JP2002528398A - ストローマ細胞の使用 - Google Patents

ストローマ細胞の使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は哺乳動物における造血を高めるための骨髄ストローマ細胞の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明の分野は造血を高めることにおける骨髄ストローマ細胞の使用である。
【0002】 (発明の背景) 骨髄は、造血幹細胞(HSC)に加えて、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞およ
び筋芽細胞のような非造血細胞の幹様前駆細胞を含有する(オーウェン(Owe
n)ら、1988、Cell and Molecular Biology of Vertebrate Hard Tissues 中、p.42−60、
Ciba Foundation Symposium 136、英国チチェス
ター;カプラン(Caplan)、1991、J.Orthop.Res.9:
641−650;プロコップ(Prockop)、1997、Science
276:71−74)。骨髄の非造血前駆細胞は、コロニー形成単位線維芽細胞
、間葉幹細胞、ストローマ細胞および骨髄ストローマ細胞(MSC)と多様に称
されている。
【0003】 MSCは、骨髄細胞を哺乳動物から取り出しそしてプラスチック皿に移す場合
のそれらの接着特性を特徴とする間葉前駆細胞である(フリーデンシュタイン(
Friedenstein)ら、1976、Exp.Hemat.4:267−
274)。ストローマ細胞は約4時間以内にプラスチックに接着するので、皿か
ら非接着性細胞を除去することにより単離することができる。プラスチックにし
っかりと接着する骨髄細胞は広範囲に研究されている(カストロ−マラスピナ(
Castro−Malaspina)ら、1980、Blood 56:289
−301;ピエルスマ(Piersma)ら、1985、Exp.Hemato
l.13:237−243;シモンズ(Simmons)ら、1991、Blo
od 78:55−62;ベレスフォード(Beresford)ら、1992
、J.Cell.Sci.102:341−351;リースヴェルド(Lies
veld)ら、1989、Blood 73:1794−1800;リースヴェ
ルド(Liesveld)ら、1990、Exp.Hematol.19:63
−70;ベネット(Bennett)ら、1991、J.Cell.Sci.9
9:131−139)。
【0004】 ストローマ細胞は、インビボで骨髄内の微小環境の創製に参画していると考え
られている。単離された場合、ストローマ細胞は当初静止状態であるが、しかし
、それらをインビトロで培養することができるようについには分割を開始する。
拡張された数のストローマ細胞を樹立かつ維持することができる。ストローマ細
胞は、適切な条件下で培養される場合に、線維芽細胞、脂肪細胞および骨形成細
胞のコロニーを生成させるのに使用されている。ヒドロコルチゾンの存在下もし
くは他の選択条件下で接着性細胞を培養する場合に、造血前駆細胞もしくは骨原
細胞について濃縮された集団が得られる(カーター(Carter)ら、199
2、Blood 79:356−364およびビエンツレ(Bienzle)ら
、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:350−
354)。
【0005】 ストローマ細胞の使用のいくつかの例が存在する。欧州特許第EP 0,38
1,490号はストローマ細胞を使用する遺伝子治療を開示する。とりわけ血友
病の治療方法が開示される。ストローマ細胞は、インビボで選択的組織に埋植さ
れる場合に、線維組織、骨もしくは軟骨を生じさせるのに使用されている(大串
(Ohgushi)ら、1989、Acta Orthop.Scand.60
:334−339;中原(Nakahara)ら、1992、J.Orthop
.Res.9:465−476;ニエドツヴィエドスキ(Niedzwieds
ki)ら、1993、Biomaterials 14:115−121;およ
び脇谷(Wakitani)ら、1994、J.Bone & Surg.76
A:579−592)。いくつかの報告では、多孔質セラミックとともに皮下に
(大串(Ohgushi)ら、1989、Acta.Orthop.Scand
.60:334−339)、拡散チャンバー中で腹腔内に(中原(Nakaha
ra)ら、1991、J.Orthop.Res.9:465−476)、外科
的に誘発された骨欠損に経皮で(ニエドツヴィエドスキ(Niedzwieds
ki)ら、1993、Biomaterials 14:115−121)埋植
される、もしくは関節軟骨中の外科的欠損を修復するためにコラーゲンゲル内で
移植される(脇谷(Wakitani)ら、1994、J.Bone Surg
.76A:579−592)場合に、インビボで骨もしくは軟骨を生成させるの
にストローマ細胞を使用した。ピエルスマ(Piersma)ら(1983、B
rit.J.Hematol.94:285−290)は、静脈内骨髄移植後に
、造血ストローマを形成する線維芽細胞コロニー形成細胞が宿主骨髄中に入りか
つ留まることを開示している。スチュワート(Stewart)ら(1993、
Blood 81:2566−2571)は、全骨髄細胞の異常に大量かつ繰り
返される投与が、骨髄離解を受けていなかったマウスへの造血前駆細胞の長期の
生着を生じさせたことを最近観察した。また、ビエンツレ(Bienzle)ら
(1994、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:350−
354)は、骨髄離解を伴わないイヌで造血細胞を永続的に生息させるためのド
ナー細胞として長期骨髄培養物を成功裏に使用した。いくつかの報告では、造血
前駆細胞の培養物の微小環境を樹立する細胞(アンクレサリア(Anklesa
ria)、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:
7681−7685)もしくは造血幹細胞の濃縮された集団の供給源(キーファ
ー(Kiefer)、1991、Blood 78:2577−2582)のい
ずれかとしてストローマ細胞を使用した。
【0006】 離解された骨髄を有する哺乳動物における造血の回復を高める方法に対する長
い間の切実なかつ緊急の必要性が存在する。本発明はこの必要性に合致する。
【0007】 (発明の要約) 本発明は致死線量の全身照射からの哺乳動物の救助方法に関する。該方法は、
照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの
骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより該哺乳動物を致死線量の全身照射から
救助することを含んで成る。
【0008】 一局面において、哺乳動物はげっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネコ、非ヒ
トの霊長類およびヒトより成る群から選択される。別の局面において、哺乳動物
はヒトである。
【0009】 別の局面において、投与は注入である。
【0010】 本発明は哺乳動物における造血を高める方法もまた包含する。該方法は、哺乳
動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ
細胞を投与してそれにより該哺乳動物における造血を高めることを含んで成る。
【0011】 一局面において、哺乳動物はげっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネコ、非ヒ
トの霊長類およびヒトより成る群から選択される。別の局面において、哺乳動物
はヒトである。
【0012】 別の局面において、投与は注入である。
【0013】 加えて、致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血幹細胞の分化
を高める方法が提供される。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかし
それ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれによ
り該哺乳動物における造血幹細胞の分化を高めることを含んで成る。
【0014】 一局面において、哺乳動物はげっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネコ、非ヒ
トの霊長類およびヒトより成る群から選択される。別の局面において、哺乳動物
はヒトである。
【0015】 別の局面において、投与は注入である。
【0016】 致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血の回復を高める方法も
また本発明に包含される。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそ
れ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより
前記哺乳動物における造血の回復を高めることを含んで成る。
【0017】 離解された骨髄を含んで成る哺乳動物の処置方法もまた本発明に包含される。
該方法は、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの
骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより離解された骨髄を含んで成る哺乳動物
を処置することを含んで成る。
【0018】 本発明は、離解された骨髄を含んで成る哺乳動物における造血を高める方法も
また包含する。該方法は、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー
哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより離解された骨髄を含ん
で成る哺乳動物における造血を高めることを含んで成る。
【0019】 本発明は、致死線量の全身照射に曝露された哺乳動物の生存の増大方法を包含
する。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナ
ー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより致死線量の全身照射
に曝露された哺乳動物の生存を増大させることを含んで成る。
【0020】 (発明の詳細な記述) 本発明は、致死的(しかし骨髄離解性(myloablative)でない)線量の全身照射
(TBI)を受領するラットを、照射直後に投与される同種異系の骨髄ストロー
マ細胞の腹腔内注入により救助できる可能性があるという発見に基づく。同種異
系のMSCはレシピエント動物における造血の回復を高める。しかしながら、救
助された動物中の循環するPBLは、該細胞がレシピエントの固有のMHC ク
ラスII抗原を発現しかつドナーのクラスI MHC抗原を発現しないという事
実により立証されるとおり、ドナー動物由来でなかった。さらに、1μgのレシ
ピエントの雌性WFのDNA中の10ng程度のドナーの雄性LEWラットのY
染色体特異的DNAを検出することが可能な高度に感受性の実時間PCRに基づ
くアッセイは、レシピエント動物の身体からの多様な組織から得られたゲノムD
NAのサンプル中で雄性LEWラットDNAの存在を検出しなかった。さらに、
骨髄離解線量のTBIで照射された動物はドナーのMSCの投与により救助され
なかった。これらの結果は、ドナーのMSCが、放射により排除されていない動
物自身の造血幹細胞(HSC)の造血の回復を高めることことにより致死線量の
放射から動物を救助することができることを立証する。 定義 本明細書で使用されるところの以下の用語のそれぞれは、このセクションでそ
れに関連した意味を有する。
【0021】 冠詞「a」および「an」は、本明細書で1個もしくは1個以上(すなわち最
低1個)の冠詞の文法上の目的語を指すのに使用する。例として、「1個の(a
n)要素」は1個の要素もしくは1個以上の要素を意味する。
【0022】 本明細書で使用されるところの「ストローマ細胞」、「骨髄ストローマ細胞」
、「接着細胞」および「MSC」は互換可能に使用され、そして、プラスチック
皿に接着するそれらの能力により骨髄から単離することができる、骨細胞、軟骨
細胞および脂肪細胞などの幹細胞様前駆細胞としてはたらく可能性のある骨髄中
の細胞の小画分を指すことを意味している。骨髄ストローマ細胞はいかなる動物
由来であってもよい。いくつかの態様において、ストローマ細胞はげっ歯類、好
ましくはラット由来である。しかしながら、本発明はげっ歯類のMSCに制限さ
れず;むしろ、本発明は哺乳動物、より好ましくはヒトの骨髄ストローマ細胞を
包含する。
【0023】 その用語が本明細書で使用されるところの「離解された骨髄」という用語によ
り、骨髄は造血が可能でないがしかし成長および分化が可能な造血幹細胞が全く
欠けているわけではないことを意味している。離解は照射、化学療法、もしくは
造血を離解するいずれかの他の方法により引き起こすことができる。
【0024】 該用語が本明細書で使用されるところの「致死線量の全身照射」という用語に
より、骨髄離解性でないがしかし照射された動物の50%以上を別の方法で殺す
全身照射を意味している。
【0025】 好ましい一態様において、ラットにおける致死線量は900cGyの全身照射
であると決定された。しかしながら、当業者は、いずれかの動物に対する致死放
射線量が、動物の大きさ、齢および身体状態などを包含する多様な因子に依存し
て変動することができることを認識するであろう。従って、本発明はいずれかの
特定の致死線量に制限されていると解釈されるべきでなく;むしろ、広範な致死
線量が本発明に包含される。
【0026】 その用語が本明細書で使用されるところの「骨髄離解性」という用語により、
固有の造血をいずれかの方法もしくは治療により回復することができないように
処置が造血幹細胞の全部もしくは相当な部分を破壊することを意味している。
【0027】 本明細書で使用されるところの「固有の造血」という用語は、該動物自身の造
血幹細胞由来の末梢血リンパ球の産生を意味することを意図している。
【0028】 好ましい一態様において、動物のPBLで発現されるMHC抗原の蛍光表示式
細胞分取器分析により固有の造血を検出した。別の好ましい態様においては、ド
ナーDNA(例えば雄性ラットY染色体特異的DNA)に特異的なプローブおよ
びプライマーを使用する実時間PCRにより、骨髄ストローマ細胞のドナー動物
からの外因性DNAの欠如を確認した。しかしながら本発明は、観察された造血
