JP2002373654A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2002373654A
JP2002373654A JP2001182754A JP2001182754A JP2002373654A JP 2002373654 A JP2002373654 A JP 2002373654A JP 2001182754 A JP2001182754 A JP 2001182754A JP 2001182754 A JP2001182754 A JP 2001182754A JP 2002373654 A JP2002373654 A JP 2002373654A
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battery
average particle
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lithium
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JP2001182754A
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Yoshin Yagi
陽心 八木
Koji Higashimoto
晃二 東本
Yuichi Takatsuka
祐一 高塚
Kensuke Hironaka
健介 弘中
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Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力化と共に寿命特性、特に高温での充放
電サイクルによる入出力特性の低下を抑制することがで
きるリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質に、平均粒子径0.5〜1μ
mの粒子Aと平均粒子径2〜3μmの粒子Bからなる二
次粒子の平均粒子径を10〜30μmとしたマンガン酸
リチウムを用いた。粒子Aの数量Nと粒子Bの数量N
との比N/N を5〜20の範囲とした。粒子Aに
より比表面積が大きくなり電極反応面積が増大し、粒子
Bにより粒子間結合力が大きくなりマンガン溶出を抑制
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
係り、特に、正極活物質にリチウムマンガン複酸化物を
用いた正極と負極とを有する電極群を電解液に浸潤させ
たリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池は、高エネルギ
ー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラや
ノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に
使用されている。この電池の内部構造は、通常以下に示
されるような捲回式とされている。電極は正極、負極共
に活物質が金属箔に塗着された帯状であり、セパレータ
を挟んで正負極が直接接触しないように断面が渦巻状に
捲回され、捲回群を形成している。この捲回群が電池容
器となる円筒状の電池缶に収納され、電解液注液後、封
口されている。
【0003】一般的な円筒形リチウムイオン二次電池の
寸法は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高
さ65mmであり、小形民生用リチウムイオン電池とし
て広く普及している。18650型リチウムイオン二次
電池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコ
バルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量
は、おおむね1.3Ah〜1.7Ah、出力はおよそ1
0W程度である。
【0004】一方、自動車産業界においては環境問題に
対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみ
にした電気自動車(EV)と、内燃機関エンジンと電池
との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の
開発が加速され、一部実用化の段階にきている。
【0005】電気自動車の電源となる電池には当然高出
力、高エネルギーが得られる特性が要求され、この要求
にマッチした電池としてリチウムイオン電池が注目され
ている。電気自動車の普及のためには、電池の低価格化
が必須であり、そのためには、低コスト電池材料が求め
られ、例えば、正極活物質であれば、資源的に豊富なマ
ンガンの酸化物が特に注目され、電池の高性能化を狙っ
た改善がなされてきた。また、電気自動車用電池には、
高容量だけではなく、加速性能などを左右する高出力
化、つまり電池の内部抵抗の低減が求められる。電極反
応面積の増大を狙って、正極活物質の比表面積を大きく
することでこの要求に対応することができる。
【0006】具体的に比表面積を大きくするには、正極
活物質の粒子径を小さくすることである。しかし、小さ
な粒子径では、電極製作時に粉体が飛散したり、集電体
に塗布するためのスラリ化がしにくいなどの弊害が生じ
る。これを改善するためには、小さな粒子径の一次粒子
を凝集させて二次粒子を形成させることで対処可能であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正極活
物質にリチウムマンガン複酸化物を用いたリチウム二次
電池の場合、高出力化を狙って単純に粒子径を小さくし
比表面積を大きくしたリチウムマンガン複酸化物を用い
ると、電解液中へのマンガンの溶出が顕著になり電流が
流れにくくなるため、電池の充放電サイクルや保存に伴
う容量低下が大きくなり寿命特性を損なう問題が発生す
る。
【0008】これに対し、マンガン酸リチウム結晶中の
マンガン原子の一部をコバルト(Co)やクロム(C
