JP4220101B2 - 燃料集合体収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は使用済みとなった多数の燃料集合体を収納して輸送または一時保管するための燃料集合体収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉で使用済みとなった使用済燃料集合体(以下、使用済燃料と記す)は、一定期間原子炉施設内で冷却された後、輸送容器と呼ばれる輸送キャスク(以下、キャスクと記す)に収納されて再処理工場へ運ばれて再処理されるか、またはキャスク,輸送兼貯蔵用キャスク等に収納されて中間貯蔵施設へ運ばれ、長期間冷却した後、再処理、または最終処分される。
【0003】
このような場合、キャスクに多数の使用済燃料を収納できることが望ましい。この理由としては、高価なキャスクの使用数を低減したいこと、キャスク数が多いと輸送回数が多くなり、万一の事故の可能性が高くなること、キャスク取扱い回数が多いと被曝量も多くなることなどが容易に理解できる。
【0004】
ところが、一定の大きさのキャスク等の燃料集合体収納装置により多くの使用済燃料を収納すると、冷却期間が短いうちは除熱や放射線遮蔽問題が特に重要であり、冷却期間が長くなると臨界安全性が特に重要になることが知られている。
【0005】
冷却期間が長くなる場合には、十分な臨界安全性を確保しながら前述のように限られた空間の中により多くの使用済燃料を収納できる燃料集合体収納装置が要望される。そのため、ステンレス鋼(以下、SUSと記す)にボロン(B)を添加した材料(B−SUS材と記す)を用いて中性子吸収率を大きくし、臨界安全性を確保している。
【0006】
B−SUS在中のB添加率が0.5%程度まではBを含まないSUSとの機械的性質及び加工上の性質の著しい差異はないが、ボロンの添加率は燃料の初期濃縮度の高まりにつれて高くする必要があり、0.5%を大きく超えるB添加が要求されるようになってきている。
【0007】
B添加率を高めるとB−SUS材は硬くて脆くなり、衝撃的な力に対する強度が不足するようになるとともに、加工も困難になる。ボロン10(B10)を濃縮した濃縮ボロンを用いると、このような問題は大幅に緩和されるものの、非常に高価な材料となる。
【0008】
以下、沸騰水型原子炉(以下、BWRと記す)の燃料集合体を収納する場合を例に取り、具体的に説明する。
図14(a)はBWRの燃料集合体1の燃料バンドル7の斜視図、図14(b)は(a)においてチャンネルボックス8を被せた状態の上半分を示している。すなわち、燃料集合体1はハンドル2と一体化された上部タイプレート3,下部タイプレート4及び格子状に構成された燃料スペーサ5を用いて多数の燃料棒6が束ねられて一体化され、燃料バンドル7が構成されている。
【0009】
燃料バンドル7はチャンネルボックス8で包囲され、チャンネルボックス8とバンドル7を一体化するためにチャンネルファスナ9(以下、ファスナと記す)が取り付けられている。チャンネルボックス8に装着されているパッド10とファスナ9は、原子炉内で図示しない制御棒の挿抜空間を確保するために使用される。したがって、ファスナ9は二つの機能を持っている。
【0010】
なお、昨今の加圧水型原子炉(以下、PWRと記す)の燃料集合体にはチャンネルボックス状のものは装着されていないので、PWR燃料集合体では燃料集合体と燃料バンドルは同一となっている。
【0011】
図15は図14(b)に示した燃料集合体1を燃料集合体収納装置11の1体の燃料セル12内に収納した状態を横断面図で部分的に拡大して示したものである。すなわち、燃料セル12は複数の帯状仕切板13を縦横に組み合わせて構成したもので、これらの燃料セル12が格子状に多数組み合わされて燃料集合体収納装置11が構成されている。
【0012】
燃料集合体が水中に設置されている場合には、水棒14の中には水が満たされ、中性子実効増倍率が増大される。チャンネルボックス8の外周にはファスナ9及びパッド10が存在するため、比較的大きな空隙15が形成され、燃料集合体1の収納体数の低減の大きな要素となっている。
【0013】
水が侵入した場合には水が中性子減速材となって燃料集合体収納装置11の中性子実効増倍率を増大させる(臨界安全性を低下させる)可能性をはらんでいる。従来の燃料集合体収納装置11では必要に応じて通常SUS製燃料セル仕切板13の中にボロンが添加され、中性子実効増倍率の増大を抑制している。
【0014】
