JP2002353566A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

Info

Publication number
JP2002353566A
JP2002353566A JP2002068006A JP2002068006A JP2002353566A JP 2002353566 A JP2002353566 A JP 2002353566A JP 2002068006 A JP2002068006 A JP 2002068006A JP 2002068006 A JP2002068006 A JP 2002068006A JP 2002353566 A JP2002353566 A JP 2002353566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor laser
laser device
angle
type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002068006A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3998492B2 (ja
Inventor
Ryoji Hiroyama
良治 廣山
Yasuhiko Nomura
康彦 野村
Daijiro Inoue
大二朗 井上
Kunio Takeuchi
邦生 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2002068006A priority Critical patent/JP3998492B2/ja
Publication of JP2002353566A publication Critical patent/JP2002353566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3998492B2 publication Critical patent/JP3998492B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°
以上20.0°以下と小さい場合にも、高いキンク光出
力と高い最大光出力とを得ることが可能な実屈折率導波
構造を有する半導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 n型GaAs基板1上に形成され、Al
GaInPからなるn型クラッド層3と、n型クラッド
層3上に形成され、AlGaInP層を有する活性層4
と、活性層4上に形成され、AlGaInPからなるp
型第1クラッド層5およびp型第2クラッド層6と、p
型第2クラッド層6の一部を覆うように形成されたn型
光閉じ込め層8とを備えた実屈折率導波構造を有する半
導体レーザ素子であって、垂直方向のビーム広がり角度
が、12.5°以上20.0°以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体レーザ素
子に関し、特に、AlGaInP系高出力赤色半導体レ
ーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録可能なDVDシステムなどに
応用可能な半導体レーザ素子として、AlGaInP系
高出力赤色半導体レーザ素子が知られている。記録可能
なDVDシステムにおいて、記録速度を向上させるため
には、ディスク上に照射されるレーザ光の強度を向上さ
せる必要がある。このようにディスク上に照射されるレ
ーザ光の強度を向上させるためには、ディスクへビーム
を絞り込むための対物レンズとレーザ光との結合効率を
向上させるとともに、光源である半導体レーザの高出力
化を図る必要がある。
【0003】このうち、まず、対物レンズとレーザ光と
の結合効率の向上について検討する。一般に、対物レン
ズは、レーザ光の水平方向の広がり角度に合わせて設け
られているので、水平方向の広がり角度より大きな角度
を有する垂直方向のレーザ光は、対物レンズからはみ出
して照射される。この場合には、対物レンズとレーザ光
との結合効率が低下する。したがって、対物レンズとレ
ーザ光との結合効率を向上させるためには、垂直方向の
ビーム広がり角度を低減する必要がある。すなわち、半
導体レーザの活性層に対して、水平方向のビーム広がり
角度に対する垂直方向のビーム広がり角度の比(アスペ
クト比:垂直方向のビーム広がり角度/水平方向の広が
り角度)を1.0に近づける必要がある。
【0004】また、半導体レーザの高出力化には、CO
D(Catastrophic Optical Da
mage:レーザ光出射端面劣化)のレベルの向上が不
可欠である。ここで、CODは、以下に示すサイクルで
発生することが知られている。まず、高密度に表面準位
が存在するレーザ端面に電流が注入すると、この準位を
介して非発光再結合が生じる。このため、レーザ端面が
発熱する。この発熱により、レーザ端面部の活性層のエ
ネルギーギャップが減少するので、光吸収が拡大する。
これにより、さらに発熱が増大する。このようなサイク
ルによって、レーザ端面の温度が上昇するので、結晶が
融解し、その結果、レーザ端面が破壊される。
【0005】このようなCODを抑制する方法として
は、従来、Zn拡散による窓構造を用いる方法が知られ
ている。この方法は、たとえば、IEEE JOURN
ALOF QUANTUM ELECTRONICS,
VOL.29,NO.6,p1874−1877,19
93などに開示されている。この従来の窓構造を用いる
方法では、レーザ素子の活性層の共振器端面の近傍領域
に、不純物を導入することにより、活性層の量子井戸構
造を無秩序化する。それによって、活性層の共振器端面
近傍のバンドギャップが他の領域よりも広がるので、共
振器端面における光吸収が低減される。これにより、レ
ーザ端面の温度上昇を抑制することができるので、CO
Dが低減される。
【0006】また、CODを抑制する他の方法として、
発光スポットの面積を拡大することにより、端面の活性
層での光密度を低減させる方法が知られている。この場
合、発光スポットの面積を拡大することによって、垂直
方向のビーム広がり角度が低減される。
【0007】また、垂直方向のビーム広がり角度を低減
することによって、横方向の高次モード発振により生じ
るキンク(電流−光出力特性の曲がり)が発生しにくく
なる。このため、垂直広がり角度の低減は、上記したC
ODの抑制のみならず、光出力の向上も図ることができ
る。
【0008】上述したように、従来では、ディスク上に
照射されるレーザ光の強度を向上させるために、対物レ
ンズとレーザ光との結合効率を向上させるとともに、半
導体レーザの高出力化を図る必要があった。このうち、
対物レンズとレーザ光との結合効率の向上には、水平方
向のビーム広がり角度に対する垂直方向のビーム広がり
角度の比であるアスペクト比を低減する必要がある。ま
た、半導体レーザの高出力化には、CODレベルやキン
クレベルを向上させる必要がある。そして、従来では、
