JP2002365796A - 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品 - Google Patents

感光性転写フィルム、誘電体および電子部品

Info

Publication number
JP2002365796A
JP2002365796A JP2001169911A JP2001169911A JP2002365796A JP 2002365796 A JP2002365796 A JP 2002365796A JP 2001169911 A JP2001169911 A JP 2001169911A JP 2001169911 A JP2001169911 A JP 2001169911A JP 2002365796 A JP2002365796 A JP 2002365796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
photosensitive transfer
transfer film
photosensitive
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001169911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4565212B2 (ja
Inventor
Hideaki Masuko
英明 増子
Satomi Hasegawa
里美 長谷川
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2001169911A priority Critical patent/JP4565212B2/ja
Publication of JP2002365796A publication Critical patent/JP2002365796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4565212B2 publication Critical patent/JP4565212B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱損失が小さく、低温焼成可能な高誘電率の
誘電体層を寸法精度良く形成できるような感光性転写フ
ィルム、ならびにこの組成物から形成された誘電体およ
び電子部品を提供することを目的としている。 【解決手段】 (A)誘電率が30以上である無機粒子
の表面の一部に、導電性の金属もしくはその化合物また
は導電性の有機化合物もしくは導電性の無機物が付着さ
れた誘電体用複合粒子、(B)アルカリ可溶性樹脂、
(C)エチレン性不飽和基含有化合物、および(D)光
重合開始剤を含有し、かつ膜厚が5〜100μmである
感光性転写層が、支持フィルム上に設けられていること
を特徴とする感光性転写フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は寸法精度の高いパタ
ーンを形成するために好適に使用することができる感光
性転写フィルム、ならびにこの感光性転写フィルムから
形成される誘電体および電子部品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、多層プリント配線基板等に
高誘電率の層を設け、この層をコンデンサ等に利用する
技術が知られている。この高誘電率の層は、たとえば、
熱硬化性樹脂からなる有機溶剤に高誘電率の無機粉末を
添加したものを、熱硬化性樹脂の脆さを補うためにガラ
ス繊維等の繊維強化材に含浸させ、溶剤を焼成などによ
り飛散させて硬化させる等の方法により調製されてい
る。しかしながら、従来の方法では、通常、たとえば3
0以上あるいは50以上などの高い誘電率を有する層を
得ることは困難であった。
【0003】また、各種の無機粉末を用いて高誘電率の
誘電体層を得る試みもなされ、たとえば、ポリスチレン
に無機粉末としてFe34、あるいはZnO+カーボン
などを添加すると、高い誘電率の誘電体層を得ることが
できることが知られている。しかしこのような系では、
誘電率を高くすることができても、得られる誘電体層の
誘電正接が大きくなるため、交流電場における誘電体層
での発熱が大きくなり、誘電体のフィルムを設けた多層
プリント配線基板等の劣化、熱応力による接合部の破断
等の不良原因となり、半導体基板の信頼性、耐久性が低
下し易いという問題点があった。
【0004】一方、高い誘電率を得るためには、通常、
高誘電率の無機粉末を高温で加熱焼成して誘電体層を形
成する方法が知られている。しかしながらこの方法は、
たとえば1000℃程度の高温で焼成する必要があるた
め、配線基板上に電子部品が装着されている状態で誘電
体層を設ける場合には適用できず、種々の半導体基板の
製造プロセスに汎用的に適用できないという問題点があ
った。
【0005】さらに、誘電体層の形成方法としてスクリ
ーン印刷法等が知られているが、基板の大型化および高
精細化に伴い、パターンの位置精度の要求が非常に厳し
くなり、通常の印刷では対応できないという問題があっ
た。また、ペースト性状や印刷条件により膜厚変動や膜
欠陥が発生しやすく、寸法精度の高いパターンを得るた
めの工程管理が困難であるという問題があった。
【0006】このため、低温焼成により、高い誘電率
で、熱損失の小さい誘電体層を提供するとともに、寸法
精度の高いパターンを形成しうる感光性転写フィルムの
出現が望まれていた。そこで、本発明者らは、前記問題
を解決すべく鋭意研究し、特定の無機粒子の表面の一部
に、導電性の金属あるいは有機化合物が付着された粒子
を含有した感光性転写フィルムを用いることにより、5
00℃以下という低温での焼成が可能で、しかも高誘電
率かつ低誘電正接で、かつ寸法精度の高いパターンの誘
電体を形成することができることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、熱損失が小さ
く、低温焼成可能な高誘電率の誘電体層を寸法精度良く
形成できるような感光性転写フィルム、ならびにこの組
成物から形成された誘電体および電子部品を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係わる感光性転写フィルムは、
(A)誘電率が30以上である無機粒子の表面の一部
に、導電性の金属もしくはその化合物または導電性の有
機化合物もしくは導電性の無機物が付着された誘電体用
複合粒子、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)エチレン
性不飽和基含有化合物、および(D)光重合開始剤を含
有し、かつ膜厚が5〜100μmである感光性転写層
が、支持フィルム上に設けられていることを特徴として
いる。
【0009】本発明の感光性転写フィルムによれば、5
00℃以下の加熱で、誘電率が30以上、誘電正接が
0.1以下の誘電体を形成することが可能である。前記
誘電体用複合粒子(A)を構成する無機粒子は、チタン
系金属酸化物であることが好ましい。また、導電性の金
属もしくはその化合物または導電性の有機化合物もしく
は導電性の無機物は、無電解メッキ法により付着させる
ことができる。
【0010】前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、(メ
タ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラ
ック樹脂またはポリエステル樹脂のいずれかであること
が好ましい。前記エチレン性不飽和基含有化合物(C)
は、(メタ)アクリレート化合物であることが好まし
く、また、エチレン性不飽和基含有化合物(C)は、
(アルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対して、2
0〜500質量部の範囲で含まれていることが好まし
い。
【0011】本発明の誘電体は、上記感光性転写フィル
ムを500℃以下で加熱して硬化させることにより形成
することができ、誘電率が30以上、誘電正接が0.1
以下であることが好ましい。本発明に係る電子部品は、
前記感光性転写フィルムを用いて形成することを特徴と
している。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性転写フィル
ムの詳細について説明する。 [感光性転写フィルム]本発明の感光性転写フィルム
は、(A)誘電率が30以上である無機粒子の表面の一
部に、導電性の金属もしくはその化合物または導電性の
有機化合物もしくは導電性の無機物が付着された誘電体
用複合粒子、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)エチレ
ン性不飽和基含有化合物、および(D)光重合開始剤を
含有し、かつ膜厚が5〜100μmである感光性転写層
を有することを必須とする。
【0013】また、本発明の感光性転写フィルムは、支
持フィルムと、この支持フィルム上に形成された感光性
転写層とを有してなり、当該感光性転写層の表面に保護
フィルムが設けられていてもよい。 <支持フィルムおよび保護フィルム>本発明の感光性転
写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐
溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであ
ることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有すること
により、ロールコータによってペースト状組成物を塗布
することによって感光性転写層を形成することができ、
感光性転写層をロール状に巻回した状態で保存し、供給
することができる。支持フィルムを形成する樹脂として
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リイミド、ポリビニルアルコール、含フッ素樹脂(例:
ポリフルオロエチレンなど)、ナイロン、セルロースな
どを挙げることができる。支持フィルムの厚さは、例え
ば20〜100μmであることが好ましい。
【0014】支持フィルムの表面には離型処理が施され
ていることが好ましい。離型処理がされていると、後述
のパターンの形成工程において、支持フィルムの剥離操
作を容易に行うことができるからである。離型処理とし
ては、たとえば、シリコン系離型剤、フッ素系離型剤、
シリコン−フッ素系離型剤を塗布する処理等が好適に用
いられる。
【0015】なお、保護フィルムについても、支持フィ
