JPH0697272B2 - 貯蔵プ−ル用ベロ−ズ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は分離する建屋に設置された使用済燃料等の放射
性廃棄物貯蔵プール間の接続構造に係り、特に大量移送
に好適なベローズ型伸縮継手の構造に関する。

〔発明の背景〕

原子炉から取り出された使用済燃料等の放射性廃棄物は
強い放射能を有しており、通常内面をライニングされた
貯蔵プールで貯蔵される。

加圧水型原子炉（以下PWRと呼ぶ）では燃料取扱い建屋
と原子炉格納容器内の燃料取扱いピツトは分離建屋構造
となつている。この分離建屋間と燃料移送装置により接
続している。

以下PWRの燃料移送装置を例に説明する。

第７図はPWRの燃料取扱い設備の平面図である。第８図
は第７図のAOA断面図である。

また、第９図は燃料移送装置構造図である。

PWRの燃料移送装置は、原子炉格納容器２を貫通して、
燃料取扱い建屋３と原子炉１側の間で燃料を移送するた
めのもので、燃料を収納する燃料コンテナ９、燃料コン
テナ９の倒立装置８、燃料コンテナ９を載荷し燃料移送
管７を通つて水平移動するコンバアカー10とその駆動装
置から成る。

使用済燃料11は燃料取替えクレーン４で直立した燃料コ
ンテナ９に入れられ、倒立装置８で燃料コンテナ９を水
平に倒して移送される。

倒立装置８の水圧駆動機構（図示せず）は、燃料取扱い
建屋３側と原子炉１側の双方に設けられている。

コンベアカー10は、燃料コンテナ９を載荷して移動する
長尺の台車であり、コンベアカー10が原子炉１側へ移動
してもその端部は燃料取扱い建屋３側に残り、駆動機構
が燃料移送管７の中に入らないよう配慮されている。ま
た、コンベアカー10が原子炉１側に行つたまま駆動装置
が故障し、更に手動でも動かせない場合は非常用の引抜
きケーブルで燃料取扱い建屋３側に強制的に引戻せるよ
うになつている。

コンベアカー10はプラント通常運転時には燃料取扱い建
屋３側に引き出されて停止しており、燃料移送管７の原
子炉１側開口部はリークテストを行つた後閉止板をし、
原子炉格納容器２の耐圧バウンダリを形成している。こ
の燃料移送装置については火力原子力1981年８月号に記
載されている。

また、燃料移送装置を用いることによつて放射能の閉じ
込めも行つている。

この燃料移送装置12を大量に使用済燃料を扱う独立した
使用済燃料貯蔵設備に適用した場合の問題点について以
下に述べる。

独立した使用済燃料貯蔵設備で燃料移送装置12が使われ
るのは、最初の計画時の貯蔵容量が満杯となり増設が必
要となる場合、初期投資を抑えるために増設により貯蔵
容量を増す場合等が挙げられる。燃料移送管７の燃料取
扱い単位は燃料集合体１体単位であるため、大量の燃料
を取扱う独立した使用済燃料貯設備では燃料取扱いに時
間がかかり、１日の処理量を満足できないことも生じ
る。

また、使用済燃料11を燃料コンテナ９に収納し、燃料コ
ンテナ９を倒立装置８により転倒させるため、増設取合
部の必要スペースが大きくなる。

さらに、燃料移送装置12の機構が複雑であるため、万一
故障した場合には、使用済燃料11の受入、貯蔵を停止し
なければならなくなることも考えられる。

また、増設を行う場合には建屋が分離することだけでな
く、建屋のベースマツトが既設建屋と増設建屋で異なる
こともある。この場合には地震時に既設建屋と増設建屋
で振動にずれが生じることもあり、燃料移送管７で２つ
の建屋間ま相対変位を吸収しきれないことも問題点とし
て挙げられる。

以上のように、燃料移送装置12を独立使用済燃料貯蔵設
備の増設接続部に適用するのは困難である。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、原子炉から取り出された、使用済燃料
等の放射性物質を貯蔵する貯蔵プールと、別建屋内の貯
蔵プールを接続し、効率よく使用済燃料等の放射性物質
を移送できる接続システムを提供することにある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成する本発明の特徴は、Ｕ字型のベローズ
と、このベローズの伸縮方向の両端部の側壁外面にそれ
ぞれ設けられた支持部材ホルダーと、前記ベローズの側
壁の凹部内に挿入される補強ブロックと、両端部が前記
ベローズの伸縮方向の両端部に設けられた各前記支持部
材ホルダーに取り付けられ、前記補強ブロックを支持す
る支持部材とを備えたことにある。

つまり、本発明は、原子炉から取り出された使用済燃料
等の放射性物質を貯蔵する貯蔵プールと、この貯蔵プー
ルに隣接して設置される貯蔵プールとを接続する接続路
において、上記の特徴を有する貯蔵プール用ベローズを
用いることにより、２つの分離した貯蔵プール間で使用
済燃料等の放射性物質を水中から引き上げることなくま
た大量に効率よく移送できるようにしたものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図から第６図により説明す
る。

第１図は本発明による使用済燃料貯蔵施設の平面図であ
る。

第２図は第１図のAA断面図である。

使用済燃料貯蔵施設は使用済燃料11を収納した輸送容器
（以下キヤスクと呼ぶ）を受入れるキヤスクピツト13,
使用済燃料11を貯蔵する貯蔵プール14,キヤスクから燃
料を取り出し貯蔵プール14内の貯蔵機器へ貯蔵する燃料
取扱い装置19等から構成される。

