JP3457417B2 - 吸収紙、その製造方法及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

吸収紙、その製造方法及びそれを用いた吸収性物品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収紙、その製造方法
及びそれを用いた吸収性物品に関するものであり、更に
詳しくは、液吸収透過性及び液拡散性に優れた吸収紙、
その製造方法及びそれを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紙おむ
つ、生理用ナプキン及び失禁者用パッド等の吸収性物品
に関しては、その体液の吸収性の向上を目的とした技術
が数多く提案され、その改善がなされてきた。そして、
これらの改善の大部分は、液吸収速度の向上、吸収体か
ら表面材への液戻りの阻止及び液漏れ防止並びに吸収性
物品の身体に対するベタツキの低減にあった。
【0003】例えば、吸収体の素材に関しては、物理的
微細空間中に液体を吸収・保持する親水性の吸収紙やパ
ルプなどを使用することに代えて、液体を物理化学的な
作用、即ち、イオン浸透圧により液体を吸収・保持させ
ることによって液吸収容量を向上させると共に液吸収後
の液戻りを防止する高吸収性ポリマーを使用することが
提案されている。高吸収性ポリマーを使用することによ
り、液吸収性が向上し、現在ではパルプと高吸収性ポリ
マーとを併用した吸収体が殆どの吸収性物品に用いられ
ている。
【0004】しかし、このような吸収性物品であって
も、吸収性物品に対する不満の第一が液漏れにあること
から示唆されるように、液漏れ防止は依然として十分な
ものとはいえない。
【0005】即ち、イオン浸透圧により液体を吸収・保
持させる高吸収性ポリマーでは液体の吸収速度に限界が
ある。更に高吸収性ポリマーは液体で濡れないと液体を
吸収できないため、高吸収性ポリマーは、液吸収速度の
速いパルプや吸収紙などと併用せざるを得なかった。と
ころが、パルプは、吸収体として柔軟なフラッフ吸収層
を形成したときに、局所的に液体を吸収するために、吸
収体全体を効率よく利用するための拡散性に劣るという
問題がある。
【0006】また、パルプは乾燥時にはある程度の圧縮
回復性及び曲げ回復性を示すが、湿潤時には極度に強度
が低下し、殆どそれらの回復性を示さないため、湿潤し
たパルプに応力が加わると、パルプが圧縮変形(以下
「ヨレ」という)してその液体吸収空間が著しく減少す
る。その結果、一旦吸収した液体がヨレに伴って容易に
身体側に逆戻りしてしまい、ベタツキや液漏れの原因に
なってしまう。
【0007】また、このヨレに伴い液体吸収空間が減少
することによって、液体がポリマーへ移動する際の移動
抵抗が増大する。その結果、ポリマーの液吸収効率が低
下するばかりか、吸収体全体としてもヨレた後の再吸収
速度が著しく低下するため、液漏れの原因となることが
多い。
【0008】これらのフラッフパルプの拡散性の乏しさ
及びヨレに伴う液体吸収空間の減少を改善するため、パ
ルプを圧縮/高密度化することにより、拡散性や液戻り
性を向上させる技術もこれまでに報告されている。しか
し、それらの技術は、パルプは濡れると強度が極端に低
下してしまうという本質的な問題を解決していないばか
りか、逆にパルプの繊維間距離が密になり過ぎることに
より液体がポリマーへ移動する際の移動抵抗が非常に増
大してしまい、結果として、ポリマーの液吸収効率が悪
化してしまうという不都合を生じさせている。即ち、フ
ラッフパルプから成る吸収体では、液体の吸収性及び拡
散性が両立しておらず、依然として吸収性/漏れ防止性
に関して不十分なものであった。
【0009】一方、上記吸収紙としては、天然パルプを
湿式抄造した吸収紙が大部分を占めている。しかし、こ
のような方法で製造された吸収紙は抄造時の脱水/湿圧
/乾燥過程において、パルプの脱水及び乾燥の際に、パ
ルプ繊維間に、水の界面張力及び水素結合による強い緊
締力が働く。この緊締力により、パルプ繊維間は非常に
締まってしまう。その結果、パルプ繊維を湿式抄紙して
得られた吸収紙は、液体の吸収/透過が非常に遅いもの
となってしまうばかりか、液体を実質的に吸収するパル
プ繊維空間も極めて減少する。
【0010】また、吸収紙をクレープ処理やエンボス処
理して、吸収紙の嵩高性を向上させる方法も試みられて
いる。しかしながら、かかる方法では、吸収紙の見掛け
の厚みが向上するのみであり、パルプ繊維から構成され
る液体吸収空間は殆ど増加せず、液体の吸収透過性も改
善されていない。
【0011】また、嵩高性のセルロース繊維を主体とす
る吸収紙も提案されている。かかる吸収紙は繊維間距離
が大きいので液体の吸収速度及び液体の透過速度に優れ
るが、液体の拡散性が劣る。従って、この吸収紙及びポ
リマーのみで吸収体を構成した場合には、該吸収体はポ
リマー全体に液体を拡散させる能力に乏しく、ポリマー
の固定化能が減少してしまう。更に、液体を吸収した状
態で圧力が加わると、液戻りが容易に起きてしまう。一
方、繊維径の小さな針葉樹パルプや広葉樹パルプを主体
とする吸収紙も提案されている。かかる吸収紙は密度が
高いので毛細管現象により液体の吸収性及び液体の拡散
性に優れるが、液体の透過性に劣るので、吸収紙の表面
に液体が滞留したままであり、吸収紙表面のサラット感
に欠ける。このように、一枚の吸収紙のみで、液体の吸
収透過性及び液体の拡散性を発現せしめることは困難で
ある。
【0012】吸収紙の製造にエアーレイ法等の乾式法を
用いて嵩高な吸収紙を製造することも試みられている。
即ち、パルプを嵩高に堆積し、これを適当な結合剤を用
いて結合させることによって、嵩高な吸収紙を製造す
る。この方法によれば、乾燥時の密度が非常に低く、パ
ルプ繊維間距離が大きく、しかも液体吸収空間の大きな
吸収紙を得ることができる。かかる吸収紙は、液体を吸
収した場合でも液体吸収空間は大きいが、拡散性が非常
に乏しいという欠点を有する。更に、かかる吸収紙が液
体に濡れた状態で加圧下にあると、フラッフパルプと同
様に、ヨレ/ヘタリが生じるという不具合もある。
【0013】また、レーヨンスパンボンド等のセルロー
ス系の不織布も吸収紙として用いられている。不織布は
単繊維からなるので、不織布の吸収紙は、その機能にお
いて液の拡散性と液の吸収透過性とが相反する関係にあ
る。つまり、液体の拡散性は単繊維の繊維径を小さくす
れば向上する傾向にあるが、これは繊維間距離を小さく
することにもなるので液体の吸収透過性は悪化してしま
う。逆に、単繊維の繊維径を大きくすると、液体の吸収
透過性は向上するが、液体の拡散性が劣ってしまう。こ
のように、不織布を用いた吸収紙では、液体の拡散性及
び液体の吸収透過性の双方を満たすことはできない。
【0014】特開平4−89053号公報には、液体の
吸収透過性及び液体の拡散性がそれぞれ異なる種々の吸
収紙と高吸収性ポリマーとを組み合わせて吸収体を構成
した高吸収性で極薄の吸収性物品が開示されている。し
かし、かかる吸収性物品では、液体の一時吸収/透過/
拡散/保持という吸収性物品のそれぞれの機能を、吸収
体を構成する吸収紙や高吸収性ポリマーなどの構成部材
のそれぞれに割り当てているので、吸収体の構成が複雑
になる欠点があり、コストアップという不具合が生じ
る。
【0015】従って、本発明の目的は、液体吸収空間が
大きく、液体の吸収透過性が高く、且つ液体の拡散性の
高い吸収紙及びその製造方法を提供することにある。
【0016】また、本発明の目的は、液体の吸収性が高
く、液漏れが少なく且つ極薄で快適な装着感を有する吸
収性物品を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
をした結果、特定の繊維の組み合せから得られる吸収紙
が、液体の拡散性及び液体の吸収透過性の双方の性質を
兼ね備えることを知見した。
【0018】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細繊維と
を含む単一の構造の吸収紙であって、上記親水性の微細
繊維は、上記吸収紙の一方の面側における存在割合が、
他方の面側における存在割合よりも高く、上記嵩高性の
セルロース繊維は、平均繊維長が1.5〜20mmで且
つその分子内及び分子間が架橋されているか又は繊維粗
度が0.3mg/m以上であり、そして上記親水性の微細
繊維は、繊維粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均
繊維長が0.5〜1mmであることを特徴とする吸収紙
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0019】また、本発明は、上記の本発明の吸収紙の
好ましい製造方法として、平均繊維長が1.5〜20m
mで且つその分子内及び分子間が架橋されているか又は
繊維粗度が0.3mg/m以上である嵩高性のセルロース
