JP2002350451A - 自動分析装置、自動分析システム、自動分析装置管理方法および消耗品管理方法 - Google Patents

自動分析装置、自動分析システム、自動分析装置管理方法および消耗品管理方法

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JP2002350451A
JP2002350451A JP2001156183A JP2001156183A JP2002350451A JP 2002350451 A JP2002350451 A JP 2002350451A JP 2001156183 A JP2001156183 A JP 2001156183A JP 2001156183 A JP2001156183 A JP 2001156183A JP 2002350451 A JP2002350451 A JP 2002350451A
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Shigeki Yoshihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験精度を維持すること。 【解決手段】 自動分析装置101は、バーコードリー
ダ301が、臨床検査ないし化学分析に関する消耗品情
報を入力し、消耗品情報格納部362が、入力された消
耗品情報を格納し、試験実績格納部363が、従前にお
こなわれた臨床検査ないし化学分析の試験実績を格納
し、試験内容入力部302が、新たな臨床検査ないし化
学分析の試験項目と試験数を入力し、中央制御部308
が、試験実績格納部363に格納された消耗品情報と、
試験実績格納部363に格納されている試験実績と、試
験内容入力部302により入力された試験項目と試験数
に基づいて、臨床検査ないし化学分析を実行した場合に
試験結果の精度が保証できるか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動分析装置、自
動分析システム、自動分析装置管理方法および消耗品管
理方法に関し、特に、消耗品を含め総合的な管理が可能
な自動分析装置、自動分析システム、自動分析装置管理
方法および消耗品管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査ないし化学分析に用いられる自
動分析装置は、装置内に多数(たとえば数十個〜数百
個)の検体をセットし、各試験項目の検査を自動的にお
こない、試験結果を表示ないしプリントアウトすること
ができる。分析に用いた消耗品は自動的に排出され、試
験装置内の各部の洗浄も自動的におこなわれる。すなわ
ち、自動分析装置は、検体、および、試薬等の消耗品を
セットするだけで、ほとんど人手を介することなく所望
の試験結果を入手でき、かつ、試験の後始末までおこな
う。
【0003】自動分析装置は、試薬等を変えることによ
り、一台で種々の分析をおこなうことができる。たとえ
ば、自動分析装置は、ラテックス免疫比濁法、免疫比濁
法、比色法を用いて、免疫/生化学/凝固/グルコース
分析/電解質分析等もおこなうことができる。
【0004】自動分析装置は、その筐体の大きさの制約
や、試験項目の多さ、使用する試薬類のコストという観
点から、調べる検体の量を微少量(時として、1検体の
量が数μl程度)としている。
【0005】以上のように、従来の自動分析装置は、1
検体の量を少なくしつつ一度に多数の検体を同一条件下
で分析でき、かつ、全自動で結果を出力する非常に利便
性の高い装置であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では以下の問題点があった。すなわち、分析に用い
る消耗品の管理が分析装置内で十分にされていないた
め、試験精度を維持できないもしくは試験精度を保証で
きない場合が発生するという問題点があった。たとえ
ば、分析に用いる試薬類はロット毎に精度管理のための
微調整が成されておりロットの異なる試薬が継ぎ足され
ると精度が保てない場合や、有効期限が過ぎた試薬類を
知らずに誤って用いることにより本来の精度が保てない
場合が発生していた。
【0007】また、メーカが指定していない消耗品を使
用することで精度が維持できない場合や、自動分析装置
に使用される洗剤の種類が多く、かつ、同時に使用され
るため、誤ったところに充填してしまうと十分な洗浄効
果が得られず結果として試験精度が維持できない場合等
が発生していた。特に、他メーカ製の試薬が用いられる
と、試験精度が非常に不安定になるという問題点があっ
た。換言すると、人為的な消耗品の管理ミスで試験の信
頼性が低くなる場合があるという問題点があった。
【0008】また、この問題点を解消すべく、試薬の提
供側では試験精度を保証する装置の機種を指定したり、
反対に、装置の提供側では試験精度を保証する試薬種類
に関する情報を提供したりしている。しかしながら、試
薬は有効期限内につぎ足しなしで使い切ることを前提と
したものであり、各々の試験精度が保証されている場合
でもロットの異なる試薬をつぎ足して使用した場合は、
試験結果の揺らぎが大きくなるという問題点があった。
【0009】この問題点は、一般的な経験則としても知
られているにもかかわらず、依然として解決されていな
かった。換言すると、自動分析装置のマルチユーザマル
チパーパスという性質上、2種以上のロットの試薬をつ
ぎ足して使用してはならない原則やメーカ推奨消耗品の
使用励行が維持しにくいという問題点があった。
【0010】また、近年では、包括的な試験管理をおこ
ないたいという要請が出てきている。自動分析装置は、
上述したように、すべての試験工程を自動化している。
従って、試験効率の観点から、たとえば、検体に使用す
るカップや、装置に用いる定期交換部品(シリンジ、パ
ッキン、ハロゲンランプ、熱線カットフィルター、プロ
ーブ)など、多種多様の物品が使い捨ての消耗品という
構成となっている。よって、消費される消耗品が多数に
上るので、試験をおこなう側から、消耗品の在庫管理を
おこない、また、コスト計算を試験毎におこないたいと
いう要請が出てきている。
【0011】しかしながら、従来では、試験項目が試験
毎に異なっていたり、担当の試験官が試験毎に異なって
いたりして、必ずしも在庫管理ひいては試験費用管理が
十分にできていないという問題点があった。特に、ユー
ザが複数いる場合は、相互に在庫確認をおこなう必要が
あったが、この様な手間を省き、常に在庫はあるものと
して円滑に試験をおこないたいという要請があった。
【0012】また、従来では、自動分析装置メーカと消
耗品メーカ(たとえば試薬メーカ)が異なるため、消耗
品(試薬)の生産管理がうまく調整できず、使用期限切
れの試薬が発生してしまうなど、消耗品コスト(試薬コ
スト)が適正価格以上となってしまうという問題点もあ
った。換言すると、試験コストが高くなるという問題点
があった。
【0013】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、試験精度を維持し、試験結果の信頼性を向上させる
ことを目的とする。
【0014】また、在庫管理による検査ないし分析の円
滑化を図ることを目的とする。
【0015】また、生産調整による消耗品の管理をおこ
なうことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の自動分析装置は、医学分野、生
物分野、化学分野における臨床検査ないし化学分析に用
いられる自動分析装置であって、臨床検査ないし化学分
析に関する消耗品の情報を入力する消耗品情報入力手段
と、前記消耗品情報入力手段により入力された消耗品の
情報を格納する消耗品情報格納手段と、従前におこなわ
れた臨床検査ないし化学分析の試験実績を格納する試験
実績格納手段と、新たな臨床検査ないし化学分析の試験
項目と試験数を入力する試験内容入力手段と、前記消耗
品情報格納手段により格納された消耗品の情報と、前記
試験実績格納手段により格納された試験実績と、前記試
験内容入力手段により入力された試験項目と試験数に基
づいて、臨床検査ないし化学分析を実行した場合に試験
結果の精度が保証できるか否かを判定する試験精度判定
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】すなわち、請求項1にかかる発明は、消耗
品と試験内容を共に管理する。
【0018】また、請求項2に記載の自動分析装置は、
請求項1に記載の自動分析装置において、前記試験精度
判定手段により試験結果の精度が保証できないと判定さ
れた場合に、前記試験内容入力手段により入力された試
験項目と試験数にかかる前記新たな臨床検査ないし化学
分析の実行を禁止する試験禁止手段を備えたことを特徴
とする。
【0019】すなわち、請求項2にかかる発明は、試薬
のつぎ足しや、保証されていない消耗品の組合せなど、
正常でないもしくは保証のされていない消耗品の使用を
禁止し、試験精度を維持することができる。
【0020】また、請求項3に記載の自動分析装置は、
請求項1または2に記載の自動分析装置において、前記
消耗品情報格納手段により格納された消耗品の情報と、
前記試験実績格納手段により格納された試験実績と、前
記試験内容入力手段により入力された試験項目と試験数
に基づいて、消耗品の補充要請もしくは交換要請に関す
る情報を送出する要請情報送出手段を備えたことを特徴
とする。
【0021】すなわち、請求項3にかかる発明は、在庫
管理を通じて、消耗品不足の発生が防止でき、検査ない
し分析を円滑におこなうことができる。
【0022】また、請求項4に記載の自動分析装置は、
請求項1、2または3に記載の自動分析装置において、
消耗品の情報が、品名、ロット番号、シリアル番号、
量、耐用回数もしくは有効期限、価格に関する情報であ
ることを特徴とする。
【0023】すなわち、請求項4にかかる発明は、消耗
品を品名、ロット番号、シリアル番号で管理でき、試験
実績に基づいて消耗品の残量管理や交換時期の管理がで
き、また、コスト管理も可能となる。
【0024】また、請求項5に記載の自動分析装置は、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置にお
いて、消耗品の情報が1次元バーコードもしくは2次元
バーコードにより表現され、前記消耗品情報入力手段を
バーコードリーダとしたことを特徴とする。
【0025】すなわち、請求項5にかかる発明は、消耗
品自体もしくは消耗品の包装に付されているバーコード
により瞬時に消耗品の情報を入力する。
【0026】また、請求項6に記載の自動分析装置は、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置にお
いて、消耗品の情報を1次元バーコードもしくは2次元
バーコードとして発行するバーコード発行手段を備えた
ことを特徴とする。
【0027】すなわち、請求項6にかかる発明は、消耗
品の情報をバーコードとして発行し、バーコードが付さ
れていない消耗品を使用する場合であっても、バーコー
ド管理が可能になり、装置の作業効率を向上させること
ができる。
【0028】また、請求項7に記載の自動分析装置は、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動分析装置にお
いて、前記消耗品情報入力手段により入力された消耗品
の情報と、前記試験内容入力手段により入力された試験
項目と試験数に基づいて、臨床検査ないし化学分析を実
行した場合の試験費用を算出する試験費算出手段を備え
たことを特徴とする。
【0029】すなわち、請求項7にかかる発明は、従来
では、試験項目、消耗品種類、消耗品数が膨大な数であ
り、試験費用の手計算が煩雑であったところ、既に入力
