JP2002372539A - 非蛋白性物質に対する抗体の検出方法及び装置 - Google Patents

非蛋白性物質に対する抗体の検出方法及び装置

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JP2002372539A
JP2002372539A JP2001178131A JP2001178131A JP2002372539A JP 2002372539 A JP2002372539 A JP 2002372539A JP 2001178131 A JP2001178131 A JP 2001178131A JP 2001178131 A JP2001178131 A JP 2001178131A JP 2002372539 A JP2002372539 A JP 2002372539A
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JP2001178131A
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English (en)
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Takeshi Mochizuki
剛 望月
Kazunari Nakaishi
和成 中石
Yoshiyuki Suzuki
祥之 鈴木
Kazuhiko Matsumoto
一彦 松本
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Torii Pharmaceutical Co Ltd
Tauns Laboratories Inc
Original Assignee
Torii Pharmaceutical Co Ltd
Tauns Laboratories Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非蛋白性物質に対する感作の有無を簡便かつ
迅速に高感度で検査できる体外診断方法及び装置の提供
する。 【解決手段】 非蛋白性物質に特異的に結合する抗体を
検出するための、溶液浸透性の膜担体(3)を備えたイ
ムノクロマトグラフィ装置であって、該膜担体(3)
は、(a)検出対象抗体に特異的に結合する標識抗体を
前記膜担体に展開可能に配置せしめてなる標識抗体含浸
部(2)と、(b)前記膜担体にリンカーを介して前記
非蛋白性物質を固定せしめてなる検出対象抗体捕捉部
(31)と、を少なくとも備え、前記含浸部(2)と前
記検出対象抗体捕捉部(31)とは互いに離隔して配置
されている装置、および含浸部(2)に被験試料を注入
して膜担体に展開させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非蛋白性物質に対
する抗体を特異的に検出する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非蛋白性物質は、単独では免疫原性を有
しなくとも、高分子のタンパク質と結合して免疫原性を
持つようになることがある。このような非蛋白性物質は
ハプテンと呼ばれ、また、高分子のタンパク質はキャリ
アと呼ばれる。
【0003】メシル酸ナファモスタット(以下「FU
T」と略称する)などの比較的低分子量の非蛋白性物質
が医薬品として患者に投与された場合、これがハプテン
として機能して免疫応答を誘導し、患者にアナフィラキ
シー症状などのアレルギー反応を引き起こすことがあ
る。したがって、このような非蛋白性物質を投与する前
には、患者がこれらの物質に感作されていないかどうか
検査することが推奨される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】検査方法としては、一
部の医療機関では皮内テストを行なうことで、上記物質
に対する抗体の有無を検査することが行なわれている。
皮内テストは、抗原を患者の皮膚に注射してその局所反
応を確かめる方法であるため、簡便に行える点で有利で
ある反面、感作を助長することがあり、また、抗体を持
たない患者には、却って抗体産生を誘導してしまい、感
作の原因となることがある。
【0005】その他の一般的な検査方法としては、患者
の血液を採取し、ELISA(Enzyme-linked Immunoso
rbent Assay)法によってIgE抗体の有無を生体外で
検査することが従来行なわれているが、この測定には数
日を要する。医療現場においては、ベッドサイドおよび
診療室で迅速に検査することが要請されるため、この方
法では迅速性に欠ける。
【0006】また、アレルギー反応、特に、アナフィラ
キシー症状は、肥満細胞または好塩基球に結合したIg
Eと抗原が反応し、これらの細胞の脱顆粒によりヒスタ
ミン、ロイコロリエンなどの化学伝達物質が放出される
ことにより引き起こされる。しかし、IgEは血液中に
微量にしか存在せず、これを体外で測定することは一般
に困難とされており、アナフィラキシー症状の可能性を
的確に予見することは不可能であった。
【0007】そこで、本発明は、従来困難とされた非蛋
白性物質に対する感作の有無を簡便かつ迅速に高感度で
検査できる体外診断方法及び装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の下に鋭意研究した結果、検査対象抗体の抗原である非
蛋白性物質を、適当なリンカーを介して膜担体に固定さ
せ、患者から採取した血液などの体液を該膜担体に滴下
