JP2002504326A - 脊椎動物被験体における免疫学的ミオスタチン調節法 - Google Patents

脊椎動物被験体における免疫学的ミオスタチン調節法

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Abstract

(57)【要約】 脊椎動物被験体においてミオスタチン活性を低下させる免疫化合物および方法が開示される。該化合物は、化合物が投与された脊椎動物被験体において免疫応答を誘発することができるミオスタチンペプチド免疫原、ミオスタチン多量体および/またはミオスタチン免疫接合体を含む。これらの方法は多様な疾患の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は一般に、脊椎動物被験体において筋合成を高め、疾病を治療する組成
物および方法に関する。さらに詳しくは、本発明は脊椎動物被験体においてミオ
スタチン活性を低下させる組成物および方法に関する。
【0002】発明の背景 家畜生産者は従来育種プログラムを用いて、給餌効率、生殖機能および全般的
な健康状態によって測られるような許容特性を有する最大量のタンパク質を生産
する家畜を選抜してきた。多数の品種で、筋細胞の肥厚と過形成の双方による高
い筋肉量を示す畜牛が認められている。「筋肉肥大(double-muscling) 」と呼ば
れるこのような状態の発生は、ベルギーブルー牛で最も表明されていることであ
る。これらの動物では、骨や脂肪重量の減少を伴い、筋肉量はおよそ20% まで増
大する(Shahin およびBerg, Can. J. Anim. Sci. (1985) 65:279-293) 。ベルギ
ーブルー牛はまた効率的に飼料を利用し、より高いパーセンテージの所望の食肉
切り出し量とする(Casasら, J. Anim. Sci. (1997) 75(増刊1):149) 。ベルギ
ーブルー牛の筋肉肥大は遺伝し、異型接合体は通常、あるいはわずかな筋肉量の
増加しか示さないので、劣性であると考えられる。
【0003】 この状態が有利であるにもかかわらず、筋肉肥大牛はしばしば望ましくない形
質を持つ。例えば、子牛は一般に通常より10〜38% 重くなり、難産が増え、帝王
切開が必要となる。また動物は生殖管の発達が十分でないため異常生殖を示し、
大舌症などその他の解剖学的異常を示す。北イタリア産のピエモンテスなど他品
種の畜牛は、様々な程度の筋肉肥大を示し、これらの望ましくない形質も呈する
【0004】 畜牛のいくつかの品種で確認された筋肉肥大の特徴は、今般、ミオスタチン遺
伝子における突然変異として追跡されている(Grobet ら, Nature Genetics (199
7) 17:71-74; Kambadurら, Genome Research (1997) 7 :910-915; McPherron
およびLee, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94:12457-12461) 。この突然
変異は、個々の筋繊維の大きさの増加(肥厚)よりもむしろ主に筋細胞数の増加
(過形成)によるものと考えられる。筋肉の肥厚と呼ばれる状態は、ピエトレイ
ン種のブタでも確認されている。この状態はミオスタチン遺伝子に関与するもの
ではなく、カルシウム輸送を担う遺伝子における突然変異と同定されている。
【0005】 McPherron ら, Nature (1997) 387 :83-90は成長/分化因子-8(GDF-8) と呼ば
れる、マウスのタンパク質の形質転換成長因子- β(TGF- β) スーパーファミリ
ーに属するものを同定した。GDF-8 は骨格筋増殖の負のレギュレーターとして働
き、発達中のおよび成体の骨格筋で発現する。マウスにおける遺伝子ノックアウ
ト実験では、野生型マウスより30% 大きい同型接合変異体が得られた。この大き
さにおける増大は主に筋肉量の増加によるもので、この変異体に由来する個々の
筋肉は野生型マウス由来のものより2 〜3 倍重い(McPherronら, Nature (1997) 387 :83-90) 。McPherron およびLee, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94 :12457-12461およびGrobetら, Nature Genetics (1997) 17:71-74は畜牛を含む
多数の種で類似のゲノム配列を評価し、筋肉肥大牛がGDF-8 と高度に相同なタン
パク質をコードする遺伝子に欠損を有することを報告した。このタンパク質は今
般ミオスタチンと呼ばれている。
【0006】 従って、ミオスタチンは筋細胞により産生され、筋芽細胞の増殖および分化を
調節すると考えられる。ベルギーブルーおよびピエモンテス畜牛において、この
遺伝子における天然の欠損の結果、異常なタンパク質が産生されるか、またはミ
オスタチン量が減少すると考えられ、そのいずれかが筋増殖を増大させる作用を
持つ。
【0007】 マウス、ラット、ヒト、ヒヒ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョ
ウ、およびミノカサゴをはじめとする多数の脊椎動物種からミオスタチン遺伝子
が同定され、タンパク質が配列決定された(McPherronおよびLee, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA (1997) 94:12457-12461) 。ミオスタチンのタンパク質配列はこ
れらすべての種にわたって高度に保存されている。同様に、マウス、ラット、ヒ
ト、ヒヒ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリおよびシチメンチョウ由来のミオスタ
チンのヌクレオチド配列も決定されている。例えば、ネズミおよびヒトのミオス
タチンのヌクレオチド配列に関しては米国特許第5,827,733 号;ウシのミオスタ
チンのヌクレオチド配列に関しては国際公報第WO99/02667;ラット、ヒト、ヒヒ
、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、およびシチメンチョウのミオスタチンのヌク
レオチド配列に関しては国際公報第WO98/33887を参照。
【0008】 ミオスタチン遺伝子のヌクレオチド配列により、およそ43kDa の分子量を持つ
約376 個のアミノ酸のタンパク質が推定される。このタンパク質は分泌リーダー
配列と9 個のシステイン残基を含む13kDa のペプチドを遊離するタンパク質分解
プロセッシング部位とを含む。チャイニーズハムスター卵巣細胞で発現するクロ
ーン化されたミオスタチンは2種のタンパク質を生じる。1つは見かけの分子量
が約52kDa であり、もう1つは約15kDa である。非還元条件下で、これらのタン
パク質は約101kDaおよび25kDa の分子量を有する二量体であると考えられる(McP
herronら, Nature (1997) 387 :83-90) 。
【0009】 研究者らは、筋肉組織の増大したトランスジェニック種の製造のための変異型
ミオスタチン遺伝子の動物被験体への送達を提案している。例えば、国際公報第
WO98/33887を参照。しかしながら、かかる試みはいくつかの欠点を有する。例え
ば、ミオスタチン遺伝子は胚形成段階に活性となるので、ミオスタチンの産生が
低下すると、子宮内で過度な筋肉発達が起こる。このように、変異遺伝子を含ん
だトランスジェニック動物はおそらく帝王切開の必要があると考えられ、家畜生
産者に深刻な重荷となる。従って、人間の消費にとっての遺伝子操作動物に対す
る公衆の反対があり、かかる動物を生産する他の方法が望まれている。発明の開示 本発明は脊椎動物被験体において内在性のミオスタチン活性を変調する免疫組
成物および方法に向けられる。本発明はまた、筋肉の退化または消耗を引き起こ
す種々の疾患など、ヒトおよびその他の動物をはじめとする脊椎動物の多数の症
状を治療するのにも有用である。ミオスタチンの偏在性のため、本明細書に記載
された組成物および方法は、さらに下記の記載されるように、多様な脊椎動物被
験体における使用を見出すものである。
【0010】 驚くことに、本発明は免疫学的技術によりこれらの結果を達成する。当業者な
らば、ミオスタチンなどの内在性分子に対する免疫化は、免疫系はこのような「
自己の」分子を認識しないので、問題がある。従って、本発明は内在性の物質に
対して免疫化した場合に通常遭遇する問題に対する解決を与えるものである。 従って、1つの具体例では、本発明は、約3 個ないし約100 個のアミノ酸から
なるミオスタチンペプチドにある。このペプチドは少なくとも1つのミオスタチ
ンエピトープを含んでなる。好ましい具体例では、このミオスタチンペプチドは
図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸45〜376 (両端を含む)、または図1A〜
1D(配列番号27〜36)のアミノ酸235 〜376 (両端を含む)にわたるミオスタチ
ン領域に由来する。
【0011】 その他の具体例では、ミオスタチンペプチドは、配列番号4のアミノ酸3 〜18
(両端も含む);配列番号6のアミノ酸3 〜15(両端も含む);配列番号8のア
ミノ酸3 〜17(両端も含む);配列番号10のアミノ酸3 〜16(両端も含む);配
列番号12のアミノ酸3 〜22(両端も含む);配列番号14のアミノ酸3 〜25(両端
も含む);配列番号16のアミノ酸3 〜22(両端も含む);配列番号20のアミノ酸
3 〜18(両端も含む);および配列番号22のアミノ酸3 〜18(両端も含む)から
なる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなるペプチドと少なくとも約75% の
アミノ酸の同一性を有する。
【0012】 なおさらなる具体例では、本発明は約3 個ないし約200 個のアミノ酸からなる
ミオスタチンペプチドにある。このペプチドは少なくとも1個のミオスタチンエ
ピトープを含んでなり、図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜350 (両端
を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1
〜275 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)
のアミノ酸25〜300 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列
番号27〜36)のアミノ酸50〜325 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;お
よび図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸75〜350 (両端を含む)にわたるミ
オスタチン領域からなる群より選択されるミオスタチン領域に由来する。
【0013】 なおさらなる具体例では、ミオスタチンペプチドはアミノ酸配列Lys-Arg-Ser-
Arg-Arg-Asp (配列番号37)、アミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Val-Glu-Lys-Glu (配
列番号38)またはアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-Asp (配列番号39)を含ん
でなる。 なおもう1つの具体例では、本発明は、選択された2以上のミオスタチン免疫
原を含んでなり、該ミオスタチン免疫原の各々が独立に、少なくとも1つのミオ
スタチンエピトープを規定する少なくとも3個のアミノ酸を含んでなる、ミオス
タチン多量体にある。特に好ましい具体例では、選択された上記ミオスタチン免
疫原の各々は少なくとも1つのミオスタチンエピトープを含んでなり、独立に、
約3 個〜約200 個のアミノ酸、または約3 個〜約100 個のアミノ酸、または約3
個〜約30個のアミノ酸、もしくは約3 個〜約15個のアミノ酸を含んでなる。
【0014】 その他の具体例では、多量体において選択されたミオスタチン免疫原の各々は
独立に前記のように選択されたミオスタチンペプチドを含んでなる。特に好まし
い具体例では、この多量体は、一般式(MP-X-MP)y{式中、MPはミオスタチンペプ
チドであり、X はペプチド結合、アミノ酸スペーサー基、ロイコトキシンポリペ
プチドおよび[MP]n (ここでn は1以上である)からなる群より選択され、かつ
、y は1以上である}で示される分子を含んでなる。
【0015】 もう1つの具体例では、本発明は、免疫担体と結合した、前記のミオスタチン
ペプチドまたはミオスタチン多量体を少なくとも1種含んでなるミオスタチン免
疫接合体にある。 なおさらなる具体例では、本発明は、ミオスタチンペプチド、ミオスタチン多
量体および/またはミオスタチン免疫接合体と医薬上許容される賦形剤とを含ん
でなるワクチン組成物にある。
【0016】 なおその他の具体例では、本発明は、上記のミオスタチンペプチド、ミオスタ
チン多量体、およびミオスタチン免疫接合体をコードするポリヌクレオチド、な
らびにそのポリヌクレオチドを含んでなる組換えベクター、その組換えベクター
で形質転換された宿主細胞、およびミオスタチンペプチド、ミオスタチン多量体
、およびミオスタチン免疫接合体を組換えにより製造する方法にある。
【0017】 その他の具体例では、本発明は、脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原
に対する免疫応答を誘発する方法であって、該脊椎動物被験体に上記のワクチン
組成物またはポリヌクレオチドを投与することを含んでなる方法にある。特に好
ましい具体例では、誘発された免疫応答は脊椎動物被験体における内在性のミオ
スタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (h) 体重の増加; (i) 筋肉量の増加; (j) 筋細胞数の増加; (k) 筋細胞の大きさの増大; (l) 体脂肪含量の減少; (m) 筋強度の上昇; (n) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす。
【0018】 その他の具体例では、本発明は、脊椎動物被験体において筋肉の退化または消
耗を含んでなる疾患を治療する方法であって、被験体に上記ワクチン組成物また
はポリヌクレオチドを投与することを含んでなる方法にある。本発明はまた、脊
椎動物被験体においてGDF11 活性を変調する方法であって、上記ワクチン組成物
を投与することを含んでなる方法にある。
【0019】 本発明のこれらの、またその他の具体例は、本明細書の開示を参照すれば当業
者には容易に分かるであろう。 (詳細な説明) 特に断りのない限り、本発明の実施には、分子生物学、微生物学、ウイルス学
、組換えDNA 技術および免疫学の通常の技術を用い、これらは当分野の技術の範
囲内にある。かかる技術は文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook, Fr
itsch およびManiatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual; DNA Clonin
g,第I およびII巻(D. N. Glover 編); Oligonucleotides Synthesis (M. J. Gai
t ら); Nucleic Acid Hybridization (B.D. Hames およびS.J. Higgins 編); B
. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning; Methods In Enzymology
シリーズ(S. ColowickおよびK. Kaplan 編, Academic Press, Inc.);およびHand
book of Experimental Immunology,第I-IV巻(D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編
, Blackwell Scientific Publications)を参照。 A .定義 本発明の記載において、以下の用語が使用され、それらは以下に示されるよう
に定義される。
【0020】 「ミオスタチン免疫原」とは、以下に定義の免疫学的応答を誘発するミオスタ
チン分子に由来するポリペプチドを意味する。この語は免疫担体、アジュバント
または免疫刺激物と結合せずに免疫応答を誘発する分子、ならびに担体分子、ア
ジュバントもしくは免疫刺激物と結合することにより、または天然の配列の突然
変異により、および/あるいは、少なくとも1 個のミオスタチン分子のエピトー
プ多重反復単位を含む分子へ組み込まれることにより免疫原性を付与されるか、
またはより免疫原性になり得るミオスタチンポリペプチドを含む。この語はミオ
スタチン由来の個々のマクロ分子または抗原性マクロ分子の同種もしくは異種集
団を呼ぶのに使用することができる。
【0021】 本発明の目的のためには、ミオスタチン免疫原は、限定されるものではないが
、マウス、ラット、ヒト、ヒヒ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョ
ウおよびミノカサゴ由来のミオスタチンポリペプチドをはじめとする種々の既知
ミオスタチン配列のいずれに由来するものであってもよい(McPherron およびLe
e, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94:12457−12461 を参照)。ミオスタ
チンタンパク質配列はこれらすべての種の間で高度に保存されている( 図1A〜1D
を参照)。
【0022】 さらに、「ミオスタチン免疫原」は1以上のアミノ酸の置換、欠失および/ま
たは付加を有することによって参照配列とは異なるが、問題の天然のペプチド配
列の関連部分に関して、参照分子と少なくとも約50% のアミノ酸の同一性、より
好ましくは約75〜85% の同一性、および最も好ましくは約90〜95% またはそれ以
上の同一性を有するミオスタチンポリペプチド分子を含む。アミノ酸配列は約10
〜20個以下のアミノ酸置換、または約5 〜10個以下のアミノ酸置換、あるいは実
際にはわずかに1 、2 、3 個もしくは5 個までの置換を有するであろう。特に好
ましい置換は一般に本質的に保存性であろう、すなわちアミノ酸のファミリー内
で起こる置換である。これに関しては、アミノ酸は一般に4 つのファミリーに分
類される:(1) 酸性のもの−−アスパラギン酸およびグルタミン酸; (2)塩基性
のもの−−リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3) 非極性のもの−−アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、
トリプトファン;および(4) 非荷電極性のもの−−グリシン、アスパラギン、グ
ルタミン、シスチン、セリン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリ
プトファンおよびチロシンは芳香族アミノ酸として分類されることもある。例え
ば、ロイシンのイソロイシンもしくはバリンでの、またはその逆の、アスパラギ
ン酸のグルタミン酸での、またはその逆の、トレオニンのセリンでの、またはそ
の逆の、単離された置換、あるいはアミノ酸の、構造的に関連するアミノ酸での
同様の保存性置換は活性に対し大きな影響を及ぼさないであろうということは合
理的に予測される。参照分子と同様のアミノ酸配列を実質的に有するものの、タ
ンパク質の免疫原性に実質的に影響を及ぼさない少数のアミノ酸置換を有するタ
ンパク質は、従って、ミオスタチン免疫原の定義の範囲内にある。
【0023】 本明細書で使用される「ミオスタチン免疫原」はまた、以下に記載の天然のミ
オスタチン配列に由来する分子、ならびに参照ミオスタチン配列の全長、ならび
に免疫原性が残っているミオスタチンペプチドをはじめとする、組換えにより生
産された、または化学的に合成されたミオスタチンポリペプチドも含む。従って
、「ミオスタチン免疫原」は、かかる免疫原がもたらされる脊椎動物種の天然の
ミオスタチンと交差反応する抗体の形成を誘発する能力を分子が保持する限り、
天然の配列を有する分子、単一または複数のアミノ酸の付加、置換および/また
は欠失を有する分子、ならびに参照ミオスタチン分子のペプチド断片を含む。ま
