JP2002506831A - 移植で免疫応答の予防と処置のための間葉幹細胞を利用する方法とその組成物 - Google Patents

移植で免疫応答の予防と処置のための間葉幹細胞を利用する方法とその組成物

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Abstract

(57)【要約】 開示されるのは、移植片の宿主拒絶を縮小あるいは阻害するのに有効な間葉幹細胞の有効量で受容者を処置することにより、前記受容者の移植片に対する免疫応答を縮小する方法である。間葉幹細胞は移植の前、移植と同時に、あるいは移植後に投与することができる。更に開示されるのは、間葉幹細胞での処置により外部組織による免疫応答、すなわち対宿主性移植片病の縮小を誘導する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
この出願は1998年3月18日に受理された合衆国暫定特許出願番号第60
/078,463号および1998年6月19日に受理された合衆国暫定特許出
願番号第60/089,964号の請求優先権に基づく。
【0002】 この発明は同種異系抗原に対するT細胞応答を阻害することに関し、更に前も
って活性化されたT細胞の再活性化を阻害しおよびもしくは予防することに関す
る。より詳細には、この発明は外部組織およびもしくは細胞およびもしくは器官
に対し免疫エフェクター細胞により起こされる免疫応答を予防し、縮小しあるい
は処置することに関する。この発明はまた移植片拒絶およびもしくは対宿主性移
植片反応を予防し、縮小しあるいは処置することに関する。
【0003】 (発明の背景技術) 耐性は免疫応答が通常起こす抗原に対する特異的応答の後天性欠如である。典
型的には、耐性を誘導するためには耐性化抗原に対する露出がなければならず、
それはある種のリンパ球の死滅あるいは機能不活性を来たす。完全な耐性は二次
抗原攻撃に対する抗体あるいは細胞媒介での検出可能免疫応答の欠如により特徴
付けられる。部分耐性は免疫応答の量的縮小により類型化される。
【0004】 免疫機構の機能は病原体を含む外部物体を排除し、また自己抗原に対する不応
答あるいは耐性を維持することである。T細胞耐性は、1)自己ペプチドに応答
する胸腺細胞がクローン欠失により除去される胸腺で(中心耐性)、また2)免
疫寛容状態で自己抗原に露出される末梢で(末梢耐性)実現される。クローン欠
失はまた抗原提供細胞に対する細胞死分子の発現から生じることもできる。死亡
分子の古典的な例はFasリガンド(FasL)とTRAILリガンドであり、
それらはその受容者であるFasとDR4それぞれを活性化T細胞に連結し、T
細胞のアポトーシスを誘導する。TNFR上科の一員であるCD27の相互作用
およびCD27リガンド(CD70)もT細胞アポトーシスを誘導する。
【0005】 不幸なことに、免疫機構は移植組織などの有益な侵入者を有害なものから区別
せず、従って免疫機構は移植組織あるいは器官を拒絶する。移植器官の拒絶は供
与者同種異系抗原あるいは異種抗原を認識する宿主に存在する同種異系応答性T
細胞により著しく仲裁される。
【0006】 現在移植片に対する免疫応答を予防しあるいは縮小するために、患者は強力な
免疫抑制剤で処置される。T細胞免疫応答を予防あるいは縮小する薬剤の個体へ
の注入は移植片拒絶を阻害するが、一般的な免疫抑制、毒性だけでなく、日和見
感染に起因する死亡さえも起こしかねない。毒性および供与者組織拒絶の従来の
処置に対する不完全な応答のため、現在の薬剤療法の方式に抵抗できないかある
いは応答しない患者を処置するための代替的アプローチが必要とされる。
【0007】 従って、供与者組織の宿主拒絶を避ける方法として免疫エフェクター細胞によ
り移植片に対して宿主による望ましくない免疫応答の予防およびもしくは縮小の
必要が存在する。更に有利であるのは、対宿主性移植片病として知られる受容者
組織に対し供与者組織による望ましくない免疫応答を排除あるいは縮小する方法
であろう。
【0008】 (発明の概要) ヒト間葉幹細胞は免疫機構による応答を改良し、抗原に対する免疫応答が縮小
あるいは排除されるように移植に使用することができることが発見された。
【0009】 この発明の一つの見地に従って、同種異系抗原、とりわけ同種異系組織、器官
、あるいは細胞に応答するT細胞により起きる免疫応答を縮小あるいは抑制する
方法が提供され、ここで免疫応答は間葉幹細胞の使用により縮小あるいは抑制さ
れる。間葉幹細胞は(同一宿主から得られた)T細胞に対して自己由来のもので
もよくまたT細胞に同種異系のものであってもよい。T細胞に同種異系である間
葉幹細胞の場合には、間葉幹細胞は(同一宿主から得られた)T細胞が応答する
細胞あるいは組織に対して自己由来であるか、あるいは間葉幹細胞がT細胞の源
およびT細胞が応答する細胞あるいは組織の源の両方に同種異系である宿主から
得られたものである。
【0010】 この発明のも一つの見地に従って、外部抗原に対するT細胞応答を予防および
もしくは縮小するのに有効な量で活性化T細胞を間葉幹細胞に接触させることに
より、(同種異系抗原、とりわけ同種異系器官、組織あるいは細胞に対し活性化
された)活性化T細胞の再刺激を予防するプロセスが提供される。使用される間
葉幹細胞はT細胞に自己由来のものであり、およびもしくはT細胞に同種異系の
ものである。同種異系間葉幹細胞を使用する時には、間葉幹細胞はT細胞を活性
化した組織あるいは細胞と同じ宿主から得られ、あるいはT細胞とT細胞を活性
化した細胞あるいは組織を提供した宿主、の両方に同種異系である宿主から得る
ことができる。
【0011】 この発明のも一つの見地に従って、間葉幹細胞は移植片に対する免疫応答を抑
制あるいは改善するための有効量で間葉幹細胞を移植片受容者に投与することに
より、移植片(組織、器官、細胞等)に対する免疫応答を抑制あるいは改善する
ために使用される。間葉幹細胞は移植片受容者に自己由来であり、または移植片
受容者に同種異系である。
【0012】 従って、この発明の一つの方法は供与者組織の受容者の間葉幹細胞への接触を
提供する。この見地の一つの実施例で、この方法は間葉幹細胞の供与者組織への
受容者への投与を伴う。間葉幹細胞は受容者に移植の前あるいは移植と同時もし
くは移植に続いて投与することができる。間葉幹細胞は受容者に自己由来であり
、あるいは同種異系でありまた供与者から得ることができる。この発明のも一つ
の見地において、同種異系間葉幹細胞は更に供与者以外の源から得ることができ
、このような源は供与者の型あるいは受容者の型のいずれかに適合する必要はな
い。
【0013】 更にこの方法のも一つの実施例において、移植手順の部分として間葉幹細胞は
細胞死を誘導する分子を発現するために修飾される。間葉幹細胞は分子の受容者
を運ぶ活性化T細胞のアポトーシスを誘導する分子を免疫機構に送達するように
使用することができる。これは活性化Tリンパ球の欠失と移植片に対する望まし
くない免疫応答の抑制をもたらす。この発明の見地に従って、同種異系ヒト間葉
幹細胞は細胞死分子を発現するように修飾される。分子は間葉幹細胞に対し外因
性あるいは内因性であることができる。ここに記載された方法の望ましい実施例
において、間葉幹細胞は細胞死分子FasリガンドあるいはTRAILリガンド
を発現する。
【0014】 間葉幹細胞は更に移植片の部分として投与することができる。この目的のため
に、この発明は器官もしくは組織の供与者から得られる間葉幹細胞あるいは第三
者からの間葉幹細胞もしくはT細胞に自己由来の間葉幹細胞を灌流されもしくは
それらを含む供与者の組織あるいは器官を受容者に提供することにより免疫応答
を縮小しあるいは改善する方法を提供する。間葉幹細胞はそれが受容者に移植さ
れる時外部組織に対する受容者のT細胞による免疫応答を改善する。
【0015】 この発明の更なる実施例において、器官あるいは組織に灌流された間葉幹細胞
は更に活性化T細胞死を誘導する分子を含むことができる。
【0016】 も一つの実施例において、この発明の方法は供与者組織が受容者に移植された
後に供与者組織の受容者に間葉幹細胞を投与することにより、移植片に対する拒
絶エピソードの発病度を縮小しあるいはそれを排除するために、移植片を受けた
患者の処置を提供する。間葉幹細胞は受容者に自己由来あるいは同種異系である
ことができる。同種異系間葉幹細胞は供与者もしくは第三者源から得ることがで
きる。移植片に対する逆応答を受ける受容者への間葉幹細胞の提示は更なる抗原
刺激に対するT細胞の不応答性を誘導し、これにより供与者組織あるいは器官に
対する活性化T細胞による逆応答を縮小しあるいは排除する。
【0017】 この発明の更なる見地において、受容者に対して供与者の組織、器官あるいは
細胞による免疫応答、すなわち対宿主性移植片病を縮小する方法が提供され、こ
れは組織、器官あるいは細胞を受容者に移植する前に供与者の組織、器官あるい
は細胞を生体外で同種異系(供与者に対して同種異系)間葉幹細胞で処置すること
よりなる。間葉幹細胞は、移植片が宿主に対して移植片の逆応答の発生無しで、
あるいはその縮小で受容者(宿主)の身体に導入されるように受容者抗原提示細
胞に対して続いて活性化される移植片内のT細胞の応答性を縮小し、かくして「
対宿主性移植片」病は避けることができる。
【0018】 望ましい実施例において、供与者移植片は供与者移植片にあるT細胞を活性化
するために生体外でまず受容者に、第三者にあるいは細胞に露出される。供与者
移植片は次いで供与者に自己由来あるいは同種異系の間葉幹細胞に接触させられ
る。間葉幹細胞は受容者あるいは第三者間葉幹細胞であり得る。間葉幹細胞は供
与者移植片が続いて受容者に置かれた時に受容者による抗原刺激に対し供与者移
植片でT細胞による逆二次免疫応答を縮小あるいは阻害するであろう。
【0019】 従って間葉幹細胞は例えば移植に先立ち受容者から得ることができる。間葉幹
細胞は分離され必要とされるまで凍結して貯蔵される。間葉幹細胞は更に望まし
い量で培養拡張され必要とされるまで貯蔵される。間葉幹細胞は受容者(宿主)
に対し供与者移植片によりひき起こされた進行中の逆免疫応答を縮小しあるいは
排除するための有効量で受容者に投与される。移植片によりひき起こされた逆免
疫応答を受ける受容者への間葉幹細胞の提示は進行中の応答を阻害し、T細胞の
再刺激を予防しそれにより受容者の組織への活性化T細胞による逆応答を縮小し
あるいは排除する。
【0020】 更なる実施例は受容者の間葉幹細胞を活性化T細胞子を誘導する分子で修飾す
ることを含む。
【0021】 かくしてこの発明の望ましい実施例に従って、ヒト間葉幹細胞は移植片の結果
としての移植片拒絶およびもしくは宿主性移植片病を処置し、あるいは移植片拒
絶およびもしくは宿主性移植片病を予防しもしくは修飾するために使用される。
【0022】 ここで定義されるように、同種異系間葉幹細胞は受容者と同じ種の異なった個
体から得られる。供与者抗原は受容者に移植される供与者組織により発現される
抗原を引用する。同種異系抗原は受容者により発現される抗原とは異なる抗原で
ある。移植される供与者組織、器官あるいは細胞は移植片である。移植片の例に
は皮膚、骨髄、および固体器官例えば心臓、膵臓、腎臓、肺および肝臓が含まれ
る。
【0023】 ヒト間葉幹細胞が試験管内で同種異系Tリンパ球と接触すると、同種異系T細
胞は増殖しないことを発明者は発見した。通常異なった個体からの共存培養細胞
はT細胞の活性化と増殖により明示され、混合リンパ球反応(MLR)として既
知であるT細胞応答に帰着する。
【0024】 これらの予期されなかった結果はT細胞が不適合間葉幹細胞には応答しないと
いうことを示すものである。同種異系T細胞によるヒト間葉幹細胞の増殖応答の
欠如は予想されなかった。というのはヒト間葉幹細胞は表面分子を発現しそれに
免疫原性を付与する、すなわちヒト間葉幹細胞は同種異系クラスI MHC分子
を発現するからであった。この発見は間葉幹細胞は免疫機構に対しては免疫原性
ではない。
【0025】 間葉幹細胞が同種異系細胞間のMLRを抑制できることも発明者は発見した。
間葉幹細胞は用量依存様式で混合リンパ球反応において同種異系T細胞応答を活
発に縮小した。加えて、異なった供与者からの間葉幹細胞はMHC型に関する応
答縮小の特異性を示さなかった。かくして間葉幹細胞は間葉幹細胞に対する同種
異系T細胞の増殖応答を縮小するために、混合リンパ球反応で標的細胞集団に適
合するMHCである必要はなかった。
【0026】 従って、この発明は供与者組織、器官あるいは細胞の受容者に対して同種異系
間葉幹細胞を投与することにより、免疫応答を縮小し、阻害しあるいは排除する
一つの方法を提供する。一つの実施例において、間葉幹細胞は受容者に投与され
る。選択肢として、ヒト間葉幹細胞は移植片の投与に先立ち投与することができ
る。例えばヒト間葉幹細胞は供与者組織の移植の約3−7日前に受容者に投与で
きる。
【0027】 かくして間葉幹細胞は供与者組織の移植に先立ち、あるいはそれと同時点で、
受容者のT細胞により移植片に対する免疫機構を縮小あるいは排除するために有
効量の間葉幹細胞を受容者に投与することにより、供与者あるいは外部組織に対
する受容者の免疫機構を緩和するのに使用できる。間葉幹細胞はT細胞応答が供
与者あるいは外部組織で提示された時に縮小あるいは排除されるように受容者の
T細胞に影響する。かくして移植片の宿主拒絶は避けられるし、あるいはその発
病度は縮小する。
【0028】 抗原刺激に既に露出され、すなわち活性化されたTリンパ球が間葉幹細胞に続
けて露出された時、T細胞が同種異系細胞による続いて行われた抗原刺激に対す
る免疫応答を産生しない、あるいは縮小された免疫応答を産生するということを
発明者は更に発見した。かくして間葉幹細胞はT細胞の低応答性の状態を誘導す
る。
【0029】 これらの予期しなかった結果は、活性化T細胞が既に活性化されたT細胞をヒ
ト間葉幹細胞に露出することにより更なる同種異系刺激に対し不応答性に作られ
たことを示している。間葉幹細胞はT細胞に対し自己由来あるいは同種異系であ
ることができる。
【0030】 従ってこの発明は、免疫応答を縮小あるいは抑制するのに有効量で患者に間葉
幹細胞を投与することにより、移植片に対する逆免疫応答を受けるそのような患
者を処置する方法を提供する。間葉幹細胞は組織供与者、移植片受容者あるいは
第三者から得られる。
【0031】 間葉幹細胞は更に活性化T細胞の排除を高めるために細胞死分子を高めるよう
に修飾される。例えば、細胞死分子は外部細胞死分子を発現するように操作され
た間葉幹細胞により発現される。
【0032】 も一つの見地において、この発明は受容者に対する供与者移植片(対宿主性移
植片)による免疫応答を縮小あるいは阻害もしくは排除する方法を提供する。従
ってこの発明は、移植に先立ち供与者器官あるいは組織を間葉幹細胞に接触させ
ることを提供する。間葉幹細胞は受容者に対する供与者移植片による逆応答を改
善し、阻害しあるいは縮小する。
【0033】 望ましい実施例において、移植に先立ち供与者移植片は供与者移植片内のT細
胞を活性化する同種異系(受容者)組織あるいは細胞で処置される。供与者移植
片は次いで移植の前に自己由来あるいは同種異系間葉幹細胞で処置される。間葉
幹細胞は続く抗原刺激に対しT細胞の再刺激を予防しあるいはその低応答性を誘
導する。
【0034】 供与者移植片を予備調整するために、間葉幹細胞は更に間葉幹細胞と接触した
活性化T細胞が排除されるように細胞死分子を発現するように修飾される。
【0035】 かくして骨髄(造血幹細胞)移植の関連において、移植片による宿主の攻撃を
縮小あるいは排除することができる。供与者骨髄は、骨髄あるいは末梢血幹細胞
の受容者への移植に先立ち受容者間葉幹細胞で前処置することができる。望まし
い実施例において、供与者骨髄はまず受容者組織、細胞に露出され、次いで間葉
幹細胞で処置される。そこで限定されるものではないが、受容者組織あるいは細
胞との最初の接触が骨髄のT細胞を活性化するように機能するものと考えられる
。続く間葉幹細胞での処置は骨髄におけるT細胞の更なる活性化を阻害あるいは
排除し、それにより供与者組織による逆影響を縮小あるいは排除し、すなわちこ
の療法は対宿主性移植片応答を縮小あるいは排除する。
【0036】 更なる実施例において、対宿主性移植片病に苦しむ移植片受容者は、宿主の移
植拒絶を縮小しあるいは排除するための有効量で、同種異系細胞が受容者あるい
は第三者の間葉幹細胞であり得る供与者に対し自己由来あるいは同種異系の受容
者間葉幹細胞を投与することによりその発病度を縮小しあるいは排除するように
処置される。間葉幹細胞は受容者に対する免疫応答を備え付けることから供与者
にある活性化T細胞を阻害しあるいは抑制し、これにより対宿主性移植片応答を
縮小しあるいは排除する。
【0037】 受容者の間葉幹細胞は移植に先立ち受容者から得られ、宿主に対する進行中の
移植片攻撃を処置するのに有効量で間葉幹細胞の予備を提供するために貯蔵され
およびもしくは培養拡張される。
【0038】 更にこの発明のも一つの方法において、供与者組織は間葉幹細胞が移植に先立
ち間葉幹細胞それ自身を器官移植片に組み込むように間葉幹細胞に露出される。
この状況において、移植へ拒絶を予防する標準的な処置、例えば薬剤仲介免疫抑
制を逃れたいずれかの同種異系反応性受容者細胞により引き起こされる移植片に
対する免疫応答は、移植片に存在する間葉幹細胞により抑制されるであろう。間
葉幹細胞は望ましくは受容者に対し同種異系にあり供与者間葉幹細胞あるいは供
与者もしくは受容者以外から得られる間葉幹細胞である。ある場合には、受容者
に自己由来である間葉幹細胞が移植に対する免疫反応を抑制するために使用され
る。
【0039】 この方法の更なる実施例において、間葉幹細胞は同種異系宿主T細胞がこれら
の間葉幹細胞との接触で排除されるような細胞死分子を発現するように操作され
る。
【0040】 最初の免疫応答を予防しあるいは改善することに加えて、局所部位に残存する
間葉幹細胞は更に将来起こり得るいずれかのT細胞応答も抑制するであろうと考
えられる。
【0041】 ここで使用されるように、「細胞死分子」はそのコグネイトレセプターをT細
胞死またはアポトーシスを誘導する刺激T細胞と相互作用しあるいはそれと結合
する分子である。Fasは再び刺激に露出された最近活性化されたT細胞のアポ
トーシスを媒介する(ファン・パリース他、免疫、4:321−328(199
6年))。Fasはそのコグネイトにより架橋された時リガンドが多様な細胞に
アポトーシスを誘導するタイプI膜レセプターである。標的細胞に対するFas
分子(CD95)および間葉幹細胞に対するそのリガンドFas Lの間の相互
作用はレセプター凝集に帰着し、それは標的細胞のアポトーシスに導くシグナル
を形質導入する。Fas機構は胸腺細胞の負の選択、体内での免疫優先部位の維
持、および細胞毒Tリンパ球(CTL)媒介細胞毒性を含む数多くの生体内細胞
機能を伴うものであることが示されてきた(グリーンおよびウエア、全米科学ア
カデミー紀要、94(12):5986−90(1997年))。
【0042】 腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)科の他のメンバーがプログラムされた細
胞死での役割を有する。レセプターDR4と相互作用するTRAILリガンドは
、各種の形質導入細胞系にアポトーシスを導入できる(G.パン他、サイエンス
、277:815−818(1997年)。またCD27の発現およびそのリガ
ンドCD70もアポトーシスを誘導する(プラサド他、全米科学アカデミー紀要
、94:6346−6351(1997年))。Fasの発現は刺激T細胞と免
疫優先部位に限定される。TRAILは多くの標準組織で検出される。
【0043】 Fasリガンドはそうではないが、TRAILリガンドとCD27は両方とも
操作されていないヒト間葉幹細胞で発現できる。休止T細胞ではない活性化T細
胞はTRAILレセプターとCD70を発現する。身体に見出される大抵のT細
胞は休止状態にある。T細胞はそれがMHCと、B7−1あるいはB7−2など
の適切な副刺激分子の情況で遭遇した時に活性化される。
【0044】 かくして細胞死レセプターの間葉幹細胞で発現された活性化T細胞とそのリガ
ンドへの係合はアポトーシスT細胞死に帰着する。前に特異的に記載されたもの
以外のリガンドとそのレセプターは間葉幹細胞内に存在するか間葉幹細胞に導入
されたものであるかを問わずこの機能を実行する。従って個体に投与された間葉
幹細胞は活性化T細胞を欠失させ、移植片拒絶病の発病度あるいは出現率を縮小
する。
【0045】 ここに記載されたこの発明の方法に基づいて、この発明の間葉幹細胞は供与者
組織拒絶あるいは対宿主性移植片病を処置する現在の方式と併用して使用するこ
とができるものと考えられる。このような使用の一つの利点は、移植片受容者に
おける免疫応答の発病度を改善することにより、処置で使用される薬剤量および
薬剤療法の投与頻度を縮小することができ、一般的な免疫抑制と望ましくない副
作用の軽減をもたらすことに帰着する。
【0046】 また更にこの発明の間葉幹細胞での単一処置のみが必要であるに過ぎず、慢性
的な免疫抑制薬剤療法の必要性が排除されることも考慮される。選択肢として、
間葉幹細胞の多重投与が採用される。
【0047】 従って、ここに記載された発明は、同じ種からの器官、組織あるいは細胞、も
しくは異種移植器官あるいは組織移植およびもしくは対宿主性移植片病の移植拒
絶の予防あるいは処置もしくは改善のための予防あるいは治療的に有効量で間葉
幹細胞を投与することにより移植片拒絶の予防あるいは処置を提供する。
【0048】 間葉幹細胞の単一用量投与はT細胞あるいは「非自己」組織に同種異系である
組織に対するT細胞を縮小あるいは排除するのに有効であり、とりわけTリンパ
球が間葉幹細胞から分離された後同種異系細胞に対しその非応答性格(耐性ある
いはエネルギー、エネルギー欠如)を保持する場合はそうである。
【0049】 間葉幹細胞の用量決定は広い範囲で変化し、当然のことながら各特定の場合で
