JPH07119668A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH07119668A
JPH07119668A JP28587493A JP28587493A JPH07119668A JP H07119668 A JPH07119668 A JP H07119668A JP 28587493 A JP28587493 A JP 28587493A JP 28587493 A JP28587493 A JP 28587493A JP H07119668 A JPH07119668 A JP H07119668A
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JP
Japan
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seal
wrap portion
scroll
end side
winding
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JP28587493A
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English (en)
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Shunji Suzuki
俊次 鈴木
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C19/00Sealing arrangements in rotary-piston machines or engines
    • F01C19/08Axially-movable sealings for working fluids

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール片が摩耗した場合でもシール性能が低
下するのを防止し、圧縮性能を長期に亘って安定させる
ようにする。 【構成】 ラップ部3の凹溝5内に、長さ方向に沿って
複数個の各シール片22に分割されたシール分割体21
を挿着し、シール片22の各分割面22Cをラップ部3
の最内周側となる巻始め端側から巻終り端側に向けて下
向きに傾斜する傾斜面として形成する。そして、圧縮運
転時に、ラップ部3の巻始め端側から巻終り端側に向け
て、矢示A方向に圧力が作用すると、各シール片22に
は分割面22Cに矢示B方向に押圧力が作用し、各シー
ル片22は前端部22Dが相手方の歯底面8Aに押上げ
られ、後端部22Eが凹溝5の底側面に押し付けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば空気圧縮機や真
空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術によるスクロール式流体機械と
してスクロール式空気圧縮機を例に挙げて、図8ないし
図10に基づいて述べる。
【0003】図中、1は固定スクロールを示し、該固定
スクロール1は、大略有底筒状に形成されたケーシング
(図示せず)の開口端側を施蓋するように、該ケーシン
グの開口端側に固着されている。そして、該固定スクロ
ール1は、その中心が後述する駆動軸13の軸線O1 −
O1 と一致するように配設された円板状の鏡板2と、該
鏡板2の歯底面2Aに立設された渦巻状のラップ部3
と、前記鏡板2の外周側に位置し、該ラップ部3を囲む
ように筒状に形成された支持部4とから大略構成されて
いる。
【0004】また、前記ラップ部3の歯先面3Aには、
後述する旋回スクロール7の鏡板8の歯底面8Aに向け
て開口する横断面コ字状の凹溝5が形成され、該凹溝5
はラップ部3の長手方向に沿って渦巻状に伸長してい
る。そして、該凹溝5内には後述するシール部材6が挿
着されている。
【0005】6はラップ部3の凹溝5内に挿着されたシ
ール部材を示し、該シール部材6は横断面四角形状に形
成され、凹溝5の長さ方向に沿って渦巻状に伸長してい
る。また、該シール部材6は、凹溝5内に隙間をもって
挿入され、これによって凹溝5内で上,下,左,右等に
移動可能となっている。
【0006】そして、圧縮運転時において、後述する圧
縮室15内の圧縮空気が図10中の矢示C方向から凹溝
5内に侵入すると、該シール部材6は旋回スクロール7
の鏡板8の歯底面8Aに摺接するように凹溝5内で浮上
し、鏡板8の歯底面8Aとラップ部3との間を気密にシ
ールするものである。
【0007】7は固定スクロール1に対向してケーシン
グ内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示し、該
