JPH09256972A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH09256972A
JPH09256972A JP9027996A JP9027996A JPH09256972A JP H09256972 A JPH09256972 A JP H09256972A JP 9027996 A JP9027996 A JP 9027996A JP 9027996 A JP9027996 A JP 9027996A JP H09256972 A JPH09256972 A JP H09256972A
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JP
Japan
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seal member
groove
protrusion
scroll
concave groove
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Application number
JP9027996A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09256972A publication Critical patent/JPH09256972A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部材が凹溝内を渦巻き方向に位置ずれ
するのを規制できると共に、シール部材に破損、損傷が
生じるのを防止する。 【解決手段】 外形が略楔型状をなした突起部11をラ
ップ部3の巻始め端側に位置した凹溝9の内側面9Bに
突設すると共に、凹溝9の外側面9Cのうち突起部11
と対向した部位を平滑面12として形成する。そして、
突起部11の突出端側をシール部材13の内周面13B
に弾性的に当接させて、外周面13Cを平滑面12側に
押圧する。これにより突起部11と平滑面12との間で
シール部材13の巻始め端側に括れ部13Eを形成し、
突起部11と平滑面12との間で括れ部13Eを渦巻き
方向に対して保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ
部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに
対向して設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラ
ップ部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状の
ラップ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回
スクロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なく
とも一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延
びる凹溝を形成し、該凹溝内には、相手方の歯底面に摺
接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械
は知られている。
【0003】そして、例えばスクロール式流体機械とし
て用いる場合には、固定スクロールと旋回スクロールと
の各ラップ部間に画成される複数の圧縮室を、旋回スク
ロールの旋回運動によって連続的に縮小させ、吸込ポー
トから吸込んだ空気を各圧縮室内で順次圧縮しつつ、こ
の圧縮空気を吐出ポートから外部のエアタンク等に向け
て吐出させるようにしている。
【0004】この場合、ラップ部の歯先に形成した凹溝
内にはシール部材との間に圧縮室内から圧縮空気の一部
が侵入することによって、この圧縮空気の圧力がシール
部材に作用し、該シール部材を相手方の歯底面に向けて
押圧する。この結果、該シール部材は相手方の歯底面に
摺接するように、凹溝内で浮上してフローティングシー
ルを行い、各ラップ部を介して隣合う各圧縮室間を気密
にシールする。
【0005】然るに、上述した従来技術によるスクロー
ル式流体機械では、各圧縮室から凹溝内に侵入した圧縮
空気の圧力を利用してシール部材を凹溝内で浮上させ、
所謂フローティングを行っているに過ぎないために、シ
ール部材が相手方の歯底面に向けて浮上した状態では凹
溝とシール部材との間に隙間が形成されてしまう。そし
て、この隙間は凹溝内をその渦巻方向(周方向)の全周
に亘って連通するようになるので、高圧側の圧縮室から
低圧側の圧縮室に向け圧縮空気の一部がこの隙間を伝わ
ってラップ部の渦巻き方向に流れてしまう。
