JP2002516830A - 光重合可能な歯科用組成物 - Google Patents
光重合可能な歯科用組成物Info
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Abstract
Description
重合組成物に関する。
り重合する。さらに、陽イオン的重合可能成分と遊離基的重合可能成分の両者を
特徴とする「ハイブリッド」組成物も企画された。エポキシ樹脂は、一般に陽イ
オン的重合可能成分として使用され、アクリレート系組成物およびメタクリレー
ト系組成物に比べて収縮が少ないという利点を提供する。このハイブリッド組成
物は、最初に重合し、造形および圧縮することができる、成形可能な「ゲル」を
生成する。重合が進行するにつれて、ゲルは硬質固体を形成する。
の形成までの間の時間量を調節することが困難なことであることを発見した。こ
の問題を扱うために、本発明者は、重合可能なハイブリッド組成物、ならびに、
陽イオン重合の開始を調節可能に遅らせて、成形可能ゲルの形成から硬化固体の
形成までの間の時間を延長することができる、このような組成物の遊離基的に活
性な官能基および陽イオン的に活性な官能基を重合する方法を発見した。その真
の成果は、改善された加工柔軟性である。
基と、(b)遊離基的に活性な官能基と、(c)光開始系とを含む光重合可能な
組成物を特徴とする。好ましい光重合可能な組成物の例は、歯科用接着剤、歯科
用複合材料(歯科用修復材およびプロテーゼ(prostheses)を含む)、および歯
科用シーラント等の、歯科用組成物である。
な官能基の遊離基重合を開始することができ、有限誘導期T3後に陽イオン的に
活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる(T3はT1より大きい)。
T1およびT3は、T0で発生する化学線の第1の線量の投与を基準にして測定さ
れる。光開始系は、(i)遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および陽イオン
的に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソース、および(
ii)陽イオン重合改質剤を含む。改質剤の量およびタイプは、改質剤の存在し
ない条件下、有限誘導期T2(やはりT0を基準にして測定される)の終わりに同
じ照射条件で陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始されるように選択
される(T2はT3より小さい)。
官能基を担持する他の化合物との反応に利用できるように、陽イオン重合を開始
することができる開始剤の存在下で活性化される化学部分を指す。「遊離基的に
活性な官能基」は、遊離基的に活性な官能基を担持する他の化合物との反応に利
用できるように、遊離基重合を開始することができる開始剤の存在下で活性化さ
れる化学部分を指す。
始を表す発熱(示差走査熱量測定法により測定した)が起こることを意味する。
生じた発熱ピーク下面積が、改質剤を含まないが下記の実施例と同じ条件で照射
を受けた対照組成物に関する対応するピークの面積の5%より大きいとき、陽イ
オン的重合可能基の開始(したがって、好結果の重合)が起きたと言われる。
近に配置された後で重合される複合材を指す。用語「プロテーゼ」は、歯の付近
に配置される前に最終用途に合わせて造形され、重合される複合材を指す(たと
えば、歯冠ブリッジ、前装、インレー、アンレー等々として)。用語「シーラン
ト」は、歯の付近に配置された後で重合される、僅かに充填材が入った複合材ま
たは無充填の歯科用材料を指す。これらの各材料は、一時的使用または永久使用
に適する。
なエポキシ基を含む)、ビニルエーテル樹脂(陽イオン的に活性なビニルエーテ
ル基を含む)、およびエチレン的に活性な不飽和化合物(遊離基的に活性な不飽
和基を含む)などが挙げられる。有用なエチレン的不飽和化合物の例としては、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能アクリル酸エステ
ル類、ヒドロキシ官能メタクリル酸エステル類、およびそれらの組み合せが挙げ
られる。陽イオン的に活性な官能基と遊離基的に活性な官能基の両者を1つの分
子内に含む重合可能成分も適当である。例としては、エポキシ官能アクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸エステル類、およびそれらの組み合せが挙げられる。
ム塩である。光開始系は、光増感剤、たとえば、可視光線増感剤も含むことが好
ましい。用語「可視光線」は、約400〜約1000nmの波長を有する光線を
指す。適当な光増感剤の例としては、αジケトン類が挙げられる。
ウムヘキサフルオロアンチモン酸塩および1.5×10-5モル/gカンファーキ
ノンを含む標準溶液中で、3−ジメチルアミノ安息香酸の光誘導電位より低い光
誘導電位を有するように、陽イオン重合改質剤が選択されることが好ましい。一
般に、改質剤は、水溶液中で測定したとき、10以下のpkb値を有する塩基で
ある。有限誘導期T3後に、陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が、同じ
照射条件で、陽イオン重合改質剤が存在しない条件での速度より大きい速度で進
行するように、改質剤のタイプおよび量が選択される改質剤が特に好ましい。
チルジメチルアニリン)、脂肪族アミン類(たとえば、トリメチル−1,3−プ
ロパンジアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、およびそれらの組み合せ)
、脂肪族アミド類、脂肪族尿素、ホスフィン類(たとえば、脂肪族および芳香族
)、有機酸もしくは無機酸の塩類(たとえば、スルフィン酸塩)、およびそれら
の組み合せが挙げられる。
、化学線源(可視線のソースが好ましい)に組成物を曝露することを含む、光重
合可能な組成物を重合する方法を特徴とする。反応温度は、40℃未満であるこ
とが好ましい。適する光重合可能な組成物は、上述の組成物を含む。陽イオン的
に活性な官能基,遊離基的に活性な官能基,および光開始系(上述の通り)を含
むが、必ずしも40℃未満の温度で重合できるとは限らない、光重合可能な組成
物も適当である。本方法は、歯科用接着剤、歯科用複合材料,歯科用シーラント
、およびそれらの組み合せの形態の光重合可能な組成物に特に有用であり、この
場合、本方法は、40℃未満の温度にて、光重合可能な組成物を表面に適用する
ことおよび口腔内で重合を実施することを含む。
radiation)に連続的に曝露する。別の実施形態では、光重合可能な組成物を、
T0に、単一線量(single dose)の化学線に曝露する。
で、T0にて、光重合可能な組成物を第1の線量の化学線に曝露し、有限誘導期
T1後に、遊離基的に活性な官能基の重合を開始する。その後、第2の反応温度
で、光重合可能な組成物を第2の線量の化学線に曝露し、T1より大きい(T1お
よびT3は両者とも、T0を基準にして測定する場合)有限誘導期T3後に、陽イ
オン的に活性な官能基の重合を開始する。両照射事象に同じ波長の化学線を使用
することが好ましい。第1および第2の反応温度は、実質的に同じであることが
好ましい。
重合歯科用組成物を調製する方法を特徴とする。開始系の1つは、40℃未満の
第1の反応温度にて遊離基的に活性な官能基の重合を開始する。適当な例として
は、光開始系、熱開始系、および酸化還元(すなわち、自己硬化)開始系が挙げ
られる。その他の開始系は、40℃未満の第2の反応温度にて陽イオン的に活性
な官能基の光重合を開始する光開始系である。第1および第2の反応温度は、実
質的に同じであることが好ましい。
の重合を誘導することと、その後、別のステップで、組成物を化学線に曝露して
陽イオン的に活性な官能基の重合を引き起こすことを含む。重合は、口腔内で行
われる。
その期間の終わりにいったん重合が開始するとその後は、陽イオン重合に悪影響
を及ぼさずに、陽イオン的に活性な官能基の重合の開始を遅らせることができる
ハイブリッド重合可能な組成物を提供する。したがって、本発明は、組成物が使
用される用途において、柔軟性および調節を提供する。これらの利点は、組成物
を口腔内に適用することが可能な歯科用途で特に有用である。陽イオン的に活性
な成分の重合を遅らせることにより、歯科医は、組成物を適用し、組成物が適用
される口表面、たとえば、歯の輪郭に合うように造形するのに十分な時間を持つ
。これらの処置が完了すると、歯科医はその後、陽イオン重合を開始して、最終
的な硬化材料を形成することができる。
よび特許請求の範囲から明白になるであろう。
1つまたは複数の遊離基的に活性な官能基、および少なくとも1つの開始系を特
徴とする。本組成物は、遊離基的に活性な官能基が第1ステップで重合され、そ
の後、陽イオン的に活性な官能基が第2ステップで重合される、段階的重合方法
用のものである。開始系は、陽イオン重合および遊離基重合の両者を開始すると
いう二重の機能を果たしてもよい。あるいは、2つの別々の開始系(一方は遊離
基重合を開始し、他方は陽イオン重合を開始する)を使用してもよい。
且つ有限誘導期T3後に陽イオン重合の光開始が起こり(T3はT1より大きい)
、遊離基および陽イオン重合の両者を開始するのに適した開始系を設計する。T 1 およびT3は、T0に開始する第1の線量の化学線の投与を基準にして測定され
る。光開始系は、(i)遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および陽イオン的
に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソース、および(i
i)陽イオン重合改質剤を含む。改質剤が存在しない条件で、有限誘導期T2(
やはり、T0を基準にして測定される)の終わりに、同じ照射条件で陽イオン重
合の開始が起こる(T2はT3より小さい)ように、改質剤の量およびタイプを選
択する。
ことができる。T0における第1の照射事象に続いて、反応の発熱を時間の関数
として測定する。遊離基重合の開始も、陽イオン重合の開始も、共に発熱という