してある消耗品情報に基づいて容易に試験費用を算出す
ることができる。
【0030】また、請求項8に記載の自動分析装置は、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の自動分析装置にお
いて、試験中のエラーを検知するエラー検知手段と、前
記エラー検知手段によりエラーが検知された場合に、装
置の状態を取得する装置状態取得手段と、前記エラー検
知手段により検知されたエラーに関する情報と、前記装
置状態取得手段により取得された装置の状態に関する情
報を送出するエラー状態送出手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0031】すなわち、請求項8にかかる発明は、障害
時における装置状態を把握する。
【0032】また、請求項9に記載の自動分析システム
は、請求項3に記載の自動分析装置がネットワークを介
して管理装置と接続している自動分析システムであっ
て、前記管理装置が、前記要請情報送出手段により送出
された補充要請もしくは交換要請に関する情報を受信す
る要請情報受信手段と、前記要請情報受信手段により受
信された情報に基づいて、補充もしくは交換すべき消耗
品を発注する発注手段と、を備えたことを特徴とする。
【0033】すなわち、請求項9にかかる発明は、管理
装置側で在庫管理をするので、自動分析装置を使用する
側(ユーザ)の在庫管理の手間を省きつつ、臨床検査な
いし化学分析を円滑におこなうことができる。
【0034】また、請求項10に記載の自動分析システ
ムは、請求項3に記載の自動分析装置が複数台ネットワ
ークを介して管理装置と接続している自動分析システム
であって、前記管理装置が、前記要請情報送出手段から
送出された補充要請もしくは交換要請に関する情報を受
信する要請情報受信手段と、前記要請情報受信手段によ
り受信された情報を格納する要請情報格納手段と、前記
要請情報格納手段により格納された情報に基づいて、消
耗品の消費履歴を導出する消費履歴導出手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0035】すなわち、請求項10にかかる発明は、消
耗品に関する大局的な消費傾向を把握することができ、
消耗品の生産計画に資することができる。
【0036】また、請求項11に記載の自動分析システ
ムは、請求項10に記載の自動分析システムにおいて、
前記管理装置が、前記消費履歴導出手段により導出され
た消耗品の消費履歴から消耗品の消費量を予測する消費
量予測手段を備えたことを特徴とする。
【0037】すなわち、請求項11にかかる発明は、消
耗品の生産計画が可能になる。また、生産計画が可能と
なることで、試験精度が保証された消耗品を安価に提供
することができる。
【0038】また、請求項12に記載の自動分析システ
ムは、請求項11に記載の自動分析システムにおいて、
前記管理装置が、前記消費量予測手段により予測された
消費量に基づいて消耗品を発注する発注手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0039】すなわち、請求項12にかかる発明は、消
耗品を提供する側の在庫管理の手間を省くことができ
る。
【0040】また、請求項13に記載の自動分析装置管
理方法は、医学分野、生物分野、化学分野における臨床
検査ないし化学分析に用いられる自動分析装置管理方法
であって、臨床検査ないし化学分析に関する消耗品の情
報を入力する消耗品情報入力工程と、前記消耗品情報入
力工程で入力された消耗品の情報を格納する消耗品情報
格納工程と、従前におこなわれた臨床検査ないし化学分
析の試験実績を格納する試験実績格納工程と、新たな臨
床検査ないし化学分析の試験項目と試験数を入力する試
験内容入力工程と、前記消耗品情報格納工程で格納され
た消耗品の情報と、前記試験実績格納工程で格納された
試験実績と、前記試験内容入力工程で入力された試験項
目と試験数に基づいて、臨床検査ないし化学分析を実行
した場合に試験結果の精度が保証できるか否かを判定す
る試験精度判定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0041】すなわち、請求項13にかかる発明は、消
耗品と試験内容を共に管理する。
【0042】また、請求項14に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13に記載の自動分析装置管理方法に
おいて、前記試験精度判定工程で試験結果の精度が保証
できないと判定された場合に、前記試験内容入力工程で
入力された試験項目と試験数にかかる前記新たな臨床検
査ないし化学分析の実行を禁止する試験禁止工程を含ん
だことを特徴とする。
【0043】すなわち、請求項14にかかる発明は、試
薬のつぎ足しや、保証されていない消耗品の組合せな
ど、正常でないもしくは保証のされていない消耗品の使
用を禁止し、試験精度を維持することができる。
【0044】また、請求項15に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13または14に記載の自動分析装置
管理方法において、前記消耗品情報格納工程で格納され
た消耗品の情報と、前記試験実績格納工程で格納された
試験実績と、前記試験内容入力工程で入力された試験項
目と試験数に基づいて、消耗品の補充要請もしくは交換
要請に関する情報を送出する要請情報送出工程を含んだ
ことを特徴とする。
【0045】すなわち、請求項15にかかる発明は、在
庫管理を通じて、消耗品不足の発生が防止でき、検査な
いし分析を円滑におこなうことができる。
【0046】また、請求項16に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13、14または15に記載の自動分
析装置管理方法において、消耗品の情報が、品名、ロッ
ト番号、シリアル番号、量、耐用回数もしくは有効期
限、価格に関する情報であることを特徴とする。
【0047】すなわち、請求項16にかかる発明は、消
耗品を品名、ロット番号、シリアル番号で管理でき、試
験実績に基づいて消耗品の残量管理や交換時期の管理が
でき、また、コスト管理も可能となる。
【0048】また、請求項17に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13〜16のいずれか一つに記載の自
動分析装置管理方法において、消耗品の情報が1次元バ
ーコードもしくは2次元バーコードにより表現され、前
記消耗品情報入力工程ではバーコードリーダを用いて消
耗品の情報を入力することを特徴とする。
【0049】すなわち、請求項17にかかる発明は、消
耗品自体もしくは消耗品の包装に付されているバーコー
ドにより瞬時に消耗品の情報を入力する。
【0050】また、請求項18に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13〜17のいずれか一つに記載の自
動分析装置管理方法において、消耗品の情報を1次元バ
ーコードもしくは2次元バーコードとして発行するバー
コード発行工程を含んだことを特徴とする。
【0051】すなわち、請求項18にかかる発明は、消
耗品の情報をバーコードとして発行し、バーコードが付
されていない消耗品を使用する場合であっても、バーコ
ード管理が可能になり、装置の作業効率を向上させるこ
とができる。
【0052】また、請求項19に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13〜18のいずれか一つに記載の自
動分析装置管理方法において、前記消耗品情報入力工程
で入力された消耗品の情報と、前記試験内容入力工程で
入力された試験項目と試験数に基づいて、臨床検査ない
し化学分析を実行した場合の試験費用を算出する試験費
算出工程を含んだことを特徴とする。
【0053】すなわち、請求項19にかかる発明は、従
来では、試験項目、消耗品種類、消耗品数が膨大な数で
あり、試験費用の手計算が煩雑であったところ、既に入
力してある消耗品情報に基づいて容易に試験費用を算出
することができる。
【0054】また、請求項20に記載の自動分析装置管
理方法は、請求項13〜19のいずれか一つに記載の自
動分析装置管理方法において、試験中のエラーを検知す
るエラー検知工程と、前記エラー検知工程でエラーが検
知された場合に、装置の状態を取得する装置状態取得工
程と、前記エラー検知工程で検知されたエラーに関する
情報と、前記装置状態取得工程で取得された装置の状態
に関する情報を送出するエラー状態送出工程と、を含ん
だことを特徴とする。
【0055】すなわち、請求項20にかかる発明は、障
害時における装置状態を把握する。
【0056】また、請求項21に記載の消耗品管理方法
は、請求項3に記載の自動分析装置に適用する消耗品管
理方法であって、前記要請情報送出手段から送出された
補充要請もしくは交換要請に関する情報を受信する要請
情報受信工程と、前記要請情報受信工程で受信された情
報に基づいて、補充もしくは交換すべき消耗品を発注す
る発注工程と、を含んだことを特徴とする。
【0057】すなわち、請求項21にかかる発明は、自
動分析装置以外の場所で在庫管理をし、自動分析装置を
使用する側での在庫管理の手間を省きつつ、臨床検査な
いし化学分析を円滑におこなうことができる。
【0058】また、請求項22に記載の消耗品管理方法
は、請求項3に記載の自動分析装置が複数台存在する場
合の消耗品管理方法であって、前記要請情報送出手段か
ら送出された補充要請もしくは交換要請に関する情報を
受信する要請情報受信工程と、前記要請情報受信工程で
受信された情報を格納する要請情報格納工程と、前記要
請情報格納工程で格納された情報に基づいて、消耗品の
消費履歴を導出する消費履歴導出工程と、を含んだこと
を特徴とする。
【0059】すなわち、請求項22にかかる発明は、消
耗品に関する大局的な消費傾向を把握することができ、
消耗品の生産計画に資することができる。
【0060】また、請求項23に記載の消耗品管理方法
は、請求項22に記載の消耗品管理方法において、前記
消費履歴導出工程により導出された消耗品の消費履歴か
ら消耗品の消費量を予測する消費量予測工程を含んだこ
とを特徴とする。
【0061】すなわち、請求項23にかかる発明は、消
耗品の生産計画が可能になる。また、生産計画が可能と
なることで、試験精度が保証された消耗品を安価に提供
することができる。
【0062】また、請求項24に記載の消耗品管理方法
は、請求項23に記載の消耗品管理方法において、前記
消費量予測工程で予測された消費量に基づいて消耗品を
発注する発注工程を含んだことを特徴とする。
【0063】すなわち、請求項24にかかる発明は、消
耗品を提供する側の在庫管理の手間を省くことができ
る。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。ここでは、自動分析装
置がネットワークを介して管理装置と接続している自動
分析システムを例に、本発明の自動分析装置と消耗品の
管理方法について説明する。
【0065】図1は、本発明の自動分析システムの外観
構成図である。自動分析システム100は、臨床検査な
いし化学分析をおこなう自動分析装置101と、自動分
析装置101を管理する管理装置102と、自動分析装
置101と管理装置102を接続するネットワーク10
3と、から構成される。なお、管理装置102には、自
動分析装置101が複数接続されているが、以降の説明
では、特に断らない限り、単一の自動分析装置101に
ついて説明する。ここでは、まず、自動分析装置につい
て説明し、次に、管理装置、最後にネットワークの形態
について説明する。