して非蛋白性物質との結合の有無を判定可能にすること
により、該非蛋白性物質に対する抗体の存否を簡便、迅
速、かつ、高感度に検出できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】したがって、本発明の第一の局面によれ
ば、グアニジノ基を有する化合物又はその塩がリンカー
を介して固定されてなる溶液浸透性を有するイムノクロ
マトグラフィ用膜担体が提供される。
【0010】また、本発明の第二の局面によれば、非蛋
白性物質に特異的に結合する抗体を検出するための、溶
液浸透性の膜担体を備えたイムノクロマトグラフィ装置
であって、該膜担体は、(a)検出対象抗体に特異的に
結合する標識抗体を前記膜担体に展開可能に配置せしめ
てなる標識抗体含浸部と、(b)前記膜担体にリンカー
を介して前記非蛋白性物質を固定せしめてなる検出対象
抗体捕捉部と、を少なくとも備え、前記含浸部と前記検
出対象抗体捕捉部とは互いに離隔して配置されている装
置が提供される。
【0011】該装置は、さらに、(c)前記標識抗体に
特異的に結合する抗体を前記膜担体に固定せしめてなる
未反応標識抗体捕捉部を備え、前記含浸部、前記検出対
象抗体捕捉部及び前記未反応標識抗体捕捉部が、この順
序で一列に互いに離隔して配置されていてもよい。ま
た、該装置は、(d)前記含浸部に連接された被験試料
注入部を備えることができる。
【0012】さらに、本発明の第3の局面によれば、非
蛋白性物質に特異的に結合する抗体の検出方法であっ
て、(A)少なくとも下記(a)及び(b)を互いに離
隔させて備えてなる溶液浸透性の膜担体を調製する工程
と: (a)検出対象抗体に特異的に結合する標識抗体を前記
膜担体に展開可能に配置せしめてなる標識抗体含浸部; (b)前記膜担体にリンカーを介して前記非蛋白性物質
を固定せしめてなる検出対象抗体捕捉部、(B)前記含
浸部において被験試料と前記標識抗体とを混合させると
ともに、その混合物を前記膜担体に展開させる工程と、
(C)前記検出対象抗体捕捉部における前記標識抗体の
集積の有無を検出することにより、前記被験試料中の検
出対象抗体と前記標識抗体との複合体の存否を判定する
工程と、を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0013】ここにおいて、前記膜担体は、(d)前記
含浸部に連接された被験試料注入部を備えることがで
き、この場合、前記工程(B)は、該注入部に被験試料
を注入することにより行なえる。
【0014】さらに、本発明の第4の局面によれば、非
蛋白性物質に特異的に結合する抗体を検出するためのイ
ムノクロマト法キットであって、帯状のクロマト展開用
膜担体と、検査対象抗体に特異的に結合する呈色標識抗
体を含浸して前記膜担体の一端部に連接された溶液浸透
性部材からなる標識抗体含浸部と、該標識抗体含浸部と
離隔した位置でリンカーを介して前記膜担体に固定され
た非蛋白性物質からなる検出対象抗体捕捉部とを少なく
とも有してなるキットが提供される。
【0015】該キットは、前記含浸部に連接された溶液
浸透性部材からなる被験試料注入部を備え、当該注入部
に被験試料を注入できるようにされていてもよい。該キ
ットは、さらに、前記含浸部が設けられた端部と反対側
の端部にて前記膜担体に連接された液体吸収性部材を備
えてもよい。該キットは、さらに、前記標識抗体に特異
的に結合する抗体が、前記検出対象抗体捕捉部から前記
液体吸収性部材の方向へ離隔した位置で、前記膜担体に
固定されてなる未反応標識抗体捕捉部を備えてもよい。
該キットは、さらに、前記キットを収容する外装を備
え、当該外装は、前記注入部の上方に設けられた被験試
料注入用の開口と、前記検出対象抗体捕捉部及び所望に
より未反応標識抗体捕捉部の上方に設けられた判定用の
開口とを備えてもよい。また、該キットは、前記含浸部
と前記被験試料注入部との間に配置された血球捕捉膜部
材を備えてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用される膜担体は、固
相化抗体を保持する性質を有していれば良く、特に、イ
ムノクロマト法で用いる場合は、体液成分のクロマト展
開がそれ自体の毛細管現象で自動的に行なわれる程度の
溶液浸透性を持つ膜担体であることが好ましい。かかる
膜担体としては、例えば、セルロース類膜(濾紙、ニト
ロセルロース膜等)、ナイロン膜、ガラス繊維膜などの
膜担体が挙げられ、なかでもニトロセルロース膜が好ま
しい。
【0017】上記膜担体には、リンカーを介して検出対
象抗体の抗原である非蛋白性物質が固定される。リンカ
ーとしては、親水基を有するリンカーが挙げられ、蛋白
質などの高分子物質、特に、表面に親水基の多い蛋白質
を用いることが好ましい。かかる蛋白質としては、ヒト
血清アルブミンやウシ血清アルブミン等の血清アルブミ
ン及び卵アルブミンなどのアルブミン類の他、キーホー
ルリムペットヘモシアニン、ウシガンマグロブリン等が
挙げられる。その他、ポリリシンなどの合成ポリアミノ
酸やポリスチレン系、ポリメチルメタクリレート系のラ
テックスもリンカーとして使用できる。
【0018】非蛋白性物質とは、非蛋白性かつ非高分子
性の有機化合物を意味し、それ自体抗原性を有する低分
子化合物以外に、ハプテンとして機能する低分子化合物
が挙げられる。また、グアニジノ基を有する化合物と
は、分子中に少なくとも1つ以上のグアニジノ基を有す
る低分子化合物を意味する。特に、蛋白質などの親水基
の多いリンカーを用いる場合には、非蛋白性物質として
