JP2002364284A - 掘削機および掘削方法 - Google Patents

掘削機および掘削方法

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JP2002364284A
JP2002364284A JP2001172726A JP2001172726A JP2002364284A JP 2002364284 A JP2002364284 A JP 2002364284A JP 2001172726 A JP2001172726 A JP 2001172726A JP 2001172726 A JP2001172726 A JP 2001172726A JP 2002364284 A JP2002364284 A JP 2002364284A
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Japan
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ground
cutter head
face
boring
excavation
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JP2001172726A
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Masami Kawamura
正身 川村
Takashi Kitagawa
隆 北川
Masaru Murakami
賢 村上
Kazuyuki Okamoto
和之 岡本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nishimatsu Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱地盤等のいわゆる不良地山にトンネルを
形成する工事を行うための、掘削機および掘削方法を提
供すること。 【解決手段】カッタヘッド3とスキンプレート2の備え
られたトンネルボーリングマシン1のカッタヘッド3を
スキンプレート2内部側に後退可能とするとともに、地
山改良用ボーリング削孔機6をカッタヘッド3の後方に
設け、さらにカッタヘッド3に開閉可能な中央開口部2
1を設けた。カッタヘッド3を後退させて作業補助空間
dを形成するとともに、排土コンベヤ9およびホッパ8
を後退させてボーリング削孔機6の作業空間10を確保
する。この作業補助空間dにコンクリートを吹き付けて
安定させ、この安定した作業補助空間dを利用しなが
ら、前記作業補助空間10におけるボーリング削孔機6
を前記中央開口部21から挿通させて掘削先方に位置す
る広範囲な地山a1、a2、a3の改良を安定的かつ確
実に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として高速道路
や鉄道等のトンネルを形成する工事を行うための掘削機
および掘削方法に関し、詳細には、軟弱地盤等のいわゆ
る不良地山に前記トンネルを形成する工事を行うため
の、掘削機および掘削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるトンネル形成工事には、ト
ンネル孔を切り広げる工程を別途設定する必要のない、
トンネル孔の全断面を掘削することができるトンネルボ
ーリングマシンが一般的に用いられている。このトンネ
ルボーリングマシンによって、トンネルの掘削速度を大
幅に向上させながら、しかも、掘削する地山を弛めるこ
とがない、したがって、トンネル周辺へ及ぼす影響が小
さい施工が可能となっている。
【0003】しかしながら、前記トンネルボーリングマ
シンを用いたトンネル形成工事においても、軟弱地盤等
の崩壊性の地山においては、地山が軟弱であることに起
因する様々なトラブルの発生から掘削速度が上がらず、
不良地山でない地山の掘削に比べて著しく施工性が悪く
なることが問題となってきた。前記トラブルとしては、
主に、地山が脆弱であることに起因して切羽が崩壊し掘
削不能となることが挙げられる。さらに、地山が脆弱で
あると堀削孔に突発湧水が発生しやすく、この突発湧水
によりトンネルボーリングマシンが水没したり、切羽が
崩壊したりして掘削不能となったりすることも挙げられ
る。したがって、不良地山においては、掘削先方の地山
を容易かつ確実に改良することが必要不可欠となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑みてなされた
ものが、特開平―18980号公報に示す技術であり、
これは、カッタヘッドを後退可能とすることにより、カ
ッタヘッドと切羽との間に隙間を確保し、この隙間を作
業補助空間として掘削先方の地山にボーリング孔を削孔
して地山の改良を行うものである。この隙間を確保する
ことによって、崩壊性の地山と掘削機とを切り離すこと
ができるため、掘削機からボーリング削孔機によって地
山の改良を安定的に行うことができる。
【0005】ところで、不良地山の地山改良において
は、この地山改良自体の効果の確実性が問われる。すな
わち、地山の改良のための薬液が地山自体へ浸透してし
まったり、切羽面に漏出してしまったりして、地山の改
良の効果が十分に得られない場合が多い。
【0006】上記課題を解決するためには、地山の改良
を行うためのボーリング削孔機によって、掘削先方に位
置する広範囲な地山全体を満遍なく改良する必要が生じ
てくる。そしてこの満遍ない地山の改良を行うために
は、ボーリング削孔機の掘削機内部における位置が重要
となるとともに、掘削機内部において、ボーリング削孔
機が駆動するための十分な空間が確保されることも重要
となる。さらに地山の改良を行う施工順序、すなわち施
工方法にも何らかの工夫が必要となる。
【0007】しかしながら、前記技術においては、地山
改良のボーリング削孔を行うためのボーリング削孔機
が、推進反力を取るためのグリッパ部に固定されてお
り、したがって、ボーリング削孔機の削孔シリンダの動
きが、そのための十分なリフト半径・スイング半径が得
られないことによって制限される。
【0008】また、前記技術においては、カッタヘッド
に、切羽に通じる開口部が形成されているか否かが不明
であり、切羽へのアクセスを容易に行ってカッタヘッド
と切羽との空間を有効に利用しながら地山改良作業等を
行えるか否か、が不明である。さらに、前記技術におい
ては、カッタヘッドを掘削機内部側に引き込める過程に
おいて、該カッタヘッドによって切羽近傍の地山を削り
取って崩壊させてしまうことも懸念される。
【0009】本発明の課題は、崩壊性の不良地山の場合
においても、掘削先方の地山を容易かつ確実に改良する
ことにより、安定的に地山の掘削を行うことができる掘
削機および掘削方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、例えば図1、図2、図5、
図6に示すように、胴体(スキンプレート2)と、地山
a1、a2を掘削するためのカッタヘッド3と、が備え
られている掘削機であって、前記カッタヘッド3は前記
胴体(スキンプレート2)内部側に後退可能に設けられ
ており、前記カッタヘッド3には、切羽bに通じる開口
部(薬注開口部20、中央開口部21)が開閉可能に形
成されており、前記カッタヘッド3の後方には、地山改
良用のボーリング孔cを削孔するためのボーリング削孔
機6が前記開口部(薬注開口部20、中央開口部21)
を挿通可能に設けられていることを特徴としている。
【0011】請求項1記載の発明によれば、カッタヘッ
ドを掘削機内部側に後退させることにより、切羽と掘削
機とが切り離されるとともに、地山を改良する際等にお
いて必要不可欠となる、切羽とカッタヘッドとの間の作
業補助空間が確保される。また、時としてカッタヘッド
