JP2002371978A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP2002371978A
JP2002371978A JP2001177560A JP2001177560A JP2002371978A JP 2002371978 A JP2002371978 A JP 2002371978A JP 2001177560 A JP2001177560 A JP 2001177560A JP 2001177560 A JP2001177560 A JP 2001177560A JP 2002371978 A JP2002371978 A JP 2002371978A
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chip seal
seal groove
scroll
inclined surface
tip
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JP2001177560A
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Takeshi Yanagisawa
健 柳沢
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Anest Iwata Corp
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Anest Iwata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール流体機械において、固定ラップ又
は旋回ラップの先端に設けたチップシール溝に嵌合され
たチップシール部分からの圧縮流体の漏洩を防止する。 【解決手段】 チップシール溝12の巻き始め部から巻
き終り部に至るチップシール溝12の内面の一部に凹部
22、23を形成するとともに、この凹部22、23内
に、チップシール14の底面から突出させた凸部24、
25を嵌入してなり、かつこれら凹部22、23と凸部
24、25の双方またはいずれか一方の適所に、チップ
シール溝12の長手方向を向く傾斜面22a、23aを
設けることにより、前記チップシール溝12内へ圧力気
体が侵入して、チップシール14がチップシール溝12
内において長手方向に変位するのに伴い、チップシール
14は、前記傾斜面22a、23a上をせり上がって、
その上面を相手方端板に圧接させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮
機、スクロール真空ポンプ、スクロール膨張機、スクロ
ール送風機等のスクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】上記したようなスクロール流体機械は、
代表的には、固定スクロールの端板(以下固定端板と呼
ぶ)より立設された渦巻状の固定ラップと、主軸の偏心
軸部に枢支され、かつ自転防止機構が組み込まれている
旋回スクロールの端板(以下旋回端板と呼ぶ)より立設さ
れた渦巻状の旋回ラップとを、相互に嵌合させることに
より、旋回ラップの旋回運動に伴い、流体容積が変化す
る密閉室が形成されている。
【0003】しかして、固定ラップおよび旋回ラップの
先端面には、通常、そのほぼ全長に亘って、長手方向を
向く渦巻状のチップシール保持溝が形成され、その中
に、先端が対向する端板の表面を摺擦しうるようにした
チップシールが嵌合保持されている。
【0004】旋回スクロールを駆動すると、例えば高圧
の空気の一部が、固定、旋回両スクロールの中心側の巻
き始め部から、外周側の巻終わり部にかけて、前記チッ
プシール保持溝の底面とチップシールの底面との間隙を
通って漏出し、所期の圧縮機能が果たされなくなる。
【0005】このような圧縮気体の漏出を、防止もしく
は低減させるために、旋回スクロールの旋回に伴って発
生する高圧の気体の圧力が低圧側へ漏れないようにせき
止めするか、発生した高圧の気体の圧力を利用して、旋
回、固定両スクロールにおけるチップシールの相手側端
板に対する圧接力が大となるようにすることが、従来考
えられており、このような技術的着想を具体化した発明
が、次に例示するような文献に記載されている。
【0006】(1) 特公昭63−42083号公報 ラップの軸方向接触面部に連続する保持溝を設けるとと
もに、この保持溝に連続したシール手段を設け、かつこ
のシール手段の裏面の溝底面との間に、これらの間のク
リアランスにおいて、シール手段の裏面に沿って流れる
流体を遮断する隔壁を設ける。
【0007】(2) 特開平7−174094号公報 ラップ部の歯先面に凹溝を形成するとともに、この凹溝
の底面に鋸歯状段部を設け、凹溝内に挿着したシール部
材における凹溝の底面と対向する下側面に、前記鋸歯状
段部と係合する鋸歯状段部を形成し、凹溝の鋸歯状段部
とシール部材の鋸歯状段部との間に、複数の圧力空間を
形成する。
【0008】圧縮空気が流入して圧力空間が高圧になる
と、シール部材が相手方の歯底面に向けて浮上し、シー
