに結合することができた。けれども
より重要なことは、その3つの変異型が生体外アッセイにおいて活性であったこ
とである(Laceyら, 1998)。 最も短い変異型をさらに研究した。腫瘍壊死因子αのように、この変異型OPGL
は溶液中に三量体として存在し、オステオプロテゲリンとインキュベートしたと
き3:3複合体を形成する。その結合親和性は、4nMであることが見出された。こ
の変異型は、マウスにおいて生体内で血中イオン化カルシウムの有意な増加(高
カルシウム血症)を誘発する。オステオプロテゲリンの共同投与により、OPGLの
この高カルシウム血の作用は有意に減少した。 OPGLの最も長い変異型(アミノ酸残基75-316)は、オステオプロテゲリンに結合
せず、生物学的活性を全く有しなかった。
【0009】 N-末端欠失変異型の構築時には、OPGLにおける天然の切断部位は知られていな
かった。ヒトの293個の繊維芽細胞での全長OPGLの発現により、マウスタンパク
質のアミノ残基139あるいはヒトタンパク質の相同なアミノ酸残基140で始まる溶
解性OPGLが生じた。これらの発現研究は、ヒト細胞での発現から生じる溶解性OP
GLがグリコシル化されていることも示した。このことは、マウスとヒトのOPGLが
ともにC-末端リガンド領域に3つの潜在的なN-グリコシル化部位を含むので、驚
くべきことではない。 血中及び組織中のオステオプロテゲリン濃度は知られていないが、そのタンパ
ク質は1ng/mlの濃度で有意な生物学的活性を有している。
【0010】OPGLの生物学的活性 OPGLは、CSF-1と組み合わさると、有力な破骨細胞分化因子である。これらの
成分は、どちらも単独では始原細胞からの破骨細胞の分化を誘発することはでき
ない。 OPGLは、成熟破骨細胞の有力な活性化因子である。それ自体で、OPGLは成熟破
骨細胞を活性化し、骨を再吸収する。これらの実験では、OPGLが破骨細胞成長因
子又は破骨細胞生存因子として作用することは観察されなかった。 マウスOPGLもヒト末梢血単核細胞の培養で破骨細胞の形成を誘発したので、OP
GLの作用が種に限定されるとは考えられない。発明の目的 この発明の目的は、骨粗鬆症のような過剰な骨再吸収によって特徴づけられる
症状に対する新規な治療を提供することである。さらなる目的は、OPGLに対する
自己ワクチンを開発し、骨粗鬆症及び過剰な骨再吸収を伴う他の病理学的疾患の
新規な治療を得ることである。
【0011】発明の要約 上記に参照したデータは、OPGLの病態生理学的役割を示唆していることが分か
る。生体内の証拠は部分的に情況的つまり間接的なものであるが、我々の意見で
は、特に直接的証拠と組み合せると説得力のあるものである。 OPGLの組換え型C-末端領域のマウスへの注入により重篤な高カルシウム血症が
生じるという観察は、我々の意見では、病態生理学的役割を直接に示す。 間接的証拠は、出生時は正常であっても早期に骨粗鬆症を発症するオステオプ
ロテゲリン欠乏マウス(ノックアウトマウス)に由来する。これは、OPGLに結合し
その作用を中和するタンパク質の除去が骨粗鬆症をもたらすことを示している。
この最も可能性のある理由は、OPGLによって引き起こされる破骨細胞の成熟と活
性化の上昇であると推断される。
【0012】 他の2つの間接的証拠は、オステオプロテゲリンのトランスジェニックマウス
と組換えオステオプロテゲリンを注入したマウスがともに骨粗鬆症を発症するこ
とである。これは、OPGLに結合してその作用を中和する異常な高レベルのタンパ
ク質が骨粗鬆症をもたらすことを示している。つまり、これは、OPGLの中和によ
って引き起こされる破骨細胞の成熟と活性化の低下における理由であるものと結
論される。 したがって、OPGLとオステオプロテゲリンが、それぞれ破骨細胞の発生の陽性
及び陰性のレギュレーターとして作用するモデルが示唆される。言い換えれば、
OPGLは骨の再吸収を促進するが、オステオプロテゲリンは骨再吸収を阻害する。 つまり、骨粗鬆症との関係で、OPGLは、最後には骨粗鬆症をもたらす骨の再吸
収を促進する「発病剤」として考えられる。同様に、オステオプロテゲリンは、
その作用の中和を介して「発病剤」を妨げる「治療剤」として認識され得る。
【0013】 したがって、OPGLを中和しうる抗体の生体内産生によって、破骨細胞の分化/
成熟/形成及び破骨細胞の活性化をダウン-レギュレートし、それによって、骨粗
鬆症及び骨形成速度に比して過剰な骨再吸収速度によって特徴づけられる他の疾
患の治療/改善及び/又は予防のための安全かつ効率的な手段を提供することが提
案される。 つまり、もっとも広くかつもっとも一般的な範囲において、この発明は、 - OPGLポリペプチド又はそのサブ配列での動物の免疫化がOPGLポリペプチドに
対する抗体の産生を誘導するよう系統立てられている、少なくともひとつのOPGL
ポリペプチド又はそのサブ配列、及び/又は - OPGL類似体を用いる動物の免疫化で、結果としてOPGLポリペプチドに対する
抗体の産生を誘導する修飾がOPGLポリペプチドに誘導されている、少なくともひ
とつのOPGL類似体 の免疫学的に有効な量を動物の免疫系に提示することからなる、ヒトを含む動物
におけるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)活性を生体内でダウン-レギュレ
ートする方法に関する。
【0014】 この試みのもっとも魅力的な観点は、例えば骨粗鬆症が、オステオプロテゲリ
ン又はOPGL類似体への結合親和性を有する分子の頻繁な(例えば、毎日の)投与を
伴う治療方法とは対照的に、周期的ではあるがあまり頻繁ではない免疫化によっ
て制御できるということである。免疫原性組成物を用いる場合、一年当たり1〜4
回の注入で所望の効果を得るのに十分であるが、オステオプロテゲリン又は他の
OPGL活性阻害剤の投与では毎日の投与を要するものと予想される。 この発明は、OPGL類似体ならびにこれらのサブセットをエンコードする核酸フ
ラグメントにも関する。また、その類似体又は核酸フラグメントからなる免疫原
性組成物は本発明の一部である。 また、この発明は、OPGL類似体の同定方法ならびにOPGL類似体からなる組成物
の製造方法に関する。 最後に、この発明は、破骨細胞におけるOPGLとその受容体との相互作用を妨げ
る非-OPGL分子(一般的には抗体)を投与する、骨粗鬆症及び過剰な骨再吸収で特
徴づけられる他の疾患の治療方法に関する。
【0015】発明の詳細な説明 定 義 以下において、この明細書及び請求の範囲で用いられる幾つかの用語を定義し
、詳細に説明して、この発明の境界を明らかにする。 用語「T-リンパ球」及び「T-細胞」は、種々の細胞媒介性免疫応答ならびに体
液性免疫応答でのヘルパー活性の原因である胸腺由来リンパ球について互換的に
用いられる。同様に、「B-リンパ球」及び「B-細胞」は、抗体産生リンパ球につ
いて互換的に用いられる。 「OPGLポリペプチド」は、ここでヒト及びマウス由来の上記OPGLタンパク質の
アミノ酸配列を有するポリペプチド(又はB-細胞エピトープの実質量を完全型OPG
Lと共有する、その端を切り取った(truncate)型)を意味することを意図するが、
他種から単離されるこれらの2つのタンパク質の類似体に同一のアミノ酸配列を
有するポリペプチドもこの用語に含まれる。また、原核生物系でつくられるOPGL
の非グリコシル化形態は、例えば酵母又は他の非哺乳動物の真核生物発現系の使
用によりグリコシル化パターンが異なる形態のように、この用語の境界内に含ま
れる。しかし、用語「OPGLポリペプチド」を用いる際には、当該ポリペプチドが
治療されるべき動物に提示される際に、通常、非免疫原性であることを意図する
。言い換えれば、OPGLポリペプチドは自己タンパク質、又は当該動物のOPGLに通
常は免疫応答を生じない、かかる自己タンパク質の類似体である。
【0016】 「OPGL類似体」は、その一次構造で変化を受けやすいOPGLポリペプチドである
。かかる変化は、例えば適当な融合パートナーへのOPGLポリペプチドの融合形態
(つまり、アミノ酸残基のC-及び/又はN-末端付加を独占的に伴う一次構造での変
化)であってもよく、及び/又はOPGLポリペプチドのアミノ酸配列における挿入及
び/又は欠失及び/又は置換形態であってもよい。誘導されるOPGL分子も、この用
語に包含される(OPGLの修飾に関する以下参照)。 ヒトOPGLの外来類似体(例えばイヌ又はブタの類似体)のヒトでのワクチンとし
ての使用は、OPGLに対する所望の免疫を生じることが想像できることに留意され
たい。免疫化のための外来類似体のこのような使用も、この発明の一部と考えら
れる。 用語「ポリペプチド」は、この明細書で2-10アミノ酸残基の短いペプチド、11
-100アミノ酸残基のオリゴペプチド、及び100アミノ酸残基より多いポリペプチ
ドのいずれも意味することを意図する。さらに、この用語は、タンパク質、つま
り少なくともひとつのポリペプチドからなる機能的生体分子を含むことも意図す
る。少なくとも2つのポリペプチドからなる際には、これらは複合体を形成し、
共有結合するか、又は非共有的に結合していてもよい。タンパク質中のポリペプ
チドは、グリコシル化及び/又は脂質化していてもよく、かつ/又は補欠分子族を
含んでいてもよい。
【0017】 用語「サブ配列」は、それぞれ天然に存在するOPGLアミノ酸配列又は核酸配列
から直接誘導される、少なくとも3アミノ酸、又は適切な場合には、少なくとも3
ヌクレオチドのいずれかの連続的なストレッチを意味する。 用語「動物」は、この明細書で、一般的に動物種(好ましくは哺乳動物)、例え
ばホモ・サピエンス、キャニス・ドメスティカス(Canis domesticus)等を意味し
、わずか1つの動物ではないことを意図する。しかし、この用語は、そのような
動物種の個体群も意味する。なぜなら、この発明の方法によって免疫化された個
体は全て、同じ免疫原での動物の免疫化を可能にする同一のOPGLを実質的に有し
ていることが重要であるからである。例えばOPGLの遺伝的変異型が種々のヒト個
体群に存在する場合、これらの種々の個体群で異なる免疫原を用いて、各群での
OPGLに対する自己耐性(autotolerance)を破壊できるようにすることが必要かも
しれない。この明細書において、動物が免疫系を有する生物であることは当業者
に明らかである。動物は、哺乳動物のような脊椎動物であることが好ましい。
【0018】 ここで、用語「OPGL活性の生体内ダウン-レギュレーション」によれば、生物
におけるOPGLとその(未知の)受容体との相互作用(又はOPGLとこの分子に関して
生物学的に重要な可能性がある他の結合パートナー)の数の減少が意味される。
ダウン-レギュレーションは、幾つかの機序によって達成され得る。これらのう
ち、抗体結合によるOPGL中の活性部位の干渉がもっとも単純である。しかし、抗
体結合がスカベンジャー細胞(例えばマクロファージ及び他の食細胞)によってOP
GLの除去を生じることも、本発明の範囲内である。 表現「免疫系に・・・提示する」は、動物の免疫系が制御された様式で免疫原性
の対抗(challenge)に付されていることを意味することを意図する。以下の開示
から明らかであるように、免疫系のこのような対抗は幾つかの方法で行うことが
できる。そのうちもっとも重要なのは、「ファーマシン(pharmaccine)」を含む
ポリペプチド(つまり、進行中の疾患を治療又は改善するために投与されるワク
チン)でのワクチン注射又は核酸「ファーマシン」のワクチン注射である。動物
の免疫受容細胞が免疫学的に有効な様式で抗原と相対することは達成するのに重
要な結果であるが、この結果を達成するのに正確な様式は、この発明の基礎とな
る創意に富む考えにはあまり重要ではない。
【0019】 用語「免疫原性的に有効な量」とは、当該分野での通常の意味、つまり免疫学
的特徴を免疫原と共有している発病剤を著しく連動させる免疫応答を誘導し得る
免疫原の量である。 OPGLが「修飾」されているとの表現を用いる際には、ここで、OPGLの骨格を成
すポリペプチドの化学的修飾が意味される。このような修飾は、例えばOPGL配列
のあるアミノ酸残基の誘導化(例えばアルキル化)であってもよいが、以下の開示
から認められるように、好ましい修飾は、OPGLアミノ酸配列の一次構造の変化か
らなる。 「OPGLに対する自己耐性」を論じる際には、OPGLはワクチン注射される個体群
において自己タンパク質であるので、正常な個体は群でOPGLに対する免疫応答を
高めないものと理解される。但し、動物個体群の個体が時折り例えば自己免疫疾
患の一環として天然OPGLに対する抗体を産生しうることは否定できない。いずれ
にせよ、動物は通常自分自身のOPGLに自己耐性であるにすぎないが、他の動物種
又はOPGL表現型の異なる個体群由来のOPGL類似体にも、該動物が耐性をもちうる
ことは否定できない。
【0020】 「外来T-細胞エピトープ」(つまり、「外来T-リンパ球エピトープ」)は、動物
種においてMHC分子に結合でき、T-細胞を刺激するペプチドである。この発明で
好ましい外来T-細胞エピトープは「乱交雑」エピトープ、つまり動物の種又は個
体群で特定クラスのMHC分子の実質的なフラクションに結合するエピトープであ
る。このような乱交雑T-細胞エピトープは、ごく限られた数しか知られていない
。それらを、詳細に後述する。適切には、この発明にしたがって用いられている
免疫原ができるだけ大きな動物個体群のフラクションで有効であるようにするた
め、1)同じOPGL類似体に幾つかの外来T-細胞エピトープを挿入するか、又は2)各
類似体に種々の乱交雑エピトープが挿入されている幾つかのOPGL類似体を製造す
る必要があり得る。外来T-細胞エピトープの概念は、クリプティックT-細胞エピ
トープ、つまり自己タンパク質に由来し、当該の自己タンパク質の部分なしに単
離型で存在する際にのみ免疫原性挙動を示すエピトープの使用も包含することも
留意されたい。 「外来Tヘルパーリンパ球エピトープ」(外来THエピトープ)は、クラスII のMH
C群分子に結合する外来T細胞エピトープであり、クラスIIのMHC分子に結合する
抗原提示細胞(APC)表面上で提示され得る。
【0021】 この明細書において(生体)分子の「機能部分」は、分子によって奏される生化
学的又は生理学的作用の少なくともひとつについて原因となる分子の部分を意味
することを意図する。当該分野で、多くの酵素と他のエフェクター分子が、当該
分子によって奏される作用の原因となる活性部位を有することは周知である。分
子の他の部分は安定化又は可溶化を増強する目的に役立つことがあり、したがっ
て、この発明のある具体例の状況でこれらの目的が関連していない場合に除外さ
れ得る。例えば、OPGLにおける修飾分子としてあるサイトカインを用いることが
でき(詳細は後述参照)、このような場合にはOPGLへの結合が必要な安定性を生じ
るので、安定性の供給は不適切な可能性がある。 用語「アジュバント」はワクチン技術の分野で通常の意味を有し、つまり1)そ
れ自体では、ワクチンの免疫原に特異的な免疫応答を高めることができないが、
2)それにもかかわらず、免疫原に対する免疫応答を増強できる物質もしくは材料
組成物である。つまり、換言すれば、アジュバントのみでのワクチン注射は免疫
原に免疫応答を生じず、免疫原でのワクチン注射は免疫原に対する免疫応答を生