が岩塊をかみ込んだ場合においても、カッタヘッドを掘
削機内部側に後退させることにより、カッタヘッドが容
易に該岩塊から切り離され、岩塊等によるカッタヘッド
の回転拘束が防止される。
【0012】さらに、前記カッタヘッドには開閉可能な
開口部が形成されており、前記ボーリング削孔機はカッ
タヘッドの後方に設けられているため、より容易に地山
改良用のボーリング孔を削孔できるとともに、切羽前方
のより広範囲に位置する地山に前記ボーリング孔を削孔
することが可能である。
【0013】ところで、前記作業補助空間は、地山の改
良を行うための安定した空間であることが望まれるが、
この作業補助空間へは、カッタヘッドに形成されている
開口部から作業員が容易にアクセスすることが可能であ
る。したがって、該作業補助空間を安定化させる作業、
例えば、切羽にコンクリートを吹き付ける作業を行うこ
とが容易である。
【0014】以上により、安定した作業補助空間を利用
しながら、掘削先方の、より広範囲に位置する地山に容
易にボーリング孔を削孔して、この後、例えば、このボ
ーリング孔にセメントミルク等の薬液を注入することに
より、地山の改良を行うことができる。したがって、不
良地山の場合においても、安定的に地山の掘削を行うこ
とが可能である。
【0015】なお、前記掘削機としては、例えば、トン
ネルボーリングマシンやシールド掘削機等がある。
【0016】また、前記地山改良としては、前記したよ
うに、前記ボーリング削孔機によって削孔したボーリン
グ孔にセメントミルク等の薬液を注入する方法の他、該
ボーリング孔にウレタンを注入したりする方法もある。
【0017】さらに、前記したコンクリートを切羽に吹
き付ける作業は、前記作業補助空間を安定化させる効果
があるとともに、掘削先方にセメントミルク等の薬液を
注入することにより行う地山の改良においては、該薬液
の切羽への漏出を防止する効果もある。
【0018】なお、前記したようなカッタヘッドを掘削
機内部側に後退させる工程においては、さらに、カッタ
ヘッドの外周部に配されているカッティングツールを、
該カッタヘッドの内部側に引き込める等の方策を講じる
ことにより、カッタヘッドと胴体との干渉を防止すると
ともに、該カッティングツールによって地山が崩壊する
ことを防止しながら、さらに安定的にカッタヘッドを後
退させることができる。
【0019】さらに、掘削先方の地山改良のためのボー
リング削孔機、および該ボーリング削孔機によって形成
されるボーリング孔は、掘削先方の地山探査にも利用可
能である。すなわち、前記ボーリング削孔機によって地
山改良のためのボーリング孔を削孔する際、削孔時の油
圧、削孔速度等の該ボーリング削孔機の機械挙動から地
山の性状を把握することが可能である。また、前記ボー
リング孔に、ボアホールカメラを送通させ、このボアホ
ールカメラからの映像をモニタカメラで確認することに
より、地山の性状を把握することも可能である。地山探
査方法には、前記の他にも、例えば、掘削機から弾性波
を起振させ、断層等の地質境界によって反射された該弾
性波の反射波を掘削機で受波することにより、掘削先方
の地山性状を把握する方法等がある。
【0020】請求項2記載の発明は、図2、図3に示す
ように、請求項1記載の掘削機において、カッタヘッド
3にはカッティングツール(ディスクカッタ15(15
a)、センタ用ディスクカッタ16、スクレーパビット
17、先行ビット18、フィッシュテールカッタ19)
が設けられており、該カッティングツール(ディスクカ
ッタ15(15a)、センタ用ディスクカッタ16、ス
クレーパビット17、先行ビット18、フィッシュテー
ルカッタ19)のうち前記カッタヘッド3の外周部に配
されているカッティングツール(ディスクカッタ15
a)は前記カッタヘッド3の内部側に引き込み可能に設
けられていることを特徴としている。
【0021】請求項2記載の発明によれば、カッタヘッ
ドの外周部に設けられているカッティングツールを該カ
ッタヘッドの内部側に引き込んでおくことにより、カッ
タヘッドを前記胴体内部側に後退させる際の、前記カッ
ティングツールと該胴体との干渉が防止されるととも
に、該カッティングツールによって不良地山が削り取ら
れて崩壊することなく、切羽とカッタヘッドとの間の前
記作業補助空間が確保される。すなわち、前記作業補助
空間を安定的に形成させることができるとともに、前記
作業補助空間をより有効に利用することができる。した
がって、不良地山の場合においても、より安定的に地山
の掘削を行うことが可能である。
【0022】なお、前記カッティングツールとしては、
例えば、岩盤等からなる地山を掘削するための、ディス
クカッタ、センタ用ディスクカッタや、土砂等が混入す
る地山を掘削するための、先行ビットやフィッシュテー
ルカッタ等がある。
【0023】請求項3記載の発明は、図1、図4〜図6
に示すように、請求項1または2記載の掘削機におい
て、前記胴体(スキンプレート2)内部には、掘削した
土砂を該胴体(スキンプレート2)後方に排出するため
の排土コンベヤ9およびホッパ8が設けられており、こ
の排土コンベヤ9およびホッパ8は、前記胴体(スキン
プレート2)内部の後部側に移動可能に設けられている
ことを特徴としている。
【0024】請求項3記載の発明によれば、前記胴体内
部に設けられている前記排土コンベヤおよびホッパは、
前記胴体内部の後部側に移動可能であるため、該排土コ
ンベヤおよびホッパを掘削機後部まで移動させておくこ
とによって、カッタヘッドを該排土コンベヤおよびホッ
パに干渉させることなく前記胴体内部側に後退させるこ
とができるとともに、地山改良等の補助工法時の掘削機
内部における作業空間が確保される。前記作業空間によ
って、地山改良のためのボーリング削孔機の作業半径、
すなわち、削孔シリンダのリフト半径・スイング半径が
確保されるとともに、作業員が切羽にコンクリートを吹
き付けたり、ボーリング削孔機を操作したりするための
作業空間が確保される。以上により、前記したそれぞれ
の工程を、該工程の効果を確実に維持しながら行うこと
ができるとともに、該工程における掘削機内部における
作業の作業性を向上させることが可能となる。したがっ
て、不良地山の場合においても、さらに、安定的に地山
の掘削を行うことができる。
【0025】請求項4記載の発明は、図4〜図8に示す
ように、請求項1記載の掘削機1によって地山a1、a
2を掘削する掘削方法であって、先ず、切羽bから前方
所定長さL0までに位置する地山a1に対し、前記ボー
リング削孔機6を前記開口部(薬注開口部20)に挿通
させながらボーリング削孔を行うとともに、このボーリ
ング孔cに薬液を注入することにより地山a1の改良を
行い、次に、前記カッタヘッド3を所定長さL1後退さ
せるカッタヘッド後退工程と、前記カッタヘッド後退工
程によって生じる切羽bと前記カッタヘッド3との間の
空間(作業補助空間d)を利用して切羽bにコンクリー
トを吹き付けるコンクリート吹き付け工程と、前記コン
クリート吹き付け工程の後、切羽bの前方所定長さL2
までに位置する地山a2、a3に対し、前記ボーリング
削孔機6を前記開口部(中央開口部20)に挿通させな
がらボーリング削孔を行うとともに、このボーリング孔
cに薬液を注入することにより地山a2の改良を行う地
山改良工程と、前記地山改良工程の後、切羽bから前方
に、前記L2より前記L0だけ短い所定長さL3までに
位置する地山a3を掘削する地山掘削工程と、を繰り返
し行うことを特徴としている。
【0026】請求項4記載の発明によれば、以下に示す
ように、掘削初期段階における一連の工程から構成され
る第1サイクル、すなわち、切羽の前方L0までに位置
する地山を改良する工程、前記カッタヘッド後退工程、
前記コンクリート吹き付け工程、前記地山改良工程、前
記掘削工程、が行われる。
【0027】先ず、前記開口部を挿通したボーリング削
