JP2002506746A - 溝付き複合体及び関連する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複合体の長手方向に縞（１２）をなして分散する吸収性材料を有する繊維質マトリックスを含む吸収性複合体（１０）を開示する。縞は、液体分配区域（１４）を規定する。液体との接触時に吸収性材料の膨潤が起き、これによって、分配区域（１４）によって分離された膨潤した吸収性材料を含む溝を有する湿潤した複合体が生じる。分配区域は、本複合体のうち吸収性材料を実質的に含まない領域である。本複合体を含む吸収性物品も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明は、吸収性複合体及びこの複合体を含む吸収性物品に関する。本吸収性
複合体は、超吸収性材料を含む、溝付き吸収性複合体である。

【０００２】 発明の背景 木材パルプに由来するセルロース繊維類は、様々な吸収性物品中に、例えばお
むつ、失禁用製品、及び女性用衛生製品中に使用されている。吸収性物品は、液
体の高い吸収容量、迅速な液体捕捉、低い再湿潤を有し、並びに、使用の際の耐
久性と有効な流体管理とのために良好な乾燥及び湿潤強度特性を有することが望
ましい。セルロース繊維類から作られた物品の吸収容量を高めるためにしばしば
、吸収性材料、例えば超吸収性ポリマー類を加える。従来技術において周知の超
吸収性ポリマー類は、自らの重量の５〜１００倍以上の量の液体を吸収する能力
を有する。従って、超吸収性ポリマー類の存在は、セルロースから作られた吸収
性物品の液体保持容量を非常に増大させる。

【０００３】 超吸収性ポリマー類は液体との接触時に液体を吸収して膨潤するので、超吸収
性ポリマー類は、これまでは、従来の乾式エアレイド法（dry, air-laid method
s）によって製造されたセルロースマット中に主として取り入れられてきた。セ ルロースマットを形成するための湿式法（wet-laid processes）は、工業的に使
用されてこなかったが、というのも超吸収性ポリマー類は吸収性マットの形成最
中に液体を吸収して膨潤する傾向があり、従ってその完全な乾燥のためにはかな
りのエネルギーが必要だからである。

【０００４】 湿式法によって形成されたセルロース構造は典型的には、エアレイド構造のも
のより優れた特定の特性を示す。湿式セルロース構造の完全性（integrity）、 流体分配、及びウィッキング特性は一般的に、エアレイド構造のものよりも優れ
ている。湿式複合体の利点と超吸収性材料の超吸収容量とを組合せようという試
みは、超吸収性ポリマー類を含む様々な湿式吸収性複合体の形成をもたらした。
こうした構造は一般に、湿式複合体の表面に分布する超吸収性ポリマー類を有す
る構造か、積層品か、または他に、複合体全体にわたって比較的に均一に分布す
る超吸収性材料を有する構造を特徴とすることができる。

【０００５】 しかしながら、超吸収性材料を含む吸収性複合体は一般に、ゲルブロッキング
という難点がある。液体吸収時に超吸収性材料は凝集して、ゼラチン状の塊を形
成する傾向があり、この塊は複合体の湿潤していない部分への液体のウィッキン
グを妨げる。複合体の湿潤していない部分への捕捉した液体の分配を妨げること
によって、ゲルブロッキングは、繊維質複合体における超吸収性材料の有効でか
つ効果的な使用を妨害する。超吸収性材料が比較的に均一に分布しているような
従来の繊維質複合体のウィッキング容量は一般に、最初の液体侵襲（liquid ins
ult）後に大幅に限定されてしまう。そのような繊維質複合体の容量の減少は、 超吸収性材料の膨潤に伴い毛管捕捉及び分配チャネルが制限されることから生じ
る。超吸収性材料を含む従来の吸収性コアの吸収容量の減少と、毛管分配チャネ
ルの付随する損失とは、連続した液体侵襲時の液体捕捉速度の低下と理想には程
遠い液体分配とによって明らかになる。

【０００６】 従って、超吸収性材料を含み、かつ、複合体全体にわたって液体を有効に捕捉
しウィッキングし、捕捉した液体を吸収性材料に分配するような吸収性複合体で
あって、その吸収性材料では液体が効果的に吸収されて保持されしかもゲルブロ
ッキングの無い吸収性複合体が要望されている。また、連続した液体侵襲時に、
複合体全体にわたって液体を捕捉し分配し続ける吸収性複合体も要望されている
。加えて、湿潤強度、吸収容量及び捕捉、液体分配、柔らかさ、及び反発弾性を
含む湿式複合体に関連する利益を示すような超吸収性材料を含む吸収性複合体も
要望されている。本発明は、こうした要求を満たそうと試み、また、さらなる関
連利益を提供する。

【０００７】 発明の要約 １態様においては、本発明は、本複合体を通してかつ本複合体の長手方向に分
散した吸収性材料を含む吸収性繊維質複合体を提供する。湿潤時に、本複合体に
よって捕捉された液体は本複合体全体にわたって分配され、最終的には、本複合
体の吸収性材料によって吸収される。１実施例においては吸収性材料は、本複合
体の長手方向に縞をなして分散する。そのような実施例の場合、吸収性材料は、
捕捉した液体によって膨潤し、本複合体のうち吸収性材料を含む部分は膨張し、
本複合体の湿潤した表面から隆起して、隆起部（ridge）または溝を形成する。 湿潤した複合体の溝付き構造は、後に起きる液体侵襲時の液体のウィッキング、
捕捉、及び分配を向上する。

【０００８】 本発明の別の態様においては、本溝付き複合体を含む吸収性物品を提供する。
本吸収性物品は、消費者用吸収性製品の例えば、おむつ、女性用ケア製品、及び
成人用失禁用製品を含む。

【０００９】 本発明の上述の態様と多くの付随する利益とは、以下の詳細な説明を添付図面
と合わせて参照することによってより良く理解されるにつれて、より容易に了解
できよう。

【００１０】 好適な実施例の詳細な説明 本発明の吸収性複合体は、吸収性材料を含む繊維質複合体である。本吸収性複
合体は、本複合体の長手方向に縞をなして分散する吸収性材料を有する繊維質マ
トリックスを含む。本複合体の吸収性材料の縞の間に、主として繊維で構成され
る分配区域がある。一般に、吸収性材料は、本複合体によって捕捉された液体を
吸収しかつ保持するのに役立つ。本複合体の繊維質分配区域は、本複合体に接触
する液体を捕捉するのに役立ち、また、捕捉した液体を、本複合体全体にわたっ
てさらに最終的には吸収性材料へと分配するのに役立つ。

【００１１】 本吸収性複合体は、様々な吸収性物品中に好都合に取り入れることができ、こ
の物品は例えば使い捨ておむつを含むおむつ及び幼児トイレ訓練用パンツ；生理
用ナプキン、及びパンツライナを含む女性用ケア製品；成人用失禁用製品；紙タ
オル；外科用及び歯科用スポンジ；包帯；食品トレイパッド；及びその他同様な
ものである。本複合体は非常に吸収性があるので、本複合体は液体貯留コアとし
て吸収性物品中に取り入れることができる。そのような構成体においては、本複
合体は１種以上の他の複合体と組合せるか、または、例えば捕捉及び／または分
配層を含む層と組合せることができる。他に、本複合体は液体を迅速に捕捉、分
配、及び貯留できるので、捕捉及び／または分配層等の他の個々の層を含むこと
無く、本複合体を単独の吸収性構成要素として吸収性物品中に有効に取り入れる
ことができる。好適な実施例においては本発明は、溝付き吸収性複合体を含みか
つ液体透過性上張りシートと液体非透過性裏当てシートとを有するおむつのよう
な吸収性物品を提供する。加えて、液体を迅速に捕捉及び分配するための本複合
体の容量が理由となって、本複合体は、捕捉した液体の一部を捕捉し、下にある
貯留コアに移動させる液体管理層として役立つことができる。従って別の実施例
においては、本吸収性複合体を貯留コアと組合せて、吸収性物品において有用な
吸収性コアを提供できる。

【００１２】 本発明の吸収性複合体は、溝付き貯留複合体である。本明細書において使用す
る「溝付き」という用語は、湿潤時に吸収性材料の膨張の結果として隆起部また
は溝を生じるという本複合体の性質を指す。上記に言及したように、吸収性材料
は縞すなわちストライプをなして配置され、本複合体の幅の端から端まで位置決
めされ、かつ本複合体の長手方向に縞をなして延在する。本繊維質複合体によっ
て捕捉された液体と接触した時に吸収性材料の膨潤が起き、これによって、分配
区域すなわちチャネルによって分離された膨潤した吸収性材料を含む隆起部また
は溝を有する湿潤した複合体が生じる。分配区域すなわちチャネルは、本複合体
のうち一般に吸収性材料を実質的に含まない領域である。

【００１３】 本発明の溝付き複合体は、セルロース系繊維から製造される繊維質構造であっ
て、このセルロース系繊維は、形成プロセスの最中に湿潤済みであり、この結果
、繊維同士が結合している繊維質複合体を提供する。この文脈において使用する
「結合している」という用語は、湿潤済みであり、次にマットまたはウェブにな
る繊維同士の間に生じる水素結合を指す。次に繊維質ウェブになる湿潤した繊維
同士の間に生じる結合は、湿潤時及び乾燥時の両方で、エアレイドウェブと比較
して増大した強度と構造完全性とを有するウェブをもたらす。湿潤した繊維から
形成した繊維質ウェブは、乾燥した繊維から形成したエアレイド繊維質ウェブよ
りもかなり大きな強度と完全性とを有する。乾燥した繊維は、何らかの意味のあ
る繊維間結合を形成できない。繊維質ウェブ中の乾燥した繊維同士が単に接近し
ただけでは、繊維同士の間に何らかの意味のある結合を提供するには不十分であ
る。その結果として周知のように、エアレイド繊維質ウェブは一般に、湿潤また
は乾燥強度を欠いている。標準的な湿式法に加えて、発泡形成法（foam-forming
process）によって、湿潤した繊維を生成して繊維質ウェブにすることができる
。

【００１４】 本発明の溝付き吸収性複合体の縞状の性質を図１〜３に示す。図１を参照する
と、本発明に従って形成され参照符号１０によって全体が示される代表的な溝付
き吸収性複合体は、吸収性材料富化領域１２（すなわち、液体貯留区域）と、吸
収性材料を実質的に含まない繊維質領域１４（すなわち、液体分配区域）とを含
む。吸収性材料富化領域１２は一般に、吸収性材料を加え済みの繊維質領域であ
る。

【００１５】 本吸収性複合体が液体と接触した際に、液体は、本複合体の主として繊維質の
領域によって迅速に捕捉される。繊維質領域は性質上比較的に開口しかつ多孔性
であり、迅速な液体捕捉、ウィッキング、及び分配を促進する。本複合体によっ
て捕捉された液体は一般に、本繊維質複合体を通って本複合体の長手方向に、分
配区域（すなわち、領域１４）を経て迅速に移動し、本複合体の吸収性材料富化
領域（すなわち、領域１２）によって吸収される。捕捉した液体は一般に、液体
が本複合体の長手方向に分配されるにつれて、横方向にウィッキングされて吸収
性材料中に入る。

【００１６】 本溝付き複合体の場合、連続した液体侵襲は、最初の侵襲の速度よりも大きな
速度で吸収され、これは、最初の液体侵襲時の溝及びチャネルの確立によって起
きる。湿潤時に、本発明の複合体は、チャネルを有する溝付き構造になり、この
チャネルは、迅速に追加の液体を捕捉し、侵襲から離れた位置に液体を分配する
ためのものである。超吸収体による液体の取り込みは、繊維質構造中の空隙の膨
張及び増強をもたらす。本溝付き複合体の場合、後に起きる液体侵襲の捕捉時間
は一般に、最初の捕捉のものよりも短い。連続した液体侵襲の場合の捕捉時間の
低減は一般に、従来の吸収性構成体に関しては観察されない。従来の吸収性構造
は溝付き構造を形成できず、従って追加の液体を分配するためのチャネルを欠い
ているので、こうした構造の捕捉時間は一般に、連続した液体侵襲の場合には増
大する。捕捉時間の増大は、液体はゆっくりとのみ捕捉され、複合体の飽和した
領域を通って複合体のより離れた液体を吸収できる領域へと分配されるという事
実に起因すると考えられる。従って、本溝付き吸収性複合体は、従来の吸収性構
造にほぼ匹敵するかまたはより大きな最初の液体捕捉速度に対処し、従来の複合
体を基準として、連続した液体捕捉の場合の液体捕捉速度がかなり増大する。

【００１７】 本発明の溝付き複合体の乾燥及び湿潤構造を図２Ａ及び２Ｂに示し、これは代
表的な溝付き吸収性複合体の横方向断面図である。図２Ａは、図１に示す乾燥し
た複合体の断面図であり、領域１２及び１４並びに湿潤していない複合体の比較
的に均一な厚さを示す。図２Ｂは、図１に示す複合体の湿潤状態での断面図であ
り、例えば、液体侵襲及び液体吸収並びに吸収性材料の膨潤及び膨張の後のもの
である。図２Ｂを参照すると、吸収性材料富化領域１２（すなわち、液体貯留領
域）は、溝同士の間に谷底（valley floor）すなわちチャネルを形成する繊維質
領域１４（すなわち、液体分配区域）によって分離された隆起部または溝として
示される。湿潤した繊維質複合体の溝付き構造が少なくとも部分的には理由とな
って、後に起きる液体侵襲は、他の形状の吸収性材料を含む複合体と比較して、
本溝付き複合体によって迅速に吸収される。ここで他の形状の吸収性材料を含む
複合体は、例えば、吸収性材料は、複合体全体にわたって実質的に均一に分布し
、特にゲルブロッキング、低液体捕捉速度、及び液体漏れを被りやすい複合体で
ある。

【００１８】 実施例１において、代表的な溝付き吸収性複合体の液体捕捉速度及び時間を、
吸収性材料の比較的に均一な分布を有する貯留コアのものと比較する。本溝付き
吸収性複合体の捕捉速度は、市販のコアの速度よりもかなり大きく、市販のコア
は、連続した侵襲によってかなりの捕捉速度の低下を示した。それに反して本発
明の複合体は、３回の侵襲で高い速度を維持した。本溝付き複合体はまた、複合
体全体にわたって吸収性材料の比較的に均一な分布を有しかつ同様に構成された
湿潤複合体よりも大きな速度を示した。

【００１９】 実施例２は、代表的な溝付き吸収性複合体のウィッキング特性を、市販のおむ
つコア及び複合体全体にわたって実質的に均一に分布する超吸収性材料を含む湿
式繊維質コアと比較する。水平及び垂直ウィッキングの結果によると、エアレイ
ドの市販のコアは最も不満足なウィッキング特性を有するが、一方、吸収性材料
の縞を有する本発明の溝付き複合体は、比較的に均一に分布した吸収性材料を含
みかつ同様に構成された複合体と比較して、ウィッキングのかなりの向上を見せ
ることが示される。

【００２０】 侵襲の位置から本複合体全体にわたって液体を分配することは、本複合体のウ
ィッキング容量と材料利用の効率とを証明する。実施例３において、代表的な溝
付き複合体の液体分配を２種の市販のおむつコアと比較する。結果は、侵襲の位
置で液体を蓄積するという難点がある市販のコアと異なり、本溝付き複合体はほ
ぼ理想的な分配を有し、液体を複合体全体にわたって分配し、本複合体の材料を
十分に利用することを示す。

