JP2002001634A - ブレードの研削方法および研削装置 - Google Patents

ブレードの研削方法および研削装置

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JP2002001634A JP2000186094A JP2000186094A JP2002001634A JP 2002001634 A JP2002001634 A JP 2002001634A JP 2000186094 A JP2000186094 A JP 2000186094A JP 2000186094 A JP2000186094 A JP 2000186094A JP 2002001634 A JP2002001634 A JP 2002001634A
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grinding
jig
blades
cutter
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Tsunesuke Iizuka
恒佑 飯塚
Junichi Moriyama
順一 森山
Ryunosuke Tsunenoki
隆之介 常軒
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Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
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Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F21/00Tools specially adapted for use in machines for manufacturing gear teeth
    • B23F21/12Milling tools
    • B23F21/22Face-mills for longitudinally-curved gear teeth
    • B23F21/223Face-mills for longitudinally-curved gear teeth with inserted cutting elements
    • B23F21/226Face-mills for longitudinally-curved gear teeth with inserted cutting elements in exchangeable arrangement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面カッタ用のブレードを効率よく研削加工
する。 【解決手段】 カッタ本体78に類似した研削加工用の
治具76を用いて、複数本のブレード74を保持する。
ブレードの治具に対する治具前傾斜角βを、カッタ本体
に取り付けるカッタ前傾斜角β´より大きくし、外側2
番面84を治具の中心軸線74を中心とする円周の集合
である曲面に沿って研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタ本体に棒状
のブレードが複数本、それらブレードの長手方向位置調
節可能に取り付けられるタイプの傘状まがりば歯車加工
用カッタのブレードを研削する方法および装置に関する
ものである。なお、本明細書において、「傘状まがりば
歯車」なる用語は、まがりばかさ歯車のみならずハイポ
イドギヤを包含する用語として使用する。また、「傘状
まがりば歯車加工用カッタ」は、荒加工用あるいは仕上
加工用の正面フライス型歯切カッタおよび正面ホブ型歯
切カッタ(いずれも創成歯切カッタ,成形歯切カッタを
含む)を包含するものとする。
【0002】
【従来の技術】この種のカッタのブレードは、切刃が摩
耗した場合に、すくい面を研削することなく、2番面と
トップランドとを研削するのみで再び鋭利な切刃を形成
することができる。再研削時ではなく、ブレードの製造
時に初めて切刃を形成する場合でも同様である。しか
し、従来はこの研削作業を能率よく行うことができない
という問題があった。カッタ本体から取り外された状態
のブレード1本ずつについて、2番面とトップランドと
の研削を個別に行わざるを得なかったからである。1個
のカッタ本体に多数本(例えば20本)のブレードが取
り付けられてカッタとされるのが普通であるため、1つ
のカッタのブレードを再研削するために多大の時間を要
していたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景とし、傘状まがりば歯
車加工用カッタのブレードを能率よく研削することを可
能にすることを課題としてなされたものであり、本発明
によって、下記各態様の傘状まがりば歯車加工用カッタ
ブレードの研削方法および研削装置が得られる。各態様
は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必
要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。こ
れは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであ
り、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わ
せが以下の各項に記載のものに限定されると解釈される
べきではない。また、一つの項に複数の事項が記載され
ている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなけ
ればならないわけではない。一部の事項のみを選択して
採用することも可能なのである。
【0004】(1)カッタ本体に棒状のブレードが複数
本、それらブレードの長手方向位置調節可能に取り付け
られるタイプの傘状まがりば歯車加工用カッタのブレー
ドの2番面を研削することにより切刃を形成する方法で
あって、前記ブレードを複数本、治具本体の中心軸線を
中心とする一円周上に形成した複数個のブレード保持穴
の各々に嵌合して固定し、その治具本体と砥石とに2番
面の研削に必要な相対運動を付与して、それら複数本の
