JP2002356732A - レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置 - Google Patents

レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置

Info

Publication number
JP2002356732A
JP2002356732A JP2001160065A JP2001160065A JP2002356732A JP 2002356732 A JP2002356732 A JP 2002356732A JP 2001160065 A JP2001160065 A JP 2001160065A JP 2001160065 A JP2001160065 A JP 2001160065A JP 2002356732 A JP2002356732 A JP 2002356732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rhenium
wire
probe pin
diameter
tungsten wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001160065A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Okuhata
孝浩 奥畑
Fumihiko Yoshimura
文彦 吉村
Motonao Sakai
元尚 酒井
Hitoshi Aoyama
斉 青山
Shinichi Yamamoto
慎一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001160065A priority Critical patent/JP2002356732A/ja
Publication of JP2002356732A publication Critical patent/JP2002356732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング加工を施してもピンホールが発生
せず、極細線化が可能なレニウムタングステン線、プロ
ーブピンおよびそれを具備する検査装置を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 レニウム含有タングステン合金からな
り、前記合金中の鉄の含有量が10ppm以下であるレ
ニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備
する検査装置であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レニウムタングス
テン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体集積回路(IC)や液
晶表示装置(LCD)等の電気的特性を検査するため
に、プロ−バが用いられている。この検査は、被検査体
の端子に直接プローブピンを当てて行われるが、このプ
ローブピンには、例えば0.25mm程度の径のタング
ステンワイヤを針状に加工したものが主に用いられてい
る。このようなプローブピンに要求される特性として
は、被検査体の端子との接触により変形しないことや、
接触圧が一定で、接触抵抗が低く、かつ変化しないこと
があげられる。
【0003】プローブピンが被検査体の端子との接触に
より変形し、復元しない場合には、プローブピンと被検
査体の端子との接触が不良となり、検査が不可能となっ
てしまう。
【0004】近年になって、ICの集積度が急激に上が
り、それに伴い、プローバに取り付けられるプローブピ
ンの線径を更に細くし、ピン同士の間隔を狭くし、かつ
プローブピンの取り付け構造を平面的なものから立体的
な方式(先端部を針状に加工し、先鋭化した、または針
状に加工していない垂直ニードル方式など)にしなけれ
ばならなくなってきている。
【0005】プローブピンの線径が細くなると、単位面
積当たりのピンの配列数を多くできるため、集積度の高
いICの検査に対して有利であるが、反面、IC端子と
