JP2018141649A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力された取出す試薬容器と、補充する試薬容器に関する情報に基づいて、自動分析装置から取出し試薬容器と、補充する試薬容器を容易に把握する。【解決手段】自動分析装置が備える制御部は、測定部によって吸光度が測定される作業日のルーチン回数に基づき、試薬容器保持部に架設される試薬容器から取出す試薬容器の候補を選出するための第1条件に応じて取り出される試薬容器の数と、試薬容器保持部に補充される新たな試薬容器の候補を選出するための第2条件に応じて補充される試薬容器の数とが変わらない定常状態となるように、取出す試薬容器と、補充する試薬容器とを選出する。出力部は、制御部によって特定された取出す試薬容器と、補充する試薬容器に関する情報を出力する。【選択図】図8

Description

本発明は、検体と試薬とを反応させて検体の成分を分析するための自動分析装置に関する。
自動分析装置として、血液や尿等の検体に含まれる各種成分を分析する生化学分析装置が知られている。この生化学分析装置では、血清、尿等の検体を一定の条件で希釈した後、反応容器に分注して、分析項目に応じた試薬と、検体とを反応容器内で混合して反応させている。そして、生化学分析装置は、反応容器に分注された希釈検体の吸光度を測定し、吸光度を濃度に換算することによって、検体に含まれる測定対象物質の分析を行っている。
分析に使用される試薬には使用期限がある。また、試薬容器のサイズはそれぞれ異なるため、小さいサイズの試薬容器に収容された試薬は想定よりも早くなくなることもある。このため、所定のタイミングで生化学分析装置にセットされた試薬容器を交換する必要がある。しかし、生化学分析装置には多くの試薬容器がセットされているため、ユーザーは、交換すべき試薬容器を把握することが難しかった。
試薬の交換を自動化する技術として、特許文献1には、予め定められた優先順位に基づいて、試薬容器移送機構が第2の試薬容器保管部から第1の試薬容器保管部へと試薬容器を移送する技術が開示されている。
特開2004−340649号公報
ところで、試薬容器を適切に交換しなかったために、試薬容器に収容された試薬が分析途中でなくなると、試薬の交換作業により、患者検体の測定が中断される。このため、医師や患者への分析結果の報告が遅れてしまう。
また、試薬容器を過剰に廃棄してしまうと、試薬の購入コスト(運用コスト)が増加する。しかし、試薬を無駄なく、適切に交換しようとするためには、ユーザーに試薬交換に関わる高度な判断が強いられ、計画時間、検討時間を浪費する。
特許文献1に開示された技術では、このような試薬の取出し、廃棄コストについて何ら言及されておらず、適切な試薬交換を行うことができなかった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、取出す試薬と、補充する試薬を適切に管理して試薬容器を交換できるようにすることを目的とする。
本発明に係る自動分析装置は、測定項目毎に試薬が収容された試薬容器が架設される試薬容器保持部と、試薬と検体とが分注される反応容器が架設される反応容器保持部と、反応容器に収容された検体と試薬とが混合された混合液の吸光度を測定する測定部と、測定部によって吸光度が測定される作業日のルーチン回数に基づき、試薬容器保持部に架設される試薬容器から取出す試薬容器の候補を選出するための第1条件に応じて取り出される試薬容器の数と、試薬容器保持部に補充される新たな試薬容器の候補を選出するための第2条件に応じて補充される試薬容器の数とが変わらない定常状態となるように、取出す試薬容器と、補充する試薬容器とを選出する制御部と、制御部によって特定された取出す試薬容器と、補充する試薬容器に関する情報を出力する出力部と、を備える。
本発明によれば、ユーザーは、出力された取出す試薬容器と、補充する試薬容器に関する情報に基づいて、自動分析装置から取出し試薬容器と、補充する試薬容器を容易に把握することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係る自動分析装置を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る制御装置の内部構成例を示すブロック図である。 従来の試薬交換の手順を示すフローチャートである。 従来の試薬情報リストの例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る試薬交換の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る第1項目情報画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第2項目情報画面の表示例を示す説明図である。 図5のステップS12,S13の処理の概要を示すフローチャートである。 図5のステップS12の処理の詳細を示すフローチャートである。 図9の補充する又は取出す試薬の仮選出処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る測定項目運用条件設定画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第3項目情報画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る測定項目運用条件設定画面の一部を抜粋した表の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第1交換試薬選出画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第1交換試薬選出画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第1交換試薬選出画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第2交換試薬選出画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る出力先指定画面の表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る測定項目運用条件設定画面の一部を抜粋した表の例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[1.一実施の形態]
<自動分析装置の構成>
始めに、本例の自動分析装置について説明する。
図1は、本例の自動分析装置を模式的に示す説明図である。
図1に示す装置は、本発明の自動分析装置の一例として適用する生化学分析装置1である。生化学分析装置1は、血液や尿等の生体から採取した元検体(「検体」とも呼ぶ)に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。
この生化学分析装置1は、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、第1ターンテーブル4と、第2ターンテーブル5と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、生化学分析装置1は、元検体サンプリングプローブ7と、希釈検体サンプリングプローブ8と、希釈撹拌機構9と、サンプルバーコードリーダー10と、希釈容器洗浄機構11と、第1試薬分注プローブ12と、第2試薬分注プローブ13と、第1反応液撹拌機構14と、第2反応液撹拌機構15と、多波長光度計16と、恒温槽17と、反応容器洗浄機構18と、制御装置40とを備えている。さらに、生化学分析装置1は、元検体サンプリングプローブ洗浄機構31、希釈検体サンプリングプローブ洗浄機構32、第1試薬プローブ洗浄機構33、第2試薬分注プローブ洗浄機構34を備える。この生化学分析装置1では、例えば、希釈検体サンプリングプローブ8等の各種プローブによる検体の分注動作や、第1反応液撹拌機構14又は第2反応液撹拌機構15による撹拌動作の繰り返しの1単位が1サイクルの時間を掛けて行われる。
サンプルターンテーブル2、希釈ターンテーブル3、第1ターンテーブル4、第2ターンテーブル5、反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持され、周方向に所定の角度範囲毎に、所定の速度で回転する。