ブレードの各々に前記切刃を形成することを特徴とする
傘状まがりば歯車加工用カッタブレードの研削方法(請
求項1)。上記カッタ本体を上記治具本体として利用す
ることも可能である。すなわち、複数本のブレードをカ
ッタ本体に取り付けた状態で、カッタ本体と砥石とに2
番面の研削に必要な相対運動を付与して、各ブレードに
切刃を形成するのである。正面フライス型傘状まがりば
歯車加工用カッタの2番面の研削に必要な相対運動は後
述のように単純化することが容易であるが、正面ホブ型
傘状まがりば歯車加工用カッタの2番面の研削にはやや
複雑な相対運動が必要である。しかし、近年の工具研削
装置は数値制御(NC制御)機能を備えているのが普通
であるため、その機能をそのまま利用し、あるいは多様
の改良を加えて利用すれば、正面ホブ型傘状まがりば歯
車加工用カッタの2番面も本発明の方法で研削すること
ができる。本発明を実施する際、治具本体に外刃ブレー
ドおよび内刃ブレードを共に固定した状態で、外刃ブレ
ードの外側切刃(または内側切刃)と内刃ブレードの外
側切刃(または内側切刃)との両方を一緒に研削(それ
ぞれの2番面の研削に必要な運動は異なるが)するこ
と、あるいは外刃ブレードと内刃ブレードとの一方のみ
をまとめて研削することも可能である。しかし、次項に
記載のように、外刃ブレードと内刃ブレードとの一方の
みを複数本治具本体に取り付けて研削を行う方が、研削
に必要な相対運動が単純で済む。なお、2番面を研削す
る場合には、すくい面とトップランドとの交線である切
刃と、すくい面と2番面との交線である切刃とが滑らか
に連続するように研削されることが望ましい。 (2)前記治具本体に外刃ブレードおよび内刃ブレード
の一方のみを複数本固定し、その一方のみの切刃をまと
めて形成する (1)項に記載の傘状まがりば歯車加工用カ
ッタブレードの研削方法(請求項2)。 (3)前記2番面の研削に必要な相対運動として、治具
本体の前記中心軸線まわりの回転運動を付与し、前記複
数本のブレードの2番面を砥石により、その2番面が前
記中心軸線を中心とする円周の集合から成る曲面上に位
置する状態に研削する (2)項に記載の傘状まがりば歯車
加工用カッタブレードの研削方法(請求項3)。本発明
に従えば、カッタ本体に類似した治具本体(例えば、後
述するように、治具本体の中心軸線に対するブレード保
持穴の姿勢がやや異なる等、カッタ本体と同じではな
い)に複数本のブレードを取り付け、治具本体をそれの
中心軸線まわりに回転させつつ各ブレードの2番面を砥
石により研削することによって、複数のブレードの2番
面の研削を行うことができる。2番面は、中心軸線を中
心とする円周の集合から成る曲面上に位置する状態、す
なわち、その曲面の一部をなす状態に研削される。上記
曲面は円錐面に近い曲面であって、厳密には円錐面では
ないが、複数本のブレードの2番面を一緒に研削するこ
とができ、研削作業の能率を向上させることができる。
外刃ブレード用のブレード保持穴と内刃ブレード用のブ
レード保持穴とを1つの治具本体に形成することも可能
であるが、その場合には、後に (8)項に関連する説明か
ら明らかなように、両ブレード保持穴の、カッタ本体の
ブレード保持穴に対する相対的な傾斜の向きが互いに逆
になるため、多くのブレード保持穴を形成することが困
難になり、あるいは治具本体の構成や両ブレード保持穴
への外刃ブレードおよび内刃ブレードの取付作業が複雑
になるため、本項の特徴を採用することが望ましい。つ
まり、外刃ブレードの研削用治具の本体と、内刃ブレー
ドの研削用治具の本体とは別個に製作し、外刃ブレード
と内刃ブレードとをそれぞれ専用の治具本体に取り付け
て、2番面の研削を行うことが望ましいのである。 (4)前記ブレード保持穴の前記中心軸線に対する相対
姿勢が、前記ブレードのトップランドが前記中心軸線を
中心とする円周の集合から成る面上に位置する状態と
し、前記2番面のみならずトップランドをも研削する
(1)項ないし (3)項のいずれかに記載の傘状まがりば歯
車加工用カッタブレードの研削方法(請求項4)。本項
に従えば、2番面のみならず、トップランドの研削も容
易になり、ブレードの研削を一層能率よく行うことが可
能となる。トップランドが、治具本体の中心軸線と直交
する一平面上に位置するようにされた場合には、特にト
ップランドの研削が容易になる。 (5)前記複数個のブレード保持穴の前記中心軸線に対
する相対姿勢をすべて同じとし、それら複数個のブレー
ド保持穴に保持された前記複数本のブレードに対して同
じ研削を施す (1)項ないし (4)項のいずれか1つに記載
の傘状まがりば歯車加工用カッタブレードの研削方法
(請求項5)。本項の発明に従えば、正面フライス型の
傘状まがりば歯車加工用カッタのブレードの研削を行う
ことができる。 (6)前記治具本体の前記複数個のブレード保持穴の各
々を、それらブレード保持穴の各々に保持されて研削さ
れたブレードが、前記傘状まがりば歯車加工用カッタの
カッタ本体に形成されたブレード保持穴に保持された状
態では、前記2番面が逃げ角を有する状態となる姿勢で
形成する (5)項に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタ
ブレードの研削方法。例えば、以下の各項のいずれかに
よれば、本項の要件を満たすことができる。 (7)前記ブレードが外刃ブレードであり、前記治具本
体の前記複数のブレード保持穴を前記カッタ本体のブレ
ード保持穴に対して相対的に前に傾斜した状態で形成
し、治具本体の外周側に位置する2番面を研削する (6)
項に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタブレードの研
削方法。カッタ本体に保持される状態に対してブレード
を相対的に前に傾斜させた状態で、2番面を治具本体の
中心軸線を中心とする円周の集合から成る曲面の一部を
なす状態に研削し、そのブレードをカッタ本体のブレー
ド保持穴に保持させれば、2番面が切刃から遠ざかるに
従ってカッタ本体の中心軸線に近づく状態となり、いわ
ゆる逃げ角が形成されることとなる。また、本項の特徴
を (4)項の特徴を合わせて採用すれば、ブレードがカッ
タ本体に取り付けられたとき、トップランドにも逃げ角
が生じることとなる。換言すれば、本項と (4)項との特
