JP2002363897A - 電気絶縁用不織布およびその製造法、ならびにプリプレグおよび積層板 - Google Patents
電気絶縁用不織布およびその製造法、ならびにプリプレグおよび積層板Info
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Abstract
維チョップ同士を結着するバインダ成分に有機繊維パル
プを含む電気絶縁用不織布であるプリント配線板を対象
とし、光学式自動検査装置によるプリント配線パターン
検査時に、欠陥でない箇所を欠陥と認識してしまう誤検
出を防止する。 【解決手段】パラ型アラミド繊維チョップを主成分と
し、繊維チョップ同士を結着するバインダとして有機繊
維パルプを含む電気絶縁用不織布であって、当該不織布
中の有機繊維パルプ凝集物の最大長を1mm以下にす
る。このような不織布は、パラ型アラミド繊維を主成分
として水中に分散した第一の分散液と、繊維チョップ同
士を結着するバインダ成分として用いる有機繊維パルプ
を水中に分散した第二の分散液を調製し、これら第一と
第二の分散液を混合して抄紙する。
Description
プ、例えば、パラ型アラミド繊維チョップを主体とする
電気絶縁用不織布とその製造法に関する。また、前記電
気絶縁用不織布を基材とするプリプレグや積層板(プリ
ント配線板、多層プリント配線板をその概念に含む)に
関するものである。このプリント配線板や多層プリント
配線板は、抵抗、IC等のリードレスチップ部品を表面
実装するのに適したものである。
小型軽量化され、電子機器に使用されるプリント配線板
は多層プリント配線板が主流となり、電子部品の搭載は
表面実装方式が主流となっている。これらプリント配線
板の高密度化に伴い、絶縁層を介する配線間の接続は、
当該絶縁層に開けたIVH(Interstitial Via Hole)
を用いて行ない、特に、レーザ光の照射によるIVH加
工が主流になってきた。このように、プリント配線板に
はレーザ光の照射による穴あけ加工が容易であることが
望まれている。
般に、ガラス繊維織布を基材としこれにエポキシ樹脂を
含浸し硬化させたもので構成されている。多層プリント
配線板に電子部品を搭載する場合、電子部品と絶縁層の
熱膨張係数をできるだけマッチングさせる必要がある
が、ガラス繊維織布とエポキシ樹脂の組合せによる絶縁
層は、搭載する電子部品より熱膨張係数がかなり大き
い。絶縁層と、プリント配線板に半田付により搭載した
電子部品の間の熱膨張係数差が大きいと、使用中の冷熱
サイクルで前記熱膨張係数差に起因して発生した応力が
半田接続部に集中し、半田接続部にクラックを生じるこ
とがある。
の絶縁層として、負の熱膨張係数を有するパラ型アラミ
ド繊維不織布や織布を基材とし、これにエポキシ樹脂を
含浸した構成が注目されるようになってきた。
ドアップ工法により多層プリント配線板を製造するとき
の絶縁層基材として用いられる。前記基材に熱硬化性樹
脂を含浸し加熱乾燥したプリプレグの表面にPETフィ
ルムをラミネートし、その所定箇所にレーザ光を照射し
て穴をあけ、この穴にペースト状導電材料を充填する
(充填した導電材料は絶縁層を介するプリント配線間を
導通させるためのものである)。前記ペースト状導電材
料を充填したプリプレグ層(PETフィルムを剥離済
み)の両面に銅箔を載置して加熱加圧成形により一体化
し、銅箔をプリント配線に加工する。このプリント配線
板に、さらに前記と同様にペースト状導電材料を充填し
たプリプリプレグ層を介して銅箔を加熱加圧成形により
一体化し、この銅箔もまたプリント配線に加工する。こ
のようにしてプリント配線を順次積み重ね(ビルドアッ
プし)、プリント配線を多層化する(特開平5−175
650号公報、特開平7−176846号公報)。この
技術によれば、絶縁層を介してその上下に位置している
プリント配線間の接続を完全なIVHによって実現した
多層プリント配線板を製造することができる。また、ペ
ースト状導電材料が固化してできた導体の直上にさらに
IVHを形成できる。この技術では、通常のビルドアッ
プ工法と異なり、プリプレグにPETフィルムをラミネ
ートしてレーザ光照射による穴あけをし、ペースト状導
電材料を充填後に、プリプリプレグ層を介して銅箔を加
熱加圧成形するため、プリプレグ状態での工程間寸法安
定性が重要となっている。プリプレグ状態での工程間寸
法変化を抑え安定化させるには、パラ型アラミド繊維不
織布の引張り強度、弾性率を向上させればよい。不織布
の弾性率を向上させるには、繊維同士の結着力を大きく
すればよく、その一手段として、繊維径の細い有機繊維
パルプを混合して、繊維同士の結着点を増やし、結着力
を増加させる技術がある。
の製造工程は、加熱加圧成形工程、銅箔を所定の配線パ
ターン形状に加工するエッチング工程、配線パターンの
