JP2002371395A - ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法 - Google Patents
ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法Info
- Publication number
- JP2002371395A JP2002371395A JP2001181342A JP2001181342A JP2002371395A JP 2002371395 A JP2002371395 A JP 2002371395A JP 2001181342 A JP2001181342 A JP 2001181342A JP 2001181342 A JP2001181342 A JP 2001181342A JP 2002371395 A JP2002371395 A JP 2002371395A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- solution
- alkali salt
- stage
- seconds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
の後の表面調整を従来にない高速度で可能とするデスケ
ール方法を提供する。 【解決手段】 50m/min 以上で搬送される焼鈍した
ステンレス鋼板の温度を500℃〜200℃に制御しな
がら、当該鋼板上に、第一段階でアルカリ塩水溶液を噴
霧処理し更に第二段階の電解処理工程、あるいは酸浸漬
する工程を行なう。第一段階のアルカリ塩水溶液は、N
aOH/KOHが1/4〜4/1の混合アルカリを95
〜99.95重量%含有し、且つ炭酸塩、過塩素酸塩、
過マンガン酸塩、ヨウ素酸塩、過硫酸塩の1または2種
以上を0.05〜5重量%含有するアルカリ塩を用い
て、該アルカリ塩濃度を10〜50%に調整した水溶液
を用いる。
Description
速(50m/min以上)で焼鈍されるステンレス鋼の表
面に生成するスケールを処理炉後面において、連続的に
効率的に且つ高速で除去すること、及び環境上問題とな
る硝酸イオンを含まない処理液を用いることを特徴とす
る高速デスケール方法に関する。
は、通常連続炉で焼鈍される。このとき生成した酸化ス
ケールは、表面の平滑さ、美麗さ、さらにその後の加工
時の問題から、完全に除去することが必須となってい
る。この焼鈍皮膜の除去方法については、必要に応じ
て、硝酸とふっ酸、硫酸と硝酸とふっ酸などを組み合わ
せた混酸が適用されている。しかし、効率的に高速で処
理する方法については明確にされていない。
のCr含有鋼板を20〜400g/Lの硫酸溶液をベー
スにフルオロケイ酸塩、又はフルオロホウ酸塩を添加
し、更に硝酸塩、硫酸塩の1種、又は2種混合した溶液
中で電解酸洗することを提案している。
ル方法でデスケールが5秒程度で完了できるように、組
成として硫酸、ふっ酸塩、硝酸塩を添加する。又処理温
度も50〜80℃で高く、電流密度最大60A/dm2
を規定している。また、高速処理するため従来の酸浸漬
法との組み合わせの有効性を指摘している。しかし、焼
鈍を含む連続処理についての方策は提案されていない。
性塩水溶液中での電解法(ルスナー法)が提案されてい
る。この方法は、適用される鋼種に制限があり、又高速
処理のため電解槽が長くなるという問題がある。
〜480℃に保持した溶融アルカリ塩浴中に浸漬し、水
洗後酸洗によりデスケールを行なう方法が行なわれてい
る。この方法は、鋼種に制限がなく、また短時間処理が
可能で、処理槽も短い。しかし、ロールを介してステン
レス鋼板を溶融塩槽に浸漬するため、処理速度は、せい
ぜい50m/minが最大である。更に溶融塩を400〜4
80℃に保持するための耐熱性、耐食性に優れた装置が
必要で、且つ加熱のための燃料コストが必要となる。ま
た、持ち出しによる溶融アルカリ塩の消費量が多く操業
コストが高くなる。
処理を施し、引き続く高温状態にあるステンレス鋼板表
面にアルカリ水溶液を微細粒子に霧化させて噴霧する方
法を提案している。噴霧後アルカリ水溶液中の水分が蒸
発すると、ステンレス鋼の表面に溶融ソルトバスの浸漬
法と同様に溶融アルカリ層が形成され、この溶融アルカ
リ層と反応してデスケーリングの前処理として好ましい
効果を発揮する。さらに特開昭59−200774号公
報では、処理開始時のステンレス鋼の上限温度は700
℃で、下限温度は、噴霧後水分の蒸発後に溶融アルカリ
が形成される600℃以上にすることを述べている。ま
た上記溶融アルカリには、環境上問題となる硝酸イオン
が含まれている。
ケールのデスケール法であって、その第1段階処理の装
置や操業コストが従来のソルトバス法に比べ簡易で且つ
高速での酸化スケール改質が可能であり、また中性塩水
