JP2002503821A - 核燃料集合体用輸送コンテナ - Google Patents

核燃料集合体用輸送コンテナ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、外部ケーシングと、燃料集合体(16a,16b)を収容し且つ維持するための少なくとも一つのハウジング(13a,13b)を形成する内部構造とを具備したコンテナに関する。このコンテナ内部構造(10)は、燃料集合体(16a,16b)を収容し且つ維持する前記少なくとも一つのハウジング(13a,13b)が、その側面および長手方向端部に沿って完全に閉鎖されるように、また前記内部構造が、前記外部ケーシングとは独立して、前記燃料集合体の維持、保護および閉じ込めを保証するように相互に組み立てられた壁を具備する。内部構造(10)の壁(12a,12b,14a,14b)は中性子吸収性樹脂を充填した二重壁である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、核燃料集合体用輸送コンテナに関し、特に、加圧水型原子炉に核燃
料を再補給することを目的とした新規な燃料集合体のための輸送コンテナに関す
る。
【0002】 加圧水型原子炉のような原子炉は、一般に正方形の断面をもった細い直角柱形
状の核燃料集合体でできた炉心を有する。この燃料集合体は、略20cmの横方向長
さを有する一般に方形の断面を有し、該燃料集合体の長手方向の長さは約4メー ターである。この燃料集合体は枠体を有し、該枠体の内側には、実質的に燃料集
合体の全長に沿って核燃料棒が配置される。この枠体自身は、燃料集合体の長さ
に亘って配置されたロッドを横方向に保持するスペーサー格子でできており、該
スペーサー格子は、該スペーサー格子に埋め込まれた前記ロッドに対して平行な
案内管と、燃料集合体末端ノズルとでできている。
【0003】 原子炉を始動する前に、炉心には新たな燃料集合体を供給する必要がある。ま
た、幾つかの炉心センブリは一定期間後に取り替える必要がある。新たな燃料集
合体は、炉心の中に装荷されるか、または原子炉の炉心から取り出される使用済
み燃料集合体と置き換えられる必要がある。従って、燃料製造プラントから、原
子炉の炉心に燃料が供給または再供給される原子力ステーションへと輸送されな
ければならない利用可能な新たな燃料集合体を得ることが必要である。
【0004】 鉄道または陸路によって行なわれる新たな燃料集合体の輸送は、そのロッドが
二つの連続したスペーサー格子の間で横方向に保護されない燃料集合体の効果的
な保護を保証する輸送コンテナを使用することが必要とする。また、この輸送コ
ンテナは、例えば輸送の際、コンテナの積替え作業中にコンテナが落下したとき
にも、燃料集合体の破壊を回避し、またはその破壊を制限するように設計されな
ければならない。
【0005】 燃料集合体輸送コンテナは公知であり、これは外部エンベロープを具備してお
り、該エンベロープは略半円筒形の二つの半型シェル形状に作製されたシート金
属から、その一方を、コンテナの直径方向の軸面に配置された矩形フレームに沿
って他方の頂部上に固定して一体化することにより製造される。このコンテナは
、一般には二つの燃料集合体を輸送するために設計され、二つの燃料集合体を固
定できる枠体を有する。該枠体は、前記コンテナにおける外部エンベロープの下
部半型内の緩衝部材を介して固定された受台の上に載置される。
【0006】 燃料集合体を支持および保持するための枠体は、燃料集合体を装荷するための
位置(この位置では支持体が実質的に垂直である)と輸送位置(この位置では燃
料集合体を支持するための枠体は実質的に水平位置で受台上に載置される)との
間で移動できるように、その端部の一方により前記受台上で旋回するように装着
される。
【0007】 燃料集合体を支持するための枠体はT字形の横断面を有し、これは燃料集合体
を支持するための基部と、該基部に対して直交する長手方向の中央壁とを有する
。基部は燃料集合体を支持し、また中央壁はその両側に、それぞれ燃料集合体を
配置できる二つのハウジングを形成する。燃料集合体は、前記基部の側方端部お
よび前記枠体の中央壁の上端に関節式に連結されたフランジを介して前記枠体の