ルムと同様のものを用いることができる。また、保護フ
ィルムの表面には通常離型処理が施され、保護フィルム
/感光性転写層間の剥離強度が、支持フィルム/感光性
転写層間の剥離強度よりも小さいことが必要である。 <感光性転写層>本発明の感光性転写フィルムを構成す
る感光性転写層は、通常、(A)誘電率が30以上であ
る無機粒子の表面の一部に、導電性の金属もしくはその
化合物または導電性の有機化合物もしくは導電性の無機
物が付着された誘電体用複合粒子、(B)アルカリ可溶
性樹脂、(C)エチレン性不飽和基含有化合物、および
(D)光重合開始剤を必須成分として含み、必要に応じ
てさらに、(E)溶剤、および(F)各種添加剤を含有
するペースト状の感光性組成物を、支持フィルム上に塗
布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去するこ
とにより形成することができる。
【0016】感光性組成物を支持フィルム上に塗布し、
感光性転写層を得る方法としては、膜厚の均一性に優れ
た膜厚の大きい(例えば1μm以上)塗膜を効率よく形
成することができるものであることが好ましく、具体的
には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコータ
ーによる塗布方法、スリットコーターによる塗布方法、
カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターに
よる塗布方法などを好ましいものとして挙げることがで
きる。
【0017】塗膜の乾燥条件は、50〜150℃で、
0.5〜30分間程度であり、乾燥後における溶剤の残
存割合(感光性転写層中の含有率)は、通常、2質量%
以下、好ましくは1質量%以下であることが望ましい。
上記のようにして支持フィルムの少なくとも片面に形成
される感光性転写層の膜厚は、5〜100μm、好まし
くは8〜70μm、さらに好ましくは10〜50μmで
あることが望ましい。
【0018】また、感光性転写層中の誘電体形成用複合
粒子(A)の含有量としては、転写フィルムにおける感
光性転写層全体に対して、30〜90質量%、好ましく
は40〜80質量%であることが望ましい。このような
感光性転写層を有することにより、基板への密着性に優
れ、かつ寸法精度の高いパターンを形成することができ
る感光性転写フィルムを得ることができる。<感光性組
成物>本発明の感光性転写フィルムを構成する感光性転
写層を形成するために用いられる感光性組成物は、
(A)誘電率が30以上である無機粒子の表面の一部
に、導電性の金属もしくはその化合物または導電性の有
機化合物もしくは導電性の無機物が付着された誘電体用
複合粒子、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)エチレン
性不飽和基含有化合物、(D)光重合開始剤、および必
要に応じて(E)溶剤、(F)各種添加剤を、ロール混
練機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミ
ルなどの混練機を用いて混練することにより調製するこ
とができる。
【0019】上記のようにして調製される感光性組成物
は、塗布に適した流動性を有するペースト状の組成物で
あり、その粘度は、通常100〜100,000mPa
・sであり、好ましくは500〜10,000mPa・
sである。以下、感光性組成物を構成する各成分につい
て説明する。 (A)誘電体用複合粒子<無機粒子> 本発明において使用する無機粒子は、誘電
率が30以上であり、好ましくは50以上、さらに好ま
しくは70以上である。誘電率は高い分には問題なく、
上限値は限定されないが、たとえば、30000程度で
あってもよい。
【0020】このような無機粒子としては、金属酸化物
からなるものが好ましく用いられ、特にチタン系金属酸
化物が好ましい。ここで、「チタン系金属酸化物」とは
チタン元素と酸素元素とを必須元素として含む化合物を
いう。このようなチタン系金属酸化物としては、結晶構
造を構成する金属元素としてチタンを単一で含むチタン
系単一金属酸化物と、金属元素としてチタンおよび他の
金属元素を含むチタン系複酸化物とを好ましく用いるこ
とができる。
【0021】前記チタン系単一金属酸化物としては、た
とえば、二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。この
ような二酸化チタン系金属酸化物としては、アナターゼ
構造またはルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が挙
げられる。前記チタン系複酸化物としては、たとえば、
チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロン
チウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム
系、チタン酸ネオジウム系、チタン酸カルシウム系等の
金属酸化物が挙げられる。
【0022】なお、前記「二酸化チタン系金属酸化物」
とは、二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタン
に他の少量の添加物を含む系を意味し、主成分である二
酸化チタンの結晶構造が保持されているものであり、他
の系の金属酸化物についても同様である。また、前記
「チタン系複酸化物」とは、チタン系単一金属酸化物
と、少なくとも1種の他の金属元素からなる金属酸化物
とが複合して生ずる酸化物であり、構造の単位としてオ
キソ酸のイオンが存在しないものをいう。
【0023】本発明においては、このような無機粒子を
構成するチタン系金属酸化物としては、チタン系単一金
属酸化物のうちでは、ルチル構造の二酸化チタン系金属
酸化物が好ましく、チタン系複酸化物のうちでは、チタ
ン酸バリウム系金属酸化物を好ましく用いることができ
る。これらのうちでは、チタン酸バリウム系金属酸化物
を特に好ましく用いることができる。
【0024】また、水性媒体への分散性を向上させるた
め、前記無機粒子の表面をシリカ、アルミナ等で変性し
た粒子も好適に用いることができる。このような無機粒
子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜5.0μm、さ
らに好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは
0.1〜2.0μm、特に好ましくは0.2〜1.0μ
mであることが望ましい。平均粒子径が5μmを超える
と、膜厚を薄くした場合に誘電体層の組成が不均一にな
りやすくなることがある。平均粒子径が0.1μm未満
であると粉末同士の凝集力が強くなり粗大粒子が発生し
てしまうことがある。
【0025】本発明の無機粒子の形状は、特に制限され
るものではないが、球状、粒状、板状、麟片状、ウィス
カー状、棒状、フィラメント状などの形状が挙げられ
る。これらの形状のうち、球状、粒状、片状、鱗片状で
あることが好ましい。これらの形状の無機粒子は、一種
単独で、または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。<誘電体用複合粒子> 本発明に用いる誘電体用複合粒子
は、前記無機粒子の表面の一部が、導電性物質で被覆さ
れている。このような導電性物質としては、導電性の金
属もしくはそれらの化合物、または導電性の有機化合物
もしくは導電性の無機物が挙げられる。これらの導電性
物質は、前記無機粒子の表面の一部に、1種単独でまた
は複数種を併用して付着されていてもよい。
【0026】前記導電性の金属としては、たとえば、
金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ルテニウム、Fe、
Ni、Co、Ge、Si、Zn、Ti、Mg、Alなどから選ばれる少な
くとも1種の金属を用いることができる。金属として
は、これらの合金を用いることもできる。前記導電性の
金属の化合物としては、前記導電性の金属の窒化物を用
いることができる。
【0027】前記導電性の有機化合物としては、TCN
Q(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、ポリピロー
ル、ポリアニリン、ポリチオフェンなどから選ばれる少
なくとも1種の化合物を用いることができる。前記導電
性の無機物としては、上記金属または金属化合物以外の
ものであって、カーボン、黒鉛などから選ばれる少なく
とも1種のものを用いることができる。
【0028】本発明に用いる誘電体用複合粒子に含有さ
れる前記無機粒子の割合は、誘電体用複合粒子の全重量
に対して、好ましくは60〜99重量%、さらに好まし
くは65〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量
%の量で含まれていることが望ましい。また、導電性の
金属もしくはそれらの化合物または導電性の有機化合物
もしくは導電性の無機物の割合、すなわち、導電性物質
の付着量は、誘電体用複合粒子の全重量に対して、好ま
しくは1〜40重量%、さらに好ましくは5〜35重量
%、特に好ましくは10〜30重量%の量で含まれてい
ることが望ましい。
【0029】無機粒子成分の割合が99重量%を超える
と、誘電体にしたときに高い誘電率が得られなくなるこ
とがある。また、無機粒子成分の割合が60重量%未満
の場合には誘電体の絶縁性が悪くなることがある。本発
明に用いられる誘電体用複合粒子の平均粒子径は、好ま
しくは0.1〜5.0μm、さらに好ましくは0.1〜
3.0μm、より好ましくは0.1〜2.0μm、特に
好ましくは0.2〜1.0μmであることが望ましい。
平均粒子径が5μmを超えると、膜厚を薄くした場合に
誘電体層の組成が不均一になりやすくなることがある。
なお、誘電体用複合粒子の平均粒径は、膜厚を薄くして
も誘電体層の組成が均一になるようにするため、特に2
μm以下であることが好ましい。
【0030】本発明に用いられる誘電体用複合粒子の比
表面積は、好ましくは1〜20m2/g、さらに好まし
くは1.2〜15m2/g、より好ましくは1.5〜1
0m2/g、特に好ましくは1.5〜8m2/gであるこ
とが望ましい。比表面積が上記範囲にあると、高誘電率
かつ低誘電正接である誘電体を得ることができる。この
ような本発明に用いる誘電体用複合粒子は公知の方法を
用いて調製することができ、製法は限定されない。
【0031】たとえば、メッキ等により無機粒子の表面
に導電性の金属を被膜する場合には、無電解メッキ(化
学メッキ)などにより行うことができる。また、上記の