欠陥(欠け、突起、ショート、ピンホール、残銅)の有
無を確認する検査工程を経る。最近のプリント配線設計
は、配線幅60μm、配線間隔90μm程度まで細線化
する。このような細線の配線パターンを対象とする検査
は、目視による外観検査の限界を超えており、光学式自
動検査装置(AOI装置)を用いるようになっている。
AOI装置はプリント配線板に形成された配線パターン
を光学的に読み取り、そのパターンの欠陥(欠け、突
起、ショート、ピンホール、残銅)を自動的に検出する
装置である。照明系に用いられているLEDを光源とし
てプリント配線板に光を照射し、そのプリント配線板か
らの反射光量が、配線部と絶縁層部で異なることを利用
して、配線パターンの欠陥を判別する。
し、繊維チョップ同士を結着するバインダとして有機繊
維パルプを含んだ電気絶縁用不織布を用い、これに熱硬
化性樹脂を含浸し乾燥したプリプレグ層を加熱加圧成形
した積層板をプリント配線板に加工した場合、次のよう
な問題が判明した。それは、配線パターンをAOI装置
で自動検査すると、本来の欠陥(欠け、突起、ショー
ト、ピンホール、残銅)でないにも拘らず、欠陥がある
と認識する誤検出が多発することである。
チョップをはじめとする有機繊維チョップを主成分と
し、繊維チョップ同士を結着するバインダ成分として有
機繊維パルプを含んだ電気絶縁用不織布を絶縁層基材に
用いたプリント配線板に特有の問題である。本発明が解
決しようとする課題は、前記電気絶縁用不織布に着目し
て、AOI装置でプリント配線パターンの欠陥を自動検
査するときに発生する欠陥の誤検出を防止することであ
る。
したところ、プリント配線板中に、配線パターン部分や
絶縁層部分とはLED光反射量が異なる部分が存在し、
配線パターン部分と絶縁層部分のLED光反射量の差を
読み取って欠陥の検査を行なうAOI装置が、前記配線
パターン部分や絶縁層部分とはLED光反射量が異なる
部分を欠陥として認識してしまうことが分かった。さら
に調査を進めると、欠陥でないにも拘らず欠陥と認識さ
れた箇所は、繊維パルプが凝集している箇所であること
が判明した。この凝集物の形状は円状又は線状であっ
た。有機繊維チョップを叩解してパルプ化すると、繊維
径が微細となることによって、繊維表面形状が変化し、
もとの繊維の色調とは異なった色調となる。ここに熱硬
化性樹脂を含浸し硬化させると、色調の変化が更に増幅
されるのである。
なしたものである。本発明に係る電気絶縁用不織布は、
有機繊維チョップを主成分とし、繊維チョップ同士を結
着するバインダ成分として有機繊維パルプを含んだ電気
絶縁用不織布であって、上記課題を解決するために、当
該不織布中の有機繊維パルプに起因する凝集物の最大長
を1mm以下に抑えたことを特徴とする。不織布におけ
る前記凝集物の大きさをこのように制限することが、プ
リント配線板のAOI装置による検査で、誤検出を起こ
さないようにするために必要である。ここで、パルプと
は、有機繊維チョップを叩解してμmオーダ以下に叩解
した繊維形態を言う。叩解度を表す指標としてフリーネ
ス(csf)を用いるが、この指標は、数値が小さいほど
叩解度が進んでいることを示す。
製造する。有機繊維チョップを主成分としてこれを水中
に分散した第一の分散液と、繊維チョップ同士を結着す
るバインダ成分として用いる有機繊維パルプを水中に分
散した第二の分散液を調製する。そして、前記第一の分
散液と第二の分散液を混合して抄紙を行なうことを特徴
とする。前記それぞれの分散液を調製する手段は特に限
定するものではない。有機繊維チョップと有機繊維パル
プを初めから一緒に水中で混合すると、有機繊維パルプ
は十分に分散しきれず、有機繊維チョップ中に凝集した
まま抄き込まれてしまう。上記のように第一と第二の分
散液を準備し、これを混合することにより有機繊維パル
プ凝集物の最大長を1mm以下に抑えた電気絶縁用不織
布を製造することが可能になる。
機繊維チョップは、例えば、パラ型アラミド繊維チョッ
プであり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
および/又はポリ−p−フェニレン3,4’−ジフェニ
ルエーテルテレフタルアミド繊維であることが望まし
い。これら繊維チョップとその他の有機繊維チョップと
の混合でもよく、配合比を限定するものではない。その
他の有機繊維チョップは、例えば、メタ型アラミド繊維
(ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド繊維)、ポリ
エステル繊維、6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、P
BO繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、