サンプルターンテーブル2(検体保持部の一例)は、検体が収容されたサンプル容器21と、保冷サンプル容器22(いずれも検体容器の一例)を保持する。このサンプルターンテーブル2には、サンプルターンテーブル2の円周上に配列された複数のサンプル容器21と、サンプル容器21の内周に、サンプル容器21よりも小さな径で円周上に配列された複数の保冷サンプル容器22が収容されている。サンプル容器21には、検体及び洗剤が収容されている。保冷サンプル容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外に洗剤が収容されている。
希釈ターンテーブル3(希釈容器保持部の一例)には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置されたサンプル容器21から吸引され、希釈された元検体(希釈検体)が収容される。
第1ターンテーブル4(第1試薬容器保持部の一例)には、複数の第1試薬容器24が第1ターンテーブル4の周方向に並べて架設されている。また、第2ターンテーブル5(第2試薬容器保持部の一例)には、複数の第2試薬容器25が第2ターンテーブル5の周方向に並べて架設されている。
第1試薬容器24には、濃縮された第1試薬が収容され、第2試薬容器25には、濃縮された第2試薬が収容される。第1試薬容器24に収容された第1試薬と、第2試薬容器25に収容された第2試薬は、不図示の保冷機構によって所定の温度で保冷される。以下の説明では、第1ターンテーブル4、第2ターンテーブル5を区別しない場合に、「試薬トレイ」とも呼ぶ。また、第1試薬容器24、第2試薬容器25を区別しない場合に、「試薬容器」とも呼ぶ。
第1ターンテーブル4には、第1試薬容器24の側面に付されたバーコードを読取る第1試薬バーコードリーダー27が設けられる。第2ターンテーブル5には、第2試薬容器25の側面に付されたバーコードを読取る第2試薬バーコードリーダー28が設けられる。第1試薬バーコードリーダー27及び第2試薬バーコードリーダー28によって、測定項目で使用される試薬容器の位置が特定できるため、空いている位置など任意の位置に試薬容器を置くことができる。なお、試薬容器は、製造によるロット間の性能差や開封後の継時的な変質により個体差がある。このため、試薬は、生化学分析装置1に補充され、又は生化学分析装置1にセットされていた試薬が取出される。
以下の説明で、試薬の補充とは、試薬容器に継ぎ足して再利用するのではなく、試薬の残量に多少の余りがあっても、試薬トレイに架設されていた試薬を取出し、新品の試薬容器に交換することをいう。また、試薬の取出しとは、生化学分析装置1に架設されていた試薬容器を生化学分析装置1から取出すことをいう。
反応ターンテーブル6(反応容器保持部の一例)は、希釈ターンテーブル3と、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5の間に配置され、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて架設されている。そして、反応ターンテーブル6は、反応容器26をテスト毎に移動させ、一定のサイクル期間だけ反応容器26を停止させる。ここで、「テスト」とは、1検体に対する測定項目を1回測定して分析することをいう。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングされた希釈検体と、第1ターンテーブル4の第1試薬容器24からサンプリングされた第1試薬と、第2ターンテーブル5の第2試薬容器25からサンプリングされた第2試薬とが注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌され、反応が行われる。
元検体サンプリングプローブ7(検体分注部の一例)は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置され、不図示の希釈プローブ駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。元検体サンプリングプローブ7の分注動作では、元検体サンプリングプローブ7が、予め設定された吸引位置にあるサンプル容器21又は保冷サンプル容器22から所定量の検体、洗剤等の液体を吸引し、予め設定された位置にある希釈容器23に、吸引した検体と、元検体サンプリングプローブ7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を吐出する。これにより、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。このように元検体サンプリングプローブ7は、検体を希釈することを主目的として希釈容器23に検体を分注する。元検体サンプリングプローブ7は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間に設けられた元検体サンプリングプローブ洗浄機構31(第1洗浄部の一例)によって洗浄される。そして、元検体サンプリングプローブ7は、所定時間毎に検体容器に収容された検体の液面高さを測定し、検体の液面高さの値を含む測定データを制御装置40に送信する。また、元検体サンプリングプローブ7は、検体容器から検体を吸引する際の圧力値を測定し、この測定データを制御装置40に送信する。
希釈検体サンプリングプローブ8(希釈検体分注部の一例)は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置され、不図示のサンプリングプローブ駆動機構により、希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。希釈検体サンプリングプローブ8の分注動作では、希釈検体サンプリングプローブ8が、希釈ターンテーブル3の希釈容器23から所定量の希釈検体を吸引し、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。希釈検体サンプリングプローブ8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に設けられた希釈検体サンプリングプローブ洗浄機構32(第2洗浄部の一例)によって洗浄される。そして、希釈検体サンプリングプローブ8は、所定時間毎に希釈容器23に収容された希釈検体の液面高さを測定し、希釈検体の液面高さの値を含む測定データを制御装置40に送信する。
なお、生化学分析装置1が希釈ターンテーブル3を使用しない、又は希釈ターンテーブル3がない構成であれば、反応容器26には、希釈検体サンプリングプローブ8によってサンプルターンテーブル2から反応容器26に検体が分注される。
希釈撹拌機構9及び希釈容器洗浄機構11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌機構9は、不図示の攪拌棒を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。希釈容器洗浄機構11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。
サンプルバーコードリーダー10は、サンプルターンテーブル2の側面に設けられている。サンプルバーコードリーダー10は、サンプルターンテーブル2に収容されたサンプル容器21、保冷サンプル容器22の側面に付されたバーコードを読み取り、サンプル容器21、保冷サンプル容器22に収容された検体、希釈液を管理している。
第1試薬分注プローブ12(試薬分注部の一例)は、反応ターンテーブル6と第1ターンテーブル4の間に配置され、不図示の第1試薬プローブ駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第1試薬分注プローブ12の分注動作では、第1試薬分注プローブ12が、予め設定された吸引位置にある第1試薬容器24から所定量の第1試薬等の液体を吸引し、吸引した第1試薬を予め設定された位置にある反応容器26へ吐出する。第1試薬分注プローブ12は、反応ターンテーブル6と第1ターンテーブル4の間に設けられた第1試薬プローブ洗浄機構33(第3洗浄部の一例)によって洗浄される。そして、第1試薬分注プローブ12は、所定時間毎に第1試薬容器24に収容された第1試薬の液面高さを測定し、第1試薬の液面高さの値を含む測定データを制御装置40に送信する。