【００２１】 従来の貯留コアにおいては、液体侵襲は、平均的な乳児の排尿速度よりも小さ
な速度で吸収されるので、液体はおむつからその縁部で漏れ得る。そのような漏
れを防ぐために、おむつ製造業者は、複雑で費用のかかる脚部カフガスケッティ
ングシステム（leg cuff gasketing system）を開発し、これは乳児の脚部の周 りにぴったり合い、一般に不快でありまた跡を残す。おむつ中に貯留コアとして
取り入れた場合、本発明の溝付き複合体は、従来の貯留コアに関連した縁部での
漏れという課題を解決する。従って、１好適な実施例においては、本溝付き吸収
性複合体は、内部の縞よりも比較的により多量の吸収体を含む吸収性材料の最外
部の縞を含む。図３を参照すると、最外部の吸収性材料富化領域１２は、内部の
領域１２を基準としてより多量の吸収性材料を有し、その結果より大きな吸収容
量を有し、従って、比較的により少量の吸収性材料を含む溝よりもより大きなサ
イズに膨潤し膨張することができる。最外部の領域１２中に比較的に多量の吸収
性材料を有する溝付き吸収性コアは、複合体の縁部からの液体の漏れを防ぐ助け
となることができる。別の好適な実施例においては、最外部の吸収性材料富化領
域１２は、内部の領域１２中に含まれる吸収性材料よりも高い吸収及び／または
液体保持容量を有する吸収性材料を含む。

【００２２】 乳児の皮膚は常に、おむつの貯留コアからの保持された液体に関連した水分に
起因する刺激及び発疹を被りやすい。液体を捕捉済みの吸収性物品から放出され
た液体の量は「再湿潤」と呼ばれる。貯留コアの表面は一般に、有効に液体を吸
収するために必然的に親水性であるが、そのような親水性の表面はまた再湿潤を
助長する。着用者の皮膚と連続して接触した状態になっている従来の吸収性物品
と異なり、本溝付き複合体の表面は、溝の隆起部頂部でのみ着用者と接触し、そ
れによって、着用者の皮膚との接触と再湿潤とを最小にする。乳児の皮膚と本発
明の溝付き吸収性複合体の湿潤した表面との間の最小化された接触が理由となっ
て、従来の貯留コアの湿潤した表面と比較して、本溝付き吸収性複合体は、皮膚
の健康と着用者の快適さとに関する利点を提供する。本複合体の溝付き構造はま
た、本溝付き複合体を含む吸収性物品を通した冷却と空気流とに関連した皮膚の
健康という利点を提供することが予想される。実施例１において、代表的な溝付
き吸収性複合体の再湿潤性能を、市販のおむつコアと比較する。一般に連続した
侵襲の場合、市販のコアでは再湿潤は増大する。それに反して本発明の溝付き複
合体では、再湿潤は低いままであり、実質的に変化しない。

【００２３】 溝付き複合体の構造は、再湿潤のさらなる低減の可能性を提供する。液体侵襲
は一般に、繊維質領域と吸収性材料富化領域との縞を含む本複合体の幅の端から
端まで起きる。液体は一般に、本複合体の繊維質領域（すなわち、領域１４）に
よって迅速に捕捉され、分配され、また、一般に、本複合体の吸収性材料富化領
域（すなわち、領域１２）中に貯留される。最終的には、捕捉した液体は、本溝
付き構造の吸収性材料の縞内に存在する。さらに再湿潤を低減するために、本溝
付き吸収性複合体は、本複合体の溝の上面と一致する疎水性バリヤ（すなわち、
領域１２の表面のコーティング）を含むことができる。適切な疎水性バリヤは一
般に、従来技術において周知のラテックス並びに他の疎水性フィルム及びコーテ
ィングを含む。コート済みの溝同士の間の分配区域（すなわち、領域１４）は、
着用者から物理的に離れているので、また、着用者は、吸収性材料と捕捉した液
体とを含む溝から疎水性バリヤによって保護されているので、そのようなコート
済みの溝付き複合体は、皮膚の湿潤の低減によって皮膚の健康の増大に対処する
。任意に、疎水性バリヤはまた、本吸収性複合体の外側に面した表面に貼り付け
ることができる。そのような構造は、おむつに従来用いられているポリエチレン
防湿バリヤ（すなわち、液体非透過性裏当てシート）の厚さの低減に対処する。
疎水性バリヤを本複合体の外側に面した表面に適用することで、本溝付き吸収性
複合体を取り入れた吸収性物品の総コストと材料使用量とが低減されると思われ
る。

【００２４】 吸収性材料の複合体の縞と一致しかつ複合体の内側表面に貼り付けられた疎水
性バリヤを有する代表的な溝付き吸収性複合体を、図４Ａに示す。図４Ａを参照
すると、コート済み複合体２０は、上記に説明した領域１２及び１４、並びに、
吸収性材料富化領域１２と実質的に一致しかつ領域１２を被覆する疎水性バリヤ
１６を含む。溝付き吸収性複合体の外側に面した表面に貼り付けられた疎水性バ
リヤを有する代表的な溝付き吸収性複合体を、図４Ｂに示す。

【００２５】 繊維は、本発明の溝付き吸収性複合体の主要成分である。本発明において使用
するのに適した繊維は当業者には周知であり、吸収性複合体を形成できる任意の
繊維を含む。適切な繊維としては、天然繊維類及び合成繊維類が挙げられる。合
成繊維類と天然繊維類との組合せ及び処理済み繊維類と未処理の繊維類との組合
せを含む繊維の組合せも、本複合体中に適切に使用できる。

【００２６】 一般に繊維類は、複合体の総重量を基準として、複合体中に約２０〜約９０重
量％、好ましくは約５０〜約７０重量％の量で存在する。好適な実施例において
は、本複合体は、約６０重量％の繊維を含む。

【００２７】 本発明の複合体は弾性繊維類を含む。本明細書において使用する「弾性繊維」
という用語は、複合体に網状組織を与える、複合体中に存在する繊維を指す。一
般に弾性繊維類は、複合体にかさと弾性とを与える。弾性繊維を複合体中に取り
入れることで、複合体は液体の吸収時に膨張することが可能になり、しかも構造
完全性の損失が無い。弾性繊維はまた、複合体に柔らかさも与える。加えて、弾
性繊維は、複合体の形成プロセスにおける利益を提供する。弾性繊維類を含む湿
潤複合体から生じる多孔性でかつ開口した構造が理由となって、こうした複合体
は水を比較的に容易に排出し、従って、弾性繊維類を含まない湿潤複合体よりも
容易に脱水し乾燥する。好ましくは本複合体は、複合体の総重量を基準として、
約１０〜約６０重量％、より好ましくは約２０〜約５０重量％の量で弾性繊維類
を含む。

【００２８】 弾性繊維類は、セルロース系及び合成繊維類を含む。好ましい弾性繊維類とし
ては、化学的に剛化した繊維類、曲折の多い繊維類（anfractuous fibers）、ケ
ミサーモメカニカルパルプ（ＣＴＭＰ）、及び前加水分解済みクラフトパルプ（
ＰＨＫＰ）が挙げられる。

【００２９】 「化学的に剛化した繊維」という用語は、乾燥及び湿潤条件下での繊維のこわ
さを増大させるために化学的手段によって剛化済みの繊維を指す。繊維類をコー
ト及び／または含浸できる化学的剛化剤を加えることで、繊維類を剛化すること
ができる。剛化剤としては、例えば、下記で説明するポリアミド−エピクロロヒ
ドリン及びポリアクリルアミド樹脂等の樹脂質試薬を含む、高分子湿潤強度増強
剤（wet strength agent）が挙げられる。繊維類はまた、繊維構造を修正するこ
とによって、例えば化学架橋によって剛化できる。好ましくは、化学的に剛化し
た繊維類は、繊維内架橋済みセルロース系繊維類である。

【００３０】 弾性繊維類は、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、及びポリエステル繊維
のような合成繊維類を含む非セルロース系繊維類を含むことができる。好適な実
施例においては、弾性繊維類は架橋済みセルロース系繊維類を含む。

【００３１】 本明細書において使用する「曲折の多い繊維」という用語は、化学的に処理済
みのセルロース系繊維を指す。曲折の多い繊維としては、例えば、アンモニアを
用いて処理済みの繊維類が挙げられる。

【００３２】 弾性繊維類に加えて、本発明の複合体はマトリックス繊維類を含む。本明細書
において使用する「マトリックス繊維」という用語は、他の繊維類と水素結合を
形成できる繊維を指す。マトリックス繊維類は、本複合体中に含まれて、本複合
体に強度を与える。マトリックス繊維類は、セルロース系繊維類、例えば木材パ
ルプ繊維類、高度に精製されたセルロース系繊維類、高表面積繊維類、例えば膨
張したセルロース繊維類を含む。他の適切なセルロース系繊維類としては、とり
わけコットンリンター、綿繊維、及び麻繊維が挙げられる。好ましくは本複合体
は、複合体の総重量を基準として、約１０〜約５０重量％、より好ましくは約１
５〜約３０重量％の量でマトリックス繊維類を含む。

【００３３】 本発明の複合体は、好ましくは弾性繊維とマトリックス繊維との組合せを含む
。１好適な実施例においては、複合体は、複合体の総重量を基準として、約２５
〜約５０重量％の量の弾性繊維類と、約１０〜約４０重量％の量のマトリックス
繊維類とを含む。より好適な実施例においては、複合体は、複合体の中の繊維の
総重量を基準として、約３０〜約４５重量％の弾性繊維類、好ましくは架橋済み
セルロース系繊維類と、約１５〜約３０重量％のマトリックス繊維類、好ましく
は木材パルプ繊維類と、を含む。湿式及び発泡法（foam process）によって形成
された代表的な複合体の場合、複合体は好ましくは、約４５重量％の弾性繊維類
（例えば架橋済みセルロース系繊維類）と約１５重量％のマトリックス繊維類と
を含む。

【００３４】 セルロース系繊維類は、吸収性複合体の基本成分となり得る。他の源からも入
手可能だが、セルロース系繊維類は主として木材パルプに由来する。本発明と共
に使用するのに適した木材パルプ繊維類は、例えばクラフト法及び亜硫酸法等の
周知の化学的方法から得ることができ、それに続く漂白はあってもなくてもよい
。パルプ繊維類はまた、サーモメカニカル法、ケミサーモメカニカル法、または
これらの組合せによって加工できる。好ましいパルプ繊維は、化学的方法によっ
て製造される。粉砕した木繊維類、再生または二次木材パルプ繊維類、及び漂白
済みかまたは未漂白の木材パルプ繊維類を使用できる。軟材及び硬材を使用でき
る。木材パルプ繊維類の選択に関する詳細は、当業者には周知である。こうした
繊維類は、本発明の譲受人であるWeyerhaeuser Companyを含む多数の会社から市
販されている。例えば、サザンパイン（southern pine）から製造され、本発明 と共に使用可能な適切なセルロース繊維類は、ＣＦ４１６、ＮＦ４０５、ＰＬ４
１６、ＦＲ５１６、及びＮＢ４１６という名称でWeyerhaeuser Companyから入手
可能である。

【００３５】 本発明の木材パルプ繊維類はまた、本発明と共に使用する前に前処理できる。
この前処理は、例えば繊維類を蒸気にさらす等の物理的処理、または例えば様々
な架橋剤の任意の１つを使用してセルロース繊維類を架橋させる等の化学的処理
を含んでよい。架橋は、繊維のかさと弾性とを増大させ、それによって繊維の吸
収度を改良できる。一般に架橋済み繊維類を、撚るかまたはケン縮する。架橋済
み繊維類の使用は、複合体により弾性を持たせ、より柔らかく、よりかさ高くし
、より向上したウィッキングを持たせる。サザンパインから製造される適切な架
橋済みセルロース繊維類は、ＮＢＨ４１６という名称でWeyerhaeuser Companyか
ら入手可能である。架橋済みセルロース繊維類及びその製造方法は、Graef et a
l.に発行された米国特許第5,437,418号及び同第5,225,047号に開示されており、
特に本明細書において、参考のために引用する。

【００３６】 架橋済み繊維類は、繊維類を架橋剤を用いて処理することで製造できる。適切
なセルロース架橋剤としては、アルデヒドと尿素に基づくホルムアルデヒド付加
生成物が挙げられる。例えば、米国特許第3,224,926号、同第3,241,533号、同第
3,932,209号、同第4,035,147号、同第3,756,913号、同第4,689,118号、同第4,82
2,453号、Chungに発行された米国特許第3,440,135号、Lash et al.に発行された
米国特許第4,935,022号、Herron et al.に発行された米国特許第4,889,595号、S
haw et al.に発行された米国特許第3,819,470号、Steiger et al.に発行された 米国特許第3,658,613号、及びGraef et al.に発行された米国特許第4,853,086号
を参照されたい。これらは全て、特に本明細書において、参考のためにその全体
を引用する。セルロース繊維類はまた、ポリカルボン酸類を含むカルボン酸架橋
剤によって架橋される。米国特許第5,137,537号、同第5,183,707号、及び同第5,
190,563号は、少なくとも３つのカルボキシル基を含むＣ₂〜Ｃ₉ポリカルボン酸 類（例えば、クエン酸及びオキシジコハク酸）を架橋剤として使用することを説
明している。

【００３７】 尿素に基づく適切な架橋剤としては、メチロール化尿素類、メチロール化環状
尿素類、メチロール化低級アルキル置換環状尿素類、メチロール化ジヒドロキシ
環状尿素類、ジヒドロキシ環状尿素類、及び低級アルキル置換環状尿素類が挙げ
られる。尿素に基づく具体的な好ましい架橋剤としては、ジメチロール尿素（Ｄ
ＭＵ、ビス［Ｎ−ヒドロキシメチル］尿素）、ジメチロールエチレン尿素（ＤＭ
ＥＵ、１，３−ジヒドロキシメチル−２−イミダゾリジノン）、ジメチロールジ
ヒドロキシエチレン尿素（ＤＭＤＨＥＵ、１，３−ジヒドロキシメチル−４，５
−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）、ジメチルジヒドロキシ尿素（ＤＭＤ
ＨＵ）、ジヒドロキシエチレン尿素（ＤＨＥＵ、４，５−ジヒドロキシ−２−イ
ミダゾリジノン）、及びジメチルジヒドロキシエチレン尿素（ＤＭｅＤＨＥＵ、
４，５−ジヒドロキシ−１，３−ジメチル−２−イミダゾリジノン）が挙げられ
る。

【００３８】 適切なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク
酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、タートレートモノコハク酸、及び
マレイン酸が挙げられる。他のポリカルボン酸類架橋剤としては、高分子ポリカ
ルボン酸類、例えばポリ（アクリル酸）、ポリ（メタクリル酸）、ポリ（マレイ
ン酸）、ポリ（メチルビニルエーテル−ｃｏ−マレエート）コポリマー、ポリ（
メチルビニルエーテル−ｃｏ−イタコネート）コポリマー、アクリル酸のコポリ
マー類、及びマレイン酸のコポリマー類が挙げられる。例えばポリアクリル酸ポ
リマー類、ポリマレイン酸ポリマー類、アクリル酸のコポリマー類、及びマレイ
ン酸のコポリマー類等の高分子ポリカルボン酸架橋剤の使用は、米国特許出願第
08/989,697号、１９９７年１２月１２日に提出、Weyerhaeuser Companyに譲渡、
に説明されている。架橋剤の混合物またはブレンドも使用してよい。

【００３９】 架橋剤は、架橋剤とセルロース繊維との間の結合反応を加速するための触媒を
含むことができる。適切な触媒としては、酸性塩類の例えば塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、及びリン含有酸類（
phosphorous-containing acids）のアルカリ金属塩類が挙げられる。

【００４０】 限定するものとみなすべきではないが、繊維類の前処理の例としては、繊維類
の表面の化学的性質を修正する界面活性剤または他の液体の施用が挙げられる。
他の前処理としては、抗菌剤、顔料、染料及び緻密化または柔軟化剤の取り入れ
が挙げられる。例えば熱可塑性及び熱硬化性樹脂類等の他の化学薬品を用いて前
処理した繊維類も使用してよい。前処理の組合せも用いてよい。同様の処理はま
た、複合体形成後の後処理方法において適用できる。