高重合度ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維などの
チョップが上げられる。有機繊維チョップ同士を結着す
るバインダ成分として用いる有機繊維パルプは、ポリ−
p−フェニレンテレフタルアミド繊維チョップおよび/
又はポリ−p−フェニレン3,4’−ジフェニルエーテ
ルテレフタルアミド繊維チョップを叩解したものである
ことが望ましく、これら繊維パルプとその他の有機繊維
パルプとの混合でもよく、配合比を限定するものではな
い。
に説明する。この例は、ポリ−p−フェニレンテレフタ
ルアミド繊維チョップ(繊維径12μm、繊維長5mm)
を主成分とし、バインダ成分としてポリ−p−フェニレ
ンテレフタルアミド繊維パルプ(フリーネス50csf)
を混抄し、さらに、エポキシ樹脂バインダで繊維同士を
結着した例である。エポキシ樹脂バインダを用いずに、
あるいはエポキシ樹脂バインダに加えて熱可塑性樹脂繊
維チョップを混抄しておき、これで繊維同士を熱融着し
てもよい。
成分となるポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
チョップを水中に分散した第一の分散液を調製する。ま
た、繊維チョップ同士を結着するバインダ成分として用
いるポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維パルプ
を水中に分散した第二の分散液を調製する。これら第一
と第二の分散液を混合して抄紙し、抄造シートにエポキ
シ樹脂バインダを所定量スプレーした後、加熱乾燥して
規定質量の不織布原紙とする。このようにして不織布原
紙を作製すると、不織布原紙中のポリ−p−フェニレン
テレフタルアミド繊維パルプ凝集物の最大長を1mm以
下にできる。第二の分散液の調製は、好ましくは、ポリ
−p−フェニレンテレフタルアミド繊維パルプを含む水
を狭い間隙に通過させることにより実施する。前記狭い
間隙は100μm以下であることが望ましい。より好ま
しくは、間隙は10〜100μmである。間隔が100
μmを越えると、一旦発生したパルプ凝集物を破砕する
効果が不十分となる傾向がある。一方、間隔が10μm
未満では、パルプが細かくなりすぎ、抄紙性を悪化させ
る恐れがあり、製造面で問題となる場合がある。さらに
好ましくは、第二の分散液は、第一の分散液と混合する
までは、攪拌シェアをできるだけ抑制し凝集を抑える。
このような好ましい手段は、パルプ凝集物の最大長をさ
らに小さくするために有効である。第二の分散液は、パ
ルプの濃度を0.2質量%以上に維持するとよい。より
に好ましくは、パルプの濃度は0.2〜2質量%であ
る。パルプ濃度が0.2質量%未満では、混合時及び緩
やかな攪拌でも、流動性が高すぎてパルプ凝集物が発生
しやすくなり、品質上問題になる傾向がある。一方、パ
ルプ濃度が2質量%を越えると、スラリーの流動性が低
下して、抄紙性を悪化させる恐れがあり、製造面で問題
となる場合がある。
いて所定の熱と圧力を加え、所定の密度に調整して、電
気絶縁用不織布とする。
プリプレグならびに積層板を構成する。プリプレグは、
前記不織布に熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)を含
浸し加熱乾燥して製造する。積層板は、プリプレグの層
を加熱加圧成形して製造するが、プリプレグの層の少な
くとも表面層に前記プリプレグを用いる。積層板の加熱
加圧成形は、必要に応じて表面に銅箔を重ねて行ない、
金属箔張り積層板とする。プリント配線板は、少なくと
も表面の絶縁層を、前記プリプレグを加熱加圧成形した
もので構成する。
ルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12μ
m,繊維長5mm)チョップを水中に分散し第一の分散液
とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維パ
ルプ(フリーネス50csf)を別途水中に攪拌機で分散
し第二の分散液とする。これら第一と第二の分散液を混
合して抄紙し、抄造シートにエポキシ樹脂バインダをス
プレーして付着させる。エポキシ樹脂バインダは、エポ
キシ樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業製「Vコ
ートA」)とブロックイソシアネート樹脂(大日本イン
キ化学工業製「CR−60B」)を主成分とし、エポキ
シ樹脂の質量10に対するブロックイソシアネート樹脂
の配合質量(硬化剤質量)を1としたものを用いた。こ
れを、加熱乾燥し、線圧力200kN/m、温度350℃
に設定した一対の熱ロールの間に通すことにより加熱圧
縮した。この電気絶縁用不織布は、単位質量72g/m
2、密度620kg/m3、ポリ−p−フェニレンテレフ