垂直方向のビーム広がり角度を小さくすることによっ
て、アスペクト比の低減が可能であるとともに、COD
レベルやキンクレベルの向上が可能であることが知られ
ている。また、垂直方向のビーム広がり角度を小さくす
るためには、発光スポットを拡大すればよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブロッ
ク層で光吸収することにより横方向の光を閉じ込める従
来の損失導波構造において、垂直方向のビーム広がり角
度を低減させるために発光スポットを拡大すると、ブロ
ック層での光吸収が増大して、電流−光出力特性の傾き
(スロープ効率)が低下する。このため、一定の光出力
を得るための動作電流が増加するという不都合が生じ
る。このように動作電流が増加すると、光出力が発熱に
よって制限される光出力熱飽和が生じやすくなるので、
光出力を向上させるのは困難であった。このように、従
来の損失導波構造では、垂直方向のビーム広がり角度を
低減させることにより高出力化を図ることは困難であっ
た。
【0010】そこで、従来、ブロック層をレーザ光に対
して透明化した実屈折率導波構造を用いて、ブロック層
での光吸収を低減する方法が知られている。この実屈折
率導波構造では、リッジ部のクラッド層の側面を覆うよ
うに、クラッド層よりも屈折率の小さい材料からなる光
閉じ込め層を設けることによって、屈折率の違いを利用
して横方向の光を閉じ込める。これにより、ブロック層
での光吸収がないので、ブロック層での光吸収に起因す
る光出力熱飽和は発生しにくくなる。
【0011】しかしながら、従来の実屈折率導波構造で
は、垂直方向のビーム広がり角度を小さくするために発
光スポットの面積を拡大すると、光の面積全体に対する
活性層の部分に存在している光の割合(光閉じ込め係
数)が低くなる。このため、光がゲインを得にくくなる
ので、レーザが発振しにくくなる。これにより、しきい
値電流が増加するので、動作電流が増加し、その結果、
光出力熱飽和が生じやすくなることが知られている。
【0012】このように、従来の実屈折率導波構造を有
するレーザ素子では、発光スポットを拡大して垂直方向
のビーム広がり角度を小さくした場合に、ブロック層で
の光吸収に起因する光出力熱飽和は発生しにくくなる
が、光閉じ込め係数の低下に起因する光出力熱飽和が生
じやすくなるので、キンク光出力の向上や高い最大光出
力を得ることは困難であると考えられていた。その結
果、従来では、垂直方向のビーム広がり角度が20.0
°以下の低アスペクト比を有する実屈折率導波構造の赤
色レーザ素子は開発されていなかった。
【0013】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、この発明の1つの目的は、垂
直方向のビーム広がり角度を小さくした場合にも、高い
キンク光出力と高い最大光出力とを得ることが可能な実
屈折率導波構造を有する半導体レーザ素子を提供するこ
とである。
【0014】この発明のもう1つの目的は、上記の半導
体レーザ素子において、低アスペクト比を実現すること
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
点に着目して種々の実験を行うとともに、鋭意検討した
結果、実屈折率導波構造を有する半導体レーザ素子にお
いて、垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°以上
20.0°以下と小さい場合にも、高いキンク光出力と
高い最大光出力とが得られることを見いだした。以下、
本発明の内容を説明する。
【0016】この発明の第1の局面による半導体レーザ
素子は、n型GaAs基板上に形成され、AlGaIn
Pからなるn型クラッド層と、n型クラッド層上に形成
され、AlGaInP層を有する活性層と、活性層上に
形成され、AlGaInPからなるp型クラッド層と、
p型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉じ込
め層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レーザ
素子であって、垂直方向のビーム広がり角度が、12.
5°以上20.0°以下である。
【0017】この第1の局面による半導体レーザ素子で
は、上記のように、実屈折率型の半導体レーザ素子にお
いて、垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°以上
20.0°以下になるように構成することによって、従
来の垂直方向のビーム広がり角度が20.0°を超える
半導体レーザ素子に比べて高いキンク光出力と高い最大
光出力とを得ることができる。
【0018】上記第1の局面による半導体レーザ素子に
おいて、好ましくは、垂直方向のビーム広がり角度は、
レーザ光出射端面劣化が起こる前に熱飽和を示す角度で
ある。このような角度に垂直方向のビーム広がり角度を
設定すれば、レーザ光出射端面劣化(COD)が起こる
のを防止することができる。この場合、好ましくは、垂
直方向のビーム広がり角度は、12.5°以上17.0
°以下である。この12.5°以上17.0°以下の範
囲は、実際にレーザ光出射端面劣化(COD)が起こら
ない角度として実験により確認できた角度であるので、
この範囲に角度を設定すれば、確実にレーザ光出射端面
劣化(COD)が起こるのを防止することができる。
【0019】上記第1の局面による半導体レーザ素子に
おいて、好ましくは、n型クラッド層およびp型クラッ
ド層のうち膜厚の小さい方の膜厚は、1.5μm以上
2.5μm以下である。このように構成すれば、容易
に、12.5°以上15.0°以下の垂直方向のビーム
広がり角度を有する半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0020】上記第1の局面による半導体レーザ素子に
おいて、好ましくは、活性層は、光ガイド層および障壁
層を含み、光ガイド層および障壁層のAl/(Al+G
a)の組成比は、0.39以上0.67以下であり、光
ガイド層の膜厚は、15nm以上25nm以下である。
このように構成すれば、容易に、12.5°以上20.
0°以下の垂直方向のビーム広がり角度を有する半導体
レーザ素子を得ることができる。
【0021】この発明の第2の局面による半導体レーザ
素子は、n型GaAs基板上に形成され、AlGaIn
Pからなるn型クラッド層と、n型クラッド層上に形成
され、AlGaInP層を有する活性層と、活性層上に
形成され、AlGaInPからなるp型クラッド層と、
p型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉じ込
め層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レーザ
素子であって、n型クラッド層およびp型クラッド層の
うち膜厚の小さい方の膜厚は、1.5μm以上2.5μ
m以下であり、垂直方向のビーム広がり角度は、12.
5°以上15.0°以下である。
【0022】この第2の局面による半導体レーザ素子で
は、上記のように、実屈折率型の半導体レーザ素子にお
いて、垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°以上
15.0°以下になるように構成することによって、従
来の垂直方向のビーム広がり角度が20.0°を超える
半導体レーザ素子に比べて高い最大光出力を得ることが
でき、かつ、低アスペクト比を実現することができる。
【0023】この発明の第3の局面による半導体レーザ
は、n型GaAs基板上に形成され、AlGaInPか
らなるn型クラッド層と、n型クラッド層上に形成さ
れ、AlGaInP層を有する活性層と、活性層上に形
成され、AlGaInPからなるp型クラッド層と、p
型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉じ込め
層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レーザ素
子であって、垂直方向のビーム広がり角度が、15.0
°以上20.0°以下である。
【0024】この第3の局面による半導体レーザ素子で
は、上記のように、実屈折率型の半導体レーザ素子にお
いて、垂直方向のビーム広がり角度が、15.0°以上
20.0°以下になるように構成することによって、従
来の垂直方向のビーム広がり角度が20.0°を超える
半導体レーザ素子に比べて高いキンク光出力と高い最大
光出力とを得ることができる。
【0025】また、上記第3の局面による半導体レーザ
素子において、好ましくは、垂直方向のビーム広がり角
度は、18.0°よりも小さく、かつ、レーザ光出射端
面劣化(COD)が起こる前に熱飽和を示す角度であ
る。このような角度に垂直方向のビーム広がり角度を設
定すれば、レーザ光出射端面劣化(COD)が起こるの
を防止することができる。また、この場合、好ましく
は、垂直方向のビーム広がり角度は、15.0°以上1
7.0°以下である。この15.0°以上17.0°以
下の範囲は、実際にレーザ光出射端面劣化(COD)が
起こらない角度として実験により確認できた角度である
ので、この範囲に角度を設定すれば、確実にレーザ光出
射端面劣化(COD)が起こるのを防止することができ
る。
【0026】上記の場合、好ましくは、垂直方向のビー
ム広がり角度は、15.5°以上である。この下限の角
度15.5°は、最も高い光出力でレーザ光出射端面劣
化(COD)が現れた角度である18.0°とほぼ同程
度の光出力をレーザ光出射端面劣化(COD)およびキ
ンクなしで得ることができる角度であるので、15.5
°以上に設定すれば、より高い光出力を得ることができ
る。
【0027】また、上記第1〜第3の局面による半導体
レーザ素子において、好ましくは、活性層は、光ガイド
層および障壁層を含み、光ガイド層および障壁層のAl
組成と、光ガイド層の膜厚との少なくとも一方を変化さ
せることによって、垂直方向のビーム広がり角度を調節
する。このように構成すれば、活性層へのキャリアの閉
じ込め度合いを変化させることなく、かつ、発振波長を
大きく変化させることなく、容易に垂直方向のビーム広
がり角度を調節することができる。
【0028】また、上記第1〜第3の局面による半導体
レーザ素子において、好ましくは、活性層は、量子井戸
構造を有し、活性層の共振器端面の近傍領域では、不純
物を導入することにより前記量子井戸構造が無秩序化さ
れて他の領域よりもバンドギャップが広がっている。こ
のように構成すれば、端面近傍におけるレーザ光の吸収
が抑制されるので、端面の発熱を抑制することができ
る。これにより、レーザ光出射端面劣化(COD)を有
効に防止することができるので、高い最大光出力を得る
ことができる。
【0029】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。
【0030】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態による半導体レーザ素子の構造を示した斜視図で
ある。図2は、本発明の第1実施形態による半導体レー
ザ素子の活性層の構造を示した断面図である。
【0031】まず、図1を参照して、第1実施形態によ
る半導体レーザ素子の構造について説明する。この第1
実施形態による半導体レーザ素子では、n型GaAs基
板1上に、Siがドープされたn型GaInPからなる
バッファ層2、約2.0μmの膜厚を有するSiがドー
プされた(Al0.7Ga0.3)InPからなるn型クラッ
ド層3が形成されている。なお、n型クラッド層3にド
ープされたSiのドーズ量は、3×1017cm-3であ
る。n型クラッド層3上には、量子井戸構造を有する活
性層4が形成されている。活性層4は、図2に示すよう
に、(AlxGa1 -x)InPからなるtnmの厚みを有
する2つの光ガイド層4aの間に、約8nmの厚みを有
する3つのGa0.43In0.57Pからなる井戸層4bと、
約5nmの厚みを有する2つの(AlxGa1-x0.58
0.42Pからなる障壁層4cとが交互に積層された歪補
償多重量子井戸構造を有する。この井戸層4bの圧縮歪
は、約0.5%であるとともに、障壁層4cの引張り歪
は、約0.5%である。
【0032】この活性層4上には、Znがドープされた
(Al0.7Ga0.3)InPからなるp型第1クラッド層
5およびZnがドープされた(Al0.7Ga0.3)InP
からなるp型第2クラッド層6が形成されている。p型
第2クラッド層6は、約1.3μmの膜厚を有する台形
状に形成されている。p型第2クラッド層6の上面上の
全面に接触するように、約0.1μmの膜厚を有するZ
nドープされたGaInPからなるp型コンタクト層7
が形成されている。これらのp型第1クラッド層5、p
型第2クラッド層6およびp型コンタクト層7にドープ
されたZnのドーズ量は、1×1018cm-3である。ま
た、p型第2クラッド層6とp型コンタクト層7とによ
って、約2.5μm〜約3.5μmの幅を有するリッジ
部が構成されている。なお、p型第1クラッド層5およ
びp型第2クラッド層6は、本発明の「p型クラッド
層」の一例である。
【0033】p型第1クラッド層5の上面と、p型第2
クラッド層6の側面と、p型コンタクト層7の側面とを
覆うように、約0.5μmの膜厚を有するSeがドープ
されたAlInPからなるn型光閉じ込め層8、およ
び、約0.3μmの膜厚を有するSeがドープされたG
aAsからなるn型電流ブロック層9が形成されてい
る。n型光閉じ込め層8は、レーザ光を横方向制御する
ために設けられており、p型第2クラッド層((Al
0.7Ga0.3)InP)6よりも屈折率の小さい材料(A
lInP)からなる。これにより、第1実施形態の半導
体レーザ素子は、実屈折率導波構造を有するように形成
されている。また、n型電流ブロック層9は、リッジ部
への電流を阻止するために設けられている。なお、n型
光閉じ込め層8は、本発明の「光閉じ込め層」の一例で
ある。
【0034】また、n型クラッド層3、活性層4、p型
第1クラッド層5、p型第2クラッド層6およびp型コ
ンタクト層7の端面近傍には、不純物としてZnを導入
することによって、Zn拡散領域13が形成されてい
る。これにより、活性層4の共振器端面の近傍領域(Z
n拡散領域13)は、Zn拡散により量子井戸構造が無
秩序化されている。それによって、活性層4の共振器端
面の近傍領域のバンドギャップが他の部分のバンドギャ
ップに比べて拡大された窓構造が形成されている。この
Zn拡散領域13のリッジ部の上面上には、窓領域への
不要な電流注入を抑制するために、n型光閉じ込め層8
およびn型電流ブロック層9が形成されている。
【0035】n型電流ブロック層9上には、端面近傍以
外の領域のリッジ部の上面(n型コンタクト層7)と接
触するように、約3.0μmの膜厚を有するZnがドー
プされたGaAsからなるp型キャップ層10が形成さ
れている。このp型キャップ層10にドープされたZn
のドーズ量は、1×1019cm-3である。p型キャップ
層10上には、p側電極11が形成されている。また、
n型GaAs基板1の裏面には、n側電極12が形成さ
れている。
【0036】ここで、表1に、光ガイド層4aおよび障
壁層4cのAl組成(x)および光ガイド層4aの膜厚
(t)と、それらのAl組成および膜厚によって得られ
る垂直方向のビーム広がり角度の値とを示す。
【0037】
【表1】 上記表1を参照して、第1実施形態では、光ガイド層4
aおよび障壁層4cのAl組成(x)と、光ガイド層4
aの膜厚との少なくとも一方を変化させることによっ
て、垂直方向のビーム広がり角度を調節した。それによ
って、垂直方向のビーム広がり角度が15.0°〜2
0.0°の第1実施形態による半導体レーザ素子と、垂
直方向のビーム広がり角度が22.0°の従来(比較
例)の半導体レーザ素子とを作製して、半導体レーザ素
子の電流−光出力特性と素子の信頼性とを調べた。
【0038】図3は、本発明の第1実施形態による半導
体レーザ素子および従来(比較例)の半導体レーザ素子
の電流−光出力特性を示した特性図である。図4は、本
発明の第1実施形態による半導体レーザ素子および従来
(比較例)の半導体レーザ素子の信頼性試験の結果を示
した特性図である。
【0039】まず、図3を参照して、第1実施形態の半
導体レーザ素子と、従来(比較例)の半導体レーザ素子
との光出力特性について説明する。なお、垂直方向のビ
ーム広がり角度に関わらず、横方向の屈折率差が一定と
なるように、p型第1クラッド層5の膜厚を変化させる
ことによって、すべての素子の水平方向のビーム広がり
角度を約10°に調節した。具体的には、p型第1クラ
ッド層5の膜厚を約0.2μmとした。また、図3に示
した電流−光出力特性の測定条件は、動作パルスの幅
(パルス幅):100ns、動作パルスの比(デューテ
ィ):50%、チップ長さ(L):900μm、およ
び、発光面の前面側の反射率5%,発光面の後面側の反
射率95%とした。
【0040】図3に示すように、垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の従来(比較例)の半導体レーザ素
子の最大光出力は、CODによって約130mW程度に
制限されている。一方、垂直方向のビーム広がり角度が
15.0°〜20.0°の第1実施形態による半導体レ
ーザ素子のうち、垂直方向のビーム広がり角度が20.
0°および18.0°のCODレベルは、従来の22.
0°のCODレベルに比べて向上されていることが判明
した。具体的には、垂直方向のビーム広がり角度が2
0.0°および18.0°では、約150mW以上のC
ODレベルを得ることができた。したがって、垂直方向
のビーム広がり角度が20.0°および18.0°の第
1実施形態による半導体レーザ素子では、従来(比較
例)の22.0°の半導体レーザ素子に比べて、高い最
大光出力が得られることを見出した。
【0041】また、垂直方向のビーム広がり角度が1
5.0°以上17.0°以下の場合には、CODが起こ
る前に熱飽和が起こっている。この場合、垂直方向のビ
ーム広がり角度が15.0°〜17.0°では、従来の
22.0°よりも高い最大光出力(約150mW〜約1
75mW)が得られることが判明した。また、垂直方向
のビーム広がり角度が17.0°の半導体レーザ素子で
は、熱飽和が起こる前にキンクが見られるが、従来の2
2.0°の最大光出力に比べて、高いキンク光出力と高
い最大光出力とが得られた。また、垂直方向のビーム広
がり角度が16.5°の半導体レーザ素子では、17.
0°の半導体レーザ素子に比べて、さらに高いキンク光
出力が得られる。垂直方向のビーム広がり角度が15.