じるか、もしくは生じないが、免疫原とアジュバントを用いる組合わせたワクチ
ン注射は、免疫原のみによって誘導されるよりも強力な免疫応答を免疫原に誘導
する。
【0022】 この明細書で分子の「標的化」は、動物中の導入による分子がある組織で優先
的に現れるか、又はある細胞もしくは細胞型と優先的に結合している状況を意味
することを意図する。これは、標的化を容易にする組成物での分子の形成又は標
的化を容易にする基の分子での導入を含む幾つかの方法で達成され得る。これら
の討論は、以下で詳細にする。 「免疫系の刺激」は、物質又は材料組成物が一般的な非特異的免疫刺激作用を
奏することを意味する。幾つかのアジュバントと推定されるアジュバント(例え
ばある種のサイトカイン)は、免疫系を刺激する能力を共有する。免疫刺激剤を
用いると、免疫原の単離使用と比較して免疫原での刺激又はその後の免疫化が著
しく有効な免疫応答を誘導することを意味する免疫系の「警告(alertness)」が
増強される。
【0023】OPGL活性ダウン-レギュレーションの好ましい具体例 この発明の方法で免疫原として用いられるOPGLポリペプチドは、OPGLアミノ酸
配列に少なくともひとつの変更がある修飾分子であることが好ましい。なぜなら
、OPGLに対する自己耐性の非常に重要な破壊を得る機会がこの方法でかなり容易
になるからである。これは、OPGLに対する自己耐性の破壊をさらに促進する製剤
、例えばアジュバントを含む製剤においてかかる修飾OPGLを用いる可能性を除く
ものではないことに留意されたい。
【0024】 自己タンパク質を認識する潜在的に自己反応性のB-リンパ球は正常な個体に生
理学的に存在することが示されている(Dalum Iら, 1996, J. Immunol. 157: 479
6-4804)。しかし、これらのB-リンパ球が関連性ある自己タンパク質と実際に反
応性の抗体を産生するよう誘導するには、T-ヘルパーリンパ球(TH-細胞又はTH-
リンパ球)を産生するサイトカインからの補助が必要である。通常、この助力は
、T-リンパ球が一般的に抗原提示細胞(APC)によって提示される際に自己タンパ
ク質由来のT-細胞エピトープを認識しないため、提供されない。しかし、自己タ
ンパク質に「外来性」要素を提供する(つまり、免疫学的に著しい修飾を導入す
る)ことによって、外来要素を認識するT-細胞はAPC上の外来エピトープを認識し
て活性化される(例えば、最初は、単核細胞)。修飾した自己タンパク質上で自己
エピトープを認識し得るポリクローナルB-リンパ球(APCでもある)も抗原を内向
し、その後、その外来T-細胞エピトープを提示し、活性化T-リンパ球が、その後
、これらの自己反応性ポリクローナルB-リンパ球にサイトカインの助力を提供す
る。これらのポリクローナルB-リンパ球によって生じる抗体は、天然ポリペプチ
ドにも存在するエピトープを含む修飾ポリペプチド上での種々のエピトープと反
応性であるので、非修飾自己タンパク質と交差反応性の抗体が誘導される。結論
として、T-リンパ球は、ポリクローナルB-リンパ球の群が完全な外来抗原を認識
するかのような作用をもたらすことができるが、実際には、挿入されたエピトー
プが宿主に外来であるにすぎない。このようにして、非修飾自己抗原と交差反応
し得る抗体が誘導される。
【0025】 自己耐性を破壊するためにペプチド自己抗原を修飾する幾つかの方法が、当該
分野で知られている。したがって、この発明によれば、修飾は、 - 少なくともひとつの外来T-細胞エピトープを導入し、及び/又は - 少なくともひとつの第一分子を導入し、それにより抗原提示細胞(APC)に修飾
分子の標的化をもたらし、及び/又は - 少なくともひとつの第二分子を導入し、それにより免疫系を刺激し、及び/又
は - 少なくともひとつの第三分子を導入し、それにより免疫系への修飾OPGLポリ
ペプチドの提示を最適化する ことを含み得る。 しかし、これら全ての修飾は、OPGLで最初のB-リンパ球エピトープの実質的フ
ラクションを維持しているあいだに行うべきである。なぜなら、天然分子のB-リ
ンパ球認識はそれによって増強されるためである。
【0026】 ひとつの好ましい具体例において、側基(side group)(外来T-細胞エピトープ
又は上記の第一、第二及び第三分子の形態)は、共有的又は非共有的に導入され
る。これは、OPGL由来のアミノ酸残基のストレッチが、一次アミノ酸配列を変え
ずに、又は少なくとも鎖中の個々のアミノ酸間のペプチド結合に変更を導入せず
に誘導されることを意味する。 代替的かつ好ましい具体例は、アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入及
び/又は付加を利用する(これらは組換え手段又はペプチド合成によって行われて
もよい;長いアミノ酸のストレッチに関与する修飾は融合ポリペプチドを生じ得
る)。この具体例のひとつの特に好ましい変形はWO 95/05849号に記載される技術
であり、これは、それぞれが外来の免疫優勢T-細胞エピトープを含む相当する数
のアミノ酸配列で幾つかのアミノ酸配列を置換している自己タンパク質の類似体
で免疫化する一方、同時に自己タンパク質の全体的な三次構造を類似体で維持す
ることによる自己タンパク質のダウン-レギュレート法を開示している。しかし
、この発明の目的のためには、修飾(挿入、付加、欠失又は置換)が外来T-細胞エ
ピトープを生じ、同時に実質的な数のB-細胞エピトープをOPGLに保持すれば、十
分である。しかしながら、誘導される免疫応答効率を最大限にするには、OPGLの
全体的な三次構造は修飾分子に維持することが好ましい。
【0027】 以下の式は、この発明によって一般的に包含されるOPGL構築物を記載している
: (MOD1)s1(OPGLe1)n1(MOD2)s2(OPGLe2)n2....(MODx)sx(OPGLex)nx
(I) [式中、OPGLe1-OPGLex は、独立して同一又は非同一であり、かつ外来の側基を
含有するかもしくは含有しない OPGLのサブ配列を含有するx B-細胞エピトープ
であり、xは3以上の整数であり、n1-nxは0以上のx整数(少なくとも1以上)であり
、MOD1-MODxは保持されているB-細胞エピトープ間に導入されるx修飾であり、か
つs1-sxは0以上のx整数である(側基がOPGLe 配列に導入されない場合には、少な
くとも1以上である)]。したがって、構築物の免疫原性に一般的な機能的抑制が
なされているので、この発明は、最初のOPGL配列に関する全ての種類の置換及び
それにおける全ての種類の修飾を可能にする。したがって、この発明には、例え
ば生体内で副作用を生じるOPGL配列の部分を省くか、又は通常は細胞内の部分、
つまり望ましくない免疫学的反応を生じる部分を省いて得られる修飾OPGLが含ま
れる。
【0028】 ここに記載されるように、B-細胞エピトープの実質的フラクション又は修飾に
付されるタンパク質の全体的な三次構造までもの維持は、幾つかの方法でなしう
る。ひとつは、OPGLに対して指向されるポリクローナル抗血清(例えば、ウサギ
でつくられる抗血清)を単に製造し、その後、生じる修飾タンパク質に試験剤(例
えば競合ELISAにおける)としてこの抗血清を用いることである。OPGLのように抗
血清と同程度に反応する修飾型(類似体)は、OPGLと同じ全体的な三次構造を有す
るものとみなさなければならないが、このような抗血清と限られた(しかし依然
として著しくかつ特異的な)反応性を示す類似体は、最初のB-細胞エピトープの
実質的フラクションを維持するものとみなされる。 また、OPGL上の種々のエピトープと反応性のモノクローナル抗体の選択を準備
し、試験パネルとして用いることができる。この試みは、1) OPGLのエピトープ
マッピング、及び2) つくられる類似体で維持されるエピトープのマッピングを
可能にする利点がある。
【0029】 当然に、第三の試みは、OPGL又は生物学的に活性なその端を切り取った型(上
記参照)の三次元構造を解析し、これを製造した類似体の解析した三次元構造と
比較することである。三次元構造は、X-線回折研究及びNMR-分光計によって解析
できる。三次元構造に関する別の情報は、円二色性研究からある程度得ることが
できる。この研究は、単に純粋型のポリペプチドを要するという利点を有し(こ
れに対し、X-線回折は結晶化ポリペプチドの供給を要し、NMRは同位体変異体ポ
リペプチドの供給を要する)、所定の分子の三次構造に有用な情報を提供する。
しかし、結局、X-線回折及び/又はNMRは、円二色性研究が二次構造の要素情報を
介して正確な三次元構造を間接的に立証しているにすぎないため、決定的データ
を得るのに必要である。 この発明のひとつの好ましい具体例は、OPGLのB-リンパ球エピトープの多重提
示(つまり、少なくともひとつのB-細胞エピトープが2つの位置で存在する式I)を
利用する。これは、種々の方法、例えば構造(OPGL)m [式中、mは2以上の整数]か
らなる融合ポリペプチドを単に製造し、次いでここに論じる修飾を少なくともひ
とつのOPGL配列に導入して達成される。導入された修飾は、B-リンパ球エピトー
プの少なくともひとつの複製及び/又はハプテンの導入を含むことが好ましい。
【0030】 上記のように、外来T-細胞エピトープの導入は、少なくともひとつのアミノ酸
の挿入、付加、欠失又は置換の導入によって達成される。当然に、正常な状況は
、アミノ酸配列での1以上の変更の導入(例えば完全なT-細胞エピトープの挿入又
はそれによる置換)であるが、達成するのに重要な目的は、抗原提示細胞(APC)で
処理される際に、OPGL類似体が、APC表面にクラスII MHC分子の関係で提示され
る外来の免疫優勢T-細胞エピトープを生じることである。つまり、OPGLアミノ酸
配列が適当な位置で外来THエピトープにも見られるアミノ酸残基を幾つか含んで
いる場合には、外来THエピトープの導入は、アミノ酸の挿入、付加、欠失及び置
換で外来エピトープの残りのアミノ酸を供給することによって達成される。言い
換えれば、この発明の目的を満足するために、挿入又は置換によって完全なTH
ピトープを導入する必要はない。
【0031】 アミノ酸の挿入、欠失、置換又は付加の数は、少なくとも2、例えば3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20及び25の挿入、置換
、付加又は欠失であることが好ましい。さらに、アミノ酸の挿入、置換、付加又
は欠失の数は150を上回らないことが好ましく、例えば多くても100、多くても90
、多くても80、ならびに多くても70である。特に、置換、挿入、欠失又は付加の
数は60を上回らないことが好ましく、とりわけこの数は50、又は40をも上回るべ
きではない。30以下の数が、最も好ましい。アミノ酸の付加に関しては、得られ
る構築物が融合ポリペプチドの形態である場合は、しばしば150よりも相当高い
数になることに留意されたい。 本発明の好ましい具体例は、少なくともひとつの外来の免疫優勢T-細胞エピト
ープを導入することによる修飾を包含する。T-細胞エピトープの免疫優勢の問題
は、当該の動物種に依存することは理解されるだろう。ここで使用する限り、「
免疫優勢」という語は単に、ワクチン注射した個体/個体群において顕著な免疫
応答を生じさせるエピトープを言及する。しかしながら、一個体/一個体群で免
疫優勢であるT-細胞エピトープが、たとえ同種の他の個体でMHC-II分子に結合す
ることができたとしても、必ずしもその他の個体で免疫優勢であるとは限らない
ことは周知の事実である。したがって、本発明の目的において、免疫優勢T-細胞
エピトープは、抗原中に存在する際にT-細胞を助けるのに効果的なT-細胞エピト
ープである。一般的に、免疫優勢T-細胞エピトープは、それらが見られるポリペ
プチドに関係なく、MHCクラスII分子に結合した状態で実質的に常時提示される
という固有の特徴を有する。
【0032】 もう一つの重要な点は、T-細胞エピトープのMHC制限の問題である。一般に天
然に存在するT-細胞エピトープはMHC制限性であり、すなわち、T-細胞エピトー
プを構成するあるペプチドのみがMHCクラスII分子のサブセットに効果的に結合
する。これはその結果、多くの場合において、1個の特異的なT-細胞エピトープ
の使用が個体群のフラクションにのみ有効なワクチン成分を生じるという効果を
有する。また、フラクションのサイズ次第でより多くのT-細胞エピトープを同一
分子内に必然的に含めることができ、あるいは導入されたT-細胞エピトープの性
質によって互いに識別されるOPGL変異型が成分である多成分ワクチンを製造する
ことができる。 使用するT-細胞のMHC制限が全く未知である場合(例えばワクチン注射した動物
があまり確定されていないMHC組成を有している場合)、特異的なワクチン組成に
よってカバーされる個体群のフラクションは以下の式によって決定することがで
きる:
【数1】
【0033】 [式中、piはワクチン組成中に存在するiの外来T-細胞エピトープに対して応答す
る個体群における頻度、及びnはワクチン組成中の外来T-細胞エピトープの総数
である]。このように、個体群において0.8、0.7及び0.6の応答頻度をそれぞれ有
する3個の外来T-細胞エピトープを含むワクチン組成は 1 - 0.2 × 0.3 × 0.4 = 0.976 となり、すなわち、個体群の97.6%がMHC-IIを介したワクチンへの応答を統計的
に高める。
【0034】 上記の式は、使用されるペプチドの多少とも明確なMHC制限パターンが知られ
ている場合には適用されない。例えば、あるペプチドのみがHLA-DRアレレDR1、D
R3、DR5及びDR7によってエンコードされるヒトMHC-II分子に結合する場合には、
このペプチドを、HLA-DRアレレによってエンコードされる残りのMHC-II分子に結
合する別のペプチドとともに使用することにより、当該個体群で100%の到達範
囲が達成される。同様に、第二のペプチドがDR3及びDR5のみに結合する場合には
、このペプチドの付加は到達範囲を全く増加させない。個体群応答の算出の基礎
を完全にワクチン中のT-細胞エピトープのMHC制限におく場合、特異的なワクチ
ン成分でカバーされる個体群のフラクションは以下の式によって決定される:
【数2】
【0035】 [式中、ψjはワクチン中のT-細胞エピトープのいずれか1個を結合し、かつjの3
つの公知のHLA座(DP、DR及びDQ)に属するMHC分子をエンコードするアレリックハ
プロタイプの個体群における頻度の合計である。実際には、どのMHC分子がワク
チン中の各T-細胞エピトープを認識するかをまず測定し、その後、これらを型(D
P、DR及びDQ)によってリストする。次いで、リストした種々のアレリックハプロ
タイプの個々の頻度を型ごとに合計し、ψ1、ψ2及びψ3を得る]。 式IIの値piは対応する理論値πiを超えることがあるかもしれない。
【数3】
【0036】 [式中、νjは ワクチン中のiのT-細胞エピトープを結合し、かつjの3つの公知の
HLA座(DP、DR及びDQ)に属するMHC分子をエンコードするアレリックハプロタイプ
の個体群における頻度の合計である。これは、1-πiの個体群では、応答頻度はf
誤差(residual)_i = (pii)/(1-πi)となることを意味する。したがって、式I
IIを調整して式Vとすることができる:
【数4】
【0037】 [式中、用語1−f誤差_iは、負のときは0に設定される]。全てのエピトープが同