の接触により変形が生じやすくなり、コンタクト不良と
いう不具合が早期に発生する。
【0006】この問題を解決するため、プローブピンの
材質として、タングステンよりも高強度なレニウムを含
有したレニウム含有タングステン合金よりなるレニウム
タングステン線が用いられるようになってきている。
【0007】また、このレニウムタングステン線は、C
RT等の電子管用のダンパーワイヤー(アパーチャグリ
ル)、蛍光表示管用フィラメントあるいは放電加工用ワ
イヤーなどにも使用されている。そして、これらの用途
においては、室温あるいは1000℃以下という比較的
低温で使用されている。
【0008】上記CRT等の電子管用のダンパーワイヤ
ーは、アルミニウム(Al),シリコン(Si)あるい
はカリウム(K)等を所定量ドープした直径15μm程
度のドープタングステン線が使用されているが、電子管
作動中に前記ダンパーワイヤーの影が表示部で確認でき
ないようにするために、レニウムタングステン線のよう
な高強度材を使用することで、線径の極細線化の検討が
行われている。
【0009】また、蛍光表示管用フィラメントは、直径
8〜20μm程度のドープタングステン線が使用されて
いるが、蛍光表示管の車載用等の耐振性が要求される用
途への使用のため、フィラメント端部のエンドクールゾ
ーンを減少させ表示部を拡大するため、さらには消費電
力を少なくするための低抵抗化のために、レニウムタン
グステン線が使用され始めている。
【0010】また、放電加工用ワイヤーは、直径20μ
m程度のドープタングステン線が使用されているが、近
年のマイクロマシンのギヤの加工等、さらに極精密な加
工が要求されており、レニウムタングステン線のような
高強度材を使用することで、線径の極細線化の検討が行
われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなプローブ
ピン、CRT等の電子管用のダンパーワイヤー、蛍光表
示管用フィラメントあるいは放電加工用ワイヤー等に使
用されているレニウムタングステン線においては、その
強度等を向上するためにAl,SiあるいはK等を所定
量ドープしたドープレニウムタングステン線が使用され
ている。
【0012】例えばプローブピンとして使用した場合
に、今後さらにICの集積度が上がってくると、それに
対応してプローブピンの線径もより細くかつ単位面積当
たりのプローブピンの配列数もより多くする必要がある
ため、プローブピン先端部をより先鋭化にするためにそ
の加工を機械加工からエッチング加工に移行する必要が
ある。しかし、ドープレニウムタングステン線において
その先端部のエッチング加工を行うと、エッチング部に
ピンホール等が発生し、使用時の接触抵抗が変化した
り、ピンホール部にゴミが付着し、さらに接触抵抗が変
化するなどの問題が発生していた。このため従来のドー
プレニウムタングステン線においては、エッチングによ
る先鋭化の後に、再度機械加工を行っていた。
【0013】また、CRT等の電子管用のダンパーワイ
ヤー、蛍光表示管用フィラメントあるいは放電加工用ワ
イヤー等においては、ドープレニウムタングステン線の
さらなる極細線化のための高強度化等のためにレニウム
含有量を増加させることが検討されるが、ドープレニウ
ムタングステン線が難加工材であることから、極細線へ
の伸線加工の際にクラックが発生、さらには断線の問題
が発生していた。この問題を解消するために、加工途中
で焼鈍工程を採用することも検討されるが、頻繁に焼鈍
を行うと上記用途に要求される強度が得られなくなって
しまうという問題が発生してしまう。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、従来のドープ
レニウムタングステン線が使用されてる用途における問
題を解消し、エッチング加工を施してもピンホールが発
生せず、極細線化が可能なレニウムタングステン線、プ
ローブピンおよびそれを具備する検査装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の発明のレニウムタングステン線は、
レニウム含有タングステン合金からなり、前記合金中の
