JP2002507214A - マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法 - Google Patents

マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法

Info

Publication number
JP2002507214A
JP2002507214A JP50586099A JP50586099A JP2002507214A JP 2002507214 A JP2002507214 A JP 2002507214A JP 50586099 A JP50586099 A JP 50586099A JP 50586099 A JP50586099 A JP 50586099A JP 2002507214 A JP2002507214 A JP 2002507214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
microparticles
fine particles
gas
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP50586099A
Other languages
English (en)
Inventor
チャーチ,チャールズ・シー
バーンスタイン,ハワード
ストローブ,ジュリー・アン
ブラッシュ,ヘンリー・ティー
Original Assignee
エイカスフィアー・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エイカスフィアー・インコーポレーテッド filed Critical エイカスフィアー・インコーポレーテッド
Publication of JP2002507214A publication Critical patent/JP2002507214A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/48Diagnostic techniques
    • A61B8/481Diagnostic techniques involving the use of contrast agent, e.g. microbubbles introduced into the bloodstream
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/22Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations
    • A61K49/222Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations characterised by a special physical form, e.g. emulsions, liposomes
    • A61K49/223Microbubbles, hollow microspheres, free gas bubbles, gas microspheres

Abstract

(57)【要約】 天然又は合成ポリマーから形成されたより厚い壁を有する微粒子は、より薄い壁を有する微粒子と比較して、有意に向上したエコー源性を有することを発見した。壁厚の効果は、実験を行って、ならびに最適条件を予測するときに用いる式に代入して決定した。好ましい態様では、ポリマーは生分解性ポリマーであり、壁厚は約100〜660nmであるが、約20nmから500nm超の壁厚を用いることができる。画像化される標的臓器に適する直径、例えば血管内投与のために0.5〜8ミクロンの直径、及び胃腸管又は他の管状器官を画像化するための経口投与のために0.5〜5mmの直径を有する微粒子が製造される。好ましいポリマーは、ポリヒドロキシ酸、例えばポリ乳酸−コ−グリコール酸、ポリ乳酸又はポリグリコリド、最も好ましくは、網内系(RES)による取込みを阻害するポリエチレングリコール又は他の物質と抱合させた前記ポリマーである。微小球は、心臓学用途、血液潅流用途ならびに臓器及び末梢静脈の画像化を含む様々な音波画像化用途で用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法発明の背景 本発明は、一般的に、診断用画像化剤の領域に関するものであり、詳しくは、 増強されたエコー源性と抑制された減衰を、ポリマー膜の厚さの関数として有す る微粒子超音波用画像化造影剤に関するものである。 超音波を用いてヒト又は動物の内臓器官及び内臓構造の画像を得る場合、超音 波、すなわちヒトの耳で認識することができない高い周波数の音響エネルギー波 は、身体を通過するときに反射される。身体組織のタイプが異なれば、超音波も 異なるように反射され、異なる内部構造から反射してくる超音波によって生成さ れる反射は、検出され、電気的に変換されて視覚表示される。 いくつかの医学的状態では、対象の器官又は構造の有用な画像を得ることは特 に難しい。なぜならば、コントラスト増強剤が存在していない条件下における、 超音波の反射によって生成される超音波画像では、周囲組織から、対象の構造を 充分に認識できないからである。ある種の生理学的病理学的状態の検出及び観察 は、対象の器官又は他の構造内に薬剤を注射又は注入することによって超音波像 におけるコントラストを増強することによって、実質的に向上させることができ る。他の場合では、コントラスト増強剤自体の動きを検出することが特に重要で ある。例えば、特有な心臓血管の異常から生じることが知られている明瞭な血流 パターンは、コントラスト増強剤を血流に注入し、血流の動力学を観察すること によってのみ認識することができる。 超音波造影剤として有用な物質は、超音波が身体を通過し、反射されるときに 、超音波に対して影響を与えることによって作用して画像を創り出し、これによ り医学的診断が行われる。異なるタイプの物質は、異なる様式で、異なる程度で 超音波に影響を与える。更に、コントラスト増強剤によって引き起こされる効果 のある種のものは、他の効果に比べて、容易に測定され、観察される。コントラ スト増強剤のための理想的な組成を選択する場合、超音波が身体を通過するとき に最も劇的な効果を有する物質が好まれる。また、超音波に対する効果は容易に 測 定されるべきである。超音波画像で認められる2つの効果としては:後方散乱及 びビーム減衰がある。 後方散乱:身体を通過する超音波が、構造、例えば器官又は他の身体構造に遭 遇すると、当該構造は超音波の一部を反射する。身体中の異なる構造は、異なる 様式で、異なる強度で超音波エネルギーを反射する。この反射されたエネルギー は、検出され、超音波が通過した構造の画像を創り出すのに用いられる。「後方 散乱」とは、超音波エネルギーが、ある種の物理的性質を有する物質によって、 超音波発生源に向かって後方に散乱されることを意味している。 超音波画像で観察されるコントラストは、大量の後方散乱を引き起こすことが 知られている物質が存在することによって増強されることが長い間認められてき た。そのような物質を身体の特定の部分に対して投与すると、身体のこの部分の 画像と、当該物質を含んでいない周囲構造の画像との間のコントラストが増強さ れる。それらの物理的性質の故に、異なる物質は様々な程度で後方散乱を引き起 こすことが充分に理解される。したがって、コントラスト増強剤に関する研究は 、安定且つ無毒であって、最大量の後方散乱を示す物質に焦点が合わせられてき た。 超音波エネルギーの後方散乱を引き起こす物質の能力は、物質の特性、例えば その圧縮性能に左右される。種々の物質を試験する場合、「散乱断面積」として 知られている後方散乱を引き起こす物質の能力に関して、1つの特有の尺度を比 較することは有用である。特定の物質の散乱断面積は、散乱半径に比例し、また 超音波エネルギーの波長と物質の他の物理的性質とにも左右される(J.Ophir an d K.J.Parker,Contrast Agents in Diagnostic Ultrasound,Ultrasound in Medi cine & Biology,vol.IS,n.4,p.319,323(1989))。 超音波コントラスト増強剤としての種々の物質、すなわちガス、液体、又は固 体の有用性を評価する場合、どの薬剤がより大きな散乱断面積を有しているはず であるか、したがって、どの薬剤によって超音波画像において最大のコントラス トが提供されるはずであるかを計算することができる。固体粒子の圧縮率は周囲 媒体の圧縮率に比べてはるかに低く、また当該粒子の密度はより大きいと仮定す ることができる。この仮定を用いて、固体粒子コントラスト増強剤の散乱断面積 は、1.75と見積もられた(Ophir and Parker,前掲,p.325)。純粋な液体 散乱体のためには、散乱体及び周囲媒体の断熱圧縮率及び密度は、ほぼ同じであ り、液体の散乱断面積は0となる。しかしながら、液体は、大量の液剤が存在す る場合、いくらかの後方散乱を示すかもしれない。例えば、液剤が、極めて細い 血管から、極めて太い血管へと流れて、血管の実質的に全てを占める場合、当該 液体は、測定可能な後方散乱を示すかもしれない。にもかかわらず、純粋な液体 は比較的散乱の効率が悪いことは当業者は理解している。 ガスの散乱断面積は、実質的に異なり、液体又は固体の場合に比べて幾分大き い。その理由は、気泡は、液体又は固体に比べてより高度に圧縮することができ るからである。更に、液体中にある遊離気泡は、振動性の挙動を示し、ある周波 数においては、気泡は、医学的画像化で普通に用いられる超音波の周波数附近で 共鳴する。結果として、気泡の散乱断面積は、その物理的大きさの一千倍を超え ることがある。 ビーム減衰:ある種のコントラスト増強剤の存在下で観察することができる別 の効果は、超音波の減衰である。コントラスト増強剤を含む、組織の又は血液の 体積を超音波が通過するとき、超音波の強度は低下する。超音波強度の低下は、 コントラスト増強剤による後方散乱、並びにコントラスト増強剤と相互作用する ときの超音波の散逸の双方によるものである。ビームが減衰し過ぎると、コント ラスト増強剤から遠位の領域から変換器に戻って来る出力は低下して、画像化深 度は浅くなる。異なる組織タイプにおけるビーム減衰の差を利用することは、画 像強調方法として試みられて来た。画像のコントラストは、ある種の組織タイプ 間の局所的な減衰差による従来の画像化で観察されて来た。