旋回スクロール7は、表面側が歯底面8Aとなる円板状
に形成された鏡板8と、該鏡板8の歯底面8Aから固定
スクロール1の鏡板2に向けて立設され、該固定スクロ
ール1のラップ部3と同様に形成された渦巻状のラップ
部9と、前記鏡板8の背面側中央に設けられたボス部1
0とから構成され、該ボス部10は、後述する駆動軸1
3のクランク13Aに回転可能に取付けられている。
【0008】また、前記ラップ部9の歯先面9Aには、
固定スクロール1のラップ部3と同様にラップ部9の長
手方向に沿って渦巻状に伸長する横断面コ字状の凹溝1
1が設けられている。そして、該凹溝11内には前述し
たシール部材6と同様のシール部材12が移動可能に挿
着されている。
【0009】そして、圧縮運転時において、圧縮室15
内の圧縮空気が凹溝11内に侵入すると、該シール部材
12は固定スクロール1の鏡板2の歯底面2Aに摺接す
るように浮上し、鏡板2の歯底面2Aとラップ部9との
間を気密にシールするものである。
【0010】13はケーシングに回転自在に設けられた
駆動軸を示し、該駆動軸13は先端側がケーシング内に
延びるクランク13Aとなり、該クランク13Aはその
軸線O2 −O2 が駆動軸13の軸線O1 −O1 に対して
所定寸法δだけ偏心している。そして、該駆動軸13の
クランク13Aは、旋回スクロール7のボス部10を旋
回軸受14を介して旋回可能に支持し、自転防止機構
(図示せず)等を介して旋回スクロール7に旋回運動を
与えるものである。
【0011】ここで、固定スクロール1と旋回スクロー
ル7とは、軸線O1 −O1 に対して軸線O2 −O2 を寸
法δだけ偏心させた状態で、旋回スクロール7のラップ
部9が固定スクロール1のラップ部3に対し、周方向に
所定角度だけずらして重ね合わせるように配設される。
これにより、該旋回スクロール7を固定スクロール1に
対して旋回させたときに各ラップ部3,9間に連続的に
容積が縮小される三日月形状の複数の圧縮室15,1
5,…が画成されるようになっている。
【0012】16,17は固定スクロール1に形成され
た吸込ポート,吐出ポートを示し、該吸込ポート16は
最外周側の圧縮室15と連通するように鏡板2の外周側
に穿設され、吐出ポート17は最内周側の圧縮室15と
連通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
【0013】従来技術によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
述べる。
【0014】まず、ケーシングの外部からモータ等の駆
動源(図示せず)によって駆動軸13を回転駆動する
と、この回転は該駆動軸13のクランク13Aから旋回
軸受14を介して旋回スクロール7に伝えられ、該旋回
スクロール7は駆動軸13の軸線O1 −O1 を中心にし
て寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う。
【0015】そして、この旋回運動によって各ラップ部
3,9の間に画成される圧縮室15,15,…は中央側
に向けて連続的に縮小し、吸込ポート16から吸込んだ
空気を順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート17
から外部のエアタンク(図示せず)等に向けて吐出す
る。
【0016】そして、この圧縮運転時において、高圧側
の圧縮室15内の圧縮空気が凹溝5,11内に侵入し、
この圧縮空気の圧力がシール部材6,12を対向する鏡
板8,2の歯底面8A,2Aに向けて押圧する。これに
より、該シール部材6,12は歯底面8A,2Aに向け
て移動して該歯底面8A,2Aに摺接し、ラップ部3,
9間に画成される各圧縮室15を気密にシールする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ラップ部3,9の凹溝5,11内に挿着し
たシール部材6,12を、各圧縮室15からの圧縮空気
の圧力で浮上させ、相手方の歯底面8A,2Aに摺接さ
せることによりシール作用を得ているに過ぎないから、
歯底面8A,2Aとラップ部3,9との間を確実にシー
ルすることができない場合があり、必ずしもシール性を
向上できない。また、シール部材6,12が相手方の歯
底面8A,2Aとの摩擦接触等により摩耗し易く、シー
ル性能を長期に亘って安定させることができないという
問題がある。
【0018】また、シール部材6,12が浮上して、相
手方の歯底面8A,2Aに摺接した状態では、凹溝5,
11の底面と該シール部材6,12との間に隙間Sが形
成され、この隙間Sが凹溝5,11内でラップ部3,9
の中心側から外周側に向けて連通するようになる。この