鉄(Fe)の含有量が10ppm以下であることを特徴
とするものである。
【0016】そして、本発明の第2の発明であるプロー
ブピンは、上記本発明のレニウムタングステン線よりな
ることを特徴とするものである。
【0017】さらに、本発明の第3の発明である検査装
置は、上記本発明のプロ−ブピンを具備してなることを
特徴とするものである。
【0018】本発明は、上記第1の発明の構成とするこ
とにより、エッチング加工を施してもピンホールが発生
せず、さらには極細線化が可能なレニウムタングステン
線を提供することが可能となる。
【0019】さらに、上記レニウムタングステン線をプ
ローブピンさらには、そのプローブピンを半導体装置の
検査装置に使用することにより、安定した検査を行うこ
とが可能となる。
【0020】各請求項の構成に関しては、以下に詳細に
説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施するための形
態について説明する。
【0022】本発明者らは、エッチング加工の際のピン
ホールの発生、または極細線化の加工の際のクラックや
断線等の発生について検討を重ねた結果、従来のドープ
レニウムタングステン線に含有されている不純物として
の鉄元素が影響することを見出した。
【0023】すなわち、この元素はレニウムタングステ
ン線中に単独、あるいは酸化物などの化合物の状態で存
在しており、レニウムタングステン線をエッチングする
と母材であるレニウム含有タングステン合金とはエッチ
ング速度が異なるためにその元素(化合物)のエッチン
グ速度が速い場合にはその部分が多くエッチングされピ
ンホール(凹部)となり、逆にエッチング速度が遅い場
合には、その元素(化合物)の界面で多くエッチングさ
れ、その元素(化合物)が脱落しピンホール(凹部)と
なるのである。
【0024】なお、本発明で問題とするピンホールは表
面部の直径が1μm以上のものをいう。これは、例えば
プローブピンとして使用した場合に、プローブピンのウ
エハーとの接触部に前記以上の直径のピンホールが存在
すると、そのピンホールの存在により接触抵抗への影響
が大きくなるためである。
【0025】さらに極細線化においても、これらの元素
がレニウムタングステン線中に単独、あるいは化合物の
状態で存在していると、線径が例えば30μm以下のよ
うな極細線に伸線加工する際に、それらの元素(化合
物)を起点としてクラックや断線が発生してしまうので
ある。
【0026】上記レニウムタングステン中の存在による
ピンホールあるいはクラックや断線の発生を防止するた
めに、本発明においては、その元素の含有量を10pp
m以下と規定したのである。Feの含有量は5ppm以
下が好ましく、さらには3ppm以下が好ましい。
【0027】さらに本発明においては、上記元素以外
に、モリブデン(Mo)が30ppm以下であることが
好ましい。
【0028】これは、Moがあまり多いとFeと同様
に、ピンホールあるいはクラックや断線が発生しやすく
なるためである。Moの含有量は20ppm以下が好ま
しく、さらには10ppm以下が好ましい。
【0029】さらに本発明においては、上記Feさらに
はMo以外に、Al,Si及びKの各元素の含有量が各
々10ppm以下であること好ましい。
【0030】これは、これらの元素があまり多いとFe
と同様に、ピンホールあるいはクラックや断線が発生し
やすくなるためである。これら各元素の含有量は各々5
ppm以下が好ましく、さらには各々3ppm以下が好
ましい。
【0031】さらにに、本発明においては、Fe,ニッ
ケル(Ni),クロム(Cr)Al,Si,K及びナト
リウム(Na)の各元素の含有量が各々1ppm以下で
あることが好ましい。
【0032】これは、これらの元素を更に低下させるこ
とにより極細線への伸線加工時のクラックや断線が発生
を更に防止するためである。これら各元素の含有量は
0.5ppm以下が好ましく、さらには0.1ppm以
下が好ましい。
【0033】本発明のレニウムタングステン線の母材で
あるレニウム含有タングステン合金のレニウム(Re)
量は0.2〜40重量%であることが好ましい。
【0034】これは、その含有量があまり少ないとレニ