r)等の異種金属で置換することにより、寿命特性を向
上させることが種々提案されており、一応の効果は認め
られているものの、これも十分とはいえない。
【0009】本発明は上記事案に鑑み、高出力化と共に
寿命特性、特に高温での充放電サイクルによる入出力特
性の低下を抑制することができるリチウム二次電池を提
供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、正極活物質にリチウムマンガン複酸化物
を用いた正極と負極とを有する電極群を電解液に浸潤さ
せたリチウム二次電池であって、前記リチウムマンガン
複酸化物は、平均粒子径の異なる複数種の一次粒子を含
む。
【0011】本発明は、平均粒子径の異なる複数種の一
次粒子を混在させたリチウムマンガン複酸化物が正極活
物質として用いられる。平均粒子径の小さな一次粒子
は、平均粒子径の大きな一次粒子に対して、比表面積を
より増大させ、逆に、平均粒子径が大きな一次粒子は、
平均粒子径の小さな一次粒子に対して、一次粒子同士の
粒子間結合力をより増大させる。比表面積を増大させる
ことにより電極反応面積が増大し電池の内部抵抗を低減
させるので、高出力を得ることができ、また、粒子間結
合力を増大させることにより充放電サイクルや保存に伴
うマンガンの溶出を抑制することができるので、容量低
下を防止することができる。従って、本発明によれば、
比表面積の増大と粒子間結合力の増大を同時に達成する
ことができるので、高出力化と共に、充放電サイクルに
よる入出力特性の低下を抑制した長寿命の電池を実現す
ることができる。
【0012】この場合において、一次粒子に平均粒子径
が0.5μm乃至1μmの粒子Aと平均粒子径が2μm
乃至3μmの粒子Bとを含むようにすれば、粒子Aによ
り比表面積を増大させるので、高出力を得ることがで
き、粒子Bにより粒子間結合力を増大させるので、マン
ガン溶出を抑制して容量低下を防止することができる。
粒子Bの数量に対する粒子Aの数量の比N/Nが5
に満たないときは、粒子Aの割合が少なく、比表面積が
減少して出力の低下を招く。逆に、比N/Nが20
を超えるときは、粒子Bの割合が少なく、粒子間結合力
が低下してマンガン溶出が多くなるため容量の低下を招
くので、比N/Nを5乃至20とすることにより、
高出力かつ長寿命の電池を得ることができる。また、平
均粒子径の異なる複数種の一次粒子を集合させて二次粒
子とすれば、正極作製時に粉体が飛散することを防止で
きると共に、集電体に塗布するためのスラリ化が容易に
なるので、正極作製の作業性を高めることができる。更
に、二次粒子の平均粒子径が10μmに満たないとき
は、粉体の飛散を生じ、30μmを超えるときは、二次
粒子中に電解液が均一に浸潤しなくなり充放電を妨げる
こととなるため出力や容量の低下を招くので、二次粒子
の平均粒子径を10μm乃至30μmとすることによ
り、一層粉体の飛散防止やスラリ化が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリチウム二次電池
をハイブリッド電気自動車用の円筒形リチウムイオン電
池に適用した実施の形態について説明する。
【0014】(正極)正極活物質にリチウムマンガン複
酸化物としてのマンガン酸リチウムを用い、マンガン酸
リチウムは、一次粒子の平均粒子径0.5〜1μmの粒
子Aと一次粒子の平均粒子径2〜3μmの粒子Bとを、
粒子Bの数量に対する粒子Aの数量の比N/Nが後
述する所定範囲となるように混合し、粒子A及び粒子B
からなる二次粒子の平均粒子径を10〜30μmとし
た。マンガン酸リチウム100重量部に、導電材として
10重量部の鱗片状黒鉛と、結着剤として10重量部の
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を添加し、これに分
散溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を添加、
混練した正極合材(スラリ)を作製した。作製したスラ
リを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両
面に塗布、乾燥し、その後プレス、裁断してアルミニウ
ム箔を含まない正極活物質塗布部厚さ90μmの正極を
作製した。なお、粒子A、粒子Bの平均粒子径及び比N
/Nは、電子顕微鏡観察により上記範囲であること
を確認した。また、二次粒子の平均粒子径も同様の方法
で確認した。
【0015】(負極)負極活物質として非晶質炭素粉末
100重量部に、結着剤として10重量部のPVDFを
添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した
スラリを厚さ10μmの圧延銅箔の両面に塗布し、その
後乾燥、プレス、裁断することにより圧延銅箔を含まな
い負極活物質塗布部厚さ70μmの負極を作製した。
【0016】(電池の組立)図1に示すように、上記作
製した正極と負極とを、これら両極が直接接触しないよ
うに幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレ
ータと共に捲回し捲回群(電極群)6とした。このと
き、正極リード片と負極リード片とが、それぞれ捲回群
6の互いに反対側の両端面に位置するようにした。ま
た、正極、負極、セパレータの長さを調整し、捲回群6
の直径を38±0.1mmとした。
【0017】正極リード片を変形させ、その全てを、捲
回群6の軸芯のほぼ延長線上にある正極集電リングの周
囲から一体に張り出している鍔部周面付近に集合、接触
させた後、正極リード片と鍔部周面とを超音波溶接して
正極リード片を鍔部周面に接続した。一方、負極集電リ
ングと負極リード片との接続操作も、正極集電リングと
正極リード片との接続操作と同様に実施した。
【0018】その後、正極集電リングの鍔部周面全周に
絶縁被覆を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイミ
ドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着
剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔
部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻いて絶縁
被覆とし、捲回群6をニッケルメッキが施されたスチー
ル製の電池容器内に挿入した。電池容器の外径は40m
m、内径は39mmである。
【0019】負極集電リングには予め電気的導通のため
の負極リード板が溶接されており、電池容器内に捲回群
6を挿入後、電池容器の底部と負極リード板とを溶接し
た。
【0020】一方、正極集電リングには、予め複数枚の
アルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極リ
ードを溶接しておき、正極リードの他端を、電池容器を
封口するための電池蓋の下面に溶接した。電池蓋には、
円筒形リチウムイオン電池20の内圧上昇に応じて開裂
する内圧開放機構の開裂弁が設けられている。開裂弁の
開裂圧は、約9×10Paに設定した。電池蓋は、蓋
ケースと、気密を保つ弁押さえと、開裂弁とで構成され
ており、これらが積層されて蓋ケースの周縁をカシメる
ことによって組立てられている。
【0021】非水電解液を所定量電池容器内に注入し、
その後、正極リードを折りたたむようにして電池蓋で電
池容器に蓋をし、EPDM樹脂製ガスケットを介してカ
シメて密封することにより設計容量4.0Ahの円筒形
リチウムイオン電池20を完成させた。
【0022】非水電解液には、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比
1:1:1の混合溶液中へ6フッ化リン酸リチウム(L
iPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。
【0023】本実施形態によれば、マンガン酸リチウム
に平均粒子径の異なる2種類の一次粒子を用いること
で、比表面積増大と粒子間結合力増大の効果を併せ持つ
ことができるので、高出力、長寿命の電池を実現するこ
とができる。一次粒子は、平均粒子径が0.5〜1μm
の粒子A及び平均粒子径が2〜3μmの粒子Bとしたの
で、粒子Aにより比表面積を増大させることができ、粒
子Bにより粒子間結合力を増大させることができる。こ
のとき、比N/Nを5〜20とすれば、粒子Aによ
る比表面積の増大と粒子Bによる粒子間結合力の増大を
バランスよく行うことができるので、高出力、長寿命で
バランスのよい電池を得ることができる。上述したよう
に、比N/Nが5に満たないと出力の低下を招き、
逆に、比N /Nが20を超えると充放電サイクルに
よる容量の低下を招く。また、粒子Aと粒子Bを凝集さ
せた二次粒子を用いているので、上述したように電極作
製を容易に行うことができる。更に、二次粒子の平均粒
子径を10〜30μmとしているので、粉体の飛散を防
止しスラリ化を容易に行うことができる。上述したよう
に二次粒子の平均粒子径が10μmに満たないときには
粉体の飛散を生じ、30μmを超えるときには出力や容
量の低下を招く。
【0024】
【実施例】次に、本実施形態に従って作製した円筒形リ
チウムイオン電池20の実施例について説明する。な
お、比較のために作製した比較例の電池についても併記
する。
【0025】(実施例1)下表1に示すように、実施例
1では、比N/Nを5とし、二次粒子の平均粒子径
を15μmとしたマンガン酸リチウムを用いて、電池を
作製した。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2〜実施例3)表1に示すよう
に、実施例2〜実施例3では、比N/Nを、実施例
2では10、実施例3では20とし、二次粒子の平均粒
子径を、実施例2、実施例3共に15μmとした以外は
実施例1と同様に電池を作製した。
【0028】(実施例4〜実施例5)表1に示すよう
に、実施例4〜実施例5では、比N/Nを、実施例
4、実施例5共に10とし、二次粒子の平均粒子径を、
実施例4では10μm、実施例5では30μmとした以
外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0029】(比較例1)表1に示すように、比較例1
では、比N/Nを50とし、二次粒子の平均粒子径
を15μmとした以外は実施例1と同様に電池を作製し
た。
【0030】(比較例2)表1に示すように、比較例2
では、一次粒子を粒子Aのみとし、二次粒子の平均粒子
径を15μmとした以外は実施例1と同様に電池を作製
した。
【0031】(比較例3)表1に示すように、比較例3
では、一次粒子を粒子Bのみとし、二次粒子の平均粒子
径を15μmとした以外は実施例1と同様に電池を作製
した。
【0032】(比較例4〜比較例5)表1に示すよう
に、比較例4〜比較例5では、比N/Nを、実施例
4、実施例5共に10とし、二次粒子の平均粒子径を、
実施例4では8μm、実施例5では35μmとした以外
は実施例1と同様に電池を作製した。
【0033】以上のように作製した実施例及び比較例の
各(複数個の)電池について充放電試験を実施し、初期
及びパルスサイクル試験後の出力並びに容量維持率を測
定した。
【0034】出力の測定は、25±2°Cの雰囲気にお
いて4.1Vの満充電状態から10A、30A、90A
の電流値で各10秒間放電し、横軸電流に対して、各5
秒目の電池電圧を縦軸にプロットし、3点を直線近似し
た直線が終止電圧である2.7Vと交差する点の電流値
を読み取り、この電流値と2.7Vとの積をその電池の
出力とした。
【0035】また、50±3°Cの雰囲気において各電
池に約50Aの高負荷電流を充電方向と放電方向ともに
約5秒通電し、休止時間も含め1サイクル約30秒のパ
ルスサイクル試験を連続して10万回繰り返した後、上
述の方法で出力を測定した。
【0036】放電容量の測定は、25±2°Cの雰囲気
において充電した後放電し、初期の放電容量を測定し
た。充電条件は、4.1V定電圧、制限電流5A、3.
