JP2002511361A - ブレーキ圧力制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、自動車の液圧式ブレーキシステムにおけるブレーキ圧力制御装置であって、作動装置（３）と、当接部（５、５’、５”）との間の相対的移動用、および／またはシミュレータースプリング（４）内に取り入れられたペダル力用の少なくとも１つの測定データ発生器（１７、１８）と、ブレーキピストン（７、８、７’、８’、７”、８”）の位置用の測定データ発生器（２２）と、ブレーキ回路または制御バルブ（１４）とハウジング（１）との間の圧力用の測定データ発生器（１９、２０）との装置を有し、制御バルブ（１４）を介して流れる液圧流体が、一方において、当接部（５、５’、５”）を停止部（２６）に対して指向するハウジング（１）のチャンバー（２３）内にのみ流され、他方において、少なくとも１つのブレーキピストン（７、８、７’、８’、７”、８”）に圧力を適用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１の序文に記載したようなブレーキ圧力制御装置に関する。 このタイプの装置は、ＤＥ３５ ４５ ５６６ Ａ１（ドイツ特許出願）に記
載されている。これは、他の部材とともに、スプリング部材を有する動作シミュ
レーター（ｔｒａｖｅｌ ｓｉｍｕｌａｔｏｒ）と、ゴムのダイアフラムタイプ
の圧力リザーバーを有する圧力供給装置とを備えている。このタイプのゴムのダ
イアフラムによって、ガスは徐々にブレーキ流体内へ拡散する。圧力供給装置が
故障した際、マスターブレーキシリンダーの容積が圧力流体に含まれたガスを圧
縮するのに十分ではなくなるので、ブレーキシステム全体が使用に適さなくなる
。ブレーキシステムが完全な場合、動作シミュレーターを用いているのでペダル
の感触が変化しないで維持されるので、ブレーキ回路に侵入するガスは運転者に
よって検知されない。

【０００２】 したがって、本発明の目的は、従来の装置の操作の信頼性を改良し、ペダルの
快適さの点から最適なブレーキ力ブースターを達成し、そして、電気的または電
子的制御装置によって運転者と独立して快適なブレーキ干渉ができることである
。他の目的は、電気的または電子的に放出条件を決定することによって、ブレー
キシステムの操作における信頼性の監視を可能にすることである。 この目的は、上述の導入部において述べた一般的な態様と関連して、請求項１
の特徴的態様の組み合わせによって達成される。 本発明の概念の好適な実施例と改良は、従属請求項２から２０に述べられてい
る。

【０００３】 本発明による装置において、ブレーキ操作に必要な全体の圧力流体は、ブレー
キピストンの適用を介した圧力供給装置によって利用可能となる。ブレーキピス
トンは、実際のブレーキサイクルの圧力流体と、多分ガスを含有している圧力供
給装置の圧力流体との間を阻止する手段として使用される。圧力供給装置外でブ
レーキシリンダーを直接適用することは、そうでなければ、ブレーキ効果が不十
分な放出によって損なわれるので、短期間のＡＢＳブレーキ操作用にのみ可能で
あるという広範囲な試験が示されている。 本発明の装置の他の利点は、測定データ発生器の信号が、ブレーキシステムの
放出条件の検知に使用できることである。測定データの組み合わせは、蓄えられ
た名目的な（ｎｏｍｉｎａｌ）値または特性曲線あるいは特性曲線の範囲と比較
して、システムの条件を推論し、必要であれば警報信号を発することを可能にす
る。 したがって、本発明の装置は、実際のブレーキサイクルにガスが侵入すること
をよりよく阻止することが可能であるのみではなく、放出条件と故障信号の自動
的な監視もまた達成できる。 更なる詳細を、図面の図１から４に示された実施例によってより綿密に説明す
る。

【０００４】 図１による装置は、主なアッセンブリーとして、ブレーキ力ブースターと、タ
ンデムマスターシリンダーと、車輪ブレーキシリンダーの適用のためのバルブブ
ロックとを有している。ブレーキ力ブースターとタンデムマスターシリンダー用
のハウジング１と４１とは一体構造であって、ブレーキピストン７と８および、
ブレーキペダル２に機械的に結合された作動装置３は、互いに軸線的に整列され
て設けられている。作動装置３は、シミュレータースプリング４を介して当接部
５に作用し、圧力供給装置が故障した場合、当接部５は、順次、ピストン６を介
して直列に設けられたブレーキシリンダー７と８を直接移動することができる。 ブレーキピストン７と８のリセットスプリング９と１０は、ピストン６を介し
て当接部５に反対方向へ作用する。当接部５は、最初の位置においてハウジング
１に設けられた停止部２６に対して支持するように向けられている。当接部５と
して参照される構成部品は、基部２７と、中空のシリンダー状部２８と、ピスト
ン６０の中空のシリンダー状部３０内に延び、壁３３によって分割された中空の
シリンダー状部３２を有するピストンタイプ部２９からなっている。