徴が合わせて採用される場合には、カッタ本体のブレー
ド保持穴にブレードが保持された状態から、トップラン
ドの逃げ角分だけ多くブレードが前傾した状態となるよ
うに、治具本体のブレード保持穴の前傾角度が決定され
ることとなるのである。 (8)前記ブレードが内刃ブレードであり、前記治具本
体の前記複数のブレード保持穴を前記カッタ本体のブレ
ード保持穴に対して相対的に後ろに傾斜した状態で形成
し、治具本体の内周側に位置する2番面を研削する (6)
項に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタブレードの研
削方法。カッタ本体に保持される状態に対してブレード
を相対的に後ろに傾斜させた状態で、2番面を治具本体
の中心軸線を中心とする円周の集合から成る曲面の一部
をなす状態に研削し、そのブレードをカッタ本体のブレ
ード保持穴に保持させれば、2番面が切刃から遠ざかる
に従ってカッタ本体の中心軸線から離れる状態となり、
いわゆる逃げ角が生じることとなる。ただし、本項の特
徴は、前記 (4)項の特徴と合わせて採用することはでき
ず、トップランドの研削は2番面の研削とは別個に行う
ことが必要となる。 (9)前記ブレードが内刃ブレードであり、前記治具本
体の前記複数のブレード保持穴を前記カッタ本体のブレ
ード保持穴と前記治具本体の中心軸線を含む対称面に対
して対称に傾斜したブレード保持穴に比較してさらに大
きく傾斜した状態で形成し、それら治具本体の保持穴の
各々に各ブレードを前記カッタ本体のブレード保持穴に
保持される状態とは各ブレードの軸線まわりにほぼ半回
転させた状態で保持させ、治具本体の外周側に位置する
2番面を研削する (6)項に記載の傘状まがりば歯車加工
用カッタブレードの研削方法。本項によっても複数の内
刃ブレードの2番面を能率良く研削することができる。
また、本項の特徴と前記 (4)項に記載の特徴とを合わせ
て採用することが可能である。本項に記載の研削方法
は、直径の大きいカッタ用のブレードについて特に有効
である。 (10)カッタ本体に棒状のブレードが複数本、それら
ブレードの長手方向位置調節可能に取り付けられるタイ
プの傘状まがりば歯車加工用カッタのブレードの2番面
を研削することにより切刃を形成する装置であって、中
心軸線を中心とする一円周上に前記複数本のブレードの
各々を保持する複数個のブレード保持穴が形成された治
具本体と、前記複数個のブレード保持穴の各々に前記複
数本のブレードをそれらの軸線まわりの回転位置を予め
定められた回転位置に位置決めするとともにそれらの軸
線に平行な方向の位置の変更を許容しつつ固定する固定
装置とを備えた治具と、その治具に保持された複数のブ
レードの2番面を研削する研削砥石を保持する砥石軸
と、その砥石軸をその砥石軸の回転軸線まわりに回転さ
せることにより前記砥石を回転させる砥石回転装置と前
記砥石軸と前記治具本体とに、前記複数のブレードの2
番面の研削に必要な相対運動を付与する相対運動付与装
置とを含む傘状まがりば歯車加工用カッタの研削装置
(請求項6)。 (11)前記相対運動付与装置が、前記砥石軸の軸線と
前記治具本体との中心軸線とが予め定められた相対位置
関係となるように砥石軸と治具本体とを支持する支持装
置と、前記治具本体の前記中心軸線まわりの回転運動を
付与する治具回転装置とを含み、前記砥石が前記複数本
のブレードの2番面を、それら2番面が前記中心軸線を
中心とする円周の集合から成る曲面上に位置する状態に
研削する(10)項に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタ
ブレードの研削装置(請求項7)。前記 (3)項ないし
(9)項に記載の各特徴は本項の発明にも適用することが
可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1および図2に、被研削
物である複数本のブレードを研削する研削装置10を示
す。この研削装置10は、装置本体12と、ブレードを
保持して回転する被研削物主軸14と、砥石を保持して
必要な運動を付与する砥石主軸台16と、砥石の表面を
ドレッシングするドレッシング装置18とを有する。
【0006】装置本体12はベッド20とその上に立設
されたコラム22とを備えている。被研削物主軸14は
ベッド20により垂直な回転軸線まわりに回転可能に支
持されており、ベッド20内に設けられた回転駆動モー
タ24(図3参照)により回転させられる。砥石主軸台
16はY軸スライド28,X軸スライド30および旋回
台32を介してコラム22に支持されている。コラム2
2の一側面に一対のガイドレール36が設けられ、この
ガイドレール36にY軸スライド28が垂直なY軸方向
に移動可能に支持されている。Y軸スライド28はコラ
ム22に取り付けられたY軸駆動モータ38により、図
示を省略するボールねじを介してY軸方向に移動させら
れる。Y軸スライド28には、Y軸方向に直角で水平な
X軸方向に延びる一対のガイドレール42が設けられ、
そのガイドレール42にX軸スライド30が支持されて
いる。X軸スライド30はY軸スライド28に取り付け
られたX軸駆動モータ44によって移動させられる。X
軸駆動モータ44には駆動プーリ46が取り付けられて
おり、この駆動プーリ46とボールねじ48に取り付け
られた図示しない被駆動プーリとにタイミングベルト5
0が巻き掛けられているのである。
【0007】X軸スライド30には、旋回台32が、X
軸方向およびY軸方向に直角なZ軸方向に平行な旋回軸
線のまわりに旋回可能に設けられており、X軸スライド
30に取り付けられたθ軸駆動モータ54により旋回さ
せられる。前記砥石主軸台14は旋回台32に支持され
ており、旋回軸線と直交する回転軸線まわりに回転可能
に砥石主軸56を支持している。砥石主軸56の先端部
に砥石58が固定され、砥石主軸台14に取り付けられ
た回転駆動モータ60により回転させられる。
【0008】前記ドレッシング装置装置18は、Y軸ス
ライド28に支持されている。Y軸スライド28の先端
に、X軸方向およびY軸方向に直角なZ軸方向に延びる
一対のガイドレール62が設けられており、これらガイ
ドレール62にZ軸スライド64が支持されている。Z
軸スライド64はZ軸駆動モータ66によりZ軸方向に