タルアミド繊維チョップとポリ−p−フェニレンテレフ
タルアミド繊維パルプの配合質量比率(ポリ−p−フェ
ニレンテレフタルアミド繊維チョップ/ポリ−p−フェ
ニレンテレフタルアミド繊維パルプ)80/20、不織
布中のエポキシ樹脂バインダ含有量17質量%の成分組
成である。この不織布に臭素化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂ワニスを含浸し加熱乾燥して、樹脂含有量52
質量%のプリプレグを得た。上記プリプレグ1枚の上下
面に銅箔(厚さ18μm厚)を載置し、温度190℃、
圧力4.9MPaで加熱加圧成形し銅張り積層板を得た。
この積層板の銅箔部分を全面エッチングして除去し、3
00mm×300mmに裁断して、AOI検査用試料を準備
した。
タルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12
μm、繊維長5mm)チョップを水中に分散し第一の分
散液とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊
維パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散し第
二の分散液とする。第二の分散液は、80μmの間隙を
通過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、第一の
分散液と混合するまで緩やかに攪拌した。これら第一と
第二の分散液を混合して抄紙し、以下は実施例1と同様
にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査用試料を
準備した。
タルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12
μm、繊維長5mm)チョップを水中に分散し第一の分
散液とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊
維パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散し第
二の分散液とする。第二の分散液は、80μmの間隙を
通過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、且つ第
一の分散液と混合するまで、攪拌せずに放置した。これ
ら第一と第二の分散液を混合して抄紙し、以下は実施例
1と同様にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査
用試料を準備した。
4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人
製「テクノーラ」,繊維径12μm,繊維長5mm)チョ
ップを水中に分散し第一の分散液とする。ポリ−p−フ
ェニレンテレフタルアミド繊維パルプ(フリーネス50
csf)を別途水中に分散し第二の分散液とする。第二の
分散液は、80μmの間隙を通過させてから、濃度を
0.2質量%に調製し、且つ第一の分散液と混合するま
で、攪拌せずに放置した。これら第一と第二の分散液を
混合して抄紙し、以下は実施例1と同様にして銅張り積
層板を得た。また、AOI検査用試料を準備した。
4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人
製「テクノーラ」,繊維径12μm,繊維長5mm)チョ
ップを水中に分散し第一の分散液とする。ポリ−p−フ
ェニレン3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミ
ド繊維パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散
し第二の分散液とする。第二の分散液は、80μmの間
隙を通過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、且
つ第一の分散液と混合するまで、攪拌せずに放置した。
これら第一と第二の分散液を混合して抄紙し、以下は実
施例1と同様にして銅張り積層板を得た。また、AOI
検査用試料を準備した。
タルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12
μm,繊維長5mm)チョップとポリ−m−フェニレンイ
ソフタルアミド繊維(帝人製「コーネックス」,繊維径
12μm、繊維長3mm)チョップを水中に分散し第一の
分散液とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド
繊維パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散し