結果を招き、熱移動と時間のグラフ上で、一対の離れたピークとして認められる
。開始が起こる時が、発熱が増加しはじめる時であると考えられる。
数ある。代表例としては、“CRC Handbook of Organic
Photochemistry”,Vol II,ed.J.C.Scaia
no,pp.335−339(1989)に記載の、オニウム塩および上記錯金
属ハロゲン化物イオンとの混合リガンドアレーンシクロペンタジエニル金属塩が
挙げられる。ソースは、オニウム塩であることが好ましい。オニウム塩のうち、
ヨードニウム塩(たとえば、アリールヨードニウム塩)が特に有用である。ヨー
ドニウム塩は、組成物に溶解しなければならず、且つ好ましくは、貯蔵安定性で
ある(ヨードニウム塩が中に溶解しているとき、陽イオン重合改質剤および光増
感剤の存在下で(含まれる場合)、重合を自発的に促進しないことを意味する)
。したがって、個々のヨードニウム塩の選択は、個々の重合可能な反応物、陽イ
オン重合改質剤、および増感剤(存在する場合)によってある程度異なる。
69号、第4,250,053号、および第4,394,403号に記載されて
おり、そのヨードニウム塩開示内容を、参照により本明細書に援用する。ヨード
ニウム塩は、Cl-、Br-、I-、C4H5SO3 -、またはC(SO2CF3)3 -等
の陰イオンを含む単純塩であってもよく、SbF5OH-、AsF6 -、またはB(
C6F5)4 -等のアンチモン酸塩、ヒ酸塩、リン酸塩またはホウ酸塩を含む金属錯
塩であってもよい。必要に応じて、ヨードニウム塩の混合物を使用してもよい。
トラフルオロホウ酸塩、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロ
ホウ酸塩、フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロホウ酸塩
、ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロホウ酸塩、ジ(3−
ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジ(4−クロロフェニ
ル)ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラ
フルオロホウ酸塩、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラ
フルオロホウ酸塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジ(4−
メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロヒ酸塩、ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフ
ルオロホウ酸塩、フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩
、3,5−ジメチルピラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロリン
酸塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、2,2'−ジフ
ェニルヨードニウムテトラフルオロホウ酸塩、ジ(2,4−ジクロロフェニル)
ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロリン酸塩、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフル
オロリン酸塩、ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン
酸塩、ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン
酸塩、ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン
酸塩、ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、
ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ジフェニルまたはジアリールヨード
ニウムトリス−トリフルオロメチルスルホニルメチドあるいはジフェニルまたは
ジアリールヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩などが挙げ
られる。
ルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩および1.5×10-5モル/gの
カンファーキノンを含む標準溶液中で、3−ジメチルアミノ安息香酸の光誘導電
位より低い光誘導電位を有することが好ましい。下記の方式で、光誘導電位を評
価することができる。2−ブタノン中に2.9×10-5モル/gのジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩および1.5×10-5モル/gのカン
ファーキノンを含む標準溶液を調製する。ついで、pH電極を溶液中にに浸漬し
、pHメーターを零mVに調整する。次に、2.9×10-5モル/gの濃度で改
質剤を使用して、標準溶液および改質剤の被験溶液を調製する。約200〜40
0mW/cm2の強度を有し、約400〜500nmの波長を有する青色光を使
用して、約1mmの距離にて約5〜10秒間、この被験溶液を照射する。次いで
、pH電極を被験溶液に浸漬し、pHメーターでmV測定値を得ることにより、
標準溶液を基準にしたミリボルトを決定する。有用な改質剤は、標準溶液を基準
にして約75mV以下の測定値を与える化合物である。
これは、使用する機器、手順を実施する方法、または他の因子から生じる問題ま
たは不確実性に起因することもあり、個々の改質剤が適当であること確認できる
ことが望ましい。第2の試験を実施して、上記手順に従って得られた結果を確認
し、そのような不確実性を解消するすることが可能である。
む開始剤系の光誘導電位の評価を含む。この方法では、2−ブタノン中に2.9
×10-5モル/gのジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、1
.5×10-5モル/gのカンファーキノンおよび2.9×10-5モル/gの3−
ジメチルアミノ安息香酸を含む標準溶液を調製する。次いでpH電極をこの溶液
に浸漬し、pHメーターを零mVに調整する。歯科用硬化光線等の集束光源を約
1mmの距離で使用して、約400−500nmの波長および約200〜400
mW/cm2の強度を有する青色光を約5〜10秒間、標準溶液に照射する。光
に曝露した後、照射した標準溶液中にpH電極を浸漬し、pHメーターを使用し
て電位をmVで測定することにより、溶液の電位を測定する。ついで、2−ブタ
ノン中に2.9×10-5モル/gのジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアン
チモン酸塩、1.5×10-5モル/gのカンファーキノンおよび2.9×10-5 モル/gの改質剤を使用して、被験溶液を調製する。この被験溶液を照射し、標
準溶液の場合と同じ技術を使用して、光誘導電位を測定する。被験溶液が、標準
溶液を含む3−ジメチルアミノ安息香酸の光誘導電位より低い光誘導電位を有す
るのであれば、改質剤は有用な陽イオン重合改質剤であり得る。
香族アミン類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド類、脂肪族尿素、脂肪族ホスフィ
ン類、芳香族ホスフィン類、有機酸もしくは無機酸の塩類(たとえば、スルフィ
ン酸の塩類)が挙げられる。具体例としては、4−(ジメチルアミノ)フェニル
酢酸、ジメチルアミノフェネタノール、ジヒドロキシp−トルイジン、N−(3
,5−ジメチルフェニル)−N,N−ジエタノールアミン、2,4,6−ペンタ
メチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テ
トラメチル尿素、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、2−(メ
チルアミノ)エタノール、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−エチルモ
ルホリン、トリメチル−1,3−プロパンジアミン、3−キヌクリジノール、ト
リフェニルホスフィン、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トリシクロヘキシル
ホスフィン、N−メチルピロリドン、およびt−ブチルジメチルアニリンなどが
ある。これらの改質剤を単独で、または互いに組み合せて、あるいは、2−ブタ
ノン中に2.9×10-5モル/gジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチ
モン酸塩および1.5×10-5モル/gカンファーキノンを含む標準溶液中で、
3−ジメチルアミノ安息香酸の光誘導電位より大きい光誘導電位を有する物質(
このような物質の一例は、エチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(「ED
MAB」)である)と一緒に、使用することが可能である。
基の開始を遅らせることが望まれる程度(すなわち、目標T3値如何)に基づい
て選択される。さらに、改質剤の量は、重合が完全に阻害されるほど多くないこ
とが重要である。上の、本発明の概要で論じた通り、好結果の陽イオン重合は、
示差走査熱量測定法で測定した、陽イオンの開始に随伴する発熱ピーク下面積が
、改質剤を含まないが下記の実施例と同じ条件で照射を受けた対照組成物に関す
る対応するピークの面積の5%より大きいものである。
えば、ある反応温度で首尾よく重合(上で定義した)しない幾つかの組成物は、
より高い温度で、首尾よく重合することができる。しかし、一般に、40℃未満
の温度で、重合反応が進行できることが好ましい。この特徴は、温度が体温(3