孔機によって切羽から前方に所定長さL0までに位置す
る地山が改良される。次に、前記カッタヘッド後退工程
により、切羽とカッタヘッドとの間の空間、すなわち、
前記地山改良工程における作業補助空間が確保される。
さらに、前記開口部を通して、切羽にコンクリートを吹
き付けるコンクリート吹き付け工程により、前記作業補
助空間を安定化させることができるとともに、前記地山
改良工程において、地山改良のための薬液の切羽への漏
出が防止される。そして、前記地山改良工程によって、
掘削先方の地山が改良されるため、前記地山掘削工程
が、地山の崩壊を防止しながら安定的に行われる。すな
わち、不良地山の場合においても、前記したような第1
サイクルが安定的に行われる。
【0028】また、請求項4記載の発明によれば、前記
第1サイクルの地山改良工程によって、切羽の前方L2
までに位置する地山の改良が行われ、この後、該第1サ
イクルの地山掘削工程によって、切羽から前方に、前記
L2より前記L0だけ短い前記L3までに位置する地山
が掘削される。すなわち、前記第1サイクルの終了時点
において、切羽の前方L0までに位置する地山は該第1
サイクルの地山改良工程によって改良された地山であ
る。そして、この第1サイクルで既に改良されている地
山、および、該第1サイクルの次の第2サイクルにおけ
るコンクリート吹き付け工程によって形成される吹き付
けコンクリート面によって、該第2サイクルの、切羽の
前方L2までの地山改良工程における、地山改良のため
の薬液の地山自体への浸透や、前記薬液の切羽面への漏
出が防止される。すなわち、前記第2サイクルの地山改
良工程において、地山の改良の効果が確実に維持される
とともに、地山の改良が安定的に行われる。そして、こ
の第2サイクルの地山改良工程によって、該第2サイク
ルの、切羽の前方L3までの地山掘削工程が安定的に行
われる。すなわち、不良地山においても、前記したよう
な第2サイクルが安定的に行われる。
【0029】さらに、前記第1サイクルが行われた後、
前記第2サイクルが繰り返されるため、不良地山の場合
においても、連続して、すなわち、長区間にわたって、
安定的に地山の掘削を行うことが可能となる。
【0030】なお、カッタヘッドに形成されている前期
開口部としては、例えば、前記した切羽から前方前記L
0までに位置する地山の改良を行う際の使用が想定され
る比較的小さな開口部や、切羽の前方前記L2までに位
置する地山の改良を行う際の使用が想定される比較的大
きな開口部がある。
【0031】また、前記したL0、L1、L2、L3と
しては、例えば、5m、0.7m、35m、30m程度
の長さが想定される。
【0032】請求項5記載の発明は、図7〜図9に示す
ように、請求項4記載の掘削方法において、前記地山改
良工程において、切羽bの前方前記L3までは、掘削孔
(トンネル孔g)の軸断面視において、前記掘削機1の
最外径D1と、該D1より所定径大きい径D2との間に
位置する地山a2に前記地山改良を行い、切羽bの前方
前記L3から該切羽bの前方前記L2までは、掘削孔
(トンネル孔g)の軸断面視において、前記D2内全体
に位置する地山a3に前記地山改良を行うことを特徴と
している。
【0033】請求項5記載の発明によれば、切羽の前方
前記L3までは、掘削孔の軸断面視において、前記掘削
機の最外径D1と該D1より所定径大きい径D2との間
に位置する地山が改良され、したがって、前記D1より
外側に位置する地山が自立する。したがって、切羽の前
方L3までの地山を掘削する地山掘削工程において、該
地山の崩壊を防止しながら前記D1内に位置する地山の
掘削を安定的に行うことができる。
【0034】また、請求項5記載の発明によれば、切羽
の前方前記L3から該切羽の前方前記L2までは、掘削
孔の軸断面視において、前記D2内全体に位置する地山
が改良される。これにより、前記地山掘削工程を行った
後においては、切羽の前方には、前記D2の大きさの、
前記L3と前記L2との長さの差である前記L0の厚さ
の、強固に地山改良された部分が形成されていることに
なる。前記強固に地山改良された部分によって、次のサ
イクルの地山改良工程における地山の改良の効果を確実
に維持することができる。
【0035】以上により、請求項5記載の発明によれ
ば、不良地山の場合においても、連続して、すなわち長
区間にわたって、より安定的に地山の掘削を行うことが
できる。
【0036】なお、前記したように地山改良を行う方法
としては、前記ボーリング削孔機によって、切羽の前方
前記L2までは、掘削孔の軸断面視における前記D2上
近傍に位置する地山、切羽の前方前記L2においては、
掘削孔の軸断面視における前記D2内全体に位置する地
山、が終点となるように繰り返して放射状にボーリング
削孔を行い、これらのボーリング孔に薬液を注入すれば
よい。
【0037】なお、前記したD1、D2としては、例え
ば、5m、10m程度の径が想定される。
【0038】請求項6記載の発明は、図7〜図10に示
すように、請求項5記載の掘削方法において、前記地山
改良工程は、前記ボーリング削孔機6をカッタヘッド3
に形成されている開口部(中央開口部20)に挿通させ
ながらボーリング削孔を行うとともに、このボーリング
孔cに薬液を注入することにより地山の改良を行う削孔
薬注工程と、前記削孔薬注工程の後、カッタヘッド3を
所定角度回転させるカッタヘッド回転工程と、を繰り返
すことを特徴としている。
【0039】請求項6記載の発明によれば、前記地山改
良工程は、前記削孔薬注工程と前記カッタヘッド回転工
程とが繰り返されるため、切羽の前方前記L3までは、
掘削孔の軸断面視において、前記掘削機の最外径D1と
該D1より所定径大きい径D2との間に位置する地山が
満遍なくボーリング削孔されて該ボーリング孔に薬液が
注入される。また、切羽の前方前記L3から該切羽の前
方前記L2までは、掘削孔の軸断面視において、前記D
2内全体に位置する地山が満遍なくボーリング削孔され
て該ボーリング孔に薬液が注入される。したがって、あ
るサイクルにおいて、掘削先方の地山が確実に改良され
るため、切羽の前方前記L3までの地山掘削工程を安定
的に行うことができるとともに、次のサイクルの地山改
良工程の効果を確実に維持することができる。したがっ
て、不良地山の場合においても、連続して、すなわち長
区間にわたって、さらに安定的に地山の掘削を行うこと
ができる。
【0040】なお、前記薬液としては、例えば、セメン
トミルクがある。
【0041】なお、前記カッタヘッド回転工程において
は、カッタヘッドの外周部に配されているカッティング
ツールを該カッタヘッドの内部側に引き込めておくこと
により、このカッティングツールによって地山が削り取
られて崩壊することを防止しながら、より安定的にカッ
タヘッドの回転を行うことができる。
【0042】請求項7記載の発明は、図4〜図6に示す
ように、請求項4〜6のいずれかに記載の掘削方法にお
いて、前記カッタヘッド後退工程、前記コンクリート吹
き付け工程、前記地山改良工程においては、前記排土コ
ンベヤ9およびホッパ8を前記胴体(スキンプレート
2)内部の後部まで移動させておくことを特徴としてい
る。
【0043】請求項7記載の発明によれば、前記カッタ
ヘッド後退工程、前記コンクリート吹き付け工程、前記
地山改良工程においては、前記排土コンベヤおよびホッ
パが、前記胴体内部の後部まで移動させられた状態とな
る。したがって、前記カッタヘッド後退工程において
は、カッタヘッドを前記排土コンベヤおよびホッパに干
渉させることなく安定的に後退させることができる。ま
た、前記コンクリート吹き付け工程、前記地山改良工程
においては、掘削機内部における作業空間が確保され
る。前記作業空間によって、前記地山改良工程において
は、地山改良のためのボーリング削孔機の作業半径、す
なわち、削孔シリンダのリフト半径・スイング半径が確
