JP2002516201A - 合わせ安全ガラスにおけるガラス方向による接着性の差異の消去 - Google Patents
合わせ安全ガラスにおけるガラス方向による接着性の差異の消去Info
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Abstract
Description
最も重要で、制御可能なパラメータである。接着性が高過ぎると、衝撃の際、積
層体は一枚岩的なユニットとして破壊し、したがって自動車の乗員はあまり保護
されない。接着性が低過ぎると、衝撃の際、積層体から鋭利な破片が分離され、
したがって乗員に傷害を与えるおそれがあろう。
自動車のフロントガラスは熱による自重たわみまたは加熱後のプレス成型のいず
れかにより湾曲された2枚のフロートガラスから作製される。湾曲されたガラス
片は、可塑化されたポリビニルブチラール(PVB)中間層によって貼り合わさ
れる。フロートガラスの製造において、ガラスは溶融スズ浴上部に鋳込まれ、移
動する。その表面の一方はスズに接触する(スズ側)が、他方は通常窒素などの
不活性雰囲気に接触する(空気側)。したがって、同じガラスシートの2つの表
面で化学的性質が全く異なる可能性がある。時には、ガラスとPVB中間層との
間の接着性において界面化学的性質の差異が現れる。PVBの水分、中間層固有
の接着性、ガラス本体の化学的性質など他の要因の中で、PVB中間層にガラス
の「スズ」側が接触するか、または「空気」側が接触するかによって、より高い
またはより低い接着性が得られる。しばしば非対称な接着性と呼ばれる接着性の
差異が非常に著しく、そのため積層体が一方のガラス方向(glass ori
entation)ではフロントガラスとして使用可能であるが、他方のガラス
方向では使用不可能と思われることがありうる。ガラスの方向を識別し、保持し
なければならないことで、あるいは指定された方向が得られるようにガラスを反
転させる特別な装置を設置しなければならないことで悩まされる積層業者もある
。
PVB中間層とガラスの空気側との間の接着性の差異を低減して、自動車のフロ
ントガラスおよびサイドガラスとして使用可能な積層構造体を提供することであ
る。本発明はまた、非対称な接着性が経験される他のガラス/接着剤シート積層
構造体にも適用可能である。
チラール(PVB)シートとを含むガラス/接着剤シート積層構造体が提供され
、前記ポリビニルブチラールには、自動車のフロントガラスおよびサイドウィン
ドウ用およびボデイ用ガラスとしての使用に適切な予め選択されたレベルの接着
性を前記ガラス層と前記ポリビニルブチラールシートとの間に提供するための接
着性制御添加剤としてイオン化可能な金属塩をその中にブレンドし、またレベリ
ング剤により提供されるカチオンの含量が0.03から1.35の間、好ましく
は0.07から1.1ミリ当量/シート材料kg(meq/kg)となるように
、接着性制御添加剤からのカチオンと異なるカチオンを提供する別のイオン化可
能な金属塩を混和してある。第2の金属塩は、マグネシウムもしくはカルシウム
などのアルカリ土類金属、または亜鉛もしくは銅などの遷移金属、またはスズな
どの第IV族金属の塩とすることができる。驚くべきことに、この少量の塩また
はレベリング剤が、曇りなどの積層体の全体的性能への有害な影響がなく、非対
称な接着性を低減し、かつ場合によっては本質的に消去するのに十分である。さ
らに、PVB中間層の接着性のレベルを、従来の手段によって接着性制御添加剤
量の調節により制御することができる。
。可塑化されたPVBの調製については、参照により本明細書に組み込まれたP
hillipsの米国特許第4,276,351号に開示されている。ポリビニ
ルブチラールシート材料には、広範囲の接着性制御添加剤を使用することができ
る。本発明においてPVBシートは、相容的な量の、トリエチレングリコール
ジ−n−ヘプタノエートおよびテトラエチレングリコール ジ−n−ヘプタノエ
ートからなる群から選択されるグリコールエステルで、または相容的な量の、ト
リエチレングリコール ジ−2−エチルブチレートおよびトリエチレングリコー
ル ジ−2−エチルヘキサノエートなどの分枝または非分枝グリコール ジ−エ
ステルで可塑化され、並びに、接着性制御添加剤としてギ酸カリウム、酢酸カリ
ウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩を含有する。このようなシート材料を調製
する工程は、参照により本明細書に組み込まれたMoynihanの米国特許第
4,292,372号に開示されている。
%のPVBフレーク乾燥物100部を、可塑剤中に予混合された光安定剤(Ti
nuvin−Pまたは他の適切な化合物)および酸化防止剤を含有するテトラエ
チレングリコール ジ−n−ヘプタノエート可塑剤36〜40部と、二軸押出し
機中で連続的に混合する。押出し機を出る溶融物は200〜220℃である。溶
融物はギヤポンプおよび溶融物フィルタを通過させ、次いでスロットダイを通過
させ、公称厚さ0.76mmのシート材料を形成させる。接着性制御添加剤は、
水性のサイドストリーム(side stream)として直接溶融物に添加す
る。レベリング剤は、それが水溶性の場合、直接水性のサイドストリームとして
溶融物に添加するか、または好ましくは接着性制御添加剤と組み合わせて混合溶
液として添加するかのいずれかである。レベリング剤が水に易溶性ではない場合
、有機溶媒中の溶液として直接溶融物に、または押出し機に供給される可塑剤中
の溶液として添加できる。
まれる。一塩基有機酸には、ギ酸、酢酸、ならびに炭素原子1〜12個を有する
直鎖カルボン酸、および炭素原子3〜12個を有する分枝鎖カルボン酸が含まれ
る。多塩基有機酸は、2つ以上のカルボン酸基を有する酸を指し、シュウ酸、コ
ハク酸、オキサロ酢酸、クエン酸、およびエチレンジアミン四酢酸を包含する。
に悪影響を及ぼさない酸化防止剤、着色剤、および紫外線吸収剤などの通常の補
助剤をPVB組成物中に含むことができる。さらに、空気関連欠陥を低減するた
め、シリコーン、シラン加水分解物、フッ素含有表面活性剤、中鎖ないし長鎖カ
ルボン酸の塩、またはそれらを組み合わせたものからなる表面エネルギー改変剤
を添加することができる。積層体内の空気関連欠陥には、空気をトラップした結
果として形成される気泡および虫様欠陥、およびオートクレーブ処理中にPVB
界面層中に吸収される空気が含まれる。
間から大部分の空気を有効に除去するため、PVBシート材料の表面を粗くすべ
きことも周知である。これは、PVBシートを押し出す際の型押しによって、ま
たはメルトフラクチャーによって機械的に行うことができる。積層体を調製する
間にトラップされる空気の効果的な脱気を促進するため、表面の粗さを保持する
ことが不可欠である。(表面粗さ、Rz、は、国際標準化機構のISO−R46
8による10点平均粗さによって、ミクロンで表わされる。約0.030インチ
(0.76mm)より厚いシート材料では、空気トラップを防止するのに最高6
0ミクロンの10点平均粗さRzで十分である。シート材料を合紙なしでまたは
抗ブロッキング剤なしでロールに巻き上げようとする場合、ブロッキングを防止
するため、最小値で約20ミクロンの粗さが必要である。熱可塑性樹脂シート材
料の表面粗さおよび表面粗さのキャラクタリゼーションおよび定量化方法は、ア
メリカ国家規格協会/アメリカ機械工学会(ANSI/ASME)B46.l(
1995年)に記載されている。
0、12を使用して圧縮せん断強さ(CSS)を用いて測定する。接着性測定用
積層体は、積層する前に先ず、ポリビニルブチラール中間層を相対湿度23±3
%の環境内で一夜の間23℃±2℃でコンディショニングすることにより調製す
る。次いで、図1を参照して、脱塩水で洗浄し、すすいでおいた寸法12インチ
×12インチ(305mm×305mm)および公称厚さ2.3mmの焼きなま
した2枚のフロートガラス片16および20の間に中間層18を挟み込む。各P
VB中間層から2つの積層体、すなわち、両面にガラス片のスズ側がある中間層
を有する積層体(ATTA)、および両面がガラス片の空気側と接触する中間層
を有する積層体(TAAT)が作製される。次いで、ガラス/PVB/ガラスの
組立品を90〜100℃に設定したオーブン内で30分間加熱する。その後、各
組立品を1組のニップロール間を通過させて、ガラスと中間層との間の隙間空間
にある空気を搾り出し、組立品の端部を密封することができる。この段階での組
立品を、プレプレスと呼ぶ。次いで、プレプレスを空気オートクレーブに入れ、
温度を135℃に、圧力を200psig(14.3バール)に上昇させる。こ
れらの条件を20分間維持し、その後空気を冷却するが、オートクレーブにはそ
