JP2003306885A - 耐熱性薄葉紙及びそれからなるプリプレグ並びにプリント基板用積層体 - Google Patents
耐熱性薄葉紙及びそれからなるプリプレグ並びにプリント基板用積層体Info
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Abstract
被覆の損傷が少なく耐久性が極めて高い新規なプリント
基板用積層体、及び該プリント基板用積層体を形成する
ためのプリプレグ、並びに該プリプレグに好適に使用で
きる耐熱性薄葉紙を提供すること。 【解決手段】 単繊維繊度が0.85dtex以下の芳
香族ポリアミドからなる短繊維と有機系樹脂バインダ
ー、及び芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化してなる
パルプとを主成分とする耐熱性薄葉紙であって、該耐熱
性薄葉紙の厚さが45μm以下、目付けが40g/m2
以下である。
Description
よび該耐熱性薄葉紙に熱硬化性樹脂を含浸してなるプリ
プレグならびに該プリプレグを最外層に用いて加熱加圧
成形してなるプリント基板用積層体に関するものであ
り、詳しくは、表面平滑性や孔あけ加工性、電気接続信
頼性、耐クラック性、更に銅箔との接着性に優れたプリ
ント基板用積層体を形成するためのプリプレグ、及び、
該プリプレグに好適に使用できる耐熱性薄葉紙に関する
ものである。
や情報端末機、携帯電話等に関しては、小型化、軽量化
は勿論のこと、いっそうの高性能化、多機能化が求めら
れるようになってきた。そのため、かかる電子機器内部
に装着される半導体パッケージやそれを実装するプリン
ト基板用積層体に対しても、小型化、軽量化、高性能
化、高機能化が要求され、それに加えて、より高い電気
接続信頼性及びその耐久性も要求されるようになってき
た。
して、従来より、耐熱性、電気絶縁性、耐熱寸法安定
性、軽量性などの点で優れた芳香族ポリアミド繊維紙が
使用されている。
ミド短繊維(帝人(株)製「コーネックス」)とポリメ
タフェニレンイソフタルアミドパルプ(フィブリッド)
からなる紙;「電気絶縁紙」(特開平2−236907
号公報、特開平4−6708号公報など)、ポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド短繊維(デュポン(株)製
「ケブラー」)やコポリパラフェニレン・3,4’−オ
キシジフェニレン・テレフタルアミド短繊維(帝人
(株)製「テクノーラ」)と有機系樹脂バインダーから
なる芳香族ポリアミド繊維紙;「樹脂含浸シート」(特
開平1−92233号公報)や「芳香族ポリアミド繊維
紙の製造方法」(特開平2−47392号公報)などが
提案されている。
れるものの、250℃以上の高温で熱処理されると収縮
して寸法変化を生じるばかりでなく、繊維の平衡水分率
(含水率)が高く、且つ、不純イオンの含有量も多いの
で、特に長期間高湿度下で保持された場合における電気
絶縁性に劣るため、高度な信頼性が要求される電気絶縁
用基材には使用することができない。
及び不純イオンの含有量の点では前者のものに比べて優
れているものの、有機系樹脂をバインダー成分として使
用しているため、やはり不純イオン含有量及び吸水率が
高くなり、高度の信頼性が要求される電気絶縁用基材と
して使用することは難しい。
の最外層部には、銅箔(銅板)に感光性樹脂等をコーティ
ングしたRCC(レジン・コーテッド・カッパー)を用い
て積層し、一体化されたものが用いられてきた。しか
し、この方法による積層体では、銅箔(以下銅板と言う)
にコーティングされた樹脂皮膜の耐久性が問題となり、
その対策が求められている。
面にコーティングされた薄い樹脂皮膜が、電子機器が使
用される過酷な使用条件や、経年変化によりもろくなり
傷つき易く、特に、微小クラック等の発生により層間の
電気接続信頼性や回路間の電気接続信頼性を低下させ
て、所期の目的とする機能を長期にわたって維持出来な
くなるという問題を有していた。
る問題点を解決し、過酷な使用条件や、経年変化によっ
ても表面被覆の損傷が少なく耐久性が極めて高い新規な
プリント基板用積層体、及び該プリント基板用積層体を
形成するためのプリプレグ、並びに該プリプレグに好適
に使用できる耐熱性薄葉紙を提供することを目的とする
ものである。
達成するために鋭意検討した結果、パルプ(フィブリッ
ド)や有機系樹脂に代えて、芳香族ポリアミド繊維をフ
ィブリル化してなるパルプをバインダー成分として使用
するとき、所望の繊維紙及びそれからなるプリプレグ並
びにプリント基板用積層体が得られることを究明した。
度が0.85dtex以下の芳香族ポリアミドからなる
短繊維と有機系樹脂バインダー、及び芳香族ポリアミド
繊維をフィブリル化してなるパルプとを主成分とする耐
熱性薄葉紙であって、該耐熱性薄葉紙の厚さが45μm