第2試薬分注プローブ13(試薬分注部の一例)は、反応ターンテーブル6と第2ターンテーブル5の間に配置され、不図示の第2試薬分注プローブ駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第2試薬分注プローブ13の分注動作では、第2試薬分注プローブ13が、第2ターンテーブル5の第2試薬容器25から所定量の第2試薬を吸引し、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。第2試薬分注プローブ13は、反応ターンテーブル6と第2ターンテーブル5の間に設けられた第2試薬分注プローブ洗浄機構34(第4洗浄部の一例)によって洗浄される。そして、第2試薬分注プローブ13は、所定時間毎に第2試薬容器25に収容された第2試薬の液面高さを測定し、第2試薬の液面高さの値を含む測定データを制御装置40に送信する。
第1反応液撹拌機構14、第2反応液撹拌機構15及び反応容器洗浄機構18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応液撹拌機構14(第1攪拌部の一例)は、不図示の攪拌棒を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。第2反応液撹拌機構15(第2攪拌部の一例)は、不図示の攪拌棒を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との混合液を撹拌する。反応容器洗浄機構18は、分析が終了した反応容器26内を洗浄する。
多波長光度計16(測定部の一例)は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置され、反応容器に光線を照射する光源ランプを用いて、反応容器26内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体の混合液に対する光学的測定(比色測定)を行う。そして、多波長光度計16は、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値で出力し、希釈検体の反応状態を検出する。多波長光度計16には、生化学分析装置1の各部の動作を制御するための制御装置40が接続されている。
反応ターンテーブル6の周囲には、恒温槽17が配置されている。この恒温槽17は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
<制御装置の構成例>
次に、制御装置40の構成例を説明する。
図2は、制御装置40の内部構成例を示すブロック図である。
制御装置40は、バス46に接続された、制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、インターフェイス部45とを備える。
制御部41は、コンピュータの一例として用いられるCPU(Central Processing Unit)等によって構成されており、記憶部42から読出したプログラムに基づいて生化学分析装置1内の各部の動作を制御する。制御部41は、多波長光度計16からインターフェイス部45を通じて各種の測定データを取得する。また、制御部41は、表示部43に表示する各種の画面の制御を行う。このとき、制御部41は、多波長光度計16によって吸光度が測定される作業日のルーチン回数に基づき、試薬トレイに架設される試薬容器から取出す試薬容器の候補を選出するための第1条件に応じて取り出される試薬容器の数と、試薬トレイに補充される新たな試薬容器の候補を選出するための第2条件に応じて補充される試薬容器の数とが変わらない定常状態となるように、取出す試薬容器と、補充する試薬容器とを選出する。第1条件及び第2条件の具体的な内容は後述する。
また、制御部41は、試薬トレイに架設される試薬容器のうち、作業日のルーチン回数に満たない測定項目に用いられる試薬が収容された試薬容器を優先して補充する又は取出す候補として選出する。ここで、制御部41は、試薬トレイに架設される試薬容器のうち、試薬容器を廃棄するときのコストが少ない試薬容器を優先して補充する又は取出す候補として選出する。なお、以下の説明において、定常状態となるまで、補充する又は取出す候補の試薬容器が仮選出される。そして、制御部41は、操作部44から入力された指示に基づいて、補充する又は取出す試薬容器の仮選出を繰り返し、最終的に補充する又は取出す試薬容器を確定する。
記憶部42は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記録装置によって構成される。記憶部42は、制御部41が動作するために必要なプログラム、測定データ、検量線等を記憶しており、制御部41によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。制御部41によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記憶媒体としては、HDDに限定されず、例えば、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体であってもよい。
表示部43(出力部の一例)は、希釈検体、第1試薬及び第2試薬の混合液の測定結果等を表示する。また、表示部43は、制御部41によって特定された取出す試薬容器と、補充する試薬容器に関する情報を表示する。また、表示部43には、取出す試薬容器に関する情報として、試薬容器が架設される位置、試薬容器に収容される試薬の測定項目名、試薬容器に収容される試薬を用いて可能なテストの残テスト数、試薬容器を廃棄したときの損失コスト等の情報が表示される。この表示部43には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。なお、表示部43に表示される情報は、印刷装置等により印刷されたり、ユーザが所持する携帯端末に出力されたりする。
操作部44は、ユーザによって行われる生化学分析装置1に対する操作入力を受け付け、入力信号を制御部41に出力する。また、ユーザは、表示部43に表示された取出す試薬容器に関する情報と、補充する試薬容器に関する情報に基づいて、補充する又は取出す試薬容器を変更することが可能である。この操作部44には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
インターフェイス部45は、多波長光度計16が測定した混合液の測定値が入力されると、制御部41に測定値を渡す。なお、図2では、インターフェイス部45に多波長光度計16だけを接続した例を示しているが、生化学分析装置1内の各部についても同様にインターフェイス部45に接続され、制御装置40による制御が行われる。
<従来の試薬交換フロー>
次に、従来の試薬交換フローと、試薬情報リストD1(後述する図4を参照)について説明する。この試薬交換フローは、一日のルーチンを開始する前に行われる。ルーチンとは、例えば、一日に測定される項目の総数が「500」である場合に、この総数を「1」に換算した値である。そして、開封直後の試薬容器には十分な量の試薬が収容されている。例えば、試薬容器のルーチン回数が0.9であれば、一日に測定可能な項目の総数が「450(=500×0.9)」であり、試薬容器のルーチン回数が1.5であれば、一日に測定可能な項目の総数が「750(=500×1.5)」である。
図3は、従来の試薬交換の手順を示すフローチャートである。
始めに、ユーザーが生化学分析装置1のメンテナンスを行う(S1)。このメンテナンスには、生化学分析装置1を構成する消耗部品の交換、清掃等が含まれる。
次に、ユーザーは、生化学分析装置1にセットされた試薬容器に収容される試薬を用いて測定可能な残テスト数等が示された試薬情報を表示部43を通じて閲覧する(S2)。残テスト数とは、試薬容器に収容される試薬の量から換算されるテスト可能な回数を表す。そして、ユーザーは、従来の試薬情報リストD1に試薬情報を印刷する(S3)。
次に、ユーザーは、印刷した試薬情報リストD1を携帯して、試薬の貯蔵庫に行き、貯蔵庫から補充する試薬の試薬容器を運搬する(S4)。そして、ユーザーは、試薬容器を交換する(S5)。次に、ユーザーは、生化学分析装置1を操作して、生化学分析装置1のキャリブレーションを行う(S6)。そして、生化学分析装置1は、コントロール検体を測定し、精度管理を実施する(S7)。
<従来の試薬情報リストの例>
図4は、図3に示した従来の処理フローのステップS3にて印刷される試薬情報リストD1の例を示す説明図である。
例えば、ルーチンの準備を行う日が2016年10月31日であれば、この日を作業日とするルーチンの測定項目毎に第1試薬及び第2試薬における、試薬の残回数、残テスト数、試薬容器の番号、診断情報が試薬情報リストD1に一覧表示される。しかし、試薬情報リストD1に診断情報が表示されても、ユーザーは、どこから試薬を取出し、どこに新たな試薬容器を補充すればいいのか把握しにくかった。また、試薬情報リストD1は、全ての測定項目に対する第1試薬及び第2試薬の情報が表示されるため、対処すべき試薬を探しにくかった。