ここの必要量に合致するものとなる。一般に非経口投与の場合には、患者の体重
のキログラム当り約0.01乃至5百万細胞を投与するのが通例である。使用さ
れる細胞数は患者の重量と状態、投与の回数と頻度、および従来の技術に習熟し
た人に既知の他の変数に依存する。間葉幹細胞は移植される組織、器官あるいは
細胞に適したルートで投与される。それは全身に、すなわち非経口で、静脈内注
射で投与でき、あるいは骨髄などのような特定の組織あるいは器官を標的とする
ことができる。ヒト間葉幹細胞は細胞の皮下移植を経由して、あるいは間葉幹細
胞の結合組織、例えば筋への注射によって投与することができる。
【0050】 細胞は約0.01乃至約5×106細胞/mlの濃度で適切な希釈剤に懸濁で きる。注射液の適切な賦形剤は緩衝生理食塩水あるいは他の賦形剤などで生物学
的にも生理学的にも細胞や受容者と両立できるものである。投与のための組成物
は適切な無菌性と安定性を満たす標準方法に従って、処方され、産生され、貯蔵
されねばならない。
【0051】 この発明はそれだけに留まらないけれども、間葉幹細胞はここに記載された方
法での使用に十分な数を得るために望ましくは骨髄から分離され、精製され、培
養で、すなわち試験管内で拡張される。骨で発見された形成性多能性芽細胞であ
る間葉幹細胞は通常非常に低い頻度で骨髄に(1:100,000)また他の間
葉組織に存在する。キャプランとヘインズワース、合衆国特許番号第5,486
,359号を参照されたい。間葉幹細胞の遺伝子形質導入はガーソン他、合衆国
特許番号第5,591,625号に開示されている。
【0052】 別に明言されていない限り、遺伝子操作はサムブルックとマニアティス分子ク
ローニング:ラボラトリーマニュアル、第2版、コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(
1989年)に記載された通り実施された。
【0053】 ここに記載された方法は、従来周知である数多くのやり方でまた各種の修飾お
よび変更を用いて実行される。細胞型の間の行為のモードあるいは相互作用に関
して設定された何れの理論もこの発明をいずれかのやり方に限定するよう解釈さ
れてはならず、この発明の方法がより完全に理解できるように提示されるべきで
あることも十分に意識されるべきである。
【0054】 以下の実施例は更にこの発明の見地を説明する。しかしそれはここに設定され
た教訓あるいは開示を限定するものでは決してない。
【0055】 (実施例1) 間葉幹細胞の同種異系反応性の欠如 混合リンパ球反応は供与者表面抗原の適合性を測定し、また供与者組織の尤度
の徴候である。移植拒絶を引き起こす原因となる細胞表面抗原はクラスIおよび
クラスII MHC抗原である。T細胞は外部MHC抗原である。クラスIとクラ
スII MHC分子は混合リンパ球反応を刺激する。
【0056】 正常ヒトボランティアがCOBE SPECTRA血漿交換システム(COB
E、レイクウッド、コロラド)で白血球交換された。個体A(TA)からの1× 105T細胞が、個体Bからのマイトマイシン処置同種異系PBMCS(mPBM
B)(T細胞へのPBMCSの増殖を防ぐため)と7日間平底マイクロタイタウ
エルで培養された。mPBMCBSは20Kと100Kで播種された。培養物はT
細胞増殖を測定するために培養の最後の18時間3Hチミジンでパルス標識され た。図1で示された結果は細胞がPBMCBを外部のものであると認識したこと を示している(「TA+mPBMCB」の下側の棒グラフを参照)。PBMCBが より多く存在すれば、T細胞はより増殖した。
【0057】 PBMCSと同じ供与者からの2×104ヒト間葉幹細胞(hMSCS)が個体 A(TA)からの1×105T細胞と共存保温された。細胞は全部で7日間平底マ
イクロタイタウエルで培養された。培養物はT細胞増殖を測定するために、培養
期間の最後の18時間3H4チミジンでパルス標識された。T細胞との共存培養 の2日前、ヒト間葉幹細胞は前に与えられた数(密集)でマイクロタイタ植える
に播種され、MSCSで表面抗原発現を刺激するためにIFN−γ(50単位/ ml)で処置された。非形質導入hMSCSあるいはヒトB7−1あるいはヒト B7−2同時刺激分子で形質導入されたhMSCSがT細胞と共に保温された。 対照細胞はNeoで形質導入された。
【0058】 図1で示された結果(図1「TA+形質導入hMSCS」参照)は、Tリンパ球
がヒト間葉幹細胞に非応答性であった(増殖しなかった)、すなわちそれは外部
のものであると認識されなかったことを示している。
【0059】 結果はまた、間葉幹細胞に対する応答の欠如が個体間の遺伝的適合性に起因す
るものではなく、何故ならT細胞はhMSC供与者からの末梢血単核細胞(PB
MCB)を外部のものであると認識したからであることを示している。
【0060】 (実施例2) 混合リンパ球反応の抑制 間葉幹細胞が同種異系応答を活発に抑制したかどうかを決定するために、混合
リンパ球反応(MLR)が2個の異なった供与者から得られた付着性間葉幹細胞
ありもしくは無しで組織培養平板に設定された。1個の供与者はMLRの刺激細
胞と適合し、他の供与者は刺激細胞あるいは応答細胞のいずれにも無関係であっ
た。
【0061】 個体Aからの105PBMCS(PBMCA)は標的個体BのPBMCS(PBM
B)と混合された。PBMCBはPBMCASによる活性化に起因する増殖を防ぐ
ために3000ラドX線照射で照射された。かくしてPBMCASのみが増殖する
ことになる。PBMCASとPBMCBSが混合された時、混合リンパ球反応が生じ
、ここでPBMCA細胞(応答細胞)はPBMCBS(刺激細胞)上で表面抗原に より活性化された。培養物は7日の間隔で保温され、最後の18時間に3Hチミ ジンでパルス標識された。PBMCBSの存在下で、PBMCASは増殖し40,0
00の数に達した。図2、第1棒グラフ参照(「無し」は間葉幹細胞が存在しな
いことを引用する)。
【0062】 しかしPBMCASとPBMCBSが間葉幹細胞の存在の下で混合された時、混合
リンパ球反応は抑制された。105PBMCASは105PBMCBSとヒト間葉幹細
胞の付着性単層で被覆されたマイクロタイタウエルで混合された。間葉幹細胞は
7500乃至22,500間葉幹細胞/ウエルの範囲の量でウエルに平板培養さ
れた。2個の間葉幹細胞集団が試験された。1個のヒト間葉幹細胞は個体Bから
得られ、他のヒト間葉幹細胞は個体AからあるいはBのMHCタイプ(第三者)
のいずれにも適合しない個体が得られた。培養物は7日の間隔にわたり保温され
、最後の18時間3Hチミジンでパルス標識された。ヒト間葉幹細胞の存在下で 、MLRは抑制された。図2を参照されたい。かくしてMHC起源の間葉幹細胞
であるにも拘らず、間葉幹細胞は混合リンパ球反応を抑制した。
【0063】 図2で示された結果は、ヒト間葉幹細胞が用量依存様式で混合リンパ球反応を
減少させたことを示している。いずれの供与体からの間葉幹細胞も同じように十
分に増殖を抑制したが、それはMHCタイプに関連する抑制は何らの特異性もな
かったことを示していた。これらの結果は細胞が一緒に培養された時には間葉幹
細胞は混合リンパ球反応を活発に抑制したことを示すものである。
【0064】 (実施例3) 二次混合リンパ球反応における不応答性 これらの実験はMSCSによる予備活性化T細胞の抑制が二次刺激の間特異的 な無応答性に帰着するかどうかを決定するために行われた。
【0065】 供与者248(d248)からのT細胞が供与者273(d273)からの同
種異系PBMCSで7日間特発され、次いで更に3日単独であるいは同じ供与者 (d273)からのIFN−γ処置MSCSの存在下で培養された。細胞は次い で同じ供与者(d273)自己由来(d248)あるいは「第三者」(d244
)PBMCSで再刺激された。
【0066】 リンパ球調製 末梢血単核細胞(PBMC)がフィコール−パーク密度勾配遠心(ファルマシ
ア)により調製された。細胞のアリコートは10%DMSO、90%のFCBで
凍結され、液体窒素で貯蔵された。解凍の後、細胞は2度MSC培地(低グルコ
ースDMEMと10%FCS)で洗浄され、検定培地で再懸濁された(ISCO
VEに25mMヘペス、1mMピルビン酸ナトリウム、100μM可欠アミノ酸
、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、0.25
μg/mlアンホテリシンB、5.5×10-5M2−メルカプトエタノール(す
べてジブコBLRからの試薬)および5%ヒトAB血清(シグマ、MLR試験用
)。
【0067】 T細胞富化画分を調製するために、PBMCSは免疫磁性負選択により単球と B細胞を激減させた。PBMCSはマウス抗ヒトCD19とCD14mAbs( アジ化物なし/低エンドトキシン(NA/LE)フォーマット)、次いでビオチ
ン接合山羊抗マウスIgG(多重吸着)Ab(すべてファーミンゲンの試薬)お
よびストレプトアビジンマイクロビード(ミルテニィ・バイオテック)で保温さ
れた。細胞は次いで磁気細胞ソータ(MACS、ミルテニィ・バイオテック)を
使って分離された。T細胞富化画分は約70−90%CD3細胞を含んでいた。
【0068】 MSC培養 ヒトMSCSは合衆国特許番号第5,486,359号に記載のように骨髄か ら分離され、MSC培地で培養を維持され、継代3乃至6で使用された。細胞は
0.05%トリプシン/EDTA溶液を用いて取り出され、1回MSC培地で洗
浄され、10cm組織培養皿の1×106/平板であった70−80%密集密度 で平板培養された。平板培養日後、500U/mlでIFN−γ(ベーリンガー
・マンハイム)が加えられ、追加で3日保温された。T細胞を移す前に、MSC
平板は4回HBSSで1回ISCOVESで洗浄され、検定培地が10cm組織
培養皿に10ml/ウエルで加えられた。
【0069】 一次(10)MLR T細胞(d248)は照射PBMCS(d273)で照射された。刺激に使用 されたPBMCSはキャビネットX線システム(ファクシトロン、X線、バッフ ァロー、グローブ、イリノイ)を使用して3,000ラドでX線照射された。一
次刺激のため、2×107応答細胞が10cm組織培養皿で20mls検定培地 で2×107刺激物質と混合された。細胞は37℃、5%炭酸ガス雰囲気で7日 保温された。
【0070】 活性化T細胞/MSC培養物 10MLRで活性化されたT細胞は採取され、1日MSC培地で洗浄され、1 06/ml、10mlの検定培地で再懸濁され、自己由来あるいは同種異系MS CSもしくは培地のみを含む10cm組織培養皿に加えられ、更に3日保温され た。
【0071】 再刺激検定 MSCSで培養されたT細胞が採取され、1度MSC培地で洗浄され、もとの 供与者、無関係の供与者あるいは自己由来PBMCSからの照射PBMCSで再刺
激された。検定に対して、5×104特発応答細胞と5×104照射刺激物質が9