中に保持され、該フランジは、燃料集合体のハウジングにアクセスできる開放位
置と、フランジが燃料集合体を保持する閉鎖位置との間で移動することができる
。フランジは、ボルトおよびナットのアセンブリーによってそれらの閉鎖位置で
相互に組み立てられ、また枠体の長さに亘って配置されて、夫々の燃料集合体の
連続的なスペーサー格子において、枠体のハウジング内に配置された燃料集合体
に当接して載置される。
【0008】 この輸送コンテナは、輸送位置に並んで配置された燃料集合体が、如何なると
きにも、中性子連鎖反応の開始に導く臨界マスを形成できないように設計される
。一般に、臨界の如何なる危険をも回避するために、コンテナ内の輸送位置にお
いて、燃料集合体の間に中性子吸収部材を配置することが必要とされる。
【0009】 更に、例えばコンテナが落下したときのように、該燃料集合体が劣化または破
壊されて燃料棒の保護クラッド層が破裂するに至ったときには、燃料集合体内に
含まれる核分裂性材料が広がる危険をできり限り抑制することが必要である。
【0010】 公知技術の輸送コンテナの場合、燃料集合体のための中性子吸収性絶縁手段が
不充分であり、コンテナは、燃料集合体がコンテナ内部で劣化したときに、核分
裂性材料の効果的な封じ込めを可能にする構造を有していないことが知られてい
る。これは、該燃料集合体がコンテナの外部エンベロープ内部で保護されておら
ず、また封じ込められていないからであり、前記枠体はスペーサー格子と同様に
、燃料集合体の長手方向に亘って離間したフランジの形状で、燃料集合体を保持
する手段を有するに過ぎない。
【0011】 更に、燃料集合体が軸方向に落下し、またはそれが水平に落下した場合の、コ
ンテナおよび燃料集合体の動的挙動のシミュレーションによって、このコンテナ
が落下したときには、枠体およびコンテナエンベロープ内に収容された燃料集合
体の機械的一体性を保証するために、極めて効果的なエネルギー吸収を利用でき
る必要があることを示すことが可能である。
【0012】 従って、燃料集合体のための改善された保護を保証する利用可能な輸送コンテ
ナを得ることが望ましいように思える。
【0013】 従って、本発明の目的は、直角柱形状の核燃料集合体のための輸送用コンテナ
であって、外部エンベロープと、燃料集合体を収容および保持するための少なく
とも一つのハウジングを形成する内部構造を有し、該ハウジングの直角柱表面に
亘って配置された側面と、ハウジングの長手方向各端部に、端面とを有する直角
柱形状の核燃料集合体のための輸送コンテナを提供することである。この輸送コ
ンテナは、輸送される燃料集合体のための効果的な保護を提供し、また燃料集合
体が劣化または破壊されたときにも、核分裂性材料がコンテナの外部エンベロー
プの内部で広がるのを防止するために、燃料集合体に収容された核分裂性材料を
含む。
【0014】 この目的のために、コンテナの内部構造は、燃料集合体を収容および保持する
ための少なくとも一つのハウジングがその側面に沿って且つその長手方向端部に
おいて完全に閉鎖され、またその内部構造が外部エンベロープとは独立して燃料
集合体の保持、保護および閉じ込めを保証するように、相互に組み立てられる 当該内部構造は、少なくとも一つの燃料集合体を収容するためのケースをを構
成し、該ケースは、燃料集合体ハウジングへのアクセスを与えるために開放され
得る。
【0015】 本発明の理解を容易にするために、添付の図面を参照して、加圧水型原子炉の
ための本発明による新たな燃料集合体用輸送コンテナを説明する。
【0016】 図1および図2は、加圧水型原子炉の新たな燃料集合体のための輸送コンテナ
を示しており、全体を通して参照番号1で表される。
【0017】 水平位置にある二つの燃料集合体を輸送するように設計された輸送容器1は、
下部シェル2aおよび上部シェル2bで形成された外部エンベロープ2を有して
いる。これらのシェルは両者とも半円筒形であり、円筒形エンベロープの長手軸
を通るエンベロープ2の結合面に沿って、一方が他方の頂部に結合される。
【0018】 シェル2aおよび2bの夫々は鋼シートで作製され、それぞれ半型シェルの長
さに亘って配置された半円形の補強リブ3a,3bを有している。
【0019】 セクション4および4´もまた,下部半型シェル2aの下方部分に固定され、