保されるとともに、作業員がボーリング削孔機を操作し
たりするための作業空間が確保される。また、前記コン
クリート吹き付け工程においては、作業員が切羽にコン
クリートを吹き付けたりするための作業空間が確保され
る。以上により、前記したそれぞれの工程を、それらの
効果を確実に維持しながら行うことができるとともに、
該工程における掘削機内部における作業の作業性を向上
させることが可能となる。したがって、不良地山の場合
においても、連続して、すなわち長区間にわたって、さ
らに安定的に地山の掘削を行うことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るトンネルボー
リングマシン、および、このトンネルボーリングマシン
によるトンネルボーリング方法の実施の形態について詳
細に説明する。先ず、本発明に係るトンネルボーリング
マシンについて、主に図1〜図3を参照して説明する。
【0045】図1において、符号1は本発明に係るトン
ネルボーリングマシンを示す。本発明に係るトンネルボ
ーリングマシン(以下、TBMと略す。)1は、図1に
示すように、スキンプレート2によって外殻が形成さ
れ、該スキンプレート2の前部には土砂を削孔するため
のカッタヘッド3が設けられている。このカッタヘッド
3は、カッタヘッド3の後方に設けられているカッタヘ
ッド駆動モータ4によって駆動し、前記カッタヘッド駆
動モータ4は、インバータモータ等を使用することによ
り、カッタヘッド3の回転トルクを十分に確保するとと
もに、高速回転から低速回転まで、地質に応じて適切に
調整できるようになっている。
【0046】前記カッタヘッド3は、カッタヘッド3の
後方に設けられているカッタヘッド引き込みジャッキ5
によって、TBM1内部側に引き込み可能である。前記
カッタヘッド引き込みジャッキ5は、カッタヘッド3を
TBM1内部側に引き込んだ状態においては収縮した状
態であり、引き込んでいない状態においては伸張した状
態である。
【0047】カッタヘッド3の後方には、地山改良用の
ボーリング削孔機6が、折り込まれた状態で格納されて
いる。このボーリング削孔機6には、所定箇所に回動装
置6a、さらに、伸縮シリンダ6bが設けられており、
該回動装置6aおよび該伸縮シリンダ6bを作動させる
ことによって、図4〜図6に示すように、該ボーリング
削孔機6の削孔シリンダ6cが、カッタヘッド3の直後
部まで移動できるようになっている。この際、バルクヘ
ッド7を転倒させた状態においても、ボーリング削孔機
6と該バルクヘッド7との干渉が防止されるようになっ
ている。
【0048】TBM1内部には、掘削した土砂を排出す
るためのホッパ8や排土コンベヤ9が、カッタヘッド3
の直後部からTBM1後方まで移動可能に設けられてい
る。このホッパ8や排土コンベヤ9は、地山a1、a2
の掘削時には、カッタヘッド3直後部に位置し、掘削し
た土砂をTBM1後方に排出することができるようにな
っている。また、地山a1、a2の掘削時以外、例え
ば、掘削先方を地山改良する場合等においては、図1、
図4〜図6に示すように、TBM1後部に位置すること
でTBM1内部に作業空間10が確保されるようになっ
ている。
【0049】TBM1内部の後部には、セグメント11
を把持して配設するためのセグメントエレクタ12、さ
らに、配設したセグメント11に反力を取ってTBM1
を推進させるためのシールドジャッキ13が備えられて
いる。前記セグメントエレクタ12は、TBM1内部を
後退可能に設けられており、TBM1内部に十分な作業
空間10を確保するための一助となっている。なお、こ
のTBM1は前記シールドジャッキ13によって、配設
したセグメント11に反力を取って推進するため、不良
地山の場合においても確実な推進力を得ることが可能で
ある。
【0050】スキンプレート2には、覆工面とスキンプ
レート2との間に、図示しない滑材を注入するための滑
材注入管14が設けられており、この滑材によってスキ
ンプレート2と地山a1、a2との摩擦を低減させてT
BM1が地山a1、a2に拘束されることを回避できる
ようになっている。
【0051】カッタヘッド3には、図1(b)、図2
(a)に示すように、土砂を削孔するための、ディスク
カッタ15、センタ用ディスクカッタ16、スクレーパ
ビット17等が設けられており、このうち、岩盤等の地
山a1、a2の掘削時に使用するディスクカッタ15、
センタ用ディスクカッタ16は、図2(b)に示すよう
に、土砂等からなる地山a1、a2の掘削時に使用する
先行ビット18、フィッシュテールカッタ19に交換可
能である。これによって、多用な地質に容易に対応しな
がら、特に、長区間にわたるトンネル工事においても効
率良くトンネルボーリングを行うことが可能である。
【0052】カッタヘッド3には、図2(a)〜図2
(c)に示すように、切羽bに通じる大小の開閉可能な
開口部が形成されている。比較的小さな薬注開口部20
がカッタヘッド3の所定位置に配されている他、カッタ
ヘッド3の中央付近には、比較的大きな中央開口部21
が、カッタヘッド3の中心から僅かに偏心して形成され
ている。この中央開口部21は、図6に示すように、カ
ッタヘッド3の中央部に回動可能に設けられている開閉
部材22を、TBM1内部側に転倒させることにより開
口するようになっている。前記薬注開口部20、中央開
口部21は、掘削先方の地山a1、a2、a3の改良を
行う際に、後述するボーリング削孔機6の削孔シリンダ
6cから伸びる、図示しない削孔部を挿通させたりする
ために利用される他、前記中央開口部21においては、
作業員が通過することも可能である。
【0053】カッタヘッド3に設けられているディスク
カッタ15のうち、カッタヘッド3の外周部に配されて
いる8個のディスクカッタ15aは、地山a1、a2の
掘削時には、図3(a)に示すように、スキンプレート
2の外側に位置しており、該ディスクカッタ15aは、
必要時には、図3(b)に示すように、カッタヘッド3
の内部側に引き込み可能な構造となっている。前記ディ
スクカッタ15aをカッタヘッド3の内部側に引き込ん
でおくことによって、カッタヘッド3をTBM1内部に
後退させる際、前記ディスクカッタ15aとTBM1の
スキンプレート2との干渉が防止されるとともに、前記
ディスクカッタ15aによって切羽b近傍の地山a1が
削り取られて崩壊することが防止される。
【0054】以下、図4〜図13を参照して、本実施に
係るTBM1によってトンネルボーリングを行う方法を
工程ごとに説明する。
【0055】[初期地山改良工程]先ず、図4に示すよ
うに、カッタヘッド3を地山a1に押し付けた状態で、
切羽bから前方所定長さL0、例えば5mまでに位置す
る地山a1に対し、前記ボーリング削孔機6の、図示し
ない削孔部を、前記カッタヘッド3の薬注開口部20か
ら挿通してボーリング削孔を行うとともに、このボーリ
ング孔cに前記削孔部からセメントミルクを注入するこ
とにより地山a1の改良を行う。
【0056】[カッタヘッド後退工程]次に、図5に示
すように、ホッパ8や排土コンベヤ9をTBM1の後部
まで移動させた後、前記カッタヘッド引き込みジャッキ
5を収縮させることにより、カッタヘッド3をL1、例
えば0.7m後退させて、切羽bとカッタヘッド3との
間に、地山a2、a3の改良を行う際に利用される作業
補助空間dが確保されるようにする。この際、前記した
ように、カッタヘッド3の外周部に設けられているディ
スクカッタ15を、該カッタヘッド3の内部側に引き込
めてから行うようにし、前記ディスクカッタ15とスキ
ンプレート2とが干渉しないようにするとともに、前記
ディスクカッタ15によって切羽b近傍の地山a1が削
り取られて崩壊しないようにする。
【0057】[コンクリート吹き付け工程]次に、図6
に示すように、カッタヘッド3に設けられている開閉部