【0066】(自動分析装置の内容)図2は、自動分析
装置101の外観の一例を示した説明図である。この例
では、免疫/生化/凝固項目等の測定が可能な自動分析
装置を説明する。自動分析装置101は、分析部201
と、消耗品格納部202と、解析部203と、表示部2
04と、バーコードリーダ205とを有する。なお、符
号206は、ネットワーク103に接続する電話線を示
す。
【0067】詳細な説明は後述するが、分析部201
は、反応容器に入った検体に試薬を滴下し分光分析、吸
光分析等をおこない、比色分析、比濁分析をおこなう。
図示は省略するが、分析部201は、反応容器を自動搬
送し、また、必要に応じて、未使用の反応容器を分析通
路に誘導搬送する。さらに、試験の終了した反応容器を
所定の廃材庫に仕分け廃棄する。このほか、分析部20
1は、予め格納されている洗浄剤を用いて、プローブ等
を洗浄し、次の試験に支障の無いように装置内部を洗浄
する。
【0068】消耗品格納部202は、臨床検査ないし化
学分析に使用する各種の消耗品を格納する。消耗品は大
きく分けて4種類存在する。試薬類、洗浄剤類、容器
類、定期交換部品である。
【0069】まず、試薬類としては、たとえば、測定試
薬(IgG,IgA,IgM,C3,C4)や希釈溶液
ないし緩衝液(純水、生理食塩水、pH調整液)が挙げ
られる。容器類としては、検体用容器、反応容器が挙げ
られる。また、定期交換部品としては、各種チューブ、
パッキン、乾燥ノズル、ハロゲンランプ、セルワイパ
ー、熱線カットフィルター、プローブ、ミキサー、ポン
プチューブが挙げられる。
【0070】消耗品格納部202には、この様な消耗品
のうち、特に、試薬類、洗浄剤類および容器類が所定の
設置場所に設置される。直近の試験に使用する試薬類に
は、ボトルの上から吸引チューブを差し込み、定量滴下
に備える。同様に、直近の試験に使用する検体用容器に
ついては、自動搬送用ルートに設置する。なお、この自
動搬送用ルートに設置された検体用容器は、前述した消
耗品格納部202によりそれぞれの試験工程における定
位置に搬送される。
【0071】解析部203は、分析部201で得られた
分析結果に基づいて、試験項目の内容を解析する。たと
えば、分析部201で、ある試薬A(酵素標識試薬)に
別の試薬B(発色基質)を滴下したときに検体中に存在
する抗原と試薬A、試薬Bが免疫複合体を形成し、試薬
Aに結合された酵素の作用で、有色化合物Cが形成さ
れ、比色分析で検体中の抗原を定量する。特に、血液検
査では試験項目が多く、途中の試薬が共通するような場
合もあるので、中途の結果を順次格納しておき、解析部
203が所定の算出式を用いて各種の結果を一括して出
力する。
【0072】表示部204は、各種の情報を出力表示す
る。表示項目としては、試験名、試験項目、試験日、試
験数(検体数)、試験の進行状況(試験の予定終了時
間)、使用試薬(品名、ロット番号、シリアル番号、有
効期限)が挙げられる。このほか、試験中にエラー(障
害)が発生した場合には、エラー内容、装置状態、復旧
手続のための操作手順も表示する。
【0073】表示部204は、さらに、消耗品の在庫状
況も通知する。たとえば、検体用容器cが、現在おこな
っている試験については十分な量あるが、同様な試験が
あと2回続くと、在庫がなくなってしまうというような
表示(警告表示)もおこなう。また、試薬は原則として
メーカより供給された試薬ボトル毎の使い切りであるの
で、新たな試験について、同一シリアル番号の試薬が使
われようとしている場合には、ユーザの何らかの誤動作
で不適切な試薬を使用する危険性があり、試験精度が維
持できない旨の警告も表示する。なお、この同一シリア
ル番号の試薬か否かの判断は、次に説明するバーコード
リーダ205によるシリアル番号の読み取り結果によっ
て判断される。
【0074】バーコードリーダ205は、消耗品の情報
(以降では適宜消耗品情報と称する)を読み取る。具体
的には、前述したように、バーコードにより埋め込まれ
ている情報(品名、メーカ名、ロット番号、シリアル番
号、量、耐用回数もしくは有効期限、価格に関する情
報)を読み込む。なお、本実施の形態のバーコードリー
ダ205は後述するように2次元バーコードを読み取る
バーコードリーダとする。
【0075】なお、バーコードは一次元情報であり、バ
ーコードを発展させて2次元に拡張されたコードは2次
元コードと称されるが、本願においては、適宜2次元バ
ーコードと称するものとする。また、2次元バーコード
(2次元コード)を読み取る読取装置も特に2次元コー
ドリーダと称さずバーコードリーダと称することとす
る。
【0076】なお、表示部204は、バーコードリーダ
205による各種読み取り結果を対話的に表示する。た
とえば、消耗品もしくは消耗品の包装に付されたバーコ
ードを読み取った結果(品名、メーカ名、ロット番号、
シリアル番号、量、耐用回数もしくは有効期限、価格に
関する情報)も確認表示する。
【0077】なお、本願出願人は、自動分析装置と、試
薬を含めて各種消耗品を共に提供するためバーコードリ
ーダと2次元バーコード(読み取らせるべき情報)との
対応を一致させることができるが、他のメーカの試薬を
使う場合は、必ずしも2次元バーコードが使用されてい
るとは限られず、場合によっては、バーコードの付され
ていない消耗品が使用される場合もある。従って、後述
するように、自動分析装置101は、バーコード発行部
を設け、2次元バーコードでない場合、上述した消耗品
の情報を織り込んだ2次元バーコードを発行し、2回目
以降の試験に関しては、入力の手間を省く仕様としてい
る。
【0078】電話線206は、管理装置102との間で
各種の情報を送受信する。具体的な情報の内容について
は後述するが、電話線206は、自動分析装置101の
障害情報や、消耗品の補充要請もしくは交換要請に関す
る情報を送信する際に使用される。また、管理装置10
2からは、障害を復旧する復旧情報を送信し、管理装置
102の制御による自動復旧に資する。
【0079】次に、自動分析装置101の構成を、ブロ
ック図を基に説明する。図3は、自動分析装置101の
内部構成を中心に示したブロック図である。自動分析装
置101は、バーコードリーダ301と、試験内容入力
部302と、消耗品格納部303と、分析部304と、
データ解析部305と、データ格納部306と、表示部
307と、中央制御部308と、通信部309と、バー
コード発行部310と、を有する。なお、図3に示した
バーコードリーダ301、消耗品格納部303、分析部
304、データ解析部305、表示部307は、図2に
示したバーコードリーダ205、消耗品格納部202、
分析部201、解析部203、表示部204と同一のも
のであるが、ここでは便宜的に異なる符号を付してい
る。
【0080】次に、自動分析装置101の各部について
説明する。バーコードリーダ301は、消耗品自身もし
くは消耗品の包装に付されているバーコードを読み取
り、中央制御部308の制御の下、データ格納部306
中の消耗品情報格納部362に消耗品情報を格納する。
バーコードリーダ301は2次元コードを読み取る構成
としている。
【0081】2次元コードは、スタック型2次元コード
およびマトリックス型2次元コードのどちらの型を用い
てもよい。バーコードが一方向だけにしか情報を持たな
いのに対し、2次元コードは、水平垂直方向に情報を持
っている。このため、面積効率が、バーコードの数十倍
から数百倍のデータ表現を生み出し、自動分析装置10
1で扱う消耗品情報を効率的に入力することが可能とな
る。
【0082】図4は、スタック型2次元コードのうち、
代表的なコードとして、CODE49、PDF417の
例を示した図であり、図5は、マトリックス型2次元コ
ードのうち、代表的なコードとして、VERICOD
E、DATA CODE、QRCODE、Micro
QR CODEの例を示した図である。
【0083】図4に示したCODE49は、Inter
mec社(米国)により1984年に発表され、PDF
417は、Symbol Technologies社
(米国)により1984年に発表された。図5に示した
VERICODEは、VERITEC社(米国)により
1982年に発表され、DATA CODEは、I.
D.MATRIX社(米国)により1987年に発表さ
れ、QR CODEおよびMicro QRは、デンソ
ー(日本)により1995年に発表された。
【0084】2次元コードの特徴を図6に示す。2次元
コードは、データ量の大きさのほかに、読取方向性に依
存しないという特徴がある。このほか、2次元コードの
特徴としては、誤り訂正機能を備えるため誤読率が極め
て低く、歪み補正機能を有する点が挙げられる。誤り訂
正機能とは、コードに対する汚れや欠損等に対してデー
タを復元する機能であり、たとえば、リードソロモン方
式を採用することにより達成できる。
【0085】歪み補正機能とは、各コードともタイミン
グパターンを有しており、歪みによって生じるセル(ド
ット)の位置ずれを補正する機能をいう。この機能によ
り、曲面に印刷されたコードの読み取りがバーコードに
比べて容易となる。この点からも、種々の包装形態が採
用されている消耗品の情報を入力する際に2次元コード
は利便性が高い。
【0086】本実施の形態では、QR CODEを用い
る。なお、使用の態様によっては、1次元コード(バー
コード)を用いてもよい。バーコードリーダ301は、
主として、消耗品を新たに自動分析装置101に設置な
いし格納する際に使用する。図2に示したように、バー
コードリーダ301(バーコードリーダ205)は、ハ
ンディタイプであり、消耗品格納部303に設置ないし
格納する際に、QRCODEを読み込み、後述する在庫
管理に資する。
【0087】次に、試験内容入力部302について説明
する。試験内容入力部302は、たとえばキーボードに
より構成され、試験内容を入力する。試験内容とは、試
験項目と試験数をいう。また、場合によっては、試験
日、試験名、試験数(検体数)、使用試薬、使用洗浄
剤、使用容器等を入力する。なお、このうち、たとえば
試験日は自動分析装置101に内蔵された時計等から自
動取得してもよい。また、使用試薬や使用洗浄剤につい
ては試験項目を入力した時点で自動的に決定されるもの
を使用する場合であれば入力を省略することができる。
また、試験名には、よく試験する項目を、たとえば、標
準免疫試験1〜標準免疫試験5の様に予め登録してお
き、その番号を選択するだけで試験内容を入力する態様
としてもよい。
【0088】次に、消耗品格納部303について説明す
る。消耗品格納部303は、交換部品格納部331と、
試薬格納部332と、洗浄剤格納部333と、容器格納
部334と、を有する。このうち、試薬格納部332、
洗浄剤格納部333および容器格納部334は、試薬
品、洗浄剤、検体用容器を格納し、さらに、機械的な駆
動部を有する。この駆動部は、中央制御部308の駆動
制御を受け、試薬や洗浄剤の吸い上げ制御や、検体用容
器搬送制御をおこなう。
【0089】一方、交換部品格納部331は、定期的に
交換する必要のある部品もしくは所定の耐用限度で交換
する必要のある部品(たとえば、シリンジ、パッキン、
ハロゲンランプ、熱線カットフィルター、プローブ)を
格納する。なお、交換部品は、通常、人手を介して交換
される。しかし、吸光分析に必要なランプのように、試
験途中でランプが切れる場合もある。この様な消耗品に
ついては、所定の配置場所に取り付けておき、中央制御
部308の駆動制御をうけつつ、復旧駆動がなされる仕
様としてもよい。
【0090】次に、分析部304について説明する。分
析部304は、試験/測定部341と、駆動/搬送部3
42とから構成され、中央制御部308の制御を受け、
臨床検査ないし化学分析をおこなう。試験/測定部34
