JP2002356572A - 防曇性スチレン系透明樹脂シート及びその成形品 - Google Patents

防曇性スチレン系透明樹脂シート及びその成形品

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JP2002356572A JP2001163731A JP2001163731A JP2002356572A JP 2002356572 A JP2002356572 A JP 2002356572A JP 2001163731 A JP2001163731 A JP 2001163731A JP 2001163731 A JP2001163731 A JP 2001163731A JP 2002356572 A JP2002356572 A JP 2002356572A
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陽介 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロッキング防止、成形品の透明性、及び防
曇性に優れたスチレン系透明樹脂シート並びにその特性
を有した成形品を提供すること。 【解決手段】 ショ糖脂肪酸エステル76〜99.9質
量%と未反応ビニルピロリドンの量が1000ppm以
下であるポリピロリドン系(共)重合体0.1〜24質
量%とを含有してなる防曇剤でスチレン系透明樹脂シー
トを表面処理することによって得たシート及びその防曇
性スチレン系透明樹脂シートを用いて得た成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートのブロッキ
ング防止、成形品の透明性、防曇効果に優れた防曇性ス
チレン系透明樹脂シート及びその成形品に関する。更に
詳しくは包装材分野等に広く用いられているスチレン系
透明樹脂シートに対し、シートのブロッキング防止、成
形品の透明性、防曇効果に優れた特性を付与したスチレ
ン系透明樹脂シート及びその成形品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スチレン系透明樹脂シートやその成形品
は包装、被覆材として広く使用されているが、その表面
が疎水性の為に気温や湿度の変化により凝集した水分が
微小水滴となり表面に付着する、いわゆる曇りが発生す
ることがある。その曇りにより収納物の見分けが困難と
なり、商品価値を低下させる原因となる場合が多かっ
た。
【0003】この問題を解決しようと、特開平5−28
7097号公報ではショ糖脂肪酸エステルとシリコーン
エマルジョンと多糖類及び/又は親水性高分子とを含む
表面処理剤で、特開平10−309785号公報ではシ
ョ糖脂肪酸エステルとメチルセルロースの混合物を用い
ることが記載されているがシートのブロッキング防止、
成形品の透明性、防曇効果に優れたとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な技術状況の基で、シートのブロッキング防止、成形品
の透明性、防曇効果に優れたスチレン系透明樹脂シート
及びその成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構成から
なる防曇剤を使用することによって本発明に達したもの
である。すなわち、本発明は、スチレン系透明樹脂シー
トをショ糖脂肪酸エステル76〜99.9質量%と未反
応ビニルピロリドンの量が1000ppm以下であるポ
リビニルピロリドン系(共)重合体0.1〜24質量%
を含有してなる防曇剤で表面処理して得た防曇性スチレ
ン系透明樹脂シート及びそのシートを用いて得た成形品
とすることによって課題を解決したものである。
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。本発明の
防曇剤はショ糖脂肪酸エステルと未反応ビニルピロリド
ンが1000ppm以下であるポリビニルピロリドン系
(共)重合体を必須とする。ショ糖脂肪酸エステルは、
ショ糖と脂肪酸とのエステルである。ショ糖脂肪酸エス
テルを構成する脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、
カプリル酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸などの炭素
数6〜30程度の飽和脂肪酸、リンデン酸、パルミトオ
レイン酸、オレイン酸、エライジン酸、イソオレイン
酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数1
0〜24程度の不飽和脂肪酸が挙げられ、これら脂肪酸
は単独でも併用してもよい。その中でもショ糖脂肪酸エ
ステルを構成する脂肪酸がラウリン酸であり、ラウリン
酸成分としての割合が50質量%以上、更に好ましくは
55質量%以上、特に好ましくは65質量%以上である
ものが好ましい。ラウリン酸成分としての割合が50質
量%以上の場合、表面処理性に優れ、更に防曇効果にも