は、カルボン酸基を有する低分子物質や加水分解してカ
ルボン酸基を生成するエステル結合を備えた低分子化合
物などが挙げられる。したがって、グアニジノ基を有す
る非蛋白性物質として、特に好ましいのは、下記式
(I)〜(IV)で示される化合物及びそれらの塩である。
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】
【化16】
【0023】本発明における非蛋白性物質は、上記の如
き化合物に限定されるものではなく、薬物アレルギーの
原因となり得る物質、例えば、アセトアミノフェン、ピ
リン系薬剤、ペニシリンなどの抗生物質の他、プロピル
チオウラシル、ヒドララジン、アロプリノール、ハロタ
ン、メチルドパなども包含する。
【0024】溶液浸透性のある膜担体を用いる場合、非
蛋白性物質は、該膜担体の所定位置に固定され、検査対
象抗体の捕捉部を形成する。非蛋白性物質の固定は、こ
れと上記リンカーとを適当な濃度で混合した溶液を調製
し、例えば、膜担体の所定位置に該溶液をスポット状ま
たはライン状に塗布し、これを室温で十分に乾燥させる
ことにより行える。
【0025】非蛋白性物質は、通常、膜担体の表面1m
当たり1〜240ng/の量を膜担体に固定するこ
とが好ましく、100〜120ngの量を固定すること
がさらに好ましい。1ng/mm未満の場合、充分な
量の標識抗体を捕捉できず、特に呈色標識を用いて肉眼
判定する場合に呈色を判別しにくくなる。また、240
ng/mmを越えて固定しても、呈色度合いはそれ以
上高まらず、経済的でない。
【0026】本発明の膜担体を用いて被験試料中の検出
対象抗体を検出するためには、検出対象抗体に特異的に
結合する標識抗体と被験試料とを混合し、該混合物を膜
担体に固定された上記非蛋白性物質に接触させた後、該
非蛋白性物質に捕捉された検出対象抗体の有無を判定す
ればよい。接触させる方法としては、膜担体として溶液
浸透性を持つ膜担体を使用する場合、上記標識抗体を適
当な部材に含浸せしめるなどの方法で、予め該膜担体に
展開可能に配置させておくと好都合である。この場合、
この膜担体の標識抗体含浸部に被験試料の溶液を添加す
ることで、当該含浸部にて被験試料中の検出対象抗体と
標識抗体とが抗原−抗体反応により複合体を形成すると
ともに、該複合体は膜担体を浸透して、膜担体に固定さ
れた非蛋白性物質へ到達し、そこで、非蛋白性物質に捕
捉され、集積する。
【0027】検出対象抗体としては、IgG、IgA、
IgE、IgD、IgMなどの各種抗体が挙げられる
が、本発明は、特に、アレルギー症状に関連性を有する
ヒトIgE抗体の検出に好都合である。
【0028】標識抗体としては、上記検出対象抗体に対
して特異的に結合する抗体であればよく、単クローン抗
体及び多クローン抗体のいずれであってもよいが、単ク
ローン抗体であることが好ましい。特に、膜担体に、後
述する未反応標識抗体捕捉部を設ける場合は、単クロー
ン抗体であることが好ましい。かかる単クローン抗体と
しては、市販の抗ヒトIgE抗体、例えば抗ヒトIgE
マウスIgG抗体などを使用できる。但し、標識抗体の
検出対象抗体に対する免疫的結合部位は、検出対象抗体
の抗原結合部位以外の部位でなければならない。単クロ
ーン抗体は、たとえば、ケラー−ミルシュタインの方法
によって得られる。また、多クローン抗体は、例えば、
ウサギを免疫して得た抗血清から精製して得られる。
【0029】標識抗体の標識に用いられる標識物質とし
ては、特に制限はないが、迅速に検査結果が得られるこ
とから、呈色標識物質であることが好ましい。呈色標識
物質としては、コロイド金属および着色ラテックスなど
が挙げられる。コロイド金属の代表例としては、金コロ
イドなどが挙げられる。コロイド金属の粒子の大きさ
は、通常は、直径3〜60nm程度とされる。着色ラテッ
クスの代表例としては、赤色および青色などのそれぞれ
の顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成
ラテックスが挙げられる。ラテックスとして天然ゴムラ
テックスのような天然ラテックスも使用することができ
る。着色ラテックスの大きさは、直径数拾nm乃至数百nm
程度から選択することができる。これらの呈色標識物質
は、市販品をそのまま使用することができるが、場合に
よりさらに加工し、または、それ自体公知の方法で製造
することもできる。また、呈色標識としては、蛍光標識
なども使用することができる。
【0030】呈色標識抗体の調製は、各呈色標識物質に
応じた常法に従って行なわれる。たとえば、呈色標識物
質が金コロイド粒子の場合には、通常は、抗体と金コロ
イド溶液とを室温乃至常温下で数分間、長くても10分
間、混合することによって両者を物理的に結合せしめる
ことが可能である。
【0031】標識抗体は、上記のように、膜担体に展開
可能に配置されていればよいが、適当な溶液透過性部材
に含浸させて膜担体に連接させておくと好都合である。
溶液透過性部材としては、あらかじめ呈色標識抗体溶液
を含浸させる際に、それをすみやかに吸収・保持・乾燥
し得るものであって、かつ、クロマト展開される体液中
の水分により、該部材の呈色標識抗体が容易に再溶解さ
れ、それ以降のクロマト展開がスムーズに進行するもの
であればよく、特にその材質を選ばない。かかる溶液透
過性部材として、例えば、ガラス繊維布、セルロース類
布(濾紙、ニトロセルロース等)、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等の多孔質プラスチック布類が挙げられる
