JP4806205B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光ディスクシステムなどにおいて、記録再生用光源として使用される半導体レーザ装置に関するものである。
現在、半導体レーザ装置(以下、半導体レーザ、ともいう)は、様々な分野で幅広く使用されている。なかでも、AlGaInP系半導体レーザは、波長650nm帯のレーザ光を得ることができるため、光ディスクシステムの分野において光源として広く使用されている。また、代表的な半導体レーザとして、活性層と、その活性層を狭持する2つのクラッド層とを含むダブルヘテロ構造を有し、1つのクラッド層がメサ状のリッジを形成している構造の半導体レーザ(例えば、特許文献1参照)が知られている。
図9に、このような構造を有するAlGaInP系半導体レーザの一例を示す。なお、以下に示す各層の組成比については記述を省略する。図9に示す半導体レーザでは、(100)面から[011]方向に15°傾けた面を主面とするn形GaAs基板901上に、n形GaAsバッファ層902、n形GaInPバッファ層903、n形(AlGa)InPクラッド層904が順に積層され、さらにその上に、歪量子井戸活性層905、p形(AlGa)InP第1クラッド層906、p形(またはノンドープ)GaInPエッチングストップ層907、p形(AlGa)InP第2クラッド層908、p形GaInP中間層909およびp形GaAsキャップ層910が積層されている。
ここで、p形(AlGa)InP第2クラッド層908、p形GaInP中間層909、p形GaAsキャップ層910は、p形GaInPエッチングストップ層907上に、順メサ形状を有するリッジとして形成されている。また、p形GaInPエッチングストップ層907上および上記リッジの側面上に、n形GaAs電流ブロック層911が形成され、このn形GaAs電流ブロック層911とリッジ上部に位置するp形GaAsキャップ層910上に、p形GaAsコンタクト層912が積層されている。なお、歪量子井戸活性層905は、(AlGa)InP層およびGaInP層から構成されている。
図9に示す半導体レーザでは、p形GaAsコンタクト層912から注入された電流はn形GaAs電流ブロック層911によりリッジ部のみに狭窄され、リッジ底部近傍の歪量子井戸活性層905に集中して注入される。このようにして、数十mAという少ない注入電流に関わらず、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が実現される。このとき、キャリアの再結合により光が発生するが、歪量子井戸活性層905と垂直な方向に対しては、n形(AlGa)InPクラッド層904、p形(AlGa)InP第1クラッド層906の両クラッド層により光の閉じ込めが行われ、歪量子井戸活性層905と平行な方向に対しては、GaAs電流ブロック層911が発生した光を吸収するために光の閉じ込めが行われる。この結果、注入された電流により生じた利得が、歪量子井戸活性層905内の導波路における損失を上回るとレーザ発振が生じる。
図9に示すようなAlGaInP系半導体レーザでは、一般に、良好な温度特性T(例えば、非特許文献1参照)を得るために、(100)面から[011]方向に7°〜15°の範囲で傾けた面を主面とするGaAs基板が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。温度特性Tの値が大きいほど、半導体レーザの温度依存性が小さくなり、より実用的な半導体レーザとすることができる。
特開2001−196694号公報 特開2000−174385号公報 伊賀健一編、「半導体レーザ」、第1版、オーム社、平成6年10月、p.6
しかしながら、図9に示す半導体レーザのように、特定の結晶面からθ°傾けた面を主面とする基板を用いた場合、化学的なウェットエッチング法のみを用いて形成したリッジの断面の形状は光路方向(導波路方向)から見て左右非対称となる。例えば、図9に示す例において、基板の主面とリッジの側面とがなす角はそれぞれ、θ°=54.7゜−θ゜、θ°=54.7゜+θ゜である。
イオンビームエッチングなどの物理的なエッチング法によってリッジの形成を行えば、リッジの断面の形状を光路方向から見て左右対称とすることも可能である。しかし、この場合、リッジの側面に物理的な損傷が残ることによってリッジの側面と電流ブロック層との界面でリークが発生し、電流狭窄効果が低下する可能性がある。物理的なエッチング法によってリッジを形成した後、電流ブロック層を形成する前に、リッジの側面を化学的にエッチングすることなども考えられるが、やはりリッジの断面の形状は光路方向から見て左右非対称となる。