【0006】この結果、シール部材には、この圧縮空気
による空気圧が外力となってラップ部の渦巻き方向に作
用してしまう。また、シール部材と該シール部材が摺接
する相手方の歯底面との間には摺動抵抗が生じるため、
これによっても、シール部材には、その渦巻き方向に外
力が作用してしまう。
【0007】そして、前記シール部材は、このような外
力により凹溝内を渦巻き方向に位置ずれしてしまい、各
圧縮室間を該シール部材によって十分にシールできず、
圧縮性能が低下するという不具合がある。
【0008】そこで、上記の不具合を解決するために、
例えば、実開平3−8688号公報に記載のスクロール
式流体機械(以下、他の従来技術という)では、前記凹
溝の渦巻き方向終端に位置した内側面と外側面とに、該
凹溝の幅方向で互いに対向するようにそれぞれ突起部を
設け、該各突起部の突出端側を前記凹溝内に配設される
シール部材の両側面に弾性的に当接させることにより、
該シール部材の両側面を前記各突起部で保持し、該シー
ル部材に前述したような外力が作用した場合でも、該シ
ール部材が凹溝内を渦巻き方向に位置ずれするの規制す
るようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した他の
従来技術では凹溝に形成された各突起部の突出端側をシ
ール部材の両面に押圧(弾性的に当接)させることによ
り、該シール部材を各突起部を介して凹溝内で保持する
構成としているため、該各突起部で保持されたシール部
材の部位は細く括れた状態で弾性変形し、この部位(以
下、括れ部という)の幅方向断面積が他の部位と比較し
て著しく小さくなってしまう。
【0010】そして、圧縮運転時には、前述の如く各圧
縮室内の圧縮空気による空気圧、およびシール部材と相
手方の歯底面との間で生じる摺動抵抗等が外力となって
各シール部材に作用する上に、このような圧縮運転時に
は各圧縮室間で発生する高温の圧縮熱等によりシール部
材が渦巻き方向に熱膨張するため、各突起部で保持され
たシール部材全体には、その渦巻き方向に沿って常時引
張応力が作用する。
【0011】この結果、各突起部で保持された前記シー
ル部材の括れ部には、前記引張応力が他の部位よりも極
端に大きくなって作用してしまい、該括れ部が損傷、破
断し易くなるという問題がある。
【0012】また、シール部材は各突起部により両側か
ら強く押圧されているため、圧縮運転時には、該シール
部材を相手方の歯底面に向けて凹溝内を高さ方向にフロ
ーティングさせるのが難しくなる。この結果、シール部
材と歯底面との間に隙間が生じ、各圧縮室内からの圧縮
空気の洩れ損失が大きくなり、圧縮性能が低下するとい
う問題がある。
【0013】さらに、前記各突起部を凹溝内で対向させ
るようにして配設しているため、該各突起部間の幅寸法
が極端に狭くなってしまい、シール部材を該各突起部を
介して凹溝内に装着するのが困難になり、このような装
着時の作業性が低下してしまうという問題がある。
【0014】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、圧縮運転時に、シール部材が凹溝内をそ
の渦巻き方向に位置ずれするのを効果的に規制できると
共に、該シール部材に生じる引張応力等によりシール部
材が破損、損傷するのを効果的に防止でき、長期に亘っ
て安定した圧縮性能を補償できるようにしたスクロール
式流体機械を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立
設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向し
て設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ
部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スクロ
ールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも一
方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる凹
溝を形成し、該凹溝内には、相手方の歯底面に摺接する
シール部材を装着してなるスクロール式流体機械に適用
される。
【0016】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記凹溝を形成する内側面と外側面のうち一方
の側面に前記シール部材が凹溝の渦巻き方向に位置ずれ
するのを規制する突起部を設け、前記凹溝の他方の側面
は少なくとも該突起部と対向する部位を平滑面として形
成したことにある。
【0017】このように構成することにより、シール部
材をラップ部歯先の凹溝に装着した状態では、該シール