が、特にガラス繊維布が好ましい。
【0032】また、被験試料注入部として、上記標識抗
体含浸部に、溶液浸透性部材を連接させてもよい。かか
る注入部を構成する部材としては、たとえば、多孔質ポ
リエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多
孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙
および綿布などのようなセルロース製の紙または織布も
しくは不織布を用いることができる。
【0033】なお、膜担体のクロマト展開下流側には、
膜担体の毛細管現象による体液成分のクロマト展開を補
助するとともに、クロマト展開において捕捉部でトラッ
プされなかったものを吸収、保持するために、吸収用部
材を連接してもよい。吸収用部材の材料としては、液体
をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよ
く、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン
等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることが
できるが、特に濾紙が最適である。この吸収用部材は、
その上流側領域をクロマト展開用膜担体の上面に載置さ
せた状態で、その下流側領域において粘着シートに貼着
するとよい。
【0034】被験試料としては、特に制限はないが、例
えば、血液、(全血でも、血清でも、血漿でもよい)、
唾液、尿等の体外に採取された体液が挙げられる。被験
試料は、適当な希釈液で希釈して膜担体に注入してもよ
い。
【0035】なお、全血を被験試料として用いるとき
で、特に標識抗体の標識物質として金コロイドなどの呈
色標識物質が用られる場合、前記被験試料注入部に血球
捕捉膜部材を配置しておくことが好ましい。血球捕捉膜
部材は、膜担体の標識抗体含浸部と被験試料注入部とを
構成する各溶液透過性部材の間に積層することが好まし
い。これにより、赤血球が膜担体に展開されるのが阻止
されるので、膜担体の捕捉部における呈色標識の集積の
確認が容易になる。血球捕捉膜部材としては、カルボキ
シメチルセルロース膜が用いられ、具体的には、アドバ
ンテック東洋株式会社から販売されているイオン交換濾
紙CM(商品名)や、ワットマンジャパン株式会社から
販売されているイオン交換セルロースペーパーなどを用
いることができる。
【0036】しかして、被験試料を被験試料注入部に灌
注すると、標識抗体含浸部に浸透し、被験試料中の検出
対象抗体は標識抗体と抗原抗体反応することにより複合
体を生成し、さらに、溶液浸透性の膜担体上にクロマト
展開される間に、この生成した複合体は固定された非蛋
白物質によって膜担体上に捕捉され、当該捕捉部に集積
して呈色する。そして、この捕捉部における呈色の度合
いを判定することにより、検査対象抗体の存否を判定で
きる。
【0037】なお、検出対象抗体と複合体を形成しなか
った未反応標識抗体を捕捉するために、上記検出対象抗
体の捕捉部よりもクロマト展開方向下流側に、標識抗体
に特異的に結合する抗体を膜担体に固定してもよい。
【0038】本発明の検出方法は、クロマト法テストス
トリップの形態にされたイムノクロマト法キットを用い
て簡便に実施できる。クロマト法テストストリップと
は、帯状のクロマト展開用膜担体からなり、クロマト法
テストストリップ用外装などに設けられた被験試料注入
用の開口に配置された被験試料注入部に被験試料を灌注
することによりクロマト展開が開始され、試料成分が浸
透して該テストストリップの標識抗体含浸部に到達し、
該含浸部の呈色標識抗体と免疫反応して複合体が形成さ
れ、さらに、該複合体が捕捉部まで浸透して捕捉部の非
蛋白性物質との免疫反応により捕捉されて、捕捉部が呈
色せしめられる装置である。上記外装は捕捉部に判定用
の開口を備えており、使用者は、該判定用開口から捕捉
部の呈色の有無を観察できる。クロマト法テストストリ
ップの作成には、たとえば、特公平7−13460号公
報記載の方法が好適に適用される。
【0039】次に、本発明のクロマト法テストストリッ
プ形態の検出装置の代表例を図面を参照してさらに具体
的に説明する。すなわち、図1はクロマト法テストスト
リップを示し、aは平面図、bはaで示されたクロマト
法テストストリップの縦断面図、cはbの変形例を示す
縦断面図である。図2は図1で示されたクロマト法テス
トストリップを収納するための外装を示し、aは平面
図、bはaで示された外装の縦断面図である。なお、図
面は原理を示すためのものであり、寸法などは正確には
示されていない。
【0040】このクロマト法テストストリップは、粘着
シート1の粘着面に、クロマト展開開始部位側(図面の
向かって左側を意味し、この側を以下「上流側」と記
し、その反対側を以下「下流側」と記す)から順次、被
験試料注入部材5、標識抗体含浸部材2、クロマト展開
用膜担体3および吸収用部材4を貼着して作成される。
すなわち、図1に示されるように、帯状の粘着シート1
の長手方向略中央部に帯状のクロマト展開用膜担体3を
貼着し、このクロマト展開用膜担体3の上流側端部の上
面に標識抗体含浸部材2の下流側端部を載せた状態で、
この標識抗体含浸部材2の残りの部分を粘着シート1に
貼着せしめ、さらに、被験試料注入部材5をこの標識抗
体含浸部材2の上面に両者の下流側端部を合わせた状態
で重ね合わせるとともに、この被験試料注入部材5の上
流側部分を粘着シート1に貼着せしめる。次いで、吸収