原子炉から取出された使用済燃料11は原子炉建屋内の燃
料貯蔵プールで冷却貯蔵された後、原子炉建屋内でキヤ
スクに収納される。使用済燃料を収納したキヤスクは原
子炉建屋から搬出され、原子炉建屋外の独立使用済燃料
貯蔵設備、例えば再処理工場に付属する使用済燃料貯蔵
設備、サイド内の独立使用済燃料貯蔵設備等へ搬入され
る。使用済燃料貯蔵設備に搬入されたキヤスクはキヤス
クピツト13に入れられ、収納されている。燃料は燃料取
扱い装置19によつてキヤスク内から取出され、貯蔵プー
ル14で貯蔵される。

貯蔵プール14の貯蔵容量は計画段階で決まつており、貯
蔵容量が不足する場合には別に貯蔵施設を建設する、貯
蔵プールを増設するといつた手段が取られる。

貯蔵プール14の増設を行う場合に、貯蔵プール14と増設
貯蔵プール15の間を通路で接続する必要が生じる。これ
は、使用済燃料11が強い放射線を出しているためであ
る。

使用済燃料11の取扱は、水中で行われるか、もしくは気
中であれば十分に遮蔽された乾式セルと呼ばれるセル内
で遠隔操作によつて扱われる。

このように使用済燃料11は強い放射線を出しているた
め、貯蔵プール14と増設貯蔵プール15の間の接続通路16
は十分な水密性を要求される。

第３図には本発明による一部を開放したベローズ型伸縮
継手を示す。

第４図は第３図の側面図で量る。

ベローズの一部を開放したベローズ型伸縮継手（以下Ｕ
型ベローズと呼ぶ）20は、第５図に示すようにベローズ
本体21、ベローズを補強するブロツク22,ブロツクを支
持するボルト23,ボルト23を支持するボルトホルダー24,
ボルトホルダー24を支持しＵ型ベローズ20を下部から支
えるＩ型鋼25で構成される。

Ｕ型ベローズ20は通常のベローズ型伸縮継手と異なり第
３図に示すようにベローズの一部が開放されている。ま
た、Ｕ型ベローズ20の内部は常に水が満たされているた
め、水の重量によりＵ型ベローズ20の上部が開く。この
ためベローズ本体21側面の谷部にブロツク22を取付けベ
ローズ本体21の補強を行う。

Ｕ型ベローズ20は第６図に示すように動き軸直角方向変
位を吸収する。また、ボルト23及びボルトホルダー24は
ベローズ本体21の変位を拘束しないようボルトホルダー
24に設置する穴は変位が吸収可能なようにボルト23より
若干大きい穴をあけておく。

また、ボルトホルダー24の形状は、静水圧を受けるため
に第３図に示すように下方に行くに従つて大きくする。

このようなＵ型ベローズを接続通路16に適用することに
より、接続通路16の水密性が確保できる。

前述のように、建屋の増設を行う場合には既設建屋と増
設建屋の施工時期にずれが生じるため、地震時には２つ
の建屋は別々の挙動をするが、Ｕ型ベローズ20を用いる
ことにより地震時に生じる相対変位をＵ型ベローズ20の
動きにより吸収可能となる。

Ｕ型ベローズ20の寸法は必要に応じて決めることが可能
である。すなわち、使用済燃料を１体ずつ移送する場合
には、Ｕ型ベローズ20の寸法を使用済燃料11,1体分十移
送クリアランスとすればよく、深さはＵ型ベローズと使
用済燃料11とのクリアランス及び使用済燃料長さ、移送
水深とすればよい。また、使用済燃料11を例えばバスケ
ツトのように複数体で取扱える容器に入れて移送する場
合には、容器とＵ型ベローズ20のクリアランスとするこ
とにより設計できる。

従つて、１日の処理量が多い場合には大量の使用済燃料
を取り扱える容器での移送が行えるように設計が可能で
あるため、処理量の計画に裕度ができる。

また、Ｕ型ベローズ24とすることにより、移送時に既設
の燃料取扱い装置19を使用することが可能となるため、
特別な移送装置が不用となる。

さらに、燃料を垂直状態のままで取扱うことができ、PW
Rの倒立装置８が不用となり、貯蔵プール14及び増設貯
蔵プール15にデツドスペースが生じない。

以上のことをまとめると本実施例によれば、一度に大量
の使用済燃料を扱うことが可能となり、また、貯蔵プー
ルを大きくする必要がなくなり、燃料取扱い装置を既設
装置で増設側も共用可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、２つの貯蔵プールで燃料取扱い装置が
共用化できるため装置が１台となり増設費用が安価とな
るとともに、あらかじめ計画しておけば、容易に増設が
可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による使用済燃料貯蔵施設の平面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は本発明によるＵ
型ベローズの正面図、第４図は第３図の側面図、第５図
は第３図のBB矢視図、第６図はベローズの変位吸収を表
わす説明図、第７図は、PWRの燃料取扱い設備の平面
図、第８図は第１図のAOA断面図、第９図は燃料移送装
置図である。 １…原子炉、２…原子炉格納容器、４…燃料取替クレー
ン、７…燃料移送管、８…倒立装置、９…燃料コンテ
ナ、10…コンベアカー、11…使用済燃料、12…燃料移送
装置、13…キヤスクピツト、14…貯蔵プール、15…増設
蔵プール、18…増設建屋、20…Ｕ型ベローズ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｕ字型のベローズと、このベローズの伸縮
   方向の両端部の側壁外面にそれぞれ設けられた支持部材
   ホルダーと、前記ベローズの側壁の凹部内に挿入される
   補強ブロックと、両端部が前記ベローズの伸縮方向の両
   端部に設けられた各前記支持部材ホルダーに取り付けら
   れ、前記補強ブロックを支持する支持部材とを備えた貯
   蔵プール用ベローズ。