一セットのハプロタイプにハプロタイプマップ(haplotype mapped)されているこ
とを式Vが要求することに留意されたい。 したがって、OPGL類似体に導入されるT-細胞エピトープを選択するときは、エ
ピトープに関する利用可能な全ての知識: 1)個体群における各エピトープへの応
答頻度、2)MHC制限データ及び3)関連するハプロタイプ個体群における頻度、を
含めることが重要である。 動物種の個体又は動物個体群の大部分において活性な、天然に存在する「乱交
雑」T-細胞エピトープが多量に存在する。これらは好ましくはワクチンに導入さ
れ、それによって同一ワクチンにおける極めて多量の異なるOPGL類似体の必要性
を低減する。
【0038】 本発明によれば、乱交雑エピトープは、破傷風トキソイド(例えばP2及びP30エ
ピトープ)、ジフテリアトキソイド、インフルエンザウイルス血球凝集素(hemagl
uttinin)(HA)及びピー・ファルシパルム(P. falciparum) CS抗原由来エピトープ
のような天然に存在するヒトT-細胞エピトープであってもよい。 長年にわたり、その他の乱交雑T-細胞エピトープが多数同定されている。特に
、異なるHLA-DRアレレによってエンコードされるHLA-DR分子の大部分に結合しう
るペプチドが同定されており、これらは全て本発明にしたがって使用されるOPGL
類似体に導入される可能性のあるT-細胞エピトープである。すべてここに引用し
て組み込まれる以下の文献に記載されるエピトープも参照のこと: WO 98/23635
号 (Frazer IH ら、The University of Queenslandに譲受); Southwood S ら、1
998, J. Immunol. 160: 3363-3373; Sinigaglia F ら、1988, Nature 336: 778-
780; Chicz RM ら、1993, J. Exp. Med 178: 27-47; Hammer J ら、1993, Cell
74: 197-203; 及び Falk K ら、1994, Immunogenetics 39: 230-242。最後の文
献はHLA-DQリガンド及びHLA-DPリガンドについても論じている。これら5文献に
挙げられるエピトープは全て本発明で使用される天然のエピトープと共通のモチ
ーフを共有するため、その候補として適切である。
【0039】 あるいは、エピトープは、MHCクラスII分子の大部分を結合しうるいずれかの
人為的なT-細胞エピトープであってもよい。この明細書においては、WO 95/0770
7号及び対応する論文Alexander J ら、1994, Immunity 1: 751-761 (両者ともこ
こに引用して組み込む)に記載のpan DR エピトープペプチド("PADRE")が、本発
明にしたがって使用されるエピトープの候補として興味深い。これらの論文に開
示される最も有効なPADREペプチドは、投与時の安定性を改善するためにC-末端
及びN-末端にD-アミノ酸を担持することに留意されたい。しかしながら、本発明
は第一に、適切なエピトープを修飾OPGLの一部として組み込むことを目的とする
。これはその後、APCのリソソーム分画内で酵素的に破壊し、続いてMHC-II分子
に関連して提示を行う。したがって、本発明において使用されるエピトープにD-
アミノ酸を組み込むことは得策ではない。 特に好ましいPADREペプチドのひとつは、アミノ酸配列AKFVAAWTLKAAA又は免疫
学的に有効なそのサブ配列を有するペプチドである。これと、同じMHC制限を欠
いている他のエピトープが、本発明の方法で使用されるOPGL類似体で提示すべき
好ましいT-細胞エピトープである。このような超-乱交雑エピトープは、ワクチ
ン注射した動物の免疫系に単一の修飾OPGLのみを提示する、本発明の最も簡単な
具体例を可能にする。
【0040】 上記のように、OPGLの修飾は、修飾OPGLをAPC又はB-リンパ球に標的化する第
一分子の導入を含んでいてもよい。例えば、第一分子は、B-リンパ球の特異的な
表面抗原又はAPC特異的な表面抗原に特異的な結合パートナーであってもよい。
そのような特異的な表面抗原の多くは、当該分野において公知である。例えば、
分子は、B-リンパ球又はAPCへの受容体がある炭水化物であってもよい(例えばマ
ンナン又はマンノース)。あるいは、第二分子はハプテンであってもよい。APC又
はリンパ球の表面分子を特異的に認識する抗体フラグメントも、第一分子として
使用することができる(表面分子は例えば、FCγRIのようなマクロファージ及び
単球のFCγ受容体、あるいはCD40又はCTLA-4等のいずれかの他の特異的な表面マ
ーカーであってもよい)。これら全ての代表的な標的化分子はアジュバントの一
部としても使用できることに留意されたい(以下を参照のこと)。 免疫応答を増強するために修飾OPGLポリペプチドをある細胞型に標的化するこ
との代案又は補足として、免疫系を刺激する上記の第二分子を含むことによって
免疫系の反応性レベルを増強することができる。このような第二分子の一般的な
例としては、サイトカイン及び熱ショックタンパク質又は分子シャペロンならび
にそれらの有効な部分がある。
【0041】 本発明にしたがって使用される適切なサイトカインは、通常ワクチン組成物に
おいてアジュバントとしても機能するもの、例えばインターフェロンγ(IFN-γ)
、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン4(IL
-4)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキ
ン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)及び顆粒球-マクロファージコロニー
刺激因子(GM-CSF)である;あるいはサイトカイン分子の機能的部分が第二分子と
して十分である。このようなサイトカインのアジュバント物質としての使用に関
しては、下記の記載を参照のこと。 本発明によれば、第二分子として使用される適当な熱ショックタンパク質又は
分子シャペロンは、HSP70、HSP90、HSC70、GRP94(gp96としても知られている、W
earsch PA ら. 1998, Biochemistry 37: 5709-19参照)ならびにCRT(カルレチク
リン(calreticulin))であってもよい。 あるいは、第二分子はリステリオリシン(listeriolycin)(LLO)、脂質A及び非
耐熱性エンテロトキシンのような毒素であってもよい。また、MDP(ムラミルジペ
プチド)、CFA(完全フロイントアジュバント)及びトレハロースジエステルTDM及
びTDEなどの多数のマイコバクテリア誘導体が、興味深い可能性のあるものであ
る。
【0042】 免疫系への修飾OPGLの提示を高める第三分子を導入することの可能性もまた、
本発明の重要な具体例である。この原理の幾つかの例が、当該分野において示さ
れている。例えば、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)タンパ
ク質OspAのパルミトイル脂質化アンカーを利用して、自己アジュバント化ポリペ
プチドを提供できることが知られている(例えばWO 96/40718号参照)。脂質化し
たタンパク質は、ポリペプチドの脂質化アンカー部分とそこから突出する残りの
分子部分からなる核を有するミセル状構造を形成し、その結果、抗原決定基を多
数提示するものと考えられる。したがって、これの使用及び異なる脂質化アンカ
ー(例えばミリスチル基、ミリスチル基、ファルネシル基、ゲラニル-ゲラニル基
、GPIアンカー及びN-アシルジグリセライド基)を用いた関連研究は、特に組換え
て製造したタンパク質内の脂質化アンカーの供給がかなり簡単で、例えば天然に
存在するシグナル配列を修飾OPGLポリペプチドの融合パートナーとして使用する
ことのみを要するため、本発明の好ましい具体例である。もう一つの可能性とし
て、相補因子C3又はC3自体のC3dフラグメントの使用が挙げられる(Dempsey ら、
1996, Science 271, 348-350 及び Lou & Kohler, 1998, Nature Biotechnology
16, 458-462参照)。
【0043】 OPGLの重要なエピトープ領域の複数(例えば少なくとも2)のコピーの好ましい
提示を免疫系に行う本発明のさらに別の具体例は、OPGL、サブ配列又はその変異
型のある分子への共有結合である。例えば、デキストランのような炭水化物など
のポリマーが使用可能である(例えばLees A ら、1994, Vaccine 12: 1160 -1166
; Lees A ら、 1990, J Immunol. 145: 3594-3600参照)が、マンノース及びマン
ナンも有用な代替手段である。例えば大腸菌及び他の細菌由来の膜内在性タンパ
ク質も、有用な接合パートナーである。キーホールリンペットヘモシニアン(KLH
)、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド及びウシ血清アルブミン(BSA)など
の従来の担体分子も、好ましく有用な接合パートナーである。 天然OPGLのある領域は、修飾を行うのに最も適しているようである。TNF-αと
腫瘍壊死因子群の他のメンバーに対するOPGLの構造的関係から、位置170-192、1
98-218、221-246、256-261又は285-316(SEQ ID No: 4、6及び12のアミノ酸番号)
によって画定される領域でのT-細胞エピトープの導入又は他の修飾が、所望の結
果を生じる見込みが最もあるということが予測される。これらの位置はマウスOP
GLを言及するものであり、ヒト分子における対応位置は171-193、199-219、222-
247、257-262、及び286-317 (SEQ ID NO: 2のアミノ酸番号)である。
【0044】 これらの選択領域の基礎となる考察として、a)公知かつ予測されるB-細胞エピ
トープの保存、b) 三次構造の保存などがある。いずれにせよ、上記したように
、T-細胞エピトープの導入をすべてについて異なる位置で行った修飾OPGL分子群
をスクリーンすることはかなり容易である。 本発明の最も好ましい具体例にはヒトOPGLのダウンレギュレーションが含まれ
るため、上記に論じたOPGLポリペプチドがヒトOPGLポリペプチドであることが好
ましい。この具体例では、ヒトOPGLポリペプチドが、SEQ ID NO: 2(又はSEQ ID
NO: 2のCys-221がセリンと置換されたポリペプチド)中の少なくとも1個のアミノ
酸配列を、同等又は異なる長さであって外来のTHエピトープを含む少なくとも1
個のアミノ酸配列と置換することによって修飾されていることが好ましい。置換
されたアミノ酸残基は、SEQ ID NO: 2の257-262、289-303及び222-243残基から
選択される。このような構築物についての原理は、実施例において詳細に論ずる
【0045】OPGL及び修飾OPGLポリペプチド製剤 動物に投与することによってOPGLポリペプチド又は修飾OPGLポリペプチドを動
物の免疫系に提示する際、ポリペプチド製剤は、当該分野において一般に承認さ
れている原理に基づく。 ペプチド配列を有効成分として含有するワクチンの調製法は、ここに引用して
すべて組み込まれる米国特許第4,608,251号;第4,601,903号;第4,599,231号;
第4,599,230号;第4,596,792号及び4,578,770号に例示されるように、一般に当
該分野においてよく理解されている。一般に、このようなワクチンは液体溶液又
は懸濁液のいずれかのような注射剤;溶液又は懸濁液に入れるのに適した固体と
して調製してもよく、注射前の液体としても調製することができる。製剤は乳化
されていてもよい。有効な免疫原性成分は、しばしば医薬的に許容され、かつ有
効成分に和合する賦形剤と混合される。適当な賦形剤は、例えば水、塩水、ブド
ウ糖、グリセロール、エタノール等及びそれらの組み合わせである。また、望ま
しい場合には、ワクチンはワクチンの有効性を高める補助物質、例えば湿潤剤又
は乳化剤、pH緩衝剤又はアジュバントを少量含んでいてもよい。アジュバントに
ついての下記の詳細な記述を参考のこと。
【0046】 ワクチンは従来、例えば、表皮下、表皮内、真皮内、真皮下又は筋肉内のいず
れかの注射によって非経口的に投与される。他の投与方法に適した追加的な製剤
としては坐剤があり、時に経口、口腔内、舌下、腹腔内、鞘膜内、肛門、硬膜外
、脊髄及び頭蓋内製剤がある。坐剤は例えばポリアルカレングリコール又はトリ
グリセライドなどの従来の結合剤及び担体を含んでもよい。このような坐剤は有
効成分を0.5%〜10%の範囲で、好ましくは1-2%の範囲で含有する混合物から形
成してもよい。経口製剤は、例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、
澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マ
グネシウム等の通常使用される賦形剤を含む。これらの組成物は溶液、懸濁液、
錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出製剤又は粉剤の形状をとり、10-95%、好ま
しくは25-70%の有効成分を含有する。経口製剤については、コレラ毒素が興味
深い製剤パートナーである(可能性のある接合パートナーでもある)。 ポリペプチドは、中性又は塩の形態としてワクチンとして製剤化することがで
きる。医薬的に許容される塩としては、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基で形
成される)及び塩酸又はリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、マ
ンデル酸などの有機酸で形成される酸付加塩が含まれる。遊離カルボキシル基で
形成される塩は、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム又は
水酸化第二鉄などの無機塩基、ならびにイソプロピルアミン、トリメチルアミン
、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘
導してもよい。
【0047】 ワクチンは、用量決定製剤に適した方法で、治療的に有効かつ免疫原性となる
ような量で投与される。投与量は、例えば免疫応答を高める個体の免疫系の能力
、及び所望の防御の程度を含めて、被治療者に依存する。適当な用量範囲は、1
回のワクチン接種あたりで有効成分が数百μgのオーダーであり、好ましい範囲
は(1-10 mg範囲でのより高い量を考慮しても)約0.1μg〜2,000μgであり、例え
ば約0.5μg〜1,000μg、好ましくは1μg〜500μg、特に約10μg〜100μgである
。初回投与のための適当な養生法及び追加注射も変えられるが、典型的には初回
投与の後に続けて接種するか、又はその他の投与が行われる。 投与の方法は広く異なっていてもよい。いずれの従来のワクチン投与法も適用
可能である。これらは、生理的に許容される固体の基剤での経口投与、又は注射
等による生理的に許容される分散剤の非経口的投与を含む。ワクチンの用量は投
与経路に依存し、ワクチン接種を受ける人の年齢と抗原の製剤に応じて変化する
。 ワクチンのポリペプチドにはワクチン内で十分に免疫原性のものもあるが、そ
の他の幾つかにおいては、ワクチンがアジュバント物質をさらに含む場合に免疫
応答が高められる。
【0048】 ワクチンへのアジュバント効果を達成するための様々の方法が、公知である。
一般的な原理及び方法は、ともに引用してここに組み込まれる"The Theory and
Practical Application of Adjuvants", 1995, Duncan E.S. Stewart-Tull (編
集), John Wiley & Sons Ltd, ISBN 0-471-95170-6、また"Vaccines: New Gener
ationn Immunological Adjuvants", 1995, Gregoriadis G ら (編集), Plenum P
ress, New York, ISBN 0-306-45283-9に詳細に述べられている。 自己抗原に対する自己耐性の破壊を促進することが立証されているアジュバン
トを使用することが、特に好ましい。事実、これは非修飾OPGLが自己ワクチンで
有効成分として使用される場合に不可欠である。適当なアジュバントの非制限的
な例は、免疫標的化アジュバント;毒素、サイトカイン及びマイコバクテリア誘
導体などの免疫調節アジュバント;油製剤;ポリマー;ミセル形成アジュバント
;サポニン;免疫刺激複合マトリクス(ISCOMマトリクス);粒子;DDA;アルミニ
ウムアジュバント;DNAアジュバント;γ-イヌリン;及び包膜アジュバントから
なる群より選択される。通常、類似体において第一、第二及び第三の分子として
有用な化合物及び剤に関する上記の開示は、本発明のワクチンのアジュバントに
おけるそれらの使用にも必要な変更を加えて引用する。
【0049】 アジュバントの使用は、緩衝食塩水中の0.05 〜 0.1%溶液として通常使用さ
れる水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウム(alum)等の薬剤、0.25%溶液と
して使用される糖の合成ポリマー(たとえばカルボポル(Carbopol)(登録商標))
との混和物、70〜101℃の温度でそれぞれ30秒〜2分熱処理することによるワクチ
ン内でのタンパク質の凝集の使用を含み、ならびに架橋剤による凝集も可能であ
る。ペプシンで処理した抗体(Fabフラグメント)での再活性化によるアルブミン
への凝集、シー・パルブム(C. parvum)又は内毒素又はグラム陰性細菌のリポ多
糖成分などの細菌細胞との混合物、マンニッド(mannide)モノ-オレイン酸(Arace
l A)のような生理的に許容される油媒介体、又は阻害基体として使用されるパー
フルオロカーボン(Fluosol-DA)の20%溶液エマルジョンも、用いられる。スクア
レン及びIFAなどの油との混和物も好ましい。 本発明によれば、DDA (ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)はDNA
やγ-イヌリンと同様、アジュバントの候補として興味深い。しかし、フロイン
ト完全アジュバント及び不完全アジュバント、ならびにQuilA及びQS21のような
キラヤサポニンもまた、RIBIとして興味深いものである。さらなる可能性として
は、モノホスホリルリピドA(MPL)、上記のC3及びC3d、ならびにムラミルジペプ
チド(MDP)がある。
【0050】 リポソーム製剤もまたアジュバント効果を与えることが知られている。したが
ってリポソームアジュバントは本発明において好ましい。 免疫刺激複合マトリクス型(ISCOM(登録商標)マトリクス)アジュバントも、
本発明による好ましい選択肢である。なぜなら、特にこの種のアジュバントがAP
CによるMHCクラスIIの発現をアップレギュレートしうることが示されているから
である。ISCOM(登録商標)マトリクスは、キラヤ・サポナリア(Quillaja sapon
aria)由来の(任意に分画した)サポニン(トリテルペノイド)、コレステロール、
及びリン脂質からなる。免疫原性タンパク質と混和した場合、得られる粒状製剤
はサポニン成分60-70% w/w、コレステロール及びリン脂質10-15% w/w及びタン
パク質10-15% w/wからなるISCOM粒子として知られるものである。免疫刺激複合
体の組成及び使用に関する詳細は、例えばアジュバントに関する上記教本に見ら
れるが、Morein B ら、1995, Clin. Immunother. 3: 461-475ならびにBarr IG
及び Mitchell GF, 1996, Immunol. and Cell Biol. 74: 8-25 (ともに引例して
ここに組み込む)にも完全免疫刺激複合体の製法に関する有用な教示が提示され
ている。
【0051】 別の非常に興味ある(したがって、好ましい)アジュバント効果を達成する可能
性は、Gosselin ら,1992(ここに引用して取りこむ)に記述された技術を用いる
ことである。簡単には、本発明の抗原のような関連抗原の提示は、抗原を単球/
マクロファージ上のFcγ受容体に対する抗体(又は抗原結合性抗体フラグメント)
に接合して、増強することができる。特に抗原と抗-FcγRIとの接合は、ワクチ
ン注射を目的として免疫原性を高めることが立証されている。 他の可能性には、OPGLの修飾型における第一及び第二の候補分子として上記し
た標的化物質及び免疫調節物質(特にサイトカイン)の使用が含まれる。これに関
連して、ポリI:Cのようなサイトカインの合成誘導物質も可能性がある。
【0052】 適当なマイコバクテリア誘導体は、ムラミルジペプチド、完全フロイントアジ
ュバント、RIBI、及びTDMならびにTDEのようなトレハロースのジエステルからな
る群から選択される。 適当な免疫標的アジュバントは、CD40リガンド及びCD40抗体又は特異的に結合
するそれらのフラグメント(上記参照)、マンノース、Fabフラグメント及びCTLA-
4からなる群から選択される。 適当なポリマーアジュバントは、デキストラン、PEG、デンプン、マンナン及
びマンノースのような炭水化物;プラスチックポリマー自体;及びラテックスビー
ズのようなラテックスからなる群から選択される。
【0053】 免疫応答を調節するさらに別の興味ある方法は、「仮想(virtual)リンパ節」(VLN
) (ImmunoTherapy, Inc., 360 Lexington Avenue, New York, NY 10017-6501に
より開発された専売医療用装置)にOPGL免疫原(任意に、アジュバントならびに医
薬的に許容される担体及びビヒクルと共にある)を含むことである。VLN(薄い管状
装置)は、リンパ節の構造と機能を模倣している。皮膚下へのVLNの挿入により、サ
イトカイン及びケモキネシスの急増を伴う無菌炎症部位が生じる。T-細胞及びB-
細胞ならびにAPCは危険シグナルに迅速に応答して、炎症部位に戻り、VLNの多孔性
マトリクス内部に蓄積する。VLNを用いると抗原への免疫応答を高めるのに必要な
抗原量が減少すること、及びVLNを用いるワクチン注射により付与される免疫保護
がアジュバントとしてRibiを用いる通常の免疫化をしのぐことが分かっている。
技術は、特に「From the Laboratory to the Clinic, Book of Abstracts, 10月12
日〜15日、1998年、Seascape Resort, Aptos, California」中のGelber C ら, 1998
,「Elicitation of Robust Cellular and Humoral Immune Responses to Small A
mounts of Immunogens Using a Novel Medical Device Designated the Virtual
Lymph Node」中に簡単に記述されている。
【0054】 ワクチンは、1年につき1、2、3、4、5又は6回のように、1〜6回、その必要時
に個体に投与されるべきであると考えられる。本発明による好ましい自己ワクチ
ンを用いて誘導される免疫記憶は永続的ではなく、したがって、免疫系は定期的
にOPGL又は修飾 OPGLのポリペプチドを用いて免疫性を試験する必要のあること
が、以前に示されている。 遺伝的変異のため、異なる個体は同じポリペプチドに様々な強度の免疫応答で
反応しうる。したがって、本発明によるワクチンは、免疫応答を増すために数個
の異なるポリペプチドからなっていてもよい(外来T-細胞エピトープ導入の選択
に関する上記議論も参照)。ワクチンは、全てのポリペプチドが上記で定義され
ているような2以上のポリペプチドからなっていてもよい。 ワクチンは、したがって、3〜10の異なるポリペプチドのような3〜20の異なる
修飾又は未修飾のポリペプチドからなっていてもよい。
【0055】核酸のワクチン注射 ペプチド-ベースのワクチンの伝統的な投与に代わるものとして、核酸ワクチ
ン注射の技術(「核酸免疫化」「遺伝的免疫化」及び「遺伝子免疫化」としても
知られる)も、多くの魅力的な特徴を提供するものである。 第一に、伝統的なワクチンの試みとは対照的に、核酸ワクチン注射には、免疫
原性剤に関して資源を消費する大規模な製造(例えば、修飾OPGLを産生する微生
物の産業規模の発酵形態)が必要ではない。さらに、免疫原のための精製装置及
び再生スキームが必要ない。最終的に、核酸ワクチン注射はワクチン注射された
個体の生化学器官に依存して導入された核酸の発現産物を産生するので、発現産
物の最適な翻訳後プロセシングが起こることが期待される。これは、自己ワクチ
ン注射の場合に特に重要である。というのは、上述のように、最初のOPGL B-細
胞エピトープの有意なフラクションは修飾分子内に保存されるべきであり、かつ
B-細胞エピトープは原則として、いずれかの(生体)分子(例えば、炭水化物、脂
質、タンパク質等)の部分から構成されていてもよいからである。従って、免疫
原の天然のグリコシル化及び脂質化パターンは全体の免疫原性に非常に重要であ
り、これは、免疫原を宿主に産生させることによって最善に保証される。
【0056】 このため、本発明の好ましい具体例は、修飾OPGLをエンコードする核酸を動物
細胞に導入し、それにより、核酸が導入された細胞を生体内で発現させることに
より、修飾OPGLを免疫系に提示することからなる。 この具体例において、導入される核酸は、裸のDNAの形態であってもよいDNA、
荷電又は非荷電の脂質で製剤化したDNA、リポソーム中に製剤化したDNA、ウイル
スベクターに含まれるDNA、トランスフェクション-促進タンパク質又はポリペプ
チドで製剤化したDNA、標的タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、カル
シウム沈降剤で製剤化したDNA、不活性担体分子と結合したDNA、キチン又はキト
サンで被包化したDNA、及びアジュバントで製剤化したDNAが好ましい。この明細
書において、伝統的なワクチン製剤化におけるアジュバントの使用に付随する全
ての実際上の問題は、DNAワクチンの製剤化にもあてはまることが留意される。
このため、ポリペプチドをベースとするワクチンの文脈中におけるアジュバント
の使用に関するこの全ての開示は、核酸ワクチン注射技術におけるそれらの使用
に必要な変更を加えて適用される。
【0057】 上に詳述したポリペプチドベースのワクチンの投与経路及び投与スキームにつ
いては、これらも本発明の核酸ワクチンに適用可能であり、ポリペプチド用の投
与経路及び投与スキームに関した上記議論は全て必要な変更を加えて核酸に適用
される。これには、静脈内及び動脈内に核酸ワクチンを投与することが適切であ
ることが、付け加えられる。さらに、核酸ワクチンはいわゆる遺伝子銃を用いて
投与してもよく、それゆえ、これと等価な投与様式が本発明の一部とみなされる
ことは当該分野で周知である。最終的に、核酸の投与におけるVLNの使用も良好
な結果を出すことが報告されており、従ってこの特定な投与様式は特に好ましい
。 さらに、免疫化剤として用いられる核酸は、第一、第二及び/又は第三の分子
をエンコードする領域を、例えば有用なアジュバントとして述べたサイトカイン
のような上記免疫調節物質の形態で含んでいてもよい。この具体例の好ましい変
形には、異なるリーディングフレーム中又は少なくとも異なるプロモーター制御
下で、類似体のコード領域及び免疫モジュレーターのコード領域を有することを
含む。その結果、類似体又はエピトープが免疫モジュレーターの融合パートナー
として産生されることが避けられる。代わりに、2つの別個のヌクレオチドフラ
グメントを用いることができるが、これは、双方のコード領域が同じ分子に含ま
れている際に確実に共発現(co-expression)されるという利点のため、あまり好
ましくない。
【0058】 したがって、本発明は、 - 本発明の核酸フラグメント又はベクター(以下のベクターの議論参照)、及び
- 上記の医薬的及び免疫学的に許容されるビヒクル及び/又は担体及び/又はア
ジュバント からなる、OPGLに対する抗体産生を誘導する組成物にも関する。 正常な環境下では、OPGL 変異型-エンコード核酸は、発現がウイルスプロモー
ター制御下にあるベクターの形態で導入される。本発明のベクターのより詳細な
議論については、以下の論述を参照のこと。また、製剤及び核酸ワクチンの使用
に関する詳細な記載も利用可能である:Donnelly JJ ら, 1997, Annu. Rev. Imm
unol. 15: 617-648及びDonnelly JJ ら, 1997, Life Sciences 60: 163-172 参
照。これら文献双方をここに引用して取りこむ。
【0059】生ワクチン 修飾OPGLを免疫系に提示するための第三の代替法は、生ワクチン技術の使用で
ある。生ワクチン注射において、免疫系への提示は、修飾OPGLをエンコードする
核酸フラグメント又はそのような核酸フラグメントを取りこむベクターで形質転
換した非病原性微生物を動物に投与してなされる。非病原性微生物は、いずれか
の適当な弱毒化(継代培養、又は組換えDNA技術で病原性の発現産物を除くことに
よって弱毒化した) 細菌株、例えばマイコバクテリウム‐ボビス(Mycobacterium
boviz) BCG.、非病原性ストレプトコッカス(Streptococcus)種、大腸菌、サル
モネラ(Salmonella)種、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、シゲラ(Shigella
)等であってもよい。最先端技術を用いた生ワクチンの製造を扱ったレビューは
、例えば、ともにここに引用して取りこまれる、Saliou P, 1995, Rev. Prat. 4
5: 1492-1496及びWalker PD, 1992, Vaccine 10: 977-990に見られる。そのよう
な生ワクチンで用いられる核酸フラグメント及びベクターについての詳細は、以
下の議論を参照されたい。
【0060】 細菌性生ワクチンの代わりとして、以下に議論する本発明の核酸フラグメント
は、ワクシニア菌株又は他の適当なポックスウイルスのような非毒性ウイルスワ
クチンベクターに取りこんでもよい。 通常は、非病原性微生物又はウイルスを動物に1度だけ投与するが、ある場合
には、生涯のあいだに1度以上微生物を投与し、防御免疫を維持する必要がある
かもしれない。ポリペプチドワクチン注射に関し上記で詳細にしたような免疫化
スキームは、生ワクチン又はウイルスワクチンを用いる際に有用であろうことが
予想される。 あるいは、生ワクチン注射又はウイルスワクチン注射は、以前の又はその後の
ポリペプチド及び/又は核酸のワクチン注射と組み合わせられる。例えば、生ワ
クチン又はウイルスワクチンでの一次免疫化の後、ポリペプチドもしくは核酸の
アプローチを用いる追加免疫化を行うことができる。
【0061】 微生物もしくはウイルスは、例えば有用なアジュバントとして論じたサイトカ
インのように、上記の免疫調節物質の形態で第一、第二及び/又は第三の分子を
エンコードする領域を含む核酸で形質転換してもよい。この具体例の好ましい変
形は、異なるリーディングフレーム中又は少なくとも異なるプロモーター制御下
で、類似体のコード領域及び免疫モジュレーターのコード領域を有することを含
む。その結果、類似体又はエピトープが免疫モジュレーターの融合パートナーと
して産生されることが避けられる。代わりに、2つの別個のヌクレオチドフラグ
メントを形質転換剤として用いることができる。当然に、同じリーディングフレ
ーム中に第一及び/又は第二及び/又は第三の分子を有することによって発現産物
として本発明の類似体を生じることができ、そのような具体例は、本発明によれ
ば特に好ましい。
【0062】疾患治療における本発明の方法の使用 上記議論から認識されるように、本発明の方法により、骨量の過度な損失によ
って特徴づけられる疾患を抑制することができる。この明細書において骨粗鬆症
疾患が発明の方法の主要な目的であるが、複雑骨折に関連した骨損失も、治療/
改善に適した目的である。ゆえに、OPGL活性をダウンレギュレートする本発明の
方法の重要な具体例は、骨粗鬆症又は過剰な骨再吸収で特徴づけられる他の症状
の治療及び/又は予防及び/又は改善することからなる。その方法は、骨再吸収速
度が著しく低下する程度に、本発明の方法にしたがってOPGL活性をダウンレギュ
レーションすることからなる。
【0063】 本明細書中で、骨再吸収におけるそのような有意な減少は、病理学的速度に比
べて少なくとも3%であるが、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも9%、
少なくとも11%、少なくとも13%、少なくとも15%及び少なくとも17%のような
、より高い割合が予想され、少なくとも20%、もしくは少なくとも30%のような
さらに高い割合が期待される。骨再吸収の低下は、骨成形と骨再吸収との均衡が
逆転する結果となり、すなわち骨成形速度が骨再吸収速度を上回るようになるこ
とが特に好ましい。当然、この不均衡は持続すべきではないが(というのも骨化
石症になるからである)、必要のある個体の免疫化の数と免疫学的影響を注意深
く制御することにより、時間をかけて均衡を得て、骨量を最終的に維持すること
ができる。あるいは、個体において本発明の方法で骨損失を終わらせることがで
きなければ、本発明の方法は(骨粗鬆症患者において骨損失を減少させる他の公
知の方法と任意に組み合わせて)骨損失を有意に低下させて時間を延ばし、十分
な骨量が個体中に存在するように用いることができる。
【0064】 骨再吸収及び骨成形の速度の測定方法は、当該分野で公知である。コラーゲン タイプIの一定のフラグメントの血中濃度を測定して骨再吸収速度を測定するこ
とは、生化学的アッセイにより可能である(WO 93/15107号及びWO 94/14844号参
照)。あるいは、骨損失速度は物理学的手段により評価することができる;非侵襲
性の物理学的方法で骨量を評価する方法に関する当該分野における代表的な記載
は、WO 88/06862号、WO 94/12855号、WO 95/14431号及びWO 97/00643号に見られ
る。
【0065】本発明のペプチド、ポリペプチド及び組成物 上記から明らかなように、本発明は、破骨細胞活性を間接的に低下させるため
にOPGL抗原に対して個体を免疫化するとの概念に基づく。そのような免疫化を行
う好ましい方法は修飾型OPGLを用いることであり、それによって当該分野でこれ
まで開示されていない分子が提供される。 ここで論じた修飾OPGL分子は、それ自身の権利において創作性に富むもので、
従って本発明の重要な部分は修飾が導入された動物OPGLから誘導されるOPGL類似
体に関するものと考える。これは、結果として、類似体での動物の免疫化により
、非修飾 OPGL ポリペプチドと特異的に反応する抗体の産生を誘導する。修飾の
性質は、修飾OPGLを用いる場合の本発明の方法の様々な具体例を論じる際に上述
の修飾型と順応しているのが好ましい。ゆえに、修飾 OPGL分子に関連するここ
で表した開示は、いずれも本発明のOPGL類似体を記述する目的に関連しており、
そのような開示は、いずれもこれら類似体の記述に必要な変更を加えて適用され
る。
【0066】 好ましい修飾OPGL 分子は、OPGLと、又は長さが少なくとも10アミノ酸のその
サブ配列と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを生じる修飾から
なることが注目される。より高度な配列同一性、例えば少なくとも75%又は少な
くとも80、85、90もしくは95%であることが好ましい。タンパク質及び核酸につ
いての配列同一性は、(Nref- Ndif)・100/Nref[式中、Ndifは、配列されたとき
の2つの配列中の非同一な残基の総数であり、Nrefは、配列のひとつにおける残
基数である]として計算できる。ゆえに、DNA 配列 AGTCAGTCは、配列AATCAATC
と75%の配列同一性を有する(Ndif=2 及びNref=8)。 本発明はまた、本発明の方法を実行するのに有用な組成物にも関連する。ゆえ
に、本発明は、動物中の自己タンパク質であるOPGLポリペプチドの免疫原性的に
有効な量からなる免疫原性組成物にも関する。該OPGLポリペプチドは、OPGL ポ
リペプチドに対する動物の自己耐性を破壊するように免疫学的に許容されるアジ
ュバントと共に製剤化され、組成物は医薬的かつ免疫学的に許容される希釈剤及
び/又はビヒクル及び/又は担体及び/又は賦形剤をさらに含む。すなわち、本発
明のこの部分は、本発明の方法の具体例と関連して記述される天然に存在するOP
GL ポリペプチド製剤に関する。
【0067】 本発明は、免疫学的に有効な量の上記OPGL類似体からなる免疫原性組成物にも
関する。該組成物は、さらに医薬的かつ免疫学的に許容される希釈剤及び/又は
ビヒクル及び/又は担体及び/又は賦形剤と、任意にアジュバントを含む。すなわ
ち、本発明のこの部分は、本質的に上述したような修飾OPGL製剤に関する。アジ
ュバント、担体及びビヒクルの選択は、したがって、OPGLをダウンレギュレーシ
ョンするこの発明の方法を使用するための、修飾及び非修飾OPGLの製剤で参照す
る際に上記したものと一致する。 ポリペプチドは、当該分野で周知の方法に従い製造される。より長いポリペプ
チドは、通常、OPGL 類似体エンコードする核酸配列の適当なベクターへの導入
、ベクターでの適当な宿主細胞の形質転換、核酸配列の発現、宿主細胞又はその
培養上清からの発現産物の回収、ならびにその後の精製及び任意のさらなる修飾
、例えば再生もしくは誘導化を含む遺伝子組換え技術を用いてつくられる。 より短いペプチドは、固相又は液相のペプチド合成の周知技術を用いてつくる
ことが好ましい。しかし、この技術における近年の進歩はこれらの手段により全
長ポリペプチド及びタンパク質の製造を可能にするものであり、従って、合成手
段による長い構築物を製造することも本発明の範囲内である。
【0068】本発明の核酸フラグメント及びベクター 修飾OPGLポリペプチドが、遺伝子組換え技術のみならず化学合成又は半合成に
よってつくられること;修飾がタンパク質担体(例えばKLH、ジフテリアトキソイ
ド、破傷風トキソイド及びBSA)及び炭水化物ポリマーのような非タンパク様分子
への結合からなる場合、及び、当然に修飾がOPGLポリペプチド-誘導ペプチド鎖
への側鎖又は側基の付加からなる場合にも、後者の2つの選択は特に関連性があ
ることは、上記の記載から認識されるであろう。 遺伝子組換え技術のため、及び当然に核酸免疫化の目的のため、修飾 OPGLを
エンコードする核酸フラグメントは重要な化学生成物である。ゆえに、本発明の
重要な部分は、OPGL類似体をエンコードする核酸フラグメント、すなわち、融合
パートナーを付加するか、もしくは挿入した天然OPGL配列からなるOPGL誘導ポリ
ペプチド、又は好ましくは、挿入及び/又は付加、好ましくは置換及び/又は欠失
によって外来T-細胞エピトープを導入されたOPGL由来ポリペプチドに関連する。
本発明の核酸フラグメントは、DNA又はRNAフラグメントのいずれかである。
【0069】 本発明の核酸フラグメントは通常は適当なベクターに挿入され、本発明の核酸
フラグメントを有するクローニング又は発現ベクターを形成する;そのような新
規なベクターも本発明の一部である。本発明のこれらベクターの構築に関する詳
細は、以下の形質転換細胞及び微生物の文脈中で論じる。ベクターは、適用の目
的及びタイプに応じて、プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ-染色体又はウ
イルスの形態であってもよいが、所定の細胞中でのみ一過的に発現される裸のDN
A も重要なベクターである。本発明の好ましいクローニング及び発現ベクターは
自律複製することができ、それにより、その後のクローニングのための高レベル
での発現又は高レベルでの複製の目的のための高コピー数を可能にする。
【0070】 本発明のベクターの一般的な概略は、5’→3’方向及び操作可能な連鎖におい
て、本発明の核酸フラグメントの発現を駆動するためのプロモーター、任意にポ
リペプチドフラグメントの(細胞外相、又は適用可能であれば、周辺細胞質相へ
の)分泌又は膜中への組み込みを可能にするリーダーペプチドをエンコードする
核酸配列、本発明の核酸フラグメント、及び任意に転写終結区をエンコードする
核酸配列の特徴を含む。産生株又は細胞系で発現ベクターを用いて操作するとき
、形質転換細胞の遺伝的安定性の目的のため、宿主細胞への導入の際に、ベクタ
ーを宿主細胞ゲノムに組み込むことが好ましい。逆に、用いられるベクターを動
物での生体内発現に作用させる際(すなわち、DNAワクチン注射でベクターを用い
る際)には、安全上の理由から、ベクターを宿主細胞ゲノムに組み込むことがで
きないことが好ましい;典型的には、裸のDNA又は非組み込みウイルスベクターが
用いられ、その選択は当該分野の当業者には周知である。
【0071】 本発明のベクターは、宿主細胞を形質転換するのに用いられ、本発明の修飾OP
GL ポリペプチドを産生する。そのような形質転換細胞は、また本発明の一部で
あるが、本発明の核酸フラグメント及びベクターの増殖に用いられるか又は本発
明の修飾OPGLポリペプチドの組換え産生に用いられる培養細胞又は細胞系であっ
てもよい。あるいは、形質転換細胞は、核酸フラグメント(単一の又は多数のコ
ピー)が挿入されて、細菌膜又は細胞壁に修飾 OPGLの分泌又は組み込みをもたら
す適当な生ワクチン株であってもよい。 本発明の好ましい形質転換細胞は、微生物、例えば細菌(エシェリキア種[例え
ば大腸菌]、バチルス[例えば枯草菌(Bacillus subtilis)]、サルモネラ又はマイ
コバクテリウム[好ましくは非病原性、例えばマイコバクテリウム・ボビスBCG]
、酵母(例えばサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae))及び原
生動物である。あるいは、形質転換細胞は、真菌、昆虫細胞、植物細胞又は哺乳
動物細胞のような多細胞生物から誘導される。ヒト由来の細胞が最も好ましい(
以下の細胞系及びベクターの議論参照)。最近の結果は、出願人の研究室でのポ
リペプチドの組換え産生用に、市場で入手可能なDrosophila melanogaster細胞
系(Invitrogenから入手可能なシュナイダー2 (S2) 細胞系及びベクター系)の使
用に大きな見こみがあることを示しており、従ってこの発現系は特に好ましい。
【0072】 クローニング及び/又は最適化した発現の目的のため、形質転換細胞が本発明
の核酸フラグメントを複製しうることが好ましい。核フラグメントを発現する細
胞が、好ましい本発明の有用な具体例である;それらは、小規模又は大規模な修
飾OPGLの製造に用いることができ、また、非病原性の細菌の場合、ワクチンとし
て生ワクチン中で構成する。 形質転換細胞を用いて本発明の修飾OPGLを製造するとき、少しも必須ではない
が、発現産物が、培養培地中に運ばれるか又は形質転換細胞表面に担持されるこ
とが都合がよい。 効果的な産生細胞を同定する際には、それを基礎として、本発明のベクターを
有し、修飾OPGLをエンコードする核酸フラグメントを発現する安定な細胞系を確
立するのが好ましい。好ましくは、この安定な細胞系は本発明のOPGL類似体を分
泌又は有し、それによりその精製を促進する。
【0073】 一般に、宿主細胞と和合性の種から誘導されるレプリコン及び制御配列を含む
プラスミドベクターが、宿主と関連して用いられる。ベクターは、通常、複製部
位、ならびに形質転換細胞で表現型選択を提供できるマーキング配列を有する。
例えば、大腸菌は、一般的に大腸菌種由来のプラスミドpBR322を用いて典型的に
形質転換される(例えばBolivar ら, 1977参照)。pBR322プラスミドは、アンピシ
リン及びテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、ゆえに形質転換細胞を同定する容
易な手段を提供している。pBRプラスミド又は他の微生物プラスミドもしくはフ
ァージは、発現用の原核微生物によって使用できるプロモーターも含まなくては
ならず、又はそれを含むように修飾しなければならない。 組換えDNA 構築物で最も一般的に用いられるこれらのプロモーターは、B-ラク
タマーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトースプロモーター系(Chang ら, 1978; Ita
kura ら, 1977; Goeddel ら, 1979)及びトリプトファン(trp)プロモーター系(Go
eddel ら, 1979; EP-A-0 036 776)を含む。これらは最も一般的に用いられるが
、他の微生物プロモーターが発見され、利用されている。それらのヌクレオチド
配列に関する詳細が発表されているので、当業者はプラスミドベクターを用いて
機能的に連結させることができる(Siebwenlist ら, 1980)。原核生物由来のある
遺伝子は、人為的手段による他のプロモーターの付加を要しないので、それら自
身のプロモーター配列から大腸菌中で効果的に発現させることができる。
【0074】 原核生物に加えて、酵母培養物のような真核微生物も用いることができ、ここ
に、プロモーターは発現を駆動することができる。多数の他の株が一般的に入手
可能であるが、サッカロミセス・セレビジエ又は一般的なパン酵母が真核微生物
で最も一般的に用いられる。サッカロミセスでの発現には、例えばプラスミド Y
Rp7が一般に用いられる(Stinchcomb ら, 1979; Kingsman ら, 1979; Tschemper
ら, 1980)。このプラスミドは、トリプトファン中での成長能力を欠いた酵母の
突然変異株、例えばATCC No. 44076又はPEP4-1 (Jones, 1977)用の選択マーカー
を提供するtrpl 遺伝子を既に含むものである。そのため、酵母宿主細胞ゲノム
の特徴としてのtrpl 損傷の存在は、トリプトファン不在下での成長によって形
質転換体を検出するのに効果的な環境となる。
【0075】 酵母ベクターでの適当なプロモート配列は、3-ホスホグリセレートキナーゼ (
Hitzmanら, 1980)又は他の解糖酵素(Hessら, 1968; Hollandら, 1978)、例えば
エノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキ
ナーゼ、脱炭酸ピルビン酸、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース-6-ホスフェ
ートイソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリ
オースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキ
ナーゼのプロモーターを含む。適当な発現プラスミドの構築においては、これら
の遺伝子に関連している終結配列も、mRNAのポリアデニル化及び終結を生じるこ
とが望ましい発現ベクター配列の3'に連結される。 成長条件によって転写が制御されるという別の利点がある他のプロモーターは
、アルコール脱水素酵素2、イソシトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に
関連した分解酵素及び上述のグリセルアルデヒド-3-ホスフェート脱水素酵素、
及びマルトースならびにガラクトースの利用の原因となる酵素のプロモーター領
域である。酵母和合性のプロモーター、複製起点及び終結配列を含むいずれのプ
ラスミドベクターも適当である。
【0076】 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞培養物も宿主として用いてもよい。原
則として、脊椎動物の培養物であるか無脊椎動物の培養物であるかにかかわらず
、いずれのかかる細胞培養物も作用し得る。しかし、脊椎動物細胞における興味
がもっとも強く、培養物(組織培養物)での脊椎動物細胞の増殖が近年常套的な手
法となっている(Tissue Culture, 1973)。このような有用な宿主細胞系の例には
、VERO及びヒーラー細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系、及びW138
、BHK、COS-7 293、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda) (SF)
細胞(完全な発現系として、特にProtein Sciences (1000 Research Parkway, Me
riden, CT 06450,合衆国)及びInvitrogenから市場で入手可能)、及びMDCK細胞系
がある。この発明において、特に好ましい細胞系はInvitrogen (PO Box 2312, 9
704 CH Groningen、オランダ)から入手できるS2である。 このような細胞用の発現ベクターは、通常(必要であれば)複製起点、発現され
るべき遺伝子の前に位置するプロモーター、加えていずれかの必要なリボゾーム
結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位及び転写終結配列を含む。
【0077】 哺乳動物細胞での使用には、発現ベクターでの制御機能が、ウイルス物質によ
ってしばしば提供される。例えば、一般的に用いられるプロモーターは、ポリオ
ーマ、アデノウイルス2、もっとも頻繁にはシミアウイルス40(SV40)に由来する
。SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、ともにSV40ウイルス複製起点を
も含むフラグメントとしてウイルスから容易に得られるので、特に有用である(F
iersら, 1978)。より小さいか、又はより大きいSV40フラグメントも、HindIII部
位からウイルス複製起点に位置するBglI部位にわたって伸びている約250bpの配
列を含む場合には、用いることができる。さらに、所望の遺伝子配列に通常結合
しているプロモーター又は制御配列も、かかる制御配列が宿主細胞系に和合性で
ある場合には、利用することができ、また利用することがしばしば望ましい。 複製起点は、SV40もしくは他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、
BPV)から誘導されるような外性起点を含むようにベクターを構築するか、又は
宿主細胞系染色体複製機序によって提供してもよい。ベクターが宿主細胞染色体
に組みこまれる際には、後者でしばしば十分である。
【0078】有用なOPGL類似体の同定 天然のOPGLの可能性ある変異型又は修飾型が、全て天然型と交差反応性の動物
で抗体を誘発する能力を有しているとは限らないことは、当業者に明らかであろ
う。しかし、ここで論じる免疫学的反応性の最小要件を充たす修飾OPGL分子につ
いて有効で標準的なスクリーンを行うことは、難しくない。したがって、この発
明の別の部分は、非修飾OPGLポリペプチドが(非免疫原性の)自己タンパク質であ
る動物種における、非修飾OPGLに対する抗体を誘導し得る修飾OPGLポリペプチド
の同定方法に関する。その方法は、 - ペプチド合成又は遺伝子工学技術によって、動物種のOPGLポリペプチドのア
ミノ酸配列にアミノ酸を付加し、挿入し、配列からアミノ酸を欠失させ、又は配
列にアミノ酸を置換する相互に異なる修飾OPGLポリペプチドのセットを製造し、
それによって、動物種に外来のT-細胞エピトープからなるセットにおいてアミノ
酸配列を生じさせるか、又は相互に異なる修飾OPGLポリペプチドのセットをエン
コードする核酸フラグメントのセットを製造し、 - 非修飾OPGLに対する動物種による抗体産生の誘導能力について、修飾OPGLポ
リペプチド又は核酸フラグメントのセットのメンバーを試験し、かつ - その種において非修飾OPGLに対する抗体産生を著しく誘導する修飾OPGLポリ
ペプチドのセットのメンバーを同定して、任意に単離するか、又はその動物種に
おける非修飾OPGLポリペプチドに対する抗体産生を著しく誘導する核酸フラグメ
ントのセットのメンバーによってエンコードされるポリペプチド発現産物を同定
して、任意に単離する ことからなる。
【0079】 この明細書において、「相互に異なる修飾OPGLポリペプチドのセット」は、例
えば上述した基準(例えば、円二色性、NMRスペクトル及び/又はX-線回折パター
ン研究の組合わせ)に基づいて選択される非同一の修飾OPGLポリペプチドの集合
物である。セットは、ほんの数個のメンバーからなっていてもよいが、数百のメ
ンバーを含んでいてもよいものと考えられる。 セットメンバーの試験は、最後に生体内で行うことができるが、この発明の目
的に合う修飾分子数をしぼる幾つかの生体外試験を行ってもよい。 外来T-細胞エピトープを導入する目的は、T-細胞の助力によるB-細胞の応答を
支持することであるので、T-細胞増殖が修飾OPGLによって誘導されることが必要
条件である。T-細胞増殖は、生体外での標準的な増殖アッセイによって試験する
ことができる。手短に言えば、T-細胞用に強化した試料は目的物から得られ、そ
の後培養物に保持される。培養したT-細胞は、修飾分子をあらかじめ取り上げ、
T-細胞エピトープを提示するよう処理した目的物のAPC類と接触させる。T-細胞
の増殖をモニターし、適当な対照(例えば、完全な天然OPGLを処理したAPC類と接
触している培養物中のT-細胞)と比較する。あるいは、増殖は、外来T-細胞の認
識に応じてT-細胞によって放出される関連サイトカインの濃度を決定することに
よっても測定できる。
【0080】 いずれかのタイプのセットの少なくともひとつの修飾OPGLがOPGLに対する抗体
産生を誘導できることはかなり確実であるので、非修飾OPGLポリペプチドが自己
タンパク質である動物種において、非修飾OPGLに対する抗体を誘導できる少なく
ともひとつの修飾OPGLポリペプチドからなる免疫原性組成物を製造することがで
きる。その方法は、OPGLと反応性である動物種において抗体産生を著しく誘導す
るセットのメンバーを、医薬的かつ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒク
ル及び/又は希釈剤及び/又は賦形剤と混合し、任意に医薬的かつ免疫学的に許容
される少なくともひとつのアジュバントと組合わせることからなる。 ポリペプチドセットの試験に関するこの発明の上記の観点は、この発明の相互
に異なる核酸配列又はベクターを多数最初に製造し、これらを適当な発現ベクタ
ーに挿入し、適当な宿主細胞をベクターで形質転換し、かつこの発明の核酸配列
を発現することによって簡便に行われる。これらの工程は、その後、発現産物の
単離を続けてもよい。核酸配列及び/又はベクターは、PCRのような分子増幅技術
の実行からなる方法又は核酸合成の手段によって製造される。
【0081】 この発明の別の部分は、破骨活性に対するOPGLの刺激作用を阻害するオステオ
プロテゲリンとは異なる少なくともひとつの物質の有効量をヒトを含む動物に投
与することからなる、過剰な骨再吸収によって特徴づけられる動物の疾患の治療
、予防又は改善のための方法に関する。現在のところ、このようなアプローチは
当該分野でこれまで示唆されていないと考えられる。 この発明のこの部分の好ましい具体例は、OPGL-特異的な抗体(ポリ-又はモノ
クローナル)又はOPGLの刺激作用を阻害する物質としてのその特異的な結合変異
型の使用に関する。抗体はIgG 又はIgM分子であり、又は特異的な結合変異型はI
gG又はIgMから誘導することが好ましい。抗体の特異的な結合変異型は、便利に
は、Fabフラグメント、F(ab')2フラグメント、ヒト化モノクローナル抗体もしく
はそのフラグメント、又はダイアボディ(diabody) のような二量体もしくは多量
体抗体フラグメント(Cambridge Antibody Technologyによって製造される、二重
特異性かつ二量体の人工抗体-由来分子)であってもよい。
【0082】実施例 マウスの場合に158-316アミノ酸残基及びヒトの場合に159-317アミノ酸残基(
数は、それぞれSEQ ID NO: 2 及び 4における番号付けに相当した)からなる端を
切り取った型のマウスとヒトのOPGLをエンコードするcDNA類をクローンするか、
又は合成することを決定した。これらの端を切り取った型は生物活性を示すので
、OPGLのこの部分に自己抗体を指向させるのが論理的である。さらに、それによ
り、タンパク質がより小さくなり、この結果扱いやすくなる。 マウスのOPGL残基158-316をエンコードする合成cDNAは、発表されている配列
から、やや最適な大腸菌及びピキア・パストリス(Pichia pastoris)のコドンを
除いて合成した。さらに、N-末端ヒスチジン標識、サッカロマイセス・セレビジ
エ由来のα接合因子シグナル配列の切断部位部分、及び適当な制限酵素をオープ
ンリーディングフレームに導入した(SEQ ID NO: 7参照)。 野生型マウスOPGLをエンコードするこのcDNAは、BspHIならびにHindIIIの制限
酵素を用いる標準的な大腸菌発現ベクター(pTrc99a)及び SacIならびにKpnI制限
酵素を用いる標準的なクローニングベクター(pBluescript KS+)にクローンした(
SEQ ID NO: 9が生じる)。
【0083】 大腸菌細胞における発現により、全大腸菌タンパク質のうち約30%の組換えOP
GLが生じた。タンパク質は以下の方法を用いて再生し、精製した: 1. 細胞を遠心分離で収集する。 2. 細胞をリン酸緩衝液(PBS)に再懸濁し、再度遠心分離する。 3. 上清を捨て、3つの容量 (100 mMのトリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン
塩酸塩、5 mMのジチオトレイトール(DTT)、0.5 M NaCl、pH 8.0) に細胞を再懸
濁する。 4. 細胞を、細胞グラム当たり8μlの50 mM PMSF及び80μlのリゾチーム(10 mg/
ml)に加え、20分室温でインキュベートする。 5. 細胞ペレットグラムそれぞれにつき、4 mgのデオキシコール酸を加え、懸濁
液が粘性になるまで37℃でインキュベートする。 6. 細胞グラム重量当たり20μlのDNase (1 mg/ml)を加え、MgCl2を5 mMまで、
懸濁液を室温で30分インキュベートする。 7. 懸濁液を、粘性がなくなるまで氷上で超音波処理する。 8. 遠心分離(30分、20000 x g)後、ペレットをH2Oに再懸濁して再度遠心分離し
、細胞グラム重量当たり3 mlの1 Mユレアに再懸濁する。 9. 遠心分離(30分、20000 x g)後、ペレットを、1 Mグアニジン塩酸塩、100 mM
トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩(pH 7.5)に再懸濁する。
【0084】 10. 遠心分離(30分、20000 x g)後、ペレットを、6 Mグアニジン塩酸塩、20 mM
トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩、5%エタノール、1%β-メルカ
プトエタノール(pH 8.0)に再懸濁し、一晩4℃で攪拌する。 11. 遠心分離(1-4時間、40000 x g)後、上清をろ過し、-20℃で保存する。 12. 可溶化した封入体を、Superdex 200(Pharmacia)を用いてゲルろ過クロマト
グラフィーで分離する。 13. 組換えOPGLを含有する画分をプールし、1.5Mグアニジン塩酸塩、20mM トリ
ス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩、1 mM DTT(pH 7.5)を用いて0.1 mg/m
lに希釈する。 14. 10容量の1.5Mグアニジン塩酸塩、20 mMトリス[ヒドロキシメチル]アミノメ
タン塩酸塩、1 mM DTT (pH 7.5)に対して物質を4℃で一晩透析する。 15. 10容量の1.0Mグアニジン塩酸塩、20 mMトリス[ヒドロキシメチル]アミノメ
タン塩酸塩、1 mM DTT (pH 7.5)に対して物質を4℃で一晩透析する。 16. 10容量の0.5Mグアニジン塩酸塩、20 mMトリス[ヒドロキシメチル]アミノ
メタン塩酸塩、1 mM DTT (pH 7.5)に対して物質を4℃で一晩透析する。 17. 10容量の20 mMトリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩、150 mMアル
