JP2002355755A - 被研磨物保持用のバッキング材 - Google Patents

被研磨物保持用のバッキング材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被着体とバッキング材との間に空気の咬み込
みを防いで平らなバッキング面が得られるようにしたバ
ッキング材を提供すること。 【解決手段】 被研磨物を保持するためのバッキング材
1は、基材2と、基材2上に積層された弾性層3と、弾
性層3上に積層された粘着性樹脂層4と、を有する。粘
着性樹脂層4の表面に、表面粗さRaが0.4〜4.0
μmの微少な凹凸が全面に亘って形成されている。前記
弾性層はポリウレタン樹脂からなり、その圧縮率が5〜
60%であり、前記粘着性樹脂層は熱硬化性樹脂又は熱
可塑性樹脂からなり、その硬度が48〜88(JIS
A硬度)であり、その圧縮率が3〜52%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガリウ
ム砒素やインジウム燐などの半導体基板または半導体ウ
エハ、各種基板、ガラス、LCD、ディスクなどの表面
を研磨する際に、これらの被研磨物を保持しておくため
に使用するバッキング材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウェーハ、半導体デバイス
の層間絶縁膜及びメタル配線、メモリー・ディスク、L
CD用ガラス等の精密平面研磨を行う際には、回転する
定盤に装着された人工皮革様の研磨布と、対向する位置
に置かれた回転可能な被研磨物保持プレートに下記に述
べるような種々の被研磨物の装置法により固定された被
研磨物との間に研磨砥粒を含む研磨液を供給して、被研
磨物及び研磨布を互いに摺動させることにより行われて
きた。
【0003】従来技術による被研磨物の保持・固定法と
しては、例えば、以下の方法が用いられてきた。
【0004】(1)金属やセラミックスで製作された被
研磨物保持プレートに加熱下で流延、塗布されたワック
スを介し、該ワックスの軟化点以下まで冷却することに
より被研磨物を固定する、いわゆるワックス・マウンテ
ィング法。
【0005】(2)金属やセラミックスで製作された被
研磨物保持プレートに機械加工により直径0.5mm〜
数mmの吸引口をあけ、この保持プレートの裏面及び側
面から真空ポンプにより吸引することで保持プレート表
面に装着された被研磨物を固定する、いわゆるバキュー
ム・チャック法。
【0006】(3)人工皮革様の高分子発泡材料からな
るバッキング材を被研磨物保持プレートに装置し、該バ
ッキング材を水で濡らし発泡孔中の水が被研磨物を介し
て加えられる圧力により外部へ排出された時に生じる発
泡孔中の水の陰圧及び水自体の表面張力の複合により被
研磨物を保持プレート表面に固定する、いわゆるノーワ
ックス・マウンディング法。
【0007】しかしながら、これら種々の被研磨物保持
法には各々に特有の欠点も存在した。すなわち、(1)
ワックス・マウンティング法においては、被研磨物の研
磨終了後、被研磨物裏面に固定に用いたワックスが残留
し、その汚染を除去するために煩雑な洗浄操作を行う必
要があること、固定に用いるワックス自体に軟化点があ
ることから、研磨加工温度をその軟化点以上に上げるこ
とができないこと、ワックス中にゲル化物や外来粉塵が
含まれているとそれらの存在が研磨中に被研磨物表面の
ディンプルとして転写され研磨の仕上り状態を悪化させ
ること、さらに着脱の際の手間がかかること、などが挙
げられる。
【0008】(2)従来のバキューム・チャック法につ
いては、機械加工により形成された吸引口付近で被研磨
物が吸引口側にたわみ、研磨加工後の被研磨物表面では
逆に研磨による表面の除去が不足であった突起点として
残り、研磨の仕上がり状態を悪化させること、研磨液が
加工中に被研磨物裏面と保持プレート間の間隙を通って
吸引口から真空ポンプ配管系中に吸い込まれ、ポンプ故
障や配管を腐食などを起こし易いことなどが挙げられ
る。
【0009】(3)ワックスを用いないで半導体ウエハ
をバッキング材に固着する方法は、下定盤上に研磨パッ
ドを貼り付けると共に上定盤下面にバッキング材および
テンプレートを固定し、該テンプレートに設けられたウ
エハ保持用リセスに半導体ウエハを配置し、上下定盤を
相対的に回転させると共に、研磨スラリーを研磨パッド
上に供給しながら半導体ウエハを研磨パッドに押圧する
ことで被研磨物の表面研磨を行うものである。
【0010】ここで使用するバッキング材は、例えば、
図8に示すように、基材12にコーティングしたウレタ
ン樹脂のDMF溶液層を水中にて凝固させ、温水中で洗
浄、熱風で乾燥を行って発泡層13を形成し、その表面
を平滑加工して形成されたものである。なお、図中、6
は被研磨物、14は基材12の裏面に貼着された感圧接
着剤層である。
【0011】しかし、このバッキング材11の保持面の
表面精度は、コーターの塗工精度、欠陥を反映している
ので、その保持面を平滑加工したバッキング材に比べ、
表面精度が悪く、またスジ等、表面欠陥が被研磨物に転
写するという欠点がある。
【0012】また、平滑加工した通常のバッキング材で
は、被研磨物に対する吸着力が弱いので、被研磨物がバ
ッキング材表面でずれるのを防止するためにテンプレー
トを使用することが必要である。
【0013】そこで、本発明者らは、上記発泡層13の
表面に、樹脂よりなる粘着性樹脂層を設けたバッキング
材を検討した。このバッキング材においては、樹脂層は
被研磨物を回転させない程度の粘着性を有しているの
で、被研磨物がバッキング材表面でずれるのを防止する
と共に、その表面は比較的平滑であるので、表面精度が
良く、またスジ等表面欠陥が被研磨物に転写することが
ない。
【0014】しかし、被着体をそのバッキング材表面に
貼り付けるときに、被着体とバッキング材との間に空気
を咬み込んで両者の界面のたわみが生じ、平らなバッキ
ング面が得られないという欠点がある。また、ガラス等
の被研磨物はバッキング材表面に密着しすぎて、マシン
によるハンドリング性が悪い上に、被着体をバッキング
材から剥がし難いという欠点もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解消するためになされたものであって、その目的とする
ところは、バッキング材の表面欠陥の被研磨物への転写
をなくし、被研磨物の表面精度を上げることができるバ
ッキング材を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、被研磨物に対する吸
着力を上げることでテンプレートの使用をなくすことが
できるバッキング材を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、被着体とバッ
キング材との間に空気の咬み込みを防いで平らなバッキ
ング面が得られるようにしたバッキング材を提供するこ
とにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、ガラス等の被
研磨物がバッキング材表面に密着しすぎるということが
なくマシンによるハンドリング性が良い上に、被着体の
バッキング材表面からの剥離性も適度であるバッキング
材を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の被研磨物を保持
するためのバッキング材は、基材と、該基材上に積層さ
れた弾性層と、該弾性層上に積層された粘着性樹脂層
と、を有する被研磨物を保持するためのバッキング材で
あって、該粘着性樹脂層の表面に、表面粗さRaが0.
4〜4.0μmの微少な凹凸が全面に亘って形成されて
おり、そのことにより上記目的が達成される。
【0020】一つの実施態様では、前記弾性層はポリウ
レタン樹脂からなり、その圧縮率が5〜60%であり、
前記粘着性樹脂層は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂から
なり、その硬度が48〜88(JIS A硬度)であ
り、その圧縮率が3〜52%である。
【0021】本発明の作用は次の通りである。
【0022】従来のバッキング材表面は、製造工程およ
び塗工精度を反映して、その厚み精度が悪い。そして、
このバッキング材の保持面の表面欠陥が被研磨物に転写
する場合が多い。
【0023】そこで、本発明においては、バッキング材
の粘着性樹脂層表面を平滑加工し、その後、保持面に熱
可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂をラミネートし樹脂層を形
成する。この樹脂層は被研磨物を回転させない程度の粘
着性を有しているので、スラリーが被研磨物の裏側へ回
り込んで保持力が低下するのを防止できると共に、被研
磨物に傷が付くのを防止することができる。
【0024】さらに、本発明のバッキング材の粘着性樹
脂層表面に、表面粗さRaが0.4〜4.0μmの微少
な凹凸を設けることにより、被研磨物に対する吸着度合
いをコントロールすることができると共に、バッキング
材に被研磨物を貼着する際に、凹凸を通してエアを外部
へ逃がすことができ、被研磨物と粘着性樹脂層との間に
発生するエア咬みを防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0026】本発明のバッキング材1は、図1〜図3に
示すように、基材2と、該基材2上に積層された弾性を
有する弾性層3と、該弾性層3上に積層された粘着性樹
脂層4と、必要に応じて該基材2の裏面に積層された感
圧接着剤層5とを有する。使用されるまでは、この感圧
接着剤層5の裏面にさらに離型シートが剥離可能に貼着
される。
【0027】上記基材2としては、ポリエステルシー
ト、ポリ塩化ビニルシート、ナイロンシート、ポリイミ
ドシート等を使用することができる。
【0028】また、上記弾性層3としては、従来よりバ
ッキング材1の発泡層を形成するものが使用でき、例え
ば、基材2にウレタン樹脂のDMF溶液をコーティング
し、その層を湿式凝固させ、温水中で洗浄、熱風で乾燥
を行って形成することができる。この弾性層3の表面は
平滑加工され、弾性層3の表面には多数の独立発泡の孔
部が形成されている。弾性層3の圧縮率は5〜60%
(JIS L1096にて測定)が好ましい。
【0029】弾性層3の表面に積層された粘着性樹脂層
4は、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、エ
ポキシ樹脂、ナイロン、ポリ塩化ビニル等の熱硬化性樹
脂又は熱可塑性樹脂からなり、表面が平滑であり、かつ
被研磨物に対して粘着性を有しているものである。該樹
脂層4の硬度は48〜88が好ましく(JIS−A,J
ISK6301 5.2(A形)にて測定)、その圧縮
率は3〜52%が好ましい。
【0030】この粘着性樹脂層4の表面に、表面粗さR
aが0.4〜4.0μmの微少な凹凸が全面に亘って形
成されている。この微少な凹凸は、粘着性樹脂層4の表
面にランダムに(方向性がなく)形成されている。さら
に好ましい表面粗さRaの範囲は、0.5〜2.0(U
70〜DM42)μmである。微少な凹凸のRaが0.
4μm未満であると、空気の抜けるる速度が遅く被着体
とバッキング材との間に空気の咬み込む場合があり、ま
たマシンによるハンドリング性が悪く、4.0μmを超
えると表面精度が低下する。
【0031】本発明のバッキング材1は、例えば、以下
のようにして製造することができる。
【0032】基材2表面に積層された弾性層3の表面を
バフして一定の表面粗さ(凹凸)とし、次に、この弾性
層3の表面に熱硬化性のウレタン樹脂をコーティングす
る。次に、この樹脂4が完全に硬化してしまう(反応が
完結する)前に、図3に示すように、微少な凹凸を有す
るフィルム7を、熱ロールにより圧着ラミネートし、バ
ッキング材1表面とウレタン樹脂層4を接着させた後
に、該フィルムを樹脂層4表面から剥がす。すると、フ
ィルム自体の表面粗さが、バッキング材1の樹脂層4の
表面に転写され、表層の無発泡ウレタン層に、ある一定
の粗さをもった自己吸着タイプバッキング材1が得られ
る。
【0033】このような製法でバッキング材1を作製す
ることにより、フィルム7の表面粗さをコントロールす
ることで、バッキング材1の樹脂層4の表面粗さをコン
トロールすることができる。
【0034】本発明のバッキング材1を用いて、半導体
ウエハ等の被研磨物を研磨するには、被研磨物の被加工
面を下側にしてバッキング材1の樹脂層4下面に水吸着
させ、その保持状態で保持装置を下降させ、下定盤上の
研磨パッド面に所定の圧力で加圧して定盤を回転させ、
ノズルからスラリーを供給し、また被研磨物を保持した
保持盤を回転させて被研磨物の研磨面を研磨する。
【0035】本発明のバッキング材1は、その表面に粘
着性樹脂層4が形成されていることにより、半導体ウエ
ハ等の被研磨物を粘着保持し、研磨時の横ずれを防止
し、また被研磨物の裏面に研磨スラリー等が回り込むの
を防止することができる。
【0036】また、自己粘着性の樹脂層4の裏面に弾性
層3が形成されていることにより、研磨屑等が被研磨物
と樹脂層4との間に介在した場合でもその部分が変形す
ることで被研磨物が傷つくことを防止することができ
る。
【0037】
【実施例】はじめに、本実施例で使用した吸着力の測定
方法を以下に示す。 1.吸着力測定方法 垂直及び水平方向についての、ドライ又はウエット状態
で、吸着力を連続5回及び20回測定した。 1.1 垂直方向 図4に示すように、面精度のある円柱状ガラス(50m
m径)20をケプラーワイヤ21で吊り下げ、定盤22
に固定されたバッキング材1(75mm径)にそのガラ
ス20を荷重をかけて吸着させる。加圧条件は、次の通
りとした。面圧:150g/cm2、時間10秒、水量
10ml。
【0038】その後、一定速度で上方へ引っ張り(引張
速度:200mm/min)、ガラス20がバッキング
材1から剥離する際の剥離強度をオートグラフ23で測
定する。
【0039】なお、ウエット状態の測定では、バッキン
グ表面に純水を滴下後、バッキング材1表面をワイプし
て表面の水をぬぐい取り、その後、ガラス20を吸着さ
せた。 1.2 水平荷重 図5に示すように、所定荷重をかけて、定盤に固定され
たバッキング材1にガラス20を吸着させる。その後、
荷重をかけた状態でガラス20を水平方向へ引っ張り、
ガラス20が動き始める時の強度をオートグラフ23で
測定する。
【0040】ウエット状態については、垂直方向測定と
同様にガラス表面に純水を滴下した後、その表面をワイ
プした。加圧条件、引張条件は垂直荷重の場合と同条件
とした。 2.樹脂層表面の凹凸(表面粗さRa)の測定 測定器として、(株)東京精密社製SURFCOMを使
用し、以下の条件で実施した。 測定端子:R5μmの90°円錐状ダイヤモンド端子 測定長さ:12.5mm 測定速度:0.3mm/秒 測定荷重:0.4mN(0.04gf) (実施例1)ポリエステルフィルム表面にポリウレタン
樹脂の発泡層(厚み30μm)を形成し、この発泡層の
表面をバフ(表面平滑加工)して一定の表面粗さ(凹
凸)とした。次に、この発泡層の表面に熱硬化性のウレ
タン樹脂をコーティングした。その樹脂が完全に硬化し
てしまう前に、表面粗さRaが0.3(U70)μmの
凹凸を多数有するフィルム(セパレーター)を、熱ロー
ルにより圧着し、樹脂層を硬化させた後に、該フィルム
を樹脂層表面から剥がして、バッキング材を得た。
【0041】得られたバッキング材の樹脂層表面の凹凸
を測定したところ、0.6(U70)μmであった。
【0042】バッキング材の垂直及び水平方向について
のドライ又はウエット状態で吸着力を、連続5回及び2
0回測定した結果を図6〜図7に示す。 (比較例1)表面粗さRaが0.30μmの凹凸を多数
有するフィルム(セパレーター)を使用したこと以外
は、実施例1と同様にしてバッキング材を得た。
【0043】得られたバッキング材の樹脂層表面の凹凸
を測定したところ、0.30μmであった。
【0044】バッキング材の垂直及び水平方向について
のドライ又はウエット状態で吸着力を、連続5回及び2
0回測定した結果を図6〜図7示す。
【0045】図6−7から以下のことがわかる。
【0046】樹脂層の表面微少凹凸処理品(実施例1)
は、表面未処理品(比較例1)より、垂直方向の吸着力
は低減した。また、水平方向の吸着力は、若干の減少は
あるが、両者ほぼ同等レベルであった。
【0047】エア巻きに関しては、実際にサンプルをフ
ラットな定盤に貼り込み、ガラスを付けてみたところ、
若干のエア残りは見られるが、表面未処理品と比較した
場合、付加時のエアの流動性が生じ、明らかにエアの逃
げは改善されていることがわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、バッキング材の基材表
面をバフした後に、その表層に樹脂をラミネートしたの
で、厚み精度が向上し、またそれにより被研磨物(ガラ
ス等)に転写筋が解消され、平坦性、うねりが向上す
る。よって、バッキング材の表面欠陥の被研磨物への転
写をなくし、被研磨物の表面精度を上げることができ
る。また、被研磨物に対する吸着力を上げることでテン
プレートの使用をなくすことができる。
【0049】さらに、弾性層の表面に粘着性樹脂層が積
層されているので、次のような効果がある。 (1)撥水効果:粘着性樹脂層が液体の浸入に対して遮
断層としての役割を果たし、バッキング材内部へのスラ
リーの浸入はなくなる。これにより、従来のバッキング
材で問題となってきた基板裏面焼けの問題や、バッキン
グ材内スラリーの湿潤ムラ(バッキング材中のスラリー
へのキャリアヘッド回転運動による遠心、向心力作用)
による研磨後の基板研磨ムラが解消される。 (2)表面平滑性 バフにより厚さ精度の優れた弾性層上に、面平滑性の良
い樹脂層(トップコート層)を貼り合わせることで、基
板との密着作用又は極僅かに存在する水との分子間力に
よる作用によって、従来のバッキング材に比べ、はるか
に強い吸着力(垂直方向、剪断方向)が発生する。この
保持性能により、ワックス方式同様、研磨中の基板のズ
レや回転等が発生しないため、研磨後基板のフラットネ
ス(特に、エッジ部のフチダレの抑止)が優れる利点が
ある。
【0050】さらに、バッキング材の樹脂層に微少な凹
凸を設けたので、以下の効果がある。 (3)基板/バッキング材間のエア咬みを軽減させる。
【0051】表面処理を行っていないトップコート層を
有するバッキング材では、上下方向や横方向に対するエ
アの逃げが起こらないことから、エア咬みによる研磨ム
ラが発生する可能性があるが、本発明では、表面に微少
な凹凸を形成したため、吸着力とエア咬みレベルのバラ
ンスがとれるようになった。
【0052】表面微少凹凸によりガラスの脱着性を向上
させ、従来のように吸着力が強すぎて吸着時の作業性を
低減させることがなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッキング材の一実施例の要部断面図
である。
【図2】図1に示すバッキング材の製造工程を示す説明
図である。
【図3】図1に示すバッキング材の拡大断面図である。
【図4】垂直方向の吸着力の測定方法を示す説明図であ
る。
【図5】水平方向の吸着力の測定方法を示す説明図であ
る。
【図6】垂直方向の吸着力の測定結果を示すグラフであ
る。
【図7】水平方向の吸着力の測定結果を示すグラフであ
る。
【図8】従来のバッキング材の要部断面図である。
【符号の説明】
1 バッキング材 2 基材 3 弾性層 4 粘着性樹脂層 5 感圧接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 直也 奈良県大和郡山市池沢町172 ロデール・ ニッタ株式会社奈良工場内 Fターム(参考) 3C058 AB04 CA01 CA06 CB01 CB02 CB04 CB06 DA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に積層された弾性層
    と、該弾性層上に積層された粘着性樹脂層と、を有する
    被研磨物を保持するためのバッキング材であって、 該粘着性樹脂層の表面に、表面粗さRaが0.4〜4.
    0μmの微少な凹凸が全面に亘って形成されているバッ
    キング材。
  2. 【請求項2】 前記弾性層はポリウレタン樹脂からな
    り、その圧縮率が5〜60%であり、前記粘着性樹脂層
    は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなり、その硬度が
    48〜88(JIS A硬度)であり、その圧縮率が3
    〜52%である請求項1に記載のバッキング材。
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