5時間とし、放電条件は、1A定電流、終止電圧2.7
Vとした。上述のパルスサイクル試験後の放電容量を測
定し、初期の放電容量に対する維持率を百分率で示し
た。一連の試験結果を下表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示すように、比N/Nを5〜2
0とし、二次粒子の平均粒子径を15μmとした実施例
1〜実施例3の電池では、出力は初期が850W以上、
パルスサイクル試験後でも680W以上で、容量維持率
も90%以上であり、高出力で長寿命の優れた電池であ
った。これに対して、比N/Nが20を超える比較
例1の電池及び粒子Aのみを用いた比較例2の電池で
は、初期の出力は900W以上と優れているものの、パ
ルスサイクル試験後の出力が550W以下、容量維持率
が80%以下であり、十分な性能を確保することができ
なかった。反対に、比N/Nを5未満とした比較例
3の電池では、容量維持率は90%と優れていたもの
の、初期及びパルスサイクル試験後の出力がそれぞれ6
30W、550Wであり、十分な出力を得ることができ
なかった。
【0039】また、比N/Nを10とし、二次粒子
の平均粒子径を10μm、30μmとした実施例4、実
施例5の電池は、初期の出力が860W以上、パルスサ
イクル試験後の出力も680W以上で、容量維持率も9
2%以上であり、高出力で長寿命の優れた電池であっ
た。しかしながら、二次粒子の平均粒子径を8μm、3
5μmとした比較例4、比較例5の電池は、初期の出力
が730W以下、パルスサイクル試験後の出力が550
W以下であり、更には容量維持率も85%以下と大きく
劣る結果であった。
【0040】以上の試験結果から、比N/Nを5〜
20とし、二次粒子の平均粒子径を10〜30μmとし
たマンガン酸リチウムを正極活物質に用いた実施例1〜
実施例5の各電池は、出力特性、寿命特性ともに大きく
向上することが判った。
【0041】上述のように、本実施例の円筒形リチウム
イオン電池20は、マンガン酸リチウムに平均粒子径が
0.5〜1μmの粒子Aと平均粒子径が2〜3μmの粒
子Bとの一次粒子を用い、比表面積増大の効果と粒子間
結合力増大の効果を併せ持つようにしたので、高出力、
長寿命を実現することができた。また、比N/N
5〜20とし、粒子Aによる比表面積の増大と粒子Bに
よる粒子間結合力の増大をバランスよく行ったので、一
層高出力で容量維持率の高いバランスのよい電池を得る
ことができた。比N/Nが5に満たないと、粒子間
結合力が増大して容量維持率の高い電池とすることはで
きるが、比表面積が減少するため出力が低下し、逆に、
比N/Nが20を超えると、比表面積が増大し出力
の高い電池とすることはできるが、粒子間結合力が低下
し、マンガン酸リチウムからのマンガンの溶出が多くな
るため容量が低下した。また、粒子Aと粒子Bを凝集さ
せた二次粒子を用いたので、正極作製時に粉体が飛散す
ることを防止でき、集電体に塗布するためのスラリ化が
容易になり、正極作製の作業性を高めることができた。
更に、二次粒子の平均粒子径を10〜30μmとしたの
で、一層粉体の飛散防止やスラリ化が容易となった。二
次粒子の平均粒子径が10μmに満たないと、粉体の飛
散を生じ、30μmを超えると、二次粒子中に電解液が
均一に浸潤しなくなり充放電を妨げるため出力、容量が
低下した。
【0042】なお、本実施形態では、円筒形電池につい
て例示したが、本発明は電池の形状については限定され
ず、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。
また、本発明の適用可能な構造としては、上述した電池
容器に電池蓋がカシメによって封口されている構造の電
池以外であっても構わない。このような構造の一例とし
て正負外部端子が電池蓋を貫通し、電池容器内で軸芯を
介して正負外部端子が押し合っている状態の電池を挙げ
ることができる。更に本発明は、正極及び負極を捲回式
の構造とせず、積層式の構造としたリチウム二次電池に
も適用可能である。
【0043】また、本実施形態以外で用いることのでき
るリチウム二次電池用正極活物質としては、リチウムイ
オンを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリ
チウムイオンを挿入したリチウムマンガン複酸化物であ
ればよく、結晶中のリチウムやマンガンの一部をそれら
以外の元素で置換あるいはドープした材料を使用するよ
うにしてもよい。また、本実施形態では、正極活物質の
マンガン酸リチウムに平均粒子径の異なる2種の一次粒
子を用いた例を示したが、これらの一次粒子とは平均粒
子径の異なる1種以上の一次粒子を更に補足的に用いる
ようにしてもよい。
【0044】更に、本実施形態では、負極活物質に、晶
質の炭素材料を用いた場合と比べて負極集電体への密着
性に優れる非晶質炭素を用いた例を示したが、天然黒鉛
や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素材料等を使
用してもよく、その粒子形状についても、鱗片状、球
状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。こ
のような炭素材を負極活物質に用いると、断面渦巻状に
捲回して電極群を形成するときの可撓性に優れ、負極か
らの負極活物質層の剥離離脱を防止することができる。
【0045】また、本発明は、本実施形態で例示した導