ウムの固溶により強度向上の効果が得られず、逆にその
量があまり多いとσ相と呼ばれる難加工相が析出しやす
くなり、このσ相により伸線時のクラックや断線が発生
しやすくなると共に、レニウムが高価なため、そのRe
量を0.2〜40重量%とした。なお、極細線で高強度
を得るためには、その量の下限は15重量%が好まし
い。また、レニウムタングステン線を、例えばプローブ
ピンとして使用する場合には、そのRe量は20〜40
重量%が好ましく、CRT等の電子管用のダンパーワイ
ヤー、蛍光表示管用フィラメントあるいは放電加工用ワ
イヤー等として使用する場合には、20〜30重量%が
好ましい。
【0035】本発明のレニウムタングステン線中のRe
を除く各元素の含有量は、レニウムタングステン線をク
リーンルームにて酸分解後、ICP質量分析装置により
定量を行うことにより、Re含有量はICP発光分光分
析装置により定量を行うことにより測定する。それらの
測定に際しては、任意の線材を10試料を測定して得ら
れた値の平均値とする。
【0036】以下に、本発明のレニウムタングステン線
の製造方法の一例を説明する。
【0037】例えば平均粒径2〜4μm程度の純W粉末
と平均粒径1〜4μmの純Re粉末を所定量混合し、ボ
ールミルなどで不純物が混入しない状態で十分(例えば
24時間)混合し、混合粉を得る。この際、純W粉中さ
らには純Re粉中の不純物としてのFe量、さらにはM
o量等、本発明で規定する範囲内以下の不純物量である
ことが必要である。その後、得られた混合粉をプレス成
形し縦15mm,横15mm,長さ650mmの成形体
を得た後、水素雰囲気中1300〜1400℃で仮焼結
後、2500〜2800℃で本焼結(通電焼結)し、焼
結体を得る。得られた焼結体を1400〜1500℃に
加熱し、転打加工を行い、直径2mm程度の線材まで加
工する。得られた線材を常法で目的とする線径まで伸線
加工を行い、本発明のレニウムタングステン線を得る。
なお伸線加工の際に、最終製品での強度が低下しない程
度に適宜歪取り熱処理を行っても良い。
【0038】例えば、プローブピンとして使用する場合
には、所定の線径まで伸線加工を行ない、仕上げ加工と
して表面電解研磨加工を施し、例えばφ0.25mmの
レニウムタングステン線を得る。得られた線材を対象と
する形状のプローブピンに加工した。この加工は、線材
を真直加工し、その後、切断、メッキ、先端の曲げ加
工、先端部のエッチング加工による先鋭化、プローバ組
み立てという各工程を経て行った。この先鋭化させた先
端部の径は例えば5〜50μm、好ましくは10〜30
μmであり、そのテーパ長さは1〜5mm、好ましくは
1.5〜2.5mmである。
【0039】本発明においては、FeさらにはMo等を
本発明で規定する範囲内に制限しているため、エッチン
グされた表面にはピンホールを発生することが無い。そ
して、伸線加工時においてもクラックや断線を発生を防
止することができる。
【0040】上記本発明のプローブピンは、通常使用さ
れているプローバなどの検査装置に使用することが可能
であり、この本発明のプローブピンを具備した検査装置
を用いることにより、良好な測定を行うことができる検
査装置を得ることが可能である。
【0041】さらに、Fe,Ni,Cr,Al,Si,
K及びNaの各元素の含有量が各々1ppm以下のレニ
ウムタングステン線を製造する場合の一例を説明する。
【0042】まず、純W粉末にRe粉末を所定量添加し
た後、成形、焼結し、その焼結体を電子ビーム(EB)
溶解またはアーク溶解などの溶解法によりインゴットを
得た後、熱間で圧延、転打、線引きなどの組成加工を行
うことにより製造することが可能となる。上記各元素が
1ppm以下のレニウムタングステン線を得る場合に、
出発原料である純W粉末および純Re粉末について純度
5N(99.999%以上)以上の高純度のものを使用するこ
とも考えられるが、原料としては非常に高価であり、あ
まり好ましくない。
【0043】更に具体的には、純度が3N(99.9%以
上)以上で平均粒径2〜4μm程度の純W粉末及び純度
が3N以上で平均粒径1〜4μmの純Re粉末をボール
ミル等により不純物が混入しない状態で十分(例えば2