れ以上の空気を添加しない。冷却20分後にオートクレーブ内の空気温度が50
℃未満となった後、過剰の空気圧を排出する。
法を用い測定する。1インチ×1インチ(25mm×25mm)のチップ6個を
、積層体から鋸で作製する。試験に先立ち、23℃±2℃および相対湿度50%
±1%に制御された室内で1時間チップをコンディショニングする。チップの圧
縮せん断強さを図1に示すジグ12を用い測定する。チップ16、18、20を
、ジグ12の下半分切断物上に置き、次いでチップの上面にジグの上半分を置く
。クロスヘッドを1分当たり0.1インチ(1分あたり2.5mm)の速度で、
装置の上方部分に接触するまで下げる。クロスヘッドが下方に移動し続けると、
チップの一方のガラス片が、他方のガラス片に対してすべり始める。チップの圧
縮せん断強さは、接着剤の破壊を起こすのに必要なせん断応力である。この試験
の精度は、1標準偏差が典型的にはチップ6個を平均した結果の6%であるとい
うものである。この方法で接着性を試験して、1500psiから約2700p
si(1050N/cm2から1850N/cm2)の圧縮せん断強さ(CSS)
を有するガラス/PVB/ガラス積層体が、自動車のフロントガラスおよびサイ
ドガラスにおける使用に最も適切と考えられる。
。積層体を組み立て、より高温かつ長時間のオートクレーブサイクルを用いるこ
とを除いて、接着性の項で論じたように脱気する。150℃および圧力225p
sig(15.3バール)で保持時間は90分である。Gardner社のHa
zegard曇り計を使用しアメリカ材料試験協会(ASTM)D−1003に
記載された手順に従って、曇りを測定する。0.4%を超える曇りのレベルはフ
ロントガラスとしての使用には望ましくないと考えられる。
部および百分率は質量によるものである。
ポリビニルブチラールシート材料(E.I.duPont de Nemour
s & Co.からButacite(登録商標)として市販)を使用して、上
記の方法で積層体を調製した。2つの接着性レベルを有するシート材料を使用し
た。2つのガラス方向(TAATおよびATTA)について作製した積層体の接
着性を測定した。結果を表1に示す。
紫外光安定剤(Tinuvin P)を添加した可塑剤38.5部と共に、押出
し機中で混合した。この組成は比較実施例1の組成と同じである。シート材料中
のカリウム濃度が、可塑化されたシートの250質量ppmとなるように、押出
し機中の溶融物に接着性制御添加剤としてギ酸カリウムを添加した。TAATお
よびATTA方向の両方における接着性の結果を表1に示す。
マグネシウムを、マグネシウム濃度が0.40meq/kgとなるように添加し
たことを除き、実施例C3における中間層と同様であった。接着性および曇りの
結果を表1に示す。
カリウム、およびレベリング剤である硫酸マグネシウムを混合溶液として供給す
ることによりシート材料を作製したことを除き、実施例1における中間層と同様
である。シート材料において得られたカリウム濃度は381ppm、マグネシウ
ム濃度は0.11meq/kgであった。接着性および曇りの結果を表1に示す
。
ウム濃度が300ppmであることと、押出し機中の溶融物に、レベリング剤と
してネオデカン酸マグネシウムを、ミネラルスピリットおよび可塑剤中の溶液と
してPVBシート材料のバルク中におけるマグネシウム濃度を0.50meq/
kgとするよう添加していることとを除き、実施例1における中間層と同様であ
った。接着性および曇りの結果を表1に示す。
、ギ酸カリウムからのカリウム濃度が405ppmであることと、シート材料中
のマグネシウム濃度を0.14meq/kgとするようレベリング剤であるエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウムマグネシウムを添加していることとを除き、実
施例2における中間層と同様であった。積層体を調製し、接着性を測定した。結
果を表1に示す。
添加剤からのカリウム濃度が350ppmであることは実施例1における中間層
と同じであるが、レベリング剤は酢酸マグネシウムからのマグネシウムであった
。シート材料におけるマグネシウム濃度は0.58meq/kgであった。接着
性およびデータを表1に示す。
カリウム濃度が400ppmであることと、γ−グリシドオキシプロピルトリメ
トキシシラン0.007部およびポリオキシエチレン変性シリコーンオイル0.