【００４１】 従来技術において周知の粒子バインダー及び／または緻密化／柔軟性助剤（de
nsification/softness aids）を用いて処理したセルロース系繊維類も、本発明 に従って用いることができる。粒子バインダーは、例えばセルロース系繊維超吸
収性ポリマー類並びにその他のもの等の他の材料をセルロース繊維類に結合する
のに役立つ。適切な粒子バインダー及び／または緻密化／柔軟性助剤を用いて処
理したセルロース系繊維類及びこれをセルロース繊維類と組合せる方法は、以下
の米国特許に開示されている：（１）"Polymeric Binders for Binding Particl
es to Fibers"と称する米国特許第5,543,215号；（２）"Non-Polymeric Organic
Binders for Binding Particles to Fibers"と称する米国特許第5,538,783号；
（３）"Wet Laid Fiber Sheet Manufacturing With Reactivatable Binders for
Binding Particles to Binders"と称する米国特許第5,300,192号；（４）"Meth
od for Binding Particles to Fibers Using Reactivatable Binders"と称する 米国特許第5,352,480号；（５）"Particle Binders for High-Bulk Fibers"と称
する米国特許第5,308,896号；（６）"Particle Binders that Enhance Fiber De
nsification"と称する米国特許第5,589,256号；（７）"Particle Binders"と称 する米国特許第5,672,418号；（８）"Particle Binding to Fibers"と称する米 国特許第5,607,759号；（９）"Binders for Binding Water Soluble Particles
to Fibers"と称する米国特許第5,693,411号；（１０）"Particle Binders"と称 する米国特許第5,547,745号；（１１）"Particle Binding to Fibers"と称する 米国特許第5,641,561号；（１２）"Particle Binders for High-Bulk Fibers"と
称する米国特許第5,308,896号；（１３）"Polyethylene Glycol as a Binder Ma
terial for Fibers"と称する米国特許第5,498,478号；（１４）"Fibrous Produc
t for Binding Particles"と称する米国特許第5,609,727号；（１５）"Reactiva
table Binders for Binding Particles to Fibers"と称する米国特許第5,571,61
8号；（１６）"Particle Binders for High Bulk Fibers"と称する米国特許第5,
447,977号；（１７）"Absorbent Articles Containing Binder Carrying High B
ulk Fibers"と称する米国特許第5,614,570号；（１８）"Binder Treated Fibers
"と称する米国特許第5,789,326号；（１９）"Particle Binders"と称する米国特
許第5,611,885号；全て、特に本明細書において、参考のために引用する。

【００４２】 天然繊維類に加えて、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リビニルアルコール、及びポリ酢酸ビニル繊維類等の高分子繊維類を含む合成繊
維類も、本発明の吸収性複合体中に使用できる。適切な合成繊維類としては、例
えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、
及びレーヨン繊維が挙げられる。他の適切な合成繊維類としては、熱可塑性ポリ
マー類から作られたもの、熱可塑性ポリマー類を用いてコートしたセルロース系
及び他の繊維類、並びに、成分のうちの少なくとも１つは熱可塑性ポリマーを含
む多成分繊維類が挙げられる。単一及び多成分繊維類は、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、及び他の従来の熱可塑性繊維質材料から製造できる。
単一及び多成分繊維類は市販されている。適切な二成分繊維類（bicomponent fi
bers）としては、Hoechst-Celanese Companyから入手可能なＣｅｌｂｏｎｄ（登
録商標）繊維類が挙げられる。本吸収性複合体はまた、天然繊維類と合成繊維類
との組合せを含むことができる。天然繊維類と合成繊維類とのブレンドを含む合
成繊維類を、本複合体の溝及び／または分配区域中に利用できる。

【００４３】 １好適な実施例においては、本吸収性複合体は、パルプ繊維類（例えばWeyerh
aeuserの名称ＮＢ４１６）と架橋済みセルロース系繊維類（例えばWeyerhaeuser
の名称ＮＨＢ４１６）との組合せを含む。好適な実施例においては、本吸収性複
合体は、繊維の総重量を基準として、本複合体中に約５０重量％存在するパルプ
繊維類と、本複合体中に約５０重量％存在する架橋済みセルロース系繊維類との
組合せを含む。

【００４４】 好適な実施例においては、湿式または発泡法によって形成した（foam-formed ）溝付き複合体は、精製されたサザンパイン繊維類と架橋済み繊維類とのブレン
ドを含む繊維ファニッシュ（fiber furnish）から形成される。そのようなブレ ンドから形成した複合体は、サザンパイン及び架橋済み繊維の精製済み混合物か
ら形成した複合体と比較して、増大したシート完全性と、向上したかさとを有す
る。任意に、精製されたサザンパイン繊維類と架橋済み繊維類とのブレンドは、
さらに軽く精製できる。

【００４５】 吸収性物品中に取り入れた場合、本発明の溝付き吸収性複合体は、捕捉した液
体のための貯留層となることができる。捕捉した液体を有効に保持するために、
本複合体は吸収性材料を含む。

【００４６】 上記に説明したように、吸収性材料は、本繊維質複合体中に取り入れた縞をな
して配置される。基本的には、吸収性材料の縞は、事実上いかなる形状、サイズ
、及び複合体の位置にでも設計できる。本複合体の縞の適切な形状としては、液
体捕捉を妨げずかつゲルブロッキングを助長しないような任意の形状が挙げられ
る。吸収性材料の縞としては、とりわけ直線で平行の縞、湾曲しているかまたは
波形の縞、及びジグザグの縞を挙げることができる。波形の縞を有する代表的な
縞状吸収性複合体を、図５に示す。本複合体の縞としてはまた、吸収性材料のパ
ルス型の縞（pulsed band）を挙げることができる。本明細書において使用する 「パルス型の縞」という用語は、本複合体の長手方向に延在する縞であって、連
続な縞ではなく、吸収性材料を実質的に含まない領域によって中断された縞を指
す。パルス型の縞の役目は、本複合体に、本複合体の幅の端から端まで（すなわ
ち、幅方向）向上した液体分配容量を与えることである。パルス型の縞を有する
代表的な縞状吸収性複合体を、図６に示す。図６に示すように、１実施例におい
ては、パルス型の縞はオフセット形状を有して、幅方向の液体分配をさらに向上
させる。吸収性材料のそのようなオフセット形状は、吸収性材料の非同期パルス
（すなわち、あるノズルからのパルスは、別のノズルからのパルスと同期してい
ない）を供給するノズルを通して吸収性材料を本複合体中に注入することで形成
できる。パルス型の縞の長さは大きく変化させることができ、例えば幅とほぼ等
しい長さを有する吸収性材料のドットまたはスポットとすることができる。ドッ
トまたはスポットに似たパルス型の縞を有する代表的な縞状吸収性複合体を、図
７に示す。

【００４７】 本複合体の縞または溝は、本複合体の吸収性材料富化領域である。本複合体の
分配区域は、若干の吸収性材料を含み得る。吸収性材料は、本複合体中に縞をな
して取り入れられるが、本複合体中に吸収性材料の縞を形成することは、本複合
体の繊維質分配区域中への若干の吸収性材料の導入をもたらし得ることは了解さ
れよう。吸収性材料を本複合体中に取り入れることは、吸収性材料と繊維質ベー
ス中に存在する繊維との間に若干の混合を生じ得る。この結果は、主として繊維
質の分配区域と吸収性材料の縞との間の過渡区域である。そのような過渡区域は
、繊維及び吸収性材料の両方を含む。本複合体の繊維質マトリックスはまた、若
干の吸収性材料を含んで形成される可能性があり、それによって吸収性材料を含
む分配区域を生じる。分配区域中に吸収性材料を有する実施例においては、存在
する吸収性材料の量は、捕捉した液体を分配する際にこうした区域の有効性を減
少させる程多くはない。

【００４８】 湿式法によって形成された代表的な複合体の断面図を、図８〜１０の顕微鏡写
真で示す。図８は、本複合体の吸収性材料の縞（すなわち、本複合体の吸収性材
料富化領域１２）を通って切断した幅方向の縦方向の図である。図９は、分配区
域（すなわち、本複合体の、吸収性材料を実質的に含まない領域１４）を通って
切断した幅方向の縦方向の図である。図１０は、本複合体の吸収性材料の縞と分
配区域との中間を通って（すなわち、上記に説明したように過渡区域を通って）
切断した幅方向の縦方向の図である。

【００４９】 本明細書において使用する「吸収性材料」という用語は、液体を吸収し、また
、本複合体のセルロース系繊維質成分よりも大きな吸収容量を一般に有する材料
を指す。好ましくは吸収性材料は、生理食塩水（例えば０．９％生理食塩水）中
で自らの重量の少なくとも約５倍、望ましくは約２０倍、及び好ましくは約１０
０倍以上を吸収できる、水膨潤可能でほぼ非水溶性の高分子材料である。吸収性
材料は、本複合体を形成する方法において利用する分散媒中で膨潤可能である。
１実施例においては、吸収性材料は未処理であり、分散媒中で膨潤可能である。
別の実施例においては、吸収性材料は、複合体形成プロセスの最中に水を吸収し
にくい吸収性材料である。そのような吸収しにくい吸収性材料としては、コート
済み及び化学修飾済み吸収性材料が挙げられる。

【００５０】 本複合体中に存在する吸収性材料の量は、本複合体の使用目的によって大きく
変化させることができる。本吸収性複合体を単独の吸収性複合体として、例えば
吸収性紙タオル中に使用する場合には、本複合体中の吸収性材料の量は比較的に
少ない（例えば約０．１重量％）。例えば乳幼児のおむつ用の吸収性コアのよう
な吸収性物品中に存在する吸収性材料の量は、かなり多い。そのような構成体に
おいては、吸収性材料は、複合体の総重量を基準として、適切には本複合体中に
約１０〜約８０重量％、好ましくは約３０〜約５０重量％の量で存在する。好適
な実施例においては本複合体は、複合体の総重量を基準として約４０重量％の吸
収性材料を含む。

【００５１】 吸収性材料は、天然材料の例えば寒天、ペクチン、及びグアーガム、合成材料
の例えば合成ヒドロゲルポリマー類を含んでよい。合成ヒドロゲルポリマー類と
しては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸のアルカリ金属
塩類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸
コポリマー類、ポリビニルエーテル類、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビ
ニルモルホリノン、ビニルスルホン酸のポリマー類及びコポリマー類、ポリアク
リレート類、ポリアクリルアミド類、及びポリビニルピリジンをとりわけ含んで
よい。好適な実施例においては、吸収性材料は超吸収性材料である。本明細書に
おいて使用する「超吸収性材料」は、膨潤して水和したゲル（例えばヒドロゲル
）を形成することで多量の流体を吸収できる高分子材料を指す。多量の流体を吸
収することに加えて、超吸収性材料はまた、穏やかな圧力下でかなりの量の体液
を保持できる。

【００５２】 超吸収性ポリマー類は一般に３つのクラスに分類される：デンプングラフトコ
ポリマー類、架橋済みカルボキシメチルセルロース誘導体類、及び変性親水性ポ
リアクリレート類である。そのような吸収性ポリマー類の例としては、加水分解
済みデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、中和済みデンプン−ア
クリル酸グラフトコポリマー類、けん化済みアクリル酸エステル−酢酸ビニルコ
ポリマー類、加水分解済みアクリロニトリルコポリマー類またはアクリルアミド
コポリマー類、変性架橋済みポリビニルアルコール、中和済み自己架橋ポリアク
リル酸類、架橋済みポリアクリル酸塩類、カルボキシル化セルロース、及び中和
済み架橋済みイソブチレン−無水マレイン酸コポリマー類が挙げられる。

【００５３】 超吸収性ポリマー類は市販されており、例えば、Portsmouth, VirginiaのClar
iant製のポリアクリレート類である。こうした超吸収性ポリマー類には、様々な
サイズ、形態及び吸収特性がある（例えばＩＭ ３５００及びＩＭ ３９００等
の取り引き上の名称でClariantから入手可能である）。他の超吸収性粒子は、Ｓ
ＡＮＷＥＴ（Sanyo Kasei Kogyo Kabushiki Kaishaが供給している）、及びＳＸ
Ｍ７７（Greensboro, North CarolinaのStockhausenが供給している）という商 標で販売されている。他の超吸収性ポリマー類は、米国特許第4,160,059号、米 国特許第4,676,784号、米国特許第4,673,402号、米国特許第5,002,814号、米国 特許第5,057,166号、米国特許第4,102,340号、及び米国特許第4,818,598号に説 明されており、これらは全て特に本明細書において、参考のために引用する。超
吸収性ポリマー類を取り入れたおむつ等の製品は、米国特許第3,699,103号及び 米国特許第3,670,731号に説明されている。

【００５４】 本発明の吸収性複合体において有用な適切な超吸収性ポリマー類としては、超
吸収性ポリマー粒子及び超吸収性ポリマー繊維類が挙げられる。 好ましい実施の形態において、本発明の吸収材複合体は、複合体製造の目的で
比較的ゆっくりと膨張し、そして適用可能な速度でなおも膨張して複合体あるい
は複合体を含有する構造体の吸収特性に悪影響を与えない超吸収性原料を含む。

【００５５】 一つの実施の形態において、本発明は、複合体中濃度傾斜をもって存在する吸
収材料有する複合体を提供する。本明細書において使用される用語「濃度傾斜」
は、複合体の特定の寸法（すなわち、厚さ、幅および長さ）に対して繊維複合体
における吸収材料の濃度における傾斜を言う。吸収材料濃度傾斜は、複合体中へ
の材料の選択的分布によって形成される。例えば、以下に記載の通り、吸収材料
の複合体への導入は、有意な繊維混合および引き続いての吸収材料濃度傾斜の損
失によって達成できる。代わりに、吸収材料を、比較的大きな濃度傾斜となる有
意繊維混合なしに複合体に導入することができる。複合体の濃度傾斜は、ｚ方向
（すなわち、複合体の厚さ）、ｘ方向（すなわち、複合体の幅を横切る方向、横
方向）、ｙ方向（すなわち、複合体の長さに沿った方向、縦方向）あるいはｘ、
ｙおよびｚ方向の組合せのいずれかに存在する。吸収材料の濃度傾斜は、液体浸
透を増加し、そしてさらにゲル閉塞の可能性の低減するために意図される。

【００５６】 他の実施の形態において、本発明は、帯状物に存在する吸収材料に加えてその
厚さに渡ってその幅方向を横切った方向およびその長さ方向に沿って延長する方
向に比較的に均一に分布する吸収材料を有する帯状複合体を提供する。この吸収
材料は、以下に示す繊維状複合体中に分布され、そして濃度傾斜を有して複合体
中に存在するのが好ましい。ｘおよびｙ方向も有効な複合体を提供するが、濃度
傾斜が少なくともｚ方向（すなわち複合体の厚さ方向）に存在するのが好ましい
。本発明の複合体は、ｘ、ｙおよびｚ方向の１方向以上に濃度傾斜を有するもの
を包含する。ｚ方向傾斜を有する実施の形態について、高濃度表面が液体損傷の
ない吸収性物品に位置するのが好ましい。ｘ方向（すなわち、複合体の幅方向）
に濃度傾斜を有する一つの実施の形態において、濃度は、複合体の幅の中央で最
大であり、そして中央から複合体の周縁部へと外側に向かって減少するのが好ま
しい。別の実施の形態において、濃度は、複合体の周縁部で最大であるのが好ま
しい。ｙ方向における傾斜は複合体の長さ方向に沿った吸収材料の領域を一般に
提供する。

【００５７】 本発明の吸収材複合体は、所望により湿潤強化剤を含んでいる。湿潤強化剤は
、吸収材複合体に対する強度を増加し、そして複合体湿潤状態を高める。複合体
の湿潤強度の増加に加えて、湿潤強化剤は、吸収材料、例えば超吸収性材料を複
合体繊維マトリックス中で結合するのを補助する。