図16は従来の燃料集合体収納装置を概略的に横断面図で示したもので、円筒状バスケット16内に仕切板13を格子状に設置して多数の燃料セル12を格子状に配列している。現在実用化されているBWR燃料集合体用バスケット16では52体収納できるが、この図ではさらに寸法的に許容できる一例として燃料セル12の数を69体分に増加させている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらに燃料セル12の数を76体に増加させたい場合には、図17に示したように、破線で示す従来の大きさのバスケット16では収納不可能であるため、実線で示すように直径を大きくした拡大バスケット17が必要となる。
【0016】
バスケット16の直径を大きくすると外周を構成する遮蔽体兼落下時衝撃緩衝体が全く使用できなくなるため、実用的でない欠点を生じ、このような背景から、燃料集合体を稠密収納することの必要性に迫られる課題がある。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、例えばB−SUS材におけるボロン(B)の添加率を低く抑えることによって、構造材のコスト低減ができ、中性子吸収材、例えばBを低廉な状態で効果的に中性子吸収に活用でき、しかも高い密度で多数体の使用済燃料や新燃料を稠密収納できる燃料集合体収納装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円筒状の金属バスケット内に複数の仕切板が軸方向に沿って縦横に挿入されて複数体の角筒状燃料セルが格子状に形成された燃料集合体収納装置において、前記燃料集合体収納装置の中心をとおり前記角筒状燃料セルの2体分乃至4体分幅のXY軸上に形成される十字状空間内で、前記中心から均等な位置にある燃料セルと仕切板との間に上下左右対称に中性子吸収体を配置するとともに、前記燃料集合体の上部又は下部タイプレートの位置に対応する前記複数の仕切板の上部または上下部の板材の厚さを他の部分の板材よりも厚くしてなることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、外周に近い燃料セルを金属バスケットに内接するまでにシフトすることにより金属バスケットの強度が向上する。また、十字状空間内に低廉なコストで製作できる中性子吸収材を収納した平板状中性子吸収体を配置して例えばSUS仕切板に含める必要のある例えばB濃度を低減するか、または添加不要として強度向上に寄与させ、かつ製造コストを低減させることができる。
【0020】
さらに、仕切板のうち、上部または上下部の軸方向一定軸を除く部分の板厚を上部または上下部の板厚より薄く、つまり、上部または上下部の板厚を厚くすることによって、燃料セル内への挿入または引き抜き時の燃料集合体の曲がりや捩じれに伴って必要となる横断面寸法余裕の増大を許容できる。
【0021】
請求項2の発明は、前記金属バスケットの内面と前記複数体の角筒状燃料セル内を除いた前記複数の仕切板との間に生じる隙間に熱伝導性材料を充填し、かつ前記複数の仕切板の端部を前記金属バスケット内面に固着してなることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、熱伝導性材料を充填することにより使用済燃料集合体からの熱を放散することができ、また金属バスケットの内面と複数の仕切板の両端部とを固着することと相俟って燃料集合体収納装置の強度をより向上できる。
【0023】
請求項3の発明は、前記複数の仕切板の上端部を、燃料集合体のチャンネルボックスの上端部に固設されたチャンネルファスナ及びパッドのうち、少なくともチャンネルファスナと干渉しない高さに設定してなることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、チャンネルファスナの横方向幅はパッドの幅より大きいため、少なくともチャンネルファスナがパッドより大きい部分の横断面を削除できるので、燃料集合体収納の稠密化が図れる。パッドとも干渉しないようにすれば一段と稠密化を図ることができる。
【0025】
請求項4の発明は、前記十字状空間内の仕切板は強化フレームからなることを特徴とする。
【0027】
請求項5の発明は、前記中性子吸収材はステンレス鋼製平板状容器内にボロンカーバイド(B4C)を直接的または間接的に充填してなるものであることを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、BWRで制御棒の中性子吸収材として広く使用されている低廉なB4C粉末を使用することによって、十分な量のボロン(B)を燃料集合体収納装置の中に好適に導入することができ、低廉で十分な未臨界度(臨界安全性)を確保することができる。
【0029】
請求項6の発明は、前記複数体の角筒状燃料セルの少なくとも一部を前記複数の仕切板で構成し、この複数の仕切板のうち燃料集合体の上半分で残留核分裂性物質濃度が高い部分に中性子吸収材含有仕切板を装着してなることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(c)、図2および図3により本発明に係る燃料集合体収納装置の第1の実施の形態を説明する。
