JP2000119837A - 高強度タングステン系ピン - Google Patents

高強度タングステン系ピン

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JP2000119837A
JP2000119837A JP10296598A JP29659898A JP2000119837A JP 2000119837 A JP2000119837 A JP 2000119837A JP 10296598 A JP10296598 A JP 10296598A JP 29659898 A JP29659898 A JP 29659898A JP 2000119837 A JP2000119837 A JP 2000119837A
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tungsten
pin
probe
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hardness
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JP10296598A
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Takahiro Okuhata
畑 孝 浩 奥
Kozo Yasuda
田 興 造 安
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸線条件を変化させることによらずに、好ま
しくは部分的に硬度および強度を高めたタングステン系
ピンを提供する。 【解決手段】 タングステンを主成分とする材料からな
るタングステン系ピンであって、ピンの少なくとも一部
を炭化または窒化させて硬度を高めたことを特徴とす
る、高強度タングステン系ピン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タングステン系の
材料からなる高強度ピンに関する。
【0002】
【従来の技術】タングステン系の材料は、強度に優れ、
変形しにくく、しかも導電率が高いという特徴を有して
いる。このため、電球、蛍光灯のフィラメントなど各種
の用途に用いられており、線材あるいはピンとして使用
されることも多い。このようなピンの用途の1つに、半
導体検査に用いられるプローブカードの部品であって、
半導体との接触部品であるプローブピンが挙げられる。
【0003】このようなタングステン系のピンは、さら
に高硬度および高強度が求められることが多く、従来は
伸線時のアニールポイント、温度を変えるなど伸線条件
の変更などにより硬度や強度をコントロールしていた。
しかしながら、このような伸線条件を変更する方法で
は、必ずしも適正な条件で伸線を行うことができないた
め、クラックの発生が多く、歩留まりが悪かった。その
ため、伸線条件を変化させる以外の方法によって、タン
グステン系線の硬度および強度を高める方法が求められ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決しようとするものであって、本発明は、伸線条件を
変化させることによらずに硬度および強度を高めたタン
グステン系ピン、好ましくは部分的に硬度および強度を
高めたタングステン系ピンを提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、タングス
テン系材料からなる線を、適正な伸線条件により伸線し
て形状を整えた後に炭化処理または窒化処理を行うこと
により、好適な高強度ピンが得られることを見出し、本
発明を完成させた。すなわち、本発明のタングステンを
主成分とする材料からなる高強度タングステン系ピン
は、ピンの少なくとも一部を炭化または窒化させて硬度
を高めたことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】材料 本発明の高強度タングステン系ピンは、タングステンを
主成分とする材料から形成される。本発明において、タ
ングステンを主成分とする材料とは、タングステンを7
0〜100重量%、好ましくは90〜100重量%含む
材料を示す。このような材料としては純W、Al,Si
およびKから選ばれる元素を0.01〜1.0重量%好
ましくは0.05〜0.5重量%ドープしたドープW、
Reを0.5〜30重量%、好ましくは1〜26重量%
含むRe−W、Reを0.5〜30重量%好ましくは1
〜10重量%、Moを0.5〜30重量%、好ましくは
1〜10重量%含むRe−Mo−W、およびタングステ
ンの周囲に白金を被覆した白金クラッドタングステンな
どが挙げられる。これらの材料のうちRe−W、ドープ
Wは高強度(ヤング率、硬さ)、高導電率の理由によ
り、より好ましい。
【0008】ピンの形状 本発明の高強度タングステン系ピンの形状は特に限定さ
れず、用途に応じて設定することができる。典型的に
は、線径は0.05〜0.7mm、好ましくは0.05
〜0.50mmである場合に、本発明の高強度タングス