0°および15.5°の半導体レーザ素子では、COD
およびキンクなしで、最大光出力が得られる。特に、1
5.5°の場合、最も高い光出力でCODが現れた1
8.0°とほぼ同等の最大光出力が得られる。
【0042】以上のように、垂直方向のビーム広がり角
度が15.0°以上20.0°以下の第1実施形態によ
る半導体レーザ素子において、従来の垂直方向のビーム
広がり角度が22.0°の半導体レーザ素子に比べて、
高いキンク光出力と高い最大光出力とが得られることが
判明した。
【0043】次に、図3に示した電流−光出力特性にお
いて、高いキンク光出力と最大光出力とが得られた第1
実施形態による垂直方向のビーム広がり角度が16.5
°の半導体レーザ素子と、従来(比較例)の垂直方向の
ビーム広がり角度が22.0°の半導体レーザ素子との
信頼性を比較した結果を図4を参照して説明する。な
お、信頼性試験の測定条件は、温度:60℃,パルス:
90mW,パルス幅:100ns,デューティ:50%
である。
【0044】図4に示すように、従来(比較例)の2
2.0°の半導体レーザ素子では、約500時間程度の
動作時間で故障するのに対し、第1実施形態による1
6.5°の半導体レーザ素子では、ほぼ一定の動作電流
で1700時間以上安定に動作することがわかった。こ
れにより、第1実施形態の半導体レーザ素子は、従来に
比べて高い信頼性を有することが判明した。
【0045】第1実施形態では、上記のように、実屈折
率導波構造を有する半導体レーザ素子において、垂直方
向の広がり角度が、15.0°以上20.0°以下にな
るように構成することによって、従来の垂直方向のビー
ム広がり角度が20.0°を超える半導体レーザ素子に
比べて、高いキンク光出力と高い最大光出力とを得るこ
とができる。
【0046】また、第1実施形態では、上記のように、
実屈折率導波構造を有する半導体レーザ素子において、
垂直方向の広がり角度を、18.0°よりも小さく、か
つ、CODが起こる前に熱飽和が起こる角度に設定すれ
ば、CODが起こるのを防止することができる。また、
15.0°以上17.0°以下の垂直方向の広がり角度
を有するように構成された半導体レーザ素子において、
CODが起こらないことが実験により確認されたので、
この範囲に角度を設定すれば、確実にCODが起こるの
を防止することができる。
【0047】また、第1実施形態では、上記のように、
光ガイド層4aおよび障壁層4cのAl組成(x)と、
光ガイド層4aの膜厚(t)との少なくともいずれかを
変化させることにより、垂直方向のビーム広がり角度を
調節することによって、活性層4へのキャリアの閉じ込
め度合いを変化させることなく、かつ、発振波長を大き
く変化させることなく、容易に垂直方向のビーム広がり
角度を調節することができる。
【0048】(第2実施形態)この第2実施形態では、
上記第1実施形態と異なり、p型クラッド層(p型第1
クラッド層5およびp型第2クラッド層6)の合計膜厚
を約2.0μmにしている。すなわち、上記第1実施形
態では、約2.0μmの厚みを有するn型クラッド層3
と、約1.5μmの合計厚みを有するp型クラッド層
(約0.2μmの厚みのp型第1クラッド層5および約
1.3μmの厚みのp型第2クラッド層6)とを作製し
た。これに対して、第2実施形態では、約2.0μmの
厚みを有するn型クラッド層3と、約2.0μmの合計
厚みを有するp型クラッド層(約0.2μmの厚みのp
型第1クラッド層5および約1.8μmの厚みのp型第
2クラッド層6)とを作製した。そして、この第2実施
形態では、以下の表2に示す作製条件で4種類の垂直広
がり角度(13.0°、14.0°、15.0°および
20.0°)の素子を作製した。
【0049】
【表2】 上記表2を参照して、第2実施形態では、上記第1実施
形態と同様、光ガイド層4aおよび障壁層4cのAl組
成(x)と、光ガイド層4aの膜厚との少なくとも一方
を変化させることによって、垂直方向のビーム広がり角
度を調節した。これにより、垂直方向のビーム広がり角
度が13.0°〜20.0°の第2実施形態による半導
体レーザ素子と、垂直方向のビーム広がり角度が22.