溶液での電解処理法の処理速度に比べこれを超える高速
処理を可能とする処理方法を提供することを課題として
いる。また本発明はアルカリ水溶液の噴霧を第一段階と
して、これに第二段階の高電流密度電解酸洗または酸浸
漬処理を組み合わせたことにより高速処理を可能にした
方法を提供する。
発明は、Cr含有ステンレス鋼の冷延後の連続焼鈍にお
いて、焼鈍炉出口で50m/min以上で搬送される鋼板
の温度を500℃〜200℃に制御し、当該鋼板に、第
一段階で重量比でNaOH/KOHが1/4〜4/1の
混合アルカリを95〜99.9重量%含有し、且つ、ア
ルカリ金属の炭酸塩、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、ヨ
ウ素酸塩、過硫酸塩の1または2種以上を0.05〜5
重量%含有するアルカリ塩を用いて、当該アルカリ塩濃
度を10〜50%に調整した水溶液を焼鈍炉から出た5
0m/min以上で搬送されるステンレス鋼板が、500
℃〜200℃に冷却された段階でそのステンレス鋼表面
に噴霧処理後、シャワー水洗する。
段階の50m/min以上で処理されたステンレス鋼板を
硫酸:50〜250g/L,HF:1〜40g/L、三
価のFeイオン:5g/L以上を含む溶液を用いて、5
0A/dm2以上の高電流密度で5秒以内の電解酸洗す
ること、又は第二段階が酸浸漬工程においては、第一段
階の50m/min以上で処理されたステンレス鋼板を硫
酸:50〜250g/Lの溶液1と硫酸:50〜250
g/L,HF:1〜40g/L,三価のFeイオン:5
g/L以上を含む溶液2の両方に溶液1、溶液2の順に
常温〜60℃で10秒以内浸漬し、あるいは溶液2のみ
に常温〜60℃で5〜10秒浸漬することを特徴として
いる。本発明はまた硝酸イオンを含まない薬剤を用いる
ことを特徴とするステンレス鋼の高速デスケーリング処
理法である。
4/1の混合アルカリを95〜99.9重量%含有する
アルカリ塩を用い、これを水溶液にして焼鈍後の所定の
温度に設定されたステンレス鋼板に噴霧する。微細なア
ルカリ塩水溶液を表面温度500〜200℃の範囲にあ
る鋼板表面に噴霧すると、瞬時に水分が蒸発し、同時に
焼鈍で発生した酸化スケールの改質が完了する。噴霧幅
200mmとして搬送速度50m/minで噴霧時間0.
24秒で表面の酸化スケールは、青紫色から従来通常の
ソルト浸漬処理により形成されていたと同じ黄茶色に変
化し、部分的にスケールが除去され、更にその後のシャ
ワー水洗により、更に改質スケールは部分的に除去され
る。
とスケールの反応を示す式である。本発明における50
0〜200℃の範囲にある鋼板表面に本発明のアルカリ
水溶液が微細噴霧された場合の反応は、下記(1)式に
示した通常の反応よりも活性であり、水分の衝撃的な蒸
発反応、及び薄膜化した水分の高温状態での酸化反応の
促進と含有アルカリ塩による改質反応が同時に短時間に
生じるものと考えられる。
して、5モルの溶融アルカリ塩が必要であるが、本発明
での必要アルカリ塩量は、通常の必要溶融アルカリ塩量
に比べ、約1/3以下であり、上記の改質に必要な等量
関係よりも大幅に少なくなっていることが明らかになっ
ている。本発明においても反応の効果的な促進のために
は、(1)式の4(O)に相当する酸化剤が重要であ
る。これには、硝酸塩以外の炭酸塩、過塩素酸塩、過マ
ンガン酸塩、ヨウ素酸塩、過硫酸塩の1または2種以上
を0.05〜5重量%含有させる。0.05%以下では
効果がなく、5%以上では効果が飽和する。更に必要に
応じて過酸化水素を0.05〜10重量%、更に酸素、
空気、オゾンの1または2以上を酸化剤として第一段階
のアルカリ塩水溶液に飽和量含有させることができる。
なく、10%以上では効果が飽和する。空気は、アルカ
リ塩水溶液1m3当たり1〜10L/分を、酸素は、酸
素ボンベから1〜10L/分を吹き込む。オゾンはオゾ
ン発生装置により0.01〜0.1ppmオゾンを含有す
る空気を1〜10L/分を吹き込む。
されたステンレス鋼板表面に前述のアルカリ塩水溶液を
微細噴霧する工程のあと、引き続き酸洗を行なうことを
特徴としている。第一段階のアルカリ塩水溶液噴霧にお
いて改質された酸化スケールは、薄い酸性溶液において
容易に除去されるが、微細な酸化スケールが残留した
り、改質スケール下部の薄いCr欠乏層の除去は不完全
のままである。
な金属組織の表面を確保するには、電解酸洗が効果的で
ある。即ち本発明では第二段階として、硝酸を用いない
で、硫酸とフッ酸をベースにして、酸化ポテンシャルを
250mV以上に維持した溶液中で、50A/dm2以
上の高電流密度で陽極電解処理する。ベース溶液は硫
酸:50〜250g/L,HF:1〜40g/Lと三価
のFeイオンを5g/L以上含み、50A/dm2以上
の高電流密度で全5秒以内の電解処理を施すことにより