部材は凹溝の一方の側面に設けられた突起部と他方の側
面に設けられた平滑面とに対して当接させることができ
る。これによりシール部材をこれら突起部と平滑面を介
して凹溝の渦巻き方向に対して保持することができる。
このため、シール部材は凹溝の平滑面との当接側に大き
な弾性変形等が生じるのを防止することができ、シール
部材が突起部と平滑面との間で大きく括れてしまうのを
防止することができる。
【0018】この結果、圧縮運転時にシール部材の渦巻
き方向に外力が作用した場合でも、該シール部材が凹溝
の渦巻き方向に対して位置ずれするのを、前記突起部と
平滑面により規制することができる。また、シール部材
の渦巻き方向に生じる引張応力が、前記シール部材のう
ち突起部と平滑面とで挟まれた部分に極端に大きく作用
してしまうのを確実に防止することができる。
【0019】また、請求項2に記載した発明では、前記
凹溝の他方の側面に前記一の突起部に対して渦巻き方向
に離間した位置に他の突起部を形成し、前記凹溝の一方
の側面は該他の突起部と対向する部位を平滑面として形
成したことにある。これにより、他の突起部を一の突起
部から凹溝の渦巻き方向に離間した位置に配設すること
ができ、前記各突起部とそれぞれ対向した凹溝の部位を
それぞれ平滑面として形成することができる。この結
果、シール部材の部位を両側から各突起部および各平滑
面とを介して保持することができ、該シール部材が凹溝
の渦巻き方向に対して位置ずれするのをこれら各突起部
および各平滑面によりさらに規制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0021】ここで、図1ないし図10は本発明の第1
の実施例を示し、スクロール式流体機械としてスクロー
ル式空気圧縮機を例に挙げて説明する。
【0022】図において、1は当該スクロール式空気圧
縮機のケーシングの一部を構成する固定スクロールを示
し、該固定スクロール1は、大略有蓋筒状をなしたケー
シング本体(図示せず)の開口端側を施蓋するように該
開口端側に固着されている。そして、該固定スクロール
1は、その中心が後述する駆動軸14の軸線O1 −O1
と一致するように配設された円板状の鏡板2と、該鏡板
2の歯底面2Aに立設された渦巻状のラップ部3と、前
記鏡板2の外周側に位置し、該ラップ部3を囲むように
筒状に形成された支持部4とから大略構成されている。
【0023】また、該固定スクロール1のラップ部3は
図1および図2に示す如く、最内周端が巻始め端となり
最外周端が巻終り端となって、例えば3巻程度の渦巻き
状に形成されている。そして、該ラップ部3の歯先3A
は、後述する旋回スクロール5の歯底面6Aから微小な
クリアランス(隙間)をもって離間している。
【0024】5は固定スクロール1と対向するように前
記ケーシング本体内に旋回可能に配設された旋回スクロ
ールを示し、該旋回スクロール5は、表面側が歯底面6
Aとなって円板状に形成された鏡板6と、該鏡板6の歯
底面6Aから固定スクロール1の鏡板2に向けて立設さ
れ、該固定スクロール1のラップ部3と同様に渦巻き状
に形成されたラップ部7と、鏡板6の背面側中央に設け
られたボス部8とから大略構成され、該ボス部8は後述
する駆動軸14のクランク14Aに回転可能に取付けら
れている。そして、ラップ部7の歯先7Aは、ラップ部
3の歯先3Aと同様に固定スクロール1の歯底面2Aか
ら微小なクリアランス(隙間)をもって離間している。
【0025】9,10は固定スクロール1のラップ部3
歯先3A側および旋回スクロール5のラップ部7歯先7
A側にそれぞれ設けられた凹溝を示し、該凹溝9,10
のうち凹溝9は図2ないし図6に示す如く、ラップ部3
の幅方向中間部に位置して断面略コ字状をなすように形
成されている。
【0026】ここで、凹溝9は底面9Aと、径方向内側
の垂直壁をなす内側面9Bと、径方向外側の垂直壁をな
す外側面9Cとからラップ部3の渦巻き方向に沿って巻
始め端から巻終り端まで延びている。
【0027】そして、凹溝9,10は、その内部に後述
の各シール部材13が配設され、凹溝9と旋回スクロー
ル5の歯底面6Aとの間および凹溝10と固定スクロー
ル1の歯底面2Aとの間を、該各シール部材13を介し
てそれぞれシールするようになっている。
【0028】11はラップ部3の巻始め端側に位置して
凹溝9に設けられた突起部を示し、該突起部11は図2
ないし図4に示す如く、基端側が凹溝9の高さ方向に沿
って内側面9Bに一体形成され、突出端側は外形が略楔
型状をなして凹溝9の幅方向に突出している。また、凹
溝9の外側面9Cのうち、突起部11と対向する部位は
平滑面12となっている。
【0029】そして、突起部11は図6に示す如く、そ
の突出端側がシール部材13の巻始め端となる内周面1