1は、医学分野、生物分野、化学分野における臨床検査
ないし化学分析をおこなう。臨床検査は、大きく分けて
検体検査と生理検査の2種類に分けられるが、ここで
は、主として検体検査を意味するものとする。検体検査
とは、検体提供者(たとえば、患者)から尿、血液、
痰、組織などの検体(材料)を採取し、それらを化学的
に分析したり、形態学的に観察する検査をいう。
【0091】検体検査の分類は種々あるが、たとえば、
一般検査、生化学検査、免疫血清検査、細菌検査、病理
検査、輸血検査等に分類できる。このうち、一般検査と
は、尿、便を主とした体液に関する検査であり、このほ
か、胃液・十二指腸液、喀痰、脳脊髄液、穿刺液などに
関する検査をいうこともある。また、血液検査とは、細
胞成分(赤血球、白血球、血小板)や、血漿成分(細胞
成分を除いたもの)について検査することをいう。
【0092】また、生化学検査(臨床化学検査と称する
こともある)とは、 血液の一部(血清等)を化学的に
分析し、データを解析する検査をいう。また、免疫血清
検査とは、梅毒検査やリウマチ検査をはじめ、血液中の
免疫グロブリンや補体など特殊な蛋白の定量検査をい
う。また、細菌検査とは、ある感染症がどのような微生
物によって起きるかを調べ、さらに治療に可能な抗生物
質の決定をおこなう検査をいう。病理検査とは、人体組
織の顕微鏡観察標本を作製したり、実際に観察をおこな
い、病気の原因を組織細胞学的に追求する検査をいう。
【0093】また、輸血検査とは、血液型検査や輸血用
血液が検体提供者に対して輸血可能か否かを調べたり、
検体提供者の血清中の自己あるいは供血者の血球と反応
する因子の存在を調べたりする検査をいう。このほか、
検体検査には、染色体やDNAの検査、放射性同位元素
を使用する検査が挙げられる。
【0094】なお、自動分析装置101は、上述した検
体検査の分類のうち、自動的に試験を行えるものであれ
ば、検査項目を制限するものではない。従って、図2に
示した自動分析装置101自体は比較的多数の検体を調
べる装置態様であるが、本発明は、たとえば、輸血適合
性を調べる装置(自動分析装置)に適用することも可能
である。
【0095】以上は、臨床検査(検体検査)についての
一般的な説明したが、自動分析装置は化学分析もおこな
う。ここで、化学分析とは、物質の鑑定や成分の判定な
いし測定をおこなう操作をいう。化学分析は、単数の分
析試験もしくは少数の分析試験の組合せをいい、臨床検
査は、複数の化学分析の組合せもしくは多数の分析試験
の組合せをいう。なお、各試験工程で得られた結果は、
試験/測定部341からデータ解析部305に送られ
る。
【0096】駆動/搬送部342は、中央制御部308
の制御をうけ、検体の入った検体用カップを搬送し、試
験/測定部341における試験ないし測定に関する機構
を駆動する。また、駆動/搬送部342は、消耗品格納
部303の駆動部との連携もとる。駆動/搬送部342
は、たとえば、試薬ボトルに差し込まれたチューブをロ
ーラーでしごき、0.02ml検体カップに滴下し、検
体カップを揺動し、撹拌する動作を順次おこなう。
【0097】次に、データ解析部305について説明す
る。データ解析部305は、分析部304から各測定デ
ータまたは試験データを入力し、所定のプログラムに基
づいてデータ解析をおこなう。解析結果はデータ格納部
306の解析結果格納部361に送出される。なお、デ
ータ解析部305は、所定のプログラムに従ってデータ
処理をおこなうので、使用の態様によっては中央制御部
308がおこなってもよい。データ解析部305は、適
当な規模のCPUにより実現することができる。
【0098】次に、データ格納部306について説明す
る。データ格納部306は、解析結果格納部361と、
消耗品情報格納部362と、試験実績格納部363と、
を有する。解析結果格納部361は、データ解析部30
5で解析されたデータを格納する。消耗品情報格納部3
62は、消耗品情報を格納する。試験実績格納部363
は、過去におこなった試験に関する情報、すなわち、試
験実績を格納する。
【0099】試験実績は、試験日、試験項目、試験に使
用した試薬や洗浄剤の情報(たとえば、品名、ロット番
号、シリアル番号、使用量、有効期限など)、試験で使
用した容器の情報(たとえば、品名、容量、ロット番
号、シリアル番号、使用数量など)などに関する情報を
いう。試験実績格納部363に試験実績を格納しておく
ことにより、臨床検査ないし化学分析を開始するに当た
って試薬の有効期限をはじめ消耗品の管理をおこなうこ
とができる。特に、試験精度を維持できるか否かについ
ての判断をおこなうことが可能となる。
【0100】なお、自動分析装置101のデータ格納部
306には、ハードディスクを用いているが、不揮発性
の記憶媒体であれば特に限定されない。また、解析結果
等については、一時的にしか使用しないデータであれ
ば、RAMに格納する構成としてもよい。
【0101】次に、中央制御部308について説明す
る。図7は、中央制御部308の機能的構成を説明した
ブロック図である。中央制御部308は、試験精度判定
部381と、試験禁止部382と、駆動制御部383
と、要請情報送出部384と、試験費算出部385と、
エラー検知部386と、装置状態取得部387と、エラ
ー状態送出部388と、を有する。
【0102】試験精度判定部381は、消耗品情報格納
部362に格納された消耗品情報と、試験実績格納部3
63に格納された試験実績と、試験内容入力部302で
入力した試験内容(試験項目と試験数、場合によっては
試験日時などの付加的な情報)に基づいて、試験結果の
精度が保証できるか否かを判定する。
【0103】試験精度が保証できない場合としては、試
薬がつぎ足される場合、消耗品の一部の耐用回数もしく
は有効期限を超過する場合、試験精度が保証されている
装置と試薬(場合によっては、試薬以外の消耗品)の組
合せでない場合、試験精度が保証されていない試薬の組
合せである場合、が挙げられる。
【0104】たとえば、試薬に関しては、試薬ボトル毎
の使い切りが原則であるにもかかわらず、自動分析装置
を多人数で共有して使用する環境下では、試薬管理が不
十分である場合がある。ここで、あるユーザが、これか
ら使用しようとする試薬を試薬格納部332にセットす
る前に、張り付けられている2次元コードをバーコード
リーダ205で読み込んだとする。このとき、試験精度
判定部381が、試験実績格納部363に格納されてい
る消耗品情報(特にシリアル番号)を参照し、同一物
(すなわち使いかけ)の試薬であるか否かを判定する。
【0105】試験精度判定部381は、同一物であると
判定した場合、警告信号を出力する。警告信号は、具体
的には、表示部307への警告表示であるが、使用の態
様によっては、警告音を発生させる信号を送出してもよ
い。試験精度判定部381により、試験精度が維持で
き、また試薬の管理が容易となる。
【0106】また、試験精度判定部381は、同一メー
カでない試薬を使用する場合に、試験精度が維持できな
い旨の警告信号を送信してもよい。これは、通常複数の
試薬を使用する場合には、同一メーカ製の試薬を使用す
る場合に限り、試験精度が保証されるという実情に基づ
く。
【0107】なお試験精度は、使用する試薬のみなら
ず、定期交換部品といったほかの消耗品の情報に基づい
て判定する場合もある。たとえば、グルコース分析で
は、バイオセンサー(グルコースオキシターゼ固定化酵
素電極)が所定の耐用回数ないし通算試験時間を超える
と劣化が生じる場合がある。従って、試験内容入力部3
02で入力された試験数を実施し、試験中に上述した所
定回数ないし所定時間を超過すると予測される場合に
は、試験精度判定部381は、試験精度が維持できない
と判断し、警告信号を送出する。
【0108】試験禁止部382は、試験精度判定部38
1が試験精度を維持できないと判定した場合に、試験内
容入力部302により入力された、これからおこなおう
とする試験の実行を禁止する。具体的には、駆動制御部
383に対して装置の駆動・部品の搬送といった動作を
禁止する制御をおこなう(駆動・搬送禁止信号を送出す
る)。反対に、試験精度が維持できる試験内容が新たに
入力されたり、試験精度が維持できる消耗品が新たに格
納された場合には、解除信号を送出し、試験の禁止を解
除する。なお、試験精度が維持できる消耗品が新たに格
納されたか否かは、たとえば、バーコードリーダ301
により、異なるLOT番号が入力されたことにより判定
できる。
【0109】一方、駆動制御部383は、装置全体の駆
動制御を司る。具体的には、分析部304における駆動
を制御する。駆動制御部383は、この他、分析部30
4の駆動制御のみならず、電源投入時のboot処理を
おこない、また、分析部304以外の装置各部の電気的
もしくは機械的な駆動部を統括制御する。なお、駆動制
御部383は、所定のプログラムにより動作が規定され
ており、この動作プログラムは、ハードディスクに格納
されている。
【0110】要請情報送出部384は、消耗品情報格納
部362に格納した消耗品情報と、試験実績格納部36
3に格納した試験実績と、試験内容入力部302により
入力された試験内容に基づいて、消耗品の補充要請もし
くは交換要請に関する情報(以降ではこの情報を適宜要
請情報と称することとする)を送出する。たとえば、こ
れからおこなう臨床検査では、生理食塩水は十分にある
が、同内容の試験があと2回おこなわれると、生理食塩
水の不足が生じる、といった場合に要請情報が送出され
る。
【0111】要請情報は表示部307と管理装置102
へ送出される。要請情報が表示部307に送出される場
合は、表示制御信号として送出され、表示部307は
「生理食塩水があと2回の試験で不足します」等と表示
する。また、要請情報が管理装置102へ送出される場
合は、補充信号として送出され、管理装置102側で
は、後述するように、要請された消耗品の発注処理をお
こなう。
【0112】なお、使用の態様によっては、表示部30
7に「生理食塩水を発注処理しますか?」と表示させ、
適宜ユーザにより入力された発注情報を補充信号に含ま
せて管理装置102に送出してもよい。この様に、要請
情報送出部384が要請情報を送出することにより、消
耗品の在庫管理が容易になり、臨床検査ないし化学分析
を円滑におこなうことが可能となる。
【0113】試験費算出部385は、消耗品情報格納部
362に格納された消耗品情報(特に単価)と、試験内
容入力部302から入力した試験内容(使用する消耗品
と数量もしくは量)に基づいて、試験費用を算出する。
自動分析装置101は、多目的な使用が可能であり、必
ずしもユーザが1人に限定されず、使用される消耗品も
1人により管理される状況下にないため、試験費用の管
理も装置側でおこなう必要がある。たとえば、総合病院
に臨床検査室があり、血液検査班、尿検査班、便試験班
に分けられていたとする。このとき、各班で消耗品の予
算消化報告や予算申請のために試験費用の算出が必要と
なる場合がある。試験費算出部385は、この様な場合
に試験費を算出する。
【0114】次に、試験費の算出例を説明する。図8〜
図13は、試験費算出の例を説明する説明図であり、よ
り具体的には表示部307の画面を模式的に示した図で
ある。このうち、図8は、洗浄液についてのテスト単価
を、図9は、検体希釈液のテスト単価を、図10は、洗
浄液についてのテスト単価を、図11は、測定試薬につ
いてのテスト単価を、図12と図13は、定期交換部品
についてのテスト単価をそれぞれ示している。
【0115】図8について詳述すると、洗浄液の購入価
格(標準価格)が11400円であり、包装形態から2
3.75円/mlであることが計算できる。これを50
倍に希釈し、1月の使用量が444ml、1月当たり検
体数(テスト数)が30,000であるので単価が0.