該セクションはコンテナの支持足を形成している。更に、ネジ型ジャッキを有し
且つコンテナの長手方向端部に固定された調節可能な支持部材5および5´は、
支持表面に載置されたコンテナが、コンテナの長手軸回りおよび横断軸回りでの
傾斜を調節されることを可能にする。コンテナの調節可能な足5および5´を使
用することにより、該コンテナをその輸送支持体上で、好ましくは水平位置に、
即ち、コンテナの長手軸が好ましくは水平である位置に配置することを可能にす
る。
【0020】 二つの半型シェル2aおよび2bは、コンテナの下部半型シェル2aにおける
上部平面支持部および上部半型シェル2bの下部平面支持部を形成する矩形の周
辺フランジを介して、一方が他方の頂面に一体化される。
【0021】 図1および図2に示すコンテナの閉鎖位置において、二つの半型シェル2aお
よび2bのフランジは、ボルトおよびナットによって一方を他方の頂面に一体化
および固定されて、アセンブリーのフランジ6を形成する。
【0022】 図3Aおよび図3Bは開放状態、即ち、コンテナエンベロープの上部半型シェ
ルが下部半型シェルから分離され、除去された状態にあるコンテナの一部を示し
ている。
【0023】 図3Aおよび図3Bは、全体を参照番号7で示したコンテナの内部構造を示し
ており、これは特に、コンテナ外部エンベロープ2の下部半型シェル2aにおい
て、緩衝材パッドによって形成された支持体9上に載置された受台8を有する。
コンテナ内部構造の第二の部分は、水平位置に並べて配置された二つの燃料集合
体を収容し支持するためのユニット10によって形成される。受台8の上に載置
されるユニット10は、以下で説明するように、二つの燃料集合体のための二つ
の完全に閉じたハウジングを形成する。
【0024】 受台8は、支持体パッド9上に固定された角ブラケットで形成された二つの側
部レール8a,8bを有している。これらは平行な位置に保持されており、交差
部材によって、コンテナを収容するためにユニット10の幅に対応して分離され
ている。その一端において、受台は旋回補強および装着ユニットを有し、これは
相互に平行な2枚のプレート11aおよび11bと、受台の側部レールに固定さ
れ且つプレート11aおよび11bに固定された中空セクションで形成された2
つの交差部材とを具備する。
【0025】 受台を横断方向の水平軸回りで旋回できるようにコンテナの下部シェルに装着
することは、プレート11aおよび11bを具備する旋回する補強および装着ユ
ニットによって保証される。
【0026】 更に、以下で説明するように、燃料集合体のための保持プレートもまた、プレ
ート11aおよび11bの間に装着される。
【0027】 図3Bに見られるように、内部構造7の長手方向端部と外部エンベロープ2の
内部円形端壁との間には、燃料集合体に対する衝撃(例えばコンテナの落下によ
る)の効果を制限するような方法で、緩衝材43が挿入される。断面がコンテナ
エンベロープの内部断面と同一であるディスク形状の緩衝材43は、ステンレス
鋼シート製エンベロープに囲まれたバルサディスク(balsa disc)製である。勿論
、コンテナの長手方向の第二の端部においても、内部構造の第二の長手方向端部
と外部エンベロープの第二の端部との間に、同一の緩衝材が配置される。
【0028】 図4に見られるように、燃料集合体支持体収容ユニット10は、T字形の断面
を有する枠体12と、以下で説明するように枠体12の側部で旋回するように装
着された二つのドア14aおよび14bを有している。
【0029】 図4に示すように、閉じた位置のドアにおいて、ドア14aは、枠体12の右
側部分と共に一つの燃料集合体のためのハウジング13aを形成し、またドア1
4bは、枠体12の左側部分と共に第二のハウジング13bを形成する。これら
のハウジングは矩形断面を有し、該断面は、コンテナ1によって輸送を保証され
る加圧水型原子炉燃料集合体のスペーサー格子の断面寸法を有する。
【0030】 当該コンテナを装荷するために、受台8は、該受台の一端に位置する横断軸ま
わりに、実質的に垂直な位置へと傾斜される。
【0031】 この受台の傾斜位置においては、受台に固定される燃料集合体収容支持ユニッ
ト10もまた垂直位置にある。ドア14aおよび14bは、ハウジング13aお