材22およびバルクヘッド7を同時に転倒させてカッタ
ヘッド3の中央部に中央開口部21を形成する。この
際、地山改良のためのボーリング削孔機6を前記バルク
ヘッド7に干渉させないように上方に移動させておく。
そして、図示しない、ノズルが先端に設けられたコンク
リートホースを、前記中央開口部21に挿通させ、この
コンクリートホースにコンクリートを送通させて、前記
ノズルから高速噴射させることにより、切羽bにコンク
リートを吹き付ける。なお、このコンクリートを吹き付
ける作業は、前記[カッタヘッド引き込み工程]によっ
て形成された作業補助空間dに、必要に応じて作業員が
移動して行えばよい。
【0058】[地山改良工程]次に、図6に示すよう
に、ボーリング削孔機6をカッタヘッド3に形成された
中央開口部21の直後部となるように移動させる。そし
て、図7および図8に示すように、ボーリング削孔機6
の削孔シリンダ6cをある方向に設定するとともに、該
削孔シリンダ6cから、図示しない削孔部を突出させ
て、掘削先方の、ある位置の地山f、hを終点としてボ
ーリング削孔を行う。前記削孔部が前記終点に達した時
点で、セメントミルクの送通管も兼ねる前記削孔部にセ
メントミルクを圧送させることにより送通し、該削孔部
に所定箇所設けられている噴射孔からセメントミルクが
噴出されるようにする。なお、このセメントミルクを前
記削孔部から噴出させることによって改良される地山a
2、a3は、該削孔部から約0.75m程度までに位置
する地山a2、a3である。すなわち、一回のセメント
ミルク注入作業により、図9(a)、図9(b)に示す
ような、直径約1.5m程度の円筒状の地山改良部eが
形成されることになる。前記注入作業が終了した後、前
記削孔部をボーリング削孔機6まで戻す。そして、一回
のボーリング削孔、および、この後のセメントミルク注
入作業が終了した後、ボーリング削孔機6の削孔シリン
ダ6cをリフトあるいはスイングさせることによって、
別のある方向に設定して、再び前記したような地山a
2、a3の改良を行う。
【0059】上記のように、ボーリング削孔機6の削孔
シリンダ6cをリフトあるいはスイングさせながら、前
記したような地山改良作業を繰り返し、掘削先方に位置
する所定の地山a2、a3が改良されるようにする。こ
の際、不良地山の場合においても地山a2、a3の改良
の効果を確実に維持するため、以下のような工程を経る
ようにする。
【0060】すなわち、切羽bの前方前記L2、例えば
35mまでは、図7、図8に示すように、トンネル孔g
の軸断面視における前記D2上近傍に位置する地山f、
切羽bの前方前記L2、例えば35mにおいては、トン
ネル孔gの軸断面視における前記D2内全体に位置する
地山h、が終点となるように前記ボーリング削孔機6に
よってボーリング削孔を行い、この後、このボーリング
孔cに、前記した方法によってセメントミルクを注入す
る。
【0061】なお、この際さらに、以下に示すような、
削孔薬注工程とカッタヘッド回転工程とを繰り返して行
うことにより、地山a2、a3が確実に改良されるよう
にする。すなわち、削孔薬注工程においては、カッタヘ
ッド3の偏心した中央開口部21に、ボーリング削孔機
6の削孔部6cを挿通させて、前記したようにボーリン
グ削孔を行うとともにセメントミルクを注入する作業を
所定回数繰り返して行う。さらに、カッタヘッド回転工
程においては、偏心した中央開口部21が別の位置に位
置するように、カッタヘッド3の回転を行う。
【0062】上記の方法によって、切羽bの前方前記L
0、例えば5mから、切羽bの前方所定長さL3、例え
ば30mまでに位置する地山a2においては、トンネル
孔gの軸断面視において、図9(a)に示すような、T
BM1の最外径D1と、該最外径D1より所定径大きい
径D2との間に位置する地山が改良される。そして、切
羽bの前方前記L3、例えば30mから、切羽bの前方
所定長さL2、例えば35mの間に位置する地山a3に
おいては、トンネル孔gの軸断面視において、図9
(b)に示すような、前記D2内全体に位置する地山a
3が改良される。
【0063】なお、図9(a)は、図7、図8における
A−A断面を、図9(b)は、図7、図8におけるB−
B断面を示している。また、図10(a)〜図10
(f)は、前記したようにカッタヘッド3を回転させる
ことによって、図9(b)に示すような、前記D2内全
体に位置する地山a3が、逐次改良されていく過程を示
している。
【0064】なお、前記[地山改良工程]において使用
するボーリング削孔機6、および該ボーリング削孔機6
によって形成されるボーリング孔cは、掘削先方の地山
a1、a2、a3の探査にも利用可能である。この場
合、図11に示すように、前記ボーリング削孔機6によ
って地山改良のためのボーリング孔cを削孔する際、削
孔時の油圧、削孔速度等を該ボーリング削孔機6に備え
られている検知装置によって検知して地山a1、a2、
a3の性状を把握すればよい。あるいは、図12に示す
ように、前記ボーリング孔cに、ボアホールカメラ23
を送通させ、該ボアホールカメラ23からの映像を、図
示しないモニタカメラで確認することにより、地山a
1、a2、a3の性状を把握することも可能である。そ
の他、例えば、図13に示すように、TBM1から弾性
波24を起振させ、断層等の地質境界25によって反射
された該弾性波24の反射波26をTBM1で受波する
ことにより、掘削先方の地山a1、a2、a3の性状を
把握してもよい。上記に示すような方法によって、掘削
先方の地山a1、a2、a3の性状を把握することによ
り、地質に応じた適切な掘削をより容易に行うことが可
能となる他、軟弱な地山a1、a2、a3における切羽
bの崩壊等、トラブルを事前に予想したりすることも可
能である。
【0065】[地山掘削工程]次に、前記[初期地山改
良工程]および前記[地山改良工程]によって改良され
た、掘削先方の地山a1、a2、a3のうち、切羽bの
前方L3、例えば30mまでに位置する地山a1、a2
の掘削を行う。前記L3までに位置する地山a2(a
1)は、前期[地山改良工程]において、トンネル孔g
の軸断面視において、前記TBM1の最外径D1、例え
ば5mと、該D1より所定径大きいD2、例えば10
m、との間に位置する地山a2(a1)が改良されてい
るため、地山a2(a1)の掘削時において、TBMよ
り外側に位置する地山a2(a1)が自立しているた
め、安定的に地山a2(a1)の掘削が行えるようにな
っている。
【0066】この際、地質の状況に合わせて、カッタヘ
ッド3に設けられているカッティングツールを交換する
ことによって、より効率的にトンネルボーリングが行え
るようにする。すなわち、例えば、岩盤等からなる地山
a1、a2を掘削する際には、カッタヘッド3にはディ
スクカッタ15、センタ用ディスクカッタ16を配して
おき、土砂等が混入する地山a1、a2を掘削する際に
は、該ディスクカッタ15や該センタ用ディスクカッタ
16を、先行ビット18やフィッシュテールカッタ19
等に交換するようにする。
【0067】また、この地山掘削工程において掘削する
地山a1、a2は、前記したように、切羽bの前方L
3、例えば30mまでに位置する地山a1、a2であ
り、これによって、前記[地山改良工程]において改良
されている切羽bの前方L2、例えば、35mまでに位
置する地山a1、a2、a3のうち、直径D2、例え
ば、10mの円形で、厚さL2−L3、例えば、5mの
強固に地山改良された地山a3が残存される。
【0068】前記した、[初期地山改良工程]、[カッ
タヘッド後退工程]、[コンクリート吹き付け工程]
[地山改良工程]、[地山掘削工程]により、掘削の第
1サイクルが終了する。そして、前記第1サイクルの次
の第2サイクルは、前記第1サイクルが終了した後、
[カッタヘッド後退工程]、[コンクリート吹き付け工
程]、[地山改良工程]、[地山掘削工程]により行わ
れる。なお、前記したように、第1サイクルにおいて、
直径D2、例えば、10mの円形で、厚さL2−L3、
例えば、5mの強固に改良された地山a3が残存される
ようにすることで、次の第2サイクルにおける[地山改
良工程]の地山a2、a3の改良の効果を確実なものと
することができるようになる。
【0069】さらに、前記第2サイクルを所定回数繰り
返すことにより、連続して、すなわち、長区間にわたっ
て、安定的にトンネルボーリングを行うことが可能とな
る。
【0070】以上、本実施の形態によれば、以下に示す
ような効果が得られる。 カッタヘッド3をスキンプレート2内部側に後退させ
ることにより、切羽bとTBM1とが切り離されるとと
もに、地山a2、a3を改良する際等において必要不可
欠となる、切羽bとカッタヘッド3との間の作業補助空
間dが確保される。また、時としてカッタヘッド3が岩
塊をかみ込んだ場合においても、カッタヘッド3をTB
M1内部側に後退させることにより、カッタヘッド3が
容易に該岩塊から切り離され、岩塊等によるカッタヘッ
ド3の回転拘束が防止される。さらに、前記カッタヘッ
ド3には開閉可能な薬注開口部20、中央開口部21が
形成されており、前記ボーリング削孔機6はカッタヘッ
ド3の後方に設けられているため、より容易に地山改良
用のボーリング孔cを削孔できるとともに、切羽b前方
のより広範囲に位置する地山a1、a2、a3に前記ボ
ーリング孔cを削孔することが可能である。以上によ
り、安定した作業補助空間dを利用しながら、掘削先方
の、より広範囲に位置する地山a1、a2、a3に容易
にボーリング孔cを削孔して、この後、例えば、このボ
ーリング孔cにセメントミルク等の薬液を注入すること
により、地山a1、a2、a3の改良を行うことができ
る。したがって、不良地山の場合においても、安定的に
地山a1、a2の掘削を行うことが可能である。
【0071】カッタヘッド3の外周部に設けられてい
るディスクカッタ15aを該カッタヘッド3の内部側に
引き込んでおくことにより、カッタヘッド3をスキンプ
レート2内部側に後退させる際の、前記ディスクカッタ
15aと該スキンプレート2との干渉が防止されるとと
もに、該ディスクカッタ15aによって不良地山が削り
取られて崩壊することなく、切羽bとカッタヘッド3と
の間の前記作業補助空間dが確保される。したがって、
不良地山の場合においても、より安定的に地山a1、a
2の掘削を行うことが可能である。
【0072】排土コンベヤ9およびホッパ8をスキン
プレート2内部の後部側に移動させておくことによっ
て、カッタヘッド3を該排土コンベヤ9およびホッパ8
に干渉させることなく前記スキンプレート2内部側に後
退させることができるとともに、地山改良等の補助工法
時のTBM1内部における作業空間10が確保される。
前記作業空間10によって、地山改良のためのボーリン
グ削孔機6の作業半径、すなわち、削孔シリンダ6cの
リフト半径・スイング半径が確保されるとともに、作業
員が切羽bにコンクリートを吹き付けたり、ボーリング
削孔機6を操作したりするための作業空間が確保され
る。したがって、不良地山の場合においても、さらに安
定的に地山a1、a2の掘削を行うことが可能である。
【0073】掘削初期段階における一連の工程から構
成される第1サイクル、すなわち、[初期地山改良工
程]、[カッタヘッド後退工程]、[コンクリート吹き
付け工程]、[地山改良工程]、[地山掘削工程]、が
以下に示すように安定的に行われる。すなわち、[初期
地山改良工程]によって、切羽の前方前記L0までに位
置する地山a1が改良され、次に、[カッタヘッド後退
工程]により、[地山改良工程]における作業補助空間
dが確保される。さらに、[コンクリート吹き付け工
程]により、前記作業補助空間dを安定化させることが
できるとともに、[地山改良工程]において、地山改良
のためのセメントミルクの切羽bへの漏出が防止され
る。そして、[地山改良工程]によって、掘削先方の地
山a2、a3が改良されるため、[地山掘削工程]が、
地山a2の崩壊を防止しながら安定的に行われる。すな
わち、不良地山の場合においても、前記したような第1
サイクルが安定的に行われる。
【0074】また、前記第1サイクルの終了時点におい
て、切羽bの前方L0までに位置する地山a1は該第1
サイクルの[地山改良工程]によって改良された地山a
1である。そして、この第1サイクルで既に改良されて
いる地山a1、および、該第1サイクルの次の第2サイ
クルにおける[コンクリート吹き付け工程]によって形
成される吹き付けコンクリート面によって、該第2サイ
クルの、切羽bの前方L2までの[地山改良工程]にお
ける、地山改良のためのセメントミルク等の薬液の地山
a2、a3自体への浸透や、前記薬液の切羽b前面への
漏出が防止される。そしてこの第2サイクルの[地山改
良工程]によって、該第2サイクルの、切羽bの前方L
3までの[地山掘削工程]が安定的に行われる。すなわ
ち、不良地山においても、前記したような第2サイクル
が安定的に行われる。
【0075】さらに、前記第1サイクルの後、前記第2
サイクルが繰り返されるため、不良地山の場合において
も、連続して、すなわち、長区間にわたって安定的に地
山a1、a2の掘削を行うことができる。
【0076】[地山改良工程]において、切羽bの前
方前記L3までは、トンネル孔gの軸断面視において、
前記TBM1の最外径D1、例えば、5mと該D1より
所定径大きい径D2、例えば、10mとの間に位置する
地山a2(a1)が改良されるため、切羽bの前方L3
までの地山a2(a1)を掘削する[地山掘削工程]に
おいて、該地山a2(a1)の崩壊を防止しながら前記
D1内に位置する地山a2(a1)の掘削を安定的に行
うことができる。また、切羽bの前方前記L3から該切
羽bの前方前記L2までは、トンネル孔gの軸断面視に
おいて、前記D2内全体に位置する地山a3が改良さ
れ、強固に地山改良された部分が形成されるため、次の
サイクルの[地山改良工程]における地山a2、a3の
改良の効果を確実に維持することができる。したがっ
て、不良地山の場合においても、連続して、すなわち、
長区間にわたってより安定的に地山a2、a3の掘削を
行うことができる。
【0077】[地山改良工程]において、切羽bの前
方前記L3までは、トンネル孔gの軸断面視において、
前記TBM1の最外径D1、例えば、5mと該D1より
所定径大きい径D2、例えば、10mとの間に位置する
地山a2が満遍なくボーリング削孔されて該ボーリング
孔cにセメントミルク等の薬液が注入される。また、切
羽bの前方前記L3から該切羽bの前方前記L2まで
は、トンネル孔gの軸断面視において、前記D2内全体
に位置する地山a3が満遍なくボーリング削孔されて該
ボーリング孔cに前記薬液が注入される。したがって、
あるサイクルにおいて、掘削先方の地山a2、a3が確
実に改良されるため、切羽bの前方前記L3までの[地
山掘削工程]を安定的に行うことができるとともに、次
のサイクルの[地山改良工程]の効果を確実に維持する
ことができる。したがって、不良地山の場合において
も、連続して、すなわち、長区間にわたってさらに安定
的に地山aの掘削を行うことができる。
【0078】[カッタヘッド後退工程]においては、
カッタヘッドを前記排土コンベヤ9およびホッパ8に干
渉させることなく安定的に後退させることができる。ま
た、[コンクリート吹き付け工程]、[地山改良工程]
においては、TBM1内部における作業空間10が確保
される。前記作業空間10によって、[地山改良工程]
においては、地山改良のためのボーリング削孔機6の削
孔シリンダ6cのリフト半径・スイング半径が確保され
るとともに、作業員がボーリング削孔機6を操作したり
するための作業空間が確保される。また、[コンクリー