テン系ピンは高ヤング率、高硬度の点で特に優れてい
る。また、ピンの長さは特に限定されるものではない
が、例えば5〜100mmであることができる。
【0009】また、本発明の高強度タングステン系ピン
をプローブピンとする場合には、例えば従来のプローブ
ピンと同様の直径0.05〜0.7mm、長さ30〜8
0mmであって、先端1〜5mmを尖らせ、さらに先端
0.1〜0.3mmを曲げた形状とすることができる。
本発明の高強度タングステン系ピンは、従来品の1.2
〜1.5倍の針圧を確保できるため、特に細いプローブ
ピンによって、微細な半導体の検査を行うのに好適であ
る。また、本発明の好適態様であるプローブピンを用い
たプローブカードも好適であり、半導体の微細部の検査
を、針圧を高くすることにより、測定精度よく検査する
ことが可能となる。
【0010】硬化 本発明のタングステン系ピンは、ピンの少なくとも一部
を炭化または窒化させて硬度を高めたことを特徴として
いる。この炭化または窒化を行った部位は、好ましくは
厚さ0.5〜100μmの炭化タングステンまたは窒化
タングステン層が形成されている。この炭化または窒化
を行った部位は、より好ましくは900Hv以上、より
好ましくは1000Hv以上を有する。このような硬度
とすることにより、例えば直径0.1mmプローブピン
の場合には、プローブピンをシリコンウエハーに押しつ
ける圧力である針圧を従来品の1.2〜1.5倍まで高
めることができ、測定精度を向上させることができる。
また、本発明の高強度タングステン系ピンの炭化または
窒化を行った部位は、好ましくはヤング率350000
〜600000(N/mm2)、より好ましくは400
000〜600000(N/mm2)を有する。またこ
の高強度タングステン系ピンの炭化または窒化を行わな
い部位は、好ましくはヤング率300000〜4500
00(N/mm2)、より好ましくは350000〜4
50000(N/mm2)を有する。このようなヤング
率とすることにより、例えばプローブピンの場合には、
高い針圧を確保でき、測定精度を向上させることができ
る。
【0011】また、本発明の高強度タングステン系ピン
の炭化または窒化を行った部位は、好ましくは引っ張り
強度2000〜6000(N/mm2)、より好ましく
は3000〜6000(N/mm2)を有する。このよ
うな引っ張り強度とすることにより、例えばプローブピ
ンの場合には、高い針圧を確保でき、測定精度を向上さ
せることができる。
【0012】硬化部位 本発明の高強度タングステン系ピンは、必ずしもピンの
全体を炭化または窒化により硬化させる必要はなく、マ
スキングなどの手段を用いて任意に硬化させる部位と硬
化させないで柔軟性を保持する部位を設定できる点が優
れている。
【0013】本発明の高強度タングステン系ピンをプロ
ーブピンとする場合には、好ましくは前記プローブピン
の先端から0.5〜10mmの位置から先端までの範囲
を炭化または窒化して部分的に硬度を高めることができ
る。このように部分的な硬化が可能なことにより、組立
て後の寸法補正のため比較的柔軟性が必要なプローブピ
ン本体と、針圧を高め摩耗を防ぎ、測定精度を高めるな
どのために硬さおよび強度が必要な先端部を兼ね備える
ことができるなど、それぞれの部位の必要にあわせて硬
度を設定できる点で有利である。
【0014】硬化方法 硬化には、炭化処理または窒化処理を用いることができ
る。
【0015】炭化処理の方法は特に限定されないが、例
えば熱処理による方法、例えば前記炭化処理を、プロー
ブピンの先端加工部を炭素粉と接触させ(好ましくは炭
素粉中に埋め)水素雰囲気中で、1000〜1800℃
において0.5〜4時間保持することにより行うことが
できる。窒化処理の方法は特に限定されないが、例えば
窒素雰囲気中で1000〜18000℃において0.5
〜4時間保持することにより行うことができる。硬化処
理の際には、マスキングを行うことができ、それにした
がって硬化させる部位と硬化させない部位とを設定する
ことができる。マスクするものは、炭化または窒化条件
に耐えうるものであれば特に限定されないが、例えばM
o製の治具によって、タングステン系ピンを挟み込んで
覆うことによりマスクを行い、硬化処理を行い、硬化処
理後に治具を分解することによってマスクを外すことが
できる。
【0016】
【実施例】本発明を、タングステン製プローブピンを例
にとってさらに詳しく説明する。
【0017】実施例1 粉末冶金法により得た組成3%Re−Wのレニウムタン
グステン焼結体をダイスに通すことにより伸線を行い、
直線加工を行い直径0.1mmのレニウムタングステン
ワイヤを得た。次いでこのレニウムタングステンワイヤ
を長さ50mmに切断し、バレルによって切り口のばり
取りを行ない、レニウムタングステンピンを得た。次い
でこのピンの先端から2.5mmの部分までにエッチン
グ加工を施して先端を円錐形になるように細く尖らせ
た。その後先端から1.5mmの細くなった部分を30
°程度屈曲させ、プローブピンの所定の形状とした。次
いで先端部分の炭化処理を行いプローブピンを得た。
【0018】炭化処理の際には、タングステンピンの炭
化を行う先端部分以外のマスキングを行い炭素粉を入れ
たカーボンボート中に埋め込み、1400℃で2時間処
理を行い炭化した。
【0019】得られたプローブピンは硬化させた先端部
分の硬度が1100Hvであった。さらにこのプローブ
ピンをプローブカードに組み込んだところ、プローブピ
ンの間隔0.5mmの高密度配置にもかかわらず、従来
の1.5倍の針圧を与えることができ、高性能のプロー
ブカードが提供できた。
【0020】比較例1 比較例として、上記実施例1の製造方法において炭化処
理を除いた方法で製造を行った。
【0021】得られたプローブピンは硬化させた先端部
分の硬度が750Hvであった。さらにこのプローブピ
ンをプローブカードに組み込んだところ、プローブピン
の間隔0.5mmの配置であって、従来品並みの針圧を
与えることができた。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、硬度および強度を部分
的に高めることができる高強度ピンを提供することがで
きる。特に、本発明をプローブピンに用いた場合には、
細いプローブピンを高密度に配置することが可能とな
り、半導体の微細な部分を効率よく検査することが可能
であるだけではなく、さらに半導体用シリコンウエハー
の検査時に針圧を高くすることができ、高精度の検査が
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 630 C22F 1/00 630C 672 672 682 682 691 691Z (72)発明者 安 田 興 造 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G011 AA02 AA17 AC14 AE03 4K028 AA02 AB02 AC08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンを主成分とする材料からなる
    タングステン系ピンであって、前記ピンの少なくとも一
    部を炭化または窒化させて硬度を高めたことを特徴とす
    る、高強度タングステン系ピン。
  2. 【請求項2】前記タングステン系ピンの炭化または窒化
    した部分の硬度が少なくとも900Hvである、請求項
    1に記載の高強度タングステン系ピン。
  3. 【請求項3】前記タングステン系ピンの表面の少なくと
    も一部に、厚さ0.5〜100μmの炭化タングステン
    または窒化タングステン層が形成されてなる、請求項1
    に記載の高強度タングステン系ピン。
  4. 【請求項4】前記タングステン系ピンの材料が、純W、
    ドープW、Re−W、Re−Mo−Wおよび白金クラッ
    ドタングステンから選ばれる材料である、請求項1に記
    載の高強度タングステン系ピン。
  5. 【請求項5】前記タングステン系ピンの線径が、0.0
    5〜0.7mmである、請求項1に記載の高強度タング
    ステン系ピン。
  6. 【請求項6】前記タングステン系ピンが、半導体製造工
    程において用いることのできるプローブピンである、請
    求項1に記載の高強度タングステン系ピン。
  7. 【請求項7】前記プローブピンの先端から0.5〜10
    mmの位置から先端までの範囲を炭化または窒化して部
    分的に硬度を高めている、請求項6に記載の高強度タン
    グステン系ピン。
  8. 【請求項8】請求項6に記載のプローブピンを用いてな
    る、プローブカード。
  9. 【請求項9】タングステン系材料をプローブピンの形状
    に加工する工程と、 前記プローブピンの硬化処理を行わない部分についてマ
    スキングを施し、前記プローブピンの先端から0.5〜
    10mmの位置から先端までの範囲を炭化または窒化処
    理を行う工程と、 マスキングを外して、先端部のみ硬化させたプローブピ
    ンを得る工程とを含むことを特徴とする、プローブピン
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記炭化処理を、プローブピンの先端加
    工部を炭素粉と接触させ、1000〜1800℃におい
    て0.5〜4時間保持することにより行う、請求項9に
    記載のプローブピンの製造方法。
  11. 【請求項11】前記窒化処理を、プローブピンの先端加
    工部をアンモニア、フォーミングガスあるいは窒素雰囲
    気中で1000〜1800℃において0.5〜4時間保
    持することにより行う、請求項9に記載のプローブピン
    の製造方法。
  12. 【請求項12】ピンの少なくとも一部を炭化または窒化
    させて硬度を高めてなる、タングステンを主成分とする
    材料からなる高強度タングステン系プローブピンを用い
    たことを特徴とする、半導体検査方法。
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