リッジの断面の形状が光路方向から見て左右非対称である場合、導波路の断面の形状も光路方向から見て左右非対称となる。すると、活性層におけるキャリア分布パターンのピーク中心位置と、導波路を伝播する光の強度分布パターンのピーク中心位置との水平方向のずれ(ΔP)が生じやすくなる。一般に、電流注入量を増して半導体レーザを高出力状態とすると、活性層内部における光の強度分布が最大となる領域でキャリア濃度が相対的に減少し、キャリアの空間的なホールバーニングが発生しやすくなる。ホールバーニングが発生した場合、ΔPが大きいほど、キャリア分布パターンの非対称性が大きくなる傾向にある。そのため、ΔPが大きい半導体レーザ(即ち、光路方向から見たリッジの断面の形状がより非対称である半導体レーザ)では、高出力状態で光の発振位置が不安定になることにより、電流−光出力特性上の折れ曲がりである、いわゆる「キンク」が生じやすくなるという問題がある。
従来、導波路の断面の形状が非対称であっても、光出力が50mW程度のレベルであれば、半導体レーザとして基本横モード発振を維持することができる。半導体レーザを光ディスクシステムの光源として用いる場合、基本横モード発振を得ることは、発振したレーザ光を光ディスク上にレンズの回折限界程度にまで集光するために、非常に重要である。
しかしながら、光ディスクの読み書きが高速化した現在では、200mW以上の高出力状態であっても安定して基本横モード発振を得ることができる半導体レーザが必要とされている。
このような状況の中、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる半導体レーザとして、光路方向にリッジの幅が変化するテーパストライプ構造(特開2000−174385号公報(特願平11−137180号))が採用されている。
しかしながら、上記技術を用いて、ある程度高い出力までは基本横モード発振を実現できるが、傾斜基板を用いている以上、リッジの断面形状は左右非対称であり、活性層におけるキャリア分布パターンのピーク中心位置と、導波路を伝播する光の強度分布パターンのピーク中心位置との水平方向のずれ(ΔP)が生じている。これにより、キャリアの空間的なホールバーニングが発生し、高出力状態での光の発振位置が不安定になり、キンクが発生するという問題は残されたままとなっていた。
本発明は、上記課題を解決し、温度特性を向上させ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる半導体レーザを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記課題を解決し、キンクを減少させ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる半導体レーザを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体レーザ装置は、化合物半導体からなる傾斜基板上に形成され、活性層と活性層を挟持する2つのクラッド層とを含み、1つのクラッド層がメサ状のリッジを形成している半導体レーザ装置であって、リッジの頂部の幅がリッジの一方の端面から他方の端面に向かって徐々に大きくなっており、前記リッジの一方の端面における前記リッジの頂部の中点から前記リッジの頂部に沿って前記リッジの他方の端面に立てた垂線に対して、リッジの一側はリッジの頂部の幅の変化量が大きく、リッジの他側はリッジの頂部の幅の変化量が小さい左右非対称の形状をもつことを特徴とする。
この構成によれば、リッジの頂部の幅がリッジの一方の端面から他方の端面に向かって徐々に大きくし、かつテーパストライプ構造を左右非対称にしてあることにより、温度特性を向上させることができ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる。傾斜基板を用いると、その上に堆積された層も傾斜基板の影響を受け、エッチングによってできるリッジの側面は左右非対称になる。したがって、傾斜基板を用いる以上、テーパストライプ構造が左右非対称であることは、高い出力まで安定した基本横モード発振させる上で絶大な効果を発揮することになる。
上記本発明の半導体レーザ装置においては、リッジの左右の傾斜面はそれぞれ低角度と高角度とを有して非対称であり、垂線に対して、リッジの前記高角度を有する傾斜面の側は、リッジの頂部の幅の変化量が大きく、リッジの前記低角度を有する傾斜面の側は、リッジの頂部の幅の変化量が小さいことが好ましい。
この構成によれば、リッジ形状が左右非対称であるが、テーパストライプ構造を、それを補う形で左右非対称にしてあることにより、キンクを減少させることができ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる
上記構成において、リッジの他方の端面におけるリッジの頂部の中点の位置と、垂線とリッジの他方の端面との交点の位置との差の絶対値を変化量とした場合に、変化量は、リッジの一方の端面の頂部の幅に対し、5%〜40%の範囲であることが好ましい。
また、リッジの一方(狭い方)の端面の頂部の幅は1.0μm〜2.3μmであり、リッジの他方の端面(広い方)の頂部の幅は2.5μm〜3.6μmであることが好ましい。
また、リッジの端面の近傍における活性層が、不純物の拡散により無秩序化されていることが好ましい。
さらに、上記構造は、出射光が2つ以上ある多波長レーザに搭載されていてもよい。
本発明の半導体レーザ装置は、上記構成を有し、温度特性を向上させ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる。また、キンクを減少させ、より高い出力まで安定した基本横モード発振を行うこともできる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態において、先行技術と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置について説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の半導体レーザ装置の一例を示す上面図および断面図である。図1に示す半導体レーザ装置1は、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするn形GaAs基板10上に形成されている。n形GaAs基板10上には、n形GaAsバッファ層11、n形(AlGa)InP第1クラッド層12、活性層13、p形(AlGa)InP第2クラッド層14、p形GaInP保護層15が順に積層されている。半導体レーザ装置1は、活性層13が、2つのクラッド層12、14によって狭持されたダブルヘテロ構造となっている。
また、p形(AlGa)InP第2クラッド層14によって、活性層13上に、順メサ形状を有するリッジが形成されている。さらに、上記リッジの側面を覆うように、n形AlInP電流ブロック層16が形成され、このn形AlInP電流ブロック層16とリッジ上部に位置するp形GaInP保護層15上に、p形GaAsコンタクト層17が積層されている。
なお、図1の例に示す活性層13は、(AlGa)InP第1ガイド層131g、GaInP第1ウェル層132w、(AlGa)InP第1バリア層133b、GaInP第2ウェル層134w、(AlGa)InP第2バリア層135b、GaInP第3ウェル層136wおよび(AlGa)InP第2ガイド層137gによって構成される歪量子井戸活性層である。
図1に示す半導体レーザ装置1において、リッジの側面と基板の主面とが成す角θ、θ(θの方が鋭角とする)は、基板として(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とする傾斜基板(オフオリエンテーション基板、ともいう)を用い、リッジ形成としてウェットエッチングを用いているため、それぞれθ=44.7゜、θ=64.7゜である。なお、上記各層における組成比の記載は省略する。また、上記組成比の一例については、後述する。
図1に示す半導体レーザ装置1では、p形GaAsコンタクト層17から注入された電流は、n形AlInP電流ブロック層16によりリッジ部のみに狭窄されることによって、リッジの底部近傍の活性層13に集中して注入される。このため、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が、数十mA程度の注入電流により実現できる。この時、キャリアの再結合により発光した光は、活性層13の主面と垂直な方向に対しては、n形(AlGa)InP第1クラッド層12およびp形(AlGa)InP第2クラッド層14の両クラッド層によって閉じ込められることになる。また、活性層13の主面と平行な方向に対しては、p形(AlGa)InP第2クラッド層14よりも屈折率が小さいn形AlInP電流ブロック層16によって閉じ込められることになる。そのため、リッジを導波路とする(リッジ導波型)、基本横モード発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。
また、図1に示す半導体レーザ装置1では、p形(AlGa)InP第2クラッド層14によって形成されたリッジにおいて、リッジの頂部の幅がリッジの一方の端面から他方の端面に向かって徐々に大きくなっており、リッジの一方の端面におけるリッジの頂部の中点からリッジの頂部に沿ってリッジの他方の端面に立てた垂線18Aに対して、リッジの一側(リッジ角度が大きいθ2側)はリッジの頂部の幅の変化量が大きく、リッジの他側(リッジ角度が小さいθ1側)はリッジの頂部の幅の変化量が小さい左右非対称の形状をもつテーパストライプ構造となっており、その変化量19はリッジの他方の端面におけるリッジの頂部の中点の位置と、垂線とリッジの他方の端面との交点の位置との差の絶対値として、以下のように定義される。
変化量19(%)=
|{[(他方の端面における頂部の中点)−(一方の端面からの垂線と他方の端面との交差点)]/他方の端面のリッジの頂部の幅}|*100 (式1)
なお、符号18はリッジの一方および他方の各端面におけるリッジの頂部の中点どうしを結んだ軸を示す。
このような半導体レーザ装置では、リッジ形状が左右非対称であるが、テーパストライプ構造を、それを補う形で左右非対称にしてあることにより、光の導波が相対的に安定なモードになり、より高い出力まで基本横モード発振が可能な状態となる。また、リッジの頂部の幅は共振器長方向に連続的に広くなっているため、素子の電流−電圧特性における微分抵抗(以下、Rs、という)を小さくすることに対しても有効である。Rsが小さいということは、素子の発熱量を抑制することができることであるため、高出力レーザによく見られる熱飽和レベルを格段に向上させることができる。
このように、本構造は高出力化に伴うキンクや熱飽和に対し、非常に有効な手段となっている。
本発明の半導体レーザ装置の技術思想について説明する。
上述したように、傾斜基板上に形成された半導体レーザ装置は温度特性Tに優れるが、光路方向から見たリッジの断面の形状が左右非対称であるため、高出力の状態ではキンクが生じやすくなる。キンクが発生する光出力を向上させるためには、キャリア濃度の分布の非対称性を低減することが一つの方法であり、そのためには、ストライプ幅を狭くし、ストライプ中央部へのキャリアの注入電流密度を増大させ、キャリアの空間的ホールバーニングを抑制すればよい。そのため、リッジの頂部の幅を小さくすることによって、より高出力まで安定した発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。なお、本明細書における「左右非対称」の「左右」とは、図1に示すように、半導体レーザ装置の基板を下にしたときに、光路方向から見た半導体レーザ装置の断面における「左右」である。
また、一般に、電流ブロック層の屈折率が、リッジが形成された第2クラッド層の屈折率よりも小さく、発振したレーザ光に対して透明な電流ブロック層からなる実屈折率導波型のレーザの場合、高次の横モード発振を抑圧して安定した基本横モード発振を得るためには、リッジの頂部の幅ができるだけ小さい方がよい。
しかしながら、半導体レーザ装置のRsは、注入電流が最も狭窄されるリッジ頂部の幅で決定されるため、Rsの増大を招き、動作電圧が増大する可能性がある。動作電圧が増大すると動作電力も増大するため、半導体レーザ装置の発熱量が大きくなり、温度特性Tの劣化につながる可能性がある。
そこで、本発明の半導体レーザ装置では、リッジ形状が左右非対称であることを補正する形でテーパストライプ構造を左右非対称にし、かつ、連続的にリッジの頂部の幅を変化させることで、上記キンクや熱飽和の問題の影響を小さくし、温度特性Tを向上させ、安定して高出力発振を可能にした半導体レーザ装置とすることができる。
テーパストライプの左右非対称性を示す変化量としては、例えば、狭い方のリッジの頂部の幅に対し、5%〜40%の範囲であればよい。また、端面における狭い方のリッジの頂部の幅は1.0μm〜2.3μmであり、広い方のリッジの頂部の幅は2.5μm〜3.6μmである。なお、本発明の半導体レーザ装置における共振器長の値は、特に限定されない。例えば、800μm〜2500μmの範囲である。200mW以上の出力の半導体レーザ装置とする場合、漏れ電流を少なくするために、共振器長は、例えば、1200μm〜2300μmの範囲とすればよい。
このような半導体レーザ装置とすることによって、光の導波が相対的に安定なモードを実現し、Rsをより低減させ温度特性を向上させた、高出力まで基本横モード発振可能な半導体レーザ装置とすることができる。
図1に示す半導体レーザ装置において、各層の厚さ、組成、組成比、導電形などは特に限定されない。半導体レーザ装置として必要な特性に基づき、任意に設定すればよい。例えば、各層を以下に示す厚さ、組成および組成比としてもよい。なお、括弧内に示す数値は各層の厚さであり、分かりやすくするために図1と同じ図番を引用する。
各層の組成比および厚さの一例は、
n形GaAsバッファ層11(0.5μm)、
n形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第1クラッド層12(1.2μm)、
p形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第2クラッド層14、
p形Ga0.51In0.49P保護層15(50nm)、
p形GaAsコンタクト層17(3μm)
である。
また、活性層13の一例は、
(Al0.5Ga0.50.51In0.49P第一ガイド層131g(50nm)、
Ga0.48In0.52P第1ウェル層132w(5nm)、
(Al0.5Ga0.50.51In0.49P第1バリア層133b(5nm)、
Ga0.48In0.52P第2ウェル層134w(5nm)、
(Al0.5Ga0.50.51In0.49P第2バリア層135b(5nm)、
Ga0.48In0.52P第3ウェル層136w(5nm)および
(Al0.5Ga0.50.51In0.49P第二ガイド層137g(50nm)
からなる歪量子井戸活性層である。