よび13bへのアクセスを与えるような方法で、外側に向かって傾斜する。
【0032】 燃料集合体は、燃料集合体リフト器具、例えば高架クレーンのホイストを使用
して、ハウジング13a,13bの夫々の中に配置すればよい。この燃料集合体
は、それらの底部ノズルを介して、受台8の二つのプレート11aおよび11b
の間に固定された燃料集合体支持プレート上に載置される。
【0033】 燃料集合体収容支持ユニット10のドアは閉じられ、該ユニットは水平位置へ
と傾斜され、受台8上に載置されるに至る。
【0034】 エンベロープ2の上部半型シェルを下部半型シェル上に戻し、この二つの半型
シェルをボルトおよびナットで固定した後に、例えば、図1に示すように、外部
エンベロープの上部半型シェルに固定されたリフトラグ15および15´を使用
してコンテナを持ち上げることにより、該コンテナを取り扱い且つ輸送すること
ができる。
【0035】 図5は受台8、並びに燃料集合体収容支持ユニット10を形成する種々の部材
の分解斜視図を示している。
【0036】 T字形の横断面を有する枠体12は平行六面体の基部12aと、該基部12a
に対して直交し、二つの燃料集合体16aおよび16bのハウジング13aおよ
び13bを分離する壁12bとを有しており、そのスペーサー格子17aおよび
17b、底部ノズル18aおよび18b、並びに頂部ノズル18´aおよび18
´bが示されている。
【0037】 受台8のプレート11aおよび11bの間で、スタブシャフトを介して旋回す
るように固定されることを目的とした支持プレート20と、枠体12の第二の端
部において横断旋回軸の回りで旋回するように装着された第二の端部プレート2
1とによって、燃料集合体16aおよび16bのハウジング13aおよび13b
が、フレーム12の端部の一方に形成されている。これら燃料集合体は、それら
の頂部ノズル18´aおよび18´bを介して、プレート20の上に載置される
。横断保持プレート21は、燃料集合体の底部ノズル18´aおよび18´b上
に、調節可能な支持用端止め(supporting end-stops)を有している。プレート2
1はまた、燃料集合体を長手方向に保持するための調節可能な手段を有すること
ができるであろう。
【0038】 端部プレート20および21がそれらの閉鎖位置へと引き下されると、燃料集
合体は、支持装置22およびプレート20の間にクランプされることによって、
長手方向に保持される。
【0039】 燃料集合体16aおよび16bを保持し且つ支持するユニット10の旋回する
横方向ドア14aおよび14bは、逆L字形の断面を有し、またそれらの下縁に
沿ってL字の枝の一方の端部に、ドア14aおよび14bの長さに亘って離間し
たヒンジ形状の関節部材23を有する。
【0040】 図5に示すドアは、ドア14aまたは14bにおける第一の下縁の長さに亘っ
て離間した6個つのヒンジ23を有する。
【0041】 その対向する第二の縁部に沿った、L字の第二の枝の端部において、ドア14
aおよび14bの夫々は、開口が貫通した部分を有し且つドアの縁部に対して外
側に向かってわずかに突出した固定ラグ24を有している。
【0042】 ヒンジ形状の関節部材23は、ドアの縁部に対して平行な方向に全て整列した
開口を有しており、夫々は燃料集合体支持体の枠体12における基部12aの横
方向縁部から突出するように固定された関節軸25上に係合する。同様に、ドア
の第二の縁部に沿って配置されたラグ24から突出した部分の開口は、ドアの縁
部に平行な方向に整列される。
【0043】 枠体12の中央壁12bは、その上縁に、枠体12の中央壁12bの上縁に対
して平行な方向に全て整列された開口をもった案内部材26および26´を有し
ている。
【0044】 ヒンジ23を介して関節軸25上に関節式に装着されたドアが閉鎖位置に引か
れると、ドア14aおよび14bの第二の縁部(これに沿ってラグ24が配置さ
れる)は、枠体12の中央壁12bの上縁に引かれ、夫々のラグ24は、枠体1
2における中央壁12bの上部縁に固定された二つの連続的な案内ポスト26お
よび26´の間に挿入された位置に来る。ドア14aおよび14bは、それらが
閉鎖位置にあるときは、案内部材26および26´並びにラグ24の整列した開