6ウエル平板で保温された。検定は三つ組みで行われた。培養物は1μCiの〔 3 H〕チミジン(エイマシャム)で採取の前8時間パルス標識された。培養物は ハーベスター96(トムテック)を用いて採取され濾過物はマイクロベータ・ト
リラックス液体シンチレーション・ルミネセンスカウンター(E、G、2Gウォ
ーラック)を用いて分析された。データは3個の複製の平均値cpm±標準偏差
で提示される。
【0072】 単独で培養されたT細胞(正の対照)は「同一供与者」再刺激に対し2日でピ
ークの加速応答を示した。「第三者」応答もまた「同一供与者」と事実上同じ連
動性で加速されたが、最大値が少し低く開始も少し遅れた(図3)。続いて同種
異系MSCSで培養されたT細胞は6日の培養期間に「同一供与者」あるいは「 第三者」PBMCのいずれに対しても応答を示さなかった(図4)。
【0073】 (実施例4) 二次混合リンパ球反応での不応答性 供与者413からのT細胞は供与者273からの照射PBMCSで7日間刺激 された(それぞれ1.5×106、バルク20ml培養)。異なった供与者41 3、418および273からのMSCSはIFN−γで3日前処理され予備活性 化T細胞と混合される前に洗浄され、10cm組織培養皿で1×106/皿で平 板培養された。
【0074】 MLRで7日間予備活性化されT細胞は単独であるいはMSCSと共に追加の 3日間保温された(1.0×106/ml、T細胞、10ml/皿)。MSCS
共に3日保温した後、T細胞は採取され、自己由来(d413)PBMCの存在
あるいは不在の下で照射PBMC273(もとの供与者)、413(自己由来)
、PBMC10(第三者)、あるいはPHA(5μg/ml)で再刺激された。
細胞は5×104/ウエルで加えられ、培養物は追加の18時間の指示された時 間点で〔3H〕チミジンでパルス標識された。
【0075】 この結果は自己由来(d413)(図6C)、同じ供与者(d273)(図5
B)および第三者(d418)(図6D)の各MSCSがT細胞の抗原刺激に無 応答性を誘導したことを示している。MSC処置のない対照培養(図5A)は同
種異系PBMCSに露出した際の細胞の再刺激を示した。
【0076】 (実施例5) イヌMSCSによる一次MLRの抑制 イヌPBMCSはフィコール−パーク勾配(1.077)での遠心で末梢血か ら精製された。刺激細胞PBMCSは2200ラドX線で照射された(7分70 kV)。105照射刺激細胞は予備平板培養イヌMSC(E647、2×104 /ウエル)の存在もしくは不在の下で96ウエル平板で105応答細胞PBMCS と一緒に混合された。培養物は6日間保温され追加の16時間に〔3H〕TdR (5Ci/mmol、1μCi/ウエル)でパルス標識された。結果は図6A−
6Dに示される。E647とE645は一腹子であった(DLA同一)。この結
果は自己由来同じく同種異系MSCが一次MLRを抑制したことを示した。
【0077】 (実施例6) 非付着性MSCSによる一次MLRの抑制 d273(2×105ウエル)からのT細胞はd244(2×105/ウエル)
からの照射PBMCSと異なった数のMSCSで混合された。dD244あるいは
d273からのMSCSはIFN―γ(3日間で900U/ml)で前処理され るか未処理のまま残され、実験の日にトリプシン消化され、T細胞とPBMCS と同じ時点で加えられた。培養物は7日間保温され、〔3H〕TdR(5Ci/ mmol、1μCi/ウエル)が追加の16−18時間に加えられた。結果は図
9に示され、非付着性MSCSも一次MLRを抑制したことを示している。
【0078】 (実施例7) 同種異系MSCSは皮膚同種移植生存を支援する 研究集団 若いヒヒ(パピオ・アヌビス)が研究された。雄と妊娠していない雌のヒヒが
7−20kgの体重測定され3−16歳の年齢であった。彼等は乳頭腫ウイルス
結核をスクリーンされ、サイトメガロウイルス(CMV)を滴定され、糞便浮遊
とスミア(塗抹標本)を含むシミアンウイルスの検査よりなる霊長類ウイルスス
クリーンで試験された。供与者と受容者の対はPCR型決めを通じて主要組織適
合複合体(MHC)不同により決定された。研究期間中はヒヒは付き添い動物の
横の個別の区域に収容された。
【0079】 MSC分離と培養拡張のための供与者骨髄の採取 MSCSの分離と培養拡張のために針による骨髄吸引液が腸骨稜から得られた 。骨髄吸引液は4連続週にわたり週1回交互の側から得られた。吸引液の量は動
物の血液量の推定10%で決定された。血液量(リットル)は体重の7%である
と推定された。従って10kgのヒヒは0.7リットルの推定血液量であった。
血液量の10%の吸引液は従って70ミリリットルであった。
【0080】 処置の前に、手術時抗菌予防のために500mgのセファゾリンが筋肉内(I
M)投与された。ヒヒは10mg/kgIMのケタミンと1mg/kgIMのキ
シラジンの手順で鎮静化され麻酔された。針挿入部位はポピドンヨードでごしご
しこすられその後アルコール洗浄された。吸引液は16ゲージ、2インチ骨髄針
を使って腸骨稜から得られた。注射器が針に取りつけられ、骨髄を移動するため
吸引が適用された。手術後の痛みのために、鎮痛薬ブプレノルフィンが0.03
mg/kgIM Q12×2用量で与えられた。
【0081】 供与者骨髄吸引液の出荷 骨髄吸引液は注射器からヘパリンナトリウムを含む無菌バキュテーナー(登録
商標)に移された。チューブはスタイロフォーム(商標)コンテナーに置かれ、
室温(RT)で翌日配達便で細胞処理設備に出荷された。
【0082】 MSCの分離と培養定着 骨髄の5乃至10mlアリコートが50mlにダルベッコ食塩加リン酸緩衝液
(DPBS)でポリプロピレン培養チューブに希釈された。細胞懸濁液は220
0RPMで10分室温(RT)で遠心分離された。全有核細胞数は4%酢酸で測
定された。細胞は次いでDPBSで20×106細胞の最終濃度に希釈された。 10mlすなわち200×106細胞は50mlの円錐チューブで20mlのパ ーコル(比重1.073gm/ml)に負荷され、1300RPMで20分間遠
心分離を受けた。単核細胞を含む細胞界面はDPBSで洗浄され、完全培地で再
懸濁され、回収をまって計数された。パーコル界面で得られた洗浄単核細胞は次
いで30mlの完全培地と15−20×106細胞/フラスコ(MSC/cm2
を含むT−185フラスコに定着され(8.1×1024、MSC/cm2)、5 %炭酸ガスで37℃恒温器に置かれた。
【0083】 MSCの採取 三つ組みフラスコの培地は傾瀉され、フラスコは50mlDPBSで洗浄され
た。DPBSの傾瀉の後、0.05%トリプシン23mlが3個の各フラスコに
加えられた。フラスコは37℃恒温器に3分置かれた。細胞剥離の後、23ml
の完全培地が各フラスコに加えられた。細胞懸濁液は50ml円錐チューブに移
され、フラスコは30mlHBSSで洗浄された。チューブは室温で5分220
0RPMで遠心分離された。
【0084】 処方/包装 採取されたMSCSは、約10×106細胞/mlで、85%プラズマ−ライト
A(バクスターIVセラピー)、10%DMSO、5%MSC供与者血清よりな
る抗凍結液で処方され、15−20mlを含むバッグで冷凍保存された。
【0085】 ラベル表示/貯蔵/発送 細胞は1分当り1−2℃乃至90℃で比率制御フリーザー(クリオメド、フォ
ルマ・サイエンティフィック)を用いて冷凍保存された。標本は次いで気相で液
体窒素貯蔵フリーザーに移された(−120乃至−150℃)。
【0086】 用量 20×106細胞/kgのMSC用量を達成するために、最終産物は注入日に 必要とされる用量の115%で調製された。
【0087】 皮膚の採取 手術の前に、ヒヒは手術時抗菌予防薬としてセファリゾンを500mgIMで
与えられた。ヒヒは10mg/kgIMのケタミンで鎮静化され、静脈内チオペ
ンタール誘導、1−2%イソフルラン吸入麻酔剤によって麻酔された。皮膚は腹
前壁から採取され、予めラベル表示された湿潤食塩水ガーゼパッドに置かれた。
創傷欠損部は閉じられた。麻酔からさめた後、ヒヒはコロニーに戻された。術後
疼痛に対しては鎮痛薬ブプレノルフィンがQ12×2用量とアンセフ(Ance
f)を毎日2日間投与された。
【0088】 受容者皮膚移植とMSC注入 手術の前に、ヒヒは手術時抗菌予防薬としてセファリゾンを500mgIMで
与えられた。ヒヒは10mg/kgIMのケタミンで鎮静化され、静脈内チオペ
ンタール誘導、1−2%イソフルラン吸入麻酔剤によって麻酔された。皮膚は腹
前壁から採取され、予めラベル表示された湿潤食塩水ガーゼパッドに置かれた。
この皮膚は2個の移植片に分割された。この一つはもう一匹の受容者ヒヒの第三
者対照として使用され、も一つはこの同一動物の自己由来対照として使用された
。動物は次いで腹臥位に置かれた。皮膚の3個の3×2cmの切片は、背部から
脊椎に沿って肩甲骨の間に移動された。前に採取されたMSCS供与体、第三者 供与体および自己からの皮膚移植片は脱脂され、創出された皮膚欠損部に適合す
るため形を整えられ、適所に縫合された。
【0089】 移植の後、ヒヒは20×106供与者MSC/kgの用量でMSCの静脈内注 入を受けた。末梢血標本はMSC注入前、注入1時間、MSC注入後1−3日後
に得られた。骨髄吸引液はMSC後、0日、3日、14日、および30日に得ら
れた。
【0090】 手術後疼痛に対しては、鎮痛薬ブプレノルフィンがQ12×2用量でアンセフ
と共に毎日2日間投与された。動物は毎日観察され、移植片は移植後7日に開始
され1日おきに写真を撮られた。
【0091】 物理試験と診断検査 それぞれのヒヒは試験のためにケタミン10mg/kgIMで鎮静化された。
鎮静化の間に2−3mlの骨髄が針吸引で腸骨稜から得られヘパリンナトリウム
で4日、13日、および研究の最後の30日に採取された。皮膚生検は骨髄を得
たのと同じ日に採取された。
【0092】 結果 皮膚同種異系移植片生存に関するMSC注入の効果 未処置対照動物(N=2)は平均皮膚同種異系移植片の生存時間が8±0日で
あった。無関係MSC供与者MSCSの供与者(N=2)への注入は皮膚移植片 生存時間を平均生存日11.5±0.71日とした(マン−ホイットニーU試験
、P<0.05)。無関係第三者供与者MSCの供与者同種異系移植片(N=4
)は皮膚移植片の生存時間を大きく延ばし、平均12.3±0.96日とした(
マン−ホイットニーU試験、P<0.003)。
【0093】 受容者6140と6200はMSC供与者6243から、お互いから(第三者
移植片)、および彼等自身から(自己由来)同種(異系)移植片を受けた。MS
C供与者6243からの皮膚移植片採取の24時間前に、6243からのMSC
は移植のためにスケッチされた腹部前壁の下側に注射された。移植後受容者は2
0×106MSC/kg(6243)の静脈内注入を投与された。第三者同種異 系移植片は両方とも13日に拒絶された。MSC供与者(6243)同種異系移
植片は4日に出血していることが発見され、発見は通常技術的失敗に帰属してい
た。病理学試験では、ケラチンが真皮の下にトラックライン状に徐々に注入され
たことが認められた。これらのトラックの性質は、それが皮下MSC注射の時に