ト吹き付け工程]においては、作業員が切羽bにコンク
リートを吹き付けたりするための作業空間が確保され
る。したがって、不良地山の場合においても、連続し
て、すなわち、長区間にわたってさらに安定的に地山の
掘削を行うことができる。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、カッタヘ
ッドを胴体内部側に後退させることにより、切羽と掘削
機とが切り離されるとともに、地山を改良する際等にお
いて必要不可欠となる、切羽とカッタヘッドとの間の作
業補助空間が確保される。また、時としてカッタヘッド
が岩塊をかみ込んだ場合においても、カッタヘッドを胴
体内部側に後退させることにより、カッタヘッドが容易
に該岩塊から切り離され、岩塊等によるカッタヘッドの
回転拘束が防止される。さらに、前記カッタヘッドには
開閉可能な開口部が形成されており、前記ボーリング削
孔機はカッタヘッドの後方に設けられているため、より
容易に地山改良用のボーリング孔を削孔できるととも
に、切羽前方のより広範囲に位置する地山に前記ボーリ
ング孔を削孔することが可能である。以上により、安定
した作業補助空間を利用しながら、掘削先方の、より広
範囲に位置する地山に容易にボーリング孔を削孔して、
この後、例えば、このボーリング孔にセメントミルク等
の薬液を注入することにより、地山の改良を行うことが
できる。したがって、不良地山の場合においても、安定
的に地山の掘削を行うことが可能である。
【0080】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、カ
ッタヘッドの外周部に設けられているカッティングツー
ルを該カッタヘッドの内部側に引き込んでおくことによ
り、カッタヘッドを前記胴体内部側に後退させる際の、
前記カッティングツールと該胴体との干渉が防止される
とともに、該カッティングツールによって不良地山が削
り取られて崩壊することなく、切羽とカッタヘッドとの
間の前記作業補助空間が確保される。したがって、不良
地山の場合においても、より安定的に地山の掘削を行う
ことが可能である。
【0081】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明と同様の効果が得られることは勿論の
こと、前記排土コンベヤおよびホッパを前記胴体内部の
後部側まで移動させておくことによって、カッタヘッド
を該排土コンベヤおよびホッパに干渉することなく前記
胴体内部側に後退させることができるとともに、地山改
良等の補助工法時の掘削機内部における作業空間が確保
される。前記作業空間によって、地山改良のためのボー
リング削孔機の作業半径、すなわち、削孔シリンダのリ
フト半径・スイング半径が確保されるとともに、作業員
が切羽にコンクリートを吹き付けたり、ボーリング削孔
機を操作したりするための作業空間が確保される。した
がって、不良地山の場合においても、さらに安定的に地
山の掘削を行うことが可能である。
【0082】請求項4記載の発明によれば、掘削初期段
階における一連の工程から構成される第1サイクル、す
なわち、掘削の初期段階において切羽の前方前記L0ま
での地山が改良される工程、カッタヘッド後退工程、コ
ンクリート吹き付け工程、地山改良工程、地山掘削工
程、が以下に示すように安定的に行われる。すなわち、
切羽の前方前記L0までに位置する地山が改良され、次
に、カッタヘッド後退工程により、地山改良工程におけ
る作業補助空間が確保される。さらに、コンクリート吹
き付け工程により、前記作業補助空間を安定化させるこ
とができるとともに、地山改良工程において、地山改良
のためのセメントミルクの切羽への漏出が防止される。
そして、地山改良工程によって、掘削先方の地山が改良
されるため、地山掘削工程が、地山の崩壊を防止しなが
ら安定的に行われる。すなわち、不良地山の場合におい
ても、前記したような第1サイクルが安定的に行われ
る。
【0083】また、前記第1サイクルの終了時点におい
て、切羽の前方L0までに位置する地山は該第1サイク
ルの地山改良工程によって改良された地山である。そし
て、この第1サイクルで既に改良されている地山、およ
び、該第1サイクルの次の第2サイクルにおけるコンク
リート吹き付け工程によって形成される吹き付けコンク
リート面によって、該第2サイクルの、切羽の前方L2
までの地山改良工程における、地山改良のための薬液の
地山自体への浸透や、前記薬液の切羽面への漏出が防止
される。そしてこの第2サイクルの地山改良工程によっ
て、該第2サイクルの、切羽の前方L3までの地山掘削
工程が安定的に行われる。すなわち、不良地山において
も、前記したような第2サイクルが安定的に行われる。
【0084】さらに、前記第2サイクルが繰り返される
ため、不良地山の場合においても、連続して、すなわ
ち、長区間にわたって安定的に地山の掘削を行うことが
できる。
【0085】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、切
羽の前方前記L3までは、掘削孔の軸断面視において、
前記掘削機の最外径D1と該D1より所定径大きい径D
2との間に位置する地山が改良されるため、切羽の前方
L3までの地山を掘削する地山掘削工程において、該地
山の崩壊を防止しながら前記D1内に位置する地山の掘
削を安定的に行うことができる。また、切羽の前方前記
L3から該切羽の前方前記L2までは、掘削孔の軸断面
視において、前記D2内全体に位置する地山が改良さ
れ、強固に地山改良された部分が形成されるため、次の
サイクルの地山改良工程における地山の改良の効果を確
実に維持することができる。したがって、不良地山の場
合においても、連続して、すなわち、長区間にわたって
より安定的に地山の掘削を行うことができる。
【0086】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、切
羽の前方前記L3までは、掘削孔の軸断面視において、
前記掘削機の最外径D1と該D1より所定径大きい径D
2との間に位置する地山が満遍なくボーリング削孔され
て該ボーリング孔に薬液が注入される。また、切羽の前
方前記L3から該切羽の前方前記L2までは、掘削孔の
軸断面視において、前記D2内全体に位置する地山が満
遍なくボーリング削孔されて該ボーリング孔に薬液が注
入される。したがって、あるサイクルにおいて、掘削先
方の地山が確実に改良されるため、切羽の前方前記L3
までの地山掘削工程を安定的に行うことができるととも
に、次のサイクルの地山改良工程の効果を確実に維持す
ることができる。したがって、不良地山の場合において
も、連続して、すなわち、長区間にわたってさらに安定
的に地山の掘削を行うことができる。
【0087】請求項7記載の発明によれば、請求項4〜
6のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られること
は勿論のこと、前記カッタヘッド後退工程においては、
カッタヘッドを前記排土コンベヤおよびホッパに干渉さ
せることなく安定的に後退させることができる。また、
前記コンクリート吹き付け工程、前記地山改良工程にお
いては、掘削機内部における作業空間が確保される。前
記作業空間によって、前記地山改良工程においては、地
山改良のためのボーリング削孔機の削孔シリンダのリフ
ト半径・スイング半径が確保されるとともに、作業員が
ボーリング削孔機を操作したりするための作業空間が確
保される。また、前記コンクリート吹き付け工程におい
ては、作業員が切羽にコンクリートを吹き付けたりする
ための作業空間が確保される。したがって、不良地山の
場合においても、連続して、すなわち、長区間にわたっ
てさらに安定的に地山の掘削を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネルボーリングマシンの、