7円/testであることがわかる。他の消耗品につい
ても同様に計算すると、この例では、図13に示したよ
うに、1テスト当たりの平均単価(総合計単価)は8
7.78円となる。
【0116】なお、試験費算出部385は、このほか、
各班毎、各臨床検査毎、必要なグループに応じテスト単
価やテスト単価にテスト数を掛け合わせたテスト総費用
を算出してもよい。算出した費用は、試験実績格納部3
63に格納する。なお、試験費算出部385は、ハード
ディスク等に格納されたプログラムにより試験費を算出
することが可能となる。
【0117】中央制御部308は、以上説明した消耗品
管理以外にも、装置のエラー監視もおこなう。エラー検
知部386は、試験中にエラーが発生したか否かを検知
する。エラー検知部386は、エラー発生時刻やエラー
発生箇所を入力し、後述するエラー状態送出部388に
その情報(エラー情報)を送出する。また、装置状態取
得部387は、エラー検知部386によりエラーが検知
された場合に、装置の状態を取得する。装置の状態と
は、たとえば、実行中の試験内容、試験段階、試薬の滴
下をおこなっていた検体用カップの番号などをいう。装
置状態取得部387は、取得した装置状態をエラー状態
送出部388に送出する。
【0118】エラー状態送出部388は、エラー検知部
386から入力したエラー情報と、装置状態取得部38
7から入力した装置状態とをエラー状態情報として表示
部307と管理装置102へ送出する。すなわち、表示
部307へは、表示制御信号として送出し、表示部30
7は「試薬滴下ステップで、ハロゲンランプが切れまし
た。現在新しいハロゲンランプに交換中です。このエラ
ーによる検査不良は発生しておりません。しばらくおま
ちください」、「検体カップの移動中に移動ベルトが停
止しました。復旧してください。復旧手順は順次画面の
説明に従ってください」などと表示する。
【0119】また、管理装置102へエラー状態情報が
送出されることにより、管理装置102側から復旧作業
を指示できる場合がある。特に、夜間に自動分析装置1
01を稼働させるような場合には、管理装置102側か
ら保守点検サービスをおこなうことができる。これによ
り、自動分析システム100では総合的なリモートメン
テナンスが可能となっている。
【0120】次に、図3に戻り、通信部309について
説明する。通信部309は、中央制御部308の制御を
受け、管理装置102と自動分析装置101間で各種の
情報を送受信する。たとえば、通信部309は、前述し
たように、補充信号を送信したり、エラー状態情報を送
信したりする。また、通信部309は、ブラウザ機能を
有しており、装置に関する復旧手順やFAQを閲覧可能
としている。
【0121】また、通信部309は、e−mailの送
受信機能も有しており、たとえば、要請情報に基づいて
発注した消耗品の手配状況を確認したり、管理装置10
2側から送信された受注確認を受信したりすることがで
きる。通信部309は、モデムや電話線206により構
成され、また、ブラウザ機能やe−mail機能につい
ては、ハードディスク等に格納されたプログラムにより
実現している。
【0122】次に、バーコード発行部310について説
明する。バーコード発行部310は、消耗品情報を織り
込んだ2次元コードを発行する。発行に際しては、ま
ず、品名、ロット番号、シリアル番号、量または数量、
単価などの必要な消耗品情報をキーボードと表示部30
7を用いて対話的に入力する。入力結果を確定すると、
シールとなったQRコードをプリントアウトする。ま
た、一度入力した消耗品情報は、次回の入力の手間を省
く様にハードディスクに格納しておく。
【0123】なお、バーコード発行部310は、試薬や
洗浄剤に対してもバーコードを発行してしまう可能性が
あるが、このときは上述した消耗品情報に試薬や洗浄剤
の項目を設けなくすることで入力不可もしくはプリント
アウト不可とする制御をおこなう。この制御はたとえ
ば、試験禁止部382がおこなう。この様に制御をおこ
なうことで、試験開始の際に、予め許可されている(す
なわち精度保証がなされている)試薬や洗剤のみだけが
使用でき、ユーザが勝手な試薬を使用することができな
くなり、試験精度を維持向上できることとなる。
【0124】次に、自動分析装置101のハードウェア
構成について説明する。図14は、自動分析装置101
のハードウェア構成を説明する説明図である。自動分析
装置101は、そのハードウェア構成として、CPU4
01と、RAM402と、ROM403と、ハードディ
スク(HD)404と、モデム405と、ビデオカード
406と、インターフェース(I/F)部407と、分
析部304とを有する。また、I/F部407には、マ
ウス471、キーボード472およびプリンタ473が
接続されている。また、ビデオカード406には表示部
307を構成するCRTが接続されている。
【0125】HD404は、プログラム部441と、デ
ータベース部442とから構成されている。プログラム
部441は、装置全体の基本制御をおこなうプログラム
であるOSと、試験精度判定部381(図7参照)で使
用するプログラムである試験精度判定プログラムと、分
析部304(図3参照)で使用するプログラムである試
験/測定プログラムおよび駆動/搬送/障害復旧プログ
ラムと、データ解析部305(図3参照)で使用するプ
ログラムであるデータ解析プログラムと、を有する。
【0126】また、プログラム部441は、要請情報送
出部384(図7参照)で使用するプログラムである消
耗品発注プログラムと、試験費算出部385(図7参
照)で使用するプログラムである試験費算出プログラム
と、バーコードリーダ301により入力されたQRコー
ドを解析するプログラムであるQRコード解析プログラ
ムと、バーコード発行部(図3参照)で使用するプログ
ラムであるQRコード発行プログラムと、通信部(図3
参照)で使用するプログラムである通信プログラムと、
を有する。なお、以上説明したプログラムは、それぞれ
図3または図7を用いて説明した各部の機能を実行する
プログラムである。
【0127】図3と図14との対応について説明する。
図3の試験内容入力部302は、図14に示したマウス
471とキーボード472に対応しておりその機能を実
現する。図3のデータ解析部305は、図14に示した
ハードディスク404(プログラム部441)、CPU
401およびRAM402に対応しておりその機能を実
現する。図3のデータ格納部306は、図14に示した
データベース部442に対応しておりその機能を実現す
る。図3の表示部307は、図14に示したビデオカー
ド406(およびその信号出力先であるCRT)に対応
しておりその機能を実現する。
【0128】図3の中央制御部308は、図14に示し
たCPU401、RAM402およびHD404(プロ
グラム部441)に対応しておりその機能を実現する。
図3の通信部309は、図14に示したモデム405と
HD404(プログラム部441)に対応しておりその
機能を実現する。図3のバーコード発行部310は、図
14に示したプリンタ473およびHD404(プログ
ラム部441)に対応しておりその機能を実現する。
【0129】(管理装置の内容)次に、管理装置102
について説明する。管理装置102は、自動分析装置1
01の提供側(たとえば、自動分析装置101の製造会
社、販売会社、保守会社)に設置され、自動分析装置1
01のリモートメンテナンスをおこなうと共に、消耗品
管理の一部を代行する装置である。リモートメンテナン
スについては、エラー状態送出部388(図7参照)か
ら送出されるエラー状態情報に基づいて、適宜装置に対
して復旧操作制御情報を送出する。以降では消耗品管理
を中心として説明する。
【0130】管理装置102は、図1に示したようにネ
ットワーク103を介して多数の自動分析装置101と
接続している。管理装置102は、各自動分析装置10
1から定期的に要請情報を受信している。従って、管理
装置102は、消耗品の消費動向を把握することが可能
となり、生産調整に資することが可能となる。図15
は、管理装置102の機能的構成の一例を説明したブロ
ック図である。
【0131】管理装置102は、その機能的構成とし
て、要請情報受信部501と、要請情報格納部502
と、消耗品消費履歴導出部503と、消費量予測部50
4と、消耗品発注部505と、を有する。
【0132】要請情報受信部501は、自動分析装置1
01から要請情報(補充要請または交換要請、および要
請にかかる消耗品の品目)を受信し、自動分析装置10
1で不足しそうな消耗品に関する情報を入力する。な
お、要請情報受信部501は、たとえば、管理装置10
2に内蔵されるモデムによりその機能を実現することが
可能となる。
【0133】要請情報格納部502は、要請情報受信部
501で受信した要請情報を順次格納する。なお、要請
情報格納部502は、どの自動分析装置からの要請情報
であるかを区別する識別子と、要請日時(受信日時)を
同時に格納する。要請情報自身、要請情報の送信元、受
信日時を格納しておくことにより、後述する消耗品の消
費傾向を把握する際の利便に資する。なお、要請情報格
納部502は、たとえば、管理装置102のハードディ
スクによりその機能を実現することが可能となる。
【0134】消耗品消費履歴導出部503は、要請情報
格納部502に格納された要請情報に基づき、消耗品の
消費履歴を統計処理し、消費量予測部504は、消耗品
消費履歴導出部503で統計処理された結果から、消費
動向を予測する。さらに、消耗品発注部505は、消費
量予測部504で予測された消費量に基づいて、該当す
る消耗品を製造部へ発注する。なお、自動分析装置10
1の提供側(すなわち、自動分析装置101のメーカや
販売会社)と、消耗品の提供側(すなわち消耗品のメー
カや販売会社)が同一でない場合は、消耗品製造部でな
く、消耗品のメーカや販売会社に発注することとなる。
【0135】ここで、消費履歴と消費予測について説明
する。図16は、管理装置102に接続している100
台の自動分析装置101の消費履歴と、消費予測との例
を示した説明図である。図から明らかなように、試薬A
は、最近数ヶ月よく使用されており、今後もしばらくは
同様な消費傾向にあるであろうと予測される。従って消
耗品発注部505は、予測された消費量の消耗品を消耗
品製造部へ発注する。なお、消耗品発注部505では、
消耗品の有効期限に基づいて、期限管理をおこなうもの
とする。具体的には、試薬の有効期限が60日である場
合に、向こう半年間分の消耗品を一時に発注しない様に
する。
【0136】別の例について説明する。図17は、管理
装置102に接続している100台のうちのある分析会
社Pに納入されている自動分析装置101一台で使用さ
れている試薬Bの消費に関する長期推移の例を示してい
る。図から明らかなように、現時点では、試薬Bの使用
量は増加傾向にあるが、過去の履歴から、しばらくする
と急激に消費が落ち込むであろうことが予想される。実
際に、定期検診を受け付けている場合は、消耗品の消費
が周期的となる。
【0137】以上、消費量予測部504が過去の消費履
歴を参照することにより、消耗品の消費予測をおこなう
ので、管理装置102側でも消耗品の安定供給が可能と
なる。すなわち、管理装置102側でも消耗品の在庫管
理を自動的におこなうことができ、試験精度を遠からず
保証することが可能となる。また、生産調整をおこなう
ことができるため、消耗品を安価にもしくは適正価格で
提供することが可能となる。
【0138】なお、以上の例では、複数の自動分析装置
101が管理装置102に接続された場合を説明した
が、管理装置102自体を自動分析装置101の使用者
側に備えて、管理してもよい。
【0139】(ネットワークの内容)次に、ネットワー
ク103について簡単に説明する。ネットワーク103
は、有線無線を問わず、電子的なデータを伝送する媒体
であればその態様を問わない。従って、ネットワーク1
03は、インターネットである場合もあれば、LANで
あってもよい。また、USB接続されたケーブルによっ
てもネットワーク103が構築されているものとする。
【0140】(自動分析システムの処理流れ)最後に、
自動分析システム100の処理流れについて説明する。
図18および図19は、自動分析装置101の処理流れ
の一例を示したフローチャートであり、図20は、自動
分析装置101の消耗品発注処理の流れの一例を説明し
たフローチャートである。また、図21は、管理装置1
02の処理流れの一例を説明したフローチャートであ
る。
【0141】自動分析装置101は、まず消耗品情報を
入力する(ステップS601)。消耗品情報は、QRコ
ードをバーコードリーダ301(図3参照)により読み
取る。QRコードの読取終了した消耗品は消耗品格納部
303に格納する。またバーコードリーダ301で入力
されたQRコードは、QRコード解析プログラム(図1
4プログラム部441参照)により解析される。
【0142】自動分析装置101は、次に消耗品情報を
格納する(ステップS602)。すなわち、解析された
QRコード(消耗品情報)は、消耗品情報格納部362
に格納される。
【0143】続いて、自動分析装置101は、試験内容
(これからおこなう臨床検査ないし化学分析についての
試験内容)を入力する(ステップS603)。試験内容
は、予め登録しておいた臨床検査プログラムを読み出す
ことにより入力してもよいし、キーボード操作により表
示部307と対話的に入力してもよい。また、使用する
消耗品については、消耗品格納部303から取りだし、
再びQRコードを読み取り、その内容を入力する。
【0144】次に、自動分析装置101は、従前におこ
なわれた臨床検査ないし化学分析の試験実績を呼び出す
(ステップS604)。試験実績は、各臨床検査ないし
化学分析が終了した時点で試験実績として試験実績格納
部363に累積格納されており、この情報が必要に応じ
て呼び出される。
【0145】自動分析装置101は、ステップS601
で入力された消耗品情報(全消耗品の在庫の情報)と、
ステップS604で読み出された試験実績(既に使用さ
れた消耗品の情報)と、ステップS603で入力された
試験内容(これからおこなおうとする試験にかかる消耗
品の情報)とに基づいて、試験結果の精度が保証できる
か否かを判定する(ステップS605)。たとえば、メ
ーカ純正品であるか、使用期限内であるか、ロット番号
の整合性があるか、未使用のシリアル番号であるか、等
の規格適合の判定をおこなう。
【0146】精度が保証できる場合(ステップS60
5:YES)、自動分析装置101は、発注処理ルーチ
ンに移行する(ステップS606)。次に、発注処理ル
ーチンの内容を説明する。図20において、自動分析装
置101は、消耗品の在庫が十分であるかを判定する
(ステップS701)。すなわち、特定の消耗品の不足
が発生しないか否かを判定する。消耗品の在庫が十分で
ある場合(ステップS701:YES)、発注処理ルー
チンを終了する。
【0147】一方、今回の試験をおこなうことにより、
特定の消耗品不足が発生するもしくは近い将来発生する
と認められる場合(ステップS701:NO)、警告表
示をおこなう(ステップS702)。警告表示は、表示
部307を介しておこなう。
【0148】続いて、自動分析装置101は、発注情報
を入力する(ステップS703)。発注情報は、図7で
示した要請情報と同じものであり、ユーザが、品目と数
量を指定することによりおこなう。入力が終了すると、
自動分析装置101は、発注情報に基づいて消耗品を補
充した場合に、在庫が必要十分となるかを判定する(ス
テップS704)。この判定により、在庫が未だ不十分
と判定された場合は(ステップS704:NO)、ステ
ップS702に移行し、このルーチンを繰り返す。
【0149】なお、必要量を超える場合、たとえば、有
効期限のある試薬を不必要に買いだめするような入力が
あった場合も、自動分析装置101は、在庫が必要十分
でないと判定し、ステップS702に移行する。
【0150】一方、ステップS704で、在庫が必要十
分であると判定した場合、自動分析装置101は、入力
した発注情報(要請情報)を管理装置102に送信する
(ステップS705)。管理装置102に発注情報が送
信されることにより、ユーザは、いちいち在庫管理をお
こなわなくて済み、円滑な臨床検査ないし化学分析をお
こなうことが可能となる。
【0151】図18に戻り、自動分析装置101は、試
験を開始する(ステップS607)。すなわち、駆動制
御部383(図7参照)の制御の下、分析部304(図
3参照)を中心とする臨床検査ないし化学分析を開始す
る。なお、以降の試験内容については、試験/測定プロ
グラム、駆動/搬送プログラムに従った内容であり、説
明を省略する。
【0152】さて、自動分析装置101が、ステップ6
05で精度が保証できないと判断した場合には(ステッ
プS605:NO)、試験を禁止する(ステップS60
8)。すなわち、試験禁止部382(図7参照)が駆動
/搬送禁止信号を送出し、駆動制御部383がこの駆動
/搬送禁止信号をうけて分析部304で臨床検査ないし
化学分析をおこなわないように制御する。
【0153】試験を禁止すると同時に、自動分析装置1
01は、警告表示をおこなう(ステップS609)。警
告表示は、表示部307を介しておこなう。続いて、自
動分析装置101は、試験内容が再入力されたか否かを
判定する(ステップS610)。試験内容の入力につい
ては、ステップS603と同様に、プログラムの読み出
しや、キーボード操作によりおこなう。
【0154】試験内容が再入力された場合(ステップS
610:YES)、ステップS604(図18参照)に
移行し、以降はこのルーチンを繰り返す。一方、試験内
容が再入力されなかった場合は(ステップS610:N
O)、タイムアウトの判断をおこなう(ステップS61
1)。タイムアウトとなった場合は(ステップS61
1:YES)、試験をおこなわず、たとえば、自動分析
装置101を、初期の入力待ち状態に移行させる処理を
おこなう。所定の時間経過していない場合は(ステップ
S611:NO)、ステップS610に移行し、試験内
容の再入力をまつ。
【0155】次に、図21を用いて、管理装置102の
処理流れについて説明する。管理装置102は、複数の
クライアント(複数の自動分析装置101)から、適宜
要請情報(発注情報)を受信する(ステップS80
1)。受信した要請情報(発注情報)は、管理装置10
2内のハードディスクなどに累積格納しておく(ステッ
プS802)。
【0156】続いて、管理装置102は、ステップS8
02で格納した要請情報に基づいて消耗品の消費履歴を
構築する(ステップS803)。すなわち、消耗品の品
目毎に消耗品の数量を時系列データとして構築する。な
お、消費履歴を会社毎に作成してもよい。
【0157】管理装置102は、消費履歴に基づいて消
費量を予測する(ステップS804)。最も簡易には、
過去数ヶ月のデータに基づいて直線近似することが挙げ
られるが、過去の動向に基づいて所定の補間式に基づい
て予測してもよい。最後に、管理装置102は、ステッ
プS804で導出した予測量に従って、必要十分な消耗
品を発注する(ステップS805)。
【0158】この様に、管理装置102側では、多数の
顧客側に設置されている自動分析装置101から消耗品
の消費情報を吸い上げ、適正な生産計画を立てることが
でき、ひいては、品質の高い(換言すれば試験精度の維
持できる)試薬を適正価格で提供することが可能とな
る。
【0159】以上説明したように、自動分析システム1
00は、試験精度を維持・保証でき、また、在庫管理を
おこなうことにより臨床検査ないし化学分析の円滑実施
を実現し、消費予測や生産調整による消耗品管理も可能
としている。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動分析
装置(請求項1)は、医学分野、生物分野、化学分野に
おける臨床検査ないし化学分析に用いられる自動分析装
置であって、消耗品情報入力手段が、臨床検査ないし化
学分析に関する消耗品の情報を入力し、消耗品情報格納
手段が、消耗品情報入力手段により入力された消耗品の
情報を格納し、試験実績格納手段が、従前におこなわれ
た臨床検査ないし化学分析の試験実績を格納し、試験内
容入力手段が、新たな臨床検査ないし化学分析の試験項
目と試験数を入力し、試験精度判定手段が、消耗品情報
格納手段により格納された消耗品の情報と、試験実績格
納手段により格納された試験実績と、試験内容入力手段
により入力された試験項目と試験数に基づいて、臨床検
査ないし化学分析を実行した場合に試験結果の精度が保
証できるか否かを判定するので、消耗品と試験内容を共
に管理し、これにより、たとえば、試薬のつぎ足しや、
保証されていない消耗品の組合せなど、正常でないもし
くは保証のされていない消耗品の使用を防止し、試験精
度を維持し、信頼性を向上させることが可能となる。
【0161】また、本発明の自動分析装置(請求項2)
は、請求項1に記載の自動分析装置において、試験禁止
手段が、試験精度判定手段により試験結果の精度が保証
できないと判定された場合に、試験内容入力手段により
入力された試験項目と試験数にかかる新たな臨床検査な
いし化学分析の実行を禁止するので、試薬のつぎ足し
や、保証されていない消耗品の組合せなど、正常でない
もしくは保証のされていない消耗品の使用を禁止し、試
験精度を維持し信頼性を向上させることが可能となる。
【0162】また、本発明の自動分析装置(請求項3)
は、請求項1または2に記載の自動分析装置において、
要請情報送出手段が、消耗品情報格納手段により格納さ
れた消耗品の情報と、試験実績格納手段により格納され
た試験実績と、試験内容入力手段により入力された試験
項目と試験数に基づいて、消耗品の補充要請もしくは交
換要請に関する情報を送出するので、在庫管理を通じ
て、消耗品不足の発生が防止でき、検査ないし分析を円
滑におこなうことが可能となる。
【0163】また、本発明の自動分析装置(請求項4)
は、請求項1、2または3に記載の自動分析装置におい
て、消耗品の情報が、品名、ロット番号、シリアル番
号、量、耐用回数もしくは有効期限、価格に関する情報
であるので、消耗品を品名、ロット番号、シリアル番号
で管理でき、試験実績に基づいて消耗品の残量管理や交
換時期の管理ができ、また、コスト管理も可能となる。
【0164】また、本発明の自動分析装置(請求項5)
は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置
において、消耗品の情報が1次元バーコードもしくは2
次元バーコードにより表現され、消耗品情報入力手段を
バーコードリーダとしたので、消耗品自体もしくは消耗
品の包装に付されているバーコードにより瞬時に消耗品
の情報を入力し、これにより、多品種の消耗品を多数使
用し、試験内容も多種におよぶ自動分析装置の使用環境
全体の管理を容易におこなうことが可能となる。
【0165】また、本発明の自動分析装置(請求項6)
は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置
において、バーコード発行手段が、消耗品の情報を1次
元バーコードもしくは2次元バーコードとして発行する
ので、バーコードが付されていない消耗品を使用する場
合であっても、バーコード管理が可能になり、装置の作
業効率を向上させることが可能となる。
【0166】また、本発明の自動分析装置(請求項7)
は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動分析装置
において、試験費算出手段が、消耗品情報入力手段によ
り入力された消耗品の情報と、試験内容入力手段により
入力された試験項目と試験数に基づいて、臨床検査ない
し化学分析を実行した場合の試験費用を算出するので、
従来では、試験項目、消耗品種類、消耗品数が膨大な数
であり、試験費用の手計算が煩雑であったところ、既に
入力してある消耗品情報に基づいて容易に試験費用を算
出することが可能となる。
【0167】また、本発明の自動分析装置(請求項8)
は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の自動分析装置
において、エラー検知手段が、試験中のエラーを検知
し、装置状態取得手段が、エラー検知手段によりエラー
が検知された場合に、装置の状態を取得し、エラー状態
送出手段が、エラー検知手段により検知されたエラーに
関する情報と、装置状態取得手段により取得された装置
の状態に関する情報を送出するので、障害時における装
置状態を把握し、これにより、障害回避に資することが
可能となる。
【0168】また、本発明の自動分析システム(請求項
9)は、請求項3に記載の自動分析装置がネットワーク
を介して管理装置と接続している自動分析システムであ
って、管理装置が、要請情報受信手段と発注手段を有
し、要請情報受信手段が、要請情報送出手段により送出
された補充要請もしくは交換要請に関する情報を受信
し、発注手段が、要請情報受信手段により受信された情
報に基づいて、補充もしくは交換すべき消耗品を発注す
るので、管理装置側で在庫管理ができ、自動分析装置を
使用する側の在庫管理の手間を省きつつ、臨床検査ない
し化学分析を円滑におこなうことが可能となる。
【0169】また、本発明の自動分析システム(請求項
10)は、請求項3に記載の自動分析装置が複数台ネッ
トワークを介して管理装置と接続している自動分析シス
テムであって、管理装置が、要請情報受信手段と、要請
情報格納手段と、消費履歴導出手段と、を有し、要請情
報受信手段が、要請情報送出手段から送出された補充要
請もしくは交換要請に関する情報を受信し、要請情報格
納手段が、要請情報受信手段により受信された情報を格
納し、消費履歴導出手段が、要請情報格納手段により格
納された情報に基づいて、消耗品の消費履歴を把握する
ので、消耗品に関する大局的な消費傾向を把握すること
ができ、消耗品の生産計画に資することが可能となる。
【0170】また、本発明の自動分析システム(請求項
11)は、請求項10に記載の自動分析システムにおい
て、管理装置に備わる消費量予測手段が、消費履歴導出
手段により導出された消耗品の消費履歴から消耗品の消
費量を予測するので、消耗品の生産計画が可能となる。
また、生産計画が可能になることで、試験精度が保証さ
れた消耗品を安価に提供することができる。
【0171】また、本発明の自動分析システム(請求項
12)は、請求項11に記載の自動分析システムにおい
て、管理装置に備わる発注手段が、消費量予測手段によ
り予測された消費量に基づいて消耗品を発注するので、
消耗品を提供する側の在庫管理の手間を省くことができ
る。
【0172】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項13)は、医学分野、生物分野、化学分野における
臨床検査ないし化学分析に用いられる自動分析装置の管
理方法であって、消耗品情報入力工程では、臨床検査な
いし化学分析に関する消耗品の情報を入力し、消耗品情
報格納工程では、消耗品情報入力工程で入力された消耗
品の情報を格納し、試験実績格納工程では、従前におこ
なわれた臨床検査ないし化学分析の試験実績を格納し、
試験内容入力工程では、新たな臨床検査ないし化学分析
の試験項目と試験数を入力し、試験精度判定工程では、
消耗品情報格納工程で格納された消耗品の情報と、試験
実績格納工程で格納された試験実績と、試験内容入力工
程で入力された試験項目と試験数に基づいて、臨床検査
ないし化学分析を実行した場合に試験結果の精度が保証
できるか否かを判定するので、消耗品と試験内容を共に
管理し、これにより、たとえば、試薬のつぎ足しや、保
証されていない消耗品の組合せなど、正常でないもしく
は保証のされていない消耗品の使用を防止し、試験精度
を維持し、信頼性を向上させることが可能となる。
【0173】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項14)は、請求項13に記載の自動分析装置管理方
法において、試験禁止工程では、試験精度判定工程で試
験結果の精度が保証できないと判定された場合に、試験
内容入力工程で入力された試験項目と試験数にかかる新
たな臨床検査ないし化学分析の実行を禁止するので、試
薬のつぎ足しや、保証されていない消耗品の組合せな
ど、正常でないもしくは保証のされていない消耗品の使
用を禁止し、試験精度を維持することが可能となる。
【0174】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項15)は、請求項13または14に記載の自動分析
装置管理方法において、要請情報送出工程では、消耗品
情報格納工程で格納された消耗品の情報と、試験実績格
納工程で格納された試験実績と、試験内容入力工程で入
力された試験項目と試験数に基づいて、消耗品の補充要
請もしくは交換要請に関する情報を送出するので、在庫
管理を通じて、消耗品不足の発生が防止でき、検査ない
し分析を円滑におこなうことが可能となる。
【0175】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項16)は、請求項13、14または15に記載の自
動分析装置管理方法において、消耗品の情報が、品名、
ロット番号、シリアル番号、量、耐用回数もしくは有効
期限、価格に関する情報であるので、消耗品を品名、ロ
ット番号、シリアル番号で管理でき、試験実績に基づい
て消耗品の残量管理や交換時期の管理ができ、また、コ
スト管理も可能となる。
【0176】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項17)は、請求項13〜16のいずれか一つに記載
の自動分析装置管理方法において、消耗品の情報が1次
元バーコードもしくは2次元バーコードにより表現さ
れ、消耗品情報入力工程ではバーコードリーダを用いて
消耗品の情報を入力するので、消耗品自体もしくは消耗
品の包装に付されているバーコードにより瞬時に消耗品
の情報を入力し、これにより、多品種の消耗品を多数使
用し、試験内容も多種におよぶ自動分析装置の使用環境
全体の管理を容易におこなうことが可能となる。
【0177】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項18)は、請求項13〜17のいずれか一つに記載
の自動分析装置管理方法において、バーコード発行工程
では、消耗品の情報を1次元バーコードもしくは2次元
バーコードとして発行するので、バーコードが付されて
いない消耗品を使用する場合であっても、バーコード管
理が可能になり、装置の作業効率を向上させることが可
能となる。
【0178】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項19)は、請求項13〜18のいずれか一つに記載
の自動分析装置管理方法において、試験費算出工程で
は、消耗品情報入力工程で入力された消耗品の情報と、
試験内容入力工程で入力された試験項目と試験数に基づ
いて、臨床検査ないし化学分析を実行した場合の試験費
用を算出するので、従来では、試験項目、消耗品種類、
消耗品数が膨大な数であり、試験費用の手計算が煩雑で
あったところ、既に入力してある消耗品情報に基づいて
容易に試験費用を算出することが可能となる。
【0179】また、本発明の自動分析装置管理方法(請
求項20)は、請求項13〜19のいずれか一つに記載
の自動分析装置管理方法において、エラー検知工程で
は、試験中のエラーを検知し、装置状態取得工程では、
エラー検知工程でエラーが検知された場合に、装置の状
態を取得し、エラー状態送出工程では、エラー検知工程
で検知されたエラーに関する情報と、装置状態取得工程
で取得された装置の状態に関する情報を送出するので、
障害時における装置状態を把握し、これにより、障害回
避に資することが可能となる。
【0180】また、本発明の消耗品管理方法(請求項2
1)は、請求項3に記載の自動分析装置に適用する消耗
品管理方法であって、要請情報受信工程では、要請情報
送出手段から送出された補充要請もしくは交換要請に関
する情報を受信し、発注工程では、要請情報受信工程で
受信された情報に基づいて、補充もしくは交換すべき消
耗品を発注するので、管理装置側で在庫管理ができ、自
動分析装置を使用する側の在庫管理の手間を省きつつ、
臨床検査ないし化学分析を円滑におこなうことが可能と
なる。
【0181】また、本発明の消耗品管理方法(請求項2
2)は、請求項3に記載の自動分析装置が複数台存在す
る場合の消耗品管理方法であって、要請情報受信工程で
は、要請情報送出手段から送出された補充要請もしくは
交換要請に関する情報を受信し、要請情報格納工程で
は、要請情報受信工程で受信された情報を格納し、消費
履歴導出工程では、要請情報格納工程で格納された情報
に基づいて、消耗品の消費履歴を導出するので、消耗品
に関する大局的な消費傾向を把握することができ、消耗
品の生産計画に資することが可能となる。
【0182】また、本発明の消耗品管理方法(請求項2
3)は、請求項22に記載の消耗品管理方法において、
消費量予測工程では、消費履歴導出工程により導出され
た消耗品の消費履歴から消耗品の消費量を予測するの
で、消耗品の生産計画が可能となる。また、生産計画が
可能になることで、試験精度が保証された消耗品を安価
に提供することができる。
【0183】また、本発明の消耗品管理方法(請求項2
4)は、請求項23に記載の消耗品管理方法において、
発注工程では、消費量予測工程で予測された消費量に基
づいて消耗品を発注するので、消耗品を提供する側の在
庫管理の手間を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動分析システムの外観構成図であ
る。
【図2】自動分析装置の外観の一例を示した説明図であ
る。
【図3】自動分析装置の内部構成を中心に示したブロッ
ク図である。
【図4】スタック型2次元コードのうち、代表的なコー
ドとして、CODE49、PDF417の例を示した図
である。
【図5】マトリックス型2次元コードのうち、代表的な
コードとして、VERICODE、DATA COD
E、QR CODE、Micro QRの例を示した図
である。
【図6】2次元コードの特徴を示した図表である。
【図7】中央制御部の機能的構成を説明したブロック図
である。
【図8】試験費算出の例を説明する説明図であり、洗浄
液についてのテスト単価を示した図である。
【図9】試験費算出の例を説明する説明図であり、検体
希釈液のテスト単価を示した図である。
【図10】試験費算出の例を説明する説明図であり、洗
浄液についてのテスト単価を示した図である。
【図11】試験費算出の例を説明する説明図であり、測
定試薬についてのテスト単価を示した図である。
【図12】試験費算出の例を説明する説明図であり、定
期交換部品についてのテスト単価を示した図である。
【図13】試験費算出の例を説明する説明図であり、定
期交換部品についてのテスト単価を示した図である。
【図14】自動分析装置のハードウェア構成を説明する
説明図である。
【図15】管理装置の機能的構成の一例を説明したブロ
ック図である。
【図16】管理装置が接続している100台の自動分析
装置全体の消費履歴と、消費予測との例を示した説明図
である。
【図17】管理装置が接続している100台のうちのあ
る分析会社Pに納入されている自動分析装置一台で使用
されている試薬Bの消費に関する長期推移の例を示した
図である。
【図18】自動分析装置の処理流れの一例を示したフロ
ーチャートである。
【図19】自動分析装置の処理流れの一例を示したフロ
ーチャートである。
【図20】自動分析装置の消耗品発注処理の流れの一例
を説明したフローチャートである。
【図21】管理装置の処理流れの一例を説明したフロー
チャートである。
【符号の説明】