4時間程度)混合した後、冷間静水圧プレス(CIP)
成形により2〜4ton/cm(196〜392MP
a)の圧力で成形し、直径35mm,長さ600〜80
0mmの成形体を得る。得られた成形体をハンドリング
しやすいように1300℃で3時間程度、仮焼結した
後、2500〜2800℃で1〜3時間程度の本焼結を
行う。燒結雰囲気は、仮焼結,本焼結共に、水素雰囲気
または真空で行うことが望ましい。得られた焼結体を1
0〜30kWの電子ビーム出力によりEB溶解し、水冷
銅の鋳型に鋳込み直径30〜40mm、長さ300〜1
000mmのEB溶解のインゴットを得る。なお、溶解
については、EB溶解ではなく、アーク溶解を用いても
良い。その後、表面の欠陥を除去するために、1mm程
度の切削加工を行った方が好ましいが、レニウム含有タ
ングステン合金は加工中に、表面が酸化して蒸発し、塑
性加工が進めば進むほど表面がきれいになる傾向がある
ので、この表面加工は行わなくても良い。得られたイン
ゴットを1400〜1500℃に加熱し、転打加工を行
い、直径2mm程度までに加工し線材を得る。なお、転
打ではなく、圧延等の加工を行っても良い。続いて、得
られた線材を常法で目的とする線径まで伸線加工を行
い、本発明のレニウムタングステン線を得る。なお伸線
加工の際に、最終製品での強度が低下しない程度に適宜
歪取り熱処理を行っても良い。
【0044】CRT等の電子管用のダンパーワイヤー、
蛍光表示管用フィラメントあるいは放電加工用ワイヤー
等の極細線(例えば直径30μm以下)までに加工を行
う場合、上記製法によりFe,Ni,Cr,Al,S
i,K及びNaの各元素の含有量が各々1ppm以下の
レニウムタングステン線を得ることが可能となり、極細
線への伸線加工においてのクラックや断線等を防止する
ことが可能となる。
【0045】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0046】(実施例1)
【0047】FeさらにはMo,Al,Si及びKの各
含有量を変化させた平均粒径3μmの純W粉末と平均粒
径2μmの純Re粉末を、Re含有量が表1に示す各組
成になるようにボールミルで24時間混合して混合粉末
を得た。次いで、この混合粉末を、成形圧力147MP
aにて成形し縦15mm,横15mm,長さ650mm
の成形体を得た後、水素雰囲気中1350℃で仮焼結
後、2800℃で本焼結(通電焼結)し、焼結体を得
た。得られた焼結体を1400〜1500℃に加熱し、
転打加工を行い、直径2mm程度の線材まで加工した。
得られた線材を常法で直径0.25mmまで伸線加工を
施し、本発明のレニウムタングステン線を得た。
【0048】得られたレニウムタングステン中のRe量
は、ICP発光分光装置(セイコー電子工業社製:SPR1
200AR)により定量した。また、その他の元素は、クリ
ーンルームにて、酸分解後、ICP質量分析装置(セイ
コーインスツルメンツ社製:SPQ9000)により定量を行
った。その結果を表1に併せて示す。
【0049】得られたレニウムタングステン線をプロー
ブピンとして使用するために、対象とする形状のプロー
ブピンに加工した。この加工は、線材を真直加工し、そ
の後、切断、メッキ、先端の曲げ加工、先端部のエッチ
ング加工による先鋭化、プローバ(検査装置)組み立て
という各工程を経て行った。この先鋭化させた先端部の
径は30μmであり、そのテーパ長さは2mmとした。
【0050】得られたプローブピンのエッチングにより
先鋭化した部分の1μm以上のピンホールの有無(個
数)を電子顕微鏡(SEM)により5000倍に拡大し
て測定した。その結果を表1に示す。また、それらのプ
ローブピンを具備したプローバ(検査装置)を用いて、
先端曲げ角度100°としてAlパッドとの接触による
接触抵抗の評価を行った。ここで、パッドの押し当て荷
重は1gfで接触抵抗を実際に測定した結果も併せて表
1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、Fe含有量が1
0ppm以下、さらにはMo含有量が30ppm以下又
はAl,Si及びの各元素の含有量が各々10ppm以
下である本発明のレニウムタングステン線(試料No.