ような平均粒子径の誘電体用複合粒子を得る方法として
は、具体的には、無電解メッキ等により1〜40重量%
の金属成分(たとえば銅)が付着した無機粒子からなる
誘電体用複合粒子の中から、分級機によって平均粒度
0.1〜10μmの粉末を採取し、その粉末を純水中で
超音波分散して十分に分散させた後、1〜10容積%の
硫酸浴中において、表面のCu分のみを溶出させること
によりかかる平均粒子径の誘電体用複合粒子を得ること
ができる。 (B)アルカリ可溶性樹脂 感光性組成物に使用されるアルカリ可溶性樹脂として
は、種々の樹脂を用いることができる。ここに、「アル
カリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によって溶解す
る性質をいい、具体的には、目的とする現像処理が遂行
される程度に溶解性を有していればよい。
【0032】かかるアルカリ可溶性樹脂の具体例として
は、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレ
ン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げ
ることができる。このようなアルカリ可溶性樹脂のう
ち、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、特に好ましい
ものとしては、たとえばこのようなアルカリ可溶性樹脂
のうち、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、特に好ま
しいものとしては、たとえばカルボキシル基含有モノマ
ー類(イ)(以下「モノマー(イ)」ともいう)とその
他の共重合可能なモノマー類(ハ)(以下「モノマー
(ハ)」ともいう)との共重合体、またはモノマー
(イ)とOH基含有モノマー類(ロ)(以下「モノマー
(ロ)」ともいう)とモノマー(ハ)との共重合体など
の(メタ)アクリル樹脂を挙げることができる。
【0033】上記モノマー(イ)(カルボキシル基含有
モノマー類)としては、たとえば、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モ
ノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カル
ボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0034】上記モノマー(ロ)(OH基含有モノマー
類)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなど
の水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m
−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどの
フェノール性水酸基含有モノマー類;などが挙げられ
る。
【0035】その他の共重合可能なモノマー類である上
記モノマー(ハ)としては、たとえば、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートな
どのモノマー(イ)(モノマー(ロ)を含む場合は、モ
ノマー(イ)および(ロ))以外の(メタ)アクリル酸
エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香
族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの
共役ジエン類;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸
メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)
アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に(メ
タ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有するマク
ロモノマー類;などが挙げられる。
【0036】上記モノマー(イ)とモノマー(ハ)との
共重合体や、モノマー(イ)とモノマー(ロ)とモノマ
ー(ハ)との共重合体は、モノマー(イ)および/また
はモノマー(ロ)のカルボキシル基またはフェノール性
水酸基含有モノマーに由来する共重合成分の存在によ
り、アルカリ可溶性を有するものとなる。中でもモノマ
ー(イ)とモノマー(ロ)とモノマー(ハ)との共重合
体は、誘電体用複合粒子(A)の分散安定性や後述する
アルカリ現像液への溶解性の観点から特に好ましい。こ
の共重合体におけるモノマー(イ)に由来する共重合成
分単位の含有率は、好ましくは1〜50質量%、特に好
ましくは5〜30質量%であり、モノマー(ロ)に由来
する共重合成分単位の含有率は、好ましくは1〜50質
量%、特に好ましくは5〜30質量%であり、モノマー
(ハ)に由来する共重合成分単位の含有率は、好ましく
は1〜98質量%、特に好ましくは40〜90質量%で
ある。また、モノマー(ロ)成分としては、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロ
キシプロピルなどの水酸基含有モノマー類が好ましい。
【0037】感光性組成物を構成するアルカリ可溶性樹
脂(B)の分子量は、GPCによるポリスチレン換算の
重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量(M
w)」ともいう)で、5,000〜5,000,00
0、好ましくは10,000〜300,000であるこ
とが望ましい。感光性組成物におけるアルカリ可溶性樹
脂(B)の含有割合は、誘電体用複合粒子(A)100
質量部に対して、通常5〜500質量部、好ましくは1
0〜500質量部、特に好ましくは10〜200質量部
であることが望ましい。なお、感光性転写フィルム中
に、たとえばポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エ
ポキシ樹脂などのアルカリ可溶性樹脂以外の樹脂を含有
してもよい。 (C)エチレン性不飽和基含有化合物 感光性組成物を構成するエチレン性不飽和基含有化合物
(C)は、エチレン性不飽和基を含有し、後述する光重
合開始剤により、ラジカル重合反応し得る化合物である
限り特に限定はされないが、通常、(メタ)アクリレー
ト化合物が用いられる。
【0038】かかる(メタ)アクリレート化合物の具体
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アク
リレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端
ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプ
ロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メ
タ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブタン
トリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロー
ルアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)
アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアル
キレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート
類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼ
ンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポ
キシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン
樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アク
リレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリレート化合物と
しては、上記した化合物以外に、前述したアルカリ可溶
性樹脂(B)を構成するモノマー(イ)、(ロ)および
(ハ)に示された化合物を使用してもよい。
【0039】これらの(メタ)アクリレート化合物を含
むエチレン性不飽和基含有化合物(C)は、単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用することができ、通常、
前述のアルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対して
20〜500質量部、好ましくは40〜250質量部、
より好ましくは40〜200質量部の量で用いられる。 (D)光重合開始剤 感光性組成物を構成する光重合開始剤(D)としては、
後述する露光工程においてラジカルを発生し、前述した
エチレン性不飽和基含有化合物(C)の重合反応を開始
せしめる化合物である限り特に限定はされない。
【0040】かかる光重合開始剤(D)の具体例として
は、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチ
ルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンな
どのカルボニル化合物;ビス(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン
オキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィン
オキサイド化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジ
ドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化
合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合
物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパ
ーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパー
オキシドなどの有機パーオキシド;2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(2’−クロロフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチ
レニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジン、などのトリハロメタン類;2,
2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,
5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどの
イミダゾール二量体;などを挙げることができ、これら
は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することが
できる。また、このような光重合開始剤(D)ととも
に、増感剤、増感助剤、水素供与体、連鎖移動剤等を併
用してもよい。
【0041】光重合開始剤(D)の含有割合としては、
前記アルカリ可溶性樹脂(B)とエチレン性不飽和基含
有化合物(C)の合計量100質量部に対して、通常、
0.1〜100質量部であり、好ましくは1〜50質量
部であることが望ましい。 (E)溶剤 感光性組成物には、必要に応じて、溶剤(E)が含有さ
れる。上記溶剤(E)としては、誘電体用複合粒子
(A)との親和性、ならびにアルカリ可溶性樹脂
(B)、エチレン性不飽和基含有化合物(C)、光重合
開始剤(D)および必要に応じて含有される後述の各種
添加剤(F)との溶解性が良好で、感光性組成物に適度
な粘性を付与することができ、乾燥させることによって
容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
【0042】かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケ
トン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メ
チル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコー
ル類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族
モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸
−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3
−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル
類;などを例示することができ、これらは、単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0043】感光性組成物における溶剤(E)の含有割
合としては、良好な感光性転写層形成性能(流動性また
は可塑性)が得られる範囲内において適宜選択すること
ができるが、通常、誘電体用複合粒子(A)100質量
部に対して、1〜10,000質量部であり、好ましく
は10〜1,000質量部であることが望ましい。 (F)各種添加剤 感光性転写フィルムを構成する感光性組成物には、上記
(A)〜(E)成分のほかに、可塑剤、接着助剤、分散
剤、充填剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、レベリング剤、現像促進剤などの各種添加剤が
任意成分として含有されていてもよい。 可塑剤 可塑剤は、形成される感光性転写層に良好な可撓性を発
現させるために添加される。具体的には、下記式(1)
または(2)で表される化合物が、熱により容易に分解
除去され、得られるパターンの性能に悪影響を及ぼさな
いため、好ましく用いられる。
【0044】
【化1】
【0045】(式中、R1 およびR4 は、それぞれ、同
一または異なる炭素数1〜30のアルキル基を示し、R
2 およびR3 は、それぞれ、同一または異なるメチレン
基または炭素数2〜30のアルキレン基を示し、sは0
〜5の整数であり、tは1〜10の整数である。)
【0046】
【化2】
【0047】(式中、R5 は炭素数1〜30の炭化水素
基を示す。) 上記式(1)において、R1 またはR4 で示されるアル
キル基、並びにR2 またはR3 で示されるアルキレン基
は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、飽
和基であっても不飽和基であってもよい。R1 またはR
4 で示されるアルキル基の炭素数は、1〜30であり、
好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜10である
ことが望ましい。R2 またはR3 で示されるアルキレン
基の炭素数は、2〜30であり、好ましくは2〜20、
さらに好ましくは4〜10とされることが望ましい。当
該アルキル基およびアルキレン基の炭素数が30を超え
る場合には、溶剤に対する可塑剤の溶解性が低下し、転
写フィルムの良好な可撓性が得られない場合がある。
【0048】上記式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチル
ジグリコールアジペートなどが挙げられる。好ましく
は、tが2〜6で表される化合物である。上記式(2)
において、R5 で示される炭化水素基は、直鎖状であっ
ても分岐状であってもよく、また、飽和基であっても不
飽和基であってもよい。R5 で示される炭化水素基は、
炭素数が、1〜30、好ましくは2〜20、さらに好ま
しくは10〜18であることが好ましく、また、特にア
ルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。
【0049】上記式(2)で示される化合物の具体例と
しては、プロピレングリコールモノラウレート、プロピ
レングリコールモノオレートなどが挙げられる。感光性
組成物における可塑剤の含有割合としては、誘電体用複
合粒子(A)100重量部に対して、0.1〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部であることが望まし
い。 接着助剤 接着助剤としては、下記式(3)で示される化合物など
のシランカップリング剤〔飽和アルキル基含有(アルキ
ル)アルコキシシラン〕が好適に用いられる。
【0050】
【化3】
【0051】(式中、pは3〜20の整数、mは1〜3
の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数であ
る。) 上記式(3)において、飽和アルキル基の炭素数を示す
pは3〜20の整数とされ、好ましくは4〜16の整数
とされる。上記式(3)で示されるシランカップリング
剤の具体例としては、n−プロピルジメチルメトキシシ
ラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシル
ジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメ
トキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシランな
どの飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a=1,
m=1,n=1);n−プロピルジエチルメトキシシラ
ン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジ
エチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメト
キシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシランなど
の飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m
=1,n=2);n−ブチルジプロピルメトキシシラ
ン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサ
デシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロ
ピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルメト
キシシラン類(a=1,m=1,n=3);n−プロピ
ルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキ
シシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘ
キサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメ
チルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエトキ
シシラン類(a=1,m=2,n=1);n−プロピル
ジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシ
シラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキ
サデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジエチ
ルエトキシシランなどの飽和アルキルジエチルエトキシ
シラン類(a=1,m=2,n=2);n−ブチルジプ
ロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシ
シラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、
n−イコサンジプロピルエトキシシランなどの飽和アル
キルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n
=3);n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−
ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチル
プロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキ
シシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシランなど
の飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,