移動させられ、このZ軸スライド64にドレッサ67が
固定される。そして、これらガイドレール62,Z軸ス
ライド64,Z軸駆動モータ66およびドレッサ67
が、前記X軸スライド30,ガイドレール42およびX
軸駆動モータ44と共同してドレッシング装置18を構
成している。
【0009】ドレッシング装置18は、砥石58の回転
中心線に対する幾何学形状を修正するツルーイングと、
目づまりや目つぶれによって切れ味の低下した砥石表面
の切れ味を回復させるドレッシングとの両方を実施す
る。ドレッサ67は、砥石58の研削面に垂直に対向さ
せられており、Z軸スライド64の移動により砥石58
の半径方向に移動させられる。また、砥石主軸台16の
移動により砥石58が軸方向に移動させられ、これら両
移動により、ドレッサ67が砥石58に対して、砥石5
8の回転軸線を含む平面(X−Z平面)内において任意
の軌跡を描かされて、砥石58の研削面を任意の形状に
形成する。例えば、砥石58の研削面を母線が直線であ
る円筒面となるように形成することは勿論であるが、母
線が中凸の円弧である太鼓形としたり、母線が中凹の円
弧である鼓形としたりすることが可能なのである。
【0010】上記Y軸駆動モータ38,X軸駆動モータ
44,θ軸駆動モータ54およびZ軸駆動モータ66は
いずれもサーボモータであり、図3に示すように制御装
置68により制御される。制御装置68は、CPU,R
OM,RAMを含むコンピュータ70を主体とするもの
であり、複数の駆動回路72を介して、上記各駆動モー
タを制御する他、被研削物主軸14および砥石主軸56
をそれぞれ回転させる回転駆動モータ24,60等の起
動,停止も制御する。コンピュータ70には、図示は省
略するが、Y軸スライド28,X軸スライド30および
Z軸スライド64の位置や旋回台32の回転位置等を検
出するセンサ、操作盤およびディスプレイ等も接続され
ており、コンピュータ70は、これらからの信号に基づ
いて、ROMに格納されているプログラムを実行し、上
記各駆動モータ38,44,54,66および回転駆動
モータ24,60を制御するのである
【0011】図4に、被研削物としての複数個のブレー
ド74と、それらブレード74を保持する治具76とを
示す。ただし、図4は、治具76の一部にのみブレード
74が保持された状態を示している。ブレード74は、
図5に概念的に示すカッタ本体78に取り付けられて、
傘状まがりば歯車を創成歯切法あるいは成形歯切法によ
り切削加工する正面カッタの外刃ブレード群を構成する
ものである。そのような正面カッタは一般によく知られ
たものであり、例えば、特開平10−58232号公報
や、本出願人の出願である特願2000−105185
号の明細書に詳細に記載されているので説明を省略す
る。
【0012】図5ないし図8にブレード74を概念的に
示す。なお、以下の説明はブレード74がカッタ本体7
8のブレード穴に保持された状態を基準とし、図6に示
すように、カッタ本体78の中心軸線(回転軸線)79
を中心とする円筒面(実際にはこの円筒面はカッタ本体
78の外径より小さい直径を有するものであるが、図5
および図6においては、複雑さを避けるためにカッタ本
体78がこの円筒面と同じ外径のものとして図示されて
いる)に対する接平面Tと、その接平面Tに直交し中心
軸線79を含む直交面Pと、接平面Tと中心軸線79と
に直交する水平面Qとを用いて説明する。ブレード74
は概して丸棒状をなし、先端部に予めすくい面80が形
成されている。すくい面80は、図5に示すように、上
記直交面Pに対してすくい角θだけ傾斜するように形成
され、表面に窒化チタン,炭化チタン等の電着によるコ
ーティング層が形成されている。ブレード74の刃部の
先端部にトップランド82が形成されている(図7参
照)。トップランド82は幅がほぼ一定の平面であっ
て、ブレードの軸線に直交する平面に対してにげ角δだ
け傾斜させられている。そのトップランド82の両側
に、2番面84,86がそれぞれ形成されている。それ
らすくい面80と、トップランド82および各2番面8
4,86との交線により切刃が形成される。なお、トッ
プランド82および各2番面84,86は、ブレード7
4がカッタ本体78に取り付けられて、カッタ本体78
の回転に伴って切刃が描く軌跡である曲面より内側に位
置するように形成される。トップランド82および各2
番面84,86ににげが付与されているのである。
【0013】カッタ本体78の外周側に位置する外側2
番面84と、すくい面80との交線が切刃88である。
ブレード74がカッタ本体78に取り付けられた状態で
は、切刃88が、カッタ本体78の中心軸線79を中心
とする円錐面の一母線上に位置するようにされている。
この円錐面の半角αが切刃88の圧力角である。切刃8
8は、図7(c) に示すように、接平面Tに直角な方向か
ら見た場合に、ブレード74の軸線(長手方向)に対し
て前角γだけ傾斜している。ただし、 tan γ=tan α×tan θ・・・(1)
【0014】図4に示すように、本実施形態における治
具76は、カッタ本体78に類似した構造を有する。治
具76は略円筒形状であって、比較的大径のブレード保
持部90と、比較的小径でブレード保持部90と同軸の
取付部92とを有する。取付部92は、ブレード保持部
90の下側に一体に形成され、前述の被研削物主軸14
に同軸に、かつ、相対回転不能に保持される。ブレード
保持部90の先端面94に、それの中心軸線79を中心
とする一円周に沿ってブレード穴96が複数個形成され
ている。ブレード穴96は、横断面形状が円形であっ
て、ブレード保持部90を貫通して形成される。各ブレ
ード穴96は、中心軸線79を中心とする円筒面に対す
る接平面T内において同じ角度傾斜して形成されてい
る。ただし、治具76のブレード穴96の傾斜角は、カ
ッタ本体78のブレード穴96の傾斜角とは異なる。さ
らに、治具76のブレード穴96の傾斜角は、ブレード
74の形状と研削すべき面とによってそれぞれ異なるの
で、治具76は、それらブレード74の形状と研削すべ
き面とに応じてそれぞれ形成される。個々の治具につい
ては、後で説明する。
【0015】治具76には、さらに、各ブレード穴96
に対応して一対ずつのカム穴98が形成される。カム穴
98は、ブレード穴96に直交する方向に延び、ブレー
ド穴96に部分的に干渉するように形成され、それぞれ
に偏心カム100が回転可能に嵌合される。
【0016】図12ないし図14に示すように、偏心カ
ム100は、カム穴98に相対回転可能に嵌合される一
対の嵌合部102と、それら嵌合部102の間に嵌合部
102の回転軸線に対して偏心して設けられ、ブレード
74に当接するカム面104を有するカム部106とを
備えている。カム部106は、断面形状が円形であり、
図13に示すように、嵌合部102に対して半径方向に
突出しない大きさとされている。嵌合部102とカム部
106とは一体に形成されて相対回転不能であり、偏心
カム100は嵌合部102の端面に形成された六角穴1
08に六角棒スパナ等の回転操作工具が係合させられ
て、回転させられる(図14参照)。偏心カム100の
回転によりカム部106がブレード穴96に接近する向
きと離間する向きとに移動して、ブレード穴96と共同
してブレード74を相対移動不能に保持する保持状態
と、ブレード74の治具76に対する相対移動を許容す
る解放状態とを取り得る。偏心カム100の嵌合部10
2の外周面の一部に周方向に沿って延びる係合溝110
が形成されている。係合溝110は、外周面のうち一定
角度部分にのみ形成されており、カム穴98の内周面か
ら突出した係合突起112と係合することにより、偏心
カム100の回転可能範囲を規定するとともに、偏心カ
ム100のカム穴98からの離脱を防止する。係合突起
112は、例えば、ブレード保持部90の先端面94
と、反対側の端面とから、一対のカム穴98の各々と直
交する状態で形成された雌ねじ穴に螺合する雄ねじ部を
有するねじつきピンとされることが望ましいが、ブレー
ド保持部に相対移動不能に圧入されるピンで形成されて
もよい。本実施形態においては、偏心カム100は、カ
ム部106がブレード74に最も接近する位相とカム部
106が先端面94に最も接近する位相との間で90度
だけ回転可能とされている。なお、カム部106がブレ
ード74に最も接近する位相と、その位相からカム部1
06が先端面94に最も接近する位相を通過して一定角
度(例えば、120度,180度等)だけ回転した位相
との間でのみ回転可能とされてもよい。
【0017】次に、ブレード穴96の傾斜角について説
明する。具体例として、まず、外側2番面84を研削す
るための外側用治具76A(図7参照)について詳細に
説明する。外側用治具76Aのブレード穴96は、外側
用治具76Aの中心軸線79を中心とする円筒面の接平
面Tに直角な方向から見た場合に、図7(a) に示すよう
に、先端面94に近い部分ほど回転方向に対して前方に
位置するように形成される。換言すれば、各ブレード穴
96は、外側用治具76Aの回転方向に関して前傾させ
られるのである。本実施形態においては、ブレード74
が外側用治具76Aに取り付けられた状態で、トップラ
ンド82が、中心軸線79と直交する平面上に位置する
状態となるようにするために、ブレード穴96の前傾斜
角βがトップランド82の前記にげ角δと等しくされて
いる。換言すれば、トップランド82が水平面Qと平行
とされているのである。その結果、接平面Tに直角な方
向から見た場合の切刃88の前傾斜角はβ−γ(=δ−
γ)となる。
【0018】前記カッタ本体78においても、ブレード
穴96´が図7(b) に示すように前傾させられている
が、カッタ本体78のブレード穴96´の前傾斜角β´
は、外側用治具76Aのブレード穴96の前傾斜角βよ
り小さくされている。前述のように、切刃88が、中心
軸線79を中心とする円錐面の一母線上に位置するよう
にするために、カッタ本体78のブレード穴96´の前
傾斜角β´は、前記切刃88の前角γと等しくされてい
る。
【0019】次に、上記研削装置10による研削作業に
ついて説明する。上述のように、外側用治具76Aのブ
レード穴96の前傾斜角である治具前傾斜角βはカッタ
本体78のブレード穴のカッタ前傾斜角β´より大きく
されている。そのため、図8に示すように、半角αの円
錐面に沿って外側2番面84を研削することにより、外
側2番面84に前記にげを発生させることができる。な
お、図8には、ブレード74を、切刃88の先端を通り
接平面Tに直交する直線を中心とする円筒面に沿って切
断した断面を、水平面Qに直交する方向から見下ろした
状態が示されており、ブレード74の外側用治具76A
に保持された状態が実線で示され、カッタ本体78に保
持された状態が二点鎖線で示されている。円筒面は、例
えば、切刃88の末端点を通過するものとする。
【0020】まず、治具前傾斜角βをカッタ前傾斜角β
´と同じにして外側2番面84を研削する場合について
考える。具体的には、治具前傾斜角βを前述の前角γと
等しくするのである。この場合に、外側2番面84を半
角αの円錐面に沿って研削すれば、切刃88が円錐面の
一母線上に形成される。切刃88が直線となり、かつ、
圧力角が半角αに等しくなるのである。しかし、そのよ
うなブレード74をカッタ本体78にカッタ前傾斜角β
´が前角γに等しくなるように取り付けても、外側2番
面84がにげを有しないため切削加工を行うことはでき
ない。
【0021】それに対して、ブレード74の治具前傾斜
角βを前角γより大きくして外側2番面84を研削し、
カッタ前傾斜角β´を前角γと等しいか前角γより小さ
くすれば、外側2番面84に半角αの円錐面に対するに
げが生じる。例えば、上記のように、切刃88が円錐面
の母線に沿って形成される状態(この状態が、図7
(b)のカッタ組付け状態である)から、ブレード74
を、中心軸線79と直交するとともに切刃88の先端側
の端を通る直線のまわりに治具前傾斜角βまで、角度β
−γ(=δ−γ)だけ回動させた状態(図7(a)の刃
付け研削状態)で、外側2番面84を半角αの円錐面上
に位置するように研削し、その後、ブレード74を上記
回動方向とは逆向きに回動させて、カッタ前傾斜角β´
まで戻せば、外側2番面84ににげが生じるのである。
ブレード74が治具前傾斜角βだけ傾斜させられた状態
で半角αの円錐面上に位置していた外側2番面84は、
ブレード74の前傾斜角がカッタ前傾斜角β´まで戻さ
れた状態では、上記円錐面より内側に入ることとなり、
かつ、その内側へ入る量が、外側2番面84の切刃88