ギニン、1 mM DTT (pH 7.5)に対して物質を4℃で一晩透析する。 18. 10容量の20 mMトリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩、150 mMアル
ギニン(pH 7.5)に対して物質を4℃で一晩透析する。 19. 再生した物質を凍結乾燥し、-20℃で保存する。
【0085】 この方法を用いる再生効率は約40%で、純度は65%より高い。精製方法と再生
処理は、依然としてさらに改善すべき課題である。固定化再生は研究中であり、
ヒスチジン標識の酵素的な除去はPedersenら(1999)によって記載されているよう
にして本質的に行われるであろう。組換えタンパク質の性質は、SDS-PAGE、N-末
端シーケンシング、アミノ酸解析及び質量分析を用いて特徴づけし、確認した。 野生型マウスOPGLのシステイン置換変異体は、構築中である(SEQ ID NO: 4に
おけるアミノ酸残基に相当するシステインはセリンで置換する; SEQ ID NO: 11
及び12参照)。これを行って、精製した組換えタンパク質を用いて潜在的な安定
性の問題を除いた。この突然変異させたOPGLの端を切り取った型は、SEQ ID NO:
9を有するDNAから着手される後述の記載と完全に同様にワクチン構築の基礎と
して役立つであろう。さらに、ヒトOPGLの相当するCys→Ser突然変異体(Cys- 22
1が置換されている)も、同じ目的のために製造される。
【0086】 ワクチン分子は、選択した位置に破傷風トキソイド由来のエピトープP2又はP3
0のいずれかを挿入するか、又は内部置換して最初に構築される。他の適当な免
疫優勢T-細胞エピトープは、後の段階で用いることができる。 変異導入のための選択位置は、存在するか又は予想されるB-細胞エピトープ及
び天然分子に関して予想される二次構造要素についての知識に基づいて、ならび
にOPGLの細胞外部分の二次及び三次構造をモデリングするためのTNFα (1a8m.pd
b)及びCD40リガンド(1aly.pdb)の三次構造とのアラインメントを用いて選択する
。マウス分子での導入は、アミノ酸残基170-192、198-218、221-246、256-261及
び285-316 (SEQ ID NO: 4でのアミノ酸の番号付け参照)に相当する領域で生じる
が、ヒト分子での導入は、アミノ酸残基171-193、199-219、222-247、257-262及
び286-317に相当する領域で生じる。 これまでに、マウスOPGLの4つの変異型が構築され、大腸菌で組み換えて発現
されている。
【0087】N-末端ヒスチジン標識を有するmOPGL[158-316] _P30[256-261]をエンコードするD NA (SEQ ID NO: 13) : SEQ ID NO: 9 のPCRは、プライマーとしてSEQ ID NO: 22及び25を用いて行っ
た。得られたPCRフラグメントはSacII及びKpnIで制限消化し、次いでアガロース
ゲルから精製した。鋳型としてSEQ ID NO: 9を用いる第二のPCRは、プライマーS
EQ ID NO: 26とベクター特異的なプライマーを用いて行った。得られたPCRフラ
グメントは、KpnIとHindIIIで制限消化した。次に、双方のフラグメントを、Sac
IIとHindIIIで制限消化したpBluescript KS+においてSEQ ID NO: 9に連結した。
この構築で1つの塩基の突然変異を修正するために、鋳型として該構築物を用い
るPCRをプライマーSEQ ID NO: 33と29を用いて行った。得られたPCRフラグメン
トはPstI + EcoRIで制限消化し、ゲルから精製し、次いで、PstIとEcoRIで消化
した誤った構築物に連結した。次に、確認された構築物(SEQ ID NO: 13)を、制
限酵素BspHIとHindIIIを用いてpTrc99aに転移した。
【0088】N-末端ヒスチジン標識を有するmOPGL[158-316] _P2[256-261]をエンコードするDN A (SEQ ID NO: 15) : 鋳型なしに、プライマーSEQ ID NO: 27及び28を用いてPCRを行った。得られた
PCRフラグメントはPstI及びEcoRIで制限消化し、次いでアガロースゲルから精製
した。次に、得られたフラグメントを、SacIIとHindIIIで制限消化したpBluescr
ipt KS+ においてSEQ ID NO: 9に連結した。確認された構築物(SEQ ID NO: 15)
を、次に、制限酵素BspHI及びHindIIIを用いてpTrc99aに転移した。N-末端ヒスチジン標識を有するmOPGL[158-316] _P2[288-302]をエンコードするDN A (SEQ ID NO: 17) : SEQ ID NO: 9のPCRは、プライマーSEQ ID NO: 22及び29を用いて行った。得ら
れたPCRフラグメントをPstI及び BstBIで制限消化し、次に、アガロースゲルか
ら精製した。SEQ ID NO: 9を鋳型として用いる第二のPCRは、プライマー SEQ ID
NO: 30及びベクター特異的なプライマーを用いて行った。得られたPCRフラグメ
ントはBstBIとKpnIで制限消化し、次いでゲルを精製した。次に、PstIとKpnIで
制限消化したpBluescript KS+ において、双方のフラグメントをSEQ ID NO: 9に
連結した。確認された構築物(SEQ ID NO: 17)を、次に、制限酵素BspHI及び Hin
dIIIを用いてpTrc99aに転移した。
【0089】N-末端ヒスチジン標識を有するmOPGL[158-316] _P30[221-241]をエンコードするD NA (SEQ ID NO: 19) : SEQ ID NO: 9のPCRは、プライマー SEQ ID NO: 22 及び23を用いて行った。得
られたPCRフラグメントはSacII及び KpnIで制限消化し、次いでアガロースゲル
から精製した。鋳型としてSEQ ID NO: 9を用いる第二のPCRは、プライマーSEQ I
D NO: 24 及び 31を用いて行った。PCRフラグメントをKpnI と EcoRIで制限消化
し、次いでゲルを精製した。次に、SacIIとEcoRIで消化したpBluescript KS+に
おいて、双方のフラグメントをSEQ ID NO: 9に連結した。次いで、確認された構
築物(SEQ ID NO: 19)を、制限酵素BspHIとHindIIIを用いてpTrc99aに転移した。 これらのOPGLの端を切り取った変異型は大腸菌中で発現し、全ての変異型につ
いて全タンパク質のうちの20%以上を生じる。野生型タンパク質(SEQ ID NO: 9)
についての上記の精製及び再生方法は、さらに改善されるであろう。この方法は
、変異型それぞれに最適な方法を開発する基礎として役立つであろう。ヒスチジ
ン標識を利用する変異型タンパク質の固定化再生は、別の試みで追跡させるであ
ろう。
【0090】 あるいは、変異型は、制限酵素を用いてピキア・パストリスの発現ベクター又
はグリコシル化が望ましい際にはPCRを用いて他の酵母発現系に直接転移するこ
とができる。グリコシル化がOPGLの生体内での生物活性に必要でないことは、留
意されるべきである。また、Laceyらに報告されているように、ヒトの293個の線
維芽細胞でも端を切り取ったOPGLを発現することができる。昆虫細胞での発現も
、考えられる(例えば、シュナイダー 2 (S2)細胞系及びベクター系、又はスポド
プテラ・フルギペルダ(SF)の細胞及びベクター系、ともにInvitrogenから入手可
能)。 精製した変異型は、市場で入手可能な抗体がないので、後に用いるウサギでの
抗体産生に検出手段として用いられる。さらに、この物質は、自己ワクチン候補
物の評価に必要な生物学的アッセイで非常に貴重な手段であろう。抗体の製造は
、当該分野で公知の標準的な方法を用いて行われるであろう。
【0091】 最良の自己ワクチン候補物の選択は、破骨細胞の成熟/活性化については生体
外アッセイ、又は骨粗鬆症については生体内動物モデルにおける阻害活性の評価
に基づく。有用なアッセイ及びモデル系は、文献に記載されている(例えば、Lac
eyら、Fullerら、及びSimonetら)。 組換えタンパク質の活性は、麻酔をかけていないオスのBalb/Cマウスに100μl
を静脈注射し(マウスkg当たり0、0.1及び1.0 mgタンパク質)、カルシウム飽和ヘ
パリンで被覆した毛細管チューブを用いて主要な眼静脈から血液125μlを1時間
後に回収して分析する。カルシウムレベルは、ICA2 (Radiometer, Denmark)を用
いて測定する。精製し、再生した組換えマウスOPGL (SEQ ID NO: 9)は、イオン
化カルシウムの循環レベルを10%まで増すことによって、このアッセイで反応性
である。
【0092】 自己ワクチン候補物は、例えば自己ワクチン注射をし、次いで、マウスへの組
換えmOPGLの注入による末梢血液へのイオン化カルシウムの放出阻害のモニター
を用いて評価される(Burgessらにより記載されているとおり)。 修飾OPGLに代わるものとして、抗-OPGL抗体のイディオタイプに指向する抗イ
ディオタイプ抗体も、この発明の範囲内で有用な免疫原として役立つであろうこ
とが留意される。同様に、例えば、捕捉(catching)プローブとして抗-OPGL又は
オステオプロテゲリンを用いるファージディスプレイ系で単離され得るミモタイ
プ(mimotypic)ポリペプチドの使用も、この発明の免疫原の一部として考慮され
る。
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【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月31日(2000.7.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 19/10 4C085 48/00 C07K 14/705 4C086 A61P 19/10 C12N 1/15 4C087 C07K 14/705 1/19 4H045 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 A61K 35/76 G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 B // A61K 35/76 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZA,ZW (71)出願人 Kogle Alle 6,DK−2970 Horsholm DENMARK Fターム(参考) 2G045 AA40 CA18 CA19 CB01 CB17 CB20 CB21 DA36 DA77 FB03 4B024 AA01 BA31 CA04 DA02 DA05 DA11 HA01 4B064 AG31 BH07 BH09 CA19 CE06 CE07 DA01 4B065 AA91Y AA93Y AB01 CA24 CA45 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA02 BA03 BA07 BA08 BA22 BA23 BA44 CA53 CA56 DA53 NA14 ZA972 4C085 AA02 AA03 AA13 AA14 BB11 DD01 DD61 DD62 DD63 FF24 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA97 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 NA01 NA14 ZA97 4H045 AA11 AA30 BA10 CA40 DA86 EA31 FA74 GA10 GA15 GA22

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 - OPGLポリペプチド又はそのサブ配列での動物の免疫化がO
    PGLポリペプチドに対する抗体の産生を誘導するよう系統立てられている、少な
    くともひとつのOPGLポリペプチド又はそのサブ配列、及び/又は - OPGL類似体を用いる動物の免疫化で、結果としてOPGLポリペプチドに対する
    抗体の産生を誘導する少なくともひとつの修飾がOPGLアミノ酸配列に誘導されて
    いる、少なくともひとつのOPGL類似体 の免疫原性的に有効な量をヒトを含む動物の免疫系に提示することからなる、動
    物におけるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)活性を生体内でダウン-レギュ
    レートする方法。
  2. 【請求項2】 OPGLアミノ酸配列の少なくともひとつの修飾を用いてOPGL類
    似体が提示される請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 修飾により、結果としてOPGL B-細胞エピトープの実質的フ
    ラクションが保持され、 - 少なくともひとつの外来Tヘルパーリンパ球エピトープ(THエピトープ)を導入
    し、及び/又は - 少なくともひとつの第一分子を導入し、それにより抗原提示細胞(APC)又はB-
    リンパ球に修飾分子の標的化をもたらし、及び/又は - 少なくともひとつの第二分子を導入し、それにより免疫系を刺激し、及び/又
    は - 少なくともひとつの第三分子を導入し、それにより免疫系への修飾OPGLポリ
    ペプチドの提示を最適化する 請求項2による方法。
  4. 【請求項4】 修飾が、OPGL又はそのサブ配列における適切な化学基への共
    有的もしくは非共有的な結合による側基として、外来THエピトープ及び/又は第
    一及び/又は第二及び/又は第三の分子の導入を含む請求項3による方法。
  5. 【請求項5】 修飾が、アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入及び/
    又は付加を含む請求項3又は4による方法。
  6. 【請求項6】 修飾により融合ポリペプチドが提示される請求項5による方
    法。
  7. 【請求項7】 アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入及び/又は付加
    の導入により、OPGLの全体的な三次構造が実質的に保持される請求項5又は6に
    よる方法。
  8. 【請求項8】 修飾が、少なくともひとつのOPGL B-細胞エピトープの複製
    及び/又はハプテンの導入を含む請求項2〜7のいずれか1つによる方法。
  9. 【請求項9】 外来T-細胞エピトープが動物で免疫優勢である請求項3〜8
    のいずれか1つによる方法。
  10. 【請求項10】 外来T-細胞エピトープが乱交雑である請求項3〜9のいず
    れか1つによる方法。
  11. 【請求項11】 少なくともひとつの外来T-細胞エピトープが、天然の乱交
    雑T-細胞エピトープ及び人為的なMHC-II結合ペプチド配列から選択される請求項
    10による方法。
  12. 【請求項12】 天然のT-細胞エピトープが、P2又はP30のような破傷風ト
    キソイドエピトープ、ジフテリアトキソイドエピトープ、インフルエンザウイル