電材、バインダ(結着剤)には限定されず、通常用いら
れているいずれのものも使用可能である。本実施形態以
外で用いることのできるリチウム二次電池用極板活物質
結着剤としては、テフロン(登録商標)、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニト
リルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニ
トロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテッ
クス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合
体及びこれらの混合体などがある。
【0046】更にまた、本実施形態では、エチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
トを体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPF
を溶解した非水電解液を例示したが、一般的なリチウム
塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液
を用いてもよく、本発明は用いられるリチウム塩や有機
溶媒には特に制限されない。例えば、電解質としては、
LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C
、CHSOLi、CFSOLi等や
これらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒
としては、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラク
トン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4
−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、
スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル等、又はこれらの2種類以上を混合した混
合溶媒を用いることができ、更に、混合配合比について
も限定されるものではない。このような非水電解液を用
いることにより電池容量の向上や寒冷地での使用にも適
合させることが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リチウムマンガン複酸化物として平均粒子径の異なる複
数種の一次粒子を混在させることで、リチウムマンガン
複酸化物の比表面積を増大させるため、電極反応面積を
増大させて電池の内部抵抗を低減することができると共
に、粒子間結合力を増大させてマンガン溶出を抑制する
ことができるので、高出力化と共に、充放電サイクルに
よる入出力特性の低下を抑制した長寿命のリチウム二次
電池を実現することができる、という効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の円筒形リチウム
イオン電池の断面図である。
【符号の説明】
6 捲回群(電極群) 20 円筒形リチウムイオン電池(リチウム二次電池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高塚 祐一 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 (72)発明者 弘中 健介 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AC06 AD04 5H029 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ02 DJ16 HJ00 HJ05 5H050 AA07 BA17 CA09 CB07 FA17 HA00 HA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質にリチウムマンガン複酸化物
    を用いた正極と負極とを有する電極群を電解液に浸潤さ
    せたリチウム二次電池であって、前記リチウムマンガン
    複酸化物は、平均粒子径の異なる複数種の一次粒子を含
    むことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記一次粒子は、平均粒子径が0.5μ
    m乃至1μmの粒子Aと、平均粒子径が2μm乃至3μ
    mの粒子Bとを含むことを特徴とする請求項1に記載の
    リチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記粒子Bの数量に対する前記粒子Aの
    数量の比N/Nが5乃至20であることを特徴とす
    る請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記一次粒子は、集合して二次粒子を形
    成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記二次粒子の平均粒子径が、10μm
    乃至30μmであることを特徴とする請求項4に記載の
    リチウム二次電池。
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