結果、最内周側の各圧縮室15から圧縮空気がこの隙間
Sを伝って外周側に位置する低圧側の圧縮室15に向け
て漏れてしまう場合があり、圧縮効率が著しく低下して
しまうという問題がある。
【0019】そこで、上記問題を解決するために、実開
平2−147887号公報,実開平2−147888公
報および特開平3−11101号公報等に記載のスクロ
ール圧縮機(以下、他の従来技術という)では、シール
部材に薄肉のリップ状突起を複数個一体形成し、該各リ
ップ状突起により、シール性を向上させると共に、凹溝
内に、ラップ部の最内周側から外周側にかけて連続的な
隙間が形成されるのを防止するようにしている。
【0020】しかし、このような他の従来技術でも、シ
ール部材のリップ状突起が摩耗し易く、シール性能を長
期に亘って維持することが難しいという問題がある。
【0021】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、シール部材が摩耗した場合でもシール性
の低下を防止することができ、圧縮性能を長期に亘って
安定させることができるようにしたスクロール式流体機
械を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明のスクロール式流体機械は、鏡板の歯底
面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、
該固定スクロールに対向して設けられ、鏡板の歯底面に
該固定スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を画
成するように渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロ
ールとを備え、前記固定スクロールと該旋回スクロール
とのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、該
ラップ部の歯先面に沿って延びる凹溝を形成してなる構
成を採用している。
【0023】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記凹溝内には、長さ方向に沿って複数個のシール片に
分割されたシール分割体を挿着し、該シール分割体の各
シール片はそれぞれの分割面を傾斜面として形成したこ
とにある。
【0024】また、前記各シール片の分割面は、前記ラ
ップ部の最内周側となる巻始め端側から巻終り端側に向
けて下向きに傾斜する傾斜面として形成するのが好まし
い。
【0025】さらに、前記各シール片の分割面は、前記
ラップ部の内側面から外側面に向けて斜めに傾斜する傾
斜面として形成するのが好ましい。
【0026】
【作用】上記構成により、各シール片の分割面を、例え
ばラップ部の最内周側となる巻始め端側から巻終り端側
に向けて下向きに傾斜する傾斜面として形成したから、
最内周側の圧縮室で圧縮した流体の圧力がラップ部の最
内周側となる巻始め端側で各シール片に巻終り端側に向
けて作用すると、各シール片は傾斜面となった各分割面
に沿って、それぞれの前端側が後端側よりも上側に押上
げられるようになり、該各シール片の前端側が相手方の
歯底面に摺接し、後端側は凹溝の底面に押付けられるよ
うになる。
【0027】さらに、各シール片の分割面を、ラップ部
の内側面から外側面に向けて斜めに傾斜する傾斜面とし
て形成することにより、ラップ部の内側となる高圧側の
圧縮室からラップ部の外側となる低圧側の圧縮室に向け
て各シール片がずれ、該各シール片はそれぞれ前端側
が、凹溝内の内周側面に押付けられ、後端側が外周側面
に押付けられるようになる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図7に基
づいて説明する。なお、実施例では、上述した図8ない
し図10に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略する。
【0029】まず、図1ないし図4に本発明の第1の実
施例を示す。
【0030】図中、21はラップ部3の凹溝5内に挿着
されたシール分割体を示し、該シール分割体21はポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE),カーボン等の自
己潤滑性の高い樹脂材料等により横断面方形状に形成さ
れ、凹溝5の渦巻状に沿って長さ方向で複数のシール片
22,22,…に分割されている。
【0031】即ち、該シール分割体21は、凹溝5の長
さ方向に沿ってラップ部3の最内周側に位置する巻始め
端側から巻終り端側にかけて全体に亘って複数のシール
片22,22,…に分割され、該各シール片22は、鏡
板8の歯底面8Aと対面する上側面が上側面22Aとな