第二の分散液とする。第二の分散液は、80μmの間隙
を通過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、且つ
第一の分散液と混合するまで、攪拌せずに放置した。こ
れら第一と第二の分散液を混合して抄紙し、実施例1と
同様にして電気絶縁用不織布を得た。この不織布は、ポ
リ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維チョップとポ
リ−m−フェニレンイソフタルアミド繊維チョップとポ
リ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維パルプの配合
質量比率(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
チョップ/ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド繊維
/ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維パルプ)
70/10/20、不織布中のエポキシ樹脂バインダ含
有量17質量%の成分組成である。以下は実施例1と同
様にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査用試料
を準備した。
タルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12
μm,繊維長5mm)チョップとポリ−m−フェニレンイ
ソフタルアミド繊維(帝人製「コーネックス」,繊維径
12μm,繊維長3mm)チョップを水中に分散し第一
の分散液とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミ
ド繊維パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散
し第二の分散液とする。第二の分散液は、80μmの間
隙を通過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、且
つ第一の分散液と混合するまで、攪拌せずに放置した。
これら第一と第二の分散液を混合して抄紙し、抄造シー
トを加熱乾燥し、線圧力200kN/m、温度350℃に
設定した一対の熱ロールの間に通すことにより加熱圧縮
した。この電気絶縁用不織布は、ポリ−p−フェニレン
テレフタルアミド繊維チョップとポリ−m−フェニレン
イソフタルアミド繊維チョップとポリ−p−フェニレン
テレフタルアミド繊維パルプの配合質量比率(ポリ−p
−フェニレンテレフタルアミド繊維チョップ/ポリ−m
−フェニレンイソフタルアミド繊維/ポリ−p−フェニ
レンテレフタルアミド繊維パルプ)70/10/20の
成分組成である。以下は実施例1と同様にして銅張り積
層板を得た。また、AOI検査用試料を準備した。
タルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12
μm,繊維長5mm)チョップを水中に分散し第一の分散
液とする。ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
パルプ(フリーネス50csf)を別途水中に分散し第二
の分散液とする。第二の分散液は、50μmの間隙を通
過させてから、濃度を0.2質量%に調製し、且つ第一
の分散液と混合するまで、攪拌せずに放置した。これら
第一と第二の分散液を混合して抄紙し、以下は実施例1
と同様にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査用
試料を準備した。
ルアミド繊維(デュポン製「ケブラー」,繊維径12μ
m,繊維長5mm)チョップとポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド繊維パルプ(フリーネス50csf)を同時
に水中に分散して抄造し、抄造シートにエポキシ樹脂バ
インダをスプレーして付着させる。以下は実施例1と同
様にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査用試料
を準備した。
ニレンテレフタルアミド繊維(デュポン製「ケブラ
ー」,繊維径12μm,繊維長5mm)チョップを水中に
分散して抄造し、抄造シートにエポキシ樹脂バインダを
スプレーして付着させる。ポリ−p−フェニレンテレフ
タルアミド繊維チョップ83質量%と熱硬化性樹脂バイ
ンダ含有量17質量%の成分組成である。この電気絶縁
用不織布は、有機繊維パルプを配合していないので、繊
維パルプ凝集物の発生箇所はない。以下は実施例1と同
様にして銅張り積層板を得た。また、AOI検査用試料
を準備した。