【０００５】 作動装置３のピストン形状の延在部３１は、ブレーキペダルの近傍で中空のシ
リンダー状部３２の部分に延びているのに対し、絞り装置は、ブレーキピストン
の近傍で中空のシリンダー状部３２の部分に構成されていて、壁３３に絞り孔３
４を、ピストン６の中空のシリンダー状部３０に絞り孔３５を、および、スプリ
ング３７によって偏倚された絞り孔３４用の閉成部材３６を有している。絞り装
置の目的は、ブレーキ力ブースターの応答動作を改良するためである。

【０００６】 圧力供給装置１１は、モータで駆動されるポンプ１２と、圧力リザーバー１３
と、二方法／二位置（ｔｗｏ ｗａｙ／ｔｗｏ ｐｏｓｉｔｉｏｎ）方向制御バ
ルブ１４ａによって先行された制御バルブ１４とを有している。装置１１は、当
接部５とピストン６との間でハウジング１に構成されたチャンバー２３に接続さ
れている。２つのチャンバー１６ａと１６ｂとに分割された圧力流体用の供給リ
ザーバー１６は、マスターブレーキシリンダー４１の上方に設けられている。左
側のチャンバー１６ａはブレーキピストン８とマスターブレーキシリンダー４１
との間に設けられたチャンバー２５に接続されていて、右側のチャンバー１６ｂ
は供給孔を介してハウジング１とピストン６との間に設けられたチャンバー２４
に接続されている。 バルブブロック１５は、従来のシステムのバルブブロックに対応する。これは
、ＡＢＳ、ＴＣＳおよび他の機能を遂行するためのモータで駆動されるポンプ１
５ａを有している。

【０００７】 更に、図１に示された本発明の概念の実施例は、次のものを有している。 それは、 −作動装置３用の動作信号を発生するための測定データ発生器１７、 −ブレーキペダル２用の動作信号を発生するための測定データ発生器１８、 −ピストン６用の動作信号を発生するための測定データ発生器２２、 −圧力供給装置１１用の動作信号を発生するための測定データ発生器２１、お
よび −バルブブロック１５用の動作信号を発生するための測定データ発生器１９、
である。

【０００８】 図２に示された実施例において、圧力供給装置１１とバルブブロック１５のみ
が図１と比較して変更されている。ポンプ１５ａは、バルブブロック１５におい
て省かれている。その替わりに、圧力流体を有する適用が、バルブ４２と４３と
によって圧力供給装置１１から遂行される。測定データ発生器２０は、図１の測
定データ発生器１９に対応し、バルブブロック１５の圧力に対応する信号を発生
する。

【０００９】 図３による実施例について、図１と異なる限りにおいてのみ述べる。当接部５
’は、基部２７’、中空のシリンダー状部２８’、および中空のシリンダー状部
３２’を有するピストンタイプ部２９’を備えている。絞り装置は、ピストン形
状の付属装置、孔３９、および、ブレーキピストン近傍で作動装置３の部分に絞
り孔４０をもった絞り部材３８を有する。ピストン６’とブレーキピストン７’
、８’とは、また、図１の実施例と比較してその構造が変更されている。ブレー
キピストン７’と８’とは、リセットスプリング９’と１０’によってその最初
の位置に偏倚されている。

【００１０】 図４は、当接部の構造の変更されたタイプ５”を示していて、マスターブレー
キシリンダー４１”に並置して設けられたブレーキピストン７”と８”と使用す
るのに適している。ブレーキピストン７”と８”とは、リセットスプリング９”
と１０”によってその最初の位置に偏倚されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ブレーキサイクル用と圧力供給装置用の接続ダイアフラムを有する装置の第１
の実施例を示す図。