7℃)であるか少し高い口腔内で重合が行われる歯科用組成物の場合に、特に有
用である。40℃未満の反応温度で組成物を重合することができれば、さらなる
熱を供給せずに、重合反応を実施することができる。
を発見した。具体的には、これらの改質剤は、陽イオン重合の開始を遅らせるば
かりでなく、開始すると、同じ照射条件で実施される陽イオン重合改質剤が存在
しない条件での重合速度と比較して、重合速度を高める。この速度は、最大発熱
ピーク高さに達するのに要する時間(T4)と、重合が開始される時間(すなわ
ち、誘導時間)との差として、示差走査熱量測定法を使用して測定される。この
挙動を示すことがわかっている改質剤の例としては、N−メチルジエタノールア
ミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−エチルモ
ルホリン、2−(メチルアミノ)エタノール、およびジメチルベンジルアミン等
の脂肪族アミン類が挙げられる。
もよい。増感剤は、約300〜約1000nmの範囲内の波長を有する光を吸収
できることが好ましい。
ン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキ
サジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン類、芳香族多環式炭
化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン類、
メロシアニン類、スクアリリウム染料、およびピリジニウム染料が挙げられる。
ケトン類(たとえば、モノケトン類またはα−ジケトン類)、ケトクマリン類、
アミノアリールケトン類、およびp−置換アミノスチリルケトン化合物が好まし
い増感剤である。十分な硬化を必要とする用途(たとえば、充填材を多く含む複
合材料の硬化)では、光重合に望ましい照射波長にて、約1000lmole-1 cm-1未満、さらに好ましくは約100lmole-1cm-1以下の吸光係数を有
する増感剤を使用する。α−ジケトンは、この特性を有するクラスの増感剤の例
であり、歯科用途に特に好ましい。
ル、ビアセチル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、3,3
,7,7−テトラメチル−1.2−シクロヘプタンジオン、3,3,8,8−テ
トラメチル−1,2−シクロオクタンジオン、3,3,18,18−テトラメチ
ル−1,2−シクロオクタデカンジオン、ジピバロイル、ベンジル、フリル、ヒ
ドロキシベンジル、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−
ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−
ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、および1
,2−シクロヘキサンジオンが挙げられる。この中で、カンファーキノンが最も
好ましい増感剤である。
、段階的な重合も行うことが可能である。遊離基重合開始系は、活性化される際
、遊離基重合のみを開始するように選択される。
な官能基の重合を開始することができないクラスの開始剤には、ペルオキシドと
アミンとの組み合せ等の、従来の化学開始剤系などが含まれる。熱的酸化還元反
応に依存するこれらの開始剤は、しばしば「自己硬化触媒」と呼ばれる。これら
は、一般に、反応物が互いに別々に保存され、その後、使用直前に混合される2
部系として供給される。
な官能基の重合を開始することができない第2のクラスの開始剤には、任意に光
増感剤または促進剤と配合された、遊離基発生性光開始剤が含まれる。このよう
な開始剤は、一般に、200〜800nmの間のどこかの波長で、付加重合用の
遊離基を発生させることができる。例としては、α−ジケトン類、α−ジケトン
類またはケトアルデヒド類のモノケタール、アシロイン類およびそれらの対応す
るエーテル類、発色団置換ハロメチル−s−トリアジン類、および発色団置換ハ
ロメチル−オキサジアゾール類が挙げられる。
な官能基の重合を開始することができない第3のクラスの開始剤には、遊離基発
生性熱的開始剤が含まれる。例としては、ペルオキシド類およびAIBN等のア
ゾ化合物が挙げられる。
開始系を含む。陽イオン開始系は、遊離基開始系の活性化によって陽イオン開始
系が活性化されないように選択される。二重開始系組成物に適した陽イオン光開
始系の例としては、オニウム塩および上記錯金属ハロゲン化物イオンとの混合リ
ガンドアレーンシクロペンタジエニル金属塩が挙げられる。
基を含む。陽イオン的に活性な官能基を有する物質としては、陽イオン的に重合
可能なエポキシ樹脂が挙げられる。このような物質は、開環により重合可能な、
オキシラン環、すなわち、式
よびポリマータイプのエポキシドが挙げられ、脂肪族、脂環式、芳香族または複
素環式であってもよい。これらの物質は、一般に、平均して、分子当たり少なく
とも1個の重合可能なエポキシ基、好ましくは少なくとも約1.5個、さらに好
ましくは分子当たり少なくとも約2個の重合可能なエポキシを有する。ポリマー
エポキシドとしては、末端エポキシ基を有する線状ポリマー(たとえば、ポリオ
キシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位を有
するポリマー(たとえば、ポリブタジエンポリエポキシド)、およびペンデント
エポキシ基を有するポリマー(たとえば、グリシジルメタクリレートポリマーま
たはグリシジルメタクリレートコポリマー)が挙げられる。エポキシドは、純化
合物であってもよく、分子当たり1個、2個、またはそれより多いエポキシ基を
含む化合物の混合物であってもよい。分子当たりのエポキシ基の「平均」数は、
エポキシ含有物質中のエポキシ基総数を、存在するエポキシ含有分子総数で割る
ことによって決定される。
で様々であってもよく、それらの主鎖および置換基の性質が大きく異なってもよ
い。許される置換基の例としては、ハロゲン類、エステル基、エーテル類、スル
ホン基、シロキサン基、ニトロ基、リン酸基、等々が挙げられる。エポキシ含有
物質の分子量は、約58〜約100,000以上まで、様々であってもよい。
とえば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、およびビス(
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートに代表される
エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが挙げられる。この性質を持つ有用な
エポキシドの、さらに詳細なリストについては、米国特許第3,117,099
号(参照により本明細書に援用する)を参照されたい。
を有するグリシジルエーテルモノマーが挙げられる。例は、多価フェノールと過
剰のクロロヒドリン、たとえば、エピクロロヒドリンとを反応させることにより
得られる等の多価フェノールのグリシジルエーテル(たとえば、2,2−ビス−
(2,3−エポキシプロポキシフェノール)−プロパンのジグリシジルエーテル
)である。米国特許第3,018,262号(参照により本明細書に援用する)
およびLee and Neville, McGraw−Hill Book
Co.,New York(1967)による「Handbook of E
poxy Resins」には、この種のエポキシドのさらなる例が記載されて
いる。
易に入手できるエポキシドとしては、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒド
リン、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、グリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(たとえば、
Shell Chemical Co.から 「Epon 828」、「Epo
n 825」、「Epon 1004」および「Epon 1010」の商品名
で入手可能なもの、Dow Chemical Co.から「DER−331」
、「DER−332」、および「DER−334」の商品名で入手可能なもの)
、ビニルシクロヘキセンジオキシド(たとえば、Union Carbide
Corp.から入手可能な「ERL−4206」)、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(たとえば、
Union Carbide Corp.から入手可能な「ERL−4221」
または「CYRACURE UVR 6110」または「UVR 6105」)
、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6
−メチル−シクロヘキセンカルボキシレート(たとえば、Union Carb
ide Corp.から入手可能な「ERL−4201」)、ビス(3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート(たとえば、Union
Carbide Corp.から入手可能な「ERL−4289」)、ビス(
2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(たとえば、Union Carb
ide Corp.から入手可能な「ERL−0400」)、ポリプロピレング
リコールから改質された脂肪族エポキシ(たとえば、Union Carbid
e Corp.から入手可能な「ERL−4050」および「ERL−4052
」)、ジペンテンジオキシド(たとえば、Union Carbide Cor
p.から入手可能な「ERL−4269」)、エポキシ化ポリブタジエン(たと
えば、FMC Corp.から入手可能な「Oxiron 2001」)、エポ
キシ官能基含有シリコーン樹脂、難燃剤エポキシ樹脂(たとえば、Dow Ch
emical Co.から入手可能な臭素化ビスフェノール型のエポキシ樹脂「
DER−580」)、フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル(たとえば、Dow Chemical Co.