100 自動分析システム 101 自動分析装置 102 管理装置 103 ネットワーク 201 分析部 202 消耗品格納部 203 解析部 204 表示部 205 バーコードリーダ 206 電話線 301 バーコードリーダ 302 試験内容入力部 303 消耗品格納部 304 分析部 305 データ解析部 306 データ格納部 307 表示部 308 中央制御部 309 通信部 310 バーコード発行部 331 交換部品格納部 332 試薬格納部 333 洗浄剤格納部 334 容器格納部 341 試験/測定部 342 駆動/搬送部 361 解析結果格納部 362 消耗品情報格納部 363 試験実績格納部 378 装置状態取得部 381 試験精度判定部 382 試験禁止部 383 駆動制御部 384 要請情報送出部 385 試験費算出部 386 エラー検知部 387 装置状態取得部 388 エラー状態送出部 404 ハードディスク 405 モデム 441 プログラム部 442 データベース部 473 プリンタ 501 要請情報受信部 502 要請情報格納部 503 消耗品消費履歴導出部 504 消費量予測部 505 消耗品発注部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 正則 神奈川県藤沢市遠藤2023−1 株式会社エ イアンドティー内 Fターム(参考) 2G058 BB07 BB08 GC01 GC04 GC08 GC09

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医学分野、生物分野、化学分野における
    臨床検査ないし化学分析に用いられる自動分析装置であ
    って、 臨床検査ないし化学分析に関する消耗品の情報を入力す
    る消耗品情報入力手段と、 前記消耗品情報入力手段により入力された消耗品の情報
    を格納する消耗品情報格納手段と、 従前におこなわれた臨床検査ないし化学分析の試験実績
    を格納する試験実績格納手段と、 新たな臨床検査ないし化学分析の試験項目と試験数を入
    力する試験内容入力手段と、 前記消耗品情報格納手段により格納された消耗品の情報
    と、前記試験実績格納手段により格納された試験実績
    と、前記試験内容入力手段により入力された試験項目と
    試験数に基づいて、臨床検査ないし化学分析を実行した
    場合に試験結果の精度が保証できるか否かを判定する試
    験精度判定手段と、 を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  2. 【請求項2】 前記試験精度判定手段により試験結果の
    精度が保証できないと判定された場合に、前記試験内容
    入力手段により入力された試験項目と試験数にかかる前
    記新たな臨床検査ないし化学分析の実行を禁止する試験
    禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自
    動分析装置。
  3. 【請求項3】 前記消耗品情報格納手段により格納され
    た消耗品の情報と、前記試験実績格納手段により格納さ
    れた試験実績と、前記試験内容入力手段により入力され
    た試験項目と試験数に基づいて、消耗品の補充要請もし
    くは交換要請に関する情報を送出する要請情報送出手段
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自
    動分析装置。
  4. 【請求項4】 消耗品の情報は、品名、ロット番号、シ
    リアル番号、量、耐用回数もしくは有効期限、価格に関
    する情報であることを特徴とする請求項1、2または3
    に記載の自動分析装置。
  5. 【請求項5】 消耗品の情報は1次元バーコードもしく
    は2次元バーコードにより表現され、前記消耗品情報入
    力手段をバーコードリーダとしたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
  6. 【請求項6】 消耗品の情報を1次元バーコードもしく
    は2次元バーコードとして発行するバーコード発行手段
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載の自動分析装置。
  7. 【請求項7】 前記消耗品情報入力手段により入力され
    た消耗品の情報と、前記試験内容入力手段により入力さ
    れた試験項目と試験数に基づいて、臨床検査ないし化学
    分析を実行した場合の試験費用を算出する試験費算出手
    段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一
    つに記載の自動分析装置。
  8. 【請求項8】 試験中のエラーを検知するエラー検知手
    段と、 前記エラー検知手段によりエラーが検知された場合に、
    装置の状態を取得する装置状態取得手段と、 前記エラー検知手段により検知されたエラーに関する情
    報と、前記装置状態取得手段により取得された装置の状
    態に関する情報を送出するエラー状態送出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つ
    に記載の自動分析装置。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の自動分析装置がネット
    ワークを介して管理装置と接続している自動分析システ
    ムであって、 前記管理装置は、 前記要請情報送出手段により送出された補充要請もしく
    は交換要請に関する情報を受信する要請情報受信手段
    と、 前記要請情報受信手段により受信された情報に基づい
    て、補充もしくは交換すべき消耗品を発注する発注手段
    と、 を備えたことを特徴とする自動分析システム。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の自動分析装置が複数
    台ネットワークを介して管理装置と接続している自動分
    析システムであって、 前記管理装置は、 前記要請情報送出手段から送出された補充要請もしくは
    交換要請に関する情報を受信する要請情報受信手段と、 前記要請情報受信手段により受信された情報を格納する
    要請情報格納手段と、 前記要請情報格納手段により格納された情報に基づい
    て、消耗品の消費履歴を導出する消費履歴導出手段と、 を備えたことを特徴とする自動分析システム。
  11. 【請求項11】 前記管理装置は、前記消費履歴導出手
    段により導出された消耗品の消費履歴から消耗品の消費
    量を予測する消費量予測手段を備えたことを特徴とする
    請求項10に記載の自動分析システム。
  12. 【請求項12】 前記管理装置は、前記消費量予測手段
    により予測された消費量に基づいて消耗品を発注する発
    注手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の自
    動分析システム。
  13. 【請求項13】 医学分野、生物分野、化学分野におけ
    る臨床検査ないし化学分析に用いられる自動分析装置管
    理方法であって、 臨床検査ないし化学分析に関する消耗品の情報を入力す
    る消耗品情報入力工程と、 前記消耗品情報入力工程で入力された消耗品の情報を格
    納する消耗品情報格納工程と、 従前におこなわれた臨床検査ないし化学分析の試験実績
    を格納する試験実績格納工程と、 新たな臨床検査ないし化学分析の試験項目と試験数を入
    力する試験内容入力工程と、 前記消耗品情報格納工程で格納された消耗品の情報と、
    前記試験実績格納工程で格納された試験実績と、前記試
    験内容入力工程で入力された試験項目と試験数に基づい
    て、臨床検査ないし化学分析を実行した場合に試験結果
    の精度が保証できるか否かを判定する試験精度判定工程
    と、 を含んだことを特徴とする自動分析装置管理方法。
  14. 【請求項14】 前記試験精度判定工程で試験結果の精
    度が保証できないと判定された場合に、前記試験内容入
    力工程で入力された試験項目と試験数にかかる前記新た
    な臨床検査ないし化学分析の実行を禁止する試験禁止工
    程を含んだことを特徴とする請求項13に記載の自動分
    析装置管理方法。
  15. 【請求項15】 前記消耗品情報格納工程で格納された
    消耗品の情報と、前記試験実績格納工程で格納された試
    験実績と、前記試験内容入力工程で入力された試験項目
    と試験数に基づいて、消耗品の補充要請もしくは交換要
    請に関する情報を送出する要請情報送出工程を含んだこ
    とを特徴とする請求項13または14に記載の自動分析
    装置管理方法。
  16. 【請求項16】 消耗品の情報は、品名、ロット番号、
    シリアル番号、量、耐用回数もしくは有効期限、価格に
    関する情報であることを特徴とする請求項13、14ま
    たは15に記載の自動分析装置管理方法。
  17. 【請求項17】 消耗品の情報は1次元バーコードもし
    くは2次元バーコードにより表現され、前記消耗品情報
    入力工程ではバーコードリーダを用いて消耗品の情報を
    入力することを特徴とする請求項13〜16のいずれか
    一つに記載の自動分析装置管理方法。
  18. 【請求項18】 消耗品の情報を1次元バーコードもし
    くは2次元バーコードとして発行するバーコード発行工
    程を含んだことを特徴とする請求項13〜17のいずれ
    か一つに記載の自動分析装置管理方法。
  19. 【請求項19】 前記消耗品情報入力工程で入力された
    消耗品の情報と、前記試験内容入力工程で入力された試
    験項目と試験数に基づいて、臨床検査ないし化学分析を
    実行した場合の試験費用を算出する試験費算出工程を含
    んだことを特徴とする請求項13〜18のいずれか一つ
    に記載の自動分析装置管理方法。
  20. 【請求項20】 試験中のエラーを検知するエラー検知
    工程と、 前記エラー検知工程でエラーが検知された場合に、装置
    の状態を取得する装置状態取得工程と、 前記エラー検知工程で検知されたエラーに関する情報
    と、前記装置状態取得工程で取得された装置の状態に関
    する情報を送出するエラー状態送出工程と、 を含んだことを特徴とする請求項13〜19のいずれか
    一つに記載の自動分析装置管理方法。
  21. 【請求項21】 請求項3に記載の自動分析装置に適用
    する消耗品管理方法であって、 前記要請情報送出手段から送出された補充要請もしくは
    交換要請に関する情報を受信する要請情報受信工程と、 前記要請情報受信工程で受信された情報に基づいて、補
    充もしくは交換すべき消耗品を発注する発注工程と、 を含んだことを特徴とする消耗品管理方法。
  22. 【請求項22】 請求項3に記載の自動分析装置が複数
    台存在する場合の消耗品管理方法であって、 前記要請情報送出手段から送出された補充要請もしくは
    交換要請に関する情報を受信する要請情報受信工程と、 前記要請情報受信工程で受信された情報を格納する要請
    情報格納工程と、 前記要請情報格納工程で格納された情報に基づいて、消
    耗品の消費履歴を導出する消費履歴導出工程と、 を含んだことを特徴とする消耗品管理方法。
  23. 【請求項23】 前記消費履歴導出工程により導出され
    た消耗品の消費履歴から消耗品の消費量を予測する消費
    量予測工程を含んだことを特徴とする請求項22に記載
    の消耗品管理方法。
  24. 【請求項24】 前記消費量予測工程で予測された消費
    量に基づいて消耗品を発注する発注工程を含んだことを
    特徴とする請求項23に記載の消耗品管理方法。
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