繊維と繊維粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均繊
維長が0.5〜1mmである親水性の微細繊維とを水中
に分散せしめてスラリーを形成する工程;上記スラリー
を抄紙ワイヤー上に散布して、該抄紙ワイヤー上に紙層
を形成する工程;及び上記紙層を脱水及び乾燥させる工
程;から成ることを特徴とする吸収紙の製造方法を提供
するものである。
【0020】更に、本発明は、上記吸収紙を用いた吸収
性物品として、液透過性の表面材、液不透過性の防漏材
並びに該表面材及び該防漏材の間に介在する液保持性の
吸収体を具備して成る吸収性物品において、上記吸収体
は、少なくとも吸収紙と高吸収性ポリマーとを具備して
おり、上記吸収紙は、嵩高性のセルロース繊維と親水性
の微細繊維とを含む単一の構造のものであり、上記親水
性の微細繊維は、上記吸収紙の一方の面側における存在
割合が、他方の面側における存在割合よりも高く、上記
嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長が1.5〜20m
mで且つその分子内及び分子間が架橋されているか又は
繊維粗度が0.3mg/m以上であり、上記親水性の微細
繊維の繊維粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均繊
維長が0.5〜1mmであることを特徴とする吸収性物
品を提供するものである。
【0021】本発明の吸収紙は、産褥パッド、母乳パッ
ド、アンダーパッド、汗取りシート、パーマ用吸収性タ
ーバン、ドリップシート、メディカル用パッド及びベッ
ド用アンダーシートなどとして有用であるが、特に、生
理用ナプキンや紙おむつのような吸収性物品の吸収紙と
して有用である。
【0022】
【作用】本発明の吸収紙は、上述の通り、嵩高性のセル
ロース繊維と親水性の微細繊維を含む。上記嵩高性のセ
ルロース繊維は、本発明の吸収紙中において、嵩高なネ
ットワーク構造を形成する。一方、上記親水性の微細繊
維は、本発明の吸収紙の一方の面側における存在割合
が、他方の面側における存在割合よりも高くなってい
る。その結果、上記親水性の微細繊維の存在割合の低い
面側は、液体の吸収速度及び局所的な液体の吸収性に優
れると共に液体の透過も高い。一方、上記親水性の微細
繊維の存在割合の高い面側は、上記親水性の微細繊維が
高い表面積を有しているが故に、液体の拡散性に優れ
る。従って、上記親水性の微細繊維の存在割合の低い面
側を透過してきた液体を素早く拡散することができる。
このように、本発明の吸収紙は、単一の構造であるにも
拘らず、液体の吸収透過性及び液体の拡散性の双方の性
質を兼ね備えたものである。
【0023】また、本発明の吸収紙の製造方法によれ
ば、上記嵩高性のセルロース繊維と上記親水性の微細繊
維との繊維長及び繊維径の格差を利用することによっ
て、本発明の吸収紙の厚さ方向における上記親水性の微
細繊維の存在割合に関して、特に容易に勾配を設けるこ
とができる。
【0024】まず、本発明の吸収紙を、図面を参照しつ
つ、その好ましい製造方法と共に詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の吸収紙11の厚さ方向の
断面を示す模式図である。本発明の吸収紙11は、上述
の通り、嵩高性のセルロース繊維12と親水性の微細繊
維13とを含み、上記親水性の微細繊維13は、上記吸
収紙11の一方の面側における存在割合が、他方の面側
における存在割合よりも高く、上記嵩高性のセルロース
繊維12は、平均繊維長が1.5〜20mmで且つその
分子内及び分子間が架橋されているか又は繊維粗度が
0.3mg/m以上であり、そして上記親水性の微細繊維
13は、繊維粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均
繊維長が0.5〜1mmであることを特徴とする。
【0026】図1に示す如く、本発明の吸収紙11に含
まれる上記親水性の微細繊維13は、吸収紙11の厚さ
方向において、その分布に勾配を有している。即ち、上
記吸収紙11の厚さ方向において、上記親水性の微細繊
維13は、上記吸収紙11の一方の面側における存在割
合が、他方の面側における存在割合よりも高くなってい
る。以下の説明において、上記吸収紙11の面のうち、
上記親水性の微細繊維13の存在割合が低い方の面を
「表面」といい、上記親水性の微細繊維13の存在割合
が高い方の面を「裏面」という。
【0027】図1においては、図の上方が「裏面」に相
当し、図の下方が「表面」に相当するわけであるが、本
発明の吸収紙11の、上記「表面」から「表面」近傍に
かけては、上記嵩高性のセルロース繊維12が主体とな
っているので、液体を素早く吸収し且つ上記「裏面」に
液体を素早く透過させる機能を有する。即ち、この領域
は、主として液体の「吸収透過層」として機能する。一
方、上記「裏面」から「裏面」近傍にかけては、上記親
水性の微細繊維13が主体となっているので、上記「表
面」から透過してきた液体を素早く拡散させる機能を有
する。即ち、この領域は、主として液体の「拡散層」と
して機能する。このように、本発明の吸収紙11は、単
一の構造中に、吸収透過層と拡散層とを併せ持つことを
特徴とし、その結果、液体の吸収性が高く、しかも、液
体吸収後はその表面が極めてさらっとしている(サラッ
ト感)。
【0028】上述の通り、上記「表面」と上記「裏面」
とでは、液体の拡散性に大きな差がある。即ち、上記親
水性の微細繊維が主体となっている「裏面」側(拡散
層)では、液体は素早く拡散する。一方、上記嵩高性の
セルロース繊維が主体となっている「表面」側(吸収透
過層)では、液体の吸収及び透過は迅速であるが液体の
拡散はそれ程速くない。つまり、本発明の吸収紙におい
ては、その厚さ方向における液体の拡散に関して拡散勾
配を有している。従って、例えば、液体の拡散性の尺度
として、本発明の吸収紙に生理食塩水1gを吸収させた
ときの拡散面積を採用すると、上記「裏面」側における
拡散面積は、上記「表面」側における拡散面積よりも大
きくなる。本発明においては、本発明の吸収紙における
上記「裏面」側の拡散面積と上記「表面」側との拡散面
積との比は、好ましくは1.2以上であり、一層好まし
くは1.5〜20であり、特に好ましくは2〜20であ
る。なお、上記拡散面積の測定方法については後述す
る。
【0029】本発明の吸収紙における上記親水性の微細
繊維の存在割合は、上記「表面」から上記「裏面」に向
かって漸次増加していてもよいが、ある厚さを境として
ステップ状に増加していてもよい。
【0030】一方、上記嵩高性のセルロース繊維は、本
発明の吸収紙の厚さ方向において、均一に存在していて
もよいが、より好ましくは本発明の吸収紙の「裏面」側
よりも「表面」側の方が、その存在割合が高くなってい
る。つまり、本発明の吸収紙の厚さ方向において、上記
嵩高性のセルロース繊維の存在割合に勾配があることが
好ましい。かかる存在割合は、上記「裏面」から上記
「表面」に向かって漸次増加していてもよいが、ある厚
さを境としてステップ状に増加していてもよい。
【0031】更に詳細には、本発明の吸収紙の「裏面」
側から厚さ方向に約1/3までの深さに、上記親水性の
微細繊維が、その全量に基づき好ましくは約5〜約70
重量%、一層好ましくは約10〜約50重量%存在し、
上記親水性の微細繊維を主体とする上記拡散層が形成さ
れている。一方、本発明の吸収紙の「表面」側から厚さ
方向に約2/3までの深さに、上記嵩高性のセルロース
繊維が、その全量に基づき好ましくは約60〜約100
重量%、一層好ましくは約70〜約97重量%存在し、
上記嵩高性のセルロース繊維を主体とする上記吸収透過
層が形成されている。
【0032】上述の通り、本発明の吸収紙の厚さ方向に
おいて、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水性の
微細繊維の分布は、漸次増加していてもよく、ある厚さ
を境としてステップ状に増加していてもよい。そして、
上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水性の微細繊維
の双方が吸収紙の厚さ方向において、その分布に勾配を
有している本発明の吸収紙の特に好ましい態様において
は、液体の吸収透過性と液体の拡散性とが一層顕著に発
現し得る。
【0033】上述の通り、本発明の吸収紙は、主とし
て、その「表面」側が液体の吸収透過性を有し、その
「裏面」側が液体の拡散性を有する。従って、本発明の
吸収紙の使用に際しては、吸収紙の「表面」側を最初に
液体と接する側にすることが好ましい。
【0034】本発明の吸収紙における、上記嵩高性のセ
ルロース繊維及び上記親水性の微細繊維の配合割合には
特に制限はないが、上記嵩高性のセルロース繊維は、本
発明の吸収紙100重量部に基づいて50〜97重量部
含まれることが好ましく、70〜95重量部含まれるこ