から入手可能な「DEN−431」および「DEN−438」)、レゾルシノー
ル ジグリシジルエーテル(たとえば、Koppers Company,In
c.から入手可能な「Kopoxite」)、ビス(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)アジペート(たとえば、Union Carbide Corp.から
入手可能な「ERL−4299」または「UVR−6128」)、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサ
ン−メタ−ジオキサン(たとえば、Union Carbide Corp.か
ら入手可能な「ERL−4234」)、ビニルシクロヘキセンモノオキシド1,
2−エポキシヘキサデカン(たとえば、Union Carbide Corp
.から入手可能な「UVR−6216」)、アルキルC8〜C10グリシジルエー
テル等のアルキルグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemica
l Co.から入手可能な「HELOXY Modifier 7」)、アルキ
ルC12〜C14グリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical
Co.から入手可能な「HELOXY Modifier 8」)、ブチル グ
リシジル エーテル (たとえば、Shell Chemical Co.から
入手可能な「HELOXY Modifier 61」)、クレジルグリシジル
エーテル(たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能な「
HELOXY Modifier 62」)、p−terブチルフェニルグリシ
ジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能
な「HELOXY Modifier 65」)、1,4−ブタンジオールのジ
グリシジルエーテル等の多官能価グリシジルエーテル(たとえば、Shell
Chemical Co.から入手可能な「HELOXY Modifier
67」)、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(たとえば、She
ll Chemical Co.から入手可能な「HELOXY Modifi
er 68」)、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル(たとえ
ば、Shell Chemical Co.から入手可能な「HELOXY M
odifier 107」)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(
たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能な「HELOX
Y Modifier 44」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル(たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能な「HE
LOXY Modifier 48」)、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエ
ーテル(たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能な「H
ELOXY Modifier 84」)、ポリグリコールジエポキシド(たと
えば、Shell Chemical Co.から入手可能な「HELOXY
Modifier 32」、ビスフェノールFエポキシド(たとえば、Ciba
−Geigy Corp.から入手可能な「EPN−1138」または「GY−
281」)、9,9−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニル]
フルオレノン(たとえば、Shell Chemical Co.から入手可能
な「Epon 1079」)などがある。
トおよびグリシジルメタクリレート等のグリシドールと、1つまたは複数の共重
合可能なビニル化合物とのコポリマーを含む。このようなコポリマーの例は、1
:1スチレン−グリシジルメタクリレート、1:1メチルメタクリレート−グリ
シジルアクリレートおよびa62.5:24:13.5メチルメタクリレート−
エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートである。
ド類、アルキレンオキシド類(たとえば、プロピレンオキシド、スチレンオキシ
ド)、アルケニルオキシド類(たとえば、ブタジエンオキシド)、グリシジルエ
ステル(たとえば、エチルグリシデート)が含まれる。
分子量(200未満)、中間分子量(約200〜10,000)および高分子量
(約10,000を超える)等の、2つ以上のエポキシ含有化合物重量平均分子
量分布を含む。あるいは、またはさらに、エポキシ樹脂は、脂肪族および芳香族
、または官能価、極性および非極性等の、異なる化学的性質を有するエポキシ含
有物質の配合物を含んでもよい。
エーテル類、オキセタン類、スピロ−オルトカーボネート類、スピロ−オルトエ
ステル類等々が挙げられる。
不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、およびポリマーが挙げられる。適当な
物質は、少なくとも1つのエチレン的不飽和結合を含み、且つ付加重合を受ける
ことができる。このような遊離基重合可能な物質としては、メチルアクリレート
、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グ
リセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プ
ロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジ
オールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリト
リトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ソ
ルビトールヘキサアクリレート、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エ
トキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロ
キシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、およびトリスヒドロキシエ
チル−イソシアヌレートトリメタクリレート等の、モノ−、ジ−またはポリ−ア
クリレート類およびメタクリレート類、分子量200〜500のポリエチレング
リコール類のビス−アクリレート類およびビス−メタクリレート類、米国特許第
4,652,274号に記載のアクリレート化モノマー類の共重合可能な混合物
、および米国特許第4,642,126号に記載のアクリレート化オリゴマー、
ならびにスチレン、フタル酸ジアリル、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル
およびフタル酸ジビニル等のビニル化合物が挙げられる。必要に応じて、これら
の遊離基重合可能物質の2つ以上の混合物を使用することができる。
の両者を含んでもよい。たとえば、ジエポキシドもしくはポリエポキシドと、1
つまたは複数のエチレン的不飽和カルボン酸の等価物と反応させることにより、
このような分子を得ることが可能である。このような物質の1例は、UVR−6
105(Union Carbideから入手可能)とメタクリル酸の1つの等
価物との反応生成物である。エポキシおよび遊離基的に活性な官能基を有する市
販の物質としては、Daicel Chemical,Japanから入手可能
なCyclomer M−100、M−101、またはA−200等の「Cyc
lomer」シリーズ、およびRadcure Specialitiesから
入手可能なEbecryl−3605などが挙げられる。
ドロキシル含有物質は、少なくとも1個のヒドロキシル官能基、好ましくは少な
くとも2個のヒドロキシル官能基を有する任意の有機物質であってもよい。ヒド
ロキシル含有物質は、2個以上の第一級もしくは第二級脂肪族ヒドロキシル基を
含む(すなわち、ヒドロキシル基が非芳香族炭素原子に直接結合している)こと
が好ましい。ヒドロキシル基は末端にあってもよく、ポリマーまたはコポリマー
から懸垂していてもよい。ヒドロキシル含有有機物質の分子量は、非常に低分子
量(たとえば、32)から非常に高分子量(たとえば、1,000,000以上
)まで様々であってもよい。適当なヒドロキシル含有物質は、低分子量(すなわ
ち、約32〜200)、中間分子量(すなわち、約200〜10,000)、ま
たは高分子量(すなわち、約10,000を超える)を有してもよい。本明細書
で使用される分子量は全て、重量平均分子量である。
族官能基を含んでもよい。ヒドロキシル含有物質は、任意に、窒素、酸素、イオ
ウ等々のヘテロ原子を分子の主鎖に含むことができる。ヒドロキシル含有物質は
、たとえば、天然のセルロース性物質もしくは合成的に調製されたセルロース性
物質から選択することができる。もちろん、ヒドロキシル含有物質は、熱的にま
たは光分解的に不安定な基も実質的に含まない、すなわち、この物質は、重合可
能な組成物の遊離基的活性成分に望ましい重合条件の間に遭遇する可能性がある
化学線の存在下、約100℃より低い温度で、揮発性成分を分解または放出しな
い。
、アルカノール類、ポリオキシアルキレングリコールのモノアルキルエーテル、
アルキレン−グリコールのモノアルキルエーテル、および当技術分野で周知の他
のものなどがある。
コール類(たとえば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1
,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール
、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘ
キサン、1,18−ジヒドロキシオクタデカン、3−クロロ−1,2−プロパン
ジオール)、ポリヒドロキシアルカン類(たとえば、グリセリン、トリメチロー
ルエタン、ペンタエリトリトール、ソルビトール)および他のポリヒドロキシ化
合物、2−ブチン−1,4−ジオール、4,4−ビス(ヒドロキシメチル)ジフ
ェニルスルホン、ヒマシ油等々が挙げられる。
ングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、および特に、ジオール類