ル部材のシール面が、相手方の歯底面に摺接する。
【0009】(3) 特開2000−314383号公報 チップシールをチップシール溝の底面と相手方鏡面との
間に配置した際に、チップシールの摺接面が相手方鏡面
を押圧する方向に弾力性を有する多数の底面切込みを、
密閉空間によって圧縮される流体が高圧となる方向に開
口するように設け、かつ前記チップシール溝の低圧側空
間側の溝壁に対面する側面に、前記チップシールより柔
軟性があるシール部材が取付可能なシール部材溝を設
け、該シール部材溝に配置されるシール部材により、前
記チップシール溝と前記チップシール間をシールするよ
うにしてある。
【0010】チップシール溝内に浸入する流体の圧力が
小さい場合においても、チップシールの底面切り込みの
間の部分であるリップが、流体の圧力を受けて開き、チ
ップシール溝の底面に、チップシールが浮揚することが
できる浮揚圧力が維持され、チップシールとしての機能
が発揮される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上に例示した従来技術
においては、いずれも、圧縮空気により、シール部材す
なわちチップシールを持ち上げて、相手方の端板のシー
ル面に圧接させることにより、チップシールの上面から
の漏れを低減させるようになっている。
【0012】チップシールによる上記した構成のシール
方式によると、チップシールの底面とチップシール保持
溝の底面との間に侵入する圧縮気体の圧力が十分に高い
場合には、チップシールは強力に押しあげられて、相手
方の端板に強く圧接し、高いシール効果を発揮するが、
スクロール流体機械が低圧仕様であって、圧縮気体の圧
力が低い場合には、チップシールは保持溝内において十
分に押し上げられず、相手方端板との間の漏洩を完全に
止めることはできない。
【0013】また、チップシールの底面とチップシール
保持溝の底面との間から、若干の圧縮気体が漏洩するの
を避けることはできない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のスクロ
ール流体機械における上記のような問題を解決すること
を目的とし、その特徴とするところは次の如くである。
【0015】(1) 固定スクロールに設けられた渦巻状
の固定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転
防止機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられ
た旋回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回
ラップの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにし
た密閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロ
ールと旋回スクロールの少くともいずれか一方における
ラップの先端部にチップシール溝を形成し、このチップ
シール溝にチップシールを配設してなるスクロール流体
機械において、前記チップシール溝の巻き始め部から巻
き終り部に至るチップシール溝の内面の一部に凹部を形
成するとともに、この凹部内に、チップシールの底面か
ら突出させた凸部を嵌入してなり、かつこれら凹部と凸
部の双方またはいずれか一方の適所に、チップシール溝
の長手方向を向く傾斜面を設けることにより、前記チッ
プシール溝内へ圧力気体が侵入して、チップシールがチ
ップシール溝内において長手方向に変位するのに伴い、
チップシールは、前記傾斜面上をせり上がって、その上
面を相手方端板に圧接させるようにする。
【0016】(2) 上記(1)項において、チップシール
溝の内面に設けた凹部におけるチップシール溝の長手方
向の端部に、長手方向へ向って漸次浅くなる傾斜面を形
成し、チップシールが、チップシール溝内において長手
方向に変位するのに伴い、チップシールの底面から突出
させた凸部が前記傾斜面を摺接することにより、チップ
シールをせり上がらせるようにする。
【0017】(3) 上記(2)項において、チップシール
の底面から突出させた凸部における、チップシール溝の
内面の凹部の一端における漸次浅くなる傾斜面と対向す
る端部を、前記チップシール溝の内面の凹部の一端にお
ける傾斜面とほぼ同様の傾斜を有する傾斜面とする。
【0018】(4) 上記(2)項において、チップシール
の底面から突出させた凸部における、チップシール溝の
内面の凹部の一端における漸次浅くなる傾斜面と対向す
る端部を、前記チップシール溝の内面の凹部の一端にお
ける傾斜面と異なる傾斜を有する傾斜面とする。
【0019】(5) 上記(1)項において、チップシール
の底面から突出させた凸部の長手方向の一端と、チップ
シール溝の内面の凹部の長手方向の一端のいずれか一方
を傾斜面とし、かつ他方を直立面とする。
【0020】(6) 上記(1)項において、チップシール
溝およびチップシールの対向する側面のいずれか一方に
凹部を、他方に凸部を設ける。
【0021】(7) 固定スクロールに設けられた渦巻状
