JP2002358509A - 穴検査装置 - Google Patents
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Abstract
な穴検査装置を提供する。 【解決手段】 欠陥候補領域抽出部12は、貫通孔
(穴)を有するプリント基板4の撮像データを区分した
各オブジェクトパターン区分領域が、位置的に対応する
マスターパターンの領域との間に所定の許容範囲を越え
る相違部分を有しているか否かを判定することによっ
て、当該各オブジェクトパターン区分領域のそれぞれが
欠陥候補であるか否かを判定して欠陥候補領域を抽出す
る。さらに、欠陥判定部22は、複数のオブジェクトパ
ターン区分領域のうち欠陥候補領域として抽出されたオ
ブジェクトパターン区分領域に存在する貫通孔について
の孔情報と、欠陥候補領域に対応するマスターパターン
の領域内に存在する貫通孔についての孔情報との比較結
果に基づいて、各貫通孔が欠陥であるか否かを判定す
る。
Description
はプリント基板用の基材などの被検査物に形成された複
数の穴を検査する穴検査装置に関する。
子を半田付けするためなどの目的で、プリント基板を貫
通する多数の貫通孔(スルーホールないしバイアホー
ル)が形成されている。これらの貫通孔は、通常、ドリ
ルマシンのドリル刃で所定の位置を貫通することによっ
て形成される。そして、このような貫通孔は、確実に孔
空けされている必要があるので、貫通孔の欠陥の有無に
関する検査が行われる。
にして行われている。すなわち、まず、プリント基板用
の基材の一面に対して照明光を照射してその裏側の面を
撮像することによって、貫通孔を透過した透過光に基づ
く画像データを取得する。次に、この画像データから、
貫通孔の重心位置、径寸法、孔面積などの情報(以下、
「孔情報(ないし穴情報)」とも称する)を算出し、こ
の算出結果と設計データとを比較して欠陥であるか否か
を検出する。このように撮像画像における特徴量を抽出
して行う欠陥検査を実施すれば、正確な検査結果を得る
ことができる。
貫通孔を対象とすることが好ましいのであるが、このよ
うな画像全体にわたる全ての貫通孔に関する孔情報を算
出するためには多大な時間(例えば1枚につき2時間)
を要してしまうという問題がある。したがって、このよ
うな欠陥検査を全貫通孔に対して行うことは現実的では
なく、実際には、一部の貫通孔を含む部分領域を抜き出
し当該部分領域についての検査のみを行ういわゆる「抜
き取り検査」が行われている。
プリント基板に形成される配線パターンの微細化に伴っ
て、貫通孔についての許容誤差範囲が小さくなってい
る。具体的には、配線パターンの微細化に伴って、貫通
孔の周囲に形成されるランド部の幅が小さくなっている
ため、許容位置誤差が小さくなっているという事情があ
る。さらには、貫通孔自体の直径も小さくなっているた
めに、ドリル刃自体の直径も小さくなっており、このよ
うな細い刃で複数枚が重ねられた基材を同時に孔空け処
理すると、ドリル刃が途中で曲がり、下方に位置する基
材で貫通孔の位置ずれ等の欠陥が発生する可能性が高く
なるという事情もある。
発生する可能性が高い状況となっており、従来の抜き取
り検査ではこのような欠陥を見逃す確率が高くなってし
まうという問題を有している。そのため、全ての貫通孔
についての欠陥検査を行う全数検査を行うべきであると
いう要請が高まってきている。そして、実際に全数検査
を行うためには、検査を効率的に行うことによって検査
の所要時間を短縮することが望まれる。また、このよう
な事情は、上記のように「貫通孔としての穴」を設ける
場合のみならず、「被検査物の厚さ方向において途中ま
でが窪んだ状態として形成された穴」をも含む一般的な
「穴」を被検査物に形成する場合にも存在するものであ
る。
検査を正確かつ効率的に行うことが可能な穴検査装置を
提供することを目的とする。
め、請求項1の発明は、被検査物に形成された複数の穴
を検査する穴検査装置であって、複数の穴を有する被検
査物を撮像してオブジェクトパターンデータを取得する
撮像手段と、前記被検査物の理想状態を表すマスターパ
ターンデータを記憶する記憶手段と、前記オブジェクト
パターンデータを、所定の大きさを有する複数のオブジ
ェクトパターン区分領域に区分する領域区分手段と、各
オブジェクトパターン区分領域と当該各オブジェクトパ
ターン区分領域に対応するマスターパターンデータとを
比較することによって、当該各オブジェクトパターン区
分領域のそれぞれが欠陥候補であるか否かを判定し、前
記複数のオブジェクトパターン区分領域の中から欠陥候
補領域を抽出する欠陥候補領域抽出手段と、前記複数の
オブジェクトパターン区分領域のうち前記欠陥候補領域
として抽出されたオブジェクトパターン区分領域に存在
する穴についての第1の穴情報を求める第1取得手段
と、前記欠陥候補領域として抽出されたオブジェクトパ
ターン区分領域に対応するマスターパターンの領域内に
存在する穴についての第2の穴情報を求める第2取得手
段と、前記第1の穴情報と前記第2の穴情報とを比較
し、その比較結果に基づいて、各穴が欠陥であるか否か
を判定する欠陥判定手段と、を備えることを特徴とす
る。
穴検査装置において、前記欠陥候補領域抽出手段は、1
つのオブジェクトパターン区分領域が欠陥候補であるか
否かを判定するにあたって、当該オブジェクトパターン
区分領域に対応すべきマスターパターンデータの領域を
中心として当該領域に所定画素数周辺を拡げた拡張区域
にわたって2次元的に1画素ずつ所定量だけ位置ずれし
た複数のマスターパターン区分領域を設定し、前記オブ
ジェクトパターン区分領域と前記複数のマスターパター
ン区分領域のそれぞれとを比較し、当該比較に際して、
複数画素サイズをもつ欠陥検査ウインドウをパターン全
域にわたり走査して、いずれかの走査位置においてその
ウインドウ内に含まれる両パターンの相対応する画素の
うちの所定数以上の画素の画素値が不一致のときにパタ
ーン不一致と判定し、前記オブジェクトパターン区分領
域が前記複数のマスターパターン区分領域の全てに対し
てパターン不一致と判定されたときに当該オブジェクト
パターン区分領域を欠陥候補領域として判定し、いずれ
か一つのマスターパターン区分領域に対してでもパター
ン不一致と判定されないときには当該オブジェクトパタ
ーン区分領域を欠陥候補領域ではないとして判定するこ
とを特徴とする。
2の発明に係る穴検査装置において、前記オブジェクト
パターン区分領域の大きさは、当該各区分領域内に最大
1個の穴が含まれるような大きさとして定められること
を特徴とする。
3のいずれかの発明に係る穴検査装置において、前記第
1の穴情報および前記第2の穴情報は、それぞれ、穴の
重心位置を含み、欠陥判定手段は、前記第1の穴情報の
重心位置と前記第2の穴情報の重心位置とのずれ量を算
出し、当該ずれ量と所定の許容値とを比較することによ
って、各穴が欠陥であるか否かを判定することを特徴と
する。
4のいずれかの発明に係る穴検査装置において、前記第
1の穴情報および前記第2の穴情報は、それぞれ、穴の
面積を含み、欠陥判定手段は、前記第1の穴情報の面積
と前記第2の穴情報の面積とのずれ量を算出し、当該ず
れ量と所定の許容値とを比較することによって、各穴が
欠陥であるか否かを判定することを特徴とする。
施形態に係る貫通孔検査装置(穴検査装置)1の概略構
成を示す図である。この貫通孔検査装置1は、被検査物
であるプリント基板4などの板状体を貫通する複数の貫