0°の従来(比較例)の半導体レーザ素子とを作製し
て、半導体レーザ素子の電流−光出力特性を調べた。図
5は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子お
よび従来(比較例)の半導体レーザ素子の電流−光出力
特性を示した特性図である。
【0050】図5を参照して、第2実施形態による半導
体レーザ素子と、従来(比較例)の半導体レーザ素子と
の光出力特性について説明する。なお、第1実施形態の
場合と同様、p型第1クラッド層5の膜厚を約0.2μ
mに設定することによって、全ての素子の水平方向の広
がり角度を約10°に調節した。また、図5に示した電
流−光出力特性の測定条件は、動作パルスの幅(パルス
幅):100ns、動作パルスの比(デューティ):5
0%、チップ長さ(L):900μm、および、発光面
の前面側の反射率5%,発光面の後面側の反射率95%
とした。
【0051】図5に示すように、垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の従来(比較例)の半導体レーザ素
子の最大光出力は、図3に示した第1実施形態の場合と
同様、CODによって約130mW程度に制限されてい
る。その一方、垂直方向のビーム広がり角度が13.0
°〜20.0°の第2実施形態による半導体レーザ素子
のうち、垂直方向のビーム広がり角度が20.0°のC
ODレベルは、従来の22.0°のCODレベルに比べ
て向上されていることが判明した。具体的には、垂直方
向のビーム広がり角度が20.0°では、約150mW
以上のCODレベルを得ることができた。
【0052】また、垂直方向のビーム広がり角度が1
3.0°以上15.0°以下の場合には、CODが起こ
る前に熱飽和が起こっている。この場合、垂直方向のビ
ーム広がり角度が13.0°〜15.0°では、従来の
22.0°よりも高い最大光出力(約150mW〜約2
00mW)が得られることが判明した。また、垂直方向
のビーム広がり角度が15.0°の半導体レーザ素子で
は、熱飽和が起こる前にキンクが見られるが、従来の2
2.0°の最大光出力に比べて、高いキンク光出力と高
い最大光出力とが得られた。
【0053】以上のように、垂直方向のビーム広がり角
度が13.0°以上20.0°以下の第2実施形態によ
る半導体レーザ素子では、従来の垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の半導体レーザ素子に比べて高い約
150mW以上のキンク光出力および最大光出力とが得
られることが判明した。
【0054】(第3実施形態)この第3実施形態では、
上記第1および第2実施形態と異なり、n型クラッド層
3およびp型クラッド層(p型第1クラッド層5および
p型第2クラッド層6)とを、共に、2.5μmまで厚
膜化した。
【0055】なお、安定な高出力動作を得るためには、
p型第2クラッド層6からなるリッジ部の下部の幅を約
3.0μmに設定する必要がある。そのリッジ形状が台
形状になっているという制約から、p型クラッド層の厚
みは、第3実施形態で用いる約2.5μmが上限値とな
る。
【0056】この第3実施形態においても、以下の表3
に示す作製条件で4種類の垂直角度(12.5°、1
3.5°、14.5°および20.0°)の素子を作製
した。
【0057】
【表3】 上記表3を参照して、この第3実施形態においても、上
記第1および第2実施形態と同様、光ガイド層4aおよ
び障壁層4cのAl組成(x)と、光ガイド層4aの膜
厚との少なくとも一方を変化させることによって、垂直
方向のビーム広がり角度を調節した。これにより、垂直
方向のビーム広がり角度が12.5°〜20.0°の第
3実施形態による半導体レーザ素子と、垂直方向のビー
ム広がり角度が22.0°の従来(比較例)の半導体レ
ーザ素子とを作製して、半導体レーザ素子の電流−光出
力特性を調べた。図6は、本発明の第3実施形態による
半導体レーザ素子および従来(比較例)の半導体レーザ
素子の電流−光出力特性を示した特性図である。
【0058】図6を参照して、第3実施形態の半導体レ
ーザ素子と、従来(比較例)の半導体レーザ素子との光
出力特性について説明する。なお、この第3実施形態に
おいても、p型第1クラッド層5の膜厚を約0.2μm
に設定することによって、全ての素子の水平方向のビー
ム広がり角度を約10°に調節した。また、図6に示し
た電流−光出力特性の測定条件は、動作パルスの幅(パ
ルス幅):100ns、動作パルスの比(デューテ
ィ):50%、チップ長さ(L):900μm、およ
び、発光面の前面側の反射率5%,発光面の後面側の反
射率95%とした。
【0059】図6に示すように、垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の従来(比較例)の半導体レーザ素
子の最大光出力は、CODによって約130mW程度に
制限されている。その一方、垂直方向のビーム広がり角
度が12.5°〜20.0°の第3実施形態による半導
体レーザ素子のうち、垂直方向のビーム広がり角度が2
0.0°のCODレベルは、従来の22.0°のCOD
レベルに比べて向上されていることが判明した。具体的
には、垂直方向のビーム広がり角度が20.0°では、
約150mW以上のCODレベルを得ることができた。
【0060】また、垂直方向のビーム広がり角度が1
2.5°以上14.5°以下の場合には、CODが起こ
る前に熱飽和が起こっている。この場合、垂直方向のビ
ーム広がり角度が12.5°〜14.5°では、従来の
22.0°よりも高い最大光出力(約150mW〜約2
00mW)が得られることが判明した。また、垂直方向
のビーム広がり角度が14.5°の半導体レーザ素子で
は、熱飽和が起こる前にキンクが見られるが、従来の2
2.0°の最大光出力に比べて、高いキンク光出力と高
い最大光出力とが得られた。
【0061】以上のように、垂直方向のビーム広がり角
度が12.5°以上20.0°以下の第3実施形態によ
る半導体レーザ素子では、従来の垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の半導体レーザ素子に比べて高い約
150mW以上のキンク光出力および最大光出力が得ら
れることが判明した。
【0062】図7は、本発明の第1〜第3実施形態によ
る半導体レーザ素子におけるクラッド層の膜厚と垂直方
向のビーム広がり角度との関係を示した特性図である。
次に、図7を参照して、上記第1実施形態〜第3実施形
態におけるクラッド層の厚みと、垂直方向のビーム広が
り角度が22.0°の従来の半導体レーザ素子よりも高
い約150mW以上の最大光出力が得られる最小垂直広
がり角度との関係について説明する。図7に示す横軸に
は、n型クラッド層3と、p型クラッド層(p型第1ク
ラッド層5およびp型第2クラッド層6)とのうちの膜
厚の小さい方の膜厚がとられている。図7に示すよう
に、クラッド層の厚みを大きくしていくにしたがって、
最小垂直広がり角度は小さくなることがわかる。この場
合、最小垂直広がり角度は、12.0°程度で下げ止ま
る傾向にあることがわかる。
【0063】また、クラッド層の厚みを1.5μm以上
2.5μm以下にすることによって、垂直方向のビーム
広がり角度が22.0°の従来の半導体レーザ素子より
も高い約150mW以上の最大光出力が得られる最小垂
直広がり角度は、12.5°以上15.0°以下になる
ことがわかる。このように、クラッド層の厚みを1.5
μm以上2.5μm以下にするとともに、垂直広がり角
度を12.5°以上15.0°以下にすることによっ
て、従来の素子以上の最大光出力を維持しつつ、低アス
ペクト比を実現することができる。
【0064】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0065】たとえば、上記実施形態では、p型第1ク
ラッド層5上に、p型第2クラッド層6を形成したが、
本発明はこれに限らず、p型第1クラッド層5とp型第
2クラッド層6との間に、リッジ部形成時のエッチング
制御性を向上させるために、GaInPからなるエッチ
ングストップ層を設けてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、垂直方
向のビーム広がり角度が、12.5°以上20.0°以
下と小さい場合にも、高いキンク光出力と高い最大光出
力とを得ることが可能な実屈折率導波構造を有する半導
体レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子
の構造を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子
の活性層の構造を示した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子
および従来(比較例)の半導体レーザ素子の電流−光出
力特性を示した特性図である。
【図4】本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子
および従来(比較例)の半導体レーザ素子の信頼性試験
の結果を示した特性図である。
【図5】本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子
および従来(比較例)の半導体レーザ素子の電流−光出
力特性を示した特性図である。
【図6】本発明の第3実施形態による半導体レーザ素子
および従来(比較例)の半導体レーザ素子の電流−光出
力特性を示した特性図である。
【図7】本発明の第1〜第3実施形態による半導体レー
ザ素子におけるクラッド層の膜厚と垂直方向のビーム広
がり角度との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 3 n型クラッド層 4 活性層 4a 光ガイド層 4c 障壁層 5 p型第1クラッド層(p型クラッド層) 6 p型第2クラッド層(p型クラッド層) 8 n型光閉じ込め層8(光閉じ込め層)
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月10日(2002.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【表1】 上記表1を参照して、第1実施形態では、光ガイド層4
aおよび障壁層4cのAl組成(x)と、光ガイド層4
aの膜厚との少なくとも一方を変化させることによっ
て、垂直方向のビーム広がり角度を調節した。それによ
って、垂直方向のビーム広がり角度が15.0°〜2
0.0°の第1実施形態による半導体レーザ素子と、垂
直方向のビーム広がり角度が22.0°の従来(比較
例)の半導体レーザ素子とを作製して、半導体レーザ素
子の電流−光出力特性と素子の信頼性とを調べた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 大二朗 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 竹内 邦生 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA13 AA45 AA74 AA87 CA14 DA35 EA16 EA19 EA28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型GaAs基板上に形成され、AlG
    aInPからなるn型クラッド層と、 前記n型クラッド層上に形成され、AlGaInP層を
    有する活性層と、 前記活性層上に形成され、AlGaInPからなるp型
    クラッド層と、 前記p型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉
    じ込め層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レ
    ーザ素子であって、 垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°以上20.
    0°以下である、半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記垂直方向のビーム広がり角度は、レ
    ーザ光出射端面劣化が起こる前に熱飽和を示す角度であ
    る、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記垂直方向のビーム広がり角度は、1
    2.5°以上17.0°以下である、請求項2に記載の
    半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記n型クラッド層および前記p型クラ
    ッド層のうち膜厚の小さい方の膜厚は、1.5μm以上
    2.5μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記活性層は、光ガイド層および障壁層
    を含み、 前記光ガイド層および前記障壁層のAl/(Al+G
    a)の組成比は、0.39以上0.67以下であり、 前記光ガイド層の膜厚は、15nm以上25nm以下で
    ある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レー
    ザ素子。
  6. 【請求項6】 n型GaAs基板上に形成され、AlG
    aInPからなるn型クラッド層と、 前記n型クラッド層上に形成され、AlGaInP層を
    有する活性層と、 前記活性層上に形成され、AlGaInPからなるp型
    クラッド層と、 前記p型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉
    じ込め層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レ
    ーザ素子であって、 前記n型クラッド層および前記p型クラッド層のうち膜
    厚の小さい方の膜厚は、1.5μm以上2.5μm以下
    であり、 垂直方向のビーム広がり角度が、12.5°以上15.
    0°以下である、半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 n型GaAs基板上に形成され、AlG
    aInPからなるn型クラッド層と、 前記n型クラッド層上に形成され、AlGaInP層を
    有する活性層と、 前記活性層上に形成され、AlGaInPからなるp型
    クラッド層と、 前記p型クラッド層の一部を覆うように形成された光閉
    じ込め層とを備えた実屈折率導波構造を有する半導体レ
    ーザ素子であって、 垂直方向のビーム広がり角度が、15.0°以上20.