針で形成されたことを示唆している。これらの細胞の存在は途方もなく大きい炎
症応答を引き出した。この炎症応答は皮膚移植片が付着したり適切に「取り出す
」能力を妨げ、またこれらの移植片は7日までに完全に壊死した。自己由来移植
片は拒絶されなかった。
【0094】 受容者6654と6659はMSC供与者6593から、お互いから(第三者
移植片)、および彼等自身から(自己由来)同種異系移植片を受けた。移植後、
受容者は20×106MSC/kgの静脈内注入を投与された。MSC供与者同 種異系移植片は11日と12日に拒絶され、また第三者同種異系移植片は11日
と12日に拒絶された。自己由来移植片は拒絶されなかった。
【0095】 同様に受容者6663と6658はMSC供与者6656から、お互いから(
第三者移植片)また彼等自身から(自己由来)同種異系移植片を受けた。移植後
受容者は20×106MSC/kgの静脈内注入を投与された。MSC同種異系 移植片は11日と12日に拒絶され、第三者供与者同種異系移植片は10日と1
2日に拒絶された。自己由来移植片は拒絶されなかった。
【0096】 研究の対照部門である受容者6532と6720は注入あるいは注射によりM
SCの投与なしで自己由来および同種異系移植片を受けた。この同種異系移植片
は8日に拒絶された。自己由来移植片は拒絶されなかった。
【0097】 同種異系MSC注入と関連する識別できる毒性は存在しなかったし、また続く
30日のフォローアップ期間に逆臨床後遺症もなかった。血液標本はMSC投与
前、移植後およびMSC注入の1時間、2時間、1日、2日、および3日に得ら
れた。骨髄吸引液は移植後およびMSC注入後4日と13日に得られた。
【0098】 これらの結果は、同種異系ヒヒMSCSの単一注入が同種異系皮膚移植の拒絶 を遅らすことができることを示している。他の免疫抑制治療薬は投与されなかっ
た。同種異系あるいは第三者MSCSの一用量は拒絶までの時間を50%増加し た(このモデルでの標準拒絶時間は8日であった)。(グッドマン他、Am S
urg62(6):435−442(1996)を参照のこと)。
【0099】 (実施例8) この研究の目的は比較的高い容量のイヌ白血球抗原(DLA)同一一腹子間葉
幹細胞(hMSC)を10×106細胞/kgの同種異系骨髄移植設定で注入さ れたイヌでの実行可能性と安全性を示すためであった。第二の目的は供与者ne
o−とGFP−標識cMSCの移植後50日と100日での分布と機能を試験す
ることにあった。
【0100】 材料と方法 実験動物 ビーグル犬がこの研究に使用された。雄2匹雌2匹のDLA同一一腹子がこの
研究で使用され、年齢は0日に7ヶ月あるいは9ヶ月であった。使用された類別
方法は主要組織適合遺伝子複合体のイヌ等価物であるイヌ白血球抗原(DLA)
にあるクラスII DRB区域の遺伝形質に従う高度に多形性の微小付随体マーカ
ーの使用を伴う。微小付随体は小さなジヌクレオチド、トリヌクレオチドあるい
はテトラヌクレオチド反復であり、これはそれらのものが多世代交差を通じて染
色体分節の遺伝形質に従うために使用される対立遺伝子で十分な長さの変化を示
している。対立遺伝子の分離は各反復をとり囲むDNAのユニーク配列から誘導
されるプライマーで単一ステップポリメラーゼ連鎖反応を用いて典型的にモニタ
ーされる。加えて混合白血球反応はPCR微小付随体マーカー検定結果の確認を
提供するための研究に選ばれたDLA同一一腹子で行われた。
【0101】 研究の設計 イヌが同じDLA同一一腹子供与者からのcMSCと骨髄の移植を受けた。骨
髄移植片は全身照射(TBI)に先立ち0日に2匹のDLA同一一腹子のそれぞ
れから採取され交換された。骨髄切除はイヌを0日に920センチグレー(cG
y)の単一TBI用量に露出して誘導された(7cGy(9.3R)/分の速度
で送達される2個の対向する60Co源からの正中線空気露出)。移植に先立ち4
週あるいはそれ以上前に供与者骨髄吸引液から分離された培養拡張cMSCは、
グリーン蛍光タンパク質(GFP)とネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(
neo)の遺伝子を含むパップ@0T−24で形質導入された。cMSCは継代
1(P1)あるいは継代2(P2)の後冷凍保存された。TBIに続き、cMS
Cは解凍され15分間にわたりポータブル注入ポンプを介して静脈内に送達され
た。cMSC注入の1乃至2時間後以内に、骨髄移植片は1×108全有核細胞 (TNC)/kgと同じもしくはそれ以上の用量で静脈内に注入された。
【0102】 シクロスポリンが対宿主性移植片病(GVHD)予防のために0日乃至5日に
10mg/kgBID(20mg/kg/日)の用量で4匹すべてに静脈投与さ
れた(サンディミューン(登録商標)インジェクション・ソリュージョン、サン
ドス・ファーマシューティカルス・コーポレイション)。グループI.1.aに
は6日乃至50日(研究終了日)まで、あるいはグループI.1.bには6日乃
至100日までシクロスポリンが10mg/kgBID PO(20mg/Kg
/日)で投与された(ネオラール(登録商標)ソフトゼラチンカプセル、サンド
ス・ファーマシューティカルス・コーポレイション)。受容者に対する経口抗生
物質での通常の支持ケアは5日までに始まり、全身用抗生物質は0日に開始され
移植が達成されるまで続けられた。液体サポートは必要に応じて与えられた。血
小板移入は回復の間4匹のイヌのいずれにも必要でなかった。もしも血小板数が
絶えず10,000/mm3以下に低下し、あるいは処置スタッフが出血の徴候 を観察した場合には、全血の移入が投与されるという標準イヌ手順が必要となる
。血小板移入は必要とあれば任意の供与者からの50ml全照射(2000cG
y)血液として投与されねばならない。移植は500絶対好中球細胞mm3以上 、1,000/mm3以上、また血小板10,000/mm3以上、50,000
/mm3以上、および100,000/mm3以上の3回の連続測定の最初の時点
で確立された。
【0103】 造血回復をフォローするために、全血球算定(CBCS)が100日研究グル ープで0日乃至50日まで、またそれ以後は2週毎に得られた。血清化学分析は
0日、2日およびその後は週毎に行われた。末梢血標本はMSC注入前の0日、
DNA分離のための5分と15分、1時間と2時間、および1日、2日、3日お
よび4日の時点で行われた。DNAは産物に組み込まれたジゴキシゲニンでの抗
EGFP DNA PCRエリザ、および第2段階抗ジゴキシゲニン比色分析に
よりGFP標識細胞の存在を評価された。骨髄吸引液は血小板数が絶えず50,
000/mm3以上に達し同じPCR法を用いてGFP標識細胞の存在が検査さ れた時に得られた。cMSC培養物はコロニー形成単位(CFU)を検査し更に
抗EGFP PCR分析のためのcMSCを培養して確立された。剖検に際して
末梢血、骨髄吸引液および骨髄生検が抗EGPF PCR分析のために得られた
。CFU検定は骨髄吸引液で行われ、抗EGFP PCR分析は培養拡張cMS
Cで行われた。組織分析は各種組織でGFPの存在を確かめるため行われた。
【0104】 cMSC分離、培養拡張、形質導入と冷凍保存 両側性骨髄吸引液がイヌCAN07−01とCAN07−02では4週までに
、CAN07−03とCAN07−04では9週までにcMSC分離と培養確立
のために得られた。15mlの骨髄(各上腕骨から7ml)がそれぞれのイヌか
ら得られた。イヌはブトルファノールの注射に続くジアゼパムと塩酸ケタミンの
混合物の注射により麻酔された(アベコ・カンパニー、インコーポレイテッド、
フォートドッジ、アイオワ)。針挿入の部位はポビドンヨードでごしごしこすら
れ、その後アルコールで洗浄された。吸引液が16ゲージ、2インチ骨髄針を用
いて各イヌの各上腕骨顆から得られた。注射器は針に装着され、また各上腕骨か
ら8mlの骨髄を取るために吸入装置が適用された。骨髄吸引液は無菌技術を使
って15mlポリプロピレン円錐チューブに移された。手順に従って、イヌは次
いで回復のため加温パッド上に置かれた。
【0105】 骨髄の5乃至10mlアリコートがポリプロピレン培養チューブ内でダルベッ
コ食塩加リン酸緩衝液(DPBS)で50mlに希釈された。細胞懸濁液は22
00RPM、10分室温(RT)で遠心分離された。全有核細胞数は4%酢酸で
決定された。細胞は次いで最終濃度20×106細胞/mlになるようにDPB Sで希釈された。10mlあるいは200×106細胞は50ml円錐チューブ 内で20mlのパーコル(比重1.073gm/ml)に負荷され1300RP
Mで20分遠心分離された。単核細胞を含む細胞界面はDPBSで洗浄され、完
全培地で再懸濁され、回復割合を得るために計数された。細胞は次いで完全培地
で希釈され、培養物は下記の通り確立され、37℃恒温器に5%炭酸ガスで置か
れた。
【0106】 バイシストロンMuLVレトロウイルスベクター グリーン蛍光タンパク質(EGFP)レトロウイルスはEGFP−1遺伝子を
刺胞動物オワンクラゲから分離することで構築された(クロンテック、カリフォ
ルニア)。EGFP遺伝子はレトロウイルスベクターpJM573−neoにク
ローンされた(生成プラスミドはpOT−24と名付けられた)。プラスミドp
JM573−neoは下記の修飾を行ってpN2から誘導された(ケラー他、1
985、ネイチャー、318:149)。マウスレトロウイルスgag開始部位
は組み立て(インフレーム)停止コドンに置換された。5′LTRと3′LTR
は同じカセットに構築された。ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(
neo)と内部リボソームエントリー部位(IRES)はpN2に挿入された。
EGFP pOT−24プラスミドの概略図は図10で示される。
【0107】 組換えレトロウイルスの調製 pOT−24は製造業者が示唆しているようにDOTAPを用いてGP&E8
6エコトロピック生産者細胞に形質移入された(ベーリンガー・マンハイム)。
形質移入細胞はDMEM高グルコース(HG)培地に10%熱不活性化FBS,
ペニシリン−ストレプトマイシン(ライフ・テクノロジーズ)、および選択マー
カーとしての硫酸プロタミン−G418(シグマ)0.5mg/ml補充したも
ので成長した。培養物は70%密集になるまで維持され、その時点で培地は新鮮
レトロウイルス培地(G418無し)に取り替えられ細胞は32℃で2日維持さ
れた。レトロウイルスを含む培養培地は収集され、0.45mmフィルターで濾
過され−70℃で貯蔵された。両種性レトロウイルスは遠心分離形質導入手順を
用いてPA317細胞を2度エコトロピックウイルスで形質導入し、次いでG4
18(0.5mg/ml)での選択で調製された。レトロウイルス上澄みは収集
された。3T3細胞上にプールされたEGFPレトロウイルスの滴定量は1.2
×106CFU/mlであった。GFPレトロウイルス上澄みは−70℃で冷凍 保存された。