07部をも表面エネルギー改変剤として添加したことと、PVBシート材料のバ
ルク中におけるマグネシウム濃度が1.0meq/kgであることとを除き、実
施例3における中間層と同様であった。接着性および曇りの結果を表1に示す。
シート材料のバルクのカリウム濃度が300ppmであることと、レベリング剤
として酢酸カルシウムを添加して、PVBシート材料のバルク中におけるカルシ
ウム濃度を1.0meq/kgとしていることとを除き、実施例1における中間
層と同様であった。接着性および曇りの結果を表1に示す。
亜鉛を使用していることを除き、実施例7における中間層と同様であった。PV
Bシート材料のバルク中の亜鉛濃度が0.83meq/kgとなるように酢酸亜
鉛を添加した。接着性および曇りの結果を表1に示す。
登録商標)で市販されている材料)は、硫酸マグネシウム0.012%水溶液を
入れた浴中で中間層に25フィート/分(7.6m/分)で浸し塗りを行ってい
ることを除き、比較実施例C1で使用した中間層と同じであった。得られたシー
ト材料をイオンクロマトグラフィで分析し、バルクベースでマグネシウムを0.
17meq/kg含有することを見出した。得られたシート材料を乾燥し、積層
する前に相対湿度23±2%の環境でコンディショニングした。接着性の結果を
表1に示す。
た中間層と同じであった。しかし、積層する前に、硫酸マグネシウムの脱塩水溶
液中にガラスを浸漬し、乾燥した。溶液中のマグネシウムイオンの濃度は10m
g/Lであった。TAATおよびATTA方向における積層体の接着性を測定し
た。データを表1に示す。溶液中の10ppmというような低濃度のマグネシウ
ムイオンが、2つのガラス方向のものの間の接着性の差異を、実質的に低減させ
ることができることは、驚くべきことであった。
カリウム濃度が300ppmであることと、レベリング剤からのマグネシウム濃
度が1.5meq/kgであることを除き、実施例1で使用した中間層と同様で
あった。接着性および曇りの結果を表1に示す。曇りのレベルもかなり高く、こ
のような積層体は、自動車のフロントガラスとして好ましいとはいえない。
でのマグネシウムを唯一の接着性制御添加剤として使用したことを除いて、比較
実施例C3における中間層と同一の方法で作製した。マグネシウム濃度は4.2
meq/kgであった。他のレベリング剤は全く使用しなかった。接着性および
曇りの結果を表1に示す。ATTA方向の接着性がTAAT方向の接着性よりも
高かった。このことは、マグネシウムだけを使用しても望ましいレベリング効果
は得られないことを示している。
いことを除き、実施例2における中間層と同じであった。接着性制御添加剤であ
るギ酸カリウムからのカリウム濃度は385ppmであった。接着性制御添加剤
の濃度はほぼ同様であるが、この実施例における接着性は実施例2における接着
性よりも低い。このことは、実施例2におけるPVB中間層中のマグネシウムが
接着性制御添加剤としてではなく、むしろ積層体中でガラス方向による影響を抑
える薬剤として作用したことを示している。
Claims (15)
- 【請求項1】 少なくとも2つのガラス層と1枚の可塑化されたポリビニル
ブチラール(PVB)シートとを含むガラス/接着剤シート積層体であって、前
記ポリビニルブチラールが、前記ガラス層と前記ポリビニルブチラールシートと
の間に予め選択されたレベルの接着性を提供するために接着性制御添加剤として
アルカリ金属塩をその中に混和しており、ここで、ガラス層と隣接するポリビニ
ルブチラールシートの表面との間に非対称な接着性が存在しており、また前記ポ
リビニルブチラールが、レベリング剤として異なった金属塩を、PVB中間層中
における異なった金属塩からのカチオン濃度0.03〜1.35meq/kgを
提供する量で混和しており、前記量が可塑化された中間層と隣接するガラスの表
面との非対称な接着性を低減するのに十分であることを特徴とする積層体。 - 【請求項2】 前記レベリング剤が、無機酸または有機酸のアルカリ土類金
属塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。 - 【請求項3】 前記レベリング剤が、無機酸または有機酸の遷移金属塩また
はスズ塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。 - 【請求項4】 前記接着性制御添加剤が、1種の有機酸のカリウム塩または
複数の有機酸のカリウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体