用部材4を粘着シート1の上に両者の下流側端部を合わ
せた状態で重ね合わせて貼着するとともに、この吸収用
部材4の上流側領域をクロマト展開用膜担体3の下流側
領域に載置する。これにより、標識抗体含浸部材2の下
流側端部と吸収用部材4の上流側端部との間に露出され
たクロマト展開用膜担体3の領域に非蛋白性物質が固定
された捕捉部31が形成される。さらに、捕捉部31の
下流側に未反応標識抗体の捕捉部32を設けることもで
きる。なお、図1cに示されるように、全血をそのまま
展開させる場合には、被験試料注入部材5と標識抗体含
浸部材2との間に血球捕捉膜部材7を介在させることも
できる。
【0041】これら粘着シート1、標識抗体含浸部材
2、クロマト展開用膜担体3、吸収用部材4、被験試料
注入部材5及び血球捕捉膜部材7はいずれも細長い長方
形で帯状とされている。クロマト展開用膜担体3の色
は、捕捉部31及び32の呈色が明確に目視できるもの
であることが好ましい。たとえば、呈色標識物質が金コ
ロイドである場合には、捕捉部31が陽性時に赤紫色を
呈するので、クロマト展開用膜担体3の色は淡色が好ま
しく、白が特に好ましい。
【0042】上記のクロマト法テストストリップは、外
装6に収納して提供されることが好ましい。外装6は、
通常は、合成樹脂製である。外装6は、容器本体61と
蓋体62とからなっている。蓋体62は上記のクロマト
法テストストリップの被験試料注入部材5およびクロマ
ト展開用膜担体3の捕捉部31及び32のそれぞれに対
応する位置にそれぞれ開口を備え、前者は被験試料注入
用の開口621を形成し、後者は判定用の開口622と
して供される。
【0043】採取した被験試料は、蓋体62の開口62
1から被験試料注入部材5に灌注される。灌注された該
試料は被験試料注入部材5に浸透して下方の標識抗体含
浸部材2へ移行せしめられるとともに標識抗体含浸部材
2の下流側端部方向に向かって展開せしめられる。該試
料成分中に検査対象抗体が含有されていた場合には、こ
のクロマト展開の間に検査対象抗体と呈色標識抗体との
免疫反応によって両者からなる呈色複合体が形成され
る。
【0044】該試料成分はさらにクロマト展開用膜担体
3を下流側端部方向に向かって展開せしめられる。この
呈色複合体は展開の途上において該クロマト展開用膜担
体3の捕捉部31で捕捉されて集積せしめられ呈色す
る。未反応の標識抗体は捕捉部32に捕捉されて集積せ
しめられ呈色する。これらの呈色は判定孔622から肉
眼で観察される。捕捉部31に呈色が認められる場合
は、試料中に検出対象抗体が存在しており、陽性と判定
される。捕捉部32のみに呈色が認められる場合は、試
料中に検出対象抗体が存在せず、陰性と判定される。本
発明の検出方法によれば、通常、被験試料中の検査対象
抗体と呈色標識抗体との間の免疫反応ならびにこの免疫
反応で生成せしめられた呈色複合体と非蛋白性物質との
間の免疫反応はいずれも数分で完結せしめられるので、
検査自体は長くても15分程度で終了する。なお、判定
を容易にするために、予め作成された検出対象抗体濃度
と呈色度との関係表をクロマト法テストストリップに付
属させることもできる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、さらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0046】実施例1(金コロイド標識抗ヒトIgE抗
体溶液の作成) (1)金コロイド溶液の調製 加熱によって沸騰させた超純水99mlに、1%(v/
w)塩化金酸水溶液1mlを加え、さらに、その1分後
に1%(v/w)クエン酸ナトリウム水溶液1.5ml
を加えて加熱し5分間沸騰させた後、室温に放置して冷
却した。次いで、この溶液に200mM炭酸カリウム水
溶液を加えてpH9.0に調製し、これに超純水を加え
て全量を100mlとして金コロイド溶液を得た。
【0047】(2)金コロイド標識抗ヒトIgE抗体溶
液の調製 検出対象抗体である抗FUT(メシル酸ナファモスタッ
ト)−ヒトIgE抗体に対する標識抗体として使用する
抗ヒトIgEマウスモノクローナルIgG抗体(ダコ・
ジャパン株式会社の商品)の蛋白換算重量1μg(以
下、抗体の蛋白換算重量を示すとき、単に、その精製蛋
白質の重量分析による重量数値で示す)と上記の金コロ
イド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの
抗体のことごとくを金コロイド粒子表面に結合させた
後、金コロイド溶液における最終濃度が1%となるよう
に10%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記
す)水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面を
ことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識
抗ヒトIgE抗体(以下、「金コロイド標識抗体」と記
す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600×
G、30分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、
上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロ
イド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.
5%トリトン(Triton)−X100を含有する5
0mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コ
ロイド標識抗体溶液を得た。
【0048】実施例2(抗FUT−ヒトIgE抗体測定
用クロマト法テストストリップの作成) (1)抗FUT−ヒトIgE抗体と金コロイド標識抗体
との複合体の捕捉部 幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース
膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体として
用意した。
【0049】また、5%ブドウ糖液9容と0.5Mトリ
ス緩衝液(pH9.5)1容とを混合したものにFUT
(FUTは上記式(I)で示される化合物である)を2.
5mg/ml、ヒト血清アルブミン(Sigma社製)
を1.25mg/mlになるように溶解し、37℃50
分間インキュベーションした。0.01Mトリス緩衝液
(pH7.5)で4℃48時間以上透析した後、凍結乾
燥してFUTとヒト血清アルブミンの結合物を得た。
【0050】この結合体10.0mg/mlが含有されてな
る溶液0.5μlを、このクロマト展開用膜担体における
クロマト展開開始点とは逆方向の末端から7.5mmの位
置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、抗FU
T−ヒトIgE抗体と金コロイド標識抗体との複合体の
捕捉部とした。
【0051】(2)未反応の金コロイド標識抗体捕捉部 抗マウスIgG多クローン抗体(ケミコン株式会社の商
品)1mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、
このクロマト展開用膜担体における上記複合体の捕捉部
からクロマト展開開始点とは逆方向に5mmの位置にラ
イン状に塗布して、これを室温で乾燥し、未反応の金コ
ロイド標識抗体捕捉部とした。
【0052】(3)金コロイド標識抗体含浸部材 5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布に、実施例1
で得られた金コロイド標識抗体溶液37.5μlを含浸せし
め、これを室温で乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部
材とした。
【0053】(4)クロマト法テストストリップの作成 上記クロマト展開用膜担体、上記標識抗体含浸部材の他
に、被験試料注入部材として綿布と、吸収用部材として
濾紙を用意した。そして、これらの部材を用いて、図1
を参照して上述したクロマト法テストストリップを作成
した。
【0054】実施例3(被験試料中の抗FUTヒトIg
E抗体の検出) FUTの投与時にアレルギー症状を示した各種患者から
採取した血清のクロマトストリップ捕捉部での呈色度合
いを肉眼判定した。
【0055】すなわち、患者の血清1容に希釈液(リン
酸緩衝液にウシ血清アルブミン(BSA)を1%添加し
たもの)2容を加え混和し、被験試料とした。そして、
被験試料100μlを実施例2で得られたテストストリ
ップの被験試料注入部にマイクロピペットで滴下してク
ロマト展開し、室温で15〜30分放置後、上記捕捉部
で捕捉された抗FUTヒトIgE抗体と金コロイド標識
抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、
その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼
で、−(着色なし)、+(微弱な着色)、++(明確な
着色)、+++(強力な着色)の4段階に区分して判定
した。その結果を表1に示した。
【0056】また、同様の患者血清について、抗FUT
ヒトIgE抗体と金コロイド標識抗体との複合体の含有
量を、ELISA法で測定した。すなわち、実施例2
(1)で得られたFUTとヒト血清アルブミンの結合物
を0.1mol/L炭酸緩衝液(pH9.5)に10μ
gprotein/mlになるように溶解し、96穴の
ポリスチレン製マイクロタイタープレートの各穴に50
μl入れ、室温で一夜静置した。0.05%Tween
20を含むリン酸生理食塩緩衝液で3回洗浄した後、患
者血清の原液又は希釈液(リン酸緩衝液にウシ血清アル
ブミン(BSA)を1%添加したもの)で5倍に希釈し
たものを50μl各穴に入れ、37℃3時間静置した。
3回洗浄した後、β−ガラクトシダーゼ標識抗ヒトIg
E(ファルマシア・アップジョン社製)10倍溶液を5
0μl入れ、室温で一夜静置した。さらに3回洗浄した
後、0.1mmol/L 4メチルウンベリフェリルβ
−D−ガラクトシド100μlを加え25℃で2時間放
置した。0.1mol/Lグリシン緩衝液(pH10.
3)を100μlずつ加え、反応を停止させ、蛍光強度
を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から、血清のクロマトストリップ捕捉
部による判定結果は、ELISA法による判定結果と全
く同じであることがわかる。したがって、本発明は、F
UTなどの非蛋白性物質に対するIgE抗体の検出に有
用であることが示された。
【0059】実施例4(抗FUT−ヒトIgE抗体と金
コロイド標識抗体との複合体の捕捉部におけるFUTの
好適固定量) 表2に示されるように、膜担体1mm当たりのFUT
加水分解物の固定量を変化させた以外、実施例2と同様
にしてクロマト法テストストリップを作成した。そし
て、抗FUTヒトIgE抗体陽性検体を被験試料として
用いた以外、実施例3と同様にして、被験試料中の抗F
UTヒトIgE抗体の検出を行なった。その結果を表2
に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2から、肉眼判定を行なうためには、膜
担体1mm当たり非蛋白性物質を1ng以上、好まし
くは100ng以上固定する必要があることが示され
た。また、固定量を膜担体1mm当たり240ng以
上としても呈色度合いはそれ以上変化しないことが示さ
れた。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、ハプテン性の非蛋白性
物質をリンカーを介して膜担体に固定することとしたの
で、当該非蛋白性物質に対する抗体、特にアレルギー症
状に関連する微量のIgEでも検出が可能になった。か
くして、溶液浸透性の膜担体を使用し、該膜担体にリン
カーを介して非蛋白性物質を固定して検出対象抗体の捕
捉部を形成することで、イムノクロマト法テストストリ
ップの形態に調製することも可能となった。したがっ
て、被験試料をテストストリップにチャージするだけ
で、試料中の検査対象抗体の存否を簡便かつ短時間で、
しかも、高い精度で判定でき、ベッドサイドや診療室で
の使用にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは本発明によるクロマト法テストストリップ
の平面図、bはaで示されたクロマト法テストストリッ
プの縦断面図、cはbの変形例を示す縦断面図。
【図2】aは図1で示されたクロマト法テストストリッ
プを収納するための外装を示す平面図、bはaで示され
た外装の縦断面図。
【符号の説明】
1 粘着シート 2 標識抗体含浸部材 3 クロマト展開用膜担体 31 検査対象抗体捕捉部 32 未反応標識抗体捕捉部 4 吸収用部材 5 被験試料注入部 6 外装 61 容器本体 62 蓋体 621 開口 622 開口 7 血球捕捉膜部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中石 和成 静岡県沼津市小諏訪43番3 株式会社タウ ンズ内 (72)発明者 鈴木 祥之 千葉県四街道市千代田5−22−16 (72)発明者 松本 一彦 静岡県田方郡函南町上沢955−500

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアニジノ基を有する化合物又はその塩
    がリンカーを介して固定されてなる溶液浸透性を有する
    イムノクロマトグラフィ用膜担体。
  2. 【請求項2】 前記グアニジノ基を有する化合物が、下
    記式(I)乃至(IV): 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 で示される化合物から選ばれたものである請求項1に記
    載の膜担体。
  3. 【請求項3】 前記化合物又はその塩が、膜担体の1m
    あたり1〜240ng固定されている請求項1に記
    載の膜担体。
  4. 【請求項4】 前記リンカーが蛋白質であることを特徴
    とする請求項3に記載の膜担体。
  5. 【請求項5】 前記蛋白質が、血清アルブミンであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の膜担体。
  6. 【請求項6】 非蛋白性物質に特異的に結合する抗体を
    検出するための、溶液浸透性の膜担体(3)を備えたイ
    ムノクロマトグラフィ装置であって、該膜担体(3)
    は、(a)検出対象抗体に特異的に結合する標識抗体を
    前記膜担体に展開可能に配置せしめてなる標識抗体含浸
    部(2)と、(b)前記膜担体にリンカーを介して前記
    非蛋白性物質を固定せしめてなる検出対象抗体捕捉部
    (31)と、を少なくとも備え、前記含浸部(2)と前
    記検出対象抗体捕捉部(31)とは互いに離隔して配置
    されている装置。
  7. 【請求項7】 さらに、(c)前記標識抗体に特異的に
    結合する抗体を前記膜担体に固定せしめてなる未反応標
    識抗体捕捉部(32)を備え、前記含浸部(2)、前記
    検出対象抗体捕捉部(31)及び前記未反応標識抗体捕
    捉部(32)が、この順序で一列に互いに離隔して配置
    されている請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記含浸部(2)が、前記標識抗体を含
    浸した溶液浸透性部材を、前記膜担体(3)に連接して
    形成されている請求項6に記載の装置。
  9. 【請求項9】 さらに、(d)前記含浸部(2)に連接
    された被験試料注入部(5)を備えている請求項8に記
    載の装置。
  10. 【請求項10】 前記被験試料注入部(5)は、前記含
    浸部(2)に積層された溶液浸透性部材からなる請求項
    9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記リンカーが蛋白質であることを特
    徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記蛋白質が、血清アルブミンである
    ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記検出対象抗体が、IgEであること
    を特徴とする請求項6乃至12の何れか1項に記載の装
    置。