    ス血球凝集素エピトープ及びピー・ファルシパルム CSエピトープから選択され
    る請求項11による方法。
  13. 【請求項13】 第一分子が、ハプテン、又はB-リンパ球もしくはAPCへの
    受容体がある炭水化物のような、B-リンパ球の特異的な表面抗原又はAPC特異的
    な表面抗原に実質的に特異的な結合パートナーである請求項3〜12のいずれか
    1つによる方法。
  14. 【請求項14】 第二分子が、サイトカイン、ホルモン及び熱ショックタン
    パク質から選択される請求項3〜13のいずれか1つによる方法。
  15. 【請求項15】 サイトカインが、インターフェロンγ(IFN-γ)、Flt3L、
    インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン4(IL-4
    )、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン1
    3(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)及び顆粒球-マクロファージコロニー刺激
    因子(GM-CSF)から選択されるか又はその有効な部分であり、かつ熱ショックタン
    パク質が、HSP70、HSP90、HSC70、GRP94ならびにカルレチクリン(CRT)から選択
    されるか又はその有効な部分である請求項6による方法。
  16. 【請求項16】 第三分子が、パルミトイル基、ミリスチル基、ファルネシ
    ル基、ゲラニル-ゲラニル基、GPIアンカー及びN-アシルジグリセライド基のよう
    な脂質の性質である請求項3〜15のいずれか1つによる方法。
  17. 【請求項17】 OPGLポリペプチド又はそのサブ配列が、位置170-192のい
    ずれか1つ、位置198-218のいずれか1つ、位置221-246のいずれか1つ、位置256-2
    61のいずれか1つ又は位置285-316のいずれか1つ(アミノ酸番号はSEQ ID No: 4、
    6及び12のいずれか1つの番号による)で修飾されるか、又はOPGLポリペプチドが
    、位置171-193のいずれか1つ、位置199-219のいずれか1つ、位置222-247のいず
    れか1つ、位置257-262のいずれか1つ、又は位置286-317のいずれか1つ(アミノ酸
    番号はSEQ ID NO: 2の番号による)で修飾される前記請求項のいずれか1つによ
    る方法。
  18. 【請求項18】 修飾が、同等又は異なる長さであって外来のTHエピトープ
    を含むアミノ酸配列で、請求項17に定義する位置内における少なくともひとつ
    のアミノ酸配列を置換することからなる請求項17による方法。
  19. 【請求項19】 外来のTHエピトープを含むアミノ酸配列が、SEQ ID NO: 4
    にみられるアミノ酸256-261及び/又は288-302及び/又は221-241、又はSEQ ID NO
    : 2もしくはCys-221に相当するシステインをSerで置換しているタンパク質にみ
    られるアミノ酸257-262及び/又は289-303及び/又は222-243を置換している請求
    項18による方法。
  20. 【請求項20】 免疫系への提示が、OPGLポリペプチド、そのサブ配列、又
    は抗原決定基の多コピーを提示し得る担体分子に共有的に又は非共有的に結合し
    ている修飾OPGLポリペプチドのコピーを少なくとも2つ有することによってもた
    らされる前記請求項のいずれかひとつによる方法。
  21. 【請求項21】 OPGLポリペプチド、そのサブ配列、又は修飾OPGLポリペプ
    チドが、自己抗原に対する自己耐性の破壊を容易にするアジュバントとともに製
    剤化される前記請求項のいずれかによる方法。
  22. 【請求項22】 OPGLポリペプチド又はOPGL類似体の有効量が、真皮内、真
    皮下、表皮内、表皮下及び筋肉内のような非経口的経路;腹膜経路;経口経路;
    口腔経路;舌下経路;硬膜外経路;脊髄経路;肛門経路;及び頭蓋内経路から選
    択される経路を介して動物に投与される前記請求項のいずれかひとつによる方法
  23. 【請求項23】 有効量が、OPGLポリペプチド、そのサブ配列又はその類似
    体の0.5μg〜2000μgである請求項22による方法。
  24. 【請求項24】 OPGLのポリペプチド又は類似体が、仮想リンパ節(VLN)装
    置に含有される請求項22又は23による方法。
  25. 【請求項25】 修飾OPGLの免疫系への提示が、修飾OPGLをエンコードする
    核酸を動物の細胞に導入し、それにより、核酸が導入された細胞を生体内で発現
    させて成される請求項1〜21のいずれか1つによる方法。
  26. 【請求項26】 導入される核酸が、裸のDNA、荷電又は非荷電の脂質で製
    剤化したDNA、リポソーム中に製剤化したDNA、ウイルスベクターに含めたDNA、
    トランスフェクション-促進タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、標的
    タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、カルシウム沈降剤で製剤化したD
    NA、不活性担体分子と結合したDNA、キチン又はキトサンで被包化したDNA、及び
    アジュバントで製剤化したDNAから選択される請求項25による方法。
  27. 【請求項27】 核酸が、VLN装置に含有される請求項27による方法。
  28. 【請求項28】 一年当たりに少なくとも1回の投与/導入、例えば少なくと
    も2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも6回及び少なくとも12回の投
    与/導入を含む請求項22〜27のいずれか1つによる方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも3%、少なくとも7%、少なくとも9%、少なく
    とも11%、少なくとも13%、少なくとも15%、少なくとも17%、少なくとも20%
    及び少なくとも30%の低下のような、骨再吸収速度が著しく低下するような程度
    に、請求項1〜28のいずれか1つの方法によるOPGL活性をダウン-レギュレー
    トすることからなる、骨粗鬆症又は過剰な骨再吸収で特徴づけられる他の疾患及
    び症状の治療及び/又は予防及び/又は改善方法。
  30. 【請求項30】 修飾が導入されており、類似体での動物の免疫化で結果と
    してOPGLポリペプチドに対する抗体産生が誘導される、動物OPGLポリペプチドか
    ら誘導されるOPGL類似体。
  31. 【請求項31】 修飾が請求項1〜19のいずれか1つに定義される請求項
    30によるOPGL類似体。
  32. 【請求項32】 免疫原性組成物であって、 - 動物中の自己OPGLポリペプチドの免疫原性的に有効な量からなり、該OPGLポ
    リペプチドがOPGLポリペプチドに対する動物の自己耐性を破壊するように免疫学
    的に許容されるアジュバントとともに製剤化されており、該組成物は、医薬的か
    つ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒクルをさらに含み、又は - 請求項30又は31によるOPGL類似体の免疫原性的に有効な量からなり、該
    組成物は、医薬的かつ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒクル、任意にア
    ジュバントをさらに含む、 組成物。
  33. 【請求項33】 請求項30又は31によるOPGL類似体をエンコードする核
    酸フラグメント。
  34. 【請求項34】 請求項33による核酸フラグメントを有するベクター。
  35. 【請求項35】 自律複製しうる請求項34によるベクター。
  36. 【請求項36】 プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ-染色体及びウイ
    ルスからなる群から選択される請求項34又は35によるベクター。
  37. 【請求項37】 5’→3’方向及び操作可能な連鎖において、請求項33に
    よる核酸フラグメントの発現を駆動するためのプロモーター、任意にポリペプチ
    ドフラグメントの分泌又は膜中への組み込みを可能にするリーダーペプチドをエ
    ンコードする核酸配列、請求項33による核酸フラグメント、及び任意に転写終
    結区を含む請求項34〜36のいずれか1つによるベクター。
  38. 【請求項38】 宿主細胞に導入される際に、宿主細胞ゲノムに組み込むこ
    とができるか、又は組み込むことができない請求項34〜37のいずれか1つに
    よるベクター。
  39. 【請求項39】 プロモーターが真核細胞及び/又は原核細胞での発現を駆
    動する請求項37又は38によるベクター。
  40. 【請求項40】 請求項34〜39のいずれか1つのベクターを有する形質
    転換細胞。
  41. 【請求項41】 請求項33による核酸フラグメントを複製しうる請求項4
    0による形質転換細胞。
  42. 【請求項42】 細菌、酵母、原生生物から選択される微生物、又は真菌、
    S2もしくはSF細胞のような昆虫細胞、植物細胞及び哺乳動物細胞から選択される
    多細胞生物由来細胞である請求項41による形質転換細胞。
  43. 【請求項43】 請求項33による核酸フラグメントを発現する請求項40
    〜42のいずれか1つによる形質転換細胞。
  44. 【請求項44】 請求項30又は31によるOPGL類似体を分泌するか、又は
    その表面に有する請求項43による形質転換細胞。
  45. 【請求項45】 免疫系への提示が、OPGLポリペプチド又は類似体をエンコ
    ードし、発現する核酸フラグメントを有する非病原性微生物もしくはウイルスを
    投与することによってなされる請求項1〜19のいずれか1つによる方法。
  46. 【請求項46】 - 請求項33による核酸フラグメント又は請求項34〜
    39のいずれか1つによるベクター、及び - 医薬的かつ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒクル及び/又はアジュバ
    ント からなる、OPGLに対する抗体産生を誘導する組成物。
  47. 【請求項47】 請求項34〜39のいずれか1つによるベクターを有し、
    かつ請求項33による核酸フラグメントを発現し、任意に請求項30もしくは3
    1によるOPGL類似体を分泌するか、もしくはその表面に有する安定な細胞系。
  48. 【請求項48】 請求項33による核酸フラグメント又は請求項34〜39
    のいずれか1つによるベクターで宿主細胞を形質転換することからなる、請求項
    40〜44のいずれか1つによる細胞の製造方法。
  49. 【請求項49】 - ペプチド合成又は遺伝子工学技術によって、動物種のO
    PGLポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸を付加し、挿入し、配列からアミノ
    酸を欠失させ、又は配列にアミノ酸を置換する相互に異なる修飾OPGLポリペプチ
    ドのセットを製造し、それによって、動物種に外来のT-細胞エピトープからなる
    セットにおいてアミノ酸配列を生じさせるか、又は相互に異なる修飾OPGLポリペ
    プチドのセットをエンコードする核酸フラグメントを製造し、 - 非修飾OPGLに対する動物種による抗体産生の誘導能力について、修飾OPGLポ
    リペプチド又は核酸フラグメントのセットのメンバーを試験し、かつ - その種において非修飾OPGLに対する抗体産生を著しく誘導する修飾OPGLポリ
    ペプチドのセットのメンバーを同定して、任意に単離するか、又はその動物種に
    おける非修飾OPGLポリペプチドに対する抗体産生を著しく誘導する核酸フラグメ
    ントのセットのメンバーによってエンコードされるポリペプチド発現産物を同定
    して、任意に単離する ことからなる、非修飾OPGLポリペプチドが自己タンパク質である動物種にお
    ける、非修飾OPGLに対する抗体を誘導し得る修飾OPGLポリペプチドの同定方法。
  50. 【請求項50】 - ペプチド合成又は遺伝子工学技術によって、動物種のO
    PGLポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸を付加し、挿入し、配列からアミノ
    酸を欠失させ、又は配列にアミノ酸を置換する相互に異なる修飾OPGLポリペプチ
    ドのセットを製造し、それによって、動物に外来のT-細胞エピトープからなるセ
    ットにおいてアミノ酸配列を生じさせ、 - 非修飾OPGLに対する動物種による抗体産生の誘導能力について、セットのメ
    ンバーを試験し、かつ - OPGLと反応性である動物種において抗体産生を著しく誘導するセットのメン
    バーを、医薬的かつ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒクルと混合し、任
    意に医薬的かつ免疫学的に許容される少なくともひとつのアジュバントと組合わ
    せる ことからなる、非修飾OPGLポリペプチドが自己タンパク質である動物種にお
    いて、非修飾OPGLに対する抗体を誘導できる少なくともひとつの修飾OPGLポリペ
    プチドからなる免疫原性組成物の製造方法。
  51. 【請求項51】 セットのメンバーの製造が、各配列が請求項33による核
    酸配列である相互に異なる核酸配列の製造、該核酸配列の適当な発現ベクターへ
    の挿入、適当な宿主細胞のベクターでの形質転換、及び核酸配列の発現、任意に
    その後の発現産物の単離からなる請求項49又は50による方法。
  52. 【請求項52】 核酸配列及び/又はベクターの製造が、PCRのような分子増
    幅技術又は核酸合成によってなされる請求項51による方法。
  53. 【請求項53】 動物でOPGL活性をダウンレギュレートするアジュバントか
    らなる免疫原性組成物を製造するためのOPGL又はそのサブ配列の使用。
  54. 【請求項54】 骨粗鬆症又は過剰な骨再吸収によって特徴付けられる他の
    症状の治療、予防もしくは改善用のアジュバントからなる免疫原性組成物を製造
    するためのOPGL又はそのサブ配列の使用。
  55. 【請求項55】 任意に、動物でOPGL活性をダウンレギュレートするアジュ
    バントからなる免疫原性組成物を製造するためのOPGL類似体の使用。
  56. 【請求項56】 任意に、骨粗鬆症又は過剰な骨再吸収によって特徴付けら
    れる他の症状の治療、予防もしくは改善用のアジュバントからなる免疫原性組成
    物を製造するためのOPGL類似体の使用。
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