【0108】 CAN−07−01とCAN−07−02 パーコル界面で得られた洗浄単核細胞は30mlの完全培地と10×106細 胞/フラスコを含む10個のT−185フラスコに確立された。
【0109】 培養の2日、6日、9日にフラスコの培地は完全に新鮮完全培地に取り替えら
れた。一次培養の12日に写真が撮られ、細胞は継代0(P0)から継代1(P
1)まで取り出された。培地は吸引され、フラスコは2回8mlDPBSで洗浄
された。8mlのトリプシンが加えられ、フラスコは37℃恒温器で3分置かれ
た。細胞が引き上げられた時、反応は8mlの完全培地の追加で停止した。細胞
は50ml円錐チューブに移されプールされた。フラスコはDPBSで洗浄され
プールされた細胞は室温で2000RPM、5分遠心分離された。上澄みが除去
され細胞ペレットは完全培地に再懸濁された。細胞はプールされ、計数され生産
能力が試験された。細胞は18mlの完全培地とフラスコ当り0.4×106細 胞を含む15個のT80フラスコで平板培養された。
【0110】 培養の15日に、最初の形質導入が18個のフラスコの15個で行われた。レ
トロウイルスの上澄みのアリコートは解凍され、形質導入カクテルを作るために
ポリブレンが最終濃度の8μl/mlに加えられた。培養培地は10mlの形質
導入カクテルで取り替えられ、フラスコは3000RPMで1時間32℃で遠心
分離された。遠心分離の後、熱不活性化胎仔ウシ血清(FBS)を用いて調製さ
れた10mlの完全培地が各フラスコに(形質導入カクテルと共に)加えられフ
ラスコは恒温器に戻された。3個のフラスコは形質導入されず、新鮮培地は取り
替えられた。培養の16日に、培地は新鮮完全培地で取り替えられた。培養の1
7日に形質導入手順が反復された。
【0111】 培養の18日に、細胞は前に記載の通り採取されP1乃至P2から取り出され
た。3×106細胞が100mlの完全培地に加えられ、三つ組みフラスコ(5 00cm2)に注がれた。15個の三つ組みフラスコが形質導入細胞で準備され 、別に3個が未形質導入細胞に準備された。残存細胞はいずれも冷凍保存された
。10%DMSOと90%FBSを含む凍結液が準備された。10×106細胞 で1mlの凍結液に再懸濁された。小びんはラベル表示されナルジーンクリオコ
ンテナーで少なくとも4時間−70℃で冷凍保存され、−70℃で貯蔵された。
【0112】 P2培養の22日に、細胞の分布と形態を記録するために写真が撮られ、P2
細胞は採取され、下記に記載の通り冷凍保存された。
【0113】 CAN−07−03とCAN−07−04 パーコル界面で得られた洗浄単核細胞は20mlの完全培地と12×106細 胞/フラスコを含む15個のT−75フラスコに固定された。
【0114】 培養の2日に、フラスコと皿にある培地は新鮮培地で完全に取り替えられた。
cMSCの一次培養の6日に、最初の形質導入が前に記載の通り行われた。3個
のフラスコは形質導入されず、新鮮培地が6日に取り替えられた。培養の7日に
培地は新鮮培地で取り替えられた。
【0115】 培養の8日に形質導入手順が反復された。培養の9日に写真が撮られ、細胞は
前に記載の通りP0からP1に継代した。3×106細胞が100mlの完全培 地に加えられ、三つ組みフラスコに注がれた。15個の三つ組みフラスコが形質
導入細胞のために準備され、3個のフラスコは未形質導入細胞のため準備された
【0116】 15mlの骨髄吸引液は供与者CAN−07−01,CAN−07−02,C
AN−07−03とCAN−07−04に対しそれぞれ910×106,121 2×106,856×106および1948×106有核細胞を産出した。パーコ ル界面から得られた単核細胞数は612×106,666×106,588×10 6 および462×106であり、それぞれ67.2,55,68.7および23.
7%の回復に帰着した。P1に対し細胞生存率の平均値は97.1%(93.3
乃至100%の範囲)であった。供与者CAN−07−01とCAN−07−0
2にとってのP2、および供与者CAN−07−03とCAN−07−04にと
ってのP1細胞として、形質導入細胞の細胞生存能力は平均値96.7%(96
.3乃至97.7%の範囲)であった。未形質導入細胞は95.4%(93.3
乃至96.9%の範囲)生存可能であった。cMSCの冷凍保存のための採取に
際して、形質導入細胞の生存能力は平均値99.4%(97.4乃至100%の
範囲)であり、未形質導入細胞は99.4%(97.6乃至100%の範囲)で
生存可能であった(図4)。
【0117】 継代2の4日後に採取されフラスコ当り3×106で平板培養された供与者 CAN−07−01とCAN−07−02に対するフラスコ当り形質導入cMS
C産出量は5.9×106と6.7×106であり、またフラスコ当り未形質導入
cMSC産出量は8.4×106と7.5×106であった。継代1の4日後(異
なった形質導入と継代設計)に採取されフラスコ当り3×106で平板培養され た供与者CAN−07−03とCAN−07−04に対するフラスコ当り形質導
入cMSC産出量は20.0×106と14.0×106であり、またフラスコ当
り未形質導入cMSC産出量は25.3×106と18.0×106であった。
【0118】 P0培養からのcMSCについてのCFU検定 CFUコロニー検定は0.5×106細胞を三つ組みで10ml完全培地を含 む100mm皿に平板培養することで一次培養固定の時点で準備された。皿は3
7℃、5%炭酸ガスで保温された。培地は新鮮培地で2日乃至4日毎に取り替え
られた。培養の10日に、CFU検定皿はHBSSで2回洗浄され、1%グルタ
ルアルデヒドで15分固定され、HBSSで2回洗浄され、空気乾燥された。皿
のcMSCは次いで0.1%クリスタルバイオレットで染色され、脱イオン水で
3回洗浄され、空気乾燥された。コロニーは平板培養された106細胞当り形成 コロニー数を計算するため計数された。
【0119】 単核細胞分離と培養固定の日に平板培養され10日に採取されたCFU検定は
、イヌCAN−07−01,CAN−07−02,CAN−07−03とCAN
−07−04に対し106細胞当り56,46.7,114および72コロニー をそれぞれ産出した。
【0120】 P1培養の13日に細胞分布と形態を記録するために写真が撮られP1細胞は
トリプシン消化により採取され以下に記載の通り冷凍保存された。
【0121】 三つ組みフラスコの培地は傾瀉され、フラスコは50mlDPBSで洗浄され
た。DPBSの傾瀉後、23mlの0.25%トリプシンが各三つ組みフラスコ
に加えられた。フラスコは37℃恒温器で3分置かれた。細胞剥離後、23ml
の完全培地が各フラスコに加えられた。細胞懸濁液は50ml円錐チューブに移
されフラスコは30mlHBSSで洗浄された。チューブは2200RPMで5
分室温で遠心分離された。形質導入細胞あるいは未形質導入細胞それぞれを含む
ペレットはプールして計数された。1×107細胞の1個のアリコートが抗EG FP DNA PCRエリザ分析により形質導入割合を決定するためにとってお
かれた。
【0122】 採取の後、回収されたP1あるいはP2形質導入培養拡張cMSCSは130 0RPMで5分遠心分離され、85%プラズマライトA(バクスターIVセラピー
)、10%DMSO、および5%自己由来イヌ血清を含む氷冷冷凍防止液で1×
107cMSC/mlの1mlアリコートに再懸濁された。細胞アリコートはそ れぞれ1mlを含む別個の冷凍小びんに分配された。チューブはイヌ供与者番号
と全生存細胞数でラベル表示された。cMSCは細胞小びんをナルジーン氷結コ
ンテナに置いて冷凍保存され、−70℃フリーザーで4時間置かれ、次いで−7
0℃で貯蔵するために移動された。
【0123】 産物の冷凍保存するための細胞採取に際して、1×107細胞のアリコートが 形質導入効率を測定するために得られた。形質導入効率は産物へのジゴキシゲニ
ン取り込みの抗EGFP DNA PCRエリザにより、また第2段階抗ジゴキ
シゲニン比色分析により分析された。
【0124】 cMSC注入産物 注入の1乃至2時間前、cMSCの小びんは37℃水浴での渦動で解凍され、
70%エタノールでスプレーされ、生物学的安全性キャビネットで開かれた。c
MSC産物はDMEM−LGプラス細胞供与者に自己由来である30%の血清を
含む50mlの注入培地に懸濁された。cMSC産物の生存能力は現実の生存可
能用量を決めるためにトリパンブルー排除により決定された。各cMSC産物の
アリコートは酵母菌分離、好気性および嫌気性成長に委ねられた。cMSCは組
織培養プラスチックに付着し、P2(CAN−07−01とCAN−07−02
の場合はP3)培養で増殖する能力を評価された。1×106と0.16×106 cMSCのアリコートがT25プラスチック培養フラスコに三つ組みで完全イヌ
培養培地に平板培養された。24時間後、1×106cMSCで平板培養された フラスコ、および3日、0.16×106cMSCで平板培養されたフラスコが トリプシン消化で採取され計数された。
【0125】 TBIに続き、cMSC懸濁液は15−20分間で50mlを受け渡しするた
めに手持ハーバード・バード・ミニインヒューザーを使って橈側皮静脈内に挿入
されたカテーテル経由で注入された。
【0126】 適度に高用量の7.49×1106、7.35×106、10.0×106およ び10.0×106(平均値8.7×106)生存可能cMSC/Kgが0日にイ ヌCAN−07−01,CAN−07−02,CAN−07−03,CAN−0
7−04それぞれに注入された。これらの用量は患者が受ける典型的な用量の4
倍乃至10倍の増加を表す。注入された全生存可能cMSCは67.7×106 乃至129×106(平均値93.9×106)cMSCにわたった。細胞の生存
能力はトリパンブル排除で決定されるように92.1×106乃至97.6×1 06(平均値93.9×106)の範囲にあった。cMSC注入はTBI後71分
乃至146分(平均値110分)の間で与えられた。
【0127】 注入後血液標本 cMSC注入前(pre)およびcMSC注入の間、注入開始後5分と15分
、同じく1時間、2時間および1日、2日、3日、4日の時間点で血液標本(2
ml)が得られた。細胞ライゼート(溶菌液)が産物へのジゴキシゲニン組み込
み抗EGFP DNA PCRエリザで、また第2段階抗ジゴキシゲニン比色分
析で血流のGFP標識cMSCの水準を検出するのに使用するため、ピュアジー
ン(商標)(ジェントラ・システムズ、インコーポレイテッド)DNA分離キッ
トを用いて調製された。
【0128】 骨髄採取と移植片注入 移植用移植片として使用される骨髄はTBIの前にDLA同一一腹子から採取
された。吸引液は100ml組織培養培地199と4ml(4000U)ヘパリ
ンを含む真空フラスコから始まるポリビニルチューブに取り付けられた11ゲー
ジ、4−6インチ、ボールトップステンレススチール骨髄採取針を用いて各上腕
骨から得られた。骨髄は300umと200um孔サイズを通過し、当日遅く注
入されるまで4℃で移動パックコンテナーに貯蔵され、供与者と受容者でラベル