以下、目付けが40g/m2以下であることを特徴とす
る耐熱性薄葉紙、(2)耐熱性薄葉紙に熱硬化性樹脂を
含浸して形成されたプリプレグであって、該耐熱性薄葉
紙が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性薄葉
紙であることを特徴とするプリプレグ、および(3)熱
硬化性樹脂を含浸して形成されたプリプレグを積層した
後、加熱加圧成形してなるプリント基板用積層体であっ
て、該プリプレグのうち、少なくとも最外層に配置され
たプリプレグが請求項7に記載されたプリプレグである
ことを特徴とするプリント基板用積層体が得られる。
は、芳香族ポリアミドからなる短繊維と有機系樹脂バイ
ンダー、及び芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化した
パルプからなり、また従来から使用されてきた芳香族ポ
リアミド繊維紙とは異なり、その厚さが45μm以下、
目付が40g/m2以下で、且つ芳香族ポリアミドから
なる短繊維の単繊維繊度が、0.85dtex以下であ
ることを特徴とする極薄手の紙である。
が好ましいが、均一な厚さや、積層体の加工工程に耐え
うる強力が必要であるために、実用的には8〜45μ
m、より好ましくは10〜30μmの範囲のものが用い
られ、また、目付は8〜40g/m2、より好ましくは
10〜25g/m2、更に好ましくは10〜20g/m2
の範囲にあるものが使用される。
厚さが厚くなりすぎて積層体の最外層に使用されるRC
Cに代わって使用することができなくなり、また、銅板
のエッチング加工やレーザー加工(孔あけ加工)、さら
に、ハンダで接続する際にその加工性が低下する。一
方、紙の目付が40g/m2を超えるものは、厚さを4
5μm以下にすることが困難であるばかりでなく、得ら
れる耐熱性薄葉紙の嵩密度を好ましい範囲とすることが
できず、RCCに代わって使用することが困難となる。
ド繊維は、公知のものが使用可能であり、例えば、ポリ
アミドを構成する繰り返し単位の80%(好ましくは9
0モル%以上)が、下記式(1)で表される芳香族ホモ
ポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる繊維
を使用することが出来る。特に、芳香族ポリアミド繊維
が拠り低吸水性になるようにハロゲン原子などで部分的
に置換され、変性された芳香族ポリアミド繊維が最適で
ある。
し、なかでも下記式(2)から選ばれた同一の、又は、
相異なる芳香族基が好ましい。但し、芳香族基の水素原
子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基など
で置換されていてもよい。
繊維特性については、例えば英国特許第1501948
号公報、米国特許第3733964号公報、第3767
756号公報、第3869429号公報、日本国特許の
特開昭49−100322号公報、特開昭47−108
63号公報、特開昭58−144152号公報、特開平
4−65513号公報などに記載されており、特に耐熱
性の優れたものとしてパラ型芳香族ポリアミド繊維があ
げられるが、これは前記Ar1、Ar2の50モル%以上
がパラ配位の芳香族基である繊維であり、具体的には、
ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(デュポン
(株)製「ケブラー」)や、コポリパラフェニレン・
3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド短繊
維(帝人(株)製「テクノーラ」)等が例示される。
て、前記のような薄葉紙を得るには、その単繊維繊度
が、0.85dtex(0.765de)以下、好ましく
は0.55dtex(0.50de)以下、更に好ましく
は、0.33dtex(0.30de)以下の極細繊維を
使用する。
は、紙の目付(g/m2)を小さくすることが必要である
が、ただ単に目付を小さくしたものでは単位面積当たり
に含まれる短繊維の本数が低下し、抄造の際の湿紙での
強力が低下して抄紙が困難となる上、例え紙を製造でき
たところで、単繊維の分散斑が発生し易くなって、紙の
厚さ方向や面方向の不均一性が増大するので好ましくな
い。
紙に、単繊維繊度が0.85dtex(0.765de)
以下の極細繊維を使用し、このような極細繊維を使用す
ることによって、該耐熱性薄葉紙の厚さ方向や面方向で
の単繊維の分散を均一にし、例えば、樹脂含浸してプリ
プレグ化された耐熱性薄葉紙にレーザー光を用いて孔あ
け加工を行う場合、孔の円形度や孔径の精度を、太い繊
維を用いて作成された耐熱性薄葉紙に比べて格段に向上
させる。
糸工程のトラブル(断糸や毛羽の発生等)の原因となるの
で実用的には、0.11〜0.9dtex(0.10〜
0.81de)の範囲のものが使用される。
は、繊維長(短繊維のカット長)を短くすることが考えら
れるが、単繊維繊度が0.9dtex(0.81de)を
超える場合、特に1.1dtex(1.0de)以上の場
合には、繊維長を短くすると、低い目付の紙の場合紙の
強度が低下し、このような低強度の紙は積層体作成工程
やその加工工程において切断などの種々の問題を生じる
ので好ましくない。
と、薄葉紙中に含まれる単繊維の本数が増加するため
に、繊維長をある程度短くしても紙の強度低下が大きく
ならないので好ましい。
葉紙の全重量に対して占める比率は65〜90%である
ことが好ましい。該比率が上記範囲を外れる場合は、得
られる耐熱性薄葉紙の耐熱性や熱寸法安定性が不良とな
り好ましくない。
成分である、芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化した
パルプとは、所定の長さに切断した芳香族ポリアミド短
繊維を、高圧ホモジナイザー、ディスクリファイナー、
コロイドミル、ジョルダン、ビーターなどを使用してフ
ィブリル化したものをいう。このような方法で作成され
た、芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化したパルプを
用いることにより、該パルプが抄造時に芳香族ポリアミ
ド繊維間の物理的な交絡を形成し、抄造時の湿紙の強力
を増大させ、且つ表面積が増大するので有機系樹脂バイ
ンダーの厚さ方向への含浸性も良好となり、本発明の目
的である、表面平滑性や孔あけ加工性、電気接続信頼
性、耐クラック性、更に銅箔との接着性に優れたプリン
ト基板用積層体を得ることが可能となる。
化したパルプが、の耐熱性薄葉紙中に占める比率は3〜
30重量%、好ましくは4〜25重量%である。該パル
プの混合比率が3重量%未満の場合、湿式抄造工程で紙
形成に必要な引張強力を維持できないことがあり、一
方、該比率が30重量%を越えると、得られる耐熱性薄
葉紙の嵩密度が大きくなりすぎ、配合ワニスの含浸性を
阻害することがある。
ブリル化したパルプは、湿式抄造工程において、短繊維
間を結合せしめるバインダーとしての機能を有するが、
その結合力(接着力)は、熱硬化性の樹脂、例えばエポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂等に比べて劣り、また、プリント配線板を形成す
る際に、上記の熱硬化性樹脂を添加せずに形成した耐熱
性薄葉紙を基材として用いると、銅箔との接着性が低下
し、所望の耐熱性薄葉紙が得られないので、これら熱硬
化性樹脂からなる水分散型の結合剤を添加することが必
要である。
る水分散可能なエポキシ系の樹脂を用いたものがプリプ
レグ工程で使用する配合ワニスとの相溶性がよく最適で
ある。更に、用途に応じて前記の有機系樹脂を混合して
使用してもよい。該結合剤が本発明の耐熱性薄葉紙中に
占める比率は3〜30重量%、好ましくは4〜20重量
%とすることが好ましい。該結合剤の混合比率が3重量
%未満では、配合ワニスとの相溶性向上の効果が充分に
得られないためにプリント配線板を形成した際に、銅箔
との接着性が低下することがあり、一方、該比率が30
重量%を越えると、湿式抄造工程における樹脂のマイグ
レーションを抑制できなくなり、紙の表裏側と中層部と
の層間接着力が不均一となって、その後のカレンダー工
程で紙中層部の短繊維の配向性や繊維密度分布の均一性
を低下せしめるので好ましくない。
る方法で製造してもよく、例えば、芳香族ポリアミド短
繊維及び芳香族ポリアミド短繊維をフィブリル化したパ
ルプを所定の比率になるように秤量し、繊維濃度が約
0.1〜0.4重量%になるように水中に投入して離解
し、均一分散させた水性スラリー中に、必要に応じて、
分散剤や粘度調整剤を加えた後、長網式や丸網式の抄紙
機による湿式抄造法で湿紙を形成し、この湿紙に有機系
のバインダー樹脂をスプレー方式等により所定の固形分
率比の重量になるよう付与した後に、乾燥して得た乾燥
紙を加熱加圧加工することにより、所望の耐熱性薄葉紙
を得ることができる。
香族ポリアミドをフィブリル化したパルプを高速流体で
開繊しながらベルト上にランダムに積層した後、有機系
のバインダー樹脂をスプレー方式で必要量付与し、加熱
加圧、乾燥して目的とする積層板用基材を得ることもで
きる。
その嵩密度が0.35〜1.0g/cm3、好ましく
は、0.4〜0.7g/cm3の範囲内にあるものがよ
い。該嵩密度が0.35g/cm3未満の場合は、紙の
中層部における短繊維相互間の接着力が低下して切断し
やすくなり、また、積層板の作成時に配合ワニスの紙内
部への含浸量が多くなりすぎ、プリプレグ製造工程やプ
リント基板用積層板の製造工程、特に、積層プレス工程
で含浸ワニスの流れに起因する短繊維の部分的な移動が
生じ、得られるプリント基板用積層物内部で繊維の密度
ムラが発生して、耐熱寸法安定性の悪化や耐変形性の増
大を招くことがある。
場合は、配合ワニスの紙内部への含浸性が悪くなり、得
られるプリント基板用積層物の電気絶縁性、耐熱寸法安
定性が低下し、耐変形性が増大することがあるので好ま
しくない。
常法により樹脂を含浸させたプリプレグを、プリント基
板用積層体の最外層(積層板の両側面)に配置し、銅板と
積層して成形プレスにより一体化すればプリント基板用
積層体が得られる。なお、必要に応じて該積層体の表層
部(積層体の両側面)にある複数の銅板(2〜3層)にも同
様の耐熱性薄葉紙からなるプリプレグを用い、積層させ
て使用することも出来る。
明するが、本発明は以下の内容に限定されるものではな
い。なお、実施例中における試験片の作成方法及び物性
の評価方法は以下の通りである。
成 パラ型芳香族ポリアミド短繊維、及びパラ型芳香族ポリ
アミド繊維をフィブリル化させたパルプを用い、パルパ
ーにより水中に離解分散させる際に、分散剤(松本油脂
(株)製、「YM−80」) を添加して抄紙用スラリーを作
成し、さらに、抄造工程で水分散性エポキシ樹脂バイン
ダー(ビスフェノールAエピクロルヒドリン型水分散型
エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、「ディック
ファインEN−0270」))の水希釈液(固形分濃度:1
0%)を用いてスプレー方式により付与し、芳香族ポリ
アミド繊維紙状物を得た。
を、直径:約250mmの一対の硬質表面金属ロールか
らなるカレンダー機を用いて、温度:230℃、線圧:
1568N(160kgf)/cmの条件で加熱、加圧し
た後、さらに、直径:約300mmの一対の硬質表面金
属ロールからなるカレンダー機を用い、温度:320
℃、線圧:1960N(200kg)/cmの条件で加
熱、加圧して、表1に示す坪量、厚さ、引張強力の値を
有する芳香族ポリアミド繊維からなる耐熱性薄葉紙を得
た。
ラス織布(目付:60g/m2)を用い、公知の方法によ
り、樹脂ワニスを含浸させた後、乾燥してそれぞれプリ
プレグを作成した。
はガラス織布からなるプリプレグと銅箔とを組み合わせ
て積層し、成形、エッチング処理して所定の回路を形成
せしめた積層体(例えば、銅−ガラス−銅−ガラス−銅
−ガラス−銅の配列(7枚配列)からなる積層体)からな
る支持体とし、該支持体の最外層に配置した銅箔の外側
に、さらに、前記(a)で作成した薄葉紙を用いたプリ
プレグと銅箔を配置して積層し、圧力196〜490N
/cm2(20〜50kg/cm2)、温度:170〜26
0℃の範囲で使用素材や樹脂ワニス種に応じて20〜6
0分間、熱プレスを行い一体化処理して、厚さ:0.5
mmのプリント基板用積層体を得た。
り作成したプリント基板用積層体の銅箔ピール強度を、
JIS C−6481の5.7に準じて測定した。
生評価 前記(1)の方法により作成したプリント基板用積層体の
最表層部の銅箔をエッチング処理し、続いてレジストを
コーティングして配線回路が形成されたプリント基板用
積層体を−55〜+125℃の温度範囲にて昇降温を8
00サイクル繰り返したあとに切断し、該切断面におい
て、特に、配線銅箔とレジストとの境界近辺をデジタル
ハイスコープシステム(KH−2400DP;(株)H
IROX)とカラービデオプリンター(US−2300;
ソニー(株))を用いて拡大して観察し、クラックの発
生状況を下記のように判定した。 ○:クラック発生なし(ランダムに15箇所を観察し、
クラックの発生が1箇所も認められなかったもの) △:クラック発生微量(ランダムに15箇所を観察し、
微少なクラックの発生が1箇所のみ認められたもの) ×:クラック発生多量(ランダムに15箇所を観察し、
クラックの発生が2箇所以上認められたもの)
定 前記(6)の方法で作成したプリント基板用積層体(繰り
返し昇降温試験前)について、熱分析装置(TMA:理学
電機(株)製、サーモフレックス型)を用い、積層体の厚
さ方向の200〜250℃の温度範囲内における平均熱
膨張係数を求めた。ただし、平均熱膨張係数の測定は、
装置に試料をセットし、常温〜200℃まで昇温した
後、50℃まで除冷し、再度、50〜250℃の温度範
囲における厚さ変化を読み取り、その温度範囲における
平均熱膨張係数を求めた。なお、該平均熱膨張係数は、
同一の積層体の3箇所から試料を採取し、その3試料に
ついて測定した平均値である。
なるプリプレグのみを10枚重ね、両側に銅箔を積層し
てプリント基板用積層体を作成した。該積層体につい
て、試験用オートクレーブ(耐圧ガラス工業(株)製)を
用い、温度:121℃、圧力:2atm、湿度:100
%RHの条件下で24時間処理し、処理前と処理後の重
量を測定し、下記計算式により吸湿率を算出した。
3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド短繊
維(帝人(株)製「テクノーラ」、繊度0.83dte
x(0.75de)、カット長:3mm)と、ポリパラ
フェニレンテレフタルアミドからなる繊維をフィブリル
化させたパルプ(テイジントワロン(株)製「トワロン
パルプ1094」)を用いて、表1に示す比率で混合し
た後、パルパーにより水中に離解分解させ、これに0.
02%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製、「YM
−80」)を添加して、繊維濃度:0.15重量%の抄紙
用スラリー液を作成した。
散性エポキシ樹脂バインダーの水希釈液(固形分濃度:
10%)を用いてスプレー方式により、該樹脂分の紙の
全重量に対する比率が表1に示す比率になるように付与
し、芳香族ポリアミド繊維紙状物を作成した。
記(1)(a)に記載した方法を用いて抄紙し、表2に示す
芳香族ポリアミド繊維からなる耐熱性薄葉紙を得た。つ
いで該耐熱性薄葉紙を用い、前記(1)(b)に記載した方
法を用いてプリント基板用積層体を得た。該耐熱性薄葉
紙及びプリント基板用積層体を前記(2)〜(8)に示
す方法により評価した結果を表2に示す。
リパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テ
レフタルアミド短繊維、並びに、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド繊維をフィブリル化させたパルプを、表
1に示す比率になるように混合し、該抄紙用スラリー液
を抄造する工程で水分散性エポキシ樹脂バインダーを付
与しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。得ら
れた耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を前記
(2)〜(8)に示す方法により評価した結果を表2に
示す。
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド短繊維の繊度を1.67dtex(1.5d
e)とした以外は、実施例1と同様に実施した。得られ
た耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を前記(2)
〜(8)に示す方法により評価した結果を表2に示す。
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド短繊維、並びに、水分散性エポキシ樹脂バイ
ンダーを、表1に示す比率になるように混合し、ポリパ
ラフェニレンテレフタルアミド繊維をフィブリル化させ
たパルプを使用しなかった以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層
体を前記(2)〜(8)に示す方法により評価した結果
を表2に示す。
フェニレンテレフタルアミド繊維をフィブリル化させた
パルプを用いる代わりに、ポリメタフェニレンイソフタ
ルアミドからなるフィブリッド(帝人(株)製「コーネ
ックス」)を用いた以外は、実施例4と同様に実施し
た。得られた耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を
前記(2)〜(8)に示す方法により評価した結果を表
2に示す。
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド短繊維の繊度を0.56dtex(0.5d
e)とした以外は、実施例2と同様に実施した。得られ
た耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を前記(2)
〜(8)に示す方法により評価した結果を表2に示す。
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド短繊維の繊度を0.56dtex(0.5d
e)とした以外は、実施例2と同様に実施した。得られ
た耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を前記(2)
〜(8)に示す方法により評価した結果を表2に示す。
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド短繊維の繊度を0.56dtex(0.5d
e)とした以外は、実施例2と同様に実施した。得られ
た耐熱性薄葉紙及びプリント基板用積層体を前記(2)
〜(8)に示す方法により評価した結果を表2に示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 単繊維繊度が0.85dtex以下の芳
香族ポリアミドからなる短繊維と有機系樹脂バインダ
ー、及び芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化してなる
パルプとを主成分とする耐熱性薄葉紙であって、該耐熱
性薄葉紙の厚さが45μm以下、目付けが40g/m2
以下であることを特徴とする耐熱性薄葉紙。 - 【請求項2】 芳香族ポリアミドからなる短繊維の単繊
維繊度が、0.62dtex以下である請求項1記載の
耐熱性薄葉紙。 - 【請求項3】 芳香族ポリアミドからなる短繊維の混合
比率が、耐熱性薄葉紙の全重量に対して65〜90重量
%である請求項1、2のいずれか1項に記載の耐熱性薄
葉紙。 - 【請求項4】 芳香族ポリアミドからなる短繊維が、パ
ラ型芳香族ポリアミドからなる短繊維である請求項1〜
3のいずれか1項に記載の耐熱性薄葉紙。 - 【請求項5】 パラ型芳香族ポリアミドからなる短繊維
が、ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる短繊
維及び/又はコポリパラフェニレン・3,4’−オキシ
ジフェニレン・テレフタルアミドからなる短繊維である
請求項4記載の耐熱性薄葉紙。 - 【請求項6】 芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化し
てなるパルプが、ポリパラフェニレンテレフタルアミド
からなる繊維及び/又はコポリパラフェニレン・3,
4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維をフ
ィブリル化してなるパルプである請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の耐熱性薄葉紙。 - 【請求項7】 耐熱性薄葉紙に熱硬化性樹脂を含浸して
形成されたプリプレグであって、該耐熱性薄葉紙が請求
項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性薄葉紙であるこ
とを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項8】 熱硬化性樹脂を含浸して形成されたプリ
プレグを積層した後、加熱加圧成形してなるプリント基
板用積層体であって、該プリプレグのうち、少なくとも
最外層に配置されたプリプレグが請求項7に記載された
プリプレグであることを特徴とするプリント基板用積層
体。
Priority Applications (1)
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JP2002108895A JP2003306885A (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | 耐熱性薄葉紙及びそれからなるプリプレグ並びにプリント基板用積層体 |
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JP2002108895A JP2003306885A (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | 耐熱性薄葉紙及びそれからなるプリプレグ並びにプリント基板用積層体 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032073A (ja) * | 2006-07-27 | 2008-02-14 | Teijin Fibers Ltd | 伝動ベルト |
JP2014501858A (ja) * | 2011-01-04 | 2014-01-23 | テイジン・アラミド・ビー.ブイ. | マイクロフィラメントを含む紙 |
-
2002
- 2002-04-11 JP JP2002108895A patent/JP2003306885A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032073A (ja) * | 2006-07-27 | 2008-02-14 | Teijin Fibers Ltd | 伝動ベルト |
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US11427962B2 (en) | 2011-01-04 | 2022-08-30 | Teijin Aramid B.V. | Paper comprising microfilaments |
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US11851820B2 (en) | 2011-01-04 | 2023-12-26 | Teijin Aramid B.V. | Paper comprising microfilaments |
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