1,3,5,7,9,11)を用いたプローブピンは、
エッチングによるピンホールが発生せず、プローブピン
としての接触抵抗も安定しており良好な測定ができた。
これに対し、本発明範囲外のレニウムタングステン線
(試料No.2,4,6,8,10,12)を用いたプ
ローブピンは、エッチングによるピンホールが発生し、
プローブピンとしての接触抵抗も良好なものではなかっ
た。
【0053】(実施例2)
【0054】純度が3Nで平均粒径2μmの純W粉末と
純度が3Nで平均粒径2μmの純Re粉末とを、Re含
有量が表2に示す各組成となるように、ボールミルによ
り24時間混合した。その後、CIPで直径35mm,
長さ700mmの立方体に3ton/cm(294M
Pa)の圧力で成形を行った。得られた成形体をハンド
リングしやすいように水素雰囲気で1300℃で3時間
仮焼結した後、本焼結を水素雰囲気で2700℃で2時
間の条件で行った。その結果、直径30mm,長さ60
0mmの焼結体を得た。続いて、20kWの電子線出力
でEB溶解を行い、直径30mm,長さ600mmのイ
ンゴットを得た。この時のEB溶解前後の分析結果を表
2に示す。なお、分析方法は、実施例1と同様の方法よ
り定量を行った。その結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2より明らかなように、EB溶解後は、
不純物量が各々1ppm以下と減少し、Re量は実質的
に減少しておらず、EB溶解により不純物が低減されて
いる事がわかる
【0057】続いてそれらの不純物含有量の低減が、極
細線への伸線加工に及ぼす影響を調査するために、EB
溶解前の焼結体及びEB溶解後のインゴット塑性加工を
行った。まず、それぞれを直径30mmから直径15m
mまでは、1回の減面率(加工前後の断面積の比を10
0%換算で表したもの)を10〜15%とし、1回加工毎
に1500℃で10分間の再加熱を行いながら、エアハ
ンマーにより鍛造を行った。続いて、水素雰囲気で15
00℃で加熱後、圧延加工により直径8mmまで加工を
行った。その後、転打加工で1400〜1500℃で直
径5mmの棒材を得た。その後、この棒材を水素中,2
000℃で約10分間の焼鈍を行った。続いて、直径5
mmから直径2mmまでは1300℃で転打加工を行
い、直径2mmから1mmまでは1200〜1300℃
で伸線加工を行った。この間の1回の減面率は、5〜8
%程度とした。直径1mmの段階で1300℃で焼鈍を
行った後、さらに直径0.4mmまで伸線加工を行っ
た。直径0.4mmの段階で水素雰囲気中,1800℃
で焼鈍した後、直径0.15mmまで800〜1000
℃で伸線加工を行った。その後、直径0.15mmの段
階で2000℃で焼鈍を行った後、直径70μmまで5
00〜800℃で伸線加工を行った。その後、直径70
μmの段階で2000℃で焼鈍を行い、直径40μmま
で伸線加工を行った。ここまでの減面率は、8〜10%
とした。
【0058】直径40μmからは、伸線加工性をさらに
明確にするために、1回の減面率を約15%とし、伸線
加工を実施し直径10μmまで加工した。この場合の伸
線加工で使用したダイスの径は、順次、直径で40μm
→37μm→34μm→30μm→任意→20μm→任
意→10μmのものを使用した。なお、この伸線加工性
の評価は、直径40μmの線材で500g(長さで約2
0800mに相当)のものを各5本準備し、完全に伸線
できた本数を表した。これを表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】表3から明らかなように、Fe,Ni,C
r,Al,Si,K及びNaの各元素の含有量が各々1
ppm以下のレニウムタングステン線(試料No.1
4,16,18,20,22,24,26,28)であ
れば、極細線までの伸線加工性が向上することがわか
る。これに対し、前記元素が1ppmを越えるレニウム
タングステン線(試料No.13,15,17,19,
21,23,25,27)は、極細線に加工するに従
い、断線が増加していることがわかる。
【0061】さらに、試料No.14,16,18,2
0,22,24,26の直径10μmのレニウムタング
ステン線と、従来のレニウムタングステン線の引張強さ
の比較を図1に示す。これらの引張強さを常法により測
定した。その結果を図1に示す。
【0062】図1より明らかなように、本発明のレニウ
ムタングステン線は極細線でも十分な引張強さを有して
いることがわかる。
【0063】以上、実施例1及び実施例2に記載の本発
明のプローブピンを、半導体集積回路や液晶表示装置の
検査に用いられるプローバなどの検査装置のプローブピ
ンとして使用したところ、常に安定した測定結果を得る
ことができ、良好な測定を行うことができた。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、エッチ
ング加工を施してもピンホールが発生せず、極細線化が
可能なレニウムタングステン線、プローブピンおよびそ
れを具備する検査装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレニウムタングステン線と従来のレニ
ウムタングステン線の引張り強さのRe量との関係を示
す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 元尚 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 青山 斉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 山本 慎一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 2G011 AA02 AA15 AC14 AE01 AE22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レニウム含有タングステン合金からな
    り、前記合金中の鉄含有量が10ppm以下であること
    を特徴とするレニウムタングステン線。
  2. 【請求項2】 前記レニウムタングステン合金中のモリ
    ブデン量が30ppm以下であることを特徴とする請求
    項1記載のレニウムタングステン線。
  3. 【請求項3】 前記レニウムタングステン合金中のアル