の場合には100〜5000のヒドロキシ当量、トリオールの場合には70〜3
300のヒドロキシ当量に対応する約200〜約10,000の分子量を有する
、ポリオキシエチレングリコールジオール類、ポリオキシプロピレングリコール
ジオール類、およびトリオール類、様々な分子量のポリテトラヒドロフランすな
わち「ポリTHF」等のポリテトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシプ
ロピルおよびヒドロキシエチルアクリレート類およびメタクリレート類と、アク
リレートエステル、ハロゲン化ビニル、またはスチレン等の他の遊離基重合可能
なモノマーとのコポリマー、酢酸ビニルコポリマーの加水分解もしくは部分的加
水分解により生成するペンデントヒドロキシ基を含むコポリマー、ペンデントヒ
ドロキシル基を含むポリビニルアセタール樹脂、ヒドロキシエチル化セルロース
およびヒドロキシプロピル化セルロース等の改質セルロースポリマー、ヒドロキ
シ末端ポリエステル類、ヒドロキシ末端ポリラクトン類、および特にポリカプロ
ラクトン類、フッ素化ポリオキシエチレングリコール類またはフッ素化ポリオキ
シプロピレングリコール類、およびヒドロキシ末端ポリアルカジエン類などがあ
る。
、1000、2000および2900等の「TERATHANE」シリーズのポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(du Pont DE Nemours
,Wilmington, DEから入手可能)、「PEP」450、550お
よび650等の、第二級ヒドロキシル基を有する「PEP」シリーズのポリオキ
シアルキレンテトロール、「BUTVAR」B−72A、B−73、B−76、
B−90およびB−98等の「BUTVAR」シリーズのポリビニルアセタール
樹脂(Monsanto Chemical Company,St. Lou
is,MO)、および7/70、12/85、7/95S、7/95E、15/
95Sおよび15/95E等の「FORMVAR」シリーズの樹脂(Monsa
nto Chemical Companyから入手可能)、「TONE」02
00、0210、0230、0240、0300および0301等の「TONE
」シリーズのポリカプロラクトンポリオール類(Union Carbideか
ら入手可能)、「PARAPLEX U−148」脂肪族ポリエステルジオール
(Rohm and Haas,Philadelphia,PAから入手可能
)、「MULTRON」R−2、R−12A、R−16、R−18、R−38、
R−68およびR−74等の「MULTRON」Rシリーズの飽和ポリエステル
ポリオール(Mobay Chemical Co.から入手可能)、当量が約
100である「KLUCELE」ヒドロキシプロピル化セルロース(Hercu
les Inc.から入手可能)、ヒドロキシル当量が約400である「Alc
ohol Soluble Butyrate」酢酸セルロースブチルエステル
(Eastman Kodak Co.,Rochester,NYから入手可
能)、ポリプロピレングリコールジオール等のポリエーテルポリオール(たとえ
ば、ARCO Chemical Co.から入手可能な「ARCOL PPG
−425」「Arcol PPG−725」「ARCOL PPG−1025」
「ARCOL PPG−2025」、「ARCOL PPG−3025」「AR
COL PPG−4025」)、ポリプロピレングリコールトリオール(たとえ
ば、ARCO Chemical Co.から入手可能な「ARCOL LT−
28」「ARCOL LHT−42」「ARCOL LHT 112」「ARC
OL LHT 240」「ARCOL LG−56」「ARCOL LG−16
8」「ARCOL LG−650」)、エチレンオキシドキャップトポリオキシ
プロピレントリオールまたはジオール(たとえば、ARCO Chemical
Co.から入手可能な「ARCOL 11−27」「ARCOL 11−34
」「ARCOL E−351」「ARCOL E−452」「ARCOL E−
785」「ARCOL E−786」)、エトキシル化ビスフェノールA、プロ
ピレンオキシド系ポリオール類またはエチレンオキシド系ポリオール類(たとえ
ば、Dow Chemical Co.から入手可能な「VORANOL」ポリ
エーテルポリオール)などが挙げられる。
ル含有物質とエポキシドおよび/または遊離基的重合可能成分との相溶性、ヒド
ロキシル含有物質の当量および官能価、最終組成物にける所望の物理低特性、所
望の重合速度等々の因子によって、広範囲にわたり様々であってもよい。
合物の例は、低分子量(200未満)、中間分子量(約200〜10,000)
および高分子量(約10,000を超える)等の、ヒドロキシル含有化合物の2
つ以上の分子量分布を含む。あるいは、またはさらに、ヒドロキシル含有物質は
、脂肪族および芳香族、または官能価、極性および非極性等の、異なる化学的性
質を有する、ヒドロキシル含有物質の配合物を含んでもよい。さらなる例として
2つ以上の多官能価ヒドロキシ物質あるいは1つまたは複数の一官能価ヒドロキ
シ物質と、多官能価ヒドロキシ物質との混合物を使用することができる。
に含んでもよい。このような物質の例としては、ヒドロキシエチルアクリレート
、ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート類およ
びヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリセロールモノ(メタ)アクリレー
トまたはグリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(
メタ)アクリレートまたはトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリトリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ
)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトー
ルモノメタ)アクリレート、ソルビトールジメタ)アクリレート、ソルビトール
トリメタ)アクリレート、ソルビトールテトラメタ)アクリレート、ソルビトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、および2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−
3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパンなどが挙げられる。
中に含んでもよい。一例は、ヒドロキシル基およびエポキシ基の両者を含む1分
子である。
染料、粘度改質剤、表面張力抑制剤、および湿潤助剤、酸化防止剤、充填材、お
よび当業者に周知の他の成分等の、適当な添加物も含んでもよい。重合前および
重合後に、所望の物理的性質および取扱特性を提供するように、各成分の量およ
びタイプを調節しなければならない。
組成物を調製する。混合を行うとき、必要に応じて、適当な不活性溶剤を使用す
ることが可能である。適当な溶剤の例としては、アセトン、ジクロロメタン、お
よびアセトニトリルが挙げられる。
より、重合が行われる。石英ハロゲンランプ、タングステン−ハロゲンランプ、
水銀アーク、カーボンアーク、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、プラズマ
アーク、発光ダイオード、およびレーザー等の、紫外線または可視光線を放射す
る光源を使用すると便利である。
。歯科用途に特に有用である一例は、St.Paul,MN.の3M Comp
anyから市販されているVisilux歯科用硬化光線である。このような光
線は、400〜500nmの波長にて、約200〜400mW/cm2の強度を
有する。
重合過程を通して連続的に放射線に曝露してもよい。組成物を単一線量の放射線
に曝露し、次いで放射線源を除去し、それによって重合を起こすことも可能であ
る。しかし、最初に組成物を単一線量の放射線に曝露して遊離基的に活性な官能
基の重合を開始し、続いて、第2の線量の放射線に曝露して陽イオン的に活性な
官能基の重合を開始することが好ましい。
は同じでもよく、異なってもよい。
開始種も発生する。しかし、陽イオン重合改質剤の量は、これらの種の一部もし
くは全てを除去し、それによって、所望の時間が経過するまで、陽イオン重合が
起こるのを防止するのに十分である。
合を開始するように、改質剤の量を調節する。しかし、陽イオン重合開始種の濃
度が事実上減少しているため、開始が遅れる。
の結果、このような種の濃度が上昇する。しかし、また、改質剤の陽イオン除去
作用のため、このような種の濃度は、改質剤が存在しない場合より低くなり、陽
イオン重合が遅れる。
質的に全部除去し、その結果、かなりの量の陽イオン重合が起こるのを防止する
ように、改質剤濃度を調整する。しかし、第2の線量の放射線に曝露すると、種
がさらに発生する。もはや改質剤分子を利用して除去機能を果たすことができな
いため、これらの種は、次に陽イオン重合の開始に移る。したがって、最終的な
作用は、所望の時間が経過するまで陽イオン重合を「避け」、次いで、この期間
の終わりに再度「開始する」ことである。
な系では、遊離基開始系を選択的に活性化することにより、遊離基的に活性な官
能基の重合が優先的に開始される。この系は陽イオン的活性種を生成しないため
、陽イオン重合は起こらない。所望の時間が経過した後、この組成物を放射線(
好ましくは可視線)に暴露することにより陽イオン重合が活性化され、その時点
で陽イオン重合が進行する。
を実施できる能力があるため、全重合工程を調節するという利点が得られる。重
合工程を通して組成物の粘度(したがって実用性)が著しく変化するため、この
能力は歯科で特に有用である。たとえば、重合前の組成物は、一般に、歯に容易
に適用できる粘稠液体の形態をとる。照射すると、遊離基的活性基の重合が起こ
り、最終的に、さらに高い粘度の「ゲル」形成につながる。このゲルは、特有の
取扱特性を有する。具体的には、このゲルは容易に造形し、改作し、彫刻し、あ
るいは他の方法で操作することが容易である。したがって、歯科医は、このゲル
を操作して裂け目を充填し、歯表面の所望の部分に合わせることができる。いっ
たん操作が完了するとその後は、陽イオン重合が開始され、組成物は、生成物の
最終的な特徴を与える硬化固体を形成する。しかし、機械的研磨材または機械加
工(たとえば、歯科用バーまたはビット)を使用せずに、この固体を容易に操作
することはできない。陽イオン重合の開始を調節することにより、歯科医は、組
成物がゲルの状態のままであるうちに組成物を操作するのに十分な時間をもつこ
とができる。
ルオロアンチモン酸塩(Sartomerから入手可能なCD1012)15.
