JP2002360036A - コンバインの刈取機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】刈取り収穫する作物が短稈で、例えば、小豆稈
等であると、刈取りする小豆稈を確実に掻込移送ローラ
装置へ引継ぎできないことがあり、頭部ロスが増加して
いた。 【解決手段】走行車台２の前部に穀稈を引起すリール装
置１２の下側には、穀稈を掻込するラグ付ベルト１７ａ
を張設した一対の掻込装置１７，１７を、複数組を前後
移動自在に設けると共に、穀稈を一対二組の各掻込装置
１７，１７から引継ぎする掻込移送ローラ装置１５、及
び移送コンベア装置１６を設け、一方側の一対の掻込装
置１７，１７は、略移送コンベア装置１６と略平行に設
け、又、他方側一対の掻込装置１７，１７は、移送終端
部側を移送コンベア装置１６の引継ぎ口１６ｃ側へ傾斜
させて設けた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、走行車台の前部
に穀稈を引起すリール装置の下側には、穀稈を掻込する
ラグ付ベルトを張設した一対の掻込装置を複数組設けた
技術であり、コンバインの刈取機として利用できる。

【０００２】

【従来の技術】コンバインで刈取り収穫作業する穀稈
は、例えば、小豆稈であり、この小豆稈を刈取り収穫作
業は、このコンバインの走行車台の前部に設けた略六角
形状のリール装置に設けた複数個のリール杆で小豆稈
は、引起し、及び掻込されて、刈刃装置で刈取りされ、
この刈取小豆稈は、掻込移送ローラ装置で掻込され、一
方側の横方向へ移送されて、引継ぎ口から移送コンベア
装置へ引継ぎされて、後方上部へ移送され、脱穀機内へ
供給されて脱穀される。脱穀済み小豆粒は、穀粒貯留タ
ンク内へ供給されて貯留される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】小豆稈の刈取り収穫作
業のときは、この小豆稈は、略六角形状のリール装置に
設けた各リール杆で引起し、及び掻込されて刈取りされ
るが、小豆稈は稈長が短稈であることにより、確実に掻
込移送ローラ装置へ掻込移送されなかったり、又は刈取
りされた小豆稈が狭持されて移送されないことにより、
小豆稈がこぼれて、頭部ロスが多くなることが発生して
いたが、この発明により、この問題点を解決しようとす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このために、この発明
は、請求項１に記載の発明においては、走行車台２の前
部に穀稈を引起す複数個のリール杆１２ａを装着したリ
ール装置１２と、穀稈を刈取る刈刃装置１４と、刈取り
穀稈を掻込移送する掻込移送ローラ装置１５と、該掻込
移送ローラ装置１５から穀稈を引継ぎ移送する移送コン
ベア装置１６等を設けたコンバインにおいて、リール装
置１２の下側には、穀稈を掻込移送するラグ付ベルト１
７ａを張設した一対の掻込装置１７，１７を複数組設け
たことを特徴とするコンバインの刈取機としたものであ
る。

【０００５】請求項２に記載の発明においては、前記掻
込移送ローラ装置１５から移送コンベア装置１６へ穀稈
を引継ぎする引継ぎ口１６ｃ前方で、掻込移送ローラ装
置１５前側の一対の掻込装置１７，１７は平面視移送コ
ンベア装置１６と略平行に設けると共に、他の一対の掻
込装置１７，１７は平面視引継ぎ口１６ｃ部へ向けて移
送終端部側を所定角度αに傾斜させて設けたことを特徴
とする請求項１に記載のコンバインの刈取機としたもの
である。

【０００６】請求項３に記載の発明においては、前記掻
込装置１７に設けた穀稈移送の有無を検出する穀稈セン
サ２０が刈取終りで穀稈が無ないことを検出に伴ない各
掻込装置１７を掻込移送ローラ装置１５側へ移動させる
シリンダ１９ｆを始動及び停止制御する制御装置２１を
設けたことを特徴とする請求項１、又は請求項２に記載
のコンバインの刈取機としたものである。