K.J.Parker and R.C .Wagg,"Measurement of Ultrasonic Attenuation Within Regions selected fro m B-Scan Images,"IEEE Trans.Biomed.Enar.BME 30(8),p.431-37(1983);K.J.Par ker,R.C.Wagg,and R.M.Lerner,"Attenuation of Ultrasound Magnitude and Fre quency Dependence for Tissue Characterization,"Radiology,153(3),p.785-88 (1984)。薬剤の注入前及び注入後に取られた組織領域の減衰の測定値から、強調 された画像が得られるかもしれないことが仮定された。しかしながら、液剤のコ ントラスト強調を測定するための手段としての減衰コントラストに基づく技術は 、充分には開発されておらず、たとえ完全に開発されたとしても、当該 技術は、この技術を用いることができる内臓器官又は内蔵構造に関して限界があ るであろう。例えば、液体造影剤による減衰の損失は、減衰における実質的な差 が測定できる前に、任意の血管中に存在している必要がある液体造影剤の体積が 大きいので、心臓血管系の画像では観察できないと思われる。 要約すると、診断用超音波は、身体の内臓器官に関する情報を得るために用い ることができる、強力で非侵襲的な手段である。グレースケール及びカラードッ プラー画像化の出現は、当該技術の範囲及び分解能を大きく進歩させた。造影剤 を作り使用する技術が進歩したので、診断用超音波検査を実施する技術は著しく 向上したが、心臓の灌流及び心室、実質臓器、腎臓の灌流、実質臓器の灌流、及 びリアルタイム画像化中における血流速度及び血流方向のドップラー信号に関す る画像化の分解能を向上させる必要が依然として存在している。超音波造影剤の 開発は、遊離気泡としての、又は天然もしくは合成シェル材料中に封入されたガ スとしての、生物学的適合性ガスの使用に焦点が合わせられてきた。 種々の天然及び合成ポリマーが、ガス、例えば空気を、画像化造影剤として利 用するためにカプセルに封入するために用いられてきた。Schneider等Invest.Ra dial.,Vol.27,pp.134-139(1992)には、3ミクロンの空気充填ポリマー粒子が記 載されている。これらの粒子は、血漿中及び加圧下で安定であると報告された。 しかしながら、2.5MHzでは、それらのエコー源性は低かった。封入された微 小気泡懸濁液の別のタイプが、超音波処理されたアルブミンから得られた。Fein stein等J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.11,pp.59-65(1988)。Feinsteinは、in vitroで 優れた安定性を有する肺内外経路(transpulmonary passage)に合わせて大きさ が適当に決められる微小気泡の調製を記載している。しかしながら、これらの微 小気泡は、インビボで寿命が短く、およそ二,三秒という半減期(一循環パスに ほぼ等しい)を有している。その理由は、当該気泡は、不飽和液体、例えば血液 中に素早く溶解するからである。Wible,J.H.等,J.Am.Soc.Echocardiogr.,Vol.9, pp.442-451(1996)。ゼラチンに封入された気泡は、Carroll等(Carroll.B.A.等. ,Invest.Radial.,Vol.15,pp.260-266(1980)及びCarroll,B.A.等,Radiology,Vol. 143,pp.747-750(1982))によって記載されているが、それらのサイズが大きいの で(12及び80μm)、肺の毛細血管を通過しそうに 無いと考えられる。また、ゼラチンカプセル封入気泡は、Rasor Associates,Inc .によるPCT/US80/00502にも記載されている。これらは、ゼラチ ンを「癒着(coalescing)」させることによって形成される。 ガラクトースの微結晶によって安定化された空気微小気泡(SHLT 454 and SHU 508)も、Fritzsch,T.等,Invest Radiol.Vol.23(補遺1),pp.302-305(1988);及びF ritzsch,T.等,Invest Radiol.Vol.25(補遺1),pp.160-161(1990)によって報告さ れている。当該微小気泡は、in vitroで最大15分まで寿命があるが、インビボ では20秒未満である。Rovai,D.等,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.10,pp.125-134(19 87);及びSmith,M.等,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.13,pp.1622-1628(1989)。フッ素 含有材料のシェル内に封入されたガス微小気泡は、Molecular Biosystems,Inc. によるWO96/04018に記載されている。 Schering Aktiengesellschaftによる欧州特許出願第90901933.5号 では、超音波画像化のための、マイクロカプセルに封入されたガス又は揮発性液 体の調製及び使用が開示されており、当該マイクロカプセルは、合成ポリマー又 は多糖類から形成される。Sintetica S.A.による欧州特許出願第918103 66.4号(0 458 745 A1)では、宿主動物への注射のために、又は 経口投与、経直腸投与、もしくは経尿道投与のために、治療目的もしくは診断目 的のために、水性担体中に分散させることができる、界面に付着されたポリマー 膜によって結合された空気又はガスマイクロバルーンが開示されている。Delta Biotechnology LimitedによるWO 92/18164では、温度、噴霧速度、粒 径、及び乾燥条件に関して厳しく制御された条件下でタンパク質水溶液を噴霧乾 燥させることによって微粒子を調製し、画像化で使用するための、その中に閉じ 込められたガスを有する中空球体の形成が開示されている。WO 93/252 42では、ポリシアノアクリレート又はポリエステルのシェル内に含まれたガス から成る超音波画像化のための微粒子の合成が記載されている。WO 92/2 1382では、ガスを含む共有結合されたマトリックスを含む微粒子造影剤の二 次加工が開示されており、ここで、マトリックスは炭水化物である。Ungerによ る米国特許第5,334,381号、第5,123,414号及び第5,352 ,435号では、超音波造影剤として使用するリポソームが記載されており、当 該リポソームは、 ガス、ガス前駆物質、例えばpH活性化又は光活性化ガス前駆物質、ならびに他 の液体又は固体のコントラスト増強剤を含む。NycomedによるWO 95/236 15では、ペルフルオロカーボンを含む溶液、例えばペルフルオロカーボンを含 むタンパク質溶液のコアセルベーションによって形成される画像化用マイクロカ プセルが開示されている。Massachusetts Institute of TechnologyによるPC T/US94/08416では、その中に封入された画像化剤(例えば空気及び ペルフルオロカーボンのようなガスを含む)を有するポリエチレングリコール− ポリ(ラクチド−コ−グリコシド)ブロックポリマーから形成された微粒子が開 示されている。 現在までに研究された全ての超音波造影剤、例えば遊離気泡又は封入された気 泡は、強力な後方散乱体であるが、これらの薬剤はまた、高度に減衰する。減衰 が大きいと、造影剤から遠位にある組織像の画像化深度が浅くなり且つ画像が損 なわれる。多くの場合、画像化情報は、有意な濃度の造影剤を有する領域、例え ば左心室以外は完全に失われることがある。現在研究中の全ての超音波造影剤は 、ある程度同じ問題を有している。 造影剤の減衰に伴う問題を最小にするために、研究者は、いくつものアプロー チを行った。最もしばしば行われたのは、投与する造影剤の量を少なくして、超 音波ビームの殆どを、造影剤を通過させる方法である。減衰は抑えられるが、投 与量の減少によって、多くの臨床適応に関して最適のコントラストより低くなる 。別法として、超音波造影剤を、連続注入して投与することができる。この方法 は、薬剤の局所濃度を実質的に低下させ、投与量の減少について先に説明した問 題を有する。連続注入は、長い時間にわたってより多くの総投与量を必要とする という更なる短所を有し、臨床上の設定では実施し難い。少ない投与量を補うた めに、研究者は、高調波画像化(harmonic imaging)を用いて、信号対雑音比を 高めた。しかしながら、高調波画像化は、今現在、標準ではない。 重要なことに、これらのアプローチは、既存の超音波造影剤の音響特性による 基本的問題の修正に取り組んでいない。すなわち、高度のエコー源性を有する超 音波造影剤については、造影剤を含む初期領域を超える深さにおいて、受信変換 器(receiving transducer)において、対象領域から高い総戻り出力を導き出す 散乱体を創製することが必要である。戻り出力は、造影剤の後方散乱と減衰の双 方に左右される。 したがって、有意に増強されたエコー源性を有する微粒子を提供することが、 本発明の目的である。また、高度の後方散乱と低減衰とを有する超音波造影剤を 提供することが本発明の別の目的である。発明の概要 天然又は合成ポリマーから形成されたより厚い壁を有する微粒子は、より薄い 壁を有する微粒子と比較して、有意に増強されたエコー源性と、より低い減衰と を有することが発見された。壁の厚さの効果は、理論的に決定され、最適な壁の 厚さが予想された。これらの厚さを有する微粒子を製造した。好ましい態様では 、ポリマーは合成生分解性ポリマーであり、壁厚は、50〜660nmであるが、 約30nmから800nm超の壁厚を用いることができる。シェルの厚さは、画像化 される標的組織に左右され、また血液の体積と標的臓器組織の体積との双方に左 右される。微粒子は、画像化されるべき標的組織に適する直径、例えば、血管内 投与に適する0.5〜8ミクロンの直径、及び胃腸管又は他の管状器官を画像化 するための経口投与に適する0.5〜5mmの直径を有するように製造される。好 ましいポリマーは、ポリヒドロキシ酸、例えばポリ乳酸−コ−グリコール酸、ポ リラクチド、ポリグリコリド又はポリラクチド−コ−グリコリドである。これら の物質は、網内系(RES)による取込みを阻害するポリエチレングリコール又 は他の物質とコンジュゲートさせることができる。微小球は、心臓学用途、血液 潅流用途ならびに臓器及び末梢静脈の画像化を含む様々な超音波画像化用途で用 いることができる。