完全なデスケールと美麗な表面を得ることができる。
が重要で、Fe3+/Fe2+の割合が常に1以上になるよ
うに、過酸化水素で連続的に調整する。その他の硫酸、
HFも必要に応じて連続的に追酸して調整する。
液を噴霧処理後、硫酸が5〜250g/Lの溶液1に浸
漬し、短時間で改質スケールを除去し、更に除去後の表
面を調整するため硫酸+HF+三価のFeイオンを含む
溶液2に浸漬する。一般に硫酸浸漬のみでは、改質スケ
ール直下のクロム欠乏層は除去されない。その後の硫酸
+HFをベースとした溶液2に短時間浸漬することによ
って安定した表面が得られる。硫酸:50〜250g/
L,HF:1〜40g/Lで、Fe3+イオンを5g/L
以上含み溶液の酸化ポテンシャル>250mVに保持し
た溶液2に浸漬すると、Cr欠乏層を除去し安定した素
地表面を得ることができる。この液管理は、前述の第二
段階の電解酸洗の溶液と同じで、必要に応じて硫酸、ふ
っ酸、過酸化水素を連続的又は間欠的にて添加し調整す
る。処理温度は、50〜60℃程度で10秒以内の浸漬
が効果的である。
液を噴霧する工程において、重量比でNaOH/KOH
が1/1の混合アルカリを99.97〜93.5重量%
含有し、これに酸化剤としてKMnO4を0.03〜
6.5重量%含むアルカリ塩を用いて、その濃度が8%
から55%までのアルカリ塩水溶液を作成した。これを
用いて焼鈍後の表面温度の異なるステンレス鋼板に噴霧
した。噴霧条件は、搬送速度80m/min、噴霧時間
(噴霧幅200mm)0.15秒を基準に評価した。こ
の場合の処理結果の評価は、噴霧直後にスプレイ水洗を
行ない、その後の表面酸化スケールの色の変化とスケー
ルの脱落状況を目視で評価した。表1にその結果を示し
た。
が黄茶色に変化し、部分的にスケールの脱落も生じ良好
なスケールの改質が生じていたことを示す。△は、改質
が十分に行なわれず、薄青紫色のスケールが残留した状
態又は、部分的に点状に青色スケールが残留した状態で
改質が不十分であったことを示す。
は、水分の急激な蒸発(ライデンフロスト反応)によ
り、酸化スケールの未改質部分が生じる。そのため、そ
の後の第二段階での電解酸洗、又は酸浸漬処理によって
も良好な表面が得られない。また温度が適正範囲にあっ
てもNo1,No3,No11,No13の如く、アルカリ塩水溶
液の濃度が適切な範囲にないと酸化スケールの改質が均
質に進まない。又酸化剤(添加剤)の濃度も0.05〜
5%の適正範囲が有効である。
記の結果から効果的に酸化スケールを改質するには、適
切な鋼板表面温度と適切なアルカリ塩水溶液濃度、及び
適切な酸化剤濃度範囲が存在することを示している。本
発明の第一段階のアルカリ塩水溶液を噴霧スプレイされ
たステンレス鋼は、この段階で表面酸化スケールは、全
体的に改質されるが、焼鈍によって形成された酸化スケ
ール直下のクロム欠乏層までを除去するには格別の工夫
が必要である。
レス鋼の酸化スケールを除去しかつ積極的にクロム欠乏
層を溶解除去するため、電解酸洗を行なう。この場合の
処理時間は、5秒以内の短時間であり、従って処理スピ
ードを向上することができる。
乏層の溶解を高速で行なうため、硫酸:50〜250g
/L,HF:1〜40g/Lで三価のFeイオンを5g
/L以上を含む電解液を用いて、50A/dm2以上の
高電流密度で5秒以内の電解処理を施すことにより完全
なデスケールと美麗な表面を得ることができる。尚5秒
以上にしても格別の利益はない。従って5秒以内にす
る。
0g/Lは含有するがFe3+イオンを含まない電解液で
はデスケールは不十分である。この溶液にFe3+イオン
濃度5g/L以上含有させると、これを含まない電解液
に比べ、処理後の表面光沢が一段と向上する。表2にそ
の結果を示した。
ルが残留したものである。第二段階の電解酸洗により、
デスケールされることを期待したが、第一段階で十分に
酸化スケールの改質が行なわれないとその後の処理でも
デスケールが困難であることを示している。
を第二段階の電解酸洗を行なったもので、電解液中にF
e3+イオンを含有させた場合、表面の光沢が一段と向上
することが認められた。また処理時間も5秒以内の短時
間処理が可能であることが明らかとなった。
霧後、第二段階で電解を行なわない場合は下記の如くに
酸浸漬を第二段階で行なう。即ち硫酸:50〜250g
/Lの常温〜60℃の溶液1と10秒以内接触させた後
更に硫酸:50〜250g/L,HF:1〜40g/
L,Fe3+イオン:5g/L以上を含有し常温〜60℃
の溶液2と10秒以内接触させ、あるいは溶液1には接
触させないで溶液2と5〜10秒接触させる。表3は、
第一段階でのアルカリ水溶液噴霧後、第二段階で電解は
行なわないで表3の酸に浸漬した結果を示す。表3にみ
られる如く、第二段階が本発明の酸浸漬の場合は、電解
を行なわなくても、ステンレス鋼の表面を十分に健全な