優れる傾向が見られる。なお、ショ糖脂肪酸エステルを
構成する脂肪酸とは、ショ糖と脂肪酸からエステルを成
すが、そのエステル成す前の脂肪酸をここではいう。ま
た、これらショ糖脂肪酸エステルは少なくとも単独でも
一種類以上併用使用することもできる。
【0007】本発明のポリビニルピロリドン系(共)重
合体はビニルピロリドン系単量体の重合体、並びにビニ
ルピロリドン系単量体とビニルピロリドン系単量体に共
重合可能な単量体との共重合体である。
【0008】本発明で使用されるビニルピロリドン系単
量体としてはビニルピロリドン及びその誘導体であっ
て、好ましくはビニルピロリドンである。これらビニル
ピロリドン系単量体は少なくとも一種以上併用して使用
出来る。
【0009】本発明で使用されるビニルピロリドン系単
量体と共重合可能な単量体としては酢酸ビニル、ビニル
イミダゾ−ル、ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
ビニルピロリドン系単量体及びビニルピロリドン系単量
体と共重合可能な単量体との割合は特に制限されること
はないが、好ましくはビニルピロリドン系単量体が30
質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ま
しくは60質量%以上である。ビニルピロリドン系単量
体が30質量%以上の場合、防曇効果に優れる傾向が見
られる。
【0010】本発明のポリビニルピロリドン系(共)重
合体中に存在する未反応ビニルピロリドンの量は100
0ppm以下である。好ましくは500ppm以下、更
に好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100
ppm以下である。未反応ビニルピロリドンが1000
ppmより多いとシート成形時に金型が汚染され易く、
成形品の透明性を低下させる。また、ショ糖脂肪酸エス
テルとポリビニルピロリドン系(共)重合体からなる本
発明の防曇剤組成中の未反応ビニルピロリドンは好まし
くは200ppm以下、更に好ましくは100ppm以
下である。
【0011】本発明の防曇剤中のショ糖脂肪酸エステル
とポリビニルピロリドン系(共)重合体の割合は、ショ
糖脂肪酸エステルが76〜99.9質量%とポリビニル
ピロリドン系(共)重合体0.1〜24質量%である。
好ましくはショ糖脂肪酸エステルが80〜99.5質量
%でポリビニルピロリドン系(共)重合体0.5〜20
質量%、更に好ましくはショ糖脂肪酸エステルが85〜
98質量%でポリビニルピロリドン系(共)重合体2〜
15質量%、特に好ましくはショ糖脂肪酸エステルが9
0〜97質量%でポリビニルピロリドン系(共)重合体
3〜10質量%である。ショ糖脂肪酸エステルが76質
量%より少ないと防曇効果に劣る。また、ポリビニルピ
ロリドン系(共)重合体が0.1質量%より少ないと防
曇効果の持続性に劣り、24質量%より大きいとシート
のブロッキング防止に劣る。
【0012】スチレン系透明樹脂シートの表面を防曇剤
で処理する際には、ショ糖脂肪酸エステルとポリビニル
ピロリドン系(共)重合体を溶媒に溶解した溶液として
用いる。溶媒としては水、アルコール等が用いられるが
特にこれらに限定されるものではない。取扱い上は水が
好ましい。その場合、ショ糖脂肪酸エステルとポリビニ
ルピロリドン系(共)重合体の溶液濃度は特に限定され
ることはないが0.01〜10質量%が好ましい。
【0013】本発明の防曇性スチレン系透明樹脂シート
に用いるスチレン系透明樹脂シートとは、スチレン系透
明樹脂を成形加工して得た防曇剤で処理する前のシート
である。スチレン系透明樹脂には、スチレン系単量体の
単独重合体、スチレン系単量体の共重合体、スチレン系
単量体に共重合可能な単量体を共重合して得た共重合体
及びそれらの混合物が挙げられる。
【0014】上記の(共)重合体に用いられるスチレン
系単量体にはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等が
挙げられ、また、スチレン系単量体と共重合可能な単量
体としてはアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)等が挙
げられる。
【0015】これらスチレン系単量体の単独重合体又
は、スチレン系単量体の共重合体としてはスチレンを重
合して得られるGP(一般用)ポリスチレンが好まし
い。また、スチレン系単量体に共重合可能な単量体を共
重合して得た共重合体としては、メタクリル酸−スチレ
ン共重合体、、メタクリル酸メチル−スチレン共重合
体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸−スチレン共重
合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
【0016】また、ブタジエン系ゴム存在下でスチレン
系単量体及び/又はスチレン系単量体と共重合可能な単
量体を重合して得た重合体を、透明性を損なわない範囲
で上記のスチレン系単量体を必須とする(共)重合体に