m=3,n=1);n−プロピルジエチルプロポキシシ
ラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシ
ルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチ
ルプロポキシシラン、n−イコサンジエチルプロポキシ
シランなどの飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類
(a=1,m=3,n=2);n−ブチルジプロピルプ
ロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラ
ン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n
−イコサンジプロピルプロポキシシランなどの飽和アル
キルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,
n=3);n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−
ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメ
トキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラ
ン、n−イコサンメチルジメトキシシランなどの飽和ア
ルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n
=1);n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブ
チルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメト
キシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラ
ン、n−イコサンエチルジメトキシシランなどの飽和ア
ルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n
=2);n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デ
シルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロ
ピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキ
シシランなどの飽和アルキルプロピルジメトキシシラン
類(a=2,m=1,n=3)n−プロピルメチルジエ
トキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n
−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメ
チルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシ
シランなどの飽和アルキルメチルジエトキシシラン類
(a=2,m=2,n=1);n−プロピルエチルジエ
トキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n
−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエ
チルジエトキシシラン、n−イコサンエチルジエトキシ
シランなどの飽和アルキルエチルジエトキシシラン類
(a=2,m=2,n=2);n−ブチルプロピルジエ
トキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、
n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコ
サンプロピルジエトキシシランなどの飽和アルキルプロ
ピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3);
n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメ
チルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキ
シシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラ
ン、n−イコサンメチルジプロポキシシランなどの飽和
アルキルメチルジプロポキシシラン類 (a=2,m=
3,n=1);n−プロピルエチルジプロポキシシラ
ン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシル
エチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジ
プロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシ
ランなどの飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類
(a=2,m=3,n=2);n−ブチルプロピルジプ
ロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラ
ン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n
−イコサンプロピルジプロポキシシランなどの飽和アル
キルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,
n=3);n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチ
ルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサ
ントリメトキシシランなどの飽和アルキルトリメトキシ
シラン類(a=3,m=1);n−プロピルトリエトキ
シシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシ
ラン、n−イコサントリエトキシシランなどの飽和アル
キルトリエトキシシラン類(a=3,m=2);n−プ
ロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキ
シシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキ
サデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロ
ポキシシランなどの飽和アルキルトリプロポキシシラン
類(a=3,m=3)などを挙げることができ、これら
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0052】これらのうち、n−ブチルトリメトキシシ
ラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシ
ルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−
ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシ
ルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジ
エトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n
−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリ
プロポキシシランなどが特に好ましい。
【0053】感光性組成物における接着助剤の含有割合
としては、誘電体用複合粒子(A)100重量部に対し
て、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜
5重量部であることが望ましい。 分散剤 誘電体用複合粒子(A)の分散剤としては、脂肪酸が好
ましく用いられ、特に、炭素数3〜30、好ましくは炭
素数4〜30、さらに好ましくは4〜20の脂肪酸が好
ましい。上記脂肪酸の好ましい具体例としては、マロン
酸、オクタン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、
アラキン酸等の飽和脂肪酸;フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸;フタル酸
等の芳香族脂肪酸;などを挙げることができ、これら
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0054】感光性組成物における分散剤の含有割合と
しては、誘電体用複合粒子(A)100重量部に対し
て、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5
重量部であることが望ましい。 充填剤 本発明の感光性転写フィルムを構成する感光性組成物
は、(A)〜(E)成分の他に、さらに、充填剤を含有
することができる。このような充填剤として、誘電率を
向上させる添加剤としては、たとえばカーボン微粉
(例:アセチレンブラック、ケッチェンブラックな
ど)、黒鉛微粉などの導電性微粒子、たとえば炭化ケイ
素微粉などの半導体性の微粒子などが挙げられる。これ
らの誘電率向上用の充填剤を添加する場合には、誘電体
用複合粒子(A)に対し、好ましくは0〜10重量%、
さらに好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは
1〜5重量%の量で使用することが望ましい。
【0055】[誘電体]上記感光性転写フィルムを用い
ることにより、500℃以下の加熱で、誘電率が30以
上、誘電正接が0.1以下の誘電体を形成することがで
きる。以下、本発明の誘電体の形成方法および誘電体の
物性について詳述する。<誘電体層パターンの形成方法> 本発明の感光性転写フ
ィルムを用いたパターンの形成方法は、〔1〕感光性転
写層の転写工程、〔2〕感光性転写層の露光工程、
〔3〕感光性転写層の現像工程、〔4〕感光性転写層パ
ターンの焼成工程の各工程を有する。 〔1〕感光性転写層の転写工程 転写工程では、本発明の感光性転写フィルムを使用し、
当該感光性転写フィルムを構成する感光性転写層を基板
上に転写する。
【0056】基板材料としては、例えばプリント基板、
ガラス、シリコーン、アルミナなどからなる板状部材が