デスケール後の表面とする事ができる。
酸洗槽の長さ、酸洗槽の基数、電解処理設備の有無によ
り、電解酸洗法、処理液1と2を用いる酸浸漬法、処理
液2のみの酸浸漬法の何れかを選択すればよい。
いてJIS SUS430,409 の冷延コイルの焼鈍酸洗を行なう
に際して、デスケール方法の試験を行なった。
SUS430,SUS409で若干異なるが、800〜850℃の範
囲にある。焼鈍炉の出口に設けられた冷却装置により、
800〜850℃に加熱されたステンレス鋼板を500
〜200℃まで冷却した。本発明では焼鈍炉から出たス
テンレス鋼板を冷却装置により500℃〜200℃の温
度に冷却調整し、その後第一段階のアルカリ塩水溶液を
噴霧する。
化処理を行なって噴霧粒子が50μm以下の微粒子に調
整したものを用いた。鋼板温度を450,300,20
0℃にしたステンレス鋼板表面に、均一に且つ十分濡れ
る程度にアルカリ塩水溶液を噴霧した。その直後スプレ
ーで水洗し、鋼板温度が70〜40℃程度まで低下した
鋼板をラインに沿って移動し、引き続き本発明の第二段
階の電解酸洗槽に連続的に浸漬して短時間の電解処理を
行ない、あるいは本発明の第二段階の酸浸漬槽に連続的
に浸漬し、その後水洗、乾燥してその表面を目視観察し
た。
要を表4に示した。その処理条件は下記の如くである。 第一段階の処理条件 アルカリ塩の組成、鋼板表面温度、アルカリ塩水溶液の
濃度は表4の通り。 第二段階の処理条件 電解処理……硫酸:150g/L,HF:20g/L,
Fe3+:15g/L,50℃の電解液で65A/dm2
で4秒間電解。 (溶液1+溶液2)の酸浸漬処理……硫酸150g/
L,50℃に5秒間浸漬後更に硫酸:150g/L,H
F:20g/L,Fe3+:15g/L,50℃に5秒間
浸漬。 溶液2のみの酸浸漬処理……硫酸:150g/L,H
F:20g/L,Fe3+:15g/L,50℃に8秒間
浸漬。
が本発明よりも少ない例で、且つアルカリ塩水溶液の濃
度が低く、十分に酸化スケールが改質されていない。そ
のため第二段階での電解処理で十分なデスケールが出来
ていない。No2は、酸化剤の濃度だけが所定量より少な
い例であるが、この場合もスケールの改質が十分でな
く、その後の電解処理での十分なデスケールが難しい。
第一段階のアルカリ塩水溶液噴霧の条件が適切であって
酸化スケールの改質が十分に進行しており、その後の電
解処理、酸浸漬処理のいずれにおいても表面の優れた状
態が得られている。
条件は適正であるがステンレス鋼板の表面温度が、55
0℃で本発明処理範囲より高温域にあり、微小なスケー
ルが残存した例である。第二段階での電解処理、酸浸漬
処理の何れによっても完全にデスケールされず、表面に
スケールが残存した。
板表面温度、酸化剤濃度、更にアルカリ水溶液濃度の上
限下限についての影響をみたもので第二段階の電解処
理、あるいは酸浸漬処理を組み合わせることで表面性状
の優れたステンレス鋼が得られることを示した。
温度が所定領域から外れた場合の例で、良好な表面が得
られなかった。No12は、鋼板表面温度、酸化剤濃度、
アルカリ塩水溶液濃度が本発明の領域の略中央で処理し
たもので、光沢の優れた均質な表面が得られた。No13
は、酸化剤の上限を超えた添加のために良好な結果が得
られないことを示した例である。
た実施例を述べた。本発明者等は更にニッケル−クロム
系ステンレス鋼に対しても同様の試験を行ったが、クロ
ム系ステンレス鋼で得られたと同様の高速デスケーリン
グ性を有する事が確認された。
塩の水溶液を噴霧する。しかしアルカリ塩の水溶液の成
分や濃度やステンレス鋼の温度が本発明のように特定さ
れていない。このため、スケールは短時間で改質されな
い。従って噴霧の後でスケールとアルカリを反応させる
ために所定時間保持することが必要な方法である。この
ため50m/min以上の高速処理は困難である。また溶
融ソルトバスに浸漬する方法では、鋼板の走行速度は5
0m/minが最大でこれ以上の高速処理は困難である。
濃度を特定し、且つ噴霧処理するステンレス鋼の温度を
500℃〜200℃に特定したため、噴霧後1秒以下の
短時間でステンレス鋼の焼鈍時の青紫色の酸化スケール
は十分に改質された黄茶色になる。更に第二段階の5秒
以内の短時間の電解処理を組み合わせると、あるいは1
0以内の短時間の酸浸漬処理と組み合わせると、連続焼
鈍酸洗でのステンレス鋼の処理を、従来は困難であった
50m/min 以上の高速で行なう事が可能となり、且つ
改質スケールの除去と素地表面調整を均一に行なうこと
が可能となる。
全く使用していない。このため酸の排出に際しても高価
な前処理等が不必要である。
Claims (4)
- 【請求項1】Cr含有ステンレス鋼の冷延後の連続焼鈍
酸洗において、焼鈍炉出口で50m/min以上で搬送さ
れる鋼板の温度を500℃〜200℃に制御し、当該鋼