口の中にロッドを導入することによってロックすることができる。
【0045】 更に、ドア14aおよび14bは、それらの長手方向端部に、それぞれ長手方
向外側に向かって突出した掛け釘27a,27´aおよび27b,27´bを有
する。
【0046】 枠体12の縁部プレート20および21は、それらの上部縁および横縁に沿っ
てスロット28および28´を有し、その夫々は、端部壁20および21が引き
下された後のドアの閉鎖位置で、掛け釘27aもしくは27bの一方または掛け
釘27´aもしくは27´bの一方をそれぞれ受け入れることを目的としたもの
である。
【0047】 更に、壁20および21は、それらを貫通し、且つハウジング13aおよび1
3bの内側のそれらの輸送位置において燃料集合体の夫々のノズルに対面する開
口を有する。
【0048】 二つの側面が枠体12の二つの相互に直交する表面によって、それに対向する
側面がドア14aおよび14bの二つの内部直交表面によって、またその両端部
がプレート20および21によって構成される燃料集合体ハウジング13aまた
は13bの各々が、完全に閉じられ、燃料集合体の効果的な閉じ込めを保証する
。コンテナが衝撃を受けて燃料集合体の部分的な破壊を生じたとしても、燃料集
合体の断片、例えば燃料ペレットまたは燃料棒の断片は、燃料集合体ハウジング
から出てコンテナ内に広がることができない。
【0049】 旋回するように装着されるドア14aおよび14bおよび端壁20および21
は、燃料集合体ハウジングへのアクセスを与えるように開放されることができる
、燃料集合体のための二つのハウジングを有するボックスを形成する。
【0050】 更に、以下で説明するように、枠体の基部12aおよび中央壁12b、並びに
ドア14aおよび14bの壁は二重壁の形態で構成され、その厚みの内部には中
性子吸収性樹脂、即ち中性子を強力に吸収する元素を添加した合成樹脂が配置さ
れる。
【0051】 図6は、燃料集合体収容支持ユニットの枠体12を形成する部材の分解斜視図
を示している。
【0052】 枠体12は、溶接されたリブ29によって、また横行セクション31によって
補強された基部プレート30を有しており、ドア14a,14bのための関節軸
25、および枠体12をボルトおよびナットを介して受台8の側面に固定するた
めのラグ32が横行セクション31の端部に固定される(図7および図8)。
【0053】 夫々のセクション30の両側、プレート29の頂部、その中央部分には、支柱
33がプレート29に対して直角に固定されている。支柱33の上部には、燃料
集合体収容支持ユニットのドアをロックする手段を案内するための部材26´が
固定されている。
【0054】 枠体12を形成する第二の部材は、二つの敷居によって底部方向に伸び、L字
形に折りたたまれた金属シート34の二つの部材からなり、それらの部材の上部
が折り畳みおよび/または取りつけられた部材によって結合され、該部材は、枠
体12の中央壁12bの上縁を案内するための案内部分26を形成する、折り畳
まれた金属シート34内に輪郭取りされた部材である。
【0055】 輪郭取りされたシート金属部材34の折り畳まれた側縁には、ドアの間接軸の
ための通路、および補強セクション31の端部に固定される、枠体12を受台上
に固定するためのパッドが設けられている。
【0056】 二つのT字形スペーサー部材35aおよび35bが、プレート29の端部に固
定される。
【0057】 枠体12は、折り畳まれたシート金属部材34と、補強部材および支柱33を
有する基部プレート29とを組み立てることにより製造される。
【0058】 基部プレート30の端部スペーサー35aおよび35bが、折り畳まれたシー
ト金属部材34の内部プロファイルの中に挿入される。同様に、六つの支柱33
は、折り畳まれたシート金属部材34の内部プロファイルの垂直部分、即ち、二
つのL字形横方向シート金属部材の二つの垂直枝の間に挿入される。
【0059】 支柱の端部に固定された案内部材26´は、二つのL字形の折り畳まれたシー
ト金属部材を、T字形横断面を有する輪郭取りされた部材34の形態に結合して
いる連続した二つの案内部材26の間に挿入される。
【0060】 枠体12の組み立てられた位置において、L字形に折り畳まれたシート金属部