通孔Hについての欠陥の有無等を検査する装置である。
図1に示すように、この貫通孔検査装置1は、移動テー
ブル2、光源3、駆動制御部5、X方向駆動部6、Y方
向駆動部7、CCDラインセンサ8、第1画像処理部1
0、マスターパターンデータ記憶部19および第2画像
処理部20を備えている。また、第1画像処理部10
は、画像取得部9、領域区分部11および欠陥候補領域
抽出部12を有しており、第2画像処理部20は、孔情
報算出部(穴情報算出部)21および欠陥判定部22を
有している。なお、領域区分部11、欠陥候補領域抽出
部12の一部、孔情報算出部21および欠陥判定部22
などは、コンピュータシステムにおいて所定のプログラ
ムを実行することによって機能的に実現される処理部で
ある。
するように透明な材料で形成されており、かつ、プリン
ト基板4などの検査対象物を所定範囲内の位置決め精度
で保持することが可能である。また、移動テーブル2
は、モータを含むY方向駆動部7によりY方向に駆動さ
れる。この移動テーブル2のY方向における駆動制御
は、駆動制御部5によって行われる。
ンサ8が設けられている。CCDラインセンサ8は、X
方向線上に画素を構成する受光素子を一列に複数個(た
とえば2048個)配列したものを用いる。光源3から
出射された照明光がプリント基板4の下面に照射される
と、このCCDラインセンサ8は、その逆側の面(図の
上面)を撮像することによって、貫通孔Hを透過した透
過光に基づく画像データを取得する。
むX方向駆動部6によってX方向に駆動される。このC
CDラインセンサ8(後述)のX方向における駆動制御
は、駆動制御部5によって行われる。
4の画像の読み取りは、Y方向駆動部7により移動テー
ブル2をY方向へ移動させて、プリント基板4をスキャ
ン幅aで帯状に走査し、往路側の走査を行う。往路側の
走査が終了すれば、X方向駆動部6によってCCDライ
ンセンサ8をX方向に上記スキャン幅aよりも若干小さ
な幅だけ移動させ検査領域がオーバーラップするように
移動させ、ついで移動テーブル2を−(マイナス)Y方
向へ移動させて帰路側の走査を行う。これにより、プリ
ント基板4の全面領域が走査されて、画像の読み取りが
行なわれることとなる。
アナログ画像信号は、画像取得部9においてA/D変換
処理によりディジタル画像信号に変換され、さらに空間
フィルタ処理を経て2値化回路によって「1」と「0」
の信号に2値化される。以上のようにして、貫通孔検査
装置1は、複数の貫通孔Hを有するプリント基板4の表
面の画像をデジタル画像として取得することができる。
像された画像は、オブジェクトパターンデータとして取
得される。
には、プリント基板4の複数の貫通孔についての理想状
態を表すマスターパターンデータが記憶される。このマ
スターパターンデータは、たとえば、設計データ(CA
Dデータ)に基づいて作成される。あるいは、正確なプ
リント基板4、言い換えれば、検査時の基準となるプリ
ント基板4が存在する場合には、そのような検査基準と
なるプリント基板4の画像を上記のCCDラインセンサ
8などを用いて撮像した画像をマスターパターンデータ
として用いてもよい。
ターンデータを、所定の大きさを有する複数のオブジェ
クトパターン区分領域に区分する。
トパターン区分領域が、それに対応するマスターパター
ンデータの領域との間に所定の許容範囲を越える相違部
分を有しているか否かをパターンマッチング技術を用い
て判定することによって、当該各オブジェクトパターン
区分領域のそれぞれが欠陥候補であるか否か(言い換え
れば欠陥を有する可能性が高いか否か)を判定して、欠
陥を有する可能性が高い領域を「欠陥候補領域」とし
て、抽出する。このようにして、欠陥候補領域抽出部1
2は、複数のオブジェクトパターン区分領域の中から欠
陥候補領域を抽出する。
補領域抽出部12は、複数のオブジェクトパターン区分
領域のそれぞれについて、各オブジェクトパターン区分
領域に対応すべきマスターパターンデータの領域を中心
として当該領域に所定画素数周辺を拡げた拡張区域にわ
たって2次元的に1画素ずつ所定量だけ位置ずれした複
数のマスターパターン区分領域からなるマスターパター
ン区分領域群を設定し、各オブジェクトパターン区分領
域とそれぞれに対応するマスターパターン区分領域群と
を比較することによって、各オブジェクトパターン区分
領域のそれぞれが欠陥候補であるか否かを判定する。こ
の欠陥候補領域抽出部12は、高速化を図るため、ハー
ドウエア回路(後述)を用いて構成されることが好まし
い。
パターン区分領域のうち欠陥候補領域として欠陥候補領
域抽出部12において抽出されたオブジェクトパターン
区分領域に存在する貫通孔についての孔情報(穴情報)
を算出する。さらに、この孔情報算出部21は、欠陥候
補領域として抽出されたオブジェクトパターン区分領域
に対応するマスターパターンデータの領域内に存在する
貫通孔についての孔情報をも算出する。なお、マスター
パターンデータ内に存在する貫通孔についての孔情報
は、検査動作に先立って予め求めておくことが好まし
い。
出されたオブジェクトパターン区分領域内に存在する貫
通孔についての孔情報と、その欠陥候補領域に対応する
マスターパターンデータの領域内に存在する貫通孔につ
いての孔情報とを比較し、その比較結果に基づいて、各
貫通孔が欠陥であるか否かを判定する。
らの出力結果として、オブジェクトパターンデータに含
まれる複数の孔についての欠陥の有無等を得ることがで
きる。上記のような動作については後に詳述する。
認識部30をさらに備えている。この目視欠陥認識部3
0は、第2画像処理部20からの出力結果として欠陥と
して出力された孔を拡大表示することができ、この目視
欠陥認識部30の表示部(図示せず)に表示された貫通
孔をマスターパターンデータと比較することができる。
したがって、目視で確認して当該貫通孔が欠陥であるか
否かを最終的に判断することができる。
ュータを統合してシステム的に構成されていてもよい。
たとえば、第1画像処理部10と第2画像処理部20と
目視欠陥認識部30とがそれぞれ別個のコンピュータで
構成されていてもよく、あるいは、逆にこれらのうちの
一部または全部が同一のコンピュータとして構成されて
いても良い。なお、別個のコンピュータとして構成され
る場合には、各コンピュータは、LANなどの通信線を
通じて相互の情報を交換することができる。
なくとも、スルーホール(ICの端子等を嵌挿するため
などに用いられる比較的直径が大きな貫通孔)とバイア
ホール(信号線を接続するためなどに用いられる比較的
直径が小さな貫通孔)との両者を包含する概念を有する
ものとし、スルーホールないしバイアホールのいずれに
対しても以下の欠陥検出技術を適用することができる。
検査動作について説明する。この欠陥検査動作は、図2
のフローチャートに示す流れに沿って行われる。
いて、検査対象となるプリント基板4をCCDラインセ
ンサ8などを用いて撮像する。上述したように、画像取
得部10は、CCDラインセンサ8からの信号に基づい
て、検査対象となるプリント基板4についての画像デー
タ(以下、「オブジェクトパターンデータ」と称する)
を取得する。
画像(すなわちオブジェクトパターンデータ)を複数の
区分領域(以下、「オブジェクトパターン区分領域」と
称する)に区分する。
およびマスターパターンデータMDを示す図である。図
3(a)はオブジェクトパターンデータPDを示し、図
3(b)はマスターパターンデータMDを示す。なお、