用いられる。この板状部材の表面に予め所望のパターン
を形成したものを用いても差し支えない。基板表面に対
しては、必要に応じて、シランカップリング剤などによ
る薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、
スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる
薄膜形成処理のような前処理を適宜施していてもよい。
【0057】転写工程の一例を示せば以下のとおりであ
る。必要に応じて使用される感光性転写フィルムの保護
フィルムを剥離した後、基板上に、感光性転写層の表面
が当接されるように感光性転写フィルムを重ね合わせ、
この感光性転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着
する。これにより、基板上に感光性転写層が転写されて
密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例え
ば、加熱ローラの表面温度が20〜140℃、加熱ロー
ラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの
移動速度が0.1〜10.0m/分であるような条件を
示すことができる。また、基板は予熱されていてもよ
く、予熱温度としては例えば40〜100℃とすること
ができる。 〔2〕感光性転写層の露光工程 露光工程においては、感光性転写層の表面に、露光用マ
スクを介して、放射線を選択的照射(露光)して、感光
性転写層のパターンの潜像を形成する。なお、感光性転
写層上の支持フィルムは露光工程の前に剥離除去しても
よく、また、露光工程の後、後述する現像工程の前に剥
離除去してもよい。感度上昇の観点から、感光性転写層
上の支持フィルムは露光工程の後、後述する現像工程の
前に剥離除去することが好ましい。
【0058】露光工程において選択的照射(露光)され
る放射線としては、たとえば可視光線、紫外線、遠紫外
線、電子線あるいはX線等が挙げられ、好ましくは可視
光線、紫外線および遠紫外線が、さらに好ましくは紫外
線が用いられる。露光用マスクの露光パターンは目的に
よって異なるが、例えば、10〜1000μm幅のドッ
トパターンが用いられる。
【0059】放射線照射装置としては、たとえばフォト
リソグラフィー法で使用されている紫外線照射装置、半
導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている
露光装置などが挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。 〔3〕感光性転写層の現像工程 現像工程においては、露光された感光性転写層を現像処
理することにより、感光性転写層のパターン(潜像)を
顕在化させる。
【0060】感光性転写層の現像工程で使用される現像
液としては、アルカリ現像液を使用することができる。
これにより、感光性転写層に含有されるアルカリ可溶性
樹脂を容易に溶解除去することができる。なお、感光性
転写層に含有される誘電体用複合粒子は、アルカリ可溶
性樹脂により均一に分散されているため、バインダーで
あるアルカリ可溶性樹脂を溶解させ、洗浄することによ
り、誘電体用複合粒子も同時に除去される。
【0061】アルカリ現像液の有効成分としては、例え
ば 水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リ
ン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸
二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二
水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸
カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒド
ロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソ
プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールア
ミンなどの有機アルカリ性化合物;などを挙げることが
できる。
【0062】感光性転写層の現像工程で使用されるアル
カリ現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種
以上を水などの溶媒に溶解させることにより調製するこ
とができる。ここに、アルカリ性現像液におけるアルカ
リ性化合物の濃度は、通常0.001〜10質量%であ
り、好ましくは0.01〜5質量%である。アルカリ現
像液には、ノニオン系界面活性剤または有機溶剤などの
添加剤が含有されていてもよい。
【0063】なお、アルカリ現像液による現像処理がな
された後は、通常、水洗処理が施される。また、必要に
応じて現像処理後に感光性転写層パターン側面および基
板露出部に残存する不要分を擦り取る工程を含んでもよ
い。現像処理条件としては、現像液の種類・組成・濃
度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺
動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置
などを目的に応じて適宜選択することができる。
【0064】この現像工程により、感光性転写層残留部
と、感光性転写層除去部とから構成される感光性転写層
パターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成さ
れる。 〔4〕感光性転写層パターンの硬化工程 この工程においては、誘電体層パターンを熱硬化処理し
て、パターンを形成する。このような加熱温度は、50
0℃以下で行うことが可能であり、好ましくは100〜
500℃、さらに好ましくは150〜300℃で行うこ
とが望ましい。加熱時間は、好ましくは1分〜24時
間、さらに好ましくは10分〜12時間の範囲で行うこ
とが望ましい。
【0065】感光性転写層を加熱して硬化する場合、加
熱方法としては、たとえば、オーブン、赤外線ランプ、
ホットプレート等により加熱することができる。<誘電体の物性> このような本発明の感光性転写フィル
ムから得られる誘電体は、誘電率が30以上、好ましく
は100以上、さらに好ましくは150以上、特に好ま
しくは200以上であることが望ましい。誘電率の上限
は特に限定されないが、たとえば30000程度であっ
てもよい。また、誘電正接が0.1以下、好ましくは
0.08以下、さらに好ましくは0.06以下であるこ
とが望ましい。誘電正接の下限は特に限定されないが、
たとえば0.001程度であってもよい。
【0066】なお、本明細書において、誘電率、誘電正
接は、JIS K6481(周波数1MHz)に記載の
方法により測定した値である。また、このような誘電体
の体積抵抗率は好ましくは1011Ω・cm以上、より好
ましくは1012Ω・cm以上のものとすることができ
る。なお、この誘電体の厚さは、好ましくは100μm
以下、より好ましくは30μm以下であることが望まし
い。フィルム厚さの下限は特に限定されないが、通常は
1μm以上である。
【0067】[電子部品]本発明の誘電体は、500℃
以下という低い温度で加熱焼成して得ることができ、誘
電率が30以上かつ誘電正接が0.1以下であり、薄膜
で静電容量の大きなコンデンサ等を形成することができ
る。また、この誘電体を備えたプリント回路基板、半導
体パッケージ、コンデンサ、高周波用アンテナ等の電子
部品は、小型でかつ高密度のものとすることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明に係る感光性転写フィルムを用い
ると、前記のように500℃以下という低い加熱温度
で、しかも0.1以下という低い誘電正接かつ30以上
という高い誘電率の誘電体を形成することができる。本
発明の誘電体は、薄膜で高誘電率であるので、プリント
回路基板、半導体パッケージ、コンデンサ、高周波用ア
ンテナ等の電子部品等において好適に利用される。
【0069】本発明の電子部品は、前記誘電体を備える
ことから、小型化、薄膜化することができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「質量部」を示す。また、重
量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミ
ィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名H
LC−802A)により測定したポリスチレン換算の平
均分子量である。
【0071】
【実施例1】(1)誘電体用複合粒子の製造 チタン酸バリウム粒子(商品名「HPBT−1」、富士
チタン株式会社製、平均粒子径0.6μm、誘電率20
00)を無電解銀メッキ法により表面に銀をコートし
て、誘電体用複合粒子(a)を得た。
【0072】得られた粉体のSEM(走査形電子顕微
鏡)観察から、粒子表面に銀の微粒子が部分的に付着し
ていることを確認した。また、SIMS(二次イオン形
質量分析法)によりチタン酸バリウム表面に銀が重量比
換算で10%付着していることを確認した。一方、粉末
の比表面積は3.8m2/gであった。 (2)感光性組成物の調製 (A)誘電体用複合粒子として、前記誘電体用複合粒子
(a)100部、(B)アルカリ可溶性樹脂として、メ
タクリル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプ
ロピル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共
重合体(Mw=50,000)20部、(C)エチレン
性不飽和基含有化合物として、トリメチロールプロパン
トリアクリレート10部、(D)光重合開始剤として、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタン−1−オン2部、(E)溶剤
として、プロピレングリコールモノメチルエーテル10
0部および(F)分散剤としてオレイン酸1部、充填剤
としてアセチレンブラック0.5部をビーズミルで混練
りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ)でフ
ィルタリングすることにより、感光性組成物を調製し
た。 (3)感光性転写フィルムの作製 下記(イ)の操作により、感光性転写層が支持フィルム
