JPH0634633A - 鶏卵抗体固定化担体およびその製造方法 - Google Patents

鶏卵抗体固定化担体およびその製造方法

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JPH0634633A
JPH0634633A JP18692392A JP18692392A JPH0634633A JP H0634633 A JPH0634633 A JP H0634633A JP 18692392 A JP18692392 A JP 18692392A JP 18692392 A JP18692392 A JP 18692392A JP H0634633 A JPH0634633 A JP H0634633A
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igy
cellulose
carrier
hen
epoxy
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JP18692392A
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Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masahiro Seko
政弘 世古
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
Busaku Kin
武祚 金
Masaru Fujiki
優 藤木
Hajime Hatta
一 八田
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Toyobo Co Ltd
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鶏卵抗体を水不溶性担体に固定化するにあた
り、両末端にエポキシ基を有する親水性スペーサーを介
したエポキシ反応により鶏卵抗体を水不溶性担体に固定
化する鶏卵抗体固定化担体の製造方法およびその方法で
得られる鶏卵抗体固定化担体。 【効果】 リガンドとしての鶏卵抗体を、その活性を失
活させたり或は変性させたりすることなく水不溶性担体
に固定化することが可能になった。また工程で有毒な試
薬を使用しないので作業の安全性も向上した。本発明の
鶏卵抗体固定化担体は吸着材,アフィニティクロマト用
担体,エンザイムイムノアッセイ,バイオセンサーなと
の広範囲な領域において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鶏卵抗体(以下IgYと
いう)の水不溶性担体への固定化方法およびIgY固定
化担体に関するものであり、食品,動物飼料,化粧品,
臨床検査薬,研究用試薬,医薬部外品や受動免疫療法等
の分野で,アフィニティー吸着材,アフィニティークロ
マト用担体,バイオセンサー,エンザイムイムノアッセ
イなどに応用が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】IgYは抗原感作した親鶏の血液抗体が
鶏卵卵黄中へ移行したものである。鶏卵卵黄より得られ
る特異抗体、即ちIgYを用いた場合、ウサギなどの哺
乳類の血液抗体を用いる従来法に比較して下記のような
利点がある。
【0003】抗体調製に採血操作が不要で、採卵とい
う簡単な方法で行える。抗体量として鶏卵10数個が
ウサギ1頭の全血分に相当する。また、鶏は年間250
〜300個の卵を産むため、特異的抗体の大量生産が可
能である。鶏卵卵黄中には、抗体としてIgYのみが
存在し、種々の抗体クラスが共存する血液と比較して抗
体精製が容易である。鶏の場合大規模養鶏がシステム
化されており、その飼育コストも安価であることから、
安価に抗体が得られる。鶏の場合、鶏病予防を目的と
したワクチネーションがシステム化されており、それを
利用して大量の鶏への免疫が効率よく行える。
【0004】またIgYは哺乳類の抗体(特にIgG画
分)とは化学的あるいは物理的に異なる多くの特有な性
質を有している。これらの点に着目して近年食品,動物
飼料,化粧品,臨床検査薬,研究用試薬,医薬部外品な
どの製品や受動免疫療法など広範囲な領域におけるIg
Yの応用が近年試みられている。またアフィニティクロ
マトグラフィ用担体やその他の吸着材などへの応用の可
能性も十分にある。
【0005】これらの分野でリガンドとしてIgYのよ
うな抗体,酵素,ホルモン,レクチンなど生理活性を有
する種々のタンパク質やペプチドを、場合によってはス
ペーサーを介して担体に固定化を行なう試みについて
は、古くから多くの報告例がある。その大部分はタンパ
ク質を構成しているアミノ酸残基の官能基における反応
によるものである。たとえばリジンのε−アミノ基,N
末端のアミノ基,システインのスルフヒドリル基,アス
パラギン酸のβ−カルボキシル基,グルタミン酸のγ−
カルボキシル基,C末端のカルボキシル基,チロシンの
フェノール性水酸基,セリンあるいはトレオニンの水酸
基,アルギニンのグアニジノ基,ヒスチジンのイミダゾ
リル基,トリプトファンのインドリル基,メチオニンの
メチルメルカプト基などである。ところがタンパク質中
特に水酸基,カルボキシル基,アミノ基の含量は多いの
で、これらの官能基を反応させた場合、活性中心部位を
形成しているアミノ酸残基を修飾あるいは変性させる可
能性があり、それに伴い活性を低下あるいは失活させる
という問題がある。
【0006】また一般にIgYのようなタンパク質系の
生理活性物質は、通常の化学合成において頻繁に用いら
れる熱,酸,アルカリ,有機溶媒などの作用により変性
を受けやすい。したがってリガンドとしてのIgYが固
定化前と同等にできる限り近い物理的あるいは化学的性
質を保持できるようにするには、固定化反応条件におい
て様々な面で制約が多くなる。
【0007】また固定化されたIgYが種々の塩濃度や
広いpH範囲においてもしっかりと固定化されIgYの
漏出が起らないことや、固定化されたIgYが目的とす
る物質と強固に結合できることなどが条件となる。種々
の生理活性物質の固定化方法を原理的に大別すると
(a)担体結合法,(b)架橋法,(c)包括法の3種
類である。これらの方法はそれぞれ長所,短所を有して
おり、目的等に応じて使い分けられている。
【0008】(a)担体結合法はIgYのようなタンパ
ク質中の生理活性の発現に可能な限り悪影響を与えない
部分の、特に水酸基,カルボキシル基,アミノ基を選択
して、担体に共有結合,イオン結合,疎水結合,生化学
的特異結合などを介して固定化するものである。共有結
合による固定化には臭化シアンによる活性化、カルボン
酸のアジド誘導体化、カルボジイミド試薬やウッドワー
ド試薬Kなどによる縮合反応、ジアゾカップリング反
応、グルタルアルデヒドのような2つ以上の反応性に富
む官能基を有する化合物により架橋する方法などがあ
る。これらの方法は結合が強固であり、安定性を増す場
合があるなどの長所があるが、タンパク質の変性の恐れ
や、目的物質との相互作用が起りにくくなる場合がある
などの短所がある。
【0009】特開昭58−53757号公報にはさらに
抗体の炭水化物部位を酸化切断し、アルデヒド基を有す
る抗体と側鎖にアミノ基またはヒドラジド基を有する担
体とが、−CH2−NH−または−CH2−NH−NH−
CO−の構造を介して固定化する方法が記載されてい
る。しかしこの方法においても、担体と抗体の結合が直
接的であるため、抗体の機能を十分に保持できるように
固定化することが困難であり、また他のタンパク質の非
特異的吸着を防止できないという問題がある。
【0010】またイオン結合による固定化は操作の簡便
さや再生の可能な点が有利であるが、反応液に用いる緩
衝液の種類,pH,イオン強度,温度などの影響を受け
やすい。物理的吸着による固定化では結合が一般に十分
な保持能力を得られないことが多い。
【0011】(b)架橋法はグルタルアルデヒド,トル
エンジイソシアナート,ヘキサメチレンジイソシアナー
ト,シアヌルクロリドなどの2つ以上の官能基を有する
試薬とIgYを反応させて分子間で架橋させて巨大分子
とする方法である。この方法は微生物菌体の固定化には
しばしば用いられるが、IgYのようなタンパク質系の
生理活性物質の固定化にはあまり有効なものではない。
【0012】(c)包括法は高分子ゲル内にIgYを閉
じ込める方法である。これにはタンパク質や多糖類のよ
うな天然高分子あるいは種々の合成高分子のゲルの内部
にIgYを閉じ込める格子型,半透膜性の高分子被膜に
よりIgYを包み込むマイクロカプセル型,リン脂質の
ような液体膜にIgYを包み込むリポソーム型などがあ
る。また中空子膜内や限外濾過膜で仕切られた空間中に
鶏卵抗体を閉じ込める方法もある。これらの方法は固定
化によりIgYの修飾が起りにくく、自然な状態を保っ
たままで固定化が可能である長所があるが、高分子量の
物質の作用を受けにくいことや条件により失活が起こる
などの欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術における種々の欠点を解決し、効率よく、しかもその
生理活性を低下させたり変性させたりする可能性をでき
る限り小さくしたIgY固定化担体の製造方法およびそ
の固定化担体を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明は、IgYを水不溶性担体に固定化する
にあたり、両末端にエポキシ基を有する親水性スペーサ
ーを介してエポキシ反応により前記IgYを前記水不溶
性担体に固定化することに第1の要旨を有する。また前
記方法で製造されたものであるIgY固定化担体に第2
の要旨を有する。
【0015】
【作用】本発明者等は、効率よく行え、しかも失活の少
ないIgYの固定化方法について種々検討した結果、両
末端にエポキシ基を有する親水性スペーサーを介して、
IgYと水不溶性担体とをエポキシ反応によって固定化
すればよいことを見出した。
【0016】本発明で用いる水不溶性担体は、エポキシ
基と反応性のある、たとえばチオール基、アミノ基、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基のような求核性官能基を
有しているか、或は修飾することによりこれらの官能基
が導入されたものであれば特に限定されないが、代表的
なものとしてはポリスチレン、ポリメタクリル酸および
その誘導体、あるいはこれらの共重合体、更にはポリビ
ニルアルコール、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
などの合成高分子化合物、セルロース、キチン、キトサ
ン、アガロースなどの天然高分子化合物またはアシルセ
ルロース、アシルキチンなどの改質天然高分子化合物な
どが挙げられる。例示した高分子化合物のうち、機械的
強度等を考慮すると、適度に架橋したポリスチレン、ポ
リメタクリル酸メチルおよびその誘導体あるいはこれら
の共重合体、セルロース、キチンが望ましい。これらの
中からその目的・用途に応じて適切なゲル強度,粒子
径,細孔径等の特徴を有するものを適宜選択すれば良
い。担体の形態に関しても特に限定されるものではな
く、その用途や目的に応じてビーズ状,繊維状,膜状
(中空糸膜を含む)などいずれにおいても適用できるも
のである。これらの担体における求核性官能基の含量
は、ある程度多い方がIgY導入率の向上に結びつく
が、あまり多すぎるとゲル強度が低下するので適当では
ない。従って0.01〜0.80meq/g の範囲になるように導入
するのが望ましく、目的物質の大きさ等に応じてその値
を調整する必要がある。
【0017】本発明で用いる親水性スペーサーとして
は、両末端にエポキシ基を有するものであれば特に限定
されないが、好ましい例としては、下式に示すような両
末端にエポキシ基を有するポリ(オキシエチレン)(以
下PEOエポキシという)が挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】親水性スペーサーの鎖長についても、リガ
ンドやリガンドに結合させる目的物質の大きさ、性質等
に応じて適当に調製する必要があるが、分子量が200 〜
20000 の範囲、好ましくは1000〜15000 、更に好ましく
は5000〜13000 の範囲が適している。親水性スペーサー
を導入することにより立体障害が小さくなり、目的物質
との結合性を大きく向上させることができる。更に親水
性スペーサーによる排除体積効果及び親水性の向上によ
って、非特異的な吸着を抑えることができる。
【0020】エポキシ基に対する反応性は、−SH>−
NH(−NH2 )>OHの順であり、脂肪酸のヒドロキ
シ基を結合させるときにはpH11〜13の強いアルカリ性
の条件を必要となるが、第一級アミノ基,チオール基と
なるに従ってそれ程の強アルカリ性条件である必要はな
くなり、pH9〜11での反応が可能である。したがって
アルカリ条件下で安定なIgYの固定化に有利な方法で
ある。
【0021】本発明においては、上記の様な水不溶性担
体に、両末端にエポキシ基を有する親水性スペーサーを
ーを結合させたものに、更にIgYをリガンドとして導
入する。従来技術と比較すると、例えばシッフ塩基反応
による固定化反応はリガンドを導入した後に還元反応を
行なう必要があり、リガンドの活性を低下させやすくな
る。これに対し本発明ではリガンドの導入後に別な反応
を行なう必要がなく、従ってリガンドの活性を低下させ
る恐れが少ないので有利である。また、シアン化臭素
(CNBr)法のように有毒物質を用いる必要がないの
で安全性の点でも有利である。
【0022】本発明における水不溶性担体に、両末端に
エポキシ基を有する親水性スペーサーを介してIgYを
リガンドとして導入するには、上記のような方法を基本
にすれば特に限定されるものではないが、例えばセルロ
ースを担体としてヒトアルブミンを感作したニワトリか
ら得られたIgYを導入する場合には、以下の方法が好
ましい。
【0023】(1) セルロースの改質 平均粒子径が20〜2000μm 、平均細孔径が200 〜30000
Åの粒状多孔質セルロースに、1〜2Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えた後エピクロルヒドリンを添加し、20
〜50℃好ましくは30〜40℃で、2〜6時間好ましくは4
〜5時間反応させる。上記粒状多孔質セルロースのアル
カリ水溶液への浴比は10〜30容量%好ましくは15〜25容
量%である。上記反応物を回収し十分に洗浄して0.10〜
0.95meq/g のエポキシ基を有する[エポキシ化セルロー
ス]を得る。
【0024】上記[エポキシ化セルロース]に20〜30%
のアンモニア水溶液を加えて、20〜50℃好ましくは30〜
40℃で、1〜5時間好ましくは2〜4時間反応させる。
上記粒状[エポキシ化セルロース]のアンモニア水溶液
への浴比は10〜30容量%好ましくは15〜25容量%であ
る。上記反応物を回収し十分に洗浄して、0.01〜0.80me
q/g のアミノ基を有する[アミノ化セルロース]を得
る。
【0025】(2) 親水性スペーサーの導入 分子量が200 〜20000 、好ましくは1000〜15000 のPE
Oエポキシを、pH9〜12の好ましくはpH10〜11の炭
酸緩衝液に溶解しておく。これに上記(1) で得た[アミ
ノ化セルロース]を添加して攪拌しながら10〜50℃好ま
しくは20〜30℃で、10〜30時間好ましくは15〜25時間反
応させる。上記PEOエポキシの濃度は0.2 〜5.0 重量
%好ましくは0.4 〜3.0 重量%で、この溶液への[アミ
ノ化セルロース]の浴比は3〜20容量%好ましくは5〜
15容量%である。この反応混合物を濾過して生成物を回
収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロース]を得
る。
【0026】(3) 抗体の導入 ヒトアルブミン(以下hAlbと言う)を完全アジュバ
ントとともに免疫したレグホンから得られた鶏卵中の卵
黄部分からλカラギーナン水溶液に混合して遠心分離し
て得られた上清をイオン交換クロマトグラフィおよび塩
析により精製して得た抗hAlb−IgY10〜20mgを、
pH10〜11の炭酸緩衝液に溶解して、上記(2) で得た
[PROエポキシ]−[セルロース]3〜5g (膨潤状
態)を添加し、攪拌しながら10〜50℃好ましくは20〜30
℃で、10〜30時間好ましくは15〜25時間反応させる。こ
の反応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄し
て抗hAlb−IgYをPEOエポキシをスペーサーに
介してセルロースに固定したものを得る。
【0027】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を更に詳細に説明
するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0028】<実施例1>抗hLDL−IgYの固定化 hLDL(ヒト低比重リポタンパク質、ケミコン社製)
を免疫したレグホンの卵黄から抽出および精製して得ら
れた抗hLDL−IgYの多孔質セルロースの固定化を
次のようにして実施した。多孔質セルロース(チッソ製
「セルロファインCPCm」)15gに1N水酸化ナトリ
ウム水溶液100ml およびエピクロルヒドリン25mlを加え
て攪拌により30時間反応させた後、反応混合物を濾過し
て生成物を回収し、十分に洗浄して[エポキシ化セルロ
ース]を得た。エポキシ含量はチオ硫酸ナトリウムを用
いた酸滴定により定量を行ない、0.96meq/g であった。
【0029】上記[エポキシ化セルロース]に28%アン
モニア水溶液100ml を加えて室温で5時間攪拌により反
応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して[アミノ
化セルロース]を得た。アミノ基含量は塩酸による電位
差滴定(平沼産業製「COMTITE101 」を使用)に
より定量を行ない、0.84meq/g であった。
【0030】分子量5000のPEOエポキシ50gpH10の
炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[アミノ化セル
ロース]に添加して攪拌しながら室温で25時間攪拌によ
り反応させた。この反応混合物を濾過して生成物を回
収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロース]を得
た。エポキシ含量は先と同様にして定量を行ない、0.69
meq/g であった。
【0031】上記抗hLDL抗体50mgをpH11の炭酸緩
衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポキシ]−
[セルロース]に添加して攪拌しながら10℃で40時間攪
拌により反応させた。この反応混合物を濾過して生成物
を回収、水洗して固定化抗体を得た。固定化反応の残液
中のタンパク質量をTCA−BCA法により残存率を求
め固定化量を算出したところ22.3mgが固定化されてい
た。
【0032】上記抗体を固定化したセルロースゲル1ml
をブタ血清(LDL値164.8mg/ml)3mlと20mlのバイヤ
ル中で混合して、30℃で30分間振盪することによりイン
キュベートして遠心上清のLDL値を「βリポ蛋白Cテ
スト−ワコー」(和光純薬工業製)により定量した。得
られた残存LDL値からLDL吸着率を算出した結果を
表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】<実施例2>抗エンドトキシン−IgYの
固定化 ウシアルブミンに結合させてハプテン化したE.col
ij5由来のリピドA(リピ社製)を免疫したレグホン
の卵黄から抽出および精製して得られた抗エンドトキシ
ン−IgYの多孔質セルロースへの固定化を次のように
して実施した。多孔質セルロース(チッソ製「セルロフ
ァインGCL−1000m」)15g に1N水酸化ナトリウム
水溶液100ml およびエピクロルヒドリン25mlを加えて、
攪拌により30時間反応させた後、反応混合物を濾過して
生成物を回収し、十分に洗浄して[エポキシ化セルロー
ス]を得た。エポキシ含量は実施例1と同様に定量を行
ない、0.99meq/g であった。
【0035】上記[エポキシ化セルロース]に28%アン
モニア水溶液100ml を加えて室温で5時間攪拌により反
応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して[アミノ
化セルロース]を得た。アミノ基含量は実施例1と同様
にして定量を行ない、0.89meq/g であった。
【0036】分子量6000のPEOエポキシ100 gをpH
11の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[アミノ化
セルロース]に添加して攪拌しながら室温で25時間攪拌
により反応させた。この反応混合物を濾過して生成物を
回収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロース]を
得た。エポキシ含量は先と同様にして定量を行ない、0.
71meq/g であった。
【0037】上記エンドトキシン−IgY50mgをpH11
の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポ
キシ]−[セルロース]に添加して攪拌しながら10℃で
40時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過し
て生成物を回収、水洗して固定化抗体を得た。実施例1
と同様にして固定化反応の残液中のタンパク質量をTC
A−BCA法により残存率を求め固定化量を算出したと
ころ20.1mgが固定化されていた。
【0038】上記IgYを固定化したセルロースを凍結
乾燥した担体100mg を滅菌した20mlのバイヤル中に秤量
して、10ng/ml のE.coli0111:B4由来のリポポ
リサッカライド(以下LPSと言う,Difco社製)
生理食塩水溶液5mlを加えた。37℃で2時間振盪しなが
らインキュベートを行なった後、その濾液中の残存LP
S濃度「トキシノメータET201 」(和光純薬工業製)
により定量した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】<実施例3>抗ヘモグロビン−IgYの固
定化 ヒトヘモグロビン(バイオザイムラボラトリー社製)を
免疫したレグホンの卵黄から抽出および精製して得られ
た抗ヘモグロビン−IgYの多孔質セルロースへの固定
化を次のようにして実施した。多孔質セルロース(チッ
ソ製「セルロファインGCL−1000m」)15gに1N水
酸化ナトリウム水溶液100ml およびエピクロルヒドリン
25mlを加えて、攪拌により30時間反応させた後、反応混
合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して[エポ
キシ化セルロース]を得た。エポキシ含量は実施例1と
同様に定量を行ない、0.93meq/g であった。
【0041】上記[エポキシ化セルロース]に28%アン
モニア水溶液100ml を加えて室温で5時間攪拌により反
応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して[アミノ
化セルロース]を得た。アミノ基含量は実施例1と同様
にして定量を行ない、0.84meq/g であった。
【0042】分子量6200のPEOエポキシ50g をpH11
の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[アミノ化セ
ルロース]に添加して攪拌しながら室温で25時間攪拌に
より反応させた。この反応混合物を濾過して生成物を回
収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロース]を得
た。エポキシ含量は先と同様にして定量を行ない、0.73
meq/g であった。
【0043】上記抗ヘモグロビン−IgY50mgpH11の
炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポキ
シ]−[セルロース]に添加して攪拌しながら10℃で40
時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過して
生成物を回収、水洗して固定化抗体を得た。実施例1と
同様にして固定化反応の残液中のタンパク質量をTCA
−BCA法により残存率を求め固定化量を算出したとこ
ろ21.2mgが固定化されていた。
【0044】上記IgYを固定化したセルロース1mlを
20mlのバイヤル中に取り、200mg/dlのヘモグロビン水溶
液を加えて5時間振盪後遠心分離を行ないその上清のヘ
モグロビン濃度をTMB(テトラメチルベンジジン)法
により定量した。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】<比較例1>抗hLDL−IgYの固定化 両末端にカルボキシル基を有している分子量5000のポリ
(オキシエチレン)(以下PEO酸と言う)23g をpH
4.5 のクエン酸緩衝液に溶解して氷冷した後、1mgの1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カル
ボジイミド(以下EDCと言う)を添加して30分間攪拌
した。その後比較例1において調製した[アミン]−
[セルロース]5g を加えて室温で20時間攪拌して反応
させた。反応物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄
して[PEO酸]−[セルロース]を得た。
【0047】実施例1におけるIgY40mgをpH4.5 の
クエン酸緩衝液に溶解して氷冷した後、1mgのEDCを
添加して30分間攪拌した。その後上記[PEO酸]−
[セルロース]を加えて室温で攪拌して反応させた反応
物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して固定化I
gYを得た。IgYの固定化量はシッフ塩基反応の残液
のIgY量をTCA−BCA法により定量して算出し、
27.7mgが固定化されていた。このIgY固定化担体につ
いて実施例1と同様にしてLDL吸着率を求めた。その
結果を表1に示す。
【0048】<比較例2>抗hLDL−IgYの固定化 分子量6000のPEOアミン2g をpH9.5 の炭酸緩衝液
50mlに溶解して、実施例1における[アルデヒド]−
[セルロース]5g を加えて攪拌により反応させて、反
応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して
[PEOアミン]−[セルロース]を得た。アミノ基含
量は塩酸による電位差滴定により定量を行ない、0.21me
q/g であった。
【0049】上記[PEOアミン]−[セルロース]を
pH9.5 の炭酸緩衝液50mlに懸濁して25%グルタルアル
デヒド水溶液2mlを加えて室温で20時間攪拌により反応
させた。反応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に
洗浄して[PEOアルデヒド]−[セルロース]を得
た。アルデヒド含量はオキシム法により定量を行ない0.
38meq/g であった。
【0050】実施例1におけるIgY40mgをpH9.5 の
炭酸緩衝液50mlに溶解して、上記[PEOアルデヒド]
−[セルロース]を加え、室温で20時間攪拌により反応
させた。反応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に
洗浄して、pH9.0 の炭酸緩衝液50mlに懸濁させ、Na
BH4 lgを添加して室温で10時間攪拌により反応させ
た。反応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄
して固定化IgYを得た。IgYの固定化量はシッフ塩
基反応の残液のIgY量をTCA−BCA法により定量
して算出し、22.0mgが固定化されていた。このIgY固
定化担体について実施例1と同様にしてLDL吸着率を
求めた。その結果を表1に示す。
【0051】<比較例3>抗エンドトキシン−IgYの
固定化 テトラエチレンペンタミン110gをpH9.5 の炭酸緩衝液
50mlに溶解して、実施例3で調製した[アルデヒド]−
[セルロース]10g を加えて攪拌により反応させて、反
応混合物を濾過して生成物を回収し十分に洗浄して[ア
ミン]−[セルロース]を得た。アミン基含量は塩酸に
よる電位差滴定により定量を行ない、0.31meq/g であっ
た。
【0052】両末端にカルボキシル基を有している分子
量6200のPEO酸23g をpH4.5 のクエン酸緩衝液に溶
解して氷冷した後、1mgのEDCを添加して30分間攪拌
した。その後上記[アミン]−[セルロース]5g を加
えて室温で20時間攪拌して反応させた。反応物を濾過し
て生成物を回収し、十分に洗浄して[PEO酸]−[セ
ルロース]を得た。
【0053】実施例3におけるIgY40mgをpH4.5 の
クエン酸緩衝液に溶解して氷冷した後、1mgのEDCを
添加して30分間攪拌した。その後上記[PEO酸]−
[セルロース]を加えて室温で攪拌して反応させた。反
応物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して固定化
IgYを得た。IgYの固定化量はシッフ塩基反応の残
液のIgY量をTCA−BCA法により定量して算出
し、28.4mgが固定化されていた。このIgY固定化担体
について実施例3と同様にしてLPS吸着量を定量し
た。その結果を表2に示す。
【0054】<比較例4>抗ヘモグロビン−IgYの固
定化 テトラエチレンペンタミン110gをpH9.5 の炭酸緩衝液
50mlに溶解して、実施例4で調製した[アルデヒド]−
[セルロース]10g を加えて攪拌により反応させて、反
応混合物を濾過して生成物を回収し十分に洗浄して[ア
ミン]−[セルロース]を得た。アミノ基含量は塩酸に
より電位差滴定により定量を行ない、0.31meq/g であっ
た。
【0055】両末端にカルボキシル基を有している分子
量4000のPEO酸23g をpH4.5 のクエン酸緩衝液に溶
解して氷冷した後、1mgのEDCを添加して30分間攪拌
した。その後上記[アミン]−[セルロース]5g を加
えて室温で20時間攪拌して反応させた。反応物を濾過し
て生成物を回収し、十分に洗浄して[PEO酸]−[セ
ルロース]を得た。
【0056】実施例3におけるIgY40mgをpH4.5 の
クエン酸緩衝液に溶解して氷冷した後、1mgのEDCを
添加して30分間攪拌した。その後上記[PEO酸]−
[セルロース]を加えて室温で攪拌して反応させた。反
応物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して固定化
IgYを得た。IgYの固定化量はシッフ塩基反応の残
液のIgY量をTCA−BCA法により定量して算出
し、27.2mgが固定化されていた。このIgY固定化担体
について実施例4と同様にしてヘモグロビン吸着量を定
量した。その結果を表3に示す。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
本発明により、IgYを、その活性を失活させたり或は
変性させたりすることなく水不溶性担体に固定化するこ
とが可能となった。また工程で有毒な試薬を使用しない
ので作業の安全性も向上した。本発明のIgY固定化担
体は吸着材,アフィニティクロマト用担体,エンザイム
イムノアッセイ,パイオセンサーなど広範囲な領域にお
いて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 英之 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 藤木 優 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 八田 一 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鶏卵抗体を水不溶性担体に固定化するに
    あたり、両末端にエポキシ基を有する親水性スペーサー
    を介してエポキシ反応により前記鶏卵抗体を前記水不溶
    性担体に固定化することを特徴とする鶏卵抗体固定化担
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法によって製造された
    ものである鶏卵抗体固定化担体。
JP18692392A 1992-07-14 1992-07-14 鶏卵抗体固定化担体およびその製造方法 Withdrawn JPH0634633A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000008463A3 (de) * 1998-08-05 2000-04-20 Privates Inst Bioserv Gmbh Immunadsorber zur entfernung von endotoxinin
JP2002372539A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Towns:Kk 非蛋白性物質に対する抗体の検出方法及び装置
US7317059B2 (en) 2004-09-24 2008-01-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Ligand immobilization support
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