いた繊維パルプ凝集物の内で最大のものの最大長を、顕
微鏡により撮影して計測した。また、実施例1〜8と比
較例の検査用試料を、AOI装置(大日本スクリーン製
造(株)製PI−7900)により検査した。検査条件
は、赤色LED光源、分解能8μm、検出サイズ16×
16μmである。比較検査用試料を基準として、これに
対するAOI比較検査を行ない、繊維パルプ凝集物が原
因となって発生する欠陥の誤検出数を計数した。その結
果を表1に併せて示す。
デザインルールチェック法がある。比較法とは、予め良
品パターンを読み取ってメモリーしておき、次に被検査
パターンを読み取りながら、これを良品パターンのデー
タと比較して欠陥を検出するものである。デザインルー
ルチェック法とは、被検査パターンを設計規則に照合
し、その規則から外れる個所を欠陥として判定するもの
である。上記の繊維パルプ凝集物が原因となって発生す
る欠陥の誤検出数の計数は、残銅等の影響を排除し、繊
維パルプ凝集物が原因となって発生する欠陥の誤検出数
の計数を行なうために比較法を採用した。しかし、デザ
インルールチェック法を採用してもほぼ同様の結果がで
る。
1〜8における積層板は、使用した電気絶縁用不織布に
繊維パルプ凝集物が存在しているものの、AOI検査で
は、繊維パルプ凝集物に起因する欠陥の誤検出が見られ
なかった。一方、比較例における積層板は、繊維パルプ
凝集物に起因する欠陥の誤検出が95個発生している。
電気絶縁用不織布にできる繊維パルプ凝集物の最大長を
1mm以下にすることにより、AOI装置で、繊維パルプ
凝集物に起因する欠陥の誤検出を回避できることが分か
る。実施例1と実施例2〜8の対比により、第二の分散
液の調製を100μm以下の狭い間隙に通して実施する
と、製造した電気絶縁用不織布中にできる繊維パルプ凝
集物をより小さくできることが分かる。さらに、実施例
2と実施例3〜8の対比により、第二の分散液の攪拌シ
ェアを抑制すると、繊維パルプ凝集物をより一層小さく
できることが分かる。
不織布は、これを用いて構成したプリント配線板のAO
I装置による自動検査において、欠陥でないにも拘らず
欠陥と認識してしまう誤検出を回避することに寄与す
る。本発明に係る方法によれば、繊維パルプ凝集物の大
きさが小さい電気絶縁用不織布を製造することができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】有機繊維チョップを主成分とし、繊維チョ
ップ同士を結着するバインダ成分として有機繊維パルプ
を含んだ電気絶縁用不織布であって、 当該不織布中の有機繊維パルプ凝集物の最大長が1mm以
下であることを特徴とする電気絶縁用不織布。 - 【請求項2】有機繊維チョップが、ポリ−p−フェニレ
ンテレフタルアミド繊維チョップおよび/又はポリ−p
−フェニレン3,4’−ジフェニルエーテルテレフタル
アミド繊維チョップであることを特徴とする請求項1記
載の電気絶縁用不織布。 - 【請求項3】有機繊維パルプが、ポリ−p−フェニレン
テレフタルアミド繊維チョップおよび/又はポリ−p−
フェニレン3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルア
ミド繊維チョップを叩解したものであることを特徴とす
る請求項1又は2記載の電気絶縁用不織布。 - 【請求項4】有機繊維チョップを主成分としてこれを水
中に分散した第一の分散液を調製し、繊維チョップ同士
を結着するバインダ成分として用いる有機繊維パルプを
水中に分散した第二の分散液を調製し、前記第一の分散
液と第二の分散液を混合して抄紙を行なうことを特徴と
する電気絶縁用不織布の製造法。 - 【請求項5】第二の分散液の調製を、100μm以下の
間隙を通過させることにより実施する請求項4記載の電
気絶縁用不織布の製造法。 - 【請求項6】シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸し乾燥
してなり、シート状基材が請求項1〜3のいずれかに記
載の電気絶縁用不織布であることを特徴とするプリプレ
グ。 - 【請求項7】シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸し乾燥
したプリプレグの層を加熱加圧成形してなり、プリプレ
グの層の一部ないし全部が請求項6記載のプリプレグで
あることを特徴とする積層板。
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JP2011099171A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 繊維基材及びこの繊維基材を用いた樹脂製歯車 |
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