板に第一段階でアルカリ塩水溶液を噴霧し更に第二段階
で電解処理工程あるいは酸浸漬工程を行なうことを特徴
とするステンレス鋼の高速デスケーリング処理法。 - 【請求項2】請求項1の第一段階のアルカリ塩水溶液を
噴霧する工程においては、重量比でNaOH/KOHが
1/4〜4/1の混合アルカリを95〜99.9重量%
含有し且つ炭酸塩、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、ヨウ
素酸塩、過硫酸塩の1または2種以上を0.05〜5重
量%含有するアルカリ塩を用いて、当該アルカリ塩の濃
度を10〜50%に調整したアルカリ塩水溶液を、焼鈍
炉から出た50m/min以上で搬送されるステンレス鋼
板が500℃〜200℃に冷却された段階でそのステン
レス鋼表面に噴霧後水洗すること、又第二段階の電解処
理工程が第一段階の50m/min以上で処理されたステ
ンレス鋼板を硫酸:50〜250g/L、HF:1〜4
0g/L、三価のFeイオン:5g/L以上を含む溶液
を用いて、50A/dm2以上の高電流密度で全5秒以
内の電解酸洗すること、又第二段階の酸浸漬工程が第1
段階の50m/min以上で処理されたステンレス鋼を硫
酸:50〜250g/Lの常温〜60℃の溶液1と10
秒以内接触させた後更に硫酸:50〜250g/L、H
F:1〜40g/L、三価のFeイオン:5g/L以上
を含有する常温〜60℃の溶液2と10秒以内接触させ
ること、あるいは溶液1には接触させないで溶液2と5
〜10秒接触させることである、請求項1に記載のステ
ンレス鋼の高速デスケーリング処理法。 - 【請求項3】アルカリ塩水溶液が、更に過酸化水素を
0.05〜10重量%含有し、且つ酸素、空気、オゾン
の1または2以上を常温で飽和量含有せしめたアルカリ
塩水溶液であることを特徴とする請求項2に記載のステ
ンレス鋼の高速デスケーリング処理法。 - 【請求項4】アルカリ塩水溶液の噴霧が、粒径50μm
以下の均質な粒子からなる噴霧であることを特徴とする
請求項2または3に記載のステンレス鋼の高速デスケー
リング処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001181342A JP4694048B2 (ja) | 2001-06-15 | 2001-06-15 | ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001181342A JP4694048B2 (ja) | 2001-06-15 | 2001-06-15 | ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002371395A true JP2002371395A (ja) | 2002-12-26 |
JP4694048B2 JP4694048B2 (ja) | 2011-06-01 |
Family
ID=19021627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001181342A Expired - Lifetime JP4694048B2 (ja) | 2001-06-15 | 2001-06-15 | ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4694048B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005068523A (ja) * | 2003-08-27 | 2005-03-17 | Nippon Steel Corp | ステンレス鋼板の製造方法 |
JP2006336051A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Parker Corp | チタン材のスケール改質方法 |
KR20120123673A (ko) * | 2010-01-11 | 2012-11-09 | 콜렌코포레이션 | 금속 표면 스케일을 컨디셔닝하는 방법과 그 장치 |
JP2014501337A (ja) * | 2010-12-28 | 2014-01-20 | ポスコ | 表面品質に優れた低クロムフェライト系ステンレス冷延鋼板を製造するための環境に優しい高速酸洗プロセス |
CN106435607A (zh) * | 2016-06-30 | 2017-02-22 | 宝钢不锈钢有限公司 | 一种环保的不锈钢热轧卷连续退火酸洗生产方法及酸洗液 |