た、ミオスタチンのエピトープも定義に含まれる。
【0024】 「ミオスタチンペプチド」とは本明細書に記載のミオスタチン免疫原であり、
これは問題の参照ミオスタチン分子の全長を含むものではなく、以下に記載の少
なくとも1 個のエピトープを含む。従って、ミオスタチンペプチドを含んでなる
ワクチン組成物は問題のミオスタチン分子全体ではなく全長分子のある部分を含
むこととなる。
【0025】 「ミオスタチン多量体」とは選択されたミオスタチン免疫原、ミオスタチンペ
プチドもしくはエピトープの1 コピー以上、あるいは選択されたミオスタチン免
疫原、ミオスタチンペプチドもしくはエピトープの多重タンデム反復を有する分
子を意味する。ミオスタチン多量体は一般式(MP-X-MP) y{式中MPはミオスタチ
ンペプチドであり、X はペプチド結合、アミノ酸スペーサー基および[MP]n (こ
こでn は1 以上である)からなる群から選択され、yは1 以上であり、さらに式
中、「MP」はMPペプチドのいずれを含んでいてもよい}の反復単位を有する分子
に対応し得る。従って、Y は1 〜40個またはそれ以上の反復単位、より好ましく
は1 〜30個の反復単位、および最も好ましくは1 〜20個の反復単位を定義し得る
。さらに、選択されたミオスタチンペプチド配列は、それらが免疫応答を誘発す
る能力を保持する限り、すべて同一であってもよく、またはミオスタチンの異な
る誘導体、類似体、変異体、もしくはエピトープに対応し得る。さらに、ミオス
タチンペプチドが化学的にまたは組換えによって担体に結合される場合には、ミ
オスタチンペプチドは5'末端、3'末端のいずれにか結合されてもよく、あるいは
問題の担体にフランクしてもよい。さらに、ミオスタチン多量体は担体の内部の
部位に位置することもある。ミオスタチン多量体は以下にさらに詳細に記載され
る。
【0026】 「相同性」とは、2 種のポリヌクレオチドまたは2 種のポリペプチド部分の間
の同一性のパーセントをいう。配列が分子の所定の長さにわたって少なくとも約
75% 〜85% 、好ましくは少なくとも約90% 、および最も好ましくは少なくとも約
95% 〜98% の配列の同一性を示す場合に、2 種のDNA または2 種のポリペプチド
配列は互いに「実質的に相同」である。また、本明細書で使用される実質的に相
同とは、特定のDNA またはポリペプチド配列に対し完全な同一性を示す配列をも
いう。
【0027】 2 種のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列間の「同一性」パーセントは、配
列を並べて2 種の並べられた配列間の正確な一致数を計測し、短い配列長で除し
、その結果に100 を乗ずることにより2 種の分子間の配列情報を直接比較するこ
とによって決定できる。ALIGN などの容易に入手できるコンピュータープログラ
ムを使用して解析を補助することもできる、Dayhoff, M.O. in Aclas of Protei
n Sequence and Structure M.O. Dayhoff 編,5増刊, 3 :353-358、National bio
medical Research Foundation, Washington, DC (これではペプチド解析に関し
てSmith および Waterman(1981) Advances in Appl. Nath. 2 :482-489の局所相
同性アルゴリズムを適用している)。ヌクレオチド配列の同一性を決定するプロ
グラムはウィスコンシン配列解析パッケージ、8 版(Genetics Computer Group,
Madison, WI から入手可能)の例えばBESTFIT, FASTAおよびGAP プログラムを利
用でき、これらもまたSmith およびWatermanアルゴリズムによるものである。こ
れらのプログラムは製造業者により推奨され、また上記のウィスコンシン配列解
析パッケージに記載の規定値パラメーターを用いて容易に利用できる。例えば、
Smith およびWatermanの相同性アルゴリズムを用い、6 個のヌクレオチド位置の
規定値得点表および相違ペナルティーを用いて特定のヌクレオチド配列の参照配
列に対する同一性パーセントを決定できる。
【0028】 あるいは、相同な領域間で安定な二本鎖が形成される条件下でポリヌクレオチ
ドをハイブリダイズさせ、次いで一本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、さらに消
化された断片のサイズを測定することによって同一性を決定できる。実質的に相
同なDNA 配列は、その特定の系に定義される例えばストリンジェントな条件下で
のサザンハイブリダイゼーション実験で同定し得る。適当なハイブリダイゼーシ
ョン条件を定義することは当業者の範囲内である。例えば、Sambrockら、前記;
DNACloning、前記;Nucleic Acid Hybridization、前記を参照。
【0029】 「縮重変異体」とは、縮重変異体が由来するポリヌクレオチドによりコードさ
れるポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸
配列中に変化を含むポリヌクレオチドを意味する。 免疫原またはワクチンに対する「免疫応答」とは、宿主における注目される免
疫原またはワクチンに対する細胞性および/または抗体媒介性免疫応答の発生を
いう。通常、かかる応答は、限定されるものではないが、1 以上の以下の作用:
注目される組成物またはワクチン中に含まれる免疫原もしくは免疫原類に対し特
異的に向けられる、抗体、B 細胞、ヘルパーT 細胞、サプレッサーT 細胞、およ
び/または細胞傷害性T 細胞および/またはγδT 細胞の産生を含む。免疫応答
はウェスタンブロット、ドットブロットおよび免疫親和性アッセイをはじめとす
る標準的な免疫アッセイおよび中和アッセイなどの当技術分野で周知のいくつか
のアッセイのいずれを用いて検出してもよい。細胞媒介性免疫応答の存在はEric
ksonらJ. Immunol. (1993) 151 :4189-4199およびDoe ら Eur. J. Immunol. (1
994) 24:2369-2376に記載のアッセイなどの当技術分野で周知のCTL 細胞傷害性
細胞アッセイを用いて測定し得る。
【0030】 「エピトープ」とは、ミオスタチン特異的抗体を誘発し、さらに結合する能力
または可能性を有する分子の部分または領域のいずれをもいう。本発明の目的の
ためには、通常、ポリペプチドエピトープは参照分子の少なくとも約3 個のアミ
ノ酸、好ましくは少なくとも約5 個のアミノ酸、および最も好ましくは少なくと
も約10〜15個のアミノ酸ないし20〜30個またはそれ以上のアミノ酸を含む。断片
長に決定的な上限はなく、それはタンパク質配列のほとんど全長を含むか、また
は問題のタンパク質の2 つ以上のエピトープを含んでなる融合タンパク質を含む
と考えられる。
【0031】 ポリペプチド分子中のエピトープは当技術分野で周知のいずれの数のエピトー
プマッピング技術を用いても同定できる。例えば、Epitope Mapping Protocols
in Metods in Mollecular Biology, 66 巻(Glenn E. Morris編, 1996)Humana Pr
ess, Totowa, New Jersey を参照。例えば、線状エピトープは、例えば固相支持
体上に、タンパク質分子の部分に対応する多数のペプチドを同時に合成し、さら
にこのペプチドを支持体に結合させたまま、抗体と反応させることにより決定し
得る。かかる技術は当技術分野で公知であり、例えば米国特許第4,708,871 号;
Geysenら(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3988-4002;Geysen ら (1986)
Molec. Immunol. 23:709-715に記載されている。
【0032】 同様に構造的エピトープは、例えばX 線結晶学および2 次元核磁気共鳴などに
よりアミノ酸の空間構造を決定することにより容易に同定される。例えばEpitop
e Mapping Protocols 、前記を参照。また、例えばkyteら, J. Mol. Biol. (198
2) 157:105-132ならびにHoppおよびWoods, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1981)
78:3824-3828に記載のように、20個のアミノ酸の各々の疎水性および親水性を
利用して、タンパク質のアミノ酸配列からハイドロパシー度を定式化するコンピ
ュータープログラムを使用して所与の分子の抗原部分を決定できる。例えば、Ho
ppおよびWoods の技術では各アミノ酸に親水性度の数値を割り当て、次いでこれ
らの値をペプチド鎖に沿って繰り返し平均する。局所平均親水性度の最も高い部
分が分子の抗原部分を示す。
【0033】 「免疫担体」とは、注目されるミオスタチン免疫原と結合した場合にその分子
に免疫原性を付与する、または分子の免疫原性を増強するいずれの分子をも意味
する。好適な担体の例としては、タンパク質類、セファロース、アガロース、セ
ルロース、セルロースビーズなどの多糖類、ポリグルタミン酸、ポリリシンなど
の重合アミノ酸、アミノ酸共重合体、不活性ウイルス粒子、ジフテリア菌、破傷
風菌、コレラ菌由来のトキソイドなどの細菌毒類、ロイコトキシン分子などの、
大型で、ゆっくりと代謝される高分子が挙げられる。担体類は以下にさらに詳細
に記載される。
【0034】 免疫原が担体に化学的に結合するか、または担体と結合する場合には、あるい
は免疫原と注目される担体とをコードするキメラDNA 分子から免疫原が発現され
る場合には、ミオスタチン免疫原は特定の担体分子に「結合される」。 「免疫接合体」とは前記に定義の、担体分子に結合したミオスタチンペプチド
または多量体などのミオスタチン免疫原である。
【0035】 「ロイコトキシンポリペプチド」または「LKT ポリペプチド」とはカルボキシ
末端共通アミノ酸配列Gly-Gly-X-Gly-X-Asp {式中、X はLys 、Asp 、Val 、ま
たはAsn である}を特徴とする分子ファミリーに属するタンパク質に由来するポ
リペプチドを意味する(Highlander ら (1989) DNA 8 :15-28) 。かかるタンパ
ク質としては中でもP.ヘモリチカ(Haemolytica) およびアクチノバチルス・プル
ロニューモリエ(Actinobacillus pleuropneumoniae) 由来のロイコトキシンなら
びに大腸菌αヘモリシンが挙げられる(Strathdeeら (1987) Infect. Immun. 55 :3233-3236 ;Lo (1990) Can. J. Vet. Res. 54:S33-S35; Welch (1991) Mol. M
icrobiol. 5 :521-528) 。この毒素ファミリーは「RTX 」毒素ファミリーとして
知られている(Lo (1990) Can. J. Vet. Res. 54:S33-S35) 。さらに、「ロイコ
トキシンポリペプチド」とは、化学的に合成された、同一物を発現する生物から
単離された、または組換えにより産生されたロイコトキシンポリペプチドをいう
。さらに、この用語は特定の天然のロイコトキシン分子に見られる隣接するアミ
ノ酸配列と実質的に相同なアミノ酸配列を有する免疫原タンパク質を意味する。
従って、この用語は全長と部分配列の双方、ならびに類似体を含む。天然の全長
ロイコトキシンは細胞傷害活性を示すが、「ロイコトキシン」はまた、免疫原性
は残っているが天然のロイコトキシンの細胞傷害特性を欠く分子も意味する。い
くつかのロイコトキシンのヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が知ら
れている。例えば、米国特許第4,957,739 号および同第5,055,400 号;Lo ら (19
85) Infect. Immun. 50:667-67;Loら (1987) Infect. Immun. 55:1987-1996;
Strathdee ら (1987) Infect. Immun. 55:3233-3236:; Highlander ら (1989)
DNA 8 :15-28; ならびにWelch(1991) Mol. Microbiol. 5 :521-528を参照。本発
明の好ましい具体例では、それに融合される1 以上のミオスタチン多量体に増強
された免疫原性を付与する選択されたロイコトキシンポリペプチド配列を有する
ロイコトキシンキメラが提供される。
【0036】 本発明で使用する免疫原ロイコトキシンポリペプチドの特定の例としては、米
国特許第5,476,657 号および同第5,837,268 号に記載の末端切断型ロイコトキシ
ン分子が挙げられる。これらの末端切断型分子としてはLKT 352 、LKT 111 およ
びLKT 114 が挙げられる。LKT 352 はプラスミドpAA352(ATCC 受託番号68283)中
に存在するlktA遺伝子に由来する。この遺伝子のヌクレオチド配列および対応す
るアミノ酸配列は米国特許第5,476,657 号に記載されている。この遺伝子は914
個のアミノ酸および約99kDa の推定分子量を有する末端切断型ロイコトキシンを
コードする。LKT 111 はプラスミドpCB111(ATCC 受託番号69748)中に存在するlk
tA遺伝子由来のロイコトキシンポリペプチドである。この遺伝子のヌクレオチド
配列および対応するアミノ酸配列は米国特許第5,837,268 号に開示されている。
【0037】 この遺伝子は、内部の約1300bpの長さのDNA 断片の除去によりプラスミドpAA3
52(ATCC 受託番号68283)中に存在する組換えロイコトキシン遺伝子から生じた短
鎖型のロイコトキシンをコードする。LKT 111 ポリペプチドは(LKT 352ポリペプ
チドの99kDa に比べ)52kDaの推定分子量しか有さないが、十分なT 細胞免疫原性
に必要なT 細胞エピトープを含むLKT 352N末端部分および本発明に使用するため
の融合タンパク質の製造に使用するのに都合よい制限部位を含むLKT 352C末端部
分を保持する。LKT 114 はプラスミドpAA114中に存在する遺伝子に由来し( 米国
特許第5,837,268 号に記載) 、また本明細書の図15A 〜15D に示されている。LK
T 114 は分子の内部部位からのさらなるアミノ酸の欠失によりLKT 111 とは異な
っている。
【0038】 「アジュバント」とは非特異的な方法で作用して特定の抗原に対する免疫応答
を高め、ひいては所与のワクチンのいずれにおいても必要な抗原量、および/ま
たは注目される抗原に対する十分な免疫応答を生じさせるのに必要な注射頻度を
少なくする薬剤をいう。例えば、A.C. Allison J. Reticuloendothel. Soc. (19
79) 26:619-630を参照。
【0039】 「天然の」タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、そこでタンパク質が
天然に生じる供給源から単離されたタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドで
ある。 「組換え」ポリペプチドとは、組換えDNA 技術により生産される、すなわち所
望のポリペプチドをコードする外来DNA 構築物により形質転換された細胞から生
産されるポリペプチドをいう。「合成」ポリペプチドは化学的合成により製造さ
れるものである。
【0040】 「ポリヌクレオチド」とは、限定されるものではないが、mRNAなどのRNA 、cD
NA、ゲノムDNA 配列および合成DNA 配列をも含むヌクレオチド配列を意味する。
また、この用語はDNA およびRNA の公知の塩基類似体のいずれかを含む配列も含
む。 「ベクター」とは、それに別のDNA セグメントが結合し、結合したセグメント
の複製を引き起こすプラスミド、ファージまたはコスミドなどのレプリコンであ
る。
【0041】 DNA 「コード配列」または特定のタンパク質を「コードする配列」とは、in v
itroまたはin vivo で適当な調節要素の制御下に置かれた場合に転写されてポリ
ペプチドに翻訳されるDNA 配列である。コード配列の境界は5'末端の開始コドン
および3'末端の翻訳停止コドンにより決定される。コード配列には、限定される
ものではないが、原核生物の配列、真核生物のmRNA由来のcDNA、真核生物( 例え
ば哺乳類)DNA由来のゲノムDNA 配列、および合成DNA 配列さえもが含まれる。通
常、転写終結配列はコード配列に対し3'に置かれる。
【0042】 用語DNA 「調節要素」とは、宿主細胞においてコード配列の転写および翻訳を
統合的にもたらす、プロモーター、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナ
ル、転写終結配列、上流調節ドメイン、エンハンサーなどをひとまとめにしてい
う。所望の遺伝子が転写および翻訳される限り、これらの調節配列のすべてが常
に組換えベクター中に存在する必要はない。
【0043】 「機能し得る形で連結される」とはそれらが通常の機能を果たすよう記載の構
成要素が配列されるエレメントの配列をいう。従って、コード配列に機能し得る
形で連結された調節要素はコード配列の発現を果たし得る。調節要素は、コード
配列の発現に直接に作用する限り、それに隣接する必要はない。従って、例えば
、転写されるが翻訳されない介在配列はプロモーターとコード配列の間に存在す
ることができ、このプロモーターはやはりコード配列に「機能し得る形で連結さ
れている」と考えられる。
【0044】 プロモーターなどの調節要素は、RNA ポリメラーゼがプロモーターに結合して
コード配列をmRNAに転写する場合に、細胞においてコード配列の「転写を指示し
」、次いでそれらはコード配列によりコードされるポリペプチドに翻訳される。 「宿主細胞」とは、外来の核酸分子により形質転換された、または形質転換さ
れ得る細胞である。
【0045】 かかる外来DNA が細胞膜内に導入された場合に、細胞は外来DNA により「形質
転換」されている。外来DNA は染色体DNA に組み込まれて( 共有結合されて) 細
胞のゲノムを構成してもよく、またそうでない場合もある。例えば、原核生物お
よび酵母では、外来DNA はプラスミドなどのエピソーム要素で維持し得る。真核
生物の細胞に関しては、安定な形質転換細胞とは外来DNA が染色体に組み込まれ
、その結果染色体複製を通して嬢細胞に遺伝するものである。この安定性は、真
核生物の細胞の、外来DNA を含有する嬢細胞集団を含んでなる細胞系統またはク
ローンを確立する能力により証明されている。
【0046】 本明細書に使用される「に由来する」とは目的分子または免疫原の実際のまた
は理論上の供給源または起源を示す。例えば、特定のミオスタチン分子「に由来
する」免疫原は参照分子の関連部分と密接な配列類似性を有すると考えられる。
従って、その由来する配列が標的とされるミオスタチン分子に相当する免疫原を
提供する限り、特定のミオスタチン分子「に由来する」免疫原として野生型ミオ
スタチン配列のすべてが含まれ、それらはアミノ酸残基の挿入、欠失または置換
により改変され得る。示された分子に由来する免疫原は示された分子に対して特
異的な少なくとも1 個のエピトープを含むと考えられる。
【0047】 「脊椎動物被験体」とは、限定されるものではないが、ウシ、ヒツジ、ブタ、
ヤギ、ウマおよびヒトなどの哺乳類、イヌおよびネコなどの飼いならされた動物
、ならびに、ニワトリならびにシチメンチョウ、さらに他のキジ類の鳥を含む雄
および雌のトリなどの飼い鳥、野生の鳥、および猟鳥、はじめとするトリ、なら
びに魚を含むコルダタ亜門に属するいずれをも意味する。この用語は特定の齢ま
たは性を示さない。従って、雄と雌の成体および新生動物の双方、ならびに胎児
および卵が包含される。
【0048】 本発明の組成物および方法は「ミオスタチン活性を低下させる」のに役立つ。
この活性の低下は脊椎動物被験体において通常見出されるミオスタチンの循環レ
ベルの低下、または結果としてミオスタチンの循環レベルが高められる疾患を有
する被験体におけるミオスタチンの循環レベルの低下であり得る。一般に、ミオ
スタチン活性の低下は、問題の被験体にもたらされたミオスタチンペプチド免疫
原に対して生じた抗体による循環ミオスタチンの不活性化によるものである。し
かしながら、活性の低下は特定の不活性様式に限定されるものではないが、ミオ
スタチンの産生または循環液への分泌が減少された結果であり得る。特定の理論