(a)は側断面図であり、(b)は該トンネルボーリン
グマシンのカッタヘッドを示す正面図である。
【図2】本発明に係るトンネルボーリングマシンのカッ
タヘッドを示す、(a)はディスクカッタ等が配された
状態を示す正面図、(b)はカッタビット等が配された
状態を示す正面図、(c)は中央開口部が開口した状態
を示す正面図である。
【図3】本発明に係るトンネルボーリングマシンのカッ
タヘッドの外周部に配されているディスクカッタを示す
図であり、(a)は該ディスクカッタの掘削時の位置を
示す図であり、(b)は該ディスクカッタがカッタヘッ
ドの内部側に引き込まれた状態を示す図である。
【図4】本発明に係るトンネルボーリングマシンの、そ
のカッタヘッドが切羽に接した状態を示す側断面図であ
る。
【図5】本発明に係るトンネルボーリングマシンの、そ
のカッタヘッドを後退させた状態を示す側断面図であ
る。
【図6】本発明に係るトンネルボーリングマシンの、そ
のカッタヘッドの中央開口部を開口した状態を示す側断
面図である。
【図7】本発明に係るトンネルボーリングマシンに設け
られているボーリング削孔機によって、掘削先方の地山
を改良している様子を示す平断面図である。
【図8】本発明に係るトンネルボーリングマシンに設け
られているボーリング削孔機によって、掘削先方の地山
を改良している様子を示す側断面図である。
【図9】前記ボーリング削孔機によって改良された地山
を示す、(a)は図7、図8におけるA−A断面(L3
区間)を示す図、(b)は図7、図8におけるB−B断
面(L0区間)を示す図である。
【図10】カッタヘッドを回転させながら、前記ボーリ
ング削孔機によって、地山を改良していく一連の工程を
示す図である。
【図11】トンネルボーリングマシンに設けられている
ボーリング削孔機によってボーリング孔を削孔しなが
ら、掘削先方の地山の探査を行っている様子を示す図で
ある。
【図12】トンネルボーリングマシンに設けられている
ボーリング削孔機によって削孔したボーリング孔に、ボ
アホールカメラを送通している様子を示す図である。
【図13】トンネルボーリングマシン弾性波を起振する
とともに、断層等によって反射された反射波をトンネル
ボーリングマシンで受波している様子を示す図である。
【符号の説明】
1 トンネルボーリングマシン、TBM(掘削機) 2 スキンプレート(胴体) 3 カッタヘッド 6 ボーリング削孔機 8 ホッパ 9 排土コンベヤ 15 ディスクカッタ(カッティングツール) 15a (カッタヘッドの外周部に配された)ディスク
カッタ(同) 16 センタ用ディスクカッタ(同) 17 スクレーパビット(同) 18 先行ビット(同) 19 フィッシュテールカッタ(同) 20 薬注開口部(開口部) 21 中央開口部(開口部) a1 (切羽の前方L0までに位置する)地山 a2 (切羽の前方L3と該切羽の前方L0との間に
位置する)地山 a3 (切羽の前方L2と該切羽の前方L3との間に
位置する)地山 b 切羽 c ボーリング孔 g トンネル孔(掘削孔)
フロントページの続き (72)発明者 北川 隆 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 村上 賢 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 岡本 和之 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 2D054 AC08 BA07 DA02 FA02 FA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】胴体と、地山を掘削するためのカッタヘッ
    ドと、が備えられている掘削機であって、 前記カッタヘッドは前記胴体内部側に後退可能に設けら
    れており、 前記カッタヘッドには、切羽に通じる開口部が開閉可能
    に形成されており、 前記カッタヘッドの後方には、地山改良用のボーリング
    孔を削孔するためのボーリング削孔機が前記開口部を挿
    通可能に設けられていることを特徴とする掘削機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の掘削機において、 カッタヘッドにはカッティングツールが設けられてお
    り、該カッティングツールのうち前記カッタヘッドの外
    周部に配されているカッティングツールは前記カッタヘ
    ッドの内部側に引き込み可能に設けられていることを特
    徴とする掘削機。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の掘削機において、 前記胴体内部には、掘削した土砂を該胴体後方に排出す
    るための排土コンベヤおよびホッパが設けられており、 この排土コンベヤおよびホッパは、前記胴体内部の後部
    側に移動可能に設けられていることを特徴とする掘削
    機。
  4. 【請求項4】請求項1記載の掘削機によって地山を掘削
    する掘削方法であって、 先ず、切羽から前方所定長さL0までに位置する地山に
    対し、前記ボーリング削孔機を前記開口部に挿通させな
    がらボーリング削孔を行うとともに、このボーリング孔
    に薬液を注入することにより地山の改良を行い、 次に、前記カッタヘッドを所定長さL1後退させるカッ
    タヘッド後退工程と、 前記カッタヘッド後退工程によって生じる切羽と前記カ
    ッタヘッドとの間の空間を利用して切羽にコンクリート
    を吹き付けるコンクリート吹き付け工程と、 前記コンクリート吹き付け工程の後、切羽の前方所定長
    さL2までに位置する地山に対し、前記ボーリング削孔
    機を前記開口部に挿通させながらボーリング削孔を行う
    とともに、このボーリング孔に薬液を注入することによ
    り地山の改良を行う地山改良工程と、 前記地山改良工程の後、切羽から前方に、前記L2より
    前記L0だけ短い所定長さL3までに位置する地山を掘
    削する地山掘削工程と、を繰り返し行うことを特徴とす
    る掘削方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の掘削方法において、 前記地山改良工程において、切羽の前方前記L3まで
    は、掘削孔(トンネル孔g)の軸断面視において、前記
    掘削機の胴体の最外径D1と、該D1より所定径大きい
    径D2との間に位置する地山に前記地山改良を行い、 切羽の前方前記L3から該切羽の前方前記L2までは、
    掘削孔(トンネル孔g)の軸断面視において、前記D2
    内全体に位置する地山に前記地山改良を行うことを特徴
    とする掘削方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の掘削方法において、 前記地山改良工程は、 前記ボーリング削孔機をカッタヘッドに形成されている
    開口部に挿通させながらボーリング削孔を行うととも
    に、このボーリング孔に薬液を注入することにより地山
    の改良を行う削孔薬注工程と、 前記削孔薬注工程の後、カッタヘッドを所定角度回転さ
    せるカッタヘッド回転工程と、を繰り返すことを特徴と
    する掘削方法。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載の掘削方法
    において、 前記カッタヘッド後退工程、前記コンクリート吹き付け
    工程、前記地山改良工程においては、前記排土コンベヤ
    およびホッパを前記胴体内部の後部まで移動させておく
    ことを特徴とする掘削方法。
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