材の水平部分は、シート金属部材34の水平部分と基部プレート29との間に空
隙が維持されるように、スペーサー35およびセクション31上に載置される。
【0061】 図8に見られるように、この自由スペース36には中性子吸収性樹脂が充填さ
れる。該樹脂は、その密度が1.5〜2である高密度樹脂である。
【0062】 同様に、シート金属部材24の垂直部分間の空隙37には、高密度中性子吸収
性樹脂が充填される。この樹脂およびスペーサー部材は、枠体12の機械的一体
性を保証する。
【0063】 プレート30、その補強部材および支柱33を折り畳まれたシート金属部材3
4と共に組み立てることによって、二重壁の剛性枠体12が得られる。二重壁の
空隙36および37に中性子吸収性樹脂を充填することによって、その基部プレ
ート12aおよび分離中央壁12bが、枠体12のハウジング13aおよび13
b内に配置された燃料集合体から発生した中性子フラックスを吸収できる枠体が
得られる。
【0064】 図9は、燃料集合体収容支持ユニットの右側ドア14aを示している。
【0065】 ドア14a(および同様の第二のドア14b)はL字形に折り畳まれたシート
金属部材によって形成され、該シート金属部材はL字の枝の端部において、一方
の枝の延長部、関節部分23およびロックラグ24によって相互に結合される。
【0066】 更に、L字形ドアを形成する二つの金属シートの間には、ドア14aの長さに
亘って、スペーサー38が相互に一定の距離で配置される。
【0067】 図10に見られるように、夫々のスペーサー38は、ドアの長手方向に相互に
離間され且つそれらの端部においてそれぞれ関節部分25およびロックラグ24
に固定された二つのL字形プレートを有している。
【0068】 ドアによって形成されたハウジング内に配置される燃料集合体クランプ装置は
、二つのL字形プレート間の各スペーサ38においてL字の各枝に固定され、燃
料集合体が横断方向に保持されることを保証する。
【0069】 図10に見られるように、夫々のクランプ装置39は平坦なパッド40を有し
、該パッドは、それをドアのL字の枝に対して直交する方向に動かすために、ネ
ジ41によって、内部にロック装置39が装着されたドアの外側から操作するこ
とができる。
【0070】 夫々のスペーサー38において、ドア14aは、ドア14aで形成されるハウ
ジング内に配置された燃料集合体におけるスペーサー格子の二つの外面に接触す
ることを目的とした、二つのクランプ装置39を有する。この方法において、燃
料集合体は、そのハウジング内において、二つの相互に直交する側面にクランプ
される。
【0071】 図11は、L字形プレート41により閉鎖されるドア14aの長手方向端部を
示しており、このプレートには、ドア14aを端壁21に固定するための外側に
突出した掛け釘27が固定される。図11の切り欠き部分に見られるように、ブ
ロック棒42が、ドア14aの上部水平壁における整列した開口内および掛け釘
7の間で摺動するように装着される。更に、棒42はドア14aの外側から操作
可能である。
【0072】 ドア14aが閉鎖位置にあり、また端部プレート20(または21)が燃料集
合体収容支持ユニットのハウジングにおける長手方向端部の閉鎖位置に引き下ろ
されると、棒42は、スロット28間のプレート20(または21)の外側部分
横断方向に貫通する整列した開口の中に、またプレート20(または21)の開
口に整列して配置された掛け釘27a間の開口の中に導入されることができる。
【0073】 この方法において、端部閉鎖プレート20および21は、ドア14aの端部に
ロックされる。
【0074】 当然ながら、掛け釘27aおよび27´aを有するドア14aの夫々の端部も
、同様の方法でロックされることができる。
【0075】 同じロック棒42は、プレート20(または21)および掛け釘27b(また
は27´b)の開口の中に導入されることによって、第二のドア14bをロック
することができる。
【0076】 ドア14aおよび14bのL字形壁における二つの部材間の空隙には、燃料集
合体から発生して燃料集合体収容支持ユニットの外側に向かう如何なる中性子フ
ラックスをも吸収するために、中性子吸収性樹脂が充填される。この高密度(1.