図3においては、貫通孔を円で表示している。
ターンデータPDは、X方向およびY方向にそれぞれ所
定数の画素を有する区分領域(すなわちオブジェクトパ
ターン区分領域)PDijに区分される。たとえば、オブ
ジェクトパターンデータPDのX方向の総画素数を20
48個とすると、X方向を4つに分割したときの各区分
領域のX方向の画素数は512個(=2048/4)と
なる。そして、このオブジェクトパターンデータPDを
Y方向にも同一数の画素を有するように区分すると、1
つのオブジェクトパターン区分領域PDijは、512画
素×512画素の画素数を有する正方形の区分領域とな
る。
ーン区分領域PDijに位置的に対応するマスターパター
ンデータMDの対応領域MDijを示している。各対応領
域MDijは、同一画素数を有する各オブジェクトパター
ン区分領域PDijに対応している。言い換えれば、オブ
ジェクトパターンデータとマスターパターンデータとが
同一である場合には、各オブジェクトパターン区分領域
PDijは、各対応領域MDijに一致する。ここでは各領
域PDij,MDijの形状が正方形である場合を例示した
が、これに限定されず、横長あるいは縦長の長方形など
であってもよい。
ターン区分領域PDijについて、対応領域MDijを中心
として当該領域MDijに所定画素数周辺を拡げた拡張区
域にわたって2次元的に1画素ずつ所定量だけ位置ずれ
した複数のマスターパターン区分領域からなるマスター
パターン区分領域群が設定される。
る各区分領域ごとに、オブジェクトパターンデータとマ
スターパターンデータを比較する。より具体的には、オ
ブジェクトパターン区分領域PDijと、それに対応する
マスターパターン区分領域群に含まれる複数のマスター
パターン区分領域とを比較する。そして、この比較結果
に応じて、各オブジェクトパターン区分領域PDijが欠
陥候補領域であるか否かを判定する。さらにこの判定結
果に応じて、複数のオブジェクトパターン区分領域の中
から欠陥候補領域であるオブジェクトパターン区分領域
を決定する。この動作については後に詳述する。
陥候補領域として抽出されたオブジェクトパターン区分
領域PDij内の貫通孔Hについての孔情報(重心位置、
面積、直径)を算出する。この動作についても後に詳述
する。
ップSP40で算出された孔情報と、その欠陥候補領域
に対応するマスターパターンの領域MDij内の貫通孔に
ついての孔情報とを比較し、各貫通孔が欠陥であるか否
かを判定する。
判定結果、すなわち各貫通孔が欠陥であるか否かが貫通
孔検査装置1のディスプレイ(図示せず)などに出力さ
れる。なお、この後、作業者は、さらにこの判定結果を
参考にしつつ、目視欠陥認識部30に拡大表示された欠
陥候補領域内の貫通孔の画像を目視することによって、
実際の検査対象物のプリント基板4内の貫通孔が欠陥で
あるか否かを最終的に確認することができる。
詳細動作>つぎに、ステップSP30の動作(以下、
「第1段階の動作」とも称する)の詳細について説明す
る。
検査物に位置ずれや歪による位置合せ誤差がある場合で
も、それらの位置合せ誤差を吸収して高精度のパターン
欠陥検出を行なえ、しかもそのパターン欠陥検出を迅速
に行うことができる。
とによって、複数のオブジェクトパターン区分領域の中
から、欠陥候補領域としてのオブジェクトパターン区分
領域を抽出する。端的に言えば、この第1段階の動作
(ステップSP30の動作)によって、次のステップS
P40およびステップSP50における動作の対象とな
る領域を絞り込むのである。
原理について説明する。
ての考察)検査物が検査機構の所定位置に正確に位置決
めされ量子化誤差もないものと仮定して、次に述べるよ
うな基本的パターンマッチング法でパターン欠陥検出を
行う場合について考察する。すなわち、図4(a)に示
すように、欠陥サイズに相当する複数画素サイズからな
る検査ウィンドウW(ここでは仮に2×2画素サイズと
する)を、オブジェクトパターン区分領域P1内に走査
させるとともに、図4(b)に示すように、この検査ウ
ィンドウWに対し位置的に対応させながら、マスターパ
ターンの対応領域M1にも同一画素サイズの検査ウィン
ドウW′を同様に走査させ、各走査位置において、両検
査ウィンドウW,W′内に含まれる複数画像の2値化信
号を比較する基本的パターンマッチング法でパターン欠
陥検査を行うものとする。この場合、検査物にパターン
欠陥がないときには、検査ウィンドウ内の画素が全て不
一致となる箇所は、一箇所もない。
場合には、検査ウィンドウW,W′が欠陥箇所Kに位置
したときに、検査ウィンドウW,W′内の相対応する画
素の2値化信号が全て不一致(以下「検査ウィンドウ不
一致」と言う)となる箇所が存在することになる。検査
ウインドウWの大きさは欠陥サイズに相当するからであ
る。
合には、検査ウィンドウW,W′をパターン内の全領域
(または所定エリア)に亘り走査して上記比較処理を行
ない、一箇所でも、検査ウィンドウ不一致となる箇所が
あれば、パターン欠陥有りと判定でき、逆に一箇所たり
とも検査ウィンドウ不一致となる箇所がなければパター
ン欠陥無しと判定できる。
上記パターンマッチング法により充分にパターン欠陥の
検出を行なえるが、実際には、既述したように、検査物
に位置ずれ(上下左右のずれのみならず、傾斜のずれも
含む)や歪による位置ずれ誤差があるため、上記方法で
はパターン欠陥の検出ミスを生じることとなる。次に、
その理由を説明する。
が、検査機構に位置ずれした状態(言い換えれば位置合
わせ誤差を有した状態、)でセットされて画像入力さ
れ、たとえば、x方向に−2画素(左方に2画素)、y
方向に−2画素(上方に2画素)位置ずれした状態でセ
ットされて、オブジェクトパターンP0′が(後述の図
5(a)のP0の位置に)得られたものとする。このとき、
このオブジェクトパターンP0′と、マスターパターン
Mとを比較して、上記基本的パターンマッチング法によ
りパターン欠陥検出を行なえば、かなり多くの走査位置
において検査ウィンドウ不一致となる箇所が生じ、パタ
ーン欠陥が全くないにもかかわらず、パターン欠陥有り
と判定されることとなる。
ング法)そこで、このステップSP30においては、上
記問題点を考慮して、検査物に位置ずれがある場合で
も、位置合わせ誤差を吸収して正確にパターン欠陥検出
を行なえる方法で欠陥検出動作を行う。
法を概念的に示した図である。ここでは、オブジェクト
パターン(より具体的にはオブジェクトパターン区分領
域)Pの基準位置P0(検査物が所定位置に正確にセッ
トされた場合のオブジェクトパターンの位置)に対し、
位置的に対応するマスターパターンのエリアM0を中心
として、その区域(エリア)に所要画素数周辺を拡げた
エリアに2次元的に1画素ずつ所定量だけ位置ずれした
複数のマスターパターンエリア(マスターパターン区分
領域)を設定し、これらの複数のマスターパターンM11
〜M77と、オブジェクトパターンP0′とをそれぞれ比
較してパターン欠陥検出を行なう。この場合、拡げたマ
スターパターンエリアの設定範囲は、検査物の位置ずれ
や歪等による位置ずれ誤差(位置合わせ誤差)を吸収で
きるような範囲とし、図5では、エリアM0を中心とし
て、その上下左右に3画素ずつ位置ずれした場合を例示
している。
M77を設定すれば、検査物が位置ずれしている場合で
も、そのオブジェクトパターンPに位置的に対応するマ
スターパターンが、マスターパターンM11〜M77のうち