【０００７】

【発明の作用】請求項１に記載の発明においては、コン
バインで小豆稈の刈取り収穫作業は、コンバインの走行
車台２の前部に設けた略六角形状のリール装置１２に設
けた複数個のリール杆１２で小豆稈は、引起し、及び掻
込されると共に、このリール装置１２の下側に設けた小
豆稈を掻込するラグ付ベルト１７ａを張設した一対の掻
込装置１７，１７を複数組設けた、これらラグ付ベルト
１７ａのラグで掻込移送され、刈刃装置１４で刈取りさ
れ、刈取り小豆稈は、掻込移送ローラ装置１５で掻込さ
れ、一方側の横方向へ移送されて、引継ぎ口１６ｃから
移送コンベア装置１６へ引継ぎされて、後方上部へ移送
され、脱穀機内へ供給されて脱穀される。脱穀済み小豆
粒は、穀粒貯留タンク内へ供給されて貯留される。

【０００８】請求項２に記載の発明においては、前記掻
込移送ローラ装置１５か移送コンベア装置１６へ小豆稈
を引継ぎする引継ぎ口１６ｃ前方で、掻込移送ローラ装
置１５前側に、平面視移送コンベア装置１６と、略平行
に設けた一対の掻込装置１７，１７の各ラグ付ベルト１
７ａと、他の平面視引継ぎ口１６ｃ部へ向けて移送終端
部側を所定角度αに傾斜させて設けた一対の掻込装置１
７，１７の各ラグ付ベルト１７ａとにより、小豆稈は掻
込み移送される。

【０００９】請求項３に記載の発明においては、前記掻
込装置１７に設けた小豆稈の移送の有無を検出する穀稈
センサ２０が刈取り終り部では、小豆稈を検出しなくな
り、これによって、小豆稈の移送が無ない判定され、こ
の判定に基づいて、制御装置２１でシリンダ１９ｆが始
動されて、このシリンダ１９ｆにより、各掻込装置１７
は、掻込移送ローラ装置１５側へ所定量移動制御され、
残りの小豆稈は掻込移送ローラ装置１５で引継ぎ移送さ
れる。

【００１０】

【発明の効果】請求項１に記載の発明においては、刈取
りする小豆稈を引起し、及び掻込する複数個のリール杆
１２ａを装着したリール装置１２の下側には、ラグ付ベ
ルト１７ａを張設した一対の掻込装置１７，１７を複数
組設けたことにより、これら各ラグ付ベルト１７ａの各
ラグ間で小豆稈は狭持されて、掻込移送されることによ
り、この小豆稈は確実に掻込移送される。又、小豆稈の
こぼれも防止でき、頭部ロスの発生を防止できる。

【００１１】請求項２に記載の発明においては、刈取り
された小豆稈は、掻込移送ローラ装置１５で移送される
方向へ一対の掻込装置１７，１７を傾斜させて設けたこ
とにより、これら掻込装置１７，１７の各ラグ付ベルト
１７のこのラグでスムーズに、小豆稈を掻込移送するこ
とができる。

【００１２】請求項３に記載の発明においては、前記掻
込装置１７で掻込移送される小豆稈は、穀稈センサ２０
で検出され、刈取り終り時は、これら掻込装置１７は、
掻込移送ローラ装置１５側へ移動制御されることによ
り、この掻込移送ローラ装置１５へ小豆稈の取り込みが
良好となる。又、これにより、小豆稈の溜りが防止でき
ると共に、更に詰りを防止することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。コンバイン１の走行車台２前部に
は、刈取機９を設け、この刈取機９で刈取り収穫作業す
る立毛穀稈は、例えば、小豆稈であったとすると、この
小豆稈は、刈取機９前部のリール装置１２に設けた複数
個のリール杆１２ａで、引起し、及び掻込する。リール
装置１２の下側には、ラグ付ベルト１７ａを張設した一
対の掻込装置１７，１７を複数組設けた構成である。こ
の各掻込装置１７を主に図示して説明する。

【００１４】前記コンバイン１の走行車台２の下側に
は、図８〜図１３で示す如く土壌面を走行する左右一対
の走行クローラ８ａを張設した走行装置８を配設し、走
行車台２の上側には、小豆稈を脱穀する脱穀機３を載置
した構成である。又、走行車台２の前側の刈取機９で立
毛穀稈を刈取りし、この刈取り小豆稈は、この刈取機９
で後方上部へ移送され、脱穀機３へ供給して脱穀し、脱
穀済みで選別済み小豆粒を回収して、一時貯留する穀粒
貯留タンク４は、脱穀機３の右横側で走行車台２の上側
に配設した構成である。