    ミニウム,シリコン及びカリウムの各元素の含有量が各
    々10ppm以下であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2いずれか1項記載のレニウムタングステン線。
  4. 【請求項4】 前記レニウム含有タングステン合金中の
    鉄,ニッケル及びクロム,アルミニウム,シリコン,カ
    リウム及びナトリウムの各元素の含有量が各々1ppm
    以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いず
    れか1項記載のレニウムタングステン線。
  5. 【請求項5】 前記レニウム含有タングステン合金のレ
    ニウム量は0.2〜40重量%であることを特徴とする
    請求項1に記載のレニウムタングステン線。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5いずれか1項記載
    のレニウムタングステン線よりなることを特徴とするプ
    ローブピン。
  7. 【請求項7】 プローブピンの先端部はエッチング加工
    されてなることを特徴とする請求項6記載のプローブピ
    ン。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7いずれか1項記載
    のプロ−ブピンを具備してなることを特徴とする検査装
    置。
JP2001160065A 2001-05-29 2001-05-29 レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置 Pending JP2002356732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001160065A JP2002356732A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001160065A JP2002356732A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002356732A true JP2002356732A (ja) 2002-12-13

Family

ID=19003542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001160065A Pending JP2002356732A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002356732A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009040986A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Kabushiki Kaisha Toshiba プローブ針素材とそれを用いたプローブ針およびプローブカード、ならびに検査方法
WO2009066659A1 (ja) * 2007-11-21 2009-05-28 Kabushiki Kaisha Toshiba タングステンワイヤの製造方法
WO2010100808A1 (ja) * 2009-03-02 2010-09-10 株式会社東芝 レニウムタングステン線、その製造方法およびそれを用いた医療用針
JP2018122599A (ja) * 2018-04-02 2018-08-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 タングステン線及びタングステン繊維
CN110863163A (zh) * 2019-10-18 2020-03-06 东北大学 一种钨铼合金丝热处理的方法
JP2022112015A (ja) * 2021-01-20 2022-08-01 厦門虹鷺▲きん▼▲ぼく▼工業有限公司 合金線材とその製造方法及び用途
WO2022191026A1 (ja) * 2021-03-09 2022-09-15 株式会社 東芝 レニウムタングステン線棒およびそれを用いた熱電対

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02145214A (ja) * 1988-11-24 1990-06-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 放電加工用電極線
JPH03162544A (ja) * 1989-11-20 1991-07-12 Daido Steel Co Ltd 塑性加工の可能な高融点金属材
JPH10221366A (ja) * 1997-02-10 1998-08-21 Toshiba Corp プローブピンおよびそれを具備する検査装置
JP2000119837A (ja) * 1998-10-19 2000-04-25 Toshiba Corp 高強度タングステン系ピン

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02145214A (ja) * 1988-11-24 1990-06-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 放電加工用電極線
JPH03162544A (ja) * 1989-11-20 1991-07-12 Daido Steel Co Ltd 塑性加工の可能な高融点金属材
JPH10221366A (ja) * 1997-02-10 1998-08-21 Toshiba Corp プローブピンおよびそれを具備する検査装置
JP2000119837A (ja) * 1998-10-19 2000-04-25 Toshiba Corp 高強度タングステン系ピン

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5364581B2 (ja) * 2007-09-27 2013-12-11 株式会社東芝 プローブ針素材とそれを用いたプローブ針およびプローブカード、ならびに検査方法
WO2009040986A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Kabushiki Kaisha Toshiba プローブ針素材とそれを用いたプローブ針およびプローブカード、ならびに検査方法