【図２】 図１の接続ダイアフラムの変形例を示す図。

【図３】 本発明の装置の第２の実施例を示す図。

【図４】 本発明の装置の第３の実施例を示す図。

【符号の説明】

１……ハウジング ２……ブレーキペダル ３……作動装置 ４……シミュレーター ５、５’、５”……当接部 ６、６’、６”……ピストン ７、７’、７”……ブレーキピストン ８、８’、８”……ブレーキピストン ９、９’、９”……リセットスプリング １０、１０’、１０”…リセットスプリング １１……圧力供給装置 １２……ポンプ １３……圧力リザーバー １４……制御バルブ １４ａ……二方法／二位置方向制御バルブ １５……バルブブロック １５ａ……ポンプ １６……供給リザーバー １７……測定データ発生器 １８……測定データ発生器 １９……測定データ発生器 ２０……測定データ発生器 ２１……測定データ発生器 ２２……測定データ発生器 ２３……チャンバー ２４……チャンバー ２５……チャンバー ２６……停止部 ２７、２７’……ブレーキピストン ２８、２８’……中空のシリンダー状部 ２９、２９’……ピストンタイプ部 ３０……中空のシリンダー状部 ３１、３１’……ピストン形状の延在部 ３２、３２’……中空のシリンダー状部 ３３……壁 ３４……絞り孔 ３５……絞り孔 ３６……閉成部材 ３７……スプリング ３８……絞り部材 ３９……孔 ４０……絞り孔 ４１、４１’、４１”……マスターブレーキシリンダー ４２……バルブ ４３……バルブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＪＰ，ＵＳ

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の液圧式ブレーキシステムにおけるブレーキ圧力制御装
   置であって、 −作動装置（３）のシミュレータースプリング（４）用の当接部（５、５’、
   ５”）を軸線的に移動可能に収容するハウジング（１）を有し、前記当接部は、
   その最初の位置において、ハウジング（１）に設けられた停止部（２６）に対し
   て支持されていて、 −少なくとも１つのブレーキピストン（７、８、７’、８’、７”、８”）を
   有するマスターブレーキシリンダー（４１）と、 −モータで駆動されるポンプ（１２）と圧力リザーバー（１３）と制御バルブ
   （１４）とを有する圧力供給装置（１１）と、 −全ての必要な接続ラインを有する液圧流体用の加圧されていない供給リザー
   バー（１６）と、 −電気的または電子的制御装置と、 を備え、 シミュレータースプリング（４）は、当接部（５、５’、５”）と作動装置（
   ３）との間に設けられていて、 −作動装置（３）と、当接部（５、５’、５”）との間の相対的移動用、およ
   び／またはシミュレータースプリング（４）内に取り入れられたペダル力用の少
   なくとも１つの測定データ発生器（１７、１８）と、 −ブレーキピストン（７、８、７’、８’、７”、８”）の位置用の測定デー
   タ発生器（２２）と、 −ブレーキ回路または制御バルブ（１４）とハウジング（１）との間の圧力用
   の１つの測定データ発生器（１９、２０）と、 の装置を有し、 制御バルブ（１４）を介して流れる液圧流体が、一方において、当接部（５、
   ５’、５”）を停止部（２６）に対して指向するハウジング（１）のチャンバー
   （２３）内にのみ流され、他方において、少なくとも１つのブレーキピストン（
   ７、８、７’、８’、７”、８”）に圧力を適用することを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 圧力供給装置（１１）の操作圧力用の測定データ発生器（２
   １）の装置をさらに有することを特徴とする請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 液圧流体は、測定データ発生器（２２）の動作信号に応答し
   て取り入れられることを特徴とする請求項１または２記載の装置。
4. 【請求項４】 液圧流体は、力信号に応答して取り入れられることを特徴と
   する請求項１または２記載の装置。
5. 【請求項５】 液圧流体は、外部距離センサ、ステアリング角度センサ、横
   断加速センサ、ヨーイング率センサ、および／または他の加速センサによって発
   生した電子信号に応答して取り入れられることを特徴とする請求項１または２記
   載の装置。
6. 【請求項６】 液圧流体は、請求項３ないし５に述べた信号の組み合わせに
   応答して取り入れられることを特徴とする請求項１または２記載の装置。
7. 【請求項７】 ＡＢＳ、ＴＣＳ、または他の機能を遂行するためのモータ駆
   動ポンプ（１５ａ）を有するバルブブロック（１５）の装置をさらに有すること
   を特徴とする請求項１ないし６いずれか１項記載の装置。
8. 【請求項８】 バルブブロック（１５）はモータ駆動ポンプを除いて構成さ
   れていて、必要な機能を実現するための圧力流体は、バルブ（４２、４３）を介
   して圧力供給装置（１１）によって利用可能になることを特徴とする但し書きの
   もとにおける請求項７記載の装置。
9. 【請求項９】 制御バルブ（１４）はアナログ的操作によって作動され、制
   御バルブ（１４）は二方法／二位置方向制御バルブ（１４ａ）によって先行され
   ていることを特徴とする請求項１ないし８いずれか１項記載の装置。
10. 【請求項１０】 ピストン（６、６’）は、当接部（５）とブレーキピスト
    ン（７、８、７’、８’）との間でハウジング（１）内に設けられていて、また
    、供給チャンバー（２４）は、ピストン（６、６’）とブレーキピストン（７、
    ８、７’、８’）との間に構成され、加圧されていない供給リザーバー（１６）
    に接続されていることを特徴とする請求項１ないし９いずれか１項記載の装置。
11. 【請求項１１】 ブレーキピストンは、直列式ピストン（７、８、７’、８
    ’）であることを特徴とする請求項１０記載の装置。
12. 【請求項１２】 ハウジング（１）のチャンバーは、当接部（５’）によっ
    て軸線的に規定され、少なくとも１つの軸線的に移動可能なブレーキピストン（
    ７”、８”）によって直接的に規定されていて、ブレーキピストン（７’、８’
    ）は、圧力供給装置が故障した場合に当接部（５）によって直接作用されるのに
    適していることを特徴とする請求項１ないし９いずれか１項記載の装置。
13. 【請求項１３】 ２つのブレーキピストン（７”、８”）は、並置して並列
    に設けられていることを特徴とする請求項１２記載の装置。
14. 【請求項１４】 ブレーキペダル（２）が適用されていない当接部（５、５
    ’、５”）は、ブレーキピストン（７、８、７’、８’、７”、８”）の少なく
    とも１つのリセットスプリング（９、１０、９’、１０’、９”、１０”）によ
    ってハウジングの停止部に対して支持されるように指向されることを特徴とする
    請求項１ないし１３いずれか１項記載の装置。
15. 【請求項１５】 当接部（５）は、ハウジング内に案内されたブレーキピス
    トン（２７）を有していて、そこから、作動装置（３）収容用の中空のシリンダ
    ー状部（２８）およびシミュレータースプリング（４）が一方へ延びていて、ピ
    ストンタイプ部（２９）が他方へ延びていて、後者の部品（２９）が段状のピス
    トン（６）の中空のシリンダー状部（３０）に軸線的に移動可能に案内されてい
    ることを特徴とする請求項１０または１１記載の装置。
16. 【請求項１６】 当接部（５）のピストンタイプ部（２９）は、中空の円筒
    状の形状を有していて、作動装置（３）のピストン形状の延在部（３１）は、こ
    の中空のシリンダー状部（３２）に軸線的に移動可能に案内されていることを特
    徴とする請求項１５記載の装置。
17. 【請求項１７】 当接部（５）のピストンタイプ部（２９）の中空のシリン
    ダー状部（３０）は、絞り孔（３４）を有する壁（３３）によって分割されてい
    ることを特徴とする請求項１６記載の装置。
18. 【請求項１８】 ピストン（３）の中空のシリンダー状部（３０）は、絞り
    孔（３５）を有することを特徴とする請求項１７記載の装置。
19. 【請求項１９】 当接部（５）のピストンタイプ部（２９）の中空のシリン
    ダー状部（３０）は、当接部（５）と段状のピストン（６）との間で相対的な移
    動がない限り、ピストン（６）内の壁（３３）と中空のシリンダー状部（３０）
    の端部との間で圧縮されたスプリング（３７）によってその開成位置に維持され
    た壁（３３）の絞り孔（３４）のためのスプリングで負荷された閉成部材（３６
    ）を収容していることを特徴とする請求項１８記載の装置。
20. 【請求項２０】 当接部（５’）のピストンタイプ部（２９’）の中空のシ
    リンダー状部（３２’）は、作動装置（３）のピストン形状の延在部（３１’）
    の孔（３９）内へ延びた絞り部材（３８）を収容し、前記孔（３９）は、作動装
    置（３）が当接部（５）に関して軸線的に移動された場合圧力流体がそこを通っ
    て放出される絞り孔（４０）を有することを特徴とする請求項１０または１１記
    載の装置。