図面の簡単な説明 図1は、1/1620希釈における合成ポリマーマイクロカプセル封入オクタ フルオロプロパンの代表粒度分布に関して、単位体積当たりの総散乱断面積に関 する壁厚効果の計算値を、音響周波数の関数として示したグラフであり、壁厚1 10nm及び0.0034%C38(総ガス体積分率)、165nm及び0.003 2%C38、220nm及び0.0029%C38、330nm及び0.0025% C38、440nm及び0.0021%C38、660nm及び0.0 015%C38、880nm及び0.0010%C38、及び1100nm及び0. 0007%C38を想定している。 図2は、1/1620希釈における合成ポリマーマイクロカプセル封入オクタ フルオロプロパンの代表粒度分布に関して、音響減衰係数に関する壁厚効果の計 算値を、音響周波数の関数として示したグラフであり、壁厚110nm及び0.0 034%C38、165nm及び0.0032%C38、220nm及び0.002 9%C38、330nm及び0.0025%C38、440nm及び0.0021% C38、660nm及び0.0015%C38、880nm及び0.0010%C3 8、及び1100nm及び0.0007%C38を想定している。 図3は、1/1620希釈における合成ポリマーマイクロカプセル封入オクタ フルオロプロパンの代表粒度分布に関して、エコー源性(単位体積当たりの総戻 り出力)に関する壁厚効果の計算値を、音響周波数の関数として示したグラフで あり、壁厚110nm及び0.0034%C38、165nm及び0.0032%C38、220nm及び0.0029%C38、440nm及び0.0021%C38 、及び660nm及び0.0015%C38を想定している。 図4は、1/1620希釈における天然ポリマーマイクロカプセル封入空気の 代表粒度分布に関して、単位体積当たりの総散乱断面積に関する壁厚効果の計算 値を、音響周波数の関数として示したグラフであり、壁厚40nm及び0.002 1%空気(総ガス体積分率)、80nm及び0.0020%空気、150nm及び0 .0019%空気、300nm及び0.0017%空気、600nm及び0.001 3%空気、及び900nm及び0.0010%空気を想定している。 図5は、1/1620希釈における天然ポリマーマイクロカプセル封入空気の 代表粒度分布に関し、音響減衰係数に関する壁厚効果の計算値を、音響周波数の 関数として示したグラフであり、壁厚40nm及び0.0021%空気、80nm及 び0.0020%空気、150nm及び0.0019%空気、300nm及び0.0 017%空気、600nm及び0.0013%空気、及び900nm及び0.001 0%空気を想定している。 図6は、1/1620希釈における天然ポリマーマイクロカプセル封入空気の 代表粒度分布に関して、エコー源性(単位体積当たりの総戻り出力)に関する壁 厚効果の計算値を、音響周波数の関数として示したグラフであり、壁厚40nm及 び0.0021%空気、80nm及び0.0020%空気、150nm及び0.00 19%空気、300nm及び0.0017%空気、600nm及び0.0013%空 気、及び900nm及び0.0010%空気を想定している。 図7は、1/5400希釈における天然ポリマーマイクロカプセル封入空気の 代表粒度分布に関して、エコー源性に関する壁厚効果の計算値を、音響周波数の 関数として示したグラフであり、壁厚15nm及び0.0006%空気、40nm及 び0.0006%空気、80nm及び0.0006%空気、150nm及び0.00 06%空気、150nm及び0.0006%空気、及び300nm及び0.0005 %空気を想定している。発明の詳細な説明 エコー源性を、天然又は合成ポリマー微粒子の壁厚の関数として最大化する方 法を説明する。微粒子は、様々な診断用超音波画像化用途において、特に、血管 画像化及び超音波心臓検査法のような超音波手順において有用である。より薄い 壁を有する同じ天然又は合成ポリマー微粒子と比較した場合、壁厚が増すと、エ コー源性は有意に増大する。I.最適なポリマー厚の計算 診断用超音波に対する、カプセルに封入された微小気泡の応答に関してより深 く理解するために、数学的モデル(C.Church J.Acoustical Soc.Amer.97(3):151 0-1521,1995)を用いて、例えばカプセル化シェルの厚さ及び剛性のような物理 パラメーターの値に対して、例えば後方散乱及び減衰係数のような重要な量を計 算した。当該シェルは、天然又は合成物質であることができる。当該モデルは、 連続した非圧縮性の減衰された弾性固体として、集団挙動する、シェルによって カプセルに封入された球状気泡の場合、(非線形)レイリー・プレセット型方程 式(Rayleigh-Plesset-like equation)から成る。ここでは、この方程式に対す る分析的解答(最も低い順に第1および第2の高調波成分を含む)を用いて、散 乱断面積(カプセル封入気泡によって散乱された出力の、入射音響ビーム強度に 対する割合)と、カプセル封入気泡の懸濁液の減衰係数(気泡がビームから音響 エネルギーを除去する割合)とに対するシェル厚の効果を評価する。次に、 これらの量記号を用いて、カプセル封入気泡の懸濁液から、入射パルスを放射し ている超音波変換器への総戻り出力を評価する。 入射音響圧力波に対するカプセル封入気泡の応答を記述しているレイリー・プ レセット型方程式は: [式中、R1はガスで充填された空洞の半径、U1は界面1(内部ガスとカプセル 固体との間の界面)の半径方向速度、R2はカプセル材料の外径、ρLは気泡を取 り囲んでいる液体の密度、ρLはカプセルシェルの密度、PG,eqは気泡内の平衡 ガス圧、Ro1はガスで充填された空洞の初期半径、P(t)は無限大での圧力 (音響駆動圧を含む)、σ1及びσ2はそれぞれガス−シェル界面及びシェル−液 体界面における界面張力、μs及びμLはそれぞれシェル及び周囲液体の有効粘度 、Vs=R2 3−R1 3、Gsはシェルの剛性、及びRe1はガスーシェル界面の無歪平 衡位置(unstrained equilibrium position)である]である。カプセルに封入 された気泡の散乱断面積δS1に関する式は、拍動振幅Ro1x(t)が小さいと仮 定し、R1=Ro1(1+x)および関連する式をChurch(1995)の方程式(1)に 代入することによって、導き出すことができる。得られた方程式(2)は: [式中、ωは入射音波の(半径方向)周波数、ω0はカプセル封入気泡の共鳴周 波数、及びδdはカプセル封入気泡の減衰定数である]であり;断面積の典型的 な単位を方程式の後に括弧で示してある。 方程式(2)は、一つのカプセル封入気泡の応答が問題になっている場合に適 する。診断用超音波では、何百万のカプセル封入気泡から成る懸濁液の応答が問 題になることが普通である。ある範囲のサイズを有するカプセル封入気泡の集合 が存在している場合、単位体積当たりの総散乱断面積は、懸濁液の典型的な体積 中に存在する各カプセル封入気泡の寄与を単純に合計することによって評価する ことができる: 上記式中において、f(Ro1)dRo1は、単位体積当たりのRo1とRo1+dRo1の 間の半径を有する、カプセル封入気泡の数である。懸濁液の減衰係数は、K.W.Co mmander及びA.Prosperetti,"Linear pressure waves in bubbly liqulds:Compar ison between theory and expenments,"J.Acoust.Soc.Amer 85(2):732-746(1989 )による方法で評価することができる。平均圧力、密度、速度などに関して気泡 媒体を記述することによって、これらの著者は、懸濁液中における音の複合速度 cmに関する式を導いた。カプセル封入気泡の場合は、である。上記式中において、係数8.686は、ネーパーをデシベルに変換する のに必要である。方程式(3)及び(4)を組合せて、戻り出力に関する以下の 関係: (式中、xは、変換器とサンプル体積との間の距離であり、係数Gは、変換器口 径、変換器とサンプル体積との間の距離、及び受信変換器における各気泡から散 乱された球面波によって切り取られた立体角を含む追加の幾何学的係数を表して いる)を得ることができる。 これらの結果を利用するために、カプセル封入気泡粒度分布を提供し、当該モ デルで用いられる物理的パラメーターに関する値を評価する必要がある。2つの 場合が考えられる。第一は、ポリエステルから製造された合成微粒子に関するも のであり、第二は、アルブミンから製造された微粒子に関するものである。ここ で用いられる合成粒子に関する粒度分布は、1996年7月29日に出願された 米国特許出願第08/681,710号(その教示を本明細書の一部としてここ に引用する)に記載されているように、噴霧乾燥によって製造されたPLGA− PEG微粒子に関して測定されたものである。Coulter Multisizer(登録商標) 分析によって測定された、この分布を特徴付ける集団パラメータの値は:総濃度 :2.4x109粒子/mL、数平均直径:2.2μm、体積平均直径:4.6μm及 びガス体積分率6.5%である。以下に示した計算は、1/1620の希釈率を 仮定して行った。対応濃度は4.4x106粒子/mLであるが、ガス体積分率は約 0.01%であった。当該モデルで用いたパラメーターに関する値は:内部ガス :ペルフルオロプロパンについて適当な値、外部液体:水について適当な値、シ ェル密度:1.5g/cm3、シェル粘度:30ポアズ、シェル剛性:10MPa及びシ ェル厚:22,55,110,165,220,330,440,660,88 0及び1100nmである。 駆動周波数における総散乱断面積に関する計算結果は、用いたPEG−PLG Aシェル厚の範囲に関して図1に示してある。最低周波数では、断面積は、小さ い散乱体、すなわちレイリー散乱体について予期されるように、おおよそ周波数 の4乗で増加する。より高い生物医学的周波数では、総散乱断面積は、周波数の ほんの1.5乗のみしか増加しない。更に高い周波数では、散乱強度は、安定状 態に達してから減少する。シェル厚が増加すると、厚さの比例変化とほぼ等しい 量又は幾分それを超える量だけ、総散乱断面積が減少する。すなわち、カプセル 封入気泡の懸濁液によって示される総散乱断面積は、シェル厚を変化させること によって調節することができる。 減衰係数を、異なるシェル厚において、駆動周波数の関数として計算した結果 は、図2に示してある。シェル厚が増加すると、厚さの比例変化とほぼ等しい量 又は幾分それを超える量だけ、減衰係数が減少する。