のいずれかに存在することとなる。図5(a)の例では、
オブジェクトパターンPが、基準位置P0に対し、上方
向に2画素、左方向に2画素位置ずれして置かれた場合
を想定しているので、この場合に基準位置P0に存在す
るオブジェクトパターンP0′にちょうど位置の合うマ
スターパターンは、本来この位置で合致すべきマスター
パターンM44ではなく、エリアM0(M44)から下方向
に2画素、右方向に2画素位置ずれした位置にあるマス
ターパターンM66である。
なわちマスターパターン区分領域群)を設定したうえ
で、次に、オブジェクトパターンPと、各マスターパタ
ーンM 11〜M77とを、それぞれ上記基本的パターンマッ
チング法の手法を用いて各マスターパターン毎に比較す
る。すなわち、位置ずれしたオブジェクトパターン
P0′と各マスターパターンM11〜M77内に、複数画素
サイズをもつ欠陥検査ウィンドウW,W′をそれぞれ設
定し、この検査ウィンドウW,W′を位置的に対応させ
ながらパターン全域に亘り走査して、その検査ウィンド
ウ不一致となる箇所が1箇所でもあればパターン不一致
と判定し、そうでないときはパターン一致と判定する。
このようにすれば、位置的に対応するオブジェクトパタ
ーンP0′とマスターパターン(図5の例ではマスター
パターンM66)との比較結果において、検査物にパター
ン欠陥がなければパターン一致と判定され、パターン欠
陥が有ればパターン不一致と判定される。(もし量子化
誤差がなければ図5の例ではマスターパターンM66の他
にマスターパターンM55,M56,M57,M65,M67,M
75,M76,M77も、パターン欠陥がなければパターン一
致と判定される。)また、オブジェクトパターンP0′
と他のマスターパターン(図5の例ではマスターパター
ンM55,M56,M57,M65,M66,M67,M75,M76,
M77を除くM11〜M 77)との比較結果では、比較すべき
パターンどうしが検査ウィンドウ不一致が生ずる程度に
位置的にずれているのでパターンが一致することはな
く、パターン不一致と判定される。
れる全てのマスターパターンM11〜M77に対してパター
ン不一致の判定がなされたときにパターン欠陥有りと判
定し、少くとも1つのマスターパターンに対してパター
ン一致の判定がなされたときにパターン欠陥無しと判定
して、パターン欠陥の検出を行なう。
P0′と比較すべきマスターパターンとして、2次元的
に1画素ずつ所定範囲位置ずれした複数のマスターパタ
ーンM11〜M77を設定するため、検査物に位置ずれや位
置合せ誤差がある場合でも、それらの位置合せ誤差を吸
収して高精度のパターン欠陥検出を行なえる。また、オ
ブジェクトパターンPやマスターパターンM11〜M
77に、1画素の領域内にパターンの端がある場合の量子
化誤差、及びパターン傾斜配置による量子化誤差が含ま
れている場合でも、その量子化誤差により、検査ウィン
ドウW,W′に含まれる画素の相対応する2値化信号が
少なくともいずれか1つのマスターパターンでは全て不
一致となることはないので、量子化誤差に伴う欠陥検出
ミスも防止できる。
出方法の概略について説明したが、上記方法をそのまま
実施回路として作成すると、大規模な回路となる。そこ
で、実際の装置では、以下に述べるような簡素化した回
路を用いることが好ましい。
欠陥候補領域抽出部12内の検出回路12aの回路構成
を示す図である。この検出回路12aには、検査物を走
査して得られるオブジェクトパターンP0′の画像デー
タ(オブジェクトパターンデータ)が、2値化処理され
て時系列的に入力される。同時に、オブジェクトパター
ンデータ(以下、単にオブジェクトデータとも称する)
の入力に同期してメモリから呼び出されたマスターパタ
ーンMの2値化データ(マスターパターンデータ)が時
系列的に入力される。なお、上記においては、オブジェ
クトパターン区分領域PDijおよびマスターパターンの
対応領域MDijはそれぞれ512×512画素のサイズ
を有する場合を例示したが、以下では、簡単化のため、
オブジェクトパターン区分領域PDijおよびマスターパ
ターンデータの対応領域MDijは、それぞれ、32×3
2画素のサイズを有するものとして説明する。
は、シフトレジスタSR1により1ライン分(32画素
分)遅延されたオブジェクトデータと共に、各比較検出
ブロックB11〜B77へペアで入力される。この比較検出
ブロックB11〜B77は、図5のマスターパターンM11〜
M77に対応して合計49個設けられている。
ターンデータ(以下、単にマスターデータとも称する)
は、シフトレジスタSR2〜SR9により1ラインずつ遅
延するように分離され、分離された方向に隣り合う2つ
のデータがペアとなって、比較検出ブロックB11〜B77
の水平方向の1段ごとに1ラインずつずらせて入力され
るとともに、垂直方向の1段ごとに挿入したDタイプフ
リップフロップD−FFにより、垂直方向の1段ごとに
1画素分ずつ遅延させて入力される。これにより、各比
較検出ブロックBij(i=1〜7,j=1〜7)にそれ
ぞれペアで与えられるマスターデータは、全て2次元的
に1画素ずつ位置ずれしたものとなる。ところで、検出
回路12aへのオブジェクトデータとマスタデータの入
力のタイミングは、つぎのように定められている。すな
わち、検査物が検査機構の所定位置に正確に位置決めさ
れている場合において、図7(a)に示すオブジェクトパ
ターンPのエリアE1のデータが比較検出ブロックB11
〜B77へ共通に入力されたときに、同時に、図7(b)に
示すマスターパターンMの2次元的に1画素ずつ位置ず
れした各エリアE11〜E77のデータが、対応する比較検
出ブロックB11〜B 77へそれぞれ分離して入力するよう
に設定される。このように設定すれば、検査物が位置ず
れした場合でも、位置ずれしたオブジェクトパターンP
0′のエリアE1は、マスターパターンMのエリアE11〜
E77のうちいずれか一のエリアと位置的に対応すること
となり、オブジェクトパターンP0′の他のエリアにつ
いても同様の結果となる。
1〜7,j=1〜7)の具体的回路図を示したものであ
る。各比較検出ブロックBijは、構成が全て同一である
ので、ここでは一のブロックの回路のみを示している。
21と、判定回路122と、保持回路123とで構成さ
れる。比較回路121は、それぞれペアで入力されるオ
ブジェクトデータとマスターデータを排他的論理和ゲー
トEXR1およびEXR2により対応する画素毎に比較
し、対応する画素の2値化信号が不一致であれば、
「1」、一致していれば「0」を出力して、それぞれシ
フトレジスタR0,R3にラッチさせる。次のオブジェク
トデータとマスターデータが入力されたときも、同じく
排他的論理和ゲートEXR1,EXR2により比較を行
い、比較結果をシフトレジスタR0,R3にラッチさせ
る。このとき、それまでシフトレジスタR0,R3にラッ
チされていたデータは、隣りのシフトレジスタR1,R2
にシフトされる。こうしてオブジェクトデータとマスタ
ーデータが入力される毎に、排他的論理和ゲートEXR
1,EXR2による比較を行なって、比較結果をシフトレ
ジスタR0〜R3へ順次シフトさせていく。このシフトレ
ジスタR0〜R3にラッチされている比較結果は、図5で
いえば、検査ウィンドウW,W′内の対応する画素毎の
比較結果に相当する。
R3のシフトが行なわれる度に、シフトレジスタR0〜R
3にラッチされているデータをアンドゲートAND1に入
力して、シフトレジスタR0〜R3にラッチされているデ