0gと、CyracureTM UVR 6105脂環式ジエポキシド樹脂(Un
ion Carbideから入手可能)720.0g、平均分子量が250であ
るポリテトラヒドロフランジオール(p−THF−250、Aldrich C
hemical Co.から入手可能)180.0g、およびアクリレートオリ
ゴマー(Ebecryl 1830、UCB Radcure, Inc.から
入手可能)100gとを混合し、安全灯条件下で均質になるまで攪拌することに
より、貯蔵樹脂溶液(Stock Solution #1)を調製した。
ck Solution #1 10.0gと、十分な量の陽イオン重合改質剤
とを混合して、1.13×10-4モル/10.0gのStock Soluti
on #1の改質剤濃度を実現する。それぞれ異なる陽イオン重合改質剤を含む
、合計22の溶液を調製した。下記の陽イオン重合改質剤を使用した。
のStock Solution #1およびStock Solution
#2を混合することにより、それぞれ、1.4×10-6モル/g(Stock
Solution #1 3.5gおよびStock Solution #2
0.5gを混合することによって調製した)、2.8×10-6モル/g(St
ock Solution #1 3.0gのおよびStock Soluti
on #2 1.0gを混合することによって調製した)、および5.6×10 -6 モル/g(Stock Solution #1 2.0gとStock S
olution #2 2.0gとを混合することによって調製した)の改質剤
濃度を有する試料を実現した。Stock Solution #1 100%
からなる対照試料も調製した。
重合挙動を試験した。使用した装置は、10mg硬化樹脂リファレンスを用いた
TA Instruments Dual Sample Photo DSC
モデル2920であった。光源は、Oriel PN 59480 425nm
長通過光フィルター付水銀/アルゴン灯であった。Model XRL 340
A検出器を備えたInternational Light 露光計Model
IL 1400を使用して測定した光強度は、3mW/cm2であった。
温度を37℃まで上昇させ、その温度にて1分間維持した。次に、アパーチャー
を開き、試料を照射した。照射中、試料温度を37℃に維持した。総照射時間は
30分であった。30分後、アパーチャーを閉じ、試料を37℃にてさらに1分
間維持した。
rmal Solutions Universal Analysisソフト
ウェアを使用して、データを解析した。以下のパラメーターを、各試料について
決定した: T1 (アクリレート開始に関する誘導期)、 T3 (エポキシ開始に関する誘導期)、 T4 (エポキシ重合に関するピーク最高値に達するまでの時間)、 エポキシ重合関連の発熱(J/g)。
した。エポキシ開始に関する誘導期を測定し、T2を示した。T2の値は1.93
分であった。次いで、T2とT3の間の差を、陽イオン重合改質剤を用いて調製し
た各試料について算出し、改質剤がエポキシ誘導期延長に及ぼす作用を決定した
。
れを陽イオン重合改質剤含有試料の発熱と比較した。改質剤含有試料の発熱値が
対照試料の発熱値の少なくとも5%であれば、エポキシ重合を、好結果の重合で
あると決定した。
す。
質剤濃度=5.6×10-6モル/g樹脂)に関連した星印は、実験に使用したタ
イムスケール(すなわち、30分)以内に、エポキシ重合に関するピーク最高値
が観察されなかったことを表す。残りの試料については、2つ(実施例7/改質
剤濃度=1.4×10-6モル/g樹脂および実施例8/改質剤濃度=1.4×1
0-6モル/g樹脂)を除き、全てのT3値が、T2より大きかったことで実証され
る通り、各陽イオン重合開始剤は、各試料に関する発熱値が対照試料での対応す
る値の5%より大きかったことで実証される通り、エポキシ重合反応を容認でき
ないほど抑制せずに、試験した濃度で陽イオンエポキシ開始に関する期間を延長
したことが結果からわかる。上記実施例7および実施例8の試料でT3値が比較
的低いことは、アクリレート開始後比較的早く、エポキシ開始が起きたことを表
す。しかし、後述する通り、これらの2試料について計算したT4−T3値から、
いったん開始するとその後は、エポキシ重合速度は比較的遅かったことがわかる
。
、重合速度が速い。改質剤含有試料と対照試料の両者について、この差を決定し
た。後者の場合、T4とT3との間の差を決定すると、4.86であった。表1か
らわかるように、幾つかの試料は、対照試料が示した差より小さい差を示し、い
ったん開始するとその後は、対照試料より速い速度で、これらの試料のエポキシ
重合が進行することがわかる。
。さらに、Stock Solution #2で使用した量より2倍高い改質
剤濃度を有する貯蔵溶液(Stock Solution #3)を使用して、
試験用試料を調製した。3種異なる改質剤2−(メチルアミノ)エタノール(実
施例22)、トリメチル−1,3−プロパンジアミン(実施例23)、およびt
−ブチルジメチルアニリン(実施例24)を試験した。次いで、十分な量のSt
ock Solution #1とStock Solution #3を混合
することにより、各陽イオン重合改質剤について4つの実験試料を調製し、それ
ぞれ、2.8×10-6モル/g(3.5gStock Solution #1
3.5gと0.5gStock Solution #2 0.5gとを混合
することにより調製した)、5.6×10-6モル/g(Stock Solut
ion #1 3.0gとStock Solution #2 1.0gとを
混合することにより調製した)、11.26×10-6モル/g(Stock S
olution #1 2.0gとStock Solution #2 2.
0gとを混合することにより調製した)、および22.4×10-6モル/g(S
tock Solution #1 0.0gとStock Solution
#2 4.0gとを混合することにより調製した)の改質剤濃度を有する試料
を実現した。Stock Solution #1100%からなる対照試料も
調製した。次いで、対照試料を含む各試料を十分な量のエポキシシラン処理石英
充填材と混合し、84重量%の充填材と16重量%の樹脂とを有する充填材入り
ペーストを製作した。
る。表示「###」は、試験期間(すなわち、30分)内に、測定可能なエポキ
シ重合を全く検出できなかったことを意味し、改質剤濃度が非常に高いあため、
エポキシ重合を単に遅らせたというよりむしろ抑制したことが示唆される。比較
のため、対照試料は、T2値2.99、T4値6.37、および発熱値58.99
J/gを示した。対照試料の場合、重合速度を示すT4とT2との間の差は、3.