5〜2の密度)を有する樹脂およびスペーサーは、ドアの機械的一体性を保証す る。
【0077】 本発明によるコンテナの内部構造は、燃料集合体のための完全に閉鎖される二
つのハウジングを形成し、その内部には軸方向または長手方向に、燃料集合体が
横向きに保持される。ハウジングが完全に閉鎖されるので、何等かの衝撃によっ
て燃料集合体の部分的な破壊が起きたとしても、燃料集合体の一部は内部構造か
ら逃げることができず、これは燃料集合体の閉じ込めを保証する。従って、燃料
集合体の断片はコンテナの外部エンベロープの内部に広がることができない。
【0078】 更に、燃料集合体は、中性子吸収壁によってコンテナの内部構造内で相互に分
離される。
【0079】 また、内部構造によって形成された燃料集合体ハウジングは、外側で、即ち、
コンテナの外部エンベロープの内部表面に向けてハウジングを閉鎖する中性子吸
収壁を有する。
【0080】 従って、燃料集合体の輸送の際に、一以上の燃料集合体輸送の際に臨界に達す
る危険を低減すると同時に、コンテナ内部での燃料集合体の改善された機械的保
護が得られる。
【0081】 本発明は、上記で説明した実施例に限定されない。
【0082】 こうして、コンテナの内部構造は、既述のものとは異なった形状を有していて
もよく、またT字形枠体および傾斜ドア以外の部材を有していてもよい。コンテ
ナの内部構造中のハウジングの形状は、輸送される燃料集合体の形状に依存する
。全ての場合において、この内部構造は、少なくとも一つの完全に閉鎖された燃
料集合体収容支持ハウジングを形成するように、相互に組立てられた壁を有する
【0083】 本発明は、直角柱形状を有する如何なる核燃料集合体の輸送にも適用可能であ
る。本発明によるコンテナは、新たな燃料集合体の輸送のためだけでなく、低い
放射能を有する使用済み燃料集合体の輸送にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、輸送のために閉じた構造のコンテナを示す側面図である。
【図2】 図2は、図1の矢印2の方向から見た端面図である。
【図3A】 図3Aは、コンテナの内部構造を示すために、外部エンベロープの上部シェル
を除去したコンテナの一部を示す正面図である。
【図3B】 図3Bは、図3Aの矢印3Bから見た、開いたコンテナの頂面図である。
【図4】 図4は、図3Aまたは図3Bの4−4線に沿った端面図である。
【図5】 図5は、燃料集合体輸送コンテナの内部構造を形成する部材の分解斜視図であ
る。
【図6】 図6は、コンテナ内部構造の燃料集合体支持枠体を形成する部材を示す分解斜
視図である。
【図7】 図7は、コンテナ内部構造の燃料集合体支持枠体を示す頂面図である。
【図8】 図8は、図7の線8−8に沿った横断面図である。。
【図9】 図9は、燃料集合体輸送コンテナの内部構造の横方向ドアを示す斜視図である
【図10】 図10は、燃料集合体を横方向に保持する装置のレベルでの、横方向ドアの横
断面図である。
【図11】 図11は、輸送コンテナ内部構造の横方向ドアを一部切り欠いて示す端面図で
ある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部エンベロープ(2)と、燃料集合体(16a,16b)
    を収容保持するための少なくとも一つのハウジング(13a,13b)を形成す
    る内部構造(7)とを有し、ハウジング(13a,13b)の直角柱表面に沿っ
    て配置された側面と、ハウジング(13a,13b)の長手方向各端部に端面を
    有する直角柱形状の核燃料集合体のための輸送コンテナにおいて、前記コンテナ
    の内部構造は、燃料集合体(16a,16b)を収容および保持するための少な
    くとも一つのハウジング(13a,13b)がその側面に沿って且つその長手方
    向端部において完全に閉鎖され、またその内部構造が外部エンベロープ(2)と
    は独立して燃料集合体(16a,16b)の保持、保護および閉じ込めを保証す
    るように、相互に組み立てられることを特徴とする輸送コンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコンテナであって、前記コンテナの内部構
    造(7)は、少なくとも一つの燃料集合体を支持するための枠体(12)をもっ
    た少なくとも一つの燃料集合体のための収容保持ユニット(10)を有し、燃料
    集合体(16a,16b)の二つの側面を支持する少なくとも二つの壁(12a
    ,12b)、および燃料集合体(16a,16b)の長手方向端部を保持するた
    めの二つの旋回端壁(20,21)を具備し、並びに前記燃料集合体ハウジング
    に対するアクセスを与える開放位置と、前記ドア(14a,14b)が端壁(2
    0,21)および枠体支持壁(12)と共に前記燃料集合体のためのハウジング