り、凹溝5の底面に当接する下側面が下側面22Bとな
っている。
【0032】また、該シール分割体21を各シール片2
2にそれぞれ分割した面が分割面22C,22C,…と
なっており、該各分割面22Cは図2に示すように、ラ
ップ部3の最内周側となる巻始め端側から巻終り端側に
向けて下向きに傾斜し、即ち、該各分割面22Cと下側
面22Bとのなす角が鋭角αとなるような傾斜面として
形成されている。
【0033】そして、各シール片22は図3に示すよう
に矢示A方向から圧力が作用すると、それぞれの分割面
22Cに沿って上,下に位置ずれし、その前端部22D
が相手方の歯底面8Aに押付けられ、後端部22Eが凹
溝5の底面に押付けられるようになる。
【0034】なお、各シール片22のうち、最前端側に
位置するシール片22の前側端面は下側面22Bに対し
てほぼ垂直な平坦面となっており、最後端側に位置する
シール片22の後端面についても下側面22Bに対して
ほぼ垂直な平坦面になっている。
【0035】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述のような構成を有するもので、その基本的な動作に
ついては従来技術によるものと格別差異はない。
【0036】然るに、本実施例では、凹溝5内に、長さ
方向に沿って複数個の各シール片22に分割されたシー
ル分割体21を挿着し、該シール片22の各分割面22
Cをラップ部3の最内周側となる巻始め端側から巻終り
端側に向けて下向きに傾斜する傾斜面として形成したか
ら、下記のような作用効果を奏する。
【0037】即ち、圧縮運転を停止しているときには、
シール分割体21は、図2に示すように、各シール片2
2の下側面22Bが凹溝5の底面に全面で当接した状態
であり、また、各シール片22の上側面22Aは対向す
る鏡板8の歯底面8Aと離間し、シール分割体21の上
側面がラップ部3の巻始め端側から巻終り端側に亘って
平面となっている。
【0038】そして、圧縮運転を開始し、各圧縮室15
内で徐々に空気が圧縮されるようになると、ラップ部3
の巻始め端側から巻終り端側に向けて、凹溝5の渦巻状
に沿って図3に示す矢示A方向に圧力が作用するように
なる。このとき、各シール片22のうち、ラップ部3の
最内周側となる巻始め端部(最前端側)に位置するシー
ル片22には、最高圧となる圧縮室15内の圧力が図3
中の矢示A方向に作用し、シール分割体21は全体的に
ラップ部3の巻始め端側から巻終り端側に向けて凹溝5
内で押圧されるようになる。
【0039】そして、このような矢示A方向の押圧力が
シール分割体21に作用すると、各シール片22の傾斜
した分割面22Cには、矢示B方向に力が作用するよう
になり、各シール片22はそれぞれの前端部22Dが図
3に示すように、相手方の歯底面8Aに向けて押上げら
れるようになり、それぞれの後端部22Eは凹溝5の底
面に押付けられるようになる。
【0040】さらに、各シール片22は前端部22Dが
図3に示すように押上げられた状態で、この前端部22
Dに矢示A方向に圧力が作用すると、これによっても該
シール片22の前端部22Dは相手側の歯底面8Aにさ
らに強く押付けられ、シール片22の上側面22Aが前
記歯底面8Aに強く摺接するようになる。これにより、
ラップ部3と歯底面8Aとの間をシールすることがで
き、各圧縮室15内の気密性を保持することができる。
【0041】また、各シール片22はそれぞれの後端部
22Eが凹溝5の底面に押付けられ、下側面22Bが部
分的に凹溝5の底面に当接したままの状態であるから、
従来技術のシール部材のように、ラップ部3の巻始め端
側から巻終り端側にかけて凹溝5内に連続的な隙間が形
成されることはなくなり、高圧側の圧縮室15内の圧縮
空気が凹溝5内を伝って外部に漏れるのを確実に防止す
ることができる。
【0042】かくして、本実施例によれば、圧縮運転時
に、シール分割体21の各シール片22をそれぞれの分
割面22Cに沿って上,下に位置ずれさせ、それぞれの
前端部22Dを相手方の歯底面8Aに強く摺接させると
共に、後端部22Eを凹溝5の底面に押付けるようにし
たから、ラップ部3と相手方の鏡板8の歯底面8Aとの
間を各シール片22によってシールできると共に、巻始
め端側から巻終り端側に向けて連続的な隙間が凹溝5内
に形成されるのを確実に防止でき、各圧縮室15の気密
性を確実に確保して圧縮効率を大幅に向上させることが
できる。
【0043】また、シール分割体21の各シール片22
はそれぞれの前端部22Dが図3に示すように、相手方
の歯底面8Aに摺接するように押上げられた状態では、
各シール片22の上側面22Aが相手方の歯底面8Aと
摩擦接触することにより、図4に示すように、上側面2
2Aが部分的に摩耗し、摩耗部22A1 が形成される場