【００１５】前記走行車台２は前部には、図１〜図４、
及び図８〜図１０で示す如く刈取機９を設け、この刈取
機９は前端部より、刈取りする小豆稈を分離する分草体
１１を設け、この分草体１１の上側には、刈取る小豆稈
を引起し、及び掻込する略六角形状の各隅部に複数個の
リール杆１２ａを回動自在に設けたリール装置１２は、
支持装置１３で上下回動自在で、回転自在に軸支した構
成である。

【００１６】前記リール装置１２の下側で、左右の分草
体１１間には、図１〜図４、図８、及び図９で示す如く
左右一対の掻込装置１７，１７を、本実施例では、一対
を二組設けた構成である。この掻込装置１７は、上・下
ケース１７ｂ，１７ｃに回転自在に軸支した前・後プー
リ１７ｄ，１７ｅにラグ付ベルト１７ａを張設した構成
である。このラグ付ベルト１７ａは、Ｖベルトに所定間
隔で、突出したラグを設けた構成であり、このラグによ
って、小豆稈は、後方上部へ向けて掻込移送される構成
である。

【００１７】前記リール装置１２の下側には、ラグ付ベ
ルト１７ａを張設した一対の掻込装置１７，１７を二組
設けたことにより、これら各ラグ付ベルト１７ａのラグ
間に小豆稈は狭持されて、掻込移送されることにより、
この小豆稈は確実に掻込移送される。又、小豆稈のこぼ
れが防止でき、更に頭部ロスの発生を防止することがで
きる。

【００１８】平面視左側に位置すると共に、後述する掻
込移送ローラ装置１５から移送コンベア装置１６へ小豆
稈を引継ぎする引継ぎ口１６ｃ前方で、掻込移送ローラ
装置１５の前側に位置させて設けた、一対の掻込装置１
７，１７は、図２で示す如く平面視移送コンベア装置１
６と略平行に設けた構成である。又、他方側の平面視右
側に位置させて設けた、他の一対の掻込装置１７，１７
は、図２で示す如く平面視引継ぎ口１６ｃ部へ向けて、
移送始端部側から移送終端部側へ向けて、所定角度αに
傾斜させて設け、これら右側の一対の掻込装置１７，１
７から掻込移送ローラ装置１５への、小豆稈の引継ぎを
良好にした構成である。

【００１９】一方側（右側）の前記一対の掻込装置１
７，１７は、移送コンベア装置１６の引継ぎ口１６ｃへ
向けて傾斜させて設けたことにより、これら掻込装置１
７，１７の各ラグ付ベルト１７のこのラグでスムーズ
に、小豆稈を掻込移送することができる。又、掻込移送
ローラ装置１５へ引継ぎするときに、小豆稈は停滞する
ことがなくなった。

【００２０】前記各掻込装置１７の上ケース１７ｂの前
端部と、支持装置１３の前端部との間には、図３で示す
如く吊り具１３ａを設けて、各掻込装置１７の前部、吊
り下げて支持した構成である。又、各掻込装置１７の下
ケース１７ｃの下側面には、支持板１８ａで支持したソ
リ１８を設けた構成である。各上ケース１７ｂの上側面
には、小豆稈を分離する分離板１８ｂを固着して設けた
構成である。

【００２１】前記各掻込装置１７の下ケース１７ｃの移
送終端部下側には、図３、及び図４で示す如くコ字形状
の支持板１９ａで回動自在に支持軸１９ｂを軸支して設
け、この支持軸１９ｂの下端部は、左右両側の受板１９
ｃに装着した支持メタル１９ｄで、回動自在に支持した
受軸１９へ固着して設けた構成である。この受軸１９の
右端部に固着して設けた回動板１９ｅと、後述する掻込
移送ロール装置１５の右側板１５ｃに設けた支持軸１５
ｆとは、油圧駆動によるシリンダ１９ｆを設けて接続さ
せた構成である。このシリンダ１９ｆの作動により、各
掻込装置１７は前後に移動自在な構成である。

【００２２】前記掻込装置１７の上ケース１７ｂ上側面
の移送終端部近傍で、いずれか一方側には、図４で示す
如くこの掻込装置１７のラグ付ベルト１７ａで移送され
る小豆稈の有無を検出する穀稈センサ２０を設けた構成
である。この穀稈センサ２０は、回動自在に設けて、小
豆稈に押されて回動するアクチュエータ２０ｂと、この
アクチュエータ２０ｂの回動でＯＮ−ＯＦＦするＯＮ−
ＯＦＦ方式のスイッチ２０ａとよりなる構成である。