混合して用いることもできる。ブタジエン系ゴムにはハ
イシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロック
ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックゴム、
部分水添ポリブタジエンゴム等が挙げられる。更に、ス
チレン系単量体及びスチレン系単量体と共重合可能な単
量体としては、前記で挙げた単量体を用いることができ
る。なお、重合に用いる単量体やブタジエン系ゴムは少
なくとも1種類以上を用いることができる。これらの透
明性を損なわない範囲で混合できる重合体としてはゴム
変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。
【0017】スチレン系透明樹脂をシートに加工する方
法は特に限定されることはなく、1軸延伸法、2軸延伸
法、多軸延伸法、共押出法、積層法等の常法が挙げられ
る。また、シートを防曇処理するにはシートの表面をコ
ロナ放電処理法、オゾン処理法、プラズマ処理法等で改
質したものが好ましい。
【0018】防曇剤処理液をスチレン系透明樹脂シート
に処理する方法は特に限定されることはなく、簡便には
ロールコーター、ナイフコーター、グラビアロールコー
ター等を用い塗布する方法が挙げられる。また、噴霧、
浸漬等を採用することも出来る。
【0019】防曇剤処理した本発明のスチレン系透明樹
脂シート表面の防曇剤の固形分は好ましくは0.005
〜0.5g/m2、更に好ましくは0.01〜0.45
g/m2 、特に好ましくは0.01〜0.4g/m2
ある。スチレン系透明樹脂シートの防曇剤の固形分が
0.005g/m2より少ないと防曇効果に劣る傾向が
見られ、また、0.5g/m2より多いとシート表面の
塗工ムラが目立ち易く、そのシートを成形した成形品の
透明性が低下し易い。
【0020】本発明の防曇性スチレン系透明樹脂シート
とは食料品の包装材或いは被覆材として使用されるの
で、この防曇性スチレン系透明樹脂シートを通して収納
物が確認出来る透明性が必要である。また、この防曇性
スチレン系透明樹脂シートの厚みは特に限定されること
はなく、一般に100μm〜10mmである。このシー
トは成形して容器にも用いられる。また、該防曇性スチ
レン系透明樹脂シートの透明性として好ましくはHaz
e(ヘーズ)が10以下であり、更に好ましくはHaz
eが5以下である。
【0021】本発明の成形品とは防曇性スチレン系透明
樹脂シートを圧空成形、真空成形、真空圧空成形等を用
いて成形された食料品を包装する蓋容器やフードパック
である。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
なお、実施例における物性測定は以下の通り実施した。 (1)未反応ビニルピロリドン量:試料として個体のポ
リニピロリドン系(共)重合体10gを100mlの純
水に溶解し、2gの酢酸ナトリウムと50mlのメタノ
ールを加える。この溶液に0.1Nのヨウ素液をヨウ素
の色が無くなるまで滴定し、更に10ml加え、反応が
完全に終了するまで約30分放置する(ヨウ素のトータ
ル量をAmlとする)。その後、0.1Nのチオ硫酸ナ
トリウムで滴定する(チオ硫酸ナトリウム消費量をBm
lとする)。尚、指示薬としてデンプン試液を使用す
る。次式より未反応ビニルピロリドン量を求める。 ビニルピロリドン量(%)={(A−B)×0.555
/(試料量(g)}
【0023】(2)シートブロッキング性:縦方向に
2.5倍、横方向に2.5倍延伸した0.4mm厚みの
2軸延伸スチレン系透明樹脂シートに、防曇剤を塗布し
た防曇性スチレン系透明樹脂シートと何も塗布して無い
スチレン系透明樹脂シートをそれぞれ10cm×10c
mの面積で重ね合わせ、10MPaの加重下で24時間
放置した後、スチレン系透明樹脂シートを引き剥がし
た。全10組の組み合わせからその時のシート状態を目
視にて評価した。 ◎:シートに白化無し ○:シート面積の10%未満に白化が有る △:シート面積の10〜40%に白化が有る ×:シート面積の40%を超えて白化が有る
【0024】(3)成形品の透明性:(2)で得た防曇
性スチレン系透明樹脂シートを関西自動成型機(株)製
の真空圧空成型機PK400を用い、成型温度135℃
で天面が平らな蓋容器(200mm長×120mm幅×
50mm高)を200ショット成型した。200ショッ
ト目の蓋容器の天面のHazeを日本電色工業社製測定
機NDH−1001DPにて測定した。 ◎:Hazeが2.5%未満 ○:Hazeが2.5〜3.5% △:Hazeが3.5より大きく4.5%以下 ×:Hazeが4.5%より大きい
【0025】(4)防曇効果:温度45℃のお湯を張
ったPSP(ポリスチレンペーパー)容器の上に(3)
で得られた蓋容器をそれぞれ1個を張り付けた後、更に
温度5℃の冷蔵庫に30分放置した。その後蓋容器の曇
りを目視で評価した。なお、21〜30ショット目の1
0個の容器を用いて評価した。 ◎:曇りが殆ど見られない。 ○:曇りが一部で見られる。 △:曇りが半分程度見られる。 ×:曇りが大部分で見られる。 (5)防曇効果:防曇効果を評価後、更に温度5℃
の冷蔵庫に60分放置した。その後蓋容器の曇りを目視
にて評価した。 ◎:曇りが殆ど見られない。 ○:曇りが一部で見られる。 △:曇りが半分程度見られる。 ×:曇りが大部分で見られる。
【0026】実施例1 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸GPポリスチレンシートを用いた。また、防曇剤
としてはショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の70
質量%がラウリン酸であるショ糖ラウリン酸エステル
で、かつその38質量%水溶液を用い、ポリビニルピロ
リドン系(共)重合体には未反応ビニルピロリドンが6
0ppmであるポリビニルピロリドンを用いて、ショ糖
ラウリン酸エステルとポリビニルピロリドンを固形分割
合で96質量%と4質量%になるように調整して得た。
更にこの防曇剤を1.5質量%水溶液に希釈して、シー
ト表面の防曇剤の固形分が0.06g/m2に塗布した
シートを得た。また、そのシートを用い、蓋容器(20
0mm長×120mm幅×50mm高さ)を成形した。
なお、ショ糖ラウリン酸エステルの38質量%水溶液に
第一工業製薬社製DKエステルS−L18A、ポリビニ
ルピロリドンにBASFジャパン社製ルビスコールK1
7を用いた。表1に防曇剤の固形分の配合割合を質量%
で示し、得られた物性も示した。
【0027】実施例2 防曇剤としてはショ糖脂肪酸エステルに実施例1で用い
たショ糖ラウリン酸エステルの38質量%水溶液と、構
成する脂肪酸の95質量%がミリスチン酸であるショ糖
ミリスチン酸エステルのペレットを用い、またポリビニ
ルピロリドン系(共)重合体には実施例1で用いたポリ
ビニルピロリドンを用いた。ショ糖ラウリン酸エステル
とショ糖ミリスチン酸エステルとポリビニルピロリドン
の固形分割合をそれぞれ86質量%と6質量%と8質量
%になるように調整して得た。この防曇剤を用いた以外
は実施例1と同様に行った。なお、ショ糖ミリスチン酸
エステルに第一工業製薬社製M−160を用いた。表1
に防曇剤の固形分の配合割合を質量%で示し、得られた
物性も示した。
【0028】実施例3 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸GPポリスチレンシートを用いた。また、防曇剤
としてはショ糖脂肪酸エステルに実施例1で用いたショ
糖ラウリン酸エステルの38%質量水溶液を用い、ポリ
ビニルピロリドン系(共)重合体に未反応ビニルピロリ
ドンが40ppmでビニルピロリドンと酢酸ビニルの割
合が70質量%と30質量%であるポリビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体を用いた。ショ糖ラウリン酸エ
ステルとポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体の
固形分割合をそれぞれ88質量%と12質量%になるよ
うに調整して得た。更にこの防曇剤を0.25質量%水
溶液に希釈して、シート表面の防曇剤の固形分が0.0
1g/m2に塗布したシートを得た。このシートを用い
た以外は実施例1と同様に行った。なお、ポリビニルピ
ロリドン−酢酸ビニル共重合体にBASFジャパン社製
ルビスコールVA64Pを用いた。表1に防曇剤の固形
分の配合割合を質量%で示し、得られた物性も示した。
【0029】実施例4 防曇剤としてはショ糖脂肪酸エステルに実施例1で用い
たショ糖ラウリン酸エステルの38質量%水溶液と構成
する脂肪酸の70質量%がステアリン酸であるショ糖ス
テアリン酸エステルを用い、またポリビニルピロリドン
系(共)重合体に実施例1で用いたポリビニルピロリド
ンと実施例3で用いたポリビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体を用いた。ショ糖ラウリン酸エステルとショ
糖ステアリン酸エステルとポリビニルピロリドンとポリ
ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体の固形分割合を
それぞれ65質量%と15質量%と10質量%と10質
量%になるように調整して得た。この防曇剤を用いた以
外は実施例1と同様に行った。なお、防曇剤を成す各成
分物質は前記記載の物を用いた。表1に防曇剤の固形分
の配合割合を質量%で示し、得られた物性も示した。
【0030】実施例5 スチレン系透明樹脂シートに2軸延伸メタクリル酸−ス
チレン共重合体シート(スチレン系透明樹脂はスチレン
97質量%とメタクリル酸3質量%)を用いた以外は実
施例1と同様に行った。表1に防曇剤の固形分の配合割
合を質量%で示し、得られた物性も示した。
【0031】比較例1 防曇剤としては実施例1で用いたショ糖ラウリン酸エス
テルの38質量%水溶液を用い、ポリビニルピロリドン
系(共)重合体に実施例1で用いたポリビニルピロリド
ンを用い、ショ糖ラウリン酸エステルとポリビニルピロ