合がある。しかし、このように摩耗した場合でも、摩耗
部22A1 が歯底面8Aに確実に摺接するため、各シー
ル片22のシール性を低下させることはなく、シール分
割体21のシール性能を長期に亘って維持することがで
きる。従って、圧縮性能を長期に亘って安定させること
ができ、耐久性,信頼性を大幅に向上できる。
【0044】次に、図5および図6は本発明による第2
の実施例を示し、本実施例の特徴は、シール分割体を長
さ方向に沿って複数個のシール片に分割し、該各シール
片の分割面をラップ部の最内周側となる巻始め端側から
巻終り端側に向けて下向きに傾斜させると共に、前記ラ
ップ部の内側面から外側面に向けて斜めに傾斜する傾斜
面としたことにある。
【0045】図中、31は、本実施例によるシール分割
体を示し、該シール分割体31は前記第1の実施例で述
べたシール分割体21とほぼ同様に、凹溝5の長さ方向
に沿って複数個のシール片32,32,…に分割され、
該各シール片32には上側面32A、下側面32B,各
分割面32C,前端部32Dおよび後端部32Eを有し
ている。
【0046】しかし、本実施例によるシール分割体31
は、各シール片32の分割面32Cがラップ部3の最内
周側となる巻始め端側から巻終り端側に向けて下向きに
傾斜している上に、ラップ部3の内側面から外側面に向
けて図6に示すように鋭角βをもって斜めに傾斜してい
る。
【0047】ここで、圧縮運転時に、ラップ部3の巻始
め端側から巻終り端側に向けて、凹溝5の渦巻状に沿っ
て圧力が作用するようになると、シール分割体31の各
シール片32は、分割面32Cで図6に示すように上,
下および左,右にずれて、各シール片32の前端部32
Dが相手方の鏡板の歯底面および凹溝5内の外周側面に
押付けられると共に、後端部32Eが凹溝5の底面およ
び内周側面に強く押付けられるようになる。
【0048】かくして、このように構成されたシール分
割体によっても、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効
果を得ることができる。
【0049】次に、図7は本発明による第3の実施例を
示し、本実施例の特徴は、シール分割体41を長さ方向
に沿って複数個の第1のシール片42,42,…と第2
のシール片43,43,…とに分割し、該各シール片4
2,43をそれぞれ交互に配列したことにある。
【0050】ここで、該各シール片42,43は上側面
42A,43Aと下側面42B,43Bと分割面42
C,42C,43C,43Cとを有して、略台形状をな
している。そして、該各シール片42の各分割面42C
はそれぞれ下側面42Bに対して鋭角αをもって傾斜
し、前記各シール片43の各分割面43Cは上側面43
Aに対して鋭角αをもって傾斜している。
【0051】これにより、圧縮運転時に、ラップ部3の
巻始め端側から巻終り端側に向け、凹溝5の渦巻き方向
に沿って圧力が矢示A方向に作用するようになると、シ
ール分割体41の各シール片42間に位置する各シール
片43が、相手方の鏡板8の歯底面8Aに摺接するよう
に浮上して、ラップ部3,歯底面8A間をシールするよ
うになる。
【0052】かくして、このように構成される本実施例
でも、シール分割体41によって、前記第1の実施例と
ほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0053】なお、前記各実施例では、固定スクロール
1のラップ部3に形成された凹溝5内に複数のシール片
22(32,42,43)からなるシール分割体21
(31,41)を挿着するものとして述べたが、本発明
はこれに限らず、例えば、旋回スクロール7のラップ部
9に形成された凹溝11に複数のシール片22(32,
42,43)からなるシール分割体21(31,41)
を設けるようにしてもよい。
【0054】また、前記各実施例では、スクロール式流
体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明
したが、例えば真空ポンプ,冷媒圧縮機等にも広く適用
することができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、凹溝
内に、長さ方向に沿って複数個のシール片に分割された
シール分割体を挿着し、該シール分割体の各シール片は
それぞれの分割面を傾斜面として形成したから、例えば
最内周側の圧縮室から流体の圧力がラップ部の最内周側
となる巻始め端側から巻終り端側に向けて作用したとき
には、シール分割体の各シール片は分割面に沿って例え
ば上,下に位置ずれし、一方の端部が相手方の歯底面に
向けて押付けられ、他方の端部が凹溝の底面に押付けら
れるようになる。
【0056】これにより、ラップ部と鏡板の歯底面との