    0°以下である、半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】 前記垂直方向のビーム広がり角度は、1
    8.0°よりも小さく、かつ、レーザ光出射端面劣化が
    起こる前に熱飽和を示す角度である、請求項7に記載の
    半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 前記垂直方向のビーム広がり角度は、1
    5.0°以上17.0°以下である、請求項8に記載の
    半導体レーザ素子。
  10. 【請求項10】 前記垂直方向のビーム広がり角度は、
    15.5°以上である、請求項8または9に記載の半導
    体レーザ素子。
  11. 【請求項11】 前記活性層は、光ガイド層および障壁
    層を含み、 前記光ガイド層および前記障壁層のAl組成と、前記光
    ガイド層の膜厚との少なくとも一方を変化させることに
    よって、前記垂直方向のビーム広がり角度を調節する、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体レーザ素
    子。
  12. 【請求項12】 前記活性層は、量子井戸構造を有し、 前記活性層の共振器端面の近傍領域では、不純物を導入
    することにより前記量子井戸構造が無秩序化されて他の
    領域よりもバンドギャップが広がっている、請求項1〜
    11のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
JP2002068006A 2001-03-22 2002-03-13 半導体レーザ素子 Expired - Fee Related JP3998492B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068006A JP3998492B2 (ja) 2001-03-22 2002-03-13 半導体レーザ素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001082427 2001-03-22
JP2001-82427 2001-03-22
JP2002068006A JP3998492B2 (ja) 2001-03-22 2002-03-13 半導体レーザ素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002353566A true JP2002353566A (ja) 2002-12-06
JP3998492B2 JP3998492B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=26611788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002068006A Expired - Fee Related JP3998492B2 (ja) 2001-03-22 2002-03-13 半導体レーザ素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3998492B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269759A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Sharp Corp 窓構造半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2008187068A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Opnext Japan Inc 半導体レーザ素子及びその製造方法

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03112186A (ja) * 1989-09-26 1991-05-13 Nec Corp AlGaInP可視光半導体レーザ
JPH05160512A (ja) * 1991-12-04 1993-06-25 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ装置
JPH06188513A (ja) * 1992-07-16 1994-07-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザおよびその製造方法
JPH0918078A (ja) * 1995-06-27 1997-01-17 Toshiba Corp 半導体レーザ装置
JPH09237935A (ja) * 1995-12-28 1997-09-09 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子とその製造方法
JPH09321385A (ja) * 1995-12-28 1997-12-12 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子
WO1997050158A1 (fr) * 1996-06-24 1997-12-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laser semi-conducteur
JPH10209553A (ja) * 1997-01-17 1998-08-07 Hitachi Ltd 半導体レーザ素子
JPH10335736A (ja) * 1997-05-30 1998-12-18 Nec Corp 低しきい値半導体レーザ
JPH1117280A (ja) * 1997-06-23 1999-01-22 Nec Corp 半導体レーザ及びその製造方法
JPH1168249A (ja) * 1997-08-22 1999-03-09 Hitachi Ltd 半導体レーザ装置、その製造方法、および光情報処理装置
JP2000133875A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Nec Corp 半導体レーザ素子および半導体レーザの製造方法
JP2000236140A (ja) * 1999-02-13 2000-08-29 Sharp Corp 半導体レーザ素子
JP2000340885A (ja) * 1999-05-27 2000-12-08 Toshiba Corp 半導体レーザ
JP2001057458A (ja) * 1999-08-17 2001-02-27 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体発光装置

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03112186A (ja) * 1989-09-26 1991-05-13 Nec Corp AlGaInP可視光半導体レーザ
JPH05160512A (ja) * 1991-12-04 1993-06-25 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ装置
JPH06188513A (ja) * 1992-07-16 1994-07-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザおよびその製造方法
JPH0918078A (ja) * 1995-06-27 1997-01-17 Toshiba Corp 半導体レーザ装置
JPH09237935A (ja) * 1995-12-28 1997-09-09 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子とその製造方法
JPH09321385A (ja) * 1995-12-28 1997-12-12 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子
WO1997050158A1 (fr) * 1996-06-24 1997-12-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laser semi-conducteur
JPH10209553A (ja) * 1997-01-17 1998-08-07 Hitachi Ltd 半導体レーザ素子
JPH10335736A (ja) * 1997-05-30 1998-12-18 Nec Corp 低しきい値半導体レーザ
JPH1117280A (ja) * 1997-06-23 1999-01-22 Nec Corp 半導体レーザ及びその製造方法
JPH1168249A (ja) * 1997-08-22 1999-03-09 Hitachi Ltd 半導体レーザ装置、その製造方法、および光情報処理装置
JP2000133875A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Nec Corp 半導体レーザ素子および半導体レーザの製造方法
JP2000236140A (ja) * 1999-02-13 2000-08-29 Sharp Corp 半導体レーザ素子
JP2000340885A (ja) * 1999-05-27 2000-12-08 Toshiba Corp 半導体レーザ
JP2001057458A (ja) * 1999-08-17 2001-02-27 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体発光装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269759A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Sharp Corp 窓構造半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2008187068A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Opnext Japan Inc 半導体レーザ素子及びその製造方法
US7746910B2 (en) 2007-01-31 2010-06-29 Opnext Japan, Inc. Semiconductor laser diode and its fabrication process

Also Published As

Publication number Publication date
JP3998492B2 (ja) 2007-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3926313B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP2009295680A (ja) 半導体レーザ装置
JP2002124733A (ja) 半導体レーザダイオード
WO2017122782A1 (ja) 半導体レーザ素子、チップオンサブマウント、および半導体レーザモジュール
US7539230B2 (en) Semiconductor laser device and method for fabricating the same
JP4077348B2 (ja) 半導体レーザ装置およびそれを用いた光ピックアップ装置
JPH08330671A (ja) 半導体光素子
US20100124244A1 (en) Semiconductor laser device
JP2006294984A (ja) 半導体レーザ素子とその製造方法およびそれを用いた光ピックアップ装置
US20060140236A1 (en) Semiconductor laser device and optical pick-up device using the same
US7095769B2 (en) Semiconductor laser diode with higher-order mode absorption layers
JP4601904B2 (ja) 半導体レーザ装置
US6778575B2 (en) AlGaInP-based high-output red semiconductor laser device
JP2002353566A (ja) 半導体レーザ素子
JP2000277856A (ja) 自励発振型半導体レーザ装置
JPH10209553A (ja) 半導体レーザ素子
JP2004103679A (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子モジュール
JP4806205B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP4067289B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP3119301B2 (ja) 高出力半導体レーザ
JP3943489B2 (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2006114605A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP4274393B2 (ja) 半導体発光装置
JPWO2005124952A1 (ja) 半導体発光装置およびその製造方法
JP2021034401A (ja) 半導体レーザ素子およびチップオンサブマウント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070807

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees