JP2002360549A - 運動量測定装置 - Google Patents

運動量測定装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運動状態の違いにより測定誤差が生じること
がなく、高精度の測定の可能な運動量測定装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、運動状態を検出し、該検出結
果に基づいて信号を出力する検出手段3と、該検出手段
3により出力された信号の振幅を算出し、該振幅に基づ
いて運動量を決定する演算手段4とを備えたことを特徴
とする運動量測定装置1であり、回路定数のバラツキや
温湿度等の環境変化によるドリフトの影響を受けること
がなく、高精度の測定を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行やジョギング
等の運動時に携帯し、歩数又は消費カロリー等の運動に
関連する量を測定する運動量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の運動量測定装置として、
例えば、特開平9−223214号公報や特開2000
−41952号公報に開示されているように、加速度セ
ンサを内蔵したものが公知であった。
【0003】この加速度センサ内蔵型の運動量測定装置
では、図5に示すように、加速度センサの出力波形か
ら、所定の電圧レベル(図5中のVS)を超えた波形を
抽出し、その抽出した波形に基づいて歩数等、運動量を
測定していた。したがって、例えば、歩数計の場合に
は、図5において、VSを超えた波形が6個示されてい
るから、この間の歩数を6歩とカウントしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した運
動量測定装置では、加速度センサの出力波形は、回路定
数のバラツキや温湿度等の環境変化によりドリフトする
ことがあるため、波形の谷部分の電圧ピーク値は0ボル
トより高く且つ不安定となっていた。そのため、運動量
測定装置の装着時や蓋の開閉時等に生じる振動を歩数と
して計数したり、ジョギングや登山又は階段の昇降等、
運動状態により衝撃の程度が著しく異なる場合、或い
は、1歩で爪先と踵がそれぞれ別々に地面に接触するリ
バウンド現象が起きた場合には、歩数を正確に測定でき
ず、高精度の測定が行えないといった問題があった。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決すべくなされ
たものであり、運動状態の違いにより測定誤差が生じる
ことがなく、高精度の測定の可能な運動量測定装置を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、運動状態を検
出し、該検出結果に基づいて信号を出力する検出手段
と、該検出手段により出力された信号の振幅を算出し、
該振幅に基づいて運動量を決定する演算手段とを備えた
ことを特徴とする運動量測定装置である。
【0007】好ましくは、前記検出手段は、上下方向の
振動成分を検出し、該検出結果に基づいて波形を出力す
る加速度センサであり、該加速度センサにより出力され
た波形の振幅を算出し、該振幅がしきい値を超えた回数
により歩数をカウントするように構成されている。
【0008】また、前記しきい値は複数レベル設定され
ており、前記加速度センサにより出力された波形の振幅
がその時の設定しきい値より上のレベルのしきい値を上
回る場合には、しきい値を上のレベルのしきい値に設定
変更し、前記出力された波形の振幅がその時の設定しき
い値を下回る場合には、しきい値を下のレベルのしきい
値に設定変更するように構成されている。
【0009】さらに、所定時間、波形の振幅がしきい値
を上回らない場合には、歩数をカウントしないノイズキ
ャンセルモードに移行するように設定されており、ま
た、前記ノイズキャンセルモードにおいて、一定時間内
に所定回数以上、波形の振幅がしきい値を上回らない限
り、通常モードに復帰しないように設定されている。
【0010】さらにまた、しきい値が設定変更された場
合に、歩数をカウントしない待ち時間を設定するように
構成されており、また、前記待ち時間は、しきい値が大
きい程、短くなるように設定されている。
【0011】このような構成において、前記検出手段に
より出力された信号の振幅に基づいて運動量を決定して
いるので、回路定数のバラツキや温湿度等の環境変化に
よるドリフトの影響を受けることがなく、高精度の測定
を行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態を説明する。
【0013】図1〜4は本発明の実施の形態に係る歩数