【００５８】 好適な湿潤強化剤として、窒素含有基（例えばアミノ基）を有するカチオン変
性デンプン、例えばＮａｔｉｏｎａｌ・Ｓｔａｒｃｈ・ａｎｄ・Ｃｈｅｍｉｃａ
ｌ・Ｃｏｒｐ．，Ｂｒｉｄｇｅｗａｔｅｒ，ＮＪ；湿潤強化樹脂、例えばポリア
ミド−エピクロロヒドリン樹脂（例えば、Ｋｙｍｅｎｅ（登録商標） ５５７Ｌ
Ｘ、Ｈｅｒｃｕｌｅｓ Ｉｎｃ．Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎ，ＤＥ）、ポリアクリル
アミド樹脂（例えば、Ｃｏｓｃｉａ等による１９７１年１月１９日に発行された
米国特許第３，５５６，９３２号明細書；および例えばＡｍｅｒｉｃａｎ・Ｃｙ
ａｎａｍｉｄ Ｃｏ．， Ｓｔａｎｆｏｒｄ，ＣＴからＰａｒｅｚ（商標名）６
３１ ＮＣの商品名で販売されるポリアクリルアミド；尿素ホルムアルデヒドお
よびメラニンホルムアルデヒド樹脂およびポリエチレンイミン樹脂が挙げられる
。紙分野において使用される湿潤強化剤に対する一般的記載および一般に本発明
に有効であるものは、ＴＡＰＰＩ・Ｍｏｎｏｇｒａｐｈ Ｓｅｒｉｅｓ Ｎｏ．
29、“Ｗｅｔ・Ｓｔｒｅｎｇｔｈ・ｉｎ・Ｐａｐｅｒ・ａｎｄ・Ｐａｐｅｒｂｏ
ａｒｄ”、Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ・Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ・ｏｆ・ｔｈｅ・Ｐｕ
ｌｐ・ａｎｄ・Ｐａｐｅｒ・Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ（ニューヨーク１９６５年）
に見出すことができる。

【００５９】 一般に、湿潤強化剤は、複合体全質量を基準として約０．００１ないし約２質
量％、好ましくは約０．１ないし約１質量％、より好ましくは約０．３ないし約
０．７質量％の量で組成物中に存在する。好ましい実施の形態において、本発明
に使用可能な湿潤強化剤は、例えば名称Ｋｙｍｅｎｅ（登録商標）でＨｅｒｃｕ
ｌｅｓから市販されるポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。本発明に従
って形成される吸収材料の湿潤および乾燥引張強度は、一般に湿潤強化剤の量が
増加するにつれて増加するであろう。

【００６０】 連続した液体浸入の後、本発明に従って形成された複合体は、その構造体のも
との状態を保持し、そしてオムツ構造体から除去した際に実質的に完全の状態の
ままである。これに対して、超吸収性材料を含有する従来の保存コアは、湿った
オムツにおいて構造の元の状態を損なってしまう。従って、本発明の溝付（ｆｌ
ｕｔｅｄ）吸収性コアの湿潤引張強度は、従来の保存コアのものよりも著しく上
回る。

【００６１】 本発明の吸収材複合体は、一般に約５０ないし約１０００ｇ／ｍ²、好ましく は約２００ないし８００ｇ／ｍ²の基本質量を有している。より好ましい実施の 形態において、吸収材複合体は、約３００ないし６００ｇ／ｍ²の基本質量を有 している。溝付複合体の基本質量は変化することができ、そしてその目的とする
用途に依存する。溝付複合体の目的とする用途が保存層である場合は、複合体は
、約３００ｇ／ｍ²以上の基本質量を有しているのが好ましい。液体調整層とし ての使用については、複合体は、約１００ないし４００ｇ／ｍ²の基本質量を有 しているのが好ましい。吸収材複合体は一般に（横方向の）平均密度約０．０３
ないし約０．８ｇ／ｃｍ³、好ましくは約０．０４ないし０．３ｇ／ｃｍ³を有し
ている。より好ましい実施の形態において、吸収材複合体は、平均密度約０．１
５ｇ／ｃｍ³を有している。

【００６２】 一つの実施の形態において、吸収材複合体は、稠密複合体である。本発明の稠
密複合体を製造するのに使用可能な稠密化方法は、当該技術分野に周知である。
例えば、米国特許第５，５４７，５４１号公報および“Ｓｏｆｔｅｎｅｄ・Ｆｉ
ｂｅｒｓ・ａｎｄ・Ｍｅｔｈｏｄｓ・ｏｆ・Ｓｏｆｔｅｎｉｎｇ・Ｆｉｂｅｒｓ
”の名称でＷｅｙｅｒｈａｅｕｓｅｒに譲渡された１９９７年５月２１に出願さ
れた米国特許出願番号０８／８５９，７４３号明細書（両者とも説明のために本
明細書に取り込まれている）を参照のこと。本発明の後乾燥機稠密吸収材料は、
一般に密度約０．１ないし約０．５ｇ／ｃｍ³、好ましくは約０．１５ｇ／ｃｍ³ を有している。予備乾燥機稠密化も使用できる。吸収材複合体を加熱または室温
カレンダーロール法のいずれかにより稠密化するのが好ましい。例えば、米国特
許第５，２５２，２７５号公報および同第５，３２４，７５７号公報（両者とも
説明のために本明細書に取り込まれている）を参照のこと。

【００６３】 本発明の吸収材複合体の組成は、複合体が導入される最終生成物の目的とする
用途に合うように変化することができる。好ましい一つの実施の形態において、
本発明の吸収材複合体は、複合体全質量を基準としてセルロース繊維約６０質量
％、吸収材料（例えば、超吸収性ポリマー材料）約６０質量％および湿潤強化剤
（例えば、ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂、Ｋｙｍｅｎｅ（登録商標）、
繊維１トン当たり約2〜２０ポンド）を含む。

【００６４】 本発明の溝付吸収材複合体の寸法は、一般に複合体の所望の特性およびその目
的とする用途に依存して変化することができる。代表的には、幼児用のオムツに
ついては、複合体は、複合体の幅方向に横切って約２ないし約６枚の帯状物の吸
収材料を含み、そして複合体の外側の周縁部は吸収材料の帯状物を含むのが好ま
しい。代表的な成人失禁製品について、複合体は、１０枚以上の帯状物を含む。
帯状物の形状および幅は臨界的ではないが、一般には複合体の幅方法を横切って
均一に配置され、そして幅約０．１０ないし０．７５インチを有する。帯状物は
、代表的に幅約０．１０ないし約１．０インチを有する分布領域によって分離さ
れている。婦人用ケア製品は、比較的少量の吸収材料を含有し、そしてかかる製
品に使用可能な溝付複合体は吸収材料の比較的に狭い帯状物を有している。

【００６５】 本発明の複合体の溝構造は、当該技術分野に公知の種々の方法によって形成す
ることができ、これらの全ては本発明の範囲内である。例えば、溝構造は、複数
の帯状物の吸収材料または捕捉／分布材料の一つを繊維基材に連結させることに
よって、吸収材料を繊維基材に付着、射出、適用または含浸することによって、
あるいは以下に示すようなウェットレイド（ｗｅｔ−ｌａｉｄ）および発泡形成
法によって形成することができる。

【００６６】 複数の帯状物の吸収材料または捕捉／分布材料の一つを繊維基材に連結させる
ことによって形成された実施の形態について、帯状物は、さらに他の材料、例え
ば繊維を含むことができる。これらの実施の形態において、帯状物および繊維基
材を含有する吸収材料は、以下に記載するようなエアレイド（ａｉｒ−ｌａｉｄ
）、ウェットレイドおよび発泡形成法を含む当該技術分野に公知の方法により別
個に形成することができる。溝付複合体は、帯状物を繊維基材に複合体のこれら
の成分間の液体伝達を認めるいずれかの方法により固着または付着することによ
って形成することができる。好適な固着または付着手段として、例えば糊付け、
熱結合、絡み合いが挙げられる。一般に、これらの実施の形態は、複合体の繊維
成分の単に近傍の吸収材料を有する複合体と比較して複合体の成分間の液体伝達
が高められているので吸収性が改良されている。

【００６７】 図１１Ａを参照すると、溝付吸収材複合体２２は、液体を迅速に捕捉し保存領
域２４および保存コア２８に分布する作用を有する分布領域２６を含む。上述の
通り、分布領域２６は、主として繊維材料から構成され、そして保存領域２４お
よびコア２８は、一般に吸収材料を含む繊維層である。前記の通り、複合体２２
は、繊維材料の帯状物および吸収材料を保存コアに付着させて各々分布領域２６
および保存領域２４を形成することによって形成することができる。代わりに、
保存領域２４を保存コア２８と一体形成することができ、そして同様にして保存
領域２４およびコア２８とともに分布領域を一体形成することもできる。分布領
域は一般にウェットレイド複合体から調製されるが、保存領域を含有する吸収材
料はエアレイド複合体から作製することもできる。好ましい一つの実施の形態に
おいて、分布領域は、液体捕捉および分布に好適な繊維材料を含むウェットレイ
ド繊維複合体から形成され、そして保存領域およびコアは、液体保存に好適な吸
収材料を含むエアレイド繊維複合体から形成される。別の好ましい実施の形態に
おいて、保存領域およびコアは、ウェットレイド複合体から形成される。一般に
、かかる構造を有する吸収材複合体は、従来の保存コアおよび複合体成分間の比
較的に貧弱な液体伝達を有するものと比較して液体捕捉性が高められている。

【００６８】 多層吸収効能も、本発明の溝付吸収材複合体。かかる構成の一例を図１１Ｂに
示す。図１１Ｂを参照すると、吸収性構造体２３は、繊維複合体２２および捕捉
層３２（例えば、主として繊維材料から形成された）を含む。上述の通り、複合
体２２は、分布領域２６、保存領域２４および保存コア２８を含んでいる。

【００６９】 単一構造を有する溝付複合体は、成分間の初期液体伝達であり（すなわち、複
合体の領域）、そして製造性に関連する理由により、一般には好ましい。従って
、好ましい実施の形態において、溝付吸収材複合体は、単一構造に一体形成され
ている。

【００７０】 本発明の溝付複合体はウェットレイドおよび発泡形成方法により形成すること
ができる。これらの一般的方法は、パルプ加工技術の当業者に公知である。 好ましくは、溝付複合体はウェットレイドおよび発泡形成方法により形成され
る。ウェットレイド法の代表例は、“Ｗｅｔ-Ｌａｉｄ・Ｆｉｂｅｒ・Ｓｈｅｅ ｔ・Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ・ｗｉｔｈ・Ｒｅａｃｔｉｖａｔａｂｌｅ・Ｂ
ｉｎｄｅｒｓ・ｆｏｒ・Ｂｉｎｄｉｎｇ・Ｐａｒｔｉｃｌｅｓ・ｔｏ・Ｆｉｂｅ
ｒｓ”の名称の１９９４年４月５日に発行された米国特許第５，３００，１９２
号明細書（説明のために本明細書に取り込まれている）に記載されている。ウェ
ットレイド法はまた、標準テキスト、例えばＣａｓｅｙ，Ｐｕｌｐ・ａｎｄ・Ｐ
ａｐｅｒ、第２版、１９６０年、第ＩＩ巻、第ＶＩＩＩ章「Ｓｈｅｅｔ・Ｆｏｒ
ｍａｔｉｏｎ」にも記載されている。本発明の複合体を形成するのに使用可能な
代表的発泡方法は、当該技術分野に公知であり、そして米国特許第３，７１６，
４４９号明細書、同第３，８３９，１４２号明細書、同第３，８７１，９５２号
明細書、同３，９３７，２７３号明細書、同第３，９３８，７８２号明細書。３
，９４７，３１５号明細書、同４，１６６，０９０号明細書；同第４，２５７，
７５４号明細書およびＷｉｇｇｉｎｓ・Ｔｅａｐｅに譲渡され発泡水性繊維懸濁
液からの繊維材料の形成に関連する米国特許第５，１５，６２７号明細書、およ
びランダム法を記載する“Ｔｈｅ・Ｕｓｅ・ｏｆ・ａｎ・Ａｑｕｅｏｕｓ・Ｆｏ
ａｍ・ａｓ・a・Ｆｉｂｅｒ−Ｓｕｓｐｅｎｄｉｎｇ・Ｍｅｄｉｕｍ・ｉｎ・Ｑ ｕａｌｉｔｙ・Ｐａｐｅｒｍａｋｉｎｇ”、Ｆｏａｍｓ、Ｐｒｏｃｅｅｄｉｎｇ
・ｏｆ・ａ・Ｓｙｍｐｏｓｉｕｍ・ｏｒｇａｎｉｚｅｄ・ｂｙ・ｔｈｅ・Ｓｏｃ
ｉｅｔｙ・ｏｆ・Ｃｈｅｍｉｃａｌ・Ｉｎｄｕｓｔｒｙ、Ｃｏｌｌｏｉｄ・ａｎ
ｄ・Ｓｕｒｆａｃｅ・Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ・Ｇｒｏｕｐ、ＲＪ。Ａｋｅｒｓ編、
Ａｃａｄｅｍｉｃ・Ｐｒｅｓｓ、 １９７６年（全て説明のために本明細書に取
り込まれている）に記載されているものを含む。

【００７１】 吸収材料は、複合体の形成の際に複合体中に導入される。一般に、溝付吸収材
複合体の形成方法は、繊維ウェブ中に吸収材料を析出させ、ついでウェブを乾燥
し、必要に応じて本発明の複合体を提供することを含む。

【００７２】 ウェットレイド方法において、吸収材料は、成形支持体（ｆｏａｍｉｎｏｕｓ
ｓｕｐｐｏｒｔ）（すなわち成形ワイヤ）上に析出している繊維スラリー中に
適用することが好ましい。この方法において、吸収材料は、少なくとも繊維スラ
リーを成形ワイヤ上に析出させることによって形成された部分的脱水ウェブ中に
射出する。繊維スラリーは、分散媒体（例えば、水等の一次水性媒体）中に繊維
および湿潤強化剤を含んでいるのが好ましい。吸収材料は、繊維ウェブ中に乾燥
粒子としてあるいは好ましくは水性媒体、好ましくは冷水（例えば３４〜４０°
F）中の懸濁液として導入することができる。吸収材料は、一般にスラリーの成 形ワイヤへの析出直後に部分脱水繊維ウェブ中に射出される。吸収材料を、部分
脱水繊維ウェブ中で析出するのが好ましい（すなわち、ウェブの脱水を完了させ
る前にそしてウェブの粘度スラリーに対して増加するウェブ複合体の形成中にそ
して乾燥段階に先立って）。吸収材料を部分脱水繊維ウェブ中に析出させた後、
繊維および吸収材料を含有するウェブに対して、さらに少なくとも分散媒体およ
び水の除去を、好ましくは真空によって行い湿潤複合体を提供する。ついで湿潤
ウェブを乾燥して吸収材複合体を提供する。

【００７３】 ウェブ形成法の際に吸収材料により液体の吸収を抑制することが望ましい。液
体吸収を抑制するために、吸収材料を少なくとも部分脱水したウェブに約０〜５
℃、好ましくは約０〜３度の温度範囲、より好ましくは約１℃を有する冷水中の
水性懸濁液として添加する。代わりに、吸収材料を、従来の冷蔵機中に配置また
は保存することによって０℃未満に冷却し、ついで水中の懸濁液、好ましくは冷
水中の懸濁液をウェブ形成の直後に形成する。吸収材料が形成法の際に液体と接
触する時間の制限は、吸収材料液体吸収を制限する積極的効果を有している。好
ましくは、吸収材料懸濁液を懸濁液調製後約１０秒以内、より好ましくは約５秒
以内に少なくとも部分脱水した繊維ウェブに添加する。

【００７４】 形成法の際の吸収材料による液体吸収を制限することによって、ウェブ乾燥エ
ネルギーおよび／または時間および引き続きの関連費用を著しく低減することが
できる。この利点は、より価格効果的でありそして消費者吸収性製品、例えばオ
ムツ、婦人ケア製品および成人執権製品に対する著しい節約を表すことができる
ウェブ成形法となる。

【００７５】 前記の通り、本発明の吸収材複合体は、複合体幅を横に横切って配置されそし
て複合体の縦方向の複合体長さに長さ方向に沿って延長した吸収材料の帯状物を
含む。かかる帯状物の構成は、吸収材料材料を少なくとも部分脱水した繊維ウェ
ブ中に、ウェブの幅に横方向に横切って配置された開口またはノズルによって射
出することを含む種々の方法によって達成することができる。ノズルは、吸収材
料供給口に接続されている。ノズルは、種々の構成で配置することができ、そし
て種々の寸法のオリフィス孔を有していて、例えば種々の幅を含む種々の構成を
有する帯状物を提供する。吸収材料は、冷水中の懸濁液として析出するのが好ま
しい。水性懸濁液について、吸収材料は、部分的に脱水した繊維ウェブ中に流れ
またはジェットとして射出される。流れの射出は、吸収材料とウェブの繊維の有
意混合を行う。混合の度合いは、流速、ウェブ速度、射出角度および支持体上の
繊維スラリーの析出に対する射出位置等を含むいくつかの因子によって制御する
ことができる。一般には、繊維ウェブの脱水を始める位置に対する吸収材料射出
が近くなるほど、吸収材料および繊維の攪拌が大きくなる。また、吸収材料およ
び繊維の攪拌が大きくなるほど、複合体における吸収材料の得られた濃度傾斜が
少なくなる。

【００７６】 吸収材料の帯状物が個々のノズルを通じた析出または射出により形成すること
ができるので、複合体において究極的に形成される溝の性質および特性を制御す
ることができる。例えば、図３に示す複合体を参照すると、最も外側の溝は内側
の溝と比較して吸収材料を比較的多量に含んでいる。かかる複合体は、高濃度の
吸収材料を析出させることにより、高い割合の吸収材料を析出させることにより
あるいは最も外側の位置について大きい直径のオリフィスを有するノズルを使用
することによって形成することができる。上述のごとく、異なる吸収率および保
持能力を有する吸収材料を帯状物に選択的に析出させることができる。

【００７７】 個々の帯状物の析出は、吸収材料に加えて材料を含むことができる帯状物の形
成を認める。例えば、付加的な繊維をこれらのノズルの使用を通じて析出スラリ
ー中に導入することができる。従って、析出した繊維スラリーとは異なる繊維を
含む付加的な繊維を有する溝を複合体中に導入することができる。一つの好まし
い実施の形態において、吸収材複合体は、さらに付加的繊維、例えば硬材繊維お
よび／または合成繊維を含む吸収材料の帯状物を含む。異なる繊維の使用は、例
えば高い相対質量、大きい容積または柔軟性、浸透度の増加および再湿潤性能を
有する溝を形成するのに使用することができる。従って、複合体の溝は、基礎と
なる複合体（すなわち、初期析出繊維スラリーとは完全に異なる成分から形成す
ることができる。

【００７８】 複合体の吸収材料が豊富にある領域を安定化させて溝の帯状物の構造保全性を
高めることができる。溝保全性は、吸収材料に加えて湿潤強化剤（例えば、Ｋｙ
ｍｅｎｅ（登録商標）および／または例えば微小繊維化セルロースおよび繊維超
吸収材料を含む繊維材料を析出させることによって高めることができる。繊維超
吸収材料は、説明のために本明細書に取り込まれている米国特許第５，６０７，
５５０号明細書に記載されている。

【００７９】 多様性の利点は、種々の溝付吸収材複合体のデザインおよび形成を認める。例
えば、基礎複合体は、強度および浸透度についてデザインすることができ、一方
析出帯状物は、膨潤および吸収能力を最大化しそして再湿潤を最小化するのにデ
ザインされる。より詳しく述べると、吸収能力、強度、および全材料用途を最大
化する吸収材複合体について、基礎複合体は、南洋松（Ｓｏｕｔｈｅｒｎ ｐｉ
ｎｅ）繊維、ユーカリ繊維、架橋繊維および湿潤強化剤の混合物を含むことがで
き、そして帯状物は、吸収材料および架橋繊維または繊維の混合物を含むことが
できる。吸収能力および吸収材料に対する浸透度が高められた複合体について、
基礎複合体は、南洋松繊維、ユーカリ繊維、架橋繊維および湿潤強化剤の混合物
を含むことができ、そして帯状物は、吸収材料、架橋繊維および微細繊維化セル
ロースを含むことができる。他の好ましい実施の形態において、吸収材複合体は
、架橋セルロース繊維およびユーカリ繊維の精製混合物から構成される基礎複合
体を含みそして吸収材料および未精製架橋繊維から構成される帯状物を含む。再
湿潤を防ぐため、合成繊維（例えば、ＰＥＴ繊維）を複合体に、これらの繊維を
吸収材料を有する帯状物に析出させることによってあるいは複合体分布領域にい
くつかの吸収材料を含ませることによって複合体中に導入することができる。本
発明の方法の多様性は、種々の組成および吸収性を有する、溝付吸収材複合体の
製造を可能とする。

【００８０】 また、本発明の方法は材料の帯状物として発泡分散液の繊維スラリー中への析
出を認める。一つの実施の形態において、複合体は、ウェットレイド繊維ベース
および発泡形成帯状物を有している。他の実施の形態において、複合体は、発泡
形成繊維ベースおよび湿潤帯状物を有しており、さらに別の実施の形態において
、複合体は、発泡形成繊維ベースおよび帯状物を有している。発泡分散液を析出
する能力は、複合体の吸収帯状物において種々の繊維種、長さおよびデニールの
使用を認める。繊維を選択することによって、帯状物（および最終的には複合体
の溝）は、例えば軟質でありそして伸びの度合いを持つことができる。伸び能力
を有する複合体を形成することによって、成形コアは、四角形複合体から形成す
ることができ、従って材料の浪費となる切断によるコアの成形の必要を排除する
。かかるコアは、股領域、すなわち液体浸入の部分において吸収材料の最大密度
を有している。

【００８１】 前述の通り、本発明の吸収材複合体は、分散媒体中の繊維および所望により湿
潤強化剤および吸収材料の組合せから形成することができる。一つの実施の形態
において、繊維スラリーを、分散媒体中で繊維および所望により湿潤強化剤を直
接一緒にし、引き続いて吸収材料を、好ましくは冷水の懸濁液として成形支持体
上の少なくとも部分的に脱水した繊維ウェブに添加することによって成形される
。別の実施の形態において、吸収材料を成形支持体上の部分的に脱水した繊維ウ
ェブに、繊維および吸収材料を含有するスラリーとしての繊維と組み合わせて添
加する。かかるスラリーは、まず繊維を分散媒体と一緒にし、ついでこれに第二
段階において吸収材料を添加することによって調製することができる。

【００８２】 一度繊維スラリーが成形支持体上に析出すると、分散媒体を析出スラリーから
排出して少なくとも部分脱水した繊維ウェブを提供する。析出した繊維スラリー
（すなわち、部分脱水ウェブ）からの分散媒体（例えば、水）の除去は、例えば
圧力、真空およびこれらの組合せの適用によって続けられ、その結果湿潤複合体
が形成される。

【００８３】 本発明の吸収材複合体は、湿潤複合体を乾燥することによって最終的に製造さ
れる。乾燥により少なくとも残りの分散媒体および水の部分を除去して所望の含
水量を有する吸収材複合体を提供する。好適な複合体乾燥方法は、例えば乾燥カ
ン、エアフロートの使用および空気乾燥機によるものを含む。パルプおよび紙工
業に公知の他の乾燥方法および装置を使用してもよい。乾燥温度、圧力および時
間は、使用する装置および方法に特有であり、そしてパルプおよび紙工業におけ
る当業者に公知である。

【００８４】 発泡方法について、繊維スラリーは、さらに界面活性剤を含む水性または発泡
スラリーである。好適な界面活性剤は、当該技術分野に公知のイオン性および両
性界面活性剤を含む。

【００８５】 吸収材複合体の成分の成形支持体上への析出は最終的に吸収した水を含んでも
よく、従って寸法が膨張してもよい吸収材料を含む湿潤複合体が形成される。水
を湿潤複合体から抜き取り、そして湿潤複合体を乾燥させる。

【００８６】 本発明の方法において、吸収材料は、分散媒体中自重の約２０倍未満の吸収す
るのが好ましく、より好ましくは約１０倍未満、そしてよりいっそう好ましくは
分散媒体中自重の約５倍未満吸収する。他の好ましい吸収材料は、液体に長期間
接触させた後にしか液体を吸収しない、あるいは所定の条件下でしか液体を吸収
せずそして発泡法の際に著しい量の液体を吸収しない材料を含む。

【００８７】 発泡方法は、いくつかの理由で本発明の吸収材複合体を形成するのに有利であ
る。一般には、発泡方法は、比較的低密度および比較的高引張強度の両方を有す
る繊維ウェブを提供する。実質的に同一の成分から構成されたウェブについて、
発泡形成したウェブは、エアレイドウェブよりも大きくそしてウェットレイドウ
ェブより小さい密度を有している。同様にして、発泡形成したウェブの引張強度
は、エアレイドウェブに関するよりも大きくそしてウェットレイドウェブの強度
に近づく。また、発泡形成技術の使用は、繊維の配向性および均一分布のより良
好な制御および幅広い範囲の材料（例えば、ウェットレイド法では容易に導入で
きない長い合成繊維）の複合体への導入を可能とする。

【００８８】 本発明の方法を実施するための機械の一例は、ヘッドボックス出口から下流に
位置する複数のノズルを含むように変更した従来の製紙装置（ウェットレイドパ
ルプ装置）である。一般に、ノズルは横方向に、例えば規則正しい間隔でウェブ
の幅方向を横切って設けられる。上記の通り、ノズルを吸収材料供給口に接続し
、そして好ましい実施の形態においては、吸収材料の冷水性懸濁液をノズルにポ
ンプ搬送して、湿潤複合体が形成されるにつれて析出繊維スラリー（すなわち、
部分脱水したウェブ）の表面に当たりそして浸入する水性流またはジェットを形
成する。湿潤複合体が形成されるにつれてヘッドボックスから移動するので、吸
収材料の帯状物が横方向に沿って複合体中に形成される。真空の使用により、こ
の機械は、複合体から水を抜き取る。本発明の溝付吸収材複合体を形成する代表
的機械および方法の線図を図１２Ａに示す。

【００８９】 図１２Ａを参照すると、機械１００は、成形支持体１０２（すなわち、成形ワ
イヤ）；繊維スラリー１２４を脱水して湿潤複合体１２０を提供する真空ヘッド
１０４；吸収材料１２２を、好ましくは水性懸濁液として部分脱水したウェブ１
２６中に射出するノズルマニホールド１０８；繊維スラリー供給口１１２；吸収
材料供給口１１４；繊維スラリーおよび吸収材料を各供給口から各々ヘッドボッ
クス１０６およびマニホールド１０８へ搬送するためのポンプ１１０および乾燥
手段１１６を含む。要するに、繊維スラリー１２４をヘッドボックス１０６から
支持体１０２上に析出させ、そして脱水して部分脱水したウェブ１２６を提供す
る。吸収材料１２２、好ましくは水性懸濁液としてノズルマニホールド１０８に
より部分脱水したウェブへ、好ましくは真空ヘッド１０４における長い脱水に先
立って射出する。上記の通り、マニホールド１０８は、支持体１０２の幅方向を
横切って配置される（すなわち、横方向）複数のノズルを含み複合体の幅を横切
って帯状物中に吸収材料を搬送し射出する。湿潤複合体１２０をさらに支持体に
沿って脱水し、ついで乾燥手段１１６（すなわち、加熱カン、乾燥オーブン、熱
風ドライヤー）により乾燥する。吸収材料の繊維スラリーへの射出の上平面図を
図１２Ｂに示す。

【００９０】 本発明の吸収材複合体は、ツインワイヤ構造（すなわち、ツイン形成ワイヤ）
を含む装置および方法により形成することができる。本発明の吸収材複合体を形
成する代表的ツインワイヤ装置を図１３に示す。図１３を参照して、機械２００
は、複合体の成分を析出させるツイン形成ワイヤ２０２および２０４を含んでい
る。基本的には、繊維スラリー１２４をヘッドボックス２１２へ導入し、そして
ヘッドボックス出口における形成ワイヤ２０２および２０４上に析出させる。真
空要素２０６および２０８は、各々形成ワイヤ２０２および２０４上に析出した
繊維スラリーを脱水して、部分脱水したウェブ１２６として機械のツインワイヤ
部分を出る部分脱水ウェブを提供する。ウェブ１２６は、ワイヤ２０２に沿って
移動し続け、そして付加的真空要素２１０によって脱水され続けて湿潤複合体１
２０を提供し、そして次いで乾燥手段２１６により乾燥されて複合体１０を提供
する。

【００９１】 吸収材料は、所望の製品構成に依存してツインワイヤ法におけるいくつかの位
置のうちのいずれか一つの位置で繊維ウェブ中に導入される。例えば、吸収材料
は、部分脱水した繊維ウェブが機械のツインワイヤ部分を出てそしてワイヤ２０
２に沿って移動した後に導入することができる。図１３を参照すると、吸収材料
１２２を位置１で部分脱水した繊維ウェブ１２６上に射出することができる。代
わりに、吸収材料を機械のツインワイヤ部分を出る前（すなわち、ヘッドボック
ス中で）部分脱水した繊維ウェブ中に導入することができる。図１３を参照する
と、吸収材料１２２を位置２、３または４あるいはウェブが少なくとも部分脱水
されるワイヤ２０２および２０４に沿ったその他の部分で部分脱水した繊維ウェ
ブ１２６上に射出することができる。吸収材料は、形成された部分脱水したウェ
ブ中に導入することができ、そしてワイヤ２０２および／または２０４に沿って
移動する。上述の通り、複合体の縦方向に延長する吸収材料の帯状物を有する本
発明の複合体を形成するために、吸収材料をウェブの幅を横方向に横切って配置
されたノズルにより部分脱水した繊維ウェブ中に射出する。ノズルは、上記の通
り種々の位置（例えば、図１３において位置１、２または３）に配置することが
できる。例えば、図１３を参照すると、ノズルを位置２に配置して吸収材料をワ
イヤ２０２および２０４上の部分脱水したウェブ中に射出することができる。一
般に、繊維と吸収材料の混合の度合いは、繊維ウェブが脱水されるに従って減少
する（例えば、位置２より位置１において少ない混合、および位置３より位置２
において少ない混合）。

【００９２】 吸収材料導入の位置に依存して、本発明の複合体を製造するツインワイヤ方法
は、繊維層を有する複合体を提供することができる。本発明のツインワイヤ方法
により形成された繊維層を有する本発明の代表的な複合体を図１４Ａ〜Ｈに示す
。図１４Ａを参照すると、代表的複合体１０は、吸収材料が豊富な領域１２、実
質的に吸収材料がない分布領域１４および複合体１０の外側表面と同一の広がり
を有する繊維層１１を含んでいる。

【００９３】 図１４Ａを参照すると、複合体１０は、吸収材料を単一の部分脱水したウェブ
（すなわち、ワイヤ２０２および２０４を移動するウェブ）中に導入する方法に
よって形成することができる。図１４Ｂおよび１４Ｃは、比較的に深い深さに複
合体中に伸びる吸収材料（すなわち、ｚ方向浸入）を含む同様にして形成した複
合体を表す。図１４を参照すると、複合体１０は、中央の繊維中に導入された吸
収材料を含む。かかる複合体は、吸収材料の浸入度を、例えば形成ワイヤからの
ノズル距離によりあるいは吸収材料射出角度により調節することによって形成す
ることができる。

【００９４】 代わりに、本発明の複合材料を、吸収材料を部分脱水したウェブ（すなわち、
ワイヤ２０２および２０４を移動するウェブ）の両方に導入するツインワイヤ方
法によって形成することができる。かかる方法は、一方の部分脱水ウェブへの射
出のために設定された第一のノズルおよび他方の部分脱水ウェブへの射出のため
に設定された第二のノズルを含む。図１４Ｅを参照すると、複合体１０は、実質
的に複合体の深さ方向に伸びる（すなわち、ｚ方向）吸収材料が豊富な領域を含
む。かかる複合体構成は、ｚ方向に位置決めする吸収材料帯状物を提供するよう
に配置あるいは合わせたかのいずれかの一対のノズルから形成することができる
。他方のノズルからの一方のノズルを分岐するかあるいは一対の位置決めされた
ノズル組から非同期吸収材料パルスを提供すると、吸収材料の分岐した帯状物を
有する複合体が提供される。かかる複合体構造は、図１４Ｆに記載する。図１４
Ｇおよび図１４Ｈは、各々図１４Ｅおよび１４Ｈに示した複合体を提供するのと
同様の方法によって形成された複合体を表すが、これらの複合体とは対照的に図
１４Ｇおよび図１４Ｈの複合体は吸収材料を図１４Ｅおよび１４Ｈに示した複合
体のものより少ない浸入深さでの吸収材料の導入により形成されている。

【００９５】 図１４に示す通り、本発明の複合体は、複合体の外側表面と同一の広がりを有
する繊維層を有する一体形成された層を含む。これらの繊維複合体は、分割され
たヘッドボックスを有する多層傾斜形成機あるいはツインワイヤ形成機から形成
することができる。これらの方法は、特別に設計された性質を有する層（ｓｔｒ
ａｔａまたはｐｈａｓｅｓ）を有しそして所望の性質を有する複合体を達成する
成分を含有する多層化複合体を形成することができる。高められた吸収材料の複
合体の領域（すなわち、複合体の吸収材料帯状物）は、基準質量の上層または下
層を調整することによってｚ方向中に配置することができる。

【００９６】 基本的には、複合体のｚ方向における吸収材料帯状物の位置は、帯状物を覆う
繊維層を有効に規定する。単一の完成繊維料(ｆｕｒｎｉｓｈ)１２４を含む形成
方法について、帯状物位置は、形成ワイヤに関連して吸収材料射出システムを調
節することによって（例えば、ノズル設定）調節することができる。多数の完成
繊維料を含む方法について、上層および下層を同一または異なる成分で構成し、
そして区切られたヘッドボックスに導入することができる。

【００９７】 図１３および１４Ａを参照すると、層１１を有する複合体１０を機械２００に
より形成することができる。層１１が同一成分から構成される 複合体について、単一の完成繊維料１２４をヘッドボックス２１２に導入する。
異なる成分から構成される層１１を有する複合体を形成するに当たって、ヘッド
ボックス２１２は、異なる組成を有する完成繊維料（例えば、１２４ａ、１２４
ｂおよび１２４ｃ）の導入のための１またはそれ異常の仕切板２１４を含む。か
かる方法において、上層および下層を、異なる成分を含みそして異なる基本質量
および性質を有するように形成することができる。

【００９８】 溝付複合体は、上記の生物を使用した発泡形成方法により形成するのが好まし
い。発泡形成方法において、多層を有しそして吸収材料の帯状物を含む繊維ウェ
ブを多数の繊維スラリーから形成することができる。好ましい実施の形態におい
て、発泡形成方法は、ツインワイヤ形成支持体である。

【００９９】 この方法は、例えば３層を有する複合体を含む種々の多層複合体を提供するこ
とができる。３層を有する代表的複合体は、繊維（例えば、合成繊維、セルロー
ス繊維および／またはバインダー繊維）から形成された第１の層、繊維および／
または他の吸収材料、例えば超吸収材料から形成された中間層および繊維から形
成された第３の層を含む。本発明の方法は、複合体が比較的異なったそして別個
の層を有することができるか、あるいは代りに層から層へと徐々に繊維する領域
を有する点で多様性がある。

【０１００】 中間層を有する繊維ウェブを形成する代表的方法は、一般に以下の段階 （ａ） 分散媒体中に繊維および界面活性剤を含む第１の発泡繊維スラリーを形
成し、 （ｂ） 分散媒体中に繊維および界面活性剤を含む第２の発泡繊維スラリーを形
成し、 （ｃ） 第１の形成支持体（例えば形成ワイヤ）を第１の流路中で移動し、 （ｄ） 第２の形成支持体を第２の流路中で移動し、 （ｅ） 第１の発泡スラリーを第１の流路中で移動する第１の形成支持体に接触
させ、 （ｆ） 第２の発泡スラリーを第２の流路中で移動する第２の形成支持体に接触
させ、 （ｇ） 第３の材料が第１または第２の成形支持体のいずれにも接触しないよう
に第１および第２の発泡スラリーの間に通過させ、 （ｈ） スラリーからの液体を第１及び第２の形成支持体を通じて発泡体および
液体を抜き取ることによって第１および第２の発泡スラリーおよび第３の材料か
ら繊維ウェブを形成する 段階を含む。

【０１０１】 上述の通り、この方法は、ツインワイヤフォーマ上、好ましくは垂直のフォー
マ上、より好ましくは垂直下方流れ型ツインワイヤフォーマ上で行うのが好適で
ある。

【０１０２】 本発明を実施するのに使用可能な代表的垂直下方流れ型ツインワイヤフォーマ
を図１５に示す。図１５を参照すると、フォーマは、閉鎖された第１の端部（頂
部）、閉鎖された第１および第２の側面および内部容量を有するフォーマを有す
る垂直ヘッドボックスアッセンブリを含む。フォーマの第２の端部（底部）は、
第１および第２の形成支持体２０２および２０４および形成ニップ２１３を移動
することによって規定される。フォーマの閉鎖された第１の端部、閉鎖された第
１および第２の側面により規定される内部容量はフォーマ第１端部から延長しそ
して第２の端部に向かう内部構造２３０を含む。内部構造は、その一方の側面上
の第１の容量２３２およびその他方の側面上の第２の容量2３４を規定する。フ ォーマはさらに供給口２４２および第１の繊維／発泡スラリーを第１の容量に導
入する手段２４３および供給口２４４および第２の繊維／発泡スラリーを第２の
容量に導入する手段２４５、供給口２４６および第３の材料を内部構造に導入す
る手段２４７を含む。第１および第２のスラリーから形成支持体を通じて発泡体
を抜き取りウェブを形成する手段（例えば、吸引ボックス２０６および２０８）
も、ヘッドボックスアッセンブリ中に含まれている。

【０１０３】 この方法において、ツインワイヤフォーマは、第３の材料を得られたウェブ中
に帯状物または片状物を形成するような方法で少なくとも第３の材料を内部構造
を通じて導入する手段を含む。この導入手段は、少なくとも第１の有効長を有す
る第１の複数の管路を含むことが好ましい。第１長さとが異なる第２の有効長を
有する第２の複数の管路を使用してもよい。二組以上の管路も使用することがで
きる。

【０１０４】 本発明を実施するのに使用可能な別の代表的垂直下方流れ型ツインワイヤフォ
ーマを図１６に示す。図１６を参照すると、フォーマは、フォーマの閉鎖された
第１の端部、閉鎖された第１および第２の側面および第１および第２の形成支持
体２０２および２０４により規定される内部容量を有する垂直ヘッドボックスア
ッセンブリを含み、そしてフォーマ第１端部から延長しそして第２の端部に向か
う内部構造２３０を含む。この実施の形態において、内部構造２３０は、複数の
管路２３５および２３６および任意の分離壁２１４を含んでいる。

【０１０５】 内部構造は、その一方の側面上の第１の容量２３２およびその他方の側面上の
第２の容量2３４を規定する。フォーマはさらに供給口２４２および第１の繊維 ／発泡スラリーを第１の容量に導入する手段２４３および供給口２４４および第
２の繊維／発泡スラリーを第２の容量に導入する手段２４５、供給口２４６およ
び第３の材料を複数の管路２３６に導入する手段２４７、供給口２４８および第
３の材料を複数の管路２３５に導入する手段２４９、供給口２５０およびその他
の材料、例えば発泡スラリーを壁２１４により規定された容量内に導入する手段
２５１を含む。

【０１０６】 複数の管路２３５は、複数の管路２３６と異なる有効長を有することができる
。第３の材料は、管路２３５および２３６を通じて導入することができ、あるい
は代りに第３の材料は、管路２３５を通じて導入し、そして第４の材料を管路２
３６を通じて導入することができる。管路２３５および２３６の端部は、吸引ボ
ックスが形成支持体と接触するスラリーから発泡体を抜き取り始める位置を越え
た（すなわち、ウェブ形成が始まる位置を超えた）位置を末端とするのが好まし
い。複数の管路２３５および／または２３６は、第１の範囲においてニップ２１
３に向かってあるいはニップ２１３から離れて移動でき、そして第１の範囲から
実質的に鉛直の第２の範囲において一方の形成ワイヤまたは他方に近づいて移動
できる。代表的な管路２３５および２３６を図１７に示す。

【０１０７】 一般に、フォーマの内部構造（すなわち、図１５および１６における構造２３
０）は、内部構造を通じて導入される材料が第１および第２の形成支持体に直接
接触しないように形成支持体に対して位置される。従って、材料は、スラリーが
形成支持体と接触し、そしてこれらのスラリーからの発泡体および液体の抜き取
りが完了した後に第１および第２のスラリーの間の内部構造を通じて導入される
。このような構成は、超吸収材料を導入するのにおよび第３の材料が発泡体／ス
ラリーである層状構造を形成するのに特に有利である。形成する複合体の性質に
依存して、第１および第２の発泡体／スラリーは、互いにあるいは第３の材料と
同一であってもあるいは異なってもよい。

【０１０８】 好ましい実施の形態において、方法は、複数の異なる点で第３の材料を導入し
て製品内に帯状物または片状物を有する複合体を形成することを含む。ヘッドボ
ックスに向かうあるいはヘッドボックスから離れる第１の範囲における導入点（
すなわち、図１５および図１６におけるニップ２１３）を調整することを望む場
合、および一方の形成支持体あるいは他方に近づく第１の範囲と実質的に垂直な
第２の領域において複数の点のうちの少なくともいくつかを調整することを望む
場合には、ヘッドボックスに材料を導入するも複数の異なる点のうちの少なくと
もいくつかの点を調整することができる。

【０１０９】 この方法は、複数の異なる管路を用いることを含み、当該管路は、第３の材料
をヘッドボックスに導入するための少なくとも異なる２つの長さである。この方
法は、管路の長さの一部をヘッドボックス出口方向に延長する仕切壁を有するヘ
ッドボックスにおいて使用することができる。かかるヘッドボックスは、図１３
および１６に示す。

【０１１０】 第１および第２の発泡体スラリーを第１および第２の容量に導入する手段は、
従来の型の管路、ノズル、オリフィス、ヘッダ等のいずれかを含むことができる
。代表的には、これらの手段は、複数の管路を含み、フォーマの第１の端部にそ
して第２の端部に対抗して配置される。

【０１１１】 形成支持体を通じて第１および第２のスラリーから発泡体を抜き取って形成支
持体上にウェブを提供する手段は、ヘッドボックスアッセンブリ内に含まれてい
てもよい。この抜き取り手段は、その目的のためのいかなる従来の手段、例えば
吸引ロール、圧縮ロールあるいはその他の従来の構造物を含むことができる。好
ましい実施の形態において、第１および第２の吸引ボックスアッセンブリを設け
、そして形成支持体からの内部構造の対抗する側面に取り付ける（図１３、１５
および１６におけるボックス２０６および２０８を参照のこと）。

【０１１２】 溝付吸収材複合体は、吸収材コアあるいは保存層として吸収性物品、例えばオ
ムツ、婦人ケア製品中に導入することができる。吸収材複合体は、単独で使用す
ることができ、あるいは図１８および図１９に示す通り、１層あるいはそれ以上
の層と組み合わせて使用することができる。図１８は、複合体１０を保存層とし
て上側捕捉層３２と組み合わせて使用する吸収性構造物３０を表す。構造物４０
を表す図１９に示す通り、第３の層４２（例えば分布層）を、所望により複合体
１０および捕捉層３２とともに使用することができる。

【０１１３】 また、溝付吸収材複合体は、オムツ等の吸収性物品における液体調整層として
導入することができる。かかる物品において、複合体を保存コアまたは保存層と
組み合わせて使用することができる。組合せにおいて、液体調整層は、溝付複合
体に面する保存層の表面の表面積よりも少ない、同一面積あるいは若干大きいこ
とができる。図２０を参照すると、吸収性構造物９０は、複合体１０および保存
層６０を含む。保存層は、エアレイド、ウェットレイドおよび発泡形成方法を含
むいずれかの方法により形成することができる。

【０１１４】 保存層および液体調整層としての溝付複合体を含む構造物について、溝付複合
体における吸収材料は、保存層における吸収材料と同一、同様または異なること
ができる。

【０１１５】 所定の実施の形態において、溝付吸収材複合体は、複合体の表面および裏面が
同一でない点で非対称である。これらの実施の形態において、複合体は、吸収材
料が射出された第１の表面および繊維から本質的に構成されそして複合体の繊維
ベースの表面を構成する対抗する表面（すなわち、縦側）を有している。溝付複
合体に加えて保存層を含有する吸収性構造物について、複合体は二方向に配向す
ることができる。保存層およびその溝付表面が着用者に向いている溝付複合体を
有する代表的構造物９０を図２０に示す。代りに、図２１に示すように、代表的
構造物９２は、複合体の溝付表面が保存層６０に向かう複合体１０を含む。保存
層の表面は、溝付複合体の表面と一致していてもしていなくともよい。

【０１１６】 溝付複合体を含む構造物の再湿潤が合成繊維（例えば、疎水性繊維例えばポリ
エステル繊維）を複合体の繊維ベースに導入することによって減少することがで
きる。保存層と組み合わせて使用する場合、合成（疎水性）繊維を含む繊維ベー
スを有する溝付複合体を反転した構造において構造物中に導入するのが好ましい
。

【０１１７】 再湿潤性能を更に高めるために、捕捉層を溝付複合体および保存層と組み合わ
せることができる。図２２および図２３は、各々複合体１０および保存層６０を
覆う捕捉層３２を有する吸収性構造物９４および９６を表す。

【０１１８】 構造物９０、９２、９４および９６は、更に中間層を含んで各々図２４Aない し図２４Dに示す構造物１００、１０２、１０４および１０６を提供することが できる。中間層７０は、例えば組織層、不織布層、エアレイドまたはウェットレ
イドパッドあるいは溝付複合体であることができる。

【０１１９】 構造物１００、１０２、１０４および１０６を、吸収性物品に導入することが
できる。一般に、各々図２５Aないし２５Hに示す吸収性物品１１０、１１２、１
１4、１１６、1２０、１２２、１２4および１２６は液体透過性表面シート５２ および液体非透過性裏面シート５４および各々構造物９０、９２、９４、９６、
１００、１０２、１０４および１０６を含む。かかる吸収性物品において、表面
シートは裏面シートにつながれている。

【０１２０】 種々の好適な構造物を吸収材複合体から製造することができる。最も一般的な
ものは、吸収消費者製品、例えばオムツ、婦人衛生製品、例えば整理用ナプキン
、および製品失禁製品を含む。例えば、図２６Ａおよび２６Bを参照すると、吸 収性物品５０は、吸収材複合体１０を含み、そして液体透過性表面シート５２お
よび液体非透過性裏面シート５４を有している。図２６Bに示す通り、表面シー ト５２は、裏面シート５４につながれている、図２７を参照すると、吸収性物品
６０は、吸収材複合体１０およびそれを覆う捕捉層３２を含む。液体透過性表面
シート５２は、捕捉層５２を覆い、そして液体非透過性裏面シート５４は、吸収
材複合体１０の底を覆う。これらの吸収材複合体は、例えばオムツに使用するの
に有利な液体吸収能力を提供するであろう。図２８は、捕捉層３２と複合体１０
の間に介在する分布層４２をさらに有する吸収性構造物７０を表す。上記の通り
、吸収材複合体の溝付構造は、多重濡れにおける流体搬送および吸収を補助する
。

【０１２１】 当業者は、本明細書の概念を用いて種々の異なる構造物を作製することができ
る。例えば、成人失禁吸収性構造の代表的構造物を図２９に示す。物品８０は、
表面シート５２、捕捉層３２、吸収材複合体１０および裏面シート５４を含む。
表面シート５２は、液体透過性であり、一方裏面シート２４は、液体非透過性で
ある。この構造物において、極性の繊維材料から構成される液体透過性組織４４
を吸収材複合体１０と捕捉層３２の間に配置する。

【０１２２】 本発明は、吸収材料を含有する繊維吸収材複合体およびその形成方法を提供す
る。吸収材複合体は、複合体の長さに沿った帯状物に分散された吸収材料を含む
繊維構造である。吸収材料の帯状物の間に、吸収材複合体は、複合体におけるゲ
ル閉塞の前触れとなる連続的な開口分布領域を有している。初期液体浸入後、複
合体は繊維構造を開口しそして引続いての液体浸入に対する液体捕捉率を増加す
る溝を展開する。吸収性物品、例えばオムツに導入した場合、溝と分布層との組
合せは吸収材複合体の保存コアとしての総合的使用を認める。溝付き吸収材複合
体は、オムツ等の吸収性物品における液体調整層または保存コアとして有利に使
用することができる。

【０１２３】 以下の実施例は、本発明を説明する目的として提供されるものであり、本発明
を限定するものではない。 実施例 実施例１ 代表的溝付吸収材複合体の捕捉時間 この実施例において、本発明の代表的溝付吸収材複合体（複合体Ａ）の捕捉時
間を、市販のオムツ（オムツＡ、Ｋｉｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ）と比較する。
本発明の複合体と同様な組成を有し、繊維（５０：５０架橋繊維および南洋松繊
維パルプ繊維）、湿潤強化剤、および複合体中にわたって比較的に均一に分布さ
れる吸収材料から構成された吸収材複合体（複合体Ｂ）も比較の中に含まれる。
複合体Ｂの形成は、Ｗｅｙｅｒｈａｅｕｓｅｒ・Ｃｏｍｐａｎｙに譲渡された１
９９７年５月１３日に出願された米国仮出願番号第６０／４６，３９５号明細書
および１９９８年５月１２日に出願された国際出願番号ＰＣＴ／ＵＳ９８／０９
６８２号明細書（各々説明のために本明細書に取り込まれている）に記載されて
いる。

【０１２４】 コアおよびうねり調整層を除去した市販のオムツ（Ｋｉｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａ
ｒｋ）に対して試験を行いそして溝付吸収材複合体および複合体Ｂの周り枠とし
て使用した。試験オムツは、溝付吸収材複合体または複合体Ｂをオムツに導入す
ることによって調製した。

【０１２５】 試験に使用する水溶液は、Ｎａｔｉｏｎａｌ・Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃから商品
名ＲＩＣＣＡで市販される合成尿である。この合成尿は、ナトリウム１３５ｍｅ
ｑ／Ｌ、カルシウム８．６ｍｅｑ／Ｌ、マグネシウム７．７ｍｅｑ／Ｌ、尿素１
．９４質量％（全質量基準）プラスその他の成分を含有する溶液である。

【０１２６】 試験用の吸収性構造物のサンプルを構造物の中心を決定し、液体吸収位置に対
して前面１インチを測定し、その位置に「Ｘ」印をつけることによって調製する
。サンプルを調製すると、まずサンプルをプラスチックベース（４ ３／４イン
チ×１９ １／４インチ）に置き、次いで筒状捕捉板（４インチ×４インチプラ
スチック板）を「Ｘ」の位置に板孔を有するサンプルの頂部に配置することによ
って試験を行った。ついで、ドーナッツ錘（１４００ｇ）を筒状捕捉板の頂部に
乗せ、次いで筒（直径４インチ）を搭載した。次いで、合成尿１００ｍＬを筒に
注ぎ、そして液体が最初に筒に導入された際から液体が筒の底部からサンプル中
に消失する時間を測定することによって液体捕捉時間を測定する。測定時間は、
第１の液体浸入の捕捉時間である。１分間待った後、第２の１００ｍＬ部分を筒
に加え、そして第２の液体浸入の捕捉時間を測定する。さらに１分間待った後、
三回目の捕捉を繰り返して第３の浸入に対する捕捉時間を提供した。各々オムツ
Ａ、複合体Ｂおよび複合体Ｃに対する３回の連続した１００ｍＬ液体浸入につい
て秒単位で報告した捕捉時間を表１に要約する。

【０１２７】

【表１】

【０１２８】 表１に示す通り、液体は、エアレイド保存コアを含有する市販のオムツよりも
本発明の吸収材複合体によってより迅速に捕捉される。この結果は、エアレイド
コアが本発明のウェットレイド複合体ほど迅速に液体を捕捉しないことを示して
いる。市販のオムツは、連続液体浸入に対する捕捉率の特徴的減少を示した。こ
れに対して、複合体が連続浸入において液体を吸収し続けるにつれて、本発明の
複合体は、捕捉時間が減少した。顕著には、本発明の吸収材複合体は、初期浸入
に対する市販のオムツのものより著しく少ない（約１０倍）第３の浸入に対する
捕捉時間を発揮する。この結果は、一般に従来のエアレイド保存コアと比較して
ウェットレイド複合体についてより大きい排出能力および毛細管ネットワークお
よび特に溝付吸収材複合体の高められた性能を反映している。

【０１２９】 上記の理由のため、ウェットレイド複合体Ｂについて観察した捕捉時間もエア
レイドコアより少ない。連続浸入に対する複合体Ｂの捕捉時間は実質的に一定の
ままである。これに対して、複合体Ａは、第２および第３の浸入に対して捕捉時
間の著しい減少を示す。割合の増加は、複合体における吸収材料の帯の性質に寄
与している。従って、結果は吸収材料を含有するウェットレイド複合体のうちで
も、複合体内の吸収材料の構成が液体捕捉における有意因子であることを示して
いる。ウェットレイド複合体に均一に分布された吸収材料が同様に構成されたエ
アレイド複合体に対する効果を提供するが、吸収材料の帯状物を有するウェット
レイド複合体は、高められかつ持続性ある液体捕捉を含む更に有意な効果を提供
する。

【０１３０】 実施例２ 代表的吸収材複合体に対する捕捉率および再湿潤 この実施例において、本発明の代表的溝付吸収材複合体（複合体Ａ１〜Ａ４と
言う）の捕捉時間および再湿潤を、市販オムツ（オムツ Ａ、Ｋｉｍｂｅｒｌｙ
−Ｃｌａｒｋ）と比較する。複合体Ａ１〜Ａ４は、複合体を乾燥する方法により
異なる。実施例１における複合体Ｂについて記載の通りに形成し、複合体を乾燥
する方法により異なる一連の吸収材複合体（Ｂ１〜Ｂ４）も比較に含める。

【０１３１】 複合体中の超吸収性ポリマー材料の量（質量％）および各複合体のベース質量
を含む試験した複合体の所定の性質を表２に要約する。 コアおよびうねり調整層を除去した市販のオムツ（Ｋｉｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａ
ｒｋ）に対して試験を行い、そして溝付吸収材複合体および複合体Ｂ１〜Ｂ４の
周り枠として使用した。試験オムツは、試験複合体をオムツに導入することによ
って調製した。

【０１３２】 捕捉時間および再湿潤を以下に記載する多重線量再湿潤試験に従って測定した
。 要するに、多重線量再湿潤試験は、各３回の液体適用後に吸収性構造体から放
出された合成尿の量を測定しそして製品に浸透する各３回の液体線量に必要とさ
れる時間を測定する。

【０１３３】 この試験で使用した水溶液は、Ｎａｔｉｏｎａｌ・Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃから
商品名ＲＩＣＣＡで市販され、そして実施例１で記載した合成尿である。 予備秤量した吸収性構造体のサンプルを構造物の中心を決定し、液体吸収位置
に対して前面１インチを測定し、その位置に「Ｘ」印をつけることによって調製
する。液体適用筒（最小１００ｍＬキャピラリー、５〜７ｍＬ流速）を「Ｘ」に
おいてサンプルの表面４インチ上側に配置する。サンプルを調製すると、試験を
以下の通りに行う。液体適用筒の下の上面板上に不織布を上側にしてサンプルを
扁平化する。筒を線量（１００ｍＬ）の合成尿で満たす。配水リング（５／３２
インチステンレス鋼、内径２インチ×高さ３インチ）をサンプル上の「Ｘ」印上
に載せる。ストップウォッチを使用して液体が配水リングの底部から製品内に浸
透するまで筒状弁を開く時から秒単位で液体捕捉時間を測定する。２０分間待つ
。第一の線量を適用した後２０分間の待ち時間の間、濾紙の束（１９〜２２ｇ、
Ｗｈａｔｔｍａｎ ＃３、 １１．０ｃｍまたは同等品、試験前に最小の２時間
の室内湿度に曝露している）の質量を測る。予備秤量濾紙の束を湿潤領域の中央
に配置する。円筒形錘（直径８．９ｃｍ、９．８ｌｂ）をこれらの濾紙の頂部に
載せる。錘を除いてから２分後、濾紙を秤量し、そして質量変化を記録する。こ
の操作を２回以上繰り返す。第２の線量の合成尿をオムツに加え、そして捕捉時
間を測定し、濾紙をサンプルに２分間載せ、そして質量変化を測定する。第２の
線量に関して、乾燥濾紙の質量は２９〜３２ｇであり、第３の線量に関して、乾
燥濾紙の質量は３９〜４２ｇである。先の線量からの乾燥濾紙を付加的な乾燥濾
紙で補う。

【０１３４】 液体捕捉時間を各３回の線量に対して製品中に吸収された液体に必要な時間の
長さ（秒）として報告する。結果を表２に要約する。 再湿潤を各液体服用後に濾紙に吸収された液体の量（グラムとして報告する（
すなわち、湿潤濾紙と乾燥濾紙の質量の差異）。結果を表２に併記する。

【０１３５】

【表２】

【０１３６】 表２に示す通り、本発明の代表的複合体（複合体A1〜A4）の再湿潤は、他のコ
アより著しく少ない。ほとんどの複合体が最初は比較的少ない再湿潤を示すが、
第３の浸入後は市販コアは実質的再湿潤を示した。これに対して、複合体Aは、 低い再湿潤を発揮するのに寄与した。

【０１３７】 実施例３ 代表的溝付き吸収材複合体に対する水平および垂直浸透 この実施例において、代表的溝付吸収材複合体（複合体A）の浸透特性を市販 オムツ保存コア（オムツB,Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ）および複合体中
均一に分布した吸収材料を有するウェットレイド保存コアと比較する。

【０１３８】 水平浸透試験は、液体が予め選択した距離に水平に浸透するのに必要とされる
時間を測定する。この試験は、一方の端部が液体浴と接触する水平表面にサンプ
ル複合体を配置し、そして液体が予め選択した距離に水平に浸透するのに必要と
される時間を測定することによって行われる。要するに、サンプル複合体片（４
０ｃｍ×４０ｃｍ）をパルプシートまたはその他の源から切断する。シートが縦
方向を有している場合、４０ｃｍ長さの片が縦方向に平行となるように切断を行
う。本発明の吸収材複合体について、吸収材料の４つの帯状物が片の幅内となる
ように片を中心にする。幅１０ｃｍの片の一端で開始して、片の縁から４．５ｃ
ｍで第１の線をマークし、次いで片の全長に沿って５ｃｍ間隔で連続した線をマ
ークする（すなわち、０ｃｍ、５ｃｍ、１０ｃｍ、１５ｃｍ、２０ｃｍ、３０ｃ
ｍおよび３５ｃｍ）。溝の対向する側から延長する水平翼を有する中心溝を有す
る水平浸透装置を調製する。各翼の囲まれていない縁は、溝の内縁部をフラッシ
ュとする。各翼の端部にプラスチック延長部分を置いて各翼を平らな水平位置に
支持する。次いで、溝を合成尿で満たす。次いで、サンプル複合体片を４．５ｃ
ｍマークにてゆっくりと曲げて約４５°角度の片を形成する。次いで、片が水平
に横たわりそして片の曲げ端部が溝中の液体中に延長しそして接触するように片
を翼に配置する。液体が４．５ｃｍ曲げから５ｃｍの複合体上にマークされた第
１のラインに到達した際に液体浸透の計時を開始する。次いで、５０％の液体前
面がマークされた間隔（例えば５ｃｍ、１０ｃｍ）に到達した際に浸透時間を、
５ｃｍ間隔で記録する。溝中の液体レベルを、付加的に合成尿を補うことによっ
て試験中を通じて比較的に一定に維持する。水平浸透結果を表３に要約する。

【０１３９】

【表３】

【０１４０】 上記表された結果は、水平浸透従来のエアレイドコアと比較してウェットレイ
ド複合体について高められることを示している。複合体Ｃに関する浸透時間が従
来のオムツコアに関するものの約５０％であるが、複合体Ａに関する浸透時間は
、複合体Ｂに関するものの約５０％である。従って、複合体Ａに関する水平浸透
は、市販の保存コアのものの約４倍である。かかる結果は、吸収材料の帯状特性
によってもたらされた本発明の複合体の分布領域の有効性を示している。

【０１４１】 垂直浸透試験は、液体が予め選択した距離に垂直に浸透するのに必要とされる
時間を測定する。この試験は、一方の端部が液体浴と接触するサンプル複合体を
鉛直に吊るし、そして液体が予め選択した距離に垂直に浸透するのに必要とされ
る時間を測定することによって行われる。試験に先立って、サンプル複合体（１
０ｃｍ×２２ｃｍ）を切断し、そして片の縁部の一方から連続ライン１ｃｍ、１
１ｃｍ、１６ｃｍおよび２１ｃｍでマークする。好ましくは、サンプルを１２時
間５０％相対湿度および２３℃で予備コンディショニングし、次いで試験までサ
ンプルバッグを保存する。サンプル複合体を長さ方向に鉛直に配向し、１ｃｍマ
ークにおいてその頂縁部からはさみ、そしてその底縁部を合成尿を含有する浴に
接触させる。浸透前面の５０％が５ｃｍ、１０ｃｍ、１５ｃｍおよび２０ｃｍに
到達するのに要する時間を次いで測定する。垂直浸透結果を表４に要約する。

【０１４２】

【表４】

【０１４３】 水平浸透結果について、ウェットレイド複合体ＡおよびＢは著しく大きい垂直
浸透を有している。さらに、複合体ＡおよびＢの間として、本発明の複合体は、
複合体中を通して均一に分布する吸収材料を有するウェットレイド複合体につい
てもよりもより迅速に浸入から離れて液体を分布することができる。この結果は
、ウェットレイド複合体が従来のエアレイド複合体と比較して著しく大きい湿潤
引張強さを有することを示している。

【０１４４】 実施例４ 代表的溝付吸収材複合体に関する液体分布 この実施例において、溝付吸収材複合体（複合体Ａ）における液体の分布を二
種類の市販オムツ（上記のオムツＡおよびＢ）のものと比較する。この試験は、
オムツの補足液体の分布の容量を測定する。完全な分布は平均からの０％逸脱を
示す。理想的液体分布は、４箇所の分布領域において適用された溶液の等しい分
布となる（すなわち各領域において約２５％液体）。

【０１４５】 液体分布は、前記の実施例２における多重線量再湿潤試験を実施した異なる領
域のサンプルを秤量することによって測定される。基本的には、最後の再湿潤後
、オムツの翼を除去し、次いで４箇所の等しい長さ分布領域に切断する。各領域
を秤量して各領域に含有される液体の質量を測定する。

【０１４６】 本発明の代表的溝付吸収材複合体に関する液体分布試験結果は、理想に接近し
ている。この結果は、代表的市販保存コアが浸入の部分近傍で液体を蓄積するが
、液体が溝付吸収性保存コア中を通じて能率的にかつ有効に分布していることを
示す。

【０１４７】 本発明の好ましい実施の形態を説明し記載してきたが、種々の変更が本発明の
精神および範囲を逸脱することなしに行うことができることが明らかである。 本発明の好ましい実施の形態を説明し記載してきたが、種々の変更が本発明の
精神および範囲を逸脱することなしに行うことができることが明らかである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に従って形成した代表的な複合体の平面図である。

【図２】 図２Ａは、本発明の代表的な複合体の乾燥状態での断面図である。図２Ｂは、 本発明の代表的な複合体の湿潤状態での断面図である。図２Ｃは、図２Ｂに示
す湿潤した複合体の斜視図である。

【図３】 本発明に従って形成した代表的な複合体の断面図である。

【図４】 図４Ａは、本発明に従って形成した代表的な複合体の上面の斜視図である。図
４Ｂは、本発明に従って形成した代表的な複合体の下面の斜視図である。

【図５】 吸収性材料の、本発明に従って形成した代表的な縞状パターンの斜視図である
。

【図６】 吸収性材料の、本発明に従って形成した別の代表的な縞状パターンの斜視図で
ある。

【図７】 吸収性材料の、本発明に従って形成した別の代表的な縞状パターンの斜視図で
ある。

【図８】 本発明に従って形成した代表的な複合体の一部の顕微鏡写真（倍率１５×）で
あり、この顕微鏡写真は、吸収性材料富化領域を通って切断した幅方向の縦方向
の図を示す。

【図９】 本発明に従って形成した代表的な複合体の一部の顕微鏡写真（倍率１５×）で
あり、この顕微鏡写真は、液体分配区域を通って切断した幅方向の縦方向の図を
示す。

【図１０】 本発明に従って形成した代表的な複合体の一部の顕微鏡写真（倍率１５×）で
あり、この顕微鏡写真は、液体分配区域と吸収性材料富化領域との間の本複合体
の界面領域を通って切断した幅方向の縦方向の図を示す。

【図１１】 図１１Ａは、本発明に従って形成した別の代表的な複合体の斜視図である。図
１１Ｂは、図１１Ａに示す本複合体と捕捉層とで構成される吸収性構成体の斜視
図である。

【図１２】 図１２Ａは、本発明の複合体を形成するための装置及び方法を示す線図である
。図１２Ｂは、本発明の複合体を形成するための装置の一部の平面図である。

【図１３】 本発明の複合体を形成するためのツインワイヤ装置及び方法を示す線図である
。

【図１４】 図１４Ａは、本発明に従って形成した代表的な複合体の断面図である。図１４
Ｂは、本発明に従って形成した代表的な複合体の断面図である。図１４Ｃは、本
発明に従って形成した代表的な複合体の断面図である。図１４Ｄは、本発明に従
って形成した代表的な複合体の断面図である。図１４Ｅは、本発明に従って形成
した代表的な複合体の断面図である。図１４Ｆは、本発明に従って形成した代表
的な複合体の断面図である。図１４Ｇは、本発明に従って形成した代表的な複合
体の断面図である。図１４Ｈは、本発明に従って形成した代表的な複合体の断面
図である。

【図１５】 本発明の複合体を形成するための代表的なヘッドボックスアセンブリ及び方法
を示す線図である。

【図１６】 本発明の複合体を形成するための代表的なヘッドボックスアセンブリ及び方法
を示す線図である。

【図１７】 本発明に従って繊維質ウェブ中に吸収性材料を導入するための代表的な導管を
示す図である。

【図１８】 本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の構成要素の
一部の断面図である。

【図１９】 本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の構成要素の
一部の断面図である。

【図２０】 貯留層と本発明に従って形成した代表的な複合体とを取り入れた吸収性構成体
の一部の断面図である。

【図２１】 貯留層と本発明に従って形成した代表的な複合体とを取り入れた吸収性構成体
の一部の断面図である。

【図２２】 貯留層と捕捉層と本発明に従って形成した代表的な複合体とを取り入れた吸収
性構成体の一部の断面図である。

【図２３】 貯留層と捕捉層と本発明に従って形成した代表的な複合体とを取り入れた吸収
性構成体の一部の断面図である。

【図２４】 図２４Ａは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性構成
体の一部の断面図である。図２４Ｂは、本発明に従って形成した代表的な複合体
を取り入れた吸収性構成体の一部の断面図である。図２４Ｃは、本発明に従って
形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性構成体の一部の断面図である。図２
４Ｄは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性構成体の一
部の断面図である。

【図２５】 図２５Ａは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品
の一部の断面図である。図２５Ｂは、本発明に従って形成した代表的な複合体を
取り入れた吸収性物品の一部の断面図である。図２５Ｃは、本発明に従って形成
した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面図である。図２５Ｄは
、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面
図である。図２５Ｅは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸
収性物品の一部の断面図である。図２５Ｆは、本発明に従って形成した代表的な
複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面図である。図２５Ｇは、本発明に従
って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面図である。図
２５Ｈは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一
部の断面図である。

【図２６】 図２６Ａは、本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品
の一部の断面図である。図２６Ｂは、液体透過性上張りシートと液体非透過性裏
当てシートと本発明に従って形成した代表的な複合体とを取り入れた吸収性物品
の好適な実施例の断面図である。

【図２７】 本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面
図である。

【図２８】 本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面
図である。

【図２９】 本発明に従って形成した代表的な複合体を取り入れた吸収性物品の一部の断面
図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ６０／０８２，７９０ (32)優先日 平成10年４月23日(1998．4．23) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (31)優先権主張番号 ６０／１１１，８４５ (32)優先日 平成10年12月11日(1998．12．11) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，Ｇ Ｈ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ボルスタッド，クリフォード・アール アメリカ合衆国ワシントン州98003，フェ デラル・ウェイ，サウス・スリーハンドレ ッドアンドセヴンティース・コート 1938 (72)発明者 ハワード，フレッド・ビー アメリカ合衆国ワシントン州98359，オラ ーラ，スター・ロード・イースト 15050 (72)発明者 アンロー，デーヴィッド・ジー アメリカ合衆国ワシントン州98003，フェ デラル・ウェイ，サウス・ウエスト・スリ ーハンドレッドアンドサーティフィフス・ ストリート 505 (72)発明者 マーシュ，デーヴィッド・ジー アメリカ合衆国ワシントン州98003，フェ デラル・ウェイ，トゥエンティエイス・ア ベニュー・サウス 30527 (72)発明者 ミラー，チャールズ・イー アメリカ合衆国ワシントン州98031，ケン ト，ワンハンドレッドアンドセカンド・プ レイス・サウス・イースト 22625 (72)発明者 ハジナル，アンドレ・エス アメリカ合衆国ワシントン州98403，タコ マ，トゥエルヴス・ストリート 1020 ス リークォーター・ノース Ｆターム(参考） 3B029 BA02 BA04 BA12 BA14 BA15 BA18 4C003 AA18 AA24 AA27 AA29 4C098 AA09 CC02 CC05 DD03 DD05 DD06 DD10 DD24 DD26 DD28 4F100 AH02B AH02H AH03B AH03H AJ04B AK03B AK41B AK42B AK46B AR00A AR00B AR00C AR00H BA03 BA07 BA10A BA10C CA02B DC22B DE01B DE01H DG01B DG02B GB72 JA13 JD05A JD05C JD14B JD14H JK07B YY00 YY00B

Claims (50)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体にお
   いて、該吸収性材料は、１つ以上の縞をなして該繊維質マトリックスの内部に存
   在し、該縞は、前記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊維質
   マトリックスは、結合済みセルロース系繊維類を含む、吸収性複合体。
2. 【請求項２】 前記分配区域は吸収性材料を実質的に含まない、請求項１に
   記載の複合体。
3. 【請求項３】 前記縞は、前記複合体の長手方向でかつ縦方向に連続である
   、請求項１に記載の複合体。
4. 【請求項４】 前記縞は実質的に平行である、請求項１に記載の複合体。
5. 【請求項５】 前記縞は、前記複合体の長手方向でかつ縦方向に不連続であ
   る、請求項１に記載の複合体。
6. 【請求項６】 前記縞は、繊維質材料をさらに含む、請求項１に記載の複合
   体。
7. 【請求項７】 前記繊維質材料は、弾性繊維類、マトリックス繊維類、及び
   これらの混合物からなる群から選択される繊維類を含む、請求項６に記載の複合
   体。
8. 【請求項８】 前記繊維質マトリックスは、弾性繊維類、マトリックス繊維
   類、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維類を含む、請求項１に記
   載の複合体。
9. 【請求項９】 前記弾性繊維類は、化学的に剛化した繊維類、曲折の多い繊
   維類、ケミサーモメカニカルパルプ繊維類、前加水分解済みクラフトパルプ繊維
   類、合成繊維類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項８に記
   載の複合体。
10. 【請求項１０】 前記化学的に剛化した繊維類は架橋済みセルロース系繊維
    類を含む、請求項９に記載の複合体。
11. 【請求項１１】 前記架橋済みセルロース系繊維類は、尿素に基づく架橋剤
    及びポリカルボン酸架橋剤からなる群から選択される架橋剤を用いて架橋される
    、請求項１０に記載の複合体。
12. 【請求項１２】 前記合成繊維類は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
    アミド、及び熱結合可能な二成分繊維類からなる群から選択される、請求項９に
    記載の複合体。
13. 【請求項１３】 前記ポリエステル繊維類は、ポリエチレンテレフタレート
    繊維類である、請求項１２に記載の複合体。
14. 【請求項１４】 前記マトリックス繊維類はセルロース系繊維類を含む、請
    求項８に記載の複合体。
15. 【請求項１５】 前記セルロース系繊維類は、木材パルプ繊維類、コットン
    リンター類、綿繊維類、麻繊維類、及びこれらの混合物からなる群から選択され
    る繊維類を含む、請求項１４に記載の複合体。
16. 【請求項１６】 前記弾性繊維類は、全複合体の約１０〜約６０重量％の量
    で前記複合体中に存在する、請求項８に記載の複合体。
17. 【請求項１７】 前記マトリックス繊維類は、全複合体の約１０〜約５０重
    量％の量で前記複合体中に存在する、請求項８に記載の複合体。
18. 【請求項１８】 前記吸収性材料は超吸収性材料である、請求項１に記載の
    複合体。
19. 【請求項１９】 前記超吸収性材料は、超吸収性粒子類及び超吸収性繊維類
    からなる群から選択される、請求項１８に記載の複合体。
20. 【請求項２０】 前記吸収性材料は、全複合体の約０．１〜約８０重量％の
    量で存在する、請求項１に記載の複合体。
21. 【請求項２１】 前記吸収性材料は、全複合体の約４０重量％存在する、請
    求項１に記載の複合体。
22. 【請求項２２】 前記吸収性材料は、０．９％塩類溶液中で自らの重量の約
    ５〜約１００倍を吸収する、請求項１に記載の複合体。
23. 【請求項２３】 湿潤強度増強剤をさらに含む、請求項１に記載の複合体。
24. 【請求項２４】 前記湿潤強度増強剤は、ポリアミド−エピクロロヒドリン
    樹脂及びポリアクリルアミド樹脂からなる群から選択される樹脂である、請求項
    ２３に記載の複合体。
25. 【請求項２５】 前記湿潤強度増強剤は、全複合体の約０．０１〜約２重量
    ％の量で前記複合体中に存在する、請求項２３に記載の複合体。
26. 【請求項２６】 前記湿潤強度増強剤は、全複合体の約０．２５重量％前記
    複合体中に存在する、請求項２３に記載の複合体。
27. 【請求項２７】 坪量約５０〜約１０００g／ｍ²を有する、請求項１に記載
    の複合体。
28. 【請求項２８】 密度約０．０２〜約０．７g／cm³を有する、請求項１に記
    載の複合体。
29. 【請求項２９】 前記複合体は湿式法によって形成される、請求項１に記載
    の複合体。
30. 【請求項３０】 前記複合体は発泡法によって形成される、請求項１に記載
    の複合体。
31. 【請求項３１】 前記繊維質マトリックスは、前記複合体の総重量を基準と
    して約４５重量％存在する架橋済みセルロース系繊維類を含む、請求項１に記載
    の複合体。
32. 【請求項３２】 前記繊維質マトリックスは、前記複合体の総重量を基準と
    して約１５重量％存在する木材パルプ繊維類を含む、請求項１に記載の複合体。
33. 【請求項３３】 前記繊維質マトリックスは吸収性材料をさらに含む、請求
    項１に記載の複合体。
34. 【請求項３４】 前記吸収性材料は超吸収性材料を含む、請求項３３に記載
    の複合体。
35. 【請求項３５】 繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体を
    含む吸収性物品において、該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの
    内部に存在し、該縞は、前記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前
    記繊維質マトリックスは、結合済みセルロース系繊維類を含む、吸収性物品。
36. 【請求項３６】 液体透過性上張りシートと； 繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体を含む貯留層において、
    該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの内部に存在し、該縞は、前
    記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊維質マトリックスは、 結合済みセルロース系繊維類を含む、貯留層と； 液体非透過性裏当てシートと； を備える吸収性物品。
37. 【請求項３７】 液体透過性上張りシートと； 液体を迅速に捕捉し分配するための捕捉層と； 繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体を含む貯留層において、
    該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの内部に存在し、該縞は、前
    記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊維質マトリックスは、 結合済みセルロース系繊維類を含む、貯留層と； 液体非透過性裏当てシートと； を備える吸収性物品。
38. 【請求項３８】 液体透過性上張りシートと； 液体を迅速に捕捉し分配するための捕捉層と； 繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体を含む貯留層において、
    該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの内部に存在し、該縞は、前
    記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊維質マトリックスは、 結合済みセルロース系繊維類を含む、貯留層と； 前記捕捉層と前記貯留層との間に介在する中間層と； 液体非透過性裏当てシートと； を備える吸収性物品。
39. 【請求項３９】 前記中間層は、液体透過性ティッシュ及び分配層からなる
    群から選択される、請求項３８に記載の吸収性物品。
40. 【請求項４０】 前記物品は女性用ケア製品である、請求項３６に記載の吸
    収性物品。
41. 【請求項４１】 前記最上部シートは前記裏当てシートに接合される、請求
    項４０に記載の吸収性物品。
42. 【請求項４２】 前記物品はおむつである、請求項３７に記載の吸収性物品
    。
43. 【請求項４３】 脚部ギャザーをさらに備える、請求項４２に記載の吸収性
    物品。
44. 【請求項４４】 液体透過性上張りシートと； 液体を捕捉し分配するための捕捉層と； 貯留層と； 液体非透過性裏当てシートと； を備える吸収性物品において、 前記捕捉層は、繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む吸収性複合体を含み、
    該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの内部に存在し、該縞は、前
    記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊維質マトリックスは、
    結合済みセルロース系繊維類を含む、 吸収性物品。
45. 【請求項４５】 前記捕捉層は、前記貯留コアの上面面積よりも小さい上面
    面積を有する、請求項４４に記載の吸収性物品。
46. 【請求項４６】 前記捕捉層は、前記貯留コアの上面面積にほぼ等しい上面
    面積を有する、請求項４４に記載の吸収性物品。
47. 【請求項４７】 前記貯留層は吸収性材料を含む、請求項４４に記載の吸収
    性物品。
48. 【請求項４８】 前記貯留層は、繊維質マトリックスと吸収性材料とを含む
    吸収性複合体を含み、該吸収性材料は、縞をなして該繊維質マトリックスの内部
    に存在し、該縞は、前記繊維質マトリックス中に液体分配区域を規定し、前記繊
    維質マトリックスは、結合済みセルロース系繊維類を含む、請求項４４に記載の
    吸収性物品。
49. 【請求項４９】 前記物品はおむつである、請求項４４に記載の吸収性物品
    。
50. 【請求項５０】 脚部ギャザーをさらに備える、請求項４４に記載の吸収性
    物品。