上に形成されてなる本発明の感光性転写フィルムを作製
した。(イ)上記のようにして得られた感光性組成物を
予め離型処理したPETフィルムよりなる支持フィルム
(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上にブレ
ードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間
乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ20μmの感光性樹
脂層を支持フィルム上に形成した。 (4)感光性転写層の転写工程 プリント配線基板の表面に、感光性転写層の表面が当接
されるように感光性転写フィルムを重ね合わせ、この感
光性転写フィルムを加熱ローラにより熱圧着した。ここ
で、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を120
℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの移動速度
を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面
に感光性転写層が転写されて密着した状態となった。こ
の感光性転写層について膜厚を測定したところ、20μ
m±1μmの範囲にあった。 (5)誘電体層の露光工程・現像工程 感光性転写層に対して、露光用マスク(500μm角の
ドットパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線
(波長365nmの紫外線)を照射した。ここに、照射
量は400mJ/cm2とした。
【0073】露光工程の終了後、露光処理された感光性
転写層に対して、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液
(30℃)を現像液とするシャワー法による現像処理を
1分かけて行った。次いで超純水による水洗処理を行
い、これにより、紫外線が照射されていない未硬化の感
光性転写層を除去し、パターンを形成した。 (6)誘電体層パターンの硬化工程:感光性転写層パタ
ーンが形成されたプリント配線基板をオーブン内で20
0℃の温度雰囲気下で30分間にわたり硬化処理を行っ
た。これにより、プリント配線基板の表面に誘電体パタ
ーンが得られた。
【0074】得られた誘電体パターンのパターニング特
性および誘電体特性については、後述の方法により評価
した。結果を表1に示す。
【0075】
【実施例2】(B)アルカリ可溶性樹脂として、メタク
リル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプロピ
ル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共重合
体(Mw=100,000)10部、(C)エチレン性
不飽和基含有化合物として、トリメチロールプロパント
リアクリレート5部を用いたこと以外は実施例1と同様
にして、感光性組成物を調製した。当該感光性組成物を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の感光性転写層を有する感光性転写フィルムを形成後、
転写・露光・現像・硬化工程を行い、誘電体パターンを
作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
【実施例3】チタン酸バリウム粒子(商品名「BT−0
2」、堺化学株式会社製、平均粒子径0.2μm、誘電
率2000)を無電解銀メッキ法により表面に銀をコー
トして、誘電体用複合粒子(b)を得た。得られた粉体
のSEM観察から、粒子表面に銀の微粒子が部分的に付
着していることを確認した。また、SIMSによりチタ
ン酸バリウム表面に銀が重量比換算で20%付着してい
ることを確認した。一方、粉末の比表面積は4.0m2
/gであった。
【0077】(A)誘電体用複合粒子として、前記誘電
体用複合粒子(b)100部を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、感光性組成物を調製した。当該感光性
組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ
20μmの感光性誘電体層を有する感光性フィルムを形
成後、転写・露光・現像・硬化工程を行い、誘電体パタ
ーンを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0078】
【実施例4】チタン酸カルシウム粒子(平均粒子径2μ
m、誘電率140)を無電解リン−ニッケルメッキ法に
より表面にニッケルをコートして、誘電体用複合粒子
(c)を得た。得られた粉体のSEM観察から、粒子表
面にニッケルの微粒子が部分的に付着していることを確
認した。また、SIMSによりチタン酸カルシウム表面
にニッケルが重量比換算で10%付着していることを確
認した。一方、粉末の比表面積は2.0m2/gであっ
た。
【0079】(A)誘電体用複合粒子として、前記誘電
体用複合粒子(c)100部を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、感光性組成物を調製した。当該感光性
組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ
20μmの感光性誘電体層を有する感光性転写フィルム
を形成後、転写・露光・現像・硬化工程を行い、誘電体
パターンを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】
【参考例1】(C)エチレン性不飽和基含有化合物とし
て、トリメチロールプロパントリアクリレート1部を用
いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を
調製した。当該感光性組成物を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、厚さ20μmの感光性誘電体層を有す
る感光性転写フィルムを形成後、転写・露光・現像・硬
化工程を行い、誘電体パターンを作製し、評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0081】
【参考例2】(C)エチレン性不飽和基含有化合物とし
て、トリメチロールプロパントリアクリレート50部を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物
を調製した。当該感光性組成物を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、厚さ20μmの感光性誘電体層を有
する感光性フィルムを形成後、転写・露光・現像・硬化
工程を行い、誘電体パターンを作製し、評価を行った。
結果を表1に示す。
【0082】
【参考例3】(B)アルカリ可溶性樹脂として、メタク
リル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプロピ
ル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共重合
体(Mw=100,000)3部を用いたこと以外は実
施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。当該感
光性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
厚さ20μmの感光性誘電体層を有する感光性フィルム
を形成後、基板上に転写したが転写不良となった。結果
を表1に示す。 〔転写性〕感光性フィルムをプリント配線基板の表面に
転写した際、転写が良好であった場合を○、転写不良が
生じた場合を×として評価した。 〔パターニング特性〕得られた誘電体パターンについ
て、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、当該誘電体
パターンの幅および高さの測定を行い、幅の精度につい
て、500μm±10μmの範囲にあるものを○、それ
以外のものを×として評価した。また、パターンの欠落
についての観察を行い、欠落のないものについて○、欠
落のあるものについて×として評価した。 〔誘電率、誘電正接および体積抵抗率〕JIS K64
81に準拠して測定した。
【0083】誘電率、誘電正接は周波数1MHzの測定
値である。 〔耐湿熱性(HAST試験)〕硬化フィルムについて、
121℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間
耐湿熱性試験を行って、試験の前後で赤外線分光測定を
実施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基準で
評価した。
【0084】 ○・・・変化がなく耐性が認められる ×・・・変化が大きく耐性が認められない
【0085】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/33 H01G 4/06 102 (72)発明者 伊藤 信幸 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB11 AB17 AC01 AD01 BC14 BC31 BC51 CA01 CA23 CA30 CA34 CB14 CB15 CB17 CB20 CB29 CB52 CC08 CC09 FA03 FA17 FA29 5E082 AB03 BC40 FF13 FF14 FG03 FG27 FG34 KK01 PP01 PP06 PP09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)誘電率が30以上である無機粒子
    の表面の一部に、導電性の金属もしくはその化合物また
    は導電性の有機化合物もしくは導電性の無機物が付着さ
    れた誘電体用複合粒子、(B)アルカリ可溶性樹脂、
    (C)エチレン性不飽和基含有化合物、および(D)光
    重合開始剤を含有し、かつ膜厚が5〜100μmである
    感光性転写層が、 支持フィルム上に設けられていることを特徴とする感光
    性転写フィルム。
  2. 【請求項2】 500℃以下の加熱で、誘電率が30以
    上、誘電正接が0.1以下の誘電体を形成することが可
    能であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写
    フィルム。