すなわち、減衰係数は、シ ェル厚を変化させることで調節することができる。 総散乱断面積及び減衰係数の双方が、シェル厚の減少にほぼ比例して増加する という事実は、カプセル封入気泡懸濁液中に音波を放射する変換器へと後方散乱 されることが予期される総出力に関して、シェル厚の変化は何らの効果も及ぼさ ないことを示していると考えられる。しかしながら、方程式5から更に考慮する と、より厚いシェルを有するカプセル封入気泡の懸濁液は、より大きな総戻り出 力を示すことは明らかである。それは図3に示してある。その理由は、総後方散 乱出力は、総散乱断面積に直接比例するので、減衰係数の指数関数にも比例する からである。したがって、シェル厚が2分の1に減少する場合、総散乱断面積が 増加すると、総出力が約2倍増加し、減衰の効果は、約73%の正味の減少に関 して、約exp(−2)=1/7.4だけ総出力を「増加」させるであろう。総戻 り出力は、シェル厚が増加すると、増加する。 同様な結果は、図4−6に示してあるように、アルブミンから製造される微粒 子に関しても予測される。アルブミンで用いられるパラメータ一は、C.Church,J .Acoustical Soc.Amer.,97(3):1510-1521(1995)で開示されている。 合成ポリマー微粒子(図3)及びアルブミン微粒子(図6)に関する総戻り出 力は、1/1620の微粒子希釈率の場合である。最適なシェル厚(カプセル封 入気泡の懸濁液中に2cmの深さで、最大の総戻り出力を与える厚さとして定義さ れる)は、カプセル封入気泡の希釈(すなわち、カプセル封入気泡の濃度)に左 右されるであろう。このことは、希釈率1/5400のアルブミン微粒子に関し て図7に示してある。懸濁液を希釈する場合、より薄いシェルを有する微粒子を 用いることができる。これは、シェルがより薄くなることによって、「気泡1つ 当たり」を基準として、減衰及び散乱強度がより大きくなるからであり、これは 、微粒子の数によって充分に相殺されて、より高い総戻り出力を与える。 3つの希釈率に関する最適シェル厚は、アルブミン及びPEG−PLGA微粒 子の双方について以下の表に要約してある。 粒度分布が、インビボで比較的安定な気泡に関しては、最適シェル厚の選択は 、対象となる標的臓器において予期される粒子濃度に基づくと考えられる。シェ ル厚を選択する方法を説明するために、先に説明した合成微粒子を考える。微粒 子が約0.25mL/kgで投与され、血液量(blood volume)が50mL/kgであると 仮定される場合、微粒子は、静脈注射後に1/200まで希釈されると考えられ る。心筋層では、血液は総区画容積の10%を構成し、微粒子は、当該区画内で 、10分の1まで更に希釈される。すなわち、最終希釈率は、約1/2000で あると考えられる。この希釈では、最適シェル厚は、表中のデータから外挿する ことができ、これは200nmである。すなわち、これらのタイプの微粒子のため の心筋潅流剤として用いるのに最適な厚さは、約200nmである。 この情報に基づき、減衰を最小にし、戻り後方散乱出力を最大にして、高投与 量の超音波造影剤を最少の減衰で用いることができるように、より厚いシェルを 用いて、特定の微粒子カプセル封入ガスの設計を最適化すべきである。適当な壁 厚を有する微粒子を製造する方法を開示する。II.異なるシェル厚を有する微粒子を製造するための方法及び試薬 本明細書で用いるとき、微粒子という用語は、特に断りがない場合は、微小球 及びマイクロカプセル、ならびに微粒子を含む。微粒子は、形状は球形であって もよく、あるいは球形でなくてもよい。マイクロカプセルは、別の材料、この場 合はガスのコアを取り囲むポリマー外殻を有する微粒子と定義される。微小球は 、下記のように画像化目的のためのガスで充填されている、ポリマーを貫通して いる細孔によって形成されるハニカム構造を有する、又はハニカム構造もしくは マ イクロカプセル構造の組合せを有する微粒子である。「壁厚」又は「ポリマー厚 」という用語は、微粒子の内部から外部までのポリマーの直径を表す。中空のコ アを有するマイクロカプセルの場合では、壁厚は、ポリマー厚に等しい。ポリマ ー球中に水路又は細孔を有する多孔質微粒子の場合では、壁厚は、微粒子の直径 の1/2に等しい。 ポリマー 非生分解性マトリックス及び生分解性マトリックスの双方を、ガスをマイクロ カプセルに封入するために用いることができるが、生分解性マトリックスが特に 静脈注射用には好ましい。非食用ポリマーは、経腸的に投与される超音波用途で 用いることができる。合成又は天然のポリマーを用いて、微粒子を二次加工する ことができる。より再現可能な合成及び制御された分解のため、合成ポリマーが 好ましい。当該ポリマーは、インビボ安定性に関して要求される時間、別の言い 方をすれば、画像化が望まれる部位への分散に要する時間、及び画像化に要する 時間に基づいて選択される。 代表的な合成ポリマーは:ポリ(ヒドロキシ酸)、例えばポリ(乳酸)、ポリ (グリコール酸)、及びポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリグリコリド、ポ リラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリドコポリマー及び配合物、ポリ無水物 、ポリオルソエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例え ばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、例えばポリ( エチレングリコール)、ポリアルキレンオキシド、例えばポリ(エチレンオキシ ド)、ポリアルキレンテレフタレート、例えばポリ(エチレンテレフタレート) 、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニ ルハロゲン化物、例えばポリ(ビニルクロリド)、ポリビニルピロリドン、ポリ シロキサン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリスチ レン、ポリウレタン及びそれらのコポリマー、誘導セルロース、例えばアルキル セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロース エステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ シプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブ チルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セ ルロー スアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプチレート、 セルロースアセテートフタレート、カルボキシエチルセルロース、セルロースト リアセテート、及びセルロース硫酸ナトリウム塩(本明細書では纏めて「合成セ ルロース」と呼ぶ)、アクリル酸のポリマー、メタクリル酸のポリマー、又はそ れらのコポリマーもしくはエステルを含むそれらの誘導体、ポリ(メチルメタク リレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、 ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ( イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニ ルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリ レート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレ ート)(本明細書では纏めて「ポリアクリル酸」と呼ぶ)、ポリ(ブチル酸)、 ポリ(吉草酸)、及びポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、それらのコポリ マー及びそれらの配合物である。本明細書で用いる場合、「誘導体」は、化学基 、例えばアルキル、アルキレンの置換及び付加を有するポリマー、ヒドロキシル 化、酸化及び当業者によって日常的に行われる他の改質を有するポリマーを含む 。 好ましい非生分解性ポリマーとしては、例えばエチレンビニルアセテート、ポ リ(メト)アクリル酸、ポリアミド、それらのコポリマー及び混合物が挙げられ る。 好ましい生分解性ポリマーの例としては、乳酸及びグリコール酸のようなヒド ロキシ酸のポリマー、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリ コリド、及びPEGとのコポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルソ)エステル、ポ リウレタン、ポリ(ブチル酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コ−カプロ ラクトン)、それらの配合物及びコポリマーが挙げられる。 好ましい天然ポリマーの例としては、タンパク質、例えばアルブミン、ヘモグ ロビン、フィブリノゲン、ポリアミノ酸、セラチン、ラクトグロブリン及びプロ ラミン、例えばゼイン、及び多糖類、例えばアルギン酸塩、セルロース及びポリ ヒドロキシアルカノエート、例えばポリヒドロキシブチレートが挙げられる。タ ンパク質は、例えばグルタルアルデヒドのような薬剤との架橋、又は熱変性によ って安定化させることができる。 胃腸管のような粘膜表面の画像化で用いる特別の関心が集まっている生体接着 剤ポリマーとしては、ポリ無水物、ポリアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレー ト)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ( イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデ シルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタ クリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート )、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレート) が挙げられる。 溶媒 本明細書で定義されるように、ポリマー溶媒は、揮発性であるか、又は比較的 低い沸点を有するか、又は真空下で除去できる溶媒であり、また極微量でヒトに 投与するのに許容できる溶媒であって、例えばメチレンクロリド、水、エチルア セテート、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセト ン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸、及びジメチルスル ホキシド(DMSO)、又はそれらの組合せである。一般的に、ポリマーを、溶 媒中に溶かして、重量対体積比(w/v)で0.1%〜60%、更に好ましくは 0.25%〜30%の濃度を有するポリマー溶液を調製する。 ガス 任意の生物学的適合性ガス又は薬理学的に許容できるガスを、微粒子の中に入 れることができる。ガスという用語は、画像化が行われる温度で、ガスであるか 、又はガスを形成することができる任意の化合物を指している。当該ガスは、酸 素、窒素、キセノン、アルゴン、窒素、フッ化ガスのような単一化合物、又は空 気のような化合物の混合物から構成することができる。好ましくはフッ化ガスで ある。フッ化ガスとしては、例えばCF4,C26,C38,C48,SF6,C24及びC36が挙げられる。ペルフルオロプロパンは、薬理学的に許容できる ので特に好ましい。典型的には、中空空気充填微粒子は、開示した方法で製造さ れ、微粒子内にある空気は、開示した生物学的適合性ガスの任意のガスと交換す ることができる。当該ガスは、典型的には、微粒子に真空下に置いて空気を除去 し、次に、特定の温度及び圧力で生物学的適合性ガスの雰囲気を施用することに よっ て交換される。交換されるガスの温度及び圧力は、微粒子の特性に左右される。 増孔剤 増孔剤(pore forming agent)をマイクロカプセル封入して、内部空隙を導入 することができる。増孔剤は、マイクロカプセル封入中に除去することができる か、又は微粒子を形成した後に真空乾燥もしくは凍結乾燥を用いることによって 除去することができる、液体の又は揮発性の又は昇華性の塩であることができる 。増孔剤の除去後に、目的とするガスで充填できる内部空隙が創製される。2種 類以上の増孔剤を用いても良い。増孔剤(一種又は複数種)は、体積対重量比で0 .01%〜90%の量でポリマー溶液中に含ませて、細孔形成を増加させること ができる。例えば、噴霧乾燥、すなわち溶媒蒸発では、揮発性塩のような増孔剤 、例えば重炭酸塩アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム又は安息 香酸アンモニウム、又は他の凍結乾燥可能な塩を、固体粒子として又は溶液とし て、カプセルに封入することができる。増孔剤を溶液としてカプセルに封入する 場合、増孔剤を含む溶液を、ポリマー溶液と一緒に乳化させて、ポリマー中に増 孔剤の液滴を創製する。次に、増孔剤の粒子を含むポリマー溶液、又はポリマー 中の増孔剤溶液の乳濁液を、噴霧乾燥させるか又は溶媒蒸発/抽出法によって取 り出す。ポリマーが沈殿したら、硬化した微粒子を凍結及び凍結乾燥させて、残 留増孔剤を除去しても良く、又は硬化した微粒子を真空乾燥させて、増孔剤を除 去しても良い。 カプセル封入されたガスを安定化する添加剤 脂質 一般的に、微粒子の製造中に、疎水性である化合物を、微粒子による水の浸透 及び/又は取込みを制限するのに有効な量で混和することは、その中に封入され たガス、特にペルフルオロカーボンのようなフッ化ガスを有するポリマー微粒子 のエコー源性を安定化するのに有効である。ポリマー微粒子の内側にあるガスを 安定化するのに用いることができる脂質としては、限定するものではないが、次 に示す種類の脂質:すなわち、脂肪酸及び誘導体、モノ−、ジ及びトリグリセリ ド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール及びステロイド誘導体、テルペ ン及びビタミンが挙げられる。脂肪酸及びそれらの誘導体としては、飽和及び不 飽和脂肪酸、奇数及び偶数脂肪酸、シス及びトランス異性体、及びアルコール、 エステル、無水物を含む脂肪酸誘導体、ヒドロキシ脂肪酸及びプロスタグランジ ンが挙げられるが、これらに限定されない。用いることができる飽和及び不飽和 脂肪酸としては、線状又は枝分れ形態の12〜22個の炭素原子を有する分子が 挙げられるが、これらに限定されない。用いることができる飽和脂肪酸としては 、例えばラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、及びステアリン酸が挙げら れるが、これらに限定されない。用いることができる不飽和脂肪酸としては、例 えばラウリン酸、フィセテレイン酸(physeteric acids)、ミリストレイン酸、 パルミトオレイン酸、ペトロセリン酸(petroselinic acids)、及びオレイン酸 が挙げられるが、これらに限定されない。用いることができる枝分れ脂肪酸とし ては、イソラウリル酸、イソミリスチル酸、イソパルミチン酸、及びイソステア リン酸及びイソプレノイドが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪酸誘導 体としては、12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニ ル)メチルアミノ)−オクタデカン酸;N−[12−(((7’−ジエチルアミ ノクマリン−3−イル)カルボニル)メチル−アミノ]オクタデカノイル)−2 −アミノパルミチン酸、N−スクシニル−ジオレオイルホスファチジルエタノー ルアミン及びパルミトイル−ホモシステイン;及び/又はそれらの組合せが挙げ られる。用いることができるモノ、ジ及びトリグリセリド又はそれらの誘導体と しては、脂肪酸を有する分子、又は6〜24個の炭素原子を有する脂肪酸の混合 物、ジガラクトシルジグリセリド、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール ;1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール;及び1,3− ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロールが挙げられるが、これらに限定さ れない。 用いることができるリン脂質としては、ホスファチジン酸、飽和及び不飽和脂 質を有するホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファ チジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リ ソホスファチジル誘導体、カルジオリピン、及びβ−アシル−y−アルキルリン 脂質が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質の例としては、ホスファ チジルコリン、例えばジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホス ファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン ジラウロリルホ ス ファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステ アロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドイルホスファチジルコ リン(DAPC)、ジビヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコ サノイルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルファチジルコリ ン(DLPC);及びホスファチジルエタノールアミン、例えばジオレオイルホ スファチジルエタノールアミン又は1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセ ロホスホエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。不斉アシル 鎖(例えば、6個の炭素原子から成る1つのアシル鎖、及び12個の炭素原子か ら成るもう1つのアシル鎖)を有する合成リン脂質を用いることもできる。 用いることができるスフィンゴ脂質としては、セラミド、スフィンゴミエリン 、セレブロシド、ガングリオシド、スルファチド及びリソスルファチドが挙げら れる。スフィンゴ脂質としては、例えばガングリオシドGM1及びGM2が挙げ られるが、これらに限定されない。 用いることができるステロイドとしては、コレステロール、コレステロールス ルフェート、コレステロールヘミスクシネート、6−(5−コレステロール−3 β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−α−D−ガ ラクトピラノシド、6−(5−コレステン−3β−チロキシ)ヘキシル−6−ア ミノ−6−デオキシル−1−チオ−α−D−マンノピラノシド及びコレステリー )4’−トリメチル35アンモニオ)ブタノエートが挙げられるが、これらに限 定されない。 用いることができる更なる脂質化合物としては、トコフェロール及び誘導体、 及びオイル、例えばステアリルアミンのような誘導化オイルが挙げられる。 様々なカチオン性脂質、例えばDOTMA、N−[1−(2,3−ジオレオイ ル)プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド;DOTAP、1 ,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン;及びDO TB、1,2−ジオレオイル−3−(4’−トリメチル−アンモニオ)ブタノイ ル−snグリセロールを用いることができる。 最も好ましい脂質は、リン脂質であり、好ましくはDPPC,DAPC,DS PC,DTPC,DBPC,DLPCであり、最も好ましくはDPPC,DAP C及びDBPCである。 脂質含量は、0.01〜30(脂質重量/ポリマー重量)であり;最も好まし くは0.1〜12(脂質重量/ポリマー重量)である。脂質は、微粒子の形成前 に、ポリマー溶液に対して加えることができる。 他の疎水性化合物 他の好ましい疎水性化合物としては、例えばトリプトファン、チロシン、イソ ロイシン、ロイシン及びバリンのようなアミノ酸、例えばアルキルパラベンのよ うな芳香族化合物、例えばメチルパラベン及び安息香酸が挙げられる。 微粒子及びそれらを製造する方法 最も好ましい態様では、微粒子は、噴霧乾燥によって製造される。ポリマー及 び増孔剤を、ノズルから噴霧化し、ポリマー溶媒を、加熱された乾燥ガスによっ て除去する。例えば溶媒抽出、ホットメルトカプセル封入、及び溶媒蒸発のよう な他の技術を用いて、エコー源性を最適化する適当な直径の壁厚を有する微粒子 を製造することができる。典型的には、増孔剤を用いて、内部空隙を創り出す。 増孔剤は、マイクロカプセルに封入し、凍結乾燥又は真空乾燥による微粒子の形 成後に、除去する。溶媒蒸発は、E.Mathlowitz等,JScannin Microsco,4,329(199 0);L.R.Beck等,Fertil.Steril.,31,545(1979);及びS.Benita等,J.Pharm.Sci.,73 ,1721(1984)に記載されている。ホットメルトマイクロカプセル封入は、E.Math iowitz等,Reactive Polmers,6,275(1987)に記載されている。 微粒子の合成中に、様々な界面活性剤を加えても良い。用いることができる( 0.1重量%〜5重量%)典型的な乳化剤又は界面活性剤としては、最も生理学 的に許容できる乳化剤が挙げられる。例としては、アミノ酸と抱合している及び 抱合していない胆汁酸塩又は胆汁酸の天然又は合成形態、例えばタウロデオキシ コレート、及びコール酸が挙げられる。 微粒子サイズ 肺毛細管床(pulmonary capillary bed)を通過できる注射可能な微粒子を調 製する好ましい態様では、当該微粒子は、約1〜10ミクロンの直径を有してい るべきである。それよりも直径が大きくなると、肺床を閉塞し、逆に小さくなる と、充分なエコー源性を提供しないかもしれない。より大きい微粒子は、注射以 外の経路、例えば経口(胃腸管を評価するため)、他の粘膜表面(直腸、腟、口 、鼻)に対する施用、又は吸入法によって投与するのに有用である。経口投与に 好ましい粒径は約0.5ミクロン〜5mmである。粒径分析は、光学顕微鏡法、走 査型型電子顕微鏡法、又は透過型電子顕微鏡法によって、クールター計数器(Co ulter counter)を用いて行うことができる。 壁厚の調節 壁厚は、好ましくは20nm超であり、更に好ましくは160〜220nm、最大 約700nmまでであり、700nmを超えると、壁厚が増加することによって得ら れる利点は少なくなっていく。上記したマイクロカプセル封入技術のそれぞれに 関して、ポリマー微粒子の最終シェル厚を調節することができる幾つもの方法が ある。 ポリマー濃度 ポリマーシェルの最終厚は、カプセル封入プロセス中に、ポリマー相の濃度を 増加させることによって厚くすることができる。この方法は、タンパク質又は多 糖類のような合成ポリマー又は天然ポリマーに対して施用することができる。任 意のポリマー液滴サイズに関して、より濃縮されたポリマー溶液を用いると、液 滴の単位体積当たりのポリマー濃度が増加するので、より厚いシェルが得られる 。任意のシェル厚を得るためのポリマー濃度は、主として、ポリマータイプ、ポ リマー溶媒、溶媒システムにおけるポリマーの溶解度、カプセル封入が行われる 温度に左右される。0.1%〜60%のポリマー濃度を用いることができる。好 ましいポリマー濃度は0.5%〜30%である。 上記したように、揮発性の塩又は昇華可能な塩のような増孔剤を用いて、内部 空隙を有する微粒子を製造することができる。増孔剤は、固体として、もしくは 水溶液としてマイクロカプセル封入しても良く、又はポリマー溶液中に一緒に溶 かすことができる。固体増孔剤の場合、固体粒子のサイズ及びカプセル封入され た固体薬剤の量によって、最終のポリマーシェル厚は支配される。固体増孔粒子 の直径がポリマー液滴相と比較して増加すると、又は固体増孔剤の重量がポリマ ー液滴相と比較して増加すると、マイクロカプセル封入シェルはより薄くなる。 固体増孔微粒子の直径は、ポリマー液滴相の直径の1%〜95%である。ジェッ トミルのような標準的な技術を用いて、固体増孔剤の直径を調整して、適当な直 径にすることができる。カプセル封入される固体増孔剤の重量は1%〜50%( w/wポリマー)である。 ポリマー溶媒中に溶解される増孔剤の場合、シェル濃度は、カプセル封入され る増孔剤の量に支配される。増孔剤の総量が増加すると、最終シェル厚は薄くな る。 水溶液としてマイクロカプセルに封入された増孔剤の場合は、最終ポリマーシ ェル厚は、ポリマー相に対するカプセル封入された増孔溶液の体積、マイクロカ プセルに封入された増孔剤の重量、及びポリマー液滴サイズに対する増孔剤溶液 の液滴サイズによって支配される。増孔溶液の体積比がポリマー相に対して増加 すると、最終ポリマーシェル厚は薄くなる。細孔形成溶液のポリマー相に対する 体積比は、0.002〜0.5であり、好ましくは0.01〜0.1である。 増孔剤の任意の体積比に関して、カプセル封入される増孔溶液における増孔剤の 濃度が増加すると、ポリマーシェル厚は薄くなる。カプセル封入される増孔剤の 重量は、1%〜50%(w/wポリマー)である。ポリマー溶液に対する、カプ セル封入される増孔溶液の液滴サイズが小さくなると、最終微粒子のシェル厚は 厚くなる。増孔溶液の液滴サイズは、当該液滴を創製するのに用いられる方法に よって調節することができる。増孔溶液液滴の直径は、ポリマー液滴相の直径の 1%〜95%である。均質化を用いて増孔液滴を創製する場合、均質化の速度( 500〜20,000回転/分)、均質化の時間(0.1〜10分)、均質化の 温度(4℃〜50℃)及び用いるブレードのタイプ(すなわち、スロッテッドヘ ッド(slotted head)、スクウェアヘッド(square head)、サーキュラーヘッ ド(circular head))全てによって、最終増孔溶液液滴サイズが支配される。 均質化条件を調整して、所望の液滴サイズを創製する。音波処理を用いてポリマ ー液滴中に液体増孔溶液の液滴を創り出す場合、音波処理プローブのタイプ、音 波処理の時間(0.1〜10分)、音波処理の温度(4℃〜40℃)、プローブ 周波数(probe frequency)及び音波処理出力の全てを用いて、液滴サイズを変 えることができる。III.診断用途 典型的には、微粒子を、薬学的に許容できる担体、例えば燐酸塩緩衝生理食塩 水又は生理食塩水又はマンニトールと混合し、次に、検出するのに有効な量を適 当な経路によって、典型的には血管への注射(i.v.)もしくは経口によって患者 に投与する。カプセルに封入された画像化剤を含む微粒子は、血管の画像化で、 ならびに肝臓疾患及び腎臓疾患を検出する用途で、心臓病学用途で、腫瘍重量及 び腫瘍組織を検出し特性決定する場合に、末梢血管の血流速度を測定する場合に 用いることができる。また、当該微粒子は、組織の癒着を最少にするリガンド、 又は上記したようにインビボで身体の特定領域へと微粒子を標的化するリガンド と結合することもできる。 以下に本発明を制限するものではない実施例を掲げて、上記の方法及び組成物 を更に説明する。実施例1:向上したエコー源性を有するポリマー微粒子の製造 メチレンクロリド480ml中に、PEG−PLGA(75:25)(IV=0 .75dL/g)を3.2g、PLGA(50:50)(IV=0.4dL/g)を6. 4g及びジアラキドイルホスファチジルコリンを384mg溶かした。そのポリマ ー溶液に、重炭酸アンモニウム0.18g/ml溶液20mlを加え、そのポリマー /塩混合物を、Virtisホモジナイザーを用いて2分間10,000回転/分で均 質化させた。その溶液を20ml/分の流量でポンプで吸い上げ、Buchi Labの噴霧 乾燥器を用いて噴霧乾燥させた。入口温度は40℃であり、出口温度は20℃〜 22℃であった。クールター計数器で寸法分類すると、粒径は1〜10ミクロン の範囲であり、数平均は2.0ミクロンであった。走査型型電子顕微鏡法による と、得られた粒子は、滑らかな表面及び時に表面に小鈍鋸歯状の凸凹(crenulat ions)を有する概ね球状の粒子であることが認められた。微小球は、LR白色樹 脂中に埋封し、紫外線下で重合することによって、透過型電子顕微鏡法のために 調製した。ガラスナイフを用いるLKBウルトラミクロトームで切って薄い切片 とし、60kvにおいてZeiss EM-10 TEMで観察した。微粒子のシェル厚は200 〜240nmである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ストローブ,ジュリー・アン アメリカ合衆国マサチューセッツ州01890, ウィンチェスター,プラト・テラス 16 (72)発明者 ブラッシュ,ヘンリー・ティー アメリカ合衆国マサチューセッツ州02144, サマービル,ブロードウェイ 911

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.超音波画像化で用いるための、ガスをカプセル封入した微粒子のエコー源 性を増加させる方法であって、 当該微粒子を形成している物質及びカプセル封入されるガスの関数として、 総後方散乱出力の最大量が得られる微粒子の壁厚範囲を決定する工程、及び 最大レベルの総後方散乱出力が得られる範囲の壁厚を有する微粒子を製造す る工程 を含む前記方法。 2.微粒子が合成ポリマーから形成される請求項1記載の方法。 3.微粒子の厚さが、50〜660nmである請求項2記載の方法。 4.微粒子が天然ポリマーから形成される請求項1記載の方法。 5.天然ポリマーがタンパク質であり、微粒子の厚さが20〜600nmである 請求項4記載の方法。 6.ガスをカプセル封入したポリマー微粒子を、画像化される被験者に投与す る工程を含む超音波画像化法であって、当該微粒子が、同じ組成及びサイズの微 粒子に関して最大レベルの総後方散乱出力が得られる範囲のポリマー壁厚を有す る前記方法。 7.微粒子が合成ポリマーから形成される請求項6記載の方法。 8.微粒子の厚さが50〜660nmであり、微粒子が合成ポリマーから形成さ れる請求項7記載の方法。 9.微粒子が天然ポリマーから形成される請求項6記載の方法。 10.天然ポリマーがタンパク質であり、微粒子の厚さが20〜600nmであ る請求項9記載の方法。 11.ガスが、フッ化ガスである請求項6記載の方法。 12.エコー源性量の生物学的適合性ガスをカプセル封入したポリマー微粒子 を含む超音波組成物であって、当該微粒子が、最大エコー源性及び最少減衰を有 する微粒子のポリマー壁厚に基づいて微粒子の集団から選択されることを特徴と する前記超音波組成物。 13.ポリマーが、ポリエチレングリコールとポリ(ラクチド−コ−グリコリ ド)とのブロックコポリマー以外の他の合成ポリマーである請求項12記載の組 成物。 14.天然ポリマーから形成され、ポリマー壁厚が20nmを超える微粒子を含 む超音波組成物。 15.ポリマーが、アルブミンである請求項14記載の組成物。
JP50586099A 1997-06-30 1998-06-30 マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法 Pending JP2002507214A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US885,933 1978-03-13
US08/885,933 US6045777A (en) 1997-06-30 1997-06-30 Method for enhancing the echogenicity and decreasing the attenuation of microencapsulated gases
PCT/US1998/013514 WO1999000149A1 (en) 1997-06-30 1998-06-30 Method for enhancing the echogenicity and decreasing the attenuation of microencapsulated gases

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002507214A true JP2002507214A (ja) 2002-03-05

Family

ID=25388026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50586099A Pending JP2002507214A (ja) 1997-06-30 1998-06-30 マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法

Country Status (22)

Country Link
US (1) US6045777A (ja)
EP (1) EP0996470B1 (ja)
JP (1) JP2002507214A (ja)
KR (1) KR100637022B1 (ja)
CN (1) CN1268397C (ja)
AT (1) ATE352322T1 (ja)
AU (1) AU740728B2 (ja)
BR (1) BR9810371A (ja)
CA (1) CA2294199C (ja)
CY (1) CY1107593T1 (ja)
DE (1) DE69836961T2 (ja)
DK (1) DK0996470T3 (ja)
ES (1) ES2280094T3 (ja)
HK (1) HK1029273A1 (ja)
IL (1) IL133595A (ja)
MY (1) MY122120A (ja)
NO (1) NO316614B1 (ja)
NZ (1) NZ501830A (ja)
PT (1) PT996470E (ja)
TW (1) TW360521B (ja)
WO (1) WO1999000149A1 (ja)
ZA (1) ZA985705B (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501684A (ja) * 2004-06-04 2008-01-24 アキュスフィア, インコーポレイテッド 超音波造影剤の投薬処方物
JP2010090104A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Postech Academy-Industry Foundation X線を利用した流動情報測定用カプセル及びこれを利用した流動情報測定方法
JP2011140527A (ja) * 2011-04-20 2011-07-21 Acusphere Inc 超音波造影剤の投薬処方物
WO2015156359A1 (ja) * 2014-04-10 2015-10-15 シャープ株式会社 粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT239807Y1 (it) * 1996-09-11 2001-03-13 Lgl Electronics Spa Dispositivo perfezionato di separazione delle spire di filato perapparecchi alimentatori di trama
US6193951B1 (en) * 1997-04-30 2001-02-27 Point Biomedical Corporation Microparticles useful as ultrasonic contrast agents
JP2002527410A (ja) * 1998-10-12 2002-08-27 マリンクロッド・インコーポレイテッド 新規超音波造影剤
AU6636000A (en) 1999-08-13 2001-03-13 Point Biomedical Corporation Hollow microspheres with controlled fragility for medical use
US6645162B2 (en) 2000-12-27 2003-11-11 Insightec - Txsonics Ltd. Systems and methods for ultrasound assisted lipolysis
US6626854B2 (en) 2000-12-27 2003-09-30 Insightec - Txsonics Ltd. Systems and methods for ultrasound assisted lipolysis
CA2452412C (en) 2001-06-29 2011-05-24 Medgraft Microtech, Inc. Biodegradable injectable implants and related methods of manufacture and use
US20030215394A1 (en) * 2002-05-17 2003-11-20 Short Robert E. Microparticles having a matrix interior useful for ultrasound triggered delivery of drugs into the bloodstream
US6919068B2 (en) * 2002-05-17 2005-07-19 Point Biomedical Corporation Method of preparing gas-filled polymer matrix microparticles useful for echographic imaging
US20040185108A1 (en) * 2003-03-18 2004-09-23 Short Robert E. Method of preparing gas-filled polymer matrix microparticles useful for delivering drug
WO2005041897A2 (en) 2003-10-31 2005-05-12 Point Biomedical Corporation Reconstitutable microsphere compositions useful as ultrasonic contrast agents
WO2005118016A1 (en) * 2004-05-27 2005-12-15 Medtronic, Inc. Medical device comprising a biologically active agent
DE602004026164D1 (de) * 2004-06-04 2010-05-06 Acusphere Inc Ultraschallkontrastmittel
US8012457B2 (en) * 2004-06-04 2011-09-06 Acusphere, Inc. Ultrasound contrast agent dosage formulation
EP1714642A1 (en) * 2005-04-18 2006-10-25 Bracco Research S.A. Pharmaceutical composition comprising gas-filled microcapsules for ultrasound mediated delivery
WO2007022074A2 (en) * 2005-08-11 2007-02-22 Perkinelmer Las, Inc. Assay particles and methods of use
US7955281B2 (en) * 2006-09-07 2011-06-07 Nivasonix, Llc External ultrasound lipoplasty
US8262591B2 (en) * 2006-09-07 2012-09-11 Nivasonix, Llc External ultrasound lipoplasty
US8697098B2 (en) 2011-02-25 2014-04-15 South Dakota State University Polymer conjugated protein micelles
WO2011024074A2 (en) 2009-08-26 2011-03-03 Insightec Ltd. Asymmetric phased-array ultrasound transducer
US8661873B2 (en) 2009-10-14 2014-03-04 Insightec Ltd. Mapping ultrasound transducers
US8331194B1 (en) * 2010-04-26 2012-12-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Underwater acoustic waveguide
US9852727B2 (en) 2010-04-28 2017-12-26 Insightec, Ltd. Multi-segment ultrasound transducers
KR101952599B1 (ko) 2011-02-25 2019-05-22 사우스다코타주립대학 고분자 컨쥬게이트화된 단백질 마이셀
WO2012136813A2 (en) 2011-04-07 2012-10-11 Universitetet I Oslo Agents for medical radar diagnosis
US10357450B2 (en) 2012-04-06 2019-07-23 Children's Medical Center Corporation Process for forming microbubbles with high oxygen content and uses thereof
US10577554B2 (en) 2013-03-15 2020-03-03 Children's Medical Center Corporation Gas-filled stabilized particles and methods of use
US20160067276A1 (en) * 2013-03-15 2016-03-10 Children's Medical Center Corporation Hollow particles encapsulating a biological gas and methods of use
CN107952085A (zh) * 2016-10-17 2018-04-24 北京凯莱天成医药科技有限公司 一种超声造影剂及其制备方法和用途
US11147890B2 (en) 2017-02-28 2021-10-19 Children's Medical Center Corporation Stimuli-responsive particles encapsulating a gas and methods of use

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4276885A (en) * 1979-05-04 1981-07-07 Rasor Associates, Inc Ultrasonic image enhancement
US5123414A (en) * 1989-12-22 1992-06-23 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
US5352435A (en) * 1989-12-22 1994-10-04 Unger Evan C Ionophore containing liposomes for ultrasound imaging
US5334381A (en) * 1989-12-22 1994-08-02 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
AU636481B2 (en) * 1990-05-18 1993-04-29 Bracco International B.V. Polymeric gas or air filled microballoons usable as suspensions in liquid carriers for ultrasonic echography
GB9107628D0 (en) * 1991-04-10 1991-05-29 Moonbrook Limited Preparation of diagnostic agents
ES2103947T5 (es) * 1991-06-03 2001-05-16 Nycomed Imaging As Mejoras introducidas en o relacionadas con agentes de contraste.
DE4219723A1 (de) * 1992-06-13 1993-12-16 Schering Ag Mikropartikel, Verfahren zu deren Herstellung, sowie die Verwendung dieser in der Diagnostik
GB9221329D0 (en) * 1992-10-10 1992-11-25 Delta Biotechnology Ltd Preparation of further diagnostic agents
AU673057B2 (en) * 1993-02-22 1996-10-24 Abraxis Bioscience, Llc Methods for (in vivo) delivery of biologics and compositionsuseful therefor
US5565215A (en) * 1993-07-23 1996-10-15 Massachusettes Institute Of Technology Biodegradable injectable particles for imaging
NO940711D0 (no) * 1994-03-01 1994-03-01 Nycomed Imaging As Preparation of gas-filled microcapsules and contrasts agents for diagnostic imaging
US5562893A (en) * 1994-08-02 1996-10-08 Molecular Biosystems, Inc. Gas-filled microspheres with fluorine-containing shells
US6333021B1 (en) * 1994-11-22 2001-12-25 Bracco Research S.A. Microcapsules, method of making and their use
AU1354497A (en) * 1995-12-21 1997-07-14 Drexel University Hollow polymer microcapsules and method of producing
US5611344A (en) * 1996-03-05 1997-03-18 Acusphere, Inc. Microencapsulated fluorinated gases for use as imaging agents

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501684A (ja) * 2004-06-04 2008-01-24 アキュスフィア, インコーポレイテッド 超音波造影剤の投薬処方物
JP2010090104A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Postech Academy-Industry Foundation X線を利用した流動情報測定用カプセル及びこれを利用した流動情報測定方法
JP2011140527A (ja) * 2011-04-20 2011-07-21 Acusphere Inc 超音波造影剤の投薬処方物
WO2015156359A1 (ja) * 2014-04-10 2015-10-15 シャープ株式会社 粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法
JPWO2015156359A1 (ja) * 2014-04-10 2017-04-13 国立大学法人 岡山大学 粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA2294199C (en) 2009-01-20
DK0996470T3 (da) 2007-05-21
EP0996470B1 (en) 2007-01-24
IL133595A (en) 2004-06-01
IL133595A0 (en) 2001-04-30
HK1029273A1 (en) 2001-03-30
MY122120A (en) 2006-03-31
KR20010014300A (ko) 2001-02-26
NZ501830A (en) 2003-01-31
NO996512L (no) 2000-02-29
CN1261809A (zh) 2000-08-02
CN1268397C (zh) 2006-08-09
DE69836961D1 (de) 2007-03-15
BR9810371A (pt) 2000-09-05
WO1999000149A1 (en) 1999-01-07
ATE352322T1 (de) 2007-02-15
PT996470E (pt) 2007-03-30
TW360521B (en) 1999-06-11
NO316614B1 (no) 2004-03-08
ES2280094T3 (es) 2007-09-01
AU740728B2 (en) 2001-11-15
AU8273198A (en) 1999-01-19
NO996512D0 (no) 1999-12-28
KR100637022B1 (ko) 2006-10-20
DE69836961T2 (de) 2007-10-18
ZA985705B (en) 1999-08-04
CA2294199A1 (en) 1999-01-07
CY1107593T1 (el) 2013-03-13
US6045777A (en) 2000-04-04
EP0996470A1 (en) 2000-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002507214A (ja) マイクロカプセル封入ガスのエコー源性を増強し、減衰を抑える方法
KR100477876B1 (ko) 이미지 형성제로서 사용을 위하여 폴리머-리피드로 마이크로 캡슐화된 가스
KR100477857B1 (ko) 이미지형성제로사용되는마이크로캡슐화된불소첨가가스
AU721209B2 (en) Microencapsulated fluorinated gases for use as imaging agents
MXPA99011840A (en) Method for enhancing the echogenicity and decreasing the attenuation of microencapsulated gases
PL190452B1 (pl) Sposób zwiększenia echogeniczności mikrocząstek do ultradźwiękowego obrazowania diagnostycznego, kompozycja do ultradźwiękowego obrazowania diagnostycznego i sposób wytwarzania mikrocząstek do ultradźwiękowego obrazowania diagnostycznego

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090630