図1(a)は本実施の形態に係る燃料集合体収納装置の横断面図、図1(b)は図1(a)における十字状空間18を説明するための概略図、図1(c)は図1(a)における中性子吸収体19を一部切欠して示す斜視図、図2は図1(a)における燃料セル12内に燃料集合体1を挿入した状態を上部のみ示す斜視図、図3は図2における横断面図である。なお、図1〜図3中、図14〜図16と同一部分には同一符号を付している。
【0036】
図1(a)において、符号16aは本実施の形態におけるほぼ円筒状の金属バスケットで、この金属バスケット16a内に複数の帯状仕切板13を軸方向に沿って縦横に組み合わせて挿入し格子状に52体の燃料セル12を形成する。金属バスケット16aの内面と、この内面側に接する最外周の仕切板13の外面との間隙には熱伝導性材20、例えばAlを充填し、熱伝導性を保持している。
【0037】
また、各々の仕切板13の端部は金属バスケット16の内面に溶接等により固着し、金属バスケット16の強度を保持している。さらに、金属バスケット16の内面と仕切板13の両端部を固着することと熱伝導性材とにより燃料集合体収納装置の強度をさらに向上できる。
【0038】
また、図1(a),(b)中、符号18は本明細書で定義する十字状空間で、この十字状空間18は図1(b)に概略的に示したように横断面から見て、中心点(軸)Cを横断して直交するXY2軸を包含しかつ燃料セル12の2体分から4体分の幅を有して半径方向に直線状に延在する太線で示す範囲を指している。
【0039】
この十字状空間18内には、図1(a)に示すように中心点Cから2体分離れ、かつその個所から上下左右に1体分ずつ外れた均等な位置で上下左右対称形に配列されている2体分の燃料セル12と仕切板13との間にそれぞれ中性子吸収体19が設置されている。十字状空間18を構成する仕切板13に強化フレームを使用することにより、金属バスケット16aの強度を保持することもできる。
【0040】
中性子吸収体19は図1(c)に示したように厚さ1〜2mm程度のSUS板21を2板間隙を保って対向させ左右及び上下端に2〜5mm程度の金属バー22を配置した密封構造の平板状金属容器で、内部にボロンカーバイド(B4C)粉粒23を充填したものである。
【0041】
ボロンカーバイド粉粒23は図1(c)に示した平板状金属容器内に直接充填するだけでなく、例えば沸騰水型原子炉(BWR)用制御棒のように金属管に充填したものを平板状金属容器内に挿入してもよい。この場合には十字型構成となっているBWR用制御棒の一つの翼の構成とほぼ同じであり、同じ製造工程が使用できるメリットがあり、また使用済みとなった制御棒を解体して使用することもできる。
【0042】
図2は図1(a)における金属バスケット16aから1体の燃料セル12を取り出して1体のBWR燃料集合体1を燃料セル12内に挿入した状態を上部のみ示している。図2から明らかなように、縦横の仕切板13により構成された燃料セル12は上端部がパッド10より下方に位置してその分だけ短尺化されており、かつチャンネルファスナ9が突っ張るコーナ部分に切り欠き部24を設けている。この切り欠き部24の周囲とその近傍の仕切板13の板厚は他の部位より厚くしている。これにより燃料セル12の強度を向上させることができる。
【0043】
また、燃料セル12の下部(図示せず)で図14(a)に示した下部タイプレート4が位置する部位の板厚を厚くすることにより、燃料セル12の上下部位の強度を保つことができる。すなわち、上下部タイプレート3,4の部位から外れて燃料棒6が位置する部位、つまり中央部とその近傍の仕切板13の板厚を薄くすることにより仕切板13が可撓性を有するようになり、燃料集合体1の燃料セル12への挿入性が容易となる。
【0044】
十字状空間18の仕切板13を除く部位では燃料セル12は相互に密着配置することもできる。また、必要に応じて薄い仕切板を用いて燃料セル12相互間を一体化することもできる。
【0045】
図2においてはチャンネルファスナ9とパッド10が燃料セル12の上部と干渉しないようにパッド10の個所から下方に燃料セルの軸方向を短尺化し、また上端部に切り欠き部24を設けた例で示したが、金属バスケット16aの上部(軸と直角方向)から見ると図3に示すようにチャンネルファスナ9とパッド10は仕切板13と重なって見える。
【0046】
すなわち、チャンネルファスナ9とパッド10による金属バスケット16aの横断面方向の無駄な空隙(図14参照)がなく、稠密化されていることが認められる。チャンネルファスナ9の方がパッド10より無駄な空間を大きく占めるため、チャンネルファスナ9を避ける構成とするだけでも稠密化に効果がある。
【0047】