CN106835159A (zh) * | 2016-12-27 | 2017-06-13 | 宝钢不锈钢有限公司 | 一种中高铬不锈钢冷轧卷的连续酸洗方法及酸洗液 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110644008A (zh) * | 2019-10-14 | 2020-01-03 | 江苏华海钢结构有限公司 | 一种大型工件的表面处理工艺 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026890A (ja) * | 1999-07-09 | 2001-01-30 | Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd | 金属の腐食防止剤及びこれを含む洗浄液組成物およびこれを用いる洗浄方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS531733B2 (ja) * | 1973-03-26 | 1978-01-21 | ||
JPS59200774A (ja) * | 1983-04-28 | 1984-11-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ステンレス鋼の脱スケ−ル前処理装置 |
JPS60181285A (ja) * | 1984-02-28 | 1985-09-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 加熱帯状物の処理方法 |
JPS6169990A (ja) * | 1984-09-13 | 1986-04-10 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス熱延鋼帯の酸洗前処理方法 |
JP2517353B2 (ja) * | 1988-03-14 | 1996-07-24 | 日新製鋼株式会社 | ステンレス鋼帯の脱スケ―ル方法 |
JPH02173300A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-04 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス冷延鋼帯の中性塩電解脱スケール方法 |
IT1276954B1 (it) * | 1995-10-18 | 1997-11-03 | Novamax Itb S R L | Processo di decapaggio e di passivazione di acciaio inossidabile senza impiego di acido nitrico |
JPH08319600A (ja) * | 1996-05-31 | 1996-12-03 | Hitachi Ltd | ステンレス鋼帯の脱スケール方法及びその装置 |
JP3216571B2 (ja) * | 1997-05-26 | 2001-10-09 | 住友金属工業株式会社 | 高Crステンレス鋼の脱スケール用アルカリ溶融塩浴 |
-
2001
- 2001-06-15 JP JP2001181342A patent/JP4694048B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026890A (ja) * | 1999-07-09 | 2001-01-30 | Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd | 金属の腐食防止剤及びこれを含む洗浄液組成物およびこれを用いる洗浄方法 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005068523A (ja) * | 2003-08-27 | 2005-03-17 | Nippon Steel Corp | ステンレス鋼板の製造方法 |
JP2006336051A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Parker Corp | チタン材のスケール改質方法 |
KR20120123673A (ko) * | 2010-01-11 | 2012-11-09 | 콜렌코포레이션 | 금속 표면 스케일을 컨디셔닝하는 방법과 그 장치 |
KR101696640B1 (ko) | 2010-01-11 | 2017-01-17 | 콜렌코포레이션 | 금속 표면 스케일을 컨디셔닝하는 방법과 그 장치 |
JP2014501337A (ja) * | 2010-12-28 | 2014-01-20 | ポスコ | 表面品質に優れた低クロムフェライト系ステンレス冷延鋼板を製造するための環境に優しい高速酸洗プロセス |
CN106435607A (zh) * | 2016-06-30 | 2017-02-22 | 宝钢不锈钢有限公司 | 一种环保的不锈钢热轧卷连续退火酸洗生产方法及酸洗液 |