ータの全てが不一致のとき(すなわち欠陥サイズに相当
する不一致箇所があるとき)は「1」のデータを保持回
路123へ出力し、1つでも一致する箇所が有れば
「0」のデータを保持回路123へ出力する。
る毎に、DタイプフリップフロップD−FF1のQ出力
信号と、上記アンドゲートAND1の出力信号の論理和
をとって、その結果をDタイプフリップフロップD−F
F1に保持する。これにより検査ウィンドウW,W′の
走査が進むにしたがい、欠陥サイズに相当する不一致の
箇所が現れるまでは、DタイプフリップフロップD−F
F1には「0」のデータが保持され、1箇所でも欠陥サ
イズに相当する不一致箇所が現れれば、「1」のデータ
が保持されることとなる。
は、既述したようにオブジェクトデータが共通に各ブロ
ックに入力されると共に、マスターデータが2次元的に
1画素ずつ位置ずれされてそれぞれのブロックへ入力さ
れるため、オブジェクトパターンP0′の領域の走査を
終了すれば、結果的には、各比較検出ブロックB11〜B
7 7において、図5に示すオブジェクトパターンP0′と
各マスターパターンM11〜M77の比較処理とをそれぞれ
行ったこととなり、それぞれの比較結果が各比較検出ブ
ロックB11〜B77の保持回路123に保持されることと
なる。
ブロックBijでの比較処理をイメージ的に説明してお
く。図9は、ある時点における各比較検出ブロックBij
の比較処理を概念的に示した図である。図中において、
右側に位置する49個のブロックは、対応する比較検出
ブロックBijのシフトレジスタR0〜R3を表わし、ブロ
ック内の番号は、4画素a〜dからなるオブジェクトエ
リアと比較されるべき、マスターパターン内の対応する
4画素エリアの番号を示している。これら各ブロック内
の番号は、オブジェクトデータが入力される度にそれぞ
れ1画素ずつ左方へシフトされていく。ところで、図中
右側に位置する49個のブロックは、対応する比較検出
ブロックBijのシフトレジスタR0〜R3を表わしている
ため、その中のデータが右へシフトされることは、図5
に示す検査ウィンドウW,W′が右へ走査されていくこ
とを意味し、したがって、パターン全域の走査を終了す
れば、図5に示すオブジェクトパターンP0′と各マス
ターパターンM11〜M77の比較処理とを、それぞれ各比
較検出ブロックBijにおいて行ったこととなる。
に保持されているデータは、図6に示すように全てアン
ドゲートAND2に送られ、論理積がとられる。ところ
で、各比較検出ブロックBijの保持回路123に保持さ
れているデータは、既述したように、オブジェクトパタ
ーンP0′の領域の走査を終了した時点では、パターン
内に1箇所でも欠陥サイズに相当する不一致箇所があれ
ば「1」となり、不一致箇所が全くなければ「0」とな
る。したがって、検査物にパターン欠陥が1箇所でも存
在した場合には、全ての比較検出ブロックBijから
「1」が出力されて、アンド回路AND2の出力が
「1」となり、逆に検査物にパターン欠陥が全くなけれ
ば、位置的に対応するいずれか一の比較検出ブロック
(図5の例ではB66)から「0」が出力されて、アンド
回路AND2の出力が「0」となる。そこで、パターン
走査終了後に、アンド回路AND2から出力される信号
に基づいてパターン欠陥を検出する。このように1回の
パターン走査が終了してパターン欠陥の有無を検出し、
図示しない次段へ送出すると、クリア信号によって保持
回路123の内容を「0」にする。
によって、オブジェクトパターン区分領域に「パターン
欠陥」が存在するか否かを検出することができる。そし
て、パターン欠陥が存在する区分領域は「欠陥候補領
域」として抽出される。すなわち、複数のオブジェクト
パターン区分領域の中から、パターン欠陥が存在する区
分領域を特定して「欠陥候補領域」として抽出すること
ができる。これにより、貫通孔に関する欠陥が存在する
可能性が高いオブジェクトパターン区分領域を絞り込む
ことができる。そして、次のステップSP40以降の動
作によって、このようなパターン欠陥が存在する区分領
域に、実際に貫通孔の欠陥が存在するか否かを検査す
る。
ーンとしての相違点が存在することを意味し、パターン
欠陥であることが直ちに「貫通孔に関する欠陥」である
ことを意味するものではない。
て欠陥であると判定されたオブジェクトパターン区分領
域であっても、その内部に存在する貫通孔のずれ量は、
許容誤差範囲内である場合が存在するからである。すな
わち、このパターン欠陥が検出されたことだけで貫通孔
の欠陥が存在すると判定するとすれば、実際には欠陥で
はない貫通孔を欠陥であるとして誤判定し、過剰な欠陥
検出(誤検出)を行うことになる可能性がある。そこ
で、過剰な欠陥検出を防止し検査精度をさらに向上させ
るべく、次のステップSP40以降の動作をさらに行
い、オブジェクトパターン区分領域内の各貫通孔が欠陥
であるか否かについてさらに詳細に検査するのである。
いて、オブジェクトパターンPの基準位置P0に対して
設定される複数のマスターパターンエリアの設定範囲の
大きさや形状を調整すること、および/または検査ウイ
ンドウのサイズや形状等を調整することによっても、貫
通孔に関する欠陥の検出の精度を若干向上させることが
可能ではある。
ターパターンエリアの形状を四角形状としていたが、こ
れに限定されず、円形形状としてもよい。マスターパタ
ーンエリアの形状を円形形状とすれば、欠陥検出におけ
る異方性に起因する過剰検出を解消することができる。
これは、上記のようにマスターパターンエリアが四角形
状の場合においては、中心からエリアの端までの距離が
X方向(あるいはY方向)と斜め45度の方向とにおい
て異なる(具体的にはその比が1:(2の平方根)とな
る)ので、第1の動作において許容される位置ずれ量が
各方向において異なるのに対して、マスターパターンエ
リアの形状を円形形状とする場合には、いずれの方向に
対しても中心からエリアの端までの距離が同一となるの
で、第1の動作において許容される位置ずれ量が同一と
なることに基づくものである。このように、各方向にお
ける許容位置ずれ量を同一とすることによって、貫通孔
に関する欠陥の検出精度を高めることができるのであ
る。
欠陥検出が困難な場合も存在する。図21は、そのよう
な場合すなわち欠陥検出が困難な場合について説明する
図である。ここでは、1つの区分領域に2つの貫通孔が
存在する場合を想定する。オブジェクトデータ内の2つ
の貫通孔PHは、正規の位置に対してそれぞれ「ずれ
て」存在しており、そのずれ量が互いに異なっている。
具体的には、図21(a)に示すように、左側の貫通孔
PH1は正規の位置から左側に距離L1だけずれてお
り、右側の貫通孔PH2は正規の位置から右側に距離L
2だけずれているものとする。なお、これらのずれ量L
1,L2はいずれも許容範囲内であるものとし、検査ウ
インドウWの大きさは、距離L1を貫通孔の位置ずれ量
の最大許容値とするように設定されているものとする。
らして最もパターンの相違点が少ない状態となるよう
に、マスターパターンを左へ除々にずらしていく。
左へずれた状態であるが、未だマスターパターンの貫通
孔MH1に対応する貫通孔PH1はパターン不一致であ
るとして判定される。左側の貫通孔PH1と左側のマス
ターパターンの貫通孔MH1との相違領域内に全ての画
素を有する検査ウインドウWが存在するからである。そ
して、このときの右側の貫通孔PH2のずれ量が最大許
容限度であるものとする。
ずらしていくと、図21(b)よりも貫通孔PH2を左
側にずらした場合には右側の貫通孔PH2が今度はパタ
ーン不一致であるとして判定される。右側の貫通孔PH
2と右側のマスターパターンの貫通孔MH2との相違領
域内に全ての画素を有する検査ウインドウWが存在する
からである。
して、図21(c)の状態にまでに到達すると、ようや
く左側の貫通孔PH1はパターン一致として判定され
る。
1(c)の状態との中間の状態は、両貫通孔PH1,P
H2のいずれもがパターン不一致であるとして判定され
る状態となっている。
貫通孔PH1,PH2がいずれもパターン一致であると
して判定される状態は存在しないことが判る。これは、
最大許容値L1以下の位置ずれ量を有する両貫通孔PH
1,PH2をパターン不一致であるとして判定すること
を意味する。そして、このパターン不一致であるとの判
定をそのまま貫通孔の欠陥の判定とすると、貫通孔の欠
陥検出において過剰検出が生じることになる。
についての正確な欠陥検出が困難な場合が存在する。
テップSP40以降の動作(各貫通孔の特徴量抽出およ
び比較)をさらに行うことによれば、このような問題を
解消し、貫通孔の欠陥検出をより正確に行うことが可能
である。
プSP40およびステップSP50の動作の詳細につい
て説明する。なお、これらのステップSP40およびス
テップSP50における動作を「第2段階の動作」と称
するものする。
て抽出されたオブジェクトパターン区分領域に含まれる
全ての貫通孔についての特徴抽出処理を行うとともに、
抽出された特徴量(孔情報)に基づいて各貫通孔Hが欠
陥であるか否かを判定する処理を行うものである。
出)>具体的には、まずステップSP40において、ス
テップSP30で欠陥候補領域として抽出されたオブジ
ェクトパターン区分領域内に含まれる全ての貫通孔PH
を検出し、各貫通孔PHについての中心位置、面積、直
径などの「孔情報」を算出する。この動作は、孔情報算
出部21において行われる。
図10に示すように、貫通孔Hの中心位置は、画像にお
いて貫通孔Hを構成する画素の重心位置Gとして算出す
ることができる。具体的には、基準位置(xv,yv)に
対する各画素の相対位置を(xij,yij)とすると、貫
通孔Hの重心位置Gは、(xv+Σxij/n,yv+Σy
ij/n)として表現することができる。ここで、nは、
貫通孔Hを構成する画素数である。また、Σ(*)は、
貫通孔Hを構成する全ての画素に関する総和を意味する
ものとする。この重心位置Gは、貫通孔Hの形状が正常
である場合には、円の中心と一致する。
を求める。面積Rは、貫通孔Hを構成する画素数nに各
画素の単位面積rを乗じることによって求められる。す
なわち、R=n×rである。また、貫通孔Hの直径D
は、R=π×(D/2)2の関係を用いることによっ
て、D=SQRT(4×n×r/π)として算出される。こ
こで、SQRT(*)は、括弧内の値の平方根を表すものと
する。
れたオブジェクトパターン区分領域に対応するマスター
パターンの領域内に含まれる貫通孔についての孔情報
は、この検査動作に先立って(ステップSP10よりも
以前に)予め求めておく。具体的には、各貫通孔Hの位
置、面積、直径などの孔情報を、CADの設計データな
どに基づいて予め求めておき、マスターパターンデータ
記憶部19に記憶しておく。そして、次のステップSP
50における比較判定動作において、当該欠陥候補領域
に対応するマスターパターンの対応領域内の貫通孔につ
いての情報を呼び出して利用する。
領域内に含まれる貫通孔についての孔情報を予め求めて
おく場合を例示したが、マスターパターンの対応領域内
に含まれる貫通孔についての孔情報を、オブジェクトパ
ターン区分領域内に含まれる貫通孔について孔情報を求
める時点において求めるようにしても良い。
次のステップSP50(図2)においては、このように
して得られた各貫通孔Hの重心位置、直径などの情報を
用いて、各貫通孔Hが各種の欠陥であるか否かについて
の検討を加える。
欠陥」、 貫通孔Hの径が大きすぎたり、小さすぎたりする「孔
径欠陥」、 貫通孔Hが形成されていない「孔無し欠陥」、 貫通孔Hが余分に形成されている「余分孔欠陥」、 貫通孔Hの削りカスが詰まっている「カス詰まり欠
陥」、 貫通孔Hの形状が変形している「孔変形欠陥」、など
の各種のものが存在する。
欠陥」を検出する処理について説明する。図11は、マ
スターデータ内において正規の位置に存在する貫通孔M
Hと、位置ずれした状態で撮像されたオブジェクトデー
タ内の貫通孔PHとを位置的に重ねて示した図である。
Hの重心位置Gの座標位置が(x1,y1)として求めら
れており、一方の貫通孔MHの重心位置GMの座標位置
が(x0,y0)として求められているとすると、両者の
位置ずれ量Lは、 L=SQRT((x1−x0)2+(y1−y0)2)、 として求められる。そして、位置ずれ量Lと所定の許容
値L0とを比較することによって、各貫通孔が欠陥であ
るか否かを判定する。具体的には、この位置ずれ量Lが
許容値L0よりも大きい場合(L>L0)に欠陥であると
して判定し、この位置ずれ量Lが許容値L0以下の場合
(L≦L0)には欠陥でないとして判定する。
陥」の検出について説明する。この孔径欠陥について
は、貫通孔PHの直径DPと貫通孔MHの直径DMとの
差A(=DP−DM)を、所定の許容値A0と比較する
ことによって判定される。具体的には、この差Aが負の
許容値ALよりも小さいかあるいは差Aが正の許容値A
Hよりも大きい場合(A<AL,A>AH)に欠陥であ
るとして判定し、この差Aが許容値AL以上、許容値A
H以下の場合(AL≦A≦AH)には欠陥でないとして
判定する。ここで、この差Aが負の許容値ALよりも小
さい場合(A<AL)は、貫通孔が理論値よりも小さす
ぎることを意味し、差Aが正の許容値AHよりも大きい
場合(A>AH)は、貫通孔が理論値よりも大きすぎる
ことを意味する。
貫通孔PHの直径および貫通孔MHの直径の差(ないし
ずれ量)Aと所定の許容値とを比較することによって行
われているが、貫通孔PHの直径DPは面積RとR=π
×(D/2)2の関係とを用いることによって算出され
ているので、各貫通孔の欠陥判定は、貫通孔PHの面積
および貫通孔MHの面積の差(ないしずれ量)と所定の
許容値とを比較することによって行われていることと等
価である。
ら、「孔無し欠陥」の検出について説明する。図13
は、欠陥候補領域として抽出されたオブジェクトパター
ン区分領域PDijの一例を表す図であり、図14は、そ
のオブジェクトパターン区分領域PDijに対応するマス
ターパターンの対応領域MDijを表す図である。また、
図15は、両者を位置的に対応させて示した図であり、
オブジェクトパターン区分領域PDij内の貫通孔PHが
実線の円で表現されており、マスターパターンの対応領
域MDij内の貫通孔MHの重心位置GMが十字で表現さ
れている。図15においては、貫通孔PHの重心位置G
および貫通孔MHの輪郭形状を示す円は省略されてい
る。
に、マスターパターンの対応領域MDijの中央部に存在
する貫通孔MHが、オブジェクトパターン区分領域PD
ij内の対応位置に存在していない。すなわち、存在すべ
き貫通孔PHが形成されていない「孔無し欠陥」が存在
している。
ーパターンの対応領域MDij内の各貫通孔MHに対し
て、対応する貫通孔PHが存在するか否かを求めること
によって行う。
規の位置に存在する貫通孔MHの重心位置GMから一定
の距離(すなわち半径)bを有する円形領域BR内にオ
ブジェクトデータについての貫通孔PHの重心位置が1
つも存在しない場合に、その貫通孔MHに対応する貫通
孔PHがオブジェクトパターン区分領域内に存在しない
ものとして欠陥である旨を判定する。なお、図15にお
いては、中央の貫通孔MHについての円形領域BRのみ
が示されている。
存在する場合、言い換えれば、貫通孔MHと貫通孔PH
との対応関係が求められた場合には、各貫通孔MHとそ
れに対応する貫通孔PHとを比較することによって、上
述した「位置ずれ欠陥」および「孔径欠陥」、ならび
に、後述する「カス詰まり欠陥」および「孔変形欠陥」
についての欠陥検出処理を行うことができる。
照しながら、「余分孔欠陥」の検出について説明する。
図16は、欠陥候補領域として抽出されたオブジェクト
パターン区分領域PDijの別の一例を表す図であり、図
14のマスターパターンの対応領域MDijは、そのオブ
ジェクトパターン区分領域PDijに対応しているものと
する。また、図17は、両者を位置的に対応させて示し
た図であり、マスターパターンの対応領域MDij内の貫
通孔MHが実線の円で表現されており、オブジェクトパ
ターン区分領域PDij内の貫通孔PHの重心位置Gが十
字で表現されている。なお、図17においては、貫通孔
MHの重心位置GMおよび貫通孔PHの輪郭形状を示す
円は省略されている。
に、オブジェクトパターン区分領域PDijの右下位置に
存在する貫通孔PHが、マスターパターンの対応領域M
Dij内の対応位置に存在していない。すなわち、貫通孔
PHが余分に形成されている「余分孔欠陥」が存在して
いる。
は、今度は、上述の「孔無し欠陥」とは逆に、オブジェ
クトパターン区分領域PDij内に存在する各貫通孔PH
に対して、対応する貫通孔MHが存在するか否かを求め
ることによって行う。
ブジェクトパターン区分領域PDij内の各貫通孔PHの
重心位置Gを基準にして、各貫通孔PHの重心位置Gか
ら一定の距離(すなわち半径)bを有する円形領域BR
内にマスターデータについての貫通孔MHの重心位置G
が1つも存在しない場合に、その貫通孔PHに対応する
貫通孔MHがマスターパターンの対応領域内に存在しな
い、すなわち、不要な貫通孔(言い換えれば余分な貫通
孔)PHが形成されているものとして、欠陥である旨を
判定する。なお、図17においては、右下の貫通孔PH
についての円形領域BRのみが示されている。
ら、「カス詰まり欠陥」および「孔変形欠陥」の検出に
ついて説明する。図18(b)は、貫通孔PHに削りカ
スPZが詰まっている「カス詰まり欠陥」を表す図であ
り、図19(b)は、貫通孔PHの形状が変形している
「孔変形欠陥」を表す図である。なお、図18(a)お
よび図19(a)は、理想状態の貫通孔MHを示す図で
ある。
は、貫通孔PHおよび貫通孔MHの直径Dの相違に基づ
いて検出する。すなわち、上述の「孔径欠陥」の一種と
して判定することができる。これは、削りカスが詰まっ
た状態では、貫通孔Hとしての画像面積Rが小さくなる
ため、上記の要領で求めた直径Dも小さくなることを利
用するものである。また、貫通孔PHが図16に示すよ
うに変形している場合も同様であり、画像面積Rの変化
に応じて、上記の要領で求めた直径Dも変化することを
利用するものである。
貫通孔についての欠陥検出を行う。
形態に係る貫通孔検査装置1によれば、上記のような第
1段階の動作を行うことによって、検査物に位置ずれや
歪による位置合せ誤差がある場合でも、それらの位置合
せ誤差を吸収して高精度のパターン欠陥検出を行なえ、
しかもそのパターン欠陥検出を迅速に行うことができ
る。
0)を実行することによって、複数のオブジェクトパタ
ーン区分領域の中から、欠陥候補領域として次の第2段
階の動作の対象となる領域を絞り込むことができる。
0,SP50)によって貫通孔についての特徴量を抽出
した上で欠陥判定を行うので、貫通孔についての欠陥判
定をより正確に行うことができる。この第2段階の動作
は、正確な欠陥検出動作を行うことが可能であるが、第
1段階の動作に比べて一般に長い処理時間を有する。し
たがって、第2段階の動作の対象とすべきオブジェクト
パターン区分領域PD ijの数を、第1段階の動作を用い
て絞り込むことによって、効率的な欠陥検出動作を行う
ことが可能である。
陥種類に応じた各許容値との比較において各種の欠陥を
検出すれば、複数の種類の欠陥を種類ごとに検出するこ
とができる。さらには、孔位置や孔径について各許容値
との比較を行い、その欠陥の度合いを数値化することに
より、欠陥判定の客観性を高めることも可能である。
オブジェクトパターン区分領域とそれに対応する複数の
マスターパターン区分領域群とを比較するにあたり、複
数画素サイズをもつ欠陥検査ウインドウをパターン全域
にわたり走査して、いずれかの走査位置においてそのウ
インドウ内に含まれる両パターンの相対応する画素のう
ちの全ての画素の画素値が不一致のときにパターン不一
致と判定する場合を例示している。
素サイズをもつ欠陥検査ウインドウをパターン全域にわ
たり走査して、いずれかの走査位置においてそのウイン
ドウ内に含まれる両パターンの相対応する画素のうちの
所定数以上の画素の画素値が不一致のときにパターン不
一致と判定するようにしても良い。
画素サイズからなる検査ウィンドウW(ここでは仮に2
×2画素サイズとする)の全ての画素について不一致の
場合にのみ、パターン不一致と判定するのではなく、欠
陥画素サイズよりも大きな複数画素サイズを有する検査
ウインドウWの所定数以上の画素(すなわち所定の割合
以上の画素)が不一致の場合にのみパターン不一致と判
定するようにしても良い。たとえば、検査ウインドウW
が4×4画素、合計16画素で構成される場合には、こ
れらの16画素のうち10画素程度が不一致である場合
にパターン不一致として判定するようにしても良い。
すように、1つの区分領域PDij内に複数の貫通孔Hが
含まれるように、オブジェクトパターンデータを区分し
たが、これに限定されない。たとえば、1つの区分領域
PDij内にそれぞれ最大1個の貫通孔が含まれるような
大きさを有するように、各区分領域PDijの大きさを定
めても良い。より具体的には、検査対象となる貫通孔H
の直径D(理論値)(複数の直径が存在する場合にはそ
れらの直径のうちの最大値)以上でありかつ複数の貫通
孔Hの重心位置相互間の距離の最小値以下の所定値とし
て、各区分領域PDijの大きさを定めても良い。このよ
うに、オブジェクトパターンデータを細かく区分するこ
とによって、第2段階の動作を行う対象としての欠陥候
補領域をさらに絞り込むことができる。
の直径Dを貫通孔Hの面積Rから算出したが、これに限
定されない。貫通孔Hの直径Dは、たとえば、貫通孔H
に接する最も小さな正方形の一辺の長さとして求めるこ
ともできる。あるいは、貫通孔Hの重心位置から最もX
方向(ないしY方向)において最も離れた貫通孔H内の
2つの画素の位置の差として求めることもできる。
に基づいて求められた値でなくなるため、「カス詰まり
欠陥」および「孔変形欠陥」については別個の手法によ
り検出することが好ましい。この別個の手法としては、
たとえば、図20に示すように、重心位置Gから8方向
に向かう腕の長さを求め、それらの腕の長さが互いに等
しいか否かなどによって判定する手法などが存在する。
孔としての穴」を検査する穴検査装置(貫通孔検査装
置)について説明したが、これに限定されず、被検査物
に形成された総称的な「穴」を検査する穴検査装置につ
いて本発明を適用することができる。たとえば、多層基
板のうち少なくとも一層を貫通するが全ての層を貫通し
ない穴(ブライドビアないしレーザビア)などの「被検
査物の厚さ方向において途中までが窪んだ状態として形
成された穴」を検査する穴検査装置についても本発明を
適用することができる。なお、このブライドビアを検査
する場合には、照明方式として落射方式を用い、被検査
物からの反射光を撮像素子(CCD等)で受光すること
によって、パターンを撮像するようにすればよい。ま
た、この場合、貫通孔に対する「孔情報」の代わりに、
より広い概念である「穴」に対する「穴情報」について
上記と同様の技術を適用すればよい。
として板状体のプリント基板4を例示したが、これに限
定されず、たとえば、ウエブ状のプリント基板などの被
検査物に対しても本発明を適用することができる。
に記載の発明によれば、複数の穴を有する被検査物を撮
像してオブジェクトパターンデータを所定の大きさを有
する複数のオブジェクトパターン区分領域に区分し、各
オブジェクトパターン区分領域と当該各オブジェクトパ
ターン区分領域に対応するマスターパターンデータとを
比較することによって、当該各オブジェクトパターン区
分領域のそれぞれが欠陥候補であるか否かを判定して、
複数のオブジェクトパターン区分領域の中から欠陥候補
領域を抽出した上で、複数のオブジェクトパターン区分
領域のうち欠陥候補領域として抽出されたオブジェクト
パターン区分領域に存在する穴についての穴情報と、そ
の欠陥候補領域に対応するマスターパターンの領域内に
存在する穴についての穴情報とを比較し、その比較結果
に基づいて、各穴が欠陥であるか否かを判定するので、
正確かつ効率的に穴の欠陥を検査することができる。
ブジェクトパターン区分領域と拡張区域にわたって設定
された複数のマスターパターン区分領域のそれぞれとを
比較するに際して、複数画素サイズをもつ欠陥検査ウイ
ンドウをパターン全域にわたり走査して、いずれかの走
査位置においてそのウインドウ内に含まれる両パターン
の相対応する画素のうちの所定数以上の画素の画素値が
不一致のときにパターン不一致と判定し、オブジェクト
パターン区分領域が複数のマスターパターン区分領域の
全てに対してパターン不一致と判定されたときに当該オ
ブジェクトパターン区分領域を欠陥候補領域として判定
し、いずれか一つのマスターパターン区分領域に対して
でもパターン不一致と判定されないときには当該オブジ
ェクトパターン区分領域を欠陥候補領域ではないとして
判定するので、位置合わせ誤差を吸収した上で高精度の
パターン欠陥の検出を効率的に行うことができる。
ブジェクトパターン区分領域の大きさは、当該各区分領
域内に最大1個の穴が含まれるような大きさとして定め
られるので、より効率的に穴の欠陥を検査することがで
きる。
略構成を示す図である。
ーパターンデータMDを示す図である。
る図である。
示した図である。
ジェクトパターンデータ、およびマスターパターンデー
タの一例を示す図である。
較処理を概念的に示した図である。
説明する図である。
である。
パターン区分領域PDijの一例を表す図である。
対応領域MDijを表す図である。
示した図である。
パターン区分領域PDの別の一例を表す図である。
示した図である。
別の検出方法について説明する図である。
一例を説明する図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 被検査物に形成された複数の穴を検査す
る穴検査装置であって、 複数の穴を有する被検査物を撮像してオブジェクトパタ
ーンデータを取得する撮像手段と、 前記被検査物の理想状態を表すマスターパターンデータ
を記憶する記憶手段と、 前記オブジェクトパターンデータを、所定の大きさを有
する複数のオブジェクトパターン区分領域に区分する領
域区分手段と、 各オブジェクトパターン区分領域と当該各オブジェクト
パターン区分領域に対応するマスターパターンデータと
を比較することによって、当該各オブジェクトパターン
区分領域のそれぞれが欠陥候補であるか否かを判定し、
前記複数のオブジェクトパターン区分領域の中から欠陥
候補領域を抽出する欠陥候補領域抽出手段と、 前記複数のオブジェクトパターン区分領域のうち前記欠
陥候補領域として抽出されたオブジェクトパターン区分
領域に存在する穴についての第1の穴情報を求める第1
取得手段と、 前記欠陥候補領域として抽出されたオブジェクトパター
ン区分領域に対応するマスターパターンの領域内に存在
する穴についての第2の穴情報を求める第2取得手段
と、 前記第1の穴情報と前記第2の穴情報とを比較し、その
比較結果に基づいて、各穴が欠陥であるか否かを判定す
る欠陥判定手段と、を備えることを特徴とする穴検査装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の穴検査装置において、 前記欠陥候補領域抽出手段は、1つのオブジェクトパタ
ーン区分領域が欠陥候補であるか否かを判定するにあた
って、 当該オブジェクトパターン区分領域に対応すべきマスタ
ーパターンデータの領域を中心として当該領域に所定画
素数周辺を拡げた拡張区域にわたって2次元的に1画素
ずつ所定量だけ位置ずれした複数のマスターパターン区
分領域を設定し、前記オブジェクトパターン区分領域と
前記複数のマスターパターン区分領域のそれぞれとを比
較し、 当該比較に際して、複数画素サイズをもつ欠陥検査ウイ
ンドウをパターン全域にわたり走査して、いずれかの走
査位置においてそのウインドウ内に含まれる両パターン
の相対応する画素のうちの所定数以上の画素の画素値が
不一致のときにパターン不一致と判定し、 前記オブジェクトパターン区分領域が前記複数のマスタ
ーパターン区分領域の全てに対してパターン不一致と判
定されたときに当該オブジェクトパターン区分領域を欠
陥候補領域として判定し、いずれか一つのマスターパタ
ーン区分領域に対してでもパターン不一致と判定されな
いときには当該オブジェクトパターン区分領域を欠陥候
補領域ではないとして判定することを特徴とする穴検査
装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の穴検査
装置において、 前記オブジェクトパターン区分領域の大きさは、当該各
区分領域内に最大1個の穴が含まれるような大きさとし
て定められることを特徴とする穴検査装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の穴検査装置において、 前記第1の穴情報および前記第2の穴情報は、それぞ
れ、穴の重心位置を含み、 欠陥判定手段は、前記第1の穴情報の重心位置と前記第
2の穴情報の重心位置とのずれ量を算出し、当該ずれ量
と所定の許容値とを比較することによって、各穴が欠陥
であるか否かを判定することを特徴とする穴検査装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の穴検査装置において、 前記第1の穴情報および前記第2の穴情報は、それぞ
れ、穴の面積を含み、 欠陥判定手段は、前記第1の穴情報の面積と前記第2の
穴情報の面積とのずれ量を算出し、当該ずれ量と所定の
許容値とを比較することによって、各穴が欠陥であるか
否かを判定することを特徴とする穴検査装置。
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