これを実現する方法として、例えば、金属バスケット16aの装荷の前に、炉心装荷時に制御棒挿入空間確保のために機能するチャンネルボックス8の外部に張り出したスプリングのないボルトと交換することができる。なお、このボルトは単に燃料バンドルとチャンネルボックスを固定するためだけの機能を有する燃料バンドル7の上部から締め付けるボルトのことである。
【0048】
つぎに図4により本発明の第2の実施の形態を説明する。
図4は図2に対応しており、図4中図2と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0049】
燃料セル12の上端、つまり仕切板13の上端がチャンネルファスナ9及びパッド10と干渉しないように短尺化されているのは図2で示した例と同様であるが、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、燃料セル12aの構成材の仕切板13に長方形状窓25を明け、この窓25に中性子吸収材含有板26を嵌め込んで固着したことにある。
【0050】
本実施の形態によれば、燃料セル12aは機械的強度確保と効果的な中性子吸収の確保を部分的に機能分離分担しながら、しかも形状を大きくすることなく、小型化できる。
【0051】
つぎに図5により本発明の第3の実施の形態を説明する。
本実施の形態は第1の実施の形態における複数体の燃料セル12において、機械的強度を必要とする個所に設ける燃料セル12bに関するものである。すなわち、本実施の形態に係る燃料セル12bは細長い箱型はしご形状で、4コーナにアングル27が骨組となって配置されており、上端部を除いて隣接するアングル27を結合する結合板28が所々に固着されて機械的に丈夫な構成を形成している。
【0052】
アングル27の上端部には上端結合板29が張られている。この上端結合板29はアングル27より若干厚肉となっており、内側に向かって上部より下方のアングル27の肉厚や途中の結合板28より突出している。本実施の形態によれば、燃料セル12bの頂部強度が向上し、頂部を除く部分で燃料集合体の曲りや捩じれに対応できる空間が形成される。
【0053】
アングル27及び結合板28には中性子吸収材は原則として添加しないが、または添加しても微量(例えばボロンで0.3%程度以下)しか添加しない。結合板28相互の間の中性子吸収板固着用窓30には中性子吸収材を多く添加したアングルと同じ、または若干薄い中性子吸収板(図示せず)が固着される。結合板28の軸方向高さは隣接する面によって異なっている。これは中性子吸収板の間に中性子吸収材を含まないものが隣接すると、中性子実効増倍率を抑制する能力が低下するためである。
【0054】
中性子吸収板には機械的強度は要求されない代りに高い中性子吸収能力が要求される。この場合の中性子吸収板の構成の代表的な例として、極めて吸収能力の高いカドミウム(Cd)金属板、ガドリニウム(Gd)金属板、あるいはB添加濃度の高いB−SUS板などをSUS板でサンドイッチ構造で密封したものがある。
【0055】
CdやGd金属は極めて大きな中性子吸収能力を有しているので、金属板の厚さとしては0.5mm程度で差し支えない。この厚さ付近で厚さの変化(バラツキ)が0.1mm程度あっても全く問題ない。Gdは低廉な酸化物の粉末として使用してもよい。中性子吸収材としては当然ながらこれらに限定する必要はない。
【0056】
なお、使用済燃料では燃料有効部の下部の例えば半分程度から下部では核分裂性物質の濃度が上部に比べて低いため、中性子増倍特性は通常低く、したがって下部では中性子吸収板を取り付ける必要は必ずしもない。
【0057】
つぎに図6により本発明の第4の実施の形態を説明する。
本実施の形態は燃料セル12内に燃料集合体のチャンネルボックス8を取り除いたBWR燃料バンドル7を収納した例であり、図3に対応し、図6中図3と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0058】
本実施の形態によれば、チャンネルボックス8を取り除いて燃料セル12内に燃料バンドル7を収納することにより、燃料バンドル7を極めて高い密度で収納することができる。PWR燃料集合体の場合には、初めからチャンネルボックスが存在していない燃料バンドルのみであるため、本実施の形態を適用するのに好適している。なお、BWR燃料バンドルにおいて横断面の最大寸法を形成する外周部は下部タイプレートである。
【0059】
つぎに図7により本発明の第5の実施の形態を説明する。
本実施の形態は第1の実施の形態における燃料集合体収納装置に対応する他の実施例であり、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、図7に示したようにX印で示す中央部の4体の燃料セルを、図4で示す中性子吸収材を含む燃料セル12aで構成し、他の部分は第1の実施の形態と同様に構成したことにある。なお、図7中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0060】