とが一層好ましい。上記嵩高性のセルロース繊維の配合
割合が50重量部に満たないと、嵩高のネットワーク構
造が不十分で、透過と拡散を兼ね備えた吸収紙を得られ
ない場合があり、上記嵩高性のセルロース繊維の配合割
合が97重量部を超えると、親水性の微細繊維の配合割
合が低くなり、拡散性が不十分となるので、上記範囲と
することが好ましい。
【0035】また、上記親水性の微細繊維は、本発明の
吸収紙100重量部に基づいて3〜50重量部含まれる
ことが好ましく、5〜30重量部含まれることが一層好
ましい。上記親水性の微細繊維の配合割合が3重量部に
満たないと、拡散性が不十分となり、上記親水性の微細
繊維の配合割合が50重量部を超えると、「表面」側に
おける親水性の微細繊維の配合割合が増加し、透過性が
不十分となるので、上記範囲とすることが好ましい。
【0036】また、本発明の吸収紙には、必要に応じ
て、加熱により溶融し相互に接着する熱溶融性接着繊維
を加えてもよい。かかる熱溶融性接着繊維を加えること
により、本発明の吸収紙の湿潤時における構造安定性を
保つことができる。
【0037】上記熱溶融性接着繊維は、本発明の吸収紙
100重量部に基づき2〜30重量部添加することが好
ましく、より好ましくは3〜20重量部添加する。添加
量が2重量部未満であると、実際に液体を吸収した場合
の強力が不十分となったり、本発明の吸収紙における上
記嵩高性のセルロース繊維と上記親水性の微細繊維との
混合状態が変わって拡散勾配が保たれない場合があるの
で好ましくない。一方、添加量が30重量部を超える
と、吸収紙全体の親水性が低下し、液体の吸収速度や液
体の拡散能力が不十分となる場合があるので好ましくな
い。
【0038】本発明の吸収紙に添加することのできるそ
の他の任意成分としては、例えば、針葉樹パルプ、広葉
樹パルプ、ワラパルプ等の他のパルプや強力補助剤とし
てのジアルデヒドデンプン、カイメン及びカルボキシメ
チルセルロースナトリウム等を挙げることができる。こ
れらの成分は、本発明の吸収紙100重量部に基づき0
〜20重量部添加することができる。
【0039】本発明の吸収紙の坪量に特に制限はない
が、10〜200g/m2 であることが好ましく、20
〜150g/m2 であることが一層好ましい。坪量が1
0g/m2 に満たないと、吸収紙が薄すぎて、透過と拡
散のそれぞれの機能を発現し得ない場合があり、坪量が
200g/m2 を超えると、逆に吸収紙が厚くなり過
ぎ、透過と拡散という液体のスムーズな伝達が起こり難
い場合があるので、上記範囲とすることが好ましい。
【0040】本発明の吸収紙の厚さに特に制限はない
が、2.5g/m2 荷重下の厚みが0.2〜2mmであ
ることが好ましく、0.2〜1mmであることが一層好
ましい。厚さが0.2mmに満たないと、吸収紙が薄過
ぎて、透過と拡散というそれぞれの機能を発現し得ない
場合があり、厚さが2mmを超えると透過と拡散という
液体のスムーズな伝達が起こり難い場合があるので、上
記範囲とすることが好ましい。
【0041】本発明の吸収紙の好ましい態様において
は、上記吸収紙100重量部に基づいて上記嵩高性のセ
ルロース繊維を50〜97重量部、及び上記親水性の微
細繊維を3〜50重量部含む。
【0042】本発明の吸収紙の特に好ましい態様におい
ては、上記吸収紙100重量部に基づいて、上記嵩高性
のセルロース繊維を70〜95重量部、上記親水性の微
細繊維を5〜30重量部、及び上記熱溶融性接着繊維を
2〜30重量部含み;そして上記吸収紙の坪量が10〜
200g/m2 である。
【0043】本発明の吸収紙は、好ましくは以下に述べ
る方法によって製造される。即ち、本発明の吸収紙は、
図2に示す如く、平均繊維長が1.5〜20mmで且つ
その分子内及び分子間が架橋されているか又は繊維粗度
が0.3mg/m以上である上記嵩高性のセルロース繊維
12と繊維粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均繊
維長が0.5〜1mmである上記親水性の微細繊維13
とを水中に分散せしめてスラリー14を形成する工程;
上記スラリー14を抄紙ワイヤー15上に散布して、該
抄紙ワイヤー15上に紙層16を形成する工程;及び上
記紙層16を脱水及び乾燥させる工程;から成る方法に
よって好適に製造される。
【0044】このように、本発明の吸収紙は、好ましく
は湿式抄紙法によって製造される。湿式抄紙機には特に
制限はなく、例えば、丸網式抄紙機、フォーマー式抄紙
機、ツインワイヤー式抄紙機及び長網式抄紙機等を用い
ることができる。
【0045】上記抄紙法について、図2の(a)部分の
拡大図である図3を参照しつつ更に詳述する。上記スラ
リー14が上記抄紙ワイヤー15上に散布されると(つ
まり、抄紙の初期段階においては)、上記嵩高性のセル
ロース繊維12の繊維長は、上記抄紙ワイヤー15の目
開き径よりも大きい為に、上記嵩高性のセルロース繊維
12は、上記抄紙ワイヤー15上に堆積するのに対し、
上記スラリー14中の上記親水性の微細繊維13は、そ
の繊維長が、上記抄紙ワイヤー15の目開き径よりも微
細である為、上記親水性の微細繊維13は、上記抄紙ワ
イヤー15を通過し、水と共に排出される。従って、抄
紙の初期段階においては、上記抄紙ワイヤー15のすぐ
上側には、上記嵩高性のセルロース繊維12を主体とす
る紙層(吸収透過層)が形成される。
【0046】上記嵩高性のセルロース繊維12を主体と
する紙層(吸収透過層)が形成され始めると、上記親水
性の微細繊維13は、その繊維長が上記嵩高性のセルロ
ース繊維12を主体とする紙層中の繊維間距離よりも大
きい為に、上記嵩高性のセルロース繊維12を主体とす
る紙層中をすり抜けることができず、この上に堆積し始
める。この部分は、上記嵩高性のセルロース繊維12と
上記親水性の微細繊維13とが混合された紙層(拡散
層)となる。即ち、本発明の吸収紙のうち、上記抄紙ワ
イヤー15と接しない側は、上記嵩高性のセルロース繊
維12と親水性の微細繊維13とが混合された紙層(拡
散層)となる。その結果、単一の構造中に上記嵩高性の
セルロース繊維12と上記親水性の微細繊維13との存
在割合に勾配を有する吸収紙が得られる。
【0047】更に詳述すると、上記嵩高性のセルロース
繊維12を主体とする紙層(吸収透過層)は、上記スラ
リー14が上記抄紙ワイヤー15上に抄紙される過程の
なかで、上記スラリー14中に存在する繊維の繊維長と
抄紙ワイヤーの目開き径との差を利用することにより形
成される。そして、上記嵩高性のセルロース繊維12を
主体とする紙層(吸収透過層)から連続して、上記嵩高
性のセルロース繊維12と上記親水性の微細繊維13と
が混合された紙層(拡散層)が形成される。即ち、本発
明の吸収紙の好ましい製造方法においては、上記嵩高性
のセルロース繊維12の繊維長、上記抄紙ワイヤー15
の目開き径、上記親水性の微細繊維13の繊維長、及び
上記嵩高性のセルロース繊維12を主体とする紙層(吸
収透過層)中の平均繊維間距離との間に、 〔上記嵩高性のセルロース繊維12の繊維長>上記抄紙
ワイヤー15の目開き径>上記親水性の微細繊維13の
繊維長>上記嵩高性のセルロース繊維12を主体とする
紙層(吸収透過層)中の平均繊維間距離〕 なる好ましい関係があることを利用して、単一の構造中
に上記嵩高性のセルロース繊維12と上記親水性の微細
繊維13との存在割合に勾配を有する吸収紙を製造す
る。その結果、図3に示す如く、本発明の吸収紙の好ま
しい製造方法においては、上記抄紙ワイヤー15のすぐ
上に形成される紙層中よりも、上記抄紙ワイヤー15か
ら最も遠い側に形成される紙層中の方が、上記親水性の
微細繊維13の存在割合が高くなる。
【0048】この目的のために、上記親水性の微細繊維
13の平均繊維長は、上記抄紙ワイヤー15の目開き径
よりも小さいが、上記嵩高性のセルロース繊維12を主
体とする紙層(吸収透過層)中の平均繊維間距離よりも
大きくすることが重要である。また、上記抄紙ワイヤー
15の目開き径は上記親水性の微細繊維13の平均繊維
長よりも大きいが、上記嵩高性のセルロース繊維12の
平均繊維長よりも小さくすることも重要である。上記抄
紙ワイヤー15の目開き径が小さ過ぎると、即ち、上記
抄紙ワイヤー15の目開き径が上記親水性の微細繊維1
3の平均繊維長よりも小さいと、上記親水性の微細繊維
13は上記抄紙ワイヤー15中をすり抜けることが出来
ず、本発明の吸収紙の厚さ方向において、上記親水性の
微細繊維13の存在割合に勾配を設けることができなく
なってしまい好ましくない。逆に、上記抄紙ワイヤー1
5の目開き径が大き過ぎると、即ち、上記抄紙ワイヤー
15の目開き径が上記嵩高性のセルロース繊維12の平
均繊維長よりも大きいと、どちらの繊維も上記抄紙ワイ
ヤー15中をすり抜けてしまい、抄紙することすら出来
なくなってしまう。従って、上記抄紙ワイヤー15の目
開き径は、1〜5mmであることが好ましく、1〜2.
8mm(16〜6.5メッシュ)であることが一層好ま
しい(新JIS(1987)に基づく)。
【0049】このように、本発明の吸収紙の好ましい製
造方法においては、上記嵩高性のセルロース繊維12と
上記親水性の微細繊維13との繊維長及び繊維径の格差
並びに上記抄紙ワイヤー15の目開き径の差を利用し
て、本発明の吸収紙の厚さ方向における上記親水性の微
細繊維13の存在割合に勾配を設けている。
【0050】上述の本発明の吸収紙の好ましい製造方法
によれば、本発明の吸収紙の厚さ方向において、上記親
水性の微細繊維13の分布に勾配を特に容易に設けるこ
とができる。
【0051】上述の方法によれば、一回の抄紙プロセス
で液体の吸収透過性及び液体の拡散性を発現し得る吸収
紙を製造することができ、抄紙プロセスを簡略化するこ
とが可能となる。
【0052】上記スラリー14中における上記嵩高性の
セルロース繊維12の濃度は、上記スラリーの全量に基
づき、好ましくは0.02〜1重量%であり、更に好ま
しくは、0.03〜0.7重量%である。上記嵩高性の
セルロース繊維12の濃度が、0.02重量%に満たな
いと、目的とする透過速度が不十分となったり、目的と
する坪量を得る為の排水量が多くなりすぎて、エネルギ
ー的にロスが大きく、上記嵩高性のセルロース繊維12
の濃度が、1重量%を超えると、繊維の分散性が悪化
し、紙層ムラ等が生じたりするので、上記範囲とするこ
とが好ましい。
【0053】上記スラリー14中における上記親水性の
微細繊維13の濃度は、上記スラリーの全量に基づき、
好ましくは0.002〜0.5重量%であり、更に好ま
しくは、0.003〜0.3重量%である。上記親水性
の微細繊維13の濃度が、0.002重量%に満たない
と、目的とする拡散性が得られない場合があり、上記親
水性の微細繊維13の濃度が、0.5重量%を超える
と、「表面」側にも、上記親水性の微細繊維13が存在
し、目的とする拡散勾配を得られない場合があるので、
上記範囲とすることが好ましい。
【0054】また、本発明の吸収紙に任意に用いられる
上記熱溶融性接着繊維は、上記スラリー中において、そ
の濃度を0.001〜0.3重量%とすることが好まし
く、0.002〜0.2重量%とすることが一層好まし
い。上記濃度が0.001重量%に満たないと、吸収紙
の構造を安定に保つという目的が達成されない場合があ
り、上記濃度が0.3重量%を超えると、吸収紙全体の
親水性が低下する場合があるので、上記範囲とすること
が好ましい。
【0055】次に、上記嵩高性のセルロース繊維につい
て詳述する。
【0056】本発明の吸収紙においては、上記嵩高性の
セルロース繊維によるネットワーク構造が形成されるこ
とが好ましい。かかるネットワーク構造は液体を素早く
吸収し且つ上記「裏面」側に液体を素早く透過させるた
めに特に好ましい構造である。この目的のために、上記
嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長は1.5〜20m
mであることが必要であり、好ましい平均繊維長は2〜
10mmであり、一層好ましい平均繊維長は2〜5mm
である。平均繊維長が1.5mmに満たないと、上記嵩
高なネットワーク構造を形成することができず、しか
も、上記抄紙ワイヤーの目開き径よりも小さくなると、
上記抄紙ワイヤーをすり抜け抄紙できなくなってしま
う。平均繊維長が20mmを超えると、水中での分散性
が悪くなり均一なネットワーク構造を形成することがで
きない。上記嵩高性のセルロース繊維は、上記抄紙ワイ
ヤー上に形成された紙層として及び得られた吸収紙とし
て嵩高な構造を形成し得るセルロース繊維であることが
重要である。嵩高な構造を形成し得なければ得られた吸
収紙が密な構造になってしまい、優れた吸収速度、透過
速度が得られなかったり、拡散勾配が得られなくなって
しまい好ましくない。
【0057】上記嵩高性のセルロース繊維としては、嵩
高であればどのようなセルロース繊維を用いてもよい。
セルロース繊維としては、例えば、木材パルプや綿等の
天然セルロース、レーヨンやキュプラ等の再生セルロー
スを用いることができる。コストの点からは、木材パル
プを用いることが好ましく、特に針葉樹パルプ(NBK
P)が好ましく用いられる。これらのセルロース繊維は
1種又は2種以上を用いることができる。
【0058】上記嵩高性のセルロース繊維としては、そ
の繊維長が上記範囲内であることに加え、その分子内
及び分子間が架橋されているか;又はセルロース繊維
のネットワークを形成したときに、繊維自身が嵩高であ
る、即ち構造として太い、具体的には繊維粗度が0.3
mg/m以上であることが必要である。特に、上記嵩高性
のセルロース繊維は、平均繊維長が1.5〜20mmで
ある条件に加えて、上記及びの両方の条件を具備し
ていることが好ましい。更に、上記嵩高性のセルロース
繊維は、平均繊維長が1.5〜20mmである条件及び
上記又はの条件を具備していることに加えて、下記
の条件、即ち、繊維の断面形状が丸い、具体的に
は、繊維断面の真円度が0.5〜1である条件も具備し
ていることが一層好ましい。また更に、上記嵩高性のセ
ルロース繊維は、平均繊維長が1.5〜20mmである
条件並びに上記、及びの条件をすべて具備してい
ることが特に一層好ましい
【0059】記の条件について、上記嵩高性のセ
ルロース繊維は、平均繊維長が1.5〜20mmであ
り、且つセルロース繊維の分子内及び分子間を架橋させ
た架橋セルロース繊維である。かかる架橋セルロース繊
維は、湿潤状態でも嵩高構造を維持し得る。一層好まし
い嵩高性のセルロース繊維は、平均繊維長2〜5mmの
パルプを架橋した架橋パルプである。また、繊維粗度が
0.3mg/m以上(更に好ましくは0.3〜2mg/m、
一層好ましくは0.32〜1mg/m)のパルプを架橋し
たものであることも好ましい。更に、繊維断面の真円度
0.5〜1であるパルプを架橋したものであることも好
ましい
【0060】次に、本発明の吸収紙を使用した本発明の
吸収性物品を図4及び図5を参照しつつ説明する。
【0061】ここで、図4は、本発明の吸収性物品の一
態様としての生理用ナプキンの幅方向の断面を示す模式
図である。図5は、本発明の吸収性物品の他の態様とし
ての生理用ナプキンの幅方向の断面を示す模式図(図4
相当図)である。
【0062】本発明の吸収性物品は、液透過性の表面
材、液不透過性の防漏材並びに該表面材及び該防漏材の
間に介在する液保持性の吸収体を具備して成り、上記吸
収体が、少なくとも本発明の吸収紙と高吸収性ポリマー
とを具備していることを特徴とするものである。
【0063】図4に示す、本発明の吸収性物品の一態様
としての生理用ナプキン10は、液透過性の表面材2
1、液不透過性の防漏材23並びに該表面材及び該防漏
材の間に介在する液保持性の吸収体22を具備して成
る。
【0064】更に詳細には、上記生理用ナプキン10
は、実質的に縦長に形成されており、該生理用ナプキン
10の着用時には、上記表面材21が肌に接する側に位
置し、上記防漏材23が下着に接する側に位置するよう
になしてあり、上記吸収体22が上記表面材21と上記
防漏材23との間に介在している。
【0065】また、上記吸収体22は、図4に示す如
く、その下面、全側面及び上面の周縁部が上記防漏材2
3によって被覆されている。更に、かかる吸収体22と
防漏材23との組み合せ体は、その全面が上記表面材2
1によって被覆されている。その結果、上記吸収体22
の上面は、その中央部が上記表面材21によって直接被
覆されている。従って、液体は上記表面材21を通じ
て、上記吸収体22へ直接透過する。
【0066】上記表面材21の肌に接しない側には、長
手方向に3本の粘着部24が筋状に形成されている。該
粘着部24は、剥離紙25によって保護されている。な
お、図4において、26は上記表面材21、上記吸収体
22及び上記防漏材23を相互に固定する接着剤であ
る。
【0067】上記表面材21としては、液体を上記吸収
体22へ透過させることができるものであれば特に制限
はないが、特に肌着に近い感触を有するものが好まし
い。そのような表面材の例としては、例えば、熱可塑性
樹脂の織布、不織布及び多孔性フィルム等が挙げられ
る。特に、低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンか
ら成る開孔フィルムを好ましく用いることができる。
【0068】かかる開孔フィルムは、例えば、以下の方
法で製造することができる。即ち、低密度ポリエチレン
などのポリオレフィンを溶融せしめてTダイから押し出
し、図6(A)及び(B)に示す、線材31aから成る
スパイラル編み金網31上にフィルムを形成する。次い
で、かかるフィルムを吸引することによって、図7
(A)に示す、開孔44を有する開孔フィルム42が得
られる。かかる開孔フィルム42は、図7(B)及び
(C)に示すように、凸状曲面から成る多数の頂部45
と、頂部45の間に位置する多数の開孔44とを有す
る。
【0069】上記防漏材23としては、液不透過性のも
のであれば特に制限はないが、特に透湿性を有し且つ肌
着に近い感触を有するものが好ましい。透湿性を有する
液不透過性の防漏材は、例えば、熱可塑性樹脂に無機化
合物又は有機化合物のフィラーを添加したものを、Tダ
イやサーキュラーダイから溶融押出してフィルムを形成
し、次いで、かかるフィルムを一軸又は二軸延伸して得
ることができる。
【0070】図4に示す如く、本発明の吸収性物品の吸
収体22は、少なくとも本発明の吸収紙22Aと高吸収
性ポリマー22Bとを具備している。かかる吸収体22
はその厚みが極めて薄いので快適な装着感が得られ、し
かも、高吸収性で液漏れが起こりにくい。
【0071】より詳細には、上記高吸収性ポリマー22
Bは、本発明の吸収紙22Aの内部に包み込まれてお
り、本発明の吸収紙22Aの間に上記高吸収性ポリマー
22Bが挟持されている。この場合、上記高吸収性ポリ
マー22Bが本発明の吸収紙22Aの「裏面」と接する
ように、本発明の吸収紙22Aの間に上記高吸収性ポリ
マー22Bを挟持することが好ましい。このような構成
にすることで、上記表面材21を通過した液体は、本発
明の吸収紙22Aの「表面」に素早く吸収・透過され、
よりスムーズに上記吸収紙22Aの「裏面」に達する。
上記吸収紙22Aの「裏面」に達した液体は、本発明の
吸収紙22A全体に拡散され、その後、上記高吸収性ポ
リマー22Bに固定される。
【0072】このように、本発明の吸収性物品において
は、液体の吸収/透過/拡散/保持が極めてスムーズに
行われる。その結果、本発明の吸収性物品は、液体を一
層確実に固定化することができ、しかも、上記表面材2
1上に液が残ったり、上記表面材21への液戻りが無
い。更に、上記吸収体22が、一枚の吸収紙22Aと上
記高吸収性ポリマー22Bのみから成る場合には、上記
吸収性物品を、極薄で且つ装着感の高いものとすること
ができる。
【0073】なお、上記高吸収性ポリマー22Bとして
は、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル
化し得るものが好ましい。上記高吸収性ポリマー22B
の形状に特に制限はなく、例えば、球状、りん片状又は
粒子状のものを使用することができる。そのような高吸
収性ポリマーの例としては、デンプン−アクリル酸
(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル
共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロースの架橋物及びアクリル酸(塩)重合体などが挙げ
られる。
【0074】本発明の吸収紙を使用した本発明の吸収性
物品の他の態様を生理用ナプキンを例にとって図5を参
照しつつ説明する。なお、図4と同じ点については、特
に詳述しないが、図4に関して詳述した説明が適宜適用
される。また、図5において、図4と同じ部材について
は同じ符号を付した。
【0075】図5に示す、本発明の吸収性物品の他の態
様としての生理用ナプキン10における吸収体22は、
2枚の本発明の吸収紙22A及び22Cと上記高吸収性
ポリマー22Bとを具備しており、本発明の吸収紙22
A及び22Cの間に上記高吸収性ポリマー22Bが挟持
されて成る。この場合、上記吸収紙22Aは、その「裏
面」が上記高吸収性ポリマー22Bと接していることが
好ましい。また、上記吸収紙22Cも、その「裏面」が
上記高吸収性ポリマー22Bと接していることが好まし
い。特に好ましくは、上記吸収紙22Aは、その「裏
面」が上記高吸収性ポリマー22Bと接しており、且
つ、上記吸収紙22Cは、その「裏面」が上記高吸収性
ポリマー22Bと接している。このような構成にするこ
とで、液体の吸収/透過/拡散/保持が極めてスムーズ
に行われる。
【0076】なお、本発明の吸収紙を使用した本発明の
吸収性物品をその好ましい態様に基づいて説明したが、
本発明の吸収性物品は上記態様に限定されず、例えば、
紙オムツ及び失禁パッド等の他の吸収性物品にも同様に
適用できることはいうまでもない。
【0077】
【実施例】次いで、本発明の吸収紙及びその製造方法を
実施例及び比較例によって更に詳細に説明する。
【0078】先ず、実施例及び比較例で用いられる、嵩
高性のセルロース繊維及び親水性の微細繊維の製造につ
いて説明する。なお、以下の記載において「%」は、特
に説明しない限り、「重量%」を示す。
【0079】〔製造例1〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.35mmであり、繊維粗度が0.36
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.80であ
るマーセル化パルプ(ITT RAYONIER INC. 製の「POROSA
NIER−J」(商品名))100gを、5%のジメチロー
ルジヒドロキシエチレン尿素(架橋剤、住友化学工業
(株)製の「Sumitex Resin NS-19 」(商品名))及び
3%の金属塩触媒(住友化学工業(株)製の「Sumitex
Accelerator X-110 」(商品名))を含んだ水溶液10
00gに分散させて、上記マーセル化パルプに上記架橋
剤を含浸させた。
【0080】次いで、上記マーセル化パルプに対する上
記架橋剤水溶液の量が200%になるまで、上記マーセ
ル化パルプから上記架橋剤水溶液を離脱させた後、電気
乾燥機中135℃で10分間加熱し、上記マーセル化パ
ルプ中のセルロースを架橋させ、マーセル化架橋パルプ
を得た。これをセルロース繊維(A)とする。
【0081】〔製造例2〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.35
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.28であ
る針葉樹クラトパルプ(PT Inti Indorayon Utama 製の
「INDORAYON」(商品名))100gを、5%のジメチ
ロールジヒドロキシエチレン尿素(架橋剤、住友化学工
業(株)製の「Sumitex Resin NS-19 」(商品名))及
び3%の金属塩触媒(住友化学工業(株)製の「Sumite
x Accelerator X-110 」(商品名))を含んだ水溶液1
000gに分散させて、上記マーセル化パルプに上記架
橋剤を含浸させた。
【0082】次いで、上記針葉樹クラフトパルプに対す
る上記架橋剤水溶液の量が200%になるまで、上記針
葉樹クラフトパルプから上記架橋剤水溶液を離脱させた
後、電気乾燥機中135℃で10分間加熱し、上記針葉
樹クラフトパルプ中のセルロースを架橋させ、架橋パル
プを得た。これをセルロース繊維(B)とする。
【0083】〔製造例3〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.35mmであり、繊維粗度が0.36
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.80であ
るマーセル化パルプ(ITT RAYONIER INC. 製の「POROSA
NIER−J」(商品名))を用意した。これをセルロース
繊維(C)とする。なお、セルロース繊維(C)は架橋
されていない。
【0084】〔製造例4〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.38mmであり、繊維粗度が0.32
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.30であ
る架橋パルプ(Weyerhauser Paper 製の「ハイバルクア
ディティブHBA−S」(商品名))を用意した。これ
をセルロース繊維(D)とする。
【0085】〔製造例5〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.24
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.34であ
る針葉樹クラフトパルプNBKP(MacMillanBloedel L
td.の「HARMAC-R」(商品名))を用意した。これをセ
ルロース繊維(E)とする。なお、セルロース繊維
(E)は架橋されていない。
【0086】〔製造例6〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.35
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.28であ
る針葉樹クラトパルプ(PT Inti Indorayon Utama 製の
「INDORAYON 」(商品名))を用意した。これをセルロ
ース繊維(F)とする。なお、セルロース繊維(F)は
架橋されていない。
【0087】〔製造例7〕嵩高性のセルロース繊維の製造 平均繊維長が0.75mmであり、繊維粗度が0.13
mg/mであり、そして繊維断面の真円度が0.35であ
る広葉樹クラフトパルプ(BAHIA SUL Co. 製の「BAHIA
SUL CELULOSE SA 」(商品名))を用いた以外は、製造
例1と同様の方法にて架橋パルプを得た。これをセルロ
ース繊維(G)とする。
【0088】上記セルロース繊維(A)〜(G)の平均
繊維長、繊維粗度及び繊維断面の真円度を下記に示す方
法により測定した。その結果を表1に示す。
【0089】<平均繊維長及び繊維粗度の測定>繊維粗
度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用
いて測定した。先ず、セルロース繊維の真の重量を求め
るために、セルロース繊維を真空乾燥機内にて100℃
で1時間乾燥させ、セルロース繊維中に存在している水
分を除去する。
【0090】素早くセルロース繊維を±0.1mg精度に
おいて約1g正確に計りとる。次にセルロース繊維に損
傷を与えないように、セルロース繊維を繊維粗度計に付
属のミキサーで150mlの水中で完全に離解させ、これ
を5000mlになるまで水で薄め、得られた希釈液から
50mlを正確に計りとり、これを繊維粗度測定溶液と
し、上記繊維粗度計の操作手順に従って平均繊維長及び
繊維粗度を求めた。なお、平均繊維長は、上記操作に基
づき下記式により計算された値を用いた。
【0091】
【数1】
【0092】<繊維断面の真円度の測定>セルロース繊
維断面の真円度の測定は、先ず、セルロース繊維の断面
を面積が変化しないように、セルロース繊維を断面方向
に垂直にスライスし、電子顕微鏡により断面写真をと
り、該断面写真を画像解析装置(日本アビオニクス社製
の「Avio EXCEL」(商品名))により解析し、下記に示
す式を用いてセルロース繊維断面の真円度を求めた。な
お、該真円度は、任意のセルロース繊維断面を100点
測定し、その平均値とした。
【0093】
【数2】
【0094】
【表1】
【0095】〔製造例8〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長が0.75mmであり、繊維粗度が0.09
mg/mである広葉樹パルプ(RIO CELL S.A.Co.製のEUCA
LYPTUS(商品名))を用意した。これを親水性の微細繊
維(A)とする。
【0096】〔製造例9〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長が0.80mmであり、繊維粗度が0.13
mg/mである広葉樹パルプ(三菱製紙(株)製の北見
(商品名))を用意した。これを親水性の微細繊維
(B)とする。
【0097】〔製造例10〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長が2.34mmであり、繊維粗度が0.13
mg/mである針葉樹クラフトパルプ(Skeena Cellulose
Co.製の「Skeena PRIME」(商品名))を用意した。こ
れを親水性の微細繊維(C)とする。
【0098】〔製造例11〕親水性の微細繊維の製造 精選パルプを酸加水分解し、水洗乾燥後、機械的な粉砕
により微細繊維化した、平均繊維長0.02mm、繊維
粗度0.08mg/mのセルロース微細繊維(山陽国策パ
ルプ(株)製の「KCフロック W−400」(商品
名))を用意した。これを親水性の微細繊維(D)とす
る。
【0099】〔実施例1〕吸収紙の製造 セルロース繊維(A)の濃度が0.16重量%、親水性
の微細繊維(A)の濃度が0.05重量%、及び太さ1
デニールで平均繊維長3mmのポリビニルアルコール繊
維(熱溶融性接着繊維、以下、PVAと称する、三昌
(株)製のフィブリボンド(商品名))の濃度が0.0
1重量%になるように( スラリー全体として0.022
重量%)、これらを水中に均一に分散させてスラリーを
得た。このスラリーをワイヤー目開き径1.4mm(1
2メッシュ)の抄紙ワイヤー上に散布し、抄紙ワイヤー
上に紙層を形成させた。サクションボックスを用いて、
この紙層を脱水した。脱水された水溶液中には、約0.
02重量%の繊維が含まれており、そのほとんどが親水
性の微細繊維(A)であった。次いで、紙層をドライヤ
ーで乾燥させた後に、クレープを10%付与して坪量8
0g/m2 の吸収紙を得た。この吸収紙は、吸収紙10
0重量部に基づきセルロース繊維(A)を80重量部、
親水性の微細繊維(A)を15重量部、上記PVA繊維
を5重量部含有していた。また、この吸収紙は、その厚
さ方向において親水性の微細繊維の存在割合に勾配を有
していた。
【0100】〔実施例2〕吸収紙の製造 セルロース繊維(B)の濃度が0.16重量%、親水性
の微細繊維(B)の濃度が0.05重量%、及び太さ1
デニールで長さ3mmのPVA(熱溶融性接着繊維、三
昌(株)製のフィブリボンド(商品名))の濃度が0.
006重量%になるように、これらを水中に均一に分散
させてスラリーとする以外は、実施例1と同様の操作を
行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。脱水された水
溶液中には、約0.016重量%の繊維が含まれてお
り、そのほとんどが親水性の微細繊維(B)であった。
この吸収紙は、吸収紙100重量部に基づきセルロース
繊維(B)を80重量部、親水性の微細繊維(B)を1
7重量部、上記PVA繊維を3重量部含有していた。ま
た、この吸収紙は、その厚さ方向において親水性の微細
繊維の存在割合に勾配を有していた。
【0101】〔実施例3〕吸収紙の製造 セルロース繊維(C)の濃度が0.16重量%、親水性
の微細繊維(A)の濃度が0.05重量%、及び太さ
1.1デニールで平均繊維長5mmのポリエチレンテレ
フタレート繊維(熱溶融性接着繊維、以下、PETと称
する、帝人(株)の「TMOTNSB 」(商品名))の濃度が
0.01重量%になるように、これらを水中に均一に分
散させてスラリーとする以外は、実施例1と同様の操作
を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。脱水された
水溶液中には、約0.02重量%の繊維が含まれてお
り、そのほとんどが親水性の微細繊維(A)であった。
この吸収紙は、吸収紙100重量部に基づきセルロース
繊維(C)を80重量部、親水性の微細繊維(A)を1
5重量部、上記PET繊維を5重量部含有していた。ま
た、この吸収紙は、その厚さ方向において親水性の微細
繊維の存在割合に勾配を有していた。
【0102】〔実施例4〕吸収紙の製造 セルロース繊維(D)の濃度が0.16重量%、親水性
の微細繊維(B)の濃度が0.05重量%、及び太さ1
デニールで長さ3mmのPVA(熱溶融性接着繊維、三
昌(株)製のフィブリボンド(商品名))の濃度が0.
006重量%になるように、これらを水中に均一に分散
させてスラリーとする以外は、実施例1と同様の操作を
行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。脱水された水
溶液中には、約0.016重量%の繊維が含まれてお
り、そのほとんどが親水性の微細繊維(B)であった。
この吸収紙は、吸収紙100重量部に基づきセルロース
繊維(D)を80重量部、親水性の微細繊維(B)を1
7重量部、上記PVA繊維を3重量部含有していた。ま
た、この吸収紙は、その厚さ方向において親水性の微細
繊維の存在割合に勾配を有していた。
【0103】〔比較例1〕吸収紙の製造 セルロース繊維(A)の代わりにセルロース(E)を用
いる以外は実施例1と同様の操作を行い、吸収紙を得
た。脱水された水溶液中には、約0.02重量%の繊維
が含まれており、そのほとんどが親水性の微細繊維
(A)であった。次いで、紙層をドライヤーで乾燥させ
た後に、クレープを10%付与して坪量80g/m2
吸収紙を得た。この吸収紙は、吸収紙100重量部に基
づきセルロース繊維(E)を80重量部、親水性の微細
繊維(A)を15重量部、上記PVA繊維を5重量部含
有していた。
【0104】〔比較例2〕吸収紙の製造 セルロース繊維(B)の代わりにセルロース(F)を用
い、親水性の微細繊維(B)の代わりに親水性の微細繊
維(C)を用いる以外は実施例2と同様の操作を行い、
坪量80g/m2 の吸収紙を得た。脱水された水溶液中
には、ほとんど繊維が含まれていなかった。この吸収紙
は、吸収紙100重量部に基づきセルロース繊維(F)
を74重量部、親水性の微細繊維(C)を23重量部、
上記PVA繊維を3重量部含有していた。
【0105】〔比較例3〕吸収紙の製造 親水性の微細繊維(B)の代わりに親水性の微細繊維
(D)を用いる以外は実施例2と同様の操作を行い、坪
量80g/m2 の吸収紙を得た。脱水された水溶液中に
は、約0.048重量%の繊維が含まれており、そのほ
とんどが親水性の微細繊維(D)であった。この吸収紙
は、吸収紙100重量部に基づきセルロース繊維(B)
を95重量部、親水性の微細繊維(D)を1重量部、上
記PVA繊維を4重量部含有していた。
【0106】〔比較例4〕吸収紙の製造 抄紙ワイヤーの目開き径を1.4mm(12メッシュ)
から0.09mm(166メッシュ)に変更した以外
は、実施例3と同様にして坪量80g/m2 の吸収紙を
得た。脱水された水溶液中には、ほとんど繊維が含まれ
ていなかった。この吸収紙は、吸収紙100重量部に基
づきセルロース繊維(C)を73重量部、親水性の微細
繊維(A)を23重量部、上記PET繊維を4重量部含
有していた。
【0107】〔比較例5〕吸収紙の製造 セルロース繊維(G)の濃度が0.16重量%、親水性
の微細繊維(D)の濃度が0.05重量%、及び太さ1
デニールで長さ3mmのPVA(熱溶融性接着繊維、三
昌(株)製のフィブリボンド(商品名))の濃度が0.
01重量%になるように(スラリー全体として0.02
2重量%)、これらを水中に均一に分散させてスラリー
を得た。このスラリーをワイヤー目開き径0.09mm
(166メッシュ)の抄紙ワイヤー上に散布し、抄紙ワ
イヤー上に紙層を形成させた。サクションボックスを用
いて、この紙層を脱水した。脱水された水溶液中には、
ほとんど繊維が含まれていなかった。この吸収紙は、吸
収紙100重量部に基づきセルロース繊維(G)を73
重量部、親水性の微細繊維(D)を23重量部、上記P
VA繊維を4重量部含有していた。
【0108】〔比較例6〕吸収紙の製造 抄紙ワイヤーの目開き径を1.4mm(12メッシュ)
から5.6mm(3.5メッシュ)に変更した以外は、
実施例2と同様にして抄紙を行ったが、そのほとんどの
繊維が抄紙ワイヤーからすり抜けてしまい、抄紙するこ
とができなかった。
【0109】上記実施例1〜4及び比較例1〜6で得ら
れた吸収紙について以下の測定を行った。その結果を表
2に示す。
【0110】<吸収時間の測定>図8に示す如く、吸収
紙51(200mm×75mm)を水平に載置し、直径
10mmの注入口54を有するアクリル板52をその上
に載せ、更にその上に重り53を載せて吸収紙51に5
g/cm2 の荷重をかけた。次いで、注入口54から脱繊
維馬血(日本バイオテスト研究所(株)製)を6g注入
し、脱繊維馬血が完全に吸収されるまでの時間を測定し
た。5回の測定の平均値をもって、吸収時間とした。
【0111】<拡散面積の測定>図9に示す如く、吸収
紙51(200×75mm)の「表面」が上側となるよ
うに吸収紙1を水平に設置し、マイクロチューブポンプ
60から、直径2mmの注入口を有するチューブ61を
通して、速度1g/10秒で、1gの生理食塩水62を
吸収紙51に注入した。チューブ61の先端と吸収紙と
の距離は、約10mmであった。生理食塩水は、0.0
1%の食用青色1号(東京化成工業(株))にて着色し
て使用した。生理食塩水を注入して約1分後の吸収紙の
「表面」の拡散面積(cm2 )を正確にトレースし、画像
解析装置により測定した。同様の操作を、吸収紙51の
「裏面」が上側となるように吸収紙1を水平に設置して
行い、「裏面」の拡散面積(cm2 )を正確にトレース
し、画像解析装置により測定した。次いで、吸収紙の
「表面」と「裏面」の拡散面積比を下記式によって小数
第2位を四捨五入して求めた。
【0112】
【数3】
【0113】<液吸収後の表面状態の評価>図6に示す
如く、吸収紙51(200×75mm)の「表面」が上
側となるように吸収紙51を水平に設置し、マイクロチ
ューブポンプ60から、直径2mmの注入口を有するチ
ューブ61を通して、速度1g/10秒で、3gの生理
食塩水を吸収紙51に注入した。生理食塩水を注入して
約1分後の吸収紙の「表面」のサラット感の官能評価を
行った。同様の操作を、吸収紙51の「裏面」が上側と
なるように吸収紙1を水平に設置して行った。評価基準
は以下の通りである。
【0114】○;吸収紙上に、生理食塩水が殆ど滞留し
ておらず、サラット感がある。 △;吸収紙上に、生理食塩水が若干滞留しているが、若
干サラット感がある。 ×;吸収紙上に、生理食塩水がかなり残っており、ベタ
ベタした感じがする。
【0115】
【表2】
【0116】表2の結果から明らかな通り、本発明の吸
収紙は、吸収時間が速く、液体の拡散勾配を有してお
り、しかも、サラット感に優れている。一方、比較例に
おける吸収紙は、その厚さ方向における液体の拡散性に
関する拡散勾配が存在しないので、吸収された液体はい
つまでも表面に滞留したままなので、表面のサラット感
に優れた吸収紙を得ることができない。また、実施例3
と比較例4との対比及び実施例2と比較例6との対比か
ら明らかな様に、使用する抄紙メッシュの目開き径の選
定が適切でないと、得られた吸収紙には上記親水性の微
細繊維の存在割合に勾配が得られなかったり、抄紙その
ものをすることができない。
【0117】次に、本発明の吸収紙を具備する吸収性物
品の製造について説明する。
【0118】〔実施例5〕吸収性物品の製造 図4に示す生理用ナプキン10を製造した。実施例1で
得られた吸収紙(長さ195mm、幅160mm)を吸
収紙22Aとして用いた。吸収紙22Aの「裏面」側の
長さ195mm、幅70mmの面積に、高吸収性ポリマ
ー22Bを散布量が50g/m2 となるように略均一に
分散した。次いで、吸収紙22Aを内側に折り込み、高
吸収性ポリマー22Bを吸収紙22Aで包み込んで、吸
収体22を製造した(従って、吸収紙22Aの「表面」
側が吸収体22の外側にあたる)。吸収体22の幅は7
5mmであった。高吸収性ポリマー22Bとして、ポリ
アクリル酸ナトリウム(花王(株)のポリマーQ(商品
名))を用いた。この吸収体22をポリエチレンラミネ
ート紙(防漏材23)で包み、この吸収体22と防漏材
23との組合せ体を、表面材21で更に包んだ。そし
て、表面材21、吸収体22及び防漏材23を、接着剤
26で相互に固定した。なお、上記表面材21として
は、図7に示す開孔フィルムを用いた。該開孔フィルム
は、低密度ポリエチレンをTダイから溶融押出して、図
6に示すスパイラル編み金網上にフィルムを形成した後
に、該フィルムを吸引して形成したものである。更に、
生理用ナプキン10の下面側に、長手方向に3本の粘着
部24を筋状に形成した。この粘着部24は、剥離紙2
5によって保護されている。
【0119】〔実施例6〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて実施例2で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0120】〔実施例7〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて実施例3で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0121】〔実施例8〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて実施例4で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0122】〔比較例7〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて比較例1で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0123】〔比較例8〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて比較例2で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0124】〔比較例9〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて比較例3で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0125】〔比較例10〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて比較例4で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0126】〔比較例11〕吸収性物品の製造 実施例1で得られた吸収紙に代えて比較例5で得られた
吸収紙を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い生
理用ナプキンを製造した。
【0127】実施例5〜8及び比較例7〜11で得られ
た生理用ナプキンについて、以下の方法で吸収時間、動
的液戻り量及び漏れ試験(漏れ発生回数)を測定した。
その結果を表3に示す。
【0128】<吸収時間及び動的液戻り量>図8に示す
吸収紙の液吸収時間の測定装置において、吸収紙51に
代えて生理用ナプキン10を水平に載置し、直径10m
mの注入口54を有するアクリル板52をその上に載
せ、更にその上に重り53を載せて生理用ナプキン10
に5g/cm2 の荷重をかけた。次いで、注入口54から
脱繊維馬血(日本バイオテスト研究所(株)製)を6g
を注入し、脱繊維馬血が完全に吸収されるまでの時間を
測定した。
【0129】脱繊維馬血が完全に吸収されてから20分
間そのまま放置する。その後、この生理用ナプキン10
の上面(肌当接面側)に紙(長さ195mm×幅75m
m、坪量30g/m2 )を10枚重ねて載せ、この状態
の生理用ナプキン10及び紙を図10に示す女性腰部モ
デル70に、図11に示す如く装着させた。次いで、女
性腰部モデル70にショーツを装着させた後、100歩
/分(50m/分)の歩行速度で歩行させた。歩行後、
生理用ナプキン10及び10枚の紙を取り出し、紙に吸
収された脱繊維馬血の重量を測定した。これを動的液戻
り量(g)とする。
【0130】吸収時間及び動的液戻り量の測定は10回
行い、その平均値をもって吸収時間及び動的液戻り量と
した。
【0131】<漏れ試験(漏れ発生回数)>実施例5〜
8及び比較例7〜11で得られた生理用ナプキンを図1
0に示す女性腰部モデル70に、図11に示す如く装着
させた。次いで、女性腰部モデル70にショーツを装着
させた後、100歩/分(50m/分)の歩行速度で歩
行させた。
【0132】その後、歩行させながらチューブ71によ
って脱繊維馬血3gを生理用ナプキンに注入した後、同
じ速度で10分間歩行させた時点(全量3g)、更にそ
の後、脱繊維馬血を生理用ナプキンに3g注入した後、
同じ速度で10分間歩行させた時点(全量6g)、更に
脱繊維馬血を生理用ナプキンに3g注入した後、同じ速
度で10分間歩行させた時点(全量9g)、それぞれの
時点でサンプル数10枚中で漏れが発生した枚数を数え
た。
【0133】
【表3】
【0134】表3の結果から明らかな通り、本発明の吸
収紙を具備して成る本発明の吸収性物品は、非常に簡単
な構成であるにも拘らず、液体の吸収時間が速く、液戻
り量も少なく、しかも、漏れ発生回数の少ない、極めて
高性能のものである。これは、本発明の吸収紙が、その
単一の構造中に液体の吸収拡散勾配を有しているがゆえ
に、液体を素早く吸収し、吸収紙中をスムーズに液体が
透過し、しかも、吸収紙の「裏面」側で液体が十分に拡
散することによるものである。
【0135】
【発明の効果】本発明の吸収紙は、その単一の構造中に
液体の吸収拡散勾配を有しているがゆえに、液体の吸収
速度が速く、液体のスポット吸収性並びに液体の透過性
及び拡散性に優れ、その結果、表面のサラット感が非常
に高いものとなる。また、本発明の吸収紙の製造方法に
よれば、上記吸収紙を単一のプロセスで簡便に製造する
ことができる。更に、本発明の吸収紙を使用した本発明
の吸収性物品は、極めて高吸収性で、液漏れの少なく、
しかも極薄であり装着感に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吸収紙の厚さ方向の断面を示す模式
図である。
【図2】 本発明の吸収紙を製造するための好ましい方
法を示す模式図である。
【図3】 図2の(a)部分の拡大図である。
【図4】 本発明の吸収紙を使用した本発明の吸収性物
品の一態様としての生理用ナプキンの幅方向の断面を示
す模式図である。
【図5】 本発明の吸収紙を使用した本発明の吸収性物
品の他の態様としての生理用ナプキンの幅方向の断面を
示す模式図(図4相当図)である。
【図6】 液透過性の表面材を製造するためのスパイラ
ル編み金網を示す図である。
【図7】 液透過性の表面材を示す模式図である。
【図8】 吸収時間の測定装置を示す模式図である。
【図9】 拡散面積の測定装置を示す模式図である。
【図10】 女性腰部モデルを示す模式図である。
【図11】 女性腰部モデルに本発明の吸収性物品を装
着させた状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 生理用ナプキン 11 吸収紙 12 嵩高性のセルロース繊維 13 親水性の微細繊維 14 スラリー 15 抄紙ワイヤー 16 紙層 17 ネットワーク構造 21 液透過性の表面材 22 液保持性の吸収体 23 液不透過性の防漏材 24 粘着部 25 剥離紙 26 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 27/00 (72)発明者 中西 稔 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平6−287886(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細
    繊維とを含む単一の構造の吸収紙であって、 上記親水性の微細繊維は、上記吸収紙の一方の面側にお
    ける存在割合が、他方の面側における存在割合よりも高
    く、 上記嵩高性のセルロース繊維は、平均繊維長が1.5〜
    20mmで且つその分子内及び分子間が架橋されている
    か又は繊維粗度が0.3mg/m以上であり、そして上記
    親水性の微細繊維は、繊維粗度が0.01〜0.2mg/
    mで且つ平均繊維長が0.5〜1mmであることを特徴
    とする吸収紙。
  2. 【請求項2】 上記吸収紙100重量部に基づいて少な
    くとも上記嵩高性のセルロース繊維を50〜97重量部
    及び上記親水性の微細繊維を3〜50重量部含む、請求
    項1記載の吸収紙。
  3. 【請求項3】 熱溶融性接着繊維を更に含み; 上記吸収紙100重量部に基づいて少なくとも上記嵩高
    性のセルロース繊維を70〜95重量部、上記親水性の
    微細繊維を5〜30重量部及び上記熱溶融性接着繊維を
    2〜30重量部含み;そして上記吸収紙の坪量が10〜
    200g/m2 である、請求項1又は2記載の吸収紙。
  4. 【請求項4】 上記嵩高性のセルロース繊維が、0.5
    〜1の真円度を有する、請求項1記載の吸収紙。
  5. 【請求項5】 上記嵩高性のセルロース繊維が、マーセ
    ル化パルプである、請求項1ないし4の何れかに記載の
    吸収紙。
  6. 【請求項6】 上記嵩高性のセルロース繊維が、2〜5
    mmの平均繊維長を有する、請求項1ないし5の何れか
    に記載の吸収紙。
  7. 【請求項7】 上記吸収紙に生理食塩水を1g吸収させ
    たときの表面側と裏面側との拡散面積比が1.2以上で
    ある、請求項1記載の吸収紙。
  8. 【請求項8】 平均繊維長が1.5〜20mmで且つそ
    の分子内及び分子間が架橋されているか又は繊維粗度が
    0.3mg/m以上である嵩高性のセルロース繊維と繊維
    粗度が0.01〜0.2mg/mで且つ平均繊維長が0.
    5〜1mmである親水性の微細繊維とを水中に分散せし
    めてスラリーを形成する工程; 上記スラリーを抄紙ワイヤー上に散布して、該抄紙ワイ
    ヤー上に紙層を形成する工程;及び上記紙層を脱水及び
    乾燥させる工程;から成ることを特徴とする吸収紙の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 上記抄紙ワイヤーのワイヤー目開き径が
    1〜5mmである、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 液透過性の表面材、液不透過性の防漏
    材並びに該表面材及び該防漏材の間に介在する液保持性
    の吸収体を具備して成る吸収性物品において、 上記吸収体は、少なくとも吸収紙と高吸収性ポリマーと
    を具備しており、 上記吸収紙は、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細
    繊維とを含む単一の構造のものであり、 上記親水性の微細繊維は、上記吸収紙の一方の面側にお
    ける存在割合が、他方の面側における存在割合よりも高
    く、 上記嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長が1.5〜2
    0mmで且つその分子内及び分子間が架橋されているか
    又は繊維粗度が0.3mg/m以上であり、 上記親水性の微細繊維の繊維粗度が0.01〜0.2mg
    /mで且つ平均繊維長が0.5〜1mmであることを特
    徴とする吸収性物品。
  11. 【請求項11】 上記吸収体が、上記吸収紙の間に上記
    高吸収性ポリマーを挟持して成る、請求項10記載の吸
    収性物品。
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