JP2002355740A - ワーク端面の曲面研削加工方法およびカップ型砥石 - Google Patents

ワーク端面の曲面研削加工方法およびカップ型砥石

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JP2002355740A
JP2002355740A JP2002059900A JP2002059900A JP2002355740A JP 2002355740 A JP2002355740 A JP 2002355740A JP 2002059900 A JP2002059900 A JP 2002059900A JP 2002059900 A JP2002059900 A JP 2002059900A JP 2002355740 A JP2002355740 A JP 2002355740A
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axis
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Shigehiro Arai
茂弘 荒井
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークに対向する砥石表面の多くの砥粒がワ
ークを研削することにより、砥石の消耗が少なくて、短
時間で研削できる曲面研削加工方法を提供する。 【解決手段】 砥石軸線Cgとワーク軸線Cwを傾け、
ワークWを砥石軸線Cgとワーク軸線Cwとの交点CP
よりも砥石側でカップ型砥石Gの円筒端面と接触させ、
このとき、ワークWの被加工端面の中心が砥石Gの外周
よりもやや砥石軸線Cg寄りに位置させ、かつ、砥石G
の内周がワークWの被加工端面に接触した状態で、カッ
プ型砥石GがワークWを研削加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワーク端面の曲
面研削加工方法およびカップ型砥石に関し、特にワーク
の端面に突状の曲面を形成する研削加工方法およびその
研削加工に好適なカップ型砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、光ファイバコネクタ
のフェルールのような棒状のワークの端面に、突状の曲
面を研削加工により形成することが行われている。
【0003】従来のフェルール端面の突状曲面の研削加
工は、図7に示すようにして行われていた。図7におい
て、ワークであるフェルールWは、主軸1の先端でその
軸線(ワーク軸線)Cw上に保持され、一方、砥石G
は、砥石軸2の先端でその軸線(砥石軸線)Cg上に保
持されている。砥石軸線Cgとワーク軸線Cwとは、交
差させて相互に傾けて配置され、砥石軸2と主軸1とを
それぞれ自転させながら、これらを相対的に接近させる
ことにより、砥石GがワークWに切り込んでワークWを
研削し、突状曲面に仕上げる。
【0004】図7の加工方法によれば、仕上げられる突
状曲面は、ほぼ正確な球面となる。
【0005】なお、図7において、3は、上記主軸1を
回転自在に保持する主軸ホルダ、4は、上記砥石軸2を
回転自在に保持する砥石スピンドル、5は、主軸1に設
けられ、その爪6で上記ワークWを掴むチャックであ
る。
【0006】上記砥石Gは、円筒型をなし、砥石ホルダ
GHの端部外周に嵌め込まれ、この砥石ホルダGHは、
砥石軸2に同心に取り付けられている。砥石ホルダGH
の中心にはノズルGnが設けられ、このノズルGnは、
開口側Gtがテーパ状に拡がり、奥側は砥石軸2の加工
液供給穴7と連通している。この加工液供給穴7から
は、研削加工中、加工液が送り出され、砥石Gの内周側
からワークWと砥石Gとの間に噴出して研削加工液とし
て使用される。
【0007】更に、上記ノズルGnからのみの加工液の
供給では、砥石外周側の加工液が不足するので、砥石外
周側に加工液供給ノズル8が設けられ、ここからワーク
Wと砥石Gとの間に加工液を供給している。
【0008】ワーク被加工端面の中心Cewを、図8に
示すように、カップ型砥石Gの円筒端面Egの内周Gi
iに合わせ、砥石の円筒端面でワーク被加工端面を研削
するようにしている。
【0009】しかし、この研削方法では、砥石の摩損が
ワーク1個当たり5〜10μmと大きく、しかも、砥石
の内周付近だけが損耗して形状が崩れるので、頻繁に砥
石を整形しなおす必要があった。
【0010】発明者は、このように加工能率が悪く、砥
石の消耗が激しくなる原因を種々調査、研究した。その
結果、次のような事実を見出すことができた。
【0011】砥石の円筒端面Egの任意の位置の砥粒の
回転軌跡(以下、砥粒回転軌跡という)Lは、砥石軸線
Cgを中心とした円弧となる。この砥粒回転軌跡Lをワ
ークW端面側から見ると、図8(b)のように、楕円形
となる。
【0012】図8(b)において、砥石の最内周砥粒の
回転軌跡LiはワークWの被加工端面中心Cewを通る
楕円形となり、また、それよりも外側、例えば、ワーク
Wの外径に接する砥石の最外周砥粒の回転軌跡Loはワ
ーク外径Peに内接する楕円形となる。そして、砥粒回
転軌跡LiとLoとの間の任意の位置にも、円筒端面E
gの砥粒回転軌跡Lが存在する。
【0013】図8(b)におけるこれらの砥粒回転軌跡
LがワークWと重なって干渉するところで、研削が行わ
れるのである。
【0014】ワークWと円筒端面Egとの干渉する具合
を、更に詳細に検討すると、自転するワーク被加工端面
には任意の部分の回転軌跡(被加工部回転軌跡)が考え
られ、ひとつの被加工部回転軌跡と砥粒回転軌跡Lとが
交差する点で研削が行われることになる。
【0015】図4(b)に、砥粒回転軌跡Li、Loが
ワーク被加工端面に曲面を形成する状況を模式的に示
す。図4(b)において、ワークWはワーク軸線Cwを
中心に回転している。一方、最内周側砥粒回転軌跡Li
は小さい半径で、最外周側砥粒回転軌跡Loは大きい半
径で、それぞれワークWに対して実際にはやや傾斜した
軌跡となっている。
【0016】その結果、図4(b)に示すように、最内
周側砥粒回転軌跡Liの砥粒GiがワークWの端面全面
を弧X(図8(b)参照)付近で最初に研削してしま
い、それより外側の砥粒は、削り取られた後の空間SP
を通過し、「空振り」状態になる。それ故、砥石の円筒
端面Egは、最内周側の砥粒Giだけが実際の研削を行
ない、多く摩耗、脱落して摩損し、他の部分の砥粒が残
るので、早期に砥石が変形することになるのである。な
お、砥石外径Goo側がワークWと全く研削に関与しな
い場合が普通で、この部分は、図8(a)に示したよう
に、砥石外径Goo側に円筒面Gzzが残ってしまい、
この部分は整形時に全部削り落としている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ワークの
被研削端面に対向する砥石円筒端面表面の砥粒のうち、
ワークを実際に研削する砥粒の割合を増加させて、砥石
の消耗が少なく、短時間で研削できる曲面研削加工方法
およびこの曲面研削加工方法に好適なカップ型砥石を提
供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明方法においては、回転するワークのワー
ク軸線に対して、回転するカップ型砥石の砥石軸線を傾
けて配置し、カップ型砥石の円筒端面をワークの被加工
端面に切り込んでワーク被加工端面を曲面状に成形する
研削加工方法において、カップ型砥石の円筒端面の内周
縁が、砥石軸線に最も近いワーク被加工端面外周付近を
通過するように、カップ型砥石とワークを配置してワー
ク被加工端面を曲面状に加工する。
【0019】また、上記発明方法において、上記カップ
型砥石の円筒端面の外周縁が、砥石軸線から最も遠いワ
ーク被加工端面外周よりもワーク軸線側を通過するよう
にする。
【0020】また、上記カップ型砥石の円筒端面の外周
縁が、上記被加工端面のワーク軸線付近を通過するよう
にする。
【0021】この発明のカップ型砥石は、円筒端面の内
周縁が、砥石軸線に最も近いワーク被加工端面外周付近
を通過し、外周縁が、砥石軸線から最も遠いワーク被加
工端面外周よりもワーク軸線側を通過するように、内周
面と外周面とが設定された円筒部分を有する。
【0022】また、この発明のカップ型砥石は、円筒部
分の円筒端面が、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断面
形状と同じ断面形状に成形されている。
【0023】また、この発明のカップ型砥石は、円筒部
分の円筒端面が、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断面
形状に近い直線または曲線の断面形状に成形されてい
る。
【0024】更に、また、この発明のカップ型砥石は、
円筒部分の円筒端面が、ワーク被加工端面の仕上げ曲面
の断面形状と同じ断面形状に成形されている第1の部分
と、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断面形状に近い直
線または曲線の断面形状に成形されている第2の部分と
を有する。
【0025】この発明において、「カップ型砥石」と
は、カップ型となっている砥石の他、円筒型の砥石であ
って、金属製等の砥石ホルダに取り付けられてから、砥
石ホルダとともに「カップ型」を形成するタイプの砥石
等も含むものである。
【0026】この発明において、「ワーク軸線に対し
て、砥石軸線を傾けて配置する」とは、ワーク軸線と砥
石軸線とが(1)一致していない、すなわち、ワーク軸
線と砥石軸線とが一直線上になく、かつ、(2)平行で
ない、配置となっていることをいう。「ワーク軸線に対
して、砥石軸線を傾けて配置する」の典型は、後述する
実施の形態のように、軸線と軸線が交差する配置である
が、空間中で軸線と軸線がぶつかることなく、しかし、
平行でない配置も「ワーク軸線に対して、砥石軸線を傾
けた配置」である。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を、以下、図
1〜図6を参照して説明する。
【0028】図1〜図2において、図7および図8と同
一部分については、同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0029】この実施の形態が従来の図7および図8と
異なる点は、以下に説明するように、ワークと砥石との
接触位置と、カップ型砥石の円筒部分の円筒肉圧であ
る。
【0030】図1および図2において、砥石軸線Cgと
ワーク軸線Cwとは、ワークの被加工端面よりもワーク
W側で交差させて相互に適宜傾け、上記砥石軸線Cgと
ワーク軸線Cwとの交点CPよりも砥石G側で、カップ
型砥石円筒部分GCの円筒端面Egとワークの被加工端
面を接触させ、カップ型砥石の円筒端面Egで、ワーク
の被加工端面を曲面状に成形する。この点は、従来の研
削方法と変わらない。
【0031】既に説明したように、この発明は、ワーク
の被研削端面に対向する砥石円筒端面表面の砥粒の中で
実際にワークを研削する砥粒の割合を多くするようにし
ようとするものである。
【0032】発明者は、砥石円筒端面表面の実際に加工
する砥粒が多くなる条件を追求した。その結果、ある砥
粒の回転軌跡が、他の回転軌跡の砥粒に先に研削されて
しまうことによる、「空振り」が起こらないようにする
と、その砥粒が実際に加工する砥粒になることを見出
し、その為には、図2(a)および図2(a)の要部を
拡大して示した図3に示すように、ワークの被加工端面
の中心Cewを、従来とは異なり、砥石の最外周Goo
よりもやや砥石軸線Cg寄りに位置させ、かつ、砥石の
内周Giiをワークの被加工端面に接触させた状態に保
たせて、ワーク被加工端面のワーク軸線Cwと砥石軸線
Cgとの間に位置する部分Ewi(図3参照)が、カッ
プ型砥石の円筒端面Egに当たって研削されるようにす
ればよい、ということを見出し、この構成を採用したの
である。
【0033】砥粒回転軌跡Li〜Loは、図2(b)の
ようにワークの被加工端面側から見ると、いずれもワー
クの被加工端面を通過しているように見えるが、図4
(a)およびこの図4(a)の要部を拡大して示した図
5に模式的に示したように、最内周側砥粒回転軌跡Li
は小さい半径で、最外周側砥粒回転軌跡Loは大きい半
径で、それぞれワークWに対して実際にはやや傾斜した
軌跡となっている。その結果、いずれの砥粒もワークW
の被加工部に接触し、最内周側砥粒Giはワークの被加
工端面の最外周を、最外周側砥粒Goはワークの被加工
端面の中心部を研削し、中間の砥粒はこれらの間のワー
クの被加工端面を研削する。なお、図4および図5で
は、説明を簡明にするため、図2とは異なり、最外周側
砥粒回転軌跡Loがワークの被加工端面中心Cewを通
過するようにセットした場合を示してある。
【0034】このようにカップ型砥石GとワークWとを
配置した状態で、カップ型砥石Gを砥石軸線Cg回り
に、また、ワークWをワーク軸線Cw回りに、それぞれ
図示省略のモータにより自転させ、カップ型砥石Gとワ
ークWを、この実施形態では、砥石スピンドル4を図1
の左方に送って、相互に接近させて切り込み、カップ型
砥石GによりワークWの被加工端面Ewを曲面に研削加
工するようになっている。
【0035】すなわち、回転するワークWのワーク軸線
Cwに対して、回転するカップ型砥石Gの砥石軸線Cg
を傾け、カップ型砥石Gの円筒端面Egの内周縁Eig
が、砥石軸線Cgに最も近いワーク被加工端面外周Ei
w付近を通過するように、カップ型砥石GとワークWを
配置して、カップ型砥石Gの円筒端面EgをワークWの
被加工端面Ewに切り込んでワーク被加工端面を曲面状
に成形するのである。
【0036】このようにカップ型砥石GとワークWとを
配置し、カップ型砥石GをワークWに切り込み送りする
と、砥石の円筒端面Egのうち、カップ型砥石Gの円筒
端面Egの内周縁Eigと、ワーク被加工端面の中心C
ew上を通過するカップ型砥石Gの円筒端面Eg上の一
円周Ecgの間の部分の表面全ての砥粒が、ワークWを
積極的に研削する。研削中に砥石表面の砥粒は一様に脱
落、摩耗していく。これにより、砥石Gの消耗が少なく
なり、短時間でワークの被加工端面Ewを曲面に研削加
工することができる。
【0037】実験によれば、砥石Gの消耗量は、ワーク
100個を研削して、0.5μmであった。この値は、
従来のワーク1個当たり5〜10μmの実に1/200
0〜1/1000であり、ワーク1個当たり加工時間
も、大幅に短縮できた。しかも、研削加工の合間のドレ
ッシングも必要がなくなり、常に砥粒の切れ味が良い状
態になった。
【0038】実験に使用したワークWは、セラミック製
のフェルールで、このフェルールの中心軸線には、図示
はしてないが、細孔が開けられている。従来方法の研削
では、研削加工後、加工された曲面の中央の上記細孔の
開口周囲がだれているのが普通であったが、この発明方
法の研削では、ほとんどだれを生じることもなく、砥石
の切れ味が常に良好に保たれていることを示した。
【0039】図1および図2の実施の形態では、砥石軸
線Cgとワーク軸線Cwとが交点CPで交差している
が、この交差は必ずしも必須でなく、砥石軸線Cgとワ
ーク軸線Cwとが適量傾かせてあれば、交差点が存在し
なくても曲面研削加工は行われる。
【0040】また、カップ型砥石Gの円筒端面の外周縁
Eogが、砥石軸線Cgから最も遠いワーク被加工端面
外周Eowよりもワーク軸線Cw側を通過するようにし
てもよい。このようにすると、小さい径のワークを研削
する場合にも、比較的肉圧でより強度が高く、安全なカ
ップ型砥石を使用できる。しかも、カップ型砥石Gの円
筒端面Eg全体がワークWと干渉することになり、砥石
の円筒端面Egの全域の砥粒がほぼ均一に脱落、摩耗し
ていくから、円筒端面の断面形状が変化しにくくなり、
砥石成形の周期を一層長くできる。ただし、この場合、
砥石円筒端面Egのワーク中心より外周側の砥粒は、積
極的にワーク曲面成形に関与するのでなく、一旦成形さ
れたワーク曲面との干渉により脱落する。
【0041】更に、また、カップ型砥石の円筒端面の外
周縁が、上記被加工端面のワーク軸線付近を通過するよ
うにしてもよい。このようにすると、円筒端面Eg全面
の砥粒が、ワークの曲面成形に積極的に参画し、より有
効に使用されるようになる。
【0042】また、使用するカップ型砥石の円筒端面E
gを最初は正しく整形することなく、加工曲面に沿った
斜面にしたまま加工を開始すると、最初の数個のワーク
は加工された面が不正形となって不良品となるが、その
間にワークWとすり合わされ、ワークWによって整形さ
れて、以後の加工においては正しい曲面の良品が得られ
ることが確かめられた。なお、この場合は、整形された
砥石とは異なり、ワークと砥石が当たったところから研
削と砥粒の脱落、摩耗が進んで行く。
【0043】この発明のカップ型砥石は、図1に示した
ように、円筒部を有するものであるが、円筒部を備えて
いれば、砥石ホルダの取付穴に円筒状砥石本体を嵌め込
むタイプ、砥石ホルダがなく、全体が砥石で構成されて
カップ状となっているもの、その他適宜の形状、構造の
カップ型砥石を用いることができる。
【0044】カップ型砥石の円筒部の円筒肉圧Tは、比
較的薄い方が好ましい。その理由を図2を再び参照しな
がら、以下に説明する。
【0045】ワークWの直径をd、ワーク軸線Cwと砥
石軸線Cgとのなす角をθ(0°≦θ≦90°)とする
と、砥石の円筒端面Egをワークの被加工端面Ewに切
り込み研削で加工するには、図2からも明らかなよう
に、 T=0.5d×cosθ+α となる。ここで、αは、 −0.5d×cosθ < α < 0.5d×cos
θ の条件を満たす任意の係数で、θとは無関係な経験上の
設定値である。
【0046】理論上は、α=0、すなわち、T=0.5
d×cosθの円筒肉圧が、研削加工を最も効率よく行
えるのであるが、経験的に、 0 ≦ α ≦ 0.3d×cosθ ‥‥ (i) とすると実用上好適であることを見出すことができた。
【0047】αが経験上の数式(i)の範囲であれば、
ワークの被加工端面Ewのワーク軸線Cwと砥石軸線C
gとの間に位置する部分Ewiが、カップ型砥石の円筒
端面Egに当たって研削される。しかも、カップ型砥石
の円筒端面Egの外周側がワーク被加工端面中心Cew
を超えている場合でも、その全域が、ワーク被加工端面
Ewを通過し、円筒端面Egの砥粒がほぼ均等に脱落、
摩耗するようになる。
【0048】一方、係数αが上記範囲から外れて、α≧
0.5d×cosθとなった場合でも、カップ型砥石G
の円筒端面Egの内周縁Eigが、ワーク被加工端面外
周Eiw付近を通過するようにカップ型砥石Gとワーク
Wを配置すれば、この発明の効果を得ることができる。
ただし、肉圧Tがワークの直径dに近かったり、直径d
よりも大きかったりすると、円筒端面Eg中に、研削に
関与しない部分ができてしまい、この部分の砥粒が消耗
しなくなって、円筒端面に段差を生じ、加工作業を中断
して別途ドレッシングが必要になる。逆に、−0.5d
×cosθ<α<0の場合は、αが小さくなるにつれて
肉圧Tが小さくなり、肉圧Tが小さすぎると研削に関与
する砥粒数が少なくなって、砥石の摩耗が早まる。
【0049】ワーク被加工端面Ewの中心Cewを、砥
石の外周Gooよりもやや砥石軸線Cg寄りにするの
は、砥石の外周Gooの中心Cewからの若干のはみ出
しが、上述の砥粒の干渉には殆ど影響がなく、セッティ
ング誤差ではみ出し量がマイナスになれば、中心に削り
残しができるからである。
【0050】この実施形態のように、ワーク中心に孔が
ある場合は、セッティング誤差を考慮しても、ワーク被
加工端面Ewの中心Cewを砥石の外周Gooに合わせ
ても中心削り残しの心配はない。
【0051】この発明のカップ型砥石は、円筒端面の内
周縁が、砥石軸線に最も近いワーク被加工端面外周付近
を通過し、外周縁が、砥石軸線から最も遠いワーク被加
工端面外周よりもワーク軸線側を通過するように、内周
面と外周面とが設定された円筒部分を有するものであ
る。
【0052】この発明のカップ型砥石は、砥石の円筒端
面Egを平面にした単純な円筒形にしてもよいが、図6
に示すように、円筒端面Egの断面形状を、予めワーク
被加工端面Ewの仕上げ曲面の断面形状と同じ断面形状
に成形したり(図6(a))、仕上げ曲面の断面形状に
近い直線または曲線の断面形状に成形したり、あるい
は、図6(b)のように、同じ断面形状の部分Cと断面
形状に近い直線S1、S2を組み合わせたりすると、初
期整形の工数を省くことができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明方
法においては、カップ型砥石の円筒端面の内周縁が、砥
石軸線に最も近いワーク被加工端面外周付近を通過する
ように、カップ型砥石とワークを配置してワーク被加工
端面を曲面状に加工するようにしたから、砥石の円筒端
面の多くの砥粒がワークを研削することになり、能率よ
く研削できて加工サイクルタイムを非常に短縮でき、ま
た、局所的砥石の消耗が少なくなって、砥石の摩損も少
なく、砥石成形の周期を長くでき、経済的である。
【0054】また、上記ワーク端面曲面研削加工方法に
おいて、カップ型砥石の円筒端面の外周縁が、砥石軸線
から最も遠いワーク被加工端面外周よりもワーク軸線側
を通過するようにすれば、砥石の円筒端面の全域の砥粒
がほぼ均一に脱落、摩耗していくから、円筒端面の断面
形状が変化しにくくなり、砥石成形の周期を一層長くで
きる。
【0055】更に、カップ型砥石の円筒端面の外周縁
が、上記被加工端面のワーク軸線付近を通過するように
すれば、円筒端面全面の砥粒がワークの曲面成形に有効
に使用される。
【0056】この発明のカップ型砥石は、円筒端面の内
周縁が、砥石軸線に最も近いワーク被加工端面外周付近
を通過し、外周縁が、砥石軸線から最も遠いワーク被加
工端面外周よりもワーク軸線側を通過するように、円筒
部分の内周面と外周面とを設定したから、上記ワーク端
面曲面研削加工方法に好適である。
【0057】カップ型砥石の円筒部分の円筒端面を、ワ
ーク被加工端面の仕上げ曲面の断面形状と同じ断面形状
に成形したり、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断面形
状に近い直線または曲線の断面形状に成形したり、ある
いは、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断面形状と同じ
断面形状に成形されている第1の部分と、ワーク被加工
端面の仕上げ曲面の断面形状に近い直線または曲線の断
面形状に成形されている第2の部分とを有するようにし
たりすれば、新規に使用する砥石の研削加工開始前の成
形工程が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の研削加工方法を示す縦断面図。
【図2】この発明方法のワークと砥石の接触状態を説明
する図で、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図3】図2(a)の要部を拡大して示した説明図。
【図4】砥石円筒端面の砥粒回転軌跡がワーク被加工端
面に曲面を形成する状況を模式的に説明する説明図で、
(a)はこの発明の場合、(b)は従来の場合を示す。
【図5】図4(a)の要部を拡大して示した説明図。
【図6】(a)および(b)は、この発明のカップ型砥
石の実施形態を示す部分断面図。
【図7】従来の研削加工方法を示す縦断面図。
【図8】従来のワークと砥石の接触状態を説明する図
で、(a)は側面図、(b)は正面図。
【符号の説明】
Cew (Ewの)中心 Cg 砥石軸線 CP (CgとCwとの)交点 Cw ワーク軸線 d ワークの直径 Ecg Cew上を通過するEg上の一円周 Eg (砥石の)円筒端面 Eig (砥石の)円筒端面内周縁 Eiw Cgに最も近いワーク被加工端面外周 Eog (砥石の)円筒端面外周縁 Eow Cgから最も遠いワーク被加工端面外周 Ew ワーク被加工端面 Ewi Ew中のCwとCgとの間に位置する部分 G 砥石 GC 円筒部分 GH 砥石ホルダ Gii (砥石)内周 Gn ノズル Goo (砥石)外周 Li 砥石の最内周砥粒の回転軌跡 Lo 砥石の最外周砥粒の回転軌跡 Pe ワーク外径 T 肉厚 α 砥石の肉圧Tを決定するときの補正値 θ CwとCgとのなす角 1 主軸 2 砥石軸 3 主軸ホルダ 4 砥石スピンドル 5 チャック 6 爪 7 加工液供給穴 8 加工液供給ノズル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するワークのワーク軸線に対して、
    回転するカップ型砥石の砥石軸線を傾けて配置し、カッ
    プ型砥石の円筒端面をワークの被加工端面に切り込んで
    ワーク被加工端面を曲面状に成形する研削加工方法にお
    いて、 カップ型砥石の円筒端面の内周縁が、砥石軸線に最も近
    いワーク被加工端面外周付近を通過するように、カップ
    型砥石とワークを配置してワーク被加工端面を曲面状に
    加工することを特徴とするワーク端面曲面研削加工方
    法。
  2. 【請求項2】 上記カップ型砥石の円筒端面の外周縁
    が、砥石軸線から最も遠いワーク被加工端面外周よりも
    ワーク軸線側を通過するようにした請求項1記載のワー
    ク端面曲面研削加工方法。
  3. 【請求項3】 上記カップ型砥石の円筒端面の外周縁
    が、上記被加工端面のワーク軸線付近を通過するように
    した請求項1記載のワーク端面曲面研削加工方法。
  4. 【請求項4】 円筒端面の内周縁が、砥石軸線に最も近
    いワーク被加工端面外周付近を通過し、外周縁が、砥石
    軸線から最も遠いワーク被加工端面外周よりもワーク軸
    線側を通過するように、内周面と外周面とが設定された
    円筒部分を有することを特徴とするカップ型砥石。
  5. 【請求項5】 円筒部分の円筒端面が、ワーク被加工端
    面の仕上げ曲面の断面形状と同じ断面形状に成形されて
    いることを特徴とするカップ型砥石。
  6. 【請求項6】 円筒部分の円筒端面が、ワーク被加工端
    面の仕上げ曲面の断面形状に近い直線または曲線の断面
    形状に成形されていることを特徴とするカップ型砥石。
  7. 【請求項7】 円筒部分の円筒端面が、ワーク被加工端
    面の仕上げ曲面の断面形状と同じ断面形状に成形されて
    いる第1の部分と、ワーク被加工端面の仕上げ曲面の断
    面形状に近い直線または曲線の断面形状に成形されてい
    る第2の部分とを有することを特徴とするカップ型砥
    石。
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