計を示しており、該歩数計1の内部には、回路基板2が
設けられ、該回路基板2に加速度センサ3、CPU4、
及びコイン電池5が実装されている。
【0014】以下、図2により、前記歩数計1の作用を
説明する。
【0015】歩行中、前記加速度センサ3により、上下
方向の振動成分が検出され、該検出結果は波形アナログ
信号として出力され、該アナログ信号は、増幅後、図3
に示されているように、A/D変換器により所定周期、
例えば、4ms毎にA/D変換され、データが取得され
る(S101)。
【0016】前記取得されたデータの値が次第に増加し
ている時、すなわち、波形が上り勾配にある時に、前記
データがn個連続して減少した場合には、山と判定され
(S102)、n個前のデータが山のピーク値WHとし
て前記メモリに格納される(S103)。また、反対
に、前記取得されたデータの値が次第に減少している
時、すなわち、波形が下り勾配にある時に、前記データ
がn個連続して増加した場合には、谷と判定され(S1
02)、n個前のデータが谷のピーク値WLとして前記
メモリに格納される(S103)。
【0017】
【表1】
【0018】次に、ステップ104において、前記CP
U4により、前記メモリに格納された山のピーク値WH
と谷のピーク値WLとの差からその波形の振幅WRが算出
され、ステップ105において、前記算出された振幅W
Rとその時に設定されているしきい値(表1参照)とが
比較される。この時、初期のしきい値は感度レベル0の
しきい値1.0Vに設定されている。そして、前記振幅
Rが前記設定しきい値より大きくないと判断される
と、歩数をカウントすることなく、ステップ106にお
いて、前記振幅WRと感度レベル2のしきい値とが比較
される。この時、前記振幅WRが前記感度レベル2のし
きい値より大きいと判断されると、ステップ107にお
いて、しきい値は感度レベル2のしきい値1.6Vに設
定変更される。また、ステップ106での比較におい
て、前記振幅WRが前記感度レベル2のしきい値より大
きくないと判断された場合には、ステップ108におい
て、前記振幅WRと感度レベル1のしきい値とが比較さ
れ、前記振幅WRが前記感度レベル1のしきい値より大
きい場合には、ステップ109において、しきい値は感
度レベル1のしきい値1.3Vに設定変更される。さら
に、ステップ108での比較において、前記振幅WR
前記感度レベル1のしきい値より大きくないと判断され
ると、しきい値は感度レベル0のしきい値に設定変更さ
れる。
【0019】また、ステップ105での比較において、
前記振幅WRがその時に設定されているしきい値より大
きいと判断された場合には、ステップ111において、
歩数がカウントされる。その後、ステップ112におい
て、前記振幅WRと感度レベル3のしきい値とが比較さ
れ、前記振幅WRが前記感度レベル3のしきい値より大
きいと判断された場合、ステップ113において、しき
い値が感度レベル3のしきい値1.9Vに設定変更さ
れ、さらにステップ114において、歩数測定待ち時間
が240msに設定される。この歩数測定待ち時間は、
歩数をカウントしない期間で、感度レベルに応じて長さ
が異なっており、好ましくは、表1に示されているよう
に、歩行速度が速くなり、しきい値が大きくなる程、短
くなるように設定されている。
【0020】ステップ112での比較において、前記振
幅WRが前記感度レベル3のしきい値より大きくないと
判断された場合には、ステップ115において、前記振
幅W Rと感度レベル2のしきい値とが比較され、前記振
幅WRが前記感度レベル2のしきい値より大きい場合に
は、ステップ116において、しきい値は感度レベル2
のしきい値1.6Vに設定変更され、さらにステップ1
17において、歩数測定待ち時間が270msに設定さ
れる。また、ステップ115での比較において、前記振
幅WRが前記感度レベル2のしきい値より大きくないと
判断された場合には、ステップ118において、前記振
幅WRと感度レベル1のしきい値とが比較され、前記振
幅WRが前記感度レベル1のしきい値より大きい場合に
は、ステップ119において、しきい値は感度レベル1
のしきい値1.3Vに設定変更され、さらにステップ1
20において、歩数測定待ち時間が285msに設定さ
れる。そしてまた、ステップ118での比較において、
前記振幅WRが前記感度レベル1のしきい値より大きく
ないと判断された場合には、ステップ121において、
歩数測定待ち時間は330msに設定される。以降、ス
テップ101に戻り、上述した作用が繰り返し行われ
る。
【0021】次に、図4の出力波形を参照しつつ、前記
歩数計1の作用をさらに説明する。
【0022】歩数の測定開始時は、前述したように、前
記しきい値は前記感度レベル0の値1.0Vに初期設定
されており、図4中の最初及び2番目の波は、それぞれ
その振幅が前記感度レベル0のしきい値1.0V以下で
あるから、歩数としてカウントされない。また、次の3
番目の波の振幅は、前記感度レベル0のしきい値1.0
Vより大きいので、1歩目がカウントされ、さらに、そ
の振幅は感度レベル1のしきい値1.3Vより大きいた
め、感度レベルはレベル1に上げられ、歩数測定待ち時
間は285msに設定変更される。
【0023】4番目及び5番目の波は、前記3番目の波
における1歩目のカウント後、歩数測定待ち時間(28
5ms)内に発生しているので、その振幅の大きさに拘
らず、歩数としてカウントされない。また、6番目の波
はその振幅が前記感度レベル1のしきい値1.3V以下
であるから、歩数としてカウントされず、感度レベルは
レベル0に下がり、さらに、7番目の波の振幅は、その
感度レベル0のしきい値1.0V以下であるから、6番
目の波と同様、歩数としてカウントされない。そして、
8番目の波はその振幅が前記感度レベル0のしきい値
1.0Vより大きいから、2歩目がカウントされ、さら
に、その振幅は感度レベル3のしきい値1.9Vより大
きいから、感度レベルはレベル3に上がり、歩数測定待
ち時間は240msに設定変更される。
【0024】9番目の波の場合は、前記8番目の波にお
ける2歩目のカウント後、歩数測定待ち時間(240m
s)内に発生しており、また、10番目の波の場合はそ
の振幅が前記感度レベル3のしきい値1.9V以下であ
るため、いずれの場合も歩数はカウントされず、10番
目の波により、感度レベルはレベル2に下がる。そし
て、11番目の波の場合は、その振幅が前記感度レベル
2のしきい値1.6V以下であるため、歩数はカウント
されず、感度レベルはレベル1に下がる。さらに、12
番目の波の場合は、その振幅が前記感度レベル1のしき
い値1.3Vより大きいから、3歩目がカウントされ、
また、その振幅が感度レベル3のしきい値1.9Vを上
回るため、感度レベルはレベル3に上がり、歩数測定待
ち時間は240msに設定変更される。
【0025】また、13番目の波の場合は、前記12番
目の波における3歩目のカウント後、歩数測定待ち時間
(240ms)内に発生しているから、歩数としてカウ
ントされず、14番目の波の場合は、その振幅が前記感
度レベル3のしきい値1.9Vより大きいから、4歩目
がカウントされる。
【0026】さらに、15番目の波の場合は、前記14
番目の波における4歩目のカウント後、歩数測定待ち時
間(240ms)内に発生しており、また、16番目の
波の場合はその振幅が前記感度レベル3のしきい値1.
9V以下であるため、いずれの場合も歩数はカウントさ
れず、16番目の波により、感度レベルはレベル2に下
がる。さらにまた、17番目の波はその振幅が前記感度
レベル2のしきい値1.6V以下であるため、歩数はカ
ウントされず、感度レベルはレベル1に下がり、18番
目の波の振幅は前記感度レベル1のしきい値1.3Vよ
り大きいから、5歩目がカウントされる。
【0027】19番目の波の場合は、その振幅が前記感
度レベル1のしきい値1.3V以下であるから、歩数が
カウントされず、感度レベルは0に下がる。また、20
番目の波の振幅は、前記感度レベル0のしきい値1.0
Vより大きいため、6歩目がカウントされ、さらに、そ
の振幅が感度レベル1のしきい値1.3Vより大きいた
め、感度レベルはレベル1に上がり、歩数測定待ち時間
は285msに設定変更される。以降、同じように歩数
の測定が繰り返される。
【0028】なお、上記実施の形態において、波の振幅
を算出するために波形の山又は谷のピーク値を求める方
法は、上述した方法に限定されるものではなく、例え
ば、微分解析法により微分係数が0となった箇所を山又
は谷のピーク値とする等、他の方法を用いてもよい。
【0029】また、上記実施の形態において、歩数の測
定中、一定時間、例えば1.2秒間、波の振幅がしきい
値を上回らなった場合には、ノイズキャンセルモードに
移行し、以降、波の振幅がしきい値を上回ったとしての
歩数をカウントしないように設定してもよい。この場
合、ノイズキャンセルモードに移行後は、一定時間内に
所定回数以上、例えば、3秒間に4回以上、波の振幅が
しきい値を上回らない限り、通常モード(すなわち、歩
数をカウントするモード)に復帰しないように設定さ
れ、ノイズキャンセルモードから通常モードへの復帰時
には、その復帰の要因となった、振幅のしきい値を上回
った回数(例えば、4回以上)を歩数としてカウントす
る。これにより、歩数計を着脱する時の振動等、歩行以
外の原因による振動を誤って歩数としてカウントするこ
とがなくなり、測定精度をより一層向上させることがで
きる。
【0030】さらに、上記実施の形態においては、感度
レベルを4レベルに設定しているが、5レベル以上或い
は3レベル以下としてもよく、また、各レベル毎のしき
い値及び歩数測定待ち時間も表1に記載した値に限定さ
れるものではない。
【0031】さらにまた、本発明は、上記した歩数計1
での使用に限定されるものではなく、歩行、登山或いは
ジョギング等の運動時の消費カロリーを測定するカロリ
ーメータ又は距離を測定する距離メータ等、他の運動量
測定装置にも実施可能であることは言う迄もない。
【0032】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、振幅を
基に運動量を決定しているので、回路定数のバラツキや
温湿度等の環境変化によるドリフトの影響を受けること
がなく、高精度の測定を行うことが可能となる。
【0033】また、運動状態に応じて、しきい値、或い
は、歩数をカウントしない待ち時間を自動的に設定変更
できるようにしたため、ジョギングや登山又は階段の昇
降等、加速度センサからの出力信号が安定しない場合で
も、運動量を正確に測定することができる。さらに、待
ち時間をしきい値の増大に応じて短くなるように設定し
た場合には、一層測定精度を向上させることができる。
【0034】さらにまた、所定時間、波形の振幅がしき
い値を上回らない場合にはノイズキャンセルモードに移
行するように設定されており、運動量測定装置の装着や
蓋の開閉等による振動を誤って歩数としてカウントする
ことがないため、測定誤差を生じるおそれがなくなる等
種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る歩数計の内部平面
図である。
【図2】 本発明の実施の形態における作用を示すフロ
ーチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態における作用を示す波形
図である。
【図4】 本発明の実施の形態における作用を示す波形
図である。
【図5】 従来例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 歩数計 3 加速度センサ 4 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01P 15/00 G06M 7/00 J G06M 1/28 A61B 5/10 310A 7/00 G01P 15/00 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運動状態を検出し、該検出結果に基づい
    て信号を出力する検出手段と、 該検出手段により出力された信号の振幅を算出し、該振
    幅に基づいて運動量を決定する演算手段と、を備えたこ
    とを特徴とする運動量測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、上下方向の振動成分を
    検出し、該検出結果に基づいて波形を出力する加速度セ
    ンサであり、該加速度センサにより出力された波形の振
    幅を算出し、該振幅がしきい値を超えた回数により歩数
    をカウントするように構成されている請求項1に記載の
    運動量測定装置。
  3. 【請求項3】 前記しきい値は複数レベル設定されてお
    り、前記加速度センサにより出力された波形の振幅がそ
    の時の設定しきい値より上のレベルのしきい値を上回る
    場合には、しきい値を上のレベルのしきい値に設定変更
    し、前記出力された波形の振幅がその時の設定しきい値
    を下回る場合には、しきい値を下のレベルのしきい値に
    設定変更するように構成されている請求項2に記載の運
    動量測定装置。
  4. 【請求項4】 所定時間、波形の振幅がしきい値を上回
    らない場合には、歩数をカウントしないノイズキャンセ
    ルモードに移行するように設定されている請求項2又は
    3に記載の運動量測定装置。
  5. 【請求項5】 前記ノイズキャンセルモードにおいて、
    一定時間内に所定回数以上、波形の振幅がしきい値を上
    回らない限り、通常モードに復帰しないように設定され
    ている請求項4に記載の運動量測定装置。
  6. 【請求項6】 しきい値が設定変更された場合に、歩数
    をカウントしない待ち時間を設定するように構成されて
    いる請求項3に記載の運動量測定装置。
  7. 【請求項7】 前記待ち時間は、しきい値が大きい程、
    短くなるように設定されている請求項6に記載の運動量
    測定装置。
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