【００２３】前記各掻込装置１７に設けた小豆稈の移送
の有無を検出する各穀稈センサ２０が刈取り終り部で、
小豆稈で押されなくなり、スイッチ２０ａがＯＮ状態か
らＯＦＦ状態になると、このＯＦＦ状態が操作装置１０
ｃ内に設けた制御装置２１の入力回路２１ａからＣＰＵ
２１ｂへ入力され、この入力により、小豆稈は無いと判
定され、この判定により、ＣＰＵ２１ｂから出力回路２
１ｃを経て各掻込装置１７を前後に移動制御するシリン
ダ１９ｆが始動され、このシリンダ１９ｆにより、各掻
込装置１７は、後述する掻込移送ローラ装置１５側へ所
定距離近接すべく移動制御される構成である。

【００２４】これにより、刈取り終り時は、前記穀稈セ
ンサ２０は、小豆稈を検出しなくなり、この検出に基づ
いて、各掻込装置１７は、掻込移送ローラ装置１５側へ
移動制御されることにより、この掻込移送ローラ装置１
５へ小豆稈の取り込みが良好となる。又、これにより、
小豆稈の溜りが防止できると共に、詰り発生を防止する
ことができる。

【００２５】前記掻込装置１７を前後へ移動制御するシ
リンダ１９ｆは、手動により、作動可能な構成であり、
刈取り収穫する作物の状態（倒伏、短稈、長稈、多量
稈）に応じて、調節できる構成である。これにより、作
物の状態による適応性が向上する。又、頭部ロスの減
少、及び詰りを防止することができる。

【００２６】前記分草体１１の後側で、一対の掻込装置
１７，１７の移送終端部側で、これら一対の掻込装置１
７，１７間の左右方向略中央部には、穀稈を刈取る刈刃
装置１４を設けた構成である。この刈刃装置１４は、円
盤の刈刃１４ａを刈刃軸１４ｂの下端部に装着し、この
刈刃軸１４ｂは、支持板１４ｃで回転自在に軸支した構
成である。

【００２７】前記刈刃装置１４で刈取りした小豆稈は、
左右両側から中央部より、左側寄りへ向けて掻込移送す
る左・右側板１５ｂ，１５ｃ間に、回転自在に軸支した
掻込移送ローラ装置１５を設けた構成である。この掻込
移送ローラ装置１５は、図１〜図４で示す如く回転自在
に軸支した掻込移送ローラ１５ａの外周部には、左右両
端部から、後述する移送コンベア装置１６の引継ぎ口１
６ｃ部までの間には、螺旋プレート１５ｄを固着して設
けると共に、引継ぎ口１６ｃ部に位置する箇所には、円
周方向で左右方向に所定間隔で、複数本の掻込杆１５ｅ
を掻込移送ローラ１５ａの外周部から突出する突出長さ
を自在に設けている。これら螺旋プレート１５ｄと、各
掻込杆１５ｅとにより、小豆稈を掻込移送して、移送コ
ンベア装置１６の引継ぎ口１６ｃ部へ供給する構成であ
る。

【００２８】前記掻込移送ローラ装置１５の後側には、
移送コンベア装置１６を設けた構成である。この移送コ
ンベア装置１６は、図１〜図４で示す如く箱形状の上・
下移送ケース１６ａ，１６ｂ内には、移送チェン１６ｄ
を左右両側に配設し、この移送チェン１６ｄ，１６ｄに
は、引継ぎ口１６ｃ部へ供給された小豆稈を後方上部へ
移送するＬ字形状の移送板１６ｅを所定間隔に設けた構
成である。この各移送板１６ｅで後方上部へ移送された
小豆稈は、脱穀機３内へ供給する構成である。下移送ケ
ース１６ｂの上側面で、移送終端部近傍部には、これら
上・下移送ケース１６ａ，１６ｂ内の塵埃を吸引して、
機外へ排出する吸引ファン９ａを設けた構成である。

【００２９】前記脱穀機３の前部には、図８〜図１０で
示す如くコンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等
の操作を行う操作装置１０ｃと、これらの操作を行う作
業者が搭乗する操縦席１０ｄとは、操作室ケース１０ａ
で形成した操作室１０ｂ内に設けた構成である。穀粒貯
留タンク４の後方部で走行車台２上側の後端部には、エ
ンジン８ｂを載置した構成である。これら走行装置８
と、刈取機９と、脱穀機３と、エンジン８ｂ等により、
コンバイン１の機体１ａを形成した構成である。

【００３０】前記脱穀機３は、図１２、及び図１３で示
す如く移送コンベア装置１６から供給される穀稈を受
け、脱穀、及び選別等を行う構成である。脱穀済みで選
別済みの小豆粒は、穀粒貯留タンク４内へ移送ベルト３
ｂと、この移送ベルト３ｂへ所定間隔で装着したバケッ
ト３ｃとを内装した揚穀装置３ａのこのバケット３ｃで
揚送して供給する構成である。

【００３１】前記脱穀機３は、供給された小豆稈を脱穀
する脱穀室２２を前後方向に設け、この脱穀室２２内に
は、扱胴２２ａを回転自在に軸支した構成である。この
扱胴２２ａの下側には、脱穀網２２ｂを張設した構成で
ある。この脱穀室２２内へ供給された小豆稈は、前部か
ら後部へ向けて移送中に脱穀され、脱穀済み小豆粒と、
発生した一部の稈・葉屑等は、脱穀網２２ｂから後逑す
る選別室２３内へ内装した揺動選別装置２４上へ漏下す
る構成である。

【００３２】前記脱穀室２２の後端部の一方側には、排
出口２５ａを設け、稈・葉屑、稈切、及び少量の小豆粒
を揺動選別装置２４上へ排出する構成である。又、他方
側には、供給口２５ｂを設け、この供給口２５ｂから処
理室２６内へ未処理の排塵物を供給する構成である。

【００３３】前記処理室２６は、図１２、及び図１３で
示す如く脱穀室２２の右横側で前後方向に形成した構成
である。この処理室２６内には、処理胴２６ａを回転自
在に軸支した構成である。この処理胴２６ａの下側に
は、排塵網２６ｂを張設した構成である。この処理室２
６内へ脱穀室２２に設けた供給口２５ｂから供給された
排塵物は後部から前部へ向けて移送中に再脱穀処理さ
れ、脱穀済み小豆粒と、一部の稈・葉屑等は、排塵網２
６ｂから選別室２３へ内装した揺動選別装置２４上へ漏
下する構成である。この処理室２６の移送終端部には、
排塵排出口２７を設けた構成である。

【００３４】前記脱穀室２２内へ供給された小豆稈は、
図１２で示す如く前部から後部へ移送中に脱穀され、
又、この脱穀室２２から処理室２６内へ供給された排塵
物は、後部から前部へ移送中に再脱穀処理されることに
より、この処理室２６を脱穀室２２と略同じ長さに形成
した構成である。

【００３５】前記処理室２６に内装して軸支した処理胴
２６ａの回転方向は、脱穀室２２に内装して軸支した扱
胴２２ａの回転方向とは、図１３で示す如く同じ方向へ
回転駆動すべく設けた構成である。前記脱穀室２２、及
び処理室２６の下側には、図１２、及び図１３で示す如
く選別室２３を形成し、この選別室２３内には、これら
脱穀室２２の脱穀網２２ｂと、移送終端部の排出口２５
ａと、処理室２６の排塵網２６ｂと、移送終端部の排塵
排出口２７からの漏下物、及び排塵物である小豆粒、及
び稈・葉屑等の供給を受けて、揺動選別する揺動選別装
置２４を設けた構成である。

【００３６】前記揺動選別装置２４は、図１２、及び図
１３で示す如く前部より、順次移送棚２８ａと、チャフ
シーブ２８ｂと、ストローラック２８ｃと、揺動棚２８
ｄとを設けると共に、このチャフシーブ２８ｂの下側に
は、グレンシーブ２８ｅを設けた構成である。又、この
チャフシーブ２８ｂは移送角度を調節可能に構成し、漏
下量を調節できる構成である。前方部（上手側）で、こ
の揺動選別装置２４の前端部には、揺動支点２９ａを設
けると共に、後方部（下手側）で、後端部の近傍には、
揺動カム２９ｂを設け、この揺動選別装置２４を揺動自
在に吊り下げ状態に設けて、揺動選別する構成である。

【００３７】前記揺動選別装置２４の移送始端部（下手
側）の下側には、選別送風機３０を設け、この選別送風
機３０で起風した選別風を送風して、小豆粒と塵埃とに
風選別する構成である。この選別送風機３０で送風選別
された塵埃と、揺動選別装置２４で揺動選別された稈・
葉屑、及び稈切等は機外へ排出される構成である。

【００３８】前記選別送風機３０の下手側の先端部に
は、一番選別棚３１で流下選別された小豆粒を収容し、
一番螺旋３１ａにより、横移送する一番受樋３１ｂの上
手側と接続させ、この一番受樋３１ｂの下手側は、一番
選別棚３１と接続した構成である。

【００３９】前記一番螺旋３１ａで横移送された選別済
み小豆粒は、揚穀装置３ａで引継ぎし、この揚穀装置３
ａのバケット３ｃで揚送して、穀粒貯留タンク４内へ供
給されて一時貯留する構成である。前記一番受樋３１ｂ
の後側（下手側）で、一番選別棚３１の下側には、揺動
選別装置２４の揺動棚２８ｄで流下選別された未脱穀処
理物（二番物）を収容し、二番螺旋３２ａにより、横移
送する二番受樋３２を設けた構成である。この二番受樋
３２の上手側の上端部は、一番選別棚３１の上端部と接
続させると共に、下手側の上端部は、揺動選別装置２４
の揺動棚２８ｄの下端部近傍の下側へ重合させて設けた
構成である。この揺動棚２８ｄの後端部は機外へ開放し
た構成である。

【００４０】前記二番螺旋３２ａで横移送された未脱穀
処理物（二番物）を引継ぎして、処理室２６の前後方向
の略中間位置へ還元する二番還元筒３３を設けた構成で
ある。この二番還元筒３３内には、図１２で示す如く二
番移送ベルト３３ａを張設し、この移送ベルト３３ａに
は、二番物を揚送する移送板３３ｂ、又はバケット３３
ｂを所定間隔に設けた構成である。この二番還元筒３３
の上端部には、処理室２６前後方向略中間位置へ還元す
る筒形状の投出漏斗３３ｃを設けた構成である。

【００４１】前記二番受樋３２の上手側には、補助送風
機３４を設け、この二番受樋３２の上端部に設けた送風
口３２ｂへ送風して、二番物の選別性能の向上を図った
構成である。前記揚穀装置３ａのバケット３ｃで揚送さ
れた小豆粒が供給される穀粒貯留タンク４は、図５、図
６、及び図８〜図１１で示すこ如く前後方向に長く左右
方向に短かい長方形状で所定高さの箱形状に前・後側
板、及び左・右側板で形成した構成である。この箱体４
ｂの上端部には、天井板４ｃを設けた構成である。穀粒
貯留タンク４の下側には、上端部はこの穀粒貯留タンク
４と同形状で、下部内側へ傾斜して漏斗形状に、前・後
側板、及び左・右側板で穀粒流下漏斗４ａを形成して設
けた構成である。

【００４２】前記穀粒流下漏斗４ａの下側には、図５、
図６、及び図８〜図１１で示すこ如く穀粒繰出装置５を
設けた構成である。この穀粒繰出装置５は、前・後側
板、及び左・右側板で箱形状に形成した繰出バルブケー
ス６を設け、この繰出バルブケース６内には、左右両側
の上端から下部内側へ傾斜する案内板６ａ，６ａを設
け、この案内板６ａ，６ａの下側には、集穀棚６ｂを設
け、この集穀棚６ｂの上部の左右両側には、繰出部６
ｃ，６ｃを設けると共に、下部には、底部６ｄを設けた
構成である。

【００４３】前記繰出バルブケース６の繰出部６ｃ，６
ｃの上側には、図５〜図７で示す如く左・右繰出バルブ
７ａ，７ｂを回転自在に軸支して設け、この左・右繰出
バルブ７ａ，７ｂは、繰出軸７ｃに複数枚の繰出羽根７
ｄを固着して設け、この各繰出羽根７ｄの先端部には、
繰出羽根先７ｅを回転外周方向へ調節自在に装着して設
け、この各繰出羽根先７ｅと、集穀棚６ｂの繰出部６ｃ
との間の隙間を調節可能にして、繰出す小豆粒の繰出量
を調節する構成である。左・右繰出バルブ７ａ，７ｂ間
には、案内具５ａを設けた構成である。

【００４４】前記左・右繰出バルブ７ａ，７ｂは、図
５、及び図６で示す如く繰出バルブケース６の後側に設
けた取付台３５に載置したバルブモータ３５ａのモータ
スプロケット３５ｂと、右繰出バルブ７ｂの繰出軸７ｃ
の後端部に軸支したバルブスプロケット３６とには、バ
ルブチェン３５ｃを掛け渡した構成である。左・右繰出
バルブ７ａ，７ｂの各繰出軸７ｃ，７ｃの前端部には、
左・右ギヤー３７ａ，３７ｂを軸支して設け、これら左
・右ギヤー３７ａ，３７ｂ間には、カウンタギヤー３７
ｃを設けた構成である。バルブモータ３５ａの回転によ
り、左・右繰出バルブ７ａ，７ｂが回転駆動して小豆粒
を繰出す構成である。

【００４５】前記穀粒繰出装置５の繰出バルブケース６
の前側には、図８、及び図１０で示す如く送風機３８を
設け、この送風機３８の後ケースと、繰出バルブケース
６の前側板との間には、送風パイプ３８ａを設け、この
送風パイプ３８ａと、集穀棚６ｂの底部６ｄとは、連通
させて送風機３８から発生する起風は、底部６ｄへ送風
する構成であり、この底部６ｄへ供給された小豆粒を空
気移送する構成である。送風機３８の後ケースには、後
方へ突出する吸入パイプ３８ｂを設け、この吸入パイプ
３８ｂの先端部には、防塵用網３８ｃを設けて、外気を
吸入時に塵埃の吸入を防止した構成である。

【００４６】前記穀粒繰出装置５の繰出バルブケース６
の後側には、図８、及び図１０で示す如く、穀粒排出移
送装置３９を設けた構成である。この穀粒排出移送装置
３９は、上・下横移送筒３９ａ，３９ｂと、上・下接合
移送筒４０ａ，４０ｂと、縦移送筒４１と、排出口４２
ａを有する排出筒４２とよりなり、これらを一体に組付
けた構成である。

【００４７】前記縦移送筒４１は、下支持具４３ｂで旋
回自在に支持した構成であり、又、上横移送筒３９ａ
と、排出筒４２とには、上支持具４３ａに設けた上下シ
リンダ４３ｃにより、上下回動自在に設けた構成であ
る。前記繰出バルブケース６の集穀棚６ｂの底部６ｄ内
へ供給された小豆粒は、送風機３８からの送風により、
この底部６ｄから下横移送筒３９ｂ、下接合移送筒４０
ｂ、縦移送筒４１、上接合移送筒４０ａ、上横移送筒３
９ａ、排出筒４２を経て、この排出筒４２の排出口４２
ａから機外へ排出される構成である。

【００４８】前記掻込移送ローラ装置１５の掻込移送ロ
ーラ１５ａの外周部で、移送コンベア装置１６の引継ぎ
口１６ｃ部に位置する箇所には、図１５、及び図１６で
示す如く断面形状は、円周方向に波形状で、左右方向に
波形の凹凸形状を略直線上に形成すると共に、弾性材の
ゴム材、又は樹脂材等よりなる飛散防止具４４を設けた
構成である。掻込みする小豆稈から飛散する小豆粒は、
この飛散防止具４４へ当接して、大きく飛散することな
く、掻込移送ローラ装置１５の底板１５ｈ上へ落下する
構成である。又、この飛散防止具４４は、図１７、及び
図１８で示す如く波形の凹凸形状は、螺旋状に設ける構
成とするもよい。

【００４９】これにより、掻込移送ローラ装置１５で小
豆稈を掻込移送のときに、この掻込移送ローラ装置１５
の掻込移送ローラ１５ａの外周部に、当接して飛散する
小豆粒は、この掻込移送ローラ１５ａの外周部に設けた
飛散防止具４４がクッション材となり、大きく飛散する
ことなく、この掻込移送ローラ装置１５の底部１５ｈへ
落下することにより、頭部ロスを大幅に減少させること
ができる。又、波形状を螺旋状に設けたことにより、小
豆稈を横方向へ向けて倒すことができ、更に頭部ロスを
減少させることができる。

【００５０】刈取高さを検出する刈高検出装置４５は、
図１９、及び図２０で示す如く設け、この刈高検出装置
４５の回動軸４５ａに設けた前感知板４６ａの後端部に
は、前接続板４６ｂを固着して設けた構成である。後感
知板４７ａの前端部には、後接続板４７ｂを固着して設
けた構成である。これら前・後接続板４６ｂ，４７ｂ
は、接続ピン４８で接続した構成である。前感知板４６
ａに設けた支持板４６ｃと、後感知板４７ａに設けた支
持板４７ｃとの間には、弾発するスプリング４９を設け
た構成である。

【００５１】前記刈高検出装置４５の前感知板４６ａの
圃場へ接地する後端部イより、この前感知板４６ａと、
後感知板４７ａとを接続する接続ピン４８位置を所定距
離Ｈ上方に位置させて設けた構成である。前感知板４６
ａの後端部には、二段の接曲部４６ｄを設け、又、後感
知板４７ａの前端部は、接曲部４７ｄを設けた構成であ
る。

【００５２】これにより、前・後進時に接続部に泥の侵
入を防止することができ、正確に刈取り高さを得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 掻込装置部の拡大側面図

【図２】 掻込装置部の拡大平面図

【図３】 掻込装置部の拡大側面図

【図４】 掻込装置部の拡大平面図

【図５】 穀粒繰出装置部の拡大背断面図

【図６】 穀粒繰出装置部の拡大平断面図

【図７】 繰出バルブの拡大正断面図

【図８】 コンバインの右側全体側面図

【図９】 コンバインの左側全体側面図

【図１０】 コンバインの全体平面図

【図１１】 コンバインの一部破断した全体背面図

【図１２】 脱穀機の全体側断面図

【図１３】 図１２のＡ−Ａ断面図

【図１４】 ブロック図

【図１５】 他の実施例を示す図で、掻込移送ローラ装
置部の拡大側面図

【図１６】 他の実施例を示す図で、掻込移送ローラ装
置部の拡大平面図

【図１７】 他の実施例を示す図で、掻込移送ローラ装
置部の拡大平面図

【図１８】 他の実施例を示す図で、掻込移送ローラ装
置部の拡大正面斜視図

【図１９】 他の実施例を示す図で、刈高検出装置部の
拡大側面図

【図２０】 他の実施例を示す図で、刈高検出装置部の
拡大側面図

【符号の説明】

２ 走行車台 １２ リール装置 １２ａ リール杆 １４ 刈刃装置 １５ 掻込移送ローラ装置 １６ 移送コンベア装置 １６ｃ 引継ぎ口 １７ 掻込装置 １７ａ 掻込ラグ付ベルト １９ｆ シリンダ ２０ 穀稈センサ ２１ 制御装置 α 所定角度

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2B076 AA04 CA08 CA10 CA18 EA01 EC11 ED30 2B081 AA03 BB16 BB23 BB25 CC01 CC11 EE03 EE12 FA02 FB02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行車台２の前部に穀稈を引起す複数個
   のリール杆１２ａを装着したリール装置１２と、穀稈を
   刈取る刈刃装置１４と、刈取り穀稈を掻込移送する掻込
   移送ローラ装置１５と、該掻込移送ローラ装置１５から
   穀稈を引継ぎ移送する移送コンベア装置１６等を設けた
   コンバインにおいて、リール装置１２の下側には、穀稈
   を掻込移送するラグ付ベルト１７ａを張設した一対の掻
   込装置１７，１７を複数組設けたことを特徴とするコン
   バインの刈取機。
2. 【請求項２】 前記掻込移送ローラ装置１５から移送コ
   ンベア装置１６へ穀稈を引継ぎする引継ぎ口１６ｃ前方
   で、掻込移送ローラ装置１５前側の一対の掻込装置１
   ７，１７は平面視移送コンベア装置１６と略平行に設け
   ると共に、他の一対の掻込装置１７，１７は平面視引継
   ぎ口１６ｃ部へ向けて移送終端部側を所定角度αに傾斜
   させて設けたことを特徴とする請求項１に記載のコンバ
   インの刈取機。
3. 【請求項３】 前記掻込装置１７に設けた穀稈移送の有
   無を検出する穀稈センサ２０が刈取終りで穀稈が無ない
   ことを検出に伴ない各掻込装置１７を掻込移送ローラ装
   置１５側へ移動させるシリンダ１９ｆを始動及び停止制
   御する制御装置２１を設けたことを特徴とする請求項
   １、又は請求項２に記載のコンバインの刈取機。