第1の実施の形態において、4個所の中性子吸収体19を除いて中性子吸収材が存在しない場合には、金属バスケット16a内の中央部で中性子吸収の不足が生じ、中性子実効増倍率が増加することになる。しかしながら、本実施の形態のように、図4で示した中性子吸収材を含む燃料セル12aを配置することにより、中性子実効増倍率の増加を防止することができる。
【0061】
つぎに図8,図9により本発明の第6の実施の形態を説明する。
本実施の形態は69体の燃料集合体を収納する燃料集合体収納装置の例であり、図8の構成は第1の実施の形態の構成に準じている。図9は図8の他の実施例として、図7に準じた構成となっている。図7の例と若干異なる点は、X印で示す中央部の5体の燃料集合体を1体毎に分散して配置している点である。中心点から中性子吸収体19までの距離が図7の場合より大きいため、これらの中性子吸収体19の中性子吸収能力は中心部へはあまり及ばない。
【0062】
図8で示すように中央部に中性子吸収材を含む燃料セル12aが存在しない場合には、金属バスケット16bの中央部で中性子吸収の不足が生じ、この付近の中性子実効増倍率が増加することになる。一方、図9に示したようにX印で示す燃料セル12aを設けることにより中性子実効増倍率の増加を防止できる。
【0063】
なお、金属バスケット16c中央部のX印で示す燃料セル12aを9体とすることによって中性子実効増倍率をさらに抑制させることができるが、効果は比較的小さく、逆にコストアップにつながるので、不可欠の場合を除いて5体の状態の方が有利である。
【0064】
つぎに図10および図11により本発明の第7の実施の形態を説明する。
本実施の形態は76体の燃料集合体を収納する燃料集合体収納装置の例であり、52体や69体収納の場合とやや異なり、図10および図11の上下左右の中性子吸収体19の他に45度方向にもそれぞれ3体の燃料セル12を金属バスケット16dに隣接するように外周部へシフトし、生じた空間に中性子吸収体19をL字状に配置したことにある。
【0065】
仕切板13で十字状空間18を構成する直径方向に延在した板はX方向及びY方向にそれぞれ5枚ずつ配置され、金属バスケット16dの直径方向の強度を向上させている。中央部には8体のX印で示した中性子吸収材充填の燃料セル12aを配置して中性子実効増倍率の増加を抑制するように配置されている。
【0066】
図10の例ではXY方向(図10中の左右上下対称方向)で中性子吸収体19から外側で実効増倍率が増加するおそれがある個所に、図11では図10と同様に左右上下対称の中央部から外周部に比較的近い場所に2体ずつ組にして8体分の中性子吸収材を充填した燃料セル12aが配置されている。
【0067】
つぎに図12および図13により本発明の第8の実施の形態を説明する。
本実施の形態は図12および図13に示したように金属バスケット16e内にBWR燃料より大きいPWR燃料バンドルを32体収納する32体のスーパセル31を仕切板13により構成した燃料集合体収納装置である。図12の例では金属バスケット16e内の中心点を横断して直交するXY方向2軸を包含し、かつ半径方向で直線状に延在するほぼ十字状空間内で中心点から離れたほぼ均等な位置でほぼ均等に配列されたスーパセル31,31間に中性子吸収体19を設けたことにある。スーパセル31の仕切板13には中性子吸収物質を含まないが、必要に応じて微量のBを充填することもできる。
【0068】
図13の例では、中性子吸収体19を図12の場合より外側へ移し、中心部に4体分の吸収材充填燃料セル12aを密着配置している。図12の例と図13の例との優劣は、収納する燃料集合体の中性子実効増倍率の大きさによっても変化する可能性がある。なお、ここではPWR燃料を収納するのに好適なものとして説明したが、BWR燃料集合体にも適用できるのは当然である。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料セルの仕切板を金属バスケットに内接するまでシフトして金属バスケットの内面と燃料セルの仕切板を接合することにより、金属バスケットの強度を向上させ、かつ内部に形成される十字状空間に低廉なコストで製作できる中性子吸収材を収納した中性子吸収体を配置して、従来仕切板に含有していたボロン濃度を低減ないし添加不要として、製造コストを低減することができる。
【0070】
また、燃料セルを構成する仕切材のうち、最上部の軸方向一定幅を除く部分の板厚を、最上部のそれより薄くすることによって、燃料集合体の曲りや捩じれに伴って必要となる横断面寸法余裕の増大を許容できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る燃料集合体収納装置の第1の実施の形態を示す横断面図、(b)は(a)における十字状空間を説明するための概略図、(c)は(a)の中性子吸収体を示す斜視図。
【図2】図1における燃料セル内に燃料集合体を挿入した状態の上部を示す斜視図。
【図3】図2を上部から切断して示す横断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の要部を示す斜視図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の要部を示す斜視図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の要部を示す横断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態を示す横断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態を示す横断面図。
【図9】本発明の第6の実施の形態の他の例を示す横断面図。
【図10】本発明の第7の実施の形態を示す横断面図。
【図11】本発明の第7の実施の形態の他の例を示す横断面図。
【図12】本発明の第8の実施の形態を示す横断面図。
【図13】本発明の第8の実施の形態の他の例を示す横断面図。
【図14】(a)はBWR燃料集合体の燃料バンドルを示す斜視図、(b)は(a)の燃料バンドルにチャンネルボックスを装置して上部のみ示す斜視図。
【図15】従来の燃料集合体収納装置内に燃料集合体を挿入した状態を示す横断面図。
【図16】従来の燃料集合体収納装置を概略的に示す横断面図。
【図17】図16の燃料集合体収納装置を拡大した例を概略的に示す横断面図。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…ハンドル、3…上部タイプレート、4…下部タイプレート、5…燃料スペーサ、6…燃料棒、6a…水棒、7…燃料バンドル(バンドル)、8…チャンネルボックス、9…チャンネルファスナ,10…パッド、11…燃料集合体収納装置、12…燃料セル、13…仕切板、14…水棒、15…空隙、16,16a〜16e…金属バスケット、17…拡大バスケット、18…十字状空間、19…中性子吸収体、20…熱伝導性材、21…SUS板、22…金属バー、23…ボロンカーバイド粉粒、24…切り欠き部、25…窓、26…中性子吸収材含有板、27…アングル、28…結合板、29…上端結合板、30…中性子吸収板固着用窓、31…スーパセル。
Claims (6)
- 円筒状の金属バスケット内に複数の仕切板が軸方向に沿って縦横に挿入されて複数体の角筒状燃料セルが格子状に形成された燃料集合体収納装置において、
前記燃料集合体収納装置の中心をとおり前記角筒状燃料セルの2体分乃至4体分幅のXY軸上に形成される十字状空間内で、前記中心から均等な位置にある燃料セルと仕切板との間に上下左右対称に中性子吸収体を配置するとともに、前記燃料集合体の上部又は下部タイプレートの位置に対応する前記複数の仕切板の上部または上下部の板材の厚さを他の部分の板材よりも厚くしてなることを特徴とする燃料集合体収納装置。 - 前記金属バスケットの内面と前記複数体の角筒状燃料セル内を除いた前記複数の仕切板との間に生じる隙間に熱伝導性材料を充填し、かつ前記複数の仕切板の端部を前記金属バスケット内面に固着してなることを特徴とする請求項1記載の燃料集合体収納装置。
- 前記複数の仕切板の上端部を、燃料集合体のチャンネルボックスの上端部に固設されたチャンネルファスナ及びパッドのうち、少なくともチャンネルファスナと干渉しない高さに設定してなることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料集合体収納装置。
- 前記十字状空間内の仕切板は強化フレームからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の燃料集合体。
- 前記中性子吸収材はステンレス鋼製平板状容器内にボロンカーバイドを直接的または間接的に充填してなるものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の燃料集合体収納装置。
- 前記複数体の角筒状燃料セルの少なくとも一部を前記複数の仕切板で構成し、この複数の仕切板のうち燃料集合体の上半分で残留核分裂性物質濃度が高い部分に中性子吸収材含有仕切板を装着してなることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の燃料集合体収納装置。
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