の固定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転
防止機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられ
た旋回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回
ラップの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにし
た密閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロ
ールと旋回スクロールの少くともいずれか一方における
ラップの先端部にチップシール溝を形成し、このチップ
シール溝にチップシールを配設してなるスクロール流体
機械において、チップシールの底面の一部に傾斜面を形
成し、該傾斜面と向かい合う面に傾斜面を有する押上げ
部材を、チップシールの底面とチップシール溝の底面と
の間に設け、チップシール溝内に圧縮空気が浸入したと
き、押上げ部材の傾斜面がチップシール溝の長手方向に
移動して、チップシールの前記傾斜面に入り込むことに
より、チップシールの上面を、相手側端板のシール面に
押し上げるようにする。
【0022】(8) 固定スクロールに設けられた渦巻状
の固定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転
防止機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられ
た旋回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回
ラップの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにし
た密閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロ
ールと旋回スクロールの少なくともいずれか一方におけ
るラップの先端部にチップシール溝を形成し、このチッ
プシール溝にチップシールを配設してなるスクロール流
体機械において、チップシール溝の一部に傾斜面を、該
傾斜面と向かい合うチップシールの底面に傾斜面をそれ
ぞれ形成し、チップシール溝内に圧縮空気が侵入したと
きに、チップシールがチップシール溝の長手方向に移動
して、チップシールの傾斜面がチップシール溝の傾斜面
上をせり上がって、その上面を、相手方端板に圧接させ
るようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した、気体
用スクロール圧縮機の一例を示す要部縦断側面図、図2
は、図1における固定スクロールを内方から見た図であ
る。
【0024】このスクロール圧縮機自体の構成は、従来
のものと同様であって、種々の態様を採りうるものであ
り、その構成自体は、本発明の特徴をなすものではない
ので、簡単に説明する。
【0025】円筒形ケーシング(1)の一端は、固定スク
ロール(2)における固定端板(3)を兼ねる蓋板により閉
じられ、この固定端板(3)の内面には、渦巻状の固定ラ
ップ(4)が立設されている。
【0026】固定スクロール(2)の内側方には、円周方
向に等間隔をなす3個のピンクランク式の自転防止機構
(5)を介して、旋回スクロール(6)が近接して配置され
ている。
【0027】旋回スクロール(6)における旋回端板(7)
の外面に立設された旋回ラップ(8)は、前記固定ラップ
(4)に噛み合い状に嵌合され、固定ラップ(4)と旋回ラ
ップ(8)とにより、中心側に向かうに従って容積が漸次
小となる渦巻状の密閉圧縮室(9)が形成されている。
【0028】密閉圧縮室(9)内において、互いに対向す
る固定端板(3)の内側面と旋回端板(7)の外側面、換言
すると、固定スクロール(2)の固定ラップ(4)によって
形成される渦巻状溝の底面、並びに旋回スクロール(6)
の旋回ラップ(8)によって形成される渦巻状溝の底面に
は、それぞれ、スチール製の薄肉の気密保持板(10)(11)
が載置重合され、かつ必要に応じ接着されている。
【0029】固定ラップ(4)および旋回ラップ(8)の先
端面には、それぞれ渦巻状に連続するチップシール溝(1
2)(13)が刻設され、各チップシール溝(12)(13)に嵌合保
持されたチップシール(14)(15)の先端は、それぞれ対向
する気密保持板(10)(11)に摺接している。
【0030】なお、チップシール(14)(15)の先端を、そ
れぞれ対向する端板の渦巻状溝の底面に、直接摺接させ
るようにすることもある。
【0031】旋回スクロール(6)の外側面中心部付近に
突設された円筒状ボス(16)は、図示しないモータにより
駆動される主軸(17)の先端における偏心軸部(18)に、ベ
アリング(19)を介して枢支されている。
【0032】主軸(17)により旋回スクロール(6)を旋回
させると、ケーシング(1)に設けた吸込口(20)より外気
が吸引され、前記密閉圧縮室(9)で圧縮されて、固定端
板(3)の中心に設けた吐出口(21)より吐出される。
【0033】本発明の新規な特徴は、前記チップシール
溝(12)(13)と、それに嵌合保持されているチップシール
(14)(15)の形状および構造にあるので、次にこれについ
て、図3および図4を参照して説明する。
【0034】図3、図4は、それぞれ、図2におけるII
I−III線、およびIV−IV線拡大縦断面図であって、それ
ぞれ、固定スクロールにおける固定ラップの巻き始め部
および巻き終り部を示している。
【0035】なお、これら図3、図4に示す構成は、そ
れぞれ旋回ラップの対応する個所に関しても同様である
ので、以下固定ラップに関してのみ説明し、旋回ラップ
に関しては説明を省略する。
【0036】固定ラップ(4)の先端面には、その中心側
である巻き始め部から、外周側である巻き終り部に亘っ
て、断面矩形の渦巻状のチップシール溝(12)が刻設され
ている。
【0037】チップシール溝(12)の巻き始め端と巻き終
り端、その他図示しない適所における底面には、それぞ
れ長手方向を向く長寸の凹部(22)(23)を設けてあり、各
凹部(22)(23)の巻き終り方向を向く端面を、長手方向へ
向かって漸次上昇する傾斜面(22a)(23a)としてある。
【0038】一方、チップシール溝(12)内へ、そのほぼ
全長に亘って嵌合保持されているチップシール(14)の底
面における前記各凹部(22)(23)と対応する個所には、各
凹部(22)(23)内へ若干の間隙をもって嵌入しうる凸部(2
4)(25)を突設してあり、各凸部(24)(25)における前記凹
部(22)(23)の一端の傾斜面(22a)(23a)と対向する部分
は、これらの傾斜面(22a)(23a)とほぼ等しい傾斜を有す
る傾斜面(24a)(25a)とされている。
【0039】チップシール(14)の巻き始め端と巻き終り
端とチップシール溝(12)の端面との間、並びにチップシ
ール(14)の巻き終り端の凸部(25)の内端と、それに対向
する凹部(23)の内端には、それぞれ、狭幅の導気間隙(2
6)(27)(28)が形成されている。
【0040】固定ラップ(4)の巻き始め部の導気間隙(2
6)より圧縮気体が流入すると、チップシール(14)は、チ
ップシール溝(12)内において、固定ラップ(4)の巻き終
り方向に若干移動し、チップシール(14)の下面の凸部(2
4)(25)の巻き終り側の傾斜面(24a)(25a)が、チップシー
ル溝(12)の底面における凹部(22)の巻き終り側の傾斜面
(22a)に沿って摺動してせり上がる。
【0041】これにより、チップシール溝(12)の底面か
らの漏れは防止されるとともに、圧縮気体が低圧であっ
ても、チップシール(14)のリフティング効果は大とな
り、その上面すなわち先端面は、対向する旋回端板(7)
における気密保持板(11)に圧接し、この部分からの漏れ
も低減する。
【0042】また、チップシール(14)がチップシール溝
(12)の底面の凹部(22)(23)の傾斜面(22a)(23a)に沿って
せり上がることにより、チップシール(14)の先端面が運
転によって摩耗しても、シール効果は長期に亘って発揮
される。
【0043】なお、チップシール(14)の下面の凸部(24)
(25)の巻き終り側端部の傾斜面(24a)(25a)を、それぞれ
チップシール溝(12)の下面の凹部(22)(23)の巻き終り側
端部の傾斜面(22a)(23a)と同一傾斜として、面接触させ
る必要はなく、図5に例示するように、対向する傾斜面
(22a)と(24a)の傾斜を異ならせておくこともある。
【0044】このようにすると、傾斜面(22a)と(24a)と
は線接触することとなり、両者の接触抵抗は小となり、
チップシール(14)は低圧の圧縮気体によっても容易に移
動して、確実なシール効果が発揮される。
【0045】同じ理由から、前記凹部(22)(23)および凸
部(24)(25)の巻き終り側の端部のいずれか一方のみを傾
斜面とし、他方の端部を、チップシール溝(12)の底面と
直交する直立面として、両者を線接触させるようにして
もよい。
【0046】図1〜図5を参照して例示した本発明の実
施の形態においては、チップシール溝(12)の底面に凹部
(22)(23)を設け、かつチップシール(14)の底面の対応す
る個所に凸部(24)(25)を設けてあるが、これらを、チッ
プシール溝(12)およびチップシール(14)の側面に設けて
実施することもできる。
【0047】図6は、このような例を示すもので、チッ
プシール溝(12)の側面要所に凹部(29)を設けるととも
に、その長手方向の一端面を、長手方向に漸次上昇する
傾斜面(29a)とし、かつチップシール(14)の対応個所の
側面に、前記凹部(29)へ嵌入しうる凸部(30)を設けると
ともに、その前記凹部(29)の傾斜面(29a)と対向する端
部を、前部が上昇する傾斜面(30a)としてある。
【0048】このようにしても、前述したと同様の作用
効果が発揮されることは明らかである。
【0049】流入した圧縮気体により、チップシール
は、チップシール溝内において若干移動し、チップシー
ル溝における凹部の傾斜面に沿って摺動してせり上が
る。
【0050】そのため、圧縮気体が低圧であっても、チ