p形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第2クラッド層14の一例は、リッジの上部にあるp形GaInP保護層15と活性層13との間の距離が1.2μm、リッジの底部と活性層との距離dpが0.2μmの第2クラッド層である。n形AlInP電流ブロック層16の厚さの一例は、0.7μmである。
活性層13としては、上記一例に示すような歪量子井戸活性層に特に限定されない。例えば、無歪の量子井戸活性層やバルクの活性層を用いてもよい。また、活性層13の導電形は特に限定されない。p形であってもn形であってもよい。アンドープの活性層であってもよい。
また、図1に示す例のように、発振したレーザ光に対して透明な電流ブロック層を用いれば、導波路損失を低減することができ、動作電流値を低減することも可能になる。また、この場合、導波路を伝播する光の分布が電流ブロック層に大きくしみ出すことができるため、ストライプ領域の内外における実効屈折率の差(Δn)を10−3オーダーとすることも可能である。また、Δnを、図1に示す距離dpを調節することによって、細かく制御することが可能であり、動作電流値を低減させた、高出力まで安定した発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。なお、Δnの範囲としては、例えば、3×10−3〜7×10−3の範囲である。上記範囲において、高出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる。
基板10における特定の結晶面(図1に示す例では、(100)面)からの傾斜の角度(傾斜角)θの値としては、図1に示す例における10°に限らず、特に限定されない。例えば、7°〜15°の範囲とすればよい。この範囲において、温度特性Tにより優れる半導体レーザ装置とすることができる。傾斜角が上記範囲より小さくなると、自然超格子が形成されることによってクラッド層のバンドギャップが小さくなり、温度特性Tが低下する可能性がある。また、傾斜角が上記範囲より大きくなると、光路方向から見たリッジの断面の形状の非対称性が増大し、また、活性層の結晶性が低下する可能性がある。
本発明の半導体レーザ装置では、狭い方のリッジの頂部の幅が、1.0μm以上2.3μm以下の範囲であってもよい。このような半導体レーザ装置とすることによって、キャリアの空間的ホールバーニングの発生をより抑制することができる。そのため、より高出力までキンクの発生が抑制された半導体レーザ装置とすることができる。
また、本発明の半導体レーザ装置では、広い方のリッジの頂部の幅が、2.5μm以上3.6μm以下であってもよい。このような半導体レーザ装置とすることによって、よりRsの増大を抑制しながら、高次横モードをより効果的にカットオフすることができるため、より高出力まで基本横モード発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。
本発明の半導体レーザ装置では、前記端面の近傍における前記活性層が、不純物の拡散により無秩序化されていてもよい。このような半導体レーザ装置とすることによって、前記端面の近傍における活性層のバンドギャップを増大し、レーザ光に対してより透明な端面窓構造を得ることができる。そのため、より高い光出力でも端面破壊(いわゆる、C.O.D.)を起しにくい半導体レーザ装置とすることができる。
不純物としては、例えば、Si、Zn、Mg、Oなどを用いればよい。また、不純物の拡散量(ドープ量)としては、例えば、1×1017cm−3〜1×1020cm−3の範囲であり、拡散は、半導体レーザ装置の端面から、例えば、10μm〜50μmの範囲であればよい。
また、以上は赤色レーザに関しての説明であるが、例えばこれが、赤外と赤色の2波長レーザ等の多波長レーザに使用しても全く問題ない。つまり、同一傾斜基板上に形成されたモノリシック2波長レーザに対し、赤外・赤色レーザにそれぞれ左右非対称テーパストライプ構造を搭載しても同様の効果が期待できる。
以下、半導体レーザ装置に対する実験結果などを用いて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以降に示す各実験は、特に記載のない限り、半導体レーザ装置の分野における一般的な手法を用いて行った。
最初に、図2に示す断面構造および組成比を有する半導体レーザ装置において、光路上の一方の端面におけるリッジの頂部の幅を2.0μm、他方の端面のそれを3.0μmとして、変化量を0とした場合の左右対称にしたテーパストライプで、dpを0.2μmとした場合の構造での電流−光出力特性を図3に示す。測定条件は、80℃、パルス幅100ns、デューティ比率50%である。図3に示すように電流−光出力の折れ曲がりであるキンクが光出力約220mWで発生しているのがわかる。
次に、キンクが発生する原因について考察した。上記構造の一方の端面におけるリッジの頂部の幅を2.0μm、他方の端面のそれを3.0μmとして、左右対称にしたテーパストライプ、距離dpを0.2μmとした場合における実効屈折率の分布を図4(b)に示す。なお、図4(b)に示す実効屈折率の分布は、図4(a)に示す半導体レーザ装置における光路方向から見た断面の水平方向に対する分布であり、中心とは、リッジの頂部の中心を意味している。なお、実効屈折率の分布は、計算により求めた。
図4(b)に示すように、リッジの側面のうち急斜面側(θ側)の実効屈折率が、緩斜面側(θ側)の実効屈折率よりも、中心からの距離に対する変化が急であることがわかる。このように、実効屈折率の分布が左右非対称になることによってキンクの発生が誘引されると考えられる。
次に、同じく、図2に示す例と同様の断面構造を有するレーザにおいて、発振しきい値の状態、つまり発振状態(室温、CW(連続波)、動作電流値50mA)における発光強度の分布とキャリア濃度の分布とを、図5(a)および図5(b)に示す。なお、図5に示す各分布は、図4(a)に示す半導体レーザの装置における光路方向から見た断面の水平方向に対する分布であり、中心とは、リッジの頂部の中心を示している。
図5(b)に示すように、キャリア濃度分布のピーク位置は、リッジの頂部の中心から緩斜面側(θ側)に0.21μmずれていることが分かる。逆を言えば、キャリア濃度の分布中心に比べ、光強度のピーク位置は急斜面側に偏った状態にある。この状態で注入電流を増加させ、例えば、200mW以上の高出力状態にすることでキャリアの空間的ホールバーニングが生じた場合、誘導放出がリッジの側面のうち急斜面側に偏って生じることになる。そのため、高出力状態では、キャリア濃度の分布は、図5(c)に示すように、緩斜面側におけるキャリア濃度が相対的に大きくなった左右非対称な分布を示す。このように、リッジの緩斜面側にキャリア濃度の分布が偏在している状態で、キャリア濃度の分布の状態から受ける光強度の利得が大きくなると、光強度の分布はさらにリッジの緩斜面側に移動し、キンクが発生する原因となる。
なお、一度キンクが発生し、光強度の分布がリッジの緩斜面側に大きく移動すると、注入キャリアは、誘導放出による再結合によってリッジの緩斜面側においてより強く失われるため、今度は逆にリッジの急斜面側におけるキャリア濃度の分布が相対的に大きくなり、光強度の分布がほぼ元の状態に復帰することになる。
このように、キンクが発生する発端として、キャリア濃度分布のピーク位置が、リッジの頂部の中心から緩斜面側(θ側)にある(発光強度のピーク位置が急斜面側(θ側)にある)ことが原因であるならば、発光強度のピーク位置を緩斜面側(θ側)に移動させたら良いことがわかる。そのためには、急斜面側に注入されるキャリア濃度を低下させることによって、相対的に緩斜面側のキャリア濃度の分布を増加させ、キャリア濃度の分布を左右対称にしてやれば良い。
そこで、上記を実現させるために、本発明では、図1に示すように、リッジ形状が左右非対称である場合に、リッジの急斜面側に対してはリッジ頂部の幅の変化量が大きく、リッジの緩斜面側に対してはリッジ頂部の幅の変化量が小さいテーパストライプの構造とする。これにより、急斜面側のキャリア濃度が低下し、光の導波が相対的に安定なモードになるため、キンクの発生を抑制し、かつRs低減による熱飽和レベルをも向上できることより、より高出力の半導体レーザ装置を実現することができる。
図1に示す半導体レーザ装置において、一方のリッジの頂部の幅を2.0μm、他方のリッジの頂部の幅を3.0μmとし、テーパストライプの左右非対称性を表す変化量15%とした場合の発振しきい値の状態、つまり発振状態(室温、CW、動作電流値50mA)における発光強度の分布とキャリア濃度の分布とを、図6(a)および図6(b)に示す。なお、ここで言う変化量とは、式1で示したものと同様である。
図6(a),(b)に示すように、発光強度のピーク位置は、リッジの頂部の中心からはずれているもののキャリア濃度の分布の中心とはほぼ一致していることが分かる。また、図6(b)からもわかるように、図5(b)に比べ、急斜面側のキャリア濃度が減少していることがわかる。これにより、相対的に緩斜面側のキャリア濃度が増大し、発光強度のピーク位置が緩斜面側に移動し、キャリア濃度の分布の中心とほぼ一致したと考えられる。この状態では、200mW以上の高出力状態にしても、キャリア濃度はほぼ対称(図6(c))になりキャリアの空間的ホールバーニングが生じにくくなり、したがって、高出力まで安定な発振が得られる。
上記構造を用いた場合の電流−光出力特性を図7に示す。レーザ光を発振する条件は、80℃、パルス幅100ns、デューティ比率50%とした。図7に示すように、光出力が300mWにおいてもキンクが発生せず、安定した基本横モード発振を保っていることがわかる。なお、図7に示す比較例は、傾斜基板上に一方の端面におけるリッジの頂部の幅を2.0μm、他方の端面のそれを3.0μmとして、左右対称にしたテーパストライプを有する図2に示した特性を有する従来の半導体レーザ装置である。
なお、図7に示す例では、端面近傍における活性層にZnをドープ量1×1019cm−3程度で拡散させており、活性層の端面近傍の領域は不純物により無秩序化された窓構造となっている。このため、端面が光出力により破壊される現象であるC.O.D.は、200mW以上の出力においても発生することはなかった。
次に、一方のリッジの頂部の幅を2.0μm、もう一方のリッジ頂部の幅を3.0μmとし、式1に示すテーパストライプの左右非対称性を表す変化量を変化させた場合の電流‐光出力の微分効率(以下、Se、という)を図8に示す。図8に示すように、変化量を大きくしていくと光出力が向上していることがわかる。しかし、ある点を境に変化量を大きくすると、光出力は減少し、25%以上では、変化量0よりも悪くなることがわかる。これは、変化量を大きくしていくと光の分布とキャリアの分布の中心が一致していくので、Seは大きくなるが、変化量を大きくし過ぎると、キャリアの分布と光の分布の中心がますますずれていくのでロスを発生させ、効率が低下したものと考えられる。
したがって、この条件のテーパストライプ構造の場合の変化量は、通常のストライプテーパ構造より、5%〜25%の範囲で急斜面側にずらした方が好ましいことがわかる。しかしながら、テーパストライプ構造が異なれば、変化量の範囲は異なってくる。本発明での端面における狭い方のリッジの頂部の幅は1.0μm〜2.3μm、広い方のリッジの頂部の幅は2.5μm〜3.6μmである場合には、変化量5%〜30%の範囲で、高出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2の半導体レーザ装置について説明する。
なお、実施の形態1と重複する説明は省略する。
図10(a),(b)は、本発明の半導体レーザ装置の一例を示す上面図および断面図である。図10に示す半導体レーザ装置2は、実施の形態1で示す傾斜基板を用い、層構成は同様であるが、上面図のテーパストライプ構造が実施の形態1と異なっている。リッジの頂部の幅は一方の端面から他方の端面に向かって徐々に大きくなっており、リッジの一方の端面におけるリッジの頂部の中点からリッジの頂部に沿ってリッジの他方の端面に立てた垂線18Aに対して、リッジの一側(リッジ角度が大きいθ2側)はリッジの頂部の幅の変化量が小さく、リッジの他側(リッジ角度が小さいθ1側)はリッジの頂部の幅の変化量が大きい左右非対称の形状をもつテーパストライプ構造となっており、その変化量19はリッジの他方の端面におけるリッジの頂部の中点の位置と、垂線とリッジの他方の端面との交点の位置との差の絶対値として、以下のように定義される。
変化量19(%)=
|{[(他方の端面における頂部の中点)−(一方の端面からの垂線と他方の端面との交差点)]/他方の端面のリッジの頂部の幅}|*100 (式1)
なお、符号18はリッジの一方および他方の各端面におけるリッジの底部の中点どうしを結んだ軸を示す。
このように実施の形態2は、実施の形態1と比べ、変化量が左右逆になっている構造となっている。
このような層構成で、テーパストライプ構造の光路上の一方の端面におけるリッジの頂部の幅を2.0μm、他方の端面のそれを3.0μm、変化量を25%とし、dpを0.2μmとした場合の構造での電流−光出力特性を図11に示す。測定条件は、80℃、パルス幅100ns、デューティ比率50%である。図11に示すように電流−光出力の折れ曲がりであるキンクが光出力約240mWで発生している。
実施の形態1では、発光強度のピーク位置をキャリア濃度の分布の中心に合わせることで、Se、キンクレベルが向上したと説明したが、実施の形態2では、発光強度のピーク位置は、キャリア濃度の分布と大きくずれる方向にあるにもかかわらず、実際には、従来構造よりもキンクレベルが向上している。
これについて考察すると、テーパストライプの変化量が小さい側に対し、光分布の裾野の共振器方向に対する位置は、その変化量が小さいため安定化され、キンクレベルが向上したものと予想される。
図12に変化量を変えた場合のキンクレベルの変化を示す。図12からもわかるように、変化量が25%付近まではキンクレベルが向上し、その後急激に減少するという傾向が見られる。これは、ある変化量までは、テーパストライプの傾斜が小さくなる方向なので、光の分布が安定化され、キンクレベルが向上したものと予想される。しかしながら、ある変化量を過ぎると、発光強度のピーク位置と注入キャリア濃度のピーク位置が大きく離れすぎるため、急激にキンクレベルが低下するものと考えられる。この条件のテーパストライプ構造の場合の変化量に対しては、通常のストライプテーパ構造より、5%〜36%の範囲で緩斜面側にずらした方が好ましいことがわかる。しかしながら、テーパストライプ構造が異なれば、変化量の範囲は異なってくる。本発明での端面における狭い方のリッジの頂部の幅は1.0μm〜2.3μm、広い方のリッジの底部の幅は2.5μm〜3.6μmである場合には、変化量5%〜40%の範囲が望ましい。
以上の実施の形態のように、通常の左右対称テーパストライプ構造より、左右非対称のテーパストライプ構造である方が、Se、キンクレベルの向上が実現できる。さらに、その効果としては、緩斜面側に比べて急斜面側の変化量が大きくした方が絶大であり、より高出力化に適している。
本発明にかかる半導体レーザ装置は、温度特性を向上させるとともに、キンクを減少させることができ、よりより高い出力まで安定した基本横モード発振を行うことができ、光ディスクシステムの分野において光源等として有用である。
本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置を示す模式図である。 先行技術のテーパストライプ構造を有する半導体レーザ装置の一例を示す模式図である。 先行技術のテーパストライプ構造を有する半導体レーザ装置における電流−光出力特性の一例を示す図である。 光路上の一方の端面のリッジの頂部の幅が2.0μm、他方の端面のそれが3.0μmである半導体レーザ装置における、実効屈折率の分布の一例を示す図である。 光路上の一方の端面のリッジの頂部の幅が2.0μm、他方の端面のそれが3.0μmである先行技術の半導体レーザ装置における、強度およびキャリア濃度の分布の一例を示す図である。 光路上の一方の端面のリッジの頂部の幅が2.0μm、他方の端面のそれが3.0μmである本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置における、強度およびキャリア濃度の分布の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置および先行技術の半導体レーザ装置における電流−光出力特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置における変化量−効率特性の一例を示す図である。 従来の半導体レーザ装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の半導体レーザ装置を示す模式図である。 本発明の実施の形態1,2の半導体レーザ装置および先行技術の半導体レーザ装置における電流−光出力特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2の半導体レーザ装置における変化量−キンクレベルの一例を示す図である。
符号の説明
1 半導体レーザ装置
10 n形GaAs基板
11 n形GaAsバッファ層
12 n形(AlGa)InP第1クラッド層
13 活性層
131g (AlGa)InP第1ガイド層
132w GaInP第1ウェル層
133b (AlGa)InP第1バリア層
134w GaInP第2ウェル層
135b (AlGa)InP第2バリア層
136w GaInP第3ウェル層
137g (AlGa)InP第2ガイド層
14 p形(AlGa)InP第2クラッド層
15 p形GaInP保護層
16 n形AlInP電流ブロック層
17 p形GaAsコンタクト層
901 n形GaAs基板
902 n形GaAsバッファ層
903 n形GaInPバッファ層
904 n形(AlGa)InPクラッド層
905 歪量子井戸活性層
906 p形(AlGa)InP第1クラッド層
907 p形GaInPエッチングストップ層
908 p形(AlGa)InP第2クラッド層
909 p形GaInP中間層
910 p形GaAsキャップ層
911 n形GaAs電流ブロック層
912 p形GaAsコンタクト層

Claims (2)

  1. 化合物半導体からなる傾斜基板上に形成され、活性層と前記活性層を挟持する2つのクラッド層とを含み、1つの前記クラッド層がメサ状のリッジを有し、前記リッジの両側に形成され、電流がリッジに狭窄され、かつ、発振光に対して透明な電流ブロック層を有した半導体レーザ装置であって、
    前記リッジの頂部の幅が前記リッジの一方の端面から他方の端面に向かって徐々に大きくなっており、
    前記リッジの一方の端面における前記リッジの頂部の中点から前記リッジの頂部に沿って前記リッジの他方の端面に立てた垂線に対して、前記リッジの一側は前記リッジの頂部の幅の変化量が大きく、前記リッジの他側は前記リッジの頂部の幅の変化量が小さい左右非対称の形状を有し、
    前記リッジの左右の傾斜面はそれぞれ低角度と高角度とを有して非対称であり、前記垂線に対して、前記リッジの前記高角度を有する傾斜面の側は、前記リッジの頂部の幅の変化量が大きく、前記リッジの前記低角度を有する傾斜面の側は、前記リッジの頂部の幅の変化量が小さく、
    前記リッジの一方の端面の頂部の幅は1.0μm〜2.3μmであり、前記リッジの他方の端面の頂部の幅は2.5μm〜3.6μmであり、
    前記リッジの他方の端面における前記リッジの頂部の中点の位置と、前記垂線と前記リッジの他方の端面との交点の位置との距離が、前記リッジの他方の端面の頂部の幅に対し、5%〜30%の範囲であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 出射光が2つ以上ある多波長レーザに搭載していることを特徴とする請求項記載の半導体レーザ装置
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