CN106435607B (zh) * | 2016-06-30 | 2021-05-18 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种环保的不锈钢热轧卷连续退火酸洗生产方法及酸洗液 |
CN106835159A (zh) * | 2016-12-27 | 2017-06-13 | 宝钢不锈钢有限公司 | 一种中高铬不锈钢冷轧卷的连续酸洗方法及酸洗液 |
CN106835159B (zh) * | 2016-12-27 | 2021-05-18 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种中高铬不锈钢冷轧卷的连续酸洗方法及酸洗液 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4694048B2 (ja) | 2011-06-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5768141B2 (ja) | 表面品質に優れた低クロムフェライト系ステンレス冷延鋼板を製造するための環境に優しい高速酸洗プロセス | |
JP4186131B2 (ja) | 鋼製品、特にステンレス鋼板ストリップの酸洗方法 | |
US2115005A (en) | Electrochemical treatment of metal | |
KR100397049B1 (ko) | 강선에 인산염 피막을 형성하기 위한 방법 및 그 장치 | |
KR101228730B1 (ko) | 고크롬 페라이트계 스테인리스강 산세 방법 | |
JP2002371395A (ja) | ステンレス鋼の高速デスケーリング処理法 | |
JP6031606B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス冷延鋼板を製造するための高速酸洗プロセス | |
JPH0314920B2 (ja) | ||
JP2009167465A (ja) | ステンレス冷間圧延鋼帯の酸洗方法および酸洗装置 | |
US3617039A (en) | Descaling apparatus for steel | |
JP4352190B2 (ja) | チタン材の脱スケール方法 | |
JPH10219500A (ja) | ステンレス鋼帯の脱スケールにおける仕上げ電解酸洗方法 | |
JP4221984B2 (ja) | 極めて良好な表面光沢度を有するマルテンサイト系ステンレス鋼冷間圧延‐焼鈍‐酸洗鋼帯 | |
JP2949642B2 (ja) | ステンレス鋼の脱スケール処理法と装置 | |
JP4662102B2 (ja) | ステンレス鋼のデスケーリングの前処理方法 | |
US3467549A (en) | Descaling of alloys by high temperature surface vaporization | |
JP2517353B2 (ja) | ステンレス鋼帯の脱スケ―ル方法 | |
JPH0665765A (ja) | ステンレス鋼帯の高速酸洗処理法 | |
JPH01162786A (ja) | 高強度オーステナイト系ステンレス鋼の酸洗方法 | |
JP2585444B2 (ja) | ステンレス鋼帯の脱スケール方法及びその装置 | |
KR100368207B1 (ko) | 오스테나이트계스텐레스냉연소둔강판의전해산세액 | |
JP2640565B2 (ja) | ステンレス鋼板の連続製造装置 | |
KR950004239B1 (ko) | 오스테나이트계 스텐레스 냉연소둔강판의 전해산세방법 | |
JP2005068523A (ja) | ステンレス鋼板の製造方法 | |
JPH0313529A (ja) | ステンレス鋼の焼鈍方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080319 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101130 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20101222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110222 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110223 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4694048 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |