JP2002352403A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2002352403A
JP2002352403A JP2001155855A JP2001155855A JP2002352403A JP 2002352403 A JP2002352403 A JP 2002352403A JP 2001155855 A JP2001155855 A JP 2001155855A JP 2001155855 A JP2001155855 A JP 2001155855A JP 2002352403 A JP2002352403 A JP 2002352403A
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magnetic
thin
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magnetic core
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Yasuyuki Okada
泰行 岡田
Kazue Kudo
一恵 工藤
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保磁力化した記録媒体に対して十分な記録
能力を有する薄膜磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 電気めっき法において、めっき電位を成
膜中に変調することにより、結晶粒径が膜厚方向に変調
され、かつ保磁力の低減されためっき磁性薄膜を得るこ
とができ、従来軟磁気特性が得られなかった高飽和磁束
密度を示す組成領域においても、良好な軟磁気特性を有
する磁性膜を作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドの
製造方法、薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置に係り、特
に、高記録密度の記録を行うことができる記録・再生分
離型磁気ヘッドの記録部に用いられる誘導型薄膜磁気ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置の高記録密度化に伴
い、高保磁力化した記録媒体に対して十分な記録能力を
有する薄膜磁気ヘッドが要求されている。そのため、こ
れらの磁気ヘッドは、磁気コア材料として飽和磁束密度
(Bs)の大きな材料を用いて構成することが必要であ
る。2.0T以上の高Bsを有し、かつヘッドコア作製
プロセスで用いられる湿式成膜法で作製可能な合金とし
ては、Co−Fe,Co−Ni−Feなどの合金が知ら
れている。たとえば、IEEE Trans. Magn., vol.23,p.29
81には、電気めっき法により成膜したBs=1.9Tを
有するCo−Fe合金に関する記載がある。また、Co
−Ni−Feによる三元系軟磁性薄膜が、例えば特開平
6−89422号公報、特開平6−346202号公報
などに記載されて提案されている。特に、特許第282
1456号では、Co:40〜70重量パーセント、N
i:10〜20重量パーセント、Fe:20〜40重量
パーセントからなる三元系合金を、応力緩和剤を含まな
いめっき浴から成膜することにより、1.9T以上とい
う高いBsを有する軟磁性薄膜を作製している。さら
に、R. M. Bozorth著"Ferromagnetism"(D. Van Nostra
nd Co. Inc., N. Y., (1951), p. 441)には、スパッタ
リング法で作製したより高いBsを有するFe−Co合
金の物性に関して記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高記録密度を有する磁
気ディスク装置を実現するためには、高いBsを有する
磁気ヘッドコア材料を用い、また、記録電流による誘導
電流の変化に俊敏に追随するために、コア材料の保磁力
(Hc)は極力低いことが必要である。さらに、記録ト
ラック幅が狭小化するにつれ、レジストフレームのアス
ペクト比は大きくなる傾向にあることから、レジストフ
レーム内に均一に成膜する為にはめっきに代表される湿
式成膜法を用いて磁気ヘッドコアを作製する必要があ
る。
【0004】Co、Ni及びFeを含む合金において高
いBsを有する組成領域は、結晶構造が体心立方(bc
c)構造を有する領域である。しかしながら、一般にb
cc領域の合金は結晶磁気異方性が大きいこと、結晶粒
径が大きくなりやすいこと、結晶の対称性から結晶粒径
とHcが大きく関係すること、という理由から、磁気ヘ
ッドへの適用に十分な軟磁気特性が得られない。
【0005】特開平2−69906号公報には、bcc
相のCo−Fe軟磁性膜をスパッタ法により作製し、H
c=2Oeと良好な軟磁気特性が得られたとの記載があ
るが、Bsが1.9Tと低いため、高密度記録に対応す
るための記録ヘッド材料としては不充分である。また、
特開平7−3489号公報記載のCo−Ni−Fe合金
は、0.5Oe以下の低Hcを有しているが、面心立方
(fcc)構造を含む組成であるために高いBsを期待
できるものではない。
【0006】以上の公知例からも明らかなように、記録
ヘッドコアの作製プロセスに適用可能な、高Bsかつ低
Hcを有する材料の選択は困難であった。本発明の目的
は、磁気ディスク装置の高記録密度化に伴い、高保磁力
化した記録媒体に対して十分な記録能力を有する薄膜磁
気ヘッド及びそれを用いた磁気ディスク装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来、高いBsを有し、
実質的に体心立方(bcc)構造をとる組成範囲では、
軟磁気特性は不充分であるとの報告が多数ある。本発明
の主旨は、電気めっき法において、通常の5倍以上の高
い電流密度で、めっきの初期段階に高い電位を印加し、
成膜過程で電位を変調させて磁性膜の成膜を行う事によ
って、結晶粒径が膜厚方向に変調されためっき膜を得る
ことができ、その結果Hcの低減が可能となる点にあ
る。本方法によれば、高Bsを有し、なおかつ軟磁気特
性の良好な磁性薄膜を得ることができる。
【0008】高い電流密度でめっきを行うなどの方法
で、物質移動律速の条件下でめっき膜の成膜を行うこと
で、めっき膜の結晶粒が微細化することが一般的に知ら
れているが、一方で結晶粒界が多いため膜断面の耐食性
が劣化するという問題がある。また、結晶粒径の異なる
膜を積層して膜厚方向に結晶粒径の変調を行う場合で
も、めっき中に粒径の異なる層界面が複数生成されるた
め、特にCo−Ni−Feめっき膜を積層して得られる
多層膜については、同様に膜断面の耐食性が劣化する。
【0009】そこで、膜厚方向に結晶粒径を変調させ、
めっき初期の微細な結晶粒により軟磁気特性を向上させ
ることで、結晶粒が粗大になりやすくHcの大きい、b
cc相の組成領域のCo−Ni−Fe膜のHcを低減で
きることが期待され、高いBsを保ったまま、良好な軟
磁気特性及び良好な耐食性を有する磁性薄膜を得ること
ができる。
【0010】本発明による薄膜磁気ヘッドは、下部磁気
コアと、先端部で磁気ギャップを介して下部磁気コアに
対向し後端部で下部磁気コアと結合した上部磁気コア
と、下部磁気コア及び上部磁気コアによって形成される
磁気回路と磁気的に結合したコイルとを備える薄膜磁気
ヘッドにおいて、下部磁気コア及び/又は上部磁気コア
の少なくとも一部がCo,Ni及びFeを含有し、結晶
粒子の粒径が膜厚方向に変調されているめっき磁性膜か
らなることを特徴とする。ここで、結晶粒径が膜厚方向
に変調された構造とは、めっき膜の基板側から表面方向
に向けて、連続的もしくは段階的に結晶粒径が変化して
いる構造をいう。結晶の形状が変化している構造につい
ても、結晶粒径の変調とみなすことができる。
【0011】めっき磁性膜はFe:25重量パーセント
以上、Co:80重量パーセント以下、Ni:20重量
パーセント以下からなり、磁性膜の結晶構造は実質的に
体心立方構造である。図1に示したCo−Ni−Fe磁
性膜の組成とBsの関係から分かるように、この組成領
域の磁性膜は2.0Tより大きい飽和磁束密度を有す
る。
【0012】めっき磁性膜は、Co,Ni及びFeを含
有するスパッタ膜からなるめっき下地膜上に形成するこ
とができる。このような下地膜上にめっき磁性膜を形成
することで磁気コアの磁気特性を向上させることができ
る。めっき磁性膜中の硫黄含有量は0.1重量パーセン
ト以下であるのが好ましい。硫黄含有量が0.1重量パ
ーセントを越えるとBsが低下する。
【0013】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、基板上に下部磁気コアを形成する工程と、コイルを
形成する工程と、先端部で磁気ギャップ膜を介して下部
磁気コアと対向し、後端部で下部磁気コアと結合し、下
部磁気コアとともにコイルと磁気的に結合する上部磁気
コアを形成する工程とを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、下部磁気コアを形成する工程及び/又は上部
磁気コアを形成する工程では、Co,Ni及びFeを含
有するめっき磁性膜を、その結晶粒径を膜厚方向に変調
させて形成することを特徴とする。
【0014】めっき磁性膜は、電流値もしくは電位が連
続的、段階的さらに周期的に変調する電気めっきにより
成膜することができる。めっき電流を直流電流とする場
合には、めっき電流密度を50〜1000A/m2
し、通常の磁性膜めっき条件よりも5倍以上高いめっき
電流条件で成膜する。特にめっき初期過程においてめっ
き電位を高くし、その後電位を小さくするように変調さ
せることにより、膜厚方向に結晶粒径を変調させた構造
を得ることができる。ただし、これはその手段の一例で
あり、その他の手法により結晶粒径を変調させても本発
明の主旨に反するものではない。
【0015】電気めっきのめっき浴には、応力緩和剤と
してサッカリンナトリウムを含有させることができる。
サッカリンナトリウムは高いBsを保ったままめっき膜
の応力を緩和する効果があり、高い物理的安定性が得ら
れる。本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子を
再生素子に用い、記録用素子に誘導型磁気ヘッドを用い
た、記録再生分離型薄膜磁気ヘッドの記録用誘導型磁気
ヘッドとして用いると最適である。
【0016】本発明によると、めっき成膜過程で電位を
変調させた電気めっきにより磁性膜を成膜し、磁性膜の
結晶粒径を膜厚方向に変調することによって、bcc組
成領域のCo−Ni−Feめっき膜のHcを低減するこ
とができる。また、このめっき磁性膜を用いて磁気ヘッ
ドを作製することで、高記録密度を有する磁気ディスク
装置を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 〔実施例1〕表1に、本発明で使用した電気めっき浴組
成の一例を示す。電気めっき浴は、Co、Ni、及びF
eそれぞれのイオン源としてのCoSO4・7H2O、N
iSO4・6H2O、NiCl2・6H2O、及びFeSO
4・5H2Oと、電解質としての塩化ナトリウム、pH緩
衝剤としてのほう酸、及び応力緩和剤としてのサッカリ
ンナトリウムを含む。電解質はめっき浴の導電性を高め
るものであり、pH緩衝剤はめっき工程での浴自身のp
H変動を抑えるものである。これらは同様の作用を持つ
他の物質、たとえば電解質には硫酸アンモニウムなどを
用いてもよい。また、めっきで一般に用いられるラウリ
ル硫酸ナトリウムなどの光沢剤を適宜含んでもよい。
【0018】
【表1】
【0019】本実施例では、ほう酸及び塩化ナトリウム
の濃度を一定とし、めっき膜組成に直接関与するCoイ
オン量を3.5g/L〜10g/L、Niイオン量を
8.0g/L〜10g/L、Feイオン量を0.3g/
L〜3.0g/Lの範囲で変えて検討した。めっき電流
には直流電流を用い、電流密度は50〜1000A/m
2の範囲で変え、特にめっき初期に高い電位を印加して
検討した。電流波形は直流だけでなく、電流のオンとオ
フ、もしくはめっき電流の変調を行わせるようなパルス
波形を用いてもよい。またpHを2.8〜3.8の範囲
で変えて検討した。
【0020】めっき基板には、下地膜としてCo−Ni
−Fe(100nm)/NiCr(5nm)膜を形成し
たガラス基板を用いた。めっき基板の作製は、ガラス基
板上にNiCrをターゲットとしてスパッタ法でNiC
r膜を5nm形成し、その上にCo−Ni−Feをター
ゲットとしてスパッタ法でCo−Ni−Fe膜を100
nm形成することで行った。基板はめっき膜応力に充分
耐えうる物質であればガラス基板に限らず、任意の材料
を用いてもよい。また、NiCr層はめっき下地膜の密
着力を向上させる目的で形成しており、同様な材料で代
用可能である。なお、めっき膜成膜時に、異方性付与の
ため基板面内方向に約24kA/m(300Oe)の外
部磁界を印加した。
【0021】以下、これらの膜の作製条件について詳細
に説明する。表1に示すめっき浴を用い、電流密度を変
化させてCo−Ni−Feめっき膜の成膜を行った。C
o−Ni−Feめっき膜の膜厚は1.0μmとした。図
2は、電流密度によるめっき膜組成の変化挙動について
示しており、以下これについて説明する。電流密度50
〜500A/m2の範囲では、電流密度の増加によりC
oは5重量パーセント減少、Niは6重量パーセント増
加した。Feは300A/m2にピークをもち、7重量
パーセントの変化幅であった。したがって、単一浴から
電流密度を変化させても組成変動はほとんど起こらな
い。
【0022】電流密度を変化させて成膜しためっき膜の
うち、概ねCo:58〜60重量パーセント、Ni:8
〜10重量パーセント、Fe:30〜32重量パーセン
トの組成範囲のめっき膜について、透過型電子顕微鏡
(TEM)を用いて膜表面近傍及び断面方向の結晶粒径
観察を行い、電流密度による結晶粒径変化を確認した。
ここで結晶粒径は、TEM像の撮影範囲に含まれる結晶
粒径を測定し、その平均値を算出したものを表すことと
する。
【0023】図3は異なる電流密度で作製しためっき膜
の表面近傍のTEM像を示し、図4は電流密度450A
/m2でめっきした時のめっき膜/基板界面付近の断面
TEM像を示す。これらのめっき膜の磁化困難軸保磁力
(Hch)と膜表面近傍の結晶粒径との関係を図5に示
し、以下、これについて説明する。図3、図5から分か
るように、電流密度が50A/m2から450A/m2
と増加するに伴って結晶粒径は120nmから80nm
と減少している。一方、基板とめっき膜の界面の結晶粒
径はいずれの電流密度で作製しためっき膜においても2
0nm程度と非常に微細である。また、図4から分かる
ように、めっき膜の成長に伴って結晶粒が大きくなって
おり、結晶粒径は膜厚方向に変調されている。
【0024】また表面近傍の結晶粒径の減少に伴ってH
chも30Oeから15Oeへと減少している。電位を
成膜中に変化させずに作製しためっき膜のHchを、本
発明のめっき膜と比較する。電流密度の増加によってH
chが減少する傾向は電位を変調させた場合と同様であ
るが、その変化幅は小さく、電流密度50A/m2から
450A/m2まで変化させても5Oe程度しか変化し
ていない。したがって、本発明のめっき膜製造方法によ
り、表面近傍の結晶粒径が適切な程度に微細化され、H
chが低減していることは明らかである。Bsについて
は、本実施例で示したいずれのめっき膜においても2.
0Tであることを振動試料型磁力計(VSM)により確
認している。また、これらのめっき膜について耐食性試
験を行い、従来知られている磁極材料と比較したとこ
ろ、46パーマロイ(Ni46Fe54)とほぼ同等の耐食
性を有していることを確認している。
【0025】さらに、これらのめっき膜についてX線回
折分析(XRD)を行ったところ、電流密度の大小にか
かわらず、本条件で作製したいずれのめっき膜も体心立
方格子(bcc)相の(110)面のピークが非常に強
く、結晶構造は実質的にbccである。bcc構造を有
する磁性膜は結晶磁気異方性エネルギーが大きいため、
軟磁気特性に与える異方性の寄与は結晶粒径が大きくな
ると顕著になる。したがってめっき時に高電流密度を印
加することによりめっき初期膜の結晶粒径が微細化し、
さらに膜厚方向に変調された結果、Hcの低減が可能と
なったものと考えられる。
【0026】以上の検討から、高い電流密度を印加して
めっきを行うことによりめっき膜の結晶粒径の制御が可
能となり、その結果、従来軟磁気特性を得ることが難し
い合金組成領域においても良好な軟磁気特性を得ること
が可能となった。これは以下のような理由によるものと
考えられる。
【0027】薄膜の成膜過程においては結晶核生成過程
と結晶成長過程が存在するが、結晶粒径を微細化するた
めには核生成過程を支配的にする必要がある。電気めっ
き法においては、成膜時の過電圧が大きく影響してお
り、過電圧が大きいほど結晶核生成は支配的になりやす
い。
【0028】過電圧を制御する手法としては、本発明に
記載したように高い電流密度を印加し、めっき初期の電
位を高くする方法の他に、めっき液濃度や電流波形も大
きく影響する。たとえば電解質濃度を薄くすることによ
ってめっき浴の抵抗が増加することから、めっき電流値
を一定にした場合にめっき浴濃度によって成膜時の電位
が高い電位側に変化し、結晶核生成の割合を高めること
ができる。したがって結晶粒径を更に微細化することが
期待できる。また電流波形にパルス電流を用いた場合
は、核生成と核成長の比率を変化させることができ、結
晶粒径の微細化だけでなく、図6の右上の模式図に示す
ように成膜途中に結晶粒径を変調させる手段としても有
効である。
【0029】膜厚方向に結晶粒径が変調された構造の例
を図6に示す。本実施例のように結晶粒径が連続的に大
きくなるもの、段階的に大きくなるもの、また結晶粒が
膜厚方向に延びた形状としても、本発明と同様の効果が
得られる。
【0030】〔実施例2〕図7は、本発明の実施例1に
より製造された磁気ヘッドの構成を示す斜視図及び断面
図である(但し、図の拡大倍率は均一では無い)。図7
に示す磁気ヘッドは記録・再生分離型薄膜磁気ヘッドで
ある。
【0031】薄膜磁気ヘッドの作製工程について以下図
面を用いて説明する。基板上に下部シールド7を形成
し、その上に磁気抵抗効果素子3および電極4を成膜
し、再生用ヘッドを形成する。このヘッドに重ねられて
配置される上部シールドを兼ねる下部磁気コア8を作製
した後に磁気ギャップを形成し、上部コア先端部5、コ
イル1をそれぞれ形成した後に、下部磁気コア8と接続
される上部磁気コア後端部6を形成することにより記録
ヘッドを作製する。
【0032】この工程のうち、記録用ヘッドを構成する
上部磁気コア先端部5と上部コア後端部6とは、前述し
た本発明の実施例1のめっき浴を用いて、フレームめっ
き法により形成され、形成後、記録トラック幅方向への
印加磁界を160kA/m(2kOe)として、処理温
度を230℃とした条件で、1時間の熱処理を施した。
なお、形成した上部磁気コアは磁気ヘッドの製造プロセ
スにおいて腐食が見られず、良好な耐食性を有してい
た。
【0033】このようにして製造された磁気ヘッドを磁
気ディスク装置に組み込んで記録性能を評価した結果、
良好なオーバーライト特性を得た。なお、磁気ディスク
装置の詳細構造についての説明は省略するが、従来と同
様の構造を有する磁気ディスク装置の記録・再生分離型
磁気ヘッドの記録用の薄膜磁気ヘッドとして、本実施例
により製造した薄膜磁気ヘッドを組み込んで磁気ディス
ク装置を構成した。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、従来法で作製した
2.0T以上という高いBsを有するCo−Ni−Fe
軟磁性材料膜は、Hcが大きいため良好な軟磁気特性を
得ることが困難であったが、本発明によれば2.0T以
上のBsを保ったままHcを15Oeまで低減すること
が可能となった。本手法はさらに高いBsを有するCo
−Ni−Fe合金組成にも応用することができ、該軟磁
性材料膜を磁気コアに使用した薄膜磁気ヘッドを搭載す
ることで、100Gb/in2以上の面記録密度を有す
る磁気ディスク装置を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Co−Ni−Fe磁性膜の組成とBsの関係を
示す図。
【図2】単一浴から作製した電流密度による膜組成変化
挙動を示す図。
【図3】異なる電流密度で作製しためっき膜のTEM
像。
【図4】本発明の手法により作製しためっき磁性膜の断
面TEM像。
【図5】困難軸保磁力と膜表面近傍の結晶粒径の電流密
度依存性を示す図。
【図6】膜厚方向に結晶粒径が変調された構造の模式
図。
【図7】本発明の実施の形態における面内記録型磁気ヘ
ッドの概略図。
【符号の説明】 1…導体コイル、2…絶縁膜、3…巨大磁気抵抗効果
膜、4…電極、5…上部磁気コアの先端部、6…上部磁
気コアの後端部、7…下部シールド、8…下部磁気コア
兼上部シールド
フロントページの続き (72)発明者 星屋 裕之 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 4K023 AB19 BA06 CB09 DA02 DA07 4K024 AA14 AB02 AB15 BA15 BB14 CA01 CA02 CA06 DA09 5D033 BA03 BA07 CA01 DA04 DA31 5E049 AA04 BA12 FC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部磁気コアと、先端部で磁気ギャップ
    を介して前記下部磁気コアに対向し後端部で前記下部磁
    気コアと結合した上部磁気コアと、前記下部磁気コア及
    び上部磁気コアによって形成される磁気回路と磁気的に
    結合したコイルとを備える薄膜磁気ヘッドにおいて、前
    記下部磁気コア及び/又は上部磁気コアの少なくとも一
    部がCo,Ni及びFeを含有し、結晶粒子の粒径が特
    に磁性膜の基体側で小さく、磁性膜の表面側で大きい、
    膜厚方向に変調された結晶粒子の粒径変調構造を有する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、前記めっき磁性膜はFe:25重量パーセント以
    上、Co:80重量パーセント以下、Ni:20重量パ
    ーセント以下からなり、該磁性膜の結晶構造が実質的に
    体心立方構造であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の薄膜磁気ヘッドに
    おいて、前記めっき磁性膜の飽和磁束密度が2.0Tよ
    り大きいことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 基板上に下部磁気コアを形成する工程
    と、コイルを形成する工程と、先端部で磁気ギャップ膜
    を介して下部磁気コアと対向し、後端部で下部磁気コア
    と結合し、前記下部磁気コアとともに前記コイルと磁気
    的に結合する上部磁気コアを形成する工程とを含む薄膜
    磁気ヘッドの製造方法において、前記下部磁気コアを形
    成する工程及び/又は上部磁気コアを形成する工程で
    は、Co,Ni及びFeを含有するめっき磁性膜を、そ
    の結晶粒径が特に磁性膜の基体側で小さく、磁性膜の表
    面側で大きい、膜厚方向に変調された結晶粒子の粒径変
    調構造を有して形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法において、前記めっき磁性膜の形成に当たり、めっき
    電流の平均電流密度を50〜1000A/m 2とするこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法において、前記めっき磁性膜形成の特に初期過程にお
    いてめっき電位が高いことを特徴とする薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法において、前記めっき磁性膜の形成に当たり、めっき
    電流の電流値及び/または電位を連続的、段階的あるい
    は周期的に変調することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
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