このように図3のステップS3で印刷された試薬情報リストD1には、不要な情報も多く含まれており、熟練したユーザーでなければ取り出す試薬と補充する試薬を把握しにくい。このため、誤って取出した試薬容器を廃棄したり、補充する試薬の試薬容器を誤って貯蔵庫から選択したりすることがあった。
<本実施の形態の試薬交換フロー>
次に、本実施の形態に係る試薬交換フローについて説明する。この試薬交換フローについても、一日のルーチンを開始する前に行われる。
図5は、本実施の形態の試薬交換の手順を示すフローチャートである。
始めに、ユーザーが生化学分析装置1のメンテナンスを行う(S11)。次に、生化学分析装置1は、次回のルーチンの日時を指定して、ルーチンに用いられる交換する試薬を選出する(S12)。
そして、生化学分析装置1は、次回のルーチン準備をするために、本実施の形態に係る試薬情報リストに試薬の交換計画を印刷する(S13)。試薬の交換計画は、表示部43に表示された補充する又は取出す試薬に関する情報の複製が試薬情報リストとして、紙やモバイル端末機等に出力される。
以下のステップS14〜S17の処理は、図3に示したステップS4〜S7の処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。
ステップS13で印刷された試薬の交換計画は、生化学分析装置1から取り出す試薬と、生化学分析装置1に補充する試薬が明記されたものである。このため、ユーザーは、印刷された試薬の交換計画を見ることで、取り出す試薬と補充する試薬を把握しやすくなる。
<各画面の表示例>
次に、各画面の表示例について説明する。
図6は、第1項目情報画面W1の表示例を示す説明図である。
図6Aに示す第1項目情報画面W1には、測定項目に関する様々な情報が表示される。第1項目情報画面W1は、表示モード選択ボタンW1a、作業日設定ボタンW1b、表示残数切替えボタンW1c、フィルタリングボタンW1d、測定項目状態W1e、測定項目名W1f、残テスト数W1gを備える。
ユーザーが操作部44を操作して表示モード選択ボタンW1aを押すと、図6Bに示す表示モードダイアログが表示される。表示モードダイアログを通じて、標準モード又はルーチン準備モードを切替えて設定することが可能である。標準モードとは、当日のルーチン作業に対する現時点の項目の状態が表示されるモードである。ルーチン準備モードとは、次回のルーチン作業分に対する項目の状態が表示されるモードである。
ルーチン準備モードであるときに作業日設定ボタンW1bが押されると、カレンダーが表示される。このため、ユーザーはカレンダーから作業日を選択して入力することが可能である。ユーザーは、作業日設定ボタンW1bに示す作業日を変更することで、試薬や検量線の有効期限を確認することが可能である。
表示残数切替えボタンW1cが押されると、不図示の表示残数ダイアログが表示される。表示残数ダイアログを通じて、表示残数切替えボタンW1cに表示されるボタン名を「残テスト数」又「は残ルーチン回数」のいずれかに切替えて表示することが可能である。
ここで、残ルーチン回数とは、残テスト数を1日あたりのテスト数で割った値であり、試薬容器に収容される試薬の量から換算される残りのルーチン回数を表す。残ルーチン回数が「1」以上であれば一日のルーチン中に試薬切れが発生しにくい。しかし、試薬が使用されたことにより試薬容器に収容される試薬の量が減ると、この試薬容器を使ってテスト可能な回数も減る。このため、残ルーチン回数が「1」未満となると、一日のルーチン中に試薬切れが生じる可能性が高くなる。
フィルタリングボタンW1dが押されると、例えば、「正常」、「注意」、「異常」の3種類のステータスに応じて抽出された測定項目の情報が測定項目状態W1eに表示される。フィルタリングボタンW1dにて「全て」が選択されると、ステータスによらず全ての測定項目の情報が測定項目状態W1eに表示される。ステータスが「注意」であるとは、試薬残量が減少した、試薬の有効期限切れが近いといった状態を表す。また、ステータスが「異常」であるとは、測定できない、測定データに影響が発生する可能性がある状態であることを表す。ステータスが「正常」であるとは、「注意」及び「異常」以外の状態であることを表す。
測定項目状態W1eには、1つのセルに1つの測定項目の状態が表示される。ユーザーは、各測定項目の状態を一目で認識することが可能である。
測定項目名W1fには、測定項目名が表示される。図6Cに示すように各セルは、ステータスによって変わる文字色及び背景色で表示される。
残テスト数W1gには、測定項目の残テスト数が表示される。ここで、表示残数切替えボタンW1cに「残テスト数」が表示されていれば、測定項目の残テスト数が表示される。一方、表示残数切替えボタンW1cに「残ルーチン回数」が表示されていれば、測定項目の残ルーチン回数が表示される。
測定項目状態W1eの各セルで表される測定項目には、図6Dに示すステータスアイコンi1〜i3のいずれかが表示されることがある。ステータスアイコンi1は、有効な試薬ペアがない等の試薬関連で問題が生じた場合に表示されるアイコンである。ステータスアイコンi2は、警告や注意が必要な検量線がある等の検量線に問題が生じた場合に表示されるアイコンである。ステータスアイコンi3は、測定条件の設定異常が生じた場合に、また、測定項目の測定結果が不十分である場合に他の生化学分析装置1にて測定が必要であることをユーザーに通知するために表示されるアイコンである。
測定項目状態W1eのいずれかのセルが押されると、図7に示す第2項目情報画面W2が表示部43に表示される。
図7は、第2項目情報画面W2の表示例を示す説明図である。
第2項目情報画面W2は、項目選択ボタンW2a、項目セレクトボタンW2b、試薬ペア選択領域W2c、コントロール表示領域W2d、試薬・希釈駅情報表示領域W2eを備える。
項目選択ボタンW2aが押されると、測定項目が選択される。
項目セレクトボタンW2bが押されると、項目セレクトのON又はOFFが切替えて表示される。
試薬ペア選択領域W2cでは、ユーザーが検体の測定に用いられる試薬の試薬ペア(第1試薬及び第2試薬の組)を選択することが可能である。
コントロール表示領域W2dには、コントロール検体の測定値が表示される。
試薬・希釈駅情報表示領域W2eには、第1試薬及び第2試薬の残テスト数、希釈液の残量等が表示される。
<本実施の形態の処理例>
本実施の形態に係る生化学分析装置1では、ユーザーが取り出す試薬容器と、補充する試薬とを容易に把握可能な試薬情報リストを作成することが可能となる。以下に、試薬情報リストを作成するための一連の処理及び画面の遷移例について説明する。
図8は、図5のステップS12,S13の処理の概要を示すフローチャートである。本処理では、補充する試薬と取出す試薬の候補を仮選出し、仮選出された試薬容器の妥当性を判断し、適切なタイミングで試薬容器を交換可能とするものである。
始めに、図5のステップS12の処理の概要について説明する。ステップS12は、図8のステップS21〜S25の処理を含む。
まず、ユーザーは、生化学分析装置1を起動し、ルーチンの準備を行う。本処理の開始時における初期値として、補充する試薬と、取出す試薬は仮選出されていないものとする。ここで、取出す試薬の仮選出は、以下の条件(1)〜(3)に示す優先順で行われる。ただし、仮選出される取出す試薬の数の最大値は、(試薬トレイに補充する試薬の数)−(空き数)で表される。
(1)試薬トレイに空きがある、又は試薬容器にエラーが生じている。
(2)試薬容器に収容された試薬が期限切れである。
(3)既に取出す試薬として仮選出されている。
制御部41は、補充する試薬を仮選出し、仮選出した補充する試薬の情報を表示部43に表示する(S21)。このとき、制御部41は、少なくとも測定項目の残テスト数、測定項目の残ルーチン回数、取出し候補として選出された試薬容器のいずれか一つを含む第1条件に基づいて、補充する試薬を仮選出する。
次に、制御部41は、取出す試薬の試薬容器を仮選出し、仮選出した取出す試薬の情報を表示部43に表示する(S22)。このとき、制御部41は、少なくとも試薬トレイにおける試薬容器の空き位置数、試薬の期限、試薬容器に収容される試薬の残量、試薬容器の認識エラー、廃棄される試薬の損失コスト、補充候補として選出された試薬容器のいずれか一つを含む第2条件に基づいて、取出す試薬を仮選出する。