間を確実にシールできると同時に、ラップ部の巻始め端
側から巻終り端側にかけて連続的な隙間が凹溝内に形成
されるのを確実に防止でき、各圧縮室の気密性を確実に
確保して圧縮効率を大幅に向上させることができる。
【0057】また、シール分割体の各シール片が相手方
の歯底面と摩擦接触することによって、該各シール片が
部分的に摩耗しても、該各シール片のシール性能が低下
するのを防止でき、圧縮性能を長期に亘って安定させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部および各シール分割体等を拡大して示
す断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】各シール片が押上げられた状態を示す図2と同
様位置の断面図である。
【図4】各シール片が部分的に摩耗した状態を示す図2
と同様位置の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部およびシール分割体を示す斜視図であ
る。
【図6】図5中のシール分割体がシール片毎に位置ずれ
した状態を示す拡大斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部および各シール分割体等を示す図3と
同様の断面図である。
【図8】従来技術によるスクロール式空気圧縮機の固定
スクロール,旋回スクロールおよび各シール部材等を示
す縦断面図である。
【図9】図8中の矢示IX−IX方向断面図である。
【図10】図8中の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2,8 鏡板 2A,8A 歯底面 3,9 ラップ部 5,11 凹溝 7 旋回スクロール 15 圧縮室 21,31,41 シール分割体 22,32,42,43 シール片 22C,32C,42C,43C 分割面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ
    部が立設された旋回スクロールとを備え、前記固定スク
    ロールと該旋回スクロールとのラップ部のうち少なくと
    も一方のラップ部には、該ラップ部の歯先面に沿って延
    びる凹溝を形成してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記凹溝内には、長さ方向に沿って複数個のシール
    片に分割されたシール分割体を挿着し、該シール分割体
    の各シール片はそれぞれの分割面を傾斜面として形成し
    たことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記各シール片の分割面は、前記ラップ
    部の最内周側となる巻始め端側から巻終り端側に向けて
    下向きに傾斜する傾斜面として形成してなる請求項1に
    記載のスクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記各シール片の分割面は、前記ラップ
    部の内側面から外側面に向けて斜めに傾斜する傾斜面と
    して形成してなる請求項2に記載のスクロール式流体機
    械。
JP28587493A 1993-10-20 1993-10-20 スクロール式流体機械 Pending JPH07119668A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017144868A1 (en) * 2016-02-26 2017-08-31 Edwards Limited Scroll pump tip sealing
WO2017144870A1 (en) * 2016-02-26 2017-08-31 Edwards Limited Scroll pump tip sealing

Cited By (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017144868A1 (en) * 2016-02-26 2017-08-31 Edwards Limited Scroll pump tip sealing
WO2017144870A1 (en) * 2016-02-26 2017-08-31 Edwards Limited Scroll pump tip sealing
CN108699908A (zh) * 2016-02-26 2018-10-23 爱德华兹有限公司 涡旋泵尖端密封
CN108699909A (zh) * 2016-02-26 2018-10-23 爱德华兹有限公司 涡旋泵尖端密封

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