US8324918B2 (en) 2007-09-27 2012-12-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Probe needle material, probe needle and probe card each using the same, and inspection process
WO2009066659A1 (ja) * 2007-11-21 2009-05-28 Kabushiki Kaisha Toshiba タングステンワイヤの製造方法
JP2014169499A (ja) * 2009-03-02 2014-09-18 Toshiba Corp 医療用針
JP5485259B2 (ja) * 2009-03-02 2014-05-07 株式会社東芝 レニウムタングステン線、その製造方法およびそれを用いた医療用針
WO2010100808A1 (ja) * 2009-03-02 2010-09-10 株式会社東芝 レニウムタングステン線、その製造方法およびそれを用いた医療用針
US9161752B2 (en) 2009-03-02 2015-10-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Rhenium tungsten wire, method of manufacturing the wire and medical needle using the wire
JP2018122599A (ja) * 2018-04-02 2018-08-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 タングステン線及びタングステン繊維
CN110863163A (zh) * 2019-10-18 2020-03-06 东北大学 一种钨铼合金丝热处理的方法
CN110863163B (zh) * 2019-10-18 2021-08-24 东北大学 一种钨铼合金丝热处理的方法
JP2022112015A (ja) * 2021-01-20 2022-08-01 厦門虹鷺▲きん▼▲ぼく▼工業有限公司 合金線材とその製造方法及び用途
JP7419412B2 (ja) 2021-01-20 2024-01-22 厦門虹鷺▲きん▼▲ぼく▼工業有限公司 合金線材とその製造方法及び用途
WO2022191026A1 (ja) * 2021-03-09 2022-09-15 株式会社 東芝 レニウムタングステン線棒およびそれを用いた熱電対

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2248920B1 (en) Iridium alloy excellent in hardness, processability and anti-contamination property
JP4263098B2 (ja) タングステン線およびカソードヒータ並びに耐振電球用フィラメント
JP5783293B1 (ja) 円筒型スパッタリングターゲット用素材
CN113174521B (zh) 一种钨铼合金丝材及其制备方法
CN111164227B (zh) 烧结钼部件
EP3666914A1 (en) High strength/highly conductive copper alloy plate material and method for producing same
JP2019178398A (ja) 電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金板条材、電子・電気機器用部品、端子、及び、バスバー
JP2002356732A (ja) レニウムタングステン線、プローブピンおよびそれを具備する検査装置
JP6074244B2 (ja) Ag基合金からなるプローブピン用材料、プローブピン、プローブピンの製造方法
JP7141098B2 (ja) プローブピン用材料およびプローブピン
US20230413672A1 (en) Rhenium-tungsten wire rod and thermocouple using the same
JP4659972B2 (ja) プローブピン用タングステン合金線およびその製造方法
JP4009981B2 (ja) プレス加工性に優れた銅基合金板
JP4987181B2 (ja) レニウムタングステン線、それを用いたプローブピン、コロナ放電用チャージワイヤ、蛍光表示管用フィラメントおよびその製造方法
JP2002226935A (ja) トリウムタングステン合金、トリウムタングステン線、その製造方法、トリウムタングステン線コイル、ならびに電子管用陰極構体
JPH10221366A (ja) プローブピンおよびそれを具備する検査装置
JP3893358B2 (ja) 曲げ加工性に優れたりん青銅条
WO2022176766A1 (ja) タングステン線およびそれを用いたタングステン線加工方法並びに電解線
WO2021153451A1 (ja) タングステンを含む線
WO2023008430A1 (ja) タングステン線およびそれを用いたタングステン線加工方法並びに電解線
WO2019130511A1 (ja) 析出硬化型Ag-Pd-Cu-In-B系合金
JP5757547B1 (ja) Rh基合金からなるプローブピン及びその製造方法
JP6308672B2 (ja) 白金ロジウム合金及びその製造方法
DE102009014615A1 (de) Elektrodenmaterial, Elektrode und Kaltkathoden-Leuchtstofflampe
JP2009102670A (ja) レニウムタングステンリボンおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050428

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111025

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111125

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20111205