    (13a,13b)の完全な閉鎖を保証する閉鎖位置との間で旋回するように、
    枠体(12)に装着された少なくとも一つのドア(14a,14b)を具備する
    ことを特徴とするコンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のコンテナであって、前記枠体(12)は、
    T字形状の横断セクション、二つのアセンブリー(16a,16b)の二つのハ
    ウジング(13a,13b)に共通の支持基部(12a)、燃料集合体(16a
    ,16b)のハウジング(13a,13b)間の分離壁(12b)を有する二つ
    の燃料集合体(16a,16b)を支持する枠体であることと、前記コンテナの
    内部構造(7)は、L字形状の横断セクションを有する二つのドア(14a,1
    4b)を有し、夫々のドアは前記枠体(12)の長手方向に、前記ドアの第一の
    縁部を介して、前記枠体(12)の基部プレートの長手方向縁部に関節式に結合
    されて入ることとを特徴とするコンテナ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のコンテナであって、前記ドア(14a,1
    4b)は、それらの長手方向端部において長手方向外側に向けて突出した掛け釘
    (26a,17´a,27b,27´b)を有することと、前記前記燃料集合体
    (16a,16b)のハウジング(13a,13b)の長手方向端部を閉鎖する
    プレート(20,21)はそれらの外部縁にスロット(28)を有し、該スロッ
    トの中には、前記ドア(14a,14b)および前記端部プレート(20,21
    )の閉鎖位置にある前記ドア(14a,14b)の掛け釘(26a,17´a,
    27b,27´b)が挿入されることとを特徴とするコンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項3および4の何れか1項に記載のコンテナであって、
    前記ドア(14a,14b)は、それらの閉鎖位置において、前記枠体(12)
    における中央分離壁(12b)の端部縁に引き下される第二の縁部を有し、前記
    枠体(12)の中央分離壁(12b)の端部縁に引き下されたドア(14a、1
    4b)の第二の縁部および前記枠体(12)の中央部分(12b)の端部縁は、
    整列した開口を有するロック部材(24,26,26´)の中にロック棒を導入
    するための、前記コンテナ内部の長手方向に整列された開口を有することを特徴
    とするコンテナ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のコンテナであって、燃料
    集合体(16a,16b)のための少なくとも一つのハウジング(13a,13
    b)における側壁回りのコンテナ内部構造の前記壁(12a,12b,14a,
    14b)は、金属シート、および中性子吸収性樹脂が充填された中央空隙を有す
    るスペーサーによって形成された二重壁であり、該スペーサーおよび前記高密度
    中性子吸収性樹脂が前記壁の機械的一体性を保証することを特徴とするコンテナ
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れか1項に記載のコンテナであって、前記
    燃料集合体のハウジング(13a,13b)における端面の閉鎖壁(20,21
    )の少なくとも一方は、燃料集合体(16a,16b)を前記コンテナの長手方
    向に保持するための調節可能な手段(22)を具備することを特徴とするコンテ
    ナ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載のコンテナであって、前記
    燃料集合体(16a,16b)のハウジング(13a,13b)の側面を閉じる
    ための閉鎖壁(14a,14b)は、前記燃料集合体を横断方向に保持するため
    の手段(40,41)を有し、これらの手段は燃料集合体の横断方向に移動可能
    なパッド(40)からなっており、燃料集合体(16a,16b)のスペーサー
    格子(17a,17b)の面に当接するように、コンテナ(1)の外側から操作
    可能であることを特徴とするコンテナ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載のコンテナであって、更に
    、内部構造(7)の長手方向端部の夫々と外部エンベロープの長手方向端部の夫
    々との間に、ステンレス鋼シートで覆われたバルサ樹脂のディスクで形成された
    緩衝材(43)を具備することを特徴とするコンテナ。
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