JP2002367491A - 多機能ノブ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多機能音響機器における各種機能別の電源Ｏ
Ｎ／ＯＦＦやボリューム調整を１つのノブで簡単に操作
することができるようにする。 【解決手段】 ロータリーボリューム１１の回転軸１２
に、その回転軸１２に沿った方向へ弾性変形可能な押圧
部位２１ａを有するノブ２１を一体的に設け、回転軸１
２を中心とする同心円上に複数のスイッチ１３を配置
し、これらのスイッチ１３を個々に押圧可能なスイッチ
押圧片部１８を有し、ノブ２１の押圧時にスイッチ押圧
片部１８を移動させ、そのスイッチ押圧片部１８をノブ
２１の押圧解除時にはスイッチ１３の非押圧位置に復帰
移動させるスイッチング手段１４を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばラジオ機
能とオーディオ機能等を兼ね備えた音響機器の多機能ノ
ブ構造に関し、特に車載用音響機器に好適な多機能ノブ
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のノブ構造を備えた音響機器
のパネルを示す正面図である。図において、１はラジオ
機能とオーディオ機能およびカセット機能など複数の音
響機能を有する車載用音響機器のパネル、２は車載用音
響機器の選択スイッチボタンであり、このスイッチボタ
ン２は、例えばラジオ用スイッチボタンとオーディオ用
スイッチボタンとＣＤ用スイッチボタンなどを組み合わ
せ配置（ユニット化）したものである。３は車載用音響
機器のボリューム調整専用のノブ、４は複数のプリセッ
トボタン、５は表示部、６はＣＤセット口である。

【０００３】以上のように車載用音響機器にあっては、
各種の機能に応じた数の選択スイッチボタン２とボリュ
ーム調整専用のノブ３がパネル１の表面に配置され、ラ
ジオとオーディオとＣＤとでは、それぞれの系統のスイ
ッチボタン２を選択的にＯＮ／ＯＦＦし、ボリューム調
整の際には前記スイッチボタン２とは別のノブ３を操作
するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の車載用音響機器
のノブは以上のように構成されているので、そのノブ３
ではボリューム調整しか行うことができず、このため、
パネル１の表面には前記ノブ３のほかに各種機能別の選
択スイッチボタン２を配置しなければばらず、部品点数
が多くなってコスト高になるのみならず、それらのノブ
３やスイッチボタン２の配置に苦慮するなどの課題があ
った。特に近年、車載用音響機器にあっては、ラジオと
オーディオとカセットなどの機能のほかにＣＤ，ＭＤ，
ＤＶＤ等の機能をも兼備させた機種が増えており、それ
らの機能を選択的にコントロールするためには、それぞ
れの選択スイッチボタン２やボリューム調整用のノブ３
の数を増やさなければならず、数多くのスイッチボタン
２やノブ３を限られたスペースのパネル１に配置する場
合、スイッチボタン２やノブ３のそれぞれのサイズを小
さくせざるを得ず、また、各種機能別の選択的操作や操
作手順が頗る面倒になるなどの課題があった。

【０００５】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、多機能音響機器における各種機能
別のＯＮ／ＯＦＦやボリューム調整を１つのノブで簡単
に操作することができ、その操作手順を簡略化できると
共に、電源スイッチやロータリーボリュームを狭い範囲
に集中配置することが可能な多機能ノブ構造を得ること
を目的とする。

【０００６】また、この発明は、１つのノブによる各種
機能別の選択的なＯＮ／ＯＦＦを容易かつ正確に行うこ
とができる多機能ノブ構造を得ることを目的とする。

【０００７】さらに、この発明は、１つのノブで各種機
能別のスイッチをスムーズにＯＮ／ＯＦＦ作動させるこ
とができる多機能ノブ構造を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明に係る多機能ノ
ブ構造は、音響機器のロータリーボリュームと、このロ
ータリーボリュームの回転軸先端に一体回転可能に設け
られ、その回転軸に沿った方向へ弾性変形可能な押圧部
位を有するノブと、ロータリーボリュームの回転軸を中
心とする同心円上に配置された複数のスイッチと、これ
らのスイッチを個々に押圧可能で且つノブの押圧部位に
対応位置するスイッチ押圧片部を有し、ノブの押圧時に
当該押圧対応位置のスイッチを押圧する位置にスイッチ
押圧片部を移動させ、そのスイッチ押圧片部をノブの押
圧解除時にはスイッチの非押圧位置に復帰移動させるス
イッチング手段とを備えたものである。

【０００９】この発明に係る多機能ノブ構造は、ノブを
露出させる音響機器のパネル表面に、ノブの周縁部に沿
って各スイッチのそれぞれの押圧位置を表示するノブ押
圧位置表示部を設けたものである。

【００１０】この発明に係る多機能ノブ構造のスイッチ
ング手段は、ロータリーボリュームの回転軸を回転自在
に貫通させたステムボディと、このステムボディに一体
形成され、ロータリーボリュームおよびスイッチが実装
されている回路基板上に支持させたステムと、ステムボ
ディの周縁部に一体形成されて各スイッチに対応位置
し、ノブの押圧時にスイッチの押圧位置に弾性変位し、
ノブの押圧解除時にスイッチの非押圧位置に弾性復帰す
るスイッチ押圧片部とからなっているものである。

【００１１】この発明に係る多機能ノブ構造は、ステム
とスイッチ押圧片部をステムボディの周方向に交互に配
置したものである。

【００１２】この発明に係る多機能ノブ構造のスイッチ
押圧片部は、ステムボディの周縁部からラジアル方向に
延出して軸方向に平行離間する各一対の平行アーム部位
の先端に跨って一体形成され、ロータリーボリュームの
回転軸と平行する方向に移動可能となっているものであ
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．図１はこの発明の実施の形態１による多
機能ノブ構造の分解斜視図、図２は図１の多機能ノブ構
造を組み立てた平面図、図３は図２のＡ−Ａ線に沿った
断面図である。図において、１０は車載用音響機器の回
路基板、１１はその回路基板１０上に実装されたロータ
リーボリューム、１２はそのロータリーボリューム１１
の回転軸であり、この回転軸１２は、外周にネジ部１２
ａを有する大径軸部１２Ａと、この大径軸部１２Ａの延
長方向に延びる先端小径軸部１２Ｂとからなっている。

【００１４】１３は前記回路基板１０上におけるロータ
リーボリューム１１の周囲に実装された複数（図では４
個）の選択用のスイッチであり、これらのスイッチ１３
は、車載用音響機器の各種機能をＯＮ／ＯＦＦするもの
で、前記回転軸１２を中心とする同心円上に所定の間隔
で配置されている。

【００１５】１４は前記回路基板１０上に実装されて前
記各スイッチ１３をＯＮ／ＯＦＦ作動させるためのスイ
ッチング手段である。このスイッチング手段１４は、前
記ロータリーボリューム１１の回転軸１２を単独回転自
在に貫通させるための中心孔部１５ａを有する平面円板
状のステムボディ１５と、このステムボディ１５の外周
縁部に周方向へ一定の間隔で一体形成され前記回転軸１
２と平行する方向に延びて前記各スイッチ１３の相互間
で前記回路基板１０上に支持固定されたステム１６と、
前記ステムボディ１５の外周縁部における前記各ステム
１６の相互間に一体形成されて前記ステムボディ１５の
外周からラジアル方向に延び且つ前記回転軸１２に沿っ
た方向に平行離間する各一対の平行アーム部位１７ａ，
１７ｂと、この平行アーム部位１７ａ，１７ｂの先端に
跨って一体形成され前記回転軸１２と平行する方向に延
びて前記各スイッチ１３に対応位置するスイッチ押圧片
部１８とからなっている。

【００１６】かかるスイッチング手段１４とロータリー
ボリューム１１の回転軸１２と各スイッチ１３との関連
構成についてさらに詳述すると、ステムボディ１５に一
体形成されて当該ステムボディ１５の外周縁部に周方向
へ交互に配置されたステム１６とスイッチ押圧片部１８
とにおいて、ステム１６は、ステムボディ１５の中心孔
部１５ａを前記回転軸１２の嵌め込んだ状態で回路基板
１０上に固着され、この状態において、前記スイッチ押
圧片部１８が各スイッチ１３に当接しているものであ
る。

【００１７】ここで、前記スイッチ押圧片部１８は前記
回転軸１２に沿った方向の長さが前記ステム１６よりも
短く形成され、前記ステムボディ１５と各スイッチ押圧
片部１８とを一体に連結している平行アーム部位１７
ａ，１７ｂは、前記スイッチ押圧片部１８を前記回転軸
１２と平行して前記スイッチ１３を押圧投入する方向に
弾性変形可能で、かつ、前記スイッチ押圧片部１８をス
イッチ１３の押圧解除位置に弾性復帰させる弾性力を有
するものである。

【００１８】１９，２０は前記回転軸１２のネジ部１２
ａに螺合されたナットであり、これらのナット１９，２
０は前記ステムボディ１５を挟み込んでいるが、そのス
テムボディ１５に対しては前記回転軸１２の回転を許容
するものである。２１は前記回転軸１２の先端小径軸部
１２Ｂに嵌着されて当該回転軸１２を一体回転させるた
めのスイッチＯＮ／ＯＦＦおよびボリューム調整兼用の
１つのノブ、２１ａはそのノブ２１の裏側に一体形成さ
れて前記各スイッチ押圧片部１８を押圧する内向き環状
リブ状の突起部である。ここで、前記ノブ２１は、その
突起部２１ａの形成部位を含むその近辺が前記各スイッ
チ押圧片部１８の押圧部位とするもので、その押圧部位
は、スイッチ押圧片部１８を押圧する方向に弾性変形可
能で、かつ、押圧解除時に弾性復元する弾性力を有する
ものである。

【００１９】図４はこの発明の実施の形態１による多機
能ノブ構造が組み付けセットされた車載用音響機器のパ
ネルを示す正面図であり、図１から図３および図５と同
一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。図４において、２２〜２５はパネル１の表面に設
けられたノブ押圧位置表示部であり、これらのノブ押圧
位置表示部２２〜２５は、ノブ２１の周縁部近傍で前記
各スイッチ押圧片部１８のそれぞれに対応位置する箇所
に設けられているものである。

【００２０】次に動作について説明する。ノブ２１にお
けるパネル１表面のノブ押圧位置表示部２２〜２５のい
ずれか１つに対応する箇所の押圧部位２１ａを選択して
押圧すると、その押圧箇所のスイッチ押圧片部１８の平
行アーム部位１７ａ，１７ｂがスイッチ投入方向に弾性
変形して前記スイッチ押圧片部１８が回転軸１２に平行
移動することにより、そのスイッチ押圧片部１８で当該
スイッチ押圧片部１８系統の１つのスイッチ１３が投入
される。そのスイッチ投入後に前記ノブ２１の押圧を解
除すると、前記平行アーム部位１７ａ，１７ｂの弾性復
元力で前記スイッチ押圧片部１８がスイッチ押圧解除位
置に復帰する。この場合、前記ノブ２１の押圧部位２１
ａも自らの弾性力で復帰する。この状態で、前記ノブ２
１を回転操作すると、このノブ２１と一体にロータリー
ボリューム１１の回転軸１２が回転することにより、音
響機器のボリュームが調整される。

【００２１】以上説明した実施の形態１によれば、１つ
のノブ２１を押圧することによって多機能車載用音響機
器における各種機能別のスイッチを選択的にＯＮ／ＯＦ
Ｆすることができると共に、前記ノブ２１の回転操作に
よって、各種機能別のボリューム調整を行うことができ
るという効果がある。また、パネル１の表面には各スイ
ッチ押圧片部１８に対応したノブ押圧位置表示部２２〜
２５を設けたことにより、スイッチ押圧片部１８の押圧
によるスイッチの誤操作を防止できるという効果があ
る。さらに、ステムボディ１５と各スイッチ押圧片部１
８を平行アーム部位１７ａ，１７ｂで一体連結したこと
により、ノブ２１の押圧時に前記スイッチ押圧片部１８
をロータリーボリューム１１の回転軸１２と平行する方
向に移動させてスイッチ押圧方向にスムーズに移動させ
ることができるという効果がある。さらには、回路基板
１０上に固定されたステム１６によってスイッチ押圧片
部１８の変形を防止できるという効果がある。

【００２２】なお、上記実施の形態１では、スイッチ１
３が４個の場合について説明したが、そのスイッチ１３
は４個に特定されるものではなく、複数個であればよ
く、この場合、そのスイッチ１３の数と同数のスイッチ
押圧片部１８を備えた多機能ノブ構造としたものであれ
ば、上記実施の形態１と同様の作用効果が得られるもの
である。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、音響
機器のロータリーボリュームの回転軸先端に、その回転
軸に沿った方向へ弾性変形可能な押圧部位を有するノブ
を一体的に設けると共に、ロータリーボリュームの回転
軸を中心とする同心円上に複数のスイッチを配置し、こ
れらのスイッチを個々に押圧可能で且つノブの押圧部位
に対応位置するスイッチ押圧片部を有し、ノブの押圧時
に当該押圧対応位置のスイッチを押圧する位置にスイッ
チ押圧片部を移動させ、そのスイッチ押圧片部をノブの
押圧解除時にはスイッチの非押圧位置に復帰移動させる
スイッチング手段を備えるように構成したので、多機能
音響機器の各種機能別のスイッチのＯＮ／ＯＦＦ操作と
各種機能別のボリューム調整を１つのノブで選択的に行
うことができるという効果がある。また、１つのノブで
スイッチのＯＮ／ＯＦＦ操作とボリューム調整を選択的
に行えるために、部品点数を削減できてコスト低減が図
れると共に、各種機能別の複数のスイッチとロータリー
ボリュームとを集約配置することができ、このため、音
響機器のコンパクト化が図れるという効果がある。

【００２４】この発明によれば、ノブを露出させる音響
機器のパネル表面に、ノブの周縁部に沿って各スイッチ
のそれぞれの押圧位置を表示するノブ押圧位置表示部を
設けるように構成したので、ノブの押圧によるスイッチ
の誤操作を防止できるという効果がある。

【００２５】この発明によれば、ロータリーボリューム
の回転軸を回転自在に貫通させたステムボディと、この
ステムボディに一体形成され、ロータリーボリュームお
よびスイッチが実装されている回路基板上に支持させた
ステムと、ステムボディの周縁部に一体形成されて各ス
イッチに対応位置し、ノブの押圧時にスイッチの押圧位
置に弾性変位し、ノブの押圧解除時にスイッチの非押圧
位置に弾性復帰するスイッチ押圧片部とによってスイッ
チング手段を構成するようにしたので、１つのノブによ
る各種機能別のスイッチのＯＮ／ＯＦＦ操作をボリュー
ム調整操作をスムーズに行うことができるという効果が
ある。

【００２６】この発明によれば、ステムとスイッチ押圧
片部をステムボディの周方向に交互に配置するように構
成したので、ステムによってスイッチ押圧片部の変形を
防止できるという効果がある。

【００２７】この発明によれば、スイッチ押圧片部は、
ステムボディの周縁部からラジアル方向に延出して軸方
向に平行離間する各一対の平行アーム部位の先端に跨っ
て一体形成され、ロータリーボリュームの回転軸と平行
する方向に移動可能となるように構成したので、ノブ押
圧時における平行アーム部位の弾性変形によって、スイ
ッチ押圧片部を回転軸と平行する方向へスムーズに移動
させることができ、スイッチＯＮ／ＯＦＦをスムーズに
且つ正確に行うことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１による多機能ノブ構
造の分解斜視図である。

【図２】 図１の多機能ノブ構造を組み立てた状態での
平面図である。

【図３】 図２のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図４】 この発明の実施の形態１による多機能ノブ構
造が組み付けセットされた車載用音響機器のパネルを示
す正面図である。

【図５】 従来のノブ構造を備えた音響機器のパネルを
示す正面図である。

【符号の説明】

１ パネル、１０ 回路基板、１１ ロータリーボリュ
ーム、１２ 回転軸、１２ａ ネジ部、１２Ａ 大径軸
部、１２Ｂ 先端小径軸部、１３ スイッチ、１４スイ
ッチング手段、１５ ステムボディ、１５ａ 中心孔、
１６ ステム、１７ａ，１７ｂ 平行アーム部位、１８
スイッチ押圧片部、１９，２０ ナット、２１ ノ
ブ、２１ａ 突起部（押圧部位）、２２〜２５ 押圧位
置表示部。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 音響機器のロータリーボリュームと、こ
   のロータリーボリュームの回転軸先端に一体回転可能に
   設けられ、その回転軸に沿った方向へ弾性変形可能な押
   圧部位を有するノブと、前記ロータリーボリュームの回
   転軸を中心とする同心円上に配置された複数のスイッチ
   と、これらのスイッチを個々に押圧可能で且つ前記ノブ
   の押圧部位に対応位置するスイッチ押圧片部を有し、前
   記ノブの押圧時に当該押圧対応位置の前記スイッチを押
   圧する位置に前記スイッチ押圧片部を移動させ、そのス
   イッチ押圧片部を前記ノブの押圧解除時には前記スイッ
   チの非押圧位置に復帰移動させるスイッチング手段とを
   備えた多機能ノブ構造。
2. 【請求項２】 ノブは音響機器のパネル表面に露出し、
   そのパネル表面には、前記ノブの周縁部に沿って各スイ
   ッチのそれぞれの押圧位置を表示するノブ押圧位置表示
   部が設けられていることを特徴とする請求項１記載の多
   機能ノブ構造。
3. 【請求項３】 スイッチング手段は、ロータリーボリュ
   ームの回転軸を回転自在に貫通させたステムボディと、
   このステムボディに一体形成され、前記ロータリーボリ
   ュームおよびスイッチが実装されている回路基板上に支
   持させたステムと、前記ステムボディの周縁部に一体形
   成されて各スイッチに対応位置し、ノブの押圧時に前記
   スイッチの押圧位置に弾性変位し、ノブの押圧解除時に
   前記スイッチの非押圧位置に弾性復帰するスイッチ押圧
   片部とからなっていることを特徴とする請求項１記載の
   多機能ノブ構造。
4. 【請求項４】 ステムとスイッチ押圧片部はステムボデ
   ィの周方向に交互に設けられていることを特徴とする請
   求項３記載の多機能ノブ構造。
5. 【請求項５】 スイッチ押圧片部は、ステムボディの周
   縁部からラジアル方向に延出して軸方向に平行離間する
   各一対の平行アーム部位の先端に跨って一体形成され、
   ロータリーボリュームの回転軸と平行する方向に移動可
   能となっていることを特徴とする請求項３または請求項
   ４記載の多機能ノブ構造。