  3. 【請求項3】 前記誘電体用複合粒子(A)を構成する
    無機粒子が、チタン系金属酸化物であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の感光性転写フィルム。
  4. 【請求項4】 前記誘電体用複合粒子(A)において、
    導電性の金属もしくはその化合物または導電性の有機化
    合物もしくは導電性の無機物が、無電解メッキ法により
    付着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の感光性転写フィルム。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ可溶性樹脂(B)が、(メ
    タ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラ
    ック樹脂またはポリエステル樹脂のいずれかであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性転
    写フィルム。
  6. 【請求項6】 前記エチレン性不飽和基含有化合物
    (C)が、(メタ)アクリレート化合物であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性転写フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 前記エチレン性不飽和基含有化合物
    (C)が、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対
    して20〜500質量部の範囲で含まれていることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性転写フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性
    転写フィルムを500℃以下で加熱して硬化させること
    により形成される、誘電率が30以上、誘電正接が0.
    1以下であることを特徴とする誘電体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性
    転写フィルムを用いて形成されることを特徴とする電子
    部品。
JP2001169911A 2001-06-05 2001-06-05 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品 Expired - Lifetime JP4565212B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001169911A JP4565212B2 (ja) 2001-06-05 2001-06-05 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001169911A JP4565212B2 (ja) 2001-06-05 2001-06-05 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002365796A true JP2002365796A (ja) 2002-12-18
JP4565212B2 JP4565212B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=19011926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001169911A Expired - Lifetime JP4565212B2 (ja) 2001-06-05 2001-06-05 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4565212B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008112147A (ja) * 2006-09-27 2008-05-15 Toray Ind Inc 感光性樹脂組成物およびそれを用いた誘電体組成物、半導体装置
KR20150003744A (ko) 2012-04-26 2015-01-09 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 감광성 수지 조성물, 경화물, 층간 절연막, tft 액티브 매트릭스 기판 및 액정 표시 장치
JP2017037287A (ja) * 2015-08-13 2017-02-16 太陽インキ製造株式会社 感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000090738A (ja) * 1998-09-14 2000-03-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 感光性ガラスペースト組成物及びそれを用いた焼成物パターン形成方法
JP2000276945A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Murata Mfg Co Ltd 導体ペースト及びそれを用いた回路基板
JP2001133970A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Jsr Corp 感光性転写フィルム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000090738A (ja) * 1998-09-14 2000-03-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 感光性ガラスペースト組成物及びそれを用いた焼成物パターン形成方法
JP2000276945A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Murata Mfg Co Ltd 導体ペースト及びそれを用いた回路基板
JP2001133970A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Jsr Corp 感光性転写フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008112147A (ja) * 2006-09-27 2008-05-15 Toray Ind Inc 感光性樹脂組成物およびそれを用いた誘電体組成物、半導体装置
KR20150003744A (ko) 2012-04-26 2015-01-09 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 감광성 수지 조성물, 경화물, 층간 절연막, tft 액티브 매트릭스 기판 및 액정 표시 장치
JP2017037287A (ja) * 2015-08-13 2017-02-16 太陽インキ製造株式会社 感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP4565212B2 (ja) 2010-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100513180B1 (ko) 기판상에패턴을형성하는방법및전사필름
WO2003065384A1 (fr) Composition pour former une matiere dielectrique photosensible, et film de transfert, matiere dielectrique et elements electroniques utilisant celle-ci
JP4158292B2 (ja) 導電性樹脂組成物および電極形成用転写フィルム
JP4062087B2 (ja) 感光性誘電体形成用組成物、転写フィルム、誘電体および電子部品
JP2004055402A (ja) 導電性ペースト組成物、電極形成用転写フィルムおよびプラズマディスプレイ用電極
JP2001264973A (ja) 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム
JP4100165B2 (ja) 感光性誘電体形成用組成物、誘電体および電子部品
JP2002365796A (ja) 感光性転写フィルム、誘電体および電子部品
JP5120093B2 (ja) 感光性組成物および電極の製造方法
KR20050045842A (ko) 무기 분체 함유 수지 조성물, 전사 필름 및 플라즈마디스플레이 패널의 제조 방법
JP4565211B2 (ja) 感光性誘電体形成用組成物、誘電体および電子部品
JP2010039396A (ja) 感光性ペースト組成物
JP4409319B2 (ja) 造形物の製造方法
JP4565213B2 (ja) 感光性誘電体形成用組成物、転写フィルム、誘電体および電子部品
JP2001133970A (ja) 感光性転写フィルム
KR20060051015A (ko) 무기 분체 함유 수지 조성물, 전사 필름 및 플라즈마디스플레이 패널의 제조 방법
JP2000007824A (ja) 導電性組成物および電極形成用転写フィルム
JP3539215B2 (ja) 電極の形成方法およびそれに用いられる転写フィルム
JP2002167515A (ja) 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム
JP2008124030A (ja) 導電性ペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル
JP2009132142A (ja) 金属パターン形成用転写フィルムおよび金属パターン形成方法
JP2000215798A (ja) 透明電極の製造方法および透明電極用転写フィルム
JP3932649B2 (ja) 導電性ペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル
JP2005063908A (ja) シャドウマスク形成用の転写フィルム
JP2001264966A (ja) 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4565212

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term