表示された。骨髄全有核細胞数(BM−TNC)は、骨髄採取の間に得られた末
梢血量に存在する何らかの有核細胞を除くように補正される。
【0129】 骨髄の全有核細胞数(TNC)は骨髄採取の間に得られた末梢血量に存在する
いずれかのTNCも排除するように補正された。骨髄の補正用量はイヌCAN−
07−01,CAN−07−02,CAN−07−03,CAN−07−04そ
れぞれに対して4.3×108、3.5×108、3.1×108、2.0×108 (平均値3.2×108)TNC/kgであった。未補正骨髄用量は5.6×1
8、4.2×108、4.5×108、2.7×108(平均値4.3×108) TNC/kgであった。
【0130】 注入20分前、骨髄は室温で置かれた。cMSC注入1時間後、骨髄は1分乃
至2分バッグに圧を加えて橈側皮静脈に挿入されたバタフライ針を経由して静脈
内注入された。
【0131】 支持ケア 5日までに抗生物質(硫酸ネオマイシンと硫酸ポリミキシン)が1日3回与え
られた。これらの抗生物質は絶対好中球数が500/mm3に達するまで投与さ された。0日に、全身用抗生物質ベイトリルが1日2回静脈内投与され絶対好中
球がたえず1,000/mm3に到達するまで続けられた。一過性照射毒性の結 果失われた体液と電解質は食物と水が受け入れられるまで500mlのリンゲル
液を1日2回皮下投与して取り替えられた。
【0132】 示差的血球算定 血液標本(2ml)が0日から50日、およびその後は研究終了まで2週毎に
cMSC分離のために骨髄吸引液採取の朝、頸動脈あるいは橈側皮静脈のいずれ
かから収集された。血液はEDTAを含む真空コンテナーに移された。mm3当 りの全白血球(WBC)および血小板数はシスメックスE2500を用いて測定
され、示差的細胞数は固定とライト染料での染色で手動で決定された。
【0133】 剖検 血液標本はCBC、化学23分析、およびPCR評価で得られた。イヌはブト
ルファノールに続きジアゼパムと塩酸ケタミンの混合物で鎮静化された。鎮静化
の後、生検と側方骨髄吸引液が上腕骨、大腿骨および腸骨稜から得られた。次い
で鎮静剤ソジウムペントバルビタールの過剰用量で安楽死が行われた。イヌの5
0日グループ(CAN−07−01とCAN−07−02)は研究の43日に安
楽死を受けた。イヌの100日グループ(CAN−07−03とCAN−07−
04)は研究の100日に安楽死された。組織の完全なセットが動物の剖検に際
して収集された。
【0134】 組織検査のために組織の収集がその後すぐに続いた。組織のサブセットが抗E
GFP DNA PCRエリザ分析のために使用された。骨髄吸引液と生検が抗
EGFP DNA PCRエリザ分析、更なるPCR分析のための培養拡張、ま
たCFU検定のために使用された。
【0135】 組織は約1インチ平方片に仕上げられ、10%ホルマリン緩衝液(pH6.8
−7.2)で満たされた個別のラベル表示50ml円錐チューブに置かれた。組
織はパラフィンに包埋され、切断されヘマトキシリンとエオシンで染色された。
骨髄標本は過ヨウソ酸シッフ染色で染色された。
【0136】 剖検に先立ち得られた骨髄吸引液は各イヌの左右の上腕骨、大腿骨、および腸
骨稜から15mlラベル表示チューブに収集された。組織標本のサブセットが剖
検で得られ、約1/4インチ方片に仕上げられ、PBS浸漬ガーゼに包まれラベ
ル表示ジップロックバッグに置かれた。骨髄吸引液は氷上で保持された。
【0137】 CFU検定のための骨髄吸引液の調製 PCR分析のために得られた各イヌからの左右上腕骨、大腿骨、および腸骨稜
からの骨髄吸引液のアリコートが別個の15mlラベル表示チューブアリコート
された。骨髄標本は氷上で保持された。
【0138】 剖検で得られた骨髄からのcMSCについてのCFU検定 剖検で得られた骨髄から得られたcMSCについて行われたCFUコロニー検
定は10ml完全培地を含む100mm皿に三つ組みで0.5×106細胞を平 板培養することにより調製された。皿は37℃と5%炭酸ガスで保温された。培
地は2−4日毎に新鮮培地で取り替えられた。培養の10日に、CFU検定皿は
HBSSで2回洗浄され、1%グルタルアルデヒドで15分固定され、HBSS
で2回洗浄され、空気乾燥された。皿のcMSCは次いで0.1%クリスタルバ
イオレットで染色され、脱イオン水で3回洗浄され空気乾燥された。コロニーは
平板培養された106細胞当りコロニー数を計算するために計数された。
【0139】 DNAの分離と精製 DNAは各組織の一部から分離された。標本の残りの片は冷凍保存され−70
℃フリーザーで貯蔵された。DNAは、食塩加リン酸緩衝液(PBS)に標本を
置き、プロティナーゼK溶液を加え、55℃で3時間、あるいは組織が溶解する
まで保温することにより分離された。標本は続いてリボヌクレアーゼで37℃、
60分処置された。標本は室温まで冷却されタンパク質は沈殿した。標本は遠心
分離され水相は100%イソプロパノールでゆっくり収集された。標本は混合さ
れ遠心分離されペレットは70%エタノールで洗浄された。チューブは遠心分離
され上澄みは汲み出されペレットは約1乃至6時間かけて乾燥された。DNAは
室温で一晩水和され続いて4℃で貯蔵された。
【0140】 末梢血と骨髄標本はまずRBC溶菌液(塩化アンモニウム緩衝液)で溶解され
た。DNAは次いで前に記載のライゼートから分離された。DNAは998μl
脱イオン水と標本から2μlDNAのキュベットへの追加で定量され渦動された
。光学密度(不透明度)(OD)を決定するために分光測光器が使用された。O
Dは260と280で読み取られ、DNA濃度がμg/mlで計算された。DN
A濃度は脱イオン水を用いて1μg/mlに調節された。
【0141】 抗EGFP DNA PCRエリザ この研究で使用された抗EGFP DNA PCRエリザはGFPに特異的な
オリゴヌクレオチドプライマーを利用する注入cMSCを検出する。遺伝子発現
の分析に関して、我々はPCR−エリザ(DIGラベル標示/検出)キット(ベ
ーリンガー・マンハイム)を利用した。要約すると、PCRは増幅産物を標識す
るジゴキシゲニン標識ヌクレオチドの存在下で行われた。次いで25μlのPC
R産物は変性され、溶液で雑種形成を許されて37℃でストレプトアビジン被覆
マイクロタイタ平板で5′ビオチン化オリゴヌクレオチドプローブとなった。結
合プローブPCR産物は抗ジオキシゲニンペルオキシダーゼ接合体により、また
比色基質2,2′アジノビス(3−エチルベンズチアゾリン−スルホン酸)(A
BTS)の使用により検出された。標準滴定曲線は検定で使用されるDNA量当
り濃度を概算するために形質移入対照cMSCを用いて創り出された。まずDL
AクラスIIゲノムDNAのPCRに内部標準と相関させ、次いでDNA濃度を細
胞等価物に相関させ、また形質導入細胞当り一つのレトロウイルス組み込み事象
を想定することで細胞数の推定値を得ることができる。
【0142】 移植後血球回復 血小板の(3連続値に対する)閾値に達する平均日は10,000/mm3には 12.8(11−17の範囲)、50,000/mm3には19.8(16−2 5の範囲)、また100,000/mm3には23.0(20−27の範囲)で あった。絶対好中球の500/mm3に達する(3連続日に対する)閾値に達す る平均日は9.3(8−11の範囲)であり、また1,000/mm3には10 .5(9−13の範囲)であった。
【0143】 暫定骨髄吸引液 血小板が50,000/mm3以上の値に絶えず回復した時、暫定骨髄吸引液 が腸骨稜から収集された。この手順には研究の27日にCAN−07−01とC
AN−07−02に対して、また29日にCAN−07−03とCAN−07−
04に対して行われた。
【0144】 結果 43日に安楽死されたCAN−07−01とCAN−07−02からのすべて
の組織の病理学的評価に際して、異所性結合組織および亜急性GVHDに関して
発見は負であった。
【0145】 検出可能DNAシグナルは注入の1時間以内および再度2日に発見することが
できた。1個の標本は注入3日後にGFP DNAを量的に測定することができ
た。この時点は、シグナルが2日と3日で発見された自己由来イヌ移植研究でこ
れまでに観察されたものと一致する。
【0146】 GFP+細胞に対するCAN−07−03とCAN−07−04の100日剖
検データはCAN−07−03の大腿骨と上腕骨で、またCAN−07−04の
上腕骨でGFPシグナルを示した(10マイクログラムPCRインプリットDN
A当り1GFP+細胞等価物)。
【0147】 このモデルにおいて、動物の眼と耳の赤さを観察することにより、対宿主性移
植片病(GVHD)を検出することが可能であった。この指標を用いて、間葉幹
細胞を受けた動物は間葉幹細胞で処置されなかった対照動物と比べてGVDHの
発生数が少なくおよびもしくは発病度が低かったことが確認された。
【0148】 これらの結果は、同種異系MSCSが骨髄造血細胞の急速な移植を支援できる ことを示している。輸血の支援は必要でなかった。GVHDの臨床的徴候は存在
しなかった。血小板回復は組織的対照よりも速やかであった。同種異系移植片移
植の後、支質細胞にキメラ現象の徴候が見られた。同種異系MSCSを使用する ことによる同種異系組織を移植する選択肢は臨床移植シナリオで使用できる移植
材料の範囲を広げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 同種異系間葉幹細胞は免疫応答を誘導しない。AからのT細胞は
Bからの異なった量のPBMCsと混合した時用量依存様式で増殖した。Aから のT細胞は、たとえ間葉幹細胞が全T細胞活性化を提供するよう操作された時で
さえBからの間葉幹細胞との接触に応答して増殖しなかった(間葉幹細胞はIF
N−γで処置され副刺激分子B7−1あるいはB7−2で形質導入された)。
【図2】 間葉幹細胞は2個の異なった個体からのリンパ球の間で混合リン
パ球反応(MLR)を活発に抑制した。受容者(第三者あるいは供与者)に対し
同種異系であるhMSCsはMLRで刺激細胞と応答細胞の両方(オープン棒グ ラフ)のどちらにも不適合であった。あるいはhMSCsはMLRの刺激細胞( 線影棒グラフ)に対し適合した(受容者)。かくして間葉幹細胞はMHC型に関
し特異性なくてもMLRを抑制した。間葉幹細胞は用量依存様式でMLRを抑制
した。
【図3】 刺激細胞(同種異系)PBMCsで特発され、MSCsに露出され
ず、次いで自己由来PBMCs、同種異系PBMCs(刺激細胞あるいは第三者)
もしくは細胞なしに露出された応答T細胞の二次応答を示す。
【図4】 刺激細胞(同種異系)PBMCsで活性化され、続けて同種異系 MSCs(刺激細胞)で培養され、次いで自己由来PBMCs、同種異系PBMC s (刺激細胞あるいは第三者)もしくは細胞無しに露出された応答T細胞の二次 応答を示す。
【図5】 (図5A−6Dは)刺激細胞同種異系PBMCsで前に活性化さ れ、活性化後に同種異系(同じ供与体(図5B)あるいは第三者(図6D))も