38であった。
抑制せずにエポキシ重合の開始を遅らせる能力に関して重要であることがわかる
。
た。第1組の試料(実施例25)は、陽イオン重合改質剤として、5.6×10 -6 モル/g樹脂、11.2×10-6モル/g樹脂、および22.4×10-6モル
/g樹脂の濃度で2−(メチルアミノ)−エタノールを使用して調製した3試料
を含んでいた。第2組試料(実施例26)は、陽イオン重合改質剤として、2.
8×10-6モル/g樹脂、5.6×10-6モル/g樹脂、および11.2×10 -6 モル/g樹脂の濃度でトリメチル−1,1,3−プロパンジアミンを使用して
調製した3試料を含んでいた。次いで、以上の試料、ならびに対照試料を、上記
PhotoDSCに供した。結果を図1(実施例25)および図2(実施例26
)に示す。
む試料を除き、2つの明瞭なピークが確認された。先ず、アクリレート重合開始
が起きた。アクリレート重合に関する誘導期は短く、且つ改質剤濃度に関係なく
比較的不変であった。しかし、5.6×10-6モル/g樹脂および11.2×1
0-6モル/g樹脂という改質剤濃度では、エポキシ誘導期は、対照試料と比較し
て明らかに長かった。しかし、いずれの場合にも、エポキシ重合は、いったん開
始するとその後は、首尾よく進行した。さらに、改質剤含有試料では、対照試料
と比べてエポキシ発熱ピークが狭いことによって実証される通り、エポキシ重合
速度は、対照試料の速度より速く、その作用は、5.6×10-6モル/g樹脂を
含む試料の場合に特に顕著であった。しかし、いったん改質剤濃度が22.4×
10-6g/モル樹脂に達すると、検出可能なエポキシピークがないことによって
実証される通り、エポキシ重合は抑制された。
ル樹脂および5.6×10-6g/モル樹脂を含む試料は、対照試料と比較して、
エポキシ重合に関して長い誘導期を示したが、アクリレート重合は比較的不変で
あった。2.8×10-6g/モル樹脂試料も、より狭いピークによって実証され
る通り、対照試料よりも高いエポキシ重合速度を示した。11.2×10-6g/
モル樹脂の改質剤濃度にて、検出可能なエポキシピークがないことによって実証
される通り、エポキシ重合が抑制された。
ト配合物について説明する。
オロアンチモン酸塩(CD1012)、およびt−ブチルジメチルアニリン(t
BDMA)を、UVR6105脂環式ジエポキシド樹脂(73.6重量%)、p
−THF−250(18.4重量%)、およびEbecryl 1830アクリ
レートオリゴマー(8重量%)と混合し、安全灯条件下で、均質になるまで攪拌
することによって、4つの樹脂溶液を調製した。各試料に関するCPQ、CD1
012、およびtBDMAの量は以下の通りであった(量は全て重量%で示す)
。
3M Model 5530 AAWZ硬化光線を使用して照射した。硬化光線
と試料との間の距離は1cmであった。各試料を10秒間照射し、次いで、取扱
特性について試験した。次いで、各試料を5分間放置して再評価した後、硬質の
固体を形成するまで各試料を照射した。全試料が、第1の照射後10秒および5
分後に比較的柔らかいままで操作可能であり、第2の照射後に硬質固体を形成し
た。
(ベンゾイルペルオキシドにジメチルアミンフェネタノール(「DMAPE」)
を加える)およびエポキシの陽イオン重合を開始するためのヨードニウム塩を使
用した、エポキシ/メタクリレート組成物の重合について説明する。
ロアンチモン酸塩(CD1012)0.3g、UVR 6105脂環式ジエポキ
シド樹脂18.0g、およびEbecryl 1830アクリレートオリゴマー
2gを、安全灯条件下で均質になるまで攪拌しながら、混合することにより、貯
蔵溶液(「Stock Solution #4」)を調製した。次いで、St
ock Solution #4 9.94gを、エチルジメチルアミノベンゾ
エート(「EDMAB」)0.03gおよびDMAPE0.03gと混合してS
tock Solution #5を作成した。さらにStock Solut
ion #4 9.90gを、ベンゾイルペルオキシド0.10gと混合して、
Stock Solution #6を作成した。
lution #6 0.50mLをガラスバイアル中で混合し、暗室で完全に
混合した。7.5分後、この塊は凝固してゼラチン状の固体を形成し、Ebec
ryl 1830アクリレートオリゴマーの重合を示した。次いで、エポキシ重
合を開始するために、ゲル化した物質を、St.Paul,Mnの3M Com
panyから市販されている3M Visilux 2歯科用硬化光線からの光
線に曝露した。50秒曝露した後、この物質は発熱して硬質の固体を形成した。
露しない場合、この物質は、長時間ゲル化したままで(すなわち、硬質固体を形
成しなかった)、測定可能なエポキシ重合がないことを示した。
合可能な組成物に対する光示差走査熱量測定法(Photo Differen
tial Scanning Calorimetry)により得られた、熱移
動と時間とのプロットである。
ンジアミンを含む重合可能な組成物に対する光示差走査熱量測定法により得られ
た、熱移動と時間とのプロットである。
Claims (51)
- 【請求項1】 (a)陽イオン的に活性な官能基と、 (b)遊離基的に活性な官能基と、 (c)約40℃未満の反応温度で、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な
官能基の遊離基重合を開始し、有限誘導期T3(T3はT1より大きい)後に前記
陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる光開始系と、
を含み、前記光開始系が、 (i)前記遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および前記陽イオン的に活性
な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソースと、 (ii)陽イオン重合改質剤と、 を含み、 前記改質剤の存在しない条件下、有限誘導期T2(T2はT3より小さい)の終
わりに同じ照射条件で、前記陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始さ
れる、光重合可能な歯科用組成物。 - 【請求項2】 前記ソースがオニウム塩を含む、請求項1に記載の光重合可
能な組成物。 - 【請求項3】 前記ソースがヨードニウム塩を含む、請求項1に記載の光重
合可能な組成物。 - 【請求項4】 有限誘導期T3後に、同じ照射条件で、前記陽イオン重合改
質剤が存在しない条件での速度より大きい速度で、前記陽イオン的に活性な官能
基の陽イオン重合が進行する、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項5】 前記光開始剤系が、2−ブタノン中に2.9×10-5モル/
gジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩および1.5×10-5 モル/gカンファーキノンを含む標準溶液中で、3−ジメチルアミノ安息香酸の
光誘導電位より小さい光誘導電位を有する、請求項1に記載の光重合可能な組成
物。 - 【請求項6】 前記改質剤が、水溶液中で測定して、10以下のpkb値を
有する、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項7】 前記改質剤が芳香族アミンを含む、請求項1に記載の光重合
可能な組成物。 - 【請求項8】 前記芳香族アミンがt−ブチルジメチルアニリンを含む、請
求項7に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項9】 前記改質剤が脂肪族アミンを含む、請求項1に記載の光重合
可能な組成物。 - 【請求項10】 前記脂肪族アミンが、トリメチル−1,3−プロパンジア
ミン、2−(メチルアミノ)エタノール、およびその組み合せからなる群から選
択される、請求項9に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項11】 前記改質剤が脂肪族アミドを含む、請求項1に記載の光重
合可能な組成物。 - 【請求項12】 前記改質剤が脂肪族尿素を含む、請求項1に記載の光重合
可能な組成物。 - 【請求項13】 前記改質剤がホスフィンを含む、請求項1に記載の光重合
可能な組成物。 - 【請求項14】 前記改質剤が有機酸の塩または無機酸の塩を含む、請求項
1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項15】 前記改質剤がスルフィン酸塩を含む、請求項14に記載の
光重合可能な組成物。 - 【請求項16】 前記光開始系が光増感剤をさらに含む、請求項1に記載の
光重合可能な組成物。 - 【請求項17】 前記光増感剤が可視光線増感剤を含む、請求項16に記載
の光重合可能な組成物。 - 【請求項18】 前記光増感剤がαジケトンを含む、請求項16に記載の光
重合可能な組成物。 - 【請求項19】 前記組成物が陽イオン的に活性な官能基を有するエポキシ
樹脂を含む、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項20】 前記組成物が陽イオン的に活性な官能基を有するビニルエ
ーテルを含む、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項21】 前記組成物が遊離基的に活性な官能基を有するエチレン的