ップシールのリフティング効果は大であり、その上面す
なわち先端面は、対向する端板に圧接し、この部分から
の漏れは低減される。
【0051】また、チップシールがチップシール溝の凹
部の傾斜面に沿ってせり上がるため、チップシールの先
端面が運転によって摩耗しても、シール効果は長期に亘
って発揮される。
【0052】図7は、請求項7記載の本発明の実施の形
態を示す図3と同様の図であり、前記各図におけるのと
同様の部材には、同様の符号を付してある。
【0053】この場合、チップシール溝(12)の底面その
他には、凹部は一切設けられておらず、その代わりに、
チップシール(14)とチップシール溝(12)の底面との間
に、押上げ部材(31)が、長手方向に移動しないようにし
て設けられている。
【0054】押上げ部材(31)の上面における巻き始め側
の端部(その他適所)には、巻き終り側へ向かって漸次上
昇する傾斜面(31a)が設けられ、かつチップシール(14)
の下面における対応個所にも、同じ方向を向く傾斜面(1
4a)が設けられている。
【0055】このようにしても、チップシール(14)は、
長手方向の移動に伴い持ち上げられるので、所期の目的
を果たしうることは明白であり、チップシール溝の内面
に凹部を設ける必要がないため、製造が容易となる。
【0056】図8は、請求項8記載の本発明の実施の形
態を示す図3と同様の固定ラップの巻き終り部の図であ
り、前記各図におけるのと同様の部材には、同様の符号
を付してある。
【0057】チップシール溝(12)の一部に傾斜面(23a)
を、該傾斜面(23a)と向かい合うチップシール(14)の底
面に傾斜面(25a)をそれぞれ形成し、チップシール溝内
に圧縮空気が侵入したときに、チップシール(14)がチッ
プシール溝(12)の長手方向に移動して、チップシール(1
4)の傾斜面(25a)がチップシール溝(12)の傾斜面(23a)上
をせり上がって、その上面を相手方端板(7)に圧接させ
るようにしたものである。
【0058】
【発明の効果】チップシール溝に長手方向を向く傾斜面
を設けることにより、チップシール溝内に圧力気体が侵
入して、チップシールがチップシール溝内において長手
方向に変位するのに伴い、チップシールは、前記傾斜面
上をせり上がって、その上面を相手方端板に圧接させる
ため、低圧仕様のスクロール流体機械においても、底面
漏れと先端漏れは防止され、所期の性能を発揮させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様であるスクロール圧縮機の
要部を切開して示す縦断側面図である。
【図2】図1における固定スクロールを内方から見た正
面図である。
【図3】図2におけるIII−III線拡大断面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線拡大断面図である。
【図5】チップシールが移動した状態における図3と同
様の図である。
【図6】異なる例を示すチップシールとチップシール溝
の端部の拡大斜視図である。
【図7】別の実施の形態を示す図3と同様の図である。
【図8】さらに別の実施の形態を示す図4と同様の図で
ある。
【符号の説明】
(1)ケーシング (2)固定スクロール (3)固定端板 (4)固定ラップ (5)自転防止機構 (6)旋回スクロール (7)旋回端板 (8)旋回ラップ (9)密閉圧縮室 (10)(11)気密保持板 (12)(13)チップシール溝 (14)(15)チップシール (14a)傾斜面 (16)ボス (17)主軸 (18)偏心軸部 (19)ベアリング (20)吸込口 (21)吐出口 (22)(23)凹部 (22a)(23a)傾斜面 (24)(25)凸部 (24a)(25a)傾斜面 (26)(27)(28)導気間隙 (29)凹部 (29a)傾斜面 (30)凸部 (30a)傾斜面 (31)押上げ部材 (31a)傾斜面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールに設けられた渦巻状の固
    定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転防止
    機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられた旋
    回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回ラッ
    プの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにした密
    閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロール
    と旋回スクロールの少くともいずれか一方におけるラッ
    プの先端部にチップシール溝を形成し、このチップシー
    ル溝にチップシールを配設してなるスクロール流体機械
    において、 前記チップシール溝の巻き始め部から巻き終り部に至る
    チップシール溝の内面の一部に凹部を形成するととも
    に、この凹部内に、チップシールの底面から突出させた
    凸部を嵌入してなり、かつこれら凹部と凸部の双方また
    はいずれか一方の適所に、チップシール溝の長手方向を
    向く傾斜面を設けることにより、前記チップシール溝内
    へ圧力気体が侵入して、チップシールがチップシール溝
    内において長手方向に変位するのに伴い、チップシール
    は、前記傾斜面上をせり上がって、その上面を相手方端
    板に圧接させるようにしたことを特徴とするスクロール
    流体機械。
  2. 【請求項2】 チップシール溝の内面に設けた凹部にお
    けるチップシール溝の長手方向の端部に、長手方向へ向
    かって漸次浅くなる傾斜面を形成し、チップシールが、
    チップシール溝内において長手方向に変位するのに伴
    い、チップシールの底面から突出させた凸部が前記傾斜
    面を摺接することにより、チップシールをせり上がらせ
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載のスクロー
    ル流体機械。
  3. 【請求項3】 チップシールの底面から突出させた凸部
    における、チップシール溝の内面の凹部の一端における
    漸次浅くなる傾斜面と対向する端部を、前記チップシー
    ル溝の内面の凹部の一端における傾斜面とほぼ同様の傾
    斜を有する傾斜面としたことを特徴とする請求項2記載
    のスクロール流体機械。
  4. 【請求項4】 チップシールの底面から突出させた凸部
    における、チップシール溝の内面の凹部の一端における
    漸次浅くなる傾斜面と対向する端部を、前記チップシー
    ル溝の内面の凹部の一端における傾斜面と異なる傾斜を
    有する傾斜面としたことを特徴とする請求項2記載のス
    クロール流体機械。
  5. 【請求項5】 チップシールの底面から突出させた凸部
    の長手方向の一端と、チップシール溝の内面の凹部の長
    手方向の一端のいずれか一方を傾斜面とし、かつ他方を
    直立面としてなる請求項1記載のスクロール流体機械。
  6. 【請求項6】 チップシール溝およびチップシールの対
    向する側面のいずれか一方に凹部を、他方に凸部を設け
    たことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機
    械。
  7. 【請求項7】 固定スクロールに設けられた渦巻状の固
    定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転防止
    機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられた旋
    回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回ラッ
    プの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにした密
    閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロール
    と旋回スクロールの少なくともいずれか一方におけるラ
    ップの先端部にチップシール溝を形成し、このチップシ
    ール溝にチップシールを配設してなるスクロール流体機
    械において、 チップシールの底面の一部に傾斜面を形成し、該傾斜面
    と向かい合う面に傾斜面を有する押上げ部材を、チップ
    シールの底面とチップシール溝の底面との間に設け、チ
    ップシール溝内に圧縮空気が侵入したとき、押上げ部材
    の傾斜面がチップシール溝の長手方向に移動して、チッ
    プシールの前記傾斜面に入り込むことにより、チップシ
    ールの上面を、相手側端板のシール面に押し上げるよう
    にしたことを特徴とするスクロール流体機械。
  8. 【請求項8】 固定スクロールに設けられた渦巻状の固
    定ラップと、主軸の偏心軸部に枢支され、かつ自転防止
    機構が組み込まれている旋回スクロールに設けられた旋
    回ラップとを、相互に嵌合させることにより、旋回ラッ
    プの旋回運動に伴い、流体容積が変化するようにした密
    閉圧縮室を形成し、かつ互いに対向する固定スクロール
    と旋回スクロールの少なくともいずれか一方におけるラ
    ップの先端部にチップシール溝を形成し、このチップシ
    ール溝にチップシールを配設してなるスクロール流体機
    械において、 チップシール溝の一部に傾斜面を、該傾斜面と向かい合
    うチップシールの底面に傾斜面をそれぞれ形成し、チッ
    プシール溝内に圧縮空気が侵入したときに、チップシー
    ルがチップシール溝の長手方向に移動して、チップシー
    ルの傾斜面がチップシール溝の傾斜面上をせり上がっ
    て、その上面を、相手方端板に圧接させるようにしたこ
    とを特徴とするスクロール流体機械。
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