3Bに弾性的に当接し、該シール部材13を平滑面12
側に押圧している。これにより突起部11は、平滑面1
2との間でシール部材13を凹溝9の渦巻き方向に対し
て保持し、後述するように当該スクロール式圧縮機の圧
縮運転時に、シール部材13の渦巻き方向に外力が作用
した場合でも、シール部材13が渦巻き方向に対して位
置ずれするのを規制する構成になっている。また、凹溝
10についても、凹溝9と同様にラップ部7の巻始め端
側に位置して突起部11と同様の突起部および平滑面
(図示せず)とが形成されている。
【0030】13,13はラップ部3の凹溝9内および
ラップ部7の凹溝10内にそれぞれ装着されたシール部
材を示し、該シール部材13は図5および図6に示す如
く、軟質の樹脂材料により横断面が略四角形状をなした
渦巻き状のチップシールとして形成され、凹溝9,10
内に突起部11および平滑面12等を介して遊嵌されて
いる。
【0031】そして、各シール部材13は、凹溝10の
底面10Aおよび側面10B,10Cおよび旋回スクロ
ール5の歯底面6Aと対面した端面が、それぞれ受圧面
13A、内周面13B、外周面13Cおよび摺接面13
Dとなっている。
【0032】ここで、シール部材13には、突起部11
と平滑面12との間で括れ部13Eが形成され、該括れ
部13Eは、内周面13B側のみが突起部11によりシ
ール部材13の幅方向内側に楔状をなして若干括れてい
る。
【0033】また、シール部材13の内周面13Bに
は、その渦巻き方向に沿って複数のリップ部13F,1
3F,…が所定間隔もって形成され、該リップ部13F
の先端側は、自由端となってシール部材13の内周面1
3Bから拡開するようになっている。
【0034】14は前記ケーシング本体に回転可能に設
けられる駆動軸を示し、該駆動軸14は先端側がケーシ
ング本体内に延びるクランク14Aとなり、該クランク
14Aはその軸線O2 −O2 が駆動軸14の軸線O1 −
O1 に対して所定寸法δだけ偏心している。そして、該
駆動軸14のクランク14Aには、旋回スクロール5の
ボス部8が旋回軸受15を介して旋回可能に取付けら
れ、旋回スクロール5は自転防止機構等(図示せず)等
を介して旋回運動が与えられる。
【0035】16,16,…は固定スクロール1のラッ
プ部3と旋回スクロール5のラップ部7との間に画成さ
れる複数の圧縮室で、該各圧縮室16は略三ケ月形状を
なし、旋回スクロール5が旋回するときにラップ部3,
7間で連続的に縮小しすることによって、後述の吸込ポ
ート17から吸込んだ空気を漸次圧縮しつつ、吐出ポー
ト18から吐出させる。なお、旋回スクロール5のラッ
プ部7は、固定スクロール1のラップ部3と所定角度
(例えば180度)だけずらして重なり合うように配設
されている。
【0036】17,18は固定スクロール1に形成され
た吸込ポート,吐出ポートを示し、該吸込ポート17は
最外周側の圧縮室16と連通するように鏡板2の外周側
に穿設され、吐出ポート18は、最内周側の圧縮室16
と連通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
【0037】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
【0038】まず、駆動軸14を電動モータによって回
転駆動すると、この駆動軸14の回転は、クランク14
Aから旋回軸受15を介して旋回スクロール5に伝えら
れ、該旋回スクロール5は、前記自転防止機構等を介し
て駆動軸14の軸線O1 −O1 を中心として旋回運動す
る。そして、この旋回運動によって各ラップ部3,7間
に画成される圧縮室16,16,…は連続的に縮小し、
これにより、当該スクロール式空気圧縮機は、吸込ポー
ト17から吸込んだ空気を該各圧縮室16で順次圧縮し
つつ、この圧縮空気を吐出ポート18から外部の空気タ
ンク(図示せず)等に吐出するようになっている。
【0039】ここで、圧縮運転が開始されると、例えば
ラップ部3の凹溝9内には高圧側の圧縮室16から圧縮
空気の一部が侵入し、シール部材13は前記受圧面13
Aでこの圧縮空気の圧力を受圧することにより、凹溝9
の底面9Aから浮上し、対向する鏡板6の歯底面6Aに
向けて押圧される。これにより、該シール部材13は摺
接面13Dが相手方の歯底面6Aに摺接し、隣合う各圧
縮室16間を気密にシールする。また、旋回スクロール
5側のシール部材13についても同様である。
【0040】そして、シール部材13に形成した各リッ
プ部13Fは、各圧縮室16のうち、最内周側の圧縮室
16から最外周側の圧縮室16に向けて、図2中の矢示
A方向へと凹溝9内に侵入した圧縮空気により、シール
部材13の内周面13Bから拡開するようになる。そし
て、各リップ部13Fは先端側が凹溝9の内側面9Bに
押付けられ、該凹溝9の内側面9Bとシール部材13と
の間を気密にシールすると共に、シール部材13の外周
面13Cを凹溝9の外側面9Cに押付けて、このときの
圧縮空気が矢示A方向に沿って高圧側(内周側)から低
圧側(外周側)の圧縮室16へと漏洩するのを防止す
る。
【0041】このため、シール部材13の各リップ部1
3Fには、各圧縮室16の圧縮空気からの圧力が外力と
なって矢示A方向、即ちラップ部3の渦巻き方向に作用
してしまう。また、旋回スクロール5の歯底面6Aとシ
ール部材13の摺接面13Dとの間には摺動抵抗が生じ
るため、これによっても、シール部材13には矢示A方
向等に外力が作用してしまう。
【0042】しかし、本実施例では、圧縮運転時に、シ
ール部材13に対して矢示Aの如く凹溝9の渦巻き方向
に外力等が作用した場合でも、該シール部材13が凹溝
9に対して渦巻き方向に位置ずれするのを、突起部11
および平滑面12により確実に規制することができる。
【0043】しかも、突起部11と外側面9Cとの間で
形成された括れ部13Eは、内周面13B側が突起部1
1により若干括れるものの、外周面13C側は平滑面1
2により括れることはなくなるので、これによって括れ
部13Eが突起部11と外側面9Cとの間で両側から強
く押圧されるのを防止できると共に、該括れ部13Eの
横断面が他の従来技術で述べたように極端に小さくなる
のを確実に防止することができる(図5,図6参照)。
【0044】この結果、突起部11と平滑面12との間
で保持されたシール部材13に前述の如く外力が作用し
たり、あるいは各圧縮室16間で発生する高温の圧縮熱
等によりシール部材13が渦巻き方向に熱膨張すること
により、シール部材13全体に引張応力が生じた場合で
も、このような引張応力が括れ部13Eに対して大きく
作用するのを防止することができる。
【0045】また、突起部11と平滑面12との間で括
れ部13Eを凹溝9の高さ方向に容易に移動させること
ができ、これによって括れ部13Eを含めたシール部材
13全体を凹溝9内から円滑にフローティングさせるこ
とができる。
【0046】かくして本実施例では、シール部材13に
対して渦巻き方向に引張応力が生じた場合でも、突起部
11と平滑面12との間に形成されたシール部材13の
括れ部13Eが損傷、破損してしまうのを効果的に防止
でき、当該スクロール式空気圧縮機の安定した圧縮性能
を長期に亘って維持することができる。
【0047】また、シール部材13の摺接面13Dを相
手方となる旋回スクロール5の歯底面6Aに確実に摺接
させることができ、これによって隣合った各圧縮室16
間を確実にシールすることができ、当該スクロール式空
気圧縮機の圧縮性能を一層向上させることができる。
【0048】さらに、突起部11と対向した凹溝9の外
側面9Cを平滑面12として形成することにより、該突
起部11と平滑面12との間が他の従来技術で述べたよ
うに著しく狭くなるのを確実に防止することができ、こ
れによってシール部材13を凹溝9内に容易に装着する
ことができ、このような装着時の作業性を大幅に向上さ
せることができる。
【0049】なお、第1の実施例に用いるラップ部3の
凹溝9および突起部11の加工方法について図7ないし
図10を参照して説明する。
【0050】まず、図7に示す第1の凹溝の加工工程で
は、エンドミル19をラップ部3′の幅方向中間部から
外周側寄りの位置で矢示B方向、即ちラップ部3′の渦
巻き方向に移動させる。これにより該ラップ部3′の歯
先3A′に底面20、内側面21および外側面9C′と
からなる凹溝9′を形成する。
【0051】次に、図8に示す第2の凹溝の加工工程で
は、エンドミル19をラップ部3′の幅方向中間部から
内周側寄りの位置で矢示B方向に移動させると共に、エ
ンドミル19の移動をPの位置で停止する。これにより
図8中左側の位置で凹溝9′の底面20および内側面2
1に底面9A′、内側面9B′を新たに形成し、該内側
面9B′と内側面21との間の境界部に円弧面22を形
成する。
【0052】そして最後に、図9に示す第3の凹溝の加
工工程では、P(以下、移動停止位置という)の位置で
停止したエンドミル19を一旦ラップ部3′の歯先3
A′から持ち上げてP′の位置に移動し、エンドミル1
9をP′(以下、移動開始位置という)の位置から矢示
B方向に再度移動させる。これにより図9中の右側の位
置で凹溝9′の内側面21に新たに内側面9B′を形成
し、該内側面9B′と円弧面22との境界部に円弧面2
3を形成する。
【0053】このようにしてラップ部3′の歯先面3
A′にエンドミル19を用いて加工を施すことにより、
円弧面22と円弧面23とから突起部11が構成される
と共に、凹溝9′の外周面9C′のうち該突起部11と
対向した部位に平滑面12が形成される。
【0054】ここで、突起部11の突出寸法Hを変更す
る場合には、図10に示すようにエンドミル19の移動
停止位置Qと移動開始位置Q′との間の距離寸法Lを変
更することにより、該寸法Lと対応(反比例)して突起
部11の突出寸法Hを変更することができる。また、エ
ンドミル19の直径Dを凹溝9の幅寸法Wの範囲内で変
更することによっても、該直径Dと対応(反比例)して
突起部11の突出寸法Hを変更することができる。
【0055】次に、図11および図12は本発明の第2
の実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
とのするに、本実施例の特徴は、凹溝9の外側面9Cに
他の突起部31を突設し、該突起部31を突起部11に
対して凹溝9の渦巻き方向に向けて離間した位置に配設
すると共に、内側面9Bのうち突起部31と対向した部
位を平滑面32として形成することにより、シール部材
33を凹溝9内で突起部11,31および平滑面12,
32を介して装着したことにある。
【0056】ここで、突起部31は、前記第1の実施例
で述べた突起部11と同様に形成されているものの、該
突起部31は図11および図12に示す如く、ラップ部
3の巻始め端から突起部11よりも渦巻き方向に向けて
離間した位置に配設されている。そして、突起部31
は、基端側が凹溝9の高さ方向に沿って外側面9Cに一
体形成され、突出端側は凹溝9の幅方向に向けて突出
し、シール部材33の外周面33Bに弾性的に当接して
いる。
【0057】また、シール部材33は前記第1の実施例
で述べたシール部材13とほぼ同様に形成され、内側面
32A、外側面32B、摺接面32Cおよび受圧面(図
示せず)等を有し、突起部11と凹溝9の外側面9Cと
の間に括れ部33D等が形成されている。しかし、該シ
ール部材33には突起部31と平滑面32との間に他の
括れ部33Eが形成されている点で第1の実施例のもの
とは異なっている。そして、該括れ部33Eは、外周面
33B側のみが突起部31によりシール部材33の幅方
向内側に楔状をなして若干括れている。
【0058】かくして、このように構成される本実施例
でも、突起部31と平滑面32とを凹溝9の幅方向で互
いに対向させることができ、これによってシール部材3
3に形成された括れ部33Eの横断面が、他の従来技術
で述べたように比較して著しく小さくなってしまうのを
確実に防止することができ、前記第1の実施例とほぼ同
様の作用効果を得ることができる。
【0059】特に本実施例では、シール部材33の巻始
め端側となる括れ部33D,33Eを突起部11,31
および平滑面12,32を介して保持することができ、
これによってシール部材33が凹溝9の渦巻き方向に対
して位置ずれするのをさらに規制することができる。
【0060】なお、前記第1の実施例では、凹溝9の内
側面9Bに突起部11を設けるものとして述べたが、こ
れに替えて外側面9C側に設け、内側面9Bのうちこの
突起部と対応した部位を平滑面として形成してもよい。
【0061】また、前記第2の実施例では、ラップ部7
の巻始め端側となる凹溝9に突起部11,31を設ける
ものとして述べたが、このような突起部を凹溝9の内側
面9B,9Cにさらに複数個設けると共に、側面9B,
9Cのうちこれらの突起部と対向した部位に複数個の平
滑面を形成してもよい。
【0062】さらに、前記各実施例では、巻始め端側に
突起部と平滑面とを設けたが、巻終り端側に突起部と平
滑面とを設けてもよい。
【0063】さらにまた、前記各実施例では、スクロー
ル流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて
説明したが、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く
適用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明では、該旋回スクロールと固定スクロールとのラップ
部のうち少なくとも一方のラップ部に該ラップ部の歯先
に沿って延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯
底面に摺接するシール部材を装着すると共に、前記凹溝
を形成する内側面と外側面のうち一方の側面には、前記
シール部材が凹溝の渦巻き方向に位置ずれするのを規制
する突起部を設け、前記凹溝の他方の側面は、少なくと
も該突起部と対向する部位を平滑面として形成したか
ら、シール部材を前記突起部および平滑面を介して凹溝
の渦巻き方向に確実に保持することができると共に、シ
ール部材が突起部と平滑面との間で大きく括れてしまう
のを確実に防止することができる。
【0065】従って、圧縮運転時にシール部材に対して
渦巻き方向に引張応力が生じた場合でも、突起部と平滑
面との間で保持されたシール部材の部位が損傷、破損し
てしまうのを効果的に防止でき、当該スクロール式空気
圧縮機の安定した圧縮性能を長期に亘って維持すること
ができる。
【0066】また、シール部材を凹溝から容易に浮上さ
せることができると共に、該シール部材を相手方の歯底
面に確実に摺接させることができ、これによって隣合っ
た各圧縮室間を確実にシールすることができ、当該スク
ロール式空気圧縮機の圧縮性能を一層向上させることが
できる。
【0067】さらに、突起部と平滑面との間が他の従来
技術で述べたように著しく狭くなるのを確実に防止する
ことができ、これによってシール部材を凹溝内に容易に
装着することができ、このような装着時の作業性を大幅
に向上させることができる。
【0068】また、請求項2に記載した発明では、シー
ル部材を両側から各突起部および各平滑面を介して保持
することができ、これによって該シール部材が凹溝の渦
巻き方向に対して位置ずれするのを、これら各突起部と
各平滑面とによりさらに規制することができ、当該スク
ロール式空気圧縮機の圧縮性能等をさらに一層向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機の固定スクロール、旋回スクロール、ラップ部お
よび各シール部材等を示す縦断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた一部破断の断
面図である。
【図3】ラップ部、凹溝、突起部および平滑面を拡大し
て示す斜視図である。
【図4】ラップ部、凹溝、突起部および平滑面を拡大し
て示す拡大断面図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向拡大断面図である。
【図6】図4中の矢示VI−VI方向拡大断面図である。
【図7】凹溝を加工する凹溝の第1の製作工程を示す要
部拡大図である。
【図8】凹溝を加工する凹溝の第2の製作工程を示す要
部拡大図である。
【図9】凹溝を加工する凹溝の第3の製作工程を示す要
部拡大図である。
【図10】突起部の突出寸法とエンドミルとの関係を示
す説明図である。
【図11】ラップ部、凹溝、突起部および平滑面等を示
す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施例によるスクロール式空
気圧縮機のラップ部、凹溝、突起部および平滑面等を示
す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2,6 鏡板 2A,6A 歯底面 3,7 ラップ部 3A,7A 歯先 5 旋回スクロール 9,10 凹溝 11 突起部 12,32 平滑面 13,33 シール部材 16 圧縮室 31 他の突起部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部と
    の間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ部
    が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スクロー
    ルと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも一方
    のラップ部には該ラップ部の歯先に沿って延びる凹溝を
    形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシール
    部材を装着してなるスクロール式流体機械において、 前記凹溝を形成する内側面と外側面のうち一方の側面に
    は前記シール部材が渦巻き方向に位置ずれするのを規制
    する突起部を設け、前記凹溝の他方の側面は少なくとも
    該突起部と対向する部位を平滑面として形成したことを
    特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記凹溝の他方の側面には、前記一の突
    起部に対して渦巻き方向に離間した位置に他の突起部を
    形成し、前記凹溝の一方の側面は該他の突起部と対向す
    る部位を平滑面として形成してなる請求項2に記載のス
    クロール式流体機械。
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US9353746B2 (en) 2009-08-14 2016-05-31 Edwards Limited Scroll pump
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