に拘束されるものではないが、ミオスタチンペプチド免疫原はミオスタチンが開
裂してタンパク質の活性部分が遊離するのを妨げるか、またはタンパク質がその
受容体に結合するのを妨げる抗体の産生を誘発し得る。あるいは、抗体は循環液
または他の体液から、それが活性部位に到達する前に分泌されたミオスタチンを
除去し得る。
【0049】 ミオスタチン活性の低下は種々の方法で明らかとなり得る。例えば、ミオスタ
チン活性の低下は結果として体重の増加、筋肉量の増加、筋強度の上昇、脂肪に
対する筋肉の比率の変更、脂肪を含まない筋肉量の増加、筋細胞の大きさおよび
/または数の増加、体脂肪含量の減少、動物または疾患を有する脊椎動物の寿命
の延長、食欲または食物摂取の増強、生活の質の向上、および哺乳類における乳
腺組織および乳汁分泌の増加をもたらす。
【0050】 「筋肉量の増加」とは本発明の組成物を投与された動物が筋肉細胞の大きさの
増加( 肥厚) または筋肉細胞数の増加( 過形成) を示すことを意味する。この増
加は1 型および/または2 型の筋肉繊維において起こり得る。本明細書で使用さ
れる 「筋肉」とは魚における類似の組織種を含む。「増加した筋肉量」を測定
する方法は当技術分野において周知である。例えば、筋肉含量は水中での計量
(例えば、BhasinらNew Eng. J. Med. (1996) 335 :1-7を参照)および二重エネ
ルギーX 線吸光光度法( 例えば、BhasinらMol. Endocrinol. (1998) 83:3155-31
62を参照) などの標準的な技術を用いて、本発明のミオスタチンペプチドの投与
の前後に測定され得る。筋肉の大きさの増大は少なくとも約5 〜10% の、好まし
くは約10〜20% またはそれ以上の体重の増加によって証明され得る。 B.一般法 本発明を詳細に記載する前に、本発明が、それ自体もちろん変更してもよい特
定の処方または方法パラメーターに限定されるものではないことが理解されるべ
きである。また、本明細書で用いる技術は単に本発明の特定の具体例を記載する
ためのものであり、限定しようとするものではないことも理解されるべきである
【0051】 本明細書に記載されたものと同様または同等の組成物および方法のいくつかが
本発明の実施に使用できるが、好ましい材料および方法を本明細書に示す。 本発明の中心は脊椎動物被験体において内在性のミオスタチンの産生を変調す
る免疫組成物および方法の開発にある。ミオスタチンは一般に「自己」として認
識されるので非免疫的であるが、本明細書に記載される組成物は驚くことに、そ
れで免疫化された被験体に免疫応答をもたらす手段を提供する。
【0052】 従って、本発明は、脊椎動物被験体での免疫応答の形成に用いられる、免疫原
としてのミオスタチンペプチド、ミオスタチン多量体およびミオスタチン免疫接
合体に向けられる。ミオスタチンタンパク質は分泌されるので、幼動物の能動ま
たは受動免疫を利用して筋肉量を増加させながら、胚形成期に誘導される変化か
ら生じるその他の異常性に伴う問題は避けられる。従って、例えば、ワクチン接
種計画誕生後短期で開始して、肥厚および/または過形成の双方を達成できる。
あるいは、免疫化は発達のより後期の段階で行って(例えば、飼養場の畜牛に対
して)、筋肉タンパク質収量を向上させることもできる。さらには、胎児期、す
なわち子宮内の動物に対して免疫化を行い、所望の結果を達成することができる
【0053】 本明細書に記載の組成物および技術は、鳥類や魚類などの産卵脊椎動物にも同
様に適用できる。これに関して、McPherron およびLee, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA (1997) 94:12457-12461は、哺乳類のミオスタチン遺伝子と相同性の高い
鳥類および魚類のミオスタチン遺伝子を同定した。よって、この遺伝子は種間で
保存されており、あらゆる種において同様の機能を果たすものと考えられる。従
って、例えば、産卵する鳥類および魚類が免疫化され、母方の血漿に高い抗体力
価が作り出される。抗体は卵子の卵黄嚢に移行するので、これらの抗体は胚形成
期にミオスタチンを減じ、筋細胞の大きさおよび/または数に所望の増大をもた
らすことができる。あるいは、免疫化は卵内で行ってもよい。
【0054】 さらに、本明細書に記載される方法およびワクチンは、ヒトおよびその他の動
物の種々の疾患の治療のための用途を見出せる。例えば、ミオスタチン産生の変
調は、対麻痺および四肢麻痺の治療のためといった、主としてまたは付随的に筋
肉の消耗を引き起こす疾患を有する被験体の治療に有用であり、ここでは筋萎縮
症が重大な関心事となる。筋肉強度の欠如が活動的で健康な生活様式にしばしば
重大な制限となる老齢の被験体もまた、本明細書に記載の方法およびワクチンか
ら恩恵を受ける。さらには、本発明の組成物を使用して、種々の癌、拒食症、悪
液症、エイズなどの疾患による筋肉消耗を治療または予防することができる。
【0055】 本発明の方法およびワクチンは、偽肥大性筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕筋
ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、末梢筋ジストロフィー、眼性筋障害お
よび筋緊張性ジストロフィーなどの種々のジストロフィーの治療のための用途が
見出せる。これらの疾患には、ベッカー型筋ジストロフィー、デジェリーヌ・ラ
ンドジー筋ジストロフィー、デュシェーヌ型筋ジストロフィー、ランドジー筋ジ
ストロフィー、エメリー・ドレフス筋ジストロフィー、エルブ筋ジストロフィー
、フクヤマ型筋ジストロフィー、ガウワーズ筋ジストロフィー、小児神経軸索筋
ジストロフィー、ライデン・メブラス筋ジストロフィー、眼球咽頭筋ジストロフ
ィー、骨盤大腿部筋ジストロフィー、進行性筋ジストロフィー、肩甲上腕筋ジス
トロフィー、およびシマーリン筋ジストロフィーとして知られる疾患が含まれる
【0056】 さらに、ミオスタチンはGDF11 と相同性が高いので、本発明のミオスタチンペ
プチドはGDF11 活性の変調にも用途を見出す。例えば、GDF11 の配列については
、NCBI受託番号AF092734を参照のこと。 免疫化は当技術分野で公知の方法のいずれによっても達成でき、限定されるも
のではないが、ペプチドワクチンまたはDNA 免疫化の用途が含まれる。かかる方
法を以下に詳細に示す。
【0057】 1. ミオスタチンペプチド 本発明で使用されるミオスタチンペプチドは一般に、選択されたミオスタチン
タンパク質からの少なくとも約3 個のアミノ酸〜約200 個のアミノ酸、好ましく
は少なくとも約3 個のアミノ酸〜約100 個のアミノ酸、より好ましくは少なくと
も約3 個のアミノ酸〜約50個のアミノ酸、なおいっそう好ましくは少なくとも約
3 個のアミノ酸〜約30個のアミノ酸、好ましくは約3 個のアミノ酸〜約15個のア
ミノ酸、最も好ましくは少なくとも約5 個のアミノ酸〜約25個のアミノ酸、また
は5 〜約15個のアミノ酸を含む。
【0058】 本発明のミオスタチンペプチドが由来し得る10種からの代表的なミオスタチン
タンパク質は図1A〜1Dに示されている。また、ウシミオスタチンのアミノ酸配列
も図16B に示されている。このペプチドはミオスタチン分子に免疫原性を付与す
る少なくとも1つのエピトープを含む。 好ましい具体例では、ミオスタチンペプチドは、限定されるものではないが、
図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜350 (両端を含む)にわたる領域;
図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜275 (両端を含む)にわたるミオス
タチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸25〜300 (両端を含む)に
わたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸50〜325 (両
端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸
75〜350 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36
)のアミノ酸45〜376 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配
列番号27〜36)のアミノ酸100 〜376 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域
;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸235 〜376 (両端を含む)にわたるミ
オスタチン領域を含むミオスタチン領域に由来するか、またはそのペプチドが送
達される被験体において免疫応答を誘発することができるミオスタチンエピトー
プを含むと考えられるいずれかの領域に由来する。
【0059】 ある具体例では、ミオスタチンペプチドは、図17に示される親水性プロフィー
ルにおいて最高点の親水性を示すミオスタチンの3つの領域のうちの1つに由来
する。3つの親水性の最高点は、タンパク質分解切断部位にわたるアミノ酸位26
3 〜268 ;31〜37位;および106 〜111 位に見られる。従って、これらの具体例
では、ミオスタチンペプチドは、タンパク質分解切断部位にわたるアミノ酸配列
Lys-Arg-Ser-Arg-Arg-Asp (配列番号37);ミオスタチンのアミノ酸31〜37に相
当するアミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Val-Glu-Lys-Glu (配列番号38);またはミオ
スタチンのアミノ酸106 〜111 に相当するアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-As
p (配列番号39)を含んでなる。
【0060】 その他の具体例では、ミオスタチンペプチドは、配列番号4 (図2 に示される
、MYOS 1)のアミノ酸3 〜18(両端を含む)アミノ酸配列;配列番号6 (図3 に
示される、MYOS 3)のアミノ酸3 〜15(両端を含む);配列番号8 (図4 に示さ
れる、MYOS 5)のアミノ酸3 〜17(両端を含む);配列番号10(図5 に示される
、MYOS 7)のアミノ酸3 〜16(両端を含む);配列番号12(図6 に示される、MY
OS 9)のアミノ酸3 〜22(両端を含む);配列番号14(図7 に示される、MYOS 1
1 )のアミノ酸3 〜25(両端を含む);配列番号16(図8 に示される、MYOS 13
)のアミノ酸3 〜22(両端を含む);配列番号18(図9 に示される、MYOS 15 )
のアミノ酸3 〜19(両端を含む);配列番号20(図10に示される、MYOS 17 )ア
ミノ酸3 〜18(両端を含む);または配列番号22(図11に示される、MYOS 19 )
のアミノ酸3 〜18(両端を含む)を含んでなるペプチドと少なくとも約75% のア
ミノ酸の同一性を有する。全長ミオスタチンに対する上記の種々のMYOSペプチド
の位置は図12に示されている。
【0061】 ミオスタチンペプチドは、さらに以下に記載されるように、所望によりミオス
タチン接合体を形成するために免疫担体分子と結合させる。 2.ミオスタチン免疫接合体 前記のように、ミオスタチンは内在性分子であり、それ自体、ミオスタチンペ
プチド(または下記の多量体)を担体に結合させてミオスタチン接合体を形成す
ることによって、その免疫原性をさらに高めることが望ましいであろう。ミオス
タチン免疫原を起源が同一の種へ投与する場合には、このことが特に必要であろ
う。
【0062】 好適な担体は、一般的にウイルス表面タンパク質のような感染性物質から誘導
されるタンパク質の抗原領域を含むポリペプチド、または担体ペプチド配列であ
る。これらの担体によって、T ヘルパー細胞活性が非特異的に刺激され、かつ注
目される免疫原を主要組織適合遺伝子複合体(MHC) の分子に関連した細胞表面で
のプロセッシングおよび提示に関する抗原提示細胞(APC) へ向けさせる助けとな
る。
【0063】 この目的のために、数種の担体系が開発されてきた。例えば、小型のペプチド
ハプテンは、多くの場合、キーホール・リンペットヘモシアニンのようなタンパ
ク質担体(Bittle ら (1982) Nature 298 : 30-33)、破傷風トキソイドのような
細菌毒素(Muller ら (1982) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 79: 569-573)、卵
白アルブミン、ロイコトキシンポリペプチド、およびマッコウクジラミオグロビ
ンに結合して免疫応答を引き起こす。これらの結合反応では、典型的には担体タ
ンパク質モル当たりペプチドハプテン数モルと結合することになる。
【0064】 本発明で使用する他の好適な担体には、米国特許第5,071,651 号で開示された
ロタウイルスのVP6 ポリペプチド、またはその機能的断片が挙げられる。またウ
イルスタンパク質とミオスタチン由来の1 以上のエピトープとの融合産物も有用
であり、この融合産物は米国特許第4,722,840 号で開示された方法により作製さ
れる。さらにこの形態での提示は、免疫状態が生じている被験体における自然提
示様式によく似ているので、他の好適な担体には、リンパ球のような細胞も含ま
れる。また、ミオスタチン免疫原を赤血球、好ましくはその被験体自身の赤血球
に結合させてもよい。ペプチドをタンパク質または細胞に結合させる方法は当業
者には公知である。
【0065】 また、本発明の実施に有用な送達系では、粒子担体を使用してもよい。例えば
、予め成形した粒子をプラットフォームとして使用し、その上で免疫原を結合さ
せて、組み込むことができる。プロテオソーム (Lowellら (1988) Science 240 : 800-802)、および免疫刺激複合体(Morein ら (1984) Nature 308 : 457-460)
に基づいた系もまた当技術分野では公知である。
【0066】 また本発明に関して、粒子内に自己集積する組換えにより生じたキメラタンパ
ク質を用いる担体系も用いてもよい。例えば、酵母レトロトランスポゾンである
Tyは、ウイルス様粒子に集積する一連のタンパク質をコードする(Ty-VLPs; King
smanら (1988) Vaccines 6 : 304-306)。かくして注目されるミオスタチン免疫
原をコードする遺伝子、またはその断片をTyA 遺伝子に挿入し、酵母内で融合タ
ンパク質として発現させてもよい。この融合タンパク質は一定のサイズの粒子へ
自己集積させる能力を保有している。他の有用なウイルス様担体系では、HBsAg(
Valenzuelaら (1985) Bio/Technol. 3 : 323-326;米国特許第4,722,840 号; De
lpeyrouxら (1986) Science 233 : 472-475)、B 型肝炎コア抗原(Clarke ら (19
88) Vaccines 88(Ed. H. Ginsberg,ら) pp.127-131) 、ポリオウイルス(Burkeら
(1988) Nature 332 : 81-82)、およびタバコモザイクウイルス(Haynes ら (19
86) Bio/Technol. 4: 637-641)に基づく。
【0067】 特に好ましい担体には、血清アルブミン、キーホール・リンペットヘモシアニ
ン、卵白アルブミン、マッコウクジラミオグロビン、前記ロイコトキシン分子、
および当業者には周知の他のタンパク質が挙げられる。本明細書で担体として使
用されるある特定のロイコトキシンポリペプチドを図15A 〜15D に示している。
便利には、さらに実施例で記載する、ヌクレオチド3334位に存在するBamHI 部位
にミオスタチンを挿入する。
【0068】 タンパク質担体を天然型で用いるか、またはそのその官能基含量を、例えばリ
ジン残基のスクシニル化またはCys-チオラクトンとの反応によって改変してよい
。またメルカプト基を、例えばアミノ基を2-イミノチオランまたはプロピオン酸
3-(4- ジチオピリジル)のN-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させるこ
とによって担体(または抗原)に組み込んでもよい。また好適な担体を改変して
、ペプチド免疫原を結合するスペーサーアーム(ヘキサメチレンジアミンまたは
同サイズの他の二官能価分子など)に組み込んでもよい。
【0069】 標準的な結合反応を用い、担体を注目されるミオスタチン免疫原に物理的に結
合させることができる。あるいは、本発明で使用するために、組換えて(適当な
ポリペプチド担体をコードする遺伝子を、選択されたミオスタチン免疫原をコー
ドする遺伝子またはその断片の1 以上のコピーと融合させることによるなど)キ
メラ分子を調製することができる。
【0070】 ミオスタチン免疫原は、それを発現する担体ウイルスを媒介として投与するこ
ともできる。本明細書での用途に見られる担体ウイルスとしては、限定されるも
のではないが、ワクシニアならびに他のポックスウイルス、アデノウイルス、お
よびヘルペスウイルスが挙げられる。一例として、タンパク質を発現するワクシ
ニアウイルス組換え体は、次のように構築することができる。まず、特定のタン
パク質をコードするDNA を適当なベクターに、ワクシニアプロモーターに隣接し
、かつチミジンキナーゼ(TK)をコードする配列のような、ワクシニアDNA 配列に
フランクするように挿入する。次いでこのベクターを用いて、ワクシニアに感染
する細胞を同時にトランスフェクトする。相同組換えによって、ワクシニアプロ
モーターおよび所望の免疫原をコードする遺伝子をウイルスゲノムに挿入し得る
。その細胞を5-ブロモデオキシウリジンの存在下で培養し、それに耐性のあるウ
イルスプラークを採取することによって、得られたTK- 組換え体を選択すること
ができる。
【0071】 3.ミオスタチン多量体 ミオスタチン免疫原の免疫原性は、選択されたエピトープの多数のコピーを含
んでなる分子の免疫型を産生することによって有意に高め得る。このように、内
在性ミオスタチンは有効な自己抗原に帰すると考えられる。 従って、本発明の1 つの態様では、ミオスタチン多量体を含むワクチン組成物
を、被験体に送達するために核酸またはペプチドのいずれかの形で提供する。ミ
オスタチン多量体は、前記の選択されたミオスタチン免疫原、ペプチドもしくは
エピトープの1 を超えるコピー、または選択されたミオスタチン免疫原、ペプチ
ドもしくはエピトープの多数のタンデム反復を有していると考えられる。よって
ミオスタチン多量体は、選択されたミオスタチン配列の並列または縦列反復のい
ずれか、選択されたミオスタチンエピトープの並列または縦列反復、またはその
考えられるいずれの組合せを含んでいるであろう。ミオスタチンエピトープは前
記で詳細に記載された手法を用いて同定してもよい。
【0072】 例えば、ミオスタチン多量体は一般式(MP-X-MP)y(式中、MPはミオスタチンペ
プチドであり、X はペプチド結合、アミノ酸スペーサー基および[MP]n (式中、
n は1 以上である)からなる群から選択され、y は1 以上であり、かつ式中、「
MP」はいずれのMPペプチドを含んでなってもよい)の反復単位を有する分子に対
応していると考えられる。よってミオスタチン多量体は2 〜64以上のミオスタチ
ンペプチドを含んでおり、好ましくは2 〜32または2 〜16のミオスタチンペプチ
ド含んでよい。
【0073】 さらに、選択されたミオスタチン免疫原配列は全く同一のものであるか、また
はミオスタチンの種々の誘導体、類似体、変異体もしくはエピトープが免疫応答
を誘発する能力を保持する限り、それらに対応していてよい。加えて、ミオスタ
チン免疫原を化学的に、または組換えによってのいずれかで担体に結合させる場
合には、ミオスタチンペプチドを5'末端、3'末端のいずれかに結合させるか、ま
たは問題の担体にフランクしてもよい。さらに、ミオスタチン多量体は担体内部
の部位に置いてもよい。
【0074】 このミオスタチン多量体とともに使用するある特定の担体は、前記のロイコト
キシンポリペプチドである。例えば、ミオスタチンオリゴ反復を、便利には、図
15A 〜15D に示すロイコトキシンポリペプチドのヌクレオチド3334位に存在する
BamHI 部位に挿入できる。 前記のように、スペーサー配列はミオスタチン部分間に存在すると考えられる
。例えば、Arg-Ser およびGly-Ser 二量体は、本明細書で例示しているMYOSペプ
チドに存在して、ミオスタチンペプチドの反復配列間にスペーサーを提供してい
る。選択されたミオスタチン免疫原間にある様々なスペーサー配列の戦略上の配
置を用いて、被験体の構築物の免疫原性を高めることができる。従って、本発明
においては選択されたスペーサー配列が単一アミノ酸リンカーのような様々な部
分または2 〜数個のアミノ酸の配列をコードすると考えられる。タンパク質分解
酵素によって(APC などによって)in vivo で発現される多量体をプロセッシン
グして、多数のペプチドを得ることができ、そのそれぞれが担体部分由来の少な
くとも1 つのT 細胞エピトープを含み、好ましくはそれらが実質上、完全なミオ
スタチンペプチド配列と融合するように、選択されたスペーサー基は、好ましく
は酵素切断部位を提供してもよい。
【0075】 選択されたミオスタチン部分間にある結合領域が、免疫化した被験体に対して
明らかに異質な配列を含んでなるように、スペーサー基を構築してもよく、それ
によって関連するミオスタチンペプチドの免疫原性が高まることとなる。さらに
免疫原ヘルパーT 細胞を提供する場合のように当技術分野で一般に認められてい
る両親媒性および/またはα- ヘリックスペプチド配列をコードする配列のよう
なスペーサー配列を構築して、T 細胞抗原性を提供してもよい。かかるスペーサ
ー配列によって提供しようとする特定のT 細胞エピトープの選択はワクチン注射
をしようとする特定の脊椎動物種によって様々であってよい。スペーサー配列を
含む特定のミオスタチン部分を例示しているが、それは直接隣接するミオスタチ
ン配列(介在スペーサー配列なし)を含んでなる1 以上の多量体を提供するため
の本発明の目的でもある。
【0076】 このようにして生じたミオスタチン多量体配列は、本発明の組成物において使
用する高免疫ミオスタチン抗原を提供する。 ミオスタチンペプチド、免疫接合体および多量体を下記の方法を用いて、作製
し、核酸免疫化、遺伝子治療、タンパク質に基づく免疫化方法などに用いてよい
【0077】 4.核酸に基づく免疫化方法 一般に、本発明で使用する核酸を基にしたワクチンには、ミオスタチン免疫原
をコードする、適当な調節配列と、所望により補助的な治療用ヌクレオチド配列
を有した関連領域が含まれるだろう。核酸分子は受容細胞において転写および翻
訳を指示する必須要素を含んだベクターの形で調製する。
【0078】 免疫化した被験体の免疫応答を増強させるために、核酸分子を薬理学的薬剤、
アジュバントのような補助物質とともに、またはサイトカインなどのような生物
学的応答調節物質をコードするベクターの送達とともに投与してもよい。他の補
助物質には、限定されるものではないが、成長ホルモン、成長促進剤、βアンタ
ゴニスト、分割剤、および抗生物質のような体重増加、筋肉質量または筋肉強度
を高める物質が挙げられる。
【0079】 本発明で使用するために選択されるヌクレオチド配列は、例えば所望の遺伝子
またはヌクレオチド配列を含む細胞または組織から標準的な方法を用いて同一の
ものを単離することによって、または組換え体または合成手法を用いることによ
って公知の起源から誘導することができる。 一度、ミオスタチン免疫原のコード配列を調製するか、または単離すれば、か
かる配列は適当なベクターまたはレプリコンのいずれかへクローン化することが
できる。多数のクローニングベクターが当業者に公知であり、適当なクローニン
グベクターの選択が特に問題となる。他の配列、例えば補助分子または担体分子
への連結は当技術分野で公知の標準手順を用いて行う。キメラの1 以上のミオス
タチン免疫原部分を所望の補助的配列または担体分子と、5'および/または3'で
融合させることができる。あるいは、1 以上のミオスタチン免疫原部分を担体分
子内部の部位に置いてもよく、またはかかる部分をキメラの末端および内部の双
方の位置に置いてもよい。
【0080】 あるいは、所望により担体分子に結合した、注目されるミオスタチン免疫原を
コードするDNA 配列をクローン化するのではなく合成によって調製してもよい。
DNA 配列は特定の配列に対して適当なコドンを有するよう設計することができる
。さらに免疫原の完全配列を、標準的な方法によって調製された重複オリゴヌク
レオチドから構築し、さらに完全なコード配列へと構築する。例えば、Edge(198
1) Nature 292 : 756; Nambairら(1984) Science 223 : 1299; およびJay ら(1
984) J. Biol. Chem. 259 : 6311を参照。
【0081】 次いでコード配列をin vivo における適当な宿主組織での発現に対する適当な
調節要素の制御下に置く。調節要素の選択は治療する被験体、および使用する製
剤のタイプによるであろう。このように、被験体の内在性転写および翻訳機構を
用いて免疫原を発現させるならば、特定の被験体に適合性のある調節要素が使用
されるだろう。このことについては、哺乳類系に使用する数種のプロモーターが
当技術分野で公知である。例えば、哺乳類細胞発現用の代表的なプロモーターと
しては、特にSV40初期プロモーター、CMV 前初期プロモーターのようなCMV プロ
モーター、マウス乳癌ウイルスLTR プロモーター、アデノウイルス主要後期プロ
モーター(Ad MLP)、および単純ヘルペスウイルスが挙げられる。ネズミの金属結
合タンパク質遺伝子由来のプロモーターのような他の非ウイルスプロモーターも
哺乳類細胞発現のために用途が見出せる。
【0082】 典型的には、転写終結およびポリアデニル化配列も存在しており、翻訳停止コ
ドンの3'に位置しているであろう。好ましくは翻訳開始を最適な状態にする配列
も存在しており、コード配列の5'に位置している。翻訳ターミネーター/ポリア
デニル化シグナルの例としては、Sambrookら、前記、で記載されたようなSV40由
来のもの、ならびにウシ成長ホルモンターミネーター配列が挙げられる。スプラ
イス供与部位および受容部位を含むイントロンを、本発明で使用する構築物へと
設計してもよい。
【0083】 ここでエンハンサー要素を用いて構築物の発現レベルを高めてもよい。例とし
て、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら(1985) EMBO J. 4 : 761)、ラウス
(Rous)肉腫ウイルスの長い末端反復(LTR) 由来のエンハンサー/プロモーター(G
orman ら(1982) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 6777) 、およびCMV イントロ
ンA 配列に含まれる要素のようなヒトCMV 由来の要素(Boshartら(1985) Cell 41 : 521)が挙げられる。
【0084】 一度調製すれば、核酸ワクチン組成物は公知の方法を用いて送達することがで
きる。このことについては、抗原コードDNA による免疫化についての様々な手法
が記載されている。例えば、米国特許第5,589,466 号、Felgner ら; Tangら(199
2) Nature 358 : 152; Davisら(1993) Hum. Molec. Genet. 2 : 1847; Ulmer ら
(1993) Science 258 : 1745; Wangら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:
4156; Eisenbraunら(1993) DNA Cell Biol. 12: 791; Fynanら(1993) Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 90: 12476; Fuller ら(1994) AIDS Res. Human Retrovir. 10 :1433 ; およびRaz ら(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 9519を参照。
リポソーム媒介遺伝子導入のような、続いて宿主へ再導入するための核酸分子を
in vitroで細胞へ送達する一般法を用いることもできる。例えば、Hazinskiら(1
991) Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 4 : 206-209; Brighamら(1989) Am. J.
Med. Sci. 298 : 278-281; Canonico ら(1991) Clin. Res. 39: 219A; およびNa
bel ら(1990) Science 249 : 1285-1288 を参照。このように、核酸ワクチン組
成物は液体か、または粒子形のいずれかで、種々の公知の手法を用いて送達させ
得る。代表的なワクチン組成物については、下記でさらに十分に記載する。
【0085】 5. タンパク質に基づく免疫化方法 ペプチドを基にしたワクチン組成物は、当業者には公知の種々の方法を用いて
作製することができる。特に、ミオスタチン免疫原を、標準精製法を用いて天然
源から直接単離してもよい。あるいは、免疫原を前記核酸発現系を用い、組換え
によって作製し、公知の手法を用いて精製してもよい。またペプチド免疫原も記
載のアミノ酸配列または注目される1 分子のDNA 配列由来のアミノ酸配列に基づ
いて、固相ペプチド合成のような化学的ポリマー合成を用いて合成することがで
きる。かかる方法は当業者には公知である。例えば、固相ペプチド合成手法に関
しては、J. M. Stewart およびJ. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis,
2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, IL (1984),ならびにG. Barany お
よびR. B. Merrifield, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, editor
s E. GrossおよびJ. Meienhofer, Vol.2, Academic Press, New York, (1980),
pp.3-254, さらに標準的な溶液合成に関しては、M. Bodansky, Principles of P
eptideSynthesis, Springer-Verlag, Berlin (1984) 、ならびにE. Grossおよび
J. Meienhofer, Eds., The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, 前記,
Vol.1,を参照。
【0086】 またペプチド免疫原をそれに対するコード配列をいずれの適当な発現ベクター
またはレプリコンへクローン化することによって作製してもよい。多数のクロー
ニングベクターが当業者には公知であり、適当なクローニングベクターの選択が
特に問題となる。クローニング用の組換えDNA ベクター、およびそれらが形質転
換し得る宿主細胞の例として、バクテリオファージλ(大腸菌(E.coli))、pBR3
22(大腸菌)、pACYC177(大腸菌)、pKT230(グラム陰性菌)、pGV1106 (グラ
ム陰性菌)、pLAFR1(グラム陰性菌)、pME290(大腸菌でないグラム陰性菌)、
pHV14 (大腸菌および枯草菌(Bacillus subtilis) )、pBD9(バチルス(Bacillu
s))、pIJ61 (放線菌(Streptomyces))、pUC6(放線菌)、YIp5( サッカロミセ
ス(Saccharomyces) )、YCp19(サッカロミセス)およびウシ乳頭腫ウイルス(哺
乳類細胞)が挙げられる。一般的には、DNA Cloning: Vols. I & II,前記; Samb
rookら, 前記; B. Perbal,前記を参照。
【0087】 例えば、マウス、ラット、ヒト、ヒヒ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリおよび
シチメンチョウを含む多くの脊椎動物由来のミオスタチンのコード配列を決定し
た。例えばネズミのミオスタチンのヌクレオチド配列については米国特許第5,82
7,733 号およびNCBI受託番号U84OC5;ヒトのミオスタチンのヌクレオチド配列に
ついては米国特許第5,827,733 号、国際公報No.WO98/33887 号およびNCBI受託番
号AFO19627;ウシのミオスタチンのヌクレオチド配列については本明細書の図16
A 、ならびに国際公報No.WO99/02667 およびWO98/33887号、およびNCBI受託番号
AFO19620;ミノカサゴのミオスタチンのヌクレオチド配列についてはNCBI受託番
号AFO19626;ラット(NCBI受託番号AFO19624も参照)、ヒヒ(NCBI受託番号AFO1
9619も参照)、ブタ(NCBI受託番号AFO19623も参照)、ヒツジ(NCBI受託番号AF
O19622も参照)、ニワトリ(NCBI受託番号AFO19621も参照)、およびシチメンチ
ョウ(NCBI受託番号AFO19625も参照)のミオスタチンのヌクレオチド配列につい
ては国際公報No.WO98/33887 号を参照。ミオスタチン配列はこれらの種のすべて
の間で高度に保持されている。
【0088】 所望のミオスタチンペプチドをコードするこれらの配列の部分、および要すれ
ば、担体タンパク質をコードする配列をクローン化し、単離して、当技術分野で
は一般的に公知である組換え技術を用いてともに連結することができる。例えば
、Sambrookら、前記、を参照。 遺伝子をプロモーター、リボソーム結合部位(細菌発現用)および、所望によ
りオペレーターの制御下に置くことができ、その結果注目されるDNA 配列が適当
な形質転換細胞によりRNA に転写される。コード配列はシグナルペプチドまたは
リーダー配列を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。ペプチド免疫原は、例
えば大腸菌tac プロモーターまたはプロテインA 遺伝子(spa) プロモーターなら
びにシグナル配列を用いて発現することができる。リーダー配列は翻訳後プロセ
ッシングにおいて細菌宿主によって除去することができる。例えば、米国特許第
4,431,739; 4,425,437; 4,338,397 号を参照。また前記のもののような補助的配
列も存在すると考えられる。
【0089】 制御配列に加え、宿主細胞の増殖に関連する免疫原配列の発現を調節し得る調
節配列を加えることが望ましいであろう。調節配列については当業者は公知であ
り、その例として調節化合物の存在を含む、化学的または物理的刺激に応じてス
イッチが入るかまたは切れるであろう遺伝子の発現をもたらすものが含まれる。
他のタイプの調節要素、例えば、エンハンサー配列もベクターに存在し得る。
【0090】 発現ベクターは、特定のコード配列が適当な制御配列を有したベクターに位置
するように構築され、制御配列に関するコード配列の位置制御および配向は、コ
ード配列が制御配列の「制御」下で転写されるようなものである(すなわち、制
御配列でDNA 分子と結合するRNA ポリメラーゼはコード配列を転写する)。特定
のミオスタチン免疫原をコードする配列の改変はこの末端で行うことが望ましい
であろう。例えば、幾つかの場合では適当な配向で制御配列に結合できるように
;すなわち読み取り枠を維持するために配列を改変する必要があろう。制御配列
および他の調節配列を、前記のクローニングベクターのようなベクターへの挿入
に先立ち、コード配列に結合してもよい。あるいは、コード配列を直接、すでに
制御配列および適当な制限部位を含んでいる発現ベクターへクローン化してもよ
い。
【0091】 いくつかの場合では、後の分泌シグナルの切断によって宿主生物由来の免疫原
の分泌を引き起こす配列を加えることが望ましいであろう。また免疫原の変異体
または類似体を作製することも望ましいであろう。変異体または類似体について
は、免疫原をコードする配列の一部、また存在するのであれば所望の担体分子を
コードする配列の一部を欠失させることによって、配列の挿入によって、および
/または配列内の1 以上のヌクレオチドを置換することによって作製してもよい
。特定部位の突然変異誘発などのようなヌクレオチド配列改変手法は当業者には
周知である。Sambrookら, 前記; DNA Cloning: Vols. Iおよび II,前記; Nuclei
c Acid Hybridization, 前記; Kunkel, T. A. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (19
85) 82: 448; Geisselsoder ら BioTechniques (1987) 5 : 786; Zoller および
Smith, Methods Enzymol. (1983) 100 : 468; Dalbie-McFarland ら Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA (1982) 79: 6409を参照。
【0092】 ミオスタチン免疫原は、昆虫、哺乳類、細菌、ウイルスおよび酵母発現系を含
む、すべて当技術分野では周知である幅広い種類の系で発現させることができる
。例えば、バキュロウイルス系のような昆虫細胞発現系は当業者には公知であり
、例えばSummers およびSmith, Texas Agricultural Experiment StationBullet
in No.1555 (1987) に記載されている。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系につ
いての材料および方法は、とりわけInvitrogen, San Diego CAからキットの形で
(「MaxBac」キット)商業的に入手可能である。同様に、細菌および哺乳類細胞
発現系は当技術分野では周知であり、例えばSambrookら, 前記、に記載されてい
る。また酵母発現系も当技術分野では公知であり、例えばYeast Genetic Engine
ering (Barr ら, eds. 1989) Butterworths, London 、に記載されている。
【0093】 前記の系で使用する数多くの適当な宿主細胞もまた公知である。例えば、哺乳
類細胞系は当技術分野では公知であり、限定されるものではないが、チャイニー
ズハムスター卵巣(CHO) 細胞、HeLa細胞、幼体ハムスター腎(BHK) 細胞、サル腎
(COS) 細胞、ヒト肝細胞性癌細胞(例えばHep G2)、Madin-Darby ウシ腎("MDBK
")細胞、ならびに他のもののようなAmerican Type Culture Collection (ATCC)
から入手可能な不死性を与えられた細胞系が含まれている。同様に、大腸菌、枯
草菌、および連鎖球菌(Streptococcus spp.)のような細菌宿主がこの発現構築物
とともに使用されることが明らかであろう。本発明に有用である酵母宿主には、
とりわけサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、カンジダ・
アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa) 、
ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセス・フラギ
リス(Kluyveromyces fragilis)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces l
actis)、ピキア・ギルリモンディー(Pichia guillerimondii) 、ピキア・パスト
リス(Pichia pastoris) 、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces p
ombe) 、およびヤローウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica) が挙げられる
。バキュロウイルス発現ベクターにとともに使用する昆虫細胞には、とりわけシ
マカ属(Aedes aegypti) 、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa califo
rnica)、カイコガ(Bombyx mori) 、キイロショウジョウバエ(Drosophila melano
gaster) 、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda) 、およびトリ