不飽和化合物を含む、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項22】 前記エチレン的不飽和化合物が、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、およびその組み合せからなる群から選択される、請求項2
1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項23】 前記エチレン的不飽和化合物が、ヒドロキシ官能アクリル
酸エステル、ヒドロキシ官能メタクリル酸エステル、およびその組み合せからな
る群から選択される、請求項21に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項24】 前記組成物が、(a)陽イオン的に活性な官能基を有する
エポキシ樹脂、および(b)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、およ
びその組み合せからなる群から選択される遊離基的に活性な官能基を有するエチ
レン的不飽和化合物を含む、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項25】 前記組成物が、(a)陽イオン的に活性な官能基を有する
ビニルエーテル樹脂、および(b)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
、およびその組み合せからなる群から選択される遊離基的に活性な官能基を有す
るエチレン的不飽和化合物を含む、請求項1に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項26】 前記組成物が、陽イオン的に活性な官能基および遊離基的
に活性な官能基を含む重合可能成分を含む、請求項1に記載の光重合可能な組成
物。 - 【請求項27】 前記重合可能成分が、エポキシ官能アクリル酸エステル、
エポキシ官能メタクリル酸エステル、およびその組み合せからなる群から選択さ
れる、請求項26に記載の光重合可能な組成物。 - 【請求項28】 ポリオールをさらに含む、請求項1に記載の光重合可能な
組成物。 - 【請求項29】 前記組成物が歯科用接着剤を含む、請求項1に記載の光重
合可能な組成物。 - 【請求項30】 前記組成物が歯科用複合材を含む、請求項1に記載の光重
合可能な組成物。 - 【請求項31】 前記組成物が歯科用シーラントを含む、請求項1に記載の
光重合可能な組成物。 - 【請求項32】 (a)陽イオン的に活性な官能基と、 (b)遊離基的に活性な官能基と、 (c)約40℃未満の反応温度で、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な
官能基の遊離基重合を開始し、有限誘導期T3(T3はT1より大きい)後に前記
陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる光開始系と、
を含み、前記光開始系が、 (i)前記遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および前記陽イオン的に活性
な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソースと、 (ii)陽イオン重合改質剤と、 を含み、 改質剤の存在しない条件下、有限誘導期T2(T2はT3より小さい)の終わり
に同じ照射条件で、前記陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始される
、光重合可能な組成物。 - 【請求項33】 光重合可能な歯科用組成物を重合する方法であって、40
℃未満の反応温度で、前記組成物を表面に適用することと、前記組成物を化学線
源に曝露することを含み、 前記光重合可能な組成物が、 (a)陽イオン的に活性な官能基と、 (b)遊離基的に活性な官能基と、 (c)前記反応温度で、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な官能基の遊
離基重合を開始し、有限誘導期T3(T3はT1より大きい)後に前記陽イオン的
に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる光開始系と、 を含み、前記光開始系が、 (i)前記遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および前記陽イオン的に活性
な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソースと、 (ii)陽イオン重合改質剤と、 を含み、 改質剤の存在しない条件下、有限誘導期T2(T2はT3より小さい)の終わり
に同じ照射条件で、前記陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始される
、方法。 - 【請求項34】 前記光重合可能な組成物を化学線源に連続的に曝露するこ
とを含む、請求項33に記載の方法。 - 【請求項35】 前記光重合可能な組成物を単一線量の化学線に曝露するこ
とを含む、請求項33に記載の方法。 - 【請求項36】 (a)前記光重合可能な組成物を、第1の反応温度で第1
の線量の化学線に曝露し、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な官能基の重
合を開始することと、 (b)その後、前記光重合可能な組成物を第2の反応温度で第2の線量の化学
線に曝露し、有限誘導期T3後に前記陽イオン的に活性な官能基の重合を開始す
ることと、 を含む、請求項33に記載の方法。 - 【請求項37】 前記第1の線量の化学線が、前記第2の線量の前記化学線
と同じ波長を有する、請求項36に記載の方法。 - 【請求項38】 前記化学線が可視線を含む、請求項33に記載の方法。
- 【請求項39】 前記光重合可能な組成物が陽イオン的に活性な官能基を有
するエポキシ樹脂を含む、請求項33に記載の方法。 - 【請求項40】 前記光重合可能な組成物が、(a)陽イオン的に活性な官
能基を有するエポキシ樹脂と、(b)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、およびその組み合せからなる群から選択される遊離基的に活性な官能基を有
するエチレン的不飽和化合物と、 を含む、請求項33に記載の方法。 - 【請求項41】 前記光重合可能な組成物が、陽イオン的に活性な官能基お
よび遊離基的に活性な官能基を含む重合可能成分を含む、請求項33に記載の方
法。 - 【請求項42】 前記第1の反応温度および前記第2の反応温度が実質的に
同じである、請求項36に記載の方法。 - 【請求項43】 組成物を重合する方法であって、反応温度で、光重合可能
な組成物を化学線源に曝露することを含み、 前記光重合可能な組成物が、 (a)陽イオン的に活性な官能基と、 (b)遊離基的に活性な官能基と、 (c)前記反応温度で、有限誘導期T1後に前記遊離基的に活性な官能基の遊
離基重合を開始し、有限誘導期T3(T3はT1より大きい)後に前記陽イオン的
に活性な官能基の陽イオン重合を開始することができる光開始系と、 を含み、前記光開始系が、 (i)前記遊離基的に活性な官能基の遊離基重合および前記陽イオン的に活性
な官能基の陽イオン重合を開始することができる種のソースと、 (ii)陽イオン重合改質剤と、 を含み、 改質剤の存在しない条件下、有限誘導期T2(T2はT3より小さい)の終わり
に同じ照射条件で、前記陽イオン的に活性な官能基の陽イオン重合が開始される
、方法。 - 【請求項44】 重合歯科用組成物を調製する方法であって、 (a)(i)陽イオン的に活性な官能基と、 (ii)遊離基的に活性な官能基と、 (iii)40℃未満の第1の反応温度で、前記遊離基的に活性な官能基の
遊離基重合を開始することができる第1の開始系と、 (iv)40℃未満の第2の反応温度で、前記陽イオン的に活性な官能基の
光誘導陽イオン重合を開始することができる、前記第1の開始系と異なる第2の
開始系と、 を含む重合可能な歯科用組成物を提供することと、 (b)前記組成物を表面に適用することと、 (c)前記第1の反応温度で、前記遊離基的に活性な官能基の重合を誘導する
ことと、 (d)その後、前記第2の反応温度で、前記組成物を化学線に暴露して、前記
陽イオン的に活性な官能基を重合させることと、 を含む方法。 - 【請求項45】 前記第1の開始系が光開始系を含む、請求項44に記載の
方法。 - 【請求項46】 前記第1の開始系が熱開始系を含む、請求項44に記載の
方法。 - 【請求項47】 前記第1の開始系が酸化還元開始系を含む、請求項44に
記載の方法。 - 【請求項48】 前記組成物が陽イオン的に活性な官能基を有するエポキシ
樹脂を含む、請求項44に記載の方法。 - 【請求項49】 前記組成物が、(a)陽イオン的に活性な官能基を有する
エポキシ樹脂、および(b)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、およ
びその組み合せからなる群から選択される遊離基的に活性な官能基を有するエチ
レン的不飽和化合物を含む、請求項44に記載の方法。 - 【請求項50】 前記組成物が、陽イオン的に活性な官能基および遊離基的
に活性な官能基を含む重合可能成分を含む、請求項44に記載の方法。 - 【請求項51】 前記第1の反応温度および前記第2の反応温度が実質的に
同じである、請求項48に記載の方法。
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