。 - 【請求項5】 レベリング剤が、一塩基有機酸のアルカリ土類金属塩、遷移
金属塩またはスズ塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。 - 【請求項6】 レベリング剤が、多塩基有機酸のアルカリ土類金属塩、また
は遷移金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。 - 【請求項7】 可塑剤が、グリコールエステルであることを特徴とする請求
項1に記載の積層構造体。 - 【請求項8】 可塑剤としてグリコールエステル、前記ガラス層と前記ポリ
ビニルブチラールシートとの間に予め選択されたレベルの接着性を提供するため
の接着性制御添加剤としてアルカリまたはアルカリ金属塩を混和しており、ここ
でガラス層と隣接するポリビニルブチラールシートの表面との間に非対称な接着
性が存在しており、またレベリング剤としてアルカリ土類金属塩を、PVB中間
層中における異なった金属塩からのカチオン濃度0.03〜1.35meq/k
gを提供する量で混和しており、前記量が可塑化された中間層と隣接するガラス
の表面との非対称な接着性を低減するのに十分であることを特徴とする、請求項
1に記載の積層体中の可塑化されたポリビニルブチラールシート材料。 - 【請求項9】 前記レベリング剤が、無機酸または有機酸のアルカリ土類金
属塩または遷移金属塩であることを特徴とする請求項8に記載のポリビニルブチ
ラール中間層。 - 【請求項10】 少なくとも2つのガラス層と1枚の可塑化されたポリビニ
ルブチラール接着剤シートとからなるガラス/接着剤シート積層体におけるポリ
ビニルブチラール中間層とガラスとの間の非対称な接着性を最小にする方法であ
って、前記ガラスと前記シートとの間に予め選択されたレベルの接着性を提供す
る接着性制御添加剤としてアルカリ金属塩を含有する可塑化されたポリビニルブ
チラールのバルク組成物を調製する工程と、レベリング剤として前記接着性制御
添加剤と異なる第2の金属塩を、ポリビニルブチラールシート中の異なる金属塩
からのカチオン濃度0.03〜1.35meq/kgを提供する量で混和する工
程と、前記シートをガラス板に接着させることにより積層構造体を形成する工程
と、構造体を脱気する工程と、熱および圧力を加えることにより前記シートおよ
びガラス板を密封する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 【請求項11】 前記レベリング剤が、無機酸または有機酸のアルカリ土類
金属塩または遷移金属塩またはスズ塩であることを特徴とする請求項10に記載
の方法。 - 【請求項12】 前記接着性制御添加剤が、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、
および他のカリウム塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に
記載の方法。 - 【請求項13】 少なくとも2つのガラス層と1枚の可塑化されたポリビニ
ルブチラール接着剤シートとからなるガラス/接着剤シート積層体におけるポリ
ビニルブチラール中間層とガラスとの間の非対称な接着性を最小にする方法であ
って、前記ガラスと前記シートとの間に予め選択されたレベルの接着性を提供す
る接着性制御添加剤としてアルカリ金属塩を含有する可塑化されたポリビニルブ
チラールのバルク組成物を調製する工程であって、前記ガラスが金属イオンを2
質量ppm含有する溶液に溶解されたレベリング剤で被覆されている工程と、前
記シートをガラス板に接着させることにより積層構造体を形成する工程と、構造
体を脱気する工程と、熱および圧力を加えることにより前記シートとガラス板を
密封する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 【請求項14】 レベリング剤のカチオンがマグネシウム、カルシウム、亜
鉛、またはスズであり、またアニオンが一塩基または多塩基有機酸の一部分であ
ることを特徴とする請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 異なったカチオンを有する2種以上のレベリング剤を組み
合わせて使用することを特徴とする請求項13に記載の方法。
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