の固有の性質を確認するためのPBLの起源のこれらの検出方法に制限されるべ
きでない。さらに、本発明は、開示される特定のMHC抗体または特定のプライ
マー対もしくはプローブに制限されない。むしろ、本発明は、現在技術的に既知
のもしくは動物における造血細胞の起源を確かめるために開発されるはずである
他の方法を包含する。
【0029】 該用語が本明細書で使用されるところの「造血の回復を高める」という用語に
より、処置前の動物、もしくはそれ以外は同一のしかし処置されない動物におけ
る造血に比較しての、処置により引き起こされる動物で検出される造血のいかな
る増大も意味している。
【0030】 該用語が本明細書で使用されるところの「離解された骨髄を含んで成る哺乳動
物の処置」という用語により、処置前の動物、もしくは処置されないそれ以外は
同一の動物に比較しての、いずれかの方法による動物における固有の造血の増大
を意味している。固有の造血の増大は、本明細書に開示される方法、もしくは動
物における固有の造血のいずれかの他の評価方法を使用して評価することができ
る。
【0031】 本明細書で使用されるところの「致死線量の全身照射からの哺乳動物の救助」
という用語は、処置前の動物における固有の造血、もしくは処置されないそれ以
外は同一の動物における固有の造血に比較しての、致死線量の全身照射に曝露さ
れた動物におけるいずれかの処置による固有の造血の増大を意味する。固有の造
血の増大は、本明細書に開示される方法もしくは動物の固有の造血のいずれかの
他の評価方法を使用して評価することができる。
【0032】 該用語が本明細書で使用されるところの「致死線量の全身照射に曝露された哺
乳動物の生存の増大」という用語により、致死線量の全身照射への曝露後に哺乳
動物が生存する時間の期間の増大を意味している。照射後の生存時間の長さを測
定することができ、また、生存時間のいかなる有意の増大も、処置されないそれ
以外は同一の哺乳動物の生存の長さに比較して照射された哺乳動物の生存を増大
させる方法を決定することができるような、本明細書に開示されるようなもしく
は当該技術分野で公知であるような標準的な統計学的分析方法を使用して、測定
することが可能である。 記述 本発明は、致死線量の全身照射からの哺乳動物の救助方法を包含する。該方法
は、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物か
らの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより該哺乳動物を致死線量の全身照射
から救助することを含んで成る。本発明は、放射線量が骨髄離解性でない照射さ
れた動物へのMSCの投与が該哺乳動物の造血系の固有の再個体数増加(repopul
ation)を媒介するという本明細書に開示される新規発見に基づく。
【0033】 好ましい一態様において、500万個のMSCを注入によりラットに腹腔内に
投与した。しかしながら、本発明は、細胞の本投与方法もしくはいずれかの特定
の数の細胞に制限されない。むしろ、細胞は、静脈内輸液などを包含するいずれ
かの手段により動物に投与(例えば導入)してよい。さらに、投与されるべきM
SCの数は処置されている動物により変動するであろうし、また、MSCの適切
な数は、上に引用された参考文献で論考されおよび本明細書の別の場所に開示さ
れるとおり、造血に影響を及ぼすためのストローマ細胞の使用の当該技術分野で
公知の方法により、その動物について容易に決定することができる。
【0034】 ストローマ細胞を単離した後、単離に際して、もしくはインビトロ培養の期間
の後に、細胞を哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。単離された
ストローマ細胞は、単離に際して投与してよいか、もしくは、単離後約1時間以
内に投与してよい。一般には、ドナーが大型でありかつレシピエントが小型であ
る(例えば幼児)状況においては、骨髄ストローマ細胞を単離に際して直ちに投
与してよい。ストローマ細胞を投与に先立ち培養することが好ましい。単離され
たストローマ細胞は1時間から1年を越えるまで培養することが可能である。い
くつかの好ましい態様においては、単離されたストローマ細胞を、投与に先立ち
、それらを非循環細胞から複製する細胞に転化させるのに十分な時間の期間の間
、培養する。いくつかの態様においては、単離されたストローマ細胞は3〜30
日、好ましくは5〜14日、より好ましくは7〜10日間培養する。他の態様に
おいては、単離されたストローマ細胞を4週ないし1年、好ましくは6週ないし
10ヶ月、より好ましくは3〜6ヶ月間培養する。
【0035】 ストローマ細胞を投与に先立ち培養することが好ましい。単離されたストロー
マ細胞は、投与に先立ち3〜30日、いくつかの態様において5〜14日、他の
態様においては7〜10日間培養することが可能である。いくつかの態様におい
ては、単離されたストローマ細胞を、投与に先立ち4週ないし1年、いくつかの
態様においては6週ないし10ヶ月、いくつかの態様においては3〜6ヶ月間培
養する。
【0036】 ヒトへのストローマ細胞の投与のために、単離されたストローマ細胞を培養皿
から取り出し、生理的食塩水で洗浄し、ペレットに遠心分離し、そしてブドウ糖
溶液に再懸濁し、これを患者に注入する。いくつかの態様においては、MSCの
投与に先立ち骨髄離解(bone marrow ablation)(しかし骨髄離解(myloablation)
でなく)に着手する。シクロスポリンのような作用物質により抑制される免疫応
答もまた考慮しなければならない。骨髄離解は、処置されるべき個体のX線放射
、シクロホスファミドのような薬物の投与、もしくはX線放射および薬物投与の
組み合わせにより達成してよい。いくつかの態様においては、骨髄離解は、例え
ば放射活性ストロンチウム、135サマリウムもしくは166ホルミウムのような転移
性骨細胞を殺すことが既知の放射性同位元素の投与により生じさせる(アップル
バウム(Applebaum)ら、1992、Blood 80(6):160
8−1613を参照されたい)。
【0037】 体重100kgあたり約105個と約1013個との間の骨髄ストローマ細胞を
1注入あたりで投与する。いくつかの態様においては、体重100kgあたり約
1.5×106個と約1.5×1012個との間の細胞を静脈内に注入する。いく
つかの態様においては、体重100kgあたり約1×109個と約5×1011
との間の細胞を静脈内に注入する。いくつかの態様においては、体重100kg
あたり約4×109個と約2×1011個との間の細胞を注入する。いくつかの態
様においては、体重100kgあたり細胞約5×108個と細胞約1×101個と
の間を注入する。
【0038】 いくつかの態様においては細胞の単回投与を提供する。いくつかの態様におい
ては複数の投与を提供する。いくつかの態様において、連続する3〜7日の経過
にわたって複数の投与を提供する。いくつかの態様においては、連続する3〜7
日の経過にわたって3〜7回の投与を提供する。いくつかの態様においては、連
続する5日の経過にわたって5回の投与を提供する。
【0039】 いくつかの態様においては、体重100kgあたり約105個と約1013個と
の間の細胞の単回投与を提供する。いくつかの態様においては、体重100kg
あたり約1.5×108個と約1.5×1012個との間の細胞の単回投与を提供
する。いくつかの態様においては、体重100kgあたり約1×109個と約5
×1011個との間の細胞の単回投与を提供する。いくつかの態様においては、体
重100kgあたり約5×1010個の細胞の単回投与を提供する。いくつかの態
様においては、体重100kgあたり1×1010個の細胞の単回投与を提供する
【0040】 いくつかの態様においては、体重100kgあたり約105個と約1013個と
の間の細胞の複数回投与を提供する。いくつかの態様においては、体重100k
gあたり約1.5×108個と約1.5×1012個との間の細胞の複数回投与を
提供する。いくつかの態様においては、体重100kgあたり約1×109個と
約5×1011個との間の細胞の複数回投与を、連続する3〜7日の経過にわたっ
て提供する。いくつかの態様においては、体重100kgあたり約4×109
の細胞の複数回投与を、連続する3〜7日の経過にわたって提供する。いくつか
の態様においては、体重100kgあたり約2×1011個の細胞の複数回投与を
、連続する3〜7日の経過にわたって提供する。
【0041】 いくつかの態様においては、約3.5×109個の細胞の5回の投与を5連続
日の経過にわたって提供する。いくつかの態様においては、約4×109個の細
胞の5回の投与を5連続日の経過にわたって提供する。いくつかの態様において
は、約1.3×1011個の細胞の5回の投与を5連続日の経過にわたって提供す
る。いくつかの態様においては、約2×1011個の細胞の5回の投与を5連続日
の経過にわたって提供する。
【0042】 さらに、本発明は哺乳動物における造血を高める方法を包含する。該方法は、
哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストロ
ーマ細胞を投与してそれにより該哺乳動物における造血を高めることを含んで成
る。当業者は、本明細書に提供される開示に基づき、該哺乳動物で造血が高めら
れることを認識するであろう。なぜなら、本明細書で開示されるとおり、哺乳動
物へのMSCの投与が該動物の固有の造血の再構成を媒介するからである。
【0043】 当業者は、本明細書に提供される開示に基づき、造血の阻害もしくは減少を特
徴とするもしくはそれにより媒介される疾患、障害もしくは病状に罹っている個
体を、個体における造血を高めるMSCの投与により治療することができること
を認識するであろう。
【0044】 本発明は、致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血幹細胞の分
化を高める方法を包含する。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかし
それ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれによ
り該哺乳動物における造血幹細胞の分化を高めることを含んで成る。該方法は、
致死線量の全身照射への曝露後の哺乳動物へのMSCの投与が該哺乳動物におけ
る固有の造血の再構成を媒介するという本明細書に開示される新規発見に基づく
。こうした再構成は、増殖しかつ多様な造血細胞型に分化する、固有の造血幹細
胞などの分化を必然的に伴う。従って、固有の造血の再構成を媒介するMSCの
投与は、こうした再構成に関与する造血幹細胞の分化を高めることを必然的に伴
う。
【0045】 本発明は、致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血の回復を高
める方法もまた包含する。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそ
れ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより
該哺乳動物における造血の回復を高めることを含んで成る。
【0046】 当業者は、本明細書に提供される開示に基づき、哺乳動物における固有の造血
の再構成を媒介するMSCの投与が哺乳動物における造血の回復を高めることを
認識するであろう。すなわち、MSCの投与は哺乳動物の造血系の再個体数増加
を媒介し、従って哺乳動物における造血の回復を高める。
【0047】 本発明は離解された骨髄を含んで成る哺乳動物の処置方法を包含する。該方法
は、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ス
トローマ細胞を投与してそれにより離解された骨髄を含んで成る該哺乳動物を治
療することを含んで成る。これは、本明細書に開示されるとおり、哺乳動物への
MSCの投与が該哺乳動物における造血の再構成、もしくは正に少なくとも固有
の造血の増大を引き起こし、それにより骨髄離解による該哺乳動物における造血
細胞の放射誘発性の減少を治療するためである。
【0048】 本発明は、離解された骨髄を含んで成る哺乳動物における造血を高める方法を
さらに包含する。該方法は、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナ
ー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を注入してそれにより離解された骨髄を含
んで成る哺乳動物における造血を高めることを含んで成る。該方法は、離解され
た骨髄を含んで成る哺乳動物へのMSCの投与が該哺乳動物自身の造血の固有の
再構成を媒介することを初めて立証する、本明細書に開示されるデータに基づく
。従って、MSCの投与は、本明細書に立証されるような哺乳動物の再構成に必
要とされる造血を高める。
【0049】 本発明は、致死線量の全身照射に曝露された哺乳動物の生存の増大方法を包含
する。該方法は、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナ
ー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより致死線量の全身照射
に曝露された哺乳動物の生存を増大させることを含んで成る。当業者は、本明細
書に提供される開示に基づき、致死線量のTBIへの曝露の生存が少なくとも部
分的に哺乳動物の造血の再構成に依存することを認識するであろう。本明細書に
開示されるデータは、造血の再構成が致死線量のTBIへの曝露後の哺乳動物へ
のMSCの投与により媒介されることを立証する。さらに、該データは、曝露後
に生存する動物の増大された数により測定されるような生存が、照射されたがし
かしMSCが投与されなかったそれ以外は同一の動物と比較して、動物へのMS
Cの投与により大きく増大されたことを立証する。従って、当業者は、本開示に
基づき、哺乳動物による致死線量のTBIへの曝露の生存は、別の状態で致死的
な照射からの生存に必要である高められた造血をMSCが媒介する哺乳動物への
MSCの投与により有意に増大されることを認識するであろう。
【0050】 本発明は以下の実験的実施例への言及により詳細にさらに記述する。これらの
実施例は具体的説明のみの目的上提供され、そして別に指定されない限り制限す
ることを意図されない。従って、本発明は以下の実施例に制限されるといかなる
方法でも解釈されるべきでないが、しかしむしろ、本明細書に提供される教示の
結果として明らかとなるいずれかのおよび全部の変形物を包含すると解釈される
べきである。
【0051】 実施例 同種異系のラットの骨髄ストローマ細胞は致死的照射後の生存および固有の造血
の回復を高める 本実施例に提示される実験は以下のとおり要約することができる。
【0052】 本明細書に開示されるデータは、完全なMHCのクラスIおよびクラスIIの
障壁を横断する骨髄ストローマ細胞(MSC)の外植が、5×106個の同種異
系のMSCの単回腹腔内(i.p.)注入のみで致死的全身照射(TBI)から
レシピエント動物を救助することができることを立証する。10週齢の雄性ルイ
ス(Lewis)(LEW)ラットをMSCドナーとして使用し、また、10週
齢の雌性ウィスター・ファース(Wistar Furth)(WF)ラットを
レシピエントとして使用した。LEWラットの大腿骨および脛骨から全骨髄を収
穫し、そしてプラスチック製培養フラスコに細胞をプレート培養した。収穫後第
3日に全部の付着されない細胞および培地を除去して接着細胞層を残し、そして
新鮮培地をフラスコに添加した。トリプシン処理により細胞を継代し、そして第
二継代の終了まで培地を週2回交換して培養物を維持した。31匹のWF雌性ラ
ットが、致死線量の900cGyのTBI、および照射後4時間に5×106
のLEWのMSCのi.p.注入を受領した。22匹のWF雌性ラットは900
cGyのTBI単独を受領し、そして対照としてはたらいた。対照群の全22匹
の動物は15日の平均生存で死亡した。対照的に、実験群の31匹のラットのう
ち21匹はTBIから完全に回復し、対宿主性移植片病(GVHD)の著しいも
しくは組織学的証拠はなかった。骨髄離解性であると思われる1000cGyの
TBIというより大きな放射線量で同種異系のMSC移植を反復した。1000
cGyのTBIで照射された動物(各群においてn=12)は生存個体を有さず
、平均生存は処置群および対照群についてそれぞれ8.8日および9.0日であ
った。
【0053】 900cGyのTBIの全生存個体からの末梢血を、ドナーMHCのクラスI
に特異的な、FITCで直接標識されたモノクローナル抗体を使用して細胞分取
した(flow sorted)。MSC移植後30日にはドナーの造血の再個体数増加の証
拠は存在せず、生存および造血の回復はドナーの造血幹細胞(HSC)汚染によ
らなかったことを示唆した。これらの結果は、致死的しかし骨髄離解性でないT
BIを受領する動物に、同種異系のMSCが救助を提供することが可能であるこ
とを立証する。いずれかの特定の論理により束縛されることを願わず、これらの
データは、これらの実験での同種異系のMSCが致死的条件付けにより排除され
ていない固有のHSCに対する支持を提供していることを示唆している。
【0054】 本実施例で提示される実験で使用された材料および方法を今や記述する。 動物 8週齢のルイス(Lewis)およびウィスター・ファース(Wistar
Furth)ラットはインジアナ州インジアナポリスのハラン シュプラグ−ド
ーレイ カンパニー(Haran Sprague−Dawley Compa
ny)から得た。全部の動物はウイルス侵襲なしで獲得し、そしてアレゲニー保
健科学大学(Allegheny University of the He
alth Science)の動物施設でウイルスを含まない環境中で飼育した
。全部の動物は、国立医学研究協会(National Society fo
r Medical Research)により考案された“Principl
es of Laboratory Animal Care”および国立保健
研究所(National Institute of Health)により
作成された”Guide for the Care and Use of
Laboratory Animals“(NIH刊行物番号86−23、19
85年改定)に従って取り扱った。 骨髄ストローマ細胞培養物 8週齢の雄性ルイス(Lewis)ラットを70%CO2/30%O2気体混合
物を用いて安楽死させた。その後、動物の体毛を剃りそしてアルコールおよびプ
ロボジン溶液で調製した。下肢の長い骨を収穫し、そして10%ウシ胎児血清(
FCS)、ペニシリン/ストレプトマイシンおよびアムホテリシンBを含有する
氷冷細胞培養培地(DMEM、シグマ ケミカル カンパニー(Sigma C
hemical Co.)、ミズーリ州セントルイス)中で保存した。滅菌条件
下で、培地を含有する21ゲージの針を使用して脛骨および大腿骨から骨髄を洗
い流した。その後、10mlピペットを使用して全骨髄を分散させた。25ml
の最終体積の骨髄含有培地を滅菌のT−75(ファルコン(Falcon))プ
ラスチック製培養フラスコに添加し、そして37℃で3日間インキュベートした
。3日後に非接着層全体を捨て、そしてフラスコに新鮮培地を添加した。その後
、接着性のストローマ細胞層をトリプシンでの分離に先立ち80%コンフルエン
トまで拡張させた。培地を週2回交換した。移植に使用される細胞は第三継代に
達せさせた。 骨髄ストローマ細胞の移植 レシピエントは10週齢の雌性WFラットであった。動物は、MSCの注入に
先立ち、アレゲニー保健科学大学(Allegheny University
of the Health Science)(フィラデルフィア州フィラ
デルフィア)(AUHS)で維持されている直線形加速器から単回線量で100
0、900、500もしくは0cGyのいずれかの全身X線照射(TBI)を受
領した。培養物中で第三継代まで成長されたMSCを滅菌のリン酸緩衝生理的食
塩水(PBS)で2回洗浄し、そしてプラスチック製培養フラスコからトリプシ
ン処理により持ち上げた。血清を含まない培地で細胞を2回洗浄し、そしてその
後1mlあたり細胞5×106個の最終濃度で滅菌の血清を含まない培地に再懸
濁した。トリパンブルー排除アッセイにより細胞の生存率を確認し、そして血球
計算板を使用して細胞を計数した。レシピエント動物は、単回線量のTBIの受
領の4時間以内に、5×106個のMSCを含有する単回の1mlのi.p.注
入を受領した。対照動物は、TBIおよび1mlの滅菌の血清を含まない培地を
含むi.p.注入を受領した。対照群にはMSCを投与しなかった。動物が倒れ
た場合は、移植時点から死亡までの日数で生存を測定した。 照射されたMSC MSCは本明細書の別の場所で既に記述されたとおり調製した。5000万個
の細胞を50mlの血清を含まない培地に再懸濁し、そして137Cs照射装置か
らの10,000cGyに曝露した。照射された細胞は、その後、i.p.注入
に先立ち、滅菌の血清を含まない培地で2回洗浄しかつ再懸濁した。 末梢血算定 500マイクロリットルの全末梢血を、EDTAを含有する小児科用全血球算
定(CBC)ヴァキュテーナー(vacutainer)チューブに収集した。
AUHSの臨床血液学教室によりヘモグロビンおよびヘマトクリットを包含する
CBCを実施した。人的白血球算定および白血球分画もまた各サンプルで実施し
た。 フローサイトメトリー 蛍光表示式細胞分取器(FACS)による分析のため、末梢血リンパ球(PB
L)を、LEWについてRTAa,b,1 FITC結合モノクローナル抗体(mA
b)で(RTA1)、また、WFについてRTAu FITC結合ポリクローナル
抗体血清で(RTAu)染色した。細胞は、関連性のないFITC結合抗体アイ
ソタイプ対照でもまた染色した。簡潔には、尾の出血により500μlの末梢血
をヘパリン処理された1.5mlエッペンドルフチューブに収集した。末梢血を
15mlのポリプロピレン製チューブに移し、そしてフィコール(Ficoll
)ハイパーク遠心分離勾配を使用してPBLを単離した。PBLを含有する軟膜
をPBSで2回洗浄し、そしてFACS培地に再懸濁した。細胞を、暗所で30
分間、ドナーおよびレシピエント特異的な抗体の存在下で水を含む氷上で(on we
t ice)インキュベートした。インキュベーション後に、染色された細胞を再度F
ACS培地で2回洗浄し、そして1%パラホルムアルデヒド溶液で固定した。そ
の後、ベクトン−ディクソン(Becton−Dickson)(ニュージャー
ジー州リンカーンパーク)FACScanを使用して、抗体染色された細胞を蛍
光抗体細胞分取した。製造元により提供されたセルクェスト(Cell Que
st)ソフトウェアパッケージを使用してデータを解析した。 ドナーのDNAサンプルの調製 レシピエント動物を殺し、そして門脈血、肝、脾、胸腺、筋、皮膚、骨髄およ
び骨を収穫した。製造元のプロトコルに従ってDNAゾル BD[DNAzol
BD](商標)(ギブコ(Gibco)、ライフ テクノロジーズ(Life
Technologies))を使用して、門脈血からゲノムDNAを精製し
た。固形組織は収穫直後に液体窒素中で急速凍結させた。凍結された組織を滅菌
の乳鉢および乳棒ですりつぶし、そして分散された組織を1%サルコシルおよび
0.5mM EDTAの存在下に20mg/mlのプロテイナーゼK中55℃で
一夜消化することにより、ゲノムDNAを調製した。標準的フェノール−クロロ
ホルム抽出および氷冷エタノール沈殿によりDNAを消化物から精製した。26
0/280分光測光法によりDNAの濃度を測定した。 ゲノムDNAの蛍光読み出し実時間PCR ラットY染色体に特異的な標的配列を増幅する、特別に設計された一対のオリ
ゴヌクレオチドプライマー、ならびに5’端に蛍光分子6−カルボキシフルオレ
セイン(FAM)および3’端に消光体分子6−カルボキシテトラメチルローダ
ミン(TAMRA)をもつオリゴヌクレオチドレポーター「タックマン(Taq
man)」型のプローブを、パーキン エルマー(Perkin Elmer)
(カリフォルニア州フォスターシティ)から得た。ABI プリズム(Pris
m)モデル7700配列検出系(パーキン エルマー(Perkin Elme
r)、カリフォルニア州フォスターシティ)を使用して、DNAサンプルの蛍光
読み出し「実時間」定量的配列検出(QSD)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
を実施した。
【0055】 PCR混合物は、1μgのゲノムのDNA、0.05U/μlのアンプリタッ
ク ゴールド[AmpliTaq Gold](商標)(パーキン エルマー(
Perkin Elmer))、0.01U/μlのアンプイレース UNG[
AmpErase UNG](商標)(パーキン エルマー(Perkin E
lmer))、5.5mM MgCl2、200μM dATP、dCTP、d
GTPおよび400μMのdUTP、200nMの順向きプライマー、200n
Mの逆向きプライマー、100μMのタックマン[TaqMan](商標)オリ
ゴヌクレオチドプローブ、1×タックマン[TaqMan](商標)緩衝液(パ
ーキン エルマー(Perkin Elmer))ならびにウェルあたり50μ
lの最終反応体積のための適量のd.H2Oを含有した。DNAを含有するPC
R混合物を96穴プレートに負荷し、そして光学的蓋で封止した。熱循環条件は
以下のとおり、すなわち、94℃10分間、次いで94℃15秒間、63℃1分
間の35周期であった。雄性対雌性(male-to-female)ラットDNAの1:0から
1:100,000までの標準希釈物を、標準曲線を作成するのに使用される参
照標準としてはたらくように、実験サンプルと一緒に各96穴プレート上で三重
で負荷した。製造元により提供されるABIモデル7700ソフトウェアを使用
して実時間PCRのデータを解析した。 対宿主性移植片病 動物は対宿主性移植片病(GVHD)の兆候について毎日監視した。これは、
落屑する真皮、腫脹された足蹠、食欲不振、下痢および体重減少についての検査
を包含した。殺す際に脾の重量を測定し、そして小腸および舌の部分を10%緩
衝ホルマリン中で固定し、パラフィン中に埋込みそして薄片にした。ヘマトキシ
リンおよびエオシンで組織染色を実施し、そして染色された切片をGVHDの微
視的証拠について光学顕微鏡検査により検査した。 心移植 8週齢の雌性LEWラットを心ドナーとして使用した。全部の手術は全身麻酔
下で実施した。LEWのドナー心は軟氷を用いる低温心停止下で収穫した。大静
脈および肺静脈を4.0絹縫合糸で結紮し、また、大動脈および肺動脈を鋭い鋏
を使用して処理した。小野(Ono)とリンゼイ(Lindsey)の改変技術
を使用して異所性の心移植を実施した。ドナーの大動脈および肺動脈をそれぞれ
レシピエントの腹部大動脈および下部大静脈に吻合した。吻合は、9.0ポリプ
ロピレン単繊維縫合糸を使用して端から側への様式で実施した。移植組織の生存
能力はレシピエント腹部の毎日の触診により決定した。触診が中間であった場合
には移植片を直視下に検分した。拒絶反応は心室収縮の完全な非存在により示さ
れ、そして組織学的に確認された。技術上の誤りが即座の移植片の不具合もしく
は死亡につながる動物は、移植片の生存の統計学に包含しなかった。
【0056】 本実施例で提示される実験の結果を今や記述する。 骨髄ストローマ細胞は、5×106個のMSCの単回i.p.注入のみで、致死
的に照射された宿主の生存を高める 致死的照射からの生存は造血系の復帰に依存する。骨髄の微小環境内ではMS
Cと造血幹細胞(HSC)との間に非常に複雑な関係が起こっていることが既知
である。インビトロでは、HSCが長期の培養物として生存するのにMSC層に
頼ることが示されている。しかしながら、HSCの亜集団およびこの回復を助長
するかも知れない他の細胞での造血の救助の多数の報告にもかかわらず、インビ
ボの関係は未だ定義されていない。本明細書に開示されるデータは、培養物中で
成長されたMSCが、第三継代(およそ5週間)まで、致死線量の900cGy
のX線照射、次いでMSCの単回腹腔内注入を受領した実験群の動物の大多数に
おいて、造血のインビボの回復を高めたのみならずしかし完全な回復もまた可能
にしたことを立証する(表1)。さらに、この処置レジメンを生存した動物は対
宿主性移植片病(GVHD)の症状発現を表さなかった。より具体的には、90
0cGyおよび腹腔内注入を介する5×106個のMSCを含有する1mlの血
清を含まない培地を受領した31匹のウィスター・ファース(Wistar F
urth)(WF)雌性ラットのうち21匹が、完全な回復まで生存した。対照
動物の全22匹は、900cGyおよびMSC成分を含まない1mlの血清培地
の同一のi.p.注入を受領した。対照群の動物のいずれも生存せず、平均死亡
は15日であった。
【0057】
【表1】
【0058】 この処置レジメンをより高レベルおよび低レベル双方の照射で反復した。1,
000cGyの全身照射(TBI)で救助効果は喪失され、実験群もしくは対照
群のいずれの動物も9日を越して生存しなかった。理論により束縛されることを
願わないが、このレベルの放射は、最小限の骨髄構成要素のみが曝露後に生存す
ることを可能にする、致死的および骨髄離解性の双方であると考えられる。より
低レベルの500cGyでは、実験および対照群の双方が悪影響を経験せず、そ
して生存は100%であった。同様に、5×106個のMSCを受領しかつ放射
を受領しない対照動物は悪影響を経験せず、かつ100%の生存率を立証した。
900cGy+5×106個のMSC後の造血の回復 致死的放射を受領する動物は、重症の敗血症および十分な免疫応答の装備かつ
維持の不可能から死亡した。放射後早期にみられた重症の好中球減少症は、その
後、赤血球生成の欠如からのヘマトクリットの定常的下落により複合された。白
血球および赤血球双方の回復を実験および対照動物において2、3および4ヶ月
で監視した(図1)。各群の5匹のラットはAUHSの臨床検査室により実施さ
れたCBCを有した。この分析は、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球算定
、血小板算定および人的白血球分画を包含した。時間にわたるヘマトクリットは
放射を受領しない対照に匹敵するレベルに達した(図1A)。照射された動物の
全部は放射直後の期間に非常に貧血であり、耳および足の白化ならびに網膜の色
の喪失を伴った。しかしながら、30日まで生存する動物は、身体検査により、
処置されない同腹子と区別がつかなかった。白血球算定は対照と同一のレベルま
で回復しなかったが、30日後に分析された全部のラットで、免疫能力のある範
囲への十分な白血球の回復が示された(図1B)。 救助された動物はGVHDの兆候を表さない 致死的放射後に全骨髄で再構成されたげっ歯類はGVHDの多くの兆候を表す
。しばしば、身体検査および組織学的分析の双方により示すことができるこの病
状は、非常に高い死亡率を伴う。従って、同種異系のMSCを受領する全部の動
物を、GVHDを暗示する皮膚科学的変化、耳のびらん、足蹠の腫脹、体重減少
もしくは下痢について毎日検査した。剖検に際して脾の重量を測定し、そして小
腸および舌からの組織サンプルを微視的に検査した。どの動物もGVHDの著し
いもしくは微視的な証拠を表さなかった。 照射されたMSCは照射された動物を救助しない MSCは高レベルの放射線抵抗性を保有することが伝統的に立証されているが
、これらの実験におけるMSCの救助特性は高線量放射後に喪失される。500
0万個の細胞を含有するアリコートを、照射された動物へのi.p.注入に先立
ち10,000cGyに曝露した。表2に示されるとおり、救助効果は1匹の動
物以外で喪失された。
【0059】
【表2】
【0060】 造血の固有の回復 いくつかのHSCのみで再構成することにより、照射された宿主で完全な造血
の回復が起こる可能性があることを、いくつかの報告が立証している。従って、
MSC培養物中で生存していたかも知れずかつ観察された生存および回復の効果
のありそうな説明となるかも知れない、ドナーのLEWのHSCでのWFレシピ
エントの可能性のある汚染を検査した。PBLのフローサイトメトリー分析は、
ドナーのLEW細胞がレシピエントのWF動物中に存在しなかったことを立証し
た(図2)。11匹の実験動物およびそれらの対応する処置されない対照を、M
SC移植後30日に末梢血について採血した。FITC結合モノクローナル抗体
RTAa,b,1を使用してLEWのMHC−I陽性成分について、また、FITC
結合ポリクローナル抗体RTAuを使用してWFのMHC−II陽性成分につい
て染色した。図2は、30日後に900cGyおよび500万個のMSCで処置
された動物からのPBLの分析により生成されたヒストグラムの典型的結果を表
す。図2Aは対照のフロー分析を表し、ここでは、WFおよびLEWのPBLを
混合しかつRTAa,b,1(MHC−I)で染色し、WFおよびLEWの輪郭を明
瞭に立証する。強いLEWシグナルが10,000事象の収集後に明瞭に存在す
る(図2A)。対照的に、レシピエントラット番号21により例示されるとおり
、LEWのMSCで処置されたWFレシピエントのいずれにおいても陽性のLE
W染色(RTAa,b,1(MHC−I))は示されなかった(図2B)。これらの
データは、LEWのHSCでの汚染が高度にありそうにないこと、および、これ
らの動物における造血の再構成が固有の現象であることを示唆する。 雄性LEW細胞についての実時間PCRアッセイ 造血の再構成が固有でありかつ照射された動物に投与されたMSCのドナーH
SCの汚染により引き起こされなかったことをさらに立証するため、雌性宿主に
存在するつがいの(mate)ラットのDNAの検出のための高度に感受性の実時間P
CR定量的配列検出アッセイを開発した。パーキン エルマー(Perkin
Elmer)(カリフォルニア州フォスターシティ)からのABIモデル770
0実時間配列検出器系、ならびにY染色体特異的なPCRプライマー対およびタ
ックマン(Taqman)型プローブを使用して、雄性対雌性DNAの100,
000倍希釈(もしくは1μgの雌性DNA中に存在するより少ない10pgの
雄性DNA)の検出限界まで、雌性DNA中で雄性DNAを検出した(図3)。
既知の比率の雄性対雌性DNAを含有する一組の希釈標準を調製し、そして、Δ
Rn(検出可能な蛍光の変化)をPCRの周期数の関数としてプロットしてそう
して各サンプルについての増幅プロットを生成させることにより、各希釈につい
て閾値周期(Ct)(すなわち、蛍光検出のレベルが自由裁量の閾値(この場合
は標準偏差の10倍に同等であるよう設定した)に達する周期の数)を決定した
(図3A)。閾値周期は、サンプル中に存在する増幅されている標的核酸の量に
相関する。すなわち、より高濃度の標的DNA(この場合はラットのY染色体特
異的DNA)では、閾値周期はより少ない周期数で達せられる。その後、増幅プ
ロットを使用して、1μgのDNA中の雄性LEWのDNAのパーセント(%)
に対する臨界閾値(Ct)の標準曲線を生成させた(図3B)。この系を使用し
て、MSC移植1および2ヶ月後に、WFレシピエントからの血液、骨、骨髄、
肝、筋、皮膚、脾および胸腺を検査した。1μgの雌性DNA中に存在する10
pgの雄性DNAを検出することが可能である本アッセイの高感度にもかかわら
ず、分析されたサンプルのいずれにおいても雄性のLEWドナーのDNAは検出
されなかった(表3)。これらのデータは、レシピエントのラットにおける造血
の回復がドナーのHSCの汚染によらなかったことをさらに立証する。
【0061】
【表3】
【0062】 固形器官に対する耐性もしくは過感作の欠如 実験動物は高レベルの照射およびドナー抗原の双方に曝露されたため、この処
置プロトコルによりドナー特異的な耐性が設立されていたかも知れない可能性を
検査した。1および2ヶ月の4匹のWFレシピエントに、異所性の血管形成され
た心移植組織を与えた(表4)。
【0063】
【表4】
【0064】 2ヶ月群の4匹の動物のうち2匹は技術上の誤りにより除外した(†により示
されるとおり)。しかしながら、残存する6回の手術は手術時の合併症を伴わず
成功であった。心移植片は実験群もしくは対照群のいずれにおいても耐性状態に
達しなかった。耐性は立証されなかったが超急性の拒絶反応も立証されなかった
という事実が興味深い。2ヶ月群での移植された心は6.5日の平均生存を有し
た。4ヶ月群の心は9.3日の平均生存を有した。これらの結果は、7.4日と
いう平均生存を有した対照移植片と統計学的に異ならなかった。
【0065】 本明細書で引用されるそれぞれのかつすべての特許、特許出願および刊行物の
開示は、これによりそっくりそのまま引用により本明細書に組み込まれる。
【0066】 本発明は特定の態様に関して開示された一方、本発明の他の態様および変形物
が本発明の真の技術思想および範囲から離れることなく当業者により工夫される
ことができることが明らかである。付属として付けられる請求の範囲は、全部の
こうした態様および同等な変形物を包含するよう解釈されることを意図している
【図面の簡単な説明】
【図1A】 発明にかかる、いかなる細胞も受領しなかった照射されない対照動物と比較した
、照射されかつ同種異系のMSCを注入されたラットにおける造血の回復を描く
グラフである。該グラフは、対照ラット(◆)に比較した時間にわたる照射され
たラット(■)におけるヘマトクリットの上昇を描く。
【図1B】 発明にかかる、いかなる細胞も受領しなかった照射されない対照動物と比較した
、照射されかつ同種異系のMSCを注入されたラットにおける造血の回復を描く
グラフである。該グラフは、対照ラット(◆)に比較した時間にわたる照射され
たラット(■)における白血球の上昇(1μlあたり1000個で表現される)
を描く。
【図2A】 発明にかかる、MHC−1についてFITC結合mAb(RTAa,b,1)を使用
して染色されたウィスター・ファース(Wistar Furth)ラット(W
F)およびルイス(Lewis)(LEW)ラットからのPBLの混合集団のF
ACSプロフィルを描くグラフである。
【図2B】 発明にかかる、レシピエントのWF中のPBLが固有の起源のものでありかつそ
れらがLEW細胞由来でないことを立証する、MHC−1についてFITC結合
mAb(RTAa,b,1)を使用して染色されたルイス(Lewis)(LEW)
ラットからのMSCを既に注入されたウィスター・ファース(Wistar F
urth)ラット(WF)からのPBLのFACSプロフィルを描くグラフであ
る。
【図3A】 発明にかかる、雌性WFラットDNAにおける雄性ルイス(Lewis)(LE
W)ラットDNAの各希釈物についての閾値周期を立証する実時間PCRアッセ
イの増幅プロットを描くグラフである。WF雌性ラットDNA1μg中の雄性L
EWラットDNAの量を以下のとおりパーセントにより表現する:(a)100
%、(b)10%、(c)1%、(d)0.1%、(e)0.01%、(f)0
.001%および(g)0%の対照。
【図3B】 発明にかかる、図3Aに描かれる6種の希釈標準品の増幅プロットについての閾
値周期データに基づく標準曲線である。WF雌性ラットDNAもまた含有するサ
ンプル中の雄性LEWラットDNAの量は、この標準曲線に基づき、実時間PC
Rを使用して閾値周期を決定することにより算出してよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ランゲル,ジヨン アメリカ合衆国カリフオルニア州95124サ ンノゼ・マーシーリンコート1760 Fターム(参考) 4C087 AA01 AA02 BB44 BB64 CA04 NA14 ZA51 ZB21

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 致死線量の全身照射からの哺乳動物の救助方法であって、照
    射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨
    髄ストローマ細胞を投与してそれにより前記哺乳動物を致死線量の全身照射から
    救助することを含んで成る前記方法。
  2. 【請求項2】 前記哺乳動物が、げっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネコ
    、非ヒトの霊長類およびヒトより成る群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記哺乳動物がヒトである、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記投与が注入である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 哺乳動物における造血を高める方法であって、哺乳動物に同
    種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投
    与してそれにより前記哺乳動物における造血を高めることを含んで成る前記方法
  6. 【請求項6】 前記哺乳動物が、げっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネコ
    、非ヒトの霊長類およびヒトより成る群から選択される、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記哺乳動物がヒトである、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記投与が注入である、請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血幹細
    胞の分化を高める方法であって、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以
    外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより前記
    哺乳動物における造血幹細胞の分化を高めることを含んで成る前記方法。
  10. 【請求項10】 前記哺乳動物が、げっ歯類、ウマ、雌牛、ブタ、イヌ、ネ
    コ、非ヒトの霊長類およびヒトより成る群から選択される、請求項9記載の方法
  11. 【請求項11】 前記哺乳動物がヒトである、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記投与が注入である、請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 致死線量の全身照射を与えられた哺乳動物における造血の
    回復を高める方法であって、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は
    同一のドナー哺乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより前記哺乳
    動物における造血の回復を高めることを含んで成る前記方法。
  14. 【請求項14】 離解された骨髄を含んで成る哺乳動物の処置方法であって
    、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物からの骨髄スト
    ローマ細胞を投与してそれにより離解された骨髄を含んで成る前記哺乳動物を処
    置することを含んで成る前記方法。
  15. 【請求項15】 離解された骨髄を含んで成る哺乳動物における造血を高め
    る方法であって、哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺乳動物
    からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより離解された骨髄を含んで成る前
    記哺乳動物における造血を高めることを含んで成る前記方法。
  16. 【請求項16】 致死線量の全身照射に曝露された哺乳動物の生存の増大方
    法であって、照射された哺乳動物に同種異系のしかしそれ以外は同一のドナー哺
    乳動物からの骨髄ストローマ細胞を投与してそれにより致死線量の全身照射に曝
    露された哺乳動物の生存を増大させることを含んで成る前記方法。
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