から周方向に遠ざかった部分ほど大きくなるからであ
る。
【0022】このように治具前傾斜角βをカッタ前傾斜
角β´より大きくすれば、容易に外側2番面84のにげ
を形成することができる。しかし、この方法による場
合、次の2つの事項に留意する必要がある。すなわち、
切刃88が円錐面の母線に対して前傾した状態で外側2
番面84が円錐面に沿って研削されるため、切刃88が
中凸の曲線(円錐面を母線に対して傾斜した切断平面で
切断した場合の断面形状の一部である曲線)として形成
され、さらに、その切刃88の圧力角α´が円錐面の半
角αよりも小さく形成されるのである。したがって、上
述の方法に従って、切刃88を正確に目標の圧力角を有
し、直線となるように形成するためには、半角αに対す
る圧力角α´の大きさを求めて修正するとともに、砥石
58の必要な形状を求める必要がある。以下、図9ない
し図11に基づいて具体的に説明する。なお、切刃88
の圧力角は、切刃88の両端である先端点120と末端
点122とを結ぶ直線を直交面Pに直角な方向から見た
場合における中心軸線79に対する傾斜角度である。
【0023】まず、外側用治具76Aの中心軸線79を
中心とする半角αの円錐面に沿って外側2番面84を研
削した場合の圧力角α´を求める。図9において、Hは
切刃88の丈であり、切刃88の接平面Tに直角な方向
から見た場合の寸法である。外側用治具76Aの中心軸
線79を中心として、切刃88の先端点120が描く円
周の直径をカッタ径dcとすれば、切刃88が接平面T
に直角な方向から見た場合に角度β−γ(=δ−γ)だ
け前傾するように、ブレード74が外側治具76Aに治
具に保持されているので、切刃88の末端点122の中
心軸線79からの距離をRは、 R=dc/2+H×cos (β−γ)×tan α・・・・(2) で表わされる。
【0024】また、先端点120と末端点122との接
平面Tに平行でかつ水平な方向の距離であるXは、 X=H×sin (β−γ)・・・・(3) で表される。
【0025】ここで、今回の研削作業により得られる切
刃88と、円錐面の一母線上に形成され、圧力角が半角
αに等しい直線の切刃124とを比較する。そのような
切刃124は、前述のように、ブレード74を前傾斜角
βが前角γと等しくなるように治具76に取り付け、半
角αの円錐面に沿って研削することにより得られる。図
10に示すように、その切刃124を、先端点120を
中心として接平面に平行な方向に回転させ、切刃88の
接平面に直角な方向から見た場合の前傾斜角度β−γと
一致させると、切刃124の末端点126は、元の位置
から接平面Tに沿って水平方向にXだけ移動した点に位
置することとなる。その移動先における切刃124の末
端点126の中心軸線79からの距離Lは L=√(R^2+X^2) となる。
【0026】これら切刃124の末端点126の中心軸
線79からの距離Lと、切刃88の末端点122の中心
軸線79からの距離Rとの差Δは、図10から明らかな
ように、 Δ≒√(R^2+X^2)−R・・・・(4) となる。
【0027】次に、図11に示すように、圧力角が半角
αに等しい切刃124と、圧力角α´の切刃88とを共
に治具前傾斜角βで取り付けた状態において、切刃の先
端点から末端点までの直交面Pに平行であって水平な方
向の距離を比較する。まず、圧力角αの切刃124の先
端点128から末端点126までの水平方向距離をtと
すると、 t=Hcos (β−γ)×tan α・・・・(5) となる。これに対して、切刃88の末端点122は切刃
124の末端点126から、差Δだけ離れているので、 (t−Δ)=〔Hcos (β−γ)〕×tan α´・・・・(6) となり、式(5)と式(6)とから圧力角α´は、 α´=tan -1〔{H×cos (β−γ)×tan α−Δ}/(H×cos (β- γ)〕 ・・・・(7) と求められる。
【0028】以上の計算により算出される圧力角α´
は、切刃88の先端点120と末端点122とを結んだ
直線130の傾きを示すのであって、それらの中間にお
ける切刃88上の点が直線130に対してどこに位置す
るかは別に求める必要がある。切刃88の形状は、切刃
88の丈Hを徐々に変化させていった場合の末端点12
2の、切刃124の末端点126からの距離Δを順次求
め、それら距離Δと、圧力角がαである直線と圧力角が
α´である直線との直交面Pに平行でかつ水平な方向に
おける距離(この距離分は、半角αと圧力角α´との差
として砥石58の傾きの補正により補正される)との差
を求めることにより取得することができる。
【0029】例えば、カッタ径dc=150mm,圧力
角α=20度,にげ角δ=20度,前角γ=8度,軸方
向の丈H=10mm,切刃88の前傾斜角β−γ(=δ
−γ)=12度である場合について上述の計算を実施す
ると、圧力角α´は19.85度となり、切刃の形状
は、H=5mm付近で約7μm程度のふくらみを有する
ほぼ円弧の形状となることがわかる。このように形成さ
れた切刃で、歯切加工を実施すれば切刃が凸状であるの
で歯形が中凹となる。これに対して、歯面を直線に仕上
げるには、前述の計算式を用いて治具に取り付けた状態
において切刃が直線となるように、砥石に所定の円弧を
形成することにより実現することができる。
【0030】本実施形態においては、この砥石の研削面
の形状をドレッシングにより実現する。前述のように、
ドレッシング装置18において、ドレッサ67が砥石5
8に対して接近・離間する向きと垂直方向とに移動可能
とされているので、砥石の研削面をH=5mm付近で7
μmのふくらみを有するようにドレッシングして、ブレ
ード74の外側2番面84を研削することにより、直線
状の切刃を形成することができるのである。さらに、本
実施形態においては、砥石58の切刃88の先端点12
0近傍を研削する部分を成形して、切刃88とトップラ
ンド82とが滑らかにRで連続するように研削する。
【0031】また、本実施形態においては、外側2番面
84を研削する際に、治具前傾斜角βがにげ角δに等し
くされるため、トップランド82が中心軸線79と直交
する一平面上に位置し、外側2番面84とトップランド
82との両方を治具を交換することなく容易に研削する
ことができる。ただし、これは不可欠ではなく、治具前
傾斜角βをにげ角δとは無関係に決定することも可能で
ある。接平面Tに直角な方向から見た場合における切刃
88の前傾斜角が、ブレード74を外側治具76Aに取
り付けた場合の方がカッタ本体78に取り付けた場合よ
り大きくなるようにすればよいのである。さらに、カッ
タ本体78にブレード74を取り付けた場合に、切刃8
8が中心軸線79を中心とする円錐面の一母線上に位置
するようにすることも不可欠ではない。例えば図15に
示すように、カッタ前傾斜角β´をにげ角δより小さく
することも可能である。この場合であっても、上記理論
に基づいて外側2番面84に適切なにげを付与すること
ができる。
【0032】以上、外刃ブレードの外側2番面84を研
削する場合について詳細に説明したが、内刃ブレードの
外側2番面も全く同様にして研削することができる。ま
た、外刃ブレードあるいは内刃ブレードの内側2番面を
研削する場合にも、上述の理論を利用して傾斜角を設定
することができる。本研削装置10によれば、複数本の
ブレード74の2番面84,86またはトップランド8
2の少なくとも1つを同時に研削することができるので
ある。
【0033】内側2番面86を研削する場合は、カッタ
本体78に対する取り付け方とほぼ同じにして内側から
研削する場合と、ブレード74を軸線まわりにほぼ18
0度回転させた状態で治具に取り付けて外側から研削す
る場合とがある。内側2番面86を内側から研削する場
合は、図16に示すように、治具前傾斜角βを、カッタ
前傾斜角β´よりも小さくする。この場合は、図16
(a) に示すように、治具前傾斜角βは負とされてもよ
い。その状態でブレード74を研削し、前傾斜角を増加
させてカッタ本体78に保持させれば、図16(b) に示
すように、2番面の切刃から遠い部分ほど、カッタ本体
78の中心軸線79から遠ざかることとなる。これに対
して、ブレード74を軸線まわりにほぼ180度回転さ
せて、内側2番面86を外側から研削する場合には、治
具76の回転方向に対して切刃が内側2番面86の後ろ
に形成される。その場合に内側2番面86ににげを生じ
させるためには、図17(a) に示すように、直交面Pに
対して面対称な角度よりも後ろ側に傾斜させてブレード
穴を形成すればよい。その状態でブレード74を研削
し、元の状態に戻してカッタ本体78に保持させれば、
図17(b) に示すように、2番面の切刃から遠い部分ほ
ど、カッタ本体78の中心軸線79から遠ざかることと
なる。後者の方法は、カッタの直径が大きい場合に特に
有効である。
【0034】本研削装置10においては、ドレッシング
装置18がY軸スライド28の先端部において、Y−Z
平面に対してZ軸線まわりに傾斜した面に沿って移動す
るように設けられ、図1に示す状態の砥石58をドレッ
シングするようにされている。これに対して、ドレッシ
ング装置18をY−Z平面に沿って移動するように設
け、砥石主軸56がX軸方向と平行になるように回転さ
せられた状態でドレッシングが実施されるようにしても
よい。さらに、ドレッシングを実施する場合に、Z軸ス
ライド64のZ軸方向移動と、砥石主軸台16のX軸方
向移動およびY軸方向移動とを組み合わせてドレッサ6
7の砥石58に対する相対移動が制御されていたが、ド
レッシング装置18をZ軸方向移動だけでなく砥石58
の研削面に沿った方向にも移動可能とし、砥石主軸56
を装置本体に対して移動させることなく、ドレッサ67
のみの移動によりドレッシングが実施されるようにして
もよい。
【0035】以上は正面フライスカッタのブレード74
の研削作業ついて説明したが、本実施形態の研削装置に
おいては、正面ホブのブレードを研削することも可能で
ある。正面ホブのブレードを研削する場合にも、内刃ブ
レードと外刃ブレードとで別の治具に保持させ、それぞ
れに保持された複数のブレードをまとめて研削する。正
面ホブのブレードを研削する場合には、治具の中心軸線
を中心とする円周の集合としての曲面にそって2番面を
形成することが困難であるので、ブレードを正面ホブの
カッタ本体に保持するのと同じ姿勢で治具に取り付け
て、砥石58と治具との相対移動により2番面の研削を
実施する。例えば、上記研削装置10において、被研削
物主軸14の軸線まわりの回転と、砥石58のX軸,Y
軸方向移動とθ軸線まわりの回転とを組み合わせ、それ
らのうち適当なものを数値制御することにより2番面に
沿った運動を実現する。具体的には、被研削物主軸14
において、研削すべきブレードを研削加工位置に割り出
すとともに、研削作業中にそれの回転を制御することに
より実現することができる。
【0036】さらに、本実施形態における被研削物主軸
14は、装置本体12に対して相対移動不能とされてい
るが、相対移動可能としてもよい。例えば、治具の取付
け・取り外し作業を容易にする等のために、被研削物主
軸14をそれの軸線に直角な方向(X軸方向とZ軸方向
との少なくとも一方)に移動可能としたり、上記正面ホ
ブに適したブレードを研削する等の目的で、研削加工中
に軸線に直角な方向(X軸方向とZ軸方向との少なくと
も一方)移動させられるようにしたりしてもよいのであ
る。その場合には、研削作業中に被研削物主軸14の回
転を制御することが不可欠ではなくなる。
【0037】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である研削装置を示す正面
図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】上記研削装置の制御部を示すブロック図であ
る。
【図4】上記研削装置の治具を拡大して示す斜視図であ
る。
【図5】上記研削装置により研削されるブレードとその
ブレードを保持するカッタ本体とを概念的に示す斜視図
である。
【図6】上記ブレードを説明するための図である。
【図7】上記ブレードの治具およびカッタ本体による保
持状態を示す正面図である。
【図8】上記ブレードの治具およびカッタ本体による保
持状態を示す平面図である。
【図9】上記ブレードの切刃の形状を説明するための図
である。
【図10】上記切刃の形状を説明するための別の図であ
る。
【図11】上記切刃の形状を説明するためのさらに別の
図である。
【図12】上記研削装置の治具の一部を拡大して示す平
面断面図である。
【図13】図11の偏心カムの側面断面図である。
【図14】図11の偏心カムの側面図である。
【図15】本発明の別の実施形態における図7(b) に相
当する図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態における図7
(a) および図8に相当する図である。
【図17】本発明のさらに別の実施形態における図7
(a) および図8に相当する図である。
【符号の説明】
10:研削装置 14:被研削物主軸 16:
砥石主軸台 18:ドレッシング装置 76,
76A:治具 74:ブレード 78:カッタ
本体 80:すくい面 82:トップランド
84,86:2番面 96,96´:ブレード
穴 88,124:切刃 120,126:先
端点 122,128:末端点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常軒 隆之介 愛知県瀬戸市暁町3番地45 豊精密工業株 式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA02 AA11 AA13 AA16 AB01 AB04 AB06 AB08 CB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッタ本体に棒状のブレードが複数本、
    それらブレードの長手方向位置調節可能に取り付けられ
    るタイプの傘状まがりば歯車加工用カッタのブレードの
    2番面を研削することにより切刃を形成する方法であっ
    て、 前記ブレードを複数本、治具本体の中心軸線を中心とす
    る一円周上に形成した複数個のブレード保持穴の各々に
    嵌合して固定し、その治具本体と砥石とに2番面の研削
    に必要な相対運動を付与して、それら複数本のブレード
    の各々に前記切刃を形成することを特徴とする傘状まが
    りば歯車加工用カッタブレードの研削方法。
  2. 【請求項2】 前記治具本体に外刃ブレードおよび内刃
    ブレードの一方のみを複数本固定し、その一方のみの切
    刃をまとめて形成する請求項1に記載の傘状まがりば歯
    車加工用カッタブレードの研削方法。
  3. 【請求項3】 前記2番面の研削に必要な相対運動とし
    て、治具本体の前記中心軸線まわりの回転運動を付与
    し、前記複数本のブレードの2番面を砥石により、その
    2番面が前記中心軸線を中心とする円周の集合から成る
    曲面上に位置する状態に研削する請求項2に記載の傘状
    まがりば歯車加工用カッタブレードの研削方法。
  4. 【請求項4】 前記ブレード保持穴の前記中心軸線に対
    する相対姿勢が、前記ブレードのトップランドが前記中
    心軸線を中心とする円周の集合から成る面上に位置する
    状態とし、前記2番面のみならずトップランドをも研削
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の傘状まがりば
    歯車加工用カッタブレードの研削方法。
  5. 【請求項5】 前記複数個のブレード保持穴の前記中心
    軸線に対する相対姿勢をすべて同じとし、それら複数個
    のブレード保持穴に保持された前記複数本のブレードに
    対して同じ研削を施す請求項1ないし4のいずれか1つ
    に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタブレードの研削
    方法。
  6. 【請求項6】 カッタ本体に棒状のブレードが複数本、
    それらブレードの長手方向位置調節可能に取り付けられ
    るタイプの傘状まがりば歯車加工用カッタのブレードの
    2番面を研削することにより切刃を形成する装置であっ
    て、 中心軸線を中心とする一円周上に前記複数本のブレード
    の各々を保持する複数個のブレード保持穴が形成された
    治具本体と、前記複数個のブレード保持穴の各々に前記
    複数本のブレードをそれらの軸線まわりの回転位置を予
    め定められた回転位置に位置決めするとともにそれらの
    軸線に平行な方向の位置の変更を許容しつつ固定する固
    定装置とを備えた治具と、 その治具に保持された複数のブレードの2番面を研削す
    る研削砥石を保持する砥石軸と、 その砥石軸をその砥石軸の回転軸線まわりに回転させる
    ことにより前記砥石を回転させる砥石回転装置と前記砥
    石軸と前記治具本体とに、前記複数のブレードの2番面
    の研削に必要な相対運動を付与する相対運動付与装置と
    を含む傘状まがりば歯車加工用カッタの研削装置。
  7. 【請求項7】 前記相対運動付与装置が、 前記砥石軸の軸線と前記治具本体との中心軸線とが予め
    定められた相対位置関係となるように砥石軸と治具本体
    とを支持する支持装置と、 前記治具本体の前記中心軸線まわりの回転運動を付与す
    る治具回転装置とを含み、前記砥石が前記複数本のブレ
    ードの2番面を、それら2番面が前記中心軸線を中心と
    する円周の集合から成る曲面上に位置する状態に研削す
    る請求項6に記載の傘状まがりば歯車加工用カッタブレ
    ードの研削装置。
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JP2007185760A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Fuji Heavy Ind Ltd ハイポイドギヤの加工機設定装置
JP4969457B2 (ja) * 2005-12-14 2012-07-04 オーエスジー株式会社 首部研削装置
WO2018086148A1 (zh) * 2016-11-11 2018-05-17 北京工业大学 用于刀具刃口加工的工装夹具、装置及方法
CN115401538A (zh) * 2022-10-09 2022-11-29 常德同达机械制造有限公司 一种超高速烟草机的烟草切丝刀打磨装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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