  14. 【請求項14】 前記非蛋白性物質が、グアニジノ基を
    有する化合物又はその塩である請求項6乃至13の何れ
    か1項に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記グアニジノ基を有する化合物が、
    下記式(I)乃至(IV): 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 で示される化合物から選ばれたものである請求項14に
    記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記標識抗体の標識物質が、金コロイ
    ドであることを特徴とする請求項6乃至15の何れか1
    項に記載の装置。
  17. 【請求項17】 非蛋白性物質に特異的に結合する抗体
    の検出方法であって、(A)少なくとも下記(a)及び
    (b)を互いに離隔させて備えてなる溶液浸透性の膜担
    体(3)を調製する工程と: (a)検出対象抗体に特異的に結合する標識抗体を前記
    膜担体(3)に展開可能に配置せしめてなる標識抗体含
    浸部(2); (b)前記膜担体(3)にリンカーを介して前記非蛋白
    性物質を固定せしめてなる検出対象抗体捕捉部(3
    1)、(B)前記含浸部(2)において被験試料と前記
    標識抗体とを混合させるとともに、その混合物を前記膜
    担体(3)に展開させる工程と、(C)前記検出対象抗
    体捕捉部(31)における前記標識抗体の集積の有無を
    検出することにより、前記被験試料中の検出対象抗体と
    前記標識抗体との複合体の存否を判定する工程と、を含
    むことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 前記膜担体の含浸部(2)は、前記標
    識抗体を含浸した溶液浸透性部材を、前記膜担体(3)
    に連接して形成されており、前記工程(B)は、該含浸
    部(2)に被験試料を注入することにより行なわれる請
    求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記膜担体(3)が、さらに、(d)
    前記含浸部に連接された被験試料注入部(5)を備えて
    おり、前記工程(B)が、該注入部(5)に被験試料を
    注入することにより行なわれる請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記被験試料注入部(5)が、前記含
    浸部(2)に積層された溶液浸透性部材からなり、前記
    工程(B)において、前記被験試料は該注入部(5)を
    浸透して含浸部(2)に至る請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記リンカーが蛋白質であることを特
    徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 前記蛋白質が、血清アルブミンである
    ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記検出対象抗体が、IgEであること
    を特徴とする請求項17乃至22の何れか1項に記載の
    方法。
  24. 【請求項24】 前記非蛋白性物質が、グアニジノ基を
    有する化合物又はその塩である請求項17乃至23の何
    れか1項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記グアニジノ基を有する化合物が、
    下記式(I)乃至(IV): 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 で示される化合物から選ばれたものである請求項24に
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記標識抗体の標識物質が、金コロイ
    ドであることを特徴とする請求項17乃至25の何れか
    1項に記載の方法。
  27. 【請求項27】 非蛋白性物質に特異的に結合する抗体
    を検出するためのイムノクロマト法キットであって、帯
    状のクロマト展開用膜担体(3)と、検査対象抗体に特
    異的に結合する呈色標識抗体を含浸して前記膜担体
    (3)の一端部に連接された溶液浸透性部材からなる標
    識抗体含浸部(2)と、該標識抗体含浸部(2)と離隔
    した位置でリンカーを介して前記膜担体(3)に固定さ
    れた非蛋白性物質からなる検出対象抗体捕捉部(31)
    とを少なくとも有してなるキット。
  28. 【請求項28】 さらに、前記含浸部(2)に連接され
    た溶液浸透性部材からなる被験試料注入部(5)を備
    え、当該注入部(5)に被験試料が注入される請求項2
    7に記載のキット。
  29. 【請求項29】 さらに、前記含浸部(2)と前記被験
    試料注入部(5)との間には血球捕捉膜部材(7)が配
    置されている請求項28に記載のキット。
  30. 【請求項30】 さらに、前記含浸部(2)が設けられ
    た端部と反対側の端部にて前記膜担体(3)に連接され
    た液体吸収性部材(4)を備えている請求項28又は2
    9に記載のキット。
  31. 【請求項31】 さらに、前記標識抗体に特異的に結合
    する抗体が、前記検出対象抗体捕捉部(31)から前記
    液体吸収性部材(4)の方向へ離隔した位置で、前記膜
    担体(3)に固定されてなる未反応標識抗体捕捉部(3
    2)を備えている請求項30に記載のキット。
  32. 【請求項32】 さらに、前記キットを収容する外装
    (6)を備え、当該外装(6)は、前記注入部(5)の
    上方に設けられた被験試料注入用の開口(621)と、
    前記検出対象抗体捕捉部(31)及び所望により未反応
    標識抗体捕捉部(32)の上方に設けられた判定用の開
    口(622)とを備えている請求項30または31に記
    載のキット。
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