コプラシア・ニ(Trichoplusia ni) が挙げられる。
【0094】 選択された発現系および宿主に依存して、免疫原を発現させる条件下で前記の
発現ベクターにより形質転換した宿主細胞を増殖させることによってミオスタチ
ン免疫原を産生させる。次いで発現した免疫原を宿主細胞から単離し、精製する
。発現系が免疫原を増殖培地に分泌する場合には、その産物を培地から直接精製
できる。それが分泌されない場合、細胞溶解液から単離できる。好適な増殖条件
および再生方法の選択は当技術の範囲内である。
【0095】 一度、得られたならば、組み合わせた担体とともに、またはなしで、ミオスタ
チンペプチドをさらに下記にて記載するワクチン組成物のようなワクチン組成物
へ配合して、被験脊椎動物において抗体産生を誘導し得る。 6. 抗体産生 被験体のミオスタチンペプチドを用い、受動免疫法に使用するための、または
免疫精製もしくは免疫透析を目的とした抗体を産生させることができる。典型的
には、抗体産生に有用なペプチドは通常少なくとも約3 〜5 個のアミノ酸の長さ
であり、好ましくは7 〜10個のアミノ酸の長さであり、最も好ましくは少なくと
も約10〜15個のアミノ酸の長さまたはそれを超えるであろう。
【0096】 被験体の免疫原に対する抗体には、ポリクロナールおよびモノクロナール抗体
調製物、単一特異性抗血清、ならびにハイブリッド抗体、修飾抗体、F(ab')2
ラグメント、F(ab) フラグメント、F v フラグメント、単一ドメイン抗体、キメ
ラ抗体、ヒト化抗体、およびその機能的断片を含む調製物が含まれており、これ
らは問題の標的分子に対する特異性を保持している。例えば、抗体には可変領域
または可変領域の断片が含まれており、これらは問題の分子に対する特異性を保
持している。残りの抗体は、その種において抗体を使用するであろう種から誘導
できる。よって、ヒトにおいて抗体を使用するつもりであれば、その抗体を「ヒ
ト化」して依然として活性を保持している免疫原性を低下させることができる。
キメラ抗体の記載については、例えばWinter, G.および Milstein, C. (1991) N
ature 349 : 293-299; Jones, P. T. ら (1986) Nature 321 : 522-525; Riechm
ann, L. ら (1988) 332 : 323-327;およびCarter, P.ら (1992) Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 89: 4285-4289 を参照。かかるキメラ抗体は標的分子の化合部位
だけでなく、他のタンパク質の結合部位を含んでいてもよい。このように、抗原
の外部および内部の双方に対する特異性を標的化して、二官能価試薬を生成させ
ることができる。
【0097】 ポリクロナール抗体が望まれる場合には、選択された哺乳類(例えば、マウス
、ウサギ、ヤギ、ウマなど)を所望の抗原もしくはその断片、または前記の変異
抗原によって免疫化する。免疫化に先立ち、特定の免疫原の免疫原性をさらに高
めることが望ましいであろう。これについては当業者に公知のいくつかの方法の
うちいずれか1 つにおいて達成できる。
【0098】 例えば、抗体産生に関わる免疫化は、一般に、タンパク質を生理食塩水のよう
な適当な賦形剤、好ましくはフロイントの完全アジュバントまたは下記のいずれ
のアジュバントのようなアジュバント中で混合または乳化し、その混合物または
エマルションを非経口的に(一般に、皮下または筋肉内に)注入することによっ
て行われる。一般に、動物を2 〜6 週間後、生理食塩水中のタンパク質を、好ま
しくはフロイントの不完全アジュバントなどを用いて1 回以上注入して抗原投与
する。また抗体は当技術分野で公知な方法を用いるin vitro免疫化によって産生
してもよい。次いでポリクロナール抗血清を免疫動物から得て、公知の手順に従
って処理する。例えば、Jurgens ら (1985) J. Chrom. 348 : 363-370 を参照。
ポリクロナール抗体を含む血清を使用する場合には、ポリクロナール抗体を免疫
アフィニティークロマトグラフィーによって公知の手順を用いて精製することが
できる。
【0099】 一般に、モノクロナール抗体はKohlerおよびMilstein, Nature (1975) 256 :
495-96の方法、またはその変法を用いて調製する。典型的には、マウスまたはラ
ットが前記のように免疫化される。しかしながら、動物から採血して血清を抽出
するより脾臓(および所望により幾つかの大リンパ節)を除去して、単細胞へと
解離させたほうがよい。要すれば、細胞懸濁液をタンパク質抗原を被覆したプレ
ートまたはウエルに塗布して脾臓細胞をスクリーニングしてもよい(非特異的付
着細胞を除去した後)。抗原に特異的な膜結合型免疫グロブリンを発現するB 細
胞はプレートに結合し、残りの懸濁液と共に洗い流されることはない。次いで得
られたB 細胞またはすべての解離脾臓細胞が骨髄腫細胞と融合するよう誘導して
ハイブリドーマを形成させ、選択培地(例えば、ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン培地、「HAT 」)で培養する。得られたハイブリドーマを制限希釈
によってプレートに塗布し、特異的に免疫化抗原と結合する(かつ関連のない抗
原とは結合しない)抗体の産生に関してアッセイする。次いで選択されたモノク
ロナール抗体分泌ハイブリドーマをin vitro(例えば、組織培養容器または中空
繊維反応器内)か、またはin vivo (例えば、マウスの腹水)のいずれかで培養
する。例えば、M. Schreier ら, Hybridoma Techniques (1980); Hammerling ら
, Monoclonal Antibodies and T-cell Hybridoma (1981); Kennettら, Monoclon
al Antibodies (1980)を参照; また米国特許第4,341,751 号; 同第4,399,121 号
; 同第4,427,783 号; 同第4,444,887 号; 同第4,452,570 号; 同第4,466,917 号
; 同第4,472,500 号; 同第4,491,632 号; および同第4,493,890 号も参照。注目
されるミオスタチンペプチドまたはその断片に対して産生されるモノクロナール
抗体のパネルを様々な特性、すなわち同位元素、エピトープ、アフィニティーな
どについてスクリーニングすることができる。
【0100】 また抗体の機能的断片も注目されるミオスタチンペプチドに対して産生させる
ことができ、そして、例えば、ペプシンを用いて、抗原結合をする能力のない不
変部を抗体分子から切断してF(ab')2 フラグメントを生成することにより得るこ
とができる。これらの断片には2 つの抗原結合部位が含まれているが、各H 鎖の
不変部の一部を欠いている。同様に、要すれば例えば、ポリクロナール抗体また
はモノクロナール抗体をパパインで消化して、単一抗原結合部位を含んでなるFa
b フラグメントを得ることができる。H 鎖およびL 鎖の可変部のみを含んだ機能
的フラグメントも標準的な技術を用いて得ることができる。これらのフラグメン
トはF v として知られている。
【0101】 またキメラまたはヒト化抗体を被験体免疫原を用いて産生させることができる
。一般的にモノクロナール抗体およびポリクロナール抗体に存在する異種構造不
変部および種特異的フレームワーク可変部をもたらす、所望されていない免疫学
的反応を最小にするように、これらの抗体を設計することができる。例えば、抗
体をヒト被験体に使用しようとする場合には、当技術分野では一般的に公知な技
術を用いて、H 鎖およびL 鎖か、またはその双方の非ヒト不変部をヒト不変部と
置き換えることによって、キメラ抗体を作製することができる。例えばWinter,
G.および Milstein, C. (1991) Nature 349 : 293-299; Jones, P. T. ら (1986
) Nature 321 : 522-525; Riechmann, L.ら (1988) 332 : 323-327;およびCart
er, P.ら (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4285-4289 を参照。
【0102】 7.ワクチン組成物 一度、前記の分子が得られば、それらを脊椎動物被験体に送達するためのワク
チン組成物へと処方する。関連するミオスタチン分子を単独で投与するか、また
は医薬上許容されるビヒクルもしくは賦形剤と混合する。好適なビヒクルには、
例えば水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなど、およびその
組合せがある。さらに、ビヒクルには湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝剤、または
ワクチンの効力を高めるアジュバントのような補助物質が少量含まれていてもよ
い。好適なアジュバントについては下記でさらに記載している。かかる投与形の
実際の製造方法は当業者に公知であるか、または明らかである。例えば、Reming
ton's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylv
ania, 18版, 1990を参照。投与しようとする組成物または製剤には、治療する被
験体において所望の免疫化状態を達成するに十分なミオスタチン免疫原量が含ま
れている。
【0103】 前記のように、本発明のワクチン組成物にはミオスタチン免疫原の免疫原性を
さらに高めるアジュバントが含まれていてもよい。アジュバントには、例えば乳
化剤、ムラミルジペプチド、アブリジン、水酸化アルミニウム、油、サポニンお
よび当技術分野で公知の他の物質が挙げられる。例えば、本明細書において乳化
剤の役割を果たすであろう化合物には、天然および合成乳化剤、ならびに陰イオ
ン、陽イオンおよび非イオン化合物が挙げられる。合成化合物のうち、陰イオン
乳化剤には、例えばラウリン酸およびオレイン酸のカリウム、ナトリウム、なら
びにアンモニウム塩、脂肪酸のカルシウム、マグネシウム、ならびにアルミニウ
ム塩(すなわち金属石鹸)、および硫酸ラウリルナトリウムのような有機スルホ
ン酸塩が挙げられる。合成陽イオン薬剤には、例えば臭化セチルトリメチルアン
モニウムが挙げられ、合成非イオン薬剤では、グリセリルエステル(例えば、グ
リセリルモノステアレート)、ポリオキシエチレングリコールエステルならびに
エーテル、およびソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノパルミテ
ート)ならびにそのポリオキシエチレングリコール誘導体(例えば、ポリオキシ
エチレングリコールソルビタンモノパルミテート)が例示される。天然乳化剤に
は、アラビアゴム、ゼラチン、レシチンおよびコレステロールが挙げられる。
【0104】 他の適当なアジュバントを単一油、油の混合物、油中水エマルションまたは水
中油エマルションのような油成分とともに形成することができる。油は鉱油、植
物油、または動物油であってよい。鉱油または油成分が鉱油である水中油エマル
ションが好ましい。このことについて、「鉱油」とは、本明細書では蒸留法によ
ってペトロラタムから得られた液体炭化水素の混合物と定義される;この用語は
「流動パラフィン」、「流動ペトロラタム」、および「ホワイト油」と同意語で
ある。また、この用語は「軽油」、すなわちペトロラタムの蒸留によって同様に
得られるが、ホワイト油よりわずかに比重が低い油、を含めることを意図する。
例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,前記、を参照。
【0105】 特に好ましい油成分は、MVP Laboratories, Ralston, Nebraska から入手可能
なEMULSIGEN PLUS(商標)の商用名で売られている水中油エマルション(軽油、
ならびに0.05% ホルマリン、および30mcg/mLゲンタマイシン(防腐剤として)を
含む)、またはEMULSIGEN PLUS(商標)アジュバントの改良型であるVSA-3 アジ
ュバントである。好適な動物油には、例えばタラ肝油、オヒョウ油、ニシン油、
オレンジラフィー(roughy)油およびサメ肝油が挙げられ、これらはすべて商業的
に入手可能である。好適な植物油には、限定されるものではないが、カノーラ油
、扁桃油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、紅花油、ゴマ油、
大豆油などが挙げられる。
【0106】 また、いくつかの脂肪族窒素塩基をアジュバントとしてワクチン製剤とともに
用いることができる。例えば公知の免疫学的アジュバントとしては、アミン、第
四アンモニウム化合物、グアニジン、ベンズアミジン、およびチオウロニウム(G
all, D. (1966) Immunology 11:369-386) が挙げられる。特異な化合物には、臭
化ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA) (Kodak から入手可能)、および
N,N-ジオクタデシル-N,N- ビス(2- ヒドロキシエチル) プロパンジアミン( 「ア
ブリジン」) が挙げられる。DDA の免疫学的アジュバントととしての使用につい
ては、既に記載されている;the Kodak Laboratory Chemicals Bulletin 56(1):
1-5 (1986); Adv. Drug Deliv. Rev. 5 (3): 163-187 (1990); J. Controlled
Release 7 : 123-132 (1988); Clin. Exp. Immunol. 78(2): 256-262 (1989);
J. Immunol. Methods 97(2): 159-164 (1987); Immunology 58(2): 245-250
(1986); およびInt. Arch. Allergy Appl. Immunol. 68(3): 201-208 (1982) を
参照。またアブリジンもよく知られたアジュバントである。例えば、米国特許第
4,310,550 号、一般的なN,N-高級アルキル-N',N'- ビス(2- ヒドロキシエチル)
プロパンジアミン、および特にワクチンアジュバントとしてのアブリジンの使用
について記載している、Wolff, IIIら、を参照。また米国特許第5,151,267 号、
Babiuk、およびBabiukら (1986) Virology 159 : 57-66 、もワクチンアジュバ
ントとしてのアブリジンの使用について関連している。
【0107】 また本発明のワクチン組成物には、薬理学的薬剤のような補助的物質、サイト
カイン、または他の生物学的応答調節物質を含んでもよい。他の補助的物質には
、限定されるものではないが、成長ホルモン、成長促進剤、βアンタゴニスト、
分割剤(partitioning agent)、および抗生物質のような体重増加、筋肉質量また
は筋肉強度を高める物質が挙げられる。
【0108】 注入に先立ち、通常、本発明のワクチンを注射可能な、液体、溶液もしくは懸
濁液か、または液体ビヒクル中の溶液もしくは懸濁液に適する固体状のいずれか
として調製する。また、その調製物を乳化するか、または活性成分をリポソーム
ビヒクルまたは使用する他の粒子担体内にカプセル化してもよい。 またワクチン組成物を固体状で調製してもよい。例えば、固体粒子製剤は、商
業的に入手可能な注射針の不用な注入装置から送達するために調製してもよい。
また固体投与移植片を被験体へ植埋するための提供してもよい。
【0109】 制御放出または徐放性製剤を使用してもよく、ミオスタチン免疫原を、リポソ
ームのような担体またはビヒクル、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびHytrel
(登録商標)コポリマーのような非再吸収性不浸透性ポリマー、ヒドロゲルのよ
うな膨潤性ポリマー、またはコラーゲンのような再吸収性ポリマー、および再吸
収性縫合糸を作製するのに使用するもののような特定のポリ酸またはポリエステ
ル、に組み込むことによって作製する。
【0110】 さらに免疫原を中性か、または塩のいずれかの形のワクチン組成物へ配合して
もよい。医薬上許容される塩には、酸添加塩(活性ポリペプチドの遊離アミノ基
によって形成される)が挙げられる。これは例えば、塩酸もしくはリン酸のよう
な無機酸、また酢酸、蓚酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸を用いて形
成される。遊離カルボキシル基から形成した塩は、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第2鉄の
ような無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミ
ノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導してもよ
い。
【0111】 ワクチン組成物が有効量のミオスタチン免疫原を含むように処方してもよい。
その正確な量は当業者によって容易に決定され、その量は治療される動物、抗体
を合成する動物免疫系の能力、および所望のミオスタチン免疫中和の程度によっ
て決められる。本発明の目的のために投与する場合、注入液用量当たり約1 μg
〜約1mg 、さらに一般的には約5 μg 〜約200 μg の免疫原を含むワクチン製剤
は免疫応答を高めるに十分であろう。ペプチド担体キメラを使用する場合、ワク
チン製剤中の免疫原と担体の割合はかかる分子を構築する選択された特定の担体
および免疫原に基づき異なるであろう。有効量は当技術分野の通常の技術の1 つ
によって、用量作用曲線を確立する通常の試験で容易に確認できる。
【0112】 前記のワクチン組成物の1 つを、少なくとも1 回用量、好ましくは2 回以上の
用量で投与して被験体を免疫化する。さらに、免疫状態を維持するのに必要な回
数の用量を動物に投与してもよい。 適当な薬剤送達手段のいずれを用いて、ワクチン組成物を脊椎動物被験体へ送
達してもよい。例えば、通常のニードルシリンジ、スプリング、または圧縮ガス
(空気)注入器( 米国特許第1,605,763 号, Smoot;同第3,788,315 号, Laurens;
同第3,853,125 号, Clark ら; 同第4,596,556 号, Morrowら; および同第5,062,
830 号, Dunlap) 、液体噴射式注入器( 米国特許第2,754,818 号, Scherer;同第
3,330,276 号, Gordon; および同第4,518,385 号, Lindmayer ら) 、および粒子
注入器( 米国特許第5,149,655 号, McCabeら; および同第5,204,253 号, Sanfor
d ら) はすべてワクチン組成物の送達に適当である。
【0113】 好ましくは、ワクチン組成物を被験体へ筋肉内、皮下、静脈内、皮下、または
皮内に注入する。噴射式注入器を使用する場合、液体ワクチン組成物を1 回、高
圧および高速下で、例えば、1200ないし1400PSI で噴射させ、それにより皮膚内
に開口部を設けて、免疫化に適した深さまで浸透させる。 下記は、本発明を行うための特定の実施例である。これらの実施例は単に例示
のために示されるものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。 C.実験 実施例1 免疫原ミオスタチンペプチドの同定 ウシのミオスタチン分子の多数の領域を種々のコンピュータープログラムを用
いる全長分子のコンピューター解析に基づいて可能性ある免疫原として同定した
。用いた1つのプログラムは20個のアミノ酸それぞれの疎水性および親水性に基
づいてタンパク質のアミノ酸配列からハイドロパシー度を定式化した。Hoppおよ
びWoods, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1981) 78:3824-3828。図17は6 個のア
ミノ酸の平均基長を用いてコンピューター処理した親水性プロフィールを示す。
ミオスタチン分子の親水性の3 つの最高点が、タンパク質分解切断部位にわたり
、かつ、アミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Arg-Arg-Asp(配列番号37) を有するアミノ酸