しくは自己由来MSCs(図6C)で培養され、次いで自己由来あるいは同種異 系(同じ供与者もしくは第三者)刺激細胞に露出された応答T細胞の二次応答が
抑制されたことを示す。
【図6】(図5A−図6Dは)刺激細胞同種異系PBMCsで前に活性化さ れ、活性化後に同種異系(同じ供与体(図5B)あるいは第三者(図6D))も
しくは自己由来MSCs(図6C)で培養され、次いで自己由来あるいは同種異 系(同じ供与者もしくは第三者)刺激細胞に露出された応答T細胞の二次応答が
抑制されたことを示す。
【図7】 (図7A−図8Dは)イヌモデルの内でMSCsによる一次ML Rの抑制を示す。autol=自己由来、ident=DLA同一一腹子、un
rel=無関係。
【図8】 (図7A−図8Dは)イヌモデルの内でMSCsによる一次ML Rの抑制を示す。autol=自己由来、ident=DLA同一一腹子、un
rel=無関係。
【図9】 非装着性MSCsによる一次MLRの抑制を示す。
【図10】 実施例8で使用されたEGFP pOT24プラスミド概略図
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 モスカ,ジョゼフ,ディー. アメリカ合衆国,21042 メリーランド, エリコット シティ,ブルー バロー ラ イド 4201 (72)発明者 クリュシュネンコバ,エレナ,エヌ. アメリカ合衆国,21236 メリーランド, ボルチモア,ムーンストーン ロード 9005 Fターム(参考) 4B065 AA93X BA16 CA24 CA44 4C085 AA32 BB50 CC03 4C087 AA01 AA02 BB44 NA06 NA14 ZB08 ZC54

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種異系抗原に対する免疫応答を縮小する一つの方法であっ
    て、免疫エフェクター細胞を免疫応答を縮小するのに有効な量の間葉幹細胞に接
    触させることよりなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 エフェクター細胞がT細胞であることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性化T細胞の再活性化を予防しあるいは縮小する一つの方
    法であって、同種異系抗原によりこれまでに活性されたT細胞を前記活性化T細
    胞の再刺激を抑制するのに有効な量の間葉幹細胞に接触させることよりなること
    を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 供与者移植片への免疫応答を縮小する一つの方法であって、
    受容者を移植片の受容者への免疫応答を縮小するのに有効な量の間葉幹細胞で処
    置することよりなることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 間葉幹細胞が受容者にとって自己由来のものであることを特
    徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 間葉幹細胞が受容者にとって同種異系のものであることを特
    徴とする請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 間葉幹細胞が移植片の供与者から得られることを特徴とする
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 間葉幹細胞が移植片の供与者と受容者の双方にとって同種異
    系のものであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】 移植片が皮膚であることを特徴とする請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】 間葉幹細胞が活性化T細胞死を誘導する分子を発現するよ
    うに更に修飾されることを特徴とする請求項4記載の方法。
  11. 【請求項11】 分子がFasリガンドおよびCD27から選択されること
    を特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 間葉幹細胞が移植片投与の前に受容者に投与されることを
    特徴とする請求項4記載の方法。
  13. 【請求項13】 間葉幹細胞が移植片の投与と同時に投与されることを特徴
    とする請求項4記載の方法。
  14. 【請求項14】 間葉幹細胞が移植片の一部として投与されることを特徴と
    する請求項4記載の方法。
  15. 【請求項15】 間葉幹細胞が移植片の後に投与されることを特徴とする請
    求項4記載の方法。
  16. 【請求項16】 間葉幹細胞が受容者による移植片の拒絶を処置するために
    、移植片受容者に投与されることを特徴とする請求項4記載の方法。
  17. 【請求項17】 間葉幹細胞がヒトのものであることを特徴とする請求項4
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 更に受容者に免疫抑制剤を投与することよりなる請求項4
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 移植片が固形器官であることを特徴とする請求項4記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 固形器官が心臓、膵臓、腎臓、肺あるいは肝臓から選択さ
    れることを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 供与者移植片により生じる免疫応答を縮小する一つの方法
    であって、移植片を移植片受容者から得た組織と接触させ、次いで供与者移植片
    を、供与者移植片による受容者に対する免疫応答を縮小するのに有効な量の間葉
    幹細胞に接触させることによりなることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 間葉幹細胞が供与者移植片と移植片の受容者双方にとって
    同種異系のものであることを特徴とする請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 間葉幹細胞が移植片の受容者にとって自己由来のものであ
    ることを特徴とする請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 間葉幹細胞が供与者移植片にとって自己由来のものである
    ことを特徴とする請求項21記載の方法。
  25. 【請求項25】 供与者移植片が骨髄であることを特徴とする請求項21記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 更に受容者に免疫抑制剤を投与することよりなることを特
    徴とする請求項21記載の方法。
  27. 【請求項27】 間葉幹細胞が活性化細胞死を誘導する分子を発現するよう
    修飾されることを特徴とする請求項21記載の方法。
  28. 【請求項28】 分子がFasリガンドおよびCD27から選択されること
    を特徴とする請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 対宿主性移植片病に関して移植片受容者を処置する一つの
    方法であって、供与者移植片の受容者を、移植片による受容者に対する免疫応答
    を縮小するのに有効な量の間葉幹細胞で処置することよりなることを特徴とする
    方法。
  30. 【請求項30】 間葉幹細胞が受容者にとって自己由来のものであることを
    特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 間葉幹細胞が供与者移植片にとって自己由来のものである
    ことを特徴とする請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 間葉幹細胞が供与者と受容者双方にとって同種異系のもの
    であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  33. 【請求項33】 更に供与者に免疫抑制剤を投与することよりなることを特
    徴とする請求項29記載の方法。
  34. 【請求項34】 供与者移植片に対する逆免疫応答を縮小する一つの組成物
    であって、供与者移植片に対する逆免疫応答を阻害しあるいは縮小するのに有効
    な量のヒト間葉幹細胞、および薬理担体よりなることを特徴とする組成物。
  35. 【請求項35】 間葉幹細胞が受容者にとって自己由来のものであることを
    特徴とする請求項34記載の組成物。
  36. 【請求項36】 間葉幹細胞が供与者にとって自己由来のものであることを
    特徴とする請求項34記載の組成物。
  37. 【請求項37】 間葉幹細胞が受容者と供与者の双方にとって同種異系のも
    のであることを特徴とする請求項34記載の組成物。
  38. 【請求項38】 移植片により生じる移植片受容者に対する逆免疫応答を縮
    小するための一つの組成物であって、移植片により生じる移植片受容者に対する
    逆免疫応答を縮小するのに有効な量のヒト間葉幹細胞、および薬理担体よりなる
    ことを特徴とする組成物。
  39. 【請求項39】 間葉幹細胞が受容者にとって自己由来のものであることを
    特徴とする請求項38記載の組成物。
  40. 【請求項40】 間葉幹細胞が供与者にとって自己由来のものであることを
    特徴とする請求項38記載の組成物。
  41. 【請求項41】 間葉幹細胞が受容者と供与者の双方にとって同種異系のも
    のであることを特徴とする請求項38記載の組成物。
  42. 【請求項42】 同種異系抗原に対する免疫応答を縮小する組成物調製のた
    めの間葉幹細胞の利用。
  43. 【請求項43】 免疫応答がT細胞応答であることを特徴とする請求項42
    に基づく利用。
  44. 【請求項44】 同種異系抗原により活性化されたT細胞の再活性化を縮小
    する一つの組成物を調製するための間葉幹細胞の利用。
  45. 【請求項45】 移植片受容者での供与者組織への免疫応答を縮小する一つ
    の組成物を調製するための間葉幹細胞の利用。
  46. 【請求項46】 供与者移植片による受容者に対する免疫応答を縮小する一
    つの組成物を調製するための間葉幹細胞の利用。
  47. 【請求項47】 間葉幹細胞が活性化T細胞死を誘導する分子を発現するよ
    う修飾されることを特徴とする請求項46に基づく利用。
  48. 【請求項48】 同種異系組織への免疫応答を縮小する組成物調製のための
    間葉幹細胞の利用。
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