次に、制御部41は、ステップS22の前後で仮選出された試薬容器の変更があるか否かを判定する(S23)。ステップS21〜23の処理は、交換する試薬(補充する試薬と取り出す試薬)が定常状態になるまで繰り返し実行される。定常状態とは、生化学分析装置1が測定項目毎に次回のルーチンを中断なくこなすために必要な量の試薬を、試薬容器が架設される試薬トレイに補充する際に、余分な試薬が収容された試薬容器を廃棄する損失コストが最小限となるように試薬トレイから試薬容器を取出すことで到達する状態である。定常状態に到るまで、取出す試薬の数と、補充する試薬の数が変わるため、ステップS21〜S23の処理が繰り返し行われることとなる。
仮選出された試薬容器の変更がある場合(S23のYES)、制御部41は、ステップS21に戻り、再び補充する試薬と取出す試薬を仮選出する。ステップS21〜S23の処理は、制御部41によって自動的に繰り返し行われる。
一方、仮選出された試薬容器の変更がない場合(S23のNO)、ユーザーは、仮選出された試薬を確認する。そして、ユーザーは、操作部44を操作して、交換する試薬として仮選出された試薬を確定するか否かを選択する(S24)。仮選出された試薬を確定しない場合(S24のNO)、ユーザーは、操作部44を操作して補充する又は取出す試薬の仮選出を変更する(S25)。
ステップS25の後、試薬の仮選出が変更されたことを示す情報を制御部41が取得し、再びステップS21以降の処理を行う。一方、ユーザーが仮選出された試薬を確定する場合(S24のYES)、ステップS13の処理に移行する。
次に、図5のステップS13の処理の概要について説明する。ステップS13は、図8のステップS26,S27の処理を含む。
ユーザーは、操作部44を操作して、確定した補充する又は取出す試薬の試薬情報の印刷を指示する(S26)。制御部41は、補充する又は取出す試薬の試薬情報が明記される試薬情報リストを出力する(S27)。ユーザーは、図5のステップS14以降の処理に示したように、補充する又は取出す試薬の試薬情報が明記された試薬情報リストを参照して貯蔵庫から試薬容器を選択し、試薬トレイに架設された試薬容器を交換することができる。
<仮選出処理の詳細な説明>
図9と図10は、図5のステップS12の処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、図8のステップS21〜S25にて説明した処理を更に詳細に説明する。なお、図10において、ステップS41〜S44が補充する試薬の仮選出処理であり、ステップS45〜S49が取出す試薬の仮選出処理である。
始めに、ユーザーは、操作部44を操作して、次回のルーチン日付を指定する(S31)。次に、制御部41は、図10に示す補充する又は取出す試薬の仮選出処理を行う(S32)。
図10に示すように補充する試薬の仮選出処理では、制御部41が、試薬の残量及び試薬の期限の情報を記憶部42から収集し、測定項目毎に残テスト数を算出する(S41)。次に、制御部41は、残テスト数を1日あたりのテスト数で割った値を残ルーチン回数として測定項目毎に算出する(S42)。
次に、制御部41は、残ルーチン回数が少ない順にソートし、残ルーチン回数が2.0未満の測定項目とその関連試薬とを補充候補として表示部43に表示する(S43)。制御部41が残ルーチン回数が2.0未満の測定項目とその関連試薬とを仮選出しているのは、1ルーチン以上の測定に用いられる試薬が試薬容器に残っていても、例えば、特定の曜日ではルーチン回数が多くなり、試薬切れが発生するおそれがあることから、予めユーザーに注意を促すことを目的としている。
次に、制御部41は、残ルーチン回数が1.0未満の測定項目とその関連試薬を仮選出し、表示部43に表示する(S44)。残ルーチン回数が1.0未満の測定項目とその関連試薬は、作業日におけるルーチン回数を満たさないため、ルーチン中にほぼ確実に試薬切れが発生する可能性があるので、優先的に取出し候補として仮選出される。
なお、仮選出が確定され、かつ図9のステップS35にて仮選出がオフされている項目、すなわち、後述する図14の画面にて補充チェック項目W5bでチェックが外れた測定項目は補充する対象としないため、仮選出されない。
次に、取出す試薬の仮選出処理では、制御部41が、仮選出された全試薬を補充するために必要な空き位置を試薬トレイ毎に算出する(S45)。次に、試薬トレイに架設されている全ての試薬容器に対して試薬の残量及び試薬の期限の情報を収集して、試薬容器毎に残テスト数と、試薬容器を廃棄したときの損失コストを算出する(S46)。
次に、制御部41は、試薬トレイに架設されている全ての試薬容器に対して残テスト数、期限切れ等の情報に基づき、上述した(1)〜(3)の条件に合致する試薬容器を取り出し候補として抽出する(S47)。次に、制御部41は、抽出した取り出し候補を、上述した(1)〜(3)の条件の優先順に従って仮選出する(S48)。
ただし、仮選出が確定され、かつ図9のステップS35にて選出がオフされている項目、すなわち、後述する図14の画面にて取出しチェック項目W5gのチェックが外れた測定項目は仮選出の対象から除かれる。次に、制御部41は、試薬容器の取出す情報を試薬トレイ毎に表示部43に表示する(S49)。その後、図9のステップS33に戻る。
制御部41は、ステップS32の補充する又は取出す試薬の仮選出処理を終えた後、ステップS47の前後で仮選出された試薬容器が異なるか否かを判定する(S33)。仮選出された試薬容器が異なる場合(S33のYES)、制御部41は、ステップS32に戻って処理を繰り返す。
一方、仮選出された試薬容器が同じである場合(S33のNO)、ユーザーは、(試薬トレイの補充試薬数)≦(取出し試薬数+試薬トレイの空き数)の条件を満たす場合に、交換試薬の仮選出を確定するか否かを判定する(S34)。交換試薬の仮選出を確定する場合(S34のYES)、本処理を終了し、図8のステップS26以降の処理に進む。一方、交換試薬の仮選出を確定しない場合(S34のNO)、ユーザーは、補充する又は取出す試薬の仮選出を変更した後(S35)、制御部41は、ステップS32に戻って処理を繰り返す。
<測定項目運用条件設定画面の表示例>
図11は、測定項目運用条件設定画面W3の表示例を示す説明図である。
測定項目運用条件設定画面W3を通じて、ユーザーは、測定項目毎に「1日当たりのテスト数」と「1テストあたりのコスト」を事前に設定することが可能である。設定された「1日当たりのテスト数」と「1テストあたりのコスト」は、記憶部42に記憶される。
測定項目運用条件設定画面W3は、項目名W3a、1日当たりのテスト数W3b、1テスト当たりのコストW3c、保存ボタンW3d、閉じるボタンW3eを備える。
項目名W3aには、生化学分析装置1がテスト可能な測定項目の項目名が表示される。
1日当たりのテスト数W3bには、項目毎に1日で行われるテスト数が表示される。
1テスト当たりのコストW3cには、1回のテストで費やされるコストが表示される。このコストは、例えば、通貨単位が円で表されている。
保存ボタンW3dが押されると、ユーザーが設定変更した運用条件が記憶部42に保存される。
閉じるボタンW3eが押されると、測定項目運用条件設定画面W3が閉じる。
<第3項目情報画面の表示例>
図12は、第3項目情報画面W4の表示例を示す説明図である。
図12に示す第3項目情報画面W4は、図6Aに示した第1項目情報画面W1と同様の構成としている。このため、第3項目情報画面W4が備える表示モード選択ボタンW4a、作業日設定ボタンW4b、表示残数切替えボタンW4c、フィルタリングボタンW4d、測定項目状態W4eは、第1項目情報画面W1が備える各ボタンと同じ機能を有する。なお、第3項目情報画面W4は、交換試薬の選出ボタンW4fを備える点が、第1項目情報画面W1と異なっている。交換試薬の選出ボタンW4fが押されると、後述する図14に示す第1交換試薬選出画面W5が表示され、ユーザーが操作部44を操作して仮選出された交換試薬を変更することが可能となる。
次に、測定項目の運用条件を設定する画面について説明する。なお、処理の内容を簡潔に説明するため、以下のような前提条件を設ける。
・生化学分析装置1で使用される試薬トレイは1個(例えば、第1ターンテーブル4)とし、以下、「試薬トレイ1」とも呼ぶ。また、各項目を測定するときに使用する試薬は1種類(第1試薬だけを用いる)とする。
・試薬トレイ1に架設できる試薬容器の最大数は8個とする。
・試薬トレイ1の各位置に架設できる試薬容器の容器タイプは全て同じ(1種類)とする。
・使用する試薬容器の側面には全てバーコードが付されているものとする。
・試薬容器のバーコードが第1試薬バーコードリーダー27により既に読み取られており、制御部41は、試薬容器の位置から、測定項目を特定可能とする。
・新品の試薬容器が試薬トレイ1に架設されていれば、この試薬容器を用いて1日分のルーチンを十分にこなすことが可能である。
図13は、測定項目運用条件設定画面W3の一部を抜粋した表の例を示す説明図である。
図13Aに示す表T1は、項目名T1a、1日当たりのテスト数T1b、1テスト当たりのコストT1cの各フィールドを備える。各フィールドに格納される情報は、測定項目運用条件設定画面W3の項目名W3a、1日当たりのテスト数W3b、1テスト当たりのコストW3cに表示された情報と同じである。生化学分析装置1でテスト可能な測定項目は、例えば、「Fe」、「Ca」、「CRP」、「AST」、「UA」のみとする。
図13Bに示す表T2は、試薬トレイ1に架設されている試薬容器の位置と、測定に用いられる項目の内容を表す。表T2は、位置T2a、項目名T2b、残テスト数T2c、診断T2dの各フィールドを備える。
位置T2aには、「1」〜「8」までの試薬容器の位置を示す番号が格納される。
項目名T2bには、試薬トレイ1に架設された試薬容器に収容される試薬を用いてテスト可能な測定項目の項目名が格納される。例えば、「4」の位置には試薬容器が架設されていないため、「(空き)」と表示される。
残テスト数T2cには、試薬トレイ1に架設された試薬容器に収容される試薬を用いて実施可能なテストの残テスト数が格納される。
診断T2dには、試薬トレイ1に架設された試薬容器の診断情報が格納される。例えば、「7」の位置にあるFeの試薬容器に収容された試薬が期限切れであるため、診断T2dに「期限切れ」という診断情報が表示される。
表T2より、「AST」の測定項目に用いられる2つの試薬容器が「2」と「3」の位置に架設され、「CRP」の測定項目に用いられる2つの試薬容器が「5」と「6」の位置に架設されることが示される。生化学分析装置1は、各測定項目につき、2つの試薬容器のいずれかを優先して使用する。そして、一方の試薬容器に収容された試薬を使い切った場合には、他方の試薬容器に収容された試薬を使うように切替えることで、測定を継続することが可能である。
図13Cに示す表T3は、各測定項目の試薬の残テスト数と、残ルーチン回数を表す。表T3は、項目番号T3a、項目名T3b、残テスト数T3c、残ルーチン回数T3dの各フィールドを備える。表T3は、残ルーチン回数で測定項目がソートされている。
項目番号T3aには、項目名に紐付けられた項目番号が格納される。
項目名T3bには、項目名が格納される。
残テスト数T3cには、試薬を用いて実施可能なテストの試薬の残テスト数が格納される。残テスト数T3cに格納される残テスト数は、各測定項目における試薬容器の残テストの和である。例えば、「AST」の測定項目であれば、図13Bの表T2に、2つの試薬容器の残テスト数として「55」、「342」が示される。このため、残テスト数T3cに格納される「AST」の残テスト数は、「397(=55+342)」となる。
残ルーチン回数T3dには、残ルーチン回数が格納される。残ルーチン回数は、残テスト数T3cに格納された残テスト数を、図13Aの1日当たりのテスト数T1bに格納される1日当たりのテスト数で割った値である。例えば、「AST」の測定項目であれば、図13Aの表T1に、1日当たりのテスト数として「350」が示される。このため、残ルーチン回数T3dに格納される「AST」の残ルーチン回数は、「1.1(=397÷350)」となる。なお、「Fe」は、試薬が残っているものの、図13Bの診断T2dに示したように期限切れであるため、「Fe」の試薬を使用するテストができない。このため、「Fe」の残テスト数、残ルーチン回数は共に「0」と算出される。
<第1交換試薬選出画面の表示例>
次に、第1交換試薬選出画面の構成について説明する。
図14は、第1交換試薬選出画面W5の表示例を示す説明図である。ユーザーが、図12に示した第3項目情報画面W4に表示される交換試薬の選出ボタンW4fを押すと、制御部41は、図8〜図10に示した処理を行い、表示部43に第1交換試薬選出画面W5を表示する。
第1交換試薬選出画面W5は、補充リストW5a、取出しリストW5f、選択ボタンW5n、キャンセルボタンW5oを備える。補充リストW5aは、補充チェック項目W5b、項目名W5c、ルーチン回数W5d、残テスト数W5eを備える。取出しリストW5fは、取出しチェック項目W5g、位置W5h、項目名W5i、残テスト数W5j、コストW5k,診断W5mを備える。
補充リストW5aには、試薬を補充する必要がある、又はユーザーが試薬の補充を指定する測定項目がリスト表示される。図10のステップS43にて補充候補となった測定項目と、この測定項目の関連試薬がリスト表示される。
補充チェック項目W5bには、ユーザーが補充を実施するかどうかを指定するためのチェックボックスが配置される。図10のステップS44にて仮選出した測定項目のチェックボックスにはチェックが入る。仮選出されていない測定項目のチェックボックスは、チェックが外れている。
項目名W5cには、試薬を補充する測定項目の名称が表示される。
ルーチン回数W5dには、図10の操作手順42にて、残テスト数W5eに格納された残テスト数を、図13Aに示す1日当たりのテスト数T1bに格納された設定値で割った残ルーチン回数が格納される。残ルーチン回数の小数点第2以下は切り捨てられる。そして、補充リストW5aに格納される各項目は、ルーチン回数W5dに格納された残ルーチン回数が少ない順にソートして表示される。
残テスト数W5eには、図10のステップS41にて算出された各測定項目の試薬容器の残テスト数が格納される。上述したように、残テスト数は、図13Bの残テスト数T2cに格納される残テスト数を測定項目毎に集計した値である。なお、取出しリストW5fの取出しチェック項目W5gにチェックが入れられ、取出しが仮選出された試薬容器の残テスト数は、残テスト数W5eに格納される残テスト数に加算されない。これは、試薬が取出されると、この試薬を使ってテストできないからである。
取出しリストW5fには、試薬トレイ1から取り出す必要がある試薬容器、又はユーザーが取出しを指定した試薬容器がリスト表示される。図10のステップS48にて取出し候補として仮選出された試薬容器が、ステップS49にて取出しリストW5fにリスト表示される。なお、取出しリストW5fのタイトル横にあるラジオボタンにてテスト数重視が選択されたときは、残テスト数W5jに格納された残テスト数の値で昇順に表示され、コスト重視が選択されたときはコストW5kに格納されたコストの値で昇順に表示される。ただし、試薬トレイ1に空きがある場合、項目名に「空き」と格納され、この項目が最も上に表示される。
取出しチェック項目W5gには、ユーザーが試薬の取出しを実施するか否かを指定するためのチェックボックスが配置される。図10のステップS48にて仮選出された試薬容器のチェックボックスにはチェックが入る。仮選出されていない試薬容器のチェックボックスはチェックが外れている。また、ユーザーが操作部44を操作して試薬容器の仮選出を指定したときはチェックボックスにチェックが入り、ユーザーが仮選出から外したときはチェックボックスからチェックが外れる。このようにユーザーがチェックボックスを選択する度に、取出しチェック項目W5gの表示が変わる。
位置W5hには、試薬容器が置かれている試薬トレイ1内の位置番号が格納される。本実施の形態では試薬トレイ1の最大架設数を8個としているため、「1」〜「8」のいずれかの値が位置W5hに格納される。
項目名W5iには、試薬容器に収容された試薬を使用してテストされる項目の項目名が格納される。
残テスト数W5jには、試薬容器に残っている試薬を用いてテスト可能な残テスト数が格納される。生化学分析装置1において実施されるテストでは、試薬容器から反応容器26に試薬が分注されるたびに、残テスト数から「1」ずつ減じられた値が残テスト数W5jに格納される。ただし、有効期限が切れている試薬容器は、残テスト数が「0」として残テスト数W5jに格納される。
コストW5kには、生化学分析装置1から試薬を取出して廃棄したときの損失コストの値が格納される。なお、残テスト数W5jに格納される残テスト数に、図13Aに示した1テストあたりのコストT1cに格納されるコストを乗じた値が損失コストとして算出される。例えば、「AST」であれば、図13aの表T1より、1テストあたりのコストが「4」であるため、「AST」の残テスト数である「55」に「4」を掛けた「220」がコストW5kに格納される。
診断W5mには、例えば、「期限切れ」、「空」、「期限切れ間近」等といった試薬容器の附則情報が表示される。
選択ボタンW5nは、交換する試薬を確定するために用いられる。ただし、図8のステップS25に示したように補充チェック項目W5b又は取出しチェック項目W5gのチェックボックスにユーザーがチェックを入れて仮選出された交換試薬容器の変更を指示すると、選択ボタンW5nの「確定」と表示されたボタン名が「再選出」に変更して表示される。そして、ユーザーが、「再選出」と表示された選択ボタンW5nを押すと、図8〜図10に示した処理が再び行われる。
キャンセルボタンW5oは、第1交換試薬選出画面W5の表示を終了して、元の図12に示した第3項目情報画面W4に戻るために用いられる。
<第1交換試薬選出画面の操作例>
次に、第1交換試薬選出画面W5の操作例について、図13〜図16を参照して操作手順1〜8で説明する。上述したように処理の開始時点において、仮選出された補充及び取出す試薬の数は「0」とする。
(操作手順1)
図10のステップS44にて仮選出される残ルーチン回数が1.0未満の測定項目は、図13Cの表T3に示したように「Fe」、「UA」、「CRP」の3項目である。ここで、図13Bの表T2に示すように、位置「4」は空きであり、位置「7」は、項目名が「Fe」である期限切れの試薬容器があるため、位置「4」、「7」の2つが空き位置の候補となる。しかし、補充候補として仮選出される測定項目が3項目であることから、交換を要する試薬容器の数は3個必要となる。このため、試薬トレイ1からコストが「0」の項目の位置を取出し候補としても、取出しリストW5fに示すように空き位置は「4」、「7」の2つしかない。そこで、図10のステップS48では、図14のコストW5kに示されるコストが「0」の次点である項目名が「AST」であり、位置「2」の試薬容器が1つ仮選出される。
操作手順1では、図9にてステップS31,S32を経た後、1回目のステップS33では、図10のステップS47の前に仮選出された補充及び取出す試薬の数が「0」であるのに対し、ステップS47の後に仮選出された補充及び取出す試薬の数が「3」となる。ステップS47の前後で仮選出された試薬容器の数が異なるため(S33のYES)、ステップS32にて制御部41により再び補充する又は取出す試薬の仮選出が行われる。
2回目のステップS33では、図10のステップS47の前に仮選出された取出す試薬の数が「3」であるのに対し、ステップS47の後に仮選出された取出す試薬の数が「4」となる。これは、図14では、取出し候補として仮選出されていなかった位置「6」の試薬容器が、図15Aに示すように取出し候補の仮選出に追加されたためである。
この理由として、1回目の図10のステップS44では、「AST」が取出し候補に仮選出されていないため、図13Bの表T2に示すように「AST」の残テスト数は、「397(=342+55)」であり、「AST」の残ルーチン回数は、「1.1(=397/350)」であった。しかし、2回目の図10のステップS44では、残テスト数が「55」であり、位置が「2」の「AST」が取出し候補に仮選出されたため、「AST」の残テスト数は、「342(=397−55)」となる。そして、「AST」の残ルーチン回数は、1.0未満である「0.9(=342/350)」となり、図14に示すように補充チェック項目W5bのチェックボックスにチェックが入る。この結果、ステップS47の前後で仮選出された試薬容器の数が異なるため(S33のYES)、ステップS32にて再び補充する又は取出す試薬の仮選出が行われる。
3回目のステップS33では、図10のステップS47の前に仮選出された試薬容器の数が「4」であるのに対し、ステップS47の後に仮選出された試薬容器の数が「4」となる。
この理由として、1回目のステップS44では、「CRP」が取出し候補に仮選出されていないため、図13Bの表T2に示すように「CRP」の残テスト数は、「165(=112+53)」であり、「CRP」の残ルーチン回数は、「0.9(=165/175)」であるため「CRP」の補充が必要である。また、2回目のステップS44では、残テスト数が「53」であり、位置が「6」の「CRP」が取出し候補に仮選出されたため、「CRP」の残テスト数は、「112(=165−53)」となる。そして、「CRP」の残ルーチン回数は、「0.6(=112/175)」となるため、図14に示すように補充チェック項目W5bのチェックボックスにチェックが入る。ここで、残ルーチン回数が「0.9」から「0.6」に変わっても、「CRP」を取出し候補とすることは変わらないので、取出し候補に仮選出された試薬容器の数が4個となる。このようにステップS47の前後で仮選出された試薬容器の数が同一であるため(S33のNO)、図9のステップS34に進む。
(操作手順2)
ここで、ユーザーが補充リストW5aの「AST」の測定項目を補充する候補から外すため、図15Aに示すように補充チェック項目W5bのチェックボックスからチェックを外すと、補充リストW5aの「AST」は、図15Aに示すように強調して表示される。このとき、「AST」は、ルーチン回数が1.0未満であるにも関わらず、ユーザーが意図的に補充する対象から外しているため、ルーチン回数W5dには、注意マーク([!])が表示される。また、補充リストW5aをユーザーが変更したため、選択ボタンW5nのボタン名は、「確定」から「再選出」に変更して表示される。これは、補充する又は取出す試薬の仮選出を再度やり直す必要があることをユーザーに喚起するためである。
(操作手順3)
操作手順2で、「再選出」が表示された選択ボタンW5nをユーザーが選択すると、操作手順1と同様に図8のステップS12に示した交換試薬の選出処理が行われ、図15Bに示すように第1交換試薬選出画面W5の表示が変わる。補充リストW5aで選出される測定項目が「Fe」、「UA」、「CRP」の3つに減ったため、「CRP」の補充チェック項目W5bのチェックボックスからチェックが外れ、取出しリストW5fに示すように位置「6」にある「CRP」の試薬容器が取出し候補の仮選出から外れる。
4回目のステップS33では、図10のステップS47の前後で仮選出された取出す試薬の数は「4」から「3」となる。上述したように位置「6」にある「CRP」の試薬容器が取出し候補の仮選出から除外されたためである。ここで、「CRP」の試薬容器の一つを取り出さずに済むため、残テスト数が「165(=112+53)」となり、残ルーチン回数が図15Aに示す「0.6」から、図15Bに示す「0.9(=165/175)」となる。その後、図10のステップS41に戻って処理が行われる。
5回目のステップS33では、図10のステップS47の前後で仮選出された取出す試薬の数は「3」から「3」となる。つまり、仮選出された試薬数が同一となるため、図9のステップS34に進む。
(操作手順4)
操作手順3で、取出しリストW5fにて位置「1」の試薬容器が取出し候補に仮選出されたとする。このとき、ユーザーが取出しチェック項目W5gのチェックボックスにチェックを入れると、図16Cに示すように第1交換試薬選出画面W5の表示が変わる。例えば、取出しリストW5Fでは、「Ca」の項目のチェックボックスにチェックが入れられている。ユーザーが取出しリストW5fを変更したため、図15Bで「確定」が表示された選択ボタンW5nのボタン名は、図16Cでは、「再選出」に変更して表示される。
(操作手順5)
操作手順4で、ユーザーが「再選出」が表示された選択ボタンW5nを押すと、操作手順1と同様に図8のステップS12に示される交換試薬の選出処理が行われ、図16Dに示すように第1交換試薬選出画面W5の表示が変わる。図16Dでは、取出しリストW5fで選出された試薬容器が4つに増えた(位置「1」の試薬容器が取出し候補の仮選出に追加)影響により、補充リストW5aには「Ca」の項目が追加される。
6回目のステップS33では、図10のステップS47の前後で仮選出された試薬容器の数は「3」から「4」となる。これは、「Ca」の項目であり位置「1」の試薬容器が取出す候補に追加されたためである。「Ca」の試薬容器が全て取出し候補として選出されたことにより、「Ca」による測定は行えなくなる。このため、補充リストW5aに示す「Ca」のルーチン回数が「6.3」から「0.0」となり、補充リストW5aに仮選出された補充する試薬が表示されるが、試薬トレイ1に必要な空き位置の数は「4」のままである。その後、図10のステップS41に戻って処理が行われる。
7回目のステップS33では、図10のステップS47の前後で仮選出された試薬容器の数は「4」から「4」となる。つまり、仮選出された試薬数は同一となるため、S13に進む。
(操作手順6)
操作手順5で、ユーザーが「確定」が表示された選択ボタンW5nを押すと、図17に示す第2交換試薬選出画面W6が表示される。
図17は、第2交換試薬選出画面W6の表示例を示す説明図である。第2交換試薬選出画面W6は、補充する試薬容器リストW6a、取出す試薬容器リストW6e、出力ボタンW6i、閉じるボタンW6jを備える。そして、補充する試薬容器リストW6aは、項目番号W6b、項目名W6c、試薬トレイ1位置W6dを備える。また、取出す試薬容器リストW6eは、試薬トレイ1における位置W6f、項目名W6g、診断W6hを備える。
項目番号W6bは、項目名に紐付けられた項目番号を示す。
項目名W6cは、項目名を示す。
試薬トレイ1位置W6dは、試薬容器を試薬トレイ1に補充する試薬の位置を示す。
位置W6fは、試薬トレイ1に架設されている取出す試薬の位置を示す。
項目名W6gは、取出す試薬の項目名を示す。
診断W6hは、試薬容器毎の診断情報を表示する。
このように補充する試薬容器リストW6aには、補充が確定した項目情報(項目名、試薬トレイ1に架設可能な位置)が表示される。取出す試薬容器リストW6eには、取出しが確定した試薬容器情報(位置、項目名、診断情報)が表示される。そして、ユーザーが出力ボタンW6iを選択すると、図18に示す出力先指定画面W7が表示される。ユーザーが閉じるボタンW6jを選択すると、第2交換試薬選出画面W6の表示が終了し、図12に示した第3項目情報画面W4に戻って表示される。
(操作手順7)
図18は、出力先指定画面W7の表示例を示す説明図である。
出力先指定画面W7は、交換試薬の項目情報を試薬情報リストとして出力可能な出力先を指定するために用いられる。プリンター選択項目W7a、E−mail選択項目W7b、端末ID選択項目W7c、OKボタンW7d、キャンセルボタンW7eを備える。
プリンター選択項目W7aにより、出力先としてプリンターの種類を選択可能となる。
E−mail選択項目W7bにより、出力先として電子メールの宛先を選択可能となる。
端末ID選択項目W7cにより、出力先としてPC等の端末のID等を選択可能となる。
OKボタンW7dにより、ユーザーが選択した出力先にリストを出力する指示を与えることができる。
キャンセルボタンW7eにより、出力先指定画面W7の表示を中止し、元の第2交換試薬選出画面W6を表示することができる。
図18の例では、ユーザーがプリンター選択項目W7aにて「プリンターXX」を選択し、OKボタンW7dを押すことにより、プリンターXXから試薬情報リストを印刷することが可能である。この試薬情報リストは、例えば、図17の第2交換試薬選出画面W6に表示された項目情報が複製して印刷されたものである。そして、ユーザーは、印刷された試薬情報リストを携帯して試薬が保管されている貯蔵庫に行き、試薬情報リストを閲覧しながら補充する試薬(「Fe」、「Ca」、「CRP」、「UA」)の試薬容器を出庫することができる。
(操作手順8(試薬交換後))
操作手順6に従って、図13Cの表T3に示す試薬情報の試薬トレイ1に対して、試薬容器を交換した結果が図19に示す表T4に反映して表示される。表T4は、図13Bに示した表T3と同様の構成としている。このため、表T4が備える位置T4a、項目名T4b、残テスト数T4c、診断T4dについては詳細な説明を省略する。
表T4は、位置T4aの位置順にソートして各項目を表示している。上述した操作手順1〜8にて試薬(「Fe」、「Ca」、「CRP」、「UA」)の試薬容器が補充されたことにより、補充された試薬容器の項目に該当する残テスト数T4cには「新品」と表示される。このため、当日のルーチンにおいて、これらの項目の試薬切れを発生させずにすむ。
以上説明した一実施の形態に係る生化学分析装置1では、残ルーチン回数に応じて、生化学分析装置1に補充する試薬と、生化学分析装置1から取出す試薬とを選出し、適切に試薬を交換することができる。この結果、1日のルーチン中に試薬容器が空になりにくく、分析停止が発生しない。また、分析停止に伴い、医師や患者への結果報告が遅れる事態を避けることができる。また、取出す試薬の数と、補充する試薬の数とが同一となるため、生化学分析装置1を効率的に運用することができる。
また、ルーチンの開始前には、仮選出された補充する又は取出す試薬が画面に表示されており、ユーザーは任意の試薬容器を補充する又は取出す試薬として変更することができる。そして、変更された試薬容器により、改めて補充する又は取出す試薬が仮選出される。これによりユーザーは、最終的に補充する又は取出す試薬が確定するまで任意の試薬で補充する又は取出す試薬を変更し、最適な試薬を確定することができる。
また、画面に表示された補充リストW5a及び取出しリストW5fの内容が試薬情報リストに複製される。このため、試薬交換が不慣れなユーザーであっても、交換すべき試薬容器を貯蔵庫から取出し、試薬容器を効率よく交換できるため、生化学分析装置1の効率が向上する。
また、試薬トレイから取出される試薬は、残テスト数、コスト、診断情報に基づいて効率的に選出される。このため、ユーザーは、試薬トレイに架設された多数の試薬容器から1個ずつ試薬情報を確認する必要がなく、試薬交換作業を効率的に行うことができる。また、取出される試薬は、コストに基づいて選出されるため、試薬の廃棄を低減することで、生化学分析装置1の運用コストを抑制できる。
なお、図13以降の説明では、1台の試薬トレイ1(第1ターンテーブル4)について説明したが、複数の試薬トレイ(第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5)について同様に補充する試薬と取出す試薬を仮選出してもよい。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…生化学分析装置、4…第1ターンテーブル、5…第2ターンテーブル、24…第1試薬容器、25…第2試薬容器、40…制御装置、41…制御部、42…記憶部、43…表示部、44…操作部

Claims (6)

  1. 測定項目毎に試薬が収容された試薬容器が架設される試薬容器保持部と、
    前記試薬と検体とが分注される反応容器が架設される反応容器保持部と、
    前記反応容器に収容された前記検体と前記試薬とが混合された混合液の吸光度を測定する測定部と、
    前記測定部によって前記吸光度が測定される作業日のルーチン回数に基づき、前記試薬容器保持部に架設される前記試薬容器から取出される前記試薬容器の候補を選出するための第1条件に応じて取り出される前記試薬容器の数と、前記試薬容器保持部に補充される新たな試薬容器の候補を選出するための第2条件に応じて補充される前記試薬容器の数とが変わらない定常状態となるように、取出される前記試薬容器と、補充する前記試薬容器とを選出する制御部と、
    前記制御部によって特定された取出される前記試薬容器と、補充する前記試薬容器に関する情報を出力する出力部と、を備える
    自動分析装置。
  2. 前記制御部は、前記試薬容器保持部に架設される前記試薬容器のうち、前記作業日のルーチン回数に満たない前記測定項目に用いられる前記試薬が収容された前記試薬容器を優先して補充する又は取出す候補として選出する
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記制御部は、前記試薬容器保持部に架設される前記試薬容器のうち、前記試薬容器を廃棄するときのコストが少ない前記試薬容器を優先して補充する又は取出す候補として選出する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  4. さらに、前記出力部に出力された取出される前記試薬容器に関する情報と、補充する前記試薬容器に関する情報に基づいて、補充する又は取出される前記試薬容器を変更する操作部を備える
    請求項2又は3に記載の自動分析装置。
  5. 前記第1条件は、少なくとも前記測定項目の残テスト数、前記測定項目の残ルーチン回数、取出し候補として選出された前記試薬容器のいずれか一つを含み、前記第2条件は、少なくとも前記試薬容器保持部における前記試薬容器の空き位置数、前記試薬の期限、前記試薬容器に収容されている前記試薬の残量、前記試薬容器の認識エラー、廃棄される前記試薬の損失コスト、補充候補として選出された前記試薬容器のいずれか一つを含む
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  6. 前記出力部には、取出される前記試薬容器に関する情報として、前記試薬容器が架設される位置、前記試薬容器に収容される前記試薬の測定項目名、前記試薬容器に収容される前記試薬を用いて可能なテストの残テスト数、前記試薬容器を廃棄したときの損失コストが表示される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動分析装置。
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