位置263 〜268 、アミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Val-Glu-Lys-Glu(配列番号38) を有
する31〜37位置、アミノ酸配列Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-Asp(配列番号39) を有する
106 〜111 位置に見られる。
【0114】 また、タンパク質の解析はプログラムPCD/Gene, Release 6.60 (Intelligenet
ics Inc., Geneva, Switzerland)を用いても行った。ミオスタチンタンパク質の
3 次元解析は、Swiss-Pdb Viewer v2.6 (http://expasy.hcuge.ch/spdbv/mainpa
ge.html)を用いて行った。 この情報から一連の代表的なDNA オリゴマーを設計し、ホスホルアミダイト化
学を用いてBeckman Oligo 1000M DNA シンセサイザーで構築した。そのオリゴマ
ーをMYOS 1〜20と名付けた。MYOS 1、3 、5 、7 、9 、11、13、15、17および19
(それぞれ図2 〜11に示されている)はDNA のコード鎖部分を含み、一方、MYOS
2、4 、6 、8 、10、12、14、16、18および20は相補鎖部分を含む。全長ミオス
タチン分子に対するこれらのペプチドの位置は図12に示されている。
【0115】 DNA オリゴマーは担体分子との結合のための2 つのアミノ酸リンカーによって
フランクされた12〜23個のアミノ酸を有するペプチドをコードしていた(さらに
以下を参照のこと)。これらのペプチドはひとかたまりでタンパク質の全活性部
分、ならびに活性タンパク質を放出するタンパク質分解切断部位の上流の3 つの
別個のセクションを表した。
【0116】 特に、コンピューター解析に基づいて活性タンパク質の3 つの部分を主要な免
疫標的として選択した。第1 部分をMYOS 1および2 と表すオリゴヌクレオチド対
を組み合わせることによって調製し、それはタンパク質分解切断部位および活性
タンパク質のN 末端を含むものであった。MYOS 1はHoppおよびWoods のコンピュ
ータープログラムを用いて最も高い抗原決定評価を与えた( 図17を参照) 。ミオ
スタチンの活性部分の3 次元解析によって、MYOS 1ペプチドがタンパク質表面に
曝されており、それゆえ免疫系に認識されるようであることが示された。MYOS 1
もまたタンパク質分解切断部位に重なっており、それはタンパク質の活性部分を
遊離する。それに対する抗体を用いてこの部位をブロッキングすることによって
、タンパク質の切断およびタンパク質の活性部分の遊離を妨げて、筋肉組織上で
のその作用を妨げる。
【0117】 それらは3 次元構造解析に基づくとループおよびらせんを形成すると思われる
ので、活性タンパク質の他の2つのセグメント(MYOS 5 および6 ならびにMYOS 9
および10) を選択した。このループ構造はおそらくタンパク質表面に曝されてお
り、それゆえ免疫系に認識され得る。分子のこれらの部分に対して作製された抗
体はおそらくミオスタチンタンパク質に結合し、循環からそれを取り除く。タン
パク質の残りの活性部分はオリゴヌクレオチド対(MYOS 3および4 、MYOS 7およ
び8 、MYOS 11 および12、MYOS 13 および14)から再構築した。全活性部分を使
用により、適当な3 次元構造が効果的な免疫応答を誘発することを確認する。可
能性のある抗原エピトープのコンピューター解析に基づいて、タンパク質の活性
部分の上流領域の1 つ(MYOS 15 および16)を選択した。その部位と結合する抗
体がプロテアーゼ活性を妨害するために、タンパク質の他の2 つの上流部分を、
タンパク質分解切断部位(切断部位および切断部位のすぐ上流のアミノ酸を含む
MYOS 19 および20)を含むように、またはそれ(MYOS 17 および18)に近くなる
ように選択した。
【0118】 その他の公知のタンパク質配列との比較によれば、ミオスタチンは他の形質転
換増殖因子βタンパク質と相同な領域を有する。骨形態形成タンパク質6(BMP-6)
はミオスタチンの活性部分の中央およびC 末端領域と多くの相同性を有する。 実施例2 pCB150の構築 上記オリゴマーを、本明細書で「LKT 114 」と呼ばれる52kDa のロイコトキシ
ン(LKT) 担体タンパク質をコードするポリヌクレオチドの3'末端と融合するよう
に設計した。このポリヌクレオチドは、米国特許第5,837,268 号に記載されてい
るプラスミドpCB114中に存在するlktA遺伝子に由来するものであった。このプラ
スミド、この遺伝子のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は本明細書
中の図15A 〜15D に示されており、また米国特許第5,837,268 号に記載されてい
る。この遺伝子は約1300bp長の内部DNA 断片の除去によってプラスミドpAA352(A
TCC 受諾番号68283 および米国特許第5,476,657 号に記載) 中に存在する組換え
ロイコトキシン遺伝子から開発した短鎖型のロイコトキシンをコードする。LKT
114 ポリペプチドは52kDa の分子量であると評価され、本発明の融合タンパク質
を産生するのに用いられる便利な再構築部位を含んでいる。
【0119】 MYOSオリゴヌクレオチドがクローン化されるLKT 114 のコード配列を含むプラ
スミドpCB150は以下のように調製した。米国特許第5,476,657 号および同第5,83
7,268 号の記載のようにロイコトキシン遺伝子を単離した。特にロイコトキシン
遺伝子を単離するために標準技術を用いてP.ヘモリチカA1(B122 系統) の遺伝子
ライブラリーを構築した。Loら, Infect. Immun., 前記; DNA CLONING:第I およ
びII巻, 前記; およびSambrookら, 前記を参照。ゲノムライブラリーをプラスミ
ドベクターpUC13 中で構築し、DNA ライブラリーをバクテリオファージλ gtl1
中で構築した。得られたクローンを用いて大腸菌(E.coli) を形質転換し、個々
のコロニーをプールし、P.ヘモリチカ感染で生存し、抗ロイコトキシン抗体レベ
ルを高めるためにP.ヘモリチカの培養上清を濃縮して抗原投与した子牛由来の血
清との反応についてスクリーニングした。細胞溶解物をウシ好中球とともにイン
キュベートし、次ぎに後者からの乳酸脱水素酵素の放出を測定することにより、
陽性コロニーをそれらのロイコトキシン産生能についてスクリーニングした。
【0120】 いくつかの陽性コロニーを同定し、これらの組換え体を制限エンドヌクレアー
ゼマッピングによって解析した。1つのクローンはこれまでにクローン化したロ
イコトキシン遺伝子と同一であると考えられた。Loら, Infect. Immun., 前記を
参照。このことを確認するために、より小さい断片を再びクローン化し、制限地
図を比較した。DNA の約4 キロ塩基対がクローン化されていたことが分かった。
約8kb 長の全長組換え体を単離するために、染色体ウォーク(5' から3'の方向)
を行うことによって次第により大きいクローンを同定した。最終構築体をpAA114
と名付けた。この構築体は全ロイコトキシン遺伝子配列を含むものであった。
【0121】 全ロイコトキシン遺伝子を含んだpAA114由来のMaeI制限エンドヌクレアーゼ断
片であるlktAを、DNA ポリメラーゼI のクレノウ断片およびヌクレオチド三リン
酸で処理し、クローニングベクターpUC13 のSmaI部位に連結した。このプラスミ
ドをpAA179と名付けた。これから2 つの発現構築体をSmaIで消化したptacに基づ
くベクターpGH432:lacI で作出した。一方のpAA342はlktA遺伝子の5'-AhaIII 断
片からなり、他方のpAA345は前述の全MaeI断片を含むものであった。クローンpA
A342は末端切断型ロイコトキシンペプチドを高レベルで発現したが、pAA345は全
長ロイコトキシンを極めて低レベルでしか発現しなかった。それゆえlktA遺伝子
(pAA345 由来のStyI BamHI断片) の3'末端をStyI BamHIで消化したpAA342に連結
すると、プラスミドpAA352が得られた。pAA352構築体から生産されたP.ヘモリチ
カのロイコトキシンを以降LKT 352 と呼ぶ。
【0122】 次いでプラスミドpAA352を用いて短鎖型の組換えロイコトキシンポリペプチド
を調製した。以下のように組換えLKT 遺伝子から約1300bp長の内部DNA 断片を削
除することによって短鎖型LKT 遺伝子を作製した。LKT 352 ポリペプチドを含む
プラスミドpCB113(ATCC 受諾番号69749 および米国特許第5,837,268 号に記載)
を制限酵素BstB1(New England Biolabs)で消化した。次いで得られた線状化プラ
スミドをマングマメのヌクレアーゼ(Pharmacia) で消化し、BstB1 消化によって
生じた1 本鎖の突出末端を除去した。次いで平滑化DNA を制限酵素Nae1(New Eng
land Biolabs) で消化し、消化したDNA を1%アガロースゲルに添加し、そこでDN
A 断片を電気泳動によって分離した。約6190bpの大きいDNA 断片を単離し、ジー
ン・クリーンキット(Bio 101) を用いてアガロースゲルから精製し、さらにこの
精製断片をバクテリオファージT4 DNAリガーゼ(Pharmacia) を用いてそれ自身に
連結した。得られた連結混合物でコンピテント大腸菌JM105 細胞を形質転換し、
適当な分子量を有するタンパク質塊を産生するそれらの能力によって陽性クロー
ンを同定した。このようにして形成した組換えプラスミドはpCB114( 米国特許第
5,837,268 号に記載) と表示され、「LKT 114 」と呼ばれる短鎖型ロイコトキシ
ンポリペプチドを産生する。
【0123】 次いでプラスミドpCB114を用いてプラスミドpSLKT-30を作製した。PCR によっ
てpCB114由来のロイコトキシンをコードする断片をプラスミドpAA352(ATCC 受諾
番号68283 および米国特許第5,476,657 号に記載) にクローン化することにより
、プラスミドpSLKT-30を作製した。このことを行うにあたり、C 末端付近で突然
変異が導入され、その結果、天然のロイコトキシン分子に2 個のアミノ酸変異が
生じた。このように、影響を受けた領域のPCR 断片をプラスミドpSLKT-30にもう
一度クローン化した。具体例には、pSLKT-30由来の断片を上流PCR プライマーと
してLKT6( 配列番号40) を用い、下流PCR プライマーとしてLKT13(配列番号41)
を用いてPCR により作出した。 LKT6: TTA GAG AGT TAT GCC GAA CGC(配列番号40); LKT13: GAT GCC ATC GCT AGC TAG CTA GGA TTC CCT AGC AAA TTC AAG AGA AGA T
AA ACT TTG ATC CAA CAT TGA( 配列番号41) 。
【0124】 この断片は所望の変異ならびにNsi1およびNco1制限部位を含むものであった。
この単離断片を制限酵素Nsi1およびNco1で消化し、それはプラスミドpSLKT-30で
あった。Nsi1/Nco1 断片をプラスミドから除去してPCR 断片で置換すると、その
結果突然変異が起こって元の配列に戻った。このプラスミドをpCB150と呼んだ。
プラスミドpCB150の図式は図14に示されている。プラスミドPCB150由来のLKT 11
4 の核酸配列は図15A 〜15D に示されている。
【0125】 実施例3 LKT-ミオスタチンペプチドの多量体融合物の構築 実施例1 に記載された各オリゴマー対の多重コピーを用いてLKT 114 遺伝子に
連結したミオスタチンペプチド多量体に対するコード配列のタンデム反復を調製
した。また、タンパク質の全活性部分も再構築し、免疫化剤として用いるために
LKT 114 と融合させた。
【0126】 代表的なLKT-ミオスタチンペプチド融合体を以下のように構築した。実施例1
由来のオリゴヌクレオチド対をアニーリングし、制限エンドヌクレアーゼHincII
で消化したベクターpUC19(Pharmacia)に連結した。連結したDNA で大腸菌TOP10F
' 系統(Imvitrogen)を形質転換した。オリゴヌクレオチド挿入体を含む形質転換
体をPCR および制限エンドヌクレアーゼマッピングにより同定した。
【0127】 一方のオリゴヌクレオチド対の前方末端でBamHI 部位に、オリゴヌクレオチド
対のもう一方のコピーの後方末端でBglII 部位に連結することにより、オリゴヌ
クレオチド対がともに連結するように設計した。連結点の制限部位は反復配列の
前方末端の単一のBglII 部位および反復配列の後方末端の単一のBglII 部位を残
して無効となった。オリゴヌクレオチド含有プラスミドを制限エンドヌクレアー
ゼBamHI およびBglII で消化し、挿入オリゴヌクレオチド断片を遊離させること
により、各オリゴヌクレオチド対のタンデム反復を構築した。次いでこの断片を
オリゴヌクレオチド含有プラスミドに再び連結し、それを制限エンドヌクレアー
ゼBglII で消化した。連結したDNA で大腸菌TOP10F' 系統を形質転換した。オリ
ゴヌクレオチド挿入体の反復を含む形質転換体をPCR および制限エンドヌクレア
ーゼマッピングによって同定した。正しい方向に少なくとも4 つの反復コピーお
よび各オリゴヌクレオチド対の8 までのコピーを含むpUC19 プラスミドが生じる
までこの工程を繰り返す。
【0128】 それら自身に連結することに加え、いくつかのオリゴヌクレオチド対もまた、
ミオスタチンタンパク質の活性領域を、可能な限り接近して再生産するために互
いを連結させるように設計した。BamHI 、BglII で切断したオリゴヌクレオチド
対MYOS 3/4をpUC19 ベクター中のオリゴヌクレオチド対MYOS 1/2の後方のBglII
部位に連結することによってこれを行った。その後、BstBI およびBglII で切断
したオリゴヌクレオチド対MYOS 5/6をBstBI およびBglII で切断した再構築ミオ
スタチン活性領域を含有するベクターに連結した。オリゴヌクレオチド対MYOS 7
/8をBamHI およびBglII で切断し、BglII 部位に再構築ミオスタチン活性領域を
含有するベクターに連結した。
【0129】 オリゴヌクレオチド対MYOS 9/10 を含有するベクターをEcoRI で切断し、pUC1
9 ミオスタチン再構築体由来のEcoRI 断片を連結した。オリゴヌクレオチド対MY
OS 11/12をBamHI およびBglII で切断し、BglII 部位に再構築ミオスタチン活性
領域を含有するベクターに連結した。その後、BsmIおよびBglII で切断したオリ
ゴヌクレオチド対MYOS 13/14を、BsmIおよびBglII で切断した再構築ミオスタチ
ン活性領域を含有するベクターに連結した。これにより、ミオスタチン活性領域
のコード配列の再構築が完了し、それは55〜60、139 〜144 および241 〜246 位
置ならびにC 末端にミオスタチン活性領域配列に挿入された3 組の2 アミノ酸リ
ンカーを含有するものであった( 図13を参照) 。
【0130】 次いで、各オリゴヌクレオチド対の多重コピーおよびミオスタチン活性領域の
再構築体を制限エンドヌクレアーゼBamHI およびBglII による消化によってpUC1
9 プラスミドから遊離させた。次いでこれらのDNA 断片をプラスミドpCB150に連
結した。プラスミドpCB150を制限エンドヌクレアーゼBamHI で消化した。連結し
たDNA で大腸菌TOP10F' 系統を形質転換した。オリゴヌクレオチド挿入体を含む
形質転換体をPCR および制限エンドヌクレアーゼマッピングによって同定した。
組換えプラスミドは、pJS121、pJS122、pJS123、pJS124、pJS125、pJS126、pJS1
27、pJS128、pJS129、pJS130、およびpCB317と表した。
【0131】 プラスミドpJS121はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 1/2の6 反
復コピーを含む。プラスミドpJS122はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド対
MYOS 3/4の8 反復コピーを含む。プラスミドpJS123はLKT 114 と融合したオリゴ
ヌクレオチド対MYOS 5/6の8 反復コピーを含む。プラスミドpJS124はLKT 114 と
融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 7/8の8 反復コピーを含む。プラスミドpJS1
25はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 9/10 の6 反復コピーを含む
。プラスミドpJS126はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 11/12の4
反復コピーを含む。プラスミドpJS127はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド
対MYOS 13/14の6 反復コピーを含む。プラスミドpJS128はLKT 114 と融合したオ
リゴヌクレオチド対MYOS 15/16の4 反復コピーを含む。プラスミドpJS129はLKT
114 と融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 17/18の8 反復コピーを含む。プラス
ミドpJS130はLKT 114 と融合したオリゴヌクレオチド対MYOS 19/20の4 反復コピ
ーを含む。プラスミドpCB317はLKT 114 と融合したミオスタチン活性領域の再構
築体の単一コピーを含む。
【0132】 実施例4 LKT-ミオスタチンペプチド融合体の精製 上記由来の組換えLKT-ミオスタチンペプチド融合体タンパク質を包接体として
発現させ、以下の手順を用いて精製した。各凍結保存物由来の細胞ループを50ml
のエルレンメイヤーフラスコ中の10mlのTBブロスに接種した。このTBブロスに10
0 μg/mlのアンピシリンを添加し、37℃で12〜16時間、250rpmのInnova 4000 振
盪器でインキュベートした。この培養物を用いて4Lのエルレンメイヤーフラスコ
中の1 リットルのTBブロスに接種した。このTBブロスに100 μg/mlのアンピシリ
ンを添加し、37℃で約3 時間、250rpmのInnova 4000 振盪器でインキュベートし
た。次いで1ml の1M IPTG(イソプロピル-B,D- チオガラクトピラノシド) 溶液を
培養物に添加して組換えタンパク質の産生を誘導した。その後、培養物をさらに
2 時間インキュベートした。Avanti J25遠心分離機中のJA 10 ローターを用いて
3X 500mlのポリプロピレン瓶で6000rpm にて10分間遠心分離することにより細胞
を回収した。
【0133】 細胞ペレットを40mlの25% スクロース、50mM Tris-塩酸、pH 8.0に再懸濁させ
、-70 ℃で15分間凍結させた。凍結細胞を室温で解凍し、10mlのライソザイム(S
igma, 250mM Tris- 塩酸、pH 8.0中の10mg/ml)と混合した。15分間氷上でインキ
ュベーションした後、300ml の細胞溶解バッファー(2% Triton X100, 50mM EDTA
, 100mM Tris- 塩酸、pH 8.0) を加え、振盪して混合した。次いで、溶解細胞懸
濁液をMisonix 超音波処理機で大きい探針を最大出力にして4X 30 秒間バースト
して超音波処理した。溶液を250ml 遠心分離瓶2本に分け、10000rpmで25分間JA
14 ローターで遠心分離した。包接体ペレットを100ml の再蒸留水に再懸濁して
遠心分離することにより洗浄し、包接体を回収した。この洗浄手順をもう1 度繰
り返し、最終包接体ペレットを10mlの再蒸留水に懸濁させ、必要になるまで-20
℃で保存した。
【0134】 単離した融合タンパク質はすべてSDS-PAGEによって試験し、このタンパク質と
既知の標準物質との比較により分子量、濃度および純度によりそれらの同一性を
確認した。各融合タンパク質の10μl のアリコートを10μl の8M尿素で可溶化し
、次いで2 μl の可溶化タンパク質を100 μl の1xSDS-PAGE添加バッファーと混
合した。添加バッファーサンプルを5 分間で94℃まで加熱し、10% ポリアクリル
アミドゲル上で泳動させた。pCB150由来の組換えLKT 114 もまた対照として泳動
させた。
【0135】 実施例5 LKT-ミオスタチンペプチド融合タンパク質のin vivo での生物学的作用 担体タンパク質と融合させたミオスタチンの種々のペプチドの多重コピーを含
んでなる融合タンパク質の、in vivo で生物学的作用を表す能力を試験するため
に、以下のワクチン接種試験を行った。組換えLKT-ミオスタチンペプチド融合タ
ンパク質は前記のように調製した。各融合タンパク質を最終濃度6M尿素( 最初の
注射に使用) または4Mグアニジン-HCl(それ以降の全注射に使用)に可溶化させ
ることによりそれぞれに対するワクチンを調製した。VSA-3 アジュバント( 改変
Emulsigen およびアジュバント) のアリコート2.5ml (最初の2 回の注射に用い
る)または1.5ml (最後の注射に用いる)に1250μgの各可溶化タンパク質を加
え、Misonix 超音波処理機によりマイクロチッププローブで出力設定を5 にして
5X5 秒間のバーストにより混合した。これらの混合物に50μl の1% Thimerosal
溶液およびPBS pH 7.4(リン酸緩衝生理食塩水)を最終容量が5ml となるように
加え、混合物を再び超音波処理した。200 μl 容量を各注射に使用した。各注射
は50μgの融合タンパク質を含むものであった。この最初の注射(0 日)を3 〜
4 週齢で行い、その後の注射を28および56日に行った。
【0136】 14の処理群はそれぞれ15匹のCD1 スイスマウスを含むものであった。処理群は
以下の通りである(表1 を参照)。第1 群はワクチン注射を行わない対照、第2
群はアジュバントだけの対照、第3 群はpCB150担体タンパク質の対照、第4 群〜
13群はpJS121〜pJS130試験タンパク質、第14群はpCB317試験タンパク質であった
。1 週間に1 回マウスの体重を測定して98日間の実験中の体重増を求めた。この
試験の結果は表2 および図18に要約されている。グアニジン-HClを可溶化剤とし
て選んで使用した場合にはワクチン製剤におけるタンパク質の安定性が尿素の場
合よりも向上したようであった。注射部位の反応が軽減されるように、ワクチン
製剤のVSA-3 濃度を50% から30% に減らした。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】 実施例6 試験結果の統計的分析 統計ソフトウェアパッケージ(Statistix Version 1.0) を用いて試験結果の統計
的分析を行った。この試験において、対照群はすべて非常に類似した平均全体重
を有していたが、いくつかの試験群の平均全体重は重かった。98日間の実験で得
られた体重で一元ANOVA を行った。試験の平均値のLSD 比較によって、処理群13
はいずれの対照群とも著しく異なることが示された。試験群12および6 は3 つの
対照群のうちの2 つと著しく異なった。治療群はまたそれらを対照(第1 〜3 群
)および試験群(第4 〜14群)に分けることによっても分析した。これらの2 つ
の群の体重増で一元ANOVA を行った。試験の平均値のLSD 比較によって、試験処
理を受けた群は対照群とは著しく異なることが示された。
【0140】 本発明の実施に有用な系統の寄託 以下の系統の生物学的に純粋な培養物の寄託は、American Type Culture Coll
ection(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, VAに行った。示された
受託番号は生存度試験の成功の後に与えられ、必要手数料を支払った。寄託は、
特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約およびそれに基
づく規則(ブダペスト条約)の規定の下に行った。このことによって、寄託日か
ら30年間および寄託当局による最も最近の寄託サンプルの供給要請後少なくとも
5 年間は生育可能な培養物の維持が保証される。ブダペスト条約の下、ATCCによ
り生物は入手可能となり、そのことによって米国特許法第122 条およびそれに準
じる特許庁長官規則(37 C.F.R. 第1.12条を含む)により与えるように、米国特
許商標庁長官により決定された人に培養物が永続的かつ制限されずに入手できる
ことが保証される。特許が与えられた際には、寄託された培養物が公的に入手可
能となることに対するすべての制限が変更されることなく撤廃される。
【0141】 これらの寄託物は当業者に単に便利なものとして供給されるが、寄託は米国特
許法第112 条35で必要とされる承認ではない。これらのプラスミドの核酸配列、
ならびにそれらによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は引用するこ
とにより本明細書の開示の一部とされ、本明細書の記載と矛盾があった場合には
統制される。寄託された材料を製造、使用、または販売する場合にはライセンス
が必要であり、かかるライセンスなしには与えられない。系統 寄託日 ATCC番号 大腸菌W1485 中のpAA352 1990年3 月30日 68283 大腸菌JM105 中のpCB113 1995年2 月1 日 69749 従って、免疫原ミオスタチンペプチド、多量体および免疫接合体が開示され、
それらはこれらのものを産生および使用する方法である。本発明の好ましい具体
例を詳細に述べたが、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神および
範囲から逸脱することなく変形や変更を行うことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 以下のような種々の種に由来するミオスタチンの比較を示す:マウス(配列番
号27);ラット(配列番号28);ヒト(配列番号29);ヒヒ(配列番号30);ウ
シ(配列番号31);ブタ(配列番号32);ヒツジ(配列番号33);ニワトリ(配
列番号34);シチメンチョウ(配列番号35);およびミノカサゴ(配列番号36)
。アミノ酸は配列の右から左へ番号が付けられている。
【図1B】 以下のような種々の種に由来するミオスタチンの比較を示す:マウス(配列番
号27);ラット(配列番号28);ヒト(配列番号29);ヒヒ(配列番号30);ウ
シ(配列番号31);ブタ(配列番号32);ヒツジ(配列番号33);ニワトリ(配
列番号34);シチメンチョウ(配列番号35);およびミノカサゴ(配列番号36)
。アミノ酸は配列の右から左へ番号が付けられている。
【図1C】 以下のような種々の種に由来するミオスタチンの比較を示す:マウス(配列番
号27);ラット(配列番号28);ヒト(配列番号29);ヒヒ(配列番号30);ウ
シ(配列番号31);ブタ(配列番号32);ヒツジ(配列番号33);ニワトリ(配
列番号34);シチメンチョウ(配列番号35);およびミノカサゴ(配列番号36)
。アミノ酸は配列の右から左へ番号が付けられている。
【図1D】 以下のような種々の種に由来するミオスタチンの比較を示す:マウス(配列番
号27);ラット(配列番号28);ヒト(配列番号29);ヒヒ(配列番号30);ウ
シ(配列番号31);ブタ(配列番号32);ヒツジ(配列番号33);ニワトリ(配
列番号34);シチメンチョウ(配列番号35);およびミノカサゴ(配列番号36)
。アミノ酸は配列の右から左へ番号が付けられている。
【図2】 MYOS 1ペプチドのヌクレオチド(配列番号3 )および対応するアミノ酸配列(
配列番号4 )を示す。MYOS 1はタンパク質分解切断部位Arg-Ser-Arg-Arg および
活性型タンパク質のN 末端を含む。
【図3】 MYOS 3ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号5 )および対応するアミノ酸配
列(配列番号6 )を示す。
【図4】 MYOS 5ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号7 )および対応するアミノ酸配
列(配列番号8 )を示す。
【図5】 MYOS 7ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号9 )および対応するアミノ酸配
列(配列番号10)を示す。
【図6】 MYOS 9ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号11)および対応するアミノ酸配
列(配列番号12)を示す。
【図7】 MYOS 11 ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号13)および対応するアミノ酸
配列(配列番号14)を示す。
【図8】 MYOS 13 ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号15)および対応するアミノ酸
配列(配列番号16)を示す。
【図9】 MYOS 15 ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号17)および対応するアミノ酸
配列(配列番号18)を示す。
【図10】 MYOS 17 ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号19)および対応するアミノ酸
配列(配列番号20)を示す。
【図11】 MYOS 19 ペプチドのヌクレオチド配列(配列番号21)および対応するアミノ酸
配列(配列番号22)を示す。MYOS 19 はタンパク質分解切断部位Arg-Ser-Arg-Ar
g を含む。
【図12】 ミオスタチン配列内のMYOSペプチド1 、3 、5 、7 、9 、11、13、15、17およ
び19のおよその位置を示す。
【図13】 ヌクレオチド位置55〜60、139 〜144 および241 〜246 およびC 末端で配列に
挿入された3 組の2個のアミノ酸リンカー(Agr-Ser )を含有する、再構築ミオ
スタチン活性領域のヌクレオチド配列(配列番号23)および対応するアミノ酸配
列(配列番号24)を示す。
【図14】 ロイコトキシンポリペプチド担体をコードするプラスミドpCB150の図であり、
これは実施例に記載のミオスタチン発現ベクターの作出に用いられる。
【図15A】 プラスミドpCB150に存在するロイコトキシン担体ポリペプチドのヌクレオチド
配列(配列番号25)および対応するアミノ酸配列(配列番号26)を示す。ミオス
タチンオリゴ反復は、ヌクレオチド位置3334に存在するBamHI 部位に挿入される
【図15B】 プラスミドpCB150に存在するロイコトキシン担体ポリペプチドのヌクレオチド
配列(配列番号25)および対応するアミノ酸配列(配列番号26)を示す。ミオス
タチンオリゴ反復は、ヌクレオチド位置3334に存在するBamHI 部位に挿入される
【図15C】 プラスミドpCB150に存在するロイコトキシン担体ポリペプチドのヌクレオチド
配列(配列番号25)および対応するアミノ酸配列(配列番号26)を示す。ミオス
タチンオリゴ反復は、ヌクレオチド位置3334に存在するBamHI 部位に挿入される
【図15D】 プラスミドpCB150に存在するロイコトキシン担体ポリペプチドのヌクレオチド
配列(配列番号25)および対応するアミノ酸配列(配列番号26)を示す。ミオス
タチンオリゴ反復は、ヌクレオチド位置3334に存在するBamHI 部位に挿入される
【図16A】 図16A は本発明で使用される代表的なミオスタチンのヌクレオチド配列(配列
番号1 )を示す。
【図16B】 図16B は本発明で使用される代表的ミオスタチンの推定アミノ酸配列(配列番
号2 )を示す。タンパク質分解切断部位は図16B の263 〜266 位置に認められる
。ポリペプチドのミオスチン活性領域はアミノ酸264 〜375 にわたる。
【図17】 ミオスタチンタンパク質の親水性プロフィールを示す。このプロフィールは平
均基長6 個のアミノ酸を用いてコンピューター処理したものである。タンパク質
分解切断部位にわたるアミノ酸位263 〜268 ;31〜37位置;および106 〜111 位
置に3つの親水性最高点が認められる。
【図18】 実施例で記載されるように、ミオスタチンペプチド免疫原で処理した動物にお
ける体重増加量を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月29日(2000.2.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 21/00 C07K 14/475 43/00 105 16/22 C07K 14/475 C12N 15/00 ZNAA 16/22 A61K 37/02 C12N 5/10 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 BA43 CA04 CA07 DA02 EA04 GA03 GA11 HA01 4B065 AA90X AA90Y AB01 AB04 BA02 BA08 CA24 CA25 CA45 4C084 AA02 AA07 BA01 BA02 BA08 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BA22 BA23 BA41 BA42 DC50 ZA692 ZA812 ZA942 ZB212 ZB222 ZC332 ZC522 4C085 AA03 BB11 CC21 EE01 EE06 FF24 4H045 AA10 AA11 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 BA41 CA40 DA22 DA76 EA20 EA31 FA72 FA74

Claims (91)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのミオスタチンのエピトープを含んでなり、
    約3 個〜約100 個のアミノ酸からなるミオスタチンペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ミオスタチンペプチドが約3 個〜約30個のアミノ酸から
    なる、請求項1記載のミオスタチンペプチド。
  3. 【請求項3】 前記ミオスタチンペプチドが約3 個〜約15個のアミノ酸から
    なる、請求項1記載のミオスタチンペプチド。
  4. 【請求項4】 前記ミオスタチンペプチドが図1A〜1D(配列番号27〜36)の
    アミノ酸45〜376 (両端も含む)にわたるミオスタチン領域に由来する、請求項
    1記載のいずれかのミオスタチンペプチド。
  5. 【請求項5】 前記ミオスタチンペプチドが図1A〜1D(配列番号27〜36)の
    アミノ酸45〜376 (両端も含む)にわたるミオスタチン領域に由来する、請求項
    2記載のミオスタチンペプチド。
  6. 【請求項6】 前記ミオスタチンペプチドが図1A〜1D(配列番号27〜36)の
    アミノ酸235 〜376 (両端も含む)にわたるミオスタチン領域に由来する、請求
    項4記載のミオスタチンペプチド。
  7. 【請求項7】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号4のアミノ酸3 〜18(
    両端も含む);配列番号6のアミノ酸3 〜15(両端も含む);配列番号8のアミ
    ノ酸3 〜17(両端も含む);配列番号10のアミノ酸3 〜16(両端も含む);配列
    番号12のアミノ酸3 〜22(両端も含む);配列番号14のアミノ酸3 〜25(両端も
    含む);配列番号16のアミノ酸3 〜22(両端も含む);配列番号20のアミノ酸3
    〜18(両端も含む);および配列番号22のアミノ酸3 〜18(両端も含む)からな
    る群より選択されるアミノ酸配列を含んでなるペプチドと少なくとも約75% のア
    ミノ酸の同一性を有する、請求項4記載のミオスタチンペプチド。
  8. 【請求項8】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号4のアミノ酸3 〜18(
    両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプチ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号6のアミノ酸3 〜15(
    両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプチ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号8のアミノ酸3 〜17
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  11. 【請求項11】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号10のアミノ酸3 〜16
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  12. 【請求項12】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号12のアミノ酸3 〜22
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  13. 【請求項13】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号14のアミノ酸3 〜25
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  14. 【請求項14】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号16のアミノ酸3 〜22
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  15. 【請求項15】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号20のアミノ酸3 〜18
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  16. 【請求項16】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号22のアミノ酸3 〜18
    (両端も含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項7記載のミオスタチンペプ
    チド。
  17. 【請求項17】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Ar
    g-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項1記載のミオスタチンペプチド
  18. 【請求項18】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Ar
    g-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項2記載のミオスタチンペプチド
  19. 【請求項19】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Va
    l-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項1記載のミオスタチンペプ
    チド。
  20. 【請求項20】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Va
    l-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項2記載のミオスタチンペプ
    チド。
  21. 【請求項21】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-As
    p-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項1記載のミオスタチンペプチド
  22. 【請求項22】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-As
    p-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項2記載のミオスタチンペプチド
  23. 【請求項23】 約3 個〜約200 個のアミノ酸からなるミオスタチンペプチ
    ドであって、少なくとも1つのミオスタチンのエピトープを含んでなり、図1A〜
    1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜350 (両端を含む)にわたるミオスタチン
    領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜275 (両端を含む)にわたる
    ミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸25〜300 (両端を含
    む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸50〜32
    5 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;および図1A〜1D(配列番号27〜36
    )のアミノ酸75〜350 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域からなる群より
    選択されるミオスタチン領域に由来する、前記ペプチド。
  24. 【請求項24】 前記ミオスタチンペプチドが約3 個〜約30個のアミノ酸か
    らなる、請求項23記載のミオスタチンペプチド。
  25. 【請求項25】 前記ミオスタチンペプチドが約3 個〜約15個のアミノ酸か
    らなる、請求項23記載のミオスタチンペプチド。
  26. 【請求項26】 前記ミオスタチンペプチドが配列番号18のアミノ酸3 〜19
    (両端を含む)のアミノ酸配列を含んでなる、請求項23記載のミオスタチンペプ
    チド。
  27. 【請求項27】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Ar
    g-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項23記載のミオスタチンペプチド
  28. 【請求項28】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Ar
    g-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項24記載のミオスタチンペプチド
  29. 【請求項29】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Va
    l-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項23記載のミオスタチンペプ
    チド。
  30. 【請求項30】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Va
    l-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項24記載のミオスタチンペプ
    チド。
  31. 【請求項31】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-As
    p-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項23記載のミオスタチンペプチド
  32. 【請求項32】 前記ミオスタチンペプチドがアミノ酸配列Ser-Leu-Lys-As
    p-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項24記載のミオスタチンペプチド
  33. 【請求項33】 選択された2以上のミオスタチン免疫原を含んでなり、前
    記ミオスタチン免疫原の各々が独立に、少なくとも1つのミオスタチンのエピト
    ープを規定する少なくとも3個のアミノ酸を含んでなる、ミオスタチン多量体。
  34. 【請求項34】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、約3
    個〜約200 個のアミノ酸からなり、かつ、少なくとも1つのミオスタチンのエピ
    トープを含んでなる、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  35. 【請求項35】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、約3
    個〜約100 個のアミノ酸からなり、かつ、少なくとも1つのミオスタチンのエピ
    トープを含んでなる、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  36. 【請求項36】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、約3
    個〜約30個のアミノ酸からなり、かつ、少なくとも1つのミオスタチンのエピト
    ープを含んでなる、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  37. 【請求項37】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、約3
    個〜約15個のアミノ酸からなり、かつ、少なくとも1つのミオスタチンのエピト
    ープを含んでなる、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  38. 【請求項38】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、図1A
    〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸100 〜376 (両端を含む)にわたるミオスタ
    チン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸235 〜376 (両端を含む)に
    わたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸1 〜376 (両
    端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸
    1 〜350 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配列番号27〜36
    )のアミノ酸1 〜275 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;図1A〜1D(配
    列番号27〜36)のアミノ酸25〜300 (両端を含む)にわたるミオスタチン領域;
    図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸50〜325 (両端を含む)にわたるミオス
    タチン領域;および図1A〜1D(配列番号27〜36)のアミノ酸75〜350 (両端を含
    む)にわたるミオスタチン領域からなる群より選択されるミオスタチン領域に由
    来する、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  39. 【請求項39】 前記選択されたミオスタチン免疫原の各々が独立に、配列
    番号4のアミノ酸3 〜18(両端も含む);配列番号6のアミノ酸3 〜15(両端も
    含む);配列番号8のアミノ酸3 〜17(両端も含む);配列番号10のアミノ酸3
    〜16(両端も含む);配列番号12のアミノ酸3 〜22(両端も含む);配列番号14
    のアミノ酸3 〜25(両端も含む);配列番号16のアミノ酸3 〜22(両端も含む)
    ;配列番号18のアミノ酸3 〜19(両端も含む) ;配列番号20のアミノ酸3 〜18(
    両端も含む);および配列番号22のアミノ酸3 〜18(両端も含む)からなる群よ
    り選択されるアミノ酸配列を含んでなるペプチドと少なくとも約75% のアミノ酸
    の同一性を有する、請求項33記載のミオスタチン多量体。
  40. 【請求項40】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Arg-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項33記
    載のミオスタチン多量体。
  41. 【請求項41】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Lys-Arg-Ser-Arg-Arg-Asp (配列番号37)を含んでなる、請求項34記
    載のミオスタチン多量体。
  42. 【請求項42】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Val-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項
    33記載のミオスタチン多量体。
  43. 【請求項43】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Lys-Glu-Asn-Val-Glu-Lys-Glu (配列番号38)を含んでなる、請求項
    34記載のミオスタチン多量体。
  44. 【請求項44】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項33記
    載のミオスタチン多量体。
  45. 【請求項45】 前記選択されたミオスタチン免疫原の少なくとも1つがア
    ミノ酸配列Ser-Leu-Lys-Asp-Asp-Asp (配列番号39)を含んでなる、請求項34記
    載のミオスタチン多量体。
  46. 【請求項46】 前記多量体が一般式(MP-X-MP)y{式中、MPはミオスタチン
    ペプチドであり、X はペプチド結合、アミノ酸スペーサー基、ロイコトキシンポ
    リペプチドおよび[MP]n (ここでn は1以上である)からなる群より選択され、
    かつ、y は1以上である}で示される分子を含んでなる、請求項33記載のミオス
    タチン多量体。
  47. 【請求項47】 X が少なくとも1つのヘルパーT 細胞エピトープを含むア
    ミノ酸スペーサー基を含んでなる、請求項46記載のミオスタチン多量体。
  48. 【請求項48】 前記多量体中に存在するミオスタチンペプチドが同一であ
    る、請求項46記載のミオスタチン多量体。
  49. 【請求項49】 前記多量体中に存在するミオスタチンペプチドが異なって
    いる、請求項46記載のミオスタチン多量体。
  50. 【請求項50】 免疫担体と結合した、請求項1 〜49のいずれか1項に記載
    の少なくとも1種のミオスタチンペプチドまたはミオスタチン多量体を含んでな
    るミオスタチン免疫接合体。
  51. 【請求項51】 前記免疫担体がロイコトキシンポリペプチドである、請求
    項50記載のミオスタチン免疫接合体。
  52. 【請求項52】 請求項1〜49のいずれか1項に記載のミオスタチンペプチ
    ドまたはミオスタチン多量体と医薬上許容される賦形剤とを含んでなるワクチン
    組成物。
  53. 【請求項53】 請求項50記載のミオスタチン免疫接合体と医薬上許容され
    る賦形剤とを含んでなるワクチン組成物。
  54. 【請求項54】 請求項51記載のミオスタチン免疫接合体と医薬上許容され
    る賦形剤とを含んでなるワクチン組成物。
  55. 【請求項55】 アジュバントをさらに含んでなる、請求項52記載のワクチ
    ン組成物。
  56. 【請求項56】 アジュバントをさらに含んでなる、請求項53記載のワクチ
    ン組成物。
  57. 【請求項57】 アジュバントをさらに含んでなる、請求項54記載のワクチ
    ン組成物。
  58. 【請求項58】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項52記載のワクチン組
    成物を投与することを含んでなる方法。
  59. 【請求項59】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項53記載のワクチン組
    成物を投与することを含んでなる方法。
  60. 【請求項60】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項54記載のワクチン組
    成物を投与することを含んでなる方法。
  61. 【請求項61】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項58記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項59記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項60記載の方法。
  64. 【請求項64】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項52記載のワクチン組成物を投与す
    ることを含んでなる方法。
  65. 【請求項65】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項53記載のワクチン組成物を投与す
    ることを含んでなる方法。
  66. 【請求項66】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項54記載のワクチン組成物を投与す
    ることを含んでなる方法。
  67. 【請求項67】 脊椎動物被験体においてGDF11 活性を変調する方法であっ
    て、前記脊椎動物被験体に請求項52記載のワクチン組成物を投与することを含ん
    でなる方法。
  68. 【請求項68】 脊椎動物被験体においてGDF11 活性を変調する方法であっ
    て、前記脊椎動物被験体に請求項53記載のワクチン組成物を投与することを含ん
    でなる方法。
  69. 【請求項69】 脊椎動物被験体においてGDF11 活性を変調する方法であっ
    て、前記脊椎動物被験体に請求項54記載のワクチン組成物を投与することを含ん
    でなる方法。
  70. 【請求項70】 請求項1〜49のいずれか1項に記載のミオスタチンペプチ
    ドまたはミオスタチン多量体をコードするポリヌクレオチド。
  71. 【請求項71】 請求項50記載のミオスタチン免疫接合体をコードするポリ
    ヌクレオチド。
  72. 【請求項72】 請求項51記載のミオスタチン免疫接合体をコードするポリ
    ヌクレオチド。
  73. 【請求項73】 (a) 請求項70記載のポリヌクレオチド;および (b) 前記ポリヌクレオチドに機能し得る形で連結され、それにより前記ポリヌ
    クレオチド内のコード配列が宿主細胞内で転写および翻訳可能な調節要素であっ
    て、前記調節要素の少なくとも1つは前記コード配列とは異種である調節要素 を含んでなる組換えベクター。
  74. 【請求項74】 (a) 請求項71記載のポリヌクレオチド;および (b) 前記ポリヌクレオチドに機能し得る形で連結され、それにより前記ポリヌ
    クレオチド内のコード配列が宿主細胞内で転写および翻訳可能な調節要素であっ
    て、前記調節要素の少なくとも1つは該コード配列とは異種である調節要素 を含んでなる組換えベクター。
  75. 【請求項75】 (a) 請求項72記載のポリヌクレオチド;および (b) 前記ポリヌクレオチドに機能し得る形で連結され、それにより前記ポリヌ
    クレオチド内のコード配列が宿主細胞内で転写および翻訳可能な調節要素であっ
    て、上記調節要素の少なくとも1つは該コード配列とは異種である調節要素 を含んでなる組換えベクター。
  76. 【請求項76】 請求項73記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞
  77. 【請求項77】 請求項74記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞
  78. 【請求項78】 請求項75記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞
  79. 【請求項79】 組換えミオスタチンペプチドまたはミオスタチン多量体を
    製造する方法であって、 (a) 請求項76記載の宿主細胞集団を準備し;さらに (b) 前記組換えベクター中に存在するコード配列によりコードされるミオスタ
    チンペプチドまたはミオスタチン多量体が発現する条件下で前記細胞集団を培養
    する ことを含んでなる方法。
  80. 【請求項80】 組換えミオスタチン免疫接合体を製造する方法であって、 (a) 請求項77記載の宿主細胞集団を準備し;さらに (b) 前記組換えベクター中に存在するコード配列によりコードされるミオスタ
    チン免疫接合体が発現する条件下で前記細胞集団を培養する ことを含んでなる方法。
  81. 【請求項81】 組換えミオスタチン免疫接合体を製造する方法であって、 (a) 請求項78記載の宿主細胞集団を準備し;さらに (b) 前記組換えベクター中に存在するコード配列によりコードされるミオスタ
    チン免疫接合体が発現する条件下で前記細胞集団を培養する ことを含んでなる方法。
  82. 【請求項82】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項70記載のポリヌクレ
    オチドを投与することを含んでなる方法。
  83. 【請求項83】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項71記載のポリヌクレ
    オチドを投与することを含んでなる方法。
  84. 【請求項84】 脊椎動物被験体においてミオスタチン免疫原に対する免疫
    応答を誘発する方法であって、前記脊椎動物被験体に請求項72記載のポリヌクレ
    オチドを投与することを含んでなる方法。
  85. 【請求項85】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項82記載の方法。
  86. 【請求項86】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項83記載の方法。
  87. 【請求項87】 前記脊椎動物被験体において誘発された免疫応答が内在性
    ミオスタチン活性を低下させ、その結果、以下の生物学的作用: (a) 体重の増加; (b) 筋肉量の増加; (c) 筋細胞数の増加; (d) 筋細胞の大きさの増大; (e) 体脂肪含量の減少; (f) 筋強度の上昇; (g) 乳腺組織の増加; (h) 乳汁分泌の増加; (i) 食欲もしくは食物摂取の増加;または (j) 脊椎動物被験体の寿命の延長 のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項84記載の方法。
  88. 【請求項88】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項70記載のポリヌクレオチドを投与
    することを含んでなる方法。
  89. 【請求項89】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項71記載のポリヌクレオチドを投与
    することを含んでなる方法。
  90. 【請求項90】 脊椎動物被験体において筋肉の退化または消耗を含む疾患
    を治療する方法であって、前記被験体に請求項72記載のポリヌクレオチドを投与
    することを含んでなる方法。
  91. 【請求項91】 請求項1記載のミオスタチンペプチドと反応する単離抗体
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