リドンの固形分割合をそれぞれ5質量%と95質量%と
なるように調整して得た。この防曇剤を用いた以外は実
施例1と同様行った。表2に防曇剤の固形分の配合割合
を質量%で示し、得られた物性も示した。ブロッキング
防止、成形品の透明性、防曇効果に劣ることが分かる。
【0032】比較例2 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸GPポリスチレンシートを用いた また、防曇剤
としては実施例1で用いたショ糖ラウリン酸エステルの
38質量%水溶液を用い、ポリビニルピロリドン系
(共)重合体に未反応ビニルピロリドンが2000pp
m、重量平均分子量が120万であるポリビニルピロリ
ドンを用い、ショ糖ラウリン酸エステルとポリビニルピ
ロリドンの固形分割合をそれぞれ67質量%と33質量
%となるように調整して得た。更にこの防曇剤を3質量
%水溶液に希釈して、シート表面の防曇剤の固形分が
0.03g/m2に塗布したシートを得た。このシート
を用いた以外は実施例1と同様行った。表2に防曇剤の
固形分の配合割合を質量%で示し、得られた物性も示し
た。ブロッキング防止、成形品の透明性、防曇効果に劣
ることが分かる。
【0033】比較例3 防曇剤としては実施例1で用いたショ糖ラウリン酸エス
テルの38質量%水溶液を用い、ポリビニルピロリドン
系(共)重合体に未反応ビニルピロリドンが1200p
pmであるポリビニルピロリドンを用い、ショ糖ラウリ
ン酸エステルとポリビニルピロリドンの固形分割合をそ
れぞれ78質量%と22質量%となるように調整して得
た。この防曇剤を用いた以外は実施例1と同様行った。
表2に防曇剤の固形分の配合割合を質量%で示し、得ら
れた物性も示した。成形品の透明性に劣ることが分か
る。
【0034】比較例4 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸GPポリスチレンシートを用いた。また、防曇剤
としては実施例1で用いたショ糖ラウリン酸エステルの
38質量%水溶液とメチルセルロースを用い、固形分割
合でそれぞれ75質量%と25質量%となるように調整
して得た。更にこの防曇剤を0.5質量%水溶液に希釈
して、シート表面の防曇剤の固形分が0.02g/m2
に塗布したシートを得た。このシートを用いた以外は実
施例1と同様行った。表2に防曇剤の固形分の配合割合
を質量%で示し、得られた物性も示した。防曇効果に劣
ることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の防曇性スチレン系透明樹脂シー
ト及びその成形品はシートブロッキング防止、成形品の
透明性、及び防曇効果に優れているので食料品の包装等
に広く使用でき、非常に有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA15 AB12 AB64 BA10 CA07 DA04 4F100 AH03B AJ03B AK02B AK12A AL01B BA02 BA07 CA10B EH462 EJ38A GB16 JN01 JN01A JN30 YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系透明樹脂シートを、ショ糖脂
    肪酸エステル76〜99.9質量%と未反応ビニルピロ
    リドンの量が1000ppm以下であるポリビニルピロ
    リドン系(共)重合体0.1〜24質量%とを含有して
    なる防曇剤で表面処理したことを特徴とする防曇性スチ
    レン系透明樹脂シート。
  2. 【請求項2】 ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸
    の50質量%以上がラウリン酸であることを特徴とする
    請求項1記載の防曇性スチレン系透明樹脂シート。
  3. 【請求項3】ポリビニルピロリドン系(共)重合体を構
    成する単量体の30質量%以上がポリビニルピロリドン
    単量体であることを特徴とする請求項1又は2記載の防
    曇性スチレン系透明樹脂シート。
  4. 【請求項4】 スチレン系透明樹脂シートを表面処理し
    た防曇剤量が固形分として0.005g〜0.5g/m
    2 であることを特徴とする請求項1乃至3記載のいず
    れか1項記載の防曇性スチレン系透明樹脂シート。
  5. 【請求項5】 スチレン系透明樹脂シートとして2軸延
    伸GPポリスチレンシートを用いることを特徴とする請
    求項1乃至4記載のいずれか1項記載の防曇性スチレン
    系透明樹脂シート。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のいずれか1項記載
    の防曇性スチレン系透明樹脂シートを用いて得られるこ
    とを特徴とする成形品。
  7. 【請求項